説明

パイプ深曲げの同時成形金型

【課題】曲げパイプの成形には、機械でも手作業でも多工程を要してしまう。
【解決手段】固定型1及び可動型2を対向配置し、固定型1の波形状の対向面3における、上記直管部位P2に連続する曲げ部R1を形成する凸曲面部5に、接線方向に長い傾斜面部11を連続形成して、固定型1における長い傾斜面部11が形成された側の側端部を、対向する可動型2の側端部より突出させ、可動型2に、前記長い傾斜面部11の対向位置に配設した、型締め時に上記直管部位P2を押圧可能な押圧体15と、該押圧体15を対向する固定型1又は可動型2に対する相対移動方向へ進退させる手段16とを設ける。型締め段階では進行状態で突出する押圧体15を待機状態では後退させておくことで、固定型1及び可動型2により所望形状に曲げ、押圧体15により長い直管部位P2を確実に長い傾斜面部11に押圧することによって、スプリングバックのない曲げパイプPを一回のプレスで成形可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直管であるパイプ基材を、一回のプレス成形で2次元形状に曲げられる様にしたパイプ深曲げの同時成形金型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、直管であるパイプ基材をプレス成形により曲げ加工するには、多段階に分けて曲げ加工を行えば確実に可能であり、例えば本願出願人は、複数個の金型を並列設置した1台のサーボプレス機の前方に、パイプを金型にセットする1台の多関節式ロボットアームを配設し、サーボプレス機のプレス速度を遅くすると共に下死点で所定時間停止する様に制御することによって、加工後のパイプの姿勢を維持可能にし、且つスプリングバック現象の影響を最小限に抑えることが出来る様にした自動曲げ加工装置を開発した(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−136890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来技術にあっては、パイプ基材を3次元形状に段階的に随時変形させて、複雑な形態に加工することを主目的として開発されたものであることから、例えば図3、5、7に示す緩い蛇行形状の様な単純な2次元形状に曲げ加工することは可能であるが、高機能過ぎて使用しないのが実情で、実際には、手作業で複数の金型に順次セットして曲げ加工しているため、甚だ効率が悪いなど、解決せねばならない課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記従来技術に基づく、機械でも手作業でも多工程を要してしまう課題に鑑み、対向配置された固定型及び可動型の波形状の対向面における、上記直管部位に連続する曲げ部を形成する凸曲面部に、接線方向に長い傾斜面部を連続形成して、この固定型及び/又は可動型の長い傾斜面部が形成された側の側端部を、対向する固定型及び/又は可動型の側端部より突出させ、上記直管部位に連続する曲げ部を形成する凹曲面部を有する固定型及び/又は可動型に、前記長い傾斜面部の対向位置に配設した、型締め時に上記直管部位を押圧可能な押圧体と、該押圧体を対向する固定型又は可動型に対する相対移動方向へ進退させる手段とを設け、型締め段階では進行状態で突出する、曲げパイプにおける長い直管部位の押圧部位である押圧体を、待機状態では後退させておくことで、固定型及び可動型により所望形状に曲げ、押圧体により長い直管部位を確実に長い傾斜面部に押圧することによって、スプリングバックのない曲げパイプを一回のプレスで成形可能にして、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0006】
要するに本発明は、対向配置された固定型及び可動型を有し、これらの波形状の対向面における、上記直管部位に連続する曲げ部を形成する凸曲面部に、接線方向に長い傾斜面部を連続形成して、この固定型及び/又は可動型の長い傾斜面部が形成された側の側端部を、対向する固定型及び/又は可動型の側端部より突出させているので、固定型及び可動型だけでもパイプ基材を所望形状に曲げ加工することが出来る。
又、前記直管部位に連続する曲げ部を形成する凹曲面部を有する固定型及び/又は可動型に、前記長い傾斜面部の対向位置に配設した、型締め時に上記直管部位を押圧可能な押圧体と、該押圧体を対向する固定型又は可動型に対する相対移動方向へ進退させる手段とを設けたので、固定型及び可動型では長い傾斜面部に長い直管部位を押圧出来ないが、当該部位の押圧体は、型開き時には後退状態で、曲げ加工が開始する、即ち押圧体を有する固定型及び/又は可動型の対向面がパイプ基材に当たる時でも押圧体はパイプ基材に当たらないため、固定型又は可動型により確実に曲げ加工することが出来る。
更に、押圧体は、型締め段階では進行状態で突出して、曲げパイプにおける長い直管部位を押圧するため、かかる金型によれば、一回のプレスでスプリングバックのない曲げパイプを成形することが出来る。
【0007】
押圧体の進退手段は、押圧体を設けた固定型及び/又は可動型に軸着した揺動板を有し、該揺動板は前記可動型の進退に応じて往復揺動し、この揺動板の可動型の側端部より突出状態の先端部に押圧体を固設したので、簡単な機構で押圧体を進退させることが出来、而も押圧体は、それを設けた固定型及び/又は可動型に対し、待機時には離間且つ後退状態で、型締め時には近接且つ進行状態となる様に移動させることが出来るため、押圧体の下端部を鉤状に形成すれば、その突出部位を固定型及び/又は可動型と長い傾斜面部との間に入り込ませることが出来るため、長い直管部位を、それと連続する曲げ部に近い部位で押圧することが出来るため、より確実にスプリングバックのない曲げパイプに成形することが出来る。
【0008】
揺動板の基端部に、対向する固定型及び/又は可動型側へ突出する操作板を一体形成し、該操作板の先端面を、対向する固定型及び/又は可動型に設けたストッパへの当接部としたので、簡易な構造で可動型のプレス圧をそのまま押圧体に作用させることが出来るため、他動力を設けずに確実に成形することが出来る。
【0009】
固定型の対向面を、セットされるパイプ基材が複数箇所で当接可能に形成したので、パイプ基材を安定姿勢で固定型にセットすることが出来、可動型の対向面を、固定型にセット状態のパイプ基材に複数箇所が同時に当接可能に形成したので、安定姿勢でセットされたパイプ基材を安定姿勢のまま曲げ加工を開始することが出来る等その実用的効果甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1(a)】本発明に係るパイプ深曲げの同時成形金型の実施例1にパイプ基材をセットした状態を示す正面図である。
【図1(b)】本発明に係るパイプ深曲げの同時成形金型の実施例1の型締め状態を示す正面図である。
【図2】パイプ深曲げの同時成形金型の実施例1の正面要部拡大図である。
【図3】パイプ深曲げの同時成形金型の実施例1により成形される曲げパイプの正面図である。
【図4】本発明に係るパイプ深曲げの同時成形金型の実施例2にパイプ基材をセットした状態を示す正面図である。
【図5】図4の成形金型により成形される曲げパイプの正面図である。
【図6】本発明に係るパイプ深曲げの同時成形金型の実施例3にパイプ基材をセットした状態を示す正面図である。
【図7】図6の成形金型により成形される曲げパイプの正面図である。
【図8(a)】本発明に係るパイプ深曲げの同時成形金型の実施例4にパイプ基材をセットした状態を示す正面図である。
【図8(b)】本発明に係るパイプ深曲げの同時成形金型の実施例4の型締め状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係るパイプ深曲げの同時成形金型で成形される曲げパイプPにあっては、基本的に、複数の曲げ部R1、R2…が連続形成された緩い蛇行形状の、言い換えれば波長の長い正弦波形状の曲げ管部位P1と、上記曲げ部R1、R2…における曲げ管部位P1のどちらか一端側又は両端側のものの接線方向方向に連続形成された長寸な直管部位P2とを有している。
【0012】
そして、上記曲げパイプPをプレス成形する金型にあっては、対向配置された固定型1及び可動型2を有し、該固定型1及び可動型2の対向面3、4は、型締め時に一定間隔の隙間を有する波形状に形成している。
【0013】
固定型1の対向面3は一端側より凸曲面部5(、5a…)と凹曲面部6(、6a…)を交互に形成し、中央長手方向にパイプ溝7を形成している。
【0014】
可動型2の対向面4一端側より上記凸曲面部5(、5a…)に対する凹曲面部8(、8a…)と、上記凹曲面部6(、6a…)に対する凸曲面部9(、9a…)を交互に形成し、中央長手方向にパイプ溝10を形成している。
【0015】
又、対向面3、4における、曲げパイプPにおける曲げ部R1、R2…のうちで長い直管部位P2に連続するものを形成するための凸曲面部5(、5a…)、9(、9a…)には、接線方向に長い傾斜面部11、12が連続形成されている。
【0016】
又、可動型2の対向面4における固定型1の対向面3の長い傾斜面部11の対向位置及び固定型1の対向面3における可動型2の対向面4の長い傾斜面部12の対向位置に短い傾斜面部13、14が形成され、該短い傾斜面部13、14は、曲げパイプPにおける曲げ部R1、R2…のうちで長い直管部位P2に連続するものを形成するための凹曲面部6(、6a…)、8(、8a…)の接線方向に連続形成されている。
【0017】
固定型1又は可動型2のうち、曲げパイプPにおける曲げ部R1、R2…のうちで長い直管部位P2に連続するものを形成するための凹曲面部6(、6a…)又は8(、8a…)を有する方に、型締め時に長い直管部位P2を押圧する押圧体15と、該押圧体15を進退させる手段16を設け、該進退手段16より押圧体15を、可動型2の往動に伴い、対向する固定型1又は可動型2に対する相対移動方向に徐々に進行するか型締め後に進行して、長寸な直管部位P2を押圧することで、スプリングバックの無い曲げパイプPを成形可能にしている。
以下、具体的に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1(a)、(b)に示すパイプ深曲げの同時成形金型の実施例1は、図3に示す、3つの曲げ部R1、R2、R3を有する曲げ管部位P1と、一端側(図面上、左端側)の曲げ部R1に連続形成された長寸な直管部位P2とを有する曲げパイプPをプレス成形するためのものである。
【0019】
固定型1の対向面3は一端側(図面上、左端側)より傾斜面部11、凸曲面部5、凹曲面部6、凸曲面部5aが連続形成されたものとし、且つ2個の凸曲面部5、5aは、頂点が同レベルに揃えられ、このレベルラインから突出しない様に対向面3を形成し、且つ前記レベルラインは可動型2の移動方向に対し直角とするのが好ましい。
固定型1の一端部は可動型2の一側端面より突出し、この突出部位の対向位置に、後述する押圧体15を配置している。
【0020】
可動型2の対向面4は一端側(図面上、左端側)より短い傾斜面部13、凹曲面部8、凸曲面部9、凹曲面部8aが連続形成され、且つ対向面4における傾斜面部13より外側部位の幅狭な水平面部17と凸曲面部9の頂点が同レベルに揃えられたものとし、このレベルラインから突出しない様に対向面4を形成し、且つ前記レベルラインは可動型2の移動方向に対し直角とするのが好ましい。
【0021】
進退手段16は、可動型2の一端側(図面上、左端側)に設けられ、可動型2の正面に軸着した揺動板19と、該揺動板19の基端部に一体形成された、固定型1側へ突出する操作板21とを有し、揺動板19の可動型2の一側部より突出状態の先端部に押圧体15を固設し、操作板21の先端面を、固定型1に設けたストッパ22への当接部23とし、該当接部23は可動型2の外側より内側方向且つ固定型1側への傾斜面としている。
又、押圧体15は、待機状態において可動型2の移動方向且つ外側に傾斜した状態で揺動板19に固設され、型締め時に可動型2の進行方向に対し平行となる様に、揺動板19、操作板21及びストッパ22の形状及び位置が設定されている。
【0022】
尚、図面上、揺動板19と操作板21は1枚の板材であるが、かかる形態に限定せず、揺動板19と操作板21で概ねへの字形を呈していれば複合材であっても良く、操作板21がストッパ22への当接に伴い可動型2の移動方向とは反対側に揺動することで、揺動板19が可動型2の移動方向側に揺動すれば良い。
【0023】
押圧体15の先端面に、型締め状態において固定型1の傾斜面部11と平行で、可動型2の一端側の凹曲面部8の接線上に位置する押圧面24を形成し、該押圧面24にパイプ溝25を形成している。
又、押圧体15の先端部を、可動型2側への突出部位26を有する鉤形状に形成し、且つこの先端部に上記押圧面24を形成し、この逆三角形状の突出部位26が、型締め状態において可動型2の水平面部17と固定型1の傾斜面部11との間に入り込む様にしている。
【0024】
尚、可動型2における一側端面と水平面部17との間の角部に面取り部27を形成して、押圧体15の押圧面24をなるべく傾斜面部13に近接させることを可能にしている。
【0025】
そして、可動型2の往動中に可動型2の対向面4における水平面部17と凸曲面部9が、固定型1にセット状態のパイプ基材Wに同時に当接して曲げ加工が開始し、操作板21の当接部23がストッパ22に当接した時点から、揺動板19が揺動を開始し、傾斜状態の押圧体15が徐々に起立する様に可動型2に近接方向且つ可動型2の進行方向に進行して、型締め時、即ち可動型2が停止した時点で可動型2の進行方向に対し平行になり、この押圧体15により加工された曲げパイプPの直管部位P2が、固定型1の傾斜面部11に押さえ付けられる。
【0026】
進退手段16は、待機位置に自動復帰可能に配設され、具体的には、引張バネ28の一端を可動型2に、他端を揺動板19の中間部に固定し、可動型2に揺動板19のストッパ29を設け、該ストッパ29は待機状態における揺動板19が可動型2の進行方向に対し直角か、或いは若干固定型1側へ傾斜状態となる様に配置され、且つ待機状態における引張バネ28を若干伸長状態として、揺動板19をストッパ29に押圧状態としている。
【実施例2】
【0027】
図4に示すパイプ深曲げの同時成形金型の実施例2は、図5に示す、3つの曲げ部R1、R2、R3を有する曲げ管部位P1と、両端側(図面上、左端側)の曲げ部R1、R3に連続形成された長寸な直管部位P2、P2とを有する曲げパイプPをプレス成形するためのものである。
【0028】
固定型1の対向面3は一端側(図面上、左端側)より長い傾斜面部11、凸曲面部5、凹曲面部6、凸曲面部5a、長い傾斜面部11が連続形成されたものとし、且つ2個の凸曲面部5、5aは、頂点が同レベルに揃えられ、このレベルラインから突出しない様に対向面3を形成し、固定型1の両端部は可動型2の一側端面より突出している。
又、固定型1の両端部に、上記実施例1と同様のストッパ22、22を設けている。
【0029】
可動型2の対向面4は一端側(図面上、左端側)より短い傾斜面部13、凹曲面部8、凸曲面部9、凹曲面部8a、短い傾斜面部13が連続形成され、且つ対向面4における傾斜面部13、13より外側部位の幅狭な水平面部17、17と凸曲面部9の頂点が同レベルに揃えられたものとし、このレベルラインから突出しない様に対向面4を形成し、この可動型2の両端部に、上記実施例1と同様の押圧体15、15及び進退手段16、16を設けている。
又、可動型2における両側端面と水平面部17、17との間の角部に面取り部27、27を形成している。
【0030】
そして、可動型2の往動中に可動型2の対向面4における水平面部17、17と凸曲面部9が、固定型1にセット状態のパイプ基材Wに同時に当接して曲げ加工が開始し、進退手段16、16の操作板21、21の当接部23、23が、固定型1のストッパ22、22に当接した時点から、揺動板19、19が揺動を開始し、傾斜状態の押圧体15、15が徐々に起立する様に可動型2に近接方向且つ可動型2の進行方向に進行して、型締め時、即ち可動型2が停止した時点で可動型2の進行方向に対し平行になり、この押圧体15、15により加工された曲げパイプPの直管部位P2、P2が、固定型1の長い傾斜面部11、11に押さえ付けられる。
【実施例3】
【0031】
図6に示すパイプ深曲げの同時成形金型の実施例3は、図7に示す、2つの曲げ部R1、R2を有する曲げ管部位P1と、両端側(図面上、左端側)の曲げ部R1、R2に連続形成された長寸な直管部位P2、P2とを有する曲げパイプPをプレス成形するためのものである。
【0032】
固定型1の対向面3は一端側(図面上、左端側)より長い傾斜面部11、凸曲面部5、凹曲面部6、短い傾斜面部14が連続形成されたものとし、且つ対向面3における傾斜面部14より外側部位の幅狭な水平面部18と凸曲面部5の頂点が同レベルに揃えられたものとし、このレベルラインから突出しない様に対向面3を形成し、固定型1の両端部は可動型2の一側端面より突出している。
又、固定型1の一端部に上記実施例1と同様のストッパ22を、他端部に上記実施例1と同様の押圧体15及び進退手段16を設けている。
又、固定型1における他側端面と水平面部18との間の角部に面取り部30を形成している。
【0033】
可動型2の対向面4は一端側(図面上、左端側)より短い傾斜面部13、凹曲面部8、凸曲面部9、長い傾斜面部12が連続形成され、且つ対向面4における傾斜面部13より外側部位の幅狭な水平面部17と凸曲面部9の頂点が同レベルに揃えられたものとし、このレベルラインから突出しない様に対向面4を形成し、この可動型2の一端部に上記実施例1と同様の押圧体15及び進退手段16を、他端部に上記実施例1と同様のストッパ22を設けている。
又、可動型2における一側端面と水平面部17との間の角部に面取り部27を形成している。
【0034】
そして、可動型2の往動中に可動型2の往動中に可動型2の対向面4における水平面部17と凸曲面部9が、固定型1にセット状態のパイプ基材Wに同時に当接して曲げ加工が開始し、進退手段16、16の操作板21、21の当接部23、23が、対応するストッパ22、22に当接した時点から、揺動板19、19が揺動を開始し、傾斜状態の押圧体15、15が徐々に起立する様に固定型1及び可動型2に近接方向且つ対向する固定型1又は可動型2の方向に進行して、型締め時、即ち可動型2が停止した時点で可動型2の進行方向に対し平行になり、この押圧体15、15により加工された曲げパイプPの直管部位P2、P2が、固定型1及び可動型2の長い傾斜面部11、12に押さえ付けられる。
【実施例4】
【0035】
図8(a)、(b)に示すパイプ深曲げの同時成形金型の実施例4は、上記実施例1と同様の固定型1及び可動型2を有するが、押圧体15及び該押圧体15の進退手段16が異なっている。
具体的には、可動型2の一端面(図面上、左側の端面)に押圧体15及び進退手段16を配置し、進退手段16はシリンダーでそのロッドの先端に押圧体15を装着して、該押圧体15をを直線的に進退自在とし、押圧体15の先端に突出部位26はなく、単に押圧面24及びパイプ溝25が形成されている。
【0036】
そして、可動型2の往動中に可動型2の対向面4における水平面部17と凸曲面部9が、固定型1にセット状態のパイプ基材Wに同時に当接して曲げ加工が開始し、押圧体15が徐々に可動型2の進行方向に進行して、型締め時、即ち可動型2が停止した時点で、加工された曲げパイプPの直管部位P2が、固定型1の傾斜面部11に押さえ付けられる。
【符号の説明】
【0037】
1 固定型
2 可動型
3 対向面
4 対向面
5、5a… 凸曲面部
6、6a… 凹曲面部
8、8a… 凹曲面部
9、9a… 凸曲面部
11 長い傾斜面部
12 長い傾斜面部
15 押圧体
16 進退手段
19 揺動板
21 操作板
22 ストッパ
23 当接部
P 曲げパイプ
P1 曲げ管部位
P2 直管部位
R1、R2… 曲げ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の曲げ部が連続形成された緩い蛇行形状の曲げ管部位と、上記曲げ部における曲げ管部位のどちらか一端側又は両端側のものの接線方向方向に連続形成された直管部位とを有する曲げパイプをプレス成形するための金型であって、
対向配置された固定型及び可動型を有し、これらの波形状の対向面における、上記直管部位に連続する曲げ部を形成する凸曲面部に、接線方向に長い傾斜面部を連続形成して、この固定型及び/又は可動型の長い傾斜面部が形成された側の側端部を、対向する固定型及び/又は可動型の側端部より突出させ、上記直管部位に連続する曲げ部を形成する凹曲面部を有する固定型及び/又は可動型に、前記長い傾斜面部の対向位置に配設した、型締め時に上記直管部位を押圧可能な押圧体と、該押圧体を対向する固定型又は可動型に対する相対移動方向へ進退させる手段とを設けたことを特徴とするパイプ深曲げの同時成形金型。
【請求項2】
押圧体の進退手段は、押圧体を設けた固定型及び/又は可動型に軸着した揺動板を有し、該揺動板は前記可動型の進退に応じて往復揺動し、この揺動板の可動型の側端部より突出状態の先端部に押圧体を固設したことを特徴とする請求項1記載のパイプ深曲げの同時成形金型。
【請求項3】
揺動板の基端部に、対向する固定型及び/又は可動型側へ突出する操作板を一体形成し、該操作板の先端面を、対向する固定型及び/又は可動型に設けたストッパへの当接部としたことを特徴とする請求項2記載のパイプ深曲げの同時成形金型。
【請求項4】
固定型の対向面を、セットされるパイプ基材が複数箇所で当接可能に形成し、可動型の対向面を、固定型にセット状態のパイプ基材に複数箇所が同時に当接可能に形成したことを特徴とする請求項1、2又は3記載のパイプ深曲げの同時成形金型。

【図1(a)】
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【図1(b)】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8(a)】
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【図8(b)】
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【公開番号】特開2012−254475(P2012−254475A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130086(P2011−130086)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(391023172)大橋鉄工株式会社 (10)
【Fターム(参考)】