説明

パイプ継手

【課題】既設パイプを接続した場合でも、継手としての基本性能のうちの少なくともパイプ保持性が十分に確保されるパイプ継手を提供すること。
【解決手段】パイプ継手10において、第1のパイプ接続部12が第1のパイプ保持コレット26と、第1のOリング22とを備え、第2のパイプ接続部14が第2のパイプ保持コレット66A及び第2のパイプ保持コレット66Bと、第2のOリング62A及び第2のOリング62Bとを備え、第2のパイプ保持コレット66A及び第2のパイプ保持コレット66Bの夫々のパイプ保持力を第1のパイプ保持コレット26のパイプ保持力よりも小さくしたことで、第2のパイプ接続部14に既設パイプOPを接続した場合でも、継手としての基本性能のうちの少なくともパイプ保持性を十分に確保できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として集合住宅や戸建て住宅の給水・給湯用樹脂配管に用いられるパイプ継手に関し、特には、これらの住宅のリフォーム時における既設のパイプと新品のパイプとの接続に好適に用いられるパイプ継手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、給水・給湯分野ではリフォームの市場(リニューアル・コンバージョンを含む)が大きく伸びてきている。これは、建物自体の躯体の寿命がRC構造であれば100年と想定されるのに対し、給水・給湯用の配管の寿命が30年前後と想定されるため、定期的な交換が必要となるためである。
【0003】
現在、給水・給湯用の配管のリフォームの際は既設の給水・給湯用の配管の根本に既存の給水・給湯用の継手(例えば、特許文献1)を接続して、その先の配管を更新することが多い。
【特許文献1】特開平10-122469号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述した既存の継手は全て、新品のパイプと接続されることを想定して設計されているため、既設のパイプのように経年劣化が進んだパイプに接続した場合に種々の問題を引き起こすことがある。
その一例として、既設パイプは経年劣化が進んでいるため新品パイプ用の継手のパイプ保持部材としてのコレットで既設パイプを保持しようとすると、コレットの爪が食い込みすぎて既設パイプを引きちぎる(損傷させる)虞がある。また、他の例として、既設のパイプには、傷などが付きやすく、また、継手接続前に傷が付いていることもあるため、新品パイプ用継手の耐傷性能では、十分な漏水性を確保することができない。
このため、市場では、既設パイプを接続した場合でも、継手(パイプ継手)としての基本性能(パイプ保持性、漏水性)のうちの少なくともパイプ保持性が十分に確保されるパイプ継手の開発が期待されている。
【0005】
本発明の目的は、上記事実を考慮して、既設パイプを接続した場合でも、継手としての基本性能のうちの少なくともパイプ保持性が十分に確保されるパイプ継手を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の請求項1に係るパイプ継手は、パイプを接続するためのパイプ接続部が複数設けられたパイプ継手において、前記パイプ接続部に設けられて前記パイプを保持するパイプ保持部材の1個当たりのパイプ保持力が、一方の前記パイプ接続部よりも他方の前記パイプ接続部で小さいことを特徴としている。
【0007】
次に請求項1に記載のパイプ継手の作用について説明する。
パイプ継手のパイプ保持部材の1個当たりのパイプ保持力が、一方のパイプ接続部よりも他方のパイプ接続部で小さいことから、例えば、経年劣化した既設パイプをこれらのパイプ接続部に接続した場合に、他方のパイプ接続部のパイプ保持部材は一方のパイプ接続部のパイプ保持部材よりも既設パイプを引きちぎる(損傷させる)虞がない。すなわち、他方のパイプ接続部のパイプ保持部材は一方のパイプ接続部のパイプ保持部材と比べて、既設パイプに対して好適なパイプ保持力を有していると言える。従って、一方のパイプ接続部に新品パイプを接続し、他方のパイプ接続部に既設パイプを接続した場合でも、継手としての基本性能(パイプ保持性、漏水性)のうちの少なくともパイプ保持性を十分に確保できる。
なおパイプ保持性とは、パイプに対して好適なパイプ保持力(パイプの損傷を防止できる程度のパイプ保持力)でパイプ保持部材がパイプを保持することを示している。
【0008】
本発明の請求項2に係るパイプ継手は、請求項1に記載のパイプ継手において、前記他方のパイプ接続部に設けられる前記パイプ保持部材の数が、前記一方のパイプ接続部に設けられる前記パイプ保持部材の数よりも多いことを特徴としている。
【0009】
次に請求項2に記載のパイプ継手の作用について説明する。
他方のパイプ接続部に設けられるパイプ保持部材の数が、一方のパイプ接続部に設けられるパイプ保持部材の数よりも多いことから、他方のパイプ接続部のパイプ保持部材の全パイプ保持力が一方のパイプ接続部のパイプ保持部材の全パイプ保持力よりも大きい、または同じ場合には、他方のパイプ接続部に既設パイプを接続した場合に既設パイプに対してさらに好適なパイプ保持力が得られるとともに、既設パイプを保持するのに十分な全パイプ保持力が確保できる。
【0010】
本発明の請求項3に係るパイプ継手は、請求項1または請求項2に記載のパイプ継手において、前記パイプ接続部の前記パイプ保持部材よりも挿入方向深部側に設けられて前記パイプの外周面に密着して漏水を抑制する止水部材の数が、一方の前記パイプ接続部よりも他方の前記パイプ接続部で多いことを特徴としている。
【0011】
次に請求項3に記載のパイプ継手の作用について説明する。
パイプ接続部に設けられてパイプの外周面に密着して漏水を抑制する止水部材の数が、他方のパイプ接続部よりも一方のパイプ接続部で少ないことから、他方のパイプ接続部は、一方のパイプ接続部よりも漏水性に優れ、既設パイプに対応できる。
【0012】
本発明の請求項4に係るパイプ継手は、請求項3に記載のパイプ継手において、前記他方のパイプ接続部に設けられる複数の前記止水部材が夫々異なる圧縮率を有することを特徴としている。
【0013】
次に請求項4に記載のパイプ継手の作用について説明する。
他方のパイプ接続部に設けられる複数の止水部材が夫々異なる圧縮率を有することから、例えば、複数の止水部材の中でも最も挿入方向深部側の止水部材の圧縮率が他の止水部材よりも圧縮率が小さい場合には、既設パイプの先端側が止水部材によって他の部位よりも圧縮されるため、漏水性がさらに向上する。
【発明の効果】
【0014】
本発明のパイプ継手は、既設パイプを接続した場合でも、継手としての基本性能のうちの少なくともパイプ保持性が十分に確保できるという、優れた効果を備えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[第1の実施形態]
(構成)次に、本発明のパイプ継手の第1の実施形態について図1にしたがって説明する。図1はパイプ継手の部分断面図であり、図中の矢印X方向は、パイプ継手の中心軸方向を示すものである。また、本実施形態では、本発明のパイプ継手10の一方のパイプ接続部(後述する第1のパイプ接続部12)に新品の新品パイプNPを接続し、他方のパイプ接続部(後述する第2のパイプ接続部14)を住宅リフォーム時における給水・給湯用の既設パイプOPの根元に接続している。また、ここで言う、既設のパイプ(以下、既設パイプOP)とは、ある程度経年劣化が進んでいる樹脂パイプを指し、新品のパイプ(以下、新品パイプNP)とは、経年劣化がほとんど進んでいない状態の樹脂パイプを指している。
【0016】
図1に示すように、パイプ継手10は略円筒状であり、矢印X方向の一端側の第1のパイプ接続部12と矢印X方向の他端側の第2のパイプ接続部14とによって構成されている。なお、本実施形態の第1のパイプ接続部12と第2のパイプ接続部14との境界を図1にて二点鎖線で示している。
【0017】
(第1のパイプ接続部)
第1のパイプ接続部12は、略円筒状の第1の継手本体20と、この第1の継手本体20の内部に収納された第1のOリング22、第1のコレット収納部材24及び第1のパイプ保持コレット26等の各部材と、新品パイプNPが挿通する第1のパイプ挿通口28を有し第1の継手本体20の先端側に設けられる第1のキャップ30とを備えている。
【0018】
第1の継手本体20の内周面は、矢印X方向の外側から内側に向けて、第1の大径部32と、第1の大径部32よりも小径な第1の中径部34と、第1の中径部34よりも小径な第1の小径部36とから構成されている。また、第1の大径部32と第1の中径部34とによって第1の外側段差38が形成され、第1の中径部34と第1の小径部36とによって第1の内側段差40が形成されている。
【0019】
また、第1の小径部36の内径は新品パイプNPの外径よりも小径に設定され、第1の中径部34の内径は新品パイプNPの外径よりも大径に設定されている。これにより、新品パイプNPを挿入した際に第1の内側段差40が新品パイプNPの止め部となる。
【0020】
第1の継手本体20の第1の大径部32に円筒状の第1のコレット収納部材24が挿入されている。この第1のコレット収納部材24の矢印X方向外側の端部には第1のコレット収納部材24の径方向外側に突出する第1の外フランジ部42が形成され、矢印X方向内側の端部には第1のコレット収納部材24の径方向内側に突出する第1の内フランジ部44が形成されている。この第1の外フランジ部42の外径は第1の大径部32の内径よりも大径に設定されているため、第1のコレット収納部材24が第1の継手本体20の内側に脱落するのが防止される。
【0021】
また、第1のコレット収納部材24の内側に円筒状の第1のパイプ保持コレット26が挿入されている。第1のパイプ保持コレット26は矢印X方向外側の端部の外周面がテーパー状に傾斜した第1のコレット傾斜面46を有し、内周面が径方向内側に突出する第1の爪部48を有している。この第1のパイプ保持コレット26の外径は、第1のコレット収納部材24の第1の内フランジ部44の内径よりも大径に設定されているため、第1のパイプ保持コレット26が第1の継手本体20の内側に脱落するのが防止される。また、第1の爪部48は、挿入された新品パイプNPの外表面を押圧して新品パイプNPを保持するものである。
【0022】
第1のコレット収納部材24と第1の外側段差38との間に環状の第1のOリング22が配置されている。この第1のOリング22は、挿入される新品パイプNPを圧縮することで新品パイプNPとの密着率を上げている。例えば、この圧縮率を上げる方法として、第1のOリング22の内径を新品パイプNPの外径よりも小径とすることが挙げられる。
【0023】
第1の継手本体20の矢印X方向外側の端部には、第1のキャップ30が取付けられている。この第1のキャップ30の取付方法は特に限定しないが、本実施形態では、第1の継手本体20の矢印X方向外側の端部の外周面に形成された第1の雄ねじ50に第1のキャップ30の内周面に形成された第1の雌ねじ52が螺合されている。この第1のキャップ30を第1の継手本体20に取付けることで第1のOリング22、第1のコレット収納部材24及び第1のパイプ保持コレット26の矢印X方向の外側への脱落が防止される。
また、この第1のキャップ30の第1のパイプ保持コレット26の第1のコレット傾斜面46が接触する部分に逆テーパー状に傾斜する第1のキャップ傾斜面54が形成されている。
【0024】
(第2のパイプ接続部)
第2のパイプ接続部14は、略円筒状の第2の継手本体60と、この第1の継手本体60の内部に収納された第2のOリング62A、第2のOリング62B、第2のコレット収納部材64、第2のパイプ保持コレット66A及び第2のパイプ保持コレット66B等の各部材と、既設パイプOPが挿通する第2のパイプ挿通口68を有し第2の継手本体60の先端側に設けられた第2のキャップ70とを備えている。
【0025】
第2の継手本体60の内周面は、矢印X方向の外側から内側に向けて、第2の大径部72と、第2の大径部72よりも小径な第2の中径部74と、第2の中径部74よりも小径な第2の小径部76とから構成されている。また、第2の大径部72と第2の中径部74とによって第2の外側段差78が形成され、第2の中径部74と第2の小径部76とによって第2の内側段差80が形成されている。
【0026】
また、第2の小径部76の内径は既設パイプOPの外径よりも小径に設定され、第2の中径部74の内径は既設パイプOPの外径よりも大径に設定されている。これにより、既設パイプOPを挿入した際に第2の内側段差80が既設パイプOPの止め部となる。
【0027】
第2の継手本体60の第2の大径部72に円筒状の第2のコレット収納部材64が挿入されている。この第2のコレット収納部材64の矢印X方向外側の端部には第2のコレット収納部材64の径方向外側に突出する第2の外フランジ部82が形成され、矢印X方向内側の端部には第2のコレット収納部材64の径方向内側に突出する第2の内フランジ部84が形成されている。この第2の外フランジ部82の外径は第2の大径部72の内径よりも大径に設定されているため、第2のコレット収納部材64が第2の継手本体60の内側に脱落するのが防止される。
【0028】
また、第2のコレット収納部材64の内側に円筒状の第2のパイプ保持コレット66Aが挿入され、第2のパイプ保持コレット66Aよりも矢印X方向の内側に第2のパイプ保持コレット66Bが挿入されている。第2のパイプ保持コレット66Aの矢印X方向の端部側の外周面がテーパー状に傾斜した第2のコレット傾斜面86Aを有し、内周面が径方向内側に突出する第2の爪部88Aを有している。第2のパイプ保持コレット66Bの矢印X方向の端部側の外周面がテーパー状に傾斜した第2のコレット傾斜面86Bを有し、内周面が径方向内側に突出する第2の爪部88Bを有している。
【0029】
この第2のパイプ保持コレット66Bの外径は、第2のコレット収納部材64の第2の内フランジ部84の内径よりも大径に設定されているため、第2のパイプ保持コレット66B及び第1のパイプ保持コレット66Aが第2の継手本体60の内側に脱落するのが防止される。また、第2の爪部88A及び第2の爪部88Bは、挿入された既設パイプOPの外表面を押圧して既設パイプOPを保持するものである。なお、本実施形態では第2のパイプ保持コレット66Aと第2のパイプ保持コレット66Bとを同一の構成としている。
【0030】
第2のコレット収納部材64と第2の外側段差78との間に環状の第2のOリング62Aが配置され、この第2のOリング62Aよりも矢印X方向の内側に第2のOリング62Bが配置されている。この第2のOリング62A及び第2のOリング62Bは、挿入される既設パイプOPを圧縮することで既設パイプOPの外表面との密着率を上げている。例えば、この圧縮率を上げる方法として、第2のOリング62A及び第2のOリング62Bの各内径を既設パイプOPの外径よりも小径とすることが挙げられる。また、本実施形態の第2のOリング62Aと第2のOリング62Bとの圧縮率は異なっている。
【0031】
第2の継手本体60の矢印X方向外側の端部には、第2のキャップ70が取付けられている。この第2のキャップ70の取付方法は特に限定しないが、本実施形態では、第2の継手本体60の矢印X方向外側の端部の外周面に形成された第2の雄ねじ90に第2のキャップ70の内周面に形成された第2の雌ねじ92が螺合されている。この第2のキャップ70を第2の継手本体60に取付けることで第2のOリング62A、第2のOリング62B、第2のコレット収納部材64、第2のパイプ保持コレット66A及び第2のパイプ保持コレット66Bの矢印X方向の外側への脱落が防止される。また、この第2のキャップ70の第2のパイプ保持コレット66Aの第2のコレット傾斜面86Aが接触する部分に逆テーパー状に傾斜する第2のキャップ傾斜面94が形成されている。
【0032】
また、第2のパイプ保持コレット66A及び第2のパイプ保持コレット66Bの夫々のパイプ保持力が第1のパイプ保持コレット26のパイプ保持力よりも小さく設定され、かつ、第2のパイプ接続部14の全パイプ保持力(第2のパイプ保持コレット66A及び第2のパイプ保持コレット66Bの夫々のパイプ保持力の総和)が第1のパイプ接続部12の全パイプ保持力(第1のパイプ保持コレット26のパイプ保持力)以上に設定されている。
【0033】
なお、本実施形態では、第1の継手本体20と第2の継手本体60とが一体的に形成され、第1の小径部36と第2の小径部76とが同一径とされている。
また、本実施形態の継手本体に好適に用いられる材料としては、例えばCAC406、CAC406Cの砲金等の金属材料又は、耐水性、耐熱性、耐磨耗性、耐衝撃性、耐塩素性及び衛生面に優れる例えばポリブテンにて代表される合成樹脂材料が望ましい。
コレットは通常はSUS304にて代表されるステンレス製の爪部と、これを包む合成樹脂の複合構造であるのがよく、この合成樹脂材料としては、PEEKにて代表される耐熱性、耐薬品性、耐ストレスクラッキング性能、強度等に優れた材料が選択される。
キャップには一般的な金属材料、合成樹脂材料が使用可能であり、代表的には、砲金(CAC406C)、66ナイロンが用いられる。
OリングにはEPDM、NBR等の耐水性、耐熱性、耐薬品性、耐塩素性等に優れたゴム材料の使用が望ましい。
コレット収納部材の使用材料としては、PEEK、ポリサルフォン、変性PPE、ポリアセタール、PPS等の耐熱、耐水、強度、寸法安定性に優れた合成樹脂材料が望ましいが、ステンレス製の金属材料も適用できる。
【0034】
(作用)次に第1の実施形態の作用効果を説明する。
本発明のパイプ継手10の第1のパイプ接続部12に新品パイプNPを挿入して接続し、第2のパイプ接続部14に既設パイプOPを挿入して接続した場合に、新品パイプNP及び既設パイプOPのどちらも損傷させることなく好適なパイプ保持力でこれらのパイプを保持することができる。すなわち、継手としての基本性能(パイプ保持性、漏水性)を十分に確保できる。
【0035】
これは、第2のパイプ保持コレット66A及び第2のパイプ保持コレット66Bの夫々のパイプ保持力を第1のパイプ保持コレット26のパイプ保持力よりも小さくしたことで、第2のパイプ接続部12に挿入された既設パイプOPに局所的に作用する第2のパイプ保持コレット66Aの第2の爪部88A及び第2のパイプ保持コレット66Bの第2の爪部88Bの押圧力が低下して、既設パイプOPの損傷が抑制されるためである。
【0036】
また、第2のパイプ接続部12の全パイプ保持力を第1のパイプ接続部14の全パイプ保持力以上としたことで、第2のパイプ接続部14に挿入された既設パイプOPに作用する全パイプ保持力が十分に確保される
【0037】
さらに、既設パイプOPは新品パイプNPよりも損傷し易く、また、パイプ継手10を接続する前に損傷していることもある。このため、第2のパイプ接続部14に第2のOリングを複数個設けることで、第2のパイプ接続部14からの漏水及び異物混入を抑制することができる。
【0038】
[その他の実施形態]
第1の実施形態では、第2のパイプ接続部14に2つの第2のパイプ保持コレットを設けたが、本発明はこの構成に限定される必要はなく、3つ以上の第2のパイプ保持コレットを設けてもよいもとする。
【0039】
また、第1の実施形態のパイプ継手10は第1のパイプ接続部12と第2のパイプ接続部14とを有する構成としたが、本発明はこの構成に限定される必要は無く、接続部が3つ以上設けられる構成であってもよいものとする。
【0040】
さらにまた、第1の実施形態では、パイプ継手10の第1のパイプ接続部12に既設パイプOPを挿入して接続し、第2のパイプ接続部14に既設パイプOPを挿入して接続しているが、本発明はこの構成に限定される必要は無く、第2のパイプ接続部14には既設パイプOP以外のパイプを接続してもよいものとする。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されることは無く、特許請求の範囲に含まれる範囲で各種変更して実施可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】第1の実施形態のパイプ継手の部分断面図である。
【符号の説明】
【0042】
10 パイプ継手
12 第1のパイプ接続部(一方のパイプ接続部)
14 第2のパイプ接続部(他方のパイプ接続部)
22 第1のOリング(止水部材)
26 第1のパイプ保持コレット(パイプ保持部材)
62A 第2のOリング(止水部材)
62B 第2のOリング(止水部材)
66A 第2のパイプ保持コレット(パイプ保持部材)
66B 第2のパイプ保持コレット(パイプ保持部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプを接続するためのパイプ接続部が複数設けられたパイプ継手において、
前記パイプ接続部に設けられて前記パイプを保持するパイプ保持部材の1個当たりのパイプ保持力が、一方の前記パイプ接続部よりも他方の前記パイプ接続部で小さいことを特徴とするパイプ継手。
【請求項2】
前記他方のパイプ接続部に設けられる前記パイプ保持部材の数が、前記一方のパイプ接続部に設けられる前記パイプ保持部材の数よりも多いことを特徴とする請求項1に記載のパイプ継手。
【請求項3】
前記パイプ接続部の前記パイプ保持部材よりも挿入方向深部側に設けられて前記パイプの外周面に密着して漏水を抑制する止水部材の数が、一方の前記パイプ接続部よりも他方の前記パイプ接続部で多いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパイプ継手。
【請求項4】
前記他方のパイプ接続部に設けられる複数の前記止水部材が夫々異なる圧縮率を有することを特徴とする請求項3に記載のパイプ継手。


【図1】
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【公開番号】特開2008−281134(P2008−281134A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−126879(P2007−126879)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】