説明

パイプ継手

【課題】ワンプッシュタイプの継手の改良であって、パイプの抜け防止機能と共に、特に酸素不透過機能を付与したパイプ継手を提供するものである。
【解決手段】二つの段部2、3を形成した継手基体1と、大径の段部2内に止水用Oリング4及びパイプ抜け防止部材5を内蔵し、これらの抜けを防止するキャップ6を継手基体1に装着されたパイプ継手であって、前記止水用Oリング4と並列に酸素不透過性Oリング7を周溝内に備えたことを特徴とするパイプ継手。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパイプ継手に関するものであり、更に詳しくは、酸素不透過機能を付与したパイプ継手にかかるものである。
【背景技術】
【0002】
パネルヒ−タ−やその他不凍液を用いた暖房器具は金属製のため、パイプ内に存在する酸素によって錆・腐食が発生する。このため、原因となる酸素を配管から遮断することが必要となる。従って、通常は酸素を透過しない特殊なゴム(ブチルゴム等)を用いたOリングにて止水が行われているが、完全な止水性はもっていない。更に、施工時のパイプ取り回しによりパイプ表面への傷付き等を考慮すると、漏水の危険性があることは否定できない。
【0003】
そのため、この種の器具に用いられる継手は、Oリングによる止水が完全ではないために、加締めによる止水方法が採られていた。しかしながら、加締めによる施工のため、施工現場への加締め装置の搬入が必要となり、多くの施工時間や労力を必要とする等の課題があった。更に、酸素不透過層を形成したパイプを用いた場合には、パイプを加締めることによるこの不透過層を傷付けるおそれが高いという課題もあった。
【0004】
従って、加締めによらないパイプ継手が好ましいことは言うまでもない。しかも、その接続が簡便で、かつ、確実に接続できる継手が好ましいことは言うまでもない。図1はかかるパイプの継手に好適な例を示すものであり、いわゆるワンプッシュタイプの継手である。即ち、1は継手基体であり、二つの段部2、3が形成されている。大径の段部2内に止水用Oリング4及びパイプ抜け防止部材5を内蔵し、これらの抜けを防止するキャップ6からなっている。パイプ10はキャップ6内に差し込まれ、パイプ10の外表面にパイプ抜け防止部材5の爪5aが食い込み、抜けが防止される構造となっており、Oリング4はパイプ10の外表面に接触して漏水を防止するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ワンプッシュタイプの継手は、パイプ10をキャップ6内に差し込むだけで装着ができる構造である。本発明はこのワンプッシュタイプの継手の改良であって、酸素不透過機能を付与したパイプ継手を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の要旨は、二つの段部2、3を形成した継手基体1と、大径の段部2内に止水用Oリング4及びパイプ抜け防止部材5を内蔵し、これらの抜けを防止するキャップ6を継手基体1に装着されたパイプ継手であって、前記止水用Oリング4と並列に酸素不透過性Oリング7を備えたことを特徴とするパイプ継手にかかるものである。
【0007】
本発明の第2の要旨は、パイプの内周に差し込まれる内筒8を備えた継手基体1と、内筒を覆うパイプ抜け防止部材5と、当該パイプ抜け防止部材5の抜けを防止するキャップ6を継手基体1に装着されたパイプ継手であって、内筒8に止水用Oリング4と酸素不透過性Oリング7を並列に備えたことを特徴とするパイプ継手にかかるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上記の通りであり、パイプはワンプッシュで装着され、かつ、パイプの内又は外の表面に止水用Oリング4と酸素不透過性Oリング7とが接触することにより漏水の防止と酸素の透過を阻止することができることとなったものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は止水と酸素不透過性との機能を分離し、夫々に最適な素材をもって二つのOリングを構成し、これらを同時に適用したものであり、しかも、ワンプッシュにて継手に装着できるようにしたものである。
【0010】
第1発明にあっては、パイプの外表面に止水Oリング4と酸素不透過性Oリング7とを接触させたワンプッシュタイプの継手にかかるものであり、第2発明にあっては、パイプの内表面に止水Oリング4と酸素不透過性Oリング7とを接触させた継手にかかるものである。
【0011】
止水用Oリング4を構成する材料としては、例えば、EPDMが好んで用いられる。
【0012】
酸素不透過性Oリング7を構成する材料としては、例えば、NBR、ブチルゴムから選ばれる。
【0013】
これらの止水Oリング4及び酸素不透過Oリング7は、夫々別体として成形される場合もあるが、一体として成形される場合もあり、又、同じ周溝内に嵌め込まれる場合もあるし、別の周溝内に嵌め込まれて使用されることもある。
【実施例】
【0014】
以下、図面をもって本発明のパイプ継手を更に説明ずる。図2は第1発明のパイプ継手を示す図であり、基本的には前記した図1がその基本形態である。さて、継手基体1に二つの段部2、3が形成されている。そして、大径の段部2内に止水用Oリング4及び酸素不透過性Oリング7、更にはパイプ抜け防止部材5を内蔵し、これらの抜けを防止するキャップ6からなっている。パイプ10はキャップ6内に差し込まれ、止水用Oリング4及び酸素不透過性Oリング7はパイプ10の外表面に接触して漏水及び酸素の侵入が防止され、更にパイプ10の外表面にパイプ抜け防止部材5の爪5aが食い込み、抜けが防止される構造となっている。この場合、内側に止水用Oリング4を、外側に酸素不透過Oリング7を配置するのがよい。
【0015】
図3は第2発明のパイプ継手の基本形態であり、パイプ10の内周に差し込まれる内筒8を備えた継手基体1と、内筒8を覆う外筒8aが形成され、パイプ抜け防止部材5が外筒8aの先端に配置され、パイプ抜け防止部材5の抜けを防止するキャップ6を継手基体1に装着されたものであり、内筒8に止水用Oリング4と酸素不透過性Oリング7を並列に備えたパイプ継手である。図にあって、8aはパイプ抜け防止部材5のパイプ10への食い込みを解除するリングであり、外側より内側に向かって押すことによって食い込みが解除されることとなる。尚、外筒8aは継手基体1a、1bと別体に構成されてもよいことは言うまでもない。
【0016】
この例では、内筒8の表面に二本の周溝9a、9bを形成し、これに止水用Oリング4及び酸素不透過性Oリング7を別々に嵌め込んだものである。第2発明にあっては、内側の周溝9aに止水用Oリング4を外側の周溝9bに酸素不透過Oリング7を嵌め込むのがよい。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明のパイプ継手はワンプッシュで装着され、Oリングを二つの機能に分け、夫々に最適な材料で構成した二つのOリングを用いたものであり、これによって漏水の防止と酸素の透過を阻止することができることとなったものである。これによりワンプッシュ継手を酸素不透過継手として使用でき施工性が飛躍的に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1はワンプッシュタイプの継手である。
【図2】図2は第1発明のワンプッシュタイプのパイプ継手を示す図である。
【図3】図3は第2発明のワンプッシュタイプのパイプ継手を示す図である。
【符号の説明】
【0019】
1‥継手基体、
2、3‥段部、
4‥止水用Oリング、
5‥パイプ抜け防止部材、
5a‥爪、
6‥キャップ、
7‥酸素不透過性Oリング、
8‥内筒、
8a‥外筒、
9a、9b‥周溝、
10‥パイプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つの段部2、3を形成した継手基体1と、大径の段部2内に止水用Oリング4及びパイプ抜け防止部材5を内蔵し、これらの抜けを防止するキャップ6を継手基体1に装着されたパイプ継手であって、前記止水用Oリング4と並列に酸素不透過性Oリング7を備えたことを特徴とするパイプ継手。
【請求項2】
パイプの内周に差し込まれる内筒8を備えた継手基体1と、内筒を覆うパイプ抜け防止部材5と、当該パイプ抜け防止部材5の抜けを防止するキャップ6を継手基体1に装着されたパイプ継手であって、内筒8に止水用Oリング4と酸素不透過性Oリング7を並列に備えたことを特徴とするパイプ継手。
【請求項3】
止水用Oリング4と酸素不透過性Oリング7とを嵌め込む周溝を形成した請求項1又は2記載のパイプ継手。
【請求項4】
止水用Oリング4と酸素不透過性Oリング7とを同一の周溝に嵌め込んだ請求項1又は2記載のパイプ継手。
【請求項5】
止水用Oリング4と酸素不透過性Oリング7とが連続して配置された請求項1又は2記載のパイプ継手。
【請求項6】
止水用Oリング4と酸素不透過性Oリング7とが一体とされた請求項1又は2記載のパイプ継手。
【請求項7】
止水用Oリング4が、EPDMである請求項1乃至6いずれか1記載のパイプ継手。
【請求項8】
酸素不透過性Oリング7が、NBR、ブチルゴムから選ばれた請求項1乃至7いずれか1記載のパイプ継手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−95899(P2008−95899A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−280428(P2006−280428)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】