説明

パイプ連結用シート組成物、これを用いた電気発泡融着用シート及び地中埋設管の連結装置

本発明は、地中埋設管の連結に用いられる連結装置、及びこれに用いられる発泡シートを製造するための組成物に関するものである。具体的に、本発明は、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、マレイン酸無水物グラフト共重合体、メタロセンポリエチレン系エラストマーを含むベース樹脂100重量部に対して、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、マレイン酸無水物グラフト共重合体、メタロセンポリエチレン系エラストマー、発泡剤、及び添加剤を含むマスターバッチ1〜10重量部を含むパイプ連結用シート組成物に関するものである。本発明による組成物を使用する場合、溶融押出の過程では未発泡シートとして製造され、後に電熱線とラミネートして、電気を加えることによって、高温で発泡しながらパイプに融着されて空間を埋めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二つのポリエチレン下水管を電気融着により連結する方法に係り、発泡及び融着されて、完全に密閉が可能なようにするパイプ連結用シート組成物と、これを用いた電気発泡融着用シートの製造方法及び地中埋設管の連結装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来には、下水管または雨水管を構成する2つのパイプの連結端部の周りに巻き付け、これらのパイプの連結端部上に融着され得るようにする連結バンドが知られている。このような連結バンドは、ポリエチレンのような合成樹脂シートからなり、その内側面に電熱線がジグザグ状に配置され、連結バンドを2つのパイプの連結端部上に巻き付け、電圧を印加する場合、電熱線の発熱により連結バンドの一部が溶融され、連結する2つのパイプの連結端部に融着され得るようにしたものが知られている。しかし、このような従来技術の連結バンドは、電熱線に電圧を印加して発熱するようにする場合、電熱線が熱膨張して、隣接した電熱線の部分と短絡が発生するという欠点がある。そのため、印加される電圧のレベル、及び電圧を印加する時間を正確に合わせなければならないという不都合がある。また、連結バンドの熱伝導性が低いため、連結バンドがパイプに全体的に、且つ、均一に融着できないという欠点がある。
【0003】
既存の電気融着方式のポリエチレン融着シートは、電気によりポリエチレン下水管の外面とポリエチレン融着シートを溶かしながら融着する原理である。このような方式は、連結しようとする管の公差が発生した管の連結の時に、公差を詰めることができず漏水が発生することがあり、ポリエチレン下水管に融着シートを重畳する過程で空隙が発生するという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ポリエチレン下水管の製造時における許容公差と、積載及び運搬の時に発生する管の真円度の変形による管径の差、支持シートの装着時に発生する二重部の空隙を埋めることができるように、発泡性と接着性及び水密性に優れた組成物を提供しようとするものである。具体的に、本発明は、発泡用シートが発泡/融着されながら、管の表面と支持シートの内面とを融着させ、その間に生じる空間及び間隙を発泡で埋めて、密閉融着させるので、完全な水密と融着連結が可能となる優れた地中埋設管の電気発泡融着用シート、及び、これに用いられるシート組成物を提供しようとするものである。
【0005】
また、本発明は、前記シート組成物を溶融押出して発泡用シートとして製造し、且つ前記発泡用シートを電熱線とラミネートして、前記電熱線に電気を印加する場合に発泡されて、ポリエチレン下水管に融着して接合されながら、隙間を発泡密閉する方式の地中埋設管の連結装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、電熱線が内蔵された発泡用ポリエチレンシートをポリエチレン支持シートで覆った後、内蔵された電熱線を融着機に連結した後、適正量の電気を注入することで、発泡剤が溶融混練された発泡用ポリエチレンシートが発泡しながら、管と管との間、及び管と継ぎ手管との間を発泡融着するものである。
【0007】
既存の電気融着シートは、電気により管の外面とポリエチレンシートを溶かしながら融着する原理であるため、連結しようとする管の公差が発生した管の連結時に、公差を詰めることができず漏水が発生するが、本発明は、発泡シートが発泡しながら、ポリエチレン管の許容公差と、積載及び運搬の時の荷重による管の真円度の変形などによる管径の差、既存のシート重畳部で発生する空隙を密閉した後、融着を通じて管を連結することによって、完全な水密性を備えるようにする発泡用ポリエチレンシートを利用することに特徴がある。
【0008】
また、発泡剤を含むマスターバッチを製造し、これを樹脂とコンパウンディングして製造することで、シート製造用組成物の発泡温度を調節することができ、溶融押出の時に、未発泡状態のシートを製造できることを発見した。このような組成物により製造されるシートを使用する場合、パイプとの水密性が向上することを発見した。
【0009】
また、前記発泡剤により発泡する時にポリエチレン樹脂の物性が低下する現象を改善するために、低密度ポリエチレン樹脂のほかに、メタロセンポリエチレン系樹脂とマレイン酸無水物グラフト共重合体を一定量で配合して使用し、発泡剤の含量を調節して発泡の度合いを制御するようにすることで、物性の低下を防止し、接着強度を維持できることを発見し、本発明を完成した。
【0010】
本発明で、パイプ連結用シート組成物は、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、マレイン酸無水物グラフト共重合体、メタロセンポリエチレン系エラストマーを含むベース樹脂100重量部に対して、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、マレイン酸無水物グラフト共重合体、メタロセンポリエチレン系エラストマー、発泡剤、及び添加剤を含むマスターバッチ1〜10重量部を含む。
【0011】
より具体的に、前記マスターバッチは、低密度ポリエチレン30〜50重量%、高密度ポリエチレン5〜20重量%、メタロセンポリエチレン系エラストマー10〜30重量%、マレイン酸無水物グラフト共重合体20〜40重量%、発泡剤1〜10重量%、及び添加剤0.1〜5重量%を含む。
【0012】
また、前記ベース樹脂は、低密度ポリエチレン30〜50重量%、高密度ポリエチレン5〜20重量%、メタロセンポリエチレン系エラストマー10〜30重量%、マレイン酸無水物グラフト共重合体20〜40重量%を含む。
【0013】
本発明は、必要に応じて、ビニルアセテートの含量が5〜30重量%であるビニルアセテート系樹脂を0.1〜10重量%さらに含むことができる。
【0014】
また、本発明は、前記シート組成物を用いて電気発泡融着用シートを製造する方法も含む。
【0015】
具体的には、
a)ラッシェル機を用いて、ジグザグまたは網(networking)状の電熱線を製織する段階と、
b)低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、マレイン酸無水物グラフト共重合体、メタロセンポリエチレン系エラストマーを含むベース樹脂100重量部に対して、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、マレイン酸無水物グラフト共重合体、メタロセンポリエチレン系エラストマー、発泡剤、及び添加剤を含むマスターバッチ1〜10重量部を押出機に入れて、発泡温度以下の温度で溶融押出して、未発泡シートを製造する段階と、
c)前記製織された電熱線の片面または両面に、押出される未発泡シートを積層した後、加圧して一体化する段階と、
を含む。
【0016】
また、前記製造方法により製造された電気発泡融着用シートを用いた地中埋設管の連結装置も本発明の範囲に含まれる。具体的には、電気発泡融着用シートと;前記電気発泡融着用シートの外面を覆い、電気発泡融着用シートと融着されて、下水管の継ぎ手を支持するポリエチレン支持シートと;前記電気発泡融着用シート及び支持シートをポリエチレン下水管と密着するようにし、発泡/融着の時に電気発泡融着用シートと支持シートを支持して、管の継ぎ手やシート重畳部の隙間を密閉させる締め付けバンドと;を含む。
【0017】
以下、本発明について図面を参考してより具体的に説明する。
【0018】
本発明のシート組成物は、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、マレイン酸無水物グラフト共重合体、メタロセンポリエチレン系エラストマーを含むベース樹脂100重量部に対して、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、マレイン酸無水物グラフト共重合体、メタロセンポリエチレン系エラストマー、発泡剤、及び添加剤を含むマスターバッチ1〜10重量部を含むので、融点が低く、パイプとの水密性に優れる。本発明のシート組成物は、発泡剤の発泡温度以下の温度で溶融押出することが可能なので、シートの製造時には発泡剤が発泡されず、以後、電熱線とラミネートして電気発泡融着用シートを製造し、電気を印加することで、発泡剤の発泡温度以上の温度で加熱することによって、発泡シートとして機能することに特徴がある。
【0019】
具体的に、本発明のコンパウンディング組成物は、低密度ポリエチレン30〜50重量%、高密度ポリエチレン5〜20重量%、メタロセンポリエチレン系エラストマー10〜30重量%、マレイン酸無水物グラフト共重合体20〜40重量%を含む。
【0020】
前記低密度ポリエチレンは、屈曲強度を維持しながらも弾性を維持するために使用されるもので、メルトインデックス(MI)が2〜4g/10分(190℃、2.16kg)であるものを使用することが屈曲強度及び弾性に優れるので好ましい。その含量は、30〜50重量%を使用することが、押出の時において、溶融流れ性が向上し、溶融温度を低くすることができるので好ましい。
【0021】
前記高密度ポリエチレンは、メルトインデックス(MI)が20〜30g/10分(190℃、2.16kg)であるものを使用することが屈曲強度及び弾性に優れるので好ましい。その含量は、5〜20重量%を使用することが好ましい。20重量%を超える場合、溶融温度が上昇したり、またはシートの柔軟性が低減することがある。
【0022】
前記メタロセンポリエチレン系エラストマーは、シートの溶融温度を発泡剤の発泡温度以下に低くし、シートの使用時にパイプとの接着性及び水密性を向上させるために使用される構成で、メタロセン系触媒を用いて製造されたポリエチレン系エラストマーを含む。具体的には、メルトインデックス(MI)が1〜5g/10分(190℃、2.16kg)であるものを使用することが接着性及び水密性を向上させるので好ましい。含量は、10〜30重量%の範囲で添加することで、シートの押出時に、樹脂の溶融温度を発泡剤の発泡温度以下の温度に低くすることができる。
【0023】
前記マレイン酸無水物グラフト共重合体は、シート組成物の接着性を向上させて、パイプとの水密性を向上させ、発泡剤との混和性を向上させるために使用されるものである。前記マレイン酸無水物グラフト共重合体は、発泡剤がシート内に均一に分布するようにすることで、均一に発泡できるようにする役割も果たす。前記マレイン酸無水物グラフト共重合体は、無水マレイン酸グラフト低密度ポリエチレン(MAH−g−LDPE)、無水マレイン酸グラフト線状低密度ポリエチレン(MAH−g−LLDPE)、無水マレイン酸グラフト高密度ポリエチレン(MAH−g−HDPE)、無水マレイン酸グラフトエチレンビニルアセテート(MAH−g−EVA)などが使用可能である。前記マレイン酸無水物グラフト共重合体は、それぞれ、主鎖100重量部に対して、無水マレイン酸0.1ないし10重量部からなることが好ましい。より好ましくは、メルトインデックス(MI)が0.7〜3.5g/10分(190℃、2.16kg)であるものを使用することが、接着性が向上し、発泡剤との混和性を向上させることができる物性を示すので好ましい。含量は、20〜40重量%を使用することが好ましく、上記の範囲で接着性を向上することができる。
【0024】
本発明は、接着性をさらに向上させるために、ビニルアセテート単位が5〜30重量%含有されたビニルアセテート系樹脂をさらに含むことができる。より具体的に、ビニルアセテートの含量が5〜30重量%であるエチレン−ビニルアセテート共重合体を使用することがより好ましい。通常、ビニルアセテートの含量が高くなるほど、被着体に対する粘着強度が高くなる。粘着強度が高すぎると、発泡性が低下する恐れがあり、逆に、粘着強度が低すぎると、剥離されやすいという問題があるため、これを考慮して、適正な含量の水準を選ぶのが重要である。したがって、ビニルアセテート系樹脂の含量は、0.1〜10重量%の範囲で使用するのが粘着性を向上させることができるので好ましい。
【0025】
次に、本発明のマスターバッチについて説明する。本発明では、前記コンパウンディングの時に発泡剤を混合してコンパウンディングをせずに、別途のマスターバッチを製造して使用することで、樹脂の溶融温度を低くすることができ、押出性をより向上させることができる。前記マスターバッチは、ニーダーで、100〜130℃で、10分〜6時間の間混練した後、ペレット化することにより、それぞれの樹脂の物性が上昇するようにする。
【0026】
前記マスターバッチは、低密度ポリエチレン30〜50重量%、高密度ポリエチレン5〜20重量%、メタロセンポリエチレン系エラストマー10〜30重量%、マレイン酸無水物グラフト共重合体20〜40重量%、発泡剤1〜10重量%、及び添加剤0.1〜5重量%を含む。ここで、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、メタロセンポリエチレン系エラストマー、及びマレイン酸無水物グラフト共重合体は、先のベース樹脂で説明した通りなので、これ以上の説明は省略する。
【0027】
前記発泡剤は、化学的な発泡剤として、アゾジカーボンアミド(Azodicarbonamide、ADCA)、アゾジイソブチロニトリル(ABBN)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DNPT)、パラトルエンスルホニルヒドラジド(TSH)、及びオキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)から選ばれるいずれか一つまたは2つ以上の混合物を使用することができる。このうち、好ましくは、アゾジカーボンアミド(Azodicarbonamide、ADCA)を使用する。前記発泡剤の発泡温度は165〜195℃である。前記発泡剤は、連結しようとする管の条件、すなわち、管種、管径などの条件を考慮して発泡剤の含量を決定する。マスターバッチの製造時に使用される発泡剤の含量は、1〜10重量%を使用することが混和性に優れるので好ましい。
【0028】
前記添加剤は、潤滑剤、顔料、酸化防止剤、紫外線安定剤、充填剤から選ばれるいずれか一つまたは2つ以上の混合物を使用することができる。
【0029】
本発明で、前記添加剤である潤滑剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸グリセリン、ステアリン酸ブチル、固体パラフィン、及び流動パラフィンなどを使用することができ、潤滑剤を添加する場合、発泡剤と樹脂間の混和性をさらに向上させることができる。
【0030】
上記で説明したパイプ連結用シート組成物は、ベース樹脂100重量部に対して、マスターバッチ1〜10重量部を混合して、押出機を通じて溶融押出してペレットに製造する。このとき、溶融押出の温度は、未発泡状態のシートを得るためには、発泡剤の発泡温度以下の温度を維持しなければならない。一般的なポリエチレンシートを製造するための押出加工の温度は200〜230℃であるが、この範囲で押出する場合は、押出機の内部で発泡が起こってしまうため、未発泡シートを生産することができない。したがって、本発明は、このような現象が発生しないように、発泡剤の発泡温度である165〜195℃の以下で溶融押出することが好ましい。
【0031】
次に、本発明のシート組成物を用いて電気発泡融着用シートを製造する方法について説明すると、該方法は、
a)ラッシェル機を用いて、ジグザグまたは網(networking)状の電熱線を製織する段階と、
b)低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、マレイン酸無水物グラフト共重合体、メタロセンポリエチレン系エラストマーを含むベース樹脂100重量部に対して、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、マレイン酸無水物グラフト共重合体、メタロセンポリエチレン系エラストマー、発泡剤、及び添加剤を含むマスターバッチ1〜10重量部を押出機に入れて、発泡温度以下の温度で溶融押出して、未発泡シートを製造する段階と、
c)前記製織された電熱線の片面または両面に、押出される未発泡シートを積層した後、加圧して一体化する段階と、
を含む。
【0032】
また、必要に応じて、前記電熱線と未発泡シートとの間に温度センサーをさらに備えることができる。
【0033】
図1には、本発明に用いられる電熱線の一例を示した。本発明で、前記電熱線は、電気の注入時に電熱線の短絡を防止するために、ガラス繊維で被覆された金属材質の電熱線を使用することが好ましい。電熱線の製造は、ラッシェル機を用いて、発泡用シートの内部に電熱線を固定させるジグザグまたは網状のメッシュを製織して、発泡用シート内で電熱線が湾曲されずに間隔を一定に維持し、均一に発泡が起こりうるようにすることが好ましい。また、図2に示すように、パイプに設置する時に、シートでパイプを覆う過程で必然的に発生する二重部の場合、電熱線の間隔を広くして、二重部の過度な温度上昇による管壁の陥没を防止することが好ましい。前記電熱線は、管の大きさに応じて、直列または並列に連結して使用することができる。
【0034】
図3は、本発明に係る電気発泡融着用シートの一例を示す。電熱線10を製織した後、これらの片面または両面に、本発明の未発泡シート20を溶融押出しながら積層して、加圧することによって、一体化された電気発泡融着用シート100を製造し、図3に示すように、融着の効率性及び施工の便利性を向上させるために温度センサー30を備えることができる。前記温度センサー30を備えて、シートの内部の温度をリアルタイムに感知し、温度情報を融着機に伝達するようにすることが好ましい。前記電熱線10の両端には、電源を印加するための電源端子40を連結する。すなわち、本発明の電気発泡融着用シートは、ジグザグまたは網状の電熱線10と、前記電熱線の片面または両面に積層され、本発明のパイプ連結用樹脂組成物を、発泡温度以下の温度で溶融押出した未発泡シート20と、前記電熱線10と未発泡シート20との間に内蔵された温度センサー30と、を含む。
【0035】
前記製造方法のように製造された電気発泡融着用シートを用いる地中埋設管の連結装置も本発明の範囲に含まれる。図4は、本発明の地中埋設管の連結装置を示す一例で、(a)は、発泡融着される前の状態を示し、(b)は、発泡融着された状態を示す。地中埋設管の連結装置は、電気発泡融着用シート100と;前記電気発泡融着用シートの外面を覆い、電気発泡融着用シートと融着されて、下水管の継ぎ手を支持するポリエチレン支持シート200と;前記電気発泡融着用シート及び支持シートをポリエチレン下水管と密着するようにし、発泡/融着の時に電気発泡融着用シートと支持シートを支持して、管の継ぎ手やシート重畳部の隙間を密閉させる締め付けバンド300と;を含む。
【0036】
本発明で、前記ポリエチレン支持シート200は、電気発泡融着用シート100と締め付けバンド300との間に位置し、電気発泡融着用シートの外面を覆っている。ポリエチレン支持シートは、電気発泡融着用シートと融着されて、下水管の継ぎ手を支持する役割を果たし、電気発泡融着用シートを加圧して、電気発泡融着用シートが空隙を埋める程度の発泡が起こった後には、発泡がこれ以上起こらないようにして、発泡の度合いを制御して剛性を補強する。小口径の下水管には、柔軟性の良い低密度のポリエチレン樹脂を使用し、大口径の下水管には、剛性の高い中密度のポリエチレン樹脂を使用することが好ましい。前記支持シートは、外圧に対する剛性および内圧による靭性を向上させるために、亜鉛めっき金網またはタイヤコード網などを内蔵することが好ましい。
【0037】
本発明で、前記締め付けバンドは、亜鉛メッキ金網(0.5mm*18mesh)を用いることが好ましく、電気発泡融着用シート及びポリエチレン支持シートをポリエチレン管と密着されるように締め付ける役割を果たし、発泡融着の時に、これを支持して、管の継ぎ手やシートの二重部の隙間をさらに密閉させる役割を果たす。
【発明の効果】
【0038】
本発明によるパイプ連結用シート組成物を用いて電気発泡融着用シートを製造する場合、ポリエチレンパイプとの接着性に優れ、完全な水密性を示すことができる。
【0039】
また、ポリエチレン下水管の製造工程の時に発生する外径の公差、及び、積載及び運搬の時に発生する真円度の変形による管径の差を、発泡用ポリエチレンシートの発泡融着の工程を通じて完全に解決するので、管径の差が発生した管の場合にも、継ぎ手の完全な水密性を示すことができる。
【0040】
また、シートで管を覆う時に必然的に発生するシートが重なる二重部の隙間を、発泡融着の工程を通じて完全に密閉させることができ、単一部と二重部の電熱線の間隔を異なるように調整することができるので、二重部の過度な温度上昇による管壁の陥没を防止することができる。また、ガラス繊維で被覆された電熱線を使用し、電熱線の短絡を防止して、施工の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の電熱線の一例を示す図である。
【図2】本発明の電熱線の他の一例を示す図である。
【図3】本発明の電気発泡融着用シートの一例を示す図である。
【図4】本発明の地中埋設管の連結装置をパイプに締結した構造を示す図で、(a)は、発泡する前の状態で、(b)は、発泡融着された状態を示す断面図である。
【図5】発泡融着された断面を拡大した図である。
【図6】本発明の地中埋設管の連結装置をパイプに締結した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下に、本発明の具体的な説明のために一例を挙げて説明するが、本発明が以下の実施例に限定されるものではない。
【0043】
物性は、下記の方法によって測定した。
【0044】
メルトインデックス(Melt Index)は、ASTM D 1238により測定した。
【0045】
接着性及び水密性は、次のような方法で評価した。ポリエチレン管に実施例及び比較例で製造された電気発泡融着用シートを覆った後、ポリエチレン支持シートを覆い、締め付けバンドを用いて結合した後、電熱線に電気を印加して、温度が180℃になるまで加熱して、電気発泡融着用シートを発泡した。水密実験は、KPS M 2009の方法によって加圧した後、漏水の確認(D1000)をした。
【0046】
融着の確認は、融着された管の断面を観察して、二重部に空間部が形成されずに、完全に融着されたかを観察した。
【0047】
[実施例1]
【0048】
発泡剤マスターバッチの製造
【0049】
メルトインデックスが3g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.924g/cm3である低密度ポリエチレン35重量%、メルトインデックスが25g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.946g/cm3である高密度ポリエチレン10重量%、メルトインデックスが2.5g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.920g/cm3である無数マレイン酸グラフト線状低密度ポリエチレン20重量%、メルトインデックスが1g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.870g/cm3であるメタロセンポリエチレン系エラストマー30重量%、発泡剤(アゾジカーボンアミド、DONGJIN SEMICHEM.Co.,Ltd.)4重量%、及び潤滑剤(ステアリン酸カルシウム)1重量%をニーダーに投入した後、130℃で15分間混練を行った。以後、160℃の押出機で溶融押出して発泡剤マスターバッチペレットを製造した。
【0050】
電気発泡融着用シートの製造
【0051】
ベース樹脂として、メルトインデックスが3g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.924g/cm3である低密度ポリエチレン40重量%、メルトインデックスが25g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.946g/cm3である高密度ポリエチレン10重量%、メルトインデックスが2.5g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.920g/cm3である無数マレイン酸グラフト線状低密度ポリエチレン20重量%、メルトインデックスが1g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.870g/cm3であるメタロセンポリエチレン系エラストマー30重量%を押出機に入れて、前記ベース樹脂100重量部に対して、上記で製造された発泡剤マスターバッチペレット5重量部を投入した後、160℃で溶融押出して、Tダイを通じてシート状に製造した。
【0052】
ラッシェル機で製織されたジグザグ状の電熱線に、Tダイを通じて押出されるシートを両面に積層した後、ローラーを用いて加圧して圧着することによって、電気発泡融着用シートを製造した。
【0053】
前記物性測定方法により物性を測定した結果、均一に発泡されて完全に発泡融着されたことが確認でき、また水密実験においても漏水が発生しなかった。
【0054】
[実施例2]
【0055】
前記実施例1で、マレイン酸無水物グラフト共重合体として、メルトインデックスが3g/10分(190℃、2.16kg)、密度が0.925g/cm3である無数マレイン酸グラフト線状低密度ポリエチレンを使用したことを除いては、実施例1と同一の方法で製造した。
【0056】
前記物性測定方法により物性を測定した結果、均一に発泡されて完全に発泡融着されたことが確認でき、また水密実験においても漏水が発生しなかった。
【0057】
[実施例3]
前記実施例1でマスターバッチを10重量部使用したことを除いては、実施例1と同一の方法で製造した。
【0058】
前記物性測定方法により物性を測定した結果、均一に発泡されて完全に発泡融着されたことが確認でき、また水密実験においても漏水が発生しなかった。
【0059】
[実施例4]
【0060】
前記実施例1で発泡剤としてパラトルエンスルホニルヒドラジド(TSH、DONGJIN SEMICHEM.Co.,Ltd.)を使用したことを除いては、実施例1と同一の方法で製造した。
【0061】
前記物性測定方法により物性を測定した結果、均一に発泡されて完全に発泡融着されたことが確認でき、また水密実験においても漏水が発生しなかった。
【0062】
[実施例5]
【0063】
発泡剤マスターバッチの製造
【0064】
メルトインデックスが3g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.924g/cm3である低密度ポリエチレン40重量%、メルトインデックスが25g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.946g/cm3である高密度ポリエチレン5重量%、メルトインデックスが2g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.925g/cm3である無数マレイン酸グラフト線状低密度ポリエチレン30重量%、メルトインデックスが3.0g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.875g/cm3であるメタロセンポリエチレン系エラストマー20重量%、発泡剤(アゾジカーボンアミド、DONGJIN SEMICHEM.Co.,Ltd.)4重量%、及び潤滑剤(ステアリン酸カルシウム)1重量%をニーダーに投入した後、130℃で15分間混練を行った。以後、160℃の押出機で溶融押出してペレットを製造した。
【0065】
電気発泡融着用シートの製造
【0066】
ベース樹脂として、メルトインデックスが3g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.924g/cm3である低密度ポリエチレン30重量%、メルトインデックスが25g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.946g/cm3である高密度ポリエチレン20重量%、メルトインデックスが2g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.925g/cm3である無水マレイン酸グラフト線状低密度ポリエチレン30重量%、メルトインデックスが3.0g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.875g/cm3であるメタロセンポリエチレン系エラストマー20重量%をツインスクリューでコンパウンディングした後、前記ベース樹脂100重量部に対して、上記で製造された発泡剤マスターバッチペレット5重量部を投入した後、160℃で溶融押出して、Tダイを通じてシート状に製造した。
【0067】
ラッシェル機で製織されたジグザグ状の電熱線に、Tダイを通じて押出されるシートを両面に積層した後、ローラーを用いて加圧して圧着することによって、電気発泡融着用シートを製造した。
【0068】
前記物性測定方法により物性を測定した結果、均一に発泡されて完全に発泡融着されたことが確認でき、また水密実験においても漏水が発生しなかった。
【0069】
[実施例6]
【0070】
発泡剤マスターバッチの製造
【0071】
メルトインデックスが3g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.924g/cm3である低密度ポリエチレン35重量%、メルトインデックスが25g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.946g/cm3である高密度ポリエチレン10重量%、メルトインデックスが2g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.925g/cm3である無水マレイン酸グラフト線状低密度ポリエチレン10重量%、メルトインデックスが3.0g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.875g/cm3であるメタロセンポリエチレン系エラストマー40重量%、発泡剤(アゾジカーボンアミド、DONGJIN SEMICHEM.Co.,Ltd.)4重量%、及び潤滑剤(ステアリン酸カルシウム)1重量%をニーダーに投入した後、130℃で15分間混練を行った。以後、160℃の押出機で溶融押出してペレットを製造した。
【0072】
電気発泡融着用シートの製造
【0073】
ベース樹脂として、メルトインデックスが3g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.924g/cm3である低密度ポリエチレン40重量%、メルトインデックスが25g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.946g/cm3である高密度ポリエチレン10重量%、メルトインデックスが2g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.925g/cm3である無水マレイン酸グラフト線状低密度ポリエチレン10重量%、メルトインデックスが3.0g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.875g/cm3であるメタロセンポリエチレン系エラストマー40重量%をツインスクリューでコンパウンディングした後、前記ベース樹脂100重量部に対して、上記で製造された発泡剤マスターバッチペレット10重量部を投入した後、160℃で溶融押出して、Tダイを通じてシート状に製造した。
【0074】
ラッシェル機で製織されたジグザグ状の電熱線に、Tダイを通じて押出されるシートを両面に積層した後、ローラーを用いて加圧して圧着することによって、電気発泡融着用シートを製造した。
【0075】
前記物性測定方法により物性を測定した結果、均一に発泡されて完全に発泡融着されたことが確認でき、また水密実験においても漏水が発生しなかった。
【0076】
[実施例7]
【0077】
発泡剤マスターバッチの製造
【0078】
メルトインデックスが3g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.924g/cm3である低密度ポリエチレン35重量%、メルトインデックスが25g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.946g/cm3である高密度ポリエチレン10重量%、メルトインデックスが2g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.925g/cm3である無水マレイン酸グラフト線状低密度ポリエチレン30重量%、メルトインデックスが3.0g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.875g/cm3であるメタロセンポリエチレン系エラストマー20重量%、発泡剤(アゾジカーボンアミド、DONGJIN SEMICHEM.Co.,Ltd.)4重量%、及び潤滑剤(ステアリン酸カルシウム)1重量%をニーダーに投入した後、130℃で15分間混練を行った。以後、160℃の押出機で溶融押出してペレットを製造した。
【0079】
電気発泡融着用シートの製造
【0080】
ベース樹脂として、メルトインデックスが3g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.924g/cm3である低密度ポリエチレン40重量%、メルトインデックスが25g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.946g/cm3である高密度ポリエチレン10重量%、メルトインデックスが2g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.925g/cm3である無水マレイン酸グラフト線状低密度ポリエチレン30重量%、メルトインデックスが3.0g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.875g/cm3であるメタロセンポリエチレン系エラストマー20重量%をツインスクリューでコンパウンディングした後、前記ベース樹脂100重量部に対して、上記で製造された発泡剤マスターバッチペレット10重量部を投入した後、160℃で溶融押出して、Tダイを通じてシート状に製造した。
【0081】
ラッシェル機で製織されたジグザグ状の電熱線に、Tダイを通じて押出されるシートを両面に積層した後、ローラーを用いて加圧して圧着することによって、電気発泡融着用シートを製造した。
【0082】
前記物性測定方法により物性を測定した結果、均一に発泡されて完全に発泡融着されたことが確認でき、また水密実験においても漏水が発生しなかった。
【0083】
[実施例8]
【0084】
発泡剤マスターバッチの製造
【0085】
メルトインデックスが3g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.924g/cm3である低密度ポリエチレン30重量%、メルトインデックスが25g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.946g/cm3である高密度ポリエチレン5重量%、メルトインデックスが2g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.925g/cm3である無水マレイン酸グラフト線状低密度ポリエチレン30重量%、メルトインデックスが3.0g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.875g/cm3であるメタロセンポリエチレン系エラストマー30重量%、発泡剤(アゾジカーボンアミド、DONGJIN SEMICHEM.Co.,Ltd.)4重量%、及び潤滑剤(ステアリン酸カルシウム)1重量%をニーダーに投入した後、130℃で15分間混練を行った。以後、160℃の押出機で溶融押出してペレットを製造した。
【0086】
電気発泡融着用シートの製造
【0087】
ベース樹脂として、メルトインデックスが3g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.924g/cm3である低密度ポリエチレン30重量%、メルトインデックスが25g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.946g/cm3である高密度ポリエチレン5重量%、メルトインデックスが2g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.925g/cm3である無水数マレイン酸グラフト線状低密度ポリエチレン30重量%、メルトインデックスが3.0g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.875g/cm3であるメタロセンポリエチレン系エラストマー35重量%をツインスクリューでコンパウンディングした後、前記ベース樹脂100重量部に対して、上記で製造された発泡剤マスターバッチペレット10重量部を投入した後、160℃で溶融押出して、Tダイを通じてシート状に製造した。
【0088】
ラッシェル機で製織されたジグザグ状の電熱線に、Tダイを通じて押出されるシートを両面に積層した後、ローラーを用いて加圧して圧着することによって、電気発泡融着用シートを製造した。
【0089】
前記物性測定方法により物性を測定した結果、均一に発泡されて完全に発泡融着されたことが確認でき、また水密実験においても漏水が発生しなかった。
【0090】
[実施例9]
【0091】
発泡剤マスターバッチの製造
【0092】
メルトインデックスが3g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.924g/cm3である低密度ポリエチレン30重量%、メルトインデックスが25g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.946g/cm3である高密度ポリエチレン10重量%、メルトインデックスが2g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.925g/cm3である無水マレイン酸グラフト線状低密度ポリエチレン20重量%、メルトインデックスが3.0g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.875g/cm3であるメタロセンポリエチレン系エラストマー25重量%、メルトインデックスが2.0g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.940g/cm3であるビニルアセテート18重量%が含有されたエチレン−ビニルアセテート共重合体10重量%、発泡剤(アゾジカーボンアミド、DONGJIN SEMICHEM.Co.,Ltd.)4重量%、及び潤滑剤(ステアリン酸カルシウム)1重量%をニーダーに投入した後、130℃で15分間混練を行った。以後、160℃の押出機で溶融押出してペレットを製造した。
【0093】
電気発泡融着用シートの製造
【0094】
ベース樹脂として、メルトインデックスが3g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.924g/cm3である低密度ポリエチレン30重量%、メルトインデックスが25g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.946g/cm3である高密度ポリエチレン10重量%、メルトインデックスが2g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.925g/cm3である無水マレイン酸グラフト線状低密度ポリエチレン20重量%、メルトインデックスが3.0g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.875g/cm3であるメタロセンポリエチレン系エラストマー30重量%、メルトインデックスが2.0g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.940g/cm3であるビニルアセテート18重量%が含有されたエチレン−ビニルアセテート共重合体10重量%をツインスクリューでコンパウンディングした後、前記ベース樹脂100重量部に対して、上記で製造された発泡剤マスターバッチペレット10重量部を投入した後、160℃で溶融押出して、Tダイを通じてシート状に製造した。
【0095】
ラッシェル機で製織されたジグザグ状の電熱線に、Tダイを通じて押出されるシートを両面に積層した後、ローラーを用いて加圧して圧着することによって、電気発泡融着用シートを製造した。
【0096】
前記物性測定方法により物性を測定した結果、均一に発泡されて完全に発泡融着されたことが確認でき、また水密実験においても漏水が発生しなかった。
【0097】
[実施例10]
【0098】
発泡剤マスターバッチの製造
【0099】
メルトインデックスが3g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.924g/cm3である低密度ポリエチレン35重量%、メルトインデックスが25g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.946g/cm3である高密度ポリエチレン10重量%、メルトインデックスが2g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.925g/cm3である無水マレイン酸グラフト線状低密度ポリエチレン20重量%、メルトインデックスが3.0g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.875g/cm3であるメタロセンポリエチレン系エラストマー25重量%、メルトインデックスが2.0g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.940g/cm3であるビニルアセテート18重量%が含有されたエチレン−ビニルアセテート共重合体5重量%、発泡剤(アゾジカーボンアミド、DONGJIN SEMICHEM.Co.,Ltd.)4重量%、及び潤滑剤(ステアリン酸カルシウム)1重量%をニーダーに投入した後、130℃で15分間混練を行った。以後、160℃の押出機で溶融押出してペレットを製造した。
【0100】
電気発泡融着用シートの製造
【0101】
ベース樹脂として、メルトインデックスが3g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.924g/cm3である低密度ポリエチレン35重量%、メルトインデックスが25g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.946g/cm3である高密度ポリエチレン10重量%、メルトインデックスが2g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.925g/cm3である無水マレイン酸グラフト線状低密度ポリエチレン20重量%、メルトインデックスが3.0g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.875g/cm3であるメタロセンポリエチレン系エラストマー30重量%、メルトインデックスが2.0g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.940g/cm3であるビニルアセテート18重量%が含有されたエチレン−ビニルアセテート共重合体5重量%をツインスクリューでコンパウンディングした後、前記ベース樹脂100重量部に対して、上記で製造された発泡剤マスターバッチペレット10重量部を投入した後、160℃で溶融押出して、Tダイを通じてシート状に製造した。
【0102】
ラッシェル機で製織されたジグザグ状の電熱線に、Tダイを通じて押出されるシートを両面に積層した後、ローラーを用いて加圧して圧着することによって、電気発泡融着用シートを製造した。
【0103】
前記物性測定方法により物性を測定した結果、均一に発泡されて完全に発泡融着されたことが確認でき、また水密実験においても漏水が発生しなかった。
【0104】
[比較例1]
【0105】
メルトインデックスが3g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.924g/cm3である低密度ポリエチレンを200℃で溶融押出して、Tダイを通じてシート状に製造した。
【0106】
ラッシェル機で製織されたジグザグ状の電熱線に、Tダイを通じて押出されるシートを両面に積層した後、ローラーを用いて加圧して圧着することによって、電気融着シートを製造した。
【0107】
製造された電気融着シートを用いて、実施例と同一の方法で物性を測定した。その結果、シート重畳部に空隙が発生することが分かった。
【0108】
[比較例2]
【0109】
発泡剤マスターバッチの製造
【0110】
メルトインデックスが3g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.924g/cm3である低密度ポリエチレン96重量%と、発泡剤(アゾジカーボンアミド、DONGJIN SEMICHEM.Co.,Ltd.)4重量%をニーダーに投入した後、130℃で15分間混練を行った。以後160℃の押出機で溶融押出してペレットを製造した。
【0111】
電気発泡融着用シートの製造
【0112】
ベース樹脂として、メルトインデックスが3g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.924g/cm3である低密度ポリエチレン50重量%、メルトインデックスが25g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.946g/cm3である高密度ポリエチレン50重量%を押出機に入れて、前記ベース樹脂100重量部に対して、上記で製造された発泡剤マスターバッチを5重量部投入した後、200℃で溶融押出した。その結果、押出時に発泡されてシートが製造できなかった。
【0113】
[比較例3]
【0114】
発泡剤マスターバッチの製造
【0115】
メルトインデックスが3g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.924g/cm3である低密度ポリエチレン96重量%と、発泡剤(アゾジカーボンアミド、DONGJIN SEMICHEM.Co.,Ltd.)4重量%をニーダーに投入した後、130℃で15分間混練を行った。以後、160℃の押出機で溶融押出して、ペレットを製造した。
【0116】
電気発泡融着用シートの製造
【0117】
ベース樹脂として、メルトインデックスが3g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.924g/cm3である低密度ポリエチレン50重量%、メルトインデックスが25g/10分(190℃、2.16kg)で、密度が0.946g/cm3である高密度ポリエチレン50重量%を押出機に入れて、前記ベース樹脂100重量部に対して、上記で製造された発泡剤マスターバッチを5重量部投入した後、160℃で溶融押出して、Tダイを通じてシート状に製造した。
【0118】
ラッシェル機で製織されたジグザグ状の電熱線に、Tダイを通じて押出されるシートを両面に積層した後、ローラーを用いて加圧して圧着することによって、電気発泡融着用シートを製造した。
【0119】
前記物性測定方法により物性を測定した結果、均一に発泡されず、シート重畳部に空隙が発生して、水密実験においても漏水が発生した。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、地中埋設管の設置時に、発泡により、管と管との間及び管と継ぎ手管との間を発泡融着することで、簡単な方法で施工が可能で、水密性に優れるので、産業上の利用可能性が高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低密度ポリエチレン30〜50重量%、高密度ポリエチレン5〜20重量%、メタロセンポリエチレン系エラストマー10〜30重量%、マレイン酸無水物グラフト共重合体20〜40重量%を含むベース樹脂100重量部に対して、低密度ポリエチレン30〜50重量%、高密度ポリエチレン5〜20重量%、メタロセンポリエチレン系エラストマー10〜30重量%、マレイン酸無水物グラフト共重合体20〜40重量%、発泡剤1〜10重量%、及び添加剤0.1〜5重量%を含むマスターバッチ1〜10重量部を含む、パイプ連結用シート組成物。
【請求項2】
前記低密度ポリエチレンは、メルトインデックス(MI)が2〜4g/10分(190℃、2.16kg)、高密度ポリエチレンは、メルトインデックス(MI)が20〜30g/10分(190℃、2.16kg)、メタロセンポリエチレン系エラストマーは、メルトインデックス(MI)が1〜5g/10分(190℃、2.16kg)、マレイン酸無水物グラフト共重合体は、メルトインデックス(MI)が0.7〜3.5g/10分(190℃、2.16kg)であるものを使用する、請求項1に記載のパイプ連結用シート組成物。
【請求項3】
前記添加剤は、潤滑剤、顔料、酸化防止剤、紫外線安定剤、充填剤から選ばれるいずれか一つまたは2つ以上の混合物である、請求項1に記載のパイプ連結用シート組成物。
【請求項4】
前記潤滑剤は、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸グリセリン、ステアリン酸ブチル、固体パラフィン、流動パラフィンから選ばれるいずれか一つまたは2つ以上の混合物である、請求項2に記載のパイプ連結用シート組成物。
【請求項5】
前記発泡剤は、アゾジカーボンアミド(Azodicarbonamide、ADCA)、アゾジイソブチロニトリル(ABBN)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DNPT)、パラトルエンスルホニルヒドラジド(TSH)、及びオキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)から選ばれるいずれか一つまたは2つ以上の混合物である、請求項1に記載のパイプ連結用シート組成物。
【請求項6】
前記ベース樹脂は、ビニルアセテートの含量が5〜30重量%であるビニルアセテート系樹脂を0.1〜10重量%さらに含むことを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のパイプ連結用シート組成物。
【請求項7】
前記ビニルアセテート系樹脂は、エチレン−ビニルアセテート共重合体である、請求項6に記載のパイプ連結用シート組成物。
【請求項8】
前記パイプ連結用シート組成物は、発泡温度が165〜195℃である、請求項1に記載のパイプ連結用シート組成物。
【請求項9】
a)ラッシェル機を用いて、ジグザグまたは網(networking)状の電熱線を製織する段階と、
b)低密度ポリエチレン30〜50重量%、高密度ポリエチレン5〜20重量%、メタロセンポリエチレン系エラストマー10〜30重量%、マレイン酸無水物グラフト共重合体20〜40重量%を含むベース樹脂100重量部に対して、低密度ポリエチレン30〜50重量%、高密度ポリエチレン5〜20重量%、メタロセンポリエチレン系エラストマー10〜30重量%、マレイン酸無水物グラフト共重合体20〜40重量%、発泡剤1〜10重量%、及び添加剤0.1〜5重量%を含むマスターバッチ1〜10重量部を押出機に入れて、発泡温度以下の温度で溶融押出して、未発泡シートを製造する段階と、
c)前記製織された電熱線の片面または両面に、押出される未発泡シートを積層した後、加圧して一体化する段階と、
を含む、電気発泡融着用シートの製造方法。
【請求項10】
前記電熱線と未発泡シートとの間に温度センサーをさらに備える、請求項9に記載の電気発泡融着用シートの製造方法。
【請求項11】
前記電熱線は、ガラス繊維で被覆されたことを特徴とする、請求項10に記載の電気発泡融着用シートの製造方法。
【請求項12】
請求項9ないし11のいずれか1項に記載の製造方法で製造され、前記電熱線に電流を印加する時に加熱され発泡される、電気発泡融着用シート。
【請求項13】
ジグザグまたは網(networking)状の電熱線と、
前記電熱線の片面または両面に積層され、請求項1ないし5、又は8のいずれか1項に記載の組成物を、発泡温度以下の温度で溶融押出した未発泡シートと、
前記電熱線と未発泡シートとの間に内蔵された温度センサーと、を含む、電気発泡融着用シート。
【請求項14】
請求項13に記載の電気発泡融着用シートと;前記電気発泡融着用シートの外面を覆い、電気発泡融着用シートと融着されて、下水管の継ぎ手を支持するポリエチレン支持シートと;前記電気発泡融着用シート及び支持シートをポリエチレン下水管と密着するようにし、発泡/融着の時に電気発泡融着用シートと支持シートを支持して、管の継ぎ手やシート重畳部の隙間を密閉させる締め付けバンドと;を含む、地中埋設管の連結装置。
【請求項15】
前記締め付けバンドは、バンドクランプ型である、請求項14に記載の地中埋設管の連結装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−516534(P2013−516534A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547945(P2012−547945)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【国際出願番号】PCT/KR2010/008126
【国際公開番号】WO2011/083913
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(512176543)株式会社アズミ (1)
【氏名又は名称原語表記】AZUMI CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】B112,Seongnam Woolim Lions Valley 1 Cha,311−3,Sangdaewon−dong,Jungwon−gu,Seongnam−si,Gyeonggi−do 462−806,Republic of Korea
【出願人】(512176554)
【氏名又は名称原語表記】JOO,Soo Young
【住所又は居所原語表記】#1009−1003,Samsung Apt.Imae−dong,Bundang−gu Seongnam−si,Gyeonggi−do 463−901 Republic of Korea
【Fターム(参考)】