説明

パイロットを送信するための方法および装置

パイロットを送信するための方法および装置を提供する。本方法は、拡散符号を用いて少なくとも2つのシグネチャシーケンスにスペクトル拡散を行う段階(S101)と、スペクトル拡散がなされたシグネチャシーケンスをプリコーディングし、ユーザ機器(UE)に送信する段階(S102)とを有する。少なくとも2つのシグネチャシーケンスの各々は、少なくとも1つのUEに対応し、少なくとも1つのUEの少なくとも1つのデータストリームの個別パイロットとして使用される。個別パイロットは、プリコーディング行列を推定するためにUEによって使用される。プリコーディングに使用されるプリコーディング行列またはベクトルは、シグネチャシーケンスが対応するデータストリームをプリコーディングする際に使用されるプリコーディング行列またはベクトルと同一である。本発明の諸実施形態は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU-MIMO)におけるパイロットの送信に使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年11月25日に中国特許庁に出願された、「PILOT SENDING METHOD AND APPARATUS」という名称の中国特許出願第200910246767.1号に基づく優先権を主張するものである。上記中国特許出願の全内容が、引用により本明細書に組み込まれる。
本発明は、通信分野に関し、詳細にはパイロット送信方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信技術の発達につれて、多くの新しい技術が出現しているが、特に代表的なものがCoMP(Coordinated Multi-point Transmission、多地点協調送信)である。様々なタイプのCoMPの中でも、MU-MIMO(Multi User Multi Input Multi Output、マルチユーザマルチ入力マルチ出力)が最も大きな利得を有する。
【0003】
MU-MIMOの基本的な目標は、ユーザの平均データレートを増大させ、複数のユーザ機器と最適な通信を実行するために、データストリームを共有することによって空間的に分離されたアンテナに対して「協力的に(collaboratively)」プリコーディングを行うことである。MU-MIMOでは、送信機は、様々なユーザのデータに様々なプリコーディングを行い、次いで空間的に分離されたアンテナを使用することによってプリコードされたデータを送信する。様々なユーザの受信機は、受信したデータに復号を行って、それぞれのデータを取得する。MU-MIMOは、プリコーディングによって様々なユーザ間の相互干渉を取り除き、複数のユーザに同時にデータを送信するという目的を達成する。
【0004】
ユーザは、データの復号および取得を行うことができるように、ネットワーク側で使用されるコードブック、またはコードブックを使用することによって形成されるプリコーディング行列を知る必要がある。したがってネットワーク側は、プリコーディング行列のインデックスまたはパイロットシーケンスを各ユーザに送信する必要がある。様々なユーザの様々なデータストリームが様々なコードブックを採用するので、ネットワーク側はこのプリコーディング行列のインデックスまたはこのパイロットシーケンスをユーザに送信する必要がある。
【0005】
先行技術では、多数のプリコーディング行列のインデックスが送信され、これが多くのリソースを占有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の諸態様は、ネットワークリソースを節約することができるパイロット送信方法および装置を提供する。
【0007】
上記の技術的問題を解決するために、本発明の諸態様は、以下の技術的解決法を採用する。
【0008】
パイロット送信方法は、拡散符号を使用することによって少なくとも2つのシグネチャシーケンスに拡散を行う段階と、拡散済みシグネチャシーケンスにプリコーディングを行って、プリコーディングされた拡散済みシグネチャシーケンスをUEに送信する段階とを有する。少なくとも2つのシグネチャシーケンスの各シグネチャシーケンスは、少なくとも1つのUEの少なくとも1つのデータストリームの個別パイロット(dedicated pilot)として使用される。個別パイロットは、プリコーディング行列の推定を行うためにUEによって使用される。プリコーディングを行う際に使用されるプリコーディング行列は、シグネチャシーケンスに対応するデータストリームにプリコーディングを行う際に使用されるプリコーディング行列と同じものであるか、またはプリコーディングを行う際に使用されるプリコーディングベクトルは、シグネチャシーケンスに対応するデータストリームにプリコーディングを行う際に使用されるコーディングベクトルと同じものである。
【0009】
個別パイロットを使用することによって推定を行うための方法は、ネットワーク側によって送信された個別パイロットを、ユーザ機器(UE)によって受信する段階と、個別パイロットにスクランブル解除(descrambling)を行う段階と、受信した個別パイロットの拡散符号に従って、受信した個別パイロットに逆拡散を行い、様々なデータストリームに属する個別パイロットを取得する段階と、ネットワーク側によって送信された受信済み個別パイロットおよびシグネチャシーケンスを使用することによって、プリコーディング行列を取得するか、または合成チャネル行列を計算する段階とを有する。合成チャネル行列は、UEのすべての受信アンテナのチャネル行列とUEのすべてのデータストリームのプリコーディング行列との積(product)である。
【0010】
基地局装置は、拡散符号を使用することによって少なくとも2つのシグネチャシーケンスに拡散を行うように構成された拡散ユニットと、拡散ユニットによって出力されるシーケンスにプリコーディングを行うように構成されたプリコーディングユニットと、プリコーディングユニットによって出力されたシーケンスをUEに送信するように構成された送信ユニットとを具備する。少なくとも2つのシグネチャシーケンスの各シグネチャシーケンスは、少なくとも1つのユーザ機器(UE)に対応して、この少なくとも1つのUEの少なくとも1つのデータストリームの個別パイロットとして使用される。個別パイロットは、プリコーディング行列の推定を行うためにUEによって使用される。プリコーディングを行う際に使用されるプリコーディング行列またはプリコーディングベクトルは、シグネチャシーケンスに対応するデータストリームにプリコーディングを行う際に使用されるプリコーディング行列またはプリコーディングベクトルと同じものである。
【0011】
ユーザ機器は、ネットワーク側によって送信された個別パイロットを受信するように構成された受信ユニットと、受信ユニットによって受信された個別パイロットにスクランブル解除を行うように構成されたスクランブル解除ユニットと、受信した個別パイロットの拡散符号に従って、受信した個別パイロットに逆拡散を行い、様々なデータストリームに属する個別パイロットを取得するように構成された逆拡散ユニットと、ネットワーク側によって送信された、受信済み個別パイロットおよびシグネチャシーケンスを使用することによって、プリコーディング行列を取得するか、または合成チャネル行列を計算するように構成された計算ユニットとを具備する。合成チャネル行列は、ユーザ機器のすべての受信アンテナのチャネル行列とユーザ機器のすべてのデータストリームのプリコーディング行列との積である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の諸態様で提供されるパイロット送信方法および装置を使用することによって、複数のシグネチャシーケンスが同じ拡散符号で搬送され、複数のUEの複数のデータストリームの個別パイロットとして使用され、これによりUEはマルチアンテナ送信者によって使用されるプリコーディング行列を推定する。本発明の諸態様で提供されるパイロット送信方法および装置を使用することによって、各UEの各データストリームのプリコーディング行列のインデックスがUEに送信される必要はなく、これによりネットワークリソースを節約し、ユーザの多数のプリコーディング行列のインデックスを同時に通知することができないためにUEが正常に復号を行うことができないという状況が起こらないようにする。
【0013】
本発明および先行技術の諸実施形態の技術的解決法をより明瞭に説明するために、諸実施形態または先行技術を説明する際に使用する必要がある添付の図面について以下に簡単に述べる。明らかに次の説明中の添付の図面は、本発明の一部の実施形態であるにすぎず、当業者は創造的な努力をせずにこうした添付の図面に従って他の図面をさらに取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態によるパイロット送信方法のブロックフローチャートである。
【図2】本発明の一実施形態によりMU-MIMOにおいて送信機で個別パイロットを付加する概略的フローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態により1つのUEに対して個別パイロットを付加するプロセスの概略図である。
【図4】本発明の一実施形態により個別パイロットを使用することによって推定を行うための方法のブロックフローチャートである。
【図5】本発明の別の実施形態により個別パイロットを使用することによって推定を行うための方法のブロックフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態による基地局装置の構造ブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態による別の基地局装置の構造ブロック図である。
【図8】本発明の一実施形態によるユーザ機器の構造ブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態によるパイロット解明方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
これより、本発明の実施形態における技術的解決法について、本発明の諸実施形態における添付の図面を参照して以下に明確に、また十分に説明する。当然ながら、記載する実施形態は、本発明の実施形態のすべてではなく一部にすぎない。本発明の諸実施形態に基づいて、創造的な努力をすることなく当業者によって取得される他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【0016】
本発明の第1実施形態は、パイロット送信方法を提供し、この方法は図1に示す通りである。
【0017】
S101:拡散符号を使用することによって少なくとも2つのシグネチャシーケンスに拡散を行う。少なくとも2つのシグネチャシーケンスの各シグネチャシーケンスは、少なくとも1つのユーザ機器(UE)に対応し、この少なくとも1つのUEの少なくとも1つのデータストリームの個別パイロットとして使用され、この個別パイロットがプリコーディング行列の推定を行うためにUEによって使用される。
【0018】
すなわち、少なくとも1つのUEの少なくとも1つのデータストリームの個別パイロットは、物理チャネルを共有することができる。
【0019】
S102:拡散済みシグネチャシーケンスにプリコーディングを行い、プリコーディングされた拡散済みシグネチャシーケンスをUEに送信する。プリコーディングを行う際に使用されるプリコーディング行列またはプリコーディングベクトルは、シグネチャシーケンスに対応するデータストリームでプリコーディングを行う際に使用されるプリコーディング行列またはプリコーディングベクトルと同じものである。
【0020】
プリコーディングは、個別パイロットおよびデータストリームにおいて同時に行うことができる、すなわち、個別パイロットチャネルの各TTI(Transmission Time Interval、送信時間間隔)の開始タイムスロットは、データチャネルの開始タイムスロットと揃えることができる。個別パイロットは、あるTTIのデータチャネルと同じようにプリコーディングされた後、TTIのデータ送信時間よりも数タイムスロット前に送信することもできる。すなわち、個別パイロットチャネルの各TTIの開始タイムスロットは、データチャネルの対応するTTIの開始タイムスロットよりも数タイムスロット早いことが可能である。
【0021】
さらに、UEのマルチアンテナ送信が行われる前に、ネットワーク側が、RRC(Radio Resource Control、無線リソース制御)メッセージによって個別パイロットおよび/または個別パイロットの拡散符号をUEに知らせることができる。この場合、シグネチャシーケンスがUE側で事前設定される場合、シグネチャシーケンスの指示(indication)のみをRRCシグナリングで搬送することができる。もちろんシグネチャシーケンスの特定のコンテンツも送信することができる。同様に拡散符号については、拡散符号もUE側で事前設定することができ、拡散符号の指示のみをRRCシグナリングで搬送するか、または拡散符号のコンテンツをRRCシグナリングで直接送信する。
【0022】
例えばRRCメッセージには、無線ベアラ再設定メッセージ、無線ベアラセットアップメッセージ、物理レイヤ再設定メッセージ、またはRRC接続セットアップメッセージが含まれる。
【0023】
本発明のこの実施形態で提供するパイロット送信方法を使用することによって、複数のシグネチャシーケンスが同じ拡散符号で搬送され、複数のUEの複数のデータストリームの個別パイロットとして使用され、これによりUEはマルチアンテナの送信者によって使用されるプリコーディング行列を測定する。このように、各UEの各データストリームのプリコーディング行列のインデックスは、UEに送信される必要がなく、これにより、ユーザの多数のプリコーディング行列のインデックスを同時に通知することができないためにUEが従来の技術で正常に復号を行うことができないという状況が起こらないようになる。本発明のこの実施形態によれば、ネットワークリソースを節約し、事実上アクセスユーザの数が増加する。さらに、各UEの各データストリームの個別パイロットは、個別ダウンリンクDPCCH(Dedicated Physical Control Channel、個別物理制御チャネル)を占有する必要がない。各DPCCHは少なくとも1つの拡散符号を消費する(consume)必要があるので、各UEの各データストリームの個別パイロットが少なくとも1つの拡散符号を消費する場合、拡散符号のリソースの不足が起こって悪化する。したがって、1つの拡散符号で複数のUEの複数のデータストリームの個別パイロットを搬送すると符号リソースを節約し、より多くのユーザにサービスを提供することができる。
【0024】
本発明の第2実施形態において提供されるパイロット送信方法では、NodeBがデータストリームを送信するとき、NodeBが各データストリームおよび対応する個別パイロットに共にプリコーディングを行い、プリコード済みデータストリームおよび個別パイロットをUEに送信する。図2は、MU-MIMOにおいて送信機で個別パイロットを付加するプロセスを示している。図2において1つのUEに個別パイロットを付加するプロセスは、図3に示す通りである。UEは2つのデータストリームを有し、個別パイロットチャネルの各TTIの開始タイムスロットは、データチャネルの各TTIの開始タイムスロットと揃えられると仮定する。
【0025】
本発明のこの実施形態では、同じ拡散符号を共有することによって、すべての個別パイロット、すなわち様々なUEに対する様々なデータストリームの個別パイロットに拡散を行う。もちろん複数の拡散符号を使用して拡散を行うこともできるが、1つの拡散符号のみを使用すればさらにリソースを節約することができる。
【0026】
詳細には、1つのシグネチャシーケンスが1つのUEのデータストリームに対応し、UEのデータストリームの個別パイロットとして使用され、プリコーディング行列の推定を行うために使用される。シグネチャシーケンスは、例えば表1に示すシーケンスである場合がある。
【0027】
【表1】

【0028】
マルチアンテナ送信が行われる前に、ネットワーク側はRRCメッセージによって個別パイロットに関連する情報をUEに知らせる必要があり、個別パイロットに関連する情報は、例えば、シグネチャシーケンスおよび/またはシグネチャシーケンスの拡散符号を含むことができる。もちろんUEがシグネチャシーケンスおよび/または拡散符号を事前にわかっている場合、ここではシグネチャシーケンスの指示情報および/または拡散符号の指示情報のみを搬送することができる。
【0029】
RRCメッセージは、無線ベアラ再構成(radio bearer reconfiguration)メッセージ、無線ベアラセットアップメッセージ、物理レイヤ再構成メッセージ、またはRRC接続セットアップメッセージなどである可能性がある。RRCメッセージにおける具体的な情報要素のフォーマットを表2に示す。
【0030】
【表2】

【0031】
プリコードされた個別パイロットシーケンスを受信するとき、UEはまずスクランブル解除を行う必要があり、次いで受信した個別パイロットの拡散符号に従って逆拡散を行って、重畳されて様々なデータストリームに属する個別パイロット信号を取得する。ネットワーク側は使用される個別パイロットをすでにUEに通知しているか、またはUE側がUEによって使用される個別パイロットをすでに格納しており、各個別パイロットは直交し、互いに影響を及ぼさない。したがってUEは、受信した個別パイロットおよび既知のシグネチャシーケンスを使用することによって、プリコーディング行列を取得するか、あるいは合成チャネル行列を計算することができ、合成チャネル行列は、UEのすべての受信アンテナのチャネル行列とUEのすべてのデータストリームのプリコーディング行列の積である。
【0032】
以下に、説明のために具体例を取り上げる。
【0033】
Hは、1つのUEのすべての受信アンテナのチャネル行列であって、m×n行列であり、mはUEの受信アンテナの数を示し、nはNodeBの送信アンテナの数を示すと仮定する。WはUEのすべてのデータストリームのプリコーディング行列であって、n×s行列であり、nはNodeBの送信アンテナの数を示し、sはUEのデータストリームの数を示すと仮定する。UEのすべてのアンテナによって受信されるパイロットデータは、次のように表すことができる。
【0034】
【数1】

【0035】
Preceiveは、ネットワーク側によって送信された受信パイロット-シーケンスを示し、Nは、他のUEのデータストリームの個別パイロットの干渉および重畳ノイズを示す。MU-MIMOの各UE間に良好なチャネル空間の直交性が存在する場合、相互干渉はプリコーディング後に最小化することができる。さらに、個別パイロットは相互に直交しており、互いに干渉しないので、Nは、プリコーディング行列を取得するプロセスでは無視することができる。Hm×nは、各アンテナの共通パイロットを測定することによりUEによって推定することができる。Ps×1は、ネットワーク側がUEに通知する個別パイロットを示し、プリコーディング行列Wn×sは、計算により取得する、あるいはプリコーディング行列Wn×sは、すべてのプリコーディング行列をポーリングすることによって取得することができる。
【0036】
あるいはUEは、プリコーディング行列Wn×sを特に取得する必要はないが、計算により合成チャネル行列Hm×nWn×sを直接取得し、次いでHm×nWn×sを使用することによって信号を復号する。
【0037】
UEによって受信信号を復号するプロセスは、次の通りである。
【0038】
受信データ信号はSreceive = Hm×nWn×sSs×1 +Nsであると仮定する。
【0039】
次いで、UEにより復号を行うプロセスは、以下のようである。
【0040】
【数2】

【0041】
すなわち、信号Sを掛けた合成チャネル行列Hm×nWn×sは、復号行列(decoding matrix)WHHHを使用することによって対角行列に変換される。
【0042】
復号行列WHHH = (HW)Hが、復号に使用される。
【0043】
したがってUEは、詳細にはプリコーディング行列Wn×sを取得する必要がないが、復号を実行するために単にHm×nWn×sを取得する必要がある。
【0044】
受信されるパイロット信号は、Preceive = Hm×nWn×sPs×l+Nであると仮定し、ここでHm×nWn×sは、m×n行列であり、
【数3】

に設定される。
【0045】
この場合、すべてのアンテナによって受信されるデータは、次のようである。
【0046】
【数4】

【0047】
各アンテナによって受信されるデータは、様々なデータストリームの直交個別パイロットを使用することによって復号され、行列Aのすべての要素を取得することができる。
【0048】
本発明のこの実施形態において提供されるパイロット送信方法を使用することによって、複数のシグネチャシーケンスが同じ拡散符号で搬送され、複数のUEの複数のデータストリームの個別パイロットとして使用され、これによりUEは、マルチアンテナの送信者によって使用されるプリコーディング行列を推定する。このように、各UEの各データストリームのプリコーディング行列のインデックスがUEに送信される必要がなく、これにより、ユーザの多数のプリコーディング行列のインデックスを同時に通知できないためにUEが従来の技術で正常に復号を行うことができないという状況が起こらないようにする。本発明のこの実施形態によれば、ネットワークリソースが節約され、事実上アクセスユーザの数が増加する。さらに各UEの各データストリームの個別パイロットは、個別ダウンリンクDPCCHを占有する必要がない。各DPCCHは少なくとも1つの拡散符号を消費する必要があるので、各UEの各データストリームの個別パイロットが少なくとも1つの拡散符号を消費する場合、拡散符号のリソースの不足が起こって悪化する。したがって、1つの拡散符号で複数のUEの複数のデータストリームの個別パイロットを搬送することにより、符号リソースを節約し、より多くのユーザにサービスを提供することができる。
【0049】
本発明の第3実施形態は、パイロット送信方法を提供し、そのプロセスは第2実施形態のプロセスと同様である。
【0050】
違いは、次のような点にある。UE間の空間直交性が十分に良好である場合、すなわち、複数のUEのチャネル行列またはチャネルベクトルの相関係数が第1閾値よりも小さく、複数のUEのうちの1つのUEのチャネル行列の固有ベクトルが、プリコーディングコードブックにあるか、またはプリコーディングコードブックとの相関係数が第2閾値よりも大きい場合、UE間には干渉がないか、または小さな干渉があるだけである。したがって、1つの拡散符号が、少なくとも2つのシグネチャシーケンスに拡散を行うために使用され、各シグネチャシーケンスは少なくとも2つのUEの少なくとも1つのデータストリームに対応し、少なくとも2つのUEの個別パイロットとしてプリコーディング行列の推定を行うために使用される。すなわち、1つのUEで使用される個別パイロットは、別のUEで再使用されて、個別パイロットのオーバヘッドをさらに削減し、アクセスユーザの数を増やすようにすることができる。また、本明細書で言及するプリコーディングコードブックは、第2実施形態におけるプリコーディング行列のベクトルまたはプリコーディングベクトルを指す。
【0051】
UE間で個別パイロットの再使用を実行するためには、ネットワーク側がMU-MIMOの対にされた(グループ化)UEを選択するとき、前述の点に注意を払うことが必要である。前述の空間直交性およびコードブックに従った非常に適切なUE対(グループ)が現れるとき、このUEグループでは異なるUEに同じ個別パイロットを適用することができる。
【0052】
さらに第2実施形態ではパイロット情報配信方式がRRC方式に従い、UEは全プロセスでトランスペアレントである。すなわちUE自体は、UEが使用するものと同じ個別パイロットを使用する他のUEがあることを認識しない。したがって、すべての信号受信および処理のステップについて、前述の諸実施形態を参照することができる。
【0053】
次に、2つのUEがチャネル直交性において対にされる例を取り上げることによって説明する。
【0054】
UE1に送信されるデータストリームがS1であり、S1が通るチャネルがH1であり、プリコーディング行列がW1であると仮定する。
【0055】
UE2に送信されるデータストリームがS2であり、S2が通るチャネルがH2であり、プリコーディング行列がW2であると仮定する。
【0056】
したがって、UE1によって受信される信号はH1W1S1であり、UE2によって受信される信号はH2W2S2であり、UE1上のUE2のデータの干渉はH1W2S2であり、UE2上のUE1のデータの干渉はH2W1S1である。
【0057】
チャネルH1は、H1 = V1D1V1Hで表すことができ、ここでV1は、H1の固有ベクトルを示し、V1は、例えばV1V1H = Iを満たすユニタリ行列とすることができ、D1は対角行列を示し、Iは単位行列を示す。一般に、UE1のプリコーディング行列は、W1 = V1である。
【0058】
同様に、チャネルH2は、H2 = V2D2V2Hで表すことができる。この式は、UE2上のUE1のデータの干渉に代入され、以下の式が得られる:H2W1S1 = V2D2V2HW1S1 = V2D2V2HV1S1
【0059】
UE1とUE2との間の直交性は良好であるので、
【数5】

と示す。
【0060】
UE1とUE2との間のチャネルの直交性は良好であるので、UE1のデータとUE2のデータとの間の干渉はほぼ0であり、すなわち2つの対にされたUE間の干渉は非常に小さいものであることを前述から知ることができる。もちろん別の前提条件は、プリコーディングコードブックに固有ベクトルが存在するということである。
【0061】
本発明の第4実施形態は、パイロット送信方法を提供し、そのプロセスは第2実施形態のプロセスと同様である。違いは次のようである。少数のプリコーディングコードブックしかない場合、すなわち、プリコーディングコードブックの数が第3閾値よりも小さい場合、同じパイロットシーケンスを同じUEの異なるデータストリームに使用することができ、すなわち、1つの拡散符号を使用して少なくとも2つのシグネチャシーケンスに符号化を行い、各シグネチャシーケンスは1つのUEの少なくとも2つのデータストリームに対応し、このUEの少なくとも2つのデータストリームの個別パイロットとして使用され、プリコーディング行列の推定を行うために使用される。また、本明細書で言及するプリコーディングコードブックは、第2実施形態のプリコーディング行列におけるベクトルまたはプリコーディングベクトルを指す。
【0062】
同じ個別パイロットについては、UEは、すべてのプリコーディングコードブックをポーリングして試す方法を採用することによってチャネル行列Hを推定し、ネットワーク側によって送信される様々なプリコーディングコードブックを次の式に代入する必要がある。
【0063】
【数6】

【0064】
あるプリコーディングコードブックの計算結果が、受信されたパイロットデータに最も近く、このプリコーディングコードブックはNodeBによって使用されるプリコーディングコードブックであると判断される。
【0065】
このようにして、個別パイロットを再使用することにより、個別パイロットのオーバヘッドをさらに削減することができ、アクセスユーザの数が増加する。
【0066】
本発明の一実施形態は、個別パイロットを使用することによって推定を行うための方法を提供する。図4に示すように、この方法は次のステップを含む。
【0067】
S401:ネットワーク側によって送信された個別パイロットを受信する。
【0068】
S402:個別パイロットにスクランブル解除を行う。
【0069】
S403:受信した個別パイロットの拡散符号に従って、受信した個別パイロットに逆拡散を行い、様々なデータストリームに属する個別パイロットを取得する。
【0070】
S404:受信した個別パイロットおよびネットワーク側によって送信されたシグネチャシーケンスを使用することによって、プリコーディング行列を取得するか、あるいは合成チャネル行列を計算する。合成チャネル行列は、方法の実行者のすべての受信アンテナのチャネル行列と方法の実行者のすべてのデータストリームのプリコーディング行列の積である。具体的な計算方法は、第2実施形態のプロセスと同様であり、ここでは繰り返して説明しない。
【0071】
さらに図5に示すように、ステップS401の前に、すなわちネットワーク側によって送信された個別パイロットを受信する前に、この方法は、次のステップを含むこともできる。
【0072】
S501:ネットワーク側によって送信された無線リソース制御(RRC)メッセージを受信する。RRCメッセージは、方法の実行者に個別パイロットのシグネチャシーケンスおよび/または拡散符号を通知するために使用される。
【0073】
本発明のこの実施形態において提供される個別パイロットを使用することによる推定を行うための方法を用いることによって、受信した個別パイロットおよびネットワーク側によって送信されたシグネチャシーケンスを使用することによって、プリコーディング行列を取得することができるか、または合成チャネル行列を計算することができる。このように、複数のシグネチャシーケンスをネットワーク側で同じ拡散符号で搬送し、複数のUEの複数のデータストリームの個別パイロットとして使用することができ、これによりUEはマルチアンテナの送信者によって使用されるプリコーディング行列を推定する。したがって、各UEの各データストリームのプリコーディング行列のインデックスは、UEに送信される必要がなく、これによりUEがユーザの多数のプリコーディング行列のインデックスを同時に通知することができないために従来の技術で正常に復号を行うことができないという状況が起こらないようにする。本発明の一実施形態により、ネットワークリソースが節約され、事実上アクセスユーザの数が増加する。さらに、各UEの各データストリームの個別パイロットは、個別ダウンリンクDPCCHを占有する必要がない。各DPCCHは、少なくとも1つの拡散符号を消費する必要があるので、各UEの各データストリームの個別パイロットが少なくとも1つの拡散符号を消費する場合、拡散符号のリソースの不足が起こって悪化する。したがって、複数のUEの複数のデータストリームの個別パイロットを1つの拡散符号で搬送することにより、符号リソースを節約し、より多くのユーザにサービスを提供することができる。
【0074】
本発明の一実施形態は、基地局装置60を提供する。図6に示すように、基地局装置60は、拡散符号を使用することによって少なくとも2つのシグネチャシーケンスに拡散を行うように構成された拡散ユニット601であって、少なくとも2つのシグネチャシーケンスの各シグネチャシーケンスは、少なくとも1つのユーザ機器(UE)に対応し、この少なくとも1つのUEの少なくとも1つのデータストリームの個別パイロットとして使用され、この個別パイロットがプリコーディング行列の推定を行うためにUEによって使用される、拡散ユニット601と、拡散ユニット601によって出力されたシーケンスにプリコーディングを行うように構成されたプリコーディングユニット602であって、プリコーディングを行う際に使用されるプリコーディング行列またはプリコーディングベクトルが、シグネチャシーケンスに対応するデータストリームにプリコーディングを行う際に使用されるプリコーディング行列またはプリコーディングベクトルと同じものである、プリコーディングユニット602と、プリコーディングユニット602によって出力されたシーケンスをUEに送信するように構成された送信ユニット603とを含む。
【0075】
本発明のこの実施形態で提供される基地局装置を使用することによって、複数のシグネチャシーケンスが同じ拡散符号で搬送され、複数のUEの複数のデータストリームの個別パイロットとして使用され、これによりUEはマルチアンテナの送信者によって使用されるプリコーディング行列を推定する。このように、各UEの各データストリームのプリコーディング行列のインデックスが、UEに送信される必要がなく、これにより、ユーザの多数のプリコーディング行列のインデックスを同時に通知できないためにUEが従来の技術で正常に復号を行うことができないという状況が起こらないようにする。本発明のこの実施形態によれば、ネットワークリソースが節約され、事実上アクセスユーザの数が増加する。また、各UEの各データストリームの個別パイロットは、個別ダウンリンクDPCCHを占有する必要がない。各DPCCHは少なくとも1つの拡散符号を消費する必要があるので、各UEの各データストリームの個別パイロットが少なくとも1つの拡散符号を消費する場合、拡散符号のリソースの不足が起こって悪化する。したがって、1つの拡散符号で複数のUEの複数のデータストリームの個別パイロットを搬送することにより、符号リソースを節約し、より多くのユーザにサービスを提供することができる。
【0076】
さらに図7に示すように、拡散ユニット601は、拡散符号を使用することによって少なくとも2つのシグネチャシーケンスに拡散を行うように構成された第1拡散モジュール6011であって、少なくとも2つのシグネチャシーケンスの各シグネチャシーケンスが、1つのUEに対応し、この1つのUEのデータストリームの個別パイロットとして使用される、第1拡散モジュール6011と、拡散符号を使用することによって少なくとも2つのシグネチャシーケンスに拡散を行うように構成された第2拡散モジュール6012であって、少なくとも2つのシグネチャシーケンスの各シグネチャシーケンスが、少なくとも2つのUEに対応し、少なくとも2つのUEの各UEの少なくとも1つのデータストリームの個別パイロットとして使用される、第2拡散モジュール6012と、拡散符号を使用することによって少なくとも2つのシグネチャシーケンスに拡散を行うように構成された第3拡散モジュール6013であって、少なくとも2つのシグネチャシーケンスの各シグネチャシーケンスが、少なくとも1つのUEに対応し、少なくとも1つのUEの少なくとも2つのデータストリームの個別パイロットとして使用される、第3拡散モジュール6013とを含む。
【0077】
このように、個別パイロットを再使用することによって、個別パイロットのオーバヘッドをさらに削減することができ、アクセスユーザの数が増加する。
【0078】
また、NodeBがプリコードされた個別パイロットをUEに送信する前に、送信ユニット603は、無線リソース制御(RRC)メッセージをUEへ送信するようにさらに構成され、このRRCメッセージを使用して、シグネチャシーケンスおよび/またはシグネチャシーケンスの拡散符号をUEに通知する。
【0079】
本発明の一実施形態は、ユーザ機器80を提供する。図8に示すように、ユーザ機器80は、ネットワーク側によって送信された個別パイロットを受信するように構成された、受信ユニット801と、受信ユニット801によって受信された個別パイロットにスクランブル解除を行うように構成された、スクランブル解除ユニット802と、受信された個別パイロットの拡散符号に従って、受信された個別パイロットに逆拡散を行い、様々なデータストリームに属する個別パイロットを取得するように構成された、逆拡散ユニット803と、ネットワーク側によって送信された受信済み個別パイロットおよびシグネチャシーケンスを使用することによって、プリコーディング行列を取得するか、または合成チャネル行列を計算するように構成された、計算ユニット804であって、合成チャネル行列がユーザ機器のすべての受信アンテナのチャネル行列とユーザ機器のすべてのデータストリームのプリコーディング行列の積である、計算ユニット804とを含む。具体的な計算プロセスについては第2実施形態で説明しており、ここでは繰り返して説明しない。
【0080】
さらに、受信ユニット801は、ネットワーク側によって送信された無線リソース制御(RRC)メッセージを受信するように構成され、RRCメッセージを使用して、シグネチャシーケンスおよび/またはシグネチャシーケンスの拡散符号をユーザ機器に通知する。
【0081】
本発明のこの実施形態で提供されるユーザ機器を使用することによって、同じ拡散符号で搬送される複数のシグネチャシーケンスを受信することができ、これを複数のUEの複数のデータストリームの個別パイロットとして使用し、これによりマルチアンテナの送信者によって使用されるプリコーディング行列を推定する。このように、各UEの各データストリームのプリコーディング行列のインデックスは、UEに送信される必要がなく、これにより、ユーザの多数のプリコーディング行列のインデックスを同時に通知できないためにUEが従来の技術で正常に復号を行うことができないという状況が起こらないようにする。本発明のこの実施形態によれば、ネットワークリソースが節約され、事実上アクセスユーザの数が増加する。また、各UEの各データストリームの個別パイロットは、個別ダウンリンクDPCCHを占有する必要がない。各DPCCHは少なくとも1つの拡散符号を消費する必要があるので、各UEの各データストリームの個別パイロットが少なくとも1つの拡散符号を消費する場合、拡散符号のリソースの不足が起こって悪化する。したがって、1つの拡散符号で複数のUEの複数のデータストリームの個別パイロットを搬送すると符号リソースを節約し、より多くのユーザにサービスを提供することができる。
【0082】
また本発明の一実施形態は、パイロット解明方法を提供する。図9に示すように、この実施形態は以下のステップを含む。
【0083】
ステップ901:拡散符号を使用することによって少なくとも2つのシグネチャシーケンスに拡散を行う。
【0084】
ステップ902:拡散済みシグネチャシーケンスにプリコーディングを行って、プリコードされた拡散済みシグネチャシーケンスをUEに送信する。
【0085】
少なくとも2つのシグネチャシーケンスの各シグネチャシーケンスが、少なくとも1つのUEの少なくとも1つのデータストリームの個別パイロットとして使用され、この個別パイロットがプリコーディング行列の推定を行うためにUEによって使用される。
【0086】
プリコーディングを行う際に使用されるプリコーディング行列が、シグネチャシーケンスに対応するデータストリームにプリコーディングを行う際に使用されるプリコーディング行列と同じものであるか、またはプリコーディングを行う際に使用されるプリコーディングベクトルが、シグネチャシーケンスに対応するデータストリームにプリコーディングを行う際に使用されるコーディングベクトルと同じものである。
【0087】
本発明のこの実施形態の実行者は、ネットワーク側の装置である。この実施形態のネットワーク側の装置は、様々なUEの様々なデータストリームまたは同じUEの様々なデータストリームの個別パイロットと同じシグネチャシーケンスを使用する。必要とされるリソースの数は、プリコーディングのインデックスを送信する際の数よりも小さく、ネットワークリソースを節約する。
【0088】
前述の説明は、本発明の特定の例示的実施形態にすぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。本発明において開示した技術範囲内で当業者に容易に考えられるいかなる変形形態または代替形態も、本発明の保護範囲内に入るものとする。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従う。
【符号の説明】
【0089】
60 基地局装置
80 ユーザ機器
601 拡散ユニット
6011 第1拡散モジュール
6012 第2拡散モジュール
6013 第3拡散モジュール
602 プリコーディングユニット
603 送信ユニット
801 受信ユニット
802 スクランブル解除ユニット
803 逆拡散ユニット
804 計算ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡散符号を使用することによって少なくとも2つのシグネチャシーケンスに拡散を行う段階と、
前記拡散済みシグネチャシーケンスにプリコーディングを行って、前記プリコードされた拡散済みシグネチャシーケンスをユーザ機器(UE)に送信する段階と
を有し、
前記少なくとも2つのシグネチャシーケンスの各シグネチャシーケンスは、少なくとも1つのUEの少なくとも1つのデータストリームの個別パイロットとして使用され、
前記個別パイロットは、プリコーディング行列の推定を行うために前記UEによって使用され、
前記プリコーディングを行う際に使用されるプリコーディング行列は、前記シグネチャシーケンスに対応するデータストリームにプリコーディングを行う際に使用されるプリコーディング行列と同じものであるか、または前記プリコーディングを行う際に使用されるプリコーディングベクトルは、前記シグネチャシーケンスに対応するデータストリームにプリコーディングを行う際に使用されるコーディングベクトルと同じものであることを特徴とするパイロット送信方法。
【請求項2】
前記プリコードされた拡散済みシグネチャシーケンスをUEに送信する段階が、
前記拡散済みシグネチャシーケンスにプリコーディングを行った後、前記プリコードされた拡散済みシグネチャシーケンスおよび前記シグネチャシーケンスに対応する前記データストリームを前記UEに同時に送信する段階と、
前記拡散済みシグネチャシーケンスにプリコーディングを行った後、前記プリコードされた拡散済みシグネチャシーケンスを前記UEに、前記シグネチャシーケンスに対応する前記データストリームより数タイムスロット前に送信する段階と
を含むことを特徴とする請求項1に記載のパイロット送信方法。
【請求項3】
前記プリコードされた拡散済みシグネチャシーケンスをUEに送信する段階の前に、
無線リソース制御(RRC)メッセージによって前記シグネチャシーケンスおよび/または前記シグネチャシーケンスの拡散符号を前記UEに通知する段階をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のパイロット送信方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのUEが3つ以上のUEである場合、かつ前記UEのチャネル行列またはチャネルベクトル間の相関係数が第1閾値よりも小さい場合、かつ前記UEの1つのUEのチャネル行列の固有ベクトルがプリコーディングコードブックにあるか、またはプリコーディングコードブックとの相関係数が第2閾値よりも大きい場合、前記少なくとも2つのシグネチャシーケンスの各シグネチャシーケンスを前記少なくとも1つのUEの少なくとも1つのデータストリームの個別パイロットとして使用することが、
前記少なくとも2つのUEの各UEの少なくとも1つのデータストリームの前記個別パイロットとして前記少なくとも2つのシグネチャシーケンスの各シグネチャシーケンスを使用することを含み、
前記プリコーディングコードブックは、前記プリコーディング行列の中のベクトルまたは前記プリコーディングベクトルであることを特徴とする請求項1に記載のパイロット送信方法。
【請求項5】
プリコーディングコードブックの数が第3閾値よりも小さい場合、前記少なくとも2つのシグネチャシーケンスの各シグネチャシーケンスを前記少なくとも1つのUEの少なくとも1つのデータストリームの個別パイロットとして使用することが、
前記少なくとも1つのUEの少なくとも2つのデータストリームの個別パイロットとして前記少なくとも2つのシグネチャシーケンスの各シグネチャシーケンスを使用することを含み、
前記プリコーディングコードブックは、前記プリコーディング行列の中のベクトルまたは前記プリコーディングベクトルであることを特徴とする請求項1に記載のパイロット送信方法。
【請求項6】
個別パイロットを使用することによって推定を行うための方法であって、
ネットワーク側によって送信された個別パイロットを、ユーザ機器(UE)によって受信する段階と、
前記個別パイロットにスクランブル解除を行う段階と、
前記受信された個別パイロットの拡散符号に従って、前記受信された個別パイロットに逆拡散を行い、様々なデータストリームに属する個別パイロットを取得する段階と、
前記ネットワーク側によって送信された前記受信済み個別パイロットおよびシグネチャシーケンスを使用することによって、プリコーディング行列を取得するか、または合成チャネル行列を計算する段階と
を有し、
前記合成チャネル行列は、前記UEのすべての受信アンテナのチャネル行列と前記UEのすべてのデータストリームのプリコーディング行列との積であることを特徴とする方法。
【請求項7】
ネットワーク側によって送信された個別パイロットを受信する段階の前に、
前記ネットワーク側によって送信された無線リソース制御(RRC)メッセージを受信する段階をさらに有し、
前記RRCメッセージは、前記UEに前記個別パイロットの前記シグネチャシーケンスおよび/または拡散符号を通知するために使用されることを特徴とする請求項6に記載の個別パイロットを使用することによって推定を行うための方法。
【請求項8】
拡散符号を使用することによって少なくとも2つのシグネチャシーケンスに拡散を行うように構成された拡散ユニットと、
前記拡散ユニットによって出力されるシーケンスにプリコーディングを行うように構成されたプリコーディングユニットと、
前記プリコーディングユニットによって出力される前記シーケンスを前記UEに送信するように構成された送信ユニットと
を具備し、
前記少なくとも2つのシグネチャシーケンスの各シグネチャシーケンスは、少なくとも1つのユーザ機器(UE)の少なくとも1つのデータストリームの個別パイロットとして使用され、
前記個別パイロットは、プリコーディング行列の推定を行うために前記UEによって使用され、
前記プリコーディングを行う際に使用されるプリコーディング行列またはプリコーディングベクトルは、前記シグネチャシーケンスに対応するデータストリームにプリコーディングを行う際に使用されるプリコーディング行列またはプリコーディングベクトルと同じものであることを特徴とする基地局装置。
【請求項9】
前記拡散ユニットが、
拡散符号を使用することによって少なくとも2つのシグネチャシーケンスに拡散を行うように構成された第1拡散モジュールであって、前記少なくとも2つのシグネチャシーケンスの各シグネチャシーケンスが、前記1つのUEのデータストリームの個別パイロットとして使用される、第1拡散モジュールと、
拡散符号を使用することによって少なくとも2つのシグネチャシーケンスに拡散を行うように構成された第2拡散モジュールであって、前記少なくとも2つのシグネチャシーケンスの各シグネチャシーケンスが、前記少なくとも2つのUEの各UEの少なくとも1つのデータストリームの個別パイロットとして使用される、第2拡散モジュールと、
拡散符号を使用することによって少なくとも2つのシグネチャシーケンスに拡散を行うように構成された第3拡散モジュールであって、前記少なくとも2つのシグネチャシーケンスの各シグネチャシーケンスが、前記少なくとも1つのUEの少なくとも2つのデータストリームの個別パイロットとして使用される、第3拡散モジュールと
を具備することを特徴とする請求項8に記載の基地局装置。
【請求項10】
前記送信ユニットが、無線リソース制御(RRC)メッセージを前記UEに送信するようにさらに構成され、
前記RRCメッセージを使用して、前記シグネチャシーケンスおよび/または前記シグネチャシーケンスの拡散符号を前記UEに通知することを特徴とする請求項8に記載の基地局装置。
【請求項11】
ネットワーク側によって送信された個別パイロットを受信するように構成された受信ユニットと、
前記受信ユニットによって受信された前記個別パイロットにスクランブル解除を行うように構成されたスクランブル解除ユニットと、
前記受信された個別パイロットの拡散符号に従って、前記受信された個別パイロットに逆拡散を行い、様々なデータストリームに属する個別パイロットを取得するように構成された逆拡散ユニットと、
前記ネットワーク側によって送信された前記受信済み個別パイロットおよびシグネチャシーケンスを使用することによって、プリコーディング行列を取得するか、または合成チャネル行列を計算するように構成された計算ユニットと
を具備し、
前記合成チャネル行列は、前記ユーザ機器のすべての受信アンテナのチャネル行列と前記ユーザ機器のすべてのデータストリームのプリコーディング行列との積であることを特徴とするユーザ機器。
【請求項12】
前記受信ユニットが、前記ネットワーク側によって送信された無線リソース制御(RRC)メッセージを受信するようにさらに構成され、
前記RRCメッセージを使用して、前記個別パイロットの前記シグネチャシーケンスおよび/または拡散符号を前記ユーザ機器に通知することを特徴とする請求項11に記載のユーザ機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−512597(P2013−512597A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540275(P2012−540275)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際出願番号】PCT/CN2010/079104
【国際公開番号】WO2011/063752
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(504277388)▲ホア▼▲ウェイ▼技術有限公司 (220)