説明

パウダー分散装置、その装置の製造方法および使用方法、その装置および他の装置に使用される構成要素

本発明は、患者の吸引によってドライパウダー薬を分散する方法および装置などの、肺内投与方法および装置に関する。装置の構成要素または態様には、容器穿孔機構と、閉塞防止デバイスと、容器インパクトデバイスと、容器ロックデバイスまたはシステムとが含まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、本明細書にその内容全てが参照として明確に組み込まれている、2006年10月25日出願の米国出願第60/854601号、および2007年3月13日出願の米国出願第60/906977号の優先権主張出願である。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、合成物を肺内に投与する方法および装置に関する。一態様において、本発明は、患者に吸引されるドライパウダー薬を分散する方法および装置に関する。また、本発明は、装置の複数の構成要素や複数の機構も対象であって、それには、容器穿孔機構と、閉塞防止デバイスと、容器インパクトデバイスと、容器ロックデバイス(システム)とが含まれる。このような構成要素や機構は、例えば合成物を肺内に投与する装置などの装置に使用される。
【背景技術】
【0003】
継続的な薬物治療のためには、患者への効率的投与が重要である。様々な投与方法が存在するが、それぞれに利点と欠点とがある。錠剤、カプセル剤、エリキシル剤などの経口薬投与は最も簡便な方法ではあるが、多くの薬は、吸収される前に、消化管内で分解される。このような分解は、特に、消化管内でタンパク質分解酵素によってすぐに分解されるタンパク質薬では問題になる。皮下注射は、タンパク質の投与を含む、全身薬の投与の効率的な方法として行われるが、大抵、患者の承諾を得るのに困難をともなう。インスリンなどの薬は、1日に1回またはそれ以上注射しなければならず、そのことから患者が薬剤服用順守をおろそかにすることがある。そのため、経皮的、経鼻的、直腸内、膣内、肺内の投与を含む、様々な代わりの投与方法がすでに開発されている。
【0004】
特に本発明は、分散状または噴霧状の薬を患者が吸引することによって薬を肺の末端領域(肺胞領域)まで到達させる、薬の肺内投与に関係している。特定の薬が肺胞領域を介して直接的に血液循環内にすぐに吸収されることがすでに分かっている。肺内投与は、他の投与方法では困難なタンパク質やポリペプチドの投与方法として特に期待されている。このような肺内投与は、全身投与として、また肺の病気治療のための局所投与として、両方に有効である。
【0005】
薬の肺内投与(全身的または局所的の両方を含む)は、液体噴霧器、加圧式定量吸入器(pMDIs)、ドライパウダー分散デバイスなどの異なる方法によって実行される。ドライパウダー分散デバイスは、特に、簡単にドライパウダー状にすることができるタンパク質薬やポリペプチド薬の投与に期待されている。変化しやすいタンパク質やポリペプチドの多くは、凍結乾燥されたまたは噴霧乾燥された状態で、加えて好適なパウダーキャリアに入れられて、安定的に保管されている。しかしながら、ドライパウダー状のタンパク質やポリペプチドの投与は、ある点において問題がある。多くの場合、タンパク質薬やポリペプチド薬の投与量は重要であり、そのために、ドライパウダー投与システムは、理想的にはきちんと正確に高い再現性で目的量の薬を投与できる必要がある。その上、多くのタンパク質やポリペプチドは非常に高価で、大抵は、基準投与量あたりのコストが従来薬の倍以上である。したがって、薬のロスを最小限にして肺内の目的の領域にドライパウダーを効率的に投与できることが重要である。加えて、ドライパウダー内に存在するパウダーの凝集体を患者に吸入される前に十分に分解し、体内吸収や肺内投与の効率を高めることが望まれる。
【0006】
ドライパウダー薬の肺内投与に関して特に有望な方法では、ポンプや他の圧縮性ガス源を備えた携帯型デバイスを使用する。所定量の加圧ガスがベンチュリ管などのパウダー分散デバイスを介して急放出されることにより、パウダーが、患者が吸引可能に分散される。携帯型や他のパウダー投与デバイスのもう1つの代表的な特徴は、投与量濃度が高いことである。一塊のガス内の薬の濃度を相対的に高めることは重要であって、それによりトータルの投与量を達成するのに必要な吸引回数および/または一吸引あたりの量を減らすことができる。十分に分散して且つその分散量を小さくすることが、重要な技術的課題である。
【0007】
薬用のドライパウダー分散デバイスは、多くの特許文献に記載されている。例えば、米国特許第3921637号には、パウダー薬のカプセル1つを貫通するニードルを備えた手動式ポンプが記載されている。複数のディスク状またはストリップ状の薬用容器の使用が、例えば欧州特許第467172号(往復動可能な穿孔機構を使用してブリスターパックの向かい合う表面を穿孔するもの)、国際公開第91/02558号、国際公開第93/09832号、国際公開第94/08522号、米国特許第4627432号、米国特許第4811731号、米国特許第5035237号、米国特許第5048514号、米国特許第4446862号、および米国特許第3425600号に記載されている。米国特許第4338931号、米国特許第3991761号、米国特許第4249526号、米国特許第4069819号、米国特許第4995385号、米国特許第4889114号、米国特許第4884565号、および欧州特許第469814号を含む他の特許には、1つの薬カプセルに穿孔するものが記載されている。国際公開第90/07351号には、サラサラしたパウダーのリザーバを備えた携帯型ポンプデバイスが記載されている。これらを含む他のデバイスが、米国特許第6109261号、米国特許第6606992号、米国公開出願第2004/0000309号に記載されている。これらの文献それぞれの内容全てが、本明細書に明確に参照として組み込まれている。
【0008】
例えば米国特許第6257233号には、パウダー薬を噴霧する様々な装置や方法が記載されている。一実施形態において、装置は、加圧シリンダと、該シリンダ内を摺動してガスを加圧するピストンとを有する。ピストンにはハンドルが連結されており、該ハンドルが定位置と伸展位置との間を移動することによってガスが圧縮される。これに含まれている噴霧機構は、容器内に収容されているパウダー薬を、シリンダからの加圧ガスによって噴霧するように構成されている。また、容器を支持するキャリッジアセンブリがあって、これは噴霧機構と該容器を連結する。このキャリッジアセンブリと操作によって係合可能な第1および第2のインターロックがあって、これらにより容器と噴霧機構との連結が防止される。第1のインターロックが解除されると、ハンドルの延長位置への移動に続いてキャリッジの移動が可能になる。第2のインターロックは、容器が部分的にキャリッジアセンブリに挿入されている場合、締結状態のままである。米国特許第6257233号に記載されているものと類似するデバイスを使用して放出される吸入式インスリンExubera(商標)は、最初の注射の代わりとして有効である。
【0009】
また、ホイルに降下して該ホイルに孔を開け、空気の引き抜き中はそのまま留まるブレード機構のような穿孔機構を使用するデバイスは有効的である。このようなデバイスが米国特許第6668827号に開示されており、その内容全ては本明細書に参照として明確に組み込まれている。この特許に記載されているカッターは、ブリスタホイルに同心の円弧状の複数の開口を形成し、それと同時にカッターの歯の前縁に沿ってホイルの小さな切れ端を巻き上げる。これらは、ブリスター内に降下して回転し、ブリスターの空気の引き抜き中は該ブリスター内に留まるようにデザインされている。これらはまた、逆回転して、ブリスターから退避する。
【0010】
ホイルによってシールされた薬パッケージを使用する他のデバイスとして、Diskhaler(登録商標)やDiskus(登録商標)がある。Diskhaler(登録商標)では、長いプラスチック歯を薬パッケージ全体に突き入れ、吸引前にその歯を退避させる。この場合、歯を退避させる付加的な工程が発生し、最終的にバラツキがある大きい孔が薬パッケージに形成され、そのために流れが変動して投与量が変わる。また大きな穴を介するパウダーロスが発生する。Diskus(登録商標)では、薄いリッドストックをはがし、パウダー薬を収容しているタブ全体を露出させる。このリッドストックのはがし動作により薬パッケージに振動が発生し、それにより振動するパウダーが薬パッケージの外に漏れて、その利用可能量が減少することがある。
【0011】
非鋭利部材を使用してブリスターパックのホイルを穿孔し、円弧形状の開口を、農具のすきですくように(プローイングして)形成する穿孔方法が、米国特許第5833071号に記載されている。この文献の内容は、本明細書に参照として組み込まれている。
【0012】
商業利用可能な受動式ドライパウダー吸入器(DPIs)は、大抵の場合、噴霧を容易にするために、細かいパウダー薬に大きいキャリア粒子、特にラクトース粒子が混合されて使用される。このラクトースの混合により、ユーザの上気道(URT)に大きなラクトース粒子が詰まり、投与可能な実質量が大きく制限される。その上、商業利用可能な受動式ドライパウダー吸入器(DPIs)は、ユーザの吸入流速(Q)と吸引行動開始時の流速増加率(FIR)に大きく左右される放出量(ED)と細粒量(FPD)の変動を制限する。
【0013】
そのため、吸入器をどうしても改良する必要がある。例えば、ドライパウダー薬の安定した肺内投与を実現する必要がある。また、ドライパウダー薬を効率的に噴霧化する必要がある。さらに、ドライパウダー薬の噴霧化と安定した肺内分散との両方を促進できるように、吸入器を通過する流速を制御する必要がある。さらにまた、受動式ドライパウダー吸入器(DPI)デバイスを、極めて移り気な多くのユーザに対して、安定した高放出量(ED)と高細粒量(FPD)とを実現できるものに改良する必要がある。その上で、望まれている、タンパク質、ポリペプチド、または他の薬のドライパウダーを分散する方法およびシステムを提供する。これらの方法やシステムは、吸入器として使用する以外の用途にも適用する可能性がある。
【発明の概要】
【0014】
したがって、本発明は、薬などの物質を肺内投与するために、また他の用途のために、使用される様々な機構や方法を提供する。本発明の他の特徴や利点は、後述の発明の説明において述べ、またその一部は、その説明によって明らかになり、本発明の実施例によって知ることができる。本発明は、明細書やクレームに特に指摘されている機構や方法によって理解でき、また実現できる。
【0015】
したがって、本発明の態様は、概ね薬などの物質を肺内投与するための方法や装置に関する。実施形態において、本発明は、患者によって吸引されるドライパウダー薬を分散する方法や装置に関する。
【0016】
実施形態は、容器穿孔機構、閉塞防止部材、容器インパクト部材、容器ロック部材などの部材を含んでいる。これらの機構または部材は単独で使用することができる、若しくは、1つまたはそれ以上の他の機構または部材と組み合わせて使用することができる。このような機構や部材は、薬の肺内投与用の装置や、薬を投与しないものも含む他の装置にも使用することができる。
【0017】
1つの態様において、本発明は、容器を支持する支持部と、出口と、その出口に連結されているフィードチューブとを有する装置を含んでいる。また、装置は、容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されている機構を有し、該機構は前縁を備えたブレードを有し、その前縁として、rho値0.1〜0.5の楕円形状前縁が含まれている。
【0018】
別の態様において、本発明は、容器を支持する支持部と、出口と、その出口に連結されているフィードチューブとを有する装置を含んでいる。また、装置は、フィードチューブ内に永久的に配置される閉塞防止デバイスを有する。
【0019】
さらに別の態様において、本発明は、容器を支持する支持部と、出口と、その出口に連結されているフィードチューブとを有する装置を含んでいる。また、装置は、複数の安定姿勢をとり、自動的にコッキングする容器インパクトデバイスを有する。
【0020】
さらにまた別の態様において、本発明は、第1の対の側部と、該第1の対の側部より短い第2対の側部とを含み、該第1の対の側部に切り欠き部を含む輪郭を備えた容器を支持する支持部を有する装置を含んでいる。また、装置は、出口と、その出口に連結されているフィードチューブとを含んでいる。さらに、装置は、容器の切り欠き部に係合する容器ロックシステムを含んでいる。
【0021】
別の態様において、本発明は、装置を使用して容器を開く方法を含んでいる。その方法は、パウダーを収容している容器を装置に挿入する工程を含んでいる。また方法は、容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されている機構を用いて、該壁部を穿孔して次に該壁部を裂開する工程を含んでおり、その裂開によって該壁部の裂端が容器の内側に部に曲がる。
【0022】
更なる態様において、本発明は、装置の使用方法を含んでいる。その方法は、パウダーを収容している容器を装置に挿入する工程と、その容器を穿孔する工程と、装置のフィードチューブの閉塞を防止する工程とを含んでいる。
【0023】
さらに異なる態様において、本発明は、装置の使用方法を含んでいる。その方法は、パウダーを収容している容器を装置に挿入する工程と、容器インパクトデバイスに容器に対して衝撃を与えさせる工程とを含んでいる。
【0024】
別の態様において、本発明は、容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されている機構を含んでいる。その機構は、支持部と、その支持部に配置されている少なくとも1つの突起部材とを含んでいる。少なくとも1つの突起部材は、前縁を備えたブレードを含み、その前縁として、rho値0.1〜0.5の楕円形状前縁が含まれている。
【0025】
更なる態様において、本発明は、チューブの内側表面からパウダーの残留物を取り除くように構成された閉塞防止デバイスを含んでいる。そのデバイスは、チューブ内に降下して回転することにより、該チューブの内側表面の閉塞を防止するように構成されて配置されている第1の部分を含んでいる。
【0026】
さらに別の態様において、本発明は、容器インパクトデバイスを含んでいる。その容器インパクトデバイスは、支持部と、その支持部から突出している複数のアームとを含んでいる。複数のアームそれぞれは、容器に衝撃を与えるように構成されて配置されている。
【0027】
また別の態様において、本発明は、所定形状の容器を受け入れるように構成されて配置されている容器ロックシステムを含んでいる。このシステムは、容器の位置に基づいてロック位置からアンロック位置に移動するデバイスを含んでおり、その容器が、第1の対の側部と該第1の対の側部より短い第2対の側部とを含んで該第1の対の側部に切り欠き部を含む輪郭を有し、容器ロックシステムが、容器の切り欠き部に係合する。
【0028】
別の態様において、本発明は、(1)装置と、(2)パウダーを収容している少なくとも1つの容器とを有するキットを含んでいる。その装置は、容器を支持する支持部と、出口と、その出口に連絡されているフィードチューブとを含んでいる。また、装置は、容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されている機構であって、前縁を備えたブレードを含み、その前縁としてrho値0.1〜0.5の楕円形状前縁が含まれているもの、フィードチューブ内に永久的に配置される閉塞防止デバイス、複数の安定姿勢をとり自動的にコッキングする容器インパクトデバイス、容器が、第1の対の側部と該第1の対の側部より短い第2対の側部とを含んで該第1の対の側部に切り欠き部を含む輪郭を有し、その容器の切り欠き部に係合する容器ロックシステムの中から少なくとも1つを含んでいる。
【0029】
さらに別の態様において、本発明は、(1)装置と、(2)パウダーを収容して該装置に挿入される容器とを有する組み合わせ物を含んでいる。その装置は、容器を支持する支持部と、出口と、その出口に連絡されているフィードチューブとを含み、さらに、i)容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されている機構であって、前縁を備えたブレードを含み、その前縁としてrho値0.1〜0.5の楕円形状前縁が含まれているもの、ii)フィードチューブ内に永久的に配置される閉塞防止デバイス、iii)複数の安定姿勢をとり自動的にコッキングする容器インパクトデバイス、iv)容器が、第1の対の側部と該第1の対の側部より短い第2対の側部とを含んで該第1の対の側部に切り欠き部を含む輪郭を有し、その容器の切り欠き部に係合する容器ロックシステムとの中から少なくとも1つを含んでいる。
【0030】
さらに別の態様において、本発明は、出口と、その出口に連絡されているフィードチューブと、容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されている機構と、フィードチューブ内に永久的に配置される閉塞防止デバイスと、容器インパクトデバイスと、容器ロックシステムとを有する装置を含んでいる。
【0031】
さらなる態様において、本発明は、装置を使用してパウダーを噴霧する方法を含んでいる。その方法は、パウダーを収容している容器を装置に挿入する工程と、ハウジングの一部分を該ハウジングの他の部分に対して回転させる工程と、装置のマウスピースを吸引させる工程とを含んでいる。
【0032】
他の態様において、本発明は、装置の組み立て部品の有するキットを含んでいる。その装置は、少なくとも出口と、その出口に連絡されているフィードチューブと、容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されている機構と、フィードチューブ内に永久的に配置される閉塞防止デバイスと、容器ロックシステムと、これらの部品からパウダー噴霧装置を組み立てる方法を記載した文書とを含んでいる。
【0033】
さらに別の態様において、本発明は、容器を支持する支持部と、出口と、その出口に連絡され、先絞りのフィードチューブとを有する装置を含んでいる。また、装置は、容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されている機構であって、前縁を備えたブレードを含み、その前縁として、rho値0.1〜0.5の楕円形状前縁が含まれているものを有する。
【0034】
さらに別の態様において、本発明は、容器を支持する支持部と、出口と、その出口に連絡され、先絞りのフィードチューブとを有する装置を含んでいる。また、装置は、容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されている機構であって、前縁を備えたブレードを含み、その前縁として、rho値0.1〜0.5の楕円形状前縁が含まれているものを有する。
【0035】
また別の態様において、本発明は、吸引によって薬剤を含有するパウダーを投与する方法を含んでいる。その方法は、パウダーを噴霧する装置にパウダーを収容している容器を挿入する工程を含み、その装置は、容器を支持する支持部と、出口と、その出口と容器とを連絡するフィードチューブとを含み、さらに、i)容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されている機構であって、前縁を備えたブレードを含み、その前縁としてrho値0.1〜0.5の楕円形状前縁が含まれているもの、ii)フィードチューブ内に配置される閉塞防止デバイス、iii)容器インパクトデバイス、iv)容器ロックシステムとの中から少なくとも1つを含んでいる。また、パウダーを収容している容器に少なくとも1つの開口を形成する工程と、装置のマウスピースを吸引させる工程とを含み、これにより容器に収容されているパウダーが投与される。
【0036】
さらに別の態様において、本発明は、容器を支持する支持部と、出口と、その出口に連絡されているフィードチューブとを有する装置を含んでいる。また、装置は、容器と出口との間に配置されたバルブを有し、それにより、空気が容器からバルブを介して出口に流れる。
【0037】
また別の態様において、本発明は、カッター機構を含んでいる。カッター機構は、前縁を備えたプラスチックのブレードを含み、その前縁として、rho値0.1〜0.5の楕円形状前縁が含まれている。
【0038】
また別の態様において、本発明は、容器を支持する支持部と、出口と、出口に連絡されているフィードチューブとを有する装置を含んでいる。また、装置は、フィードチューブ内に配置された穿孔デバイスを有し、この穿孔デバイスはフィードチューブに対して移動可能であって容器を穿孔する。
【0039】
さらに別の態様において、本発明は、容器を含んでいる。容器は、パウダーを保持するブリスターを含む下側ホイルラミネートと、下側ホイルラミネートを覆う上側ホイルラミネートとを有する。また、容器は、第3の側部に対して垂直な2つの側部を備えたリヤ部と、切り欠き部を備える中央部と、先細のフロント部とを含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】全高寸法と全幅寸法とを示した、本発明の一実施形態の正面図である。
【0041】
【図2】カバーを取り外した、図1の実施形態の正面図である。
【0042】
【図3】カバーをデバイスの垂直方向に持ち上げて取り外す様子を示した、本発明の実施形態の斜視図である。
【0043】
【図4】カバーを取り外した後のデバイスの正面に容器が挿入される様子を示すとともに、容器の挿入の最中に、ロックシステムが係合し、容器インパクトシステムが駆動する図3の実施形態の斜視図を示している。
【0044】
【図5】容器が正しく挿入された後の、マウスピースまたはデバイスの上側部分がデバイスの下側部分に対して回転される様子を示すとともに、180度の回転により自動的に、容器を穿孔および裂開して入口用と出口用の開口の両方を形成し、フィードチューブの閉塞を防止する図4の実施形態の斜視図である。
【0045】
【図6】マウスピースが180度回転した後の、デバイスがユーザによって吸引使用されている様子を示す図5の実施形態の斜視図である。
【0046】
【図7】容器の取り外す様子を示す図6の実施形態の斜視図である。
【0047】
【図8】使用後のデバイスにカバーを戻す様子を示す図7の実施形態の斜視図である。
【0048】
【図9】本発明の別の実施形態の分解図である。
【0049】
【図10】図9に示す閉塞防止デバイスとカッター機構とが一体に組まれた様子を示している。
【0050】
【図11】オリフィス部材と図10に示すサブアセンブリとが一体に組まれた様子を示している。
【0051】
【図12】トリガー部材と図11に示すサブアセンブリとが一体に組まれた様子を示している。
【0052】
【図13】リテイナ部材と図12に示すサブアセンブリとが一体に組まれた様子を示している。
【0053】
【図14】図9に示す上側ベアリング部材と下側ベアリング部材とが一体に組まれた様子を示している。
【0054】
【図15】図13に示すサブアセンブリと図14に示すサブアセンブリとが一体に組まれた様子を示している。
【0055】
【図16】コイルスプリングと図15に示すサブアセンブリとが一体に組まれた様子を示している。
【0056】
【図17】マウスピースと図16に示すサブアセンブリとが一体に組まれた様子を示している。
【0057】
【図18】ボトムハウジング部材と図9に示すトーションスプリングとが一体に組まれた様子を示している。
【0058】
【図19】容器インパクト機構と図18に示すサブアセンブリとが一体に組まれた様子を示している。
【0059】
【図20】ロック部材と図19に示すサブアセンブリとが一体に組まれた様子を示している。
【0060】
【図21】スカート部材と図20に示すサブアセンブリとが一体に組まれた様子を示している。
【0061】
【図22】胴体部材と図21に示すサブアセンブリとが一体に組まれた様子を示している。
【0062】
【図23】図17に示すサブアセンブリと図22に示すサブアセンブリとが一体に組まれた様子を示している。
【0063】
【図24】カバー部材と図23に示すサブアセンブリとが一体に組まれた様子を示している。
【0064】
【図25】閉じた状態と開いた状態のトリガーを示すとともに、容器が挿入された状態の図24に示す実施形態のリヤ側から見た断面図である。
【0065】
【図26】閉じた状態と開いた状態のトリガーを示すとともに、容器が挿入された状態の図24に示す実施形態の右側から見た断面図である。
【0066】
【図27】閉じた状態と開いた状態のトリガーを示すとともに、容器が挿入された状態の図24に示す実施形態の部分的に切断された斜視図である。
【0067】
【図28】図9に示すキャップの上面図である。
【0068】
【図29】図28に示すキャップの正面図である。
【0069】
【図30】図28に示すキャップの斜視図である。
【0070】
【図31】図28に示すキャップの斜視図である。
【0071】
【図32】図9に示すマウスピースの上面図である。
【0072】
【図33】図32に示すマウスピースの正面図である。
【0073】
【図34】図32に示すマウスピースの正面側から見た断面図である。
【0074】
【図35】図32示すマウスピースの底面図である。
【0075】
【図36】図32に示すマウスピースの右側面図である。
【0076】
【図37】図32に示すマウスピースの斜視図である。
【0077】
【図38】図32に示すマウスピースの右側から見た断面図である。
【0078】
【図39】図32に示すマウスピースの斜視図である。
【0079】
【図40】図9に示すリテイナの上面図である。
【0080】
【図41】図40に示すリテイナの正面図である。
【0081】
【図42】図40に示すリテイナの断面図である。
【0082】
【図43】図40に示すリテイナの斜視図である。
【0083】
【図44】図9に示すトリガーの上面図である。
【0084】
【図45】図44に示すトリガーの正面図である。
【0085】
【図46】図44に示すトリガーの斜視図である。
【0086】
【図47】図44に示すトリガーの斜視図である。
【0087】
【図48】図9に示すオリフィス部材の正面図である。
【0088】
【図49】図48に示すオリフィス部材の斜視図である。
【0089】
【図50】図48に示すオリフィス部材の斜視図である。
【0090】
【図51】図9に示す閉塞防止部材の正面図である。
【0091】
【図52】図51に示す閉塞防止部材の斜視図である。
【0092】
【図53】図9に示すカッター機構の上面図である。
【0093】
【図54】図53に示すカッター機構の正面図である。
【0094】
【図55】図53に示すカッター機構の断面図である。
【0095】
【図56】図53に示すカッター機構の底面図である。
【0096】
【図57】図53に示すカッター機構の右側側面図である。
【0097】
【図58】図53に示すカッター機構の斜視図である。
【0098】
【図59】図53に示すカッター機構の斜視図である。
【0099】
【図60】図9に示す上側ベアリング部材の上面図である。
【0100】
【図61】図60に示す上側ベアリング部材の正面図である。
【0101】
【図62】図60に示す上側ベアリング部材の正面側から見た断面図である。
【0102】
【図63】図60に示す上側ベアリング部材の底面図である。
【0103】
【図64】図60に示す上側ベアリング部材の斜視図である。
【0104】
【図65】図60に示す上側ベアリング部材の斜視図である。
【0105】
【図66】図9に示す下側ベアリング部材の上面図である。
【0106】
【図67】図66に示す下側ベアリング部材の正面図である。
【0107】
【図68】図66に示す下側ベアリング部材の正面側から見た断面図である。
【0108】
【図69】図66に示す下側ベアリング部材の底面図である。
【0109】
【図70】図66に示す下側ベアリング部材の右側側面図である。
【0110】
【図71】図66に示す下側ベアリング部材の斜視図である。
【0111】
【図72】図66に示す下側ベアリング部材の斜視図である。
【0112】
【図73】図9に示す胴体部材の上面図である。
【0113】
【図74】図73に示す胴体部材の正面図である。
【0114】
【図75】図73に示す胴体部材の正面側から見た断面図である。
【0115】
【図76】図73に示す胴体部材の底面図である。
【0116】
【図77】図73に示す胴体部材の斜視図である。
【0117】
【図78】図73に示す胴体部材の斜視図である。
【0118】
【図79】図9に示すスカートの上面図である。
【0119】
【図80】図79に示すスカートの正面図である。
【0120】
【図81】図79に示すスカートの正面側から見た断面図である。
【0121】
【図82】図79に示すスカートの斜視図である。
【0122】
【図83】図79に示すスカートの斜視図である。
【0123】
【図84】図9に示すロック部材の上面図である。
【0124】
【図85】図84に示すロック部材の右側側面図である。
【0125】
【図86】図84に示すロック部材の斜視図である。
【0126】
【図87】図84に示すロック部材の斜視図である。
【0127】
【図88】図9に示す容器インパクト部材の右側から見た部分断面図である。
【0128】
【図89】図88に示す容器インパクト部材の右側から見た断面図である。
【0129】
【図90】図88に示す容器インパクト部材の正面図である。
【0130】
【図91】図88に示す容器インパクト部材の右側側面図である。
【0131】
【図92】図88に示す容器インパクト部材の斜視図である。
【0132】
【図93】図9に示すコイルスプリングの斜視図である。
【0133】
【図94】図155に示すトーションスプリングの斜視図である。
【0134】
【図95】図9に示す底側すなわち下側ハウジング部材の上面図である。
【0135】
【図96】図95に示す底側すなわち下側ハウジング部材の正面図である。
【0136】
【図97】図95に示す底側すなわち下側ハウジング部材の斜視図である。
【0137】
【図98】図95に示す底側すなわち下側ハウジング部材の斜視図である。
【0138】
【図99】図9に示すタイプの開いた状態のトリガーの斜視図である。
【0139】
【図100】本明細書に開示されているタイプのトリガーを使用しない場合のデバイスを通過する流速のグラフを示している。
【0140】
【図101】本明細書に開示されているタイプのトリガーを使用する場合のデバイスを通過する流速のグラフを示している。
【0141】
【図102】本明細書に記載されているタイプの吸引装置を使用した後の容器の穿孔されたホイルリッドの上面図であって、2つの曲線形状の吸気孔と中央出口孔とを示している。
【0142】
【図103】本発明に係る装置の容器が挿入された状態の底側部分の切断図である。
【0143】
【図104】装置に対する挿入の初期段階における容器の位置を示すとともに、容器の前縁が容器インパクト部材のアームと下側ベアリング部材の底面との間を通過し、容器のタブ部のフロント側曲面が容器インパクト部材のアームに接触している、本発明に係る装置の底側部分の切断図である。
【0144】
【図105】装置に対する挿入の中間段階における容器の位置を示すとともに、容器のタブ部のフロント側曲面が容器インパクト部材のアームを移動させる、すなわち時計方向に部分的に回転させ、それにより容器インパクト部材がトーションスプリングの付勢力に対抗して下方向に移動している、図104の別の切断図である。
【0145】
【図106】装置に対する挿入の別の中間段階における容器の位置を示すとともに、容器のタブ部のフロント側曲面が容器インパクト部材のアームを移動させる、すなわち時計方向に部分的に回転させて約12時の位置にし、それにより容器インパクト部材がトーションスプリングの付勢力に対抗して最大下方位置に移動している、図104の別の切断図である。
【0146】
【図107】装置に対する挿入の最終段階における容器の位置を示すとともに、容器のタブ部のフロント側曲面が容器インパクト部材のアームを急速に移動させる、すなわち時計方向に部分的に回転させて約2時の位置にし、容器インパクト部材の別のアームが容器のタブ部のリヤ側後曲面側に衝突して10時の姿勢にあって、この挿入移動の最中に、容器インパクト部材がトーションスプリングの付勢力を受けて最大上方位置に移動している、図104の別の切断図である。
【0147】
【図108】図9に示す容器の上面図である。
【0148】
【図109】図108に示す容器の正面図である。
【0149】
【図110】図108に示す容器の底面図である。
【0150】
【図111】図108に示す容器の斜視図である。
【0151】
【図112】吸気孔から容器内に入り、容器のタブの中央に向かい、次に容器の中央孔を介して上昇し、最終的にフィードチューブを介して上昇して閉塞防止部材を通過する空気の流れを図示している。
【0152】
【図113】吸引装置を通過する空気の全流れを正面と側面から見た図である。
【0153】
【図114】使用中の吸引装置の断面図である。
【図115】使用中の吸引装置の断面図である。
【図116】使用中の吸引装置の断面図である。
【図117】使用中の吸引装置の断面図である。
【図118】使用中の吸引装置の断面図である。
【図119】使用中の吸引装置の断面図である。
【図120】使用中の吸引装置の断面図である。
【図121】使用中の吸引装置の断面図である。
【図122】使用中の吸引装置の断面図である。
【図123】使用中の吸引装置の断面図である。
【0154】
【図124】吸引装置に使用されている一例のカッター機構の左側側面図である。
【0155】
【図125】図124に示すカッター機構の上面図である。
【0156】
【図126】容器に吸気孔を形成する歯の回転方向の動きを示す、図124の断面図である。
【0157】
【図127】図126の歯の1つを示し、その非限定的な断面高さと幅の寸法をミリメータで示している図である。
【0158】
【図128】本発明の他の実施形態の分解図である。
【0159】
【図129】図128に示す実施形態のマウスピースの斜視図である。
【0160】
【図130】図128に示す実施形態のアダプタの斜視図である。
【0161】
【図131】図128に示す実施形態の閉塞防止デバイスの斜視図である。
【0162】
【図132】図128に示す実施形態のカッター機構の斜視図である。
【0163】
【図133】図128に示す実施形態のベアリング部材の斜視図である。
【0164】
【図134】図128に示す実施形態の胴体の斜視図である。
【0165】
【図135】図128に示す実施形態のトレイの斜視図である。
【0166】
【図136】図128に示す実施形態の容器インパクト部材の斜視図である。
【0167】
【図137】図128に示す実施形態のベースプレートの斜視図である。
【0168】
【図138】図128に示す実施形態のスカート部材の斜視図である、
【0169】
【図139】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図140】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図141】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図142】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図143】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図144】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図145】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図146】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図147】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図148】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図149】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図150】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図151】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図152】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図153】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図154】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図155】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図156】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図157】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図158】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図159】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図160】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図161】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図162】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図163】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図164】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図165】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図166】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図167】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図168】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図169】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図170】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図171】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図172】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図173】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図174】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図175】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図176】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図177】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【図178】本発明の装置の空気の流れ特性に関するダイアグラムである。
【0170】
【図179】円錐線分PQのrho次元を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0171】
(発明の詳細な説明)
本発明は、薬などの物質を肺内投与する方法および装置に関する。特に、本発明は患者が吸引するドライパウダー薬を分散する方法および装置に関する。また、本発明は、容器穿孔機構、閉塞防止デバイス、容器インパクトデバイス、容器ロックデバイス(システム)などのデバイスを使用するデバイスに関する。このような機構は、単独または組み合わせた状態で、本発明に係る装置に使用される。
【0172】
特に明記しない限り、言及する複合物や構成要素には、自動的に特定の複合物や特定の構成要素が含まれ、複合物の混合物などの、他の複合物や他の構成要素との組み合わせ物においても同様である。また、本明細書に使用されている単数形は、文脈上明らかに指示している場合を除き、複数を言及する場合でも使用されている。したがって、逆に指摘しない限り、明細書や添付の請求項に記載されている数値パラメータは、本発明によって得ようとする所望特性に基づいて変更されるような値である。少なくとも、請求項の範囲と同一の原理のアプリケーションに限定しようとするものと解釈するのではなく、各数値パラメータは、桁落ちした数字や普通に四捨五入された数字でもあることを考慮して解釈すべきである。
【0173】
加えて、本明細書内の数値の範囲の記述は、その範囲内の全ての数値を開示しているとみなす。例えば、約1〜50までの範囲は、例えば、1,7,34,46.1,23.7またはその範囲内の他の任意の値を含んでいるものとみなす。
【0174】
詳細な説明の前に、本発明の理解を容易にする用語について、その定義を説明する。
【0175】
(定義)
本明細書内に使用されている用語は、別段の指示がない限り、以下のように定義される。標準的な用語は、本明細書内において特別に定義されない限り、当業者が理解できる普通の通常の意味で使用されている。
【0176】
「肺内投与に適する」合成物は、噴霧化された粒子の一部が肺に到達して、例えば肺胞内や血液内に入ることができる、噴霧化可能な、また被験者によって吸引可能な合成物を言う。
【0177】
「噴霧化された」合成物には、主として吸引デバイスの駆動(または発射)によってガス(空気)内に浮遊される液体または固体粒子が含まれる。受動式のドライパウダー吸引器は、ユーザの呼吸によって駆動される。
【0178】
「ドライパウダー吸引器」は、単位量のパウダー薬が収容されるデバイスである。広義には、吸引器は、呼吸によって駆動される。例えば、「Spinhaler」や「Diskhaler」では、例えばカプセルやブリスターが穿孔され、パウダーが分散し、そして該パウダーが吸引される。「Turbohalers」は、所定量のパウダー薬を投与するキャニスタが取り付けられている。
【0179】
本明細書において使用されている「放出量(ED)」は、パウダーユニットまたはリザーバから移動したまたは分散された後の、吸引デバイスからのドライパウダーの送出量を言う。EDは、公称量(すなわち、発射前の吸引デバイス内に収容されている単位投与量ごとのパウダー量)に対する吸引デバイスによる送出量の比によって定義される。このEDは、実験的に決定された量であって、インビトロデバイスを使用して模擬患者に投与することにより決定したものである。本明細書に使用されているEDの値を決定するために、ドライパウダーは、デバイスに入れられてテストされている。デバイスを駆動して(例えば、ブリスターを挿入し、デバイスのマウスピースを回転し、そしてマウスピースの出口を真空源によって30L/minで吸引することにより)、パウダーを分散する。その結果として、駆動後から2.5秒間真空(30L/min)を維持してデバイスから噴霧雲を発生させ、それをデバイスのマウスピースに取り付けられているグラスファイバーフィルタ(Gelman社、直径47mm)の風袋によって捕獲する。フィルタに捕らえられたパウダー量が、投与量に相当する。例えば、5mgのドライパウダーを収容しているカプセルを吸引デバイスに取り付けて、分散したパウダーが上述のフィルタ風袋に4mg回収されると、そのドライパウダーのEDは、80%(=4mg(投与量)/5mg(公称量))である。
【0180】
「ドライパウダー状」の合成物は、水分を概ね20wt%より小さい割合で含んでいるパウダー状合成物を言う。
【0181】
本明細書に使用されている「質量中央径(MMD)」は、通常、多分散粒子分布、すなわち様々な粒子サイズの複数の粒子の平均の直径を言う。本明細書内に報告されているMMDの値は、別段の指示がない限り、レーザ回折(HELOS)(Sympatec社、クラウスタール−ツェラーフェルト、ドイツ)によって測定されている。通常、パウダーのサンプルは、Sypatec社のRODOSのドライパウダー分散ユニットのじょうご形状フィーダに直接加えられる。これは、手作業で、または振動式フィーダ部材(VIBRI)の端から機械的に撹拌されながら実行される。サンプルは、所定の分散圧になるように極限まで減圧(吸引)された状態で、圧縮空気(2〜4bar)によって一次粒子に分散される。分散された粒子は、分散粒子の流跡に正確な角度で交差する632.8nmのレーザビームによってプローブされる。粒子の集合体によって散乱されたレーザ光は、同軸上に配置された、逆フーリエレンズアセンブリを使用した光電子増倍管検出器によって撮像される。散乱光は、5msのタイムスライスで撮られる。粒子サイズの分布は、散乱光の空間分布/強度分布からアルゴリズムを使用して逆算される。
【0182】
「質量中央空気動力学的直径(MMAD)」は、分散された粒子の空気動力学的な大きさである。空気動力学的直径は、噴霧状パウダーの沈殿挙動を説明するために使用され、また、大気中において同一速度で沈殿する単位密度の粒子のような球体の直径でもある。空気動力学的直径は、粒子の形状、密度、物理的な大きさを包含している。本明細書において使用されるMMADは、デバイスが使用される標準的なコンディション(20℃、湿度40%)の下でカスケードインパクション試験によって求められた、噴霧状パウダーの空気動力学的粒子サイズ分布の中間値または平均値を言う。
【0183】
「細粒子画分」は、5μmに比べて小さい空気動力学的直径の粒子の画分である。特にここでは、細粒子画分は、3.3μmに比べて小さい空気動力学的直径の粒子の画分を言う。
【0184】
「細粒子量」は、5μmに比べて小さい空気動力学的直径の粒子の量である。特にここでは、細粒子量は、3.3μmに比べて小さい空気動力学的直径の粒子の量を言う。
【0185】
「容器」は、入れ物である。例えば、容器は、単位量用の容器でもよく、または複数回分の量を保持するリザーバであってもよい。単位量用の容器の例には、ブリスターパックやカプセルが含まれる。特定の実施形態において、容器は、吸引デバイスから取り外し可能にされる、または吸引デバイスの一部分とされる。容器は、通常、裂開可能な、例えば、ホイル−プラスチックラミネートなどの裂開を制御できる材料から構成される。
【0186】
「裂開」は、引き離すことを意味する。ブレードは、材料を裂開するために使用され、その時間はブレードの前縁から材料が離れるまでである。
【0187】
「切開」は、分割することを意味する。ブレードは材料を切開するために使用され、その前縁が材料に接触して該材料を切開する。
【0188】
円錐線分PQの「rho」値は、円錐の形状を定義する(図179参照)。このrho値は、弦(PQ)から点Cを通り頂点(R)に至るベクトルに沿った比を特定する。点Cは、弦PQから円錐線分PQへの垂線が最大距離(CD)になる位置に存在する。rhoはa/(a+b)である。
【0189】
(カッター機構)
本発明の一態様は、材料を切開するまたは裂開するように構成されている機構に関する。本発明のこの態様は、切開や裂開を望むほとんどのアプリケーションに使用できる。一例として、本発明のブレードは、食品パッケージの分野に使用される。また別例として、機構は、容器の壁部に吸気孔を少なくとも1つ形成するように構成されており、その吸気孔は、該壁部を穿孔し、次に該壁部の裂開を制御し、この裂開によって壁部の裂端が内側に曲がって形成される(例えば図102参照)。本発明の非限定な一実施形態によれば、このような機構は、本明細書に記載されているパウダー薬を噴霧する装置および/または方法に使用される(図1〜9,24〜27,114〜123参照)。容器は、パウダーを収容するタブを覆うホイルによってシールされて湿気に対抗する一次的な薬パッケージの形態である(例えば図108〜111参照)。ユーザの吸引によってパウダーが効果的に放出されるためには、ホイルの穿孔は実質的に制御されるのが望ましい。この制御は、1つまたはそれ以上の実質的に歯形状の部材を使用することにより効果的に実行することができる(例えば、図126〜127参照)。
【0190】
制御された穿孔を実行する歯(複数の歯)は、ほとんどの場合、まず、パッケージに移動して係合する(例えば、パッケージに向かって歯が移動する、または、パッケージが歯に向かって移動する)。好適には、容器は、装置内において静止状態に(上下動しないように)維持される、またはこれに代わって、容器穿孔機構が、下方位置に垂直に移動して容器を穿孔し、その後上方位置または退避位置に移動する。この移動量は、パッケージのホイルを十分に穿孔することができる量にされている。これは、主に、ホイルが局所的、すなわち歯に近く、該ホイルをその塑性変形を超えて引き伸ばす場合に実行される。これを実行すると、歯がホイルに穿孔したときまたは裂開したときに、その裂端が内側に、すなわち容器のタブ内に曲がる。これと異なり、他の実施形態において、裂端や裂片(フラップ)は外側に曲がる、または裂端や裂片の一部が内側に曲がり残りが外側に曲がってもよい。歯の貫通深さを維持することにより、歯は移動して幾何学的にホイル表面に交差し、歯の前縁端がホイルを本質的に分割する。この実施形態において、歯は所望の円弧角の円弧形状の軌跡で移動する。この円弧角は、少なくとも約100°,110°,120°,130°,140°,150°,160°,170°,または180°などの概ね少なくとも90°以上にされる、もしくは50〜300°,60〜250°,70〜200°,80〜150°などの40〜350°の範囲にされる。この場合、ホイルの中央部分が自由状態にならないのであれば、360°で切開/裂開するのが理想的である。通常は、リッドストックがばらばらにならないような、可能な限り長い長さで切開/裂開する。この場合、ブレードを、フィードチューブを定位置で保持するスポーク状部材の上に上昇させる必要がある。円弧形状に切開することや回転して裂開することに加えて、本発明のブレードは、異なる形状の切開/裂開に使用することができる。例えば、ブレードは、直線形状の切開/裂開に使用することができる。
【0191】
非限定的な例として、図126〜127にはこのような歯の軌跡が示されており、図102には、図126〜127に示されている形態の2つの歯によって形成された2つの円弧形状の吸気孔が示されている。歯(複数の歯)は、退避することができる、または直線的または曲線的にパッケージから離れることができる。この動きにより、パッケージや容器に1つまたはそれ以上の円弧形状の吸気孔が形成され、孔の裂端が内側に、すなわち容器内に曲がる。それにより、裂端が、装置の使用中に容器から空気が引き抜かれているときに、容器に入る空気の流れを実質的に妨害することがなくなる。この穿孔システムは、例えば、ホイル内に降下し、ホイルに孔を形成し、そして空気の引き抜き中はそのまま留まるカッター機構に有効である。この穿孔システムの多くの実施形態において、そのユーザは、カッター機構は押し込むものではなく、回転させるものであることを内面的に知っている。
【0192】
あまり好適ではないものの、本発明は、本明細書に開示されているタイプの装置に対する、特に本明細書に記載されている装置の他の複数の機構の1つまたはそれ以上の組み合わせ体に対する、DiskhalerやDiskus(例えば、本明細書に参照として組み込まれている米国特許第4811731号、第5035237号、および第5590645号参照)に使用されているタイプのカッター/孔形成機構の使用を排除していない。
【0193】
本発明の好適な一実施形態において、1つまたはそれ以上の歯は、すきが耕すように(プローイングし)、ホイルに1つまたはそれ以上の円弧形状の吸気孔を形成する。上述したように、これにより、ホイルの裂開が制御され、切端または裂端がパッケージ内に曲げられる。円弧や他の形状に切開/裂開することに関し、歯は、切端または裂端が非常に滑らかなものになるように、ホイルを貫通して分割できるデザインにされている。この切端または裂端のハウスドルフ次元は、1.2以下などの、1.5を越えない値にされている。このタイプの切開/裂開の他の利点としては、自由状態のホイルまたはホイルの微片が将来的に離れて、デバイスの薬の経路に入り、そしてユーザの肺に入るという可能性が最小限に抑制されることがある。歯は、本質的に、ホイルに対して安定して正確な裂開(実質的に再現性が高い大きさと形状の孔の形成)を実行し、また、デバイスの噴霧パフォーマンスの全体的な変動を小さく抑制するのに寄与している。これにより、ホイルの孔(複数の孔)は、効率的に薬パッケージ内に空気を流入して、ブリスターまたは容器からの効率的な空気の引き抜きを実現する役割をする。穿孔部材を歯の形状に形成する他の利点としては、その形状がプラスチック材料を射出成形してまたは使用して簡単に作製できることがある。その結果として、歯(複数の歯)を、高い安定性で、相対的に低コストで、そして大量生産することができる。歯の形状は、単純に作製でき、多くの安定したものを製造することができる射出成形ツールから引き抜きできるようにされている。歯の形状の非限定的な例が図124〜127に示されており、そこには、2つの歯を備えるカッター機構が示されている。
【0194】
多くの実施形態において裂開は穿孔に続くものであるが、これらは同時に実行できるものであることを注目すべきである。例えば、所望な孔は、一回の穿孔動作によって形成され、所望な形状にされる。代わりとして、穿孔や裂開が、前縁を材料内に降下して切開または裂開し、それと同時に移動して円弧形状に切開または裂開する機構によって、本質的に同時に実行される。
【0195】
本発明の好適な実施形態において、切れ味に関して、例えばホイルなどの切開または裂開対象の材料を切開するまたは裂開する歯の形状は、鋭利(裂開ではなく切開することができ、徐々に磨耗するような程度)すぎず、また非鋭利(裂開が非制御状態になるが、材料の切開または裂開はできる程度)すぎないようにバランスが図られている。例えば、歯の楕円形状前縁のrhoの値が、0.2〜0.9,0.3〜0.8、または0.4〜0.7などの0.1〜1.0の値にされる。
【0196】
簡単に製造でき、切開または裂開される材料、例えばホイルリッドストックに安定して正確な孔を形成できる形状がすでに見出されている。このような形状は、標準的な射出成形によってプラスチック材料から作製されたときから十分に堅固であって、デバイスの使用寿命が長くなる形状である。さらに、図126〜127に示すように、歯の形状は、裂開可能な丸まった前縁を備えたものにされている。図示していないが、代わりの実施形態においては、歯が、双方向に切開または裂開できるように2つの前縁を備えている。
【0197】
回転して切開または裂開することに関して、歯の方向は最適化されている。例えば、歯のヨーイングは、中心から0〜12°,4〜10°,6〜8°の範囲に概ねされている。歯のヨーイングは重要ではないものの、驚くべき結果として、ヨーイングは中心から6〜8°が理想的であることが見出されている。ヨーイングがこの理想的な範囲にない場合、裂け目は、一方側がより波状になる傾向がある。
【0198】
このような歯は、特に、概ね半球形状のタブをホイル−プラスチックラミネートが蓋をする薬パッケージ容器に役に立つ。このような容器の非限定的な例が、本明細書に全てが参照として明確に組み込まれている米国特許第6668827号に開示されている。他の非限定的な容器の例が、図108〜111に示されている。薬パッケージの上部は概ね平らであって、その上部表面上にホイルリッドストックがシールされている。薬パッケージ容器は装置に挿入され(例えば、図4,104〜107参照)、装置の半分をまたはハウジング部を回転操作すると(例えば、図5参照)、該装置は自動的に薬パッケージを開く。この装置の駆動により、ホイルリッドストックに複数の孔が形成される(例えば、図102参照)。出口孔が形成されることにより、薬パッケージから薬が混入した空気が排出される(例えば、図102の中央孔)。いくつかの実施形態において、歯(複数の歯)は、例えば素早く薬パッケージ内に降下し、次に円弧の軌跡で移動し、そして薬パッケージの外に完全に退避することにより、1つまたはそれ以上の円弧形状の吸気孔を切開または裂開するために使用される。この動きは、ユーザが装置のハウジングの一部分を他のハウジング部分に対して回転させると、装置内において起こる。図5に、このことが非限定的な例として図示されている。
【0199】
非限定的な例として、歯(複数の歯)の形状は、さらにその機能を高めるいくつかの特別な特徴を備える。歯の先端が、薬パッケージ内に降下するにしたがって、該歯がホイルに効率的に穿孔することが可能な先端に形成されている(例えば、図124参照)。歯の本体部は、ホイルと接触する範囲を除いて、断面が一定または実質的に均一になるようにされている(例えば、図126〜127参照)。歯の本体部の前縁は、該前縁が予測不能に磨耗せず、また破片を発生させないように、鋭利すぎないのが好ましい。また、歯の前縁は、該歯がホイル内を進むにしたがって該ホイルが丸まらないように、該歯が切り進めるような特定の非鋭利さ(例えば、図126〜127に示すような、丸まった形状)にすべきである。歯の本体部の幅は、ホイルに所望の幅の円弧形状孔を形成できるようにデザインされている。歯(複数の歯)の非限定的な寸法(mm)や形状が図124〜127に示されている。
【0200】
上述に説明したように、歯の形状は、射出成形可能なプラスチックから成形できるようにデザインされている。歯(複数の歯)を支持部材(すなわち歯を支持する部材)と一体にして、例えばプラスチックで成形することにより、他の部材に歯(複数の歯)を別々に取り付けて並べる必要がなくなる。これにより、大量生産が容易になる。プラスチックを使用して他の部分と歯(複数の歯)とを一体化することにより、より安定したパフォーマンスを発揮でき、より低コストの装置を得ることができる。このような歯の形状はまた、射出成形のデザインを複雑にせず、該デザインに対して何ら悪影響を与えない。そのため、このツールは、使用期間中、メンテナンスが少なくてすむ。このような歯を備えた支持部材またはカッター機構の非限定的な例が、図53〜59,124〜125に示されている。
【0201】
いくつかのデバイスに使用される本発明のブレードまたはカッター機構は、ホイルなどの薄い層(レイヤー)、シート、またはフィルムを切開するまたは裂開するように構成されている。本発明はまた、本明細書に記載されているブレードを、本明細書に全体が参照として明確に組み込まれている国際公開第2004/110539号、国際公開第03/086515号、国際公開第03/086516号、国際公開第03/086517号、米国特許出願公報第2005/0279356号、米国特許出願公報第2007/0068524号に開示されている1つまたはそれ以上の機構を含むデバイスに利用することを考慮している。例えば、本明細書に記載されているカッター機構(または、それの、例えばプラスチック歯などの、歯などの部分)は、国際公開第2004/110539号に記載されている吸引器に使用することができる。本発明のカッター機構(歯などの部分)はまた、国際公開第03/086515号に記載の吸引器に使用でき、特にホイルカッターの代わりに使用でき(国際公開第03/086515号のref.No.11)、それにより開示されているデバイスは、パウダーを収容してホイルリッド(蓋)を備える容器を該ホイルを裂開することによって開くという本発明の態様を利用できる。本明細書に記載のカッター機構(または、例えばプラスチック歯などの、歯などの部分)はさらに、国際公開第03/086516号に記載の吸引器に使用でき、特にホイルカッターの代わりに使用でき(国際公開第03/086516号のref.No.11)、それにより開示されているデバイスは、パウダーを収容してホイルリッドを備える容器を該ホイルを裂開することによって開くという本発明の態様を利用できる。本明細書に記載のカッター機構(または、例えばプラスチック歯などの、歯などの部分)はさらにまた、国際公開第03/086517号に記載の吸引器に使用でき、特にホイルカッターの代わりに使用でき(国際公開第03/086517号のref.No.11)、それにより開示されているデバイスは、パウダーを収容してホイルリッドを備える容器を該ホイルを裂開することによって開くという本発明の態様を利用できる。加えて、本明細書に記載のカッター機構(または歯などの部分)は、米国特許出願公報第2005/0279356号に記載の吸引器に使用でき、特に米国特許出願公報第2005/0279356号に開示されているホイルカッターの代わりに使用でき、それにより開示されているデバイスは、パウダーを収容してホイルリッドを備える容器を該ホイルを裂開することによって開くという本発明の態様を利用できる。さらに加えて、本明細書に記載のカッター機構(または歯などの部分)は、米国特許出願公報第2007/0068524号に記載の吸引器に使用でき、特に米国特許出願公報第2007/0068524号に開示されているホイルカッターの代わりに使用でき、それにより開示されているデバイスは、パウダーを収容してホイルリッドを備える容器を該ホイルを裂開することによって開くという本発明の態様を利用できる。その上、本明細書に記載のカッター機構(または歯などの部分)は、本明細書に全体が参照として明確に組み込まれている、米国特許第6360744号、第6422236号、第6436227号、第6526969号、第6881398号、第6868853号、第6840239号、第6622723号、および第6651341号のいずれかに記載されているタイプの吸引器に使用することができる。
【0202】
上述を考慮すると、本発明のブレードは、基材上のドライパウダー薬を細分して分散された粒子を、その凝集を分解して空気に含ませるデバイスに使用できる。パウダーは、ノズル出口とノズル入口とを備え、そのノズル入口の開口が利用可能なパウダー近傍に位置するノズルを有するドライパウダー吸引器によって吸引される。ノズル出口をくわえて空気を吸引することにより、ノズル入口の開口に入ってノズル出口から出る高速な空気の流れが局所的に発生する。ノズルを基材上のパウダに対して相対的に動かすと、ノズル入口に入る局所的な高速な空気の流れが、利用可能なパウダー薬を横切り、それによりパウダーが放出されて分散する。細分化されたパウダー薬内のパウダー凝集体は、せん断応力、慣性、ノズル入口開口に入る局所的な高速な空気の流れ内の乱流によってその凝集が分解される。そして、ノズルとパウダーとを相対的に移動させることにより、局所的な高速な空気の流れ内に利用可能なパウダーが徐々に取り込まれて、細分化されたパウダー薬の粒子が徐々に該空気内に分散される。
【0203】
本発明は、上述のカッター機構に限定しているわけではない。本発明の他の機構(例えば、閉塞防止デバイス、トリガー、オリフィスなど)とともに使用される他のカッター機構であってもよい。吸引前に、穿孔し、プローイングし、そして退避する上述のカッター機構とは対照的な、(1)穿孔して退避する、(2)穿孔して吸引中はそのまま留まる、(3)穿孔し、回転し、そして吸引中はそのまま留まるという動作を含む動作を実行する他の有効なカッター機構でもよい。また、プラスチックで作製されるのではなく、カッター機構は、ワイヤ材または射出成形金属によって作製されてもよい。さらに金属シートをプレスして、またはそれに加えて研磨して作製されてもよい。
【0204】
(閉塞防止デバイス)
本発明の別の態様は、閉塞防止デバイスに関し、これは、チューブの閉塞防止を望むほとんどのアプリケーションに使用できる。例えば、一実施形態において、閉塞防止デバイスは、フィードチューブ内に配置され、および/または該チューブをクリーニングするように構成されている。非限定的な例において、フィードチューブは、容器の出口孔から出た空気の流れを吸引装置の出口または吸引装置のマウスピースの開口に向かって案内するチューブ部材である。本発明の非限定的な一実施形態によれば、このようなデバイスは、特に、本明細書に記載するようなパウダー薬を噴霧する装置および/または方法に使用される。容器は、パウダーを収容するタブを覆うホイルによってシールされて湿気に対抗する一次的な薬パッケージの形態である(例えば図108〜111参照)。ユーザの吸引によってパウダーが効果的に放出されるためには、ホイルの穿孔は実質的に制御されるのが望ましい。この制御は、フィードチューブ内に配置される穿孔閉塞防止デバイスを使用することにより効果的に実行することができる。
【0205】
ドライパウダー吸引器においては、流路(特に何らかの制限を受けている流路)にパウダーが詰まりやすく、特に多湿環境ではその傾向がある。このような制限は、薬が一次的な薬パッケージ(容器)から出る地点や、薬が装置に導入される地点に存在する。このような地点で詰まりが起こると、装置の噴霧パフォーマンスに悪影響を与える。したがって、閉塞防止デバイスは、装置が駆動される度にフィードチューブの閉塞物を能動的に取り除き、これにより、薬の経路、すなわち噴霧化されたパウダー薬の経路が閉塞しないように維持される。いくつかの実施形態においては、閉塞防止デバイスは、フィードチューブに接触して閉塞を防止する。他の実施形態においては、閉塞防止デバイスは、フィードチューブの表面上を、該表面との接触を避けながらまたは表面との接触を最小限に留めながら、詰まりを防ぐまたは制限することが十分にできる距離、例えば、0.15mm内、または0.1mm内などの0.2mm内の距離をあけて、移動することにより閉塞物を取り除く。接触を避けることによって摩擦が小さくなり、その結果、デバイスは、概ねスムーズに動作する。閉塞防止デバイスはまた、容器に出口孔または開口(例えば図102の出口用中央孔)を形成する。それにより、容器、例えばブリスターパックの出口孔と薬が出る装置のチューブとの間にずれが発生する可能性がなくなる。
【0206】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、閉塞防止デバイスにより、装置が駆動される度に(例えば、図5に示すように装置が駆動される度に)、薬の経路の閉塞物が能動的に取り除かれる。薬の経路を常に非閉塞状態に維持するこのデバイスにより、装置の使用寿命が延びる。例えば、パウダーのタイプによって異なるが、使用寿命は、70〜200回,80〜150回,90〜110回などの50〜400回の範囲になる。使用頻度によって異なるが、使用寿命は、少なくとも2ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年などの、少なくとも1ヶ月になる。これにより、ユーザ、例えば患者はより便利になり、年間の治療コストは低くなる。その上、駆動される度に薬の経路(特に、最も制限される経路部分や最も詰まりが起こりやすい経路部分)の閉塞物が取り除かれるため、装置の寿命がくるまで、装置の圧力降下(およびそれによる全体のパフォーマンス)の変化が小さくされる、すなわち実質的に一定にされる。例えば、装置の寿命がくるまで、例えば200回以上使用した場合、圧力降下の変化は、1%未満または0.5%未満などの、だいたい2%未満である。非限定的な例においては、図112に示すように、閉塞防止デバイスがフィードチューブの内側をクリーニングして退避位置に引いた後、空気/パウダーが容器からフィードチューブに流れる。
【0207】
したがって、本発明は、従来の吸引デバイスにも十分に有効である。例えば、詰まりやすく、時間の経過とともに徐々にパフォーマンスが低下する吸引デバイスに有効である。
【0208】
閉塞防止デバイスはまた、一次的な薬パッケージに、出口孔(例えば、図102の中央孔)を、薬が出るチューブと同心になるように形成する付加的な役割をする。この場合、このデバイスは、穿孔用かつ閉塞防止用デバイスとみなすことができる。チューブと孔とを同心にすることにより、薬パッケージと装置との間の連結性が向上する。閉塞防止デバイスは、この同心を維持する役割をする。閉塞防止デバイスはワイヤ構造体、例えば、ステンレス鋼などの金属のワイヤ構造体で構成される。シンプルな単一のワイヤ構造体、例えば、曲げワイヤ(例えば、図51と52参照)を使用することにより、装置の全パーツ数は最小化し、デバイスは、複数の機能を実行することができる。この結果、対応して装置のコストが低下する。当然ながら、閉塞防止デバイスはまた、成形プラスチックなどの成形部材でもよく、例えば、フィードチューブ、若しくは、カッター機構(例えば、図53〜59,124〜125に図示されているタイプのもの)または下側ベアリング部材(例えば、図66〜72に図示されているタイプのもの)のいずれか一方などの、装置の部品の1つ(または部品の機能部)と一体のワンピースの部材とされてもよい。
【0209】
閉塞防止デバイスは、デザイン上シンプルであって、概ねU字形状または概ねV字形状(またはこれらの組み合わせ形状)の1つのワイヤ構造部を備えてもよい。非限定的な例において、穿孔閉塞防止デバイスは、図51〜52に示すような形状である。このデバイスはまた、装置が駆動すると、少なくとも部分的に回転するように構成されている。装置(または装置の部分)の少なくとも部分的な回転により、ユーザが他の工程を実行することなく、デバイスは駆動される(結果としてデバイスが移動する)。デバイスは、ユーザの操作速度や操作方法によって異なることなく、内側に駆動される。このメカニズム自体は、細いワイヤのようにシンプルであって、装置を通過する流れの障害にはほとんどならない。デバイスは、ワイヤ(または丸まったワイヤ)に限定しておらず、本明細書内において言及されている1つまたはそれ以上の利点を提供できるのであれば、幾箇所の断面が円、楕円、四角形、多角形などであってもよい。いくつかの実施形態において、デバイスは、装置が駆動する度に、少なくとも部分的に薬の経路の閉塞物を取り除くことができるように、少なくとも構成されている。
【0210】
上述したように、容器は、非限定的な例において、ホイル−プラスチックラミネートのリッド(蓋)と概ね半球形状のタブとを有する薬パッケージである。また一方、図108〜111には、このような容器の非限定的な例が示されている。薬パッケージの上部は平らであって、タブは該上部表面を覆うホイルリッドストックによってシールされている。このような薬パッケージは、閉塞防止デバイスを含んでいる装置(例えば、図4参照)に挿入され、装置の2つの部分を回転操作すると(例えば、図5参照)、該装置は自動的に薬パッケージを開く。
【0211】
上述したように、装置の駆動によって歯がホイルリッドストックにいくつかの孔を形成し、それにより、薬パッケージに外気を流入させるための吸気孔が形成される。その上、閉塞防止デバイスはリッドストックに出口孔を形成し、それにより、薬を含んだ空気が薬パッケージから出ることができる。出口孔は、混合流を装置内に案内するフィードチューブの概ね直下に位置する。このように、同一のデバイスが出口孔を形成し、フィードチューブの内側表面の閉塞物を取り除く。非限定的な例として、2つの円弧形状の吸気孔と、本明細書に記載されているタイプの穿孔閉塞防止デバイスによって形成された出口用中央孔とを備えるリッドストックが、図102に図示されている。
【0212】
非限定的な例において、閉塞防止デバイスは、装置が駆動する度に、例えば約180°回転するように構成されているワイヤループである。このように駆動によって動きが生じる非限定的な一例が図5に示されている。閉塞防止デバイスはまた、最初の回転動作中または最初の回転動作の後のいずれか一方において、降下し(例えば、直線的におよび/または軸方向にフィードチューブ内をリッドストックに向かって移動し)、その後、例えば、約2mm退避する(例えば、リッドストックから軸方向に離れる)ように構成されている。ワイヤループの垂直部分は、湾曲端、例えば曲端が容器、例えばブリスターパックや薬パッケージの中央に孔を開けると同時に、フィードチューブの内側の閉塞物を取り除くように構成されている。ループが回転するにつれて、容器、例えば薬パッケージやブリスターパックの最初の貫通孔は、概ね円形にされていく。この点に関し、円形孔は、最初の穿孔に続いてプローイングされることにより形成されてもよい。非限定的な一実施形態によれば、フィードチューブは、ブリスターパックに対して相対的に移動せず、ワイヤループの移動を案内する役割をする。これにより、フィードチューブとリッドストックの孔とが同心に(すなわち軸方向に並んで)位置する。本発明によれば、ワイヤループとブリスター/フィードチューブとの間の相対移動を制御することにより、閉塞防止機能とブリスター孔形成機能とを提供することができる。非限定的な例として、閉塞防止デバイスは、図66〜72に図示され、上端100nと下端100sとをそれぞれ備える下側ベアリング部材のフィードチューブの内側のクリーニングに使用される。
【0213】
ワイヤの直径は、容器に適当な形状の孔または開口を形成でき、また、退避するときにデバイスを通過する空気の流れをほとんど妨害することがなく、効果的に閉塞を防止できる大きさにされている。例えば、ワイヤは、直径に関して、小さすぎるとリッドストックに自由に裂けが伝播するので、小さくしすぎるのはよくなく、また、フィードチューブを通過する気流の障害になるような大きさにしすぎるのもよくない。例えば、ワイヤは、0.022〜0.044インチまたは0.024〜0.034インチなどの、0.020〜0.054インチの範囲の直径がよい。ワイヤの直径は、可能曲げ径に影響する。ワイヤの半径に対する曲げ径の比は、通常、1.5またはそれ未満である。図112は、閉塞防止部材が退避位置に存在する状態のフィードチューブを通過する気流を示している。
【0214】
(インパクトデバイスまたは容器インパクトデバイス)
本発明の別の態様は、インパクトデバイスに関する。本発明のインパクトデバイスは、衝撃を与えることを望むほとんどのアプリケーションに使用される。例えば、インパクトデバイスは、パウダーを分散する充填工程の間、容器に衝撃を与えるために使用される。本発明の非限定的な一実施形態によれば、このようなデバイスは、特に、本明細書に記載されているような、パウダー薬を噴霧する装置および/または方法に使用される。このような吸引デバイスの非限定的な例が、図1〜9,24〜27,128〜138に示されている。容器は、パウダーを収容するタブを覆うホイルによってシールされて湿気に対抗する一次的な薬パッケージの形態である(例えば図108〜111参照)。インパクトデバイスは、特に、容器内に収容されているパウダーを分解してより分散されたパウダーにするために使用される。ブリスターパック容器内のパウダーは、ブリスターパックを開ける前に急な衝撃を与えると、簡単にその塊が分散することが分かっている。単独のインパクト機構の研究に基づけば、衝撃力は、0.007〜0.085Jまたは0.005J以上などの概して0.017〜0.025Jの範囲である。本明細書に記載されているデバイスは、ブリスターパックにこのような衝撃を与えるように構成されて配置されている。このようなインパクトデバイスが本明細書に記載の装置に使用されており、装置に挿入されている容器に対して衝撃を与える。
【0215】
一実施形態において、本明細書に記載する装置のような吸引装置に使用される場合、インパクトデバイスは、コンパクトであって、装置のパーツ数を2つ増やすだけで、つまりトーションスプリング(ねじりばね)とインパクト部材とから構成される。しかしながら、本発明では、これらのデバイスの機能を有するまたは実行する単一部材を使用することも考えている。ブリスターパックに与える衝撃のレベルは、最大の効果が得られるように調整されている。例えば、衝撃は軽すぎてはいけない。そうでなければ、所望の効果を得ることができない。また、重すぎてもいけない。なぜなら、それにより、パウダーがブリスターパックの衝撃を与えた位置と反対側の他の部分にコンパクトに集まるからである。
【0216】
インパクトデバイスは、大量生産可能に射出成形プラスチックから作製される。デバイスはまた、装置の組み立てが容易になるように、例えば、垂直軸に沿って組み立てることができる、すなわち単軸組み立て(大量生産且つ自動組み立てを可能にする)できるように作製されている。また、特別な調整を必要としないように作製されている。デバイスはまた、好ましくはユーザによるリセットが必要ないように構成されている。非限定的な一実施形態によれば、インパクトデバイスは、動作を始めるときの状態と動き終わったときの状態とが、見かけ上同一になるように構成されている。ユーザによるリセットを必要とすることなく自動的にリセットするように構成されているため、デバイスは、正しくない状態(非リセット状態)で誤って停止する可能性が低い。
【0217】
インパクトデバイスは、好ましくはシンプル且つ組み立てが容易になるように作製される。上述したように、これは、装置に挿入された状態の容器に対して衝撃を与えるように構成されている。この動作は、同時に、正しくブリスターを挿入したユーザに対してフィードバックする(すなわち、ユーザは、インパクトデバイスによって発生する音に基づいて、完全に且つ正しく容器が挿入されたときの音を認識することができる)。また、ブリスターパックの挿入動作は、このデバイスを駆動する原動力を発生させる。例えば、このデバイスを付勢するスプリングは、このデバイスの非使用時、小さい圧力を受けている。このようなスプリングの非限定的な例が、図94に示されている。インパクトデバイスは、その全体が1つまたはそれ以上の射出成形プラスチックによって作製される。装置内におけるブリスターパックの移動(例えば、図4,104〜107参照)により、このデバイスが駆動し、スプリングを圧縮する。この構成により、金属スプリングなどの付加的なデバイスが必要なくなり、材料費や組み立てコスト、特に大量生産時におけるコストが低く抑えられる。スプリングは、アセンブリの他の部品に組み込まれた成形プラスチックのビームと置換可能であって、それにより、部品のトータルの増加数が1つですむ。他の実施形態においては、金属製のスプリングが使用される。デバイスのリセットを必要としない場合、装置の操作に関して失敗する可能性が低くなる。
【0218】
非限定的な例において、インパクトデバイスは、中央にアクスルを備えて1つまたはそれ以上の側面部分が突出している3−ローブホイール(tri−lobed wheel)である。このような3−ローブホイールの非限定的な例が図88〜92に示されている。装置に挿入されると、このホイールは、装置または装置の一部の底面から突出したリブ(例えば、図95〜98に示すリブ160e)によって軸方向の移動を規制される。これらのリブのスロットは、ホイールのアクスルの動き全体を制限または規制するが、垂直方向の該ホイールの上下動は可能にする。この配置において、ホイールは、自由に回転できまたスロット内を自由に上下動することができる。また、軸方向または左右方向の移動は実質的に防止されている。スプリングが、両方のアクスルを付勢し、それにより3−ローブホイールを上方に付勢するように設けられている。図19には、ホイールがリブのスロットに支持されてスプリングによって上方に付勢されている、非限定的な該ホイールの状態が示されている。ホイールの2つのローブはまた、装置のスロットに挿入されるブリスターパックの上面と同一平面の水平面を支持するように構成されている。側方から見れば、ホイールは概ね「Y」字形状にみえる(例えば、図104参照)。ブリスターパックが装置に挿入されている最中に、ブリスターパックの前縁がホイールの1つのローブに接触し、それによりホイールは回転される(例えば、図105〜107参照)。
【0219】
非限定的な一実施形態によれば、ホイールの各ローブは、その端に切り欠き部を備え、装置に挿入されている最中のブリスターパックの前縁を把持する(例えば、図115参照)。他の非限定的な実施形態によれば、ホイールの各ローブは、装置に挿入されている最中の容器のタブの曲面形状の前側部分と接触するように構成されている(例えば、図104参照)。これらに関係なく、さらに装置内でブリスターパックがスライドすることにより、ホイールは回転する(図105〜107,116〜119参照)。ホイールの回転中、接触しているローブの端はブリスターパックまたは容器とともに、ブリスター挿入スロット上の水平面に沿って移動する。その間中、ホイールは、スプリング(例えば、図94に示すようなタイプのスプリング)によって上方に付勢されている。結果として、ホイールは、水平面から下方向にまたは離れるように移動される。この動きは、アクスルが移動可能に保持スロット内に配置されていることにより、案内されている。アクスルが下方向に移動するにしたがって、スプリングは圧縮されていく。スプリングが最大に圧縮されると、3−ローブホイールは側面視で概ね逆「Y」字形状の姿勢になる(例えば、図106,116参照)。非限定的な例において、この姿勢は、40〜60%などの、約50%のブリスターの挿入具合に対応する。すなわち、ホイールは、ブリスターパックが半分だけ装置に挿入されたときに、逆「Y」字形状の姿勢になる。さらに、容器の挿入時の動きにより、インパクトデバイスが急に移動して中央を超える(例えば、図117,118参照)。換言すれば、ブリスターパックが半分挿入されてほぼ垂直姿勢になったローブは、スプリングの付勢動作によって垂直姿勢を過ぎて回転したときに、挿入方向と平行に急に自動的に移動する、すなわち回転する。これは、スプリングのエネルギが突然解放されることにより起こる。これと同時に、ホイールの隣接するローブが、ブリスターのタブの底部に急に衝撃を与える(例えば、図118参照)。ブリスターのタブに付与されたエネルギのレベルは、ほとんどスプリングの力に依存する。したがって、このエネルギは、所望の効果が得られる設計によって調整されている。例えば、一実施形態において、装置が停止しているとき、または吸引中、スプリングは11.35mmに圧縮される。デバイスが切開中または裂開中、スプリングは13.85mmに圧縮される。スプリングの自由長は、公称値19.05mmであり、スプリングレートは1.89N/mmである。これは、停止時の公称のスプリング力が14.5Nであって、切開中または裂開中が9.8Nであることを意味する。停止時のスプリング力は、概ね、11〜15Nまたは12〜14Nなどの10〜16Nの範囲である。切開中または裂開中のスプリング力は、概ね、8〜10Nなどの7〜11Nの範囲である。
【0220】
インパクトデバイスはまた、好ましくは装置からの容器の取り出しを妨害しないように構成されている(例えば、図7参照)。3−ローブホイールを使用することにより、ブリスターパックの取り出しは簡単にできる。これは、3−ローブホイールが反対方向に回転する必要がなく、タブが非常に簡単にスライドして通過することができるためである。その上、実質的に同一の3つのローブをホイールに形成することにより、容器が挿入される度にホイールは120度回転するけれども、デバイスは最終的には最初のスタート姿勢になる。この構成においては、インパクトデバイスによってユーザによる装置のリセットが必要なくなり、インパクトデバイスは、別のまたは新たな容器の挿入にいつも備えた状態になる。
【0221】
インパクト機構の非限定的な他の例には、双安定スプリング構造体、バネ荷重マウストラップ型機構、振動するようにブリスターに凹凸をエンボス加工することが含まれる。
【0222】
(ロックシステムまたは容器ロックシステム)
本発明の別の態様は、ロックデバイスまたはロックシステムに関する。このシステムは、ロックを望むほとんどのアプリケーションに使用することができる。例えば、ロックシステムは、容器が挿入されている最中は吸引デバイスをロックする容器ロックシステムである。このデバイスの1つの利点として、容器の部分内にまたは容器のホイルリッドストック内に降下した容器穿孔機構の歯(貫通して裂開するように構成されている)が硬くて薄い場合、該歯の起こり得る損傷を防ぐことができる。また、このようなデバイスは、所定形状の容器、例えば1種類のブリスターパックだけ使用可能にするように構成されている。この機構により、デバイスに誤った薬が導入される可能性が最小にされる。本発明の非限定的な一実施形態によれば、このようなデバイスは、特に、本明細書に記載されているような、パウダー薬を噴霧する装置および/または方法に使用される。このような吸引デバイスの非限定的な例が、図1〜9,24〜27,114〜123,128〜138に示されている。容器は、好ましくは、パウダーを収容するタブを覆うホイルによってシールされて湿気に対抗する一次的な薬パッケージの形態である(例えば図108〜111参照)。このデバイスは、特に、使い捨て容器、例えばブリスターパックを使用する、パウダー薬を噴霧する装置および/方法に使用される。
【0223】
容器ロックシステムは、所定形状の容器が正しく装置に挿入されていない限り、該装置の2つの部分間の相対的な回転を防止するように構成されている。この特徴により、患者に薬が連続的に投与される可能性が高くなる。容器ロックシステムはまた、好ましくは、容器が装置に挿入されていないときに、装置の2つの部分間の相対的な回転を許可するように構成されている。これにより、ユーザは容器を無駄にすることなく、装置の操作に慣れることができる。容器ロックシステムが、所定形状の容器が正しくおよび/または完全に装置に挿入されていない限り、装置の2つの部分間の相対的な回転を防止することが考慮されている。
【0224】
非限定的な一実施形態によれば、ロックデバイスは、次のように機能する。ブリスターパックが装置に挿入されている間(例えば図4参照)、容器ロックデバイスのインターロックピンを備える複数のスプリング荷重アームが、ブリスターパックの面取りされた端によってその間の距離が広がるように離される。これらのアームが離れている最中であって原点位置に移動する前は、ロックデバイスは装置の使用および/または駆動を防止する、すなわち図5に示すような動きを防止する。非限定的な例において、ロックデバイスは、マウスピースと別のハウジング部との間の相対的回転などの、装置の特定部分間の相対的回転を防止する。ブリスターパックが定位置または完全挿入位置に到達すると、インターロックピンが1つまたはそれ以上のくぼみ部、例えば容器の側端の図108〜111の切り欠き部170gに係合する。ここで、アームがアンロック位置に移動して、それによりユーザによる装置の駆動または使用が可能になる、例えば、装置の下側半分に対するマウスピースの相対的回転が可能になる(例えば、図5参照)。非限定的な例において、ロックデバイスは、図84〜87に示すような形状である。
【0225】
(容器)
上述を考慮すると、容器自体も本発明の別の態様に関する。1つのバージョンにおいて、容器は、パウダーを保持するブリスターを備える下側ホイルラミネートと、該下側ホイルラミネートを覆う上側ホイルラミネートとを有する。容器は、3つの直交側端を備えるリヤ部と、切り欠き部を備える中央部と、先細のフロント部とを有する。切り欠き部は、上述の容器インターロックシステムと係合可能である。
【0226】
容器材料の非限定的な例には、本明細書に参照として組み込まれている米国特許第5589275号と第6270869号に記載されているものが含まれる。ホイルとしては、商業的に利用可能な、例えば、Alcan社(モントリオール、ケベック州)のものが適する。
【0227】
本発明はまた、流動化位置を通りすぎた複数の容器を運ぶ連続的なウェブ(例えばストリップやディスク)を前進させる機構に容器が支持されるような配置も考慮している。このようなデバイスの非限定的な例が、本明細書に全体が参照として明確に組み込まれている米国特許第6606992号に記載されている。
【0228】
(トリガー弁)
本発明のさらに別の態様は、トリガーまたはトリガー弁に関する。トリガーは容器とマウスピースの出口との間に配置されており、該弁を介して容器から出口に空気が流れる。トリガーの非限定的な例が、図44〜47に示されている。
【0229】
トリガーの役割の1つは、安定して均一な投与を実現することである。トリガーが開くためには、限界まで減圧をする必要がある。例えば、限界減圧は、通常少なくとも約15cmHOまたは少なくとも25cmHO、または15〜40cmHO、18〜30cmHO、24〜30cmHOなどの、概して10〜50cmHOの範囲である。その結果、デバイスを通過する初期の流速は、患者の体の違いに関係なく、また患者が異なっても安定している。このように、トリガーは、デバイスを通過する空気の流れを規制する役割をする。トリガーはまた、正しく吸引が行われていることを示す、可聴的かつ感触的なフィードバックをユーザにする。
【0230】
トリガーの別の役割として、凝集したパウダーを分解することがある。凝集パウダーが分解されることにより、細かい粒子画分が増加し、また、肺内沈着量が増加する。
【0231】
トリガーのさらに別の役割は、患者からの逆流を抑えることである。患者からの逆流を抑えることにより、デバイスは清潔性が向上する。
【0232】
トリガーは通常自動的に閉じるまたは自ら閉じるので、該トリガーをリセットする必要がない。減圧が解除されると、すなわち患者が吸引をやめると、トリガーは、元の位置に戻る。この弁は、通常、4cmHO以下、または3cmHO以下などの、5cmHO以下に、弁の圧力降下が起こるとリセットする。
【0233】
通常、トリガーは自ら閉塞を防止する。トリガーが開いたり閉じたりすることにより、該トリガーへのパウダーの堆積が防止される。トリガーのショアA硬度は、30〜50または35〜45などの、概して20〜60の範囲にされている。
【0234】
弁の非限定的な例には、本明細書に参照として組み込まれている、米国特許第5213236号、第5377877号、第5409144号、第5531363号、第5839614号、第6065642号、第6079594号、第6273296号、第6405901号、第6951295号、第7086572号、および米国公開出願第2004/0000309号に開示されているものが含まれる。弁としては、商業的に利用可能な、例えば、Liquid Molding Systems社(ミッドランド、ミシガン州)のものや、本明細書に参照として組み込まれているウェブサイト(www.siliconelms.com)に記載されている複数の弁の中の多くが適する。
【0235】
(1つまたはそれ以上の上述の機構を使用する装置)
本発明は上述の機構、例えばカッター機構、閉塞防止デバイス、容器インパクトデバイス、容器ロックデバイス(システム)、容器、そしてトリガーの1つまたはそれ以上をパウダー薬を噴霧する装置などのデバイス内にまたは該デバイスとともに使用することを意図したものであるが、これらの機構は、単独で使用する、様々な装置に使用する、または本明細書に記載されているタイプの装置に使用することができる。例えば、カッター機構は、異なる材料を切るために使用できる。さらにその上、本発明の多くの方法やアプローチを理解する当業者が、複数回分の投与量を有する容器(すなわち薬をばらばらに分けて収容する1つの容器)から、予め選択されて計量された量(ボーラス)のパウダー薬を分散して投与する使用方法を見出すことができる。例えば、本発明のトリガー、インパクト機構、および閉塞防止デバイスがリザーバデバイスとともに使用される。
【0236】
本発明はまた、ユーザの吸引行動によって駆動する装置内において、効率的に且つ再現性高くパウダーを流動化でき且つ凝集を分解することができる配置と、気流を制御して肺沈着の安定性を向上させることができる配置とを組み合わせた、ドライパウダー薬の肺内投与に関する。
【0237】
受動式DPI(ドライパウダー吸引器)は、肺への経路、投与デバイス(すなわち本明細書に記載されているタイプの装置)、そしてユーザを介してパウダーが投与されるマン−マシン式システムである。ユーザは、吸引行動によってデバイスに動力を供給するが、これには大きなばらつきがある。したがって、ユーザの吸引を制御して、パウダーを噴霧化するエネルギと噴霧化されたパウダーを肺内に送る流速との両方を狭い範囲内で制御することが望まれる。投与装置の目的の1つは、投与量と噴霧の質との両方が安定するように、パウダー薬を噴霧することである。噴霧の質は、所定の基準値以下の粒子サイズの噴霧状パウダーの画分を示す細粒子画分(すなわちFPF)で評価される。通常、一次粒子は、FPFに使用される基準値に比べて実質的に小さい。したがって、FPFは、ほとんどの場合、凝集状態を示す関数、または、単一の一次粒子もしくは複数の一次粒子の凝集体の分布割合である。FPFによって評価されるまたは凝集状態によってより正確に評価される噴霧の質を向上させるためには、噴霧化を異なる連続する2つの段階に区分することが非常に有効であることが明らかにされている。噴霧化の第1段階は、空気の流れにパウダー薬の粒子を浮遊させることを目的とするパウダーの流動化である。パウダー流動化の後のパウダー薬のFPFや凝集状態は、理想的ではない。したがって、第2段階では、凝集パウダーの分解が実行される。凝集パウダーを分解する段階では、高割合で存在する凝集体を小さな凝集体または可能なかぎり一次粒子に分解する。凝集パウダーの分解は、せん断流、乱流、衝撃、または加速流によって実行される。上述のように噴霧化を段階的に連続して実行する、すなわちパウダーの流動化に続いて凝集パウダーの分解が実行されることにより、効果的に粒子の投与が実行されることは、当業者にとって明らかである。
【0238】
2段階のパウダー噴霧化の効果は、部分的に、吸引による流れのパターンによって変わる。例えば、パウダーの流動化段階を実行する場合、流れの増加速度、すなわちFIRは、高い値が望ましいことがすでに分かっている。例えば、FIRのピーク値は、多くの場合、10L/sec以上などの、5L/secを超えた値である。FIRのピーク値は、15〜40L/secまたは20〜30L/secなどの、10〜50L/secの範囲であってもよい。
【0239】
一度流れ始めた空気の流速を制御することにより、凝集パウダーの分解がより安定するとともに、より安定した流れになって肺内の沈着が制御されることが分かっている。これらの理由から、吸引制御を単一の段階または2つの段階に分けてもよい。吸引制御の第1段階では、限界圧力差を設け、ユーザに、空気が流れ始める前に、この限界圧力差を超えるまで減圧するように吸引行動させる。この限界減圧は、トリガー弁(例えば、図44〜47に示すタイプの弁)によるものである。すなわちトリガー弁は、該トリガー弁を介する圧力降下が限界圧力差を超えるまで、基本的に空気が流れないようにしている。吸引制御の付加的な第2段階では、限界減圧になった後、流速を制御する。流量を制御するのは、流量調整弁であって、該流量制御弁を介する圧力降下の所定の関数に基づいて、オリフィスの形状を変化させて流速を制御する。
【0240】
パウダーの噴霧化をパウダーの流動化段階とこれに続く凝集パウダーの分解段階とに分けた場合、凝集パウダーの分解は、デバイスの要素を高加速の気流が発生するように構成して配置することによって実現されることが分かっており、また吸引制御を実行することにより、驚くほどまた予想外に高いFPDの噴霧と、高割合で小さい凝集体と場合によっては一次粒子とが含まれる凝集状態とを可能にする高いFIRの値が得られることが分かっている。
【0241】
非限定的な一実施形態によれば、受動式ドライパウダー吸引器である、パウダー薬を噴霧する装置が提供される。このようなデバイスの非限定的な例が、図1〜9,24〜27,128〜138に示されている。本明細書に使用されている受動式という用語は噴霧を発生させるためには患者の吸引行動が必要であることを意味し、これに対し、能動式吸引器は噴霧を作り出す機構を装置内に持つものを言う。容器、例えばホイルブリスターパック内にパッケージされている薬製品は、デバイスによって開けられ、ユーザによって、例えば患者による吸引によって排出される。図108〜111には、このような容器の非限定的な例のホイルブリスターパックが示されている。
【0242】
図1〜9に示すように、また非限定的な例において、装置は、2つのメインモジュール(または複数の部品からなるアセンブリ)、すなわち容器準備モジュールと噴霧化モジュールとを有する。容器準備モジュールは、特に、上述したようなタイプの容器インパクトデバイス、上述したようなタイプの容器ロックデバイス、上述したような容器、上述したようなトリガー、ブリスターのセンタリング配置、上述したようなタイプの閉塞防止デバイス、上述したようなタイプの容器穿孔機構の1つまたはそれ以上を使用する。容器の準備は、容器すなわちブリスターパックQを、容器インパクトデバイスNが駆動したことを示すクリック音が聞こえるまで、装置(例えば、図4,104〜107,115〜119に示すような装置)に挿入することにより完了する。ブリスターパックQの挿入中、容器ロックデバイスMのスプリング荷重を受けているインターロックピンが、その間の距離が広がるように離れて、装置のマウスピースBが早期に回転されるのを防止する。ブリスターパックQが完全挿入位置または定位置に達すると(例えば、図107や119参照)、インターロックピン130a(図84〜97参照)がブリスターパックQの側端の切り欠き部170g(図108〜111参照)に係合する。これにより、マウスピースBは、ユーザによる回転が可能になる(例えば、図5参照)。マウスピースBは、装置の下側部分に対して回転する。これにより、閉塞防止デバイスGの穿孔部70g(図51〜51参照)が移動し、容器穿孔機構Hの穿孔歯80t(図53〜59参照)がブリスターパックQのタブ内に降下する。そして、ホイルリッドの中央に出口孔が形成され、同様に吸気孔も形成される(例えば、図102参照)。
【0243】
容器インパクトデバイスNは、スプリングOによってスプリング荷重を受けている、3つのローブを有するカムホイールである(図94参照)。ブリスターパックQが装置内に押し込まれるにしたがって(図4参照)、この機構Nは、スプリングOによるエネルギを蓄積し、その後そのエネルギを解放してブリスターのタブに急な衝撃を与える。この動作によって容器Q内のパウダーがばらばらにほぐされ、それにより、ブリスターパックの排出性が向上し、放出量の変動が小さく抑制される。本発明の放出量は、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、または少なくとも90%などの、概して少なくとも60%である。放出量の標準偏差は、7%以下、5%以下、または3%以下などの、概して10%以下である。例えば、放出量は、RSD3〜10%となる60〜90%の範囲である。
【0244】
ブリスターのセンタリング配置は、特に、図73〜78に示す胴体部材Kの支持面110hが曲面である場合に実行され、装置内中央のフィードチューブとブリスターのタブの中心とが一直線上に位置合わせされる。閉塞防止デバイスGの穿孔部70g(図51〜52参照)は、ブリスターパックQの上部のホイルリッドストックに突入し、出口孔を形成する。容器穿孔機構Hの穿孔歯80t(図53〜59参照)は、閉塞防止デバイスGの穿孔部70gの直ぐ後に、ホイルリッド内に降下するように配置されている。これは、閉塞防止デバイスGの穿孔端70gが、容器穿孔機構Hの歯80tより下側に位置することにより起こる。したがって、閉塞防止デバイスGの穿孔端70gは、容器穿孔機構Hの歯80tの直前に、容器Qのリッドに接触して穿孔する。マウスピースBが回転されるにしたがって(図5参照)、閉塞防止デバイスGの穿孔部70gは、容器穿孔機構Hの歯80tが約120度の円弧形状の吸気孔を形成している間に、ホイルに降下してその中央に出口孔を形成する。図102には、このようにして形成された2つの吸気孔と中央の出口孔とを備えた容器の上面が示されている。吸気孔はブリスターパックQを通過する空気の入口であって、出口孔は空気とパウダーとの容器Qからの排出を可能にするものである。図112は、発生した流れの非限定的な一状態を図示している。上述したように、歯80tは、好適にはホイルリッドを正確に切って開口を形成するのではなく、好適には制御された裂開を発生させるまたは裂けの伝播を制御する。好適には、歯80tは、前縁端が鋭利でなく、吸気孔の伝播が制御できて安定する、前縁が丸まった(より非鋭利な)ものがよい。図126〜127には、非限定的な丸まった形状の歯80tの前縁が示されている。
【0245】
マウスピースBが約180度回転して定位置に達し、そしてクリック音が鳴ると、装置ではブリスターパック内のパウダーの噴霧の準備が完了する。パウダーを噴霧化するために、ユーザは、マウスピースB、とりわけマウスピースBの上部と唇との間を塞ぐように該マウスピースをセットする。非限定的な例において、マウスピースBの形状は、好適には、いろいろな口のサイズやユーザの好みに適するようにデザインされている。ユーザがマウスピースBの内部を減圧するすると(図6の矢印に示すように)、装置に設けられているトリガー機構Eが開く。図99は開いた状態のトリガーEを示し、図25〜27は開いた状態と閉じた状態のトリガーEを示している。トリガー機構Eは、非限定的な例において、トリガーの可動部分が裏返しになるときに開く4つの弁を備えている。弁は4つが最も好ましいが、3〜6つでもよい。弁はまた、V字形状の先端によって十字に形成された、枝分かれしたスリットなどの他の形状であってもよい。
【0246】
トリガーEが開くと、外部の空気が装置内に、特に2つの主要な経路を介して流入する。第1の経路はブリスターを介するものであって、空気が、2つの、例えば120度の円弧形状孔から中央孔を介してフィードチューブに流れる(図112参照)。この空気は、ブリスターパックQからパウダーを誘引し、パウダーを流動化する。この流れはフィードチューブ内を上に向かい、オリフィス(例えば、部材Fの中央孔)とトリガーEを介してユーザの口内に入る。パウダーを運んでいる空気がオリフィスとトリガーとを介して流れるにつれて、大きな粒子が、その凝集が分解されて肺の深部への沈着に適する細かい噴霧状にされる。したがって、一実施形態において、トリガーEが容器の上流側でなく、容器とユーザとの間にトリガーEが配置されていることにより、凝集パウダーが分解される。仮にトリガーEが容器の上流側に配置されていると、トリガーEが抵抗となり、凝集パウダーが分解されない。
【0247】
第2の経路は空気をバイパスさせるものであって、装置全体の抵抗を減らしてユーザの快適性が向上するようにデザインされている。この点について、装置全体の抵抗は、流速が40Lpmの場合、0.15(cmHO)1/2/L/min以下または0.10(cmHO)1/2/L/min以下などの概ね0.20(cmHO)1/2/L/min以下、もしくは、0.16〜0.20(cmHO)1/2/L/minまたは0.17〜0.19(cmHO)1/2/L/minなどの概ね0.15〜0.21(cmHO)1/2/L/minの範囲にされている。バイパス空気は、装置に入って容器穿孔機構Hの複数の孔80e(図53〜59参照)を通過し、噴霧化用の流れを中央に集める役割をする。この孔の数は、3〜9,4〜8,5〜7などの2〜10の範囲にされている。この孔の直径は、1.0〜1.3mmなどの、概ね0.9〜1.4mmの範囲にされている。この孔は円形である必要はないが、円形孔の方が製造しやすくまた微調整しやすい。
【0248】
図113には、装置内に2つの流路が発生した、非限定的な様子を示している。非限定的な例において、装置は、約30L/minの流速を利用する。また、非限定的な例において、容器Qを通過する流量は約40%にされ、バイパス空気流量は約60%にされている。これにより、パウダーが装置内、特にカッター機構HとマウスピースBの出口との間に堆積することが抑制される。いくつかの実施形態において、全流量に対する容器を通過する流量の割合は、デバイス全体の抵抗、容器の大きさ、および容器の孔サイズによって異なるけれども、35〜45%などの30〜50%の範囲にされている。したがって、全流量に対するバイパス流量は、55〜75%などの概ね50〜70%の範囲にされている。
【0249】
好適には、装置は、そのリーク経路が最小化されてまたは最適化されて、装置のパフォーマンスが好ましいものにまたは最適化するように構成されている。噴霧パフォーマンスは、全流量に対するブリスターの流量の比(例えば、容器穿孔機構Hのバイパス孔80eのサイズによって決定される比)、オリフィス60jのサイズ(図48〜50参照)、およびトリガーEのスリット50cと50dの長さ(図58〜67参照)に大きく影響される。非限定的な例において、ブリスター流量/全流量の比は、25〜65%、30〜60%、35〜55%などの20〜70%内にされており、またオリフィス60jのサイズ(直径)は、4〜12mm、または5〜11mmなどの3〜13mm内にされている。また、非限定的な例において、トリガーのスリット長さ(完全に概ねX字形状のスリット50cと50dとを内含するまたは囲む最小円の径によって決定される長さ)は、0.3〜0.5インチなどの0.2〜0.6インチの範囲、または約0.34インチにされている。この点について、トリガーのスリット長さは、トリガーの実部分(固定部分を除く部分)の直径に対して、60〜70%などの50〜80%の範囲にされている。
【0250】
トリガーEの役割の1つは、安定して均一な投与量を実現することである。この点については、トリガーEが、ユーザに関係なくまたはユーザの努力に関係なく、同一の限界減圧で開くことが前提である。トリガーEが開くと、デバイスを通過する流速は、そのピーク値が20ms内、例えば15msまたは10ms内に概ね収まる速度になる。
【0251】
トリガーEは、通常自ら閉じるため、該トリガーEをリセットする必要がない。減圧が解除されると、すなわち患者が吸引をやめると、トリガーEは元の位置に戻る。
【0252】
通常、トリガーEは自ら閉塞を防止する。トリガーEが開いたり閉じたりすることにより、該トリガーにパウダーが堆積することが抑制される。
【0253】
上述したように、ブリスターパックの中央に孔を形成することに加えて、閉塞防止デバイスGは、使用される度にフィードチューブFT(図66〜72参照)内をクリーニングする。この機能は以下のとおりである。マウスピースBが回転する(例えば、180度回転する)度に、閉塞防止デバイスGがフィードチユーブFT内部の閉塞物を取り除き、それにより内面に残留するパウダーの量が最小限にされる。これにより、フィードチューブFT上に長期にわたってパウダーが堆積することが防止され、装置の寿命が延びる。本実施形態においては、フィードチューブFTは容器Q内に入らない。代わりとして、その表面が穿孔されると同時にフィードチューブFTが該表面に挿入または係合してもよい。フィードチューブFTは、流路内にジェットチューブやインジェクターチューブを備えておらず、障害物がなく非分流の流路を備えるように形成されており、それにより、フィードチューブFTが詰まる可能性が小さくされ、分散効率の低下が抑制されている。
【0254】
したがって、本発明は、ドライパウダーインスリンなどのドライパウダーに広く使用することができる呼吸作動型のドライパウダー吸引器を提供する。例えば、ドライパウダーを使用する装置が、本願と同時に出願され、本明細書に参照として組み込まれている、米国仮出願第_____号(代理人整理番号0304PRO)に記載されている。この装置は、約60〜95重量%のインスリンと約5〜39重量%のバッファとを含む医薬組成物を使用し、この組成物を蒸留水に1mg/mlの濃度で溶解して生成された溶液は、7.5またはそれより大きいpHを示す。
【0255】
この場合、パウダーは容器に充填された後、本願と同時に出願され、本明細書に参照として組み込まれている、米国仮出願第_____号(代理人整理番号0312PRO)に記載されているように調整される。これは、MMDおよび/またはMMADが20μm以下または10μm以下などの30μm以下、もしくはMMDおよび/またはMMADが1〜5μmなどの概ね1〜10μmの範囲のドライパウダーに通常使用される。
【0256】
本明細書に開示されている装置は、従来のデバイスに比べて十分小さく、また匹敵するパフォーマンスを発揮する。非限定的な例において、装置は、1ヶ月の使用寿命を持つようにデザインされ、ユーザによる閉塞物の除去や部品の交換を必要としない。このデバイスは、したがって自由に使用することができる。装置はまた、簡単に使えるのが好ましく、人間工学的であって、従来のデバイスに比べてより魅力ある見た目である。さらに装置は、小さく軽量であるため保管が簡単で、ユーザのシャツやパンツのポケット内に望ましく簡単に入る。装置はさらにまた、望ましくユーザの手のひらにフィットし、投与するために、数回、例えば1〜3回または1〜2回などの、1〜4回息を吹くだけで済む。
【0257】
図1や2を参照すると、本発明に係る装置の非限定的な実施形態が示されている。装置は、約60mm、概ね50〜80mmの高さ「h」であって、約40mm、概ね30〜60mmの幅「w」であって、約30mm、概ね20〜50mmの奥行きである。全高に関しては自由に変更可能である。奥行きは、最もユーザにとっては大事なところであり、小さい方が好ましい。幅に関しては自由に変更可能である。図1にはキャップまたはプロテクトカバーAが被せられた装置が示されており、図2にはキャップAが取り除かれた装置が示されている。キャップAを取り除いた状態の図2に示すように、容器、例えばブリスターパックを受け入れるように構成されている、ユーザがすぐにアクセスできる開口が設けられている。
【0258】
図3〜8には、本明細書で記載されているタイプ、特に図1〜2に示されているタイプの装置の、ユーザによる非限定的な使用方法が示されている。図3は、キャップAが取り除かれる前の装置を示している。矢印に示すように、キャップAは単に上方に持ち上げられて取り除かれる。キャップAは、なくさないように、また使用中にユーザが把持する装置の表面部分が大きくなるように、装置の底部に取り付け可能に構成されている。キャップが取り除かれた状態で、図4に示すように、容器Qが装置の開口に挿入される。矢印に示すように、容器Qは、装置の開口に水平にスライドされる。容器Qが定位置または最大挿入位置に挿入されると(容器のタブ部は装置の外部に残り、容器を取り除く必要があるときにユーザが容器を掴めるようになっている)。図5に示すように、装置の上側のハウジング部(すなわち、マウスピースBを含むハウジング部)が回転され、該装置が駆動する。この挿入移動の間に、装置は自動的に以下のように動作する。ロックシステムMがアンロック位置に移動し、容器インパクト部材Nが動いて容器Qのタブ部に衝撃を与える。矢印に示すように上側ハウジング部すなわちマウスピースBが時計方向に回転可能になる。この回転角は、本実施形態の場合、約180度である。しかしながら、このような回転は、容器Qの挿入が完全に完了するまでは不可能にされている。したがって、容器Qが完全に挿入されることによってロックシステムNのアンロック位置への移動が完了し、回転が可能になる。さらにまた、この回転の間に、装置は、自動的に以下のように動作する。吸気孔と中央出口孔とが容器Qのホイルのリッドストックに形成される(図102参照)。そして、フィードチューブFTの閉塞物が閉塞防止デバイスGによって除去される。図6は、マウスピースBを介して外に出る空気の流れを示している。当然ながら、これは、ユーザがその口をマウスピースBに当ててトリガーEが十分開くように吸引することにより起こる。図7は、使い果たしたすなわち使用済みの容器Qを装置の開口から取り除く方法が示されている。矢印に示すように、容器Qは、装置の開口から外に水平にスライドされる。容器Qが取り除かれると(装置外の容器のタブ部をユーザが掴み、該容器を引き抜く)、ユーザが別の容器を挿入してさらに吸引治療を実行する、または図8に示すように装置にキャップAを戻す。このようにして、本実施形態は、たった6工程で直感的に簡単に使用できる。
【0259】
図9〜24は、図1〜2に示す装置の非限定的な組み立て方法の1つが示されている。図9は装置の分解図であり、部品Aはキャップであり、部品Bはマウスピースであり、部品Cは圧縮コイルスプリングであり、部品Dはリテイナまたはリテイナ部材であり、部品Eはトリガーであり、部品Fはオリフィス部材であり、部品Gは穿孔かつ閉塞防止デバイスであり、部品Hは容器穿孔機構であり、部品Iは上側ベアリング部材であり、部品Jは下側ベアリング部材であり、部品Kは支持胴体部材であり、部品Lはスカートであり、部品Mはロック部材であり、部品Nはインパクト部材であり、部品Oはトーションスプリングであり、部品Pは下側ハウジングである。さらに、部品Qは装置に使用される容器である。
【0260】
上図に示すように、上述の実施形態の部品数は16個である。部品を結合するおよび/または削除することにより、部品数を、15またはそれ以下、14またはそれ以下、13またはそれ以下、または12など、16以下にすることができる。その際、部品Fは削除できる。部品Jと、部品KおよびPの外側部とを結合してもよい。部品OおよびMと、部品Kの内側部とを結合してもよい。いくつかの実施形態においては、部品Eを削除してもよい。
【0261】
非限定的な実施例において、少なくとも部品A、B、D、F、H〜N、Pは射出成形により、通常、例えば商業的に利用されているインスリン吸引デバイスに使用されている材料から作製される。非限定的な材料として、PVT、ABS、ポリカーボネート、液晶性ポリマーなどの、広範囲なプラスチックが含まれる。商業的に利用されているプラスチックとしては、Ticona社のCelanex MT2401やMT2402(PBT)、GE社のCycoloy C1950やC1204HF(PC/ABS)、Basell社のProFax PF−511(PP)が含まれる。特に、キャップすなわち部品Aは、Basell社から提供されているPP、またはGE社から提供されているPC/ABSから作製され、その材料のグレードは、ProFax PF−511またはCycoloy C1950やC1204HFである。マウスピースすなわち部品Bは、GE社から提供されたPC/ABSから作製され、その材料のグレードはCycoloy C1950やC1204HFである。リテイナすなわち部品Dは、Basell社から提供されたPP、Ticona社のCelanex MT2401やMT2402(PBT)、またGE社から提供されたPC/ABSから作製され、その材料のグレードは、ProFax PF−511、またはCycoloy C1950やC1204HFである。トリガーEはエラストマー、例えばシリコンエラストマーや熱可塑性エラストマーから作製される。オリフィス部材すなわち部品Fは、例えば、Basell社から提供されたPP、またはGE社から提供されたPC/ABSから作製され、その材料のグレードは、ProFax PF−511、Cycoloy C1950やC1204HFである。このオリフィス部材Fは、柔軟性があって、自ら閉塞を防止することが可能なラバーから作製されてもよい。カッター機構すなわち部品Hは、例えばTicona社から提供されたPBTから作製され、その材料のグレードは、Celanex MT2401やMT2402である。上側ベアリング部材すなわち部品Iは、例えばGE社から提供されたPC/ABSから作製され、その材料のグレードは、Cycoloy C1950やC1204HFである。下側ベアリング部材すなわち部品Jは、例えば、GE社から提供されたPC/ABS、またはTicona社から提供されたPBTから作製され、その材料のグレードは、Cycoloy C1950やC1204HFまたはCelanex MT2401やMT2402である。胴体部材すなわち部品Kは、例えばGE社から提供されたPC/ABSから作製され、その材料のグレードは、Cycoloy C1950やC1204HFである。スカートすなわち部品Lは、GE社から提供されたPC/ABSから作製され、その材料のグレードはCycoloy C1950やC1204HFである。ロック部材すなわち部品Mは、例えばGE社から提供されたPC/ABSから作製され、その材料のグレードは、Cycoloy C1950やC1204HFである。容器インパクト部材すなわち部品Nは、例えばGE社から提供されたPC/ABSから作製され、その材料のグレードはCycoloy C1950やC1204HFである。下側ハウジングすなわち部品Pは、例えばGE社から提供されたPC/ABSから作製され、その材料のグレードは、Cycoloy C1950やC1204HFである。
【0262】
図10〜24を参照すると、装置は、例えば以下のように組み立てられる。図10に示すように、閉塞防止かつ穿孔デバイスGが、例えば容器穿孔機構Hの内部に載置される。次に、図11に示すように、オリフィス部材Fが、例えばカッター機構Hに取り付けられる。オリフィス部材Fは任意であって、例えば装置から削除してもよい。図12に示すように、次にトリガーEがオリフィス部材Fに取り付けられる。続いて、図13に示すように、リテイナ部材DがトリガーEを覆って取り付けられる。図14に示すように、上側ベアリング部材Iが下側ベアリング部材Jに取り付けられる。続いて、図15に示すように、部品D〜Hのサブアセンブリが上側ベアリング部材I内に取り付けられる。その後、図16に示すように、スプリングCが上側ベアリング部材I内に取り付けられる。次に、図17に示すように、マウスピースBが部品C〜Jのサブアセンブリに取り付けられる。図18に示すように、トーションスプリングOが、例えば下側ハウジング部材Pに取り付けられる。図19に示すように、容器インパクト部材Nが、例えば下側ハウジング部材PとトーションスプリングOに取り付けられる。図20に示すように、ロック部材Mが、下側ハウジング部材Pに取り付けられる。次に、図21に示すように、スカートLが下側ハウジング部材Pに取り付けられる。図22に示すように、ハウジング部材KがスカートLと下側ハウジング部材Pに取り付けられる。図23に示すように、部品B〜Jのサブアセンブリが部品K〜Pのサブアセンブリに取り付けられる。図24に示すように、キャップAを取り付けると装置が完全に組み立てられる。
【0263】
図25〜27は、図1や図2に示す装置の非限定的な一実施形態の異なる部分での断面図である。図25は、図1の断面図である。図26は図2の断面図であって図25を回転したものである。図27は、図1や図2に示す装置を部分的に切断した斜視図である。図25〜27それぞれに示すように、トリガーEは閉じた状態と開いた状態とで図示され、容器Qは定位置すなわち完全に挿入された位置にある状態で示されている。当然ながら、キャップが被されているときは、トリガーEは通常開いておらず、容器は通常挿入されていない。
【0264】
図28〜31は、図9に示すキャップAの非限定的な一実施形態を示す様々な図であって、それの様々な特徴を示している。キャップAは、その使用中、マウスピースBと容器挿入スロットSとを、ほこりやちりが侵入しないように覆って保護している。
【0265】
図28〜31に示すように、本実施形態のキャップAは、概ね楕円形状であってフロント部10gとリヤ部10hとを有する。キャップAはまた、閉じた上端10aと開いた下端10dとを備え、これらはマウスピースBに対して滑動するような形状や大きさにされている。キャップAを取り外し可能に装置に固定できるように、該キャップAは、対向配置された2つの突出部10eを有し、これらは部材Jに形成されているくぼみに係合するように構成されている。キャップAはさらに、内側に細長い突出部10fを複数有し、これらはマウスピースBの外側表面に擦れて係合するように構成されている。これにより、キャップAは,装置に装着されているときに、横方向に関してがたつくことが抑制されている。キャップAは、投与中、反対にされてデバイスの底に取り付けられ、これにより把持できる表面を大きくしている。当然ながら、キャップAに関して、他の構成や形状も考えられる。加えて、キャップAは、例えば、上述の材料から作製され、透明または半透明であってもよい。さらに、キャップAは、正常に機能する装置にとって必要ないのであれば、なくてもよい(または、マウスピースBの出口内に係合する取り外し可能なプラグタイプのキャップでもよい)。
【0266】
図32〜39は、図9に示す上側ハウジングすなわちマウスピースBの非限定的な一実施形態を示す様々な図であって、それの様々な特徴を示している。概して、マウスピースBは、吸引中にユーザの唇と密着するように、滑らかな楕円面を備えている。
【0267】
図32〜39に示すように、本実施形態のマウスピースBは、概ね楕円形状であってフロント部20aとリヤ部20bとを有する。マウスピースBはまた、ユーザの唇と該マウスピースBとを密に係合させる大きさと形状にされた閉じた上端20cを有する。これにより、ユーザは、ユーザの唇と上端20cとの間から空気が漏れることがほとんどない状態で、吸引することができる。マウスピースBはユーザの舌にとって邪魔にならない形状にされており、それにより放出量を増やし再現性を高くしている。その点に関し、マウスピースBは、ユーザの歯を過ぎて突き出るように十分な長さにされている。
【0268】
マウスピースBはまた、上側ベアリング部材Iに滑動する大きさと形状にされた開いた下端20nを備えている。マウスピースBを取り外し可能に装置に固定するために、マウスピースBは、対向配置された2つの突出部20hを備え、その自由端が、上側ベアリング部材Iに形成された部分90cの開口90dに入って、例えば超音波溶接やかしめなどによって固定されるように構成されている。突出部20hは、マウスピースBの主軸の内側リブとして機能し、上側サブアセンブリB〜Jの超音波溶接を容易なものとしている。突出部20hはそれぞれ、その断面が概ねT字形状になるようにされている。マウスピースBはまた、指が係合するくぼみすなわちグリップ20dと20eとを有し、これらは、ユーザがマウスピースBを回転させるときに、ユーザが親指と人差し指とでマウスピースBを掴めるような人間工学的な形状にされている。
【0269】
マウスピースBは、上縁20l/kから概ね円形状の開口20fに延びる、概ね楕円形状の発散形状(ダイバージング)の出口20gを有する。この概ね楕円形状のダイバージング出口20gにより、噴霧化されたパウダーが、開口20fから出口縁20l/20kに広がりながら移動する。フラント側とリヤ側の出口縁20lそれぞれは概ね外側に湾曲した形状であって、左側と右側の出口縁20kそれぞれは、概ね内側に湾曲した形状である。
【0270】
概ね楕円形状のダイバージング出口20gを形成する壁20jには、複数の補強リブ20iが設けられている。複数、例えば8つの補強リブ20iが、圧縮スプリングCを支持するために設けられている。概ね円形状の開口20fは、外周面20oを有する概ね環形状の壁20jによって定義されている。外周面20oは、部材Dの内周面40dが入るおよび/または該内周面40dと密に係合する大きさと形状にされている(図25〜27参照)。
【0271】
離れて内部に突出しているリブ20p対は、フロント部20aを形成する壁とリヤ部20bを形成する壁とに設けられている。対向配置されたリブ20p対は、上側ベアリング部材Iの対向配置されたスロット90fと90g内で滑動するような大きさと形状にされている。対向配置されたリブ20p対それぞれは、対向配置された2つの曲面のくぼみ部20qの一方に配置されている。これらのくぼみ部20qは、上側ベアリング部材Iの外側に突出した曲面の突出部90が係合する大きさと形状にされている。
【0272】
マウスピースBはまた、対向配置されたくぼみ部20rを有し、これらは、上側ベアリング部材Iの外側に突出部90bと90Cの外側に突出した曲面の自由端と係合する大きさと形状にされている。突出部20h、くぼみ部20qと20r、そして突出部20pは全て、上側ベアリング部材IとマウスピースBとを連結する役割をし、これにより、マウスピースBが回転するときに上側ベアリング部材Iも回転する。当然ながら、マウスピースBに関して、他の構成や形状も考えられる。加えて、マウスピースBは、例えば、上述の材料から作製され、透明または半透明であってもよい。
【0273】
図40〜43は、図9に示すリテイナ部材Dの非限定的な一実施形態を示す様々な図であって、それの様々な特徴を示している。リテイナ部材Dは、オリフィス部材Fにはめ込まれる。リテイナ部材Dの上部は、マウスピースBと滑動可能に密に接触している。
【0274】
図40〜43に示すように、リテイナDは、概ね円筒スリーブ形状であって、開いた上端40aと開いた下端40bとを有する。リテイナDは、概ね円筒形状の外周面40cを備え、また、マウスピースBの外周面20oと密に係合する大きさと形状の概ね円筒形状の内周面40dを備えている。リテイナDはまた、内側に突出する環形状の突出部40iを形成する上側ショルダー面40hと、下側ショルダー面40gとを備えている。下側ショルダー面40gと内側円周面40fは、トリガーEの面50hと50eと密に係合するように対応した大きさと形状にされている。内側に突出した環形状の突出部40jは、オリフィス部材Fの環形状突出部60cに密にかつ不動に(取り外し不可能に)係合するように対応する大きさと形状にされている。リテイナDとオリフィス部材Fとの間の係合を容易にするために(リテイナDの内側にトリガーEが挿入された後)、リテイナDは面取り部40eを有する。当然ながら、リテイナDに関して、他の構成や形状も考えられる。加えて、リテイナDを、例えば、上述の材料から作製され、透明または半透明であってもよい。
【0275】
図44〜47は、図9に示すトリガー部材Eの非限定的な一実施形態を示す様々な図であって、それの様々な特徴を示している。トリガーEは、最小の限界減圧になるまで、デバイスや容器Qを通過する流れを最小にするものである。トリガーEが突然開くことにより、容器Qとデバイスとを通過する空気の速い脈動が起こり、容器Qの空気の引き抜きや凝集パウダーの分解が促進される。トリガーEの星形状の開口は、吸引中、凝集パウダーを分解する破砕する働きをする。トリガーEが動くことにより、該トリガーの表面上にパウダーが過度に溜まることが抑制される。トリガーEの開口は、ユーザに対して、デバイスが正常に操作されていることを示すフィードバックをする。トリガーのくさび形状フランジは、吸引中にマウント部から抜けないようにするためのものである。
【0276】
図44〜47に示すように、トリガーEは、概ね円形状であって、突出した環形状の肩部50jを含む開いた上端と、通常閉じている下端50aとを有する。トリガーEは、概ね円筒形状の外周面50eと、リテイナDの面40gと40fとに密に係合する大きさと形状にされているテーパー面50hとを備えている。トリガーEは、さらにオリフィス部材Fのテーパー面60bと密に係合する大きさと形状にされている上側テーパー面50iを備えている。弾力的な材料の壁部50gは、部分50a/50bと、トリガーEのテーパー面50iと50hとを備えた部分とを連結している。図25〜27に示すように、壁部50gは、トリガーEが装置の使用中は開いた状態に、非使用時は閉じた状態になるように形成されている。2つのスリット50c、50dは、部分50aと50bとに形成されている。これらのスリット50cと50dは、壁部50gが通常時の閉じた状態から開いた状態に裏返しになると、トリガーEの開口を形成する。当然ながら、トリガーEに関して、他の構成や形状が考えられる。加えて、トリガーEは、例えば、上述の材料から作製され、透明または半透明であってもよい。
【0277】
図48〜50は、図9に示すオリフィス部材Fの非限定的な一実施形態を示す様々な図であって、それの様々な特徴を示している。図48〜50に示すように、オリフィス部材Fは、概ね円形状であって開いた上端60aと開いた下端とを有する。オリフィス部材Fはまた、概ね円形状の開口60jを備え、それは装置を通過する噴霧流量が所定量になるような大きさにされている。オリフィス部材Fはさらに、リテイナDとオリフィス部材Fとがお互いに不動に接続されるとき、リテイナDの端40bと隣接するような形状のショルダー部60dを備えている。概ね平らな面60kと概ね曲面の面60iは、リテイナDとオリフィス部材Fとがこれらの間に配置されているトリガーEに対して不動に接続されるときに、トリガーEの概ね平らな面50aと曲面50bに概ね対応して隣接するような大きさと形状にされている。オリフィス部材Fはさらに、環形状に突出しているショルダー60fを備え、その外周面60gは、カッター機構Hのショルダー面80gの内周面に擦るように密に係合する大きさと形状にされている。好適には、外周面60gは、接着によっておよび/または不動にカッター機構Hのショルダー面80gの内周面に固定される。これにより、D、E、Fのサブアセンブリがカッター機構Hに固定され、装置の駆動中、これらはともに移動する。その上、カッター機構Hにオリフィス部材Fが固定されることにより、閉塞防止デバイスGは、オリフィス部材Fとカッター機構Hとの間に軸方向に関して固定され、それにより、カッター機構Hとともに回転し、またカッター機構とともに軸方向に移動する。このように、部品D、E、F、G、およびHは一体に組まれ、これらはサブアセンブリを構成して1つのユニットとして回転し、また容器Qのリッドストックに向かってまたは離れるように、軸方向に移動する。開口60jは、入口側が面取りされており、それにより気流がスムーズに流れることができる。当然ながら、オリフィス部材Fに関して、他の構成や形状も考えられる。加えて、オリフィス部材Fは、例えば、上述の材料から作製され、透明または半透明であってもよい。
【0278】
図51〜52は、図9に示す閉塞防止部材Gの非限定的な一実施形態を示す様々な図であって、それの様々な特徴を示している。閉塞防止部材Gは、噴霧モジュールD〜Hに不可欠な部品であって、容器Qの中央に入り込んで回転して孔を形成する。デバイスが駆動される度に、閉塞防止部材Gは、フィードチューブFTに対して180度回転し、薬の経路の詰まりを防止する。閉塞防止部材Gのウイングがカッター機構Hの係合部に係合することにより、該閉塞防止部材Gが完全に自由状態になることが防止されている。
【0279】
図51〜52に示すように、閉塞防止部材Gは、上側自由端70a,70bと、下側の丸い穿孔端70gとを有する曲がったワイヤ形状に形成されている。上側自由端70a,70bと接続部70c,70dは、カッター機構Hの対向配置されている突起対80f内に着座する大きさと形状にされている(図10参照。)。下側の丸い穿孔端70gは、容器Qに、穿孔して裂開し、出口孔を形成する大きさと形状にされている。閉塞防止部材Gはさらに、概ね垂直の2つの閉塞防止部70e、70fを備え、これらは、フィードチューブFTの内側表面に当たってこする大きさと形状にされている(図102参照。)。概ね垂直の2つの閉塞防止部70e、70fは、好適には、フィードチューブFTのテーパー面に対応する角度にされている。これにより、閉塞防止部材Gが180度回転する度に、該閉塞防止部材GがフィードチューブFTをクリーニングする。当然ながら、閉塞防止部材Gに関して、他の構成や形状も考えられる。例えば、閉塞防止部材Gは、カッター機構Hやオリフィス部材Fなどの装置の他の部品の1つに一体的に形成することができる。加えて、閉塞部材Gは、例えば、上述の材料から作製され、透明または半透明であってもよい。
【0280】
図53〜59は、図9に示すカッター機構Hの非限定的な一実施形態を示す様々な図であって、それの様々な特徴を示している。カッター機構Hの歯80tは、容器Qのリッドストックに吸気孔を形成する。孔80eは、バイパス空気が噴霧モジュールD〜Hに入ることを可能にし、装置全体の抵抗を所望なレベルに維持するものである。4つの放射形状リブ80fは、閉塞防止デバイスGを位置決めして規制する。オリフィス部材Fとカッター機構Hは協働してフランジを形成し、該フランジは、圧縮スプリングの力を噴霧モジュールD〜Hに伝達する。カッター機構Hの底面のカム80m,80nは、胴体部材Jのカム100c,100d,100fと係合し、噴霧モジュールD〜Hを下方に移動させるまたは退避させる。外側カム80o,80pのくさび形状くぼみ部は、マウスピースBの回転を定位置で戻り止めするものであって、該定位置からの逆回転を防止する。カッター機構Hの中央口は、フィードチューブFTにはまり込み、密に接触した状態で該チューブFTに対して回転する。
【0281】
図53〜59に示すように、カッター機構Hは、概ね円形状であって、対向配置された2つの突出部80b,80cを備えた開いた上端80aを有する。突出部80bは、上側ベアリング部材Iのスロット90hまたはスロット90fのいずれかに係合してスライドする大きさと形状にされている。突出部80cは、上側ベアリング部材Iのスロット90hまたはスロット90fのいずれかに係合してスライドする大きさと形状にされている。カッター機構Hはまた、概ね円形状の開口80kを備え、それは、フィードチューブの上端が密に入る大きさと形状にされている。概ね円形状の開口80kとフィードチューブFTとの係合の間のクリアランスが非常に小さく本質的にゼロにされることにより、装置の中心にカッター機構Hが位置し、それにより歯80tが正確に位置決めされて容器Qに2つの円弧形状の吸気孔が正確に形成される。また、それは、フィードチューブFTに対して、カッター機構Hを回転させたりまた軸方向に移動させたりする、マウント部材(ブッシュ部材および/またはベアリング)と同じ役割をする。この回転の動きは、当然マウスピースBの回転によって生じ、その間のカッター機構Hの軸方向の動きは、部材Jの面100aに対する面80lの相対的位置によって決まる。面80lと面100aとの間で回転接触しているときは、容器Qに吸気孔を形成する裂開中である。面80lと部分100bの表面(すなわち面100cと面100dとの間の概ね水平な面と、面100eと面100fとの間の概ね水平な面)とが接触しているときは、マウスピースBがいずれか一方の180度の駆動準備位置に存在する。したがって、面80lと面100aとが接触しているときは、歯80tは完全に伸展位置にあり(すなわち、容器Qのリッドストックを貫通している)、面80lと部分100bの概ね水平面とが接触しているときは、歯80tは退避位置にある。スプリングCはカッター機構Hを部材Jに向かって付勢し、カッター機構Hを部材Jに向かって軸方向移動させる。カッター機構Hは、カッター機構Hの時計方向の回転のみを可能にする、概ね垂直な表面80oと傾斜面80pとによって定義される、対向配置された切り欠き部を備える。これらの面は、部材Jの面100cと100dに対応しており、協働してカッター機構Hの時計方向のみの回転を可能にしている。また、カッター機構Hには、対向配置されている突出部80fの対が2つあって、これらは、上述したように、閉塞防止デバイスGの自由端を支持する。さらに、カッター機構Hは、対向配置されている2つの傾斜カム面80mを有する。これらは部材Jの面100cと100dとに係合するように構成されており、係合すると、容器Qから離れるようにカッター機構Hが軸方向に移動する。他の対向配置されている2つの傾斜カム面80nは部材Jの面100fと係合するように構成されており、係合すると、スプリングCの付勢力によって容器Qに向かってカッター機構Hが軸方向に移動する。傾斜面80uは、カッター機構Hの回転しているときに、該カッター機構Hと部材Jの部分100tとの接触を回避するものである。面80rは、カッター機構Hが2つの180度の起動前位置に存在しているとき、部材Jの部分100tと接触するように構成されている。複数の、例えば6つの同一サイズの貫通孔80eが傾斜壁部80dに形成され、それにより、バイパス流が、カッター機構Hを通過し、次にオリフィスの開口60jを通過する。2つの歯80tそれぞれは、切開中または裂開中に歯80tがふれないような大きさと形状の歯支持部80sに設けられている。当然ながら、カッター機構Hに関して、他の構成や形状も考えられる。加えて、カッター機構Hは、例えば、上述の材料から作製され、透明または半透明であってもよい。
【0282】
カッター機構Hと部材Jのデザインや形状は考慮されており、特定の態様として、フィードチューブFTがテーパー形状、すなわち、下端の入口が上端の出口に比べて小さくされ、それらの間にテーパー穴が延びている形状にされている。そのテーパー角は、概ね5度より小さくされている。他の形状として、穴は実質的に円筒穴、すなわちゼロ度のテーパー角であってもよい。フィードチューブFTのデザインに関する考慮としては、フィードチューブFT内を上方に流れる加速流を維持することと、開口を、境界層の剥離が最小限になるまたは回避できる形状や配置にすることが含まれる。けれども、フィードチューブFT内に、一部減速流が発生する。カッター機構Hは、2つの円弧形状の吸気孔を形成する前に、または同時に、リッドストックの中央に出口孔を形成するようにデザインされてもよい(図102参照)。この場合、部材Gがカッター機構Hに組み込まれると、その端70gが歯80tの端と同一軸方向位置に配置される。代わりとして、部材Gがカッター機構Hに組み込まれるときに、カッター機構Hが容器Qのリッドストックに向かって移動したときに端70gの前に歯80tがそのリッドストックを穿孔するように、その端70gが、歯80tの端に比べて軸方向距離が短くなるように配置してもよい。フィードチューブFTの下端(すなわち入口端)は、孔の形成中、および/またはユーザが吸引によってトリガーEを駆動しているときに、リッドストックに接触しているのが好ましい。この接触によって一時的にシールされ、容器Qから流出する空気/パウダーのほとんど全てが、フィードチューブFTを通過する。しかしながら、この場面では完全にシールする必要はない。許容できるシール接触は、特に、テンション状態の容器Qのリッドストックに十分に触れる程度の接触である。
【0283】
図60〜65は、図9に示す上側ベアリング部材Iの非限定的な一実施形態を示す様々な図であって、それの様々な特徴を示している。上側ベアリング部材Iは、マウスピースBに超音波溶接される面を備えている。上側ベアリング部材Iの垂直な溝はカッター機構Hのタブと係合し、それによりマウスピースBの回転に同期して、噴霧モジュールD〜Hが回転する。
【0284】
図60〜65に示すように、上側ベアリング部材Iは、概ね四角形形状であって、開いた上端及び下端、対向配置されている2つの突出部90bおよび90cを有する。突出部90bと90cは、マウスピースBのくぼみ部20r内に係合する大きさと形状にされている。突出部90bと90cそれぞれは、壁部90aの対向位置部分に設けられている2つのフランジ90eによって支持されている。開口90dは、マウスピースBの突出部20hを受け入れる大きさにされている。上側ベアリング部材Iはまた、対向配置されている2つの突出壁部90mを備えている。一方の突出壁部90mはスロット90fを有し、他方の突出壁部90mは、上側スロット90gと下側スロット90hとを有する。上述したように、スロット90fの上側部はマウスピースBのリブ20p対を受け入れる大きさと形状にされており、上側スロット90gは、マウスピースBの対向配置されているリブ20p対を受け入れる大きさと形状にされている。加えて、スロット90fの下側部は、カッター機構Hの突出部80cを滑動可能に受け入れる大きさと形状にされており、下側スロット90hはカッター機構Hの対向配置されている突出部80bを滑動可能に受け入れる大きさと形状にされている。上側ベアリング部材Iはさらに、概ね円形状の開口90lを備えており、それは、部材Jの円周面100a1に回転可能に係合する大きさと形状にされている。上側ベアリング部材Iの底面90kは、上側ベアリング部材Iが部材Jに挿入されているときに、部材Jの上側面100jに摺動可能に係合するように構成され、一方、上側ベアリング部材Iの上側面90jは、部材Jの下側面100a2に摺動可能に係合する。このような接触により、2つのベアリングが形成され、上側ベアリング部材Iは部材Jに対して回転でき、上側ベアリング部材Iは部材Jに対して実質的に軸方向に移動できない。その上、上側ベアリング部材IがマウスピースBに固定され、また部材Jが下側ハウジングPに固定されるので、これらの面係合により、部品B〜Iによって形成される装置の上側部分と、部品J〜Pによって形成される装置の下側部分とが、回転可能にまた分離不可能に接続される。上側ベアリング部材Iはさらに、上述したように容器ロックシステムの一部として機能する。このために、上側ベアリング部材Iは、4つのくぼみ部90nを有し、これらは、ロック部材Mの端部130aがロック位置に移動したときに該端部130aを受け入れる大きさと形状にされている。ロック部材Mがロック位置にないとき、フリーな端部130aはくぼみ部90n内になく、面90oの下部に位置する。当然ながら、上側ベアリング部材Iに関して、他の構成や形状も考えられる。加えて、上側ベアリング部材Iは、例えば、上述の材料から作製され、透明または半透明であってもよい。
【0285】
図66〜72は、図9に示す下側ベアリング部材Jの非限定的な一実施形態を示す様々な図であって、それの様々な特徴を示している。下側ベアリング部材Jの最上部に位置する環形状フランジ100a1は上側ベアリング部材Iのフランジ90lに拘束され、それにより、装置の上側半分と下側半分とが一体にされる。フィードチューブFTは、容器Qから出て噴霧モジュールD〜Hに入る噴霧の経路を提供する。フィードチューブFTは、噴霧モジュールD〜Hに対して密に嵌まり込み、また回転する。下側ベアリング部材Jの環形状フランジ100a1のカム100c,100d,100fは、カッター機構Hの底面のカム80m,80nと係合し、これにより、噴霧モジュールが上下動する。外側カムのくさび形状歯100dは、マウスピースBの回転を定位置で止める戻り止めであって、定位置からの逆回転を阻止している。下側ベアリング部材Jの上部の円弧形状孔100mとロック部材Mの突出部130aとの間にはクリアランスが設けられている。
【0286】
図66〜72に示すように、部材Jは、概ね楕円形状であって、対向配置された2つの突出部100bを備える上端110aを有する。突出部100bは、(上述したように)カッター機構Hを時計方向にのみ回転するようにし、該カッター機構Hの回転に基づいて該カッター機構Hの軸方向位置を制御する役割をする。上述したように、面100a2は面90jと上側ベアリングを構成し、面100gは面90kと下側ベアリングを構成する。その上、面100a1も面90lとベアリングを構成している。前者の上側および下側ベアリングは、上側ベアリング部材Iを軸方向に関して維持し、後者のベアリングは上側ベアリング部材IをフィードチューブFTと同軸に維持する。部材Jはまた、対向配置された下側フランジ部100oを有し、これらはそれぞれ、部材Kの対向配置された支持ショルダー部110k内に着座する大きさと形状にされている。下側フランジ部100oそれぞれは貫通孔100iを有し、この貫通孔100iそれぞれは、部材Pの1つの突出部160cの自由端を受け入れる大きさと形状にされている。部材Jはさらに、フロント側に向いた突出部100jを有し、これは、部材Kの面110m,110l,110nによって定義される部材Kのフロント側のくぼみ部内に着座する大きさと形状の側面100k、100lを備える。部材Jはさらに、これは、ロック部材Mの自由端130aが通過して該端130aの移動をロック位置とアンロック位置の間に制限する2つのガイドスロット100mを有する。上述したように、フィードチューブFTは、部材Jに設けられ、オリフィス部材Fの中央開口を通過する前に、容器Qに形成された出口孔からの噴霧流を装置の上方に向かって案内するおよび/または運ぶ役割をする。これに関連して、フィードチューブFTは、テーパー面100sを有しており、この面は、容器Qが装置に挿入された状態のとき、容器Qのリッドストックと密に係合および/または接触するように構成されている。フィードチューブFTは、大きい上端100qと小さい下端100rとを備えて概ねテーパー形状の貫通孔を有し、拡大部部分100tとそれより小さい部分100uとを備えて対向配置されている2つのスポーク状部を介して部材Jに接続されている。壁部100a1の内周面と拡大部部分100tとそれより小さい部分100uとを備えて対向配置されている2つのスポーク状部とによって定義される2つの空間は、バイパス流が部材Jを通過して上に流れることを可能にし、また容器Qのリッドストックに形成された吸気孔に流入する流入空気を貯える空間として機能する。部材Jはさらに、メイン突出部100jにわたって延びている、中央に配置されてテーパー形状の入口用ガイド面100xを備えている。これにより、容器Qはより簡単にまた正確に挿入される。容器Qの先端がテーパー面100xを通過すると、容器Qの先端の上面は、該容器Qが完全に配置されるまでに、面100wによってガイドされ、次に面100zによってガイドされる。浅いくぼみ部100vは、ガイド面100w,100y、100zの両側に配置されており、特に容器Qの接触摩擦を低減している。当然ながら、部材Jに関して、他の構成や形状も考えられる。加えて、部材Jは、例えば、上述の材料から作製され、透明または半透明であってもよい。
【0287】
図73〜78は、図9に示す支持胴体部材Kの非限定的な一実施形態を示す様々な図であって、それの様々な特徴を示している。中央の四角形状の開口110jと容器インパクト部材Nとの間にはクリアランスが設けられている。
【0288】
図73〜78に示すように、部材Kは、概ね楕円形状であって、メインの概ね四角形状開口110jと2つの外側開口110eとを備える上側支持面110dを有する。開口110jは、特に、容器インパクト部材Nの端140a〜140cが通過し、容器Qが挿入された状態のときに部材Nの回転を可能にする役割をする。開口110eは、特に、ロック部材Mの端部130aが通過し、容器Qの挿入によって該端部130aが移動することを可能にする役割をする。2つのランプ形状(傾斜台状)の突出支持部110kは、面110d上に設けられ、容器Qの挿入時に該容器Qをわずかに持ち上げる役割をする。概ね球形状のくぼみ部110hは、部材Kの中央部に位置し、容器Qのタブ部を正確に位置合わせして支持する。概ね曲面のくぼみ部110iは、くぼみ部110hから部材Kの入口部に向かって延びており、装置内への容器Qのタブ部の進入を可能にする。入口部は、対向配置された側縁110l,110n、底縁110mを有するくぼみ部によって定義される。対向配置された2つの側縁110l,110nは、部材Jの突出部100jを受け入れることができるように離れており、端100k,100lと接するように構成されている。2つの円弧形状の支持面110fは、球形状くぼみ部110h上に配置されており、くぼみ部110hが容器Qのタブ部を支持しているときに、容器Qの底面を支持する役割をする。加えて、対向し合う円弧形状の肩部110kは、部材Jの対向配置された突出部100oを支持するように設けられている。フロント側およびリヤ側の円弧形状の肩部110cは、部材Jの外面100pの周縁部を支持するように設けられている。部材Kはさらにスロット110sを有し、該スロットは部材Lの突出部120hの上側部分を受け入れる大きさと形状にされている。部材Kは加えて、対向配置された2つのくぼみ部110tを有し、これらは装置内に空気を取り入れる役割をする。部材KとLとが一体に組まれたとき、底端110uと肩部120gとの間に小さな隙間ができ、くぼみ部110tとくぼみ部120iとの間に大きな隙間ができる。部材Kはさらに、底面側に向いた2つの突出部110q,110oを有し、これらは、ロック部材Mの2つの端10hの軸受けとなる円形状のくぼみ部110r,100pとを備えている。当然ながら、部材Kに関して、他の構成や形状も考えられる。加えて、部材Kは、例えば、上述の材料から作製され、透明または半透明であってもよい。
【0289】
図79〜83は、図9に示すスカート部材Lの非限定的な一実施形態を示す様々な図であって、それの様々な特徴を示している。スカート部材Lは、胴体Jの孔を覆うことによって異物混入を防ぎ、該胴体Jとスナップ係合して下側半分のサブアセンブリを構成する。スカート部材Lはトレードドレスを提供する。スカート部材Lは、患者が例えば、使用開始日を記述するデバイスの部分であってもよい。
【0290】
図79〜83に示すように、部材Lは概ね楕円形状であって、概ね内側に湾曲したフロント側端およびリヤ側端と、概ね外側に湾曲した左側端および右側端とを備える上端120aを有する。部材Lはまた、概ね内側に湾曲した湾曲したフロント側端およびリヤ側端と、概ね外側に湾曲した左側端および右側端とを備える下端120bを有する。対向配置された2つのくぼみ部120iは、部材Lの左右の内側部であって、装置内に空気を入れる役割をする。部材Lはまた、突出部120hを有し、その上端は部材Kのスロット110sと係合する大きさと形状にされており、一方その下端は、部材Pのスロット160dに係合する大きさと形状にされている。部材Lは加えて、内周面に内側に向いたショルダー部120gを有する。部材LとPが一体に組まれたとき、上端160bとショルダー肩部120gとの間に小さい隙間ができ、くぼみ部120jとくぼみ部160gとの間に大きな隙間ができる。部材Lはさらに、フロント側とリヤ側とに対向配置された2つのくぼみ部120eと120fとを有する。当然ながら、部材Lに関して、他の構成や形状も考えられる。加えて、部材Lは、例えば、上述の材料から作製され、透明または半透明であってもよい。
【0291】
図84〜87は、図9に示すロック部材Mの非限定的な一実施形態を示す様々な図であって、それの様々な特徴を示している。端部130aは、内側に向かって付勢されており、挿入の最中、容器Qの輪郭に追随する。容器Qが完全に挿入されていない場合、端部130aは、上側ベアリング部材Iの底面の一部に係合し、マウスピースBの回転を防止する。端部130aは、内側に向かって付勢され、容器Qの輪郭の左右の切り欠き部170gに係合し、容器Qをデバイス内に引き込む。マウスピースBが回転されると、端部130aは、マウスピースBが定位置に戻されるまで、容器Qの挿入や取り外しを防止する。端部130aは、容器Qが逆さまに挿入されるのを防いでいる。
【0292】
図84〜87に示すように、ロック部材Mは、補強ショルダー部130fを備えたメイン接続部130eを有し、これは、2つの弾力性のウェブ状接続部130dを介して、2つのプレート状部130bに一体に接続されている。各ウェブ状部130dは、プレート状部130bが部分130cの軸を中心として回転するとき(通常、装置内に容器Qが挿入されている状態でおこる)にスプリングとして機能する。ウェブ状部130dは荷重を受けると、部分130bを付勢して、図135〜142に示すような元の無負荷状態に戻ろうとする。ロック部材Mはさらに、部材Kのくぼみ部110r,100pと係合する大きさにされて間隔をあけている2つの上側ベアリング軸部130hと、部材Pのくぼみ部160l,160jと係合する大きさにされて間隔をあけていると下側ベアリング軸部130gとを有する。部材Mの底面130jと選択的な2つの底側突出部130iは、部材P内で該部材Mを垂直方向に支持する役割をする。部材Mはまた突出部130aを有し、これらの上端は、容器Qの先端を受け入れるために間隔をあけ、容器Qの挿入の最中は離れていく。これらの端部130aはまた、対向配置された容器Qのくぼみ部170g内に収まるように構成されている。装置をロックすることに関しては突出部130aやプレート状部130bは1つで事足りるため、ロック部材Mを、1つの突出部130aおよび/または1つのプレート状部130bを有するようにしてもよい。当然ながら、部材Mに関して、他の構成や形状も考えられる。加えて、部材Mは、例えば、上述の材料から作製され、透明または半透明であってもよい。
【0293】
図88〜92は、図9に示す容器インパクト部材Nの非限定的な一実施形態を示す様々な図であって、それの様々な特徴を示している。装置に容器Qが挿入されている最中、容器インパクト部材Nは、容器Qのタブ170hに衝撃を与え、パウダーを分散させる。容器インパクト部材Nのアーム140a,140b,140cそれぞれのくぼみ部140eに起因して、容器Qの挿入により機構が駆動する。
【0294】
図88〜92に示すように、部材Nは概ね三角形状であって、主要部を有し、それは、該主要部から延びている概ね同一の3本のアーム部140a〜140cを備えている。部分140hと140gの軸方向端面は、部材Pのプレート状突出部160eの内向面に移動可能に係合する大きさと形状にされている。部材Pのプレート状突出部160eは、部材Nの軸方向移動を制限するが、収容部110j内でのアーム140a〜140cの自由な移動は保証している。部材Nは、部材Pに支持されているとき、回転かつ上下動できるようにデザインされている。これに関して、部材Nは、対向配置されて軸方向に突出する2つの突出部140i,140jを有し、これらは、突出部160fと160eとに形成されている2つのスロット間で、回転可能にかつ垂直方向に移動可能な大きさと形状にされている。アーム140a〜140cそれぞれは、上側リップ部140dと、容器Qの先端を受け入れるようにデザインされているくぼみ140eとを有する。装置に容器Qが挿入されると該容器Qの先端が上側リップ部140dの下側にスライドしてくぼみ部140eのショルダー部140fに係合し、そして、容器Qの挿入の動きにより、突出部140i,140jの軸中心に部材Nが回転する。このような回転により、部材Nは、突出部160fと160eとに形成されている2つのスロット間を下方向に移動する。この下方向の移動はトーションスプリングOの自由端150a、150bによって抵抗される。このスプリングOにより、容器Qが装置内の最終挿入位置に向かって移動するにしたがい、部材Nは上方に戻されていく。当然ながら、部材Nに関して、他の構成や形状も考えられる。加えて、部材Nは、例えば、上述の材料から作製され、透明または半透明であってもよい。
【0295】
図93は、図9に示すコイルスプリングCの非限定的な一実施形態を示す様々な図であって、それの様々な特徴を示している。コイルスプリングCは噴霧モジュールD〜Hを下方向に付勢している。それにより、カッター機構Hのカム80m,80nと胴体部材Jの面100c,100d,100fとが、マウスピースBの回転の関数に基づいて、噴霧モジュールD〜Hの垂直方向位置を決定することができる。
【0296】
図93に示すように、スプリングCは概ね円形状であって、部材Bの突出部20iと部材Hの面80aと係合する大きさと形状にされている。スプリングCはまた、カッター機構Hを部材Jに向かって付勢する。非限定的な例において、スプリングCは、その作動トルク(マウスピースBを回転させて装置を駆動するのに必要なトルク)が約0.3〜約0.5Nmの範囲、好適には約0.33Nmになるように構成されている。非限定的な例において、スプリングCは、グレードが302/304のステンレス鋼から作製される。当然ながら、スプリングCに関して、他の構成や形状も考えられる。
【0297】
図94は、図9に示すトーションスプリングOの非限定的な一実施形態を示す様々な図であって、それの様々な特徴を示している。図94に示すように、スプリングOは、直線で概ね平行な2つの側部150dと接続部150eとによって形成されている、概ね四角形状のベース部を備えている。このベース部は、部材Pの底面内側に着座するようにデザインされている。スプリングOはまた、自由端150a,150bを有し、これらは、部材Pのプレート状突出部160aと160fの間でスライドできる大きさと形状にされている(例えば図18参照)。これらの自由端150a、150bは、容器インパクト部材Nの対向配置されて軸方向に突出している2つの突出部140i、140jに係合するように構成されている(例えば図19参照)。自由端150a、150bそれぞれは、接続コイル部150cを介して、ベース部に接続されている。コイル部150cは、トーションスプリングとして機能し、自由端150a、150bの下方向の移動に抵抗する。非限定的な例において、スプリングOは、グレードが302/304のステンレス鋼から作製される。当然ながら、スプリングOに関して、他の構成や形状も考えられる。また、スプリングOは、合成樹脂から作製することも可能である。スプリングOはまた、ワイヤのトーションスプリングではなく、プレートから形成されてもよい。
【0298】
図95〜98は、図9に示す胴体部材Pの非限定的な一実施形態を示す様々な図であって、それの様々な特徴を示している。胴体部材Pは、デバイスの底面にラベリング用の平らな表面を提供する。
【0299】
図95〜98に示すように、部材Pは、概ね楕円形状であって、上端160bと、部材Lの突出部120hの下側部分を受け入れる大きさと形状にされている複数のスロット160dとを備えている。4つのプレート状突出部160f,160eは、上述したように、容器インパクト部材Nの移動とスプリングOとの移動をガイドするように垂直に延びている。2つの十字状突出部160cは、垂直に延びており、これら突出部160cの自由端が部材Jの部分100oに固定できるようにまたは取り外し可能に接続できるように、構成され配置されている。部材Pは加えて、対向配置された2つのくぼみ部160gを有し、これらにより装置内に空気が取り込まれる。部材PとLとが一体に組まれると、上端160bとショルダー部120gとの間に小さな隙間ができ、くぼみ部160gとくぼみ部120jとの間に大きな隙間ができる。部材Pはまた、上方に向いた突出部160k,160iを有し、これらは、ロック部材Mの2つの端130gの軸受けとして、円形状のくぼみ部160l,160jを備えている。当然ながら、部材Pに関して、他の構成や形状も考えられる。加えて、部材Pは、例えば、上述の材料から作製され、透明または半透明であってもよい。
【0300】
図99は、完全に開いた状態の実施形態のトリガーEの3D斜視図である。トリガーEは、以下のように機能する。患者がマウスピースB内を減圧状態にすると、トリガーEは裏返しになり、トリガーEの4つの弁が開く(図25〜26参照)。トリガーの主な役割は、安定して均一な投与を実現することである。これに関連して、図100〜101は、装置がトリガーEを備えている場合と備えていない場合の流速の測定結果を示している。トリガーEは、ユーザが装置内に空気を十分に引き込めない場合、元の状態に戻り、その結果、容器Q内に収容されているパウダーの噴霧が不完全で安定しないものとなる。この現象は、通常、装置の操作に関する練習として正しい吸引のトレーニングを十分実施することにより回避することができる。
【0301】
図102は、容器Qが装置内で使用された後の、該容器Qのリッドストックの上面図である。中央の出口孔は穿孔および閉塞防止デバイスG(特に端70g)によって形成されたものであって、円弧形状の2つの吸気孔はカッター機構H(特に歯80t)によって形成されたものである。部材Gは、ブリスターパック形態の容器Q上のリッドストックのホイルに突き刺さり、その中央に出口孔を形成する。カッター機構Hの2つの歯80tは、部材Gのすぐ後のタイミングに、または実質的には同時のタイミングにホイルに降下する。このような動きは、部材Hのカム面と対応する部材Jのカム面との接触によって制御される。マウスピースBが回転するにしたがって、部材Gも回転してホイルを押しのけて中央に出口孔を形成し、それと同時に、歯80tは、ブリスターパックQに、空気の入口として約120度の円弧形状の開口を2つ形成する。いくつかの実施形態において、歯80tは、ホイルを正確に切って吸気孔を形成するというよりは、図173に示すように、制御された裂けの伝播によって形成する。
【0302】
図103は、他の実施形態の装置の下側部分の切断図を示すとともに定位置にある容器Qを示している。また、図9の部品J〜Qの位置も示している。
【0303】
図104〜107は、他の選択的な装置の下側部分の切断図である。この装置は、図1〜2のものと類似するが、容器インパクト部材Nに代わる異なる形状の容器インパクト部材が存在する点で異なる。上述の部材と異なり、この部材は、ローブの自由端にショルダー部を備えていない。その上、本実施形態において、ローブまたはアームは、容器の先端との接触ではなく、容器のタブとの接触により回転するまたは移動する。図104は、容器の初期の挿入位置を示している。図105は、タブと左側のローブとの間の接触係合によって生じた、容器がローブを動かし始める様子を示している。図106は、タブとローブとの間の接触係合によって生じた、容器によって移動され続けて中央に、すなわち垂直姿勢に(トーションスプリングOの圧縮が最大になる位置)になった左側ローブの様子を示している。図107は、定位置に位置する容器を示している。容器によって左側ローブが中央を過ぎた後、すなわち垂直姿勢を経た後、トーションスプリングOが自動的にエネルギを解放すると、図106において左側のローブが直ぐに回転して容器Qのタブに衝撃を与えるまたは打つ。これは、容器が図106に示す位置と図107に示す位置との間の位置に存在するときに起こる。
【0304】
図108〜111は、図9に示す容器Qの非限定的な一実施形態を示す様々な図であって、それの様々な特徴を示している。図108〜111に示すように、容器Qは概ね四角形状であって、対向配置された2つのテーパー部、すなわち2つの面取り部170fを備えた先端170cを有し、これら2つの面取り部170fは、ロック部材Mの2つの端部130aに係合してこれらの間を広げる大きさと形状にされている。概ね対向配置された2つのくぼみ部170gは、ロック部材Mの端部130aが側縁部170bに沿ってスライドした後に、その端部130aを受け入れるように配置されている。ロック部材Mの端部130aが縁部170fや170bの近くから離れる前と、端部130aがくぼみ部170gに位置した後とでは、装置はアンロックされ、マウスピースBは回転できる。しかしながら、縁部170fや170bの近くから端部130aが離れて、且つ端部130aがくぼみ部170gに位置する前は、装置はロックされ、マウスピースBは回転できない。容器Qは加えてまた、概ね平らな底部170iを備える概ね球形状のタブ部170hを有する。このタブ部は、装置によって噴霧される所定量のパウダーを収容する大きさと形状にされている。容器Qはまた、後縁部170dと対向配置された側縁部170aとを備えるタブ部またはグリップ部を有する。くぼみ部170eが選択的に後縁部170dに設けられている。先端と対向する容器Qのこの端部は、その角が面取りされておらず(先端のように)、これにより、容器Qの間違った挿入を防止している(角が面取りされていない容器Qの端部は、ロック部材Mのアーム間を広げることができない)。容器の上面には、ホイルリッドストックが熱シールされている。容器Qはまた、商業的容器(Exubera)または使い捨てブリスターパックと同一材料で作製され、実質的に同一幅にされている。当然ながら、容器Qに関して、他の構成や形状も考えられる。例えば、容器Qは、該容器Qの一方側にのみテーパー部170fと切り欠き部170gとを有してもよい。加えて、容器Qは、例えば、上述の材料から作製され、透明または半透明であってもよい。最終的に、装置は、上述するようなPDSデバイスの1つまたはそれ以上に使用されるタイプの容器ロック(ロックアウト)機構(システム)を有する。
【0305】
容器Qは、そのデザインや構成について以下のような考慮がなされている。タブの形状はシンプルな形状にすべきであって、好適には円形部と直線部から構成される。タブ内の循環流領域は最小にすべきである。チューブ内に安定した加速流が発生し、この流れがフィードチューブFT内を連続的に流れるようにデザインすべきである。タブ内からフィードチューブFTを通過する流れに関して、境界層が剥離する領域を最小にするおよび/またはなくすべきである。流れが遅い渦を発生させるタブ内での気流の急な膨張は、膨張できる余地があるので許容される。容器Qはまた、加圧されてもよい。加えて、ホイルリッドストックが合成樹脂の本体部に、超音波溶接または超音波ステーキングによって結合されてもよい。
【0306】
図112は、ブリスターや装置を通過する空気の流れを示している。空気は、120度の円弧形状の2つの吸気孔(図102参照)に入り、中央開口から出て、フィードチューブFT内に(すなわち、部材Jの中央に配置されたチューブ)、容器またはブリスターパックQから出た流動化されたパウダーとともに流入する。この流れは、フィードチューブFT、オリフィス部材Fの中央開口、トリガーEを介して上方に向かい、マウスピースBを介して外に出て、最終的にユーザの肺内に達する。パウダーを運んでいる空気がオリフィス部材FとトリガーEとを通過するに従い、パウダー粒子の大きな凝集体が分解されて肺の深部に沈着可能な細かい噴霧状にされる。
【0307】
図113は、図1および図2に示すタイプの装置を通過するパイパス空気の流路と、ブリスターを通過する空気の流路との両方を示している。バイパス空気の流れは、患者を楽にするために、装置全体の空気の流れ抵抗が減少するようにデザインされている。バイパス空気は、部品間の隙間(スカートLの下)を介して装置に入り、次にカッター機構Hの6つの開口80eを上に向かって通過する。バイパス空気の流れは、噴霧の流れを中央に集める役割をする。ここで、留意すべきは、図113に示すリーク経路が最小化されていることである。噴霧パフォーマンスに主に寄与しているのは、トータルの流量に対するブリスターの流量の比(カッター機構Hのバイパス孔80eの大きさによって決まる比)、オリフィス部材Fの中央開口の大きさ、トリガーEのスリット50c,50dの長さである。非限定的な実施例において、図1に示す装置は、ブリスター流量が約40%であって、トリガーのスリット長さが約0.34インチ、オリフィス部材Fの中央開口の直径が約3.8mmである。本発明は、ブリスター/トータルの比を約20〜約70%の間にし、オリフィス部材Fの開口の直径を約3〜約13mmの間にすることを意図する。
【0308】
図114〜123は、異なる動作状態の、図1や2に示す装置の一実施形態の様々な断面図である。
【0309】
図128〜138は、別の実施形態を示している。この実施形態において、装置の部品数は、オプションのキャップを含んで14である。図9〜図128の実施形態と異なる点について説明する。
【0310】
図129を参照すると、これは、図9に示す実施形態で実行される超音波ステーキングが超音波溶接に置き換わったものである。図9の実施形態の十字形状突出部20hが、4つのリブ20h’に置き換えられる。小さなリブ(図内の3つの中央のリブ)が延びており、これは組み立て時に圧縮スプリングC’を内部に案内する。
【0311】
図130を参照すると、アダプタF’はリテイナ部材D’とスナップ係合してトリガーE’を拘束する。このアダプタF’は、カッター部材H’とスナップ係合して閉塞防止デバイスG’も拘束する。アダプタF’とカッター部材H’は、一体になって圧縮スプリングC’の力を噴霧モジュールD’〜H’に伝達するフランジを形成している。スナップ係合により、噴霧モジュールD’〜H’のリークは最小限にされている。
【0312】
アダプタF’は、その外径部分に部分的に欠けたフランジ60k’を備え、それによりカッター部材H’に対して接着剤なしにスナップ係合している。通常、接着剤を吸引デバイスに使用するのは好ましくない。アダプタF’は、加熱ステーキングなしに、カッター部材H’の対応部分と係合して閉塞防止デバイスG’を定位置で保持する2つの半径方向のリブ60l’を備える。加熱ステーキングをしないことにより、組み立て時に粒子状物質が発生する可能性が低減される。図9の実施形態の外側環状リブ60gは取り除かれている。外側環状リブ60gを取り除くことにより、噴霧モジュールD’〜H’内側の表面積が減少し、これに関連して装置への付着物も減少する。
【0313】
図131を参照すると、図9の実施形態と比較して、閉塞防止部材G’の中央の部分70e’〜70g’の形状は同一であるが、自由端70a’,70b’の全体の長さや形状は異なる。自由端70a’,70b’を長くすることにより、閉塞防止部材G’は、加熱ステーキングなしに、アダプタF’とカッター機構H’とによって保持される。また、自由端70a’,70b’が長く延びることにより、閉塞防止部材は、仮に噴霧モジュールD’〜H’のスナップ係合が失敗していても、デバイス内に保持される。
【0314】
図132を参照すると、スナップ係合により、噴霧モジュールD’〜H’のリークは最小限にされている。カッター機構H’の外周の垂直な壁部80w’により、仮に噴霧モジュールD’〜H’のスナップ係合が失敗していても、閉塞防止デバイスG’はデバイス内に拘束される。カッター機構H’の縁部のタブ80x’はベアリング部材I’の垂直な溝に係合し、これによりマウスピースB’の回転とともに噴霧モジュールD’〜H’が回転する。
【0315】
図133を参照すると、上側ベアリング部材I’は、組み立て時、胴体J’のフランジを包むために、広がって開く。マウスピースB’が溶接されると、上側ベアリング部材I’は再び広がって開くことができない。これにより、デバイスの上側半分がその下側半分に確実に保持される。上側ベアリング部材I’は、胴体J’のフランジ上を自由に回転する。詳しくは、容器Q’の挿入が部分的な場合、上側ベアリング部材I’の底面がトレイK/M’のインターロックタブに係合し、マウスピースB’の回転がロックされる。詳しくは、マウスピースB’の回転中、上側ベアリング部材I’の底面がトレイK/M’のインターロックタブを拘束し、マウスピースB’が定位置にないときの容器Q’の挿入や取り外しを防止する。
【0316】
図134を参照すると、胴体J’は、上下逆さまに容器Qが挿入されるのを防止することができる形状の容器用開口S’を備えている。その形状はまた、挿入時に、容器の左右に関して位置決めする。胴体J’の垂直壁部の孔100hk’と100hp’は、トレイK/M’とベースプレートP’の対応部分とスナップ係合する。胴体J’の垂直壁部のH字形状のくぼみ部100hl’は、スリーブL’の対応部分とスナップ係合する。胴体J’の垂直壁部の周回溝100ha’は、キャップA’の対応部分とスナップ係合する。逆回転歯の細部100d’は広くされており、これによりデバイスの誤った方向への回転に必要な力が大きくされている。
【0317】
図135を参照すると、トレイK/M’は、不可欠な突起部130a’を有する。トレイK/M’は、その下側に垂直なスロット110V’を有し、容器インパクト部材N’の動きを制限している。トレイK/M’の下側のカム面110w’は、中央の四角形状の開口110j’と隣接し、容器インパクト部材N’の第2カム140g’,140h’と係合する。これにより、容器インパクト部材N’は、フィードチューブFT’を定位置で保持する胴体J’のスポーク状部100t’,100u’に負荷を与えることなく、フィードチューブFT’のそばを過ぎるようにガイドされる。トレイK/M’の上側の小さいくさび形状の2つの突起部130a’により、容器Q’の先端が、容器インパクト部材N’のアーム140a’または140b’もしくは140c’のくぼみ部140e’に係合する。トレイK/M’のフロント部110x’とリヤ部(図示せず)が胴体J’に設けられている孔100hk’にスナップ係合することにより、トレイK/M’は保持される。
【0318】
図136を参照すると、容器インパクト部材N’のアクスル140i’,140j’は、ベースプレートP’のばねたわみ部150a’,150b’に係合する。第2カム140g’、140h’(大きいローブの両側の小さいローブ)は、メインアーム140a’,140b’,140c’がフィードチューブFT’を掃き過ぎるときのスプリング力によって発生した容器インパクト部材N’の応力を軽減する。容器インパクト部材N’は左右対称であるため、組み立て時に方向に関して間違える可能性がない。
【0319】
図137を参照すると、ベースプレートP’の弓形状の翼部150a’,150b’は、容器インパクト部材N’にスプリング力を付与する。
【0320】
図138を参照すると、スカート部材L’は、アセンブリの他の部品間に挟まれるのではなく、その内周面に沿って設けられた種々の対応部が胴体J’とスナップ係合する。スカート部材L’は、中央くぼみ部を備えていない(スカート部材Lの要素120fと比較した場合)。
【0321】
図124〜127は、好適なカッター機構Hの形状とともに好適な歯の形状の詳細を示している。歯の断面図の図126に示すように、各歯の先端は、例えば丸くて非鋭利であって、ホイルを切開せずに、制御された裂開ができるようにしてある。図127では、1つの歯の非限定的な寸法を「mm」で示している。
【0322】
(空気の流れ特性)
図139〜178を参照しながら、空気の流れについて考慮されていることと、装置の特徴とについて説明する。以下、流れのダイヤグラムに使用されている用語の定義について説明する。
「INLET」は開口であって、周囲からデバイス内の気流へと空気を流れることを可能にするものである。
「TV」は、限界圧力差を設ける機構のトリガー弁であって、該トリガー弁を介する圧力降下が該限界圧力差を超えるまで空気を流さないようにするものである。通常、圧力差は、ユーザの吸引による減圧によって生じる。理想的なトリガー弁は、一度開くと、その開いた状態を維持し、該トリガー弁を介する圧力降下が5cmHO以下、好ましくは1cmHO以下になるまで、空気の流れ抵抗を、0.4sqrt(cm HO)/(L/min)以下、好ましくは0.1sqrt(cm HO)/(L/min)以下に維持する。
「MP」は、デバイスのマウスピースである。
「Exit」は、デバイスからの流れの出口であって、常にマウスピースのオリフィスの下流側に位置する。
「PF」は、パウダーの凝集状態に関係なく、パウダー薬を流動化するパウダー流動化装置であって、パウダー薬を気流に載せるものである。
「PD」は、凝集パウダーを分解する装置であって、流動化されたパウダー薬を一次粒子または一次粒子に近い状態にして気流内に分散させるものである。
「FR」は、流れを規制する装置であって、圧力差の関数として抵抗を変化させるものである。この圧力差は、ユーザの吸引による減圧によって生じる。流れ規制装置を通過する流れ、またはマウスピースを通過してユーザに至る流れは、一定に維持される、または所定の流速と圧力差との関係内に維持される。
「AB」は、空気のバイパスであって、流れ抵抗が一定の所定値である、または流れ抵抗と圧力差とが所定の一定関係である経路を流れ、通常、局所的な並流の循環成分である。
【0323】
図139〜161は、受動式DPIの流れ構造をブロックダイアグラムの形態で示している。矢印はINLETからMPやEXITに向かう空気の流れの方向を示している。ここで留意すべきは、各ボックスが、オリフィスの流れ抵抗と同類の気流の抵抗を発生させる要素を表現していることである。流速Qの流れ抵抗Rは、数1に示すように該流速Qと圧力降下ΔPによって定義される。
【数1】

また、n個連続する流れ抵抗の合計Riは、数2のように、数学的関係によって表現される。
【数2】

並流の抵抗の合計は、数3のように、数学的関係によって表現される。
【数3】

【0324】
図139は、代表的な受動式DPIの流れ構造のブロックダイアグラムであって、1つの吸気口(INLET)、パウダー流動化装置(PF)、マウスピース(MP)、ユーザの口につながる出口(EXIT)を示している。
【0325】
図140は、米国特許第6606992号に記載された、直列−並列の流れ構造を備えた受動式DPIのブロックダイアグラムである。この直列−並列流れ構造の利点は、デバイス出口(EXIT)から出るトータルの空気量が、ユーザによる吸引減圧の既知関数によって予め求められることである。いくつかの実施形態において、既知関数はシンプルで一定なものであって、デバイスのEXITから出る噴霧空気は常に一定である。他の実施形態においては、既知関数はわずかに右上がりの傾きを有するものであって、デバイスのEXITから出る噴霧空気は、ユーザによる吸引減圧が増加すると少し増加する。わずかに右上がりの傾きにより、ユーザが楽になる。この図140のブロックダイアグラムに示す直列−並列流れ構造の欠点は、流れ規制装置(FR)を通過する気流の変動により、パウダー流動化装置(PR)と凝集パウダー分解装置(PD)とを通過する気流が、変動しやすく、またユーザによる吸引減圧に左右されることである。
【0326】
図141は、完全な直列な流れ構造のブロックダイアグラムを示している。駆動中は、常に、デバイスの全ての要素それぞれを通過する気流は同一である。この完全な直列流れ構造の特有の欠点は、流れ抵抗が言わば一体化し、デバイス全体の流れ抵抗が大きくなってユーザに負担を与えることである。
【0327】
図142〜145は、完全な直列の流れ構造の受動式DPIの考えられる他の実施形態を示している。
【0328】
図146は、図141のように空気のバイパス(AB)を備えた直列流れ構造の受動式DPIのブロックダイアグラムを示しており、該バイパス(AB)がパウダー流動化装置(PR)と並列に配置されている。この空気バイパスは、パウダー流動化装置(PR)の流れ抵抗を小さくするためのものであり、これによりDPI全体の流れ抵抗が小さくされている。
【0329】
図147〜150は、図146に示すものと本質的には同一の更なる実施形態の受動式DPIのブロックダイアグラムを示している。
【0330】
図151は、図141のように空気のバイパス(AB)を備えた直列流れ構造の受動式DPIのブロックダイアグラムを示しており、該バイパス(AB)がパウダー流動化装置(PR)および凝集パウダー分解装置(PD)と並列に配置されている。この空気バイパスは、PRとPDのとの合計の流れ抵抗を小さくするためのものであり、これによりDPI全体の流れ抵抗が小さくされている。
【0331】
図152〜155は、図151に示すものの更なる実施形態の受動式DPIのブロックダイアグラムを示している。
【0332】
図156と157は、図140に示すものと本質的には同一の更なる実施形態の直列−並列流れ構造を有する受動式DPIのブロックダイアグラムを示している。ただし、流れ規制装置(FR)が凝集パウダー分解装置(PD)にのみに直列に配置されている点が異なる。
【0333】
図158は、図140に示すものと本質的には同一の更なる実施形態の直列−並列流れ構造を有する受動式DPIのブロックダイアグラムを示している。ただし、トリガー弁(TV)が、凝集パウダー分解装置(PD)の下流側であって、マウスピース(MP)のすぐ上流側の位置に配置されている点で異なる。
【0334】
図159と160は、図231に示すものと本質的には同一の更なる実施形態の直列流れ構造を有する受動式DPIのブロックダイアグラムを示している。流れ規制装置(FR)と凝集パウダー分解装置(PD)とが一体化され、両方の機能を有する同一の装置にされている。
【0335】
図161と162は、図159と160に示すものと本質的には同一の更なる実施形態の直列−並列流れ構造を有する受動式DPIのブロックダイアグラムを示している。空気バイパス(AB)が、パウダー流動化装置(PR)と並列に配置されており、この空気バイパスがパウダー流動化装置(PR)の流れ抵抗を小さくし、これによりDPI全体の流れ抵抗が小さくされている。
【0336】
図159〜162は、好適な実施形態の配置を示している。
【0337】
図163〜168は、図140〜162に示すものと本質的には同一であるが、流れ規制装置(FR)を含まない点では異なる、更なる実施形態の流れ構造を有する受動式DPIのブロックダイアグラムを示している。
【0338】
図169〜171は、図140〜162に示すものと本質的には同一であるが、PDとTVとが一体化されて単一の装置として改良されている実施形態の流れ構造を有する受動式DPIのブロックダイアグラムを示している。
【0339】
注目すべきは、図139〜171に示されている直列の要素が、考えられる配置の例を示しているのにすぎないことである。本明細書に示されている個々の例は簡潔な典型例にすぎず、考えられる配置全てを示しているわけではない。要素は、要求される流れ特性に基づいて、望ましい順番に配置される。
【0340】
好適な実施形態において不可欠なことは、上述したように、噴霧を、機能的に2つの段階、パウダーの流動化(PF)と凝集パウダーの分解(PD)とに分けることである。PD段階は、せん断流、乱気流、衝撃を与えられることによるパウダー粒子の衝突、または加速流を利用する。一次粒子のサイズが肺内投与に適するおおよその範囲、100nmと10μmとの間、好適には500nmと3μmとの間になるように、加速流が効果的に凝集パウダーを分解する。このような加速流は、流動化されたパウダーのような噴霧が通過する単一のオリフィスを介する圧力降下によって起こる(図172参照)。
【0341】
他の構成において、凝集パウダー分解装置(PD)は、流れ規制装置(FR)と一体化され、両方の機能を備える装置にされる。FR/PDを一体化した実施形態の一例の斜視図が、流れ方向を示す矢印とともに図173に描かれている。図174は、FR/PDを一体化した実施形態の同一例の入口側から見た図が描かれており、受動式DPIの駆動中におけるオリフィスのおおよその形状を示している。このように一体化したFR/PDを使用する1つの利点は、特にシリコンラバーなどの弾性の自力で動作できない材料が使用される場合に、オリフィスが、受動式DPIの駆動後、図173に示すおおよその形状に戻り、FR/PDのオリフィスが自ら閉塞を防止することである。
【0342】
一体化されたPD/TV装置の一実施形態のシリコンラバー弁が、裏返って閉じた状態で図175に示されている。図176には、前記シリコンラバー弁が開いた状態で図示され、凝集パウダー分解装置(PD)によってオリフィスを通過する空気の流れ方向を示す矢印が図示されている。図175に示す形状のシリコンラバー弁のようなPD/TV装置は、パウダー薬の投与が完了すると、PD/TV装置をクリーニングするために元に戻る。
【0343】
空気バイパス(AB)を通過する空気の流れは、PDまたはFR/PD装置に接近する噴霧流を囲むように覆うクリーンな空気を提供する。また、シンプル構造のオリフィスまたは断面積可変なオリフィスに関わらず、オリフィスに衝撃を与えて付着しているパウダーを自由にし、該オリフィスのクリーン度を維持するために使用される。空気バイパス(AB)からのクリーンな空気を使用する一実施形態が図177に示されており、図165や166に示す実施形態のPF、AB、PDの考えられる一配置を示している。図177は、切れ目の吸気孔を備えたブリスターパックリッド40を備えてパウダー10を収容しているブリスターパックの壁部20と取り込みチューブとからなるPF装置と、チャンバー60の吸気孔50からなるAB装置と、オリフィス70とディフューザ80とからなるPD装置とが示されている。
【0344】
空気バイパス(AB)からのクリーンな空気を使用する他の実施形態が図178に示されており、図165や166に示す実施形態のPF、AB、PDの考えられる一配置を示している。図178は、切れ目の吸気孔を備えたブリスターパックリッド40を備えてパウダー10を収容しているブリスターパックの壁部20と取り込みチューブとからなるPF装置と、チャンバー60の吸気孔50からなるAB装置と、凝集パウダーの分解もする流れ規制オリフィス75とディフューザ80とからなるFR/PD装置とが示されている。FR/PD装置を、図171の流れ構造に示されているPD/TV装置に置き換えることは可能である。
【0345】
本発明はまた、吸引器などのいくつかの装置に対して、少なくとも1つの以下の機構を提供する。穿孔と裂開によって容器の壁部に少なくとも1つの吸気孔を形成するように構成されている機構であって、本明細書に記載するような、その裂開によって少なくとも1つの吸気孔の裂端が内側に曲がるものを提供する。また、本明細書に記載するようなフィードチューブ内に配置される閉塞防止デバイスを提供する。さらに、本明細書に記載するような容器インパクトデバイスを提供する。そして、本明細書に記載するような容器ロックシステムを提供する。
【0346】
いくつかの実施形態においては、本発明により、3mg以下、2mg以下、もしくは1mg以下などの、少量のパウダーの受動的投与が可能になる。
【0347】
明示してはいないが、図示されている機構は相対的なスケールで描かれている。
【0348】
本発明は特定の種類(バージョン)を相当詳細に説明することによって説明されているが、本発明は他の種類も可能である。そして、この種類の変更物、置換物、または同等物を、本明細書を読み、図面を研究した当業者が実施できるのは明らかである。また、本明細書に記載の種類の種々の機構を様々に組み合わせることが可能であり、それにより本発明の新たな種類を作ることが可能である。なお、特定の専門用語が明瞭に説明するために使用されているが、これは本発明を限定するためではない。さらに添付の請求項は、本明細書に含まれる好適な種類の説明によって限定されるものではなく、本発明の真の意思や範囲内で、変更物、置換物、または同等物全てを含んでいる。
【0349】
本文には本発明が完全に記載されているので、当然ながら、当業者は、本発明の範囲や本発明の実施形態から逸脱することなく、本発明の方法を、幅広いまたは同等の状況下で、または定式化して、もしくは他のパラメータを用いて、実施することができる。
【0350】
本明細書に引用されている特許および公報全ては、その内容全てが参照として完全に本明細書に組み込まれている。引用によっていくつかの公報はその出願日前に開示されることになるが、該公報を従来技術と、または本発明が該公報の先願発明と解釈すべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を支持する支持部と、
出口と、
出口に連絡されているフィードチューブと、
容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成された機構であって、前縁を持つブレードを備えるものと、を有し、
前縁が、rho値が0.1〜0.5の楕円形状前縁である装置。
【請求項2】
機構が、少なくとも1つの開口を形成するときに、容器内に降下し、その後容器から退避するように構成されている請求項1の装置。
【請求項3】
少なくとも1つの開口が、吸気孔である請求項1の装置。
【請求項4】
容器が、パウダーを収容した容器であって、
フィードチューブが、パウダーを容器から出口に運ぶように構成されて配置されており、
機構が、容器の壁部に穿孔して該壁部を裂開することにより、少なくとも1つの開口を該壁部に形成するように構成されている請求項1の装置。
【請求項5】
少なくとも1つの開口が、少なくとも1つの円弧形状開口である請求項1の装置。
【請求項6】
少なくとも1つの開口が、2つの円弧形状開口である請求項1の装置。
【請求項7】
少なくとも1つの開口が、離れた2つの円弧形状開口、または、対向配置された2つの円弧形状開口の一方である請求項1の装置。
【請求項8】
フィードチューブ内に配置される穿孔および/または閉塞防止デバイスを有する請求項1の装置。
【請求項9】
穿孔および/または閉塞防止デバイスが、曲がったワイヤを有する請求項8の装置。
【請求項10】
穿孔および/または閉塞防止デバイスが、容器の壁部に穿孔して該容器からフィードチューブ内に空気を流れるようにする非鋭利な端部を有する請求項8の装置。
【請求項11】
穿孔および/または閉塞防止デバイスが、概ねV字形状のワイヤ、または、容器の壁部に穿孔して該容器からフィードチューブ内に空気を流れるようにする部分の一方を有する請求項8の装置。
【請求項12】
穿孔および/または閉塞防止デバイスが、フィードチューブの内側表面に近接する部分と、穿孔部とを備えるワイヤを有する請求項8の装置。
【請求項13】
穿孔および/閉塞防止デバイスが、少なくとも部分的に回転してフィードチューブの内側表面の閉塞を防止するように構成されて配置されている部材を有する請求項8の装置。
【請求項14】
容器インパクトデバイスを有する請求項1の装置。
【請求項15】
容器インパクトデバイスが、装置内に容器が挿入されている最中に、または挿入後に、該容器に衝撃を与える少なくとも1つのアームを有する請求項14の装置。
【請求項16】
容器インパクトデバイスが、装置内に容器が挿入されている最中に、または挿入後に、回転して該容器に衝撃を与える請求項14の装置。
【請求項17】
容器インパクトデバイスが、放射方向に延びる複数のアームを有する請求項14の装置。
【請求項18】
少なくとも1つの放射方向に延びるアームが、装置内に容器が挿入されている最中に、該容器に移動される請求項14の装置。
【請求項19】
少なくとも別の放射方向に延びるアームが、装置内に容器が挿入されている最中に、該容器に衝撃を与える請求項18の装置。
【請求項20】
少なくとも1つの放射方向に延びるアームが、装置内に容器が挿入されている最中に移動し、
少なくとも別の放射方向に延びるアームが、装置内に容器が挿入されている最中に、該容器に衝撃を与える請求項18の装置。
【請求項21】
容器インパクトデバイスを付勢するスプリングを有する請求項14の装置。
【請求項22】
容器インパクトデバイスに容器に対して衝撃を与えさせるスプリングを有する請求項14の装置。
【請求項23】
装置内に容器が挿入されている最中に、容器インパクトデバイスに該容器に対して衝撃を与えさせる付勢部材を有する請求項14の装置。
【請求項24】
装置の出口に十分な減圧が発生しているときに、フィードチューブから該出口に向かう空気の流れを形成するトリガー機構を有する請求項1の装置。
【請求項25】
インスリンを収容する容器を有する請求項1の装置。
【請求項26】
容器を支持する支持部と、
出口と、
出口に連絡されているフィードチューブと、
該フィードチューブ内に永久的に配置された閉塞防止デバイスとを有する装置。
【請求項27】
容器が、パウダーを収容する容器であって、
フィードチューブが、パウダーを容器から出口に運ぶように構成されて配置されている請求項26の装置。
【請求項28】
閉塞防止デバイスが曲がったワイヤを有する請求項26の装置。
【請求項29】
閉塞防止デバイスが、容器の壁部に穿孔して該容器からフィードチューブ内に空気が流れるようにする非鋭利な端部を有する穿孔用かつ閉塞防止用デバイスである請求項26の装置。
【請求項30】
閉塞防止デバイスが、容器の壁部に穿孔して該容器からフィードチューブ内に空気が流れるようにする概ねV字形状のワイヤ、または、
穿孔部とフィードチューブの内側表面に近接する部分とを備えたワイヤの一方を有する請求項26の装置。
【請求項31】
閉塞防止デバイスが、穿孔部とフィードチューブの内側表面に近接する部分とを備える部材を有し、
該部材が、容器からフィードチューブを通過する空気を実質的に連続して流れるようにする請求項26の装置。
【請求項32】
閉塞防止デバイスが、穿孔部と、フィードチューブの内側表面近傍で移動して該内側表面からパウダーの残留物を取り除く部分とを備える部材を有する請求項26の装置。
【請求項33】
閉塞防止デバイスが、少なくとも部分的に回転してフィードチューブの内側表面の閉塞を防止するように構成されて配置されている部材を有する請求項26の装置。
【請求項34】
部材が、穿孔部と、フィードチューブの内側表面近傍で移動して該内側表面からパウダーの残留物を取り除く部分とを備える請求項33の装置。
【請求項35】
容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されている機構を有する請求項26の装置。
【請求項36】
少なくとも1つの開口が、少なくとも1つの円弧形状開口である請求項35の装置。
【請求項37】
少なくとも1つの開口が、2つの円弧形状開口である請求項35の装置。
【請求項38】
容器インパクトデバイスを有する請求項26の装置。
【請求項39】
容器インパクトデバイスが、可動マウント部材を有する請求項38の装置。
【請求項40】
容器インパクトデバイスが、装置内に容器が挿入されている最中に、または挿入後に、該容器に衝撃を与える少なくとも1つのアームを有する請求項38の装置。
【請求項41】
容器インパクトデバイスが、装置内に容器が挿入されている最中に、または挿入後に、所定量回転して該容器に衝撃を与える請求項38の装置。
【請求項42】
容器インパクトデバイスが、放射方向に延びる複数のアームを有する請求項38の装置。
【請求項43】
放射方向に延びる複数のアームの少なくとも1つが、装置内に容器が挿入されている最中に、または挿入後に、該容器によって移動される請求項42の装置。
【請求項44】
少なくとも1つの放射方向に延びるアームが、装置内に容器が挿入されている最中に移動し、
少なくとも別の放射方向に延びるアームが、装置内に容器が挿入されている最中に、または挿入後に、該容器に衝撃を与える請求項42の装置。
【請求項45】
容器インパクトデバイスが、同一角度をあけて放射方向に延びる3つのアームを有する請求項38の装置。
【請求項46】
容器インパクトデバイスを付勢するスプリングを有する請求項38の装置。
【請求項47】
容器インパクトデバイスに容器に対して衝撃を与えさせるスプリングを有する請求項38の装置。
【請求項48】
装置内に容器が挿入されている最中に、または挿入後に、容器インパクトデバイスに容器に対して衝撃を与えさせる付勢部材を有する請求項38の装置。
【請求項49】
装置の出口に十分な減圧が発生しているときに、フィードチューブから該出口に向かう空気の流れを形成するトリガー機構を有する請求項26の装置。
【請求項50】
インスリンを収容する容器を有する請求項26の装置。
【請求項51】
容器を支持する支持部と、
出口と、
出口に連絡されているフィードチューブと、
自動的にコッキングするように複数の安定姿勢をとる容器インパクトデバイスとを有する装置。
【請求項52】
容器が、パウダーを収容する容器であって、
フィードチューブが、パウダーを容器から装置の出口に運ぶように構成されて配置されている請求項51の装置。
【請求項53】
容器インパクトデバイスが、可動マウント部材を有する請求項51の装置。
【請求項54】
装置内に容器が挿入されている最中に、または挿入後に、該容器に衝撃を与える少なくとも1つのアームを有する容器インパクトバイス、または、
装置内に容器が挿入されている最中に、または挿入後に、所定量回転して該容器に衝撃を与える容器インパクトデバイスの少なくとも一方である請求項51の装置。
【請求項55】
容器インパクトデバイスが、放射方向に延びる複数のアームを有する請求項51の装置。
【請求項56】
装置内に容器が挿入されている最中に、該容器によって放射方向に延びる複数のアームの少なくとも1つが移動し、
装置内に容器が挿入されている最中に、または挿入後に、少なくとも別の放射方向に延びるアームが該容器に衝撃を与える請求項55の装置。
【請求項57】
少なくとも1つの放射方向に延びるアームが装置内に容器が挿入されている最中に移動し、
少なくとも別の放射方向に延びるアームが装置内に容器が挿入されている最中に、または挿入後に該容器に衝撃を与える請求項55の装置。
【請求項58】
容器インパクトデバイスが、同一角度をあけて放射方向に延びる3つのアームを有する請求項51の装置。
【請求項59】
容器インパクトデバイスを付勢するスプリングを有する請求項51の装置。
【請求項60】
容器インパクトデバイスに容器に対して衝撃を与えさせるスプリングを有する請求項51の装置。
【請求項61】
装置内に容器が挿入されている最中に、または挿入後に、容器インパクトデバイスに容器に対して衝撃を与えさせる付勢部材を有する請求項51の装置。
【請求項62】
装置の出口に十分な減圧が発生しているときに、フィードチューブから該出口に向かう空気の流れを形成するトリガー機構を有する請求項51の装置。
【請求項63】
フィードチューブから所定負圧の出口に向かう空気の流れを形成するトリガー機構を有する請求項51の装置。
【請求項64】
穿孔および/または閉塞防止デバイスを有する請求項51の装置。
【請求項65】
穿孔および/または閉塞防止デバイスが曲がったワイヤを有する請求項64の装置。
【請求項66】
穿孔および/または閉塞防止デバイスが、容器の壁部に穿孔して該容器からフィードチューブ内に空気が流れるようにする非鋭利な端部を有する請求項64の装置。
【請求項67】
穿孔および/または閉塞防止デバイスが、容器の壁部に穿孔して該容器からフィードチューブ内に空気が流れるようにする概ねV字形状のワイヤを有する請求項64の装置。
【請求項68】
穿孔および/または閉塞防止デバイスが、フィードチューブの内側表面に近接する部分と穿孔部とを備えるワイヤを有する請求項64の装置。
【請求項69】
穿孔および/または閉塞防止デバイスが、穿孔部とフィードチューブの内側表面に近接する部分とを備える部材を有し、
該部材が容器からフィードチューブを通過する空気を実質的に連続して流れるようにする請求項64の装置。
【請求項70】
穿孔および/または閉塞防止デバイスが、穿孔部と、フィードチューブの内側表面近傍で移動して該内側表面からパウダーの残留物を取り除く部分とを備える部材を有する請求項64の装置。
【請求項71】
穿孔および/または閉塞防止デバイスが、少なくとも部分的に回転してフィードチューブの内側表面の閉塞を防止するように構成されて配置されている部材を有する請求項64の装置。
【請求項72】
部材が、穿孔部と、フィードチューブの内側表面近傍で移動して該内側表面からパウダーの残留物を取り除く部分とを備える請求項64の装置。
【請求項73】
容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されている機構を有する請求項64の装置。
【請求項74】
少なくとも1つの開口が、少なくとも1つの円弧形状開口である請求項73の装置。
【請求項75】
インスリンを収容する容器を有する請求項51の装置。
【請求項76】
第1の対の側部と、該第1の対の側部より短い第2対の側部とを含み、該第1の対の側部に切り欠き部を備える輪郭の容器を支持する支持部と、
出口と、
出口に連絡されているフィードチューブと、
容器の切り欠き部と係合する容器ロックシステムとを有する装置。
【請求項77】
容器が、パウダーを収容する容器であって、
フィードチューブが、パウダーを容器から装置の出口に運ぶように構成されて配置されている請求項76の装置。
【請求項78】
容器が部分的に装置内にあるときに、該装置の不注意な使用を防止する容器ロックシステム、または、
容器が部分的に装置内にあるときに、該装置の2つの部分間の相対的回転を防止する容器ロックシステムの少なくとも一方がある請求項76の装置。
【請求項79】
容器ロックシステムは、第1のロック位置と第2のアンロック位置とがあり、容器が部分的に装置内にあるときに、ロック位置に維持される請求項76の装置。
【請求項80】
容器ロックシステムが、ロック位置とアンロック位置との間を移動するアームを備えた概ねU字形状の部材を有する請求項76の装置。
【請求項81】
容器ロックシステムが、互いに付勢しあう複数のスプリングアームを備える概ねU字形状の部材を有する請求項76の装置。
【請求項82】
容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されている機構を有する請求項76の装置。
【請求項83】
フィードチューブ内に配置された穿孔および/または閉塞防止デバイスを有する請求項76の装置。
【請求項84】
穿孔および/または閉塞防止デバイスが、曲がったワイヤを有する請求項83の装置。
【請求項85】
穿孔および/または閉塞防止デバイスが、容器の壁部に穿孔して該容器からフィードチューブ内に空気が流れるようにする非鋭利な端部を有する請求項83の装置。
【請求項86】
穿孔および/または閉塞防止デバイスが、容器の壁部に穿孔して該容器からフィードチューブ内に空気が流れるようにする概ねV字形状のワイヤを有する請求項83の装置。
【請求項87】
穿孔および/または閉塞防止デバイスが、穿孔部とフィードチューブの内側表面に近接する部分とを備えるワイヤを有する請求項83の装置。
【請求項88】
穿孔および/または閉塞防止デバイスが、穿孔部と、フィードチューブの内側表面近傍で移動して該内側表面からパウダーの残留物を取り除く部分とを備える部材を有する請求項83の装置。
【請求項89】
穿孔および/または閉塞防止デバイスが、少なくとも部分的に回転してフィードチューブの内側表面の閉塞を防止するように構成されて配置されている部材を有する請求項83の装置。
【請求項90】
部材が、穿孔部と、フィードチューブの内側表面近傍で移動して該内側表面からパウダーの残留物を取り除く部分とを備える請求項89の装置。
【請求項91】
容器インパクトデバイスを有する請求項76の装置。
【請求項92】
容器インパクトデバイスが可動マウント部材を有する請求項91の装置。
【請求項93】
容器インパクトデバイスが、装置内に容器が挿入されている最中に、または挿入後に、該容器に衝撃を与える少なくとも1つのアームを有する請求項91の装置。
【請求項94】
容器インパクトデバイスが、装置内に容器が挿入されている最中に、または挿入後に、所定量回転して該容器に衝撃を与える請求項91の装置。
【請求項95】
容器インパクトデバイスが、放射方向に延びる複数のアームを有する請求項91の装置。
【請求項96】
少なくとも1つの放射方向に延びるアームが、装置内に容器が挿入されている最中に、該容器によって移動される請求項95の装置。
【請求項97】
容器インパクトデバイスが、同一角度をあけて放射方向に延びる3つのアームを有する請求項91の装置。
【請求項98】
容器インパクトデバイスを付勢するスプリングを有する請求項91の装置。
【請求項99】
装置の出口に十分な減圧が発生しているときに、フィードチューブから該出口に向かう空気の流れを形成するトリガー機構を有する請求項76の装置。
【請求項100】
インスリンを収容する容器を有する請求項76の装置。
【請求項101】
請求項1の装置を使用して容器を開ける方法であって、
パウダーを収容する容器を装置に挿入する工程と、
容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されている機構を用いて、該壁部を穿孔して該壁部を裂開する工程とを含み、
裂開することによって該壁部の裂端が容器の内側に曲がる方法。
【請求項102】
ハウジングの一部分を該ハウジングの他の部分に対して回転させる工程を含み、
該回転により、容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されている機構が該壁部を穿孔して該壁部を裂開し、
裂開することによって該壁部の裂端が容器の内側に曲がる請求項101の方法。
【請求項103】
ハウジングの一部分を該ハウジングの他の部分に対して回転させる工程と、
該回転により、容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されている機構が自動的に該壁部を穿孔して該壁部を裂開し、裂開することによって該壁部の裂端が容器の内側に曲がり、
装置の出口に連結されているマウスピースに負圧を発生させる工程とを含む請求項102の方法。
【請求項104】
負圧が発生することにより、装置内に配置されたトリガー機構が開く請求項103の方法。
【請求項105】
トリガー機構が、装置の出口に十分な減圧が発生しているときに、フィードチューブから該出口に向かう空気の流れを形成する請求項104の方法。
【請求項106】
トリガー機構が、フィードチューブから所定負圧の出口に向かう空気の流れを形成する請求項104の方法。
【請求項107】
請求項1の装置の使用方法であって、
パウダーを収容する容器を装置に挿入する工程と、
容器を穿孔する工程と、
フィードチューブの閉塞を防止する工程とを含む方法。
【請求項108】
ハウジングの一部分を該ハウジングの他の部分に対して回転させる工程を含み、
該回転により、容器が穿孔され、フィードチューブの閉塞が防止される請求項107の方法。
【請求項109】
装置の出口に連結されているマウスピースに負圧を発生させる工程を含む請求項108の方法。
【請求項110】
負圧が発生することにより、装置内に配置されたトリガー機構が開く請求項109の方法。
【請求項111】
トリガー機構が、装置の出口に十分な減圧が発生しているときに、フィードチューブから該出口に向かう空気の流れを形成する請求項110の方法。
【請求項112】
トリガー機構が、フィードチューブから所定負圧の出口に向かう空気の流れを形成する請求項109の方法。
【請求項113】
請求項1の装置の使用方法であって、
パウダーを収容する容器を装置に挿入する工程と、
容器インパクトデバイスによって容器に衝撃を与える工程とを含む方法。
【請求項114】
ハウジングの一部分を該ハウジングの他の部分に対して回転させる工程を含む請求項113の方法。
【請求項115】
挿入によって衝撃が与えられる請求項114の方法。
【請求項116】
装置の出口に連結されているマウスピースに負圧を発生させる工程を含む請求項115の方法。
【請求項117】
負圧が発生することにより、装置内に配置されたトリガー機構が開く請求項116の方法。
【請求項118】
トリガー機構が、装置の出口に十分な減圧が発生しているときに、フィードチューブから該出口に向かう空気の流れを形成する請求項116の方法。
【請求項119】
容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成する機構であって、
支持部と、
支持部に配置された少なくとも1つの突起部材とを有し、
少なくとも1つの突起部材が前縁を持つブレードを備え、
前縁がrho値が0.1〜0.5の楕円形状前縁であって、
少なくとも1つの突起部材が、まず容器の壁部に穿孔して次に裂けを伝播するように構成されて配置されている機構。
【請求項120】
機構が、パウダーを噴霧する装置の使用に対応している請求項119の機構。
【請求項121】
少なくとも1つの突起部材が、円弧形状開口を形成するように構成されて配置されている請求項119の機構。
【請求項122】
少なくとも1つの突起部材が、実質的に直線形状開口を形成するように構成されて配置されている請求項119の機構。
【請求項123】
少なくとも1つの突起部材が、複数の突起部材である請求項119の機構。
【請求項124】
複数の突起部材が、容器の壁部に円弧形状開口を形成するように構成されて配置されている請求項123の機構。
【請求項125】
複数の突起部材が、容器の壁部に離れた2つの円弧形状開口を形成するように構成されて配置されている請求項123の機構。
【請求項126】
複数の突起部材が、容器の壁部に対向配置されて離れた2つの円弧形状開口を形成するように構成されて配置されている請求項123の機構。
【請求項127】
支持部と少なくとも1つの突起部材が1つの部材からなる請求項119の機構。
【請求項128】
少なくとも1つの突起部材が実質的に円弧形状の歯を備える請求項119の機構。
【請求項129】
実質的に円弧形状の歯が、鋭い自由端と実質的に非鋭利な前縁端とを備える請求項128の機構。
【請求項130】
実質的に非鋭利な前縁端が、壁部を裂開し、裂開することによって該壁部の裂端が容器の内側に曲がるように構成されて配置されている請求項129の機構。
【請求項131】
少なくとも1つの突起部材が、容器に対して少なくとも1つの突起部材が移動することによって該容器の壁部に穿孔して裂開するように構成されて配置されている請求項119の機構。
【請求項132】
少なくとも1つの突起部材が不動であって、該突起部材に対して容器が移動することによって該容器の壁部に穿孔して裂開するように構成されて配置されている請求項119の機構。
【請求項133】
少なくとも1つの突起部材がプラスチックからなる請求項119の機構。
【請求項134】
チューブの内側表面からパウダーの残留物を取り除くように構成された閉塞防止デバイスであって、
チューブ内に降下して回転することにより、該チューブの内側表面の閉塞を防止するように構成されて配置されている第1の部分を有し、
第1の部分が、チューブの内側表面に非接触であるデバイス。
【請求項135】
容器を穿孔するように構成されて配置されている第2の部分を有する請求項134のデバイス。
【請求項136】
閉塞防止デバイスが、パウダーを噴霧する装置の使用に対応している請求項134のデバイス。
【請求項137】
閉塞防止デバイスが、曲がったワイヤを有する請求項134のデバイス。
【請求項138】
容器の壁部に穿孔して該容器から空気が流れるように構成されている非鋭利の端部を備える第2の部分を有する請求項134のデバイス。
【請求項139】
閉塞防止デバイスが、概ねV字形状のワイヤを有する請求項134のデバイス。
【請求項140】
第1の部分が実質的に直線形状のワイヤ部を有し、
曲がったワイヤ部を有する第2の部分を有する請求項134のデバイス。
【請求項141】
閉塞防止デバイスが1つの部材である請求項134のデバイス。
【請求項142】
閉塞防止デバイスが少なくとも部分的に回転するように構成されて配置されている請求項134のデバイス。
【請求項143】
回転可能な支持部に取り付けられるように構成されて、対向配置されている突出部を有する請求項134のデバイス。
【請求項144】
容器に衝撃を与える容器インパクトデバイスであって、
支持部と、
支持部から突出した複数のアームとを有し、
複数のアームそれぞれが容器に衝撃を与えるように構成されて配置されているデバイス。
【請求項145】
容器がパウダーを収容している請求項144のデバイス。
【請求項146】
容器インパクトデバイスがパウダーを噴霧する装置の使用に対応している請求項144のデバイス。
【請求項147】
容器インパクトデバイスが支持部に取り付けられるように構成されている請求項144のデバイス。
【請求項148】
少なくとも1つのアームが放射方向に向いている請求項144のデバイス。
【請求項149】
複数のアームが実質的に同一角度をあけて配置されている請求項144のデバイス。
【請求項150】
複数のアームが放射方向に延びている請求項144のデバイス。
【請求項151】
複数のアームの少なくとも1つが、容器と係合すように構成されたショルダー部を有する請求項144のデバイス。
【請求項152】
複数のアームの少なくとも1つが、テーパー面を有する請求項144のデバイス。
【請求項153】
複数のアームが、放射方向に向いた3つのアームである請求項144のデバイス。
【請求項154】
所定形状の容器を受け入れるように構成されて配置された容器ロックシステムであって、
容器の位置に基づいてロック位置からアンロック位置に移動するデバイスを有し、
容器が、第1の対の側部と、該第1の対の側部より短い第2対の側部とを含み、該第1の対の側部に切り欠き部を備える輪郭であって、
容器の切り欠き部と係合するシステム。
【請求項155】
容器ロックシステムが、パウダーを噴霧する装置の使用に対応している請求項154のシステム。
【請求項156】
容器ロックシステムが、容器が部分的に装置内にあるときに、該装置の2つの部分間の相対的回転を防止する請求項154のシステム。
【請求項157】
容器ロックシステムは、第1のロック位置と第2のアンロック位置とがあり、容器が所定の挿入量で挿入されているときに、ロック位置に維持される請求項154のシステム。
【請求項158】
容器ロックシステムは、第1のロック位置と第2のアンロック位置とがあり、容器が部分的に開口に挿入されているときに、ロック位置に維持される請求項154のシステム。
【請求項159】
容器ロックシステムは、第1のロック位置と第2のアンロック位置とがあり、容器ロックシステムが容器の切り欠き部と係合しているときに、アンロック位置が実現される請求項154のシステム。
【請求項160】
容器ロックシステムが、ロック位置とアンロック位置の間を移動するアームを備えた概ねU字形状の部材を有する請求項154のシステム。
【請求項161】
容器ロックシステムが、互いに付勢し合う複数のスプリングアームを備える概ねU字形状の部材を有する請求項154のシステム。
【請求項162】
容器ロックシステムが、複数のスプリングアームを備える概ねU字形状の部材を有し、
複数のスプリングアームが、互いを遠ざける力が解除されると自動的に互いに向かって移動する請求項154のシステム。
【請求項163】
容器を支持する支持部と、出口と、該出口に連絡されているフィードチューブとを有する装置を含み、
また、
容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されて前縁を持つブレードを備え、該前縁がrho値が0.1〜0.5の楕円形状前縁である機構、
フィードチューブ内に永久的に配置された閉塞防止デバイス、
自動的にコッキングするように複数の安定姿勢をとる容器インパクトデバイス、
または、
第1の対の側部と、該第1の対の側部より短い第2対の側部とを含み、該第1の対の側部に切り欠き部を備える輪郭の容器の該切り欠き部に係合する容器インパクトデバイスの少なくとも1つを含み、
さらにパウダーを収容した少なくとも1つの容器を含むキット。
【請求項164】
パウダーを収容した少なくとも1つの容器と装置の取扱説明書を有する請求項163のキット。
【請求項165】
取扱説明書には、パウダーを収容した容器の挿入方法と、装置の一部分を装置の他の部分に対して回転させる方法と、ユーザの口に装置のマウスピースをつける方法と、吸引方法とが説明されている請求項164のキット。
【請求項166】
a)容器を支持する支持部と、出口と、該出口に連絡されているフィードチューブとを有する装置を含み、
また、
i)容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されて前縁を持つブレードを備え、該前縁がrho値が0.1〜0.5の楕円形状前縁である機構、
ii)フィードチューブ内に永久的に配置された閉塞防止デバイス、
iii)自動的にコッキングするように複数の安定姿勢をとる容器インパクトデバイス、
iv)第1の対の側部と、該第1の対の側部より短い第2対の側部とを含み、該第1の対の側部に切り欠き部を備える輪郭の容器の該切り欠き部に係合する容器インパクトデバイスの少なくとも1つを含み、
さらに、
b)パウダーを収容して装置に挿入される容器を含む組み合わせ物。
【請求項167】
出口と、
出口に連絡されているフィードチューブと、
容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されている機構と、
フィードチューブ内に配置される閉塞防止デバイスと、
容器インパクトデバイスと、
容器ロックシステムとを有する装置。
【請求項168】
請求項167の装置を使用してパウダーを噴霧する方法であって、
パウダーを収容している容器を装置に挿入する工程と、
ハウジングの一部分を該ハウジングの他の部分に対して回転させる工程と、
装置のマウスピースに負圧を発生させる工程とを含む方法。
【請求項169】
回転により、自動的に、容器が穿孔されてフィードチューブの閉塞が防止される請求項168の方法。
【請求項170】
負圧が発生することにより、自動的に装置内に配置されているトリガー機構が開く請求項168の方法。
【請求項171】
トリガー機構が、マウスピースに十分な減圧が発生しているときに、装置を通過する空気の流れを形成する請求項168の方法。
【請求項172】
トリガー機構が、所定負圧のフィードチューブを通過する空気の流れを形成する請求項170の方法。
【請求項173】
挿入によって自動的に容器に衝撃が与えられる請求項168の方法。
【請求項174】
挿入により、装置がロックされ、続いてアンロックされる請求項168の方法。
【請求項175】
装置の組み立て部品を含むキットであって、
出口、
出口に連絡されているフィードチューブ、
容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されている機構、
フィードチューブ内に配置される閉塞防止デバイス、
容器インパクトデバイス、
容器ロックシステム、
これらの部品からパウダーを噴霧する装置を組み立てる方法を記載した文書の少なくとも含むキット。
【請求項176】
容器を支持する支持部と、
出口と、
出口に連絡されている先絞りフィードチューブと
容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されて前縁を持つブレードを備え、該前縁がrho値が0.1〜0.5の楕円形状前縁である機構とを有する装置。
【請求項177】
機構が、少なくとも1つの開口を形成するときに、容器内に降下し、続いて退避するように構成されている請求項176の装置。
【請求項178】
フィードチューブ内に配置される穿孔および/または閉塞防止デバイスを有する請求項176の装置。
【請求項179】
容器インパクトデバイスを有する請求項176の装置。
【請求項180】
装置の出口に十分な減圧が発生しているときに、フィードチューブから出口に向かう空気の流れを形成するトリガー機構を有する請求項176の装置。
【請求項181】
容器を支持する支持部と、
出口と、
出口に連絡されている先絞りのフィードチューブと、
容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されて前縁を持つブレードを備え、該前縁がrho値が0.1〜0.5の楕円形状前縁である機構とを有する装置。
【請求項182】
機構が、少なくとも1つの開口を形成するときに、容器内に降下し、その後容器から退避するように構成されている請求項181の装置。
【請求項183】
フィードチューブ内に配置される穿孔および/または閉塞防止デバイスを有する請求項181の装置。
【請求項184】
容器インパクトデバイスを有する請求項181の装置。
【請求項185】
装置の出口に十分な減圧が発生しているときに、フィードチューブから出口に向かう空気の流れを形成するトリガー機構を有する請求項176の装置。
【請求項186】
薬含有パウダーの吸引投与方法であって、
容器を支持する支持部と、出口と、容器と出口とを連絡するフィードチューブとを有し、さらに、
i)容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されて前縁を持つブレードを備え、該前縁がrho値が0.1〜0.5の楕円形状前縁である機構、
ii)フィードチューブ内に配置される閉塞防止デバイス、
iii)容器インパクトデバイス、
iv)容器ロックシステムの少なくとも1つを有するパウダーを噴霧する装置にパウダーを収容する容器を挿入する工程と、
パウダーを収容する容器に少なくとも1つの開口を形成する工程と、装置のマウスピースを吸引させてパウダーを収容する容器内のパウダーが投与される工程とを含む方法。
【請求項187】
薬が、インスリンまたはインスリン誘導体である請求項186の方法。
【請求項188】
薬が、化学修飾されたインスリンである請求項187の方法。
【請求項189】
容器を支持する支持部と、
出口と、
出口と連絡されているフィードチューブと、
容器と出口との間に配置された弁であって、該弁を通過して容器から出口に向かって空気を流すものとを有する装置。
【請求項190】
容器と出口との間に配置されたオリフィスであって、該オリフィスを通過して容器から出口に向かって空気を流すものを有する請求項189の装置。
【請求項191】
容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成されている機構を有する請求項189の装置。
【請求項192】
フィードチューブ内に配置される穿孔および/または閉塞防止デバイスを有する請求項189の装置。
【請求項193】
容器インパクトデバイスを有する請求項189の装置。
【請求項194】
前縁を備えたプラスチックブレードを有し、
該前縁がrho値が0.1〜0.5の楕円形状前縁であるカッター機構。
【請求項195】
プラスチックブレードが、rho値が0.1〜0.5の楕円形状前縁を2つ備える請求項194のカッター機構。
【請求項196】
容器を支持する支持部と、
出口と、
出口と連絡されているフィードチューブと、
フィードチューブ内に配置され、該フィードチューブに対して移動可能であって容器を穿孔する穿孔デバイスとを有する装置。
【請求項197】
穿孔して裂開することにより容器の壁部に少なくとも1つの開口を形成するように構成され、裂開することにより少なくとも1つの開口の裂端を容器の内部に向かって曲げる機構を有する装置。
【請求項198】
容器インパクトデバイスを有する請求項196の装置。
【請求項199】
装置の出口に十分な減圧が発生しているときに、フィードチューブから該出口に向かう空気の流れを形成するトリガー機構を有する請求項196の装置。
【請求項200】
パウダーを保持するブリスターを含む下側ホイルラミネート部と、下側ホイルラミネート部を覆う上側のホイルラミネート部とを有する容器であって、
第3の側端と直交する2つの側端を備えるリヤ部と、切り欠き部を備える中央部と、先細のフロント部とを有する容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【図80】
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【図81】
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【図82】
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【図83】
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【図84】
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【図85】
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【図86】
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【図87】
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【図88】
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【図89】
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【図90】
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【図91】
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【図92】
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【図93】
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【図94】
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【図95】
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【図96】
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【図97】
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【図98】
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【図99】
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【図100】
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【図101】
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【図102】
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【図103】
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【図104】
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【図105】
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【図106】
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【図107】
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【図108】
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【図109】
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【図110】
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【図111】
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【図112】
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【図113】
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【図114】
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【図115】
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【図116】
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【図117】
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【図118】
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【図119】
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【図120】
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【図121】
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【図122】
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【図123】
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【図124】
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【図125】
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【図126】
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【図127】
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【図128】
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【図129】
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【図130】
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【図131】
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【図133】
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【図134】
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【図135】
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【図136】
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【図140】
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【図141】
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【図144】
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【図146】
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【図147】
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【図148】
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【図150】
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【図151】
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【図152】
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【図156】
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【図165】
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【図167】
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【図168】
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【図170】
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【図171】
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【図172】
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【図173】
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【図174】
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【図175】
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【図176】
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【図177】
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【図178】
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【図179】
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【公表番号】特表2010−508069(P2010−508069A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534692(P2009−534692)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際出願番号】PCT/US2007/022830
【国際公開番号】WO2008/051621
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)