説明

パケットディスペンサ

【課題】チャイルドプルーフ機能が付与されていても、大人は困難なく開けることができるようにしたパケットディスペンサを提供することにある。
【解決手段】内部キャビティ(32)を備えた容器構造(22)を有するパケットディスペンサ(20)。キャビティは、この中にパケット構造(48)を収容できる充分な寸法を有している。引裂き構造(40)は、パケット構造(48)がキャビティ(32)から取出されるときに、パケット構造(48)に接触してその一部を引裂くように容器構造(22)に連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2006年6月30日付米国仮特許出願第60/817,941号の優先権および利益を主張する。尚、この米国仮特許出願第60/817,941号は、本願に援用する。
【0002】
本発明は、広くはパケットディスペンサに関し、より詳しくは、医薬が含浸された消化可能なストリップのようなストリップを収容するパケット(小さい包み)が貯蔵されるパケットディスペンサに関する。本発明のパケットディスペンサは、パケットをパケットディスペンサから取出すときに、パケットに裂け目を形成する。
【背景技術】
【0003】
医薬および同様な物質は、一般に、比較的正確な量を摂取する必要がある。比較的正確な量で摂取できるように医薬を供給する1つの技術は、消化可能なストリップに比較的正確な量の医薬を含浸することである。使用者は、ストリップを口に入れ、比較的正確な量の医薬を受入れる。
【0004】
このように含浸されたストリップは、使用者により摂取される前に、貯蔵のためにパケット内に収容される。このようなパケットは、ストリップに保護を与えかつ使用者により摂取される前に、コントロールされた環境内に医薬を維持する。パケットは、この中のストリップにアクセスするため、一般に、使用者が手で引裂くことにより開かれる。
【0005】
パケットは、子供が開けることを困難にして、パケットにチャイルドプルーフ機能(child-resistance)をもたせるのが好ましい。この特徴をパケットに付与することにより、子供がパケット内のストリップにアクセスする可能性が低減される。ストリップに含浸された医薬または他の物質には、子供が直接アクセスできないようにすることが多くの場合に望まれている。これは、通常、このような医薬または他の物質を適正使用することが子供の能力を超えているためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
パケットにチャイルドプルーフ機能を付与することを望むと、パケットを大人が開けることも困難になる。例えば、パケットには、この中のストリップにアクセスするのに必要とされる、手による引裂にかなりの抵抗がある強い材料を用いてチャイルドプルーフ機能を付与することができる。パケットの手による引裂きに対する抵抗は、パケットを開けようと試みる大人にも過度の抵抗を与えてしまう。しかしながら、一般に、大人はパケットを開けることができるようにする必要がある。したがって、パケットの形状および製造は困難である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のパケットディスペンサは、内部キャビティを備えた容器構造を有している。キャビティは、この中にパケット構造を貯蔵できる充分な寸法を有している。容器構造はキャビティへの開口を備え、該開口を通してパケット構造をキャビティから取出すことができる。引裂き構造は、パケット構造がキャビティから取出されるときにパケット構造に接触してその一部を引裂くように容器構造に連結されている。
【0008】
引裂き構造は、手で引裂くことが困難なパケット構造の手による引裂きを容易にする。したがって、パケット構造は、子供が開くことは充分に困難であり、チャイルドプルーフの要望を満たすことができる。また、引裂き構造は、子供が開くことが困難に構成されており、チャイルドプルーフ機能を更に高めている。しかしながら、引裂き構造は、大人が容易に操作してパケット構造の一部を引裂くことができるように構成できる。引裂きは、パケット構造の手による引裂きを開始する部位をパケット構造に付与する。このため、引裂き開始のための手段が何ら設けられていないパケット構造を手により引裂かなくてはならないものに比べ、手による引裂きが容易になる。パケット構造を手により引裂くことにより、パケット構造内に収容されたストリップにアクセスできる。したがって、本発明のパケットディスペンサは、チャイルドプルーフ機能を付与すると同時に、大人がパケット構造を開くことを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のパケットディスペンサの斜視図であり、ストリップ構造を収容するパケット構造が貯蔵された容器構造を備えたパケットディスペンサを示すものである。
【図2】図1のパケットディスペンサの側面図であり、容器構造内のパケット構造を取出すための開口が設けられた容器構造を示すものである。
【図3】パケットディスペンサおよび容器構造内に配置されたパケット構造の、図2の3−3線で示す平面に沿う横断面図であり、パケット構造の孔を通って延びている支柱構造を備えたパケットディスペンサを示すものである。
【図4】図1の容器構造の底構造の平面図であり、容器構造から頂構造が取外された底構造、および支柱構造がパケット構造の孔を通って延びるように底構造に配置されたパケット構造を示すものである。
【図5】図1の容器構造内に配置されたパケット構造の1つの正面図であり、孔と交差する外側および内側の引裂きノッチを備えたパケット構造を示すものである。
【図6】図1のパケットディスペンサの斜視図であり、容器構造からパケット構造を取出すときに2つの位置にある1つのパケット構造、および容器構造に対してピボット運動されたパケット構造を示すものである。
【図7】図1のパケットディスペンサの他の実施形態の斜視図であり、パケットディスペンサが、ストリップ構造を収容するパケット構造が収容される容器構造を有し、かつ押下げることができるナイフ構造を有するものを示すものである。
【図8】図7のパケットディスペンサの側面図であり、容器構造内のパケット構造を取出すための開口が設けられた容器構造を示すものである。
【図9】図8の9−9線に沿う、パケットディスペンサおよび容器構造内に配置されたパケット構造の横断面図であり、容器構造からパケット構造を取出すときにパケット構造と係合すべく押下げ位置にあるナイフ構造を示すものである。
【図10】図7の容器構造の頂構造の平面図であり、ブレード構造を示すため、右側縁部の回りでピボット運動されかつ底構造から分離された頂構造を示すものである。
【図11】図7のパケットディスペンサの斜視図であり、容器組立体からパケット構造を取出すときの2つの異なる位置にある1つのパケット構造、およびナイフ構造が押下げ位置にあるところを示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の上記特徴および他の特徴は、添付図面を参照して述べる本発明の特定実施形態についての以下の説明から、一層完全に理解される。
【0011】
添付図面の幾つかに亘って、同じ参照番号は同じ部品を示すものである。
図面、特に図1に示すように、パケットディスペンサ20は容器構造22を有し、該容器構造22は、内面26および外面27を備えた頂構造24を有している。容器構造22は、内面30および外面31を備えた底構造28を有している。頂構造24および底構造28は互いに取付けられ、これにより、内面26、30が容器構造22の内部キャビティ32を形成する。容器構造22は、キャビティ32への細長開口34を有している。開口34は、第1端部36および第2端部38を有している。
【0012】
パケットディスペンサ20は、支柱構造42により形成される引裂き構造40を有している。図3に示すように、支柱構造42は、底構造28の内面30に連結されている。支柱構造42と底構造28との連結は、図3に示すように一体連結にすることができる。支柱構造42と内面26との連結の他の実施形態も可能であり、例えば接着により行うこともできる。支柱構造42は、第2端部38よりも第1端部36に近接しかつ開口34に隣接して配置されている。容器構造22は、図4に示すように、支柱構造42に対面する弧状凹部44を有している。
【0013】
容器構造22は、頂構造24にU形カットアウト46を有している。図1に示すように、カットアウト46は開口34と交差しておりかつ第1端部36よりも第2端部38に近接して配置されている。
【0014】
パケットディスペンサ20は、1つ以上のパケット構造48を有するキット内に含められる。各パケット構造48は、キャビティを備えた包囲構造50と、キャビティ内に収容されたストリップ構造とを有している。各包囲構造50は対向する側方層を有し、これらの層の間に包囲構造のキャビティが配置されている。各包囲構造50は、横方向側縁部51、52と、長手方向側縁部53、54とを有している。
【0015】
パケット構造48は、中心57をもつ孔56を有している。孔56は、包囲構造50の両層および包囲構造50内のストリップ構造を貫通して延びている。パケット構造48は、包囲構造50の両層および包囲構造内のストリップ構造に第1引裂きノッチ58を有している。第1引裂きノッチ58は、孔56と側縁部51との間に配置されている。第1引裂きノッチ58は長手方向中心軸線を有し、かつ該長手方向中心軸線が中心57からオフセットするように、孔56に対して配向されている。
【0016】
パケット構造48は、包囲構造50の両層および包囲構造内のストリップ構造に第2引裂きノッチ62を有している。第2引裂きノッチ62は、孔62と側縁部52との間に配置されている。第2引裂きノッチ62は長手方向中心軸線を有し、かつ該長手方向中心軸線が中心57からオフセットするように、孔56に対して配向されている。第2引裂きノッチ62は、両引裂きノッチ58、62の長手方向中心軸線が同軸線上にあるように、第1引裂きノッチ58に対して配向されている。両側縁部51、52に対する第1および第2引裂きノッチ58、62の位置は、第1引裂きノッチが第2引裂きノッチに対して外側引裂きノッチ58となるようにする。また、両側縁部51、52に対する第1および第2引裂きノッチ58、62の位置は、第2引裂きノッチが外側引裂きノッチ58に対して内側引裂きノッチ62となるようにする。
【0017】
図5には、パケット構造48の好ましい実施形態(その寸法を含む)が示されている。パケット構造48の寸法は下記の通りである。
a−3.5000インチ
b−1.7500インチ
c−R0.0938インチ
d−0.2813インチ
e−0.2813インチ
f−0.2500インチ
g−0.2724インチ
【0018】
キャビティ32は、この中に1つ以上のパケット構造48を貯蔵できる充分な寸法を有している。1つ以上のパケット構造48が、図4に示すように、支柱構造42が1つ以上の孔56を通るようにしてキャビティ32内に貯蔵される。
【0019】
パケットディスペンサ20は、カットアウト46からアクセスできるパケット構造48の一部を掴む方法にしたがって操作される。この掴みは、カットアウト46からアクセスできる容器構造22のキャビティ32内のパケット構造48の一部に接触する使用者の手の親指または他の指により行われる。支柱構造42に対してパケット構造がピボット運動できるようにする、使用者の指とパケット構造48との摩擦接触を付与するには、掴むだけで充分である。ピボット運動は、容器構造22に対する一定の角度方向において、図6に示すように、パケット構造48の一部を、開口34を通してキャビティ32の外に出すためのものである。パケット構造48をピボット運動させると、孔56に隣接するパケット構造48のコーナが弧状凹部44内に入る。
【0020】
容器構造22は、使用者の一方の手で掴まれる。より詳しくは、容器構造22は、使用者の親指を外面27、31の一方に接触させかつ同じ手の他の指を外面27、31の他方に接触させることにより掴まれる。この手の親指および他の指を外面27、31に対して一緒に押付けることにより容器構造22が掴まれる。容器構造22のキャビティ32から外に出ているパケット構造48の一部が、使用者の他方の手で、一般的に親指と他の指との間で掴まれる。
【0021】
使用者が、両手を互いに引離すと、パケット構造48がパケットディスペンサ20に対して変位され、これにより包囲構造50が、支柱構造42により形成された引裂き構造40と接触する。パケット構造48は、充分な力で支柱構造42から引離され、これにより包囲構造50が支柱構造42から引離される。
【0022】
パケット構造48は、容器構造22に対して或る方向(この方向は、外側引裂きノッチ58に対して平行な方向である)に引っ張られる。したがって、引裂かれる包囲構造50のセクションは、外側引裂きノッチ58に一致する。この一致方向は包囲構造50を引裂く方向であり、包囲構造50の引裂きは、パケット構造48を支柱構造42から、外側引裂きノッチ58に一致する好ましい方向に引離すことにより行われる。パケット構造48をキャビティ32から完全に取出すと、図6に示すように外側引裂きノッチ58の全部が引裂かれる。
【0023】
外側引裂きノッチ58に一致する包囲構造50の引裂きは、包囲構造に設けられた外側引裂きノッチにより行われ、このために、支柱構造42は、外側引裂きノッチと、包囲構造を引裂くために支柱構造から引っ張られるパケット構造48の一セクションとの間に配置されている。また、外側引裂きノッチ58に一致する包囲構造50の引裂きは、包囲構造50を引裂くために支柱構造42から引っ張られる方向に平行な外側引裂きノッチにより行われる。
【0024】
容器構造22からパケット構造48を引っ張ることにより、パケット構造がキャビティ32から完全に取出され、これにより、支柱構造42からの包囲構造50の完全な引裂きがなされたことになる。包囲構造50が引裂かれると、図6に示すように、包囲構造の第1セクション66および第2セクション68が形成される。第1および第2セクション66、68は、孔56と交差する対応内縁部69、70を有している。
【0025】
第1セクション66は、使用者の一方の手、例えば一方の手の親指と他の指との間で掴まれる。第2セクション68も、使用者の他方の手、例えば他方の手の親指と他の指との間で掴まれる。使用者の両手および該両手で掴まれた第1および第2セクション66、68は、第2セクションに対して第1セクションを変位させるべく相対変位される。第1セクション66と第2セクション68との相対変位により包囲構造50が更に引裂かれ、包囲構造50内のキャビティ内へのアクセスが可能になる。
【0026】
第2セクション68に対する第1セクション66の変位により引裂かれる包囲構造50のセクションは、内側引裂きノッチ62に一致している。この一致する方向は包囲構造50の引裂きを導くものであり、これは、内側引裂きノッチ62と一致しかつ包囲構造内のキャビティと交差する好ましい方向での第2セクション68に対する第1セクション66の変位から生じるものである。
【0027】
包囲構造50の引裂きと内側引裂きノッチ62との一致は、内側引裂きノッチ62が、支柱構造42と、包囲構造を引裂くべく支柱構造から引っ張られる包囲構造のセクションとの間に配置されることにより得られる。また、包囲構造50の引裂きと内側引裂きノッチ62との一致は、内側引裂きノッチ62が、包囲構造を引裂くべく包囲構造を支柱構造から引っ張る方向と平行であることにより得られる。
【0028】
第2セクション68に対して第1セクション66を変位させることにより包囲構造50の引裂きが完了した後、例えば包囲構造の対向表面を横方向に分離させることにより、包囲構造内のキャビティ内のストリップ構造へのアクセスが可能になる。次に、ストリップ構造が、包囲構造50内のキャビティから取出される。
【0029】
図7には、パケットディスペンサ20aの他の実施形態が示されている。図7では、図1ないし図6に示した部品と一致する部品は、図1ないし図6において使用した参照番号に添字「a」を付した参照番号で示されている。この実施形態では、パケットディスペンサ20aは容器構造22aを有し、該容器構造22aは、内面26aおよび外面27aを備えた頂構造24aを有している。容器構造22aは、内面30aおよび外面31aを備えた底構造28aを有している。頂構造24aおよび底構造28aは互いに取付けられ、これにより、内面26a、30aが容器構造22aの内部キャビティ32aを形成する。容器構造22aは、キャビティ32aへの細長開口34aを有している。開口34aは、第1端部36aおよび第2端部38aを有している。
【0030】
パケットディスペンサ20aは、ナイフ構造72により形成された引裂き構造40aを有している。ナイフ構造72は、図9に示すように、頂構造24の内面26に連結されている。ナイフ構造72は、開口34aに隣接して配置されておりかつ第2端部38aよりも第1端部36aに近接して配置されている。
【0031】
ナイフ構造72は、内面26aに連結されたベース76を備えた細長ブレード構造74により形成されている。ブレード構造74は金属材料で形成されており、他の実施形態ではブレード構造に他の材料を使用できる。ブレード構造74は、図9に示すように、切刃78を有し、該切刃78はベース76から延びかつ尖端部に終端している。切刃78は尖鋭化されている。ブレード構造74は、切刃78が、内面26aから該内面に対してほぼ垂直な方向に延びるように配向されている。ブレード構造74は更に、切刃78が、キャビティ32a内に貯蔵されるパケット構造48aの側縁部53aを向くように配向されている。
【0032】
ブレード構造74は、タブ構造80を形成している頂構造24aの部分に連結されている。タブ構造80は外面81を有している。図10に示すように、タブ構造80は外周部を有し、該外周部は、頂構造24aを貫通している半円形ギャップ82により形成されている。ギャップ82の端部は、タブ構造80のヒンジ構造84を形成する頂構造24aの部分に終端している。ヒンジ構造84は頂構造24aの一部に配置されており、頂構造24aの材料は弾性を有している。したがって、タブ構造80は、ヒンジ構造84の回りで頂構造24aに対してピボット運動できる。これにより、タブ構造80の外面81に充分大きい横方向の力が加えられると、タブ構造80は頂構造24aに対して内方に変位される。横方向の力は、頂構造24aに対してほぼ垂直な方向を有している。
【0033】
ヒンジ構造84が弾性を有しているため、タブ構造80に加えられている横方向力が除去されると、タブ構造80は、この中央平面が頂構造24aの中央平面にほぼ一致する方向に戻される力を受ける。横方向力がタブ構造80から除去されると、タブ構造80は中立位置を占め、タブ構造80の中立位置が図9に示されている。
【0034】
図7および図9に示すように、タブ構造80は、頂構造24aの外面27aに形成された一連の細長凹部86を有している。凹部86は、ヒンジ構造84に対してほぼ平行に配向されている。
【0035】
容器構造22aの頂構造24aには、U形カットアウト46aが設けられている。カットアウト46aは、図7および図8に示すように、開口34aと交差しかつ第1端部36aおよび第2端部38aからほぼ等距離を隔てて配置されている。
【0036】
パケットディスペンサ20aは、1つ以上のパケット構造48aを有するキット内に含まれる。各パケット構造48aは、キャビティを備えた包囲構造50aと、キャビティ内に収容されたストリップ構造とを有している。各包囲構造50aは対向する側方層を有し、これらの層の間に包囲構造のキャビティが配置されている。各包囲構造50aは、横方向側縁部51a、52aと、長手方向側縁部53a、54aとを有している。キャビティ32aは、1つ以上のパケット構造48aを貯蔵するのに充分な寸法を有している。
【0037】
パケットディスペンサ20aは、カットアウト46aからアクセスできるパケット構造48aの一部を掴む方法にしたがって操作される。パケット構造48aのこの部分は、使用者の一方の手で、一般には一方の手の親指と他の指との間で掴まれる。図11に示すように開口34aを通してキャビティ32aからパケット構造48aを引っ張り出すべく使用者の指とパケット構造48aとの摩擦接触を付与するには、掴むだけで充分である。
【0038】
パケット構造48aが開口34aを通して最初に引っ張り出されるときは、ナイフ構造72は中立位置にある。ナイフ構造72の中立位置では、ブレード構造74の端部(切刃)78とパケット構造48aとの間にクリアランスが形成される。したがって、図11に示すように、パケット構造48aが開口34aを通って最初に引っ張り出される間は、ブレード構造74がパケット構造48aに接触することはない。
【0039】
パケット構造48aを、開口34aを通して最初に引出した後、ナイフ構造72が引裂き位置(この位置では、ブレード構造74の端部が包囲構造50aを穿刺する)に移動されかつ包囲構造50aの全厚を貫通するように変位される。中立位置から引裂き位置へののナイフ構造72の移動は、使用者が他方の手で容器構造22aおよびタブ構造80を掴むことにより行われる。より詳しくは、タブ構造80および容器構造22aは、タブ構造80の外面81に接触する使用者の他方の手の親指と、底構造28aの外面31aに接触する使用者のこの手の指とにより掴まれる。タブ構造60および外面31aに接触する親指および他の指は、ナイフ22を引裂き位置に移動させる力を加える。
【0040】
タブ構造80の外面81に対する使用者の親指のグリップは、外面81に不均一輪郭を付与する凹部86により容易になる。したがって、外面81に対する親指の滑りが妨げられる。また、凹部86はタブ構造80の視覚表示を与え、使用者によるタブ構造80の位置確認を容易にする。
【0041】
ナイフ構造72を引裂き位置に移動させた後、パケット構造48aをキャビティ32aから開口34aを通して引っ張ることが再開される。パケット構造48aは、開口34aを通して充分な力で引出され、これにより、包囲構造を貫通するブレード構造74の切刃78に対して包囲構造50aが接触して、図11に示すように包囲構造の引裂きが行われる。包囲構造50aの引裂きは、切刃78が設けられたブレード構造74をパケット構造48aに対面させることにより行われる。したがって、パケット構造48aは、開口34aを通してキャビティ32a内から引出されるとき、最初に切刃78と接触する。
【0042】
タブ構造80は、パケット構造48aを開口34aを通してキャビティ32a内から引出す間中、引裂き位置に連続して保持される。引出しは、パケット構造48aがキャビティ32aから完全に取出されるまで充分に行う。したがって、ナイフ構造72により付与される包囲構造50aの引裂きは、図11に示すように、側縁部54aまで連続的に形成される。
【0043】
パケット構造48aが開口34aを通ってキャビティ32aから完全に取出された後、使用者の手の親指が、タブ構造80の外面81から離される。したがって、ナイフ構造72が引裂き位置から解放され、その中立位置に戻される。ナイフ構造72はヒンジ構造84により中立位置に戻される。すなわち、ヒンジ構造84の弾性により、ナイフ構造72が引裂き位置から中立位置に強制的に戻される。
【0044】
包囲構造50aが引裂かれると、図11に示すように、包囲構造の端部構造88が形成される。端部構造88および包囲構造50aは、これらの両構造88、50aの間の結合点で互いに交差する対応内縁部90、92を有している。
【0045】
端部構造88は、使用者の一方の手により、例えば一方の手の親指と他の指との間で掴まれる。包囲構造50aは、使用者の他方の手により、例えば他方の手の親指と他の指との間で掴まれる。使用者の両手および両手で掴まれたそれぞれの端部構造88および包囲構造50aは、包囲構造に対して端部構造を変位させるべく、相対的に変位される。端部構造88と包囲構造50aとを相対変位させると、これらの両構造88、50aが更に引裂かれ、包囲構造のキャビティ内へのアクセスが可能になる。
【0046】
包囲構造50aに対して端部構造88を変位させることにより包囲構造50aの引裂きが完了した後、例えば包囲構造の対向面を横方向に分離させることにより、包囲構造のキャビティ内のストリップ構造へのアクセスが可能になる。次に、ストリップ構造が、包囲構造50aのキャビティから取出される。
【0047】
パケットディスペンサ20aを操作する方法の他の実施形態も可能であり、この方法では、パケット構造48aを開口34aを通してキャビティ32a内から引出す前に、ナイフ構造72aが中立位置から引裂き位置に移動される。したがって、ブレード構造74aは、包囲構造50aの側縁部53aにより最初に接触される。パケット構造48aは、充分な力で開口34aを通して引き出され、これにより包囲構造50aがブレード構造74により引裂かれる。ナイフ構造72は、パケット構造48aが開口34aを通してキャビティ32aから引出される間中、引裂き位置に連続して保持される。したがって、包囲構造50aは、側縁部53aから側縁部54aまで連続的に引裂かれる。両側縁部53a、54a間の連続的引裂きにより、ストリップ構造を収容している包囲構造50aから端部構造88が完全に切断される。したがって、包囲構造50aにはもはや端部構造88が連結されていない。次に、パケット構造48aが、開口34aを通してキャビティ32aから完全に取出される。これにより、包囲構造50aのキャビティ内のストリップ構造にアクセスするのに、端部構造88を手で引裂く等のような包囲構造50aの更なる引裂きは不要になる。
【0048】
以上、好ましい実施形態に関連して本発明を説明したが、説明した発明概念の思想および範囲内で多くの変更を行うことができる。したがって、本発明は開示した実施形態に限定されるものではなく、完全な範囲は特許請求の範囲の記載により定められるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部キャビティを備えた容器構造を有し、キャビティは、該キャビティ中にパケット構造を貯蔵できる充分な寸法を有し、
容器構造はキャビティへの開口を備え、該開口を通してパケット構造をキャビティから取出すことができ、
容器構造に連結された引裂き構造を更に有し、パケット構造は、キャビティから取出されるときに引裂き構造に接触して、パケット構造の一部が引裂かれる、
ことを特徴とするパケット構造用パケットディスペンサ。
【請求項2】
前記パケット構造には孔が設けられ、
前記容器構造は前記キャビティを形成する内面を備え、
前記引裂き構造は前記内面に連結された支柱構造を備え、該支柱構造は前記孔を通って延びる、
請求項1記載のパケットディスペンサ。
【請求項3】
前記キャビティは、パケット構造を、支柱構造に対して垂直になるように収容し、
前記開口は細長くかつ第1端部および第2端部を備え、
前記支柱構造は、第2端部よりも第1端部に近接するように前記開口に対して配置され、
前記容器構造は前記開口と交差するカットアウトを備え、該カットアウトは第1端部よりも第2端部に近接して配置されている、
請求項2記載のパケットディスペンサ。
【請求項4】
前記パケット構造の孔を有し、該孔は中心を有し、
前記孔と交差するノッチを有し、該ノッチは長手方向中心軸線を有し、ノッチは、前記長手方向中心軸線が前記中心からオフセットするように前記孔に対して配向されている、 ことを特徴とするパケット構造。
【請求項5】
前記ノッチは第1引裂きノッチを有し、
前記パケット構造は前記孔と交差する第2引裂きノッチを備え、該第2引裂きノッチは長手方向中心軸線を有し、第2引裂きノッチは、この長手方向中心軸線が前記中心からオフセットするように前記孔に対して配向されており、
前記第2引裂きノッチは、第1引裂きノッチの長手方向中心軸線が第2引裂きノッチの長手方向中心軸線に対して同軸線上にあるように前記第1引裂きノッチに対して配向されている、
請求項4記載のパケット構造。
【請求項6】
前記キャビティ内に貯蔵されるパケット構造を更に備えている、
請求項2記載のパケットディスペンサを有するキット。
【請求項7】
前記パケット構造には外側引裂きノッチが形成されており、該外側引裂きノッチは、前記支柱構造が外側引裂きノッチと、パケット構造を引裂くべく支柱構造から引っ張られる前記パケット構造の一セクションとの間に配置されるように前記パケット構造に形成されており、前記外側引裂きノッチは、前記パケット構造がこれを引裂くべく支柱構造から引っ張られる方向に平行である、
請求項6記載のキット。
【請求項8】
前記パケット構造には内側引裂きノッチが形成されており、該内側引裂きノッチは、前記支柱構造と、パケット構造を引裂くべく支柱構造から引っ張られるパケット構造の一セクションとの間に配置されるように前記パケット構造に形成されており、前記内側引裂きノッチは、前記パケット構造がこれを引裂くべく支柱構造から引っ張られる方向に平行である、
請求項6記載のキット。
【請求項9】
前記容器構造は前記キャビティを形成する内面を備え、前記引裂き構造は前記内面に連結されたナイフを有している、
請求項1記載のパケットディスペンサ。
【請求項10】
前記開口は細長くかつ第1端部および第2端部を有し、前記ナイフ構造は、第2端部より第1端部に近接して配置されるように前記開口に対して配置されている、
請求項9記載のパケットディスペンサ。
【請求項11】
前記ナイフ構造は、中立位置から引裂き位置へと移動できるように前記内面に連結されており、前記パケット構造は、ナイフ構造が引裂き位置にあるときにナイフ構造と接触し、前記パケット構造は前記開口を通して引出され、前記ナイフ構造は、前記中立位置にあるときに、ナイフ構造とパケット構造との間にクリアランスが形成されるように、パケット構造に対して配置されている、
請求項9記載のパケットディスペンサ。
【請求項12】
前記ナイフ構造は、前記引裂き位置にあるときにナイフ構造の一部によりまたは前記容器の内面により前記中立位置に強制的に押されるように、前記内面に連結されている、
請求項9記載のパケットディスペンサ。
【請求項13】
前記ナイフ構造は、前記内面に連結されたベースを備えた細長ブレード構造を有し、該ブレード構造は前記ベースから延びている切刃を備え、前記ブレード構造は、パケット構造が前記キャビティから取出されるときに前記切刃がパケット構造に接触して該パケット構造を引裂くように、前記内面に対して配向されている、
請求項9記載のパケットディスペンサ。
【請求項14】
前記キャビティ内に貯蔵されるパケット構造を更に有する、
請求項9記載のパケットディスペンサを有するキット。
【請求項15】
パケットディスペンサからパケット構造を取出す間にパケット構造を引裂く方法において、
パケットディスペンサは、内部キャビティを備えた容器構造を有し、前記キャビティはこの中にパケット構造を貯蔵できる充分な寸法を有し、容器構造は前記キャビティへの開口を備え、パケットディスペンサは容器構造に連結された引裂き構造を備え、
前記パケット構造が引裂き構造に接触して引裂かれるように、パケット構造を前記開口を通して引っ張り、パケット構造を前記キャビティから取出す段階を有している、
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記パケット構造には孔が設けられており、容器構造はキャビティを形成する内面を備え、引裂き構造は、前記孔を通って延びるように前記内面に連結された支柱構造を備え、 パケット構造の一セクションが開口を通るように、パケット構造を支柱構造の回りでピボット運動させる段階と、
パケット構造が支柱構造から離れて引裂かれるように、パケット構造を支柱構造から離れるように充分な力で引っ張る段階とを有する、
請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記引っ張る段階により、パケット構造の第1セクションおよび第2セクションが形成され、第1および第2セクションは、前記孔と交差する対応内縁部を有し、
第2セクションに対して第1セクションを変位させてパケット構造を引裂き、キャビティ内にアクセスできるようにする段階を更に有する、
請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記容器構造が、キャビティを形成する内面を備え、前記引裂き構造が、前記内面に連結されたナイフ構造を備え、
ナイフ構造を、前記開口とキャビティ内のパケット構造との間に位置決めする段階と、
パケット構造がナイフ構造に接触するように、前記開口を通してパケット構造を引っ張る段階とを有し、該引っ張る段階は、パケット構造が開口を通して引っ張られる間にナイフ構造により引裂かれるように充分な力で行う、
請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記ナイフ構造を引裂き位置に移動させる段階と、
ナイフ構造がパケット構造に接触して、該パケット構造を引裂くように、前記開口を通してパケット構造を引っ張る段階と、
ナイフ構造が引裂き位置にあるときにナイフ構造を解放して、ナイフ構造または容器表面の一部が、ナイフ構造を強制的に中立位置に向かわせて、ナイフ構造とパケット構造との間にクリアランスが形成されるようにする段階とを更に有する、
請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記引っ張る段階によりパケット構造の端部構造が形成され、該端部構造およびパケット構造およびパケット構造は、これらの両構造の間の結合点で互いに交差する対応内縁部を有し、
パケット構造に対して端部構造を変位させて、パケット構造から端部構造を引裂き、キャビティ内にアクセスできるようにする段階を更に有する、
請求項18記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2009−542336(P2009−542336A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518299(P2009−518299)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2007/015162
【国際公開番号】WO2008/005349
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(507026110)モノソル アールエックス リミテッド ライアビリティ カンパニー (15)
【Fターム(参考)】