パケット制御装置および方法
【課題】
受信ポート間のパケットの受付流量割合を一定の精度で決めることを可能とし、かつパケット出力の物理帯域を越える可能性が無い場合は受付制限を開放するようにパケットの受付制限制御を行う。
【解決手段】
複数の受信ポートから入力されるパケットの合計帯域が、その合流送信する物理帯域を越える場合、複数の受信ポートからのパケットの流入状況を速やかに把握し、予め設定された流入割合へそれぞれの受信ポートに対して一定の精度で流入制限し、その合流送信する物理帯域の超過の可能性が無い場合は、各受信ポートに対して行った流入制限を開放するように制御する。好ましくは、受信ポートに対してリーキーバケットモデルを適用して、リーキーバケットをバケツに相当させる。バケツに蓄積される水量を比較し判定することにより、引き込むべきパケットが存在する場合には、蓄積水量の少ない受信ポートに対して流入制御する。
受信ポート間のパケットの受付流量割合を一定の精度で決めることを可能とし、かつパケット出力の物理帯域を越える可能性が無い場合は受付制限を開放するようにパケットの受付制限制御を行う。
【解決手段】
複数の受信ポートから入力されるパケットの合計帯域が、その合流送信する物理帯域を越える場合、複数の受信ポートからのパケットの流入状況を速やかに把握し、予め設定された流入割合へそれぞれの受信ポートに対して一定の精度で流入制限し、その合流送信する物理帯域の超過の可能性が無い場合は、各受信ポートに対して行った流入制限を開放するように制御する。好ましくは、受信ポートに対してリーキーバケットモデルを適用して、リーキーバケットをバケツに相当させる。バケツに蓄積される水量を比較し判定することにより、引き込むべきパケットが存在する場合には、蓄積水量の少ない受信ポートに対して流入制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパケット制御装置および方法に係り、特に、複数の受信ポートから流入するパケットを合流制御して送信ポートから送出するパケットの流量制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
イーサネット(IEEE802.3)ポートのような、複数の受信ポートを持った実用的なパケット転送装置において、複数の受信ポートから入力されるパケットの物理帯域が合流送信する物理帯域を越える場合、流量制限して受信ポートから流入するパケットの受付を抑制するフロー制御技術が知られている。
【0003】
ところで、斯かるパケット制御装置がフロー制御に対応できない場合、或いはフロー制御を行う装置で多量のパケットを蓄積するに足りる十分な容量のパケットバッファを持っていない場合がある。このような場合には、パケットの合流送信する物理帯域を超えて、一方的、連続的にパケットが送り込まれると、やがて受信ポート間で不規則にパケットロスが発生し、結果的に意図しない伝送品質の劣化を招くことになる。
【0004】
そこで、通常、パケット制御装置では、フロー制御を行うのと同時にポリシングと呼ばれる流入制限制御をそれぞれの受信ポートで行っている。即ち、パケット制御装置に受付パケットを精度高く制限し、廃棄する機構を持たせ、ポリシングの流入制限制御手段を用いて受信ポート間で不規則にパケットロスが発生することを流入段階で未然に防ぐ仕組みを適用している。
【0005】
然しながら、近年開発されるこれら装置は、それぞれの受信ポートから入力された帯域が、パケットが合流した後の物理帯域の超過の可能性がある場合にのみ、流入制限が作用し、その合流後の物理帯域の超過の可能性が無い場合には、流入制限を速やかに開放することができない。また、特許文献1(特開2005−260430号公報)には、合流後の物理帯域を超過しようとする時に、それぞれの受信ポートから流入する帯域を一定制限、若しくは平等化する技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−260430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に開示されているパケット中継装置においては、受信ポートから流入する帯域を一定制限、若しくは平等化することは可能であっても、受信ポート間の流入割合までも容易に決めることは困難である。
【0008】
また、特許文献1には、合流送信する側の物理帯域状況に応じて、一定流入制限処理する手段、高精度に流入制限する技術が開示されているが、受信ポート間の割合を設定し流入制限する方法や、流入制限を不要とする場合に、設定する割合を開放する技術については開示されていない。
【0009】
本発明は、受信ポート間のパケットの受付流量割合を一定の精度で決めることを可能とし、かつパケット出力の物理帯域を越える可能性が無い場合は受付制限を開放するようにパケットの受付制限制御を行うことにある。
本発明は、より具体的に言えば、複数の受信ポートから入力されるパケットの合計帯域が、その合流送信する物理帯域を越える場合、複数の受信ポートからのパケットの流入状況を速やかに把握し、予め設定された流入割合へそれぞれの受信ポートに対して一定の精度で流入制限し、その合流送信する物理帯域の超過の可能性が無い場合は、各受信ポートに対して行った流入制限を開放することにある。
本発明は、パケットの流入制限処理とその開放処理を、合流出力の物理帯域状況に応じて経済的で容易な回路を用いて実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、複数の受信ポートから入力されるパケットの合計帯域が、その合流送信する物理帯域を越える場合、複数の受信ポートからのパケットの流入状況を速やかに把握し、予め設定された流入割合へそれぞれの受信ポートに対して一定の精度で流入制限し、その合流送信する物理帯域の超過の可能性が無い場合は、各受信ポートに対して行った流入制限を開放するように制御する。
【0011】
本発明の係るパケット制御装置は、好ましい例によれば、複数の受信ポートから入力されるパケットを合流して送信ポートから送出するパケット制御装置であって、該複数の受信ポートから入力されるパケットを一時的に格納する複数のバッファと、該複数のバッファから出力される複数のパケットの合流する割合を設定する制御部と、該制御部により設定された割合に従って該複数バッファから出力される該パケットを合流させる合流制御部と、を有し、該合流制御部で合流されたパケットを該送信ポートから送出することを特徴とするパケット制御装置として構成される。
【0012】
好ましい例では、前記合流制御部は、該受信ポートにおけるパケットの受信制御に対して適用されたリーキーバケットモデルの実行において、各受信ポートにパケットが受信された場合、該パケットの流入量をリーキーバケットの注水量に相当させ、さらに送受信におけるポート間の合流割合の設定をリーキーバケットの漏水量の割り当てに相当させ、合流割合判定として複数のリーキーバケットの流入と合流割合における現在の蓄積水量を比較して、蓄積量が少ないポートに対してパケットを流入するように制御する。
【0013】
また、別の表現をすれば、好ましくは、複数の受信ポートに入力され合流する合計帯域よりも、合流後の物理帯域の方が帯域の狭い環境下におけるパケットの受信制限を行うパケット制御装置であって、該複数の受信ポートから入力されるパケットを一時的に格納する複数のバッファと、該複数のバッファから出力される複数のパケットの合流する割合を設定する制御部と、該制御部により設定された割合に従って該複数バッファから出力される該パケットを合流させる合流制御部と、を有し、前記合流制御部は、該パケットが合流した後の物理帯域を割合配分において、予め設定された割合を超えるパケットについて前記バッファのオーバーフローでパケットの廃棄処理をするように制御し、
かつ前記制御部による割合配分により、いずれかの受信ポートにおけるパケット入力帯域が予め設定された値に満たない場合は、パケットの合流後の物理帯域を他の受信ポートに開放するように制御することを特徴とするパケット制御装置として構成される。
【0014】
本発明の係るパケット制御方法は、好ましい例によれば、複数の受信ポートから入力されるパケットを合流して送信ポートから送出するパケット制御方法であって、該複数の受信ポートから入力されるパケットを複数のバッファに一時的に格納するステップと、該複数のバッファから出力される各パケットの合流する割合を設定するステップと、該設定された割合に従って、該複数のバッファから出力される該パケットを合流させるステップと、該合流された該パケットを送信ポートから送出するステップと、を有することを特徴とするパケット制御方法として構成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、流入するパケットを、そのパケット長に応じてリーキーバケットモデルを適用して漏れる水量を算出するため、パケットが装置に到着する毎に帯域算出した場合でも、経時的に帯域算出して平均監視をした場合と同等であり、ハードウェア構成を容易にすることができる。
【0016】
さらに、受信ポート間の偏りを経時的に帯域算出することで防ぐことができるため、流入するパケット長に依存されず、経時的に良好なパケット受信制限をすることができる。
それぞれの受信ポートに予め設定されたリーキーバケットの蓄積水量の比較処理で流入パケット引込みの判定することで、合流送信側の物理帯域に満たないパケット流入に対してはその流入制限を開放し、合流送信側の物理帯域が限界に近づいた場合に対しては、リーキーバケットの漏れる水量に相当させて流入制限する。また、流入制限が不要な場合は流入制限を開放するという処理が可能である。
【0017】
さらに、受信ポート毎に受信制限の判断処理であるポリシング装置が不要となり、経済的で且つ簡単な回路構成でパケット受付制限を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
例えば、FTTH(Fiber To The Home)によるトリプルプレイサービスを受けようとする場合、一般的には各家庭にネットワーク装置が設置され、契約者が各種サービスを受ける際に、そのネットワーク装置には通信事業者の通信設備とエンドユーザー側の設備を接続する複数のUNI(User Network Interface)ポートが設けられる。特にFTTHサービスでは、遅延規格に厳しい音声系と高速データ系で2つのUNIポートを設けることが多く、このUNIポートに流入するパケットを合流多重することで通信事業者側へ伝送し、通信が可能となってサービスを受けられる。
【0019】
図1は、一実施例によるパケット制御装置の構成を示す。
このパケット制御装置1は、受信ポートとしてポート141とポート142(両者を総称して受信ポート14ということがある)の2系統のUNIポートと、1つの送信ポート15と、パケット抽出フロー判定部101,102(総称して10ということがある)と、パケットバッファ(以下単にバッファという)111,112(総称して11ということがある)と、受信したパケットを合流する合流制御部12と、パケット抽出フロー判定部10及びバッファ11及び合流制御部12を制御する制御部13、を有する。各構成部はLSI化されたハードウェア回路で構成される。ここで、ポート141は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)用の高速データ転送系であり、ポート142はIP電話用の音声系として使用される。
【0020】
各受信ポート14より可変長パケットが経時的に受信される。その受信パケットはパケット抽出フロー判定部10によりフロー制御されて、対応するバッファ11に一時的に保管される。パケット抽出フロー判定部10は、バックプレッシャー信号S1によりバッファ11内のフレームの存在状態を監視しており、排出許可と判断した場合、バッファ111内のパケットとバッファ112内のパケットは、合流制御部12において、予め定められた割合で合流制御されて、送信ポート15より送出される。
合流制御部12におけるパケットの合流制御は、好ましくは、リーキーバケットモデルを利用して、経時的にパケットを受信する度にそれを蓄積水量算出に相当させ、帯域算出を容易にすることで、予め設定された割合で受信ポートから流入するパケットを最適に制限する。この機能及び動作については、後で詳しく述べる。
【0021】
次に、パケット抽出フロー判定部10の機能及び作用について説明する。
パケット抽出フロー判定部10は、パケットの抽出機能とフロー判定機能に分かれる。その意味では、パケットの抽出部とフロー判定部といってもよいであろう。
例えば、イーサネットインタフェースの場合、LAN上を転送されるイーサフレームは、PHYチップによって電気変換・速度変換処理された後、受信ポート14から入力される。
ギガビットイーサネットの場合、受信ポート14の切り口は例えばGMII規格に従う。
GMII規格によれば、受信ポート14の内側で、その前段のPHYチップからイーサフレームを受け取らなければならない。そのため、データバス上に存在しているイーサフレームを抽出し、その長さやイーサフレーム自体の正常性を検査して入力パケットとして認識する。以上が受信ポート14におけるパケット抽出機能である。
【0022】
イーサフレームは、規定されない任意のタイミングで受信ポート14から入力されるので、イーサフレームの待合わせ処理を行わなければならない場合には、次に受信ポート14から入ってくるイーサフレームを消滅させてはならない。そのためにバッファ11は、受信したイーサフレームを一時的に保管する。
フロー判定は、任意のタイミングでポートから入ってくるイーサフレームを消滅させない為の一つの機能である。フロー制御手順はIEEE規定に例示されており、フロー制御専用のイーサフレームが国際規格化されている。
【0023】
フロー判定とは、このポーズフレーム(Pause Frame)を用いてフレームが消滅することを救済するための救済制御である。以下にその制御動作例を示す。
(1)例えば、受信ポート141から複数のイーサフレームが短時間に大量に入力している場合、合流制御部合流制御部12で行われるフレーム受信処理が間に合わない為、受信ポート141から入力されたイーサフレームはバッファ111に保持される。
(2)バッファ111に保持されたイーサフレームの量が、予め決められた上限閾値を上回った場合、フロー判定部バッファ111がバッファ111内の状態をバックプレッシャー信号S1により検出し、フローモードに入る。
【0024】
(3)閾値への危険を検出したフロー判定部バッファ111は、受信ポートバッファ111の出力側(図1には入力側のみ示す)が、受信ポートバッファ111の出力側回路も存在して双方向のポート処理が行われる。
(4)ポーズフレームを一定周期で自動的に当該パケット制御装置1の送信ポートから出力するように命令する。
(5)このパケット制御装置1を目がけて、イーサフレームを大量に送出しているデバイスは、このパケット制御装置1が出力するポーズフレームを受け取ると、それまで大量に送出していたフレームの出力を一時的に停止する。停止する時間は、そのポーズフレームに記載されている。
【0025】
(6)すると、パケット制御装置1の受信ポート141に入って来るイーサフレームが一時的に無くなり、合流制御部12による受信処理が継続され、バッファ111に保持されているフレームが減少して行く。
(7)バッファ111に保持されたフレームの量が、予め決められた下限閾値を下回った場合、フロー判定部バッファ111はバッファ111が安全領域に入ったということをバックプレッシャー信号S1により検出して、フローモードを停止する。
(8)安全状態を検出したフロー判定部バッファ111は、受信ポート141の出力側からポーズフレームを出さないよう命令する。このパケット制御装置1を目がけて、イーサフレームを送出することを見合わせていたデバイスは、ポーズフレームを検出しなくなって、再びフレームを送出し始める。
【0026】
上記(1)〜(8)の動作を繰り返すことによって、フレームが消滅することが救済される。しかし、フレームを送出して来る送信元のデバイスがポーズフレームを検出できない等、フロー判定に対応できない場合には、当該パケット制御装置1からいくらポーズフレームを送ってもフレーム送信を止めないことになる。その場合は、受信ポート141、受信ポート142間で不規則にイーサフレームが消滅する危険が発生する。この危険性を防止するために、本発明による割合設定に従った合流制御部を行うことが有意義となる。
【0027】
この様なフロー制御は、ポーズフレームをデバイス間で受け渡すことで成し遂げられる待合わせ制御となる。その場合、パケット送信元もかなり大きなバッファを持たなければならない。仮に送信元のバッファ容量が小さいと、当該パケット制御装置1から送信元へいくらポーズフレームを送っても、フレーム停止しない危険が有る。本発明の割合設定によるパケット受付制限制御によれば、このような場合にも有意義である。
【0028】
実際、送信元のバッファ容量がどの程度有るか、またどの程度の処理能力を持っているか、等、性能は分からないことが多い。本発明の合流制御部12の処理機能を持つことにより、送信元の処理能力を考慮しなくて済み、ネットワーク全体の設計もし易くなるという大きな効果がある。
【0029】
次に、合流制御部12の機能及び作用について説明する。
図2に、合流制御部12の機能ブロックを示す。
合流制御部12は、注入算出部201(20と総称することがある)、リーキーバケット(漏れバケツ)211,212(21と総称することがある)、ポート選択判定部22、及びパケットセレクタ23を有して構成される。
【0030】
リーキーバケット211は、漏れバケツ機能を理解し易くするために概念的に表現している。注入算出部201によって算出された“水”が注ぎ込まれて、一定周期で水が漏れていく様子を表している。従って、ポート選択判定部22が許可しない限り、この漏れバケツには水が溜まらないことになる。回路的には、リーキーバケット21はアキュームレータで構成される。注入算出部20は、回路的には足算器である。リーキーバケット21は、注入算出部20で足し算された、漏れ水量を減算し、その減算結果をアキュームレータに記憶保持する。
【0031】
ポート選択判定部22は、各バッファ11のイーサフレーム蓄積状態(即ち各バッファ11内にフレームが有るか否か)、及びリーキーバケット21に示す蓄積水量状態(即ち何れのバケツの水量が多いか)を判定し、バッファ11に対して排出許可を与える。例えば、バッファ111にフレームが全然溜まっていない場合には、そのバッファ111に対して排出許可を出さない。
【0032】
ポート選択判定部22がバッファ111に対してフレームの排出許可を出すと、バッファ111からイーサフレームが1フレームだけ読み出される。その時、注入算出部201はバッファ111から送られてきたフレームの長さをカウンタ(図示せず)で計測してその長さ(即ちカウンタ値)を水量へ変換する。
パケットセレクタ23は、ポート選択判定部22で許可が与えられたポートのフレームを通過させるように、フレーム単位にポートを選択する。
【0033】
リーキーバケット21は、それぞれのUNIポートに予め設定されるリーキーバケット、例えば、漏れバケツであり、UNIポートにて可変長パケットが受信されると、パケット長に応じて流入パケットの注入水量算出部200、202によって注入する注入水量(Φ)が新たに算出される。
【0034】
同時に、それぞれのポートは一つ前に受信されたパケットの時刻から、新しく受信されたパケットの時刻を減算して時刻差分から、ポートの流入割合の設定変数となる漏れ水率(δ)を乗じてパケット受信時点における漏れ水量(Δ)を算出し、注入水量(Φ)、漏れ水量(Δ)から最終的な蓄積水量(γ)が算出され記憶される。
【0035】
UNIポートの現在の蓄積水量(γ)、並びに転送するパケットの存在情報を元に、ポート選択判定部204にて図3に示す受信ポート選択部の判定における真理値(“1”に示す部分が有意)にて判定を行い、合流させるポートを選択する。排出(許可)制御を受信した該当バッファ111、112はパケットセレクタ23からフレーム毎に排出処理をして出力される。
【0036】
次に、合流制御部12の制御動作について説明する。
バッファ111、112に保持されているイーサフレームは、合流制御部12の許可によって読み出される。合流制御部12は、受信ポート141,142から対応するバッファ111,112へ流入するイーサフレームの割合は、合流制御部12により予め設定されており、この割合がバッファ11からのイーサフレームの排出許可に反映される。
合流制御部12の具体的な制御動作例を以下に記す。
【0037】
(1)ポート141に対する割合が100%と設定されれば、他方のポート142に対応したバッファ112に対する排出許可は一切行われない。
(2)ポート141と142に対する割合が、それぞれ50%と設定されている場合、バッファ111,112に保持されているフレームが全て同じ長さ(情報量)であれば、合流制御部12からバッファ111,112に向けて1フレーム毎に交互に排出許可が出る。
【0038】
(3)ポート141,142の割合が50%と設定された場合、例えばバッファ112内にフレームが無いときには、それぞれのポートに対して50%と設定されていても合流制御部12からは、常にバッファ111に対して排出許可が行われる。
【0039】
(4)さらにポート141,142の割合が50%と設定されている場合、バッファ111,112にそれぞれフレームが保持されているが、バッファ112に保持されているフレームは、バッファ111に保持されているフレーム長の2倍のとき、合流制御部12はバッファ111に対して2フレーム分の排出許可を与えた後にバッファ112に対して1フレーム分の排出許可を与える。その後、再びバッファ111に対して2フレーム分の排出許可を与えるようなサイクルを繰り返す。
【0040】
次に、図3の真理値表を参照して、ポート選択判定動作について説明する。
この真理値表は、バッファ111、112に待機して保管されているイーサフレームが排出される時に、いずれのバッファを選択しなければならないかを決めるための判定基準を定める。ここで、Aポート及びBポートに対応するリーキーバケット211,212に溜まっている現在の蓄積水量をそれぞれγA及びγBと表す。以下、その判定基準について説明する。
【0041】
(1)バッファ111、112のうち片方のバッファにしかフレームが待機していない時には、割合という概念がなく、必ずフレームが溜まっている側のバッファが選ばれる。
(2)バッファ111,112の両方にイーサフレームが保管されて待機している場合、初めて図2によるリーキーバケット21の蓄積水量比較を実施する。
図3の表では必ず水量が少ない方をポート選択する真理値となっており、対抗ポートよりも水量が多く溜まっていれば、設定割合よりも多くのデータを通しているとみなせるので、溜まっている水の少ない方を選んで、イーサフレームを通すように制御する。
【0042】
(3)バッファ111、112の双方にフレームが保管されて待機している状態において、リーキーバケット211,212が同じ水量であった場合には、本質的にバッファ111、112のいずれに排出許可を出しても問題は無い(処理としては同等)。
制御上重要なことは、バッファ111,112の双方にフレームが待機している場合、常にリーキーバケット211,212を比較して溜まっている水の少ない方が選択されるということである。
【0043】
このようなリーキーバケットモデルを利用して、経時的にパケットを受信する度に蓄積水量算出に相当させ、容易に帯域算出することで、ハードウェア的にも簡単な回路となり、予め設定された割合にてポート間の流入パケットを的確に制限する効果を得ることができる。
【0044】
本実施例によれば、Aポートを、例えば帯域30%として音声を割り当て、Bポートを帯域70%として高速データ端末を割り当ててインターネットを利用するような設定契約の場合、その他の契約者が悪意で帯域30%のAポートに高速データ端末を接続換えしたときでも、帯域70%のBポートを保障できる。さらに、保守運用等を目的としてAポートに高速データ端末を接続する場合、Bポートが未使用ならば帯域は開放され、Aポートにて高速データ端末が100%使用可能となる。
【0045】
次に、図4を参照してパケット受信制限制御動作について説明する。
最初に、受信フレームの有無の確認し(S400)、排出判定により排出許可するAポート又はBポートを選択する(S401)。
【0046】
選択された各ポートでは、同じ処理を独自に行う。本実施例ではポートAにおける処理について説明する。なお、Bポートの処理S412はAポートと同様のため図示を省略している。
Aポートにおいて、バッファ111から1フレーム読出して(S403)、この値の現在の時刻t1から、以前に読み出されたデータの時刻t0を減算し、経過時刻t(=t1-t0)、漏れ水率δから、漏れ水量ΔAの算出を、式(1)より算出する(S404))。
漏れ水量を求める関係式は、
ΔA=δ×t ・・・(1)
となる。
【0047】
次に、読み出されたフレーム長より、注入水量ΦAの算出して(S405)、リーキーバケット蓄積水量γAを、式(2)より算出して、その算出値を更新して保存する(S406)。
リーキーバケット蓄積水量を求める関係式は、
γA=γA+ΦA−ΔA ・・・(2)
となる。
【0048】
次に、図5以降を参照して、第2の実施例について説明する。
この例は、図2及び図4を更に拡張した例であり、リーキーバケットが3つ以上の複数ポートにおける適用例について説明するものである。
複数ポートにおけるリーキーバケット間の水量関係の組み合わせは、
2ポートの場合・・・ 2通り(∵2×1)
3ポートの場合・・・ 6通り(∵3×2×1)
4ポートの場合・・・ 24通り(∵4×3×2×1)・・・(3)
5ポートの場合・・・ 120通り(∵5×4×3×2×1)
nポートの場合・・・nの階乗通り(∵n!)
となる。
【0049】
各ポートのフレームの有無の組み合わせは、
2ポートの場合・・・ 4通り(∵22)
3ポートの場合・・・ 8通り(∵23)
4ポートの場合・・・ 16通り(∵24)・・・(4)
5ポートの場合・・・ 32通り(∵25)
nポートの場合・・・2のn乗通り(∵2n)
となる。
【0050】
選択ポートでの取り扱い事象数は、次の関係式から求められる。
(リーキーバケット間の水量関係の組み合わせ)×(各ポートのフレームの有無の組み合わせ)
よって、複数ポートにおける選択ポートでの取り扱い事象数は、
2ポートの場合・・・ 8通り(∵2×4)
3ポートの場合・・・ 48通り(∵6×8)
4ポートの場合・・・ 384通り(∵24×16)・・・(5)
5ポートの場合・・・3840通り(∵120×32)
となることが分かる。
【0051】
例えば、4つのポートにおける受付制限制御を実施する場合、ポート選択での取り扱う事象は、式(3)×(4)=(5)の384通りあり、排出ポート決定の論理的なアルゴリズムは明解であることが分かる。
【0052】
本実施例は、リーキーバケット間の水量関係の組み合わせは、nの階乗通り(n!)であるが、これは各ポートにおけるリーキーバケットの水量が多いまたは、少ないという関係が明確に定まる場合の組み合わせであり、これが定まらない(水量が等しい)場合においては、次の関係式が成り立つ。
γA > (γB = γC) > γD
これはポートBとポートCの蓄積水量が同等であることを意味し、本実施例ではこれらポート間での蓄積水量の多いまたは、少ないという以下の関係と同等と見なすことができる。
γA > (γB > γC) > γD
γA > (γC > γB) > γD
図5は、複数ポートの場合の排出パケット決定手順を示すフローチャートである。
まず、n=0として初期化をして(S501)、蓄積水量が最少のバケツのポートを検索する(S502)。次に、そのポートに排出すべきフレームが待機しているかの有無を確認する(S503)。ここで、当該ポートに排出すべきフレームが無い場合、及びフレームが有る場合には、当該ポートの排出許可を出し(S504)、その後、ステップS505に遷移して、設定ポート値Nへのn=n+1の加算を実行する(S505)。
【0053】
そして、先の設定ポート値Nへの確認にて、n=Nの場合を排出パケット決定における手順終了と判断する(S506)。
一方、n≠Nの場合は、先のステップS502にて検索した次に蓄積水量が少ないバケツのポートを検索して(S507)、ステップS503に遷移してそのポートに排出すべきフレームが待機しているかの有無を確認する。
以降、ステップS506で先の設定ポート値Nへの確認にて、n=Nとなり排出パケット決定における手順終了と判断されるまで、このステップS507への遷移を繰り返す。
【0054】
図6は、複数パケット合流制御部12の機能ブロック図、図7A〜図7Fは、図6の例による複数ポート選択判定部62の判定における真理値表を示す。
本実施例では、4ポートの場合の動作について説明する。
リーキーバケット611〜614は、それぞれのUNIポート(Aポート〜Dポート)に対応して予め設定されるリーキーバケットである。UNIポートにて可変長パケットが受信されると、パケット長に応じて流入パケットの注入水量算出部601〜604によって注入する注入水量(ΦA〜ΦD)が新たに算出される。
【0055】
同時に、それぞれのポートは一つ前に受信されたパケットの時刻から、新しく受信されたパケットの時刻を減算して時刻差分から、ポートの流入割合の設定変数となる漏れ水率(δA〜δD)を乗じてパケット受信時点における漏れ水量(ΔA〜ΔD)を算出し、注入水量(ΦA〜ΦD)、漏れ水量(ΔA〜ΔD)から最終的な蓄積水量(γA〜γD)が算出され記憶される。
【0056】
UNIポートの現在の蓄積水量(γA〜γD)、並びに転送するパケットの存在情報を基に、ポート選択判定部62にて図7に示す受信ポート選択部の判定における真理値(“1”で示す部分が有意)にて判定を行い、合流させるポートを384通りから選択する。排出(許可)制御を受信した各パケットバッファは、パケットセレクタ63にてフレーム毎に排出処理をして出力される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】一実施例によるパケット制御装置の構成を示す図。
【図2】パケット制御装置における合流制御部12の機能ブロック図。
【図3】ポート選択判定部204における判定のための真理値表を示す図。
【図4】一実施例(第1の実施例)におけるパケット受信制限制御動作を示すフローチャート。
【図5】一実施例(第2の実施例)による複数ポートを有する場合の排出パケット決定手順を示すフローチャート。
【図6】一実施例による複数パケット合流制御部12の機能ブロック図。
【図7A】複数ポート選択部の判定における真理値表を示す図。
【図7B】複数ポート選択部の判定における真理値表を示す図。
【図7C】複数ポート選択部の判定における真理値表を示す図。
【図7D】複数ポート選択部の判定における真理値表を示す図。
【図7E】複数ポート選択部の判定における真理値表を示す図。
【図7F】複数ポート選択部の判定における真理値表を示す図。
【符号の説明】
【0058】
1:パケット制御装置 101,102:パケット抽出フロー判定部 11,111,112:パケットバッファ 12:合流制御部 13:制御部 14,141,142:受信ポート 15:送信ポート
201,20:注水量算出部 211,212,21:リーキーバケット 22:ポート選択判定部 23:パケットセレクタ。
【技術分野】
【0001】
本発明はパケット制御装置および方法に係り、特に、複数の受信ポートから流入するパケットを合流制御して送信ポートから送出するパケットの流量制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
イーサネット(IEEE802.3)ポートのような、複数の受信ポートを持った実用的なパケット転送装置において、複数の受信ポートから入力されるパケットの物理帯域が合流送信する物理帯域を越える場合、流量制限して受信ポートから流入するパケットの受付を抑制するフロー制御技術が知られている。
【0003】
ところで、斯かるパケット制御装置がフロー制御に対応できない場合、或いはフロー制御を行う装置で多量のパケットを蓄積するに足りる十分な容量のパケットバッファを持っていない場合がある。このような場合には、パケットの合流送信する物理帯域を超えて、一方的、連続的にパケットが送り込まれると、やがて受信ポート間で不規則にパケットロスが発生し、結果的に意図しない伝送品質の劣化を招くことになる。
【0004】
そこで、通常、パケット制御装置では、フロー制御を行うのと同時にポリシングと呼ばれる流入制限制御をそれぞれの受信ポートで行っている。即ち、パケット制御装置に受付パケットを精度高く制限し、廃棄する機構を持たせ、ポリシングの流入制限制御手段を用いて受信ポート間で不規則にパケットロスが発生することを流入段階で未然に防ぐ仕組みを適用している。
【0005】
然しながら、近年開発されるこれら装置は、それぞれの受信ポートから入力された帯域が、パケットが合流した後の物理帯域の超過の可能性がある場合にのみ、流入制限が作用し、その合流後の物理帯域の超過の可能性が無い場合には、流入制限を速やかに開放することができない。また、特許文献1(特開2005−260430号公報)には、合流後の物理帯域を超過しようとする時に、それぞれの受信ポートから流入する帯域を一定制限、若しくは平等化する技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−260430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に開示されているパケット中継装置においては、受信ポートから流入する帯域を一定制限、若しくは平等化することは可能であっても、受信ポート間の流入割合までも容易に決めることは困難である。
【0008】
また、特許文献1には、合流送信する側の物理帯域状況に応じて、一定流入制限処理する手段、高精度に流入制限する技術が開示されているが、受信ポート間の割合を設定し流入制限する方法や、流入制限を不要とする場合に、設定する割合を開放する技術については開示されていない。
【0009】
本発明は、受信ポート間のパケットの受付流量割合を一定の精度で決めることを可能とし、かつパケット出力の物理帯域を越える可能性が無い場合は受付制限を開放するようにパケットの受付制限制御を行うことにある。
本発明は、より具体的に言えば、複数の受信ポートから入力されるパケットの合計帯域が、その合流送信する物理帯域を越える場合、複数の受信ポートからのパケットの流入状況を速やかに把握し、予め設定された流入割合へそれぞれの受信ポートに対して一定の精度で流入制限し、その合流送信する物理帯域の超過の可能性が無い場合は、各受信ポートに対して行った流入制限を開放することにある。
本発明は、パケットの流入制限処理とその開放処理を、合流出力の物理帯域状況に応じて経済的で容易な回路を用いて実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、複数の受信ポートから入力されるパケットの合計帯域が、その合流送信する物理帯域を越える場合、複数の受信ポートからのパケットの流入状況を速やかに把握し、予め設定された流入割合へそれぞれの受信ポートに対して一定の精度で流入制限し、その合流送信する物理帯域の超過の可能性が無い場合は、各受信ポートに対して行った流入制限を開放するように制御する。
【0011】
本発明の係るパケット制御装置は、好ましい例によれば、複数の受信ポートから入力されるパケットを合流して送信ポートから送出するパケット制御装置であって、該複数の受信ポートから入力されるパケットを一時的に格納する複数のバッファと、該複数のバッファから出力される複数のパケットの合流する割合を設定する制御部と、該制御部により設定された割合に従って該複数バッファから出力される該パケットを合流させる合流制御部と、を有し、該合流制御部で合流されたパケットを該送信ポートから送出することを特徴とするパケット制御装置として構成される。
【0012】
好ましい例では、前記合流制御部は、該受信ポートにおけるパケットの受信制御に対して適用されたリーキーバケットモデルの実行において、各受信ポートにパケットが受信された場合、該パケットの流入量をリーキーバケットの注水量に相当させ、さらに送受信におけるポート間の合流割合の設定をリーキーバケットの漏水量の割り当てに相当させ、合流割合判定として複数のリーキーバケットの流入と合流割合における現在の蓄積水量を比較して、蓄積量が少ないポートに対してパケットを流入するように制御する。
【0013】
また、別の表現をすれば、好ましくは、複数の受信ポートに入力され合流する合計帯域よりも、合流後の物理帯域の方が帯域の狭い環境下におけるパケットの受信制限を行うパケット制御装置であって、該複数の受信ポートから入力されるパケットを一時的に格納する複数のバッファと、該複数のバッファから出力される複数のパケットの合流する割合を設定する制御部と、該制御部により設定された割合に従って該複数バッファから出力される該パケットを合流させる合流制御部と、を有し、前記合流制御部は、該パケットが合流した後の物理帯域を割合配分において、予め設定された割合を超えるパケットについて前記バッファのオーバーフローでパケットの廃棄処理をするように制御し、
かつ前記制御部による割合配分により、いずれかの受信ポートにおけるパケット入力帯域が予め設定された値に満たない場合は、パケットの合流後の物理帯域を他の受信ポートに開放するように制御することを特徴とするパケット制御装置として構成される。
【0014】
本発明の係るパケット制御方法は、好ましい例によれば、複数の受信ポートから入力されるパケットを合流して送信ポートから送出するパケット制御方法であって、該複数の受信ポートから入力されるパケットを複数のバッファに一時的に格納するステップと、該複数のバッファから出力される各パケットの合流する割合を設定するステップと、該設定された割合に従って、該複数のバッファから出力される該パケットを合流させるステップと、該合流された該パケットを送信ポートから送出するステップと、を有することを特徴とするパケット制御方法として構成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、流入するパケットを、そのパケット長に応じてリーキーバケットモデルを適用して漏れる水量を算出するため、パケットが装置に到着する毎に帯域算出した場合でも、経時的に帯域算出して平均監視をした場合と同等であり、ハードウェア構成を容易にすることができる。
【0016】
さらに、受信ポート間の偏りを経時的に帯域算出することで防ぐことができるため、流入するパケット長に依存されず、経時的に良好なパケット受信制限をすることができる。
それぞれの受信ポートに予め設定されたリーキーバケットの蓄積水量の比較処理で流入パケット引込みの判定することで、合流送信側の物理帯域に満たないパケット流入に対してはその流入制限を開放し、合流送信側の物理帯域が限界に近づいた場合に対しては、リーキーバケットの漏れる水量に相当させて流入制限する。また、流入制限が不要な場合は流入制限を開放するという処理が可能である。
【0017】
さらに、受信ポート毎に受信制限の判断処理であるポリシング装置が不要となり、経済的で且つ簡単な回路構成でパケット受付制限を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
例えば、FTTH(Fiber To The Home)によるトリプルプレイサービスを受けようとする場合、一般的には各家庭にネットワーク装置が設置され、契約者が各種サービスを受ける際に、そのネットワーク装置には通信事業者の通信設備とエンドユーザー側の設備を接続する複数のUNI(User Network Interface)ポートが設けられる。特にFTTHサービスでは、遅延規格に厳しい音声系と高速データ系で2つのUNIポートを設けることが多く、このUNIポートに流入するパケットを合流多重することで通信事業者側へ伝送し、通信が可能となってサービスを受けられる。
【0019】
図1は、一実施例によるパケット制御装置の構成を示す。
このパケット制御装置1は、受信ポートとしてポート141とポート142(両者を総称して受信ポート14ということがある)の2系統のUNIポートと、1つの送信ポート15と、パケット抽出フロー判定部101,102(総称して10ということがある)と、パケットバッファ(以下単にバッファという)111,112(総称して11ということがある)と、受信したパケットを合流する合流制御部12と、パケット抽出フロー判定部10及びバッファ11及び合流制御部12を制御する制御部13、を有する。各構成部はLSI化されたハードウェア回路で構成される。ここで、ポート141は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)用の高速データ転送系であり、ポート142はIP電話用の音声系として使用される。
【0020】
各受信ポート14より可変長パケットが経時的に受信される。その受信パケットはパケット抽出フロー判定部10によりフロー制御されて、対応するバッファ11に一時的に保管される。パケット抽出フロー判定部10は、バックプレッシャー信号S1によりバッファ11内のフレームの存在状態を監視しており、排出許可と判断した場合、バッファ111内のパケットとバッファ112内のパケットは、合流制御部12において、予め定められた割合で合流制御されて、送信ポート15より送出される。
合流制御部12におけるパケットの合流制御は、好ましくは、リーキーバケットモデルを利用して、経時的にパケットを受信する度にそれを蓄積水量算出に相当させ、帯域算出を容易にすることで、予め設定された割合で受信ポートから流入するパケットを最適に制限する。この機能及び動作については、後で詳しく述べる。
【0021】
次に、パケット抽出フロー判定部10の機能及び作用について説明する。
パケット抽出フロー判定部10は、パケットの抽出機能とフロー判定機能に分かれる。その意味では、パケットの抽出部とフロー判定部といってもよいであろう。
例えば、イーサネットインタフェースの場合、LAN上を転送されるイーサフレームは、PHYチップによって電気変換・速度変換処理された後、受信ポート14から入力される。
ギガビットイーサネットの場合、受信ポート14の切り口は例えばGMII規格に従う。
GMII規格によれば、受信ポート14の内側で、その前段のPHYチップからイーサフレームを受け取らなければならない。そのため、データバス上に存在しているイーサフレームを抽出し、その長さやイーサフレーム自体の正常性を検査して入力パケットとして認識する。以上が受信ポート14におけるパケット抽出機能である。
【0022】
イーサフレームは、規定されない任意のタイミングで受信ポート14から入力されるので、イーサフレームの待合わせ処理を行わなければならない場合には、次に受信ポート14から入ってくるイーサフレームを消滅させてはならない。そのためにバッファ11は、受信したイーサフレームを一時的に保管する。
フロー判定は、任意のタイミングでポートから入ってくるイーサフレームを消滅させない為の一つの機能である。フロー制御手順はIEEE規定に例示されており、フロー制御専用のイーサフレームが国際規格化されている。
【0023】
フロー判定とは、このポーズフレーム(Pause Frame)を用いてフレームが消滅することを救済するための救済制御である。以下にその制御動作例を示す。
(1)例えば、受信ポート141から複数のイーサフレームが短時間に大量に入力している場合、合流制御部合流制御部12で行われるフレーム受信処理が間に合わない為、受信ポート141から入力されたイーサフレームはバッファ111に保持される。
(2)バッファ111に保持されたイーサフレームの量が、予め決められた上限閾値を上回った場合、フロー判定部バッファ111がバッファ111内の状態をバックプレッシャー信号S1により検出し、フローモードに入る。
【0024】
(3)閾値への危険を検出したフロー判定部バッファ111は、受信ポートバッファ111の出力側(図1には入力側のみ示す)が、受信ポートバッファ111の出力側回路も存在して双方向のポート処理が行われる。
(4)ポーズフレームを一定周期で自動的に当該パケット制御装置1の送信ポートから出力するように命令する。
(5)このパケット制御装置1を目がけて、イーサフレームを大量に送出しているデバイスは、このパケット制御装置1が出力するポーズフレームを受け取ると、それまで大量に送出していたフレームの出力を一時的に停止する。停止する時間は、そのポーズフレームに記載されている。
【0025】
(6)すると、パケット制御装置1の受信ポート141に入って来るイーサフレームが一時的に無くなり、合流制御部12による受信処理が継続され、バッファ111に保持されているフレームが減少して行く。
(7)バッファ111に保持されたフレームの量が、予め決められた下限閾値を下回った場合、フロー判定部バッファ111はバッファ111が安全領域に入ったということをバックプレッシャー信号S1により検出して、フローモードを停止する。
(8)安全状態を検出したフロー判定部バッファ111は、受信ポート141の出力側からポーズフレームを出さないよう命令する。このパケット制御装置1を目がけて、イーサフレームを送出することを見合わせていたデバイスは、ポーズフレームを検出しなくなって、再びフレームを送出し始める。
【0026】
上記(1)〜(8)の動作を繰り返すことによって、フレームが消滅することが救済される。しかし、フレームを送出して来る送信元のデバイスがポーズフレームを検出できない等、フロー判定に対応できない場合には、当該パケット制御装置1からいくらポーズフレームを送ってもフレーム送信を止めないことになる。その場合は、受信ポート141、受信ポート142間で不規則にイーサフレームが消滅する危険が発生する。この危険性を防止するために、本発明による割合設定に従った合流制御部を行うことが有意義となる。
【0027】
この様なフロー制御は、ポーズフレームをデバイス間で受け渡すことで成し遂げられる待合わせ制御となる。その場合、パケット送信元もかなり大きなバッファを持たなければならない。仮に送信元のバッファ容量が小さいと、当該パケット制御装置1から送信元へいくらポーズフレームを送っても、フレーム停止しない危険が有る。本発明の割合設定によるパケット受付制限制御によれば、このような場合にも有意義である。
【0028】
実際、送信元のバッファ容量がどの程度有るか、またどの程度の処理能力を持っているか、等、性能は分からないことが多い。本発明の合流制御部12の処理機能を持つことにより、送信元の処理能力を考慮しなくて済み、ネットワーク全体の設計もし易くなるという大きな効果がある。
【0029】
次に、合流制御部12の機能及び作用について説明する。
図2に、合流制御部12の機能ブロックを示す。
合流制御部12は、注入算出部201(20と総称することがある)、リーキーバケット(漏れバケツ)211,212(21と総称することがある)、ポート選択判定部22、及びパケットセレクタ23を有して構成される。
【0030】
リーキーバケット211は、漏れバケツ機能を理解し易くするために概念的に表現している。注入算出部201によって算出された“水”が注ぎ込まれて、一定周期で水が漏れていく様子を表している。従って、ポート選択判定部22が許可しない限り、この漏れバケツには水が溜まらないことになる。回路的には、リーキーバケット21はアキュームレータで構成される。注入算出部20は、回路的には足算器である。リーキーバケット21は、注入算出部20で足し算された、漏れ水量を減算し、その減算結果をアキュームレータに記憶保持する。
【0031】
ポート選択判定部22は、各バッファ11のイーサフレーム蓄積状態(即ち各バッファ11内にフレームが有るか否か)、及びリーキーバケット21に示す蓄積水量状態(即ち何れのバケツの水量が多いか)を判定し、バッファ11に対して排出許可を与える。例えば、バッファ111にフレームが全然溜まっていない場合には、そのバッファ111に対して排出許可を出さない。
【0032】
ポート選択判定部22がバッファ111に対してフレームの排出許可を出すと、バッファ111からイーサフレームが1フレームだけ読み出される。その時、注入算出部201はバッファ111から送られてきたフレームの長さをカウンタ(図示せず)で計測してその長さ(即ちカウンタ値)を水量へ変換する。
パケットセレクタ23は、ポート選択判定部22で許可が与えられたポートのフレームを通過させるように、フレーム単位にポートを選択する。
【0033】
リーキーバケット21は、それぞれのUNIポートに予め設定されるリーキーバケット、例えば、漏れバケツであり、UNIポートにて可変長パケットが受信されると、パケット長に応じて流入パケットの注入水量算出部200、202によって注入する注入水量(Φ)が新たに算出される。
【0034】
同時に、それぞれのポートは一つ前に受信されたパケットの時刻から、新しく受信されたパケットの時刻を減算して時刻差分から、ポートの流入割合の設定変数となる漏れ水率(δ)を乗じてパケット受信時点における漏れ水量(Δ)を算出し、注入水量(Φ)、漏れ水量(Δ)から最終的な蓄積水量(γ)が算出され記憶される。
【0035】
UNIポートの現在の蓄積水量(γ)、並びに転送するパケットの存在情報を元に、ポート選択判定部204にて図3に示す受信ポート選択部の判定における真理値(“1”に示す部分が有意)にて判定を行い、合流させるポートを選択する。排出(許可)制御を受信した該当バッファ111、112はパケットセレクタ23からフレーム毎に排出処理をして出力される。
【0036】
次に、合流制御部12の制御動作について説明する。
バッファ111、112に保持されているイーサフレームは、合流制御部12の許可によって読み出される。合流制御部12は、受信ポート141,142から対応するバッファ111,112へ流入するイーサフレームの割合は、合流制御部12により予め設定されており、この割合がバッファ11からのイーサフレームの排出許可に反映される。
合流制御部12の具体的な制御動作例を以下に記す。
【0037】
(1)ポート141に対する割合が100%と設定されれば、他方のポート142に対応したバッファ112に対する排出許可は一切行われない。
(2)ポート141と142に対する割合が、それぞれ50%と設定されている場合、バッファ111,112に保持されているフレームが全て同じ長さ(情報量)であれば、合流制御部12からバッファ111,112に向けて1フレーム毎に交互に排出許可が出る。
【0038】
(3)ポート141,142の割合が50%と設定された場合、例えばバッファ112内にフレームが無いときには、それぞれのポートに対して50%と設定されていても合流制御部12からは、常にバッファ111に対して排出許可が行われる。
【0039】
(4)さらにポート141,142の割合が50%と設定されている場合、バッファ111,112にそれぞれフレームが保持されているが、バッファ112に保持されているフレームは、バッファ111に保持されているフレーム長の2倍のとき、合流制御部12はバッファ111に対して2フレーム分の排出許可を与えた後にバッファ112に対して1フレーム分の排出許可を与える。その後、再びバッファ111に対して2フレーム分の排出許可を与えるようなサイクルを繰り返す。
【0040】
次に、図3の真理値表を参照して、ポート選択判定動作について説明する。
この真理値表は、バッファ111、112に待機して保管されているイーサフレームが排出される時に、いずれのバッファを選択しなければならないかを決めるための判定基準を定める。ここで、Aポート及びBポートに対応するリーキーバケット211,212に溜まっている現在の蓄積水量をそれぞれγA及びγBと表す。以下、その判定基準について説明する。
【0041】
(1)バッファ111、112のうち片方のバッファにしかフレームが待機していない時には、割合という概念がなく、必ずフレームが溜まっている側のバッファが選ばれる。
(2)バッファ111,112の両方にイーサフレームが保管されて待機している場合、初めて図2によるリーキーバケット21の蓄積水量比較を実施する。
図3の表では必ず水量が少ない方をポート選択する真理値となっており、対抗ポートよりも水量が多く溜まっていれば、設定割合よりも多くのデータを通しているとみなせるので、溜まっている水の少ない方を選んで、イーサフレームを通すように制御する。
【0042】
(3)バッファ111、112の双方にフレームが保管されて待機している状態において、リーキーバケット211,212が同じ水量であった場合には、本質的にバッファ111、112のいずれに排出許可を出しても問題は無い(処理としては同等)。
制御上重要なことは、バッファ111,112の双方にフレームが待機している場合、常にリーキーバケット211,212を比較して溜まっている水の少ない方が選択されるということである。
【0043】
このようなリーキーバケットモデルを利用して、経時的にパケットを受信する度に蓄積水量算出に相当させ、容易に帯域算出することで、ハードウェア的にも簡単な回路となり、予め設定された割合にてポート間の流入パケットを的確に制限する効果を得ることができる。
【0044】
本実施例によれば、Aポートを、例えば帯域30%として音声を割り当て、Bポートを帯域70%として高速データ端末を割り当ててインターネットを利用するような設定契約の場合、その他の契約者が悪意で帯域30%のAポートに高速データ端末を接続換えしたときでも、帯域70%のBポートを保障できる。さらに、保守運用等を目的としてAポートに高速データ端末を接続する場合、Bポートが未使用ならば帯域は開放され、Aポートにて高速データ端末が100%使用可能となる。
【0045】
次に、図4を参照してパケット受信制限制御動作について説明する。
最初に、受信フレームの有無の確認し(S400)、排出判定により排出許可するAポート又はBポートを選択する(S401)。
【0046】
選択された各ポートでは、同じ処理を独自に行う。本実施例ではポートAにおける処理について説明する。なお、Bポートの処理S412はAポートと同様のため図示を省略している。
Aポートにおいて、バッファ111から1フレーム読出して(S403)、この値の現在の時刻t1から、以前に読み出されたデータの時刻t0を減算し、経過時刻t(=t1-t0)、漏れ水率δから、漏れ水量ΔAの算出を、式(1)より算出する(S404))。
漏れ水量を求める関係式は、
ΔA=δ×t ・・・(1)
となる。
【0047】
次に、読み出されたフレーム長より、注入水量ΦAの算出して(S405)、リーキーバケット蓄積水量γAを、式(2)より算出して、その算出値を更新して保存する(S406)。
リーキーバケット蓄積水量を求める関係式は、
γA=γA+ΦA−ΔA ・・・(2)
となる。
【0048】
次に、図5以降を参照して、第2の実施例について説明する。
この例は、図2及び図4を更に拡張した例であり、リーキーバケットが3つ以上の複数ポートにおける適用例について説明するものである。
複数ポートにおけるリーキーバケット間の水量関係の組み合わせは、
2ポートの場合・・・ 2通り(∵2×1)
3ポートの場合・・・ 6通り(∵3×2×1)
4ポートの場合・・・ 24通り(∵4×3×2×1)・・・(3)
5ポートの場合・・・ 120通り(∵5×4×3×2×1)
nポートの場合・・・nの階乗通り(∵n!)
となる。
【0049】
各ポートのフレームの有無の組み合わせは、
2ポートの場合・・・ 4通り(∵22)
3ポートの場合・・・ 8通り(∵23)
4ポートの場合・・・ 16通り(∵24)・・・(4)
5ポートの場合・・・ 32通り(∵25)
nポートの場合・・・2のn乗通り(∵2n)
となる。
【0050】
選択ポートでの取り扱い事象数は、次の関係式から求められる。
(リーキーバケット間の水量関係の組み合わせ)×(各ポートのフレームの有無の組み合わせ)
よって、複数ポートにおける選択ポートでの取り扱い事象数は、
2ポートの場合・・・ 8通り(∵2×4)
3ポートの場合・・・ 48通り(∵6×8)
4ポートの場合・・・ 384通り(∵24×16)・・・(5)
5ポートの場合・・・3840通り(∵120×32)
となることが分かる。
【0051】
例えば、4つのポートにおける受付制限制御を実施する場合、ポート選択での取り扱う事象は、式(3)×(4)=(5)の384通りあり、排出ポート決定の論理的なアルゴリズムは明解であることが分かる。
【0052】
本実施例は、リーキーバケット間の水量関係の組み合わせは、nの階乗通り(n!)であるが、これは各ポートにおけるリーキーバケットの水量が多いまたは、少ないという関係が明確に定まる場合の組み合わせであり、これが定まらない(水量が等しい)場合においては、次の関係式が成り立つ。
γA > (γB = γC) > γD
これはポートBとポートCの蓄積水量が同等であることを意味し、本実施例ではこれらポート間での蓄積水量の多いまたは、少ないという以下の関係と同等と見なすことができる。
γA > (γB > γC) > γD
γA > (γC > γB) > γD
図5は、複数ポートの場合の排出パケット決定手順を示すフローチャートである。
まず、n=0として初期化をして(S501)、蓄積水量が最少のバケツのポートを検索する(S502)。次に、そのポートに排出すべきフレームが待機しているかの有無を確認する(S503)。ここで、当該ポートに排出すべきフレームが無い場合、及びフレームが有る場合には、当該ポートの排出許可を出し(S504)、その後、ステップS505に遷移して、設定ポート値Nへのn=n+1の加算を実行する(S505)。
【0053】
そして、先の設定ポート値Nへの確認にて、n=Nの場合を排出パケット決定における手順終了と判断する(S506)。
一方、n≠Nの場合は、先のステップS502にて検索した次に蓄積水量が少ないバケツのポートを検索して(S507)、ステップS503に遷移してそのポートに排出すべきフレームが待機しているかの有無を確認する。
以降、ステップS506で先の設定ポート値Nへの確認にて、n=Nとなり排出パケット決定における手順終了と判断されるまで、このステップS507への遷移を繰り返す。
【0054】
図6は、複数パケット合流制御部12の機能ブロック図、図7A〜図7Fは、図6の例による複数ポート選択判定部62の判定における真理値表を示す。
本実施例では、4ポートの場合の動作について説明する。
リーキーバケット611〜614は、それぞれのUNIポート(Aポート〜Dポート)に対応して予め設定されるリーキーバケットである。UNIポートにて可変長パケットが受信されると、パケット長に応じて流入パケットの注入水量算出部601〜604によって注入する注入水量(ΦA〜ΦD)が新たに算出される。
【0055】
同時に、それぞれのポートは一つ前に受信されたパケットの時刻から、新しく受信されたパケットの時刻を減算して時刻差分から、ポートの流入割合の設定変数となる漏れ水率(δA〜δD)を乗じてパケット受信時点における漏れ水量(ΔA〜ΔD)を算出し、注入水量(ΦA〜ΦD)、漏れ水量(ΔA〜ΔD)から最終的な蓄積水量(γA〜γD)が算出され記憶される。
【0056】
UNIポートの現在の蓄積水量(γA〜γD)、並びに転送するパケットの存在情報を基に、ポート選択判定部62にて図7に示す受信ポート選択部の判定における真理値(“1”で示す部分が有意)にて判定を行い、合流させるポートを384通りから選択する。排出(許可)制御を受信した各パケットバッファは、パケットセレクタ63にてフレーム毎に排出処理をして出力される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】一実施例によるパケット制御装置の構成を示す図。
【図2】パケット制御装置における合流制御部12の機能ブロック図。
【図3】ポート選択判定部204における判定のための真理値表を示す図。
【図4】一実施例(第1の実施例)におけるパケット受信制限制御動作を示すフローチャート。
【図5】一実施例(第2の実施例)による複数ポートを有する場合の排出パケット決定手順を示すフローチャート。
【図6】一実施例による複数パケット合流制御部12の機能ブロック図。
【図7A】複数ポート選択部の判定における真理値表を示す図。
【図7B】複数ポート選択部の判定における真理値表を示す図。
【図7C】複数ポート選択部の判定における真理値表を示す図。
【図7D】複数ポート選択部の判定における真理値表を示す図。
【図7E】複数ポート選択部の判定における真理値表を示す図。
【図7F】複数ポート選択部の判定における真理値表を示す図。
【符号の説明】
【0058】
1:パケット制御装置 101,102:パケット抽出フロー判定部 11,111,112:パケットバッファ 12:合流制御部 13:制御部 14,141,142:受信ポート 15:送信ポート
201,20:注水量算出部 211,212,21:リーキーバケット 22:ポート選択判定部 23:パケットセレクタ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の受信ポートから入力されるパケットを合流して送信ポートから送出するパケット制御装置であって、
該複数の受信ポートから入力されるパケットを一時的に格納する複数のバッファと、該複数のバッファから出力される複数のパケットの合流する割合を設定する制御部と、該制御部により設定された割合に従って該複数バッファから出力される該パケットを合流させる合流制御部と、を有し、該合流制御部で合流されたパケットを該送信ポートから送出することを特徴とするパケット制御装置。
【請求項2】
前記合流制御部は、該受信ポートにおけるパケットの受信制御に対して適用されたリーキーバケットモデルの実行において、各受信ポートにパケットが受信された場合、該パケットの流入量をリーキーバケットの注水量に相当させ、さらに送受信におけるポート間の合流割合の設定をリーキーバケットの漏水量の割り当てに相当させ、合流割合判定として複数のリーキーバケットの流入と合流割合における現在の蓄積水量を比較して、蓄積流水量が少ないポートに対してパケットを流入するように制御することを特徴とする請求項1のパケット制御装置。
【請求項3】
複数の受信ポートに入力され合流する合計帯域よりも、合流後の物理帯域の方が帯域の狭い環境下におけるパケットの受信制限を行うパケット制御装置であって、
該複数の受信ポートから入力されるパケットを一時的に格納する複数のバッファと、該複数のバッファから出力される複数のパケットの合流する割合を設定する制御部と、該制御部により設定された割合に従って該複数バッファから出力される該パケットを合流させる合流制御部と、を有し、
前記合流制御部は、該パケットが合流した後の物理帯域を割合配分において、予め設定された割合を超えるパケットについて前記バッファのオーバーフローでパケットの廃棄処理をするように制御し、
かつ前記制御部による割合配分により、いずれかの受信ポートにおけるパケット入力帯域が予め設定された値に満たない場合は、パケットの合流後の物理帯域を他の受信ポートに開放するように制御することを特徴とするパケット制御装置。
【請求項4】
複数の受信ポートから入力されるパケットを合流して送信ポートから送出するパケット制御方法であって、
該複数の受信ポートから入力されるパケットを複数のバッファに一時的に格納するステップと、該複数のバッファから出力される各パケットの合流する割合を設定するステップと、該設定された割合に従って、該複数のバッファから出力される該パケットを合流させるステップと、該合流された該パケットを送信ポートから送出するステップと、を有することを特徴とするパケット制御方法。
【請求項5】
前記合流制御において、該受信ポートにおけるパケットの受信制御に対して適用されたリーキーバケットモデルを実行し、各受信ポートにパケットが受信された場合、該パケットの流入量をリーキーバケットの注水量に相当させ、さらに送受信におけるポート間の合流割合の設定をリーキーバケットの漏水量の割り当てに相当させ、合流割合判定として複数のリーキーバケットの流入と合流割合における現在の蓄積水量を比較して、蓄積量が少ないポートに対してパケットを流入するように制御することを特徴とする請求項4のパケット制御方法。
【請求項6】
前記合流制御に際して、該パケットが合流した後の物理帯域を割合配分において予め設定された割合を超えるパケットについて前記バッファのオーバーフローでパケットの廃棄処理をするように制御し、
かつ前記割合配分により、いずれかの受信ポートにおけるパケット入力帯域が予め設定された値に満たない場合は、パケットの合流後の物理帯域を他の受信ポートに開放するように制御することを特徴とする請求項4又は5のパケット制御方法。
【請求項1】
複数の受信ポートから入力されるパケットを合流して送信ポートから送出するパケット制御装置であって、
該複数の受信ポートから入力されるパケットを一時的に格納する複数のバッファと、該複数のバッファから出力される複数のパケットの合流する割合を設定する制御部と、該制御部により設定された割合に従って該複数バッファから出力される該パケットを合流させる合流制御部と、を有し、該合流制御部で合流されたパケットを該送信ポートから送出することを特徴とするパケット制御装置。
【請求項2】
前記合流制御部は、該受信ポートにおけるパケットの受信制御に対して適用されたリーキーバケットモデルの実行において、各受信ポートにパケットが受信された場合、該パケットの流入量をリーキーバケットの注水量に相当させ、さらに送受信におけるポート間の合流割合の設定をリーキーバケットの漏水量の割り当てに相当させ、合流割合判定として複数のリーキーバケットの流入と合流割合における現在の蓄積水量を比較して、蓄積流水量が少ないポートに対してパケットを流入するように制御することを特徴とする請求項1のパケット制御装置。
【請求項3】
複数の受信ポートに入力され合流する合計帯域よりも、合流後の物理帯域の方が帯域の狭い環境下におけるパケットの受信制限を行うパケット制御装置であって、
該複数の受信ポートから入力されるパケットを一時的に格納する複数のバッファと、該複数のバッファから出力される複数のパケットの合流する割合を設定する制御部と、該制御部により設定された割合に従って該複数バッファから出力される該パケットを合流させる合流制御部と、を有し、
前記合流制御部は、該パケットが合流した後の物理帯域を割合配分において、予め設定された割合を超えるパケットについて前記バッファのオーバーフローでパケットの廃棄処理をするように制御し、
かつ前記制御部による割合配分により、いずれかの受信ポートにおけるパケット入力帯域が予め設定された値に満たない場合は、パケットの合流後の物理帯域を他の受信ポートに開放するように制御することを特徴とするパケット制御装置。
【請求項4】
複数の受信ポートから入力されるパケットを合流して送信ポートから送出するパケット制御方法であって、
該複数の受信ポートから入力されるパケットを複数のバッファに一時的に格納するステップと、該複数のバッファから出力される各パケットの合流する割合を設定するステップと、該設定された割合に従って、該複数のバッファから出力される該パケットを合流させるステップと、該合流された該パケットを送信ポートから送出するステップと、を有することを特徴とするパケット制御方法。
【請求項5】
前記合流制御において、該受信ポートにおけるパケットの受信制御に対して適用されたリーキーバケットモデルを実行し、各受信ポートにパケットが受信された場合、該パケットの流入量をリーキーバケットの注水量に相当させ、さらに送受信におけるポート間の合流割合の設定をリーキーバケットの漏水量の割り当てに相当させ、合流割合判定として複数のリーキーバケットの流入と合流割合における現在の蓄積水量を比較して、蓄積量が少ないポートに対してパケットを流入するように制御することを特徴とする請求項4のパケット制御方法。
【請求項6】
前記合流制御に際して、該パケットが合流した後の物理帯域を割合配分において予め設定された割合を超えるパケットについて前記バッファのオーバーフローでパケットの廃棄処理をするように制御し、
かつ前記割合配分により、いずれかの受信ポートにおけるパケット入力帯域が予め設定された値に満たない場合は、パケットの合流後の物理帯域を他の受信ポートに開放するように制御することを特徴とする請求項4又は5のパケット制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【公開番号】特開2009−253420(P2009−253420A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−95990(P2008−95990)
【出願日】平成20年4月2日(2008.4.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(000233295)日立情報通信エンジニアリング株式会社 (195)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月2日(2008.4.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(000233295)日立情報通信エンジニアリング株式会社 (195)
【Fターム(参考)】
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