説明

パスポートのための無線周波数識別装置およびその製作方法

【課題】柔軟性のある優れた特性を有しかつ集積回路モジュールとアンテナ間に信頼性のある接続を確実にするべく、パスポートのような個人情報小冊子に組み入れられるべく設計されたRFIDを提供する。
【解決手段】本発明は、アンテナとアンテナに接続されチップ(12)とからなる無線周波数識別装置を備えた個人情報書類のカバーを製造するための方法に関し、次のステップを含む:基板10上に接続スタッド(13,14)を備えるアンテナ(12)を製作するステップ;接続スタッド(13,14)の間に空洞部(20)を形成するステップ;アンテナ接続スタッドの近傍に接着誘電体材料を配置するステップ;基板上の集積回路モジュール(19)をそのモジュールの接触パッドがアンテナの接続スタッドと相対するように位置決めし、かつモジュールの封じ込めをキャビティ(20)内で実行するステップ;アンテナを含んで基板上に熱接着フィルムの少なくとも1つの層(40,50,60)を堆積するステップ;熱接着フィルムの層(複数を含み)(40または50および60)の上にカバー層(70)を堆積するステップ;および層の組立体を積層するステップ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機密文書のような対象物に組み入れられるべく設計された無線周波数識別装置に関し、特にパスポートに対する無線周波数識別装置の保持体ならびにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触型無線周波数識別装置(RFID)は、規制された立ち入り区域内で移動し、またはある区域から他の区域に移動する人の識別のために、使用頻度が増大してきている。非接触型RFIDは、アンテナとアンテナの端子に接続されたチップとで構成された装置である。このチップは通常は電源が供給されておらず、読み取り機のアンテナとRFIDのアンテナ間の電磁的結合によってエネルギを受け取り、情報、特にRFIDが取り付けられた対象物の所有者の識別に関係し、かつ彼/彼女が規制された立ち入り区域に入るための認証に関係したチップに格納された情報は、RFIDと読み取り機の間で交換される。
【0003】
このようにして、パスポートはRFIDを内蔵してパスポート所有者を識別することができる。チップのメモリは、パスポート所有者の個人情報、彼/彼女の出身国、彼/彼女の国籍、訪問した他国のビザ、入国年月日、移動の制限、生体認証要素(biometric elements)、などのような情報を含んでいる。
【0004】
一般的に、RFID装置はパスポートとは別に製造されて、例えば後でパスポート巻末の白紙とカバーとの間に接着によって組入れられる。そして、互いに接続されているアンテナおよびチップを特色として有するRFID装置は、紙、プラスチックまたはその他から作られた保持体に組込まれる(通例「はめ込み」といわれる)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような保持体は通常は少なくとも2つの堅固な層を含み、その間にRFID装置が挿入される。このような保持体の欠点はそれらの多層構造により柔軟性が欠如することである。
【0006】
このことが、柔軟性のある優れた特性を有しかつ集積回路モジュールとアンテナ間に信頼性のある接続を確実にするべく、パスポートのような個人情報小冊子に組み入れられるべく設計されたRFIDを提供することによって、これらの複数の欠点を対策することが本発明の目的とされる理由である。
【0007】
本発明のもう一つの目的は、パスポートのような個人情報小冊子のために、該小冊子のカバー外側にチップが目に見える跡を残さずに、無線周波数識別装置を組み込むカバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明は、無線周波数識別装置(RFID)が備わった個人情報小冊子カバーの製造方法であり、該装置はアンテナと、アンテナに接続されたチップを特色として有し、該方法は以下のステップを包む:
− 紙または合成紙保持体上に、複数の接触部(contacts)を特色として有するアンテナを製造するステップ、
− アンテナの複数の接触部間に逃げ(リセス:recess)を形成するステップ、
− 複数のアンテナ接触部付近のアンテナ保持体上に接着導電性材料を配置するステップ、
− 保持体上に集積回路モジュールを位置付けするステップであって、該モジュールは複数の接触部グループとモジュールの封止体内部で複数の接触部グループに接続されたチップとを特色として有し、モジュールの複数の接触部はアンテナの複数の接触部と相対し、モジュールは逃げの中に封じ込まれるように位置付けされるステップ、
− アンテナを特色として有する保持体の表面上に少なくとも一層の熱接着性フィルムを設置するステップ、
− 熱接着性フィルムの層、または複数の層の上にカバー層を設置するステップ、
− 保持体層、熱接着性フィルムの層または複数の層、およびカバー層を共に積層するステップ。
【0009】
本発明の意図、目的、および特質は、添付の図面との関連でなされる以下の説明からより一層明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態であるRFID装置のアンテナ保持体およびアンテナの平面図である。
【図2】図1のD−D断面に対応するアンテナ保持体および集積回路モジュールの断面図である。
【図3】本発明の変形によるRFID装置のアンテナ保持体およびアンテナの平面図である。
【図4】図3のD−D断面に対応するアンテナ保持体および集積回路モジュールの断面図である。
【図5】本発明の第一実施形態による電子カバーを構成するさまざまな層の断面図である。
【図6】本発明の第二実施例による電子カバーを構成するさまざまな層の断面図である。
【図7】RFID装置保持体の積層後の断面図である。
【図8】本発明の変形の第一実施形態によるRFID装置保持体を構成するさまざまな層の断面図である。
【図9】本発明の変形の第二実施例によるRFID装置保持体を構成するさまざまな層の断面図である。
【図10】本発明の変形による第一積層ステップ後のRFID装置保持体の断面図である。
【図11】本発明の変形によるRFID装置保持体を構成するさまざまな層の断面図である。
【図12】本発明による2つのRFID装置保持体および個人情報小冊子のカバーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本製造方法の第一のステップによれば、アンテナは保持体層10の上に作られる。アンテナは1巻き以上の巻きセット12を特色として有する。当該複数の巻きはスクリーン印刷、フレキソ印刷、輪転グラビア印刷、例えば金や銀のような導電性粒子、または導電性ポリマーが装荷されたエポキシ型導電インクによるオフセット印刷またはインクジェット印刷、によって形成される。
【0012】
保持体層10は紙または合成紙のような材料で作られる。紙はパルプ状にされた植物繊維から作られ、結果的に繊維状の構造を有する。紙の芯部はせん断応力が懸けられると薄片に裂かれる傾向があるのに対して、非繊維質合成紙は微細多孔質構造と低密度を有する。紙と同様に合成紙は、160℃前後の温度(この近辺の温度で安定しているので)で行われる積層作業を容易にし;PVCとかPETGのような熱可塑性フィルム材とは違ってクリープを起こさない。使用される合成紙は、40から80%の間のミネラルが加えられたポリエチレンまたはポリプロピレンのようなポリマーの方向性を持たない単一層からなる。その組成は微細多孔質網によって、0.57g/cm3近辺の低密度を与える。保持体層の厚さは240〜280μmであり、好ましくは250μmである。保持体10は個人情報小冊子の綴合わせ部の位置に対応する開口部11を特色として有する。
【0013】
図2を参照して、集積回路モジュール19はチップ35、少なくとも2つの接触部(端子:contacts)グループ33、34、を特色として有する。チップとグループ33および34間の接続は非常に細い導線または接続ケーブルでなされ、「ワイヤボンディング」といわれる。チップ35とワイヤは抵抗力のある材料をベースにした非導電性の保護樹脂37の中に封じ込められる。封止体37は、ある意味では堅固なシェルでチップとそのワイヤを含み、壊れにくくかつ取り扱いを容易にしている。この封止体は200〜240μmの厚さを有する。
【0014】
このようにモジュールは、上面は封止体37の上部に対応して平坦な表面を呈し、その下面には、回路を接続するべく設計された複数の接触部グループ33、34を呈する。該グループ33、34は、アルミニウムなどの導電性材料で作られ、その厚さは70〜100μmである。
【0015】
図2のモジュール19は複数のアンテナ接触部においてアンテナと接続されるべく設計される。本発明の役目としては、モジュールを接続するのには2つの接触部(端子:contacts)13および14で十分である。接触部13および14はアンテナから一続きであり;結果としてそれらはアンテナの巻き線の延長であり、通常はアンテナと同じ材料で作られる。複数の接触部は従って、同じくスクリーン印刷、フレキソ印刷、輪転グラビア印刷、例えば金や銀のような導電性粒子、または導電性ポリマーによって装荷されたエポキシ型導電性インクによるオフセット印刷またはインクジェット印刷によって形成される。接触部の厚さは5〜10μmである。
【0016】
図3および図4に示される本発明の変形においては、保持体層10は厚さ50〜60μmで型押しされる。型押しステップは保持体層10の一部を、プレスの押印を保持するようにプレスを用いて加圧することからなる。使用される型押し形状は、モジュールより僅かに大きい長方形の押印17が残るようにする。型押しのステップはアンテナを作る前に行われる。引き続くすべてのステップは、型押しを除いた方法を基準にして変更なく保たれ、特に引続くモジュールの取り付けステップの説明は同様である。保持体層10の厚さは、この場合においては300μmであることが好ましい。
【0017】
モジュール19は、アンテナ接触部の側面近くに配置された接着材料25および26の2つの接触部によってアンテナ保持体層10に接着され、アンテナ接触部13および14がモジュールの接触部グループ33および34と相対するようにして、モジュールの封じ込められた部分すなわち封止体37が逃げ(リセス、凹部、穴:recess)20内に有るようにする。
【0018】
また特に、接触部13および14は、接着材料で覆われない接触部グループ33、34と相対する部分である。接触部25および26に対して使用される接着材料は当該モジュールのみを保持体層10に固定する接着剤であり、この接着剤は非導電性であるので、モジュールとアンテナ間の電気的接続に直接参加するものではない。この使用される接着剤はシアノアクリレート型の接着剤である。
【0019】
接着剤の複数のスポットはアンテナ保持体近くの保持体層10の上に位置され、モジュール19が逃げ20内に設置されたときに、複数の接触部の接着剤がアンテナ接触部に接触するまでモジュールの複数の接触部グループによって押しつぶされるようにする。接着剤の複数のスポットはアンテナ接触部と同じかまたは実質的に同じ厚さに達し、アンテナ接触部と同一面となる。接着剤の複数のスポットと複数のアンテナ接触部との近接により電気的接続の信頼性が確保される。
【0020】
このようにして、モジュール19が逃げ20内に設置されるとすぐに、該モジュールの複数の接触部グループとアンテナの接触部13および14との接触部分によって電気的接続がなされる。
【0021】
このようにして得られた保持体は、該保持体とアンテナへ電気的に接続されている統合されたモジュールが備わったアンテナ保持体である。好ましくは、アンテナ接触部は凹型またはくぼんだ形状を有するか、またはリング状にくり抜かれていて、その結果、接着剤材料の接触が凹部形状のくぼんだ部分内部かまたは溝(リセス、凹部:recess)の内部で起こる。
【0022】
本発明の好ましい実施形態では、複数のアンテナ接触部はU字型であり、それにより接着材料の接触はU字の内部で起こり、そのためアンテナ接触部によってほぼ全体が囲まれる。このようにして、電気的接続は溶接無しで材料の供給で行われるという利点となる。
【0023】
本方法の次のステップが図5および図6に2つの異なったモードで示されている。第一の実施例では、図5を参照して、熱接着フィルムの層40がアンテナ側で、かつモジュールのより低い面上のアンテナ保持体上に直接位置される。第二の層70が該熱接着フィルムの層40上に位置される。この層は個人情報小冊子のカバーに対応し、かつおよそ350μmの厚さを有する。このカバー層70はポリエステルの層で覆われた紙もしくは布をベースに有する。この層はその自由面側72に耐タンパー性を形成すべく特殊な粒状物を含ませている。しかしながらまた、当該小冊子のカバーの自由面側に積層工程中またはその後に、カバー上に特殊な粒状物を施すべく特別の浮彫りにした図柄を有する鍍金をかけることも可能である。
【0024】
本発明の第二の実施例では、図6を参照して、接着フィルムの層50の初めの層が、アンテナ側でかつモジュールのより低い部分上のアンテナ保持体上に直接位置される。層50はその大きさが当該モジュールの全表面の大きさとほぼ近似する逃げ(リセス、凹部、穴:recess)52を特色として有する。
【0025】
このようにして、逃げ52の複数の端部は当該モジュールの複数の外側端部と合い、接触する。こうして、層50がアンテナ保持体10の層上に位置されると、モジュール19は逃げ52内に設置される。第二の層60は第一の層50の上に位置付けされる。層60もまた、好ましくは層50と同じ特性を特色として有する熱接着フィルムであるが、逃げ(リセス:recess)は特色として有していない。層70は熱接着フィルム層60の上に置かれる。熱接着フィルム層40、50および60の接着特性は熱の作用下で活性化される。これらの層はそれぞれおよそ50μmの厚さを有する。
【0026】
単一の熱接着フィルム層40に対応する第一の実施例は、保持体層10が図3および図4を参照して当該モジュールの位置で型押しされる場合により良く適合する。実際にはこの場合に、当該モジュールの複数の接触部グループは、保持体層10の厚さの一部または全体が埋め込まれ、結果として1つの熱接着層のみでモジュールのために浮き出させた図柄を消すには十分である。2つの熱接着層50および60を伴う第二の実施例は、保持体層が型打ちされない場合により良く適合する。しかしながらこの好ましさは限定的ではない。
【0027】
第一の実施例の場合に取り上げられた層10、40および70、および第二の実施例の場合の層10、50、60および70は、互いに重ねあわされて組み付けられる。積層ステップは全ての層の温度を150℃まで上昇させ、圧力を0.5バールから数バール(およそ10 N/m2)まで上昇させて、引続いて温度を下げ、圧力を下げることからなり、全体ロットを規定時間のサイクルセットに従わせる。積層時に第一実施例の層40の熱接着フィルムおよび第二実施例の層50および60の熱接着フィルムは、液体化し、アンテナおよびモジュールをまとめて閉じ込める。積層時に作用する圧力は複数の層に対して垂直に方向付けされ、従ってモジュールの接触部グループ33および34がアンテナの接触部13および14と接触する面に垂直である。
【0028】
図7は、モジュールと異なった材料の3つの層との積層後の横断面図を示す。積層ステップ時にRFID装置の保持体を形成する複数の層は厚さが減少する。積層前の複数の層の合計厚さは680μmに達し、細かくは以下の区分に対応する:
− カバー70: 350μm
− 2つの熱接着フィルムが40μm
− 保持体層10: 250μm。
積層後、以下に説明される電子カバーとして知られるサンドイッチ構造が得られ、厚さは640μm〜650μmである。
【0029】
積層時にモジュール全体に圧力が作用する。モジュールの複数の接触部グループはアンテナの複数の接触部を押付け、複数の接触部と保持体層10を変形させる。この変形は押印の形状をなし、その内面は複数の接触部グループの外面にぴったり合う。このようにして、当該モジュールの複数の接触部グループ33、34と複数の接触部13,14の導電性インクとの間の緊密な接触が最大接触面に亘って存在する様になる。保持体層10ならびに複数の接触部18の導電性インクを形成する材料は、変形可能で弾性体でなく、これらの2つの材料は圧力が開放された場合でも元の形状に戻る傾向にはない。
【0030】
さらに積層時に、層40または50および60の熱接着フィルムは柔らくなり当該モジュールの内面形状にぴったりと完全に合う。層40または50および60の熱接着フィルムはカバー層70およびアンテナ保持体10の層との間の接着剤として機能し、ひとたび硬化すると、双方の層と当該モジュールとに完全に接着する。熱可塑性層のどちらか側にある2つの層10および70は、積層時の圧力効果の下でストレスを受け、加えられたストレスは当該モジュールの複数の接触部グループ上に維持され、ひとたび層40または50および60の熱接着フィルムが硬化すると、モジュールとアンテナ間の電気的接触は永久かつ信頼性のあるものとなる。
【0031】
本発明のもう一つの実施方法は図6から図9に図示されているが、第一の積層前ステップをRFID装置の保持体を形成する複数の層に対して、しかしカバー層70は無しで行うことからなっている。この積層前ステップは層40または熱接着フィルムの複数の層50および60を、それらをアンテナ保持体10に「接着」するために部分的に活性化することからなり、もう一度別の積層ステップの間に再度それを活性化(またはそれらを活性化)することが出来るように保つ。この積層前ステップは、全ての層の最高温度を50℃から70℃の間まで上げてそれを3分間維持し、圧力をあげることからなる。積層前の間に、図8の第一例の層40の熱接着フィルム、および図9の第二例の層50および60の熱接着フィルムは液体化して、アンテナとモジュールをまとめて閉じ込める。この積層前ステップ後に得られるRFID装置51の保持体はアンテナに接続された電気的なモジュールがはめ込まれたアンテナ保持体である。当該RFID装置51の保持体は、アンテナ保持体の層10および第一番目の層40に対応する熱接着フィルム層53または熱接着フィルムの複数の第一番目の層50および60を特色として有する。層80は熱接着フィルム層53上に位置される。該熱接着フィルム層53の接着特性は熱の作用によって活性化される。こうして層10、53および80は互いに積層されて組付けされる。この積層ステップは図5から図7において前に説明したものと同じである。同様に当該モジュールとアンテナ間の電気的接続は、ひとたび層53の熱接着フィルムが硬化すると永久かつ信頼性の高いものである。
【0032】
図12は、個人情報小冊子のセットのためのRFID装置が装着されたカバーとして使われるべく提供される保持体100の平面図を示す。それは、個人情報小冊子の幅よりも広い幅と、本発明によるRFID装置のいくつかを収容することが出来る長さ、を有するカバー層90を特色とする。また紙または合成紙で出来たアンテナ保持体層に対応する層92が視認可能であり、かつ複数のモジュールのグループ19が層92の複数の逃げ20の中に視認できる。個人情報小冊子の切抜き部の位置は図上点線で示されている。個人情報小冊子はこうして内部ページの二つ折れ構成により完全に構成される。
【0033】
本発明による製造方法は、信頼性の高い、抵抗力のある無線周波数識別装置を提供する。さらに、カバーの粒状物は積層ステップの間に損なわれることはない。
【符号の説明】
【0034】
10 保持体層、保持体
11 開口
12 巻き線セット
13,14 接触部
18 接触部
19 集積回路モジュール
20 逃げ
25,26 接着材料、接触部
33,34 接触部
35 チップ
37 保護樹脂、封止体
40 熱接着フィルム(層)、一番初めの層
50 熱接着フィルム(層)、(第一の)層
51 RFID装置
52 逃げ
53 熱接着フィルム層
60 熱接着フィルム(層)、第二の(層)
70 第二の層、カバー層
80 層
92 層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数識別装置(RFID)を備えた個人情報小冊子カバーを製作するための方法であって、前記装置はアンテナと該アンテナに接続されたチップ(12)を特色として有し、前記方法は以下のステップを包含する:
− 紙または合成紙で作られた保持体(10)上に接触部(13および14)を有するアンテナ(12)を製造するステップ、
− 前記アンテナの複数の接触部(13および14)の間に逃げ(20)を生成するステップ、
− 前記複数のアンテナ接触部近くの当該アンテナ保持体(10)上に接着誘電体材料(25、26)を配置するステップ、
− 前記保持体上に集積回路モジュール(19)を位置付けするステップであって、前記モジュールは当該モジュールの封止体(37)内部に複数の接触部(33、34)のグループと複数の接触部グループに接続された当該チップを特色として有し、前記モジュールの複数の接触部グループは前記アンテナの前記複数の接触部に相対しており、かつ当該モジュールは当該逃げ(20)内に封じ込められるように、位置づけするステップ、
− 当該アンテナを特色として有する前記保持体の面上に、熱接着フィルム(40、50、60)の少なくとも1つの層を設置するステップ、
− 熱接着フィルムの層または複数の層(40または50および60)の上にカバー層(70)を設置するステップ、
− 保持体層(10)、熱接着フィルムの層または複数の層(40または50および60)、およびカバー層(70)を一緒に積層するステップ。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記アンテナの製造ステップに先行するステップが、厚さ50〜60μmの厚さで前記モジュールの位置に前記保持体層(10)の部分を浮き出さすことからなり、このように生成された浮き出しは当該モジュールより僅かに大きな形状である方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、前記アンテナ保持体(10)上に直接施された熱接着フィルムの層は、前記モジュール(19)の位置に逃げ(20)が設けられており、当該逃げ(20)の形状は当該モジュールの低い方の面の複数の端部に合うようにされていることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1、2または3に記載の方法であって、前記アンテナ保持体層(10)に施された接着材料(25、26)はシアノアクリレート接着剤である方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の方法であって、前記複数のアンテナ接触部は凹形状またはへこみ形状またはその他の形状であって、リングの様にくり抜かれて、接着材料の接触部が当該凹部形状のへこみ内部または当該開口部の内側に配置されるようにされた方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の方法であって、前記複数のアンテナ接触部はU字形状をしていて該接着誘電体材料が該U字内部に配置される方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の方法であって、前記保持体(10)の合成紙がクリープを起こさない材料、すなわち温度が上昇したときに変形しない材料で作られる方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の方法であって、熱接着フィルムの複数の前記層は厚さ50μmを有する方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の方法であって、前記アンテナ(12)は導電性インクを使用したスクリーン印刷によって作られる方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の方法によって得られることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2011−501256(P2011−501256A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528451(P2010−528451)
【出願日】平成20年10月13日(2008.10.13)
【国際出願番号】PCT/FR2008/001435
【国際公開番号】WO2009/087296
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(508022241)
【氏名又は名称原語表記】ASK S.A.
【Fターム(参考)】