説明

パズルゲームプログラム、プログラム記憶媒体及びパズルゲーム装置

【課題】フィールドの単調さを解消したパズルゲームプログラム、プログラム記憶媒体及びパズルゲーム装置を提供すること。
【解決手段】パズルゲームプログラムは、コンピュータ(100)を、表示画面(13)の所定の領域にフィールド(40)及び前記フィールド内に複数のパズル要素(41)を表示する要素表示制御手段(101)と、前記フィールドの全体又は一部を前記所定の領域に対して相対的に移動させる移動制御手段(102)と、前記フィールド内に配置される前記パズル要素の配置関係が所定の条件を満たすことを検知する条件検知手段(103)と、して機能させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パズルゲームプログラム、プログラム記憶媒体及びパズルゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な種類のパズルゲームが存在する。パズルゲームとは、一般にはパズルをコンピューターゲームでプレイできるよう作られたゲームソフトのことをいう。その中の1つとして、パズルゲームを三次元とすることで、従来の二次元のパズルゲームよりも広いフィールドを確保した三次元パズルゲーム装置が提案されている。(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−38047号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この特許文献1によれば、パズルゲームを三次元にしたことにより、正面側にパズル要素が存在する場合には、裏面側のパズル要素が表示されないという問題点がある。また、二次元の場合と比較して確保しうるゲームフィールドの面積を広く確保できるものの、フィールド自体は二次元の場合と同様に単調である。そのため、単調なゲームとなり、プレイヤに飽きられてしまう可能性がある。
【0004】
そこで、本発明は、フィールドの単調さを解消したパズルゲームプログラム、プログラム記憶媒体及びパズルゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0006】
請求項1の発明は、コンピュータ(100)を、表示画面(13)の所定の領域にフィールド(40)、及び前記フィールド内に複数のパズル要素(41)を表示する要素表示制御手段(101)と、前記フィールドの全体又は一部を前記所定の領域に対して相対的に移動させる移動制御手段(102)と、前記フィールド内に配置される前記パズル要素の配置関係が、所定の条件を満たすことを検知する条件検知手段(103)と、して機能させるためのパズルゲームプログラムである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のパズルゲームプログラムであって、前記コンピュータ(100)を、前記条件検知手段(103)が検知したことに応じて、前記条件に該当の前記パズル要素(41)を消去させる消去制御手段(104)として機能させるためのパズルゲームプログラムである。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のパズルゲームプログラムであって、前記移動制御手段(102)を、前記パズル要素(41)が前記フィールド(40)の全体又は一部に配置される場合には、前記パズル要素が配置された前記フィールドを前記パズル要素と共に移動させるように機能させることを特徴とするパズルゲームプログラムである。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載のパズルゲームプログラムであって、前記フィールド(40)は、前記パズル要素(41)が前記フィールド内における配置位置から他の配置位置に移動可能な経路を示すレール(42)を有することを特徴とするパズルゲームプログラムである。
請求項5の発明は、請求項4に記載のパズルゲームプログラムであって、前記レール(42)は、円の円周上及び多角形の辺上の少なくとも一方の形状上の周レール(42)であり、前記移動制御手段(102)を、前記フィールド(40)内における所定の中心点回りに前記周レールを回転移動させるように機能させることを特徴とするパズルゲームプログラムである。
請求項6の発明は、請求項5に記載のパズルゲームプログラムであって、前記フィールド(40)は、所定の前記周レール(42)と前記所定の周レールに径方向に隣り合う周レール(42)間とで前記パズル要素(41)が移動可能な経路を示す径レール(43)を有し、前記コンピュータ(100)を、前記径レールと所定の前記周レールとの交点に配置された前記パズル要素を、前記隣り合う周レールと前記径レールとの交点にパズル要素を有していない場合には、前記隣り合う周レール上に移動させる付随移動制御手段(105)として機能させるためのパズルゲームプログラムである。
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれかに記載のパズルゲームプログラムであって、前記移動制御手段(102)を、操作部(14)の操作に応じて移動させるように機能させることを特徴とするパズルゲームプログラムである。
請求項8の発明は、請求項1から7のいずれかに記載のパズルゲームプログラムであって、前記コンピュータ(100)を、前記パズル要素(41)を前記所定の中心点側から外方向に出現表示させる要素出現表示制御手段(106)として機能させるためのパズルゲームプログラムである。
請求項9の発明は、請求項8に記載のパズルゲームプログラムであって、前記要素出現表示制御手段(106)を、出現表示させる前記パズル要素(41)の個数を変化させるように機能させることを特徴とするパズルゲームプログラムである。
請求項10の発明は、請求項8又は9に記載のパズルゲームプログラムであって、前記コンピュータ(100)を、前記要素出現表示制御手段(106)により前記パズル要素(41)を前記フィールド(40)の外へ移動させたことを検知する外移動検知手段(107)と、前記外移動検知手段による検知に応じて、所定の数値を変化させ、前記数値に応じてパズルゲームを終了するか否かを判断する終了判断手段(108)と、して機能させるパズルゲームプログラムである。
請求項11の発明は、請求項1から10のいずれかに記載のパズルゲームプログラムであって、前記パズル要素(41)は、パズルゲームに関する変化をもたらす機能を示す属性を有することを特徴とするパズルゲームプログラムである。
請求項12の発明は、請求項11に記載のパズルゲームプログラムであって、前記パズル要素(41)を、属性の異なる複数のパズル要素を有するように機能させることを特徴とするパズルゲームプログラムである。
請求項13の発明は、請求項1から12のいずれかに記載のパズルゲームプログラムであって、前記要素表示制御手段(101)を、前記表示画面(13)に複数のフィールド(40a,40b,40c)を表示するように機能させることを特徴とするパズルゲームプログラムである。
請求項14の発明は、請求項13に記載のパズルゲームプログラムであって、前記移動制御手段(102)を、前記フィールド(40a)を移動したことに応じて、隣り合う前記フィールド(40b)を相互に連動して移動させるように機能させることを特徴とするパズルゲームプログラムである。
【0008】
請求項15の発明は、請求項1から14のいずれかに記載のパズルゲームプログラムを記憶したプログラム記憶媒体である。
【0009】
請求項16の発明は、請求項1から14のいずれかに記載のパズルゲームプログラムが記憶された記憶部と、前記パズルゲームプログラムを実行する制御部と、を備えることを特徴とするパズルゲーム装置である。
【0010】
請求項17の発明は、プレイヤの入力操作を受け付ける操作部と、フィールドと、前記フィールド内に配置される複数のパズル要素と、前記操作部の操作に応じて、前記フィールドの全体又は一部を前記フィールドに対して相対的に移動させる移動制御手段と、前記フィールド内に配置される前記パズル要素の配置関係が、所定の条件を満たすことを検知する条件検知手段と、を備えることを特徴とするパズルゲーム装置である。
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、複数のパズル要素が配置されたフィールドの全体又は一部を、例えば、フィールドの中心点を基準に回転移動させるように、フィールドが表示される所定の領域に対して相対的に移動させるので、フィールドの移動に伴うゲーム要素の配置を利用した新しい形態のゲームを提供することができる。よって、フィールド自体を変化に伴うものとすることができ、フィールドの単調さを解消したゲームを提供することができる。
【0012】
(2)本発明は、パズル要素の配置関係が所定の条件を満たすことに応じて当該パズル要素を消去させるので、フィールドの移動によりゲーム要素を消去させる新しい形態のゲームを提供することができる。よって、パズル要素に変化が生じることにより、見た目にも面白味のあるゲームを提供することができる。また、パズル要素を消去させる演出により、プレイヤは、爽快感を味わうことができる。
【0013】
(3)本発明は、フィールドの全体又は一部を移動させる場合に、移動させるフィールド上のパズル要素をも移動させるので、フィールドとゲーム要素とを一体で移動して配置を変更するゲームを提供することができる。よって、移動されたパズル要素により、ゲームに変化を持たせることができる。
【0014】
(4)本発明は、パズル要素を移動可能なレールをフィールド内に有するので、フィールド内でパズル要素の移動ができる。パズル要素を移動する際に、レールを伝わって移動するかのように表示することができ、よりリアルな演出を行うことができる。
【0015】
(5)本発明は、円の円周上及び多角形の辺上の少なくとも一方の形状上の周レールを、所定の中心点回りに回転移動させるので、例えば、直線的な移動で画面からフィールドがはみ出してしまうことを防止できる。また、回転移動という動きの面白味をプレイヤに提供することができる。
【0016】
(6)本発明は、フィールドの回転移動により、パズル要素を、パズル要素が存在しない隣り合う周レール上に移動させることにより、複雑にパズル要素を移動させることができる。よって、回転移動による付随的な動きを演出することができる。また、パズル要素を移動することにより、ゲームに戦略性を持たせることができる。
【0017】
(7)本発明は、操作に応じてフィールドの全体又は一部を移動させるので、プレイヤの操作によりパズル要素の移動及び配置を変更できる。よって、プレイヤは、自らの意志により戦略を考えながら攻略をするゲームを行うことができる。
【0018】
(8)本発明は、パズル要素を所定の中心点側から外方向に出現表示させるので、湧き出すようパズル要素を表示することができる。また、出現表示させるパズル要素の個数を変化させることができるので、パズル要素の出現に際して、例えば、プレイヤの技量に応じて個数を増減する等、変化に富む手法を提供することによりゲームの面白味を増すことができる。
【0019】
(9)本発明は、パズル要素を所定の中心点側から外方向に出現表示させたことに応じて、パズル要素がフィールド外に移動したことを検知する。また、検知に応じて変化する所定の数値に応じて、パズルゲームを終了するか否かを判断する。よって、パズル要素がフィールド外に移動しても、従来のパズルゲームのように、それだけでパズルゲームを終了させないことが可能である。よって、所定の数値により即座にパズルゲームを終了させないことが可能であり、プレイヤが途中でパズルゲームを諦めるのを防ぐことができる。
【0020】
(10)本発明は、パズル要素が、パズルゲームに関する変化をもたらす機能を示す属性を有する。また、属性の異なる複数のパズル要素を有する。よって、パズルゲームをパズル要素により多様に変化させることができ、ゲームが単調になるのを防ぎ、ゲームの面白味を強化することができる。
【0021】
(11)本発明は、複数のフィールドを表示し、フィールドを移動させたことに応じて、隣り合うフィールドを相互に連動して移動させるので、フィールドを相互に関連づけることができ、複雑な動きを演出できる。よって、フィールドの移動により相互のゲーム要素の配置、移動に戦略性を要求することができる。また、複数のフィールドを有することにより、ゲームクリア条件を複雑にすることができ、フィールドの個数に応じて、より面白味を増すゲームを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、フィールドの単調さを解消したパズルゲームプログラム、プログラム記憶媒体及びパズルゲーム装置を提供するという目的を、パズル要素が配置されたフィールドの全体又は一部を表示画面の所定の領域に対して相対的に移動させる移動制御手段を備えることによって実現した。
【0023】
(第1実施形態)
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
図1は、第1実施形態の一例に係るパズルゲームを行うコンピュータ100の機能を示す機能ブロック図である。コンピュータ100は、CPU10、ROM11、RAM12、ディスプレイ13、マウス/キーボード14、画像処理部15及びサウンド処理部16を有し、それらがバス20を介して接続されている。バス20は、コンピュータ100内のアドレス信号やデータを伝送するラインである。
【0024】
CPU10は、情報の演算、処理を行う情報演算処理装置であり、当該コンピュータ100全体の制御を行う。CPU10は、ROM11に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述のハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
また、CPU10は、要素表示制御手段101、移動制御手段102、条件検知手段103、消去制御手段104、付随移動制御手段105、要素出現表示制御手段106、外移動検知手段107、及び終了判断手段108を有する。各機能の詳細については、後述するフローチャートで適宜説明する。
【0025】
ROM11は、パズルゲームプログラム等のアプリケーションを動作させるためのプログラム、各種のパラメータ等を記憶している。ROM11は、通信インタフェース(図示せず)を介してネットワーク上に有するプログラムをダウンロードし、記憶するローカルディスクでもよいし、プログラムが記憶されたコンピュータ可読媒体でもよい。コンピュータ可読媒体としては、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。
RAM12は、各種のプログラムの実行時に、テーブル等を展開するための一時記憶領域であり、ローカルメモリ、及びキャッシュメモリを含んでよい。
【0026】
ディスプレイ13は、プレイヤにパズルゲームの画像を表示する表示画面であり、ブラウン管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)等のディスプレイ装置を含む。
マウス/キーボード14は、プレイヤの操作による入力を行う操作部であり、他にはポインティング・デバイス等を含んでよい。
画像処理部15は、パズルゲームの画像を表示する際に、コンピュータグラフィックス処理等を司る。サウンド処理部16は、パズルゲームの実行時に、音声処理等を司る。
【0027】
コンピュータ100により実施されるパズルゲームは、複数のステージが準備されており、ステージごとに異なるフィールド及びブロック(パズル要素)がディスプレイ13に表示される。そして、プレイヤは、フィールドを操作しながら、フィールド外にブロックが移動しないように同種のブロックを揃えることでブロックを消去し、所定の条件を満たすことでステージをクリアする。ステージをクリアすることに応じて、次のステージのゲームが開始される。
【0028】
図2は、第1実施形態の一例に係るパズルゲームの画面を示す図である。
ディスプレイ13の上方には、左から右に順にライフポイント部30、ステージ情報部31、スコア表示部32及びメニュー情報部33が表示される。また、ディスプレイ13の中央には、フィールド40が表示される。
【0029】
ライフポイント部30は、例えば、プレイヤが失敗した場合に付与されるマイナスポイントや、成功した場合に付与されるプラスポイント等のポイント数をステージごとに表示する。ステージ情報部31は、複数ステージ用意されたゲームの中での現在のステージの情報(ステージ番号)を表示する。スコア表示部32は、現在のプレイヤの得点を表示する。得点は、ゲーム開始からの合計得点であり、例えば、所定の時間以内にステージをクリアした場合に、ボーナス得点が付与される。メニュー情報部33は、当該メニュー情報部33を選択することで、別ウィンドウでメニューを表示する。メニューは、例えば、プレイヤの過去の最高得点を表示したり、背景を変更したりするものや、PAUSEコマンド等の様々なオプションを表示する。
【0030】
フィールド40は、実際にパズルゲームを行うための領域である。この図2においては、1個のフィールド40が示されているが、後述するようにフィールド40を複数個有してもよい。このフィールド40には、パズル要素であるブロック41が複数配置される。ブロック41は、例えば、ボールのような球状の表示である。フィールド40は、例えば円形を示しており、内側から外側に順番に配置される、径が異なる複数の周レール42と、円の中心点近傍から外方向に配置され、相互に60度の間隔で配置される複数の径レール43とを有する。径レール43は、径方向に隣り合う周レール42を接続する。この周レール42と径レール43とは、ブロック41が転がり得るように、例えば、溝の形状として表示する。周レール42は、中心点を基準に円周上を回転可能に構成されている。回転の際には、回転する周レール42と共に、当該周レール42に接続され、中心点方向に延びる径レール43もあわせて移動する。
【0031】
ブロック41は、周レール42と径レール43との交点上に配置される。配置されるブロック41は、複数種類の属性を有する。ブロック41が、同種(同色)のブロック41を、周レール42上、若しくは径レール43上に3つ以上並べて配置した場合(後述の図7(a)参照)、又は周レール42と径レール43を用いたL字型上に3つ以上並べて配置した場合(後述の図4(a)参照)に、当該並べて配置したブロック41を消去する。そして、消去したブロック41に外方向に隣接した径レール43上のブロック41は、径レール43が存在する場合には、中心点方向に転がり、消去したブロック41の位置に移動する。ブロック41が消去されたことに伴い、隣接したブロック41が移動し、この移動によりさらに消去するブロック41が発生して消去する事象を連鎖と呼ぶ。
【0032】
中心点部分には、栓44が配置される。この栓44は、定期的に又は予め定めたルールに従って、径レール43を経由して直近の周レール42との交点にブロック41を放出する。そして、ライフポイント部30に表示されるライフポイントが所定の値に達した場合には、当該栓44が破壊された画像がディスプレイ13に表示されると共に、ステージクリアとなる。なお、ライフポイントによって、ブロック41を放出するスピードを変化させてもよい。
最も外側の周レール42の外側であり径レール43の延長上には、穴45が配置される。この穴45は、フィールド40の外に移動したブロック41が入る。
【0033】
図2の右下方には、カーソル50が表示されている。このカーソル50は、マウス/キーボード14を操作することによりディスプレイ13上を移動する。そして、カーソル50を1つの周レール42上に移動させて、例えば、時計回りにマウス/キーボード14をドラック&ドロップすることにより、その1つの周レール42が該当の回転方向に1つの径レール43の分だけ動く。この図2の例では、径レール43が6個あり、全て等間隔に配置されているため、60度時計回りに回転する。また、メニュー情報部33上にカーソル50を表示させ、マウス/キーボード14をクリックすることにより、別ウィンドウとして表示されるメニュー画面が、ディスプレイ13上に表示される。
【0034】
ブロック41の属性として、ブロック41の種類(色)を示すものがある。例えば、属性「1」は紫色を、属性「2」は白色のブロック41を示す。他には、消去の際に当該消去するブロック41と同一の径レール43上の全てのブロック41を消去するものがある。また、消去の際に多くのダメージを栓44に与え、ブロック41の放出を一定時間抑止するもの等が存在する。このように、ブロック41に属性を持たせることにより、面白味を強化したパズルゲームを提供することができる。また、ゲームが単調になるのを防ぐことに貢献する。これらは、ゲームのステージが進むにつれて順次出現させてもよい。
【0035】
図3は、第1実施形態の一例に係るフィールド40と各種テーブルとの関係を示す図である。まず、図3(a)は、フィールド40内の周レール42及び径レール43に、各々符号を付した図である。例えば、径レール43は、時計の1時方向の配置のものから時計回りに順に径0から径5までの符号が付してある。また、径レール43について、周レール42との交点を区切りとして、中心点方向から外側に向かって順に区間Aから区間Eまでの符号を付している。同様に、周レール42は、中心点方向から外側に順に、周aから周eの符号を付している。さらに、周レール42について、径0の径レール43と径1の径レール43に挟まれた区間を区間Hとし、時計回りの方向に順に区間Mまでの符号を付している。この符号は、図3(b)から(d)の各種テーブルにおいて使用される。フィールド40の周レール42及び径レール43は、図3(a)に示すように接続されていない部分(F)があってもよい。
【0036】
図3(b)は、ブロック配置テーブル60を示す。このブロック配置テーブル60は、ブロック41の属性を含むブロック41の配置位置を格納する。ブロック配置テーブル60の行は、径レール43を示す。またブロック配置テーブル60の列は、周レール42を示す。そして、ブロック配置テーブル60の各項目(セル)は、径レール43と周レール42の交点に配置されたブロック41を示しており、ブロック41の属性の種類に対応した属性番号(1〜7)を付している。例えば、行番号が0で列番号がa(以下、ブロック位置(0,a)と示す)は「1」である。これは、径0の径レール43と周aの周レール42との交点に、属性番号1に対応した紫色のブロック41が配置されていることを示す。また、ブロック位置(2,a)は空(ブランク)である。これは、径2の径レール43と周aの周レール42との交点には、ブロック41が配置されていないことを示す。なお、この図3(b)並びに後述する図3(c)及び(d)に示す各項目の値は、上述の図2のブロック41、径レール43、及び周レール42と対応している。
【0037】
図3(c)は、径レール配置テーブル70を示す。この径レール配置テーブル70は、該当箇所に関する径レール43の有無を示す。径レール配置テーブル70の行は、径レール43を示す。また、径レール配置テーブル70の列は、径レール43の区間を示す。各項目の「1」は、該当箇所の径レール43が存在することを示し、「0」は、該当箇所の径レール43が存在しないことを示す。例えば、径レール位置(0,A)は「1」であるため、径0の径レール43のうち区間Aは径レール43が存在することを示す。他方、径レール位置(0,D)は「0」であるため、径0の径レール43のうち区間Dは径レール43が存在しないことを示す。
【0038】
図3(d)は、周レール配置テーブル72を示す。この周レール配置テーブル72は、周レール42の有無を示す。周レール配置テーブル72の行は、周レール42の区間を示す。また、周レール配置テーブル72の列は、周レール42を示す。各項目の「1」は、該当箇所の周レール42が存在することを示し、「0」は、該当箇所の周レール42が存在しないことを示す。図3(d)の場合、全ての項目が「1」であるため、周aから周eまでの周レール42が全て空の区間がなく存在していることを示す。
【0039】
図4は、第1実施形態の一例に係るブロック41が放出された場合のフィールド40の例と、その際のブロック配置テーブル60とを示す。また、図5は、図4に関連して行われる処理を説明するためのブロック配置テーブル60を示す。
まず、図4(a)は、上述の図2から栓44によりブロック41が1つ放出された様子を示す。放出されたブロック41は、(A)で表されている。
また、図4(b)は、図4(a)のブロック配置テーブル60を示す。上述の図3(b)と比較して、(A)により示されたブロック位置(2,a)には、放出されたブロック41の属性である「7」の値が格納されている。なお、属性の「7」は、例えば、緑色のブロック41を示す。
【0040】
図5(a)は、上述の図4(b)と同様、ブロック配置テーブル60を示す。ここで、(B)により示された部分に着目すると、各項目の属性が「7」である。その様子は、図4(a)にも(B)として示され、L字型に同一の属性のブロック41が配置されている。よって、このブロック41は消去される。
図5(b)は、図5(a)からブロック41を消去した際のブロック配置テーブル60を示す。図5(a)で斜線により表されていた(B)の部分の項目が空となっている。
図5(c)は、隣り合うブロック41を径方向の中心点側につめるように、径レール43を伝わせてブロック41を移動させた後のブロック配置テーブル60を示す。図5(b)と比較して、ブロック位置(3,a)には元のブロック位置(3,c)の値が、ブロック位置(3,b)には元のブロック位置(3,d)の値が、それぞれ格納されている。なお、ブロック位置(2,a)の項目が空となったにもかかわらず格納されていない。これは、上述の図3(c)で示すように、径レール位置(2,B)の径レール43が存在せず、ブロック位置(2,b)からブロック位置(2,a)へブロック41を移動できないためである。なお、図5(c)に基づき作成される表示画面を、図6に示す。
【0041】
図7は、第1実施形態の一例に係るフィールド40上の周cの周レール42を1つの径レール43の分(60度)だけ反時計回りに回転させた場合のフィールド40(図7(a))と、ブロック配置テーブル60(図7(b))とを示す。
回転移動は、例えば、上述の図2に示す径1の径レール43と周cの周レール42との交点に配置された属性が6のブロック41にカーソル50をあわせ、径0の径レール43の方向にマウス/キーボード14をドラッグ&ドロップすることにより行われる。
図7(b)のブロック配置テーブル60によれば、径3の径レール43上に(C)として表示されている属性が「7」のブロック41が、3つ連続して並んでいるのが分かる。よって、この回転移動させた後、CPU10は、連続して並んでいるブロック41を消去し、ブロック位置(3,d)に配置された属性「5」のブロック41が、ブロック位置(3,a)に移動されることとなる。
【0042】
次に、図8から図15のフローチャートを参照して、第1実施形態のパズルゲームプログラムの動作について説明する。まず、図8は、第1実施形態の一例に係るメイン処理のフローチャートを示す。
コンピュータ100に電源が投入され、パズルゲームプログラムが実行されると、ステップS1では、CPU10は、まず初期設定処理を実行する。この初期設定処理は、例えば、RAM12を初期化する。この処理によって、後述する各種処理で使用するフラグやステータス等の領域が初期化される。また、RAM12上に、上述の図3(b)で説明したブロック配置テーブル60が展開され、デフォルト値が設定される。このデフォルト値は、ゲーム開始時のブロック41の配置に関するものである。CPU10は、ブロック41の配置場所と属性との情報を有した複数の初期状態情報を事前に用意しておき、それらを順番に又はCPU10により作成される乱数データを用いてランダムに選択してもよい。また、ブロック41の配置及び属性全てに関して乱数データを用いてランダムに決定してよい。さらに、RAM12には、上述の図3(c)及び(d)で説明した径レール配置テーブル70及び周レール配置テーブル72が展開される。ここで、周レール42は、径レール43と同様に接続されていない区間を含むように設定してもよい。接続されていない区間を含む径レール43及び周レール42により、複雑なパズルゲームを構成することができる。
【0043】
次に、ステップS2では、CPU10は、ブロック処理を実行する。このブロック処理では、フィールド40及びフィールド40上に配置されるブロック41に関する種々の処理が行われるが、その詳細については後述する。
次に、ステップS3では、CPU10は、付随処理を行う。付随処理では、ブロック処理の結果に応じて、ライフポイント部30に表示するライフポイントや、スコア表示部32に表示する得点を集計する。
【0044】
次に、ステップS4では、CPU10(要素表示制御手段101)は、表示処理を行う。具体的には、ブロック処理(ステップS2)及び付随処理(ステップS3)の結果に基づき、画像処理部15で作成した表示画像をディスプレイ13に表示する。なお、ブロック41の移動は、実際に球状のブロック41がレールの溝を伝わって移動するように表示する等リアルな演出とすることが望ましい。これは、例えば、移動前と移動後のブロック41の位置に基づき、径レール43上を移動する場合、当該径レール43の位置を考慮してブロック41の経路を複数に分割し、その分割した位置にブロック41の画像を順次表示することで実現できる。
次に、ステップS5では、CPU10は、サウンド処理を実行する。このサウンド処理では、サウンド処理部16により、サウンドメモリ領域(RAM12)に記憶された音データ(図示せず)に基づいて、BGMや効果音等をスピーカ(図示せず)から出力する。なお、図8に示すメイン処理は、所定時間又はマウス/キーボード14による操作により行われる処理を1サイクルとして実行される。よって、CPU10は、ステップS5の処理後、ステップS2に戻り、繰り返し処理を行う。
【0045】
図9は、上述の図8に示すブロック処理(ステップS2)のフローチャートである。これは、ブロック41に関する動作やフィールド40の移動に関する動作の処理である。
まず、ステップS21において、CPU10は、タイマ判定処理を行う。
以下、図10を参照して、タイマ判定処理について説明する。
まず、ステップS101において、CPU10は、タイマを起動する。タイマは、栓44からブロック41を放出してから次のブロック41を放出する所定の時間を計測し、栓44がブロック41を放出した際にクリアされる。
【0046】
次に、ステップS102では、CPU10は、所定の時間が到来したか否かを判断する。所定の時間が到来した場合(ステップS102の処理でYESが判断される場合)には、CPU10は、処理をステップS105に移し、ステータスにより後述の処理でブロック41を放出する。他方、所定の時間が到来していない場合(ステップS102の処理でNOが判断される場合)には、CPU10は、処理をステップS103に移す。
【0047】
ステップS103では、CPU10は、マウス/キーボード14からフィールド40の操作を受け付けたか否かを判断する。フィールド40の操作を受け付けた場合(ステップS103の処理でYESが判断される場合)には、CPU10は、処理をステップS104に移す。他方、メニュー情報部33(図2参照)に関する操作等、フィールド40の操作を受け付けていない場合(ステップS103の処理でNOが判断される場合)には、CPU10は、処理をステップS102に戻す。
【0048】
ステップS104では、CPU10は、ステップS103で受け付けた操作が栓44に関するものであるか否かを判断する。栓44は、所定の時間でブロック41を放出する他、マウス/キーボード14をクリックして栓44自体が選択されることで、ブロック41を放出する機能を有する。操作が栓44に関するものである場合(ステップS104の処理でYESが判断される場合)には、処理をステップS105に移し、CPU10は、RAM12上のステータスに1をセットした後、本処理を終了する。
他方、周レール42に対する操作がされた場合であり、操作が栓44に関するものではない場合(ステップS104の処理でNOが判断される場合)には、処理をステップS106に移し、CPU10は、RAM12のステータスに2をセットした後、本処理を終了する。ここで、ステータスは、RAM12に有する領域に記憶され、ブロック41の放出やカーソル50による周レール42の移動等の判断をするために用いられる。
【0049】
図9に戻って、ステップS22では、CPU10は、RAM12上に有するステータスが1であるか否かを判断する。ステータスに1が設定されている場合(ステップS22の処理でYESが判断される場合)には、CPU10は、処理をステップS23に移し、ブロック放出処理を行う。他方、ステータスに1が設定されていない場合(ステップS22の処理でNOが判断される場合)は、CPU10は、処理をステップS24に移し、レール移動処理を行う。
【0050】
ここで、ステップS23のブロック放出処理について図11に基づき説明する。
まず、ステップS111において、CPU10は、ステージのレベルに応じて放出するブロック41の数を決定する。例えば、ステージが1−1〜1−10、2−1〜2−10、3−1〜3−8まで3段階かつ段階ごとに複数回数分のステージが用意されている場合、ステージ1−1〜1−10まではブロック41の放出数を1、ステージ2−1〜2−10まではブロック41の放出数を2、ステージ3−1〜3−8まではブロック41の放出数を3、とそれぞれ放出数を決定する。このように、放出数は予め決めておいてもよいし、乱数データを用いてランダムに決定してもよい。
次に、ステップS112では、CPU10は、放出するブロック41の属性を決定する。放出するブロック41の属性は、例えば、乱数データを用いてランダムに決定してもよい。
【0051】
次に、ステップS113では、CPU10は、ステップS111で決定した全てのブロック41を放出したか否かを判断する。全てのブロック41を放出した場合(ステップS113の処理でYESが判断される場合)には、CPU10は、本処理を終了する。他方、全てのブロック41を放出していない場合(ステップS113の処理でNOが判断される場合)には、CPU10は、処理をステップS114に移す。
【0052】
ステップS114では、放出カウント値を変数Xにコピーする。ここで、放出カウント値及び変数Xは、RAM12の領域に記憶される。放出カウント値には、初期値を0として、ブロック41を放出した径レール43の位置を示す番号(径0〜径5)がセットされている。
【0053】
次に、ステップS115では、CPU10は、ブロック配置テーブル60(図3(b))を参照してブロック位置(X,a)が空か否かを判断する。これは、栓44に一番近い周aの周レール42と、変数Xと同記号の径レール43との交点にブロック41が存在するか否かを判断している。ブロック位置(X,a)が空である場合(ステップS115の処理でYESが判断される場合)には、処理をステップS116に移し、CPU10(要素出現表示制御手段106)は、ブロック位置(X,a)にブロック41を放出し、放出カウント値に1を加算する(ステップS117)。なお、ブロック41を、複数の径レール43に順番に放出するため、放出カウント値には、0から5の値がセットされるように6で割った剰余であるmod(X+1,6)により得られる値がセットされる。また、ブロック41を放出した際に、ブロック配置テーブル60の該当箇所に、放出に伴って追加となったブロック41の属性を更新する。その後、CPU10は、処理をステップS113に移す。
【0054】
他方、ブロック位置(X,a)が空でない場合(ステップS115の処理でNOが判断される場合)には、CPU10は、処理をステップS118に移し、周aの周レール42に空の箇所が存在するか否かを判断する。ここで、周aの周レール42に空の箇所が存在するとは、周aの周レール42と径レール43との交点にブロック41が存在しない箇所が、少なくとも1つ以上あることをいう。周aの周レール42に空の箇所が存在する場合(ステップS118の処理でYESが判断される場合)には、CPU10は、処理をステップS120に移す。そして、CPU10(要素出現表示制御手段106)は、周aの周レール42の空の箇所のブロック位置(Y,a)にブロック41を放出し(ステップS120)、放出カウント値に1を加算する(ステップS121)。その後、CPU10は、ステップS113に処理を移す。なお、周aの周レール42に空の箇所が複数存在する場合には、例えば、放出カウント値を1ずつ加算し、最初に存在した空の位置を、ブロック41の放出箇所とする。
【0055】
他方、空の箇所が存在しない場合(ステップS118の処理でNOが判断される場合)は、CPU10は、処理をステップS119に移す。ステップS119においてブロック移動処理を行った後、CPU10(要素出現表示制御手段106)は、ブロック位置(X,a)にブロック41を放出し(ステップS116)、放出カウント値に1を加算(ステップS117)した上で、ステップS113に処理を移す。
【0056】
ここで、ステップS119で行うブロック移動処理について図12に基づき説明する。ブロック移動処理は、栓44に一番近い周aの周レール42に、ブロック41が隙間なく配置され、空の箇所が存在しない場合に行われる。ブロック41を放出するために、周aの周レール42上のブロック41を移動させる必要がある場合である。
【0057】
まず、ステップS1001において、CPU10は、ブロック位置(X,b)が空か否かを判断する。ブロック位置(X,b)が空の場合(ステップS1001でYESが判断される場合)は、CPU10は、ブロック位置(X,a)に存在するブロック41をブロック位置(X,b)に移動させ(ステップS1002)、本処理を終了する。これにより、周aの周レール42の外方向に配置される周bの周レール42にブロック41が移動され、周aの周レール42上のブロック位置(X,a)を空にして、栓44から放出されるブロック41を配置することができる。他方、ブロック位置(X,b)が空でない場合(ステップS1001の処理でNOが判断される場合)には、CPU10は、処理をステップS1003に移す。
【0058】
次に、ステップS1003では、CPU10は、周bの周レール42のうち、ブロック位置(X,b)から時計回りに辿った径レール43との交点である、ブロック位置(mod(X+1,6),b)が空か否かを判断する。ブロック位置(mod(X+1,6),b)が空である場合(ステップS1003の処理でYESが判断される場合)には、CPU10は、ブロック位置(X,b)に配置されたブロック41をブロック位置(mod(X+1,6),b)に移動し(ステップS1004)、ブロック位置(X,a)に配置されたブロック41を空となったブロック位置(X,b)に移動し(ステップS1002)、本処理を終了する。他方、ブロック位置(mod(X+1,6),b)が空でない場合(ステップS1003の処理でNOが判断される場合)には、CPU10は、処理をステップS1005に移す。
【0059】
ステップS1005では、CPU10は、周bの周レール42のうち、ブロック位置(X,b)から反時計回りに辿った径レール43との交点である、ブロック位置(mod(X−1,6),b)が空か否かを判断する。ブロック位置(mod(X−1,6),b)が空である場合(ステップS1005の処理でYESが判断される場合)には、CPU10は、ブロック位置(X,b)に配置されたブロック41をブロック位置(mod(X−1,6),b)に移動し(ステップS1006)、ブロック位置(X,a)に配置されたブロック41を空となったブロック位置(X,b)に移動し(ステップS1002)、本処理を終了する。他方、ブロック位置(mod(X−1,6),b)が空でない場合(ステップS1005の処理でNOが判断される場合)には、CPU10は、処理をステップS1007に移す。
【0060】
ステップS1007では、変数Xと同記号の径レール43に配置されている全てのブロック41を中心点側から径方向外側に1つずつずらす。ブロック配置テーブル60の該当箇所に存在するブロック41の属性を、右方向に1つ移動させブロック位置(X,a)に空きを作る。なお、ずらす途中に空の箇所があれば、それより右に配置されたブロック41はずらさない。
【0061】
次に、ステップS1008では、CPU10(外移動検知手段107)は、移動させたことにより、ブロック41が周eの周レール42の外にはみ出したか否かを判断する。ブロック41が外にはみ出すのは、該当の記号(この例では変数X)の径レール43と、周レール42と全ての交点にブロック41が存在する場合である。ブロック41が外にはみ出した場合には、CPU10(終了判断手段108)は、プレイヤが失敗したものとしてポイント値から1を減算(ステップS1009)し、ステップS1002に処理を移す。他方、ブロック41が外にはみ出さなかった場合には、CPU10は、ステップS1002に処理を移す。ステップS1002では、CPU10は、ブロック位置(X,a)に存在するブロック41を空となったブロック位置(X,b)に移動し、本処理を終了する。なお、ポイント値は、RAM12上の領域に記憶される。また、ブロック41の移動は、ブロック配置テーブル60の項目を変更することにより行われる。
【0062】
このような処理により、一定時間ごとに又は栓44を選択した場合に放出されるブロック41を、周レール42と径レール43との交点に配置することができる。そして、ブロック41が放出されたことに伴い、放出されたブロック41を配置させるために、他のブロック41を移動させることができる。
【0063】
次に、図9のステップS24のレール移動処理について図13に基づき説明する。
このレール移動処理は、例えば、フィールド40を回転移動した場合であり、上述の図9で設定されたステータスの値により行われる。
まず、ステップS131では、CPU10は、操作を受け付けた周レール42を把握する。具体的には、カーソル50により選択された周レール42の位置を、座標軸を用いて把握し、当該座標軸に一番近い周レール42を選択する。
【0064】
次に、ステップS132では、CPU10(移動制御手段102)は、ブロック配置テーブル60(図3(b))の該当レールの値を1ずつずらす。例えば、周cの周レール42を時計回りに60度回転する場合、ブロック位置(0,c)のブロック41を周方向隣りのブロック位置(1,c)に移動させ、その他のブロック41を同様に移動させる。ブロック位置(5,c)のブロック41は、ブロック位置(0,c)に移動させる。
【0065】
次に、ステップS133では、CPU10(移動制御手段102)は、径レール配置テーブル70(図3(c))の該当レールの値を1つずつずらす。上述の例の場合には、径レール位置(0,C)の径レール43を径レール位置(1,C)に移動させ、径レール位置(1,C)の径レール43を径レール位置(2,C)に移動させる。同様に、径レール位置(5,C)の径レール43を径レール位置(0,C)に移動させる。この処理は、径レール43を時計回りに60度ずらすことに相当する。
【0066】
次に、ステップS134では、CPU10(移動制御手段102)は、周レール配置テーブル72(図3(d))の該当レールの値を1ずつずらす。上述の例の場合には、周レール位置(H,c)の周レール42を周レール位置(I,c)に移動させる。その後、CPU10は、本処理を終了する。
【0067】
このように、ブロック配置テーブル60、径レール配置テーブル70及び周レール配置テーブル72の項目を変化させることにより、レール上のブロック41と共にフィールド40上のレールを移動させることができる。
【0068】
図9に戻って、上述で説明したように、ステータスの値によってブロック放出処理(ステップS23)又はレール移動処理(ステップS24)を行った後には、ステップS25において、CPU10は、ブロック消去処理を行う。ブロック消去処理については、図14で説明する。
【0069】
図14のステップS141において、CPU10(条件検知手段103)は、ブロック配置テーブル60の全ての項目について、隣り合う行及び列について同じ値のブロック41が、自分を含めて3つ以上存在するか否かを判断する。ここで、周レール42は円周状であるため、ブロック位置(0,a)とブロック位置(5,a)とは隣り合う列である。そして、隣り合うものとして、周レール42上に3つ並ぶ場合、径レール43上に3つ並ぶ場合、周レール42上に2つ以上並び、かつ当該周レール42と交差する径レール43上に2つ以上並ぶ場合が考えられうる。上記条件に合致するブロック41が存在する場合(ステップS141の処理でYESが判断される場合)は、CPU10は、処理をステップS142に移す。他方、上記条件に合致するブロック41が存在しない場合(ステップS141の処理でNOが判断される場合)には、ブロック41は消去されず、CPU10は、本処理を終了する。
【0070】
次に、ステップS142では、CPU10(消去制御手段104)は、同じ値が3つ以上並んでいるブロック配置テーブル60の該当の項目を空にする。
次に、ステップS143では、CPU10は、プレイヤがブロックの消去に成功したとして、RAM12に記憶されているポイント値に、空となった数を加算する。
【0071】
次に、ステップS144では、CPU10は、空にした位置の径方向外側に配置されたブロック41がブロック配置テーブル60に存在するか否かを判断する。該当のブロック41が存在する場合(ステップS144の処理でYESが判断される場合)には、CPU10(付随移動制御手段105)は、該当の径方向外側に配置されたブロック41を径方向の中心点側につめるように、ブロック41を移動させ、ブロック配置テーブル60を更新し(ステップS145)、本処理を終了する。なお、空にした位置の径方向外側に径レール43が存在しない場合には、ブロック41を移動できないため、本処理を行わない。
他方、該当のブロック41が存在しない場合(ステップS144の処理でNOが判断される場合)には、CPU10は、本処理を終了する。
【0072】
図9に戻って、上述のブロック消去処理(ステップS25)の後に、ステップS26において、CPU10は、ゲームステータス判定処理を行う。その後、CPU10は、ブロック処理を終了する。なお、ゲームステータス判定処理については、図15で説明する。
【0073】
まず、図15のステップS151において、CPU10は、RAM12に記憶されているポイント値を取り出す。
次に、ステップS152において、CPU10(終了判断手段108)は、RAM12に記憶されているポイント値が、予め定めたゲームオーバー値以上であるか否かを判断する。ゲームオーバー値以上である場合(ステップS152の処理でYESが判断される場合)は、ステップS153において、CPU10は、ゲームオーバー処理を行い、本処理を終了する。他方、ゲームオーバー値未満である場合(ステップS152の処理でNOが判断される場合)には、CPU10は、処理をステップS154に移す。
【0074】
ステップS154では、CPU10は、RAM12に記憶されているポイント値が予め定めたクリア値以上か否かを判断する。クリア値以上である場合(ステップS154の処理でYESが判断される場合)は、ステップS155において、CPU10は、ゲームクリア処理を行い、本処理を終了する。他方、クリア値未満である場合(ステップS154の処理でNOが判断される場合)には、CPU10は、本処理を終了する。
【0075】
このように、ゲームオーバー時に、ゲームクリア時と同様にポイント値により行うことにより、ゲームの途中で多少の失敗が生じても、ゲームオーバーとなりプレイヤがゲームに物足りなさを感じることを防ぐことができる。
【0076】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、上述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図16は、第2実施形態の一例に係るディスプレイ13に表示される他の例を示す。
図16は、複数のフィールド40a、40b、40cがディスプレイ13上に配置されている。ゲームの処理は、図2に示すフィールド40が1つの場合と同様であるが、例えば、フィールド40aの周cの周レール42aを回転移動(例えば、矢印θaの方向)させることに応じて、CPU10(移動制御手段102)は、隣り合う他のフィールド40bの周cの周レール42bを、歯車を噛み合わせたように周レール42aの回転とは逆の方向(例えば、矢印θbの方向)に回転移動させる。また、フィールド40bの周cの周レール42bが回転移動することに応じて、CPU10(移動制御手段102)は、さらに隣り合う他のフィールド40cの周cの周レール42cを、周レール42bの回転とは逆の方向(例えば、矢印θcの方向)に回転移動させる。
このように、複数のフィールド40が相互に関連しあうことにより、さらに面白味のあるゲームを実行することができる。
【0077】
(第3実施形態)
最後に、本発明を適用した第3実施形態について説明する。
図17は、第3実施形態の一例に係るディスプレイ13に表示される他の例を示す。
この図17は、フィールド40が円周状ではなく、多角形状のものを含む。この場合においても、周レール42が円周状の場合と比較して、ブロック41が複雑に移動可能なため、より面白味のあるゲームを実行することができる。
【0078】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0079】
(変形形態)
以上、説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
本実施形態では、同じ種類のブロックが3つ以上繋がっている場合に当該ブロックを消去させるようにしたが、ブロック数は異なる個数としてもよい。また、ブロックの属性により様々な変化を生じさせてよい。例えば、あるブロックが消去された際に、そのブロックと同じ径レール上の他のブロックを全て消去するものや、あるブロックが消去された際に、栓から放出するブロックの放出間隔を変化させるもの等が考えられる。
さらに、本実施形態では、径レールは円の径方向のレールであるが、これに限らず、2つの周レール間を接続するものであれば、径方向を向いていなくてもよい。
さらに、本実施形態では、コンピュータにより実施している。しかし、これに限らず、ビデオゲーム機において実現してもよいし、実際にレールが存在する実機のゲーム装置において実現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】第1実施形態の一例に係るパズルゲームを行うコンピュータの機能を示す機能ブロック図である。
【図2】第1実施形態の一例に係るパズルゲームの画面を示す図である。
【図3】第1実施形態の一例に係るフィールドと各種テーブルとの関係を示す図である。
【図4】第1実施形態の一例に係るブロックが放出された場合のフィールドの例と、その際のブロック配置テーブルとを示す。
【図5】図4に関連して行われる処理を説明するためのブロック配置テーブルを示す。
【図6】図5に基づき作成される表示画面の例を示す。
【図7】第1実施形態の一例に係るフィールドの部分を移動させた場合のフィールドと、ブロック配置テーブルとを示す。
【図8】第1実施形態の一例に係るメイン処理のフローチャートを示す。
【図9】第1実施形態の一例に係るブロック処理のフローチャートを示す。
【図10】第1実施形態の一例に係るタイマ判定処理のフローチャートを示す。
【図11】第1実施形態の一例に係るブロック放出処理のフローチャートを示す。
【図12】第1実施形態の一例に係るブロック移動処理のフローチャートを示す。
【図13】第1実施形態の一例に係るレール移動処理のフローチャートを示す。
【図14】第1実施形態の一例に係るブロック消去処理のフローチャートを示す。
【図15】第1実施形態の一例に係るゲームステータス判定処理のフローチャートを示す。
【図16】第2実施形態の一例に係る他の例を示す。
【図17】第3実施形態の一例に係る他の例を示す。
【符号の説明】
【0081】
10 CPU
11 ROM
12 RAM
13 ディスプレイ
14 マウス/キーボード
40 フィールド
41 ブロック
42 周レール
43 径レール
44 栓
50 カーソル
60 ブロック配置テーブル
70 径レール配置テーブル
72 周レール配置テーブル
100 コンピュータ
101 要素表示制御手段
102 移動制御手段
103 条件検知手段
104 消去制御手段
105 付随移動制御手段
106 要素出現表示制御手段
107 外移動検知手段
108 終了判断手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
表示画面の所定の領域にフィールド、及び前記フィールド内に複数のパズル要素を表示する要素表示制御手段と、
前記フィールドの全体又は一部を前記所定の領域に対して相対的に移動させる移動制御手段と、
前記フィールド内に配置される前記パズル要素の配置関係が、所定の条件を満たすことを検知する条件検知手段と、して機能させるためのパズルゲームプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のパズルゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、前記条件検知手段が検知したことに応じて、前記条件に該当の前記パズル要素を消去させる消去制御手段として機能させるためのパズルゲームプログラム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のパズルゲームプログラムであって、
前記移動制御手段を、前記パズル要素が前記フィールドの全体又は一部に配置される場合には、前記パズル要素が配置された前記フィールドを前記パズル要素と共に移動させるように機能させることを特徴とするパズルゲームプログラム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のパズルゲームプログラムであって、
前記フィールドは、前記パズル要素が前記フィールド内における配置位置から他の配置位置に移動可能な経路を示すレールを有することを特徴とするパズルゲームプログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のパズルゲームプログラムであって、
前記レールは、円の円周上及び多角形の辺上の少なくとも一方の形状上の周レールであり、
前記移動制御手段を、前記フィールド内における所定の中心点回りに前記周レールを回転移動させるように機能させることを特徴とするパズルゲームプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のパズルゲームプログラムであって、
前記フィールドは、所定の前記周レールと前記所定の周レールに径方向に隣り合う周レール間とで前記パズル要素が移動可能な経路を示す径レールを有し、
前記コンピュータを、前記径レールと所定の前記周レールとの交点に配置された前記パズル要素を、前記隣り合う周レールと前記径レールとの交点にパズル要素を有していない場合には、前記隣り合う周レール上に移動させる付随移動制御手段として機能させるためのパズルゲームプログラム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載のパズルゲームプログラムであって、
前記移動制御手段を、操作部の操作に応じて移動させるように機能させることを特徴とするパズルゲームプログラム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載のパズルゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、前記パズル要素を前記所定の中心点側から外方向に出現表示させる要素出現表示制御手段として機能させるためのパズルゲームプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のパズルゲームプログラムであって、
前記要素出現表示制御手段を、出現表示させる前記パズル要素の個数を変化させるように機能させることを特徴とするパズルゲームプログラム。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のパズルゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記要素出現表示制御手段により前記パズル要素を前記フィールドの外へ移動させたことを検知する外移動検知手段と、
前記外移動検知手段による検知に応じて、所定の数値を変化させ、前記数値に応じてパズルゲームを終了するか否かを判断する終了判断手段と、して機能させるパズルゲームプログラム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載のパズルゲームプログラムであって、
前記パズル要素は、パズルゲームに関する変化をもたらす機能を示す属性を有することを特徴とするパズルゲームプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のパズルゲームプログラムであって、
前記パズル要素を、属性の異なる複数のパズル要素を有するように機能させることを特徴とするパズルゲームプログラム。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかに記載のパズルゲームプログラムであって、
前記要素表示制御手段を、前記表示画面に複数のフィールドを表示するように機能させることを特徴とするパズルゲームプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のパズルゲームプログラムであって、
前記移動制御手段を、前記フィールドを移動したことに応じて、隣り合う前記フィールドを相互に連動して移動させるように機能させることを特徴とするパズルゲームプログラム。
【請求項15】
請求項1から14のいずれかに記載のパズルゲームプログラムを記憶したプログラム記憶媒体。
【請求項16】
請求項1から14のいずれかに記載のパズルゲームプログラムが記憶された記憶部と、
前記パズルゲームプログラムを実行する制御部と、を備えることを特徴とするパズルゲーム装置。
【請求項17】
プレイヤの入力操作を受け付ける操作部と、
フィールドと、
前記フィールド内に配置される複数のパズル要素と、
前記操作部の操作に応じて、前記フィールドの全体又は一部を前記フィールドに対して相対的に移動させる移動制御手段と、
前記フィールド内に配置される前記パズル要素の配置関係が、所定の条件を満たすことを検知する条件検知手段と、を備えることを特徴とするパズルゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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