説明

パズル問題表示システム

【課題】自動生成処理によって異なる問題を提供することによってゲームの継続遊戯性に優れ、さらに、難易度の調節を行うことができ、遊技者の習熟度に応じた適切な問題を迅速に表示する。
【解決手段】3以上7以下の正数値をマス辺とするn×n正方内にn種類のマス目を有するラテン方格の組み合わせパズル問題を、外部から指定された難易度指標情報に対応させた内容及び表示態様で表示する。少なくともパズル問題を生成させる生成指示情報、及びパズル問題の難易度に関連する難易度指標情報を外部入力するための入力デバイスと、前記外部入力された難易度関連情報に基づいて、前記ラテン方格の組み合わせパズル問題の表示データを生成処理する処理デバイスと、生成処理した表示データにしたがってパズル問題を出力する出力デバイスとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パズル問題を自動処理によって生成するパズル問題表示システムに関する。特に、縦列と横列とにそれぞれ異なるモチーフを整列させて組み合わせを完成させる電子パズルゲームのパズル問題に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、縦列と横列とにそれぞれ異なるモチーフを整列させて組み合わせを完成させる電子パズルゲームのパズル問題に関し、縦列と横列とに構成片を整列させて組み合わせを完成させるパズルとして、例えば、実開平5−48991号に記載の電子パズルゲームのパズル問題が存在する(特許文献1参照)。この電子パズルゲームのパズル問題は、同一矩形のパズル構成片を複数そなえ、それらパズル構成片を基盤110内に平面的に並べて配置可能となし、各パズル構成片の表面及び裏面にそれぞれ部分絵を描き、パズル構成片を枠体内に所定の配置で並べて嵌合したときに各パズル構成片の部分絵が集合して統一した絵が完成されるように構成されている。
【0003】
また従来、縦列と横列とにそれぞれ異なるモチーフを整列させて組み合わせを完成させる電子パズルゲームのパズル問題であって、成人であっても興趣性のあるものとして、特許4669233に記載の電子パズルゲームのパズル問題が開示される(特許文献2参照)。この電子パズルゲームのパズル問題は、縦n列と横n列の列毎にn個の異なる種類のモチーフを整列させて組み合わせを完成させるパズルであって、前記モチーフが表示された複数のパズル構成片と、前記複数のパズル構成片の全てを縦n列と横n列に配置自在に収納する基盤と、を備え、前記nは4乃至6の整数であり、前記複数のパズル構成片は、1個のモチーフを表示した正方形状のパズル構成片と2個以上のモチーフを一列に表示した長方形状のパズル構成片とを混在させて構成されてなると共に、少なくとも、1個のモチーフを表示したパズル構成片と2個のモチーフを表示したパズル構成片と3個のモチーフを表示したパズル構成片とを夫々2以上含んで構成されてなり、前記複数のパズル構成片の全てを使用して縦n列と横n列の列毎にn個の異なる種類のモチーフを整列させるように前記基板に配置させて組み合わせを完成させてなる。そしてこの発明にあっては、1個のモチーフが表示されたパズル構成片と2個以上のモチーフが表示されたパズル構成片とが混在し、複数種類のパズル構成片を有するとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5−48991号公報
【特許文献2】特許第4669233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記電子パズルゲームのパズル問題はいずれも、電子化処理によるパズルゲームに対応しておらず、おもちゃの異なるパズル構成のおもちゃを用意しなければ異なる問題を提供できないことから、ゲームの継続遊戯性に欠けるという問題があった。また、一つのパズル問題を生成した後に問題の難易度を変更することは困難であり、遊技者(プレイヤー)の習熟度に応じた難易度の調節を行うことができなかった。
【0006】
また後者の電子パズルゲームのパズル問題は特に、問題の作成自体が困難であり、難易度を調整した適切な問題を迅速に表示することが困難であるという課題を有していた。
【0007】
そこで本発明は、電子化処理によるパズルゲームに対応したパズル問題として成立しており、自動生成処理によって異なる問題を提供することによってゲームの継続遊戯性に優れ、さらに、遊技者(プレイヤー)の習熟度に応じた難易度の調節を行うことができるパズル問題自動表示システム、及び電子パズルゲーム記憶媒体を提供することを課題とする。また、さらに、遊技者(プレイヤー)の習熟度に応じた難易度の調節を行い得るパズル問題の難易度調整デバイスを提供し、難易度を調整した適切な問題を迅速に表示するパズル問題自動表示システム、及び電子パズルゲーム記憶媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題を解決すべく発明されたものであって、以下(1)〜(6)の手段を採用している。
【0009】
(1)本発明のパズル問題の表示システムは、
3以上7以下の正数値を第一方向及び第二方向の共通マス辺数(n)とするn×n正方格内の各マス目に、複数種類のモチーフ(M1,M2,・・・Mn)を表した正方格パズル問題を、指定された難易度に関連する難易度指標情報(RD値)に対応させた正方格内容で表示する、パズル問題表示システムであって、
少なくともパズル問題を表示させる表示指示情報(D1)を外部入力するための入力デバイス(I)と、
前記入力デバイス(I)にて外部入力された表示指示情報(D1)に基づいて、特定された正方格による組み合わせパズル問題の表示データを作成する処理デバイス(CP)と、
前記処理デバイス(CP)にて作成された前記表示データにしたがって組み合せパズル問題を出力する出力デバイス(O)とを備えてなり、
前記正方格パズル問題の正方格は、少なくとも、前記第一方向または第二方向への2連マスからなる2マスピース(P2)、前記第一方向または第二方向への連マスを含む3マスからなる3マスピース(P3)を含む2形状種以上、かつ各形状種につき複数個ずつで構成される複数個の構成ピースの組み合わせによって方格構成されるものであり、
前記出力デバイス(O)は、一の正方格内における構成ピースの一の配置情報をパズル解とした組み合せパズル問題のデータを、分離された各構成ピースと共に所定の表示領域へ表示出力するものであり、
前記処理デバイス(CP)は、処理領域(CPU)及び記憶領域(CPM)を備えており、少なくとも、
・前記入力デバイス(I)に外部入力された前記表示指示情報(D1)に基づき、前記処理領域(CPU)によってラテン方格(L)を生成するか、或いは前記記憶領域(CPM)に予め記憶してあるラテン方格(L)を読み出して、処理対象とする一の正方格(L)を特定する正方格特定処理(S1)と、
・前記処理領域(CPU)によって、前記特定された一の正方格(Lx)から、各構成ピース(P1〜P32)を切り取って当該正方格(Lx)内の各構成ピースの組み合せ配置を(示すマス目間の切り取りラインを)決定(して記憶)するピース切り取り処理(S2)と、
・前記特定された一の正方格(Lx)に含まれる3ないし5マス以上のマスからなる構成ピースのそれぞれについて、当該正方格(L)内における、パズル解配置及びパズル解以外の配置からなる同順のモチーフのマス配置可能箇所数(BDx)を検出し、3マス以上のマスからなる全ての構成ピースによる配置可能箇所数の累計値(ΣBDx=BD値)を算出する配置箇所累計算出処理(S3)と、
・指定された前記難易度指標情報(RD)に基づき、表示データとする正方格の配置箇所累計値(表示BD値)を決定する表示BD値決定処理(S51)と、
・前記決定した配置箇所累計値(表示BD値)を有する一の正方格を、その構成マスの少なくともいずれかを隠した状態で表示し、併せて当該正方格のパズル解となる構成ピースのすべてを表示する表示データを生成する表示データ生成処理(S6)と、の各処理を行うことを特徴とする、パズル問題表示システム。
【0010】
(2)或いは本発明のパズル問題の表示システムは、ラテン方格についての自動生成処理、及びパズル問題の表示パターンの処理を含むものとして、以下に特定される構成としてもよい。
【0011】
すなわち3以上7以下の正数値(n)を第一方向及び第二方向の共通マス辺数とするn×n方格内の各マス目に、前記共通マス辺数と同じn種類のモチーフ(M1,M2,・・・Mn)を表したラテン方格の組み合わせパズル問題を、パズル問題の難易度に関連する難易度指標情報(RD値)に対応させたラテン方格内容、ないし前記難易度指標情報(RD値)に対応させた表示態様で表示する、組み合せパズル問題表示システムであって、
少なくともパズル問題を表示させる表示指示情報(D1)及び前記難易度指標情報(RD値)を外部入力するための入力デバイス(I)と、
前記入力デバイス(I)にて外部入力された表示指示情報(D1)及び難易度指標情報(RD値)に基づき、一のラテン方格を生成しないし読み出して特定し、特定されたラテン方格による一の組み合わせパズル問題の表示データを作成する処理デバイス(CP)と、
前記処理デバイス(CP)にて作成された前記表示データにしたがって組み合せパズル問題を出力する出力デバイス(O)とを備えてなり、
前記ラテン方格のパズル問題は、ラテン方格内の単独マスからなる単独ピース(P1)、前記第一方向へ連なる2連マスからなる第一2連ピース(P21)、前記第一方向と異なる第二方向へ連なる2連マスからなる第二2連ピース(P22)、前記第一方向へ連なる3連マスからなる第一3連ピース(P31)、及び前記第二方向へ連なる3連マスからなる第二3連ピース(P32)の各形状種以上、かつ各形状種につき複数個ずつで構成される複数個の構成ピースの組み合わせによって方格構成されるものであり、
前記出力デバイス(O)は、一のラテン方格内における構成ピースの一の配置情報をパズル解とした組み合せパズル問題のデータを、ラテン方格の構成マスの少なくともいずれかを隠すかあるいは一つも隠さない所定の表示パターン(P)で所定の表示領域(表示画面又は紙等の表示媒体)に表示し、併せて全構成ピースをラテン方格外に分離配置して所定の表示領域へ表示出力するものであり、
前記処理デバイス(CP)は、処理領域(CPU)及び記憶領域(CPM)を備えており、少なくとも、
・前記入力デバイス(I)に外部入力された前記表示指示情報(D1)に基づき、前記処理領域(CPU)によって一または複数のラテン方格(L)を生成するラテン方格生成処理(S01)と、
・前記生成された一のラテン方格(Lx)から前記各構成ピース(P1〜P5)を切り取って、当該ラテン方格(Lx)に組み合せ可能な各構成ピースの一種類の組み合せ配置を決定し、当該組み合せ配置をパズル解として記憶するピース切り取り処理(S2)と、
・前記ピース切り取りが行われた一のラテン方格(Lx)に含まれる第一3連ピース及び第二3連ピース(縦3連ピース及び横3連ピース)のそれぞれについて、当該ラテン方格(L)内における、パズル解配置及びパズル解以外の配置からなる同順の3連モチーフの配置可能箇所数(BDx)を検出し、全ての3連ピースによる配置可能箇所数の累計値(ΣBDx=BD値)を算出する配置箇所累計算出処理(S3)と、
・前記入力デバイス(I)に外部入力されることで指定された前記難易度指標情報(RD)を、複数の難易度変数(D値)のうちの所定の難易度値(指定D値)として認識する指定難易度認識処理(S4)と、
・前記生成したラテン方格の配置可能累計(BD値)、及び前記認識された指定難易度値(D値)の2値に基づいて、表示データとする一のラテン方格及びその前記表示パターン(P)を決定する表示パターン決定処理(S5)と、
・表示データとする前記一のラテン方格を、前記決定された表示パターンに応じて構成マスの少なくともいずれかを隠した状態で表示し、併せて前記構成ピースのすべてを表示する表示データを生成する表示データ生成処理(S6)と、の各処理を行うことを特徴とする、パズル問題表示システムである。
【0012】
(3)前記(2)に記載のパズル問題の表示システムにおいて、
処理デバイス(CP)は、ラテン方格の構成マスの隠しマス数(HD値)に対応した複数種の表示パターン(P1,P2,P3・・・PX)を予め記憶した記憶領域(CPM1)を有し、
前記表示パターン決定処理(S5)において、外部から指定された任意の難易度変数(D値)及び前記配置可能累計(BD値)の2変数を含む四則演算によって、ラテン方格の構成マスを隠す隠しマス数(HD値)を算出し、
算出した隠しマス数(HD値)に対応する一の表示パターン(PX)を前記記憶領域(CPM1)から呼び出して決定するものであることが好ましい。
【0013】
(4)前記いずれか記載のパズル問題の表示システムにおいて、
入力デバイス(I)は、さらに各ピースの操作情報を外部入力し得るものであり、
処理デバイス(CP)は、外部入力された操作情報に応じてパズル問題のピース構成部分の表示位置を可変させた可変表示データを作成すると共に、外部入力された操作情報がパズル解に該当する正解操作であるかどうかを判別処理し、正解操作があった場合にその旨を出力デバイス(O)に表示させるものであり、
出力デバイス(O)は、所定の表示領域へ画像表示したパズル問題のデータを、前記操作情報の入力に応じて再描画すると共に、正解操作があった場合に、パズル問題のデータを当該正解のパズル解のピースと組み合わせて電子表示することが好ましい。
【0014】
(5)前記いずれか記載のパズル問題の表示システムにおいて、
処理デバイス(CP)は、さらに第二記憶領域(CPM2)を備えており、
この第二記憶領域(CPM2)は、前記ラテン方格生成処理によって生成されたラテン方格データ(Lx)と、前記ピース切り取り処理によって生成された当該ラテン方格データのパズル解データ(Ax)と、前記配置箇所累計算出処理によって算出された配置箇所数の累計値(BD値)データとを、互いに関連付けて複数個記憶するものであり、
前記表示パターン決定処理(S5)において、第二記憶領域(CPM2)に記憶されたラテン方格データ(Lx)のうちの一つを、関連付けられたパズル解データ(Ax)及び関連付けられた累計値(BD値)データと共に呼び出して、表示対象の特定ラテン方格とすることが好ましい。
【0015】
(6)前記いずれか記載のパズル問題の表示システムにおいて、
入力デバイス(I)は、問題表示後の外部操作による構成ピースの移動開始時点と、問題表示後の外部操作による問題のクリア時点と、移動開始時点からクリア時点迄における前記外部操作による構成ピースの方格枠内への当てはめ試行動作が行われたこと、のそれぞれを認識するものであり、
処理デバイス(CP)は、さらに第三記憶領域(CPM3)を備えており、
この第三記憶領域(CPM3)は、画像表示から問題のクリアまでの時間とピースの当てはめ試行回数をカウントしてプレイヤー歴データとして記憶するものであり、
指定難易度認識処理(S4)において、処理デバイスは、外部から指定された前記難易度指標情報(RD)として、直前のプレイヤー歴データに基づいて算出された所定の難易度変数(指定D値)として認識して、プレイヤーが問題を解くまでの所要時間と解くまでにピースを置いた回数で次の問題のDの値が決定されることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上記手段を講じることで、電子化処理によるパズルゲームに対応したパズル問題として成立し、自動生成処理によって異なる問題を提供することによってゲームの継続遊戯性に優れ、さらに、遊技者(プレイヤー)の習熟度に応じた難易度の調節を行うことができるパズル問題の自動表示システムを提供するものとなった。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明のパズル問題表示システムの第一構成例の構成説明図。
【図2】本発明のパズル問題表示システムの第二構成例の構成説明図。
【図3】パズル問題表示システムのラテン方格および構成ピースの表示例。
【図4】パズル問題の第一表示例(難易度値D=5)。
【図5】パズル問題の第二表示例(難易度値D=8)。
【図6】パズル問題の第三表示例(難易度値:低)。
【図7】パズル問題の第四表示例(難易度値:中)。
【図8】パズル問題の第五表示例(難易度値:高)。
【図9】パズル問題の第六表示例(難易度値:最高)。
【図10】パズル問題の構成ピース及びルール説明。
【図11】処理デバイス(CP)における処理領域(CPU)及び記憶領域(CPM)の概念図。
【図12】処理デバイス(CP)による基本的な処理のフロー図。
【図13】ピース切り取り処理における切り取りライン例。
【図14a】表示パターン処理におけるヒントパターンのデータ例(HD:0〜16)。
【図14b】表示パターン処理におけるヒントパターンのデータ例(HD:17〜25)。
【図15】パズル問題成績を難易度指標情報とする場合の次回難易度値の設定例。
【図16】出力デバイスにおける表示指示情報の入力画面例。
【図17】出力デバイスにおける難易度指標情報の入力画面例。
【図18】出力デバイスにおけるパズル問題の表示画面例。
【図19】出力デバイスにおけるパズル問題のクリア画面例。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本パズル問題自動表示システムの実施形態を、実施例として示す各図と共に説明する。本発明のパズル問題表示システムはその基本構成として、図1,2に示すように、少なくともパズル問題を表示させる表示指示情報(D1)を外部入力するための入力デバイス(I)と、
前記入力デバイス(I)にて外部入力された表示指示情報(D1)に基づいて、特定された正方格による組み合わせパズル問題の表示データを作成する処理デバイス(CP)と、
前記処理デバイス(CP)にて作成された前記表示データにしたがって組み合せパズル問題を出力する出力デバイス(O)とを備えてなる。
【0019】
そして出力デバイス(O)において、図3の左右上図に示すような、3以上7以下の正数値を第一方向及び第二方向の共通マス辺数(n)とするn×n正方格内の各マス目に複数種類のモチーフ(M1,M2,・・・Mn)を表した正方格パズル問題を、図4〜図6に示すような、指定された難易度に関連する難易度指標情報(RD値)に対応させた正方格内容で表示するものである。
【0020】
(システムの構成例)
システムの第一構成例として、図1に示すように処理デバイスをパソコン本体とし、入力デバイスをキーボード又は/及びマウスとし、出力デバイスを画像モニター又は/及びプリンターとしたローカルコンピュータシステムが挙げられる。この構成において処理デバイスは、インターネット又はイントラネットを通じて有線又は無線で遠隔接続された端末、或いはサーバを用いてもよく、入力デバイスはペン型タブレット、トラックボール、タッチパネルなど一般に入力手段として用いられる任意の要素を用いてもよい。
【0021】
また、システムの第二構成例として、図2に示すように処理デバイスを、電子ゲーム用記憶ソフトを差し替え可能に組み込んだゲーム機本体からなるものとし、出力デバイスを前記ゲーム機本体に有線又は無線で接続されたプロジェクターとし、入力デバイスを前記ゲーム機本体に有線又は無線で接続されたゲーム用コントローラーとしたゲームシステムが挙げられる。また他のシステムの構成例として、処理デバイスを携帯型端末とし、入力デバイス及び出力デバイスを前記携帯型端末に組み込まれたタッチパネルまたはキーボードとして共通させた端末型システムが挙げられる。ここで、例えばタッチパネルは電子画像データを出力すると共に接触操作によって電子画像データを動画として再描画させるものであり、出力デバイスと入力デバイスとを兼ねたものである。また携帯型端末は他の端末間で通話又は通信機能を備えた電話兼用機又は通信兼用機としてもよい。
【0022】
(入力デバイス(I))
入力デバイス(I)は、少なくともパズル問題を表示させる表示指示情報(D1)を外部入力するための要素である。さらにいえば、パズル問題の難易度に関連する難易度指標情報(RD値)を外部入力によって認識する要素である。またさらには、問題表示後の外部操作による構成ピースの移動開始時点と、問題表示後の外部操作による問題のクリア時点と、移動開始時点からクリア時点迄における前記外部操作による構成ピースの方格枠内への当てはめ試行動作が行われたこと、のそれぞれを認識するものである。
【0023】
(出力デバイス(O))
出力デバイス(O)は、一の正方格内における構成ピースの一の配置情報をパズル解とした組み合せパズル問題のデータを、分離された各構成ピースと共に所定の表示領域へ表示出力する。
【0024】
<組み合せパズル問題>
本パズル問題は、正方方格のマス目を有するラテン方格の枠と、この枠内にあてはまる複数個の構成ピースとを基にして、ラテン方格内にパズルピースを組み合わせて解答する組み合せパズルの問題である。正方格パズル問題の正方格は、少なくとも、前記第一方向または第二方向への2連マスからなる2マスピース(P2)、前記第一方向または第二方向への連マスを含む3マスからなる3マスピース(P3)を含む2形状種以上、かつ各形状種につき複数個ずつで構成される複数個の構成ピースの組み合わせによって方格構成される。
【0025】
正方格パズル問題の正方格の具体例が、図3〜9に示すラテン方格である。ラテン方格は、3以上7以下の正数値(n,m)を縦横のマス辺とする縦n×横m方格内に、縦横の最小マス辺数以下の種類数l(n≧lかつm≧l)のマス目(M1,M2,・・・Ml)を有する。実施例では3以上7以下の正数値(n=5)をマス辺とする5×5の正方形方格25マス目内に5種類のマス目模様(M1,M2,・・・Mn)(n=5)が付されている。
【0026】
(パズル解)
ラテン方格の組み合せパズル問題は、ラテン方格内の単独マスからなる単独ピース(P1)、縦一方向の2連マスからなる縦2連ピース(P21)、横一方向の2連マスからなる横2連ピース(P22)、縦一方向の3連マスからなる縦3連ピース(P31)、及び横一方向への3連マスからなる横3連ピース(P32)からなる5種類の構成ピースそれぞれ複数個ずつによるマス目の重畳・欠落の無い組み合わせ配置をパズル解とする。例えば、図4下図に示すように、同じ並びのモチーフ列がラテン方格内にそのままあてはめられるような構成ピースごとの配置がパズル解となる。パズル解は入れ替え可能な特殊な配置を除き、基本的に一つのラテン方格内の全ての構成ピースにおいて一通りである。
【0027】
(マス目模様)
マス目模様(M1,M2,・・・Mn)(n=5)として、各マス目内に図10上部に示す5種類のモチーフが掲載されており、3連ピースでは3つの異種モチーフが3連表示され、2連ピースでは2つの異種モチーフが2連表示され、単独ピースでは1つのモチーフが表示される。モチーフとしては例えば、天使、月、十字架、ダビデ及び、ハートのそれぞれをイメージした5種類や、アルファベットを組み合わせた5種類を使用することができる。他に適宜の図形、記号を使用することができる。
【0028】
問題表示は、図3の左図や図4に示すようにラテン方格内のモチーフをすべて表示したものでもよく、図3の右図や図5〜図9に示すように転法格内の一部のマス目のモチーフを隠蔽して残りの一部のマス目のモチーフのみを表示したものでもよい。
【0029】
また図10に示すように、パズル問題のルールとして、・各構成ピースは回転してはならない、・全ての行列においてモチーフが重ならないように並べなければならないことが挙げられる。パズル問題の解き方としては、例えばヒントとしてラテン方格の枠内のマス目に表示されているモチーフに合わせて構成ピースを置いていき、全ての構成ピースによる一つのパズル解の組み合わせを論理的にまたは試行により探っていく。問題の出題方法としては、全ての構成ピースの配置を特定させるもののほか、ヒントやピースを頼りにエンジェルLiu(天使マーク)のモチーフの位置を答えさせるものとしてもよい。
【0030】
モチーフの隠蔽数或いは表示されたモチーフの数によって、パズル問題の難易度が変わる。例えば図6ではヒント表示されているのが全15マスの内中央付近の8マスの方形パターンであるが、開示された表示マスのみをもって、モチーフの並び順から論理的に「マル6」「エンジェルLiu」「マル1」の3つの構成ピースが確定する。この難易度は表示パターンによって比較的低い難易度:低となっている。同様に図7では開示された表示マスのみをもって、モチーフの並び順から論理的に「マル7」「マル5」の2つの構成ピースが確定し、この難易度は表示パターンによって比較的中程度の難易度:中となっている。また図8では開示された表示マスのみをもって、モチーフの並び順から論理的に「マル5」の1つのみ構成ピースの配置が確定し、この難易度は表示パターンによって難易度:高となっている。そして図9ではヒント表示されている8マスのモチーフを見るだけでは、9つのどの構成ピースの位置も確定しない。この難易度は表示パターンによって最高難易度となっている。
【0031】
(処理デバイス(CP))
処理デバイス(CP)は、図11に示すように処理領域(CPU)及び記憶領域(CPM)を備えており、基本的に、図12に示すように、難易度の指定を受けたのちにラテン方格(ラテン方陣)を作成し、ピース切り取り処理を行い、配置箇所累計算出処理(S3)によって難易度判定を行う。そして難易度判定において、作成されたラテン方格が指定された難易度値に見合う場合には、パズル問題の表示データを作成してパズル問題を表示し、見合わない場合には、作成されたラテン方格を記憶領域にストックしておき、次回以降の問題表示において相応の難易度が要求された場合に呼び出すものとしている。
【0032】
処理デバイスによる具体的な処理としては、少なくとも、ラテン方格生成処理、正方格特定処理(S1)、難易度決定処理、ピース切り取り処理(S2)、配置箇所累計算出処理(S3)、表示BD値決定処理(S51)、表示データ生成処理(S6)の各処理がある。以下、処理デバイスによる各処理内容を説明する。
【0033】
(正方格特定処理(S1))
正方格特定処理(S1)は、前記入力デバイス(I)に外部入力された前記表示指示情報(D1)に基づき、前記処理領域(CPU)によってラテン方格(L)を生成する(ラテン方格の生成処理)か、或いは前記記憶領域(CPM)に予め記憶してある複数のラテン方格(L)から一のラテン方格(Lx)を読み出して、処理対象とする一の正方格(L)を特定する。ラテン方格の生成処理を行う場合は、読み出し処理は行わない。ただし生成したラテン方格について配置箇所累計(BD値)処理によって配置箇所累計(BD値)を算出し、算出した配置箇所累計(BD値)が、例えばBD値が難易度値Dよりも一定の調整差分以上小さい等の判別基準によって、指定された難易度値Dに準じた値であるかどうかを判別する。算出した配置箇所累計(BD値)が判別基準を満たさず、指定された難易度値Dに準じた値となっていない場合は再度ラテン方格生成処理を行い、判別基準をクリアするようなラテン方格が生成されるまで繰り返し試行する。判別基準をクリアするようなBD値を有するラテン方格が生成されたとき、このラテン方格を特定正方格とする。またラテン方格の読み出し処理を行うときは、作成問題の難易度値D(Difficulty)を読み出しフラッグとし、当該難易度値D或いはこれよりも小さい難易度値の正方格を読み出すようにする。
【0034】
<難易度決定>また併せて、入力された難易度指標情報に基づき、作成する問題の難易度値D(Difficulty)を決定する。なお初回起動時はD=5とする。
【0035】
(ラテン方格の生成処理)
ラテン方格の生成処理は、表示指示情報の入力を起動点として開始される。ラテン方格の生成処理は例えば以下の手順で行われる。ここでは、縦横マス辺5×5の正方形方格におけるマス目内に表示される5種類のモチーフを、1〜5の各数字で置き換えて処理する。例えば実施例のラテン方格は、どの行・列にも1〜5までの数字が1つずつ存在する5×5の行列からなる。
【0036】
先ず、左上(A-1)からその右(B-1),・・・,2行目左端(A-2),・・・,(E-5)の順で数字を決定する。
1,2,3,4,5の数字からランダムで1つ取得。同行,同列にその数字が存在すれば数字を再度取得。存在しなければその数字で確定し、次のマスへ。5種の数字を取得しても次のマスへ移行できない場合は1つ上の行の左端マスからリセット。リセットする場合はリセット前と同じ数字の並びにならないようにする。
【0037】
(ピース切り取り処理(S2))
・ピース切り取り処理(S2)は、前記処理領域(CPU)によって、前記特定された一の正方格(Lx)から、各構成ピース(P1〜P32)を切り取って当該正方格(Lx)内の各構成ピースの組み合せ配置を示すマス目間の切り取りラインを決定して記憶領域に記憶する。例えば図13に示すようなラテン方格内の仕切り枠のデータを切り取りラインとして取得し記憶する。
【0038】
<ピース切り取り処理の具体的手順>
1.縦Barマル1
A-1,2,3、B-1,2,3、D-1,2,3、E-1,2,3の12マスからランダムで1マスを取得し、ピースの上端マスとする。その下のマスとさらにその下のマスの数字を含めて切り取る。上端マス取得位置を記憶して縦Barマル2の切り取りへ。
【0039】
2.縦Barマル2
縦Barマル1同様12マスからランダムで1マスを取得し、その下のマスとさらにその下のマスの数字を確認。条件を満たせばピース上端マス取得位置を記憶して横Barマル1へ。満たさない場合は上端マスを再度取得。12ヶ所取得しても横Barマル1へ移行できない場合は縦Barマル2に関する情報をすべて消去して縦Barマル1からリセット。
条件イ:縦Barマル1と同列でない
条件ロ:縦Barマル1が列Bの場合は列Dでは切り取らない
条件ハ:縦Barマル1が列Dの場合は列Bでは切り取らない
条件ニ:縦Barマル1の同行3列隣では切り取らない
(例:縦Barマル1がA-123ならD-123では切り取らない)
条件ホ:縦Barマル1と同一でない
条件ヘ:取得マスは一度も縦Barマル2の上端マスとして記憶されていない
【0040】
3.横Barマル1
A-1,2,3,4,5、B-1,2,3,4,5、C-1,2,3,4,5の15マスからランダムで1マスを取得し、ピースの左端マスとする。その右のマスとさらにその右のマスの数字を確認。条件を満たせばピース左端マス取得位置を記憶して横Barマル2へ。満たさない場合は再度取得。15ヶ所取得しても横Barマル2へ移行できない場合は横Barマル1に関する情報をすべて消去して縦Barマル2からリセット。
条件ト:既に切り取られたマスを含まない
条件チ:取得マスは横Barマル1の左端マスとして記憶されていない
【0041】
4.横Barマル2
横Barマル1同様15マスからランダムで1マスを取得し、ピースの左端マスとする。その右のマスとさらにその右のマスの数字を確認。条件を満たせばピース左端マス取得位置を記憶して横Barマル3へ。満たさない場合は再度取得。15ヶ所取得しても横Barマル3へ移行できない場合は横Barマル2に関する情報をすべて消去して横Barマル1からリセット。
条件ヌ:既に切り取られたマスを含まない
条件ル:取得マスは横Barマル2の左端マスとして記憶されていない
条件ヲ:横Barマル1と同一でない
【0042】
5.横Barマル3
横Barマル1同様15マスからランダムで1マスを取得し、ピースの左端マスとする。その右のマスとさらにその右のマスの数字を確認。条件を満たせばピース左端マス取得位置を記憶して縦Pairマル1へ。満たさない場合は再度取得。15ヶ所取得しても縦Pairマル1へ移行できない場合は横Barマル3に関する情報をすべて消去して横Barマル2からリセット。
条件ワ:既に切り取られたマスを含まない
条件カ:取得マスは横Barマル3の左端マスとして記憶されていない
条件ヨ:横Barマル1マル2と同一でない
【0043】
6.縦Pairマル1
行5以外の20マスからランダムで1マスを取得し、ピースの上端マスとする。その下のマスの数字を確認。条件を満たせばピース上端マス取得位置を記憶して縦Pairマル2へ。満たさない場合は上端マスを再度取得。20ヶ所取得しても縦Pairマル2へ移行できない場合は縦Pairマル1に関する情報をすべて消去して横Barマル3からリセット。
条件タ:既に切り取られたマスを含まない
条件レ:取得マスは縦Pairマル1の上端マスとして記憶されていない
【0044】
7.縦Pairマル2
縦Pairマル1同様20マスからランダムで1マスを取得し、ピースの上端マスとする。その下のマスの数字を確認。条件を満たせばピース上端マス取得位置を記憶して横Pairマル1へ。満たさない場合は上端マスを再度取得。20ヶ所取得しても横Pairマル1へ移行できない場合は縦Pairマル2に関する情報をすべて消去して縦Pairマル1からリセット。
条件ソ:既に切り取られたマスを含まない
条件ツ:取得マスは縦Pairマル2の上端マスとして記憶されていない
条件ネ:縦Pairマル1と同一でない
【0045】
8.横Pairマル1
列E以外の20マスからランダムで1マスを取得し、ピースの左端マスとする。その右のマ
スの数字を確認。条件を満たせばピース左端マス取得位置を記憶して横Pairマル2へ。満たさない場合は再度取得。20ヶ所取得しても横Pairマル2へいけない場合は横Pairマル1に関する情報をすべて消去して縦Pairマル2からリセット。
条件ナ:既に切り取られたマスを含まない
条件ラ:取得マスは縦Pairマル1の上端マスとして記憶されていない
【0046】
9.横Pairマル2
横Pairマル1同様20マスからランダムで1マスを取得し、ピースの左端マスとする。その右のマスの数字を確認。条件を満たせばピース左端マス取得位置を記憶してSingleマル1へ。満たさない場合は再度取得。20ヶ所取得してもSingleマル1へ移行できない場合は横Pairマル2に関する情報をすべて消去して横Pairマル1からリセット。
条件ム:既に切り取られたマスを含まない
条件ウ:取得マスは縦Pairマル1の上端マスとして記憶されていない
条件ヘ:横Pairマル1と同一でない
【0047】
10.Singleマル1
25マスからランダムで1マスを取得する。条件を満たせばSingleマル2へ。条件を満たすまで取得を繰り返す。
条件ノ:既に切り取られたマスを含まない
【0048】
11.Singleマル2
25マスからランダムで1マスを取得する。条件1を満たすまで取得を繰り返す。条件1を満たした後、条件2を満たせばBD値計算へ。条件2を満たさない場合はSingleマル1マル2に関する情報をすべて消去して、横ペアマル2からリセット。
条件オ:既に切り取られたマスを含まない
条件ク: Singleマル1と同一でない
【0049】
(配置箇所累計算出処理(S3))
・配置箇所累計算出処理(S3)は、前記特定された一の正方格(Lx)に含まれる3ないし5マス以上のマスからなる構成ピースのそれぞれについて、当該正方格(L)内における、パズル解配置及びパズル解以外の配置からなる同順のモチーフのマス配置可能箇所数(BDx)を検出し、3マス以上のマスからなる全ての構成ピースによる配置可能箇所数の累計値(ΣBDx=BD値)を算出する。
【0050】
BD値とはすなわち、各構成ピースの数字の並びと同じ数字の並びがラテン方陣内に何カ所存在するかの合計値であり、それぞれの構成ピース毎に、パズル解の1カ所を含み他の箇所数を加えた1以上の正数からなる。
【0051】
BD値計算は具体的には以下手順で行われる。例えば5×5ラテン方格内の縦3ピース、横3ピースのBD値を求める場合、先ず縦Barマル1と同じ数字の並びがラテン方陣内にaヶ所,縦Barマル2はbヶ所,横Barマル1はcヶ所, 横Barマル2はdヶ所,横Barマル3はeヶ所存在するとき、BD=a+b+c+d+eを計算する。ラテン方格のパズル問題の性質上、a,b,c,d,eは1,2,3のいずれかであり、BDは最低で5,最高で15であるが、10,12,13,14になることはない。よってBDは5,6,7,8,9,11,15の7段階である。ランダムに10000問のパズル問題を作成した場合のBD値の分布例は、下表のようになった。
【0052】
【表1】

【0053】
(表示BD値決定処理(S51))
・指定された前記難易度指標情報(RD)に基づき、表示データとする正方格の配置箇所累計値(表示BD値)を決定する。初回起動時はD=5であるので作成された問題のBDが5でない場合はラテン方陣から問題を作り直す。
【0054】
<ヒントパターン決定>それぞれHD(HintDifficulty)値を持つ47種のヒントパターンから「BD+HD=D」を満たすものを選択する。ヒントパターンは図14a、図14bに示すように47種あり、各ヒントパターンにおいてモチーフが表示されていないマスの数をHDとする。HDは0,4,8,9,12,13,16,17,20,21,24,25の12種である。「BD + HD = D」を満たすHDをもつヒントパターンを1つ選択してパズル問題を確定し、難易度別にストックする。初回起動時はHD=0を選択する。
【0055】
(表示データ生成処理(S6))
・前記決定した配置箇所累計値(表示BD値)を有する一の正方格を、その構成マスの少なくともいずれかを隠した状態で表示し、併せて当該正方格のパズル解となる構成ピースのすべてを表示する表示データを生成する。
【0056】
<基本的な操作及び処理動作>
(ゲーム起動操作及びこれに伴う各デバイスの処理)
ゲーム起動時には入力デバイスを通じて、出力デバイスに表示された開始ボタンを押す起動操作を行う。起動操作によって処理デバイスの問題作成プログラムが作動し、少なくとも、正方格特定処理(S1)、ピース切り取り処理(S2)、配置箇所累計算出処理(S3)、表示BD値決定処理(S51)、表示データ生成処理(S6)の各処理を行って、要求する難易度の問題の表示データを作成する。表示データが作成されるとパズル問題として出力デバイスの表示領域に電子表示される。
【0057】
(パズル問題の表示例)
前記出力デバイス(O)によるパズル問題の表示は、一のラテン方格における全構成ピースの配置情報をパズル解とした組み合せパズル問題のラテン方格を所定の表示領域(表示画面又は紙等の表示媒体)に)画像出力すると共に、当該パズル解となるすべての構成ピースを互いに離間した状態で前記表示領域又は前記と異なる表示領域(表示画面又は紙等の表示媒体)に画像出力することで行われる。具体的には図2に示すように、表示領域の中央部ないし上半部にラテン方格の枠を画像出力し、その周りないし表示領域の下半部に、当該ラテン方格内に収まるすべての構成ピースを画像表示する。
【0058】
このとき、ラテン方格は、マス目間がすべて共通の線表示で区切られており、パズル解となるマス目の切り取りラインが識別できない状態となっている。出題時のラテン方格は、図のようにマス目のすべてを開示した全表示状態で表示してもよく、マス目の少なくともいずれかを隠した一部隠蔽状態で表示することも可能である。全表示状態とするか一部隠蔽状態とするかは難易度指数情報によって決定される。
【0059】
本発明の電子パズルゲームの難易度調節は、少なくとも、処理デバイス内で生成したラテン方格における全3連マスの配置可能箇所数の累計であるBD値を決定し、外部からの難易度指標情報に基づいて、表示するラテン方格を所定のBD値に制御する、いわゆる「表示方格BD値の制御処理」によって行われる。
【0060】
さらにいえば、本発明の電子パズルゲームの難易度調節は、上記「表示方格BD値の制御処理」に加えて、外部からの難易度指標情報に基づいて、マス目を隠蔽するか隠蔽しない表示パターン(P)を表示ラテン方格に組み合せて表示する「表示パターン処理」によって行われる。
【0061】
(遊戯方法)
以上の電子パズルゲームのパズル問題を使用して遊技する場合は、先ず、方格枠外に表示されたピースを指定して方格枠内に移動させ、縦列Aと横列Bとに、それぞれ異なるモチーフ21a〜21eが整列するように、パズル構成片20a〜20kを配列させてパズルを完成させる。このとき、3個のモチーフが表示されたパズル構成片20a〜20eと2個のモチーフが表示されたパズル構成片20f〜20iと1個のモチーフが表示されたパズル構成片20j、20kとが混在し、3種類のパズル構成片を複数個有するため、通常の絵合わせの電子パズルゲームのパズル問題よりも完成が困難であり、理論的思考に基づく推理が必要となる。
【0062】
(操作及び処理)具体的には以下の操作手順及び処理順序で行われる。このとき図16〜図19に示す画面例が随時表示される。
<ゲーム起動>
図16に示す起動時画面からの問題表示指示情報の入力操作(開始ボタンを押す操作)、或いは、図17に示す難易度設定画面からの難易度指標情報の入力操作(いずれかの難易度ボタンを押す操作)によって、問題作成プログラムが作動し、要求する難易度の問題が作成されるとパズル問題が表示される。
<難易度決定>作成する問題の難易度D(Difficulty)を決定する。初回起動時はD=5。
<ラテン方陣作成>どの行・列にも1〜5までの数字が1つずつ存在する5×5の行列を作成する。
<ピース切り取り>同一ピースが作成されないようにラテン方陣から切り取る。
<BD値計算>Barピースの数字の並びがラテン方陣内に何ヶ所存在するか、BD(BarpieceDifficulty)値を計算する。具体的には縦Barマル1と同じ数字の並びがラテン方陣内にaヶ所,縦Barマル2はbヶ所,横Barマル1はcヶ所, 横Barマル2はdヶ所,横Barマル3はeヶ所存在するとき、BD=a+b+c+d+eを計算する。BITS PUZZLEの性質上、a,b,c,d,eは1,2,3のいずれかであり、BDは最低で5,最高で15であるが、10,12,13,14になることはない。よってBDは5,6,7,8,9,11,15の7段階である。初回起動時はD=5であるので作成された問題のBDが5でない場合はラテン方陣から問題を作り直す。
<ヒントパターン決定>それぞれHD(HintDifficulty)値を持つ47種のヒントパターンから「BD+HD=D」を満たすものを選択する。ヒントパターンは47種あり、各ヒントパターンにおいてモチーフが表示されていないマスの数をHDとする。HDは0,4,8,9,12,13,16,17,20,21,24,25の12種である。「BD + HD = D」を満たすHDをもつヒントパターンを1つ選択してパズル問題を確定し、難易度別にストックする。初回起動時はHD=0を選択する。
【0063】

<パズル問題表示>
表示されるものとして特定されたラテン方格を、図18或いは図4〜図9に示すように、枠外に分離配置した構成ピースと共にパズル問題として表示する。このとき指定された難易度値と、表示するラテン方格の配置可能累計値(BD値)に応じて、図5〜図9のように、決定されたヒントパターンと重ね合わせてパズル問題を表示するものとすることができる。またバックグラウンドで問題作成プログラムは目標を達成するまで作動し続けており、問題表示中、つまりプレイヤーが問題を解いている間にバックグラウンドで問題を作成する。すべてのDについて常時1問以上ストックしてある状態を目標とする。
【0064】
(プレーヤーによるパズル問題の回答操作)
プレイヤーは全ての行・列に各モチーフが1つずつ入るように、5×5の枠内に11個のピースをはめ込む。このとき入力デバイスは、問題表示後の外部操作による構成ピースの移動開始時点と、問題表示後の外部操作による問題のクリア時点と、移動開始時点からクリア時点迄における前記外部操作による構成ピースの方格枠内への当てはめ試行動作が行われたこと、のそれぞれを認識し、これに基づいて処理デバイスは、プレイヤーが問題を解くまでの所要時間と解くまでにピースを置いた回数をカウントする。
【0065】
電子表示の場合、構成ピースを入力デバイスからの操作にしたがって移動した位置に再表示する。ラテン方格上で移動操作を止めると、当該構成ピースは最も近接したラテン方格のマス目位置上に当て嵌められ、ずれることなくマス目内に移動固定される。なおゲームモードの種類によっては、すべての構成ピースがラテン方格の正しい配置すなわちパズル解位置に移動操作されたとき、図19に示すような所定の画像表示を行うか、或いはモチーフ画像の追加ないし/及び画像効果、音ないし光乃至表示デバイスの振動を伴う正解表示を行うものとする。
【0066】
またバックグラウンドで問題作成プログラムは予め定められた所定の目標を達成するまで作動し続ける。
【0067】
<問題クリア>
クリアした時点で次の問題の難易度が決定され、NEXTボタンを押すと、ストックから問題を取り出す。ストックに無い場合は問題作成プログラムが作動する。
【0068】
ここで次問題のD値決定処理として、プレイヤーが問題を解くまでの所要時間と解くまでにピースを置いた回数で次の問題のDの値が決定される。例えば図15に示すような、成績による次回問題難易度の設定を予め行っており、正解までの所要時間(T)と正解までにピースを置いた回数(P)により、現在の問題のDを増減して次の問題のDを決定するものとしてもよい。ここでDはBDとHDの組み合わせなので、とり得る値は5〜36,39,40である。これらの値から増減後の値に最も近いものが次の問題のDとして選ばれる(増減後4以下となった場合は次の問題はD=5、37となった場合はD=36、38となった場合はD=39、41以上となった場合はD=40とする)。
【実施例1】
【0069】
図16〜19に示す実施例1のパズル問題表示システムは、3以上7以下の正数値(n)を第一方向及び第二方向の共通マス辺数とするn×n方格内の各マス目に、前記共通マス辺数と同じn種類のモチーフ(M1,M2,・・・Mn)を表したラテン方格の組み合わせパズル問題を、パズル問題の難易度に関連する難易度指標情報(RD値)に対応させたラテン方格内容、ないし前記難易度指標情報(RD値)に対応させた表示態様で表示する電子パズルゲームの電気的画像表示に関するシステムである。
【0070】
実施例1の出力デバイス(O)は、接触感知素子を有する液晶型の平面タッチパネルを表示領域とするものであって、表示領域内には、図18に示すように、一のラテン方格内における構成ピースの一の配置情報をパズル解とした組み合せパズル問題のデータを、ラテン方格の構成マスの少なくともいずれかを隠すかあるいは一つも隠さない所定の表示パターン(P)で所定の表示領域(表示画面又は紙等の表示媒体)に表示し、併せて全構成ピースをラテン方格外に分離配置して所定の表示領域へ電子画像あるいは再描画可能な電子動画像として表示出力するものである。
【0071】
実施例1では特に、作成処理からその関連付け情報となるピース切り取り処理を経て、BD値算出処理迄に到る、一連のパズル問題作成及び関連付け処理を行い、作成されたパズル問題をBD値によってラベル付けした状態で一時記憶領域に保存する。そして、作成されたパズル問題を指定された難易度指標情報と照合して、表示するパズル問題として適するかどうかを判別する。このとき、作成されたパズル問題が指定された難易度値よりも低い難易度値であった場合に、いずれかのマス目を隠ぺいして表示する表示パターンと重ね合わせることで難易度を表示するものとしている。
【0072】
難易度を調節する表示パターンは、図14abに示すように、あらかじめ定められた複数種類が記憶領域にストックされており、各表示パターンは、隠蔽マス目数を識別ラベルとして有している。例えば図に示す「OUTER」と名付けられた表示パターンが難易度値を+2調節するものとした場合、指定された難易度値が8であって作成されたパズル問題御BD値が6であっても、前記「OUTER」と名付けられた表示パターンを重ね合わせることで、難易度値を6から8に調節することができる。
【0073】
(処理デバイスによる処理内容)
具体的には実施例1の処理デバイス(CP)は、図11に示すように、処理領域(CPU)及び記憶領域(CPM)を備えており、少なくとも以下の各処理を行う。
【0074】
・前記入力デバイス(I)に外部入力された前記表示指示情報(D1)に基づき、前記処理領域(CPU)によって一または複数のラテン方格(L)を生成するラテン方格生成処理(S01)
・前記生成された一のラテン方格(Lx)から前記各構成ピース(P1〜P5)を切り取って、当該ラテン方格(Lx)に組み合せ可能な各構成ピースの一種類の組み合せ配置を決定し、当該組み合せ配置をパズル解として記憶するピース切り取り処理(S2)
・前記ピース切り取りが行われた一のラテン方格(Lx)に含まれる第一3連ピース及び第二3連ピース(縦3連ピース及び横3連ピース)のそれぞれについて、当該ラテン方格(L)内における、パズル解配置及びパズル解以外の配置からなる同順の3連モチーフの配置可能箇所数(BDx)を検出し、全ての3連ピースによる配置可能箇所数の累計値(ΣBDx=BD値)を算出する配置箇所累計算出処理(S3)
・前記入力デバイス(I)に外部入力されることで指定された前記難易度指標情報(RD)を、複数の難易度変数(D値)のうちの所定の難易度値(指定D値)として認識する指定難易度認識処理(S4)
・前記生成したラテン方格の配置可能累計(BD値)、及び前記認識された指定難易度値(D値)の2値に基づいて、表示データとする一のラテン方格及びその前記表示パターン(P)を決定する表示パターン決定処理(S5)
・表示データとする前記一のラテン方格を、前記決定された表示パターンに応じて構成マスの少なくともいずれかを隠した状態で表示し、併せて前記構成ピースのすべてを表示する表示データを生成する表示データ生成処理(S6)
【0075】
(表示パターンの記憶領域)
実施例の処理デバイス(CP)は、ラテン方格の構成マスの隠しマス数(HD値)を識別子とする、隠しマス数(HD値)に対応した複数種の表示パターン(P1,P2,P3・・・PX)を予め記憶した記憶領域(CPM1)を有し、前記表示パターン決定処理(S5)において、外部から指定された任意の難易度変数(D値)及び前記配置可能累計(BD値)の2変数を含む四則演算によって、ラテン方格の構成マスを隠す隠しマス数(HD値)を算出し、算出した隠しマス数(HD値)に対応する一の表示パターン(PX)を前記記憶領域(CPM1)から呼び出して決定するものである。
【0076】
(入力デバイス(I)による構成ピースの操作)
入力デバイス(I)は、さらに各ピースの操作情報を外部入力し得るものであり、処理デバイス(CP)は、外部入力された操作情報に応じてパズル問題の構成ピース部分の表示位置を可変させた可変表示データを作成すると共に、外部入力された操作情報がパズル解に該当する正解操作であるかどうかを判別処理し、正解操作があった場合にその旨を出力デバイス(O)に表示させるものであり、
出力デバイス(O)は、所定の表示領域へ画像表示したパズル問題のデータを、前記操作情報の入力に応じて再描画すると共に、正解操作があった場合に、パズル問題のデータを当該正解のパズル解のピースと組み合わせて表示する。
【0077】
(関連データの関連付け)
処理デバイス(CP)は、さらに第二記憶領域(CPM2)を備えており(図11)、この第二記憶領域(CPM2)は、前記ラテン方格生成処理によって生成されたラテン方格データ(Lx)と、前記ピース切り取り処理によって生成された当該ラテン方格データのパズル解データ(Ax)と、前記配置箇所累計算出処理によって算出された配置箇所数の累計値(BD値)データとを、互いに関連付けて複数個記憶するものであり、前記表示パターン決定処理(S5)において、第二記憶領域(CPM2)に記憶されたラテン方格データ(Lx)のうちの一つを、関連付けられたパズル解データ(Ax)及び関連付けられた累計値(BD値)データと共に呼び出して、表示対象の特定ラテン方格とする。
【0078】
(操作履歴に基づく難易度指標情報)
処理デバイス(CP)は、さらに第三記憶領域(CPM3)を備えており(図11)、この第三記憶領域(CPM3)は、画像表示から問題のクリアまでの時間とピースの当てはめ試行回数をカウントしてプレイヤー歴データとして記憶するものであり、指定難易度認識処理(S4)において、処理デバイスは、外部から指定された前記難易度指標情報(RD)として図15に示す基準に基づき、直前のプレイヤー歴データに基づいて算出された所定の難易度変数(指定D値)として認識次の問題のDの値を決定する。
【0079】
(他の実施形態例)
上記実施例1と異なる他の実施形態として、部分的なマス目の隠蔽による表示パターンを考慮せず、生成し又は予め記憶されたラテン方格に関連付けられたBD値のみをもって、難易度指標情報と関連する一のラテン方格を特定する「表示BD値決定処理(S51)」を行うものとしてもよい。この場合の他の実施形態のパズル問題表示システムは、少なくともパズル問題を表示させる表示指示情報(D1)を外部入力するための入力デバイス(I)と、
前記入力デバイス(I)にて外部入力された表示指示情報(D1)に基づいて、特定された正方格による組み合わせパズル問題の表示データを作成する処理デバイス(CP)と、
前記処理デバイス(CP)にて作成された前記表示データにしたがって組み合せパズル問題を出力する出力デバイス(O)とを備えてなる。
【0080】
前記出力デバイス(O)は、一の正方格内における構成ピースの一の配置情報をパズル解とした組み合せパズル問題のデータを、分離された各構成ピースと共に所定の表示領域へ表示出力する。また前記処理デバイス(CP)は、処理領域(CPU)及び記憶領域(CPM)を備えており、少なくとも、実施例1の表示パターン決定処理の代わりに、表示BD値決定処理(S51)を行うものとしている。具体的には表示BD値決定処理(S51)を含む以下の処理を行う。
【0081】
・前記入力デバイス(I)に外部入力された前記表示指示情報(D1)に基づき、前記処理領域(CPU)によってラテン方格(L)を生成するか、或いは前記記憶領域(CPM)に予め記憶してあるラテン方格(L)を読み出して、処理対象とする一の正方格(L)を特定する正方格特定処理(S1)
・前記処理領域(CPU)によって、前記特定された一の正方格(Lx)から、各構成ピース(P1〜P32)を切り取って当該正方格(Lx)内の各構成ピースの組み合せ配置を(示すマス目間の切り取りラインを)決定(して記憶)するピース切り取り処理(S2)
・前記特定された一の正方格(Lx)に含まれる3ないし5マス以上のマスからなる構成ピースのそれぞれについて、当該正方格(L)内における、パズル解配置及びパズル解以外の配置からなる同順のモチーフのマス配置可能箇所数(BDx)を検出し、3マス以上のマスからなる全ての構成ピースによる配置可能箇所数の累計値(ΣBDx=BD値)を算出する配置箇所累計算出処理(S3)と、
・指定された前記難易度指標情報(RD)に基づき、表示データとする正方格の配置箇所累計値(表示BD値)を決定する表示BD値決定処理(S51)
・前記決定した配置箇所累計値(表示BD値)を有する一の正方格を、その構成マスの少なくともいずれかを隠した状態で表示し、併せて当該正方格のパズル解となる構成ピースのすべてを表示する表示データを生成する表示データ生成処理(S6)
【0082】
上記実施例に準じて構成されたパズル問題の難易度調整デバイスは、BD値という本パズルに独自の重複解指数を規定し、BD値を難易度の調整パラメーターとして用いることで、従来から困難であった正方格の組み合わせパズルにおける難易度の調節を可能としている。
【0083】
また上述の実施例では、方格内の少なくともいずれかのマス目を必要に応じて隠す、隠しマス数という概念を併用して、一般的に難易度調節の困難であった本正方格パズルの難易度調節をより容易なものとしている。また隠しマス方法として、隠しマス、表示マスの配置をあらかじめデザイン調整した複数の表示パターンを規定し記憶しておき、選択によって特定の表示パターンを組み合わせることで、枠表示の美観にも優れたものとなる。
【0084】
またラテン方格の生成からBD値の決定までを、所定の条件下でループプログラムとして繰り返し、作成したラテン方格をストックすることで、難易度調節を伴う次回以降の問題表示が迅速に行うことができるものとしている。さらにゲーム開始からクリアまでの捜査情報を次回以降の難易度設定のパラメーターとして把握することで、特有の遊技者(プレイヤー)の習熟度に応じた難易度の調節を的確にかつ容易に行い得るものとなる。
【0085】
本発明の構成は以上であるが、本処理システムは上述の実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成要素の抽出、一部構成要素の削除、代替構成への置換、対象物の変更、大きさや時間、運転速度の調整といった各種変更を行うことができる。本発明はこれらの変更後の処理システムを含む。
【0086】
例えば他の実施形態として、本発明のパズル問題表示システムのパズル問題は、ラテン方格に限らず、3以上7以下の正数値を第一方向及び第二方向の共通マス辺数(n)とするn×n正方格内の各マス目に、複数種類のモチーフ(M1,M2,・・・Mn)を表した正方格パズル問題を、指定された難易度に関連する難易度指標情報(RD値)に対応させた正方格内容で表示するものであればよい。
【0087】
この場合、前記正方格パズル問題の正方格は、少なくとも、前記第一方向または第二方向への2連マスからなる2マスピース(P2)、前記第一方向または第二方向への連マスを含む3マスからなる3マスピース(P3)を含む2形状種以上、かつ各形状種につき複数個ずつで構成される複数個の構成ピースの組み合わせによって方格構成される。
【0088】
例えば、上記表示システムを備えた電子パズルゲーム記憶媒体として構成してもよく、処理デバイスのみを抽出したパズル問題の難易度調整用の補助デバイスまたはアドオンとして構成してもよく、或いは、上記表示システムを備えて電子パズルゲームとして遊戯し得るプログラムデータを備えた電子パズルゲーム記憶媒体としても構成してもよい。また、パズル問題の難易度調整方法としてのデータ処理方法又はこれを備えたプログラムとしてのデータ処理手順として発明概念を把握してもよい。
【符号の説明】
【0089】
BD1、BD2、BDx 配置可能箇所数
BD値 配置箇所累計
CP 処理デバイス
CPM 記憶領域
CPM1 第一記憶領域
CPM2 第二記憶領域
CPM3 第三記憶領域
CPU 処理領域
D1 表示指示情報
D値 難易度値
HD値 隠しマス数
I 入力デバイス
L、L1、L2、Lx ラテン方格
M1,M2,Mn モチーフ
O 出力デバイス
RD 難易度指標情報
S1 正方格特定処理
S2 ピース切り取り処理
S3 配置箇所累計算出処理
S51 表示BD値決定処理
S6 表示データ生成処理
表示BD値 表示データとする正方格の配置箇所累計値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3以上7以下の正数値を第一方向及び第二方向の共通マス辺数とする正方格内の各マス目に、複数種類のモチーフを表した正方格パズル問題を、指定された難易度に関連する難易度指標情報に対応させた正方格内容で表示する、パズル問題表示システムであって、
少なくともパズル問題を表示させる表示指示情報を外部入力するための入力デバイスと、
前記入力デバイスにて外部入力された表示指示情報に基づいて、特定された正方格による組み合わせパズル問題の表示データを作成する処理デバイスと、
前記処理デバイスにて作成された前記表示データにしたがって組み合せパズル問題を出力する出力デバイスとを備えてなり、
前記正方格パズル問題の正方格は、少なくとも、前記第一方向または第二方向への2連マスからなる2マスピース、前記第一方向または第二方向への連マスを含む3マスからなる3マスピースを含む2形状種以上、かつ各形状種につき複数個ずつで構成される複数個の構成ピースの組み合わせによって方格構成されるものであり、
前記出力デバイスは、一の正方格内における構成ピースの一の配置情報をパズル解とした組み合せパズル問題のデータを、分離された各構成ピースと共に所定の表示領域へ表示出力するものであり、
前記処理デバイスは、処理領域及び記憶領域を備えており、少なくとも、
・前記入力デバイスに外部入力された前記表示指示情報に基づき、前記処理領域によってラテン方格を生成するか、或いは前記記憶領域に予め記憶してあるラテン方格を読み出して、処理対象とする一の正方格を特定する正方格特定処理と、
・前記処理領域によって、前記特定された一の正方格から、各構成ピースを切り取って当該正方格内の各構成ピースの組み合せ配置を決定するピース切り取り処理と、
・前記特定された一の正方格に含まれる3ないし5マス以上のマスからなる構成ピースのそれぞれについて、当該正方格内における、パズル解配置及びパズル解以外の配置からなる同順のモチーフのマス配置可能箇所数を検出し、3マス以上のマスからなる全ての構成ピースによる配置可能箇所数の累計値を算出する配置箇所累計算出処理と、
・指定された前記難易度指標情報に基づき、表示データとする正方格の配置箇所累計値を決定する表示BD値決定処理と、
・前記決定した配置箇所累計値を有する一の正方格を、その構成マスの少なくともいずれかを隠した状態で表示し、併せて当該正方格のパズル解となる構成ピースのすべてを表示する表示データを生成する表示データ生成処理と、の各処理を行うことを特徴とする、パズル問題表示システム。
【請求項2】
3以上7以下の正数値を第一方向及び第二方向の共通マス辺数とするn×n方格内の各マス目に、前記共通マス辺数と同じn種類のモチーフ(M1,M2,・・・Mn)を表したラテン方格の組み合わせパズル問題を、パズル問題の難易度に関連する難易度指標情報(RD値)に対応させたラテン方格内容、ないし前記難易度指標情報(RD値)に対応させた表示態様で表示する、組み合せパズル問題表示システムであって、
少なくともパズル問題を表示させる表示指示情報及び前記難易度指標情報(RD値)を外部入力するための入力デバイスと、
前記入力デバイスにて外部入力された表示指示情報及び難易度指標情報(RD値)に基づき、一のラテン方格を生成しないし読み出して特定し、特定されたラテン方格による一の組み合わせパズル問題の表示データを作成する処理デバイスと、
前記処理デバイスにて作成された前記表示データにしたがって組み合せパズル問題を出力する出力デバイスとを備えてなり、
前記ラテン方格のパズル問題は、ラテン方格内の単独マスからなる単独ピース、前記第一方向へ連なる2連マスからなる第一2連ピース、前記第一方向と異なる第二方向へ連なる2連マスからなる第二2連ピース、前記第一方向へ連なる3連マスからなる第一3連ピース、及び前記第二方向へ連なる3連マスからなる第二3連ピースを含む各形状種で構成され、かつ各形状種につき複数個ずつで構成される複数個の構成ピースの組み合わせによって方格構成されるものであり、
前記出力デバイスは、一のラテン方格内における構成ピースの一の配置情報をパズル解とした組み合せパズル問題のデータを、ラテン方格の構成マスの少なくともいずれかを隠すかあるいは一つも隠さない所定の表示パターンで所定の表示領域に表示し、併せて全構成ピースをラテン方格外に分離配置して所定の表示領域へ表示出力するものであり、
前記処理デバイスは、処理領域及び記憶領域を備えており、少なくとも、
・前記入力デバイスに外部入力された前記表示指示情報に基づき、前記処理領域によって一または複数のラテン方格を生成するラテン方格生成処理と、
・前記生成された一のラテン方格から前記各構成ピースを切り取って、当該ラテン方格に組み合せ可能な各構成ピースの一種類の組み合せ配置を決定し、当該組み合せ配置をパズル解として記憶するピース切り取り処理と、
・前記ピース切り取りが行われた一のラテン方格に含まれる第一3連ピース及び第二3連ピースのそれぞれについて、当該ラテン方格内における、パズル解配置及びパズル解以外の配置からなる同順の3連モチーフの配置可能箇所数を検出し、全ての3連ピースによる配置可能箇所数の累計値を算出する配置箇所累計算出処理と、
・前記入力デバイスに外部入力されることで指定された前記難易度指標情報を、複数の難易度変数のうちの所定の難易度値として認識する指定難易度認識処理と、
・前記生成したラテン方格の配置可能累計、及び前記認識された指定難易度値の2値に基づいて、表示データとする一のラテン方格及びその前記表示パターンを決定する表示パターン決定処理と、
・表示データとする前記一のラテン方格を、前記決定された表示パターンに応じて構成マスの少なくともいずれかを隠した状態で表示し、併せて前記構成ピースのすべてを表示する表示データを生成する表示データ生成処理と、の各処理を行うことを特徴とする、パズル問題表示システム
【請求項3】
前記処理デバイスは、ラテン方格の構成マスの隠しマス数を識別子とする、隠しマス数に対応した複数種の表示パターンを予め記憶した記憶領域を有し、
前記表示パターン決定処理において、外部から指定された任意の難易度変数及び前記配置可能累計の2変数を含む四則演算によって、ラテン方格の構成マスを隠す隠しマス数を算出し、
算出した隠しマス数に対応する一の表示パターンを前記記憶領域から呼び出して決定するものである、請求項2記載のパズル問題表示システム。
【請求項4】
入力デバイスは、さらに各ピースの操作情報を外部入力し得るものであり、
処理デバイスは、外部入力された操作情報に応じてパズル問題の構成ピース部分の表示位置を可変させた可変表示データを作成すると共に、外部入力された操作情報がパズル解に該当する正解操作であるかどうかを判別処理し、正解操作があった場合にその旨を出力デバイスに表示させるものであり、
出力デバイスは、所定の表示領域へ画像表示したパズル問題のデータを、前記操作情報の入力に応じて再描画すると共に、正解操作があった場合に、パズル問題のデータを当該正解のパズル解のピースと組み合わせて表示する請求項1、2又は3のいずれか記載のパズル問題表示システム。
【請求項5】
処理デバイスは、さらに第二記憶領域を備えており、
この第二記憶領域は、前記ラテン方格生成処理によって生成されたラテン方格データと、前記ピース切り取り処理によって生成された当該ラテン方格データのパズル解データと、前記配置箇所累計算出処理によって算出された配置箇所数の累計値データとを、互いに関連付けて複数個記憶するものであり、
前記表示パターン決定処理において、第二記憶領域に記憶されたラテン方格データのうちの一つを、関連付けられたパズル解データ及び関連付けられた累計値データと共に呼び出して、表示対象のラテン方格とする請求項1、2、3又は4のいずれか記載のパズル問題表示システム。
【請求項6】
処理デバイスは、さらに第三記憶領域を備えており、
この第三記憶領域は、画像表示から問題のクリアまでの時間とピースの当てはめ試行回数をカウントして操作歴データとして記憶するものであり、
指定難易度認識処理において、処理デバイスは、外部から指定された前記難易度指標情報として、直前の操作歴データに基づいて算出された所定の難易度変数として認識次の問題の難易度変数の値を決定する請求項1、2、3、4又は5のいずれか記載のパズル問題表示システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図14a】
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【図14b】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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