説明

パセリ発酵物およびその製造方法

【課題】呈味、生理活性において優れたパセリ発酵物及びそれを含む飲食品、医薬品、香料組成物を提供することである。
【解決手段】パセリの葉、茎、種をコウジカビ属の糸状菌を用いて微生物変換した発酵物を有効成分として含有する飲食品、医薬品、香料組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パセリ発酵物およびその製造方法、ならびにパセリ発酵物を含有する飲食品、医薬品、香料組成物に関する。
すなわち、本発明は、パセリの利用拡大を図るよう構成されたパセリ発酵物およびその製造方法に関するものである。より詳しくは、パセリの葉、茎、種を微生物発酵処理することにより新たな付加価値を与え、高い抗酸化作用ならびに抗アレルギー作用を有する飲食品や医薬品等に利用することができるよう構成されたパセリ発酵物及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パセリは、主に料理の付け合わせや飾りとして使われるが、そのまま食用としたり、ブーケガルニなどにして香りづけに用いたり、におい消し、飲用など多種多様の形で利用されている。すなわち、主に生食あるいは野菜ジュースとして搾汁により飲食に利用されてきたが、その発酵物を利用することはほとんどなかった。
【0003】
ところが最近の健康指向の高まりから、食品原料をより有効に活用すべく種々の加工法が検討されている。発酵もそのひとつである。一般に、発酵により、呈味改善、生体への吸収効率や生理活性の向上といったことが期待される。
パセリは精油成分を多く含むハーブの1つでもあり、それに含まれるアピゲニン(apigenin)やルテオリン(luteolin)といったフラボノイド類がもたらす種々の生理活性が注目されているからである。
【化1】

【0004】
パセリ発酵物としては、いずれも野菜の風味を改善して摂取し易くすることを目的として、パセリを他の野菜、果物、乳原料とともに酵母と乳酸菌で発酵処理したもの(特許文献1)、パセリを含む緑黄色野菜をエンテロコッカス属菌で発酵させたもの(特許文献2)がある。また、パセリのみを乳酸菌により発酵させたものも報告されている(特許文献3)。
【0005】
しかし、乳酸菌を用いた場合、独特の酸味が生じることや、混合物を発酵させる場合、発酵物の成分量、呈味に差が生じやすいといったことから、必ずしも満足のいくものではなかった。さらに、生理活性面の効能においても発酵前後の比較がなされたものは少なく、満足のいくものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−190251号公報
【特許文献2】特開平7−170933号公報
【特許文献3】特開2006−75085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、抗酸化作用および抗アレルギー作用に優れた、パセリ発酵物およびそれを含有する飲食品、医薬品、香料組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。食品発酵に有効な種々の微生物を検討した結果、パセリの葉、茎、種をコウジカビ属糸状菌にて発酵処理することにより、パセリを微生物変換して製造したパセリ発酵物が優れた抗酸化作用および抗アレルギー作用を有することを見出し、発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち本発明は、以下の通りである。
(1)コウジカビ属の糸状菌を用いて、パセリの葉、茎、種から選ばれる少なくとも1種の発酵原料を微生物発酵処理することによって得られるとともに、アピゲニンおよび、またはルテオリンを含有することを特徴とするパセリ発酵物。
【0010】
(2)糸状菌がアスペルギルス・サイトイ(Aspergillus saitoi)、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ウサミ(Aspergillus usami)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・タマリ(Aspergillus tamari)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)およびアスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)よりなる群から選ばれるコウジカビ属の糸状菌であることを特徴とする上記パセリ発酵物。
【0011】
(3)アスペルギルス・サイトイ(Aspergillus saitoi)、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ウサミ(Aspergillus usami)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・タマリ(Aspergillus tamari)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)およびアスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)よりなる群から選ばれるコウジカビ属の糸状菌を用いて、パセリの葉、茎、種から選ばれる少なくとも1種の発酵原料を微生物発酵処理することにより微生物変換し、アピゲニンおよび、またはルテオリンを含む発酵物を生成させることを特徴とするパセリ発酵物の製造方法。
(4)前記微生物発酵処理を1〜14日間行なうことを特徴とする上記パセリ発酵物の製造方法。
【0012】
(5)上記パセリ発酵物を含有することを特徴とする飲食品。
(6)上記パセリ発酵物を含有することを特徴とする医薬品。
(7)上記パセリ発酵物を含有することを特徴とする抗酸化剤。
(8)上記パセリ発酵物を含有することを特徴とする抗アレルギー剤。
(9)上記パセリ発酵物を含有することを特徴とする香料組成物。
【発明の効果】
【0013】
本発明のパセリ発酵物または本発明の製造方法で得られたパセリ発酵物を用いることにより、高い抗酸化能ならびに抗アレルギー効果を有する安全な食品、医薬品、香料組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】パセリ発酵物のHPLCクロマトグラムおよび各ピークのUVスペクトルを示したグラフである。
【図2】パセリ未発酵物およびパセリ発酵物のDPPH消去活性を示したグラフである。
【図3】パセリ未発酵物およびパセリ発酵物の脱顆粒抑制作用(n=4)を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(1)発酵原料
発酵原料であるパセリ(英名はParsley、和名はオランダゼリ)は、欧州中南部、アフリカ北岸を原産とするセリ科オランダセリ属の二〜多年生草本であり、本発明ではPetroselinum crispum、Petroselinum J. Hillのいずれかを用いる。
発酵処理の対象は、パセリの葉、茎又は種であるが、供給性、保存性の観点から、乾燥葉が好ましく、特に乾燥葉のエタノール抽出物が好ましい。
具体的には、パセリ乾燥葉に0〜99%のエタノール水溶液を加え、不溶物を除去し、溶媒を留去し、さらに凍結乾燥して得られるパセリ抽出物を発酵処理に付することが好ましい。
【0016】
(2)発酵処理
(a)発酵菌
本発明では、コウジカビ属の糸状菌で発酵処理する。好ましくは、アスペルギルス・サイトイ(Aspergillus saitoi)、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ウサミ(Aspergillus usami)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・タマリ(Aspergillus tamari)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)およびアスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)よりなる群から選ばれるコウジカビ属の糸状菌である。
これらの菌はいずれも食経験のある微生物として古来より使用されており、その発酵物は安全面で優れている。
また、糸状菌は好気性菌であるので、従来技術で使用されている嫌気性の乳酸菌と異なり、好気的条件下で発酵を行なえるので工業上有利である。
【0017】
(b)発酵方法
好ましい発酵条件としては、菌の添加量が10-7spores/ml〜10-4 spores/ml、発酵温度が15〜40℃、発酵時間が1〜14日間、発酵時のpHが4〜7、培養装置としてはバッフル付き三角フラスコ、ジャーファメンターなど培養に適した装置が挙げられる。
より好ましくは、菌の添加量が10-6 spores/ml〜10-5 spores/ml、発酵温度が25〜30℃、発酵時間が4〜7日間、発酵時のpHが4〜6、培養装置としてはジャーファメンターが挙げられる。
【0018】
(3)発酵物の処理
得られたパセリ発酵物をそのまま用いて飲食品、医薬品および香料組成物を製造しても良いが、発酵物を乾燥した乾燥体、もしくは乾燥後粉砕した粉末を用いることもできる。
また、発酵物を溶媒抽出、圧搾、酵素分解、超臨界抽出、濃縮、希釈、固液分離、精製等の公知の技術を単独あるいは組み合わせて得られるエキスあるいは粉末であってもよい。
【0019】
パセリ発酵物の好ましい処理方法としては、溶媒抽出が挙げられる。用いられる溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸、酢酸エチル、エーテル、へキサン等およびこれらの混合溶媒が挙げられ、これらのうち水、エタノールおよびエタノール水溶液(エタノール濃度が10〜90%)が特に好ましい。
【0020】
用いる溶媒の量は特に限定されるものではないが、パセリ発酵物の乾燥体1質量部に対
して0.5〜50質量部、好ましくは1.0〜30質量部、特に好ましくは5.0〜20質量部で用いられる。溶媒量がパセリ発酵物の乾燥体1質量部に対して0.5未満の場合は、溶媒の種類によっては抽出が十分でない場合があり、溶媒量が50質量部を超える場合は経済的に有利でない場合がある。
【0021】
抽出方法としては、パセリ発酵物そのまま又は粉砕物を適当な抽出溶媒に浸漬する方法、加温下(常温〜溶媒の沸点の範囲)攪拌する方法等によって得ることが出来る。例えば、パセリ発酵物を室温下の50%エタノール中で10〜60分間攪拌して抽出物を得る方法や、パセリ発酵物を100℃加熱還流下の水中で30〜60分間攪拌して抽出物を得る方法などが挙げられる。
上記抽出操作で得られたパセリ発酵物の抽出物は、それに含まれる香気成分を除去してもよい。抽出物から香気成分を除去する方法としては、溶媒抽出を行う方法(例えば米国特許第3950266号明細書)、超臨界二酸化炭素を用いる方法(例えば特開平3−9985号公報)、合成吸着樹脂を用いる方法(例えば特開2003−105337号公報)、などを単独あるいは適宜組み合わせて用いることができる。
【0022】
さらに、有効成分をリッチに含む分画物を得ることを目的として、得られたパセリ発酵物の抽出物を分画してもよい。特に、合成吸着剤による分画が好ましい。その場合に用いる合成吸着剤は、一般に不溶性の三次元架橋構造ポリマーであってイオン交換基のような官能基を実質的に持たないものである。
合成吸着剤としては、その母体がスチレン系のスチレン−ジビニルベンゼン共重合体、例えば三菱化学株式会社製の「セパビーズSP70(商品名)」(細孔分布:細孔容積1.6mL/g、比表面積870m2/g、最頻度半径が71Å)や「ダイヤイオンHP20(商品名)」(細孔分布:細孔容積1.3mL/g、比表面積590m2/g、最頻度半径が260Å)等が使用できるが、これらに限るものではない。
【0023】
(4)パセリ発酵物を含有する飲食品
パセリ発酵物の使用形態は、そのまま或いは希釈した状態、乳化状態、更には粉化した様々な製剤の形で用いることができる。
本発明に関わるパセリ発酵物を含有する飲食品を製造するには、上記の方法で製造したパセリ発酵物またはパセリ発酵物の抽出物を用いることができ、慣用の手段を用いて、食用に適した状態、例えば、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル剤、ソフトカプセル剤、ペースト状等に形成したものを用いることができる。
この飲食品は、そのまま食用に供してもよく、また種々の食品(例えばハム、ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、パン、バター、粉乳、菓子など)に添加して使用、あるいは水、酒類、果汁、牛乳、清涼飲料水等の飲物に添加して使用してもよい。
【0024】
(5)パセリ発酵物を含有する医薬品
本発明のパセリ発酵物を医薬品として使用する場合には、そのままでも種々の投与形態で使用できるが、好ましくは錠剤、丸剤、粉剤、シロップ剤、乳剤、液剤、カプセル剤、注射剤のような製剤化した内服薬として使用する。
本発明のパセリ発酵物の摂取量は、年齢、体重、症状、疾患の程度、医薬品や飲食品の形態等により適宜選択・決定されるが、例えば、パセリ発酵物を抽出、乾燥した粉末として一日当たり1mg〜10g程度、好ましくは10mg〜1gとされ、一日数回に分けて摂取してもよい。
【0025】
(6)飲食品、医薬品および香料組成物の任意成分
パセリ発酵物を含有する飲食品、医薬品および香料組成物を製造するにおいて、本発明のパセリ発酵物とともに、飲食品用または医薬用として通常用いられている他の任意成分を含有させてもよい。
用いられる任意成分としては、例えば甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、苦味料、酸味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、可塑剤及び香料などであり、これらを添加して各種製剤・剤型として用いることもできる。
【0026】
更に用いることのできる香料としては、例えばアセト酢酸エチル、アセトフェノン、アニスアルデヒド、α−アミルシンナムサルデヒド、アントラニル酸メチル、イオノン、イソオイゲノール、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、イソチオシアン酸アリル、イソチオシアン酸3−ブテニル、イソチオシアン酸4−ペンテニル、イソチオシアン酸ベンジル、イソチオシアン酸3−メチルチオプロピル、イソチオシアネート類、インドール及びその誘導体、γ−ウンデカラクトン、エステル類、エチルバニリン、エーテル類、オイゲノール、オクタノール、オクタナール、オクタン酸エチル、ギ酸イソアミル、ギ酸ゲラニル、
【0027】
ギ酸シトロネリル、ケイ皮酸、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、ケトン類、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酢酸エチル、酢酸ゲラニル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シトロネリル、酢酸シンナミル、酢酸テルピニル、酢酸フェネチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、酢酸l−メンチル、酢酸リナリル、サリチル酸メチル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、1,8−シネオール、脂肪酸類、脂肪族高級アルコール類、脂肪族高級アルデヒド類、脂肪族高級炭化水素類、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、チオエーテル類、チオール類、デカナール、デカノール、デカン酸エチル、テルピネオール、リモネン、ピネン、ミルセン、タピノーレン、
【0028】
テルペン系炭化水素類、γ−ノナラクトン、バニリン、パラメチルアセトフェノン、ヒドロキシシトロネラール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、ピペロナール、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸エチル、フェノールエーテル類、フェノール類、フルフラール及びその誘導体、プロピオン酸、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジル、ヘキサン酸、ヘキサン酸アリル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、l−ペリラアルデヒド、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、
【0029】
芳香族アルコール類、芳香族アルデヒド類、d−ボルネオール、マルトール、N−メチルアントラニル酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、dl−メントール、酪酸、酪酸イソアミル、酪酸エチル、酪酸シクロヘキシル、酪酸ブチル、ラクトン類、リナロオール等の合成或いは天然由来の香料の他、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツなどシトラス系精油類、アップル、バナナ、グレープ、メロン、ピーチ、パイナップル、ストロベリーなどフルーツ系の精油或いは回収フレーバー、ミルク、クリーム、バター、チーズ、ヨーグルトなど乳系の抽出香料、緑茶、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、ココアなど嗜好品系の回収フレーバー、アサノミ、アサフェチダ、アジョワン、アニス、アンゼリカ、ウイキョウ、ウコン、オレガノ、オールスパイス、オレンジノピール、カショウ、
【0030】
カッシア、カモミール、カラシナ、カルダモン、カレーリーフ、カンゾウ、キャラウェー、クチナシ、クミン、クレソン、クローブ、ケシノミ、ケーパー、コショウ、ゴマ、コリアンダー、サッサフラス、サフラン、サボリー、サルビア、サンショウ、シナモン、シャロット、ジュニパーベリー、ショウガ、スターアニス、セイヨウワサビ、セロリー、ソーレル、タイム、タマネギ、タマリンド、タラゴン、チャイブ、ディル、トウガラシ、ナツメグ、ニガヨモギ、ニジェラ、ニンジン、ニンニク、バジル、パセリ、バニラ、パプリカ、ヒソップ、フェネグリーク、ホースラディッシュ、マジョラム、ミョウガ、ラベンダー、リンデン、
【0031】
レモングラス、レモンバーム、ローズ、ローズマリー、ローレル、ワサビなどから得られる香辛料抽出物、アイスランドモス、アカヤジオウ、アケビ、アサ、アサフェチダ、アジアンタム、アジョワン、アズキ、アスパラサスリネアリス、アップルミント、アーティチョーク、アニス、アボカド、アマチャ、アマチャズル、アミガサユリ、アミリス、アーモンド、アリタソウ、アルカンナ、アルテミシア、アルニカ、アルファルファ、アロエ、アンゴスツラ、アンゴラウィード、アンズ、アンズタケ、アンゼリカ、アンバー、アンバーグリス、アンブレット、イカ、イカリソウ、イグサ、イースト、イタドリ、イチゴ、イチジク、イチョウ、イノコヅチ、イランイラン、イワオウギ、インペラトリア、インモルテル、
【0032】
ウィンターグリーン、ウォータークレス、ウコギ、ウコン、ウスバサイシン、ウッドラフ、ウニ、ウメ、ウーロンチャ、エゴマ、エノキダケ、エビ、エビスグサ、エリゲロン、エルダー、エレウテロコック、エレカンペン、エレミ、エンゴサク、エンジュ、エンダイブ、欧州アザミ、オウレン、オオバコ、オカゼリ、オキアミ、オーク、オークモス、オケラ、オスマンサス、オポポナックス、オミナエシ、オモダカ、オランダセンニチ、オリガナム、オリス、オリバナム、オリーブ、オールスパイス、オレンジ、オレンジフラワー、カイ、カイニンソウ、カカオ、カキ、カサイ、カシューナッツ、カスカラ、カスカリラ、カストリウム、カタクリ、カツオブシ、カッシー、カッシャフィスチュラ、カテキュ、カニ、
【0033】
カーネーション、カノコソウ、カモミル、カヤプテ、カラシ、カラスウリ、カラスビシャク、ガラナ、カラムス、ガランガ、カーラント、カリッサ、カリン、カルダモン、ガルバナム、カレー、カワミドリ、カンゾウ、ガンビア、カンラン、キウィーフルーツ、キカイガラタケ、キキョウ、キク、キクラゲ、キササゲ、ギシギシ、キダチアロエ、キナ、キハダ、ギボウシ、ギムネマシルベスタ、キャットニップ、キャラウェイ、キャロップ、キュウリ、キラヤ、キンミズヒキ、グァバ、グァヤク、クコ、クサスギカズラ、クサボケ、クズ、クスノキ、クスノハガシワ、グーズベリー、クチナシ、クベバ、クマコケモモ、グミ、クミン、グラウンドアイビー、クララ、クラリセージ、クランベリー、クリ、クルミ、クリーム、グレインオブパラダイス、クレタディタニー、グレープフルーツ、クローバー、クローブ、クロモジ、クロレラ、クワ、クワッシャ、ケイパー、ゲットウ、
【0034】
ケード、ケブラコ、ゲルマンダー、ケンチュール、ケンポナシ、ゲンノショウコ、コウジ、コウダケ、コウチャ、コウホネ、コカ、コガネバナ、コクトウ、コクルイ、ココナッツ、ゴシュユ、コショウ、コスタス、コストマリー、コパイパ、コーヒー、コブシ、ゴボウ、ゴマ、コーラ、コリアンダー、コルツフート、ゴールデンロッド、コロンボ、コンサイ、コンズランゴ、コンフリー、サイプレス、魚、サクラ、サクランボ、ザクロ、サケカス、ササ、ササクサ、サーチ、サッサフラス、サフラン、サポジラ、サボテン、サラシナショウマ、サルサパリラ、サルシファイ、サルノコシカケ、サンザシ、サンシュユ、サンショウ、サンタハーブ、サンダラック、サンダルウッド、サンダルレッド、シイタケ、
【0035】
ジェネ、シダー、シトラス、シトロネラ、シヌス、シベット、シマルーバ、シメジ、シャクヤク、ジャスミン、ジャノヒゲ、ジャボランジ、シャロット、シュクシャ、ジュニパーベリー、ショウガ、ショウユ、ショウユカス、ジョウリュウシュ、ショウロ、シロタモギタケ、ジンセン、シンナモン、酢、スイカ、スイセン、スギ、スターアニス、スターフルーツ、スチラックス、スッポン、スッポンタケ、ズドラベッツ、スネークルート、スパイクナード、スプルース、スベリヒユ、スローベリー、セイボリー、セキショウ、セージ、ゼドアリー、セネガ、ゼラニウム、セロリー、センキュウ、センタウリア、センゲン、セントジョーンズウォルト、センナ、ソース、ダイオウ、ダイズ、タイム、タケノコ、タコ、
【0036】
タデ、ダバナ、タマゴ、タマゴタケ、タマネギ、タマリンド、ダミアナ、タモギタケ、タラゴン、タラノキ、タンジー、タンジェリン、タンポポ、チェリモラ、チェリーローレル、チェリーワイルド、チガヤ、チコリ、チーズ、チチタケ、チャイブ、チャービル、チャンパカ、チュベローズ、チョウセンゴミシ、チラータ、ツクシ、ツケモノ、ツタ、ツバキ、ツユクサ、ツリガネニンジン、ツルドクダミ、ディアタング、ティスル、ディタニー、ディル、デーツ、テンダイウヤク、テンマ、トウガラシ、トウキ、ドウショクブツタンパクシツ、ドウショクブツユ、トウミツ、トウモロコシ、ドクダミ、トチュウ、ドッググラス、トマト、
【0037】
ドラゴンブラッド、ドリアン、トリュフ、トルーバルサム、トンカ、ナギナタコウジュ、ナシ、ナスターシャム、ナッツ、ナットウ、ナツメ、ナツメグ、ナデシコ、ナメコ、ナラタケ、ニアウリ、ニュウサンキンバイヨウエキ、ニンジン、シンニク、ネズミモチ、ネットル、ネムノキ、ノットグラス、バイオレット、パイナップル、ハイビスカス、麦芽、ハコベ、バジル、ハス、ハスカップ、パースカップ、パセリ、バター、バターオイル、バターミルク、バーチ、ハチミツ、パチュリー、バックビーン、ハッコウシュ、ハッコウニュウ、ハッコウミエキ、パッションフルーツ、ハツタケ、バッファローベリー、ハトムギ、ハナスゲ、バナナ、バニラ、ハネーサックル、パパイヤ、バーベリー、ハマゴウ、ハマスゲ、
【0038】
ハマナス、ハマボウフウ、ハマメリス、バラ、パルマローザ、パンダナ、バンレイシ、ヒキオコシ、ヒシ、ピスタチオ、ヒソップ、ヒッコリー、ピーナッツ、ヒノキ、ヒバ、ピプシシワ、ヒメハギ、ヒヤシンス、ヒラタケ、ビワ、ビンロウ、フェイジョア、フェネグリーク、フェンネル、フジバカマ、フジモドキ、フスマ、フーゼルユ、プチグレイン、ブチュ、ブドウ、ブドウサケカス、フトモモ、ブナ、ブナハリタケ、ブラックキャラウェイ、ブラックベリー、プラム、ブリオニア、プリックリーアッシュ、プリムローズ、プルネラ、ブルーベリー、ブレッドフルーツ、ヘイ、ベイ、ヘーゼルナッツ、ベチバー、ベーテル、ベニバナ、ペニーロイヤル、ヘビ、ペピーノ、ペプトン、ベルガモット、ベルガモットミント、ペルーバルサム、ベルベナ、ベロニカ、ベンゾイン、ボアドローズ、ホアハウンド、ホウ、ホウキタケ、ホウショウ、ボウフウ、ホエイ、ホオノキ、ホースラディッシュ、ボタン、ホップ、ポピー、ポプラ、ポポー、ホホバ、ホヤ、
【0039】
ボルドー、ボロニア、マイタケ、マグウォルト、マシュマロー、マジョラム、マスティック、マソイ、マタタビ、マチコ、マツ、マツオウジ、マッシュルーム、マツタケ、マツブサ、マツホド、マテチャ、マメ、マリーゴールド、マルバダイオウ、マルメロ、マレイン、マロー、マンゴー、マンゴスチン、ミカン、ミシマサイコ、ミソ、ミツマタ、ミツロウ、ミート、ミモザ、ミョウガ、ミルク、ミルテ、ミルフォイル、ミルラ、ミロバラン、ムギチャ、ムスク、ムラサキ、メスキート、メドウスィート、メハジキ、メープル、メリッサ、メリロット、メロン、モウセンゴケ、モニリアバイヨウエキ、モミノキ、モモ、モロヘイヤ、ヤクチ、ヤマモモ、ユーカリ、ユキノシタ、ユズ、ユッカ、ユリ、ヨウサイ、ヨロイグサ、ライオンズフート、ライチ、ライフエバーラスティングフラワー、ライム、
【0040】
ライラック、ラカンカ、ラカンショウ、ラズベリー、ラタニア、ラディッシュ、ラブダナム、ラベンダー、ラングウォルト、ラングモス、ランブータン、リキュール、リーク、リツェア、リナロエ、リュウガン、リョウフンソウ、リョクチャ、リンゴ、リンデン、リンドウ、ルー、ルリジサ、レセダ、レモン、レモングラス、レンギョウ、レンゲ、レンブ、ローズマリー、ロベージ、ローレル、ロンゴザ、ワサビ、ワタフジウツギ、ワームウッド、ワームシード、ワラビ、ワレモコウなどから得られる天然香料が例示され、適宜選択して使用される。
【0041】
香料の添加量は特に限定されるものではないが、一般的には本発明のパセリ発酵物を含
む組成物中、0.0001〜50質量%、好ましくは0.001〜30質量%、最も好ましくは0.01〜10質量%の添加量となるように配合される。
【実施例】
【0042】
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<パセリ発酵物の製造>
〔製造例1〕
発酵原料となるパセリ抽出物(40g)は、パセリ乾燥葉(200g)に50%エタノール水溶液(1kg)を加え、室温にて30分間攪拌した後、不溶物の除去、溶媒留去、ならびに凍結乾燥により得た。
パセリ抽出物(40g)を添加した大豆ミールグルコース培地(5l)にアスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)IAM2955株((財)応用微生物学研究会(IAM)より分譲)(4×108spores/ml)を接種後、振とう培養(28℃、140rpm、24h)行なった。
次いで、静置培養(28℃)を行なった後、培養液に塩酸を加え、pH3.0に調整した。これに酢酸エチルを添加した後、遠心分離(3500rpm、5min)し、酢酸エチル層を得た。この層を減圧濃縮、凍結乾燥することによりパセリ発酵物(35g)を得た。
【0043】
〔製造例2〕
発酵原料となるパセリ抽出物(40g)は、パセリ乾燥葉(200g)に50%エタノール水溶液(1kg)を加え、室温にて30分間攪拌した後、不溶物の除去、溶媒留去、ならびに凍結乾燥により得た。
パセリ抽出物(20g)を添加した大豆ミールグルコース培地(2.5l)にアスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)IAM2722株((財)応用微生物学研究会(IAM)より分譲)(2×108spores/ml)を接種後、振とう培養(28℃、120rpm、24h)行なった。この培養液に、別途、パセリ抽出物(20g)を添加した大豆ミールグルコース培地(2.5l)にアスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)IAM2722株((財)応用微生物学研究会(IAM)より分譲)(2×108spores/ml)を接種したものを添加した。次いで、静置培養(28℃)を行なった後、培養液に塩酸を加え、pH3.0に調整した。これに酢酸エチルを添加した後、遠心分離(3500rpm、5min)し、酢酸エチル層を得た。この層を減圧濃縮、凍結乾燥することによりパセリ発酵物(32g)を得た。
【0044】
〔製造例3〕
発酵原料となるパセリ抽出物(40g)は、パセリ乾燥葉(200g)に50%エタノール水溶液(1kg)を加え、室温にて30分間攪拌した後、不溶物の除去、溶媒留去、ならびに凍結乾燥により得た。
パセリ抽出物(20g)を添加した大豆ミールグルコース培地(2.5l)にアスペルギルス・オリザエ(Aspergillus niger)NBRC9455株((財)応用微生物学研究会(IAM)より分譲)(2×108spores/ml)を接種後、振とう培養(28℃、120rpm、24h)行なった。この培養液に、別途、パセリ抽出物(20g)を添加した大豆ミールグルコース培地(2.5l)にアスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)IAM2722株((財)応用微生物学研究会(IAM)より分譲)(2×108spores/ml)を接種したものを添加した。次いで、静置培養(28℃)を行なった後、培養液に塩酸を加え、pH3.0に調整した。これをHP20(200ml)カラムにアプライした後、水洗し、50%エタノール水溶液で溶出した。溶出液を減圧濃縮、凍結乾燥することによりパセリ発酵物(14g)を得た。
【0045】
〔比較例1〕
発酵原料となるパセリ抽出物(40g)は、パセリ乾燥葉(200g)に50%エタノール水溶液(1kg)を加え、室温にて30分間攪拌した後、不溶物の除去、溶媒留去、ならびに凍結乾燥により得た。
これに酢酸エチルと水を添加後、分液し酢酸エチル層を得た。酢酸エチル層を減圧濃縮、凍結乾燥することによりパセリ未発酵物(35g)を得た。
【0046】
<パセリ発酵物中の有効成分アピゲニンおよびルテオリンの確認>
上記製造例1で得られたパセリ発酵物を10%アセトニトリル水溶液に溶解後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて成分を確認した。
測定条件、結果をそれぞれ表1および図1に示す。
【0047】
【表1】

【0048】
<抗酸化活性の測定>
製造例1のパセリ発酵物と、比較例1のパセリ未発酵物を用いて、DPPH(1,1-Diphenyl-2-picrylhydrazyl)ラジカル消去活性の測定を行なった。
すなわち、DPPH 18.56mg を99%エタノール200mlに溶解させ、2×10-4MのDPPH溶液を作製した。緩衝液は0.1Mクエン酸水溶液と0.2Mリン酸水素二ナトリウム水溶液を混合して(pH5.5)調整した。
次いで、2×10-4MのDPPH溶液10mlと緩衝液20mlを混合し、DPPH緩衝溶液を作製した。パセリ発酵物あるいはパセリ未発酵物は50%エタノール水溶液にて0.1%(w/v)溶液とした後、さらに50%エタノール水溶液にて20倍に希釈した溶液(50ppm)を作製した。
【0049】
マイクロプレートにて、製造例1のパセリ発酵物あるいは比較例1のパセリ未発酵物の希釈溶液(120μl)を用いて希釈系列を作製した後、DPPH緩衝溶液(180μl)を加え、5分間振とうした。25分間放置した後、吸光度(540nm)を測定した。パセリ発酵物あるいはパセリ未発酵物の濃度と吸光度の関係をグラフに表し、DPPHラジカルの吸光度を50%減少させるためのパセリ発酵物あるいはパセリ未発酵物の濃度(IC50)を求めた。
図2に示すように、発酵パセリのDPPHラジカル消去活性は、未発酵パセリのそれと比べて大きく増加した。
【0050】
<抗アレルギー作用の評価>
抗アレルギー作用はラット肥満細胞様細胞株RBL-2H3(ヒューマンサイエンス振興財団から購入)を用いた脱顆粒抑制作用により検討した。
本方法は細胞内および培養上清中の顆粒に含まれる酵素β−ヘキソサミニダーゼの放出
阻害活性を試験することにより、脱顆粒抑制作用を評価するものである。マイクロプレートのウェルに5×104cells/wellで細胞を播種し、一晩培養した。継代培地で50ng/mlとした抗DNP−IgE抗体を100μl添加し、2時間培養後、細胞を100μlのMT緩衝液で洗浄した。
【0051】
MT緩衝液で希釈したパセリ発酵物あるいはパセリ未発酵物を50μl添加し、37℃、10分間加温後、100ng/mlのDNPで標識したヒト血清アルブミン(抗原)を50μl加え、37℃、3時間反応させた。対照はパセリ発酵物あるいはパセリ未発酵物を含まないMT緩衝液を添加し、同様に反応させたものとした。抗DNP−IgE抗体を含まない継代培地で培養し、製造例1のパセリ発酵物あるいは比較例1のパセリ未発酵物を含まないMT緩衝液を添加し、同様に反応させたものをブランクとした。10分間氷冷後、培養上清全量を空のウェルに分取した後、細胞にLysis緩衝液を100μl添加し、室温で10分間攪拌して細胞溶解液を得た。
【0052】
培養上清および細胞溶解液を37℃、5分間加温後、基質溶液(p-nitrophenyl-2-acetamido-2-deoxy-(R)-D-glucopyranosideをクエン酸緩衝液で3.3mmol/lとしたもの)50μl加え、37℃で25分間反応させた。
反応溶液に50μlのGlycine緩衝液を加えてクエンチした後、650nmの吸光度を参照波長として405nmの吸光度をマイクロプレートリーダーで測定した。
【0053】
β−ヘキソサミニダーゼの放出率を以下の式で求め、対照の放出率を100%として、パセリ発酵物およびパセリ未発酵物のβ−ヘキソサミニダーゼの相対放出率を求めた。
β−ヘキソサミニダーゼの放出率=
培養上清の吸光度/(培養上清の吸光度+細胞溶解液の吸光度)
【0054】
図3に示すようにパセリ未発酵物のラット肥満細胞様細胞株RBL-2H3においては脱顆粒抑制がほとんど見られなかったのに対し、パセリ発酵物においては脱顆粒抑制が見られ、抗アレルギー作用が示された。
【0055】
〔実施例1〕(混合茶飲料)
90℃の湯500mlに対して、緑茶葉1g、はとむぎ8g、大麦1g、玄米0.2g、プーアル茶0.2g、どくだみ茶0.1g、はぶ茶0.1g、チコリー0.1gを添加し、8分間抽出を行った。
抽出後固液分離を行い、ビタミンC 0.1gと水を加えて10000mlとし炭酸水素ナトリウムにてpHを5.5に調整後、製造例1のパセリ発酵物を0.1%となるように添加して、混合茶飲料を得た。
【0056】
〔実施例2〕(清涼飲料水)
バレンシアオレンジ果汁30ml、レモン果汁3ml、果糖1.5g、クエン酸0.5g、ビタミンC 100mg、に製造例1のパセリ発酵物100mg加え、水を加えて100mlとし、よく攪拌した後に炭酸ガスを封入し、清涼飲料水を得た。
【0057】
〔実施例3〕(チューインガム)
ガムベース50gに砂糖100g、香料0.5g、製造例1のパセリ発酵物の1%水溶液を30g添加し、ニーダーを使用して練り、成型後完成した。
【0058】
〔実施例4〕(ビスケット)
強力粉100g、ショートニング100g、上白糖40g、薄力粉30g、水 20g、製造例1のパセリ発酵物10g、全脂粉乳4g、重曹0.6gを混合し、成型したのち焼成してビスケットを得た。
【0059】
〔実施例5〕(キャンデー)
水飴280g、グラニュー糖360g、製造例1のパセリ発酵物120gを混合した後、155℃まで加熱した。その後、120℃まで冷却し、クエン酸12g、香料1.2g、グリセリン50gを添加し、成型、冷却後完成した。
【0060】
〔実施例6〕(顆粒剤)
製造例1のパセリ発酵物5.0gに、乳糖5.0g、トウモロコシデンプン5.0gを加えて練合し、造粒した後、乾燥して整粒した。
【0061】
〔実施例7〕(カプセル剤)
製造例1のパセリ発酵物5.0g、トウモロコシデンプン5.0g、乳糖5.0g、結晶セルロース1.0gを充分に混合した後、カプセルに充填し、カプセル40個とした。
【0062】
〔実施例8〕(錠剤)
製造例1のパセリ発酵物50gにトウモロコシデンプン2.0g、乳糖50g、ステアリン酸カルシウム0.2g、タルク1.8gを充分に混合した後、打錠機により打錠し、重量0.52gの錠剤を200錠製造した。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明により、パセリ発酵物を提供することができる。かかるパセリ発酵物は飲食品や医薬品に広く適用することができ、それを摂取することで抗酸化ならびに抗アレルギー効果を得ることが期待できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コウジカビ属の糸状菌を用いて、パセリの葉、茎、種から選ばれる少なくとも1種の発酵原料を微生物発酵処理することによって得られるとともに、アピゲニンおよび、またはルテオリンを含有することを特徴とするパセリ発酵物。
【請求項2】
糸状菌がアスペルギルス・サイトイ(Aspergillus saitoi)、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ウサミ(Aspergillus usami)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・タマリ(Aspergillus tamari)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)およびアスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)よりなる群から選ばれるコウジカビ属の糸状菌であることを特徴とする請求項1に記載のパセリ発酵物。
【請求項3】
アスペルギルス・サイトイ(Aspergillus saitoi)、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ウサミ(Aspergillus usami)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・タマリ(Aspergillus tamari)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)およびアスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)よりなる群から選ばれるコウジカビ属の糸状菌を用いて、パセリの葉、茎、種から選ばれる少なくとも1種の発酵原料を微生物発酵処理することにより微生物変換し、アピゲニンおよび、またはルテオリンを含む発酵物を生成させることを特徴とするパセリ発酵物の製造方法。
【請求項4】
前記微生物発酵処理を1〜14日間行なうことを特徴とする請求項3に記載のパセリ発酵物の製造方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のパセリ発酵物を含有することを特徴とする飲食品。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のパセリ発酵物を含有することを特徴とする医薬品。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のパセリ発酵物を含有することを特徴とする抗酸化剤。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のパセリ発酵物を含有することを特徴とする抗アレルギー剤。
【請求項9】
請求項1又は2に記載のパセリ発酵物を含有することを特徴とする香料組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−135247(P2012−135247A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289445(P2010−289445)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(591011410)小川香料株式会社 (173)
【出願人】(000125347)学校法人近畿大学 (389)
【Fターム(参考)】