説明

パソコンによる代行運転管制システム

【課題】 事務所への電話による代行依頼があると、電話番号から顧客情報を引き出し、顧客先へ素早く適確に急行でき、且つ、代行管制指示と各代行車の集計管理が効率良くできる代行運転管制システムを提供することを目的とする。
【解決手段】 管制本部10への顧客からの電話による代行依頼を受信する工程と、受信した電話番号と、予め顧客情報データーベース内に登録されている個別顧客情報に付与された電話番号等とを照合する工程と、該当する個別顧客情報(店名、住所、電話番号、現地案内地図他)を引き出し、この個別顧客情報Jをパソコン内に取り込む手段と、からなるパソコンによる代行運転管制システム100である。これにより、顧客先へ素早く適確に急行できる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパソコンによる代行運転管制システムに係り、特に、事務所への電話による代行依頼があると、電話番号から顧客情報を引き出し、顧客先へ素早く適確に急行でき、且つ、代行管制指示と各代行車の集計管理が効率良く出きるようにした代行運転管制システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車を市内の駐車場等から自宅の駐車場まで搬送する、所謂代行サービス業が全国的に各都市地域で普及している。上記代行運転システムは、代行事務所への電話による代行依頼が入ると、市内を走行中の代行車に対して、無線により依頼場所近くに居る空き車両を急行させる。依頼場所へ急行した代行車は、お客を自車へ乗車させるとともに、お客の移送車を代行運転して目的地まで2台の車両を走行させる。そして、目的地へ到着後、料金を受取ったり、清算書等を手渡し(常連客では、後日清算・請求書の発送)、代行運転業務が終了する。
【0003】上記従来の代行運転業務においては、図7に示す「配車表」により、代行業務が進められている。先ず、事務所への電話による代行依頼があると、配車表に客名及び注文時間を記入する。そして、客先の場所確認、無線による代行車への情報提供、代行車No及び客先到着時間と客先の出発時間の記入、行先となる目的地及びこの実送時間ととなる終了時刻の記入、支払い金額の計算、及び清算書の手渡し、等々の一連の作業項目と、その記入を事務所のオペレータと各代行車の運転手間で連携を取りながら手作業「書き込み作業」により行っている。
【0004】従って、上記従来の代行運転業務の形態では、客先の場所確認及び手作業による労力等に多くの時間を要してしまい、代行車の客先到着時間の遅れを来たし、迅速で安全確実な代行サービスが行えないという問題点がある。更に、代行車ごとの日及び月単位の売上集計等の事務処理も手作業を余儀なくされ、顧客が多いと殆ど不可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の代行運転業務が持つ問題に鑑みてなされたもので、パソコンによる代行運転管制システムであって、特に、代行事務所への電話による代行依頼があると、受信した電話番号から顧客情報(店名、住所、電話番号、現地案内地図他)を自動的に引き出し、顧客先へ素早く適確に急行でき、且つ、代行管制指示と各代行車の集計管理が効率良くできる代行運転管制システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載のパソコンによる代行運転管制システムは、管制本部への顧客からの電話による代行依頼を受信する手段と、受信した電話番号と、予め顧客情報データーベース内に登録されている個別顧客情報に付与された電話番号等とを照合する手段と、該当する個別顧客情報(店名、住所、電話番号、現地案内地図他)を引き出し、この個別顧客情報をパソコン内に取り込む工程と、からなることを特徴とする。
【0007】請求項2記載のパソコンによる代行運転管制システムは、請求項1記載のパソコンによる代行運転管制システムにおいて、上記個別顧客情報をパソコン内に取り込む手段に続いて、サーバー内に取り込んだ個別顧客情報により代行管理ソフトを走らせるパソコンを、備えていることを特徴とする。
【0008】請求項3記載のパソコンによる代行運転管制システムは、請求項1記載のパソコンによる代行運転管制システムにおいて、上記個別顧客情報をパソコン内に取り込む手段に続いて、サーバー内に取り込んだ個別顧客情報により代行管理ソフトを走らせるパソコンと、代行車へのナビゲーション情報として伝達する手段と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
【作用】請求項1記載のパソコンによる代行運転管制システムによると、管制本部となる事務所への電話による代行依頼があると、電話番号から顧客情報(店名、住所、電話番号、現地案内地図他)を引き出し、顧客先へ素早く適確に急行でき、且つ、顧客情報をパソコンに取り込んで代行管理業務の自動化が図れる。
【0010】請求項2記載によると、管制本部への電話による代行依頼により、この電話番号から顧客情報(店名、住所、電話番号、現地案内地図他)を引き出し、顧客先へ素早く適確に急行できるほか、顧客情報をパソコンに取り込むことで、管制指示と各代行車の集計管理が効率良くでき、業務の自動化が図れる。
【0011】請求項3記載によると、管制本部への電話による代行依頼により、この電話番号から顧客情報(店名、住所、電話番号、現地案内地図他)を引き出し、顧客情報をパソコンに取り込むとともに、代行車へのナビゲーション情報として伝達することで代行車は、顧客先へ素早く適確に急行できる。更に、管制指示と各代行車の集計管理が効率良くでき、業務の自動化が図れる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1から図6は、本発明のパソコンによる代行運転管制システム100とそのフローチャートを示している。
【0013】先ず、本発明に係わるパソコンによる代行運転管制システム100について説明する。図1は、パソコンによる代行運転管制システムの概念を示し、代行運転管制本部10は、コンピュータシステムCと、個別顧客情報(店名、住所、電話番号、現地案内地図他)Jを納めたデーターベースDBとを備えている。このデーターベースDBは、掛けられた電話番号からこの電話番号に該当する「住所、現地案内地図他」を検索する情報解析部JKによって、必要とする個別顧客情報が検索されてコンピュータシステムCへ送られる。「勿論、コンピュータシステムC内にこの情報解析部JKを装備させても良い」。
【0014】上記情報解析部JKを備えた代行運転管制本部10は、各客先となる店1,店2,客「個人」から電話で代行依頼が入ると、情報解析部JKが受信した電話番号からこの電話番号に該当する「店名、住所、現地案内地図他」を検索し、この情報がコンピュータシステムCに送られ、データとして保存される。ここで、代行運転管制本部10のオペレータは、無線Mで市内走行中の代行車C1,C2,C3・に連絡「無線指示」する。空運転中で最も依頼した「店2」に近い代行車C1を無線で呼び出して「店2」へ急行させる。このとき、オペレータは、コンピュータシステムCの画面に表示された「住所、現地案内地図他」に基づいて、代行車C1に「店2」への案内説明を的確にして素速く行なうことが出来る。
【0015】上記店2に到着した代行車C1の運転手は、搬送車Coを代行運転して「目的地1」まで実走運転する。上記代行車C1の運転記録は、代行運転管制本部10のオペレータとの交信により、オペレータがコンピュータシステムCへマウスによるクリックやキーボードによる入力で行なわれる。そして、料金計算等の出力他は、運転手からの料金連絡を受けてスピーディに処理される。上記運用中において、他の客からの依頼があれば、上記と同様にして次の代行車C2に対して、依頼元へ的確に急行させられる。
【0016】本発明に係る上記代行運転管制システム100は、概ね上記のように機能させることを狙いとする。以下、その詳細を説明する。ハード構成は、図2,図3のようになしている。各顧客となる店1,店2,客とは、各電話TEL1,TEL2,・・・TELnによって繋がれている。上記各電話TEL1,TEL2,・TELnは、代行運転管制本部10における情報解析部JKに接続される。この情報解析部JKは、図3に示すように、個別顧客情報(店名、住所、電話番号、現地案内地図他)Jを納めたデーターベースDBと、このデーターベースDBは、掛けられ受信した電話番号N1から、この電話番号に該当する「店名、住所、現地案内地図他」を検索する照合部Sと、検索した電話番号N1の個別顧客情報をコンピュータシステムCへ送る出力部Pとからなる。
【0017】上記情報解析部JKから送られた個別顧客情報「電話番号N1等」は、コンピュータシステムCの記憶部RAM又はハードディスクHDに保存される。上記個別顧客情報「電話番号N1等」は、画面CRT上に表示される。そして、コンピュータシステムCの記憶部RAM又はハードディスクHDにある代行運転プログラムにより、代行車の配車表D1,D2が画面表示される。ここで、必要データのキーボードKやマウスm入力と、タイマーTによる時間管理のもとに、中央制御部CPUが演算処理し、代行運転プログラムを代行運転の運用に対応して走らせるようになっている。尚、上記代行運転の記録は、コンピュータシステムCの記憶部RAM又はハードディスクHDに保存されるとともに、プリンタにより紙に印刷される。
【0018】次に、本発明による代行運転管制システム100の作用は、図6に示すフローチャート図を中心にして図1〜図6で説明する。先ず図4ぱ、代行運転管制本部10におけるパソコン「コンピュータシステムC」の画面CRT上に表示されている初期画面であり、「日次処理」と「月次処理」と「メンテナンス」「終了」の項目を備える。この「日次処理」には、「担当者入力」と「配車表入力」と「配車表閲覧」と「日計表」の項目を備えている。「月次処理」には、「月間配車表」と「店名別回数」と「店名別売上」と「車別売上」の項目を備えている。更に、「メンテナンス」には、「担当者」と「インポート」と「インポート履歴閲覧」「バックアップ」の項目を備えている。
【0019】続いて、図5と図6を中心に、代行業務を行う代行管理ソフトの内容を説明する。はじめは、代行運転管制本部10におけるパソコン「コンピュータシステムC」の画面CRT上には、図4の初期画面が表示された「ディスプレー伝票画面」Aとなっている。そして、依頼主の「店からの電話」Bで「回線接続」Cされて受信されると、「電話番号検索」Dにより情報解析部JKが受信した電話番号からこの電話番号に該当する「店名、住所、現地案内地図他」を検索し、この情報がコンピュータシステムCに送られ、図5に示すような「店名、住所、電話番号、地図の表示」Eが画面CRT上に表示され、データとして保存される。電話の受話器を置いて「回線を切る」Gと、ディスプレーは元の「ディスプレー伝票画面」Aに戻る。画面上の「店名をクリック」Fすると、「店名が貼り付けら受注時間」J1が同時に記入される。この後、代行車に無線で指示するとともに「車に指示車番入力」Kする。指令された代行車が指定された店名到着すると、代行車からの連絡で「店到着時刻欄」Lをクリックすることで、この「時刻の入力」mがパソコン「コンピュータシステムC」内のタイマー機能により入力される。続いて、客からの行先指示で、行先を代行車から無線連絡をうけると、代行運転管制本部10のオペレータは、「行先欄キーボード入力」Nを行う。この後、代行運転が始まり、指示された目的地へ到着すると、代行車からの無線連絡をうけて代行運転管制本部10のオペレータは、「実車・終了時刻のクリック」Oにより行う。ここで、「終了金額の入力」Pや「サービス券金額の入力」Qや「従業員割引のクリック」Rや「割引現金欄の表示」Sや「チケット使用・チケットNo欄にNoキー入力」T1等を適宜に行う。
【0020】尚、店名到着時に、「キャンセル」Zを受けた時は、代行車からの無線連絡をうける代行運転管制本部10のオペレータは、画面上の「お客行をクリック」Wし、「キャンセルボタン・クリック」W1の操作を行い、「店名キャンセル表示」Woがなされる。上記代行運転プログラムを代行運転の運用に対応して次々に走らせ、「日次集計」Uや「月次集計」Xがされるとともに、「各車の売上」Vや「お客利用/各車売上」Y等が適宜に集計できる。これにより、各代行車や各店単位での利用状況等が把握でき、お客へのサービス活動や効率の良い代行業務に利用できる。尚、本発明となる代行運転に上記代行運転プログラムを走らせた時の実施例は、図5における配車表のように、画面上に実行表示される。
【0021】以上は、本発明の1つの実施形態を紹介したものであり、この実施形態に限定されず本発明要旨内での設計変更が可能である。例えば、上記個別顧客情報をパソコン内に取り込む工程に続いて、パソコン内に取り込んだ個別顧客情報により代行管理ソフトを走らせる工程に代行車へのナビゲーション情報として伝達する手段を備えても良い。この具体的な代行車へのナビゲーション情報の伝達手段は、例えば、代行車にも備えたパソコン及びナビゲーション機器に対して、携帯電話回線又は他の適宜無線回線等により代行運転管制本部10から伝送する方法がある。
【0022】上記管制本部への電話による代行依頼により、この電話番号から顧客情報(店名、住所、電話番号、現地案内地図他)を引き出し、顧客情報をパソコンに取り込むとともに、代行車へのナビゲーション情報として伝達することで代行車は、顧客先へ素早く適確に急行できる。これにより、管制指示と各代行車の集計管理が効率良くでき、業務の自動化が図れる。
【0023】
【発明の効果】本発明の請求項1のパソコンによる代行運転管制システムによると、管制本部となる事務所への電話による代行依頼があると、電話番号から顧客情報(店名、住所、電話番号、現地案内地図他)を引き出し、顧客先へ素早く適確に急行でき、且つ、顧客情報をパソコンに取り込んで代行管理業務の集計や自動化が図れるという効果が発揮される。
【0024】請求項2記載によると、管制本部への電話による代行依頼により、この電話番号から顧客情報(店名、住所、電話番号、現地案内地図他)を引き出し、顧客先へ素早く適確に急行できるほか、顧客情報をパソコンに取り込むことで、管制指示と各代行車の集計管理が効率良くでき、業務の自動化が図れるという効果が発揮される。
【0025】請求項3記載によると、管制本部への電話による代行依頼により、この電話番号から顧客情報(店名、住所、電話番号、現地案内地図他)を引き出し、顧客情報をパソコンに取り込むとともに、代行車へのナビゲーション情報として伝達することで代行車は、顧客先へ素早く適確に急行できる。更に、管制指示と各代行車の集計管理が効率良くでき、業務の自動化が図れるという効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示し、パソコンによる代行運転管制システムの概念図である。
【図2】本発明の実施形態を示し、代行運転管制システムのハード構成図である。
【図3】本発明の実施形態を示し、顧客情報データーベースと電話番号とを照合する工程図である。
【図4】本発明の実施形態を示し、代行運転配車の初期画面図である。
【図5】本発明の実施形態を示し、代行運転配車の代行表の画面図である。
【図6】本発明の実施形態を示し、代行運転管制業務のフローチャート図である。
【図7】従来の手作業による代行運転の配車表の画面図である。
【符号の説明】
10 代行運転管制本部
100 代行運転管制システム
C コンピュータシステム
D1,D2 初期画面と配車表
DB データーベース
JK 情報解析部
J 個別顧客情報
C1,C2,C3 代行車
CPU 中央制御部
M 無線
m マウス
K キーボード
N1 電話番号
RAM 記憶部
HD ハードディスク
T タイマー

【特許請求の範囲】
【請求項1】 管制本部への顧客からの電話による代行依頼を受信する手段と、受信した電話番号と、予め顧客情報データーベース内に登録されている個別顧客情報に付与された電話番号等とを照合する手段と、該当する個別顧客情報(店名、住所、電話番号、現地案内地図他)を引き出し、この個別顧客情報をパソコン内に取り込む手段と、からなることを特徴とするパソコンによる代行運転管制システム。
【請求項2】 上記個別顧客情報をパソコン内に取り込む手段に続いて、サーバー内に取り込んだ個別顧客情報により代行管理ソフトを走らせるパソコンを、備えていることを特徴とする請求項1記載のパソコンによる代行運転管制システム。
【請求項3】 上記個別顧客情報をパソコン内に取り込む手段に続いて、サーバー内に取り込んだ個別顧客情報により代行管理ソフトを走らせるパソコンと、代行車へのナビゲーション情報として伝達する手段と、を備えていることを特徴とする請求項1記載のパソコンによる代行運転管制システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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