説明

パターンの形成された基板の粗さを得る方法、パターンの形成された基板の粗さを得るための装置

【課題】パターン付きウェハの表面粗さを高精度で非破壊に測定できる平坦な検査範囲を、目視によらず探索できる表面検査装置を提供する。
【解決手段】照射される照射光により生じる散乱光の散乱光強度を、パターン付きウェハ200上の測定座標に対応付けて測定し、ウェハ200の表面粗さを検査する表面検査装置において、制御部が、下限閾値以上である散乱光強度の測定座標を抽出し、抽出された測定座標の周辺に相当するパターンの全体レイアウト401の一部の部分レイアウト405a内に、表面粗さの検査の検査範囲406を設定し、検査範囲406における表面粗さを求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン付きウェハの検査に使用される表面検査装置および表面検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の最先端半導体デバイス(装置)は極限まで微細化を追及しており、パターンの線幅の微細化だけでなく生成膜の薄膜化も行われている。ゲート酸化膜に至っては膜厚が1乃至2nmの薄膜が用いられ、膜厚が膜表面の凹凸(表面粗さ)の大きさに接近してきている。このため、表面粗さによって局所的に変動する変動膜厚の膜厚に対する比率が大きくなり、従来の半導体デバイスでは問題にならなかった膜表面の表面粗さが、最先端半導体デバイスにおいてはその特性に大きな影響を与えるようになってきている。
【0003】
また、半導体デバイスの製造に用いられるウェハ処理装置の形態も変化しており、例えば、ゲート酸化膜形成工程では、従来、縦型酸化拡散装置を使用して数十枚から百枚程度のウェハを一括処理する形態が一般的であったが、昨今ではウェハの大口径化に適する枚葉処理の酸化拡散装置の使用が急速に広がっており、枚葉処理ゆえのウェハ間の膜厚や表面粗さのばらつきが、半導体デバイスの歩留まり低下の一要因となっている。
このため、最先端半導体デバイスの製造工程では、生成膜の膜厚と表面粗さの変動しにくい製造条件を設定し、その製造条件で製造した生成膜の膜厚と表面粗さを厳格に管理することが必要となっている。
【0004】
従来のウェハの表面粗さを測定する技術としては、(1)ウェハを切断またはFIB(Focused Ion Beam;集束イオンビーム)加工して切り口を電子顕微鏡で観察する方法、(2)AFM(Atomic Force Microscope;原子間力顕微鏡)でウェハの表面粗さを測定する方法、(3)特許文献1及び特許文献2に示されるようなウェハの表面にレーザ光を入射させて、ウェハ表面から表面粗さに起因する散乱光を受光してウェハの表面粗さを測定する方法が提案されている。また、レーザ光に替えて、X線を用いる方法が特許文献3に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−64496号公報
【特許文献2】特開2002−340537号公報
【特許文献3】特開平7−19844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記従来技術は、加工途中のパターン付きウェハの表面粗さを測定することを考えると、(1)のFIB加工は破壊検査であり検査に使用したウェハから半導体デバイスを製造することはできない問題があった。また、(2)のAFMでは、パターンによる段差は、表面粗さによる段差に比べ数桁大きいので、パターンの段差のある領域の表面粗さの測定では、パターンの段差の測定によって表面粗さの測定精度が低下する問題があった。また、(3)の散乱光を受光する方法では、パターンの段差に起因して生じる散乱光がノイズとなり、ウェハの表面粗さの測定精度が低下する問題があった。
【0007】
ただ、パターン付きウェハでは、(2)と(3)の方法でウェハの表面粗さが測定できないかというと、必ずしもそうではなく、測定に必要な面積を有する平坦な検査範囲が、パターンに囲まれたウェハ内のどこかにあり、前記平坦な検査範囲内の表面粗さを測定することで、パターンの影響の無い正味の表面粗さを測定することができる。
【0008】
しかし、従来は、前記平坦な検査範囲を目視で探すしかなく、この探索に多くの時間を要していた。また、この探索が手動であるので、自動でのオンライン測定も不可能であった。これらのことから、パターン付きウェハの表面粗さを、高精度で非破壊に測定をするため、前記平坦な検査範囲を目視によらず探索できる手段の確立が必要であると考えられた。
【0009】
そこで、本発明の目的は、前記課題を解決すべく、パターン付きウェハの表面粗さを高精度で非破壊に測定できる平坦な検査範囲を、目視によらず探索できる表面検査装置および表面検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決した本発明は、照射される照射光により生じる散乱光の散乱光強度を、パターン付きウェハ上の測定座標に対応付けて測定し、前記ウェハの表面粗さを検査する表面検査装置および表面検査方法において、
制御部は、前記測定した散乱光強度が下限閾値以上である場所の前記測定座標を抽出し、抽出された前記測定座標の周辺に相当する前記パターンの全体レイアウトの一部の部分レイアウト内に、前記表面粗さの検査の検査範囲を設定し、前記検査範囲における前記表面粗さを求めることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、パターン付きウェハの表面粗さを高精度で非破壊に測定できる平坦な検査範囲を、目視によらず探索できる表面検査装置および表面検査方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る表面検査装置を有する表面検査システムの構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る表面検査装置の構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係る表面検査方法のフローチャートである。
【図4】(a)はウェハ表面のパターンのない領域の模式図であり、(b)は表面検査装置を用いて、ウェハ表面のパターンのない領域を測定した際の散乱光強度分布図である。
【図5】(a)は被検査チップの(レイアウト)パターンを示す全体レイアウトであり、(b)はメモリ部の一部を示す部分レイアウトであり、(c)は論理部の一部を示す部分レイアウトである。
【図6】(a)は被検査チップの図5(a)のA−B間をスキャンした際の散乱光強度の分布図であり、(b)は参照チップの図5(a)のA−B間をスキャンした際の散乱光強度の分布図であり、(c)は図5(a)のA−B間に沿った差信号強度の分布図である。
【図7】本発明の実施形態に係る表面検査方法における、ステップS1の被検査チップの散乱光強度の測定の後に、表面検査装置の表示部に表示される画面表示である。
【図8】本発明の実施形態に係る表面検査方法における、ステップS5の下限閾値と上限閾値の設定支援の際に、表面検査装置の表示部に表示されるウィンドウである。
【図9】本発明の実施形態に係る表面検査方法における、ステップS6の候補座標の抽出後に、表面検査装置の表示部に表示される画面表示である。
【図10】本発明の実施形態に係る表面検査方法における、ステップS11の一覧表示の際に、表面検査装置の表示部に表示される画面表示である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
【0014】
図1に、表面検査システム101の構成図を示している。表面検査システム101は、光学式ウェハ表面検査装置110、データサーバ120、設計情報データベース130、レビューSEM(Scanning Electron Microscope)150、CD−SEM(Critical Dimension−SEM)160、異物成分分析装置170、AFM180、電気テスト装置190等からなるウェハ表面粗さ測定装置群100を含み、各装置はネットワーク140を介して互いに接続されている。
【0015】
光学式ウェハ表面検査装置110は、ウェハ表面に光を照射し、ウェハ上に当たり散乱した散乱光の強度(散乱光強度)とその照射・散乱の行われた位置(測定座標)とを取得する手段を有している。なお、本実施形態では、本発明の表面検査装置を、主に光学式ウェハ表面検査装置110に適用した場合について説明する。光学式ウェハ表面検査装置110では、従来、パターンの凹凸(段差)による散乱光がノイズとなり不可能であったパターン付ウェハの表面粗さの測定を、パターン付きウェハ上のウェハ表面粗さを測定可能な平坦な検査範囲をプリスキャンし、その散乱光強度分布から平坦な検査範囲の候補を、半導体デバイスの全体レイアウトに重ね合わせて表示し、ユーザが前記候補の中から検査範囲を迅速確実に指定できる。そして、光学式ウェハ表面検査装置110では、この検査範囲を用いてパターン付きウェハ表面粗さを自動で測定できるようにしている。平坦な検査範囲であれば、パターンの段差による散乱光が生じないので、ウェハの表面粗さを高精度に測定することができる。また、ユーザは、半導体デバイスの全範囲について探索する必要はなく、前記検査範囲の候補から探索すればよいので、迅速に、平坦な検査範囲を探索することができる。
【0016】
データサーバ120は、前記光学式ウェハ表面検査装置110から取得した測定データや、レビューSEM150、CD−SEM160やAFM180の測定データ、電気テスト装置190のテストデータ、異物成分分析装置170の分析データなどのデータを、ウェハの識別子と関係付けて保存可能なコンピュータである。また、データサーバ120は、前記ウェハの識別子と、前記ウェハ上に製造されている半導体デバイスの識別子とを関係付けて記憶している。データサーバ120は、一覧表示データベース121を有し、この一覧表示データベース121は、データサーバ120に保存されている前記測定データより作成される一覧表示を保存している。そして、検査対象のウェハの識別子を取得し、この検査対象のウェハの識別子に基づいて、検査対象のウェハ上に製造されている半導体デバイスの識別子を読み出すことができるようになっている。なお、一覧表示の詳細は後記する。
【0017】
設計情報データベース130は、ウェハの設計(CAD)データを保存しておくデータベースであり、例えば、半導体デバイス(チップ)を構成するメモリ部や論理部等の機能ブロックのレイアウトデータ(フロアプランデータ)や、そのレイアウトデータに基づいたレイアウトの結果作成される半導体デバイスの活性層や配線層などのレイヤを形成するためのマスクデータや、前記機能ブロックが有するすなわち半導体デバイスが有するパターンの形状データや、ウェハ上の半導体デバイスの配列データや、スクライブ領域の位置データや、TEGの位置データ等の設計情報データを、半導体デバイスの識別子と関係付けて記憶し保存している。そして、前記検査対象のウェハ上に製造されている半導体デバイスの識別子に基づいて、検査対象のウェハ上に製造されている半導体デバイスの全体レイアウト(レイアウトデータ)を読み出すことができるようになっている。また、前記測定座標に基づいて、前記測定座標の周辺の半導体デバイスのパターンの形状データを読み出すことができるようになっている。
【0018】
レビューSEM150は、走査型電子顕微鏡を用いて、ウェハ上の異物・欠陥の観察や分類を行う装置である。まず、光学式ウェハ表面検査装置110で、異物・欠陥の有無や、異物・欠陥の観測された測定座標を測定しておく。そして、その測定座標等の情報を基に、レビューSEM150で、異物・欠陥を観察し、異物・欠陥の発生原因を特定するために分類している。
【0019】
CD−SEM160は、測定対象のウェハの識別子を取得し、この測定対象のウェハの識別子から、このウェハに製造されている半導体デバイスの識別子、さらに、この半導体デバイスを測定するための測定レシピを読み出し、この測定レシピに基づいて半導体デバイスのパターンの線幅や線間スペースの自動測定を行っている。
【0020】
異物成分分析装置170は、異物成分を分析する装置であり、例えばEDX(エネルギー分散型X線分析装置)である。光学式ウェハ表面検査装置110で観測された異物の測定座標等の情報を基に、異物が容易に探せるので、異物成分分析装置170は、迅速に異物成分の分析を行うことができる。
【0021】
AFM180は、プローブの先端がウェハ表面から受ける原子間力を測定することで、ウェハの表面状態(表面粗さ)を非接触で非破壊に観察する装置である。なお、本実施形態では、本発明の表面検査装置を、主に光学式ウェハ表面検査装置110に適用した場合について説明するが、これに限らず、本発明の表面検査装置を、AFM180に適用することもできる。このことによれば、探索によって、平坦な検査範囲を見つけることができるので、プローブは、パターンによる段差を越えることがなくなり、表面粗さの測定の測定精度を向上させることができる。このように、本発明の表面検査装置は、表面粗さを計測するさまざまな表面検査装置に適用することができる。これは、光学式ウェハ表面検査装置110やAFM180が、本発明の表面検査装置を含んでいると考えているのであるが、これに限らず、光学式ウェハ表面検査装置110やAFM180の外側に、本発明の表面検査装置を有していてもよいのである。ただ、本発明の表面検査装置の機械的な構成は、光学式ウェハ表面検査装置110に既に備わっているので、光学式ウェハ表面検査装置110について、本発明の表面検査装置を実現することが、最も簡便確実な実現方法である。
【0022】
電気テスト装置190は、測定対象のウェハの識別子を取得し、この測定対象のウェハの識別子から、このウェハに製造されている半導体デバイスの識別子、さらに、この半導体デバイスをテストするためのテストレシピを読み出し、このテストレシピに基づいて、ウェハ上の半導体デバイス(チップ)に信号波形を与え、その時、チップから出てくる出力波形と予めデータサーバ120又は電気テスト装置190にて記憶されている正常な波形との比較を行う装置である。
【0023】
ネットワーク140は、例えばイーサネット(登録商標)による通信ネットワークである。
【0024】
次に、表面検査システム101の動作について説明する。
光学式ウェハ表面検査装置110により、後記する本発明の表面検査方法を実施しウェハの表面粗さの測定が行われ、表面粗さを表す算術平均粗さRaや二乗平均粗さRmsなどが取得され、データサーバ120に記憶させる。光学式ウェハ表面検査装置110は、表面粗さの測定だけでなく、異物・欠陥の検出もできる。光学式ウェハ表面検査装置110で検出された異物をさらに詳しく調べるために、被検査ウェハをレビューSEM150、あるいはCD−SEM160に移動させる。この移動は、手搬送でもよいし、機械搬送でもかまわない。
【0025】
被検査ウェハを、レビューSEM150、あるいはCD−SEM160に移動させた後、レビューSEM150、あるいはCD−SEM160から、データサーバ120にアクセスし、ネットワーク140を介してデータサーバ120から光学式ウェハ表面検査装置110の検査結果を受信する。そして、この検査結果を用いてレビューあるいは測長を開始する。レビューあるいは測長の際に、設計情報データベース130にアクセスし、設計情報から測定座標の検索及び位置情報のマッチング等を行い、測定座標を正確かつ高速に割り出し、効率よくレビューあるいは測長を実施することが可能である。このとき、光学式ウェハ表面検査装置110により付加された情報を用いて、対策が必要な異物を優先的にレビューすることにより、不良原因となる異物の解析を迅速に行うことが可能となる。また、同様に、異物成分分析装置170においても光学式ウェハ表面検査装置110の検査結果により、異物を容易に探索し分析できるので、不良原因の解析を迅速に進めることができる。
【0026】
これらのレビューデータや解析結果はデータサーバ120に保存しておき、電気テスト装置190でのテスト結果と突き合わせることにより、最終的に不良になるか否かを確認することができる。もし、最終的に不良とならない場合には、データサーバ120から光学式ウェハ表面検査装置110に対して対策が必要な異物を選択する基準を変更するデータを送信し、光学式ウェハ表面検査装置110の対策要否の基準を変更することによって対策が必要な異物を、より高精度に選択することが可能となり、半導体デバイスの製造における不良対策をより迅速に行うことが可能となる。
【0027】
なお、以上の説明はネットワーク140を介して検査結果等のデータの送受信を行うことを例にとって説明したが、必ずしも、ネットワーク140を介して送受信を行う必要はなく、例えば、取り外し可能な記憶媒体やプリントアウトされた紙によるデータの受け渡しによってもよい。
【0028】
図2に、光学式ウェハ表面検査装置110(本発明の表面検査装置)の構成図を示す。光学式ウェハ表面検査装置110は、試料検査台210、照明光源220、散乱光検出部230、信号合成部240、全体制御部(特許請求の範囲に記載の制御部に相当)250、ステージ制御部260、情報表示部270、入力操作部280、記憶部290、通信部295から構成されている。
【0029】
試料検査台210は、ウェハ200などの試料を上に載せる試料ステージ211、回転軸212を中心に試料ステージ211を回転させる回転駆動部213、試料ステージ211を径方向に移動させるスライド駆動部214を備えている。
【0030】
ここで、回転駆動部213及びスライド駆動部214は、全体制御部250の指令信号を受けたステージ制御部260により、制御されている。
【0031】
照明光源220は、照射する光(照明光221)が試料ステージ211上のある一点(スポット)を照射するように設置されている。そのため、ステージ制御部260の制御により、試料検査台210の回転駆動部213が回転軸212を回転させつつ、スライド駆動部214が径方向に移動することで、試料ステージ211上のあらゆる測定座標をスポットとすることができ、照明光221を試料ステージ211上のウェハ200の特定の測定座標に照射することができる。
【0032】
そして、照明光221が照射されたウェハ200の特定の測定座標を、回転駆動部213の回転角度と、スライド駆動部214の径方向の移動距離とにより、ステージ制御部260にてXY座標化することができる。取得したXY座標のデータは全体制御部250を介して、記憶部290に保存される。ここで、照明光221にはスポットの面積をできるだけ小さくするために、レーザ光のような光の収束度が高い光が好ましい。
【0033】
散乱光検出部230は、散乱光を検出する検出器231a〜231dを有している。図2では、低角度位置に配設した検出器231a、231dと高角度位置に配設した検出器231b、231cの計4つの検出器を図示したが、検出器231a〜231dの数に限定はなく、各検出器231a〜231dが相互に、スポットから検出器へ方向の方位角及び仰角のうち少なくとも一方において異なるように、2つ以上の検出器が配置されていればよい。各検出器231a〜231dは、照明光源220から照明光(レーザ光)221がウェハ200の表面上に照射され、スポットで発生する散乱光をそれぞれ検出する。検出器231a〜231dが出力する検出信号には、異物・欠陥の信号(欠陥信号)と表面粗さ信号(Haze信号;ヘイズ信号)が含まれる。
【0034】
また、散乱光検出部230において、各検出器231a〜231dは、それぞれ増幅器232a〜232dに接続し、次にA/Dコンバータ233a〜233dに接続している。これにより、各検出器231a〜231dの検出信号は、増幅器232a〜232dにて増幅され、A/Dコンバータ233a〜233dにてディジタル信号化される。
【0035】
信号合成部240は、ディジタル信号化された検出信号を指定された演算条件(プログラム)に従って合成した合成信号を作る。信号合成部240で合成した合成信号のデータと、合成信号の基になったディジタル信号化された検出信号のデータは、全体制御部250を介して記憶部290に保存される。なお、この合成信号のデータが、散乱光強度を含んでいる。
【0036】
全体制御部250は、光学式ウェハ表面検査装置110全体の制御を行い、照射される照明光(照射光)221により生じる散乱光の散乱光強度を、パターン付きウェハ200上の測定座標に対応付けて測定し、ウェハ200の表面粗さを検査する。また、入力操作部280からの操作信号を受け、記憶部290に格納されているプログラムを用いて、操作信号に対応する処理を行い、ステージ制御部260が試料検査台210が有する回転駆動部213及びスライド駆動部214を制御するための指令信号を出力したり、信号合成部240でディジタル信号化された検出信号を合成するための演算条件を変更したりする。
【0037】
また、全体制御部250は、信号合成部240で合成した合成信号のデータと、合成信号の基になったディジタル信号化された検出器231a〜231dの検出信号のデータを記憶部290に記憶させたり、記憶部290に格納された処理プログラムを用いて、それらデータを加工し、情報表示部270に表示させたりする。
【0038】
入力操作部280は、ユーザが前記のように信号合成部240による検出信号の合成条件を入力したり、各装置の動作等を指示したりするためのものである。
【0039】
記憶部290は、各種制御・演算処理に必要なプログラム・定数、測定結果(合成信号や検出信号)、入力操作部280により設定された合成条件などを格納している。それぞれの検出器231a〜231dの合成信号のデータ及び検出信号のデータは、ステージ制御部260から得られるウェハ上の散乱光の測定座標と共に記憶される。
【0040】
通信部295は、ネットワーク140に接続されており、全体制御部250は、通信部295を介して、データサーバ120や設計情報データベース130とデータの送受信を行う。
【0041】
次に、主に全体制御部250において行われる本発明の実施形態に係る表面検査方法について説明する。
【0042】
図3に、本発明の実施形態に係る表面検査方法のフローチャートを示す。
【0043】
まず、ステップS1で、全体制御部250は、光学式ウェハ表面検査装置110の全体を制御し、照射される照明光(照射光)221により生じる散乱光の散乱光強度を、パターン付きウェハ200上の測定座標に対応付けて測定する。
【0044】
ここで、フローチャートの説明の途中であるが、本発明の理解を容易にするために、散乱光強度の特性について説明しておく。
【0045】
図4(a)に、ウェハ200の表面のパターンのない領域の模式図を示す。測定対象であるウェハ200の表面には、例えば、異物301a、301bが上に載り、欠陥302が生じている。ウェハ200の表面上の平坦部310、311には、表面粗さに対応する凹凸が存在している。平坦部310における凹凸の段差は、平坦部311における凹凸の段差より小さく、表面粗さが小さくなっている。
【0046】
図4(b)に、図4(a)のウェハ200の表面に沿って散乱光強度を測定した際の散乱光強度分布図320を示す。ウェハ200に照明光221を照射することで、平坦部310で生じる散乱光から散乱光強度W310が得られる。同様に、異物301aから散乱光強度W301a、平坦部311から散乱光強度W311、欠陥302から散乱光強度W302、異物301bから散乱光強度W301bを取得することができる。そして、測定したウェハ200の表面上の測定座標毎の散乱光強度から、散乱光強度分布図320を作成することができる。
【0047】
散乱光強度において、異物成分(W301a、W302、W301b)は、表面粗さ成分(W310、W311)より大きいので、図2に示す入力操作部280にて指定可能な上限閾値Hを用いて、異物成分(W301a、W302、W301b)と表面粗さ成分(W310、W311)とを分離することができる。
【0048】
表面粗さ成分(W310、W311)の散乱光強度W310は、散乱光強度W311より小さくなっている。このことから、表面粗さの大小関係は、散乱光強度の大小関係と相関関係が有ることがわかる。そして、異物成分から分離した表面粗さ成分(W310、W311)全ての散乱光強度の平均をとることにより、測定対象であるウェハ200の表面の平均の表面粗さのHaze値を得ることができ、複数のウェハ200間で表面粗さを比較することができるようになる。
【0049】
ここまでは、半導体装置(チップ)のパターンのない領域の散乱光強度の特性について説明した。次に、パターンのある領域の散乱光強度の特性について説明する。
【0050】
図5(a)に、半導体装置の被検査チップの(レイアウト)パターンの全体レイアウトの一例を示す。一般的に被検査チップ401は、メモリ部402、402a、論理部403、403aなど複数の機能ブロックから成り、機能ブロック間は配線で接続される。多くの場合、メモリ部402、402aには、図5(b)に図5(a)のメモリ部402の一部の部分レイアウト404aに示すように、繰り返し性の高いメモリパターン404が形成されている。メモリパターン404は、パターンの占有密度の高い密なパターン形状をしている。一方、論理部403、403aには、図5(c)に図5(a)の論理部403の一部の部分レイアウト405aに示すように、繰り返し性の低い論理パターン405が形成されている。論理パターン405は、パターンの占有密度の低い疎なパターン形状をしている。このため、図5(c)に示すように、論理部403には、表面粗さを測定可能な平坦な検査範囲406が存在する場合が多い。
【0051】
前記検査領域として、光学式ウェハ表面検査装置110を用いて測定するため、照明光221であるレーザビームのスポット径が約10μmであるとすると、散乱光強度分布図320を測定することができる十分な大きさは、50μm×50μm程度以上になる。
【0052】
ここで、図5(a)に示すように、前記スポット(測定座標)をAからBの方向にスキャンさせて散乱光強度を測定すると、図6(a)に示すような散乱光強度分布図が得られる。パターンの密なメモリ部402の散乱光強度501は、パターンの疎な論理部403の散乱光強度502より低くなっている。このため、下限閾値Lを、散乱光強度501と散乱光強度502の間の大きさに設定することにより、容易に、論理部403のようなパターンの疎な領域を抽出することができる。
【0053】
論理部403の散乱光強度502のなかでも、検査範囲406の散乱光強度503は大きな値を示す。このため、図示はしないが下限閾値Lを、散乱光強度502と散乱光強度503の間の大きさに設定することにより、容易に、検査範囲406を抽出することができる。
【0054】
そして、AからBの方向にスキャンするだけでなく、例えば半導体装置の1チップ分の全体をスキャンして、散乱光強度を取得することにより、もれなく検査範囲406を探索することができる。
【0055】
なお、図6(a)に示すように、異物に起因する異物信号504と、欠陥に起因する欠陥信号505も観測される。異物信号504と欠陥信号505の散乱光強度は、論理部403の散乱光強度502や、検査範囲406の散乱光強度503より高くなっている。このため、上限閾値Hを、異物信号504と欠陥信号505の散乱光強度と、散乱光強度503や散乱光強度502と間の大きさに設定することにより、容易に、異物信号504と欠陥信号505とを抽出対象から除くことができる。
【0056】
ところで、通常の光学式ウェハ表面検査装置110では、図6(a)の散乱光強度分布を、ウェハ200(図2参照)上の被検査チップの測定結果であるとすると、この測定の前に、図6(b)に示すような参照チップの散乱光強度分布を測定しておく。参照チップには、被検査チップと同一のウェハ200上の半導体チップを用いることができ、特に、被検査チップに隣接する半導体チップを用いることができる。なお、測定座標には、チップごとに独立した座標系を用いている。そして、チップ内の同じ場所が容易に比較できるように、原点がチップの左下に統一されているように複数のチップで同じ体系の座標系が用いられている。そして、通常の光学式ウェハ表面検査装置110では、図6(c)に示すように、被検査チップの散乱光強度から、参照チップの散乱光強度を、対応する測定座標ごとに減算し、差信号強度を取得することにより、差信号強度としては、被検査チップで測定された異物信号504と欠陥信号505の散乱光強度のみが取得でき、異物・欠陥を検出することができる。また、必要に応じて、閾値レベルを設定し、閾値レベルより大きい差信号強度に基づいて異物・欠陥の検出を行ってもよい。
【0057】
前記で、半導体装置(チップ)のパターンのない領域の散乱光強度の特性と、パターンのある領域の散乱光強度の特性とについて説明してきた。後記では、図3のフローチャートに戻って、表面検査方法のステップS2以降について説明する。後記で説明する表面検査方法では、前記した散乱光強度の特性が巧みに利用され、平坦な検査範囲が探索されている。
【0058】
まず、図3のステップS1の散乱光強度の測定の後に、ステップS2で、全体制御部250(図2参照)が、前記測定座標に対する前記散乱光強度の分布を図7の等高線図609により画面表示する。図7は、情報表示部270(図2参照)に表示される一チップ分の走査結果表示画面(GUI)601を示している。走査結果表示画面(GUI)601の左上には、等高線図表示ウィンドウ602が設けられており、この等高線図表示ウィンドウ602内に等高線図609が表示されている。等高線図609は、半導体チップの1チップ分を走査し、その走査結果の散乱光強度の分布を、等高線10、20、30で示している。等高線10、20、30上は、散乱光強度がそれぞれ10、20、30になっている。等高線10で囲まれた領域より等高線20で囲まれた領域の方が散乱光強度が大きくなっている。等高線20で囲まれた領域より等高線30で囲まれた領域の方が散乱光強度が大きくなっている。
【0059】
次に、ステップS3で、全体制御部250が、被検査チップの全体レイアウトを、設計情報データベース130(図1参照)から読み出し、走査結果表示画面(GUI)601の右上の全体レイアウト表示ウィンドウ603に画面表示する。等高線図表示ウィンドウ602と全体レイアウト表示ウィンドウ603とは、対象としているチップが同じ大きさで、それぞれ表示されるように、ウィンドウのサイズを等しくしている。なお、全体レイアウトは、前記等高線図609と並べて表示するのはもちろん、重ねて表示してもよい。
【0060】
次に、ステップS4で、全体制御部250が、1チップ分の散乱光強度のヒストグラム610を、走査結果表示画面(GUI)601の左下のヒストグラム表示ウィンドウ604に画面表示する。例えば、等高線図609の等高線10で囲まれた領域の面積が、ヒストグラム610の散乱光強度10以上の頻度の積分値に対応している。同様に、等高線20で囲まれた領域の面積が、ヒストグラム610の散乱光強度20以上の頻度の積分値に対応し、等高線30で囲まれた領域の面積が、ヒストグラム610の散乱光強度30以上の頻度の積分値に対応している。また、定性的には、論理部403はパターン密度の低いスペクトル611として現れてくる。メモリ部402はパターン密度の高いスペクトル613、614として現れてくる。スペクトル613、614の散乱光強度が、スペクトル611の散乱光強度より低くなるのは、前記の散乱光強度の特性において説明した通り、パターン密度が高い程散乱光強度が小さくなるという特性によるものである。また、異物・欠陥は、異物・欠陥スペクトル612として現れてくる。異物・欠陥スペクトル612の散乱光強度が、スペクトル611の散乱光強度より高くなるのは、前記の散乱光強度の特性において説明した通りである。
【0061】
また、後記にて、詳述するが、走査結果表示画面(GUI)601の右下には、被検査チップ401の全体レイアウトの一部の部分レイアウトを拡大して表示する部分レイアウトの拡大表示ウィンドウ605と、指定された検査範囲をオペレータに決定させるSETボタン606と、上限閾値Hと下限閾値Lとの間の散乱光強度を有する測定座標を自動抽出する抽出ボタン607と、アシストツールへ移動するためのアシストツールボタン608が設けられている。
【0062】
次に、ステップS5で、全体制御部250が、下限閾値L、上限閾値Hの設定支援を行う。オペレータによって、抽出ボタン607がクリックされると、図8に示す散乱光強度絞込みウィンドウ701が現れる。オペレータは、ウィンドウ701の出現により下限閾値Lと上限閾値Hの設定を促され、図7のヒストグラム610を参照しながら、下限閾値設定欄702Lに下限閾値Lとして例えば28を入力し、上限閾値設定欄702Hに上限閾値Hとして例えば33を入力する。そして、登録ボタン703をオペレータがクリックすると、下限閾値Lと上限閾値Hとが設定される。なお、キャンセルボタン704をクリックすることにより、入力された下限閾値Lと上限閾値Hとをキャンセルし、再度入力することが可能になる。
【0063】
そして、図9のヒストグラム表示ウィンドウ604のヒストグラム610の横軸(散乱光強度)上に、下限閾値Lと上限閾値Hを画像表示することができる。
【0064】
次に、ステップS6で、全体制御部250が、下限閾値L以上、上限閾値H以下の散乱光強度の測定座標(候補座標)n1〜n7を抽出する。
【0065】
ステップS7で、全体制御部250が、抽出した候補座標n1〜n7を、図9に示すように、等高線図609上と、被検査チップ401の全体レイアウト上とに、ドットによって表示する。候補座標n1〜n7を等高線図609に重ねて表示することで、候補座標n1〜n7が、散乱光強度の大きいとことに設定されていることを、オペレータは容易に確認することができる。また、候補座標n1〜n7を被検査チップ401の全体レイアウトに重ねて表示することで、候補座標n1〜n7が、全体レイアウト上のどこであるのか一見して理解することができる。
【0066】
ステップS8で、全体制御部250によって、候補座標n1〜n7を含む前記部分レイアウト801内に前記検査範囲406を設定する。ステップS8は、ステップS9の部分レイアウトの画面表示とステップS10の検査範囲の設定支援とを有していてもよいし、ステップS11の一覧表示とステップS12の部分レイアウトの決定支援とを有していてもよい。また、ステップS9〜S12の全てを有していてもよい。
【0067】
ステップS9で、オペレータが、複数の候補座標n1〜n7の中の1つの候補座標、例えば、候補座標n4のドットをクリックする。このクリックにより、全体制御部250が、候補座標n4の周辺に相当する部分レイアウト801を、部分レイアウトの拡大表示ウィンドウ605に画面表示し、オペレータに検査範囲設定の支援をする。
【0068】
ステップS10で、オペレータが、この部分レイアウトの拡大表示ウィンドウ605内に、検査範囲406を設定したいと思えば、SETボタン606をクリックする。このクリックにより、全体制御部250は、図9に示すように、部分レイアウトの拡大表示ウィンドウ605内に、検査範囲406を設定する。
【0069】
また、ステップS9とステップS10とを省いて、ステップS11に進んでもよい。
【0070】
ステップS11で、オペレータが、アシストツールボタン608をクリックすることにより、全体制御部250が、図10に示すようなアシストツール表示画面(GUI)900を、情報表示部270に画面表示することで、候補座標n1〜n9の周囲の部分レイアウト等を一覧表示する。この一覧表示するためのデータは、図1の一覧表示データベース121に記憶しておくことにより、容易に一覧表示を生成することができる。アシストツール表示画面(GUI)900には、候補座標n1〜n9の識別番号が設定される通し番号表示欄901と、光学式ウェハ表面検査装置110(図1参照)によって候補座標n1〜n9周辺の前記部分レイアウトに相当する範囲が撮像された検査装置画像を表示する検査装置画像表示欄902と、レビューSEM150(図1参照)によって前記部分レイアウトに相当する範囲が撮像されたレビュー画像を表示するレビュー画像表示欄903と、図9の部分レイアウト801に対応する部分レイアウト(CADデータ)を表示する部分レイアウト(CADデータ)表示欄904と、光学式ウェハ表面検査装置110(図1参照)によって測定された候補座標n1〜n9における散乱光強度を表示する散乱光強度表示欄905と、オペレータが候補座標を選択するための候補座標の選択チェック欄906とを有している。また、光学式ウェハ表面検査装置110は、検査条件t1〜t3を変えて測定される場合があり、検査条件t1〜t3毎に、検査装置画像と散乱光強度とを表示してもよい。
【0071】
ステップS12において、このような一覧表示をすることで、オペレータは、さまざまな画像(部分レイアウト)中に、検査範囲406(図9参照)を設定可能な候補座標、例えばn4を容易に見つけることができる。オペレータが、候補座標n4の選択チェック欄906をクリックすることにより、全体制御部250は、候補座標n4の選択チェック欄906にチェックを表示し、部分レイアウトの決定を支援することができ、さらに、図9のような検査範囲406を設定することができる。
【0072】
また、オペレータは、候補座標n4の散乱光強度30、35、40を見て、例えば、最も高感度の散乱光強度40が得られた検査条件t3を容易に見つけることができる。オペレータが、検査条件t3の選択チェック欄910をクリックすることにより、全体制御部250は、検査条件t3の選択チェック欄910にチェックを表示し、検査条件に検査条件t3を設定することができる。なお、候補座標n1〜n9や検査条件t1〜t3が増えても、スクロールバー911により一覧表示に対応することができる。
【0073】
ステップS13で、オペレータが、図10の検査実行ボタン913をクリックしたり、図9のSETボタン606をクリックしたりすることにより、全体制御部250が、検査範囲406内の散乱光強度を取得する。実際に、検査範囲406内のみの散乱光強度を再測定してもよいし、ステップS1において測定した測定結果から、検査範囲406内のみの散乱光強度を読み出してもよい。
【0074】
最後にステップS14で、検査範囲406内の散乱光強度に基づいて、検査範囲406内の表面粗さを算出する。
【0075】
このように、本実施形態によれば、パターン付きウェハ200上に存在する表面粗さ検査可能な平坦な検査範囲406を、簡単に指定し、その検査範囲406における表面粗さを非破壊で高速かつ高精度に自動測定することができる。そして、本実施形態により測定されたウェハ200の表面粗さの測定結果を用い、半導体プロセス変動を監視することにより、プロセス異常の早期発見が可能となり、半導体チップの歩留まりの向上を図ることができる。このように、本実施形態は、半導体チップの製造分野における半導体素子検査・計測および半導体製造プロセス管理に用いることができる。
【符号の説明】
【0076】
100 ウェハ表面粗さ測定装置群
101 表面検査システム
110 光学式ウェハ表面検査装置(表面検査装置)
120 データサーバ
121 一覧表示データベース
130 設計情報データベース
140 ネットワーク
200 ウェハ
210 資料検査台
211 資料ステージ
212 回転軸
213 回転駆動部
214 スライド駆動部
220 照明光源
221 照明光
230 散乱光検出部
231a〜d 検出器
232a〜d 増幅器
233a〜d A/Dコンバータ
240 信号合成部
250 全体制御部
260 ステージ制御部
270 情報表示部
280 入力操作部
290 記憶部
295 通信部
301、301a〜b 異物
W301a〜b 異物信号(散乱光強度)
302 欠陥
W302 欠陥信号(散乱光強度)
310、311 平坦部
W310、W311 平坦部信号(散乱光強度)
320 散乱光強度分布図
401 被検査チップ(全体レイアウト)
402、402a メモリ部
403、403a 論理部
404 メモリパターン
404a 部分レイアウト
405 論理パターン
405a 部分レイアウト
406 検査範囲
501 メモリ部の散乱光強度
502 論理部の散乱光強度
503 検査範囲の散乱光強度
504 異物信号
505 欠陥信号
601 一チップ分の走査結果表示画面(GUI)
602 等高線図表示ウィンドウ
603 チップの全体レイアウト表示ウィンドウ
604 ヒストグラム表示ウィンドウ
605 部分レイアウトの拡大表示ウィンドウ
606 SETボタン
607 抽出ボタン
608 アシストツールボタン
609 等高線図
610 ヒストグラム
611 パターン密度の低いスペクトル
612 異物・欠陥スペクトル
613、614 パターン密度の高いスペクトル
701 散乱光強度絞込みウィンドウ
702L 下限閾値設定欄
702H 上限閾値設定欄
703 登録ボタン
704 キャンセルボタン
801 部分レイアウト
900 アシストツール表示画面(GUI)
901 通し番号表示欄
902 検査装置画像表示欄
903 レビュー画像表示欄
904 部分レイアウト(CADデータ)表示欄
905 散乱光強度表示欄
906 候補座標の選択チェック欄
910 検査条件の選択チェック欄
911 スクロールバー
913 検査実行ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターンの形成された基板の粗さを得る方法において、
前記基板に光を照射する第1のステップと、
前記基板からの光を検出し、前記基板の座標と対応付ける第2のステップと、
前記第2のステップの結果に閾値処理を施す第3のステップと、
前記第3のステップの結果を用いて前記基板の粗さを得る第4のステップとを有することを特徴とするパターンの形成された基板の粗さを得る方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記第3のステップでは、第1の閾値、及び前記第1の閾値よりも低い第2の閾値の少なくとも1つを使用して前記閾値処理を行うことを特徴とするパターンの形成された基板の粗さを得る方法。
【請求項3】
請求項1、又は請求項2に記載の方法において、
前記第2のステップは、さらに、前記基板の座標と前記パターンの設計情報とを対応付けることを特徴とするパターンの形成された基板の粗さを得る方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法において、
前記第1の閾値は、欠陥からの光の強度より小さく、表面粗さからの光の強度より大きいことを特徴とするパターンの形成された基板の粗さを得る方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法において、
前記第2の閾値は、第1のパターンからの光の強度より大きく、第1のパターンより密な第2のパターンからの光の強度より小さいことを特徴とするパターンの形成された基板の粗さを得る方法。
【請求項6】
パターンの形成された基板の粗さを得るための装置であって、
前記基板に光を照射する照明光学系と、
前記基板からの光を検出する検出光学系と、
処理部とを有し、
前記処理部は、
前記検出光学系の検出結果と前記基板の座標とを対応付け、
前記検出光学系の検出結果と前記基板の座標とを対応付けた結果に閾値処理を施し、
前記閾値処理の結果から前記基板の粗さを得ることを特徴とするパターンの形成された基板の粗さを得るための装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置において、
前記処理部は、第1の閾値、及び前記第1の閾値よりも低い第2の閾値の少なくとも1つを使用して前記閾値処理を行うことを特徴とするパターンの形成された基板の粗さを得るための装置。
【請求項8】
請求項6、又は請求項7に記載の装置において、
前記パターンに対応する設計情報を保存するための記憶部を有し、
前記処理部は、前記基板の座標と前記パターンの設計情報とを対応付けることを特徴とするパターンの形成された基板の粗さを得るための装置。
【請求項9】
請求項7に記載の装置において、
前記第1の閾値は、欠陥からの光の強度より小さく、表面粗さからの光の強度より大きいことを特徴とするパターンの形成された基板の粗さを得るための装置。
【請求項10】
請求項7に記載の装置において、
前記第2の閾値は、第1のパターンからの光の強度より大きく、第1のパターンより密な第2のパターンからの光の強度より小さいことを特徴とするパターンの形成された基板の粗さを得るための装置。
【請求項11】
請求項6に記載の装置において、
表示部を有し、
前記表示部は、前記検出光学系の検出結果と前記基板の座標とを対応付けた結果を等高線によって表示することを特徴とするパターンの形成された基板の粗さを得るための装置。
【請求項12】
請求項8に記載の装置において、
表示部を有し、
前記表示部は、
前記検出光学系の検出結果と前記基板の座標とを対応付けた結果を等高線ウィンドウとして表示し、さらに、
前記設計情報を、設計情報ウィンドウとして前記等高線ウィンドウと同じ大きさで表示することを特徴とするパターンの形成された基板の粗さを得るための装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−98298(P2012−98298A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−280660(P2011−280660)
【出願日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【分割の表示】特願2008−8204(P2008−8204)の分割
【原出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】