説明

パターンドメディアの検査装置及びパターンドメディア用スタンパの検査方法

【課題】
ディスク上に発生したパターンの欠陥からスタンパに由来する欠陥を抽出して、欠陥発生の原因となっているスタンパを早期に特定して大量の不良の発生を未然に防止する。
【解決手段】
スタンパを用いてナノインプリントにより基板のレジスト膜に形成したパターンに照明光を照射し、照明光を照射した基板の領域からの反射光を分光して検出し、分光して検出した分光反射率波形データを予め記憶しておいた参照データと比較して基板上に形成したレジスト膜のパターンに異常が発生した領域を抽出し、この抽出した異常が発生した領域の情報を基板を検査する直前に検査した同じスタンパを用いてナノインプリントされた複数の基板の検査データと比較し、異常が発生した領域と同じ領域に直前に検査した複数の基板にも異常が検出されていた場合には、このスタンパが不良であると判定するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードディスク用のディスクリートトラックメディアやビットパターンドメディアの検査装置及びパターンドメディアを形成するためのスタンパの検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナル・コンピュータ(PC)やサーバ、モバイル機器等の記録媒体として用いられているハードディスクは、近年、扱う情報量が飛躍的に増大してきており、それに対応する高密度記録方式として、垂直磁気記録方式が開発された。現在、更なる記録密度の向上が求められているが、垂直磁気記録方式では記録密度の増加に伴って隣接トラック間の磁気的な干渉による影響が無視できなくなってきている。この問題を解決する次世代の記録方式としてディスクの表面にパターンを形成させた記録媒体であるパターンドメディアが検討されている。
【0003】
パターンドメディアの形成には、低コストでナノメートルオーダのパターンを量産可能な、ナノインプリント技術が検討されている。ナノインプリント技術では、型材に形成したパターンを、磁性膜層が形成されてその上にレジストが塗布されたディスクに押し当ててレジストに型材のパターン形状を転写し、レジストを露光、現像しエッチング処理を施すことによりディスクの表面に磁性膜層のパターンを形成する。
【0004】
このパターンドメディアに形成されるパターンの寸法は、100nm以下であり、現像したレジストのパターンのできばえを検査する場合、可視光領域の波長の光を用いた顕微鏡では解像の限界を超えてしまい、パターンの像を観察することができない。
【0005】
ナノインプリントで形成されたパターンに大きさや形状のばらつき、欠損やショートなどがある場合には、正常の動作せずに不良となる場合がある。そのために、パターンの形状が適切に形成されているかを検査し、管理する必要がある。
【0006】
不良の原因としては、工程内で発生したごみ(異物)によるもの、プロセス条件の変動によるもの、前工程から持ち込まれた欠陥、スタンパの形状不良により発生する欠陥などがある。このうち、スタンパの形状不良により発生する欠陥は、その形状不良のスタンパを使っている限り毎回発生することになり、製品歩留まりを極端に低下させてしまう原因になる可能性がある。
【0007】
このスタンパの形状不良のような微細な欠陥を検査する方法として、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)で観察する方法や、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope: AFM)で試料の表面を観察する方法があるが、何れの方法でもスループットが低く、生産の現場でより多くのディスクを検査するのには向いていない。
【0008】
一方、半導体デバイスの生産ラインで微細なパターンを形成するプロセスの管理に、スキャタロメトリの原理を用いて検査する方法が用いられている。これは、半導体ウェハ上の素子を形成する領域以外の部分に工程管理用のTEG(Test Element Guoupe)パターンを形成し、このパターンからの反射光を分光検出して得られたデータを用いてTEGパターンの形状を求め、工程を管理するものである。
【0009】
このスキャタロメトリの原理を応用してパターンのエッジのラフネスを計測することについては、特許文献1に記載されている。また、スキャタロメトリ法を用いてパターンドメディアを検査することに関しては、特許文献2に記載されている。
【0010】
又、特許文献3には、スキャタロメトリ法により検査したデータと、基板の表面にレーザを照射して基板からの反射光を第1の仰角方向と第2の仰角方向に散乱した光をそれぞれ検出してえたデータとを比較して、基板の表面の形状欠陥を検出することが記載されている。
【0011】
更に、特許文献4には、基板に照明光を照射してその反射光を分光検出してパターン形状とエッジラフネスを検査し、基板に斜め方向からレーザを照射しその散乱光を検出してパターンのエッジラフネスを検出し、散乱光の検出データからエッジラフネスが検出されたときに反射光を分光検出して得たデータを解析してパターンのエッジラフネスを求める方法化記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第7233390号明細書
【特許文献2】特開2007−133985号公報
【特許文献3】特開2010−91295号公報
【特許文献4】特開2007−123182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
微細なパターンを検査する方法として、スキャタロメトリメトリ法により光学的に検査する方法が特許文献1乃至4に記載されている。又、特許文献2乃至4には、それをナノインプリントのより形成されたパターンドメディアの微細パターンの検査に適用することについて記載されている。
【0014】
パターンドメディアを製造するのに用いるスタンパに欠陥が有った場合、そのスタンパを用いてナノインプリントされたパターンドメディアには、全てにスタンパの欠陥が転写されてしまい、大量の不良品を出してしまう恐れがある。
【0015】
そこで、ナノインプリントによりパターンドメディアを形成する場合には、ディスク上に発生したパターンの欠陥がスタンパに由来する複数のディスク間に共通に発生している欠陥であるのか、複数のディスク間に共通せずランダムに発生したものなのかを識別する必要がある。
【0016】
しかし、上記した何れの特許文献にも、ディスク上に発生したパターンの欠陥がスタンパに由来する欠陥であるのか、ランダムに発生したものなのかを識別することについては配慮されていない。
【0017】
本発明の目的は、上記した従来技術の課題を解決して、ディスク上に発生したパターンの欠陥からスタンパに由来する欠陥を抽出して、欠陥発生の原因となっているスタンパを早期に特定して大量の不良の発生を未然に防止することを可能にするパターンドメディアの検査装置及びこの装置を用いたパターンドメディア用スタンパの検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記した課題を解決するために、本発明では、基板に塗布されたレジスト膜に微細なパターンをナノインプリントにより転写するスタンパの不良を検出する方法において、スタンパを用いてナノインプリントにより基板のレジスト膜に形成したパターンに照明光を照射し、照明光を照射した基板の領域からの反射光を分光して検出し、分光して検出した分光反射率波形データを予め記憶しておいた参照データと比較して基板上に形成したレジスト膜のパターンに異常が発生した領域を抽出し、この抽出した異常が発生した領域の情報を基板を検査する直前に検査した同じスタンパを用いてナノインプリントされた複数の基板の検査データと比較し、異常が発生した領域と同じ領域に直前に検査した複数の基板にも異常が検出されていた場合には、このスタンパが不良であると判定するようにした。
【0019】
又、上記した課題を解決するために、本発明では、パターンドメディアの検査装置を、基板に塗布されたレジスト膜にスタンパを用いて形成したパターンに照明光を照射する照明光照射手段と、この照明光照射手段で照明光を照射した基板からの反射光を分光して検出する分光検出手段と、分光反射率波形の参照データと過去の検査データを記憶しておく記憶手段と、分光検出手段で分光して検出した分光反射率波形データを記憶手段に記憶しておいた分光反射率波形の参照データと比較して基板上に形成したレジスト膜のパターンに異常が発生した領域を抽出する欠陥領域抽出手段と、欠陥領域抽出手段で抽出した異常が発生した領域の情報を記憶手段に記憶しておいた基板を検査する直前に検査した同じスタンパを用いてナノインプリントされた複数の基板を検査したデータと比較するデータ比較手段と、データ比較手段で比較した結果基板上の異常が発生した領域と同じ領域にこの基板を検査する直前に検査した複数の基板に渡って異常が検出された場合には、このスタンパが不良であると判定する異常判定手段とを備えて構成した。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ディスク上に発生したパターンの欠陥からスタンパに由来する欠陥を抽出して、欠陥発生の原因となっているスタンパを早期に特定して大量の不良の発生を未然に防止することを可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】パターンドメディアの検査装置の全体の構成をしめすブロック図である。
【図2】パターンドメディアの平面図である。
【図3】スタンパの異常を検出する処理の流れを示すフロー図である。
【図4】試料を検出して得た分光反射率波形を、それに対応する基準分光反射率波形と重ね合わせて表示した分光反射率波形のグラフである。
【図5】繰り返し数を入力する画面の正面図。
【図6】スタンパ異常を表示する画面の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の実施例を、図を用いて説明する。
【0023】
まず、本発明によるパターンドメディアの検査装置の全体の構成を図1に示す。
【0024】
検査装置は、検出光学系部100、ステージ部200、データ処理部300、制御部400を備えて構成される。
【0025】
検出光学系部100は、照明光を発射する光源101、光源101から発射された照明光を集光する集光レンズ102、集光レンズ102で集光された光を通過させるピンホール1031を有する第1の視野絞り103、第1の視野絞り103のピンホールを通過した照明光を平行な光束に変換するコリメートレンズ104、コリメートレンズ104を透過した照明光の偏光の状態を調整する偏光板105、偏光板105で偏光の状態を調整された照明光の光路を試料1であるディスクの側に切替えるハーフミラー106、ハーフミラー106で光路を切替えられた平行な光束の照明光を集光して試料1の表面に照射する対物レンズ、照明光が照射された試料1からの反射光のうち再び対物レンズ107に入射してハーフミラー106を通過した反射光を集光して結像させる結像レンズ108、結像レンズ108を透過した反射光を通過させるピンホール1091を有する第2の視野絞り109、第2の視野絞り109を通過した反射光を導入する分光器110を備えている。
【0026】
また、分光器110は、第2のピンホール109を通過した反射光を受けて波長に応じて分光する回折格子111と、この回折格子111で分光された光を波長ごとに分離して検出するリニア検出器112を備えている。
【0027】
ステージ部200は、試料1を載置して回転させる回転ステージ201、回転ステージ201を一方向に移動させる直進ステージ202を備えている。
【0028】
データ処理部300は、分光器110のリニア検出器112から出力される分光検出信号をA/D変換してデジタル化した分光波形を得る分光波形処理部301と、分光波形処理部301でデジタル化した分光波形データから得られる分光反射率波形データと後述するステージ制御部402から得られるステージの位置情報(回転方向及び半径方向)とを用いて回転ステージ201上に載置された試料1の欠陥領域を抽出する欠陥領域抽出部302、欠陥領域抽出部302で抽出した欠陥領域情報を処理してスタンパの形状欠陥を検出する欠陥判定部303を備えている。
【0029】
制御部400は、全体制御ユニット401、検査データや基板情報、分光データを記憶しておく記憶部402、回転ステージ201と直進ステージ202とを制御するステージ制御部403、検査条件を入力し検査の結果を出力する入出力部404を備えている。
【0030】
次に、本発明によるパターンドメディアの検査装置の動作を説明する。
【0031】
検査対象である試料1は、図2に示すような平面構造を持っている。試料1は中心部に穴部2を有し、表面にデータを記憶するデータ領域3とデータの読み書きを行う磁気ヘッド(図示せず)を制御するための情報を記録するサーボ領域4とが交互に形成されている。試料1には、位置基準としてのアライメントマークをデータ領域3やサーボ領域4以外の部分に形成したものと、そのようなアライメントマークが形成されていないものとがある。本実施例では、アライメントマークが形成されていない基板1を検査の対象とした場合について説明する。
【0032】
この試料1の穴部2が回転ステージ201の突起部203と勘合するようにして試料1を回転ステージ201で支持する。
【0033】
回転ステージ201で試料1を支持した状態でステージ制御部403により制御して回転ステージ201を所定の回転速度で回転させる。このとき、ステージ制御部403で直進ステージ202も制御して回転ステージ201の回転に合わせて直進ステージ202を一方向に移動させる。回転ステージ201の回転位置情報及び直進ステージの直進方向の位置情報は、ステージ制御部403で制御される。
【0034】
光源101は、遠紫外(Deep Ultra Violet: DUV)光を含む広帯域の照明光(波長は、例えば200〜800nm)を発射するもので、例えば、Xeランプ、ハロゲンランプ、重水素ランプ、またはそれらを組み合わせて構成される。
【0035】
光源101から発射された照明光は集光レンズ102により第1の視野絞り103に設けたピンホール1031に集光される。この集光された照明光によるピンホール1031の像は、コリメートレンズ104と対物レンズ107を介して試料1の表面に結像されて検出視野が形成される。このとき、照明光が試料1の種類(試料1の表面に形成されているパターン形状)に適するように偏光板105を調整して照明光の偏光の状態が設定されている。ハーフミラー106は、偏光板105を透過した照明光のうち半分を対物レンズ107の側反射し、残りの半分を透過させる。即ち、試料1に照射される照明光の光量は、光源101から発射された照明光の光量の半分になる。
【0036】
照明光が照射された試料1からの反射光(正反射光)は、対物レンズ107で集光され、この集光された光量の半分がハーフミラー106を透過して結像レンズ108に入り、第2の視野絞り109のピンホール1091に結像される。
【0037】
第2の視野絞り109に設けたピンホール1091は、試料1に投影される第1の視野絞り103のピンホール1031の像の大きさに対応させて形成し、迷光やピンホール1091に結像しない光を遮光する。
【0038】
第2の視野絞り109に設けたピンホール1091を通過した試料1からの反射光は、分光検出器110の回折格子111に達する。回折格子111に達した試料1からの反射光は、波長に応じて分光して反射され、リニア検出器112で検出される。
【0039】
リニア検出器112で検出された分光波形は、分光波形処理部301に入力され、A/D変換されてデジタル化される。このデジタル化された分光波形は欠陥領域抽出部302に送られ、欠陥領域抽出部302でステージ制御部403からの回転ステージ201と直進ステージ202との位置情報を受けて処理され、試料1上の欠陥領域が抽出される。
【0040】
欠陥領域抽出部302においてデジタル化した分光波形データから分光反射率波形データを得る方法は以下のようにして行う。先ず、予めナノインプリントする前の基板1に照明光を照射してその反射光を分光検出し得たデジタル化した参照分光波形データを測定して記憶部402に記憶しておく。次に、この参照分光波形データと今回検出した分光波形データとの比を算出することで分光反射率波形データを求めることができる。
【0041】
また、欠陥領域抽出部302において欠陥領域を抽出する方法は以下のようにして行う。先ず、予め正常なパターンの分光波形データから求めた分光反射率波形データを求めて記憶部402に記憶しておく。次に、前記した手順で求めた分光反射率波形データと記憶したおいた正常パターンの分光反射率波形データとの波長ごとの差分値を求める。次に、この差分値の合計をあらかじめ設定した基準値と比較する。この比較の結果、基準値を超えた箇所の位置データをステージ制御部402からステージの位置情報(回転方向及び半径方向)として得て、これを欠陥領域とする。
【0042】
欠陥領域抽出部302で抽出された試料1上の欠陥領域の情報は、欠陥判定部303に送られて記憶部402に記憶されている検査情報の中から、今回の試料1に形成したパターンをナノインプリントにより形成したときに用いたスタンパで形成したパターンを検査して記憶された検査情報と照合し、予め指定された枚数だけ過去に遡った検査データの中に今回の試料1上に検出された欠陥領域と同じ位置に検出された欠陥領域が有るか否かをチェックする。もし、過去にも基板1と同じ領域に連続して欠陥領域が検出されていれば、スタンパの異常と判定し、全体制御ユニット401は、入出力部404を介して警報を出力する。
次に、データ処理部300で検出データを処理する流れの詳細を図3を用いて説明する。
先ず、リニア検出器112で検出された分光波形を分光波形処理部301でA/D変換してデジタル分光波形信号を得る(S301)。次に、このデジタル分光波形信号からデジタル分光反射率波形データを求め、これを欠陥領域抽出部302でステージ制御部403からの回転ステージ201と直進ステージ202との位置情報を受けて基準波形である正常パターンの分光反射率波形データと比較し(S302)、異常値を試料1上の欠陥領域として抽出する(S303)。ここで異常が検出されなければ、次の領域の分光波形データについて同様な処理を検査終了まで繰返す(S304)。
【0043】
S302におけるデジタル分光反射率波形データと基準となる正常パターンの分光反射率波形データとの比較の一例を図4に示す。
【0044】
図4において、451は分光波形処理部301から出力された試料1上の有る領域の分光波形データからもとめた分光反射率波形データである。また、450は記憶部402に記憶されている試料1上の有る領域に対応する領域の基準となる正常パターンの分光反射率波形データである。
【0045】
このように、検出された分光波形データから得られた分光反射率波形データ451と基準となる正常パターンの分光反射率波形データ450とを上述したような方法で比較して欠陥領域を抽出する。
【0046】
欠陥領域が抽出されたときには、この欠陥領域の位置情報を、記憶部402に記憶してある今回と同じスタンパを使ってナノインプリントされた前回検査した試料の検査データと比較し(S305)、前回検査した試料の検査データにも試料上の半径方向で同じ位置で共通する欠陥領域が有るかをチェックする(S306)。
【0047】
その結果、共通する欠陥領域がなかった場合には、今回の検査データを記憶部402に記憶させ(S307)、S301に戻って次の領域の検査データを処理する。
【0048】
一方、前回の検査データの中に今回と同じ欠陥領域が有った場合には、予め設定された枚数までの過去のデータと比較し、それらに共通する欠陥領域が存在するか否かをチェックする(S308)。その結果、予め設定された枚数までは共通する領域の欠陥が存在しない場合にはS307へ進んで今回検出した欠陥領域のデータを記憶部402に記憶させて、S301へ戻る。
【0049】
図5に、枚数を予め設定する入力画面550の一例を示す。画面上には既に設定されている枚数を表示する領域501があり、その下に、新たに設定する枚数を表示する領域502が有る。さらに、領域502に表示した新たな設定枚数を登録する登録ボタン553が表示されている。
【0050】
一方、予め設定された枚数まで共通する領域の欠陥が存在した場合には全体制御ユニット401から指令を出して入出力部404からスタンパ異常の警告を発し(S309)、
ナノインプリンタをストップさせる(S310)。
【0051】
図6に、スタンパ異常を検出したときの出力画面の表示の一例を示す。
【0052】
S308で予め設定された枚数まで共通する領域の欠陥が存在すると判定した場合には、
全体制御ユニット401から指令を出して入出力部404の異常表示画面650上にスタンパ異常表示領域651にスタンパ異常を知らせる表示をし(例えば、図6の場合は、スタンパ異常表示領域651を点滅させる)、不良と推定されたスタンパを特定する情報(例えば、スタンパの登録番号)を領域652に表示し、その特定したスタンパの不良領域を試料(ディスク)の半径方向の位置情報を表示領域653に表示する。これらの異常情報の表示を終了させるには、画面下側の「終了」ボタンをクリックすればよい。
【0053】
以上、本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0054】
100・・・検出光学系部 101・・・光源 102・・・集光レンズ 103・・・第1の視野絞り 104・・・コリメートレンズ 105・・・偏光板 106・・・ハーフミラー 107・・・対物レンズ 108・・・結像レンズ 109・・・第2の視野絞り 110・・・分光器 111・・・回折格子 112・・・リニア検出器 200・・・ステージ部 201・・・回転ステージ 202・・・直進ステージ 300・・・データ処理部 301・・・分光波形処理部 302・・・欠陥領域抽出部 303・・・欠陥判定部 400・・・制御部 401・・・全体制御ユニット 402・・・記憶部 403・・・ステージ制御部 404・・・入出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターンドメディア検査方法
基板に塗布されたレジスト膜に微細なパターンをナノインプリントにより転写するスタンパの不良を検出する方法であって、
前記スタンパを用いてナノインプリントにより前記基板のレジスト膜に形成したパターンに照明光を照射し、
該照明光を照射した基板の領域からの反射光を分光して検出し、
該分光して検出した分光反射率波形データを予め記憶しておいた参照データと比較して前記基板上に形成したレジスト膜のパターンに異常が発生した領域を抽出し、
該抽出した異常が発生した領域の情報を前記基板を検査する直前に検査した前記スタンパを用いてナノインプリントされた複数の基板の検査データと比較し、
前記異常が発生した領域と同じ領域に前記直前に検査した複数の基板にも異常が検出されていた場合には前記スタンパの不良と判定する
ことを特徴とするパターンドメディア用スタンパの検査方法。
【請求項2】
前記スタンパの不良と判定した結果として、不良と判定したスタンパを特定する情報と、スタンパ上の不良発生箇所を特定する情報とを出力することを特徴とする請求項1記載のパターンドメディア用スタンパの検査方法。
【請求項3】
前記過去に別な基板を検査したデータと比較する工程において、前記抽出した異常が発生した領域の前記基板の中心からの半径方向の位置情報を前記過去に別な基板を検査して検出した欠陥領域の基板の中心から半径方向の位置情報と比較することを特徴とする請求項1又は2に記載のパターンドメディア用スタンパの検査方法。
【請求項4】
前記スタンパの不良を判定する工程において、前記異常が発生した領域と同じ領域に前記直前に検査した複数の基板に連続して異常が検出された回数が予め設定した回数を超えたときに前記スタンパの不良と判定することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のパターンドメディア用スタンパの検査方法。
【請求項5】
前記スタンパの不良と判定した場合には、前記基板と前記直前に検査した複数の基板に前記スタンパでナノインプリントにより形成したレジストのパターンを除去する肯定を更に含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のパターンドメディア用スタンパの検査方法。
【請求項6】
基板に塗布されたレジスト膜にスタンパを用いて形成したパターンに照明光を照射する照明光照射手段と、
該照明光照射手段で照明光を照射した基板からの反射光を分光して検出する分光検出手段と、
分光反射率波形の参照データと過去の検査データを記憶しておく記憶手段と、
該分光検出手段で分光して検出した分光反射率波形データを前記記憶手段に記憶しておいた分光反射率波形の参照データと比較して前記基板上に形成したレジスト膜のパターンに異常が発生した領域を抽出する欠陥領域抽出手段と、
該欠陥領域抽出手段で抽出した異常が発生した領域の情報を前記記憶手段に記憶しておいた前記基板を検査する直前に検査した前記スタンパを用いてナノインプリントされた複数の基板を検査したデータと比較するデータ比較手段と、
前記データ比較手段で比較した結果前記基板上の異常が発生した領域と同じ領域に前記基板を検査する直前に検査した複数の基板に渡って異常が検出された場合には前記スタンパの不良と判定する異常判定手段と
を備えたことを特徴とするパターンドメディアの検査装置。
【請求項7】
前記異常判定手段でスタンパの不良と判定した結果として、不良と判定したスタンパを特定する情報と、スタンパ上の不良発生箇所を特定する情報とを出力する出力手段を更に備えたことを特徴とする請求項6記載のパターンドメディアの検査装置。
【請求項8】
前記データ比較手段は、前記欠陥領域抽出手段で抽出した異常が発生した領域の前記基板の中心からの半径方向の位置情報を前記基板を検査する直前に検査した複数の基板から検出した欠陥領域の基板の中心から半径方向の位置情報と比較することを特徴とする請求項6又は7に記載のパターンドメディアの検査装置。
【請求項9】
前記異常判定手段は、前記異常が発生した領域と同じ領域に前記直前に検査した複数の基板に連続して異常が検出された回数が予め設定した回数を超えたときに前記スタンパの不良と判定することを特徴とする請求項6乃至8の何れかに記載のパターンドメディアの検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−18734(P2012−18734A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155929(P2010−155929)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】