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パターン形成方法及びこれに用いるレジスト組成物
説明

パターン形成方法及びこれに用いるレジスト組成物

【解決手段】酸不安定基と結合する窒素原子を有する繰り返し単位を含有する高分子化合物と、酸発生剤と、有機溶剤とを含むレジスト組成物を基板上に塗布し、加熱処理後に高エネルギー線で上記レジスト膜を露光し、加熱処理後に有機溶剤による現像液を用いて未露光部を溶解させ、露光部が溶解しないネガ型パターンを得るパターン形成方法。
【効果】本発明の酸不安定基と結合する窒素原子を有する繰り返し単位を含む高分子化合物と酸発生剤とを含むレジスト膜は、有機溶剤による現像におけるポジネガ反転の画像形成において、未露光部分の溶解性が高く、露光部分の溶解性が低く、即ち溶解コントラストが高く、酸拡散を抑制する効果が非常に高い特徴を有する。このレジスト膜を用いてドットパターン又は格子状パターンのマスクを使って露光し、有機溶剤現像を行うことによって、微細なホールパターンを寸法制御よく形成することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸不安定基と結合する窒素原子を有する繰り返し単位を含有する高分子化合物をベース樹脂とするレジスト組成物のレジスト膜を露光後、酸と熱によって脱保護反応を行い、特定の有機溶剤による現像によって未露光部分が溶解し、露光部分が溶解しないネガティブトーンを形成するためのパターン形成方法及びこれに用いるレジスト組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められている中、現在汎用技術として用いられている光露光では、光源の波長に由来する本質的な解像度の限界に近づきつつある。レジストパターン形成の際に使用する露光光として、1980年代には水銀灯のg線(436nm)もしくはi線(365nm)を光源とする光露光が広く用いられた。更なる微細化のための手段として、露光波長を短波長化する方法が有効とされ、1990年代の64Mビット(加工寸法が0.25μm以下)DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー)以降の量産プロセスには、露光光源としてi線(365nm)に代わって短波長のKrFエキシマレーザー(248nm)が利用された。しかし、更に微細な加工技術(加工寸法が0.2μm以下)を必要とする集積度256M及び1G以上のDRAMの製造には、より短波長の光源が必要とされ、10年ほど前からArFエキシマレーザー(193nm)を用いたフォトリソグラフィーが本格的に検討されてきた。当初ArFリソグラフィーは180nmノードのデバイス作製から適用されるはずであったが、KrFリソグラフィーは130nmノードデバイス量産まで延命され、ArFリソグラフィーの本格適用は90nmノードからである。更に、NAを0.9にまで高めたレンズと組み合わせて65nmノードデバイスの量産が行われている。次の45nmノードデバイスには露光波長の短波長化が推し進められ、波長157nmのF2リソグラフィーが候補に挙がった。しかしながら、投影レンズに高価なCaF2単結晶を大量に用いることによるスキャナーのコストアップ、ソフトペリクルの耐久性が極めて低いためのハードペリクル導入に伴う光学系の変更、レジスト膜のエッチング耐性低下等の種々問題により、F2リソグラフィーの開発が中止され、ArF液浸リソグラフィーが導入された。
【0003】
ArF液浸リソグラフィーにおいては、投影レンズとウエハーの間に屈折率1.44の水がパーシャルフィル方式によって挿入され、これによって高速スキャンが可能となり、NA1.3級のレンズによって45nmノードデバイスの量産が行われている。
【0004】
32nmノードのリソグラフィー技術としては、波長13.5nmの真空紫外光(EUV)リソグラフィーが候補に挙げられている。EUVリソグラフィーの問題点としてはレーザーの高出力化、レジスト膜の高感度化、高解像度化、低ラインエッジラフネス(LWR)化、無欠陥MoSi積層マスク、反射ミラーの低収差化等が挙げられ、克服すべき問題が山積している。
【0005】
32nmノードのもう一つの候補の高屈折率液浸リソグラフィーは、高屈折率レンズ候補であるLUAGの透過率が低いことと、液体の屈折率が目標の1.8に届かなかったことによって開発が中止された。
【0006】
ここで最近注目を浴びているのは、1回目の露光と現像でパターンを形成し、2回目の露光で1回目のパターンの丁度間にパターンを形成するダブルパターニングプロセスである。ダブルパターニングの方法としては多くのプロセスが提案されている。例えば、1回目の露光と現像でラインとスペースが1:3の間隔のフォトレジストパターンを形成し、ドライエッチングで下層のハードマスクを加工し、その上にハードマスクをもう1層敷いて1回目の露光のスペース部分にフォトレジスト膜の露光と現像でラインパターンを形成してハードマスクをドライエッチングで加工し、初めのパターンのピッチの半分のラインアンドスペースパターンを形成する方法である。また、1回目の露光と現像でスペースとラインが1:3の間隔のフォトレジストパターンを形成し、ドライエッチングで下層のハードマスクを加工し、その上にフォトレジスト膜を塗布してハードマスクが残っている部分に2回目のスペースパターンを露光し、ハードマスクをドライエッチングで加工する。いずれも2回のドライエッチングでハードマスクを加工する。
【0007】
ラインパターンに比べてホールパターンは微細化が困難である。従来法で細かなホールを形成するために、ポジ型レジスト膜にホールパターンマスクを組み合わせてアンダー露光で形成しようとすると、露光マージンが極めて狭くなってしまう。そこで、大きなサイズのホールを形成し、サーマルフローやRELACSTM法等で現像後のホールをシュリンクする方法が提案されている。しかしながら、現像後のパターンサイズとシュリンク後のサイズの差が大きく、シュリンク量が大きいほど制御精度が低下する問題がある。また、ホールシュリンク法ではホールのサイズは縮小可能であるがピッチを狭くすることはできない。
【0008】
ポジ型レジスト膜を用いてダイポール照明によりX方向のラインパターンを形成し、レジストパターンを硬化させ、その上にもう一度レジスト組成物を塗布し、ダイポール照明でY方向のラインパターンを露光し、格子状ラインパターンの隙間よりホールパターンを形成する方法(非特許文献1:Proc. SPIE Vol. 5377, p.255 (2004))が提案されている。高コントラストなダイポール照明によるX、Yラインを組み合わせることによって広いマージンでホールパターンを形成できるが、上下に組み合わされたラインパターンを寸法精度高くエッチングすることは難しい。X方向ラインのレベンソン型位相シフトマスクとY方向ラインのレベンソン型位相シフトマスクを組み合わせてネガ型レジスト膜を露光してホールパターンを形成する方法も提案されている(非特許文献2:IEEE IEDM Tech. Digest 61 (1996))。但し、架橋型ネガ型レジスト膜は超微細ホールの限界解像度がブリッジマージンで決まるために、解像力がポジ型レジストに比べて低い欠点がある。
【0009】
X方向のラインとY方向のラインの2回露光を組み合わせて露光し、これを画像反転によってネガ型パターンにすることによって形成されるホールパターンは、高コントラストなラインパターンの光を用いることによって形成が可能であるために、従来の方法よりもより狭ピッチでかつ微細なホールを開口できる。しかしながら、この場合マスクを交換しながらの2回の露光を行う必要があるため、これによるスループットの低下と、2回の露光の位置ずれが問題となる。
【0010】
非特許文献3(Proc. SPIE Vol. 7274, p.72740N (2009))では、以下3つの方法による画像反転によるホールパターンの作製が報告されている。
即ち、ポジ型レジスト組成物のX、Yラインのダブルダイポールの2回露光によりドットパターンを作製し、この上にLPCVDでSiO2膜を形成し、O2−RIEでドットをホールに反転させる方法、加熱によってアルカリ可溶で溶剤不溶になる特性のレジスト組成物を用いて同じ方法でドットパターンを形成し、この上にフェノール系のオーバーコート膜を塗布してアルカリ現像によって画像反転させてホールパターンを形成する方法、ポジ型レジスト組成物を用いてダブルダイポール露光、有機溶剤現像による画像反転によってホールを形成する方法である。これも前述の通り2回露光の問題点を有している。
【0011】
ここで、有機溶剤現像によるネガ型パターンの作製は古くから用いられている手法である。環化ゴム系のレジスト組成物はキシレン等のアルケンを現像液として用いており、ポリ−t−ブトキシカルボニルオキシスチレンベースの初期の化学増幅型レジスト組成物はアニソールを現像液としてネガ型パターンを得ていた。
【0012】
近年、有機溶剤現像が再び脚光を浴びている。ポジティブトーンでは達成できない非常に微細なホールパターンをネガティブトーンの露光で解像するために、解像性の高いポジ型レジスト組成物を用いた有機溶剤現像でネガ型パターンを形成するのである。更に、アルカリ現像と有機溶剤現像の2回の現像を組み合わせることにより、2倍の解像力を得る検討も進められている。
有機溶剤によるネガティブトーン現像用のArFレジスト組成物としては、従来型のポジ型ArFレジスト組成物を用いることができ、特許第4554665号公報(特許文献1)にパターン形成方法が示されている。
【0013】
これらの出願において、ラクトンを密着性基として含み、酸によってアルカリに可溶になるレジスト膜を有機溶剤現像によってネガティブトーンを得る方法が提案されている。
有機溶剤現像プロセスにおいて、レジスト膜上に保護膜を適用するパターン形成方法としては、特開2008−309878号公報(特許文献2)に公開されている。
有機溶剤現像プロセスにおいて、レジスト組成物としてスピンコート後のレジスト膜表面に配向して撥水性を向上させる添加剤を用いて、トップコートを用いないパターン形成方法としては、特開2008−309879号公報(特許文献3)に示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特許第4554665号公報
【特許文献2】特開2008−309878号公報
【特許文献3】特開2008−309879号公報
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Proc. SPIE Vol. 5377, p.255 (2004)
【非特許文献2】IEEE IEDM Tech. Digest 61 (1996)
【非特許文献3】Proc. SPIE Vol. 7274, p.72740N (2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
脱保護反応によって酸性のカルボキシル基などが生成し、アルカリ現像液に溶解するポジ型レジストシステムに比べると、有機溶剤現像の溶解コントラストは低い。アルカリ現像液の場合、未露光部と露光部のアルカリ溶解速度の割合は1,000倍以上の違いがあるが、有機溶剤現像の場合20倍程度の違いしかない。前述の特許文献1〜3には、従来型のアルカリ水溶液現像型のフォトレジスト組成物が記載されているが、有機溶剤現像における溶解コントラスト差を大きくするための新規な材料開発が望まれている。
ネガティブ現像でホールを形成しようとする場合、ホールの外側は光が当たっており、酸が過剰に発生している。酸がホールの内側に拡散してくるとホールが開口しなくなるため、酸拡散の制御が重要である。
PEB(ポストエクスポージュアベーク)中に露光部の酸が蒸発し、未露光部に付着すると、アルカリ現像後のポジ型パターンではトップ形状が丸くなったり、膜減りが生じたりする。有機溶剤によるネガティブ現像では、その逆となり、ホールが開口しなかったり、ホール上部の開口サイズが小さくなったりすると考えられる。
フォトレジスト膜の上に保護膜を敷くことはPEB中の酸の蒸発を防いでネガティブ現像後のホールの開口不良を防ぐことに対して効果的ではあるが、これだけでは不十分である。更に保護膜を用いないレジスト膜については、保護膜を用いる場合よりもネガティブ現像後のホールの開口不良問題は深刻である。
【0017】
本発明は、有機溶剤現像において溶解コントラストを大きくし、かつ酸の拡散を制御することが可能なフォトレジスト組成物及び特に1回の露光と現像によってホールパターンを形成するための格子状のパターンが配置されたマスクを用いてポジネガ反転によってホールパターンを形成するパターン形成方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するために、本発明者らは種々の検討を行った結果、酸不安定基で置換されたアミノ基を有する繰り返し単位と、好ましくはこれとカルボキシル基又はヒドロキシ基を有する繰り返し単位とを共重合したポリマーを用いることによって、有機溶剤現像における溶解コントラストが向上し、同時に酸の拡散を制御することによってポジネガ反転によって得られたホールパターンの感度、解像性とフォーカスマージン及び寸法均一性が向上することを見出した。
【0019】
従って、本発明は、下記のパターン形成方法及びレジスト組成物を提供する。
〔1〕
酸不安定基と結合する窒素原子を有する繰り返し単位を含有する高分子化合物と、酸発生剤と、有機溶剤とを含むレジスト組成物を基板上に塗布し、加熱処理後に高エネルギー線で上記レジスト膜を露光し、加熱処理後に有機溶剤による現像液を用いて未露光部を溶解させ、露光部が溶解しないネガ型パターンを得ることを特徴とするパターン形成方法。
〔2〕
酸不安定基と結合する窒素原子がカーバメート基であることを特徴とする〔1〕記載のパターン形成方法。
〔3〕
酸不安定基と結合する窒素原子を有する繰り返し単位を含む高分子化合物が、下記一般式(1)に示される繰り返し単位a1及び/又はa2を有するものであることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載のパターン形成方法。
【化1】

(式中、R1は水素原子又はメチル基を示す。R2は水素原子、酸不安定基、又は炭素数1〜16の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、Xと結合して非芳香環を形成してもよく、環の中にカルボニル基を有していてもよく、R3は酸不安定基である。Xは単結合、フェニレン基、ナフチレン基、−C(=O)−、又は−C(=O)−O−R4−であり、R4は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基もしくは該アルキレン基から水素原子が1個脱離した三価の基で、エーテル基、エステル基、−N=又は−S−を有していてもよく、又はR4はナフチレン基もしくはナフチレン基から水素原子が1個脱離した三価の基である。mは1又は2、a1、a2は0≦a1<1.0、0≦a2<1.0、0<a1+a2≦1.0の範囲である。)
〔4〕
高分子化合物が、酸不安定基と結合する窒素原子を有する繰り返し単位に加えて、酸不安定基で置換されたカルボキシル基及び/又は酸不安定基で置換されたヒドロキシ基を有する繰り返し単位を含有する高分子化合物であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のパターン形成方法。
〔5〕
酸不安定基と結合する窒素原子を有する繰り返し単位を含有する高分子化合物に、酸不安定基で置換されたカルボキシル基及び/又は酸不安定基で置換されたヒドロキシ基を有する繰り返し単位を含有する高分子化合物を併用したことを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のパターン形成方法。
〔6〕
酸不安定基で置換されたカルボキシル基又は酸不安定基で置換されたヒドロキシ基を有する繰り返し単位が、下記一般式(2)に示される繰り返し単位b又はcであることを特徴とする〔4〕又は〔5〕記載のパターン形成方法。
【化2】

(式中、R4、R6は水素原子又はメチル基を示す。R5、R8は酸不安定基である。Yは単結合又は−C(=O)−O−R9−であり、R9は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基で、エーテル基又はエステル基を有していてもよく、又はナフチレン基である。Zは単結合又は−C(=O)−O−であり、R7は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基もしくは該アルキレン基から水素原子が1個脱離した三価の基で、エーテル基又はエステル基を有していてもよく、又はナフチレン基もしくはナフチレン基から水素原子が1個脱離した三価の基である。nは1又は2、bは0≦b<1.0、cは0≦c<1.0、0<b+c<1.0の範囲である。)
〔7〕
現像液が、2−オクタノン、2−ノナノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、メチルアセトフェノン、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸ブテニル、酢酸イソアミル、酢酸フェニル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、蟻酸イソブチル、蟻酸アミル、蟻酸イソアミル、吉草酸メチル、ペンテン酸メチル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸フェニル、酢酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、蟻酸ベンジル、蟻酸フェニルエチル、3−フェニルプロピオン酸メチル、プロピオン酸ベンジル、フェニル酢酸エチル、酢酸2−フェニルエチルから選ばれる1種以上であることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のパターン形成方法。
〔8〕
高エネルギー線による露光が、波長193nmのArFエキシマレーザーリソグラフィー、又は波長13.5nmのEUVリソグラフィーであることを特徴とする〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のパターン形成方法。
〔9〕
現像後にトレンチパターンを形成することを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のパターン形成方法。
〔10〕
波長193nmのArFエキシマレーザーリソグラフィーにおいて、ドットの遮光パターンが配置されたマスクを用い、ドット部分に現像後のホールパターンを形成することを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のパターン形成方法。
〔11〕
波長193nmのArFエキシマレーザーリソグラフィーにおいて、格子状遮光パターンが配置されたマスクを用い、該パターンの格子の交点に現像後のホールパターンを形成することを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のパターン形成方法。
〔12〕
ドット又は格子状パターンが透過率3〜15%のハーフトーン位相シフトマスクであることを特徴とする〔10〕又は〔11〕記載のパターン形成方法。
〔13〕
ハーフピッチ以下のライン幅による格子状の第1のシフターと、第1のシフター上に第1のシフターの線幅よりもウエハー上の寸法で2〜30nm太い第2のシフターが配列された位相シフトマスクを用い、太いシフターが配列されたところだけにホールパターンを形成することを特徴とする〔11〕又は〔12〕記載のパターン形成方法。
〔14〕
ハーフピッチ以下のライン幅による格子状の第1のシフターと、第1のシフター上に第1のシフターの線幅よりもウエハー上の寸法で2〜100nm太いドットパターンの第2のシフターが配列された位相シフトマスクを用い、太いシフターが配列されたところだけにホールパターンを形成することを特徴とする〔10〕又は〔12〕記載のパターン形成方法。
〔15〕
レジスト組成物を基板上に塗布してレジスト膜を形成し、加熱処理後にレジスト膜に保護膜を形成した後、高エネルギー線で上記レジスト膜を露光し、加熱処理後に有機溶剤による現像液を用いて保護膜と未露光部を溶解させ、露光部が溶解しないネガ型パターンを得ることを特徴とする〔1〕〜〔14〕のいずれかに記載のパターン形成方法。
〔16〕
レジスト膜を露光後、2−オクタノン、2−ノナノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、メチルアセトフェノン、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸ブテニル、酢酸イソアミル、酢酸フェニル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、蟻酸イソブチル、蟻酸アミル、蟻酸イソアミル、吉草酸メチル、ペンテン酸メチル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸フェニル、酢酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、蟻酸ベンジル、蟻酸フェニルエチル、3−フェニルプロピオン酸メチル、プロピオン酸ベンジル、フェニル酢酸エチル、酢酸2−フェニルエチルから選ばれる1種以上の現像液で現像されるレジスト組成物であって、下記一般式(1)で示される酸不安定基と結合する窒素原子を有する繰り返し単位a1及び/又はa2を含む高分子化合物と酸発生剤と有機溶剤を含有することを特徴とするレジスト組成物。
【化3】

(式中、R1は水素原子又はメチル基を示す。R2は水素原子、酸不安定基、又は炭素数1〜16の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、Xと結合して非芳香環を形成してもよく、環の中にカルボニル基を有していてもよく、R3は酸不安定基である。Xは単結合、フェニレン基、ナフチレン基、−C(=O)−、又は−C(=O)−O−R4−であり、R4は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基もしくは該アルキレン基から水素原子が1個脱離した三価の基で、エーテル基、エステル基、−N=又は−S−を有していてもよく、又はR4はナフチレン基もしくはナフチレン基から水素原子が1個脱離した三価の基である。mは1又は2、a1、a2は0≦a1<1.0、0≦a2<1.0、0<a1+a2≦1.0の範囲である。)
【発明の効果】
【0020】
本発明の酸不安定基と結合する窒素原子を有する繰り返し単位を含む高分子化合物と酸発生剤とを含むレジスト膜は、有機溶剤による現像におけるポジネガ反転の画像形成において、未露光部分の溶解性が高く、露光部分の溶解性が低く、即ち溶解コントラストが高く、酸拡散を抑制する効果が非常に高い特徴を有する。このレジスト膜を用いてドットパターン又は格子状パターンのマスクを使って露光し、有機溶剤現像を行うことによって、微細なホールパターンを寸法制御よく形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係るパターニング方法を説明するもので、(A)は基板上にレジスト膜を形成した状態の断面図、(B)はレジスト膜を露光した状態の断面図、(C)は有機溶剤で現像した状態の断面図である。
【図2】波長193nmのArFエキシマレーザーを用いたNA1.3レンズ、ダイポール照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク、s偏光でのピッチ90nm、ラインサイズ45nmのX方向ラインの光学像を示す。
【図3】同Y方向ラインの光学像を示す。
【図4】図3のY方向ラインと図2のX方向ラインの光学像を重ねたコントラストイメージを示す。
【図5】格子状のパターンが配されたマスクを示す。
【図6】NA1.3レンズ、クロスポール照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク、Azimuthally偏光照明でのピッチ90nm、幅30nmの格子状ラインパターンの光学像である。
【図7】一辺の幅が60nmの正四角形のドットパターンが配置されたマスクである。
【図8】同マスクを用いてNA1.3レンズ、クロスポール照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク、Azimuthally偏光照明でのピッチ90nmにおける光学像コントラストである。
【図9】ピッチ90nmで、20nmラインの格子状パターン上に、ドットを形成したい部分に十字の太い交差ラインを配置した6%ハーフトーン位相シフトマスクを示す。
【図10】図9のマスクを用いてNA1.3レンズ、クロスポール照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク、Azimuthally偏光照明における光学像のコントラストイメージを示す。
【図11】ピッチ90nmで、15nmラインの格子状パターン上に、ドットを形成したい部分に太いドットを配置した6%ハーフトーン位相シフトマスクを示す。
【図12】図11のマスクを用いてNA1.3レンズ、クロスポール照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク、Azimuthally偏光照明における光学像のコントラストイメージを示す。
【図13】格子状パターンが配列されていないドットパターンのみの6%ハーフトーン位相シフトマスクを示す。
【図14】図13のマスクを用いてNA1.3レンズ、クロスポール照明、Azimuthally偏光照明における光学像のコントラストイメージを示す。
【図15】ArF露光パターニング評価(1)で用いた格子状マスクを示す。
【図16】ArF露光パターニング評価(2),(4)で用いた格子状の上にドットが配置されたパターンのマスクを示す。
【図17】ArF露光パターニング評価(3)で用いた格子状の上に太い格子が配置されたパターンのマスクを示す。
【図18】X方向のラインのコントラストを向上させるダイポール照明の露光機のアパチャー形状を示す。
【図19】Y方向のラインのコントラストを向上させるダイポール照明の露光機のアパチャー形状を示す。
【図20】クロスポール照明の露光機のアパチャー形状を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、上述したように、酸不安定基と結合する窒素原子を有する繰り返し単位、例えばアミノ基の水素原子が酸不安定基で置換された繰り返し単位を含有する高分子化合物をベース樹脂とするフォトレジスト組成物を塗布し、プリベークにより不要な溶剤を除去してレジスト膜を形成し、高エネルギー線で格子状のマスクパターンを用いて露光し、露光後加熱し、有機溶剤現像液で現像してネガ型パターンを得る、ポジネガ反転を用いたパターン形成方法を提案するものである。
【0023】
ここで、酸不安定基と結合する窒素原子を有する繰り返し単位としては、下記一般式(1)で示される繰り返し単位a1及び/又はa2であるものが好ましい。
【化4】

(式中、R1は水素原子又はメチル基を示す。R2は水素原子、酸不安定基、又は炭素数1〜16の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、Xと結合して非芳香環を形成してもよく、環の中にカルボニル基を有していてもよく、R3は酸不安定基である。Xは単結合、フェニレン基、ナフチレン基、−C(=O)−、又は−C(=O)−O−R4−であり、R4は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基もしくは該アルキレン基から水素原子が1個脱離した三価の基で、エーテル基、エステル基、−N=又は−S−を有していてもよく、又はR4はナフチレン基もしくはナフチレン基から水素原子が1個脱離した三価の基である。mは1又は2、a1、a2は0≦a1<1.0、0≦a2<1.0、0<a1+a2≦1.0の範囲である。)
【0024】
繰り返し単位a1、a2を得るためのモノマーは、具体的には下記のものを挙げることができる。なお、下記式中、R1、R2、R3は前述の通りである。
【化5】

【0025】
【化6】

【0026】
【化7】

【0027】
【化8】

【0028】
【化9】

【0029】
【化10】

【0030】
なお、下記モノマー
【化11】

(式中、R1〜R3、X及びmは上記と同様である。)
を得る方法としては、例えば下記反応式に示す方法により得ることができるが、これらに限定されるものではない。以下、式中で用いられる破線は結合手を示す。
【化12】

(式中、R1〜R4は上記と同様である。X1はハロゲン原子又は−OR’を示す。R’は下記式
【化13】

を示す。X2はハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基又はアシルオキシ基を示す。)
【0031】
ステップi)はアミノアルコール(a)とアルコキシカルボニル化剤等の式(b)で示される化合物との反応によりヒドロキシカーバメート(c)に導く反応である。
ステップi)における反応は公知の方法により容易に進行するが、例えばアルコキシカルボニル化剤X1COOR”(R”は酸不安定基)(b)としては二炭酸ジエステル{式(b)においてX1が−OR’の場合}、又はハロ炭酸エステル{式(b)においてX1がハロゲン原子の場合}が好ましい。二炭酸ジエステルを用いる場合は、塩化メチレン、アセトニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ヘキサン等の溶剤中、アミノアルコール(a)、二炭酸ジベンジル、二炭酸ジ−tert−ブチル、二炭酸ジ−tert−アミル等の対応する二炭酸ジエステル、トリエチルアミン、ピリジン、2,6−ルチジン、N,N−ジメチルアニリン等の塩基を順次又は同時に加え、必要に応じて冷却あるいは加熱するなどして行うのがよい。ハロ炭酸エステルを用いる場合は、無溶剤あるいは塩化メチレン、アセトニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ヘキサン等の溶剤中、アミノアルコール(a)、クロロ炭酸アリル、クロロ炭酸ベンジル等の対応するハロ炭酸エステル、トリエチルアミン、ピリジン、2,6−ルチジン、N,N−ジメチルアニリン等の塩基を順次又は同時に加え、必要に応じて冷却あるいは加熱するなどして行うのがよい。アルコキシカルボニル化剤(b)の使用量は、条件により種々異なるが、例えば、原料のアミノアルコール(a)1モルに対して、1.0〜5.0モル、特に1.0〜2.0モルとすることが望ましい。塩基の使用量は条件により種々異なるが、例えば、原料のアミノアルコール(a)1モルに対して、0〜5.0モル、特に0〜2.0モルとすることが望ましい。反応時間はガスクロマトグラフィー(GC)やシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を追跡して反応を完結させることが収率の点で望ましいが、通常0.5〜24時間程度である。反応混合物から通常の水系処理(aqueous work−up)によりヒドロキシカーバメート(c)を得ることができ、必要があれば蒸留、クロマトグラフィー、再結晶などの常法に従って精製することができる。
【0032】
ステップii)はヒドロキシカーバメート(c)とエステル化剤(d)との反応により本発明に係る含窒素単量体(e)に導く反応である。
ステップii)における反応は公知の方法により容易に進行するが、エステル化剤(d)としては、酸クロリド{式(d)においてX2が塩素原子の場合}、カルボン酸{式(d)においてX2が水酸基の場合}、又は酸無水物{式(d)においてX2がアシルオキシ基の場合}が特に好ましい。酸クロリドを用いる場合は、無溶剤あるいは塩化メチレン、アセトニトリル、トルエン、ヘキサン等の溶剤中、ヒドロキシカーバメート(c)、メタクリロイルクロリドなどの対応する酸クロリド、トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の塩基を順次又は同時に加え、必要に応じて冷却あるいは加熱するなどして行うのがよい。また、カルボン酸を用いる場合は、トルエン、ヘキサン等の溶剤中、ヒドロキシカーバメート(c)とメタクリル酸等の対応するカルボン酸を酸触媒の存在下加熱し、必要に応じて生じる水を系外に除くなどして行うのがよい。用いる酸触媒としては例えば、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸などの無機酸類、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機酸類等が挙げられる。酸無水物を用いる場合は、無溶剤あるいは塩化メチレン、アセトニトリル、トルエン、ヘキサン等の溶剤中、ヒドロキシカーバメート(c)、メタクリル酸無水物などの対応する酸無水物、トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の塩基を順次又は同時に加え、必要に応じて冷却あるいは加熱するなどして行うのがよい。反応時間はガスクロマトグラフィー(GC)やシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を追跡して反応を完結させることが収率の点で望ましいが、通常0.5〜24時間程度である。反応混合物から通常の水系処理(aqueous work−up)により含窒素単量体(e)を得ることができ、必要があれば蒸留、クロマトグラフィー、再結晶などの常法に従って精製することができる。Xが単結合の場合は、ビニル基を有するアミンとR3−X1との反応によって得ることができる。m=2の場合は、ビニル基と2つのアミノ基を有するアミンとR3−X1との反応、あるいは上記式(a)に対応するアミノ基を2つ有する化合物とR3−X1との反応によって得ることができる。
【0033】
本発明のパターン形成方法におけるポジネガ反転を行うための有機溶剤現像に適したレジスト組成物に用いるベース樹脂としては、上記一般式(1)の酸不安定基と結合する窒素原子を有する繰り返し単位、特に酸不安定基で置換されたアミノ基を有する繰り返し単位が必須であるが、ヒドロキシ基やカルボキシル基が酸不安定基で置換された繰り返し単位を有することもできる。酸不安定基と結合する窒素原子を有する繰り返し単位、特に酸不安定基で置換されたアミノ基を有する繰り返し単位だけだと、脱保護によってアミノ基又はイミノ基が発生し、これによる酸の失活によって脱保護が十分に行われずに溶解コントラストが十分に得られない場合がある。このようなときには、ヒドロキシ基やカルボキシル基が酸不安定基で置換された繰り返し単位を共重合させるか、あるいはヒドロキシ基やカルボキシル基が酸不安定基で置換された繰り返し単位を有する高分子化合物をブレンドすることによって溶解コントラストを高める。
【0034】
カルボキシル基が酸不安定基で置換された繰り返し単位としては、下記一般式(2)に示されるbであり、ヒドロキシ基が酸不安定基で置換された繰り返し単位としては下記一般式(2)に示されるcである。
【化14】

(式中、R4、R6は水素原子又はメチル基を示す。R5、R8は酸不安定基である。Yは単結合又は−C(=O)−O−R9−であり、R9は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基で、エーテル基又はエステル基を有していてもよく、又はナフチレン基である。Zは単結合又は−C(=O)−O−であり、R7は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基もしくは該アルキレン基から水素原子が1個脱離した三価の基で、エーテル基又はエステル基を有していてもよく、又はナフチレン基もしくはナフチレン基から水素原子が1個脱離した三価の基である。nは1又は2、bは0≦b<1.0、cは0≦c<1.0、0<b+c<1.0の範囲である。)
【0035】
ここで、繰り返し単位bを得るためのモノマーMbは、下記式で示される。
【化15】

(式中、R4、R5、Yは上記の通りである。)
モノマーMbのYを変えた構造は、具体的には下記に例示することができる。なお、下記式中、R4、R5は前述の通りである。
【0036】
【化16】

【0037】
繰り返し単位cを得るためのモノマーは、具体的には下記に例示される。なお、下記式中、R6、R8は前述の通りである。
【化17】

【0038】
【化18】

【0039】
【化19】

【0040】
【化20】

【0041】
【化21】

【0042】
一般式(1)中のR3、一般式(2)中のR5、R8で示される酸不安定基は種々選定され、同一又は異なってもよく、特に下記式(AL−10)、(AL−11)で示される基、下記式(AL−12)で示される三級アルキル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基等が挙げられる。
【0043】
【化22】

【0044】
式(AL−10)、(AL−11)において、R51、R54は炭素数1〜40、特に1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基等の一価炭化水素基であり、酸素、硫黄、窒素、フッ素等のヘテロ原子を含んでもよい。R52、R53は水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基等の一価炭化水素基であり、酸素、硫黄、窒素、フッ素等のヘテロ原子を含んでもよく、a5は0〜10、特に1〜5の整数である。R52とR53、R52とR54、又はR53とR54はそれぞれ結合してこれらが結合する炭素原子又は炭素原子と酸素原子と共に炭素数3〜20、特に4〜16の環、特に脂環を形成してもよい。
55、R56、R57はそれぞれ炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基等の一価炭化水素基であり、酸素、硫黄、窒素、フッ素等のヘテロ原子を含んでもよい。あるいはR55とR56、R55とR57、又はR56とR57はそれぞれ結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜20、特に4〜16の環、特に脂環を形成してもよい。
【0045】
式(AL−10)に示される基を具体的に例示すると、tert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、tert−アミロキシカルボニル基、tert−アミロキシカルボニルメチル基、1−エトキシエトキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基等、また下記一般式(AL−10)−1〜(AL−10)−12で示される置換基が挙げられる。
【0046】
【化23】

【0047】
式(AL−10)−1〜(AL−10)−12中、R58は同一又は異種の炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基を示す。R59は水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R60は炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基を示す。tは0〜3の整数であり、a5は上記の通りである。
【0048】
前記式(AL−11)で示されるアセタール基として、具体的には下記式(AL−11)−1〜(AL−11)−112に示すものが挙げられる。
【0049】
【化24】

【0050】
【化25】

【0051】
【化26】

【0052】
【化27】

【0053】
【化28】

【0054】
【化29】

【0055】
また、酸不安定基として、下記一般式(AL−11a)あるいは(AL−11b)で表される基が挙げられ、該酸不安定基によってベース樹脂が分子間あるいは分子内架橋されていてもよい。
【0056】
【化30】

【0057】
上記式中、R61、R62は水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。又は、R61とR62は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよく、環を形成する場合にはR61、R62は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R63は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、b5、d5は0又は1〜10の整数、好ましくは0又は1〜5の整数、c5は1〜7の整数である。Aは、(c5+1)価の炭素数1〜50の脂肪族もしくは脂環式飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基又はヘテロ環基を示し、これらの基は酸素、硫黄、窒素等のヘテロ原子を介在してもよく、又はその炭素原子に結合する水素原子の一部が水酸基、カルボキシル基、カルボニル基又はフッ素原子によって置換されていてもよい。Bは−CO−O−、−NHCO−O−又は−NHCONH−を示す。
この場合、好ましくはAは二〜四価の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、アルカントリイル基、アルカンテトライル基、又は炭素数6〜30のアリーレン基であり、これらの基は酸素、硫黄、窒素等のヘテロ原子を介在していてもよく、またその炭素原子に結合する水素原子の一部が水酸基、カルボキシル基、アシル基又はハロゲン原子によって置換されていてもよい。また、c5は好ましくは1〜3の整数である。
【0058】
一般式(AL−11a)、(AL−11b)で示される架橋型アセタール基として、具体的には下記式(AL−11)−113〜(AL−11)−120に示すものが挙げられる。
【0059】
【化31】

【0060】
次に、前記式(AL−12)に示される三級アルキル基としては、tert−ブチル基、トリエチルカルビル基、1−エチルノルボニル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロペンチル基、tert−アミル基等、あるいは下記一般式(AL−12)−1〜(AL−12)−16で示される基を挙げることができる。
【0061】
【化32】

【0062】
上記式中、R64は同一又は異種の炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基を示す。R65、R67は水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R66は炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基を示す。2つのR64は結合してこれらが結合する炭素原子と共に脂環を形成してもよい。
【0063】
更に、酸不安定基として、下記式(AL−12)−17、(AL−12)−18に示す基が挙げられ、二価以上のアルキレン基、又はアリーレン基であるR68を含む該酸不安定基によってベース樹脂が分子内あるいは分子間架橋されていてもよい。式(AL−12)−17、(AL−12)−18のR64は前述と同様、R68は単結合、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、又はアリーレン基を示し、酸素原子や硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。b6は0〜3の整数である。
【0064】
【化33】

【0065】
なお、上述したR64、R65、R66、R67は酸素、窒素、硫黄等のヘテロ原子を有していてもよく、具体的には下記式(AL−13)−1〜(AL−13)−7に示すことができる。
【0066】
【化34】

【0067】
特に、上記式(AL−12)の酸不安定基としては、下記式(AL−12)−19に示されるエキソ体構造を有するものが好ましい。
【0068】
【化35】

(式中、R69は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又は炭素数6〜20の置換されていてもよいアリール基を示す。R70〜R75及びR78、R79はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15のヘテロ原子を含んでもよいアルキル基等の一価炭化水素基を示し、R76、R77は水素原子又は炭素数1〜15のヘテロ原子を含んでもよいアルキル基等の一価炭化水素基を示す。R70とR71、R72とR74、R72とR75、R73とR75、R73とR79、R74とR78、R76とR77、又はR77とR78は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環(特に脂環)を形成してもよく、その場合には環の形成に関与するものは炭素数1〜15のヘテロ原子を含んでもよいアルキレン基等の二価炭化水素基を示す。またR70とR79、R76とR79、又はR72とR74は隣接する炭素に結合するもの同士で何も介さずに結合し、二重結合を形成してもよい。また、本式により、鏡像体も表す。)
【0069】
ここで、一般式(AL−12)−19に示すエキソ体構造を有する下記繰り返し単位
【化36】

を得るためのエステル体のモノマーとしては、特開2000−327633号公報に示されている。具体的には下記に示すものを挙げることができるが、これらに限定されることはない。なお、RAは水素原子又はメチル基である。
【0070】
【化37】

【0071】
更に、上記式(AL−12)の酸不安定基としては、下記式(AL−12)−20に示されるフランジイル基、テトラヒドロフランジイル基又はオキサノルボルナンジイル基を有する酸不安定基を挙げることができる。
【0072】
【化38】

(式中、R80、R81はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基等の一価炭化水素基を示す。R80、R81は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜20の脂肪族炭化水素環を形成してもよい。R82はフランジイル基、テトラヒドロフランジイル基又はオキサノルボルナンジイル基から選ばれる二価の基を示す。R83は水素原子又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基等の一価炭化水素基を示す。)
【0073】
フランジイル基、テトラヒドロフランジイル基又はオキサノルボルナンジイル基を有する酸不安定基で置換された繰り返し単位
【化39】

を得るためのモノマーとしては、下記に例示される。なお、RAは上記の通りである。また、下記式中Meはメチル基、Acはアセチル基を示す。
【0074】
【化40】

【0075】
【化41】

【0076】
一般式(1)で示される繰り返し単位a1、a2の窒素原子に結合する酸不安定基R3、一般式(2)中の繰り返し単位cのヒドロキシ基が置換された酸不安定基R8としては、式(AL−11)で示されるアセタールや式(AL−10)で示されるカーボネート型が好ましく用いられる。一般式(2)中の繰り返し単位bのカルボキシル基が置換された酸不安定基R5としては、式(AL−12)で示される三級エステル型特には環状構造を有する三級エステルを好ましく用いることができる。最も好ましい三級エステルとしては、式(AL−12)−1〜(AL−12)−16、(AL−12)−19に示される。
【0077】
本発明のパターン形成方法に用いられるレジスト組成物のベースとなる高分子化合物は、一般式(1)で示される繰り返し単位aを有することが必須であるが、更にはヒドロキシ基、シアノ基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、ラクトン環、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、スルホン酸エステル基、アミド基等の密着性基を有するモノマーに由来する繰り返し単位dを共重合させてもよい。これらの密着性基の中ではラクトン環を有する密着性基を好ましく用いることができる。
繰り返し単位dを得るためのモノマーとしては、具体的に下記に挙げることができる。
【0078】
【化42】

【0079】
【化43】

【0080】
【化44】

【0081】
【化45】

【0082】
【化46】

【0083】
【化47】

【0084】
【化48】

【0085】
【化49】

【0086】
本発明は、酸不安定基と結合する窒素原子を有する繰り返し単位、特に酸不安定基で置換されたアミノ基を有する繰り返し単位を含有する高分子化合物と、酸発生剤と、有機溶剤とを含むレジスト組成物を基板上に塗布し、加熱処理後に高エネルギー線で上記レジスト膜を露光し、加熱処理後に有機溶剤による現像液を用いて未露光部を溶解させ、露光部が溶解しないネガ型パターンを得ることを特徴とするが、この場合、酸発生剤は、酸不安定基と結合する窒素原子を有する繰り返し単位、特に酸不安定基で置換されたアミノ基を有する繰り返し単位を含有する高分子化合物とブレンドすることによって添加してもよいし、酸不安定基と結合する窒素原子を有する繰り返し単位、特に酸不安定基で置換されたアミノ基を有する繰り返し単位を含有する高分子化合物中に酸発生剤を含有する繰り返し単位を共重合することによって導入してもよい。
【0087】
共重合する酸発生剤を含有する繰り返し単位としては、下記一般式で示されるスルホニウム塩e1〜e3を示すことができ、これらの1種以上のスルホニウム塩を共重合することができる。
【化50】

(式中、R20、R24、R28は水素原子又はメチル基、R21は単結合、フェニレン基、−O−R33−、又は−C(=O)−Y−R33−である。Yは酸素原子又はNH、R33は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、アルケニレン基又はフェニレン基であり、カルボニル基(−CO−)、エステル基(−COO−)、エーテル基(−O−)又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。R22、R23、R25、R26、R27、R29、R30、R31は同一又は異種の炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、カルボニル基、エステル基又はエーテル基を含んでいてもよく、又は炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又はチオフェニル基を表す。Z0は単結合、メチレン基、エチレン基、フェニレン基、フッ素化されたフェニレン基、−O−R32−、又は−C(=O)−Z1−R32−である。Z1は酸素原子又はNH、R32は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、アルケニレン基又はフェニレン基であり、カルボニル基、エステル基、エーテル基又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。M-は非求核性対向イオンを表す。0≦e1≦0.3、0≦e2≦0.3、0≦e3≦0.3、0≦e1+e2+e3≦0.3の範囲である。)
【0088】
上記繰り返し単位a1、a2は0≦a1<1.0、0≦a2<1.0、0<a1+a2≦1.0である。ここで、a1+a2=aとすると、繰り返し単位a、b、c、d、e1、e2、e3において、繰り返し単位の比率は、0<a≦1.0、0≦b<1.0、0≦c<1.0、0≦d<1.0、0≦e1≦0.3、0≦e2≦0.3、0≦e3≦0.3、0≦e1+e2+e3≦0.3、好ましくは0.01≦a≦1.0、0≦b≦0.8、0≦c≦0.8、0.1≦a+b+c≦1.0、0≦d≦0.9、0≦e1≦0.15、0≦e2≦0.15、0≦e3≦0.15の範囲である。なお、a+b+c+d+e1+e2+e3=1である。
この場合、繰り返し単位aを有する高分子化合物と、繰り返し単位aを有さず、繰り返し単位b及び/又はcを有する高分子化合物とを併用する場合、後者の高分子化合物の比率は、a=0、0≦b<1.0、0≦c<1.0、0≦d≦0.9、0≦e1≦1.0、0≦e2≦1.0、0≦e3≦1.0、0.1≦b+c≦1.0であることが好ましい。なお、b+c+d+e1+e2+e3=1である。
【0089】
本発明のパターン形成方法に用いられるレジスト組成物のベース樹脂となる高分子化合物は、溶剤としてテトラヒドロフランを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が1,000〜500,000、特に2,000〜30,000であることが好ましい。重量平均分子量が小さすぎると有機溶剤現像時に膜減りを生じ易くなったり、大きすぎると有機溶剤への溶解性が低下し、パターン形成後に裾引き現象が生じ易くなる可能性がある。
【0090】
更に、本発明のパターン形成方法に用いられるレジスト組成物のベース樹脂となる高分子化合物においては、分子量分布(Mw/Mn)が広い場合は低分子量や高分子量のポリマーが存在するために露光後、パターン上に異物が見られたり、パターンの形状が悪化したりするおそれがある。それ故、パターンルールが微細化するに従ってこのような分子量、分子量分布の影響が大きくなり易いことから、微細なパターン寸法に好適に用いられるレジスト組成物を得るには、使用する多成分共重合体の分子量分布は1.0〜2.0、特に1.0〜1.5と狭分散であることが好ましい。
【0091】
また、組成比率や分子量分布や分子量が異なる2つ以上のポリマーをブレンドしたり、酸不安定基と結合する窒素原子を有する繰り返し単位を含まないポリマーとブレンドすることも可能である。
【0092】
これら高分子化合物を合成するには、1つの方法としては繰り返し単位a、b、c、d、e1、e2、e3を得るための不飽和結合を有するモノマーを有機溶剤中、ラジカル開始剤を加えて加熱重合を行う方法があり、これにより高分子化合物を得ることができる。重合時に使用する有機溶剤としては、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等が例示できる。重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等が例示でき、好ましくは50〜80℃に加熱して重合できる。反応時間としては2〜100時間、好ましくは5〜20時間である。酸不安定基は、モノマーに導入されたものをそのまま用いてもよいし、酸不安定基を酸触媒によって一旦脱離し、その後、保護化あるいは部分保護化してもよい。
【0093】
上記ポジ型レジスト組成物は、上述したように、基板上に塗布してレジスト膜を形成し、加熱処理後に高エネルギー線をこのレジスト膜の所用部分に照射、露光し、加熱処理後に有機溶剤の現像液を用いて上記レジスト膜の未露光部分を溶解、露光部分が膜として残りホールやトレンチ等のネガティブトーンのレジストパターンを形成する。
【0094】
本発明のパターン形成方法に用いられるレジスト組成物は、有機溶剤、高エネルギー線に感応して酸を発生する化合物(酸発生剤)、更に必要に応じて溶解制御剤、塩基性化合物、界面活性剤、アセチレンアルコール類、その他の成分の1種又は2種以上を含有することができる。
【0095】
本発明のパターン形成方法に用いられるレジスト組成物は、特に化学増幅ポジ型レジスト組成物として機能させるために酸発生剤を含んでもよく、例えば、活性光線又は放射線に感応して酸を発生する化合物(光酸発生剤)を含有してもよい。この場合、光酸発生剤の配合量はベース樹脂100質量部に対し0.5〜30質量部、特に1〜20質量部とすることが好ましい。光酸発生剤の成分としては、高エネルギー線照射により酸を発生する化合物であればいずれでも構わない。好適な光酸発生剤としてはスルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド、オキシム−O−スルホネート型酸発生剤等がある。これらは単独であるいは2種以上混合して用いることができる。
【0096】
酸発生剤の具体例としては、特開2008−111103号公報の段落[0122]〜[0142]に記載されている。繰り返し単位e1、e2、e3から選ばれる重合性の酸発生剤が共重合されている場合は、必ずしも酸発生剤は添加しなくてもよい。
【0097】
有機溶剤の具体例としては、特開2008−111103号公報の段落[0144]〜[0145]に記載のシクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチル−2−n−アミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類及びその混合溶剤が挙げられる。
【0098】
塩基性化合物としては、特開2008−111103号公報の段落[0146]〜[0164]に記載の一級、二級、三級のアミン化合物、特にはヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、ラクトン環、シアノ基、スルホン酸エステル基を有するアミン化合物あるいは特許第3790649号公報に記載のカーバメート基を有する化合物を挙げることができる。
【0099】
また、特開2008−158339号公報に記載されているα位がフッ素化されていないスルホン酸、及びカルボン酸のスルホニウム塩、ヨードニウム塩、アンモニウム塩等のオニウム塩をクエンチャーとして用いることもできる。α位がフッ素化されたスルホン酸、イミド酸、メチド酸はカルボン酸エステルの酸不安定基を脱保護させるために必要であるが、α位がフッ素化されていないオニウム塩との塩交換によってα位がフッ素化されていないスルホン酸、及びカルボン酸が放出される。α位がフッ素化されていないスルホン酸、及びカルボン酸は脱保護反応を起こさないために、クエンチャーとして機能する。特に、α位がフッ素化されていないスルホン酸、及びカルボン酸のスルホニウム塩、ヨードニウム塩は光分解性があるために、光強度が強い部分のクエンチ能が低下すると共にα位がフッ素化されたスルホン酸、イミド酸、メチド酸の濃度が増加する。これによって露光部分のコントラストが向上する。有機溶剤によるネガティブトーンの形成において、露光部のコントラストが向上すると、ネガティブパターンの矩形性が向上する。α位がフッ素化されていないスルホン酸、及びカルボン酸のスルホニウム塩、ヨードニウム塩、アンモニウム塩等のオニウム塩はα位がフッ素化されたスルホン酸、イミド酸、メチド酸の拡散を抑える効果が高い。これは、交換後のオニウム塩の分子量が大きいために、動きにくくなっていることによる。ネガティブ現像でホールパターンを形成する場合は、酸の発生領域が非常に多いために、露光部分から未露光部分に拡散していく酸の制御が非常に重要である。このため、α位がフッ素化されていないスルホン酸、及びカルボン酸のスルホニウム塩、ヨードニウム塩、アンモニウム塩等のオニウム塩や、酸によってアミン化合物が発生するカーバメート化合物の添加は、酸拡散の制御の観点から重要である。
【0100】
界面活性剤としては特開2008−111103号公報の段落[0165]〜[0166]、溶解制御剤としては特開2008−122932号公報の段落[0155]〜[0178]、アセチレンアルコール類としては段落[0179]〜[0182]に記載のものを用いることができる。
【0101】
本発明のレジスト組成物には、特開2000−330270号公報の塩基増殖剤を添加することもできる。本発明の酸によってアミノ基が発生する繰り返し単位の脱保護によって、塩基増殖剤からアミン化合物が発生し、酸拡散を抑える効果が更に高まる。
【0102】
スピンコート後のレジスト表面の撥水性を向上させるための高分子化合物を添加することもできる。この撥水性向上剤はトップコートを用いない液浸リソグラフィーに用いることができる。このような撥水性向上剤は特定構造の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール残基を有し、特開2007−297590号公報、特開2008−111103号公報、特開2008−122932号公報に例示されている。レジスト組成物に添加される撥水性向上剤は、現像液の有機溶剤に溶解する必要がある。前述の特定の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール残基を有する撥水性向上剤は、現像液への溶解性が良好である。撥水性向上剤として、アミノ基やアミン塩を繰り返し単位として共重合した高分子化合物は、PEB中の酸の蒸発を防いで現像後のホールパターンの開口不良を防止する効果が高い。撥水性向上剤の添加量は、ベース樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部である。
【0103】
なお、有機溶剤の配合量は、ベース樹脂100質量部に対し100〜10,000質量部、特に300〜8,000質量部とすることが好ましい。また、塩基性化合物の配合量は、ベース樹脂100質量部に対し0.0001〜30質量部、特に0.001〜20質量部とすることが好ましい。
【0104】
本発明に係るパターニング方法は、図1に示される。この場合、図1(A)に示したように、本発明においては基板10上に形成した被加工基板20に直接又は中間介在層30を介してネガ型レジスト組成物を基板上に塗布してレジスト膜40を形成する。レジスト膜の厚さとしては、10〜1,000nm、特に20〜500nmであることが好ましい。このレジスト膜は、露光前に加熱(プリベーク)を行うが、この条件としては60〜180℃、特に70〜150℃で10〜300秒間、特に15〜200秒間行うことが好ましい。
なお、基板10としては、シリコン基板が一般的に用いられる。被加工基板20としては、SiO2、SiN、SiON、SiOC、p−Si、α−Si、TiN、WSi、BPSG、SOG、Cr、CrO、CrON、MoSi、低誘電膜及びそのエッチングストッパー膜が挙げられる。中間介在層30としては、SiO2、SiN、SiON、p−Si等のハードマスク、カーボン膜による下層膜と珪素含有中間膜、有機反射防止膜等が挙げられる。
【0105】
次いで、図1(B)に示すように露光50を行う。ここで、露光は波長140〜250nmの高エネルギー線、波長13.5nmのEUVが挙げられるが、中でもArFエキシマレーザーによる193nmの露光が最も好ましく用いられる。露光は大気中や窒素気流中のドライ雰囲気でもよいし、水中の液浸露光であってもよい。ArF液浸リソグラフィーにおいては液浸溶剤として純水、又はアルカン等の屈折率が1以上で露光波長に高透明の液体が用いられる。液浸リソグラフィーでは、プリベーク後のレジスト膜と投影レンズの間に、純水やその他の液体を挿入する。これによってNAが1.0以上のレンズ設計が可能となり、より微細なパターン形成が可能になる。液浸リソグラフィーはArFリソグラフィーを45nmノードまで延命させるための重要な技術である。液浸露光の場合は、レジスト膜上に残った水滴残りを除去するための露光後の純水リンス(ポストソーク)を行ってもよいし、レジスト膜からの溶出物を防ぎ、膜表面の滑水性を上げるために、プリベーク後のレジスト膜上に保護膜を形成させてもよい。液浸リソグラフィーに用いられるレジスト保護膜を形成する材料としては、例えば、水に不溶でアルカリ現像液に溶解する1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール残基を有する高分子化合物をベースとし、炭素数4以上のアルコール系溶剤、炭素数8〜12のエーテル系溶剤、又はこれらの混合溶剤に溶解させた材料が好ましい。この場合、保護膜形成用組成物は、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール残基を有する繰り返し単位等のモノマーから得られるものが挙げられる。保護膜は有機溶剤の現像液に溶解する必要があるが、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール残基を有する繰り返し単位からなる高分子化合物は前述の有機溶剤現像液に溶解する。特に、特開2008−81716号公報、特開2008−111089号公報に例示の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール残基を有する保護膜材料の有機溶剤現像液に対する溶解性は高い。
【0106】
保護膜形成用組成物にアミン化合物又はアミン塩を配合、あるいはアミン化合物又はアミン塩を有する繰り返し単位を共重合した高分子化合物を用いることは、レジスト膜の露光部から発生した酸の未露光部分への拡散を制御し、ホールの開口不良を防止する効果が高い。アミン化合物を添加した保護膜材料としては、特開2008−3569号公報記載の材料を用いることができる。アミン化合物としては、上記レジスト組成物添加用の塩基性化合物として詳述したものの中から選定することができる。
アミン化合物の配合量は、ベース樹脂100質量部に対して0.01〜10質量部、特に0.02〜8質量部が好ましい。
【0107】
レジスト膜形成後に、純水リンス(ポストソーク)を行うことによってレジスト膜表面からの酸発生剤等の抽出、あるいはパーティクルの洗い流しを行ってもよいし、露光後に膜上に残った水を取り除くためのリンス(ポストソーク)を行ってもよい。PEB中に露光部から蒸発した酸が未露光部に付着し、未露光部分の表面の保護基を脱保護させると、現像後のホールの表面がブリッジして閉塞する可能性がある。特にネガティブ現像におけるホールの外側は、光が照射されて酸が発生している。PEB中にホールの外側の酸が蒸発し、ホールの内側に付着するとホールが開口しないことが起きる。酸の蒸発を防いでホールの開口不良を防ぐために保護膜を適用することは効果的である。更に、アミン化合物を添加した保護膜は、酸の蒸発を効果的に防ぐことができる。一方、カルボキシル基やスルホ基等の酸化合物を添加、あるいはカルボキシル基やスルホ基を有するモノマーを共重合したポリマーをベースとした保護膜を用いた場合は、ホールの未開口現象が起きることがあり、このような保護膜を用いることは好ましくない。
【0108】
露光における露光量は1〜200mJ/cm2程度、好ましくは10〜100mJ/cm2程度となるように露光することが好ましい。次に、ホットプレート上で60〜150℃、1〜5分間、好ましくは80〜120℃、1〜3分間ポストエクスポージュアベーク(PEB)する。
【0109】
更に、図1(C)に示されるように有機溶剤の現像液を用い、0.1〜3分間、好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像することにより未露光部分が溶解するネガティブパターン40が基板上に形成される。この時の現像液としては、2−オクタノン、2−ノナノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、メチルアセトフェノン等のケトン類、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸ブテニル、酢酸イソアミル、酢酸フェニル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、蟻酸イソブチル、蟻酸アミル、蟻酸イソアミル、吉草酸メチル、ペンテン酸メチル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル等のエステル類、安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸フェニル、酢酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、蟻酸ベンジル、蟻酸フェニルエチル、3−フェニルプロピオン酸メチル、プロピオン酸ベンジル、フェニル酢酸エチル、酢酸2−フェニルエチル等の芳香族エステル類を好ましく用いることができる。
【0110】
現像液には、界面活性剤を添加することができる。界面活性剤としては、前述のレジスト組成物のところで示されるものを用いることができる。特にはフッ素系界面活性剤を添加することによって現像液をディスペンスしたときの広がり速度を向上させることができる。
【0111】
現像の終了時には、リンスを行う。リンス液としては、現像液と混溶し、レジスト膜を溶解させない溶剤が好ましい。このような溶剤としては、炭素数3〜10のアルコール、炭素数8〜12のエーテル化合物、炭素数6〜12のアルカン、アルケン、アルキン、芳香族系の溶剤が好ましく用いられる。
【0112】
具体的に、炭素数6〜12のアルカンとしてはヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、メチルシクロペンタン、ジメチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナンなどが挙げられる。炭素数6〜12のアルケンとしては、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、ジメチルシクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどが挙げられ、炭素数6〜12のアルキンとしては、ヘキシン、ヘプチン、オクチンなどが挙げられ、炭素数3〜10のアルコールとしては、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、tert−アミルアルコール、ネオペンチルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−3−ペンタノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2−エチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−3−ペンタノール、シクロヘキサノール、1−オクタノールなどが挙げられる。
炭素数8〜12のエーテル化合物としては、ジ−n−ブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジ−sec−ブチルエーテル、ジ−n−ペンチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジ−sec−ペンチルエーテル、ジ−tert−アミルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテルから選ばれる1種以上の溶剤が挙げられる。
前述の溶剤に加えてトルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、メシチレン等の芳香族系の溶剤を用いることもできる。
【0113】
ネガティブトーン現像によってホールパターンを形成する場合、X、Y方向の2回のラインパターンのダイポール照明による露光を行うことが最もコントラストが高い光を用いることができる。ダイポール照明に併せてs偏光照明を加えると、更にコントラストを挙げることができる。
【0114】
図2は、波長193nmのArFエキシマレーザーを用いたNA1.3レンズ、ダイポール照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク、s偏光でのピッチ90nm、ラインサイズ45nmのX方向ラインの光学像を示す。
図3は、波長193nmのArFエキシマレーザーを用いたNA1.3レンズ、ダイポール照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク、s偏光でのピッチ90nm、ラインサイズ45nmのY方向ラインの光学像を示す。色が濃い方が遮光部分、白い方が光の強い領域であり、白と黒のコントラスト差がはっきりしており、特に強い遮光部分が存在することが示されている。
図4は、Y方向ラインにX方向ラインの光学像を重ねたコントラストイメージである。XとYのラインの組み合わせで格子状のイメージができ上がるように思われるがそうではなく、光の弱い黒い部分のパターンは円形である。円形のサイズが大きい場合は菱形形状で隣のパターンとつながり易いが、円のサイズが小さいほど円形度合いが向上し、強く遮光された小さな円が存在することが示されている。
【0115】
X、Y方向のラインを2回のダイポール照明と偏光照明を組み合わせた露光は、最も高コントラストの光が形成される方法であるが、2回の露光とその間のマスクの交換によってスループットが大幅に低下する欠点があるために実用的な方法とは言えない。そこで、格子状のパターンのマスクを用いてX、Y方向のそれぞれのダイポール照明で2回露光する方法が提案されている(前述非特許文献1)。前述の非特許文献1では、格子状のパターンのマスクを用いてX方向のダイポール照明によってX方向のラインを形成し、光照射によってX方向のラインを不溶化し、この上にもう一度フォトレジストを塗布し、Y方向のダイポール照明によってY方向のラインを形成し、X方向のラインとY方向のラインの隙間にホールパターンを形成している。この方法では、マスクは1枚で済むが、2回の露光の間に1回目のフォトレジストパターンの不溶化処理と2回目のフォトレジストの塗布と現像のプロセスが入るために、2回の露光間にウエハーが露光ステージから離れ、この時にアライメントエラーが大きくなる問題が生じる。2回の露光間のアライメントエラーを最小にするためには、ウエハーを露光ステージから離さずに連続して2回の露光を行う必要がある。格子状のパターンのマスクを用いてX方向(水平方向)のラインを形成するためのダイポールのアパチャー形状は図18、Y方向(垂直方向)のラインを形成するためのダイポールのアパチャー形状は図19に示される。ダイポール照明にs偏光照明を加えると更にコントラストが向上するので好ましく用いられる。格子状のマスクを用いてX方向のラインとY方向のラインを形成する2回の露光を重ねて行ってネガティブトーンの現像を行うと、ホールパターンが形成される。
格子状のマスクを用いて1回の露光でホールパターンを形成する場合は、図20に示されるアパチャー形状の4重極照明(クロスポール照明)を用いる。これにX−Y偏光照明あるいは円形偏光のAzimuthally偏光照明を組み合わせてコントラストを向上させる。これは、X方向とY方向の2回のダイポール照明による露光に比べると若干光学コントラストが低下するが、1回の露光で済むメリットがある。
本発明のホールパターンの形成方法では、露光を2回行う場合、1回目の露光と2回目の露光の照明を変更して連続露光を行うため、アライメントエラーを最小にすることができる。もちろん1回の露光では、2回の連続露光よりもアライメントのエラーを小さくすることができる。
マスクパターンとしては、図5に示される格子状のパターンを用いる場合、図7に示されるドットパターンを用いる場合、図9に示される格子の太さを変えたパターンを用いる場合、図11に示されるドットパターンと格子状パターンを組み合わせる場合がある。
格子状のパターンを用いる方が最も光のコントラストが向上するが、光の強度が低下するためにレジストの感度が低下する欠点がある。一方、ドットパターンを用いる方法は光のコントラストが低下するが、レジストの感度が向上するメリットがある。
ホールパターンが水平と垂直方向に配列されている場合は前記の照明とマスクパターンを用いるが、これ以外の角度例えば45度の方向に配列している場合は、45度に配列しているパターンのマスクとダイポール照明あるいはクロスポール照明を組み合わせる。
2回の露光を行う場合はX方向ラインのコントラストを高めるダイポール照明に偏光照明を組み合わせた露光と、Y方向ラインのコントラストを高めるダイポール照明に偏光照明を組み合わせた2回の露光を行う。1枚のマスクを用いてX方向とY方向のコントラストを強調した2回の連続した露光は、現在の市販のスキャナーで行うことが可能である。
格子状のパターンのマスクを使って、X、Yの偏光照明とクロスポール照明を組み合わせる方法は、2回のダイポール照明の露光に比べると若干光のコントラストが低下するものの、1回の露光でホールパターンを形成することができ、かなりのスループットの向上が見込まれるし、2回露光によるアライメントずれの問題は回避される。このようなマスクと照明を用いれば、実用的なコストでハーフピッチ40nmクラスのホールパターンを形成することが可能になる。
【0116】
図5に示される格子状のパターンが配されたマスクでは、格子の交点が強く遮光され、図6に示されるように、非常に遮光性の高い黒点が現れる。図6では、NA1.3レンズ、クロスポール照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク、Azimuthally偏光照明でのピッチ90nm、幅30nmの格子状ラインパターンの光学像である。このようなパターンのマスクを用いて露光を行い、ポジネガ反転を伴う有機溶剤による現像を行うことによって微細なホールパターンを形成することができる。
【0117】
図7に示されるNA1.3レンズ、クロスポール照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク、Azimuthally偏光照明でのピッチ90nm、一辺の幅が60nmの正四角形のドットパターンが配置されたマスクにおける光学像コントラストが図8に示される。この場合、図6に比べて強い遮光部分の円の面積が小さくなり、格子状パターンのマスクに比べてコントラストが低くなるものの、黒い遮光部分が存在するためにホールパターンの形成は可能である。
【0118】
マスクのタイプとしては、バイナリーマスクと位相シフトマスクが挙げられる。本発明のパターン形成方法としては、どちらも用いることができるが、位相シフトマスクの方が光のコントラストが高い分だけ好ましく用いることができる。位相シフトマスクのタイプとしては、ハーフトーン型位相シフトマスクと渋谷−レベンソン型位相シフトマスクを挙げることができるが、製作の容易さやパターンレイアウトに制約がない点でハーフトーン位相シフトマスクの方が好ましい。ハーフトーンの透過率としては3〜15%が好ましく用いられる。
【0119】
ピッチや位置がランダムに配列された微細なホールパターンの形成が困難である。密集パターンは、ダイポール、クロスポール等の斜入射照明に位相シフトマスクと偏光を組み合わせた超解像技術によってコントラストを向上することができるが、孤立パターンのコントラストはそれほど向上しない。
【0120】
密集の繰り返しパターンに対して超解像技術を用いた場合、孤立パターンとの粗密(プロキシミティー)バイアスが問題になる。強い超解像技術を使えば使うほど密集パターンの解像力が向上するが、孤立パターンの解像力は変わらないために、粗密バイアスが拡大する。微細化に伴うホールパターンにおける粗密バイアスの増加は深刻な問題である。粗密バイアスを抑えるために、一般的にはマスクパターンの寸法にバイアスを付けることが行われている。粗密バイアスはレジスト組成物の特性、即ち、溶解コントラストや酸拡散によっても変わるために、レジスト組成物の種類毎にマスクの粗密バイアスが変化する。レジスト組成物の種類毎に粗密バイアスを変えたマスクを用いることになり、マスク製作の負担が増している。そこで、強い超解像照明で密集ホールパターンのみを解像させ、パターンの上に1回目のポジ型レジストパターンを溶解させないアルコール溶剤のネガ型レジスト膜を塗布し、不必要なホール部分を露光、現像することによって閉塞させて密集パターンと孤立パターンの両方を作製する方法(Pack and unpack;PAU法)が提案されている(Proc. SPIE Vol. 5753 p171 (2005))。この方法の問題点は、1回目の露光と2回目の露光の位置ずれが挙げられ、この点については文献の著者も指摘している。また、2回目の現像で塞がれないホールパターンは2回現像されることになり、これによる寸法変化も問題として挙げられる。
【0121】
ランダムピッチのホールパターンをポジネガ反転の有機溶剤現像で形成するためには、格子状のパターンが全面に配列され、ホールを形成する場所だけに格子の幅を太くしたマスクを用いる。
ピッチ90nmで、20nmラインの格子状パターン上に、図9に示すようにドットを形成したい部分に十字の太い交差ラインを配置する。色の黒い部分がハーフトーンのシフター部分である。孤立性の所ほど太いライン(図9では幅40nm)、密集部分では幅30nmのラインが配置されている。密集パターンよりも孤立パターンの方が光の強度が弱くなるために、太いラインが用いられる。密集パターンの端の部分も光の強度がやや低下するために、密集部分の中心よりもやや幅広の32nmのラインが宛われている。
図9のマスクの光学像のコントラストイメージが図10に示される。黒い遮光部分にポジネガ反転によってホールが形成される。ホールが形成されるべき場所以外にも黒点が見られるが、黒点のサイズは小さいために、実際には殆ど転写されない。不必要な部分の格子ラインの幅を狭くしたりするなどの更なる最適化によって、不必要なホールの転写を防止することが可能である。
【0122】
同じく格子状のパターンを全面に配列し、ホールを形成する場所だけに太いドットを配置したマスクを用いることもできる。ピッチ90nmで、15nmラインの格子状パターン上に、図11に示すようにドットを形成したい部分に太いドットを配置する。色の黒い部分がハーフトーンのシフター部分である。孤立性の所ほど大きなドット(図11では一辺90nm)、密集部分では一辺55nmの四角状のドットが配置されている。ドットの形状は正四角形でも、長方形、菱形、5角形、6角形、7角形、8角形以上の多角形、円形でも構わない。図11のマスクにおける光学像のコントラストイメージが図12に示される。図10に比べてもほぼ同等の黒い遮光部分が存在し、ポジネガ反転によってホールが形成されることが示されている。
【0123】
図13に示されるような格子状パターンが配列されていないマスクを用いた場合、図14に示されるように黒い遮光部分は現れない。この場合はホールの形成が困難であるか、もし形成できたとしても光学像のコントラストが低いために、マスク寸法のバラツキがホールの寸法のバラツキに大きく反映する結果となる。
【実施例】
【0124】
以下、合成例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例等に制限されるものではない。なお、重量平均分子量(Mw)は溶剤としてテトラヒドロフランを用いたGPCによるポリスチレン換算重量平均分子量を示す。
【0125】
[参考例]
参考例として下記レジストポリマー9の製造に用いた含窒素単量体の製造法を示す。
メタクリル酸=1−tert−ブトキシカルボニルピペリジン−4−イルの合成
【化51】

窒素雰囲気下、1−tert−ブトキシカルボニルピペリジン−4−オール50g、トリエチルアミン26.8g、4−ジメチルアミノピリジン2.9g、トルエン200gの混合溶液に、氷冷下メタクリル酸無水物40gを40℃以下で滴下した。室温にて4時間撹拌後、20℃以下で水100gを滴下し、反応を停止した。通常の水系後処理の後、減圧蒸留を行い、メタクリル酸=1−tert−ブトキシカルボニルピペリジン−4−イル48.9gを得た(収率90%)。
IR(D−ATR):ν=2953、1721、1699、1638、1429、1366、1327、1294、1274、1239、1168、1030、990、944、863、815、752cm-1
1H−NMR(300MHz in DMSO−d6):δ=6.04(1H、m)、5.67(1H、m)、4.91(1H、m)、3.53(2H、m)、3.25(2H、m)、1.87(1H、s)、1.79(2H、m)、1.50(1H、m)、1.39(9H、s)ppm。
なお、他の含窒素単量体も同様にして製造した。
【0126】
[合成例]
レジストに用いる高分子化合物として、各々のモノマーを組み合わせてテトラヒドロフラン溶剤下で共重合反応を行い、メタノールに晶出し、更にヘキサンで洗浄を繰り返した後に単離、乾燥して、以下に示す組成の高分子化合物(ポリマー1〜23、比較ポリマー1〜3)を得た。得られた高分子化合物の組成は1H−NMR、分子量及び分散度はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより確認した。
【0127】
レジストポリマー1
分子量(Mw)=8,310
分散度(Mw/Mn)=1.73
【化52】

【0128】
レジストポリマー2
分子量(Mw)=8,900
分散度(Mw/Mn)=1.89
【化53】

【0129】
レジストポリマー3
分子量(Mw)=8,200
分散度(Mw/Mn)=1.84
【化54】

【0130】
レジストポリマー4
分子量(Mw)=8,300
分散度(Mw/Mn)=1.89
【化55】

【0131】
レジストポリマー5
分子量(Mw)=6,500
分散度(Mw/Mn)=1.79
【化56】

【0132】
レジストポリマー6
分子量(Mw)=8,770
分散度(Mw/Mn)=1.77
【化57】

【0133】
レジストポリマー7
分子量(Mw)=8,900
分散度(Mw/Mn)=1.71
【化58】

【0134】
レジストポリマー8
分子量(Mw)=9,900
分散度(Mw/Mn)=1.98
【化59】

【0135】
レジストポリマー9
分子量(Mw)=8,900
分散度(Mw/Mn)=1.71
【化60】

【0136】
レジストポリマー10
分子量(Mw)=8,900
分散度(Mw/Mn)=1.99
【化61】

【0137】
レジストポリマー11
分子量(Mw)=8,500
分散度(Mw/Mn)=1.83
【化62】

【0138】
レジストポリマー12
分子量(Mw)=8,200
分散度(Mw/Mn)=1.72
【化63】

【0139】
レジストポリマー13
分子量(Mw)=8,900
分散度(Mw/Mn)=1.89
【化64】

【0140】
レジストポリマー14
分子量(Mw)=8,300
分散度(Mw/Mn)=1.82
【化65】

【0141】
レジストポリマー15
分子量(Mw)=8,300
分散度(Mw/Mn)=1.93
【化66】

【0142】
レジストポリマー16
分子量(Mw)=8,300
分散度(Mw/Mn)=1.93
【化67】

【0143】
レジストポリマー17
分子量(Mw)=8,300
分散度(Mw/Mn)=1.99
【化68】

【0144】
レジストポリマー18
分子量(Mw)=6,300
分散度(Mw/Mn)=1.91
【化69】

【0145】
レジストポリマー19
分子量(Mw)=8,300
分散度(Mw/Mn)=1.99
【化70】

【0146】
レジストポリマー20
分子量(Mw)=8,600
分散度(Mw/Mn)=1.66
【化71】

【0147】
レジストポリマー21
分子量(Mw)=8,100
分散度(Mw/Mn)=1.72
【化72】

【0148】
レジストポリマー22
分子量(Mw)=8,700
分散度(Mw/Mn)=1.87
【化73】

【0149】
レジストポリマー23
分子量(Mw)=8,700
分散度(Mw/Mn)=1.87
【化74】

【0150】
比較レジストポリマー1
分子量(Mw)=8,100
分散度(Mw/Mn)=1.88
【化75】

【0151】
比較レジストポリマー2
分子量(Mw)=7,900
分散度(Mw/Mn)=1.93
【化76】

【0152】
比較レジストポリマー3
分子量(Mw)=8,800
分散度(Mw/Mn)=1.76
【化77】

【0153】
ポジ型レジスト組成物、アルカリ可溶性保護膜形成用組成物の調製
上記高分子化合物(ポリマー1〜23、比較ポリマー1〜3)を用いて下記表1に示す組成で溶解させた溶液及び下記保護膜ポリマー1を用いて下記表2に示す組成の保護膜形成用組成物溶液をそれぞれ0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過して各溶液を調製した。
【0154】
下記表中の各組成は次の通りである。
酸発生剤:PAG1、PAG2、PAG3(下記構造式参照)
【化78】

【0155】
保護膜ポリマー1
分子量(Mw)=8,800
分散度(Mw/Mn)=1.69
【化79】

【0156】
撥水性ポリマー1
分子量(Mw)=8,700
分散度(Mw/Mn)=1.82
【化80】

【0157】
塩基性化合物:Quencher1、Quencher2(下記構造式参照)
【化81】

有機溶剤:PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
CyH(シクロヘキサノン)
【0158】
ArF露光パターニング評価(1)
下記表1に示す組成で調製したレジスト組成物を、シリコンウエハーに信越化学工業(株)製スピンオンカーボン膜ODL−50(カーボンの含有量が80質量%)を200nm、その上に珪素含有スピンオンハードマスクSHB−A940(珪素の含有量が43質量%)を35nmの膜厚で成膜したトライレイヤープロセス用の基板上にスピンコーティングし、ホットプレートを用いて100℃で60秒間ベークし、レジスト膜の厚みを100nmにした。その上に表2に示す保護膜形成用組成物TC−1をスピンコーティングし、90℃で60秒間ベークし、保護膜の厚みを50nmにした。実施例1−16〜1−26、比較例1−4では保護膜の形成を行わなかった。
これをArFエキシマレーザー液浸スキャナー((株)ニコン製、NSR−610C、NA1.30、σ0.98/0.78、クロスポール開口20度、Azimuthally偏光照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク、ウエハー上寸法がピッチ90nmライン幅30nmの図15に示されるレイアウトの格子状マスク)を用いて露光量を変化させながら露光を行い、露光後表3に示す温度で60秒間ベーク(PEB)し、現像ノズルから酢酸ブチルを3秒間30rpmで回転させながら吐出させ、その後静止パドル現像を27秒間行い、ジイソアミルエーテルでリンス後スピンドライし、100℃で20秒間ベークしてリンス溶剤を蒸発させた。
溶剤現像のイメージ反転されたホールパターン50箇所の寸法を(株)日立ハイテクノロジーズ製TDSEM(S−9380)で測定し、3σの寸法バラツキを求めた。結果を表3に示す。
【0159】
【表1】

【0160】
【表2】

【0161】
【表3】

【0162】
ArF露光パターニング評価(2)
表4に示すレジスト組成物を、シリコンウエハーに信越化学工業(株)製スピンオンカーボン膜ODL−50(カーボンの含有量が80質量%)を200nm、その上に珪素含有スピンオンハードマスクSHB−A940(珪素の含有量が43質量%)を35nmの膜厚で成膜したトライレイヤープロセス用の基板上にスピンコーティングし、ホットプレートを用いて100℃で60秒間ベークし、レジスト膜の厚みを100nmにした。その上に表2に示す保護膜形成用組成物TC−1をスピンコーティングし、90℃で60秒間ベークし、保護膜の厚みを50nmにした。
これをArFエキシマレーザー液浸スキャナー((株)ニコン製、NSR−610C、NA1.30、σ0.98/0.78、クロスポール開口20度、Azimuthally偏光照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク、ウエハー上寸法がピッチ90nmライン幅15nmの図16に示されるレイアウトの格子状の上にドットが配置されたパターンのマスク)を用いて露光量とフォーカス位置を変化させながら露光を行い、露光後、表4に示す温度で60秒間ベーク(PEB)し、現像ノズルから酢酸ブチルを3秒間30rpmで回転させながら吐出させ、その後静止パドル現像を27秒間行い、ジイソアミルエーテルでリンス後スピンドライし、100℃で20秒間ベークしてリンス溶剤を蒸発させた。
溶剤現像のイメージ反転されたホールパターンの寸法を(株)日立ハイテクノロジーズ製TDSEM(S−9380)で測定し、40nm±5nmになっているフォーカスマージン(DoF)を求めた。同一露光量、同一フォーカスショット内50箇所のホールの寸法を測定し、3σの寸法バラツキを求めた。結果を表4に示す。
【0163】
【表4】

【0164】
ArF露光パターニング評価(3)
表5に示すレジスト組成物を、シリコンウエハーに信越化学工業(株)製スピンオンカーボン膜ODL−50(カーボンの含有量が80質量%)を200nm、その上に珪素含有スピンオンハードマスクSHB−A940(珪素の含有量が43質量%)を35nmの膜厚で成膜したトライレイヤープロセス用の基板上にスピンコーティングし、ホットプレートを用いて100℃で60秒間ベークし、レジスト膜の厚みを100nmにした。その上に表2に示す保護膜形成用組成物TC−1をスピンコーティングし、90℃で60秒間ベークし、保護膜の厚みを50nmにした。
これをArFエキシマレーザー液浸スキャナー((株)ニコン製、NSR−610C、NA1.30、σ0.98/0.78、クロスポール開口20度、Azimuthally偏光照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク、ウエハー上寸法がピッチ90nmの図17に示されるレイアウトの格子状の上に太い格子が配置されたパターンのマスク)を用いて露光量を変化させながら露光を行い、露光後、表5に示す温度で60秒間ベーク(PEB)し、現像ノズルから酢酸ブチルを3秒間30rpmで回転させながら吐出させ、その後静止パドル現像を27秒間行い、ジイソアミルエーテルでリンス後スピンドライし、100℃で20秒間ベークしてリンス溶剤を蒸発させた。
溶剤現像のイメージ反転されたホールパターンのマスク上A位置とB位置のホールの寸法を(株)日立ハイテクノロジーズ製TDSEM(S−9380)で測定した。結果を表5に示す。
【0165】
【表5】

【0166】
ArF露光パターニング評価(4)
表6に示すレジスト組成物を、シリコンウエハーに信越化学工業(株)製スピンオンカーボン膜ODL−50(カーボンの含有量が80質量%)を200nm、その上に珪素含有スピンオンハードマスクSHB−A940(珪素の含有量が43質量%)を35nmの膜厚で成膜したトライレイヤープロセス用の基板上にスピンコーティングし、ホットプレートを用いて100℃で60秒間ベークし、レジスト膜の厚みを100nmにした。その上に表2に示す保護膜形成用組成物TC−1をスピンコーティングし、90℃で60秒間ベークし、保護膜の厚みを50nmにした。
これをArFエキシマレーザー液浸スキャナー((株)ニコン製、NSR−610C、NA1.30、σ0.98/0.78、ダイポール開口20度、Azimuthally偏光照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク、ウエハー上寸法がピッチ90nmライン幅15nmの図16に示されるレイアウトの格子状の上にドットが配置されたパターンのマスク)を用いて露光量を変化させながら同じ場所をXダイポールとYダイポールの2回の連続露光を行い、露光後、表6に示す温度で60秒間ベーク(PEB)し、現像ノズルから酢酸ブチルを3秒間30rpmで回転させながら吐出させ、その後静止パドル現像を27秒間行い、ジイソアミルエーテルでリンス後スピンドライし、100℃で20秒間ベークしてリンス溶剤を蒸発させた。
溶剤現像のイメージ反転されたホールパターンの寸法を(株)日立ハイテクノロジーズ製TDSEM(S−9380)で測定し、40nm±5nmになっているフォーカスマージン(DoF)を求めた。同一露光量、同一フォーカスショット内50箇所のホールの寸法を測定し、3σの寸法バラツキを求めた。結果を表6に示す。
【0167】
【表6】

【0168】
ArF露光パターニング評価(5)
表7に示すレジスト組成物を、シリコンウエハーに信越化学工業(株)製スピンオンカーボン膜ODL−50(カーボンの含有量が80質量%)を200nm、その上に珪素含有スピンオンハードマスクSHB−A940(珪素の含有量が43質量%)を35nmの膜厚で成膜したトライレイヤープロセス用の基板上にスピンコーティングし、ホットプレートを用いて100℃で60秒間ベークし、レジスト膜の厚みを100nmにした。その上に表2に示す保護膜形成用組成物TC−1をスピンコーティングし、90℃で60秒間ベークし、保護膜の厚みを50nmにした。
これをArFエキシマレーザー液浸スキャナー((株)ニコン製、NSR−610C、NA1.30、σ0.98/0.78、クロスポール開口20度、Azimuthally偏光照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク、ウエハー上寸法がピッチ90nm幅55nmの図7に示されるドットが配置されたパターンのマスク)を用いて露光量を変化させながら露光を行い、露光後、表7に示す温度で60秒間ベーク(PEB)し、現像ノズルから酢酸ブチルを3秒間30rpmで回転させながら吐出させ、その後静止パドル現像を27秒間行い、ジイソアミルエーテルでリンス後スピンドライし、100℃で20秒間ベークしてリンス溶剤を蒸発させた。
溶剤現像のイメージ反転されたホールパターンの寸法を(株)日立ハイテクノロジーズ製TDSEM(S−9380)で測定し、40nm±5nmになっているフォーカスマージン(DoF)を求めた。同一露光量、同一フォーカスショット内50箇所のホールの寸法を測定し、3σの寸法バラツキを求めた。結果を表7に示す。
【0169】
【表7】

【0170】
ArF露光パターニング評価(6)
表8に示すレジスト組成物を、シリコンウエハーに信越化学工業(株)製スピンオンカーボン膜ODL−50(カーボンの含有量が80質量%)を200nm、その上に珪素含有スピンオンハードマスクSHB−A940(珪素の含有量が43質量%)を35nmの膜厚で成膜したトライレイヤープロセス用の基板上にスピンコーティングし、ホットプレートを用いて100℃で60秒間ベークし、レジスト膜の厚みを100nmにした。その上に表2に示す保護膜形成用組成物TC−1をスピンコーティングし、90℃で60秒間ベークし、保護膜の厚みを50nmにした。
これをArFエキシマレーザー液浸スキャナー((株)ニコン製、NSR−610C、NA1.30、σ0.98/0.78、ダイポール開口20度、Azimuthally偏光照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク、ウエハー上寸法がピッチ90nm幅55nmの図7に示されるドットが配置されたパターンのマスク)を用いて露光量を変化させながら同じ場所をXダイポールとYダイポールの2回の連続露光を行い、露光後、表8に示す温度で60秒間ベーク(PEB)し、現像ノズルから酢酸ブチルを3秒間30rpmで回転させながら吐出させ、その後静止パドル現像を27秒間行い、ジイソアミルエーテルでリンス後スピンドライし、100℃で20秒間ベークしてリンス溶剤を蒸発させた。
溶剤現像のイメージ反転されたホールパターンの寸法を(株)日立ハイテクノロジーズ製TDSEM(S−9380)で測定し、40nm±5nmになっているフォーカスマージン(DoF)を求めた。同一露光量、同一フォーカスショット内50箇所のホールの寸法を測定し、3σの寸法バラツキを求めた。結果を表8に示す。
【0171】
【表8】

【0172】
ArF露光パターニング評価(7)
表9に示すレジスト組成物を、シリコンウエハーに信越化学工業(株)製スピンオンカーボン膜ODL−50(カーボンの含有量が80質量%)を200nm、その上に珪素含有スピンオンハードマスクSHB−A940(珪素の含有量が43質量%)を35nmの膜厚で成膜したトライレイヤープロセス用の基板上にスピンコーティングし、ホットプレートを用いて100℃で60秒間ベークし、レジスト膜の厚みを100nmにした。その上に表2に示す保護膜形成用組成物TC−1をスピンコーティングし、90℃で60秒間ベークし、保護膜の厚みを50nmにした。
これをArFエキシマレーザー液浸スキャナー((株)ニコン製、NSR−610C、NA1.30、σ0.98/0.78、ダイポール開口20度、Azimuthally偏光照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク、ウエハー上寸法がピッチ90nm幅55nmの図7に示されるドットが配置されたパターンのマスク)を用いて露光量を変化させながら同じ場所をXダイポールとYダイポールの2回の連続露光を行い、露光後、表9に示す温度で60秒間ベーク(PEB)し、現像ノズルから表9に示す溶剤を3秒間30rpmで回転させながら吐出させ、その後静止パドル現像を27秒間行い、ジイソアミルエーテルでリンス後スピンドライし、100℃で20秒間ベークしてリンス溶剤を蒸発させた。実施例7−9では住友3M社製のフッ素系界面活性剤のFC−4430を200ppm添加した現像液を用いた。
溶剤現像のイメージ反転されたホールパターンの寸法を(株)日立ハイテクノロジーズ製TDSEM(S−9380)で測定し、40nm±5nmになっているフォーカスマージン(DoF)を求めた。同一露光量、同一フォーカスショット内50箇所のホールの寸法を測定し、3σの寸法バラツキを求めた。結果を表9に示す。
【0173】
【表9】

【0174】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0175】
10 基板
20 被加工基板
30 中間介在層
40 レジスト膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸不安定基と結合する窒素原子を有する繰り返し単位を含有する高分子化合物と、酸発生剤と、有機溶剤とを含むレジスト組成物を基板上に塗布し、加熱処理後に高エネルギー線で上記レジスト膜を露光し、加熱処理後に有機溶剤による現像液を用いて未露光部を溶解させ、露光部が溶解しないネガ型パターンを得ることを特徴とするパターン形成方法。
【請求項2】
酸不安定基と結合する窒素原子がカーバメート基であることを特徴とする請求項1記載のパターン形成方法。
【請求項3】
酸不安定基と結合する窒素原子を有する繰り返し単位を含む高分子化合物が、下記一般式(1)に示される繰り返し単位a1及び/又はa2を有するものであることを特徴とする請求項1又は2記載のパターン形成方法。
【化1】

(式中、R1は水素原子又はメチル基を示す。R2は水素原子、酸不安定基、又は炭素数1〜16の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、Xと結合して非芳香環を形成してもよく、環の中にカルボニル基を有していてもよく、R3は酸不安定基である。Xは単結合、フェニレン基、ナフチレン基、−C(=O)−、又は−C(=O)−O−R4−であり、R4は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基もしくは該アルキレン基から水素原子が1個脱離した三価の基で、エーテル基、エステル基、−N=又は−S−を有していてもよく、又はR4はナフチレン基もしくはナフチレン基から水素原子が1個脱離した三価の基である。mは1又は2、a1、a2は0≦a1<1.0、0≦a2<1.0、0<a1+a2≦1.0の範囲である。)
【請求項4】
高分子化合物が、酸不安定基と結合する窒素原子を有する繰り返し単位に加えて、酸不安定基で置換されたカルボキシル基及び/又は酸不安定基で置換されたヒドロキシ基を有する繰り返し単位を含有する高分子化合物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のパターン形成方法。
【請求項5】
酸不安定基と結合する窒素原子を有する繰り返し単位を含有する高分子化合物に、酸不安定基で置換されたカルボキシル基及び/又は酸不安定基で置換されたヒドロキシ基を有する繰り返し単位を含有する高分子化合物を併用したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のパターン形成方法。
【請求項6】
酸不安定基で置換されたカルボキシル基又は酸不安定基で置換されたヒドロキシ基を有する繰り返し単位が、下記一般式(2)に示される繰り返し単位b又はcであることを特徴とする請求項4又は5記載のパターン形成方法。
【化2】

(式中、R4、R6は水素原子又はメチル基を示す。R5、R8は酸不安定基である。Yは単結合又は−C(=O)−O−R9−であり、R9は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基で、エーテル基又はエステル基を有していてもよく、又はナフチレン基である。Zは単結合又は−C(=O)−O−であり、R7は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基もしくは該アルキレン基から水素原子が1個脱離した三価の基で、エーテル基又はエステル基を有していてもよく、又はナフチレン基もしくはナフチレン基から水素原子が1個脱離した三価の基である。nは1又は2、bは0≦b<1.0、cは0≦c<1.0、0<b+c<1.0の範囲である。)
【請求項7】
現像液が、2−オクタノン、2−ノナノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、メチルアセトフェノン、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸ブテニル、酢酸イソアミル、酢酸フェニル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、蟻酸イソブチル、蟻酸アミル、蟻酸イソアミル、吉草酸メチル、ペンテン酸メチル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸フェニル、酢酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、蟻酸ベンジル、蟻酸フェニルエチル、3−フェニルプロピオン酸メチル、プロピオン酸ベンジル、フェニル酢酸エチル、酢酸2−フェニルエチルから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のパターン形成方法。
【請求項8】
高エネルギー線による露光が、波長193nmのArFエキシマレーザーリソグラフィー、又は波長13.5nmのEUVリソグラフィーであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載のパターン形成方法。
【請求項9】
現像後にトレンチパターンを形成することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載のパターン形成方法。
【請求項10】
波長193nmのArFエキシマレーザーリソグラフィーにおいて、ドットの遮光パターンが配置されたマスクを用い、ドット部分に現像後のホールパターンを形成することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載のパターン形成方法。
【請求項11】
波長193nmのArFエキシマレーザーリソグラフィーにおいて、格子状遮光パターンが配置されたマスクを用い、該パターンの格子の交点に現像後のホールパターンを形成することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載のパターン形成方法。
【請求項12】
ドット又は格子状パターンが透過率3〜15%のハーフトーン位相シフトマスクであることを特徴とする請求項10又は11記載のパターン形成方法。
【請求項13】
ハーフピッチ以下のライン幅による格子状の第1のシフターと、第1のシフター上に第1のシフターの線幅よりもウエハー上の寸法で2〜30nm太い第2のシフターが配列された位相シフトマスクを用い、太いシフターが配列されたところだけにホールパターンを形成することを特徴とする請求項11又は12記載のパターン形成方法。
【請求項14】
ハーフピッチ以下のライン幅による格子状の第1のシフターと、第1のシフター上に第1のシフターの線幅よりもウエハー上の寸法で2〜100nm太いドットパターンの第2のシフターが配列された位相シフトマスクを用い、太いシフターが配列されたところだけにホールパターンを形成することを特徴とする請求項10又は12記載のパターン形成方法。
【請求項15】
レジスト組成物を基板上に塗布してレジスト膜を形成し、加熱処理後にレジスト膜に保護膜を形成した後、高エネルギー線で上記レジスト膜を露光し、加熱処理後に有機溶剤による現像液を用いて保護膜と未露光部を溶解させ、露光部が溶解しないネガ型パターンを得ることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項記載のパターン形成方法。
【請求項16】
レジスト膜を露光後、2−オクタノン、2−ノナノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、メチルアセトフェノン、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸ブテニル、酢酸イソアミル、酢酸フェニル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、蟻酸イソブチル、蟻酸アミル、蟻酸イソアミル、吉草酸メチル、ペンテン酸メチル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸フェニル、酢酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、蟻酸ベンジル、蟻酸フェニルエチル、3−フェニルプロピオン酸メチル、プロピオン酸ベンジル、フェニル酢酸エチル、酢酸2−フェニルエチルから選ばれる1種以上の現像液で現像されるレジスト組成物であって、下記一般式(1)で示される酸不安定基と結合する窒素原子を有する繰り返し単位a1及び/又はa2を含む高分子化合物と酸発生剤と有機溶剤を含有することを特徴とするレジスト組成物。
【化3】

(式中、R1は水素原子又はメチル基を示す。R2は水素原子、酸不安定基、又は炭素数1〜16の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、Xと結合して非芳香環を形成してもよく、環の中にカルボニル基を有していてもよく、R3は酸不安定基である。Xは単結合、フェニレン基、ナフチレン基、−C(=O)−、又は−C(=O)−O−R4−であり、R4は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基もしくは該アルキレン基から水素原子が1個脱離した三価の基で、エーテル基、エステル基、−N=又は−S−を有していてもよく、又はR4はナフチレン基もしくはナフチレン基から水素原子が1個脱離した三価の基である。mは1又は2、a1、a2は0≦a1<1.0、0≦a2<1.0、0<a1+a2≦1.0の範囲である。)

【図1】
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【図9】
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【図11】
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【図13】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−64971(P2013−64971A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−1753(P2012−1753)
【出願日】平成24年1月10日(2012.1.10)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】