説明

パターン形成方法

【課題】視認性が高く微細なパターンを形成することができるパターン形成方法を提供すること。
【解決手段】ポリシロキサンが0.1〜2質量%含まれる液滴を基材上に吐出する第一液滴吐出工程と、前記基材上に吐出された前記液滴を固化させて、第一層を形成する第一層形成工程と、前記第一層上に前記液滴を重ねて吐出する第二液滴吐出工程と、前記第一層上に吐出された前記液滴を固化させて、第二層を形成する第二層形成工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、紫外線照射によって硬化する紫外線硬化型インクを用いて記録媒体に画像またはパターンを形成する液滴吐出装置が注目されている。紫外線硬化型インクは、紫外線を照射するまでは硬化が非常に遅く、紫外線を照射すると急速に硬化するという、印刷インクとして好ましい特性を有する。また、硬化にあたって溶剤を揮発させることがないので、環境負荷が小さいという利点もある。
【0003】
さらに、紫外線硬化型インクは、ビヒクルの組成により種々の記録媒体に高い付着性を発揮する。また、硬化した後は化学的に安定で、接着性、耐薬剤性、耐候性、耐摩擦性等が高く、屋外環境にも耐える等、優れた特性を有する。このため、紙、樹脂フィルム、金属箔等の薄いシート状の記録媒体の他、記録媒体のレーベル面、テキスタイル製品等、ある程度立体的な表面形状を有するものに対しても画像を形成できる。上記の紫外線硬化型インクを液滴吐出方式で、基板上のICに製造番号や製造会社等の属性情報を印刷する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−080687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
近年、ICの小型化・薄型化が進んでいる。このため、視認性が高く微細なパターンを形成することが求められている。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明は、視認性が高く微細なパターンを形成することができるパターン形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るパターン形成方法は、ポリシロキサンが0.1〜2質量%含まれる液滴を基材上に吐出する第一液滴吐出工程と、前記基材上に吐出された前記液滴を固化させて、第一層を形成する第一層形成工程と、前記第一層上に前記液滴を重ねて吐出する第二液滴吐出工程と、前記第一層上に吐出された前記液滴を固化させて、第二層を形成する第二層形成工程とを備える。
【0008】
本発明によれば、液滴にポリシロキサンが0.1〜2質量%含まれているため、基材と当該基材上に吐出された液滴との接触角よりも、第一層と当該第一層上に吐出された液滴との接触角の方が大きくなる。このため、第一層上で第二層が広がった状態で形成されるのを回避することができ、第一層よりも第二層を細く形成することができる。これにより、第一層と第二層とを立体的に形成することができるため、視認性が高く微細なパターンを形成することができる。
【0009】
上記のパターン形成方法において、前記ポリシロキサンのHLB値は、5〜12であることが好ましい。
本発明によれば、ポリシロキサンのHLB値が5〜12であるため、基材と当該基材上に吐出された液滴との接触角よりも、第一層と当該第一層上に吐出された液滴との接触角の方をより確実に大きくすることができる。
【0010】
上記のパターン形成方法において、前記第二液滴吐出工程は、前記第一層上からはみ出さないように前記液滴を吐出することを含むことが好ましい。
本発明によれば、第一層上からはみ出さないように液滴を吐出するので、微細なパターンを視認性が高くなるように形成することができる。
【0011】
上記のパターン形成方法において、前記液滴は、活性光線で固化する成分を含み、前記第一層形成工程及び前記第二層形成工程は、前記液滴に対して前記活性光線を照射することを含むことが好ましい。
本発明によれば、基材に吐出した液滴の固化を効果的に行うことができるため、装置の小型化、低価格化に寄与できる。
【0012】
上記のパターン形成方法において、前記活性光線は、紫外線であることが好ましい。
本発明によれば、基材に吐出した液滴の硬化を効果的に行うことができるため、装置の小型化、低価格化に寄与できる。
【0013】
上記のパターン形成方法において、前記基材は、半導体装置を備えた半導体基板であり、前記第一液滴吐出工程は、前記半導体装置に前記液滴を吐出することを含むことが好ましい。
本発明によれば、基材が半導体装置を備えた、当該半導体基板に設けられた半導体装置に第一層及び第二層の積層パターンを形成する場合には、例えば半導体装置の属性情報等を示すパターンなどを高い密着性をもって成膜することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)半導体基板を示す模式平面図、(b)液滴吐出装置を示す模式平面図。
【図2】供給部を示す模式図。
【図3】(a)塗布部の構成を示す概略斜視図、(b)キャリッジを示す模式側面図。
【図4】(a)ヘッドユニットを示す図、(b)液滴吐出ヘッドの構造を示す図。
【図5】収納部を示す模式図。
【図6】搬送部の構成を示す図。
【図7】検出装置から半導体基板1に検知光が投光されている図。
【図8】制御系を示すブロック図。
【図9】パターン形成方法を示すためのフローチャート。
【図10】(a)〜(e)パターン形成の過程を示す工程図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の印刷装置の実施の形態を、図1乃至図9を参照して説明する。
【0016】
なお、以下の実施の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
【0017】
(半導体基板)
まず、印刷装置を用いて描画(印刷)する対象の一例である半導体基板について説明する。図1(a)は半導体基板を示す模式平面図である。図1(a)に示すように、基材としての半導体基板1は基板2及び半導体装置3を備えている。基板2は耐熱性があり半導体装置3を実装可能であれば良く、基板2にはガラスエポキシ基板、紙フェノール基板、紙エポキシ基板等を用いることができる。被記録媒体としての半導体装置3は、パッケージ基材であってもよいし、半導体基材であってもよい。
【0018】
基板2上には半導体装置3が実装されている。そして、半導体装置3上には会社名マーク4、機種コード5、製造番号6等のマーク(印刷パターン、所定パターン)が描画されている。これらのマークが後述する印刷装置によって描画される。
【0019】
(印刷装置)
図1(b)は印刷装置を示す模式平面図である。
【0020】
図1(b)に示すように、印刷装置7は主に供給部8、前処理部9、塗布部(印刷部)10、冷却部11、収納部12、搬送部13、後処理部14及び制御部CONT(図8参照)の各種印刷に関連する処理を行う複数の処理装置から構成されている。
【0021】
以下、供給部8、収納部12が並ぶ方向、及び前処理部9、冷却部11、後処理部14が並ぶ方向をX方向とする。X方向と直交する方向をY方向とし、Y方向には塗布部10、冷却部11、搬送部13が並んで配置されている。そして、鉛直方向をZ方向とする。
【0022】
供給部8は、複数の半導体基板1が収納された収納容器を備えている。供給部8は中継場所8aを備え、収納容器から中継場所8aへ半導体基板1を供給する。中継場所8aには、X方向に延びる一対のレール8bが、収納容器から送り出される半導体基板1の高さと略同一の高さに設けられている。
【0023】
前処理部9は、半導体装置3の表面を加熱しながら改質する機能を有する。前処理部9により半導体装置3は吐出された液滴の広がり具合及び印刷するマークの密着性が調整される。前処理部9は第1中継場所9a及び第2中継場所9bを備え、処理前の半導体基板1を第1中継場所9aまたは第2中継場所9bから取り込んで表面の改質を行う。その後、前処理部9は処理後の半導体基板1を第1中継場所9aまたは第2中継場所9bに移動して、半導体基板1を待機させる。第1中継場所9a及び第2中継場所9bを合わせて中継場所9cとする。そして、前処理部9の内部で前処理が行われる場所を処理場所9dとする。
【0024】
冷却部11は、塗布部10の中継場所に配置されており、前処理部9で加熱及び表面改質が行われた半導体基板1を冷却する機能を有している。冷却部11は、それぞれが半導体基板1を保持して冷却する処理場所11a、11bを有している。処理場所11a、11bは、適宜、処理場所11cと総称するものとする。
【0025】
塗布部10は、半導体装置3に液滴を吐出してマークを描画(印刷)するとともに、描画されたマークを固化または硬化する機能を有する。塗布部10は中継場所としての冷却部11から描画前の半導体基板1を移動させて描画処理及び硬化処理を行う。その後、塗布部10は描画後の半導体基板1を冷却部11に移動させて、半導体基板1を待機させる。
【0026】
後処理部14は、塗布部10で描画処理が施された後、冷却部11に載置された半導体基板1に対して後処理として再加熱処理を行うものである。後処理部14は、第1中継場所14a及び第2中継場所14bを備えている。第1中継場所14a及び第2中継場所14bを合わせて中継場所14cとする。
【0027】
収納部12は、半導体基板1を複数収納可能な収納容器を備えている。そして、収納部12は中継場所12aを備え、中継場所12aから収納容器へ半導体基板1を収納する。中継場所12aには、X方向に延びる一対のレール12bが、半導体基板1を収容する収納容器と略同一の高さに設けられている。操作者は半導体基板1が収納された収納容器を印刷装置7から搬出する。
【0028】
印刷装置7の中央の場所には、搬送部13が配置されている。搬送部13は腕部13bを備えたスカラー型ロボットが用いられている。そして、腕部13bの先端には半導体基板1を裏面(下面)から支持しつつ、側縁を片持ちで把持する把持部13aが設置されている。中継場所8a,9c,11、14c、12aは把持部13aの移動範囲内に位置している。従って、把持部13aは中継場所8a,9c,11、14c、12a間で半導体基板1を移動することができる。制御部CONTは、印刷装置7の全体の動作を制御する装置であり、印刷装置7の各部の動作状況を管理する。そして、搬送部13に半導体基板1を移動する指示信号を出力する。これにより、半導体基板1は各部を順次通過して描画されるようになっている。
【0029】
(供給部)
図2(a)は供給部を示す模式正面図であり、図2(b)及び図2(c)は供給部を示す模式側面図である。図2(a)及び図2(b)に示すように、供給部8は基台15を備えている。基台15の内部には昇降装置16が設置されている。昇降装置16はZ方向に動作する直動機構を備えている。この直動機構はボールネジと回転モーターとの組合せや油圧シリンダーとオイルポンプの組合せ等の機構を用いることができる。本実施形態では、例えば、ボールネジとステップモーターとによる機構を採用している。基台15の上側には昇降板17が昇降装置16と接続して設置されている。そして、昇降板17は昇降装置16により所定の移動量だけ昇降可能になっている。
【0030】
昇降板17の上には直方体状の収納容器18が設置され、収納容器18の中には複数の半導体基板1が収納されている。収納容器18はX方向の両面に開口部18aが形成され、開口部18aから半導体基板1が出し入れ可能となっている。収納容器18のY方向の両側に位置する側面18bの内側には凸状のレール18cが形成され、レール18cはX方向に延在して配置されている。レール18cはZ方向に複数等間隔に配列されている。このレール18cに沿って半導体基板1をX方向からまたは−X方向から挿入することにより、半導体基板1がZ方向に配列して収納される。
【0031】
基台15のX方向側には支持部材21及び支持台22を介して、押出装置23が設置されている。押出装置23には、昇降装置16と同様の直動機構によりX方向に突出して半導体基板1をレール8bに向けて押し出す押出ピン23aが設けられている。従って、押出ピン23aは、レール8bと略同一の高さに設置されている。
【0032】
図2(c)に示すように、押出装置23における押出ピン23aが+X方向に突出することにより、レール18cよりも僅かに+Z側の高さに位置する半導体基板1が収納容器18から押し出されて、レール8b上に移動して支持される。
【0033】
半導体基板1がレール8b上に移動した後に、押出ピン23aは、図2(b)に示す待機位置に戻る。次に、昇降装置16が収納容器18を降下させて、次に処理される半導体基板1を押出ピン23aと対向する高さに移動させる。この後、上記と同様にして、押出ピン23aを突出させて半導体基板1をレール8b上に移動させる。
【0034】
このようにして供給部8は順次半導体基板1を収納容器18からレール8b上に移動する。収納容器18内の半導体基板1を総て中継台23上に移動した後、操作者は空になった収納容器18と半導体基板1が収納されている収納容器18とを置き換える。これにより、供給部8に半導体基板1を供給することができる。
【0035】
(前処理部)
前処理部9は、中継場所9a、9bに搬送された半導体基板1に対して、処理場所9dにおいて前処理を行う。前処理としては、加熱した状態で、例えば、低圧水銀ランプ、水素バーナー、エキシマレーザー、プラズマ放電部、コロナ放電部等による活性光線の照射を例示できる。水銀ランプを用いる場合、半導体基板1に紫外線を照射することにより、半導体基板1の表面の撥液性を改質することができる。水素バーナーを用いる場合、半導体基板1の酸化した表面を一部還元することで表面を粗面化することができ、エキシマレーザーを用いる場合、半導体基板1の表面を一部溶融固化することで粗面化することができ、プラズマ放電或いはコロナ放電を用いる場合、半導体基板1の表面を機械的に削ることで粗面化することができる。本実施形態では、例えば、水銀ランプを採用している。前処理が終了した後、前処理部9は半導体基板1を中継場所9cに移動する。続いて、搬送部13が中継場所9cから半導体基板1を除材する。
【0036】
(冷却部)
冷却部11は、各処理場所11a、11bにそれぞれ設けられ、上面が半導体装置1の吸着保持面とされたヒートシンク等の冷却板110a、110bを有している。処理場所11a、11b(冷却板110a、110b)は、把持部13aの動作範囲内に位置しており、処理場所11a、11bにおいて冷却板110a、110bは露出する。従って、搬送部13は容易に半導体基板1を冷却板110a、110bに載置することができる。半導体基板1に冷却処理が行われた後、半導体基板1は、処理場所11aに位置する冷却板110a上または処理場所11bに位置する冷却板110a上にて待機する。従って、搬送部13の把持部13aは容易に半導体基板1を把持して移動させることができる。
【0037】
(塗布部)
次に、半導体基板1に液滴を吐出してマークを形成する塗布部10について図3乃至図6に従って説明する。液滴を吐出する装置に関しては様々な種類の装置があるが、インクジェット法を用いた装置が好ましい。インクジェット法は微小な液滴の吐出が可能であるため、微細加工に適している。
【0038】
図3(a)は、塗布部の構成を示す概略斜視図である。塗布部10により半導体基板1に液滴が吐出される。図3(a)に示すように、塗布部10には、直方体形状に形成された基台37を備えている。液滴を吐出するときに液滴吐出ヘッドと被吐出物とが相対移動する方向を主走査方向とする。そして、主走査方向と直交する方向を副走査方向とする。
【0039】
副走査方向は改行するときに液滴吐出ヘッドと被吐出物とを相対移動する方向である。本実施形態ではY方向(第2方向)を主走査方向とし、X方向(第1方向)を副走査方向とする。
【0040】
基台37の上面37aには、X方向に延在する一対の案内レール38がX方向全幅にわたり凸設されている。その基台37の上側には、一対の案内レール38に対応する図示しない直動機構を備えたステージ39が取付けられている。そのステージ39の直動機構は、リニアモーターやネジ式直動機構等を用いることができる。本実施形態では、例えば、リニアモーターを採用している。そして、ステージ39は、X方向に沿って所定の速度で往動または復動するようになっている。往動と復動を繰り返すことを走査移動と称す。さらに、基台37の上面37aには、案内レール38と平行に副走査位置検出装置40が配置され、副走査位置検出装置40によりステージ39の位置が検出される。
【0041】
そのステージ39の上面には載置面(載置部)41が形成され、その載置面41には図示しない吸引式の基板チャック機構が設けられている。載置面41上に半導体基板1が載置された後、半導体基板1は基板チャック機構により載置面41に固定される。
【0042】
ステージ39が、例えば、+X側に位置するときの載置面41の場所が半導体基板1のロード位置またはアンロード位置の中継場所となっている。この載置面41は把持部13aの動作範囲内に露出するように設置されている。従って、搬送部13は容易に半導体基板1を載置面41に載置することができる。半導体基板1に塗布(マーク描画)が行われた後、半導体基板1は中継場所である載置面41上にて待機する。従って、搬送部13の把持部13aは容易に半導体基板1を把持して移動することができる。
【0043】
基台37のY方向両側には一対の支持台42が立設され、その一対の支持台42にはY方向に延びる案内部材43が架設されている。案内部材43の下側にはY方向に延びる案内レール44がX方向全幅にわたり凸設されている。案内レール44に沿って移動可能に取り付けられるキャリッジ(移動手段)45は略直方体形状に形成されている。そのキャリッジ45は直動機構を備え、その直動機構は、例えば、ステージ39が備える直動機構と同様の機構を用いることができる。そして、キャリッジ45がY方向に沿って走査移動する。案内部材43とキャリッジ45との間には主走査位置検出装置46が配置され、キャリッジ45の位置が計測される。キャリッジ45の下側にはヘッドユニット47が設置され、ヘッドユニット47のステージ39側の面には図示しない液滴吐出ヘッドが凸設されている。
【0044】
図3(b)は、キャリッジを示す模式側面図である。図3(b)に示すようにキャリッジ45の半導体基板1側にはヘッドユニット47と一対の照射部としての硬化ユニット48が、Y方向に関してキャリッジ45の中心からそれぞれ等間隔で配置されている。ヘッドユニット47の半導体基板1側には液滴を吐出する液滴吐出ヘッド(吐出ヘッド)49が凸設されている。
【0045】
キャリッジ45の図中上側には収容タンク50が配置され、収容タンク50には機能液が収容されている。液滴吐出ヘッド49と収容タンク50とは図示しないチューブにより接続され、収容タンク50内の機能液がチューブを介して液滴吐出ヘッド49に供給される。
【0046】
機能液は樹脂材料、硬化剤としての光重合開始剤、溶媒または分散媒を主材料とする。この主材料に顔料または染料等の色素や、親液性または撥液性等の表面改質材料等の機能性材料を添加することにより固有の機能を有する機能液を形成することができる。本実施形態では、例えば、白色の顔料を添加している。機能液の樹脂材料は樹脂膜を形成する材料である。樹脂材料としては、常温で液状であり、重合させることによりポリマーとなる材料であれば特に限定されない。さらに、粘性の小さい樹脂材料が好ましく、オリゴマーの形態であるのが好ましい。モノマーの形態であればさらに好ましい。光重合開始剤はポリマーの架橋性基に作用して架橋反応を進行させる添加剤であり、例えば、光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール等を用いることができる。溶媒または分散媒は樹脂材料の粘度を調整するものである。機能液を液滴吐出ヘッドから吐出し易い粘度にすることにより、液滴吐出ヘッドは安定して機能液を吐出することができるようになる。
【0047】
以下、機能液の具体的構成について説明する。
本実施形態に係る機能液として、放射線硬化型インクジェット用インク組成物が挙げられる。当該インク組成物は、ペンタエリスリトール骨格を有する化合物を一種以上含有する重合性化合物と、光重合開始剤と、所定範囲のHLB値を有する所定量のポリシロキサンと、を含む。なお、本明細書において、「HLB」(value of hydrophile and liophile balance)とは、ポリシロキサンの親水性・疎水性バランスを数値的に示したものである。また、上記HLBは、グリフィン法より算出された値とする。
【0048】
また、上記インク組成物は、被記録媒体としてのパッケージ基材又は半導体基材に記録するという用途に適するという特徴を有する。以下、本実施形態のインク組成物に含まれるか、又は含まれ得る添加剤(成分)を説明する。
【0049】
〔重合性化合物〕
本実施形態のインク組成物に含まれる重合性化合物は、後述する光重合開始剤の作用により光照射時に重合されて、印刷されたインクを硬化させることができる。
(ペンタエリスリトール骨格を有する化合物)
本実施形態のインク組成物は、重合性化合物として、ペンタエリスリトール骨格(C(CH2O−)4)を有する化合物を一種以上含有する。
【0050】
インク組成物がペンタエリスリトール骨格を有する化合物を含有することにより、特に硬化したインクにおける耐擦性を良好なものとすることができる。
【0051】
ペンタエリスリトール骨格を有する化合物として、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル及びペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等のオキセタン化合物、並びにこれらのエチレンオキサイド(EO)付加物及びプロピレンオキサイド(PO)付加物のうち少なくともいずれかが挙げられる。
【0052】
これらの中でも、ペンタエリスリトール骨格を有する多官能(メタ)アクリレートが好ましく、ペンタエリスリトール骨格を有する多官能アクリレートがより好ましい。ペンタエリスリトール骨格を有する多官能(メタ)アクリレートの中でも、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのうち少なくともいずれかが好ましく、ペンタエリスリトールトリアクリレート及びペンタエリスリトールテトラアクリレートのうち少なくともいずれかがより好ましく、ペンタエリスリトールトリアクリレートがさらに好ましい。上記の場合、インクの粘度が低下し、かつ、インクにおける架橋密度が増大する。
【0053】
上記のペンタエリスリトール骨格を有する化合物は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、7〜25質量%含まれることが好ましく、10〜20質量%含まれることがより好ましい。ペンタエリスリトール骨格を有する化合物の含有量が上記範囲内であると、記録された画像の視認性、インクの吐出安定性、及び硬化したインクにおける耐擦性のいずれにも優れたものとなる。
【0054】
(分子中にビニル基及び(メタ)アクリル基を共に有する化合物)
本実施形態のインク組成物は、下記一般式(I)で表される化合物(以下、「モノマーA」という。)を含んでもよい。
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
上記モノマーAは、分子中にビニル基及び(メタ)アクリル基を共に有する化合物であり、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と換言することができる。
【0055】
インク組成物がモノマーAを含有することにより、インクの硬化性などを良好なものとすることができる。
【0056】
上記の一般式(I)において、R2で表される2価の有機残基としては、炭素数2〜20の直鎖状、分枝状又は環状のアルキレン基、構造中にエーテル結合及びエステル結合の少なくとも一方による酸素原子を有する炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数6〜11の置換されていてもよい2価の芳香族基が好適である。これらの中でも、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、及びブチレン基などの炭素数2〜6のアルキレン基、オキシエチレン基、オキシn−プロピレン基、オキシイソプロピレン基、及びオキシブチレン基などの構造中にエーテル結合による酸素原子を有する炭素数2〜9のアルキレン基が好適に用いられる。
【0057】
上記の一般式(I)において、R3で表される炭素数1〜11の1価の有機残基としては、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基、炭素数6〜11の置換されていてもよい芳香族基が好適である。これらの中でも、メチル基又はエチル基である炭素数1〜2のアルキル基、フェニル基及びベンジル基などの炭素数6〜8の芳香族基が好適に用いられる。
【0058】
上記の有機残基が置換されていてもよい基である場合、その置換基は、炭素原子を含む基及び炭素原子を含まない基に分けられる。まず、上記置換基が炭素原子を含む基である場合、当該炭素原子は有機残基の炭素数にカウントされる。炭素原子を含む基として、以下に限定されないが、例えばカルボキシル基、アルコキシ基が挙げられる。次に、炭素原子を含まない基として、以下に限定されないが、例えば水酸基、ハロ基が挙げられる。
【0059】
上記の一般式(I)で表されるモノマーAの具体例としては、以下に限定されないが、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ビニロキシメチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1,1−ジメチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸6−ビニロ
キシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸m−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸o−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)イソプ
ロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、及び(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノビニルエーテルが挙げられる。
【0060】
上記したものの中でも、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸5−ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチルが好ましい。
【0061】
これらの中でも、低粘度で、引火点が高く、かつ、硬化性に優れるため、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルが好ましく、さらに、臭気が低く、皮膚への刺激を抑えることができ、かつ、反応性及び密着性に優れるため、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルがより好ましい。
【0062】
(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルとしては、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル及び(メタ)アクリル酸2−(1−ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられ、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルとしては、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル及びアクリル酸2−(1−ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられる。
【0063】
モノマーAは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0064】
モノマーAは、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、好ましくは20〜50質量%含まれる。モノマーAの含有量が上記範囲内であると、硬化したインクにおける耐擦性などを良好なものとすることができる。
【0065】
上記一般式(I)で表されるモノマーAの製造方法としては、以下に限定されないが、(メタ)アクリル酸と水酸基含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法B)、(メタ)アクリル酸ハロゲン化物と水酸基含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法C)、(メタ)アクリル酸無水物と水酸基含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法D)、(メタ)アクリル酸エステル類と水酸基含有ビニルエーテル類とをエステル交換する方法(製法E)、(メタ)アクリル酸とハロゲン含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法F)、(メタ)アクリル酸アルカリ(土類)金属塩とハロゲン含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法G)、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類とカルボン酸ビニルとをビニル交換する方法(製法H)、水酸基含有(メ
タ)アクリル酸エステル類とアルキルビニルエーテル類とをエーテル交換する方法(製法I)が挙げられる。
【0066】
これらの中でも、本実施形態に所望の効果を一層発揮することができるため、製法Eが好ましい。
【0067】
(上記以外の重合性化合物)
上記以外の重合性化合物(以下、「その他の重合性化合物」という。)としては、従来公知の、単官能、2官能、及び3官能以上の多官能といった種々のモノマー及びオリゴマーが使用可能である。上記モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸及びマレイン酸等の不飽和カルボン酸やそれらの塩又はエステル、ウレタン、アミド及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、並びに不飽和ウレタンが挙げられる。また、上記オリゴマーとしては、例えば、直鎖アクリルオリゴマー等の上記のモノマーから形成されるオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレー
ト及びポリエステル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0068】
また、他の単官能モノマーや多官能モノマーとして、N−ビニル化合物を含んでいてもよい。そのようなN−ビニル化合物として、例えば、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルフォルムアミド、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、及びアクリロイルモルホリン、並びにそれらの誘導体が挙げられる。
【0069】
上記のうち、硬化したインクにおける耐擦性を良好にすることができるため、N−ビニルカプロラクタムが好ましい。
【0070】
その他の重合性化合物のうち、(メタ)アクリル酸のエステル、即ち(メタ)アクリレートが好ましく、2官能以上である多官能の(メタ)アクリレートがより好ましく、多官能のアクリレートがさらに好ましい。
【0071】
上記(メタ)アクリレートのうち、単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イ
ソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ラクトン変性可とう性(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0072】
これらの中でも、粘度及び臭気を低減させるため、フェノキシエチル(メタ)アクリレート及びイソボルニル(メタ)アクリレートのうち少なくとも一方が好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましく、フェノキシエチルアクリレートがさらに好ましい。
【0073】
上記(メタ)アクリレートのうち、多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、及びポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の
2官能(メタ)アクリレート、並びに、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のジペンタエリスリトール骨格を有する(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエ
リスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、及びトリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等のトリペンタエリスリトール骨格を有する(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、及びテトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート等のテトラペンタエリスリトール骨格を有する(メタ)アクリレート、ペンタペンタエリスリトールウンデカ(メタ)アクリレート及びペンタペンタエリスリトールドデカ(メタ)アクリレート等のペンタペンタ
エリスリトール骨格を有する(メタ)アクリレート、並びにこれらのエチレンオキサイド(EO)付加物及びプロピレンオキサイド(PO)付加物のうち少なくともいずれか等、3官能以上の(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0074】
これらの中でも、硬化したインクにおける耐擦性を良好にすることができるため、ジペンタエリスリトール骨格を有する(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトール骨格を有する(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトール骨格を有する(メタ)アクリレート、ペンタペンタエリスリトール骨格を有する(メタ)アクリレート、及びポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートからなる群より選択される1種以上が好ましい。
【0075】
上記その他の重合性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0076】
(レベリング剤)
本実施形態のインク組成物は、界面活性剤の一種であるレベリング剤として、ポリシロキサンを必須に含む。上記インク組成物がこのポリシロキサンを含むことにより、記録された画像の視認性、インクの吐出安定性、及び硬化したインクにおける耐擦性を良好なものとすることができる。
【0077】
ポリシロキサンのHLB値は5〜12である。HLB値が5〜12であると、記録された画像の視認性、インクの吐出安定性、及び硬化したインクにおける耐擦性のいずれも優れたものとなり、特に視認性及び吐出安定性を優れたものとすることがでる。また、視認性及び吐出安定性を一層良好なものとするため、好ましくは9〜12である。
【0078】
ポリシロキサンは、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、0.1〜2質量%含まれ、好ましくは0.12〜1.6質量%含まれる。ポリシロキサンの含有量が上記範囲内であると、記録された画像の視認性、インクの吐出安定性、及び硬化したインクにおける耐擦性のいずれも優れたものとなる。
【0079】
〔光重合開始剤〕
本実施形態のインク組成物は、光重合開始剤を含む。光重合開始剤は、放射線の照射による光重合によって、被記録媒体の表面に存在するインクを硬化させて画像を形成するために用いられる。ここで、上記放射線としては、γ線、β線、電子線、紫外線(UV)、可視光線及び赤外線が挙げられる。中でも、安全性に優れ、且つ光源にかかるコストを抑えることができるため、紫外線が好ましい。光重合開始剤としては、光のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、上記重合性化合物の重合を開始させるものであれば、制限はないが、光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤を使用することができ、中でも光ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
【0080】
上記の光ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルホスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物が挙げられる。
【0081】
これらの中でも、特にインクの硬化性を良好にすることができるため、アシルホスフィンオキサイド化合物及びチオキサントン化合物のうち少なくともいずれかが好ましく、アシルホスフィンオキサイド化合物がより好ましい。
【0082】
光ラジカル重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、及びビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシドが挙げられる。
【0083】
光ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えば、IRGACURE 651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、IRGACURE 184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、DAROCUR 1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)、IRGACURE 2959(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン)、IRGACURE 127(2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン}、IRGACURE 907(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、IRGACURE 3
69(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)、IRGACURE 379(2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)、DAROCUR TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)、IRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)、IRGACURE 784(ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム)、IRGACURE OXE 01(1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])、IRGACURE OXE 02(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム))、IRGACURE 754(オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物)(以上、BASF社製)、Speedcure TPO(Lambson製)、KAYACURE DETX−S(2,4−ジエチルチオキサントン)(日本化薬社(Nippon Kayaku Co., Ltd.)製)、Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製)、及びユベクリルP36(UCB社製)などが挙げられる。
【0084】
上記光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0085】
光重合開始剤は、放射線硬化速度を増大させ、かつ、光重合開始剤の溶け残りや光重合開始剤に由来する着色を避けるため、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、5〜20質量%含まれることが好ましい。
【0086】
なお、上述の重合性化合物として光重合性の化合物を用いることにより、光重合開始剤の添加を省略することが可能である。しかし、光重合開始剤を用いた方が、重合の開始を容易に調整することができ、好適である。
【0087】
〔重合禁止剤〕
本実施形態のインク組成物は、硬化前における重合性化合物の重合反応を抑えるため、重合禁止剤を含んでもよい。重合禁止剤として、以下に限定されないが、例えば、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、ジ−t−ブチルパラクレゾール、ヒドロキノンモノメチルエーテル、α−ナフトール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、及び4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール化合物、p−ベンゾキノン、アントラキノン、ナフトキノン、フェナンスラキノン、p−キシロキノン、p−トルキノン、2,6−ジクロロキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジ
アセトキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジカプロキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジアシロキシ−p−ベンゾキノン、ヒドロキノン、2,5−ジーブチルヒドロキノン、モノ−t−ブチルヒドロキノン、モノメチルヒドロキノン、及び2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン等のキノン化合物、フェニル−β−ナフチルアミン、p−ベンジルアミノフェノール、ジ−β−ナフチルパラフェニレンジアミン、ジベンジルヒドロキシルアミン、フェニルヒドロキシルアミン、及びジエチルヒドロキシルアミン等のアミン化合物、ジニトロベンゼン、トリニトロトルエン、及びピクリン酸などのニトロ化合物、キノンジオキシム及びシクロヘキサノンオキシム等のオキシム化合物、フェノチアジン等の硫黄化合物が挙げられる。
【0088】
〔色材〕
本実施形態のインク組成物は、色材をさらに含むことが好ましい。色材は、顔料及び染料のうち少なくとも一方を用いることができる。
【0089】
(顔料)
本実施形態において、色材として顔料を用いることにより、インク組成物の耐光性を良好なものとすることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
【0090】
無機顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
【0091】
有機顔料としては、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。
【0092】
更に詳しくは、ブラックインクとして使用されるカーボンブラックとして、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch
1400等(キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ(Degussa)社製)が挙げられる。
【0093】
ホワイトインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21が挙げられる。
【0094】
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180が挙げられる。
【0095】
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、又はC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。
【0096】
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バット ブルー 4、60が挙げられる。
【0097】
また、マゼンタ、シアン、及びイエロー以外の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン 7,10、C.I.ピグメントブラウン 3,5,25,26、C.I.ピグメントオレンジ 1,2,5,7,13,14,15,16,24,34,36,38,40,43,63が挙げられる。
【0098】
上記顔料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0099】
上記の顔料を使用する場合、その平均粒子径は300nm以下が好ましく、50〜250nmがより好ましい。平均粒子径が上記の範囲内にあると、インク組成物における吐出安定性や分散安定性などの信頼性に一層優れるとともに、優れた画質の画像を形成することができる。ここで、本明細書における平均粒子径は、動的光散乱法により測定される。
【0100】
(染料)
本実施形態において、色材として染料を用いることができる。染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能である。前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック
19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
【0101】
上記染料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0102】
色材の含有量は、優れた隠蔽性及び色再現性が得られるため、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、1〜20質量%が好ましい。
【0103】
〔分散剤〕
本実施形態のインク組成物が顔料を含む場合、顔料分散性をより良好なものとするため、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤として、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。その具体例として、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマー及びコポリマー、アクリル系ポリマー及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、及びエポキシ樹脂のうち一種以上を主成分とするものが挙げられる。高分子分散剤の市販品として、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズ、アベシア社(Avecia Co.)から入手可能なソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000等)、BYK社
製のディスパービックシリーズ、楠本化成社製のディスパロンシリーズが挙げられる。
【0104】
〔スリップ剤〕
本実施形態のインク組成物は、硬化したインクにおける耐擦性を良好にすることができるため、界面活性剤の一種であるスリップ剤を含んでもよい。スリップ剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系界面活性剤として、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーンを用いることができ、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いることが特に好ましい。具体例としては、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(以上、BYK社製)を挙げることができる。
【0105】
〔その他の添加剤〕
本実施形態のインク組成物は、上記に挙げた添加剤以外の添加剤(成分)を含んでもよい。このような成分としては、特に制限されないが、例えば従来公知の、重合促進剤、浸透促進剤、及び湿潤剤(保湿剤)、並びにその他の添加剤があり得る。上記のその他の添加剤として、例えば従来公知の、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、放射線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤が挙げられる。
【0106】
図4(a)は、ヘッドユニットを示す模式平面図である。図4(a)に示すように、ヘッドユニット47には、2つの液滴吐出ヘッド49が副走査方向(X方向)に間隔をあけて配置され、各液滴吐出ヘッド49の表面にはノズルプレート51(図4(b)参照)がそれぞれ配置されている。各ノズルプレート51には複数のノズル52が配列して形成されている。本実施形態においては、各ノズルプレート51に、15個のノズル52が副走査方向に沿って配置されたノズル列60B〜60EがY方向に間隔をあけて配置されていえる。また、2つの液滴吐出ヘッド49における各ノズル列60B〜60Eは、X方向に沿って直線上に配置されている。ノズル列60B、60Eは、Y方向に関してキャリッジ45の中心から等間隔で配置されている。同様に、ノズル列60C、60Dは、Y方向に関してキャリッジ45の中心から等間隔で配置されている。従って、+Y側の硬化ユニット48とノズル列60Bとの距離と、−Y側の硬化ユニット48とノズル列60Eとの距離とは同一となる。また、+Y側の硬化ユニット48とノズル列60Cとの距離と、−Y側の硬化ユニット48とノズル列60Dとの距離とは同一となる。
【0107】
図4(b)は、液滴吐出ヘッドの構造を説明するための要部模式断面図である。図4(b)に示すように、液滴吐出ヘッド49はノズルプレート51を備え、ノズルプレート51にはノズル52が形成されている。ノズルプレート51の上側であってノズル52と相対する位置にはノズル52と連通するキャビティ53が形成されている。そして、液滴吐出ヘッド49のキャビティ53には機能液(液体)54が供給される。
【0108】
キャビティ53の上側には上下方向に振動してキャビティ53内の容積を拡大縮小する振動板55が設置されている。振動板55の上側でキャビティ53と対向する場所には上下方向に伸縮して振動板55を振動させる圧電素子56が配設されている。圧電素子56が上下方向に伸縮して振動板55を加圧して振動し、振動板55がキャビティ53内の容積を拡大縮小してキャビティ53を加圧する。それにより、キャビティ53内の圧力が変動し、キャビティ53内に供給された機能液54はノズル52を通って吐出される。
【0109】
硬化ユニット48は、図3(b)及び図4(a)に示すように、主走査方向(相対移動方向)においてヘッドユニット47を挟んだ両側の位置に配置されている。硬化ユニット48の内部には吐出された液滴を硬化させる紫外線を照射する照射装置が配置されている。照射装置は発光ユニットと放熱板等から構成されている。発光ユニットには多数のLED(Light Emitting Diode)素子が配列して設置されている。このLED素子は、電力の供給を受けて紫外線の光である紫外光を発光する素子である。硬化ユニット48の下面には、照射口48aが形成されている。そして、照射装置が発光する紫外光が照射口48aから半導体基板1に向けて照射される。
【0110】
液滴吐出ヘッド49が圧電素子56を制御駆動するためのノズル駆動信号を受けると、圧電素子56が伸張して、振動板55がキャビティ53内の容積を縮小する。その結果、液滴吐出ヘッド49のノズル52から縮小した容積分の機能液54が液滴57となって吐出される。機能液54が塗布された半導体基板1に対しては、照射口48aから紫外光が照射され、硬化剤を含んだ機能液54を固化または硬化させるようになっている。
【0111】
(収納部)
図5(a)は収納部を示す模式正面図であり、図5(b)及び図5(c)は収納部を示す模式側面図である。図5(a)及び図5(b)に示すように、収納部12は基台74を備えている。基台74の内部には昇降装置75が設置されている。昇降装置75は供給部8に設置された昇降装置16と同様の装置を用いることができる。基台74の上側には昇降板76が昇降装置75と接続して設置されている。そして、昇降板76は昇降装置75により昇降させられる。昇降板76の上には直方体状の収納容器18が設置され、収納容器18の中には半導体基板1が収納されている。収納容器18は供給部8に設置された収納容器18と同じ容器が用いられている。
【0112】
搬送部13によって中継場所としてのレール12bに載置された半導体基板1は、当該搬送部13によってレール12bから収納容器18に移動する。または、搬送部13によってレール12bから収納容器18への中途まで移動した後に、例えば、図5(c)に示すように、レール12bの下方で、Y方向ではレール12b、12b間に位置し、上記押出装置23と同様の構成を有し、図示しない昇降装置により上記の中途位置にある半導体基板1と対向する位置まで上昇可能な押出装置80を設け、搬送部13が半導体基板1をレール12bに載置する際には押出装置80をレール12bの下方で待機させ、搬送部13がレール12bから退避した際には、押出装置80を上昇させて半導体基板1の側面と対向させ、押出ピン23aを+X方向に突出することにより、半導体基板1を収納容器18に移動させる構成としてもよい。
【0113】
上記のように、半導体基板1の収納容器18への収納と、昇降装置75による収納容器18のZ方向への移動とを繰り返して、収納容器18内に所定の枚数の半導体基板1が収納された後、操作者は半導体基板1が収納された収納容器18と空の収納容器18とを置き換える。これにより、操作者は複数の半導体基板1をまとめて次の工程に持ち運ぶことができる。
【0114】
(搬送部)
次に、半導体基板1を搬送する搬送部13について図1、図6及び図7に従って説明する。
【0115】
搬送部13は、装置内の天部に設けられた支持体83を備えており、支持体83の内部にはモーター、角度検出器、減速機等から構成される回転機構が設置されている。そして、モーターの出力軸は減速機と接続され、減速機の出力軸は支持体83の下側に配置された第1腕部84と接続されている。また、モーターの出力軸と連結して角度検出器が設置され、角度検出器がモーターの出力軸の回転角度を検出する。これにより、回転機構は第1腕部84の回転角度を検出して、所望の角度まで回転させることができる。
【0116】
第1腕部84上において支持体83と反対側の端には回転機構85が設置されている。
【0117】
回転機構85はモーター、角度検出器、減速機等により構成され、支持体83の内部に設置された回転機構と同様の機能を備えている。そして、回転機構85の出力軸は第2腕部86と接続されている。これにより、回転機構85は第2腕部86の回転角度を検出して、所望の角度まで回転させることができる。
【0118】
第2腕部86上において回転機構85と反対側の端には昇降装置87が配置されている。昇降装置87は直動機構を備え、直動機構を駆動することにより伸縮することができる。この直動機構は、例えば、供給部8の昇降装置16と同様の機構を用いることができる。
【0119】
図6(a)は、腕部13bの−Z側に把持部13aが設けられた正面図、図6(b)は平面図(ただし、腕部13bは図示せず)、図6(c)は左側面図である。
【0120】
なお、把持部13aは、腕部13bに対してθZ方向(Z軸回りの回転方向)に回転移動可能に設けられ、XY平面における位置が変動するため、以下の説明では便宜上、XY平面と平行な一方向をx方向、XY平面と平行でx方向と直交する方向をy方向として説明する(Z方向は共通)。
【0121】
把持部13aは、腕部13bに対してθZ方向には回転可能、且つ半導体基板1の把持の際に固定状態で用いられる固定部100と、固定部100に対してZ方向に移動自在に設けられた移動部110とを備えている。
【0122】
固定部100は、Z軸部材101、懸架部材102、連結部材103、連結板104、挟持板105、フォーク部106を主体として構成されている。Z軸部材101は、Z方向に延在し腕部13bにZ軸回りに回転可能に設けられている。懸架部材102は、x方向に延在する板状に形成されており、x方向の中央部においてZ軸部材101の下端に固定されている。連結板104は、懸架部材102と平行に互いに隙間をあけて配置され、当該懸架部材104とx方向両端側で連結部材103によって連結されている。挟持板105は、x方向に延在する板状に形成されており、図6(c)に示すように、+Z側の表面における+y側の端縁で連結板104の下端に固定されている。そして、挟持板105における+Z側の表面のうち、−y側の端縁側が半導体基板1を挟持する際の挟持面105aとなっている。
【0123】
フォーク部106は、挟持面105aで挟持された半導体基板1の下面(−Z側の面)を下方から支持するものであって、挟持板105の−y側の側面からy方向に延出させ、且つx方向に間隔をあけて複数(ここでは4本)設けられている。フォーク部106の配置間隔及び本数は、半導体基板1の長さが機種等に応じて変動した場合でも、少なくとも長さ方向で1箇所、好ましくは2箇所以上で支持可能に設定される。
【0124】
移動部110は、昇降部111、把持板112を主体として構成されている。昇降部111は、エアシリンダ機構等で構成されており、Z軸部材101に沿って昇降する。把持板112は、昇降部111と一体的に昇降可能に設けられており、連結部材103、103間のx方向の隙間長よりも短く、懸架部材102と連結板104との間の隙間よりも小さな幅を有し、これら連結部材103、103間の隙間及び懸架部材102と連結板104との間の隙間にZ方向に移動可能に挿入された挿入部112aと、挿入部112aよりも下方に位置し、懸架部材102よりも下方で挟持板105とほぼ同じ長さでx方向に延在する挟持板112bとが一体的に形成されてなるものである。
【0125】
上記挿入部112a及び挟持板112bとからなる把持板112は、昇降部111の昇降に応じて一体的にZ方向に移動する。把持板112が下降した際には、挟持板115との間で半導体基板1の一端縁を挟持して把持可能であり、把持板112が上昇した際には、挟持板115から離間することで半導体基板1に対する把持が解除される。
【0126】
そして、搬送部13に配置された検出器の出力を入力して把持部13aの位置と姿勢とを検出し、回転機構85等を駆動して把持部13aを所定の位置に移動させることにより、把持部13aで把持する半導体基板1を所定の処理部に搬送することができる。
【0127】
図8は、印刷装置7に係る制御系のブロック図である。
図8に示すように、上述した供給部8、前処理部9、塗布部10、後処理部14、収納部12の動作は制御部CONTにより統括的に制御される。また、制御部CONTには、データ格納部130が接続されている。データ格納部130には、印刷装置7における上記の複数の処理装置において、半導体装置3の表面3a上に形成するパターンのデータが格納されている。
【0128】
当該パターンのデータとして、例えば一つの形状に対して太い線幅のパターンを形成する第一データ131と、当該一つの形状に対して細い線幅のパターンを形成する第二データ132とが格納されている。本実施形態では、第二データ132によって形成されるパターンが第一データ131によって形成されるパターンからはみ出さないように設定されている。
【0129】
(印刷方法)
次に上述した印刷装置7を用いた印刷方法について図9にて説明する。図9は、印刷方法を示すためのフローチャートである。
図9のフローチャートに示されるように、印刷方法は、半導体基板1を収納容器18から搬入する搬入工程S1、搬入された半導体基板1の表面に対して前処理を施す前処理工程S2、前処理工程S2で温度上昇した半導体基板1を冷却する冷却工程S3、冷却された半導体基板1に対して各種マークを描画印刷する印刷工程S4、各種マークが印刷された半導体基板1に対して後処理を施す後処理工程S5、後処理が施された半導体基板1を収納容器18に収納する収納工程S6を主体に構成される。
【0130】
上記の工程の中、印刷工程S4が本発明の特徴部分であるため、以下の説明においては、この特徴部分について説明する。
【0131】
前処理工程で前処理が施され、冷却工程S3で冷却された半導体基板1は、搬送部13により塗布部10の中継場所10aに位置するステージ39上に搬送される。印刷工程S4において、塗布部10はチャック機構を作動させてステージ39上に載置された半導体基板1をステージ39に保持する。
【0132】
その後、塗布部10は、データ格納部130に格納された第一データ131に基づいて、ステージ39及びキャリッジ45を走査移動しながら、液滴吐出ヘッド49に形成されたノズル52から液滴57を吐出する(第一吐出工程:S41)。これにより、図10(a)に示すように、半導体装置3の表面3aには会社名マーク4、機種コード5、製造番号6等の形状に吐出された液滴57の層が形成される。このとき、半導体装置3の表面3aに対する液滴57の接触角をαとする。
【0133】
液滴57の層を形成した後、キャリッジ45に設置された硬化ユニット48から液滴57に紫外線が照射される。液滴57の層を構成する機能液54には、紫外線により重合が開始する光重合開始剤が含まれているため、図10(b)に示すように、液滴57の層の表面が直ちに固化または硬化される。この結果、半導体装置3の表面には、マークの第一層R1が形成される(第一層形成工程:S42)。
【0134】
マークの第一層R1を形成した後、データ格納部130に格納された第二データ132に基づいて、塗布部10は、再度ステージ39及びキャリッジ45を走査移動しながら、液滴吐出ヘッド49に形成されたノズル52から当該第一層R1上に液滴57を吐出する(第二吐出工程:S43)。本工程では、第二データ132に基づいて液滴57を吐出するため、第一層R1上からはみ出さないように液滴57が配置される。この動作により、図10(c)に示すように、第一層R1上に液滴57の層が形成される。
【0135】
ここで、本実施形態では、インク組成物のうち界面活性剤の一種であるレベリング剤として、ポリシロキサンを含んでいる。しかも、ポリシロキサンは、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、0.1〜2質量%含まれ、好ましくは0.12〜1.6質量%含まれている。このため、図10(c)に示すように、第一層R1に対する液滴57の接触角βは、半導体装置3の表面3aに対する液滴57の接触角αに比べて大きくなる。このため、第一層R1上での液滴57の濡れ広がりが抑制される。
【0136】
第一層R1上に液滴57の層を形成した後、キャリッジ45に設置された硬化ユニット48から液滴57に紫外線が照射される。液滴57の層を構成する機能液54には、紫外線により重合が開始する光重合開始剤が含まれているため、図10(d)に示すように、液滴57の層の表面が直ちに固化または硬化される。この結果、半導体装置3の表面には、マークの第二層R2が形成される(第二層形成工程:S44)。
【0137】
第二層R2を形成した後に、塗布部10は半導体基板1が載置されたステージ39を中継場所10aに移動させる。これにより、搬送部13が半導体基板1を把持し易くすることができる。そして、塗布部10はチャック機構の動作を停止して半導体基板1の保持を解除する。その後、半導体基板1は、収納工程S6において、搬送部13により収納部12に搬送され、収納容器18に収納される。
【0138】
以上のように、本実施形態によれば、インクにポリシロキサンが0.1〜2質量%含まれているため、半導体装置3の表面と当該表面上に吐出されたインクとの接触角よりも、第一層R1と当該第一層R1上に吐出されたインクとの接触角の方が大きくなる。このため、第一層R1上で第二層R2が広がった状態で形成されるのを回避することができ、例えば図10(e)に示すように、第一層R1よりも第二層R2を細く形成することができる。これにより、第一層R1と第二層R2とを立体的に形成することができるため、視認性が高く微細なパターンを形成することができる。
【0139】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
上記実施形態では、UVインクとして紫外線硬化型インクを用いたが、本発明はこれに限定されず、可視光線、赤外線を硬化光として使用することができる種々の活性光線硬化型インクを用いることができる。
【0140】
また、光源も同様に、可視光等の活性光を射出する種々の活性光光源を用いること、つまり活性光線照射部を用いることができる。
【0141】
ここで、本発明において「活性光線」とは、その照射によりインク中において開始種を発生させうるエネルギーを付与することができるものであれば、特に制限はなく、広く、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含するものである。中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点からは、紫外線及び電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。従って、活性光線硬化型インクとしては、本実施形態のように、紫外線を照射することにより硬化可能な紫外線硬化型インクを用いることが好ましい。
【0142】
上記実施形態は、基材としての半導体基板1は、半導体装置3が実装された基板2であったが、シリコンなどの半導体で形成された基板であってもよい。被記録媒体としての半導体装置3は、樹脂でモールドした半導体装置であってもよいし、半導体装置そのものであってもよい。
【実施例】
【0143】
次に、本発明の実施例を説明する。
本実施例では、上記実施形態に示すように、インクの成分として、以下の材料を用いて、半導体装置3の表面3aに第一層R1を形成し、第一層R1上に第二層R2を形成した。
【0144】
光重合開始剤として、IRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)を4質量%、TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)を5質量%用いた。
【0145】
顔料として、酸化チタンを12質量%用いた。
【0146】
重合禁止剤として、MEHQ(メチルヒドロキノン)を0.1質量%用いた。
【0147】
レベリング剤として、ポリシロキサン、アセチレンジオールを用いた。
【0148】
重合性化合物として、VEEA、NVC、PEA、PETAを適宜質量%を調整しつて用いた。
【0149】
表1は、上記材料を組み合わせて用いた場合の結果を示す。
【表1】

【0150】
表1に示すように、実施例1〜実施例9及び比較例1、2に示すように、ポリシロキサンが0.1〜2質量%含まれる場合には、表面3a上の液滴57の接触角αよりも第一層R1上の液滴57の接触角βの方が大きくなった。これに対して、比較例3〜5に示すように、ポリシロキサンが含まれない場合やポリシロキサンの含有率が0.1質量%より小さい場合、2質量%より大きい場合には、接触角αと接触角βとの間には、それほど顕著な差は見られなかった。これにより、ポリシロキサンが0.1〜2質量%含まれている場合、視認性が高く微細なパターンを形成することができることがわかる。
【0151】
また、実施例1〜実施例9のように、ポリシロキサンのHLB値が5〜12の場合に、より顕著に、接触角α<接触角β、となった。したがって、ポリシロキサンのHLB値が5〜12の場合には、より視認性が高く微細なパターンを形成することができることがわかる。
【符号の説明】
【0152】
1…半導体基板(基材)、3…半導体装置、7…印刷装置、9…前処理部、10…塗布部、14…制御部、45…キャリッジ、48…硬化ユニット(照射部)、49…液滴吐出ヘッド、52…ノズル、54…機能液(液体)、57…液滴、90…筺体、90a…開口部、92…カバー部材、93…保持装置、96…固定部材、97…締結部材、97b…ヘッド部(把持部)、130…データ格納部、CONT…制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリシロキサンが0.1〜2質量%含まれる液滴を基材上に吐出する第一液滴吐出工程と、
前記基材上に吐出された前記液滴を固化させて、第一層を形成する第一層形成工程と、
前記第一層上に前記液滴を重ねて吐出する第二液滴吐出工程と、
前記第一層上に吐出された前記液滴を固化させて、第二層を形成する第二層形成工程と
を備えるパターン形成方法。
【請求項2】
前記ポリシロキサンのHLB値は、5〜12である
請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項3】
前記第二液滴吐出工程は、前記第一層上からはみ出さないように前記液滴を吐出することを含む
請求項1又は請求項2に記載のパターン形成方法。
【請求項4】
前記液滴は、活性光線で固化する成分を含み、
前記第一層形成工程及び前記第二層形成工程は、前記液滴に対して前記活性光線を照射することを含む
請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のパターン形成方法。
【請求項5】
前記活性光線は、紫外線である
請求項4に記載のパターン形成方法。
【請求項6】
前記基材は、半導体装置を備えた半導体基板であり、
前記第一液滴吐出工程は、前記半導体装置に前記液滴を吐出することを含む
請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載のパターン形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−206091(P2012−206091A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75818(P2011−75818)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】