説明

パターン描画装置およびパターン描画方法

【課題】描画光の波長とは異なる波長の観察光により描画用の光学系を介して対象物上のアライメントマークの位置を高精度に検出する。
【解決手段】パターン描画装置では、描画対象である基板の対象面上のアライメントマークが描画光の波長とは異なる波長の観察光により描画用の光学系を介して撮像部15にて撮像され、マーク像強度分布311として記憶部31に記憶される。また、パターン描画装置の記憶部31には、対象面の高さに点光源を配置した場合に撮像部15にて取得される点像強度分布313が記憶されている。マーク像強度分布311および点像強度分布313を用いて演算部32の像回復部321にて像回復が行われ、アライメントマークを示すマーク強度分布312が取得される。これにより、対象物上のアライメントマークの位置が高精度に検出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を照射することにより対象物にパターンを描画する技術に関連する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体基板や表示装置用の基板(以下、単に「基板」という。)上に塗布された感光材料に光を照射することにより基板に対するパターンの描画が行われている。このようなパターンの描画の際には、描画されるパターンの高精細化に伴い、基板と光学系との位置合わせの精度の向上が求められる。
【0003】
基板の位置合わせ方法の1つとして、描画用の光学系とは別に位置合わせ用の光学系を用いるオフアクシス方式があり、特許文献1ないし4では、描画用の投影光学系とは異なる光学系であるオフアクシス・アライメント系を用いてウエハ上のアライメントマークを検出する露光装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−180101号公報
【特許文献2】特開2006−100304号公報
【特許文献3】特開2003−218024号公報
【特許文献4】特開2002−14005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、オフアクシス方式による基板の位置合わせでは、描画用の描画光学系と観察用の観察光学系とが異なるため、描画光学系と観察光学系との相対的な位置を高精度に調整することが必要となる。一方、位置合わせの他の方法として、描画用の光学系の少なくとも一部をアライメントマークの観察用としても利用する方式(以下、TTL(Through The Lens)方式」という。)を検討した場合、TTL方式では同一の光学系が描画および観察に用いられるため、光学系の構成の簡素化が実現される。しかし、描画光と観察光とは波長が異なる場合が実際には多い。これは例えば、描画光には波長帯の狭い紫外光等が用いられることが多く、また、観察光には波長帯の広い可視光が用いられることが多いためである。このように観察光と描画光とに異なる波長の光を用いる場合、光学系は描画光の波長を基準に設計および調整が行われる。そのため、観察光に対する結像性能が十分に得られないことが多く、位置合わせの精度が低下してしまう。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、描画光の波長とは異なる波長の観察光により描画用の光学系を介して対象物上のアライメントマークの位置を高精度に検出することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、光を照射することにより対象物にパターンを描画するパターン描画装置であって、対象物を保持する保持部と、パターン描画用の描画光を出射する主光源と、前記対象物に対向するとともに前記描画光を前記対象物へと導く対物光学系と、前記描画光とは異なる波長の観察光を出射する補助光源と、前記対物光学系を経由して前記対象物へと導かれて前記対象物にて反射された前記観察光を前記対物光学系を介して受光することにより、前記対象物上のアライメントマークの像を示すマーク像強度分布を取得する撮像部と、前記対象物上に点光源が配置された場合に前記撮像部にて得られる点像強度分布を記憶する記憶部と、前記点像強度分布を用いて前記マーク像強度分布の像回復を行うことにより、前記対象物上の前記アライメントマークを示すマーク強度分布を取得し、前記マーク強度分布に基づいて前記アライメントマークの位置を検出する演算部とを備える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のパターン描画装置であって、前記記憶部が、前記対象物上において高さ方向に異なる複数の位置に点光源を配置した場合に前記撮像部にて得られる複数の点像強度分布を記憶し、前記演算部が、前記複数の点像強度分布を用いて前記マーク像強度分布の像回復を行うことにより複数のマーク強度分布を取得し、前記複数のマーク強度分布のうち前記アライメントマークを最も適切に示すものを特定することにより前記アライメントマークの高さを求める。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のパターン描画装置であって、前記複数の点像強度分布が、第1の絞り状態に対応する複数の第1点像強度分布と、前記第1の絞り状態よりも絞りを開いた第2の絞り状態に対応する複数の第2点像強度分布とを含み、前記複数の第2点像強度分布が、前記複数の第1点像強度分布よりも前記対象物上における高さ方向の間隔が小さい複数の位置に対応し、前記撮像部が、前記第1の絞り状態に対応する第1のマーク像強度分布と、前記第2の絞り状態に対応する第2のマーク像強度分布とを取得し、前記演算部が、前記複数の第1点像強度分布を用いて前記第1のマーク像強度分布の像回復を行うことにより複数の第1マーク強度分布を取得し、前記複数の第1マーク強度分布のうち前記アライメントマークを最も適切に示すものを特定することにより前記アライメントマークの第1の高さを求め、前記複数の第2点像強度分布のうち前記アライメントマークの前記第1の高さ近傍の複数の高さに対応するものを用いて前記第2の絞り状態に対応する前記第2のマーク像強度分布の像回復を行うことにより複数の第2マーク強度分布を取得し、前記複数の第2マーク強度分布のうち前記アライメントマークを最も適切に示すものを特定することにより前記第1の高さよりも精度の高い第2の高さを求める。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載のパターン描画装置であって、前記対物光学系の光軸に垂直な方向に前記保持部を前記対物光学系に対して相対的に移動する移動機構をさらに備え、前記撮像部が、前記対象物上の複数のアライメントマークを順次撮像し、前記演算部が、前記複数のアライメントマークのそれぞれの高さを求める。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のパターン描画装置であって、前記描画光が紫外線であり、前記観察光が可視光である。
【0012】
請求項6に記載の発明は、光を照射することにより対象物にパターンを描画するパターン描画方法であって、a)パターン描画用の描画光とは波長が異なる観察光を、対象物に対向するとともに前記描画光を前記対象物へと導く対物光学系を介して前記対象物に照射する工程と、b)前記対象物にて反射された前記観察光を前記対物光学系を介して撮像部にて受光することにより、前記対象物上のアライメントマークの像を示すマーク像強度分布を取得する工程と、c)前記対象物上に点光源が配置された場合に前記撮像部にて得られる点像強度分布を用いて前記マーク像強度分布の像回復を行うことにより、前記対象物上の前記アライメントマークを示すマーク強度分布を取得する工程と、d)前記マーク強度分布に基づいて前記アライメントマークの位置を検出する工程と、e)前記アライメントマークの前記位置に基づいて前記対物光学系に対する前記対象物の位置合わせを行う工程と、f)前記対物光学系を介して前記描画光を前記対象物に照射することにより前記対象物にパターンを描画する工程とを備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、描画光の波長とは異なる波長の観察光により描画用の対物光学系を介して対象物上のアライメントマークの位置を高精度に検出することができる。請求項2の発明では、アライメントマークの高さを取得することができ、請求項3の発明では、アライメントマークの高さを短時間に高い精度にて求めることができる。また、請求項4の発明では、対象物の表面の高さのばらつきを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態に係るパターン描画装置を示す図である。
【図2】アライメントマークの平面図である。
【図3】制御部の機能構成を示すブロック図である。
【図4】パターンの描画の流れを示す図である。
【図5】マーク像強度分布の例を示す図である。
【図6】点像強度分布の例を示す図である。
【図7】マーク強度分布の例を示す図である。
【図8】アライメントマークの位置の検出の流れを示す図である。
【図9】第2の実施の形態に係る制御部の機能構成を示すブロック図である。
【図10】パターンの描画の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は本発明の第1の実施の形態に係るパターン描画装置1の構成を示す図である。パターン描画装置1はマスク露光装置であり、光を照射することによりフォトマスク2に設けられたパターンが対象物である半導体基板9(以下、単に「基板9」という。)上に投影される。また、描画の対象となる基板9の対象面91上には、基板9の水平位置合わせの基準となる複数のアライメントマーク911が設けられており、図1では1つのアライメントマーク911のみを誇張して示している。なお、基板9の位置合わせに利用可能であれば、基板9上に設けられたマーク以外のパターンがアライメントマークとして利用されてもよい。
【0016】
パターン描画装置1はパターン描画用の描画光を出射する主光源11、描画光をフォトマスク2へと導く描画光導入光学系12、フォトマスク2を保持するマスク保持部16、フォトマスク2と基板9との間に位置して基板9に対向する対物光学系17、基板9を保持する保持部18、保持部18を移動する移動機構19、および、各種演算処理を行うCPUや各種情報を記憶するメモリ等により構成されてパターン描画装置1の各部の制御を行う図示省略の制御部を備える。対象面91上には感光材料の層が形成されており、パターン描画装置1では、フォトマスク2に設けられたパターンが描画光により基板9上に縮小投影されて基板9上の感光材料が感光することにより、対象面91上にパターンが描画される。
【0017】
また、パターン描画装置1は観察光を出射する補助光源13、観察光をフォトマスク2へと導く観察用補助光学系14、並びに、観察用補助光学系14および対物光学系17を介してアライメントマーク911の像を取得する撮像部15をさらに備え、対物光学系17に対する基板9の水平位置合わせのために、これらの構成によりアライメントマーク911の観察が行われる。
【0018】
パターン描画装置1の主光源11は描画光として紫外線を出射するレーザであり、主光源11から発せられた描画光は描画光導入光学系12に入射し、フォトマスク2へと導かれる。マスク保持部16は水平なXY平面に平行な平板状であり、マスク保持部16の中央部には描画光および観察光を通過させるための開口161が設けられる。フォトマスク2は描画すべきパターンの形状となっているパターン開口21、および、観察光が通過する観察用開口22を有し、パターン開口21および観察用開口22は共にマスク保持部16の開口161に重なっている。なお、観察用開口22はフォトマスク2の隅に設けられる。また、フォトマスク2を通過した描画光および観察光を基板9へと導く対物光学系17は複数のレンズおよび絞り171を有し、対物光学系17の光軸はXY平面に垂直なZ方向に平行となっている。
【0019】
基板9は保持部18上にXY平面に平行に保持され、保持部18は移動機構19上に取り付けられる。移動機構19は保持部18をX方向およびY方向に移動する水平移動機構191、並びに、水平移動機構191および保持部18を高さ方向であるZ方向に移動する昇降機構192を有し、Z方向を向く軸を中心に保持部18を回転する図示省略の回転機構をさらに有する。
【0020】
補助光源13には発光ダイオードやハロゲンランプ等が用いられ、可視光が観察光として出射される。観察用補助光学系14はビームスプリッタ141およびミラー142を有し、補助光源13から出射された観察光がビームスプリッタ141およびミラー142にて反射されて既述のように観察用開口22および対物光学系17を経由して基板9に導かれる。そして、基板9にて反射された観察光の一部は対物光学系17および観察用開口22を介して観察用補助光学系14へと導かれ、ミラー142に反射されてビームスプリッタ141を透過して撮像部15にて受光される。対象面91と撮像部15の撮像面とは光学的にほぼ共役とされる。
【0021】
図2は基板9のアライメントマーク911を例示する平面図であり、アライメントマーク911は十字となっている。対象面91にはパターンが描画される予定の複数の照射領域が設けられており、アライメントマーク911は各照射領域に対して所定の位置に正確に形成されている。なお、1つの照射領域に対して1つのアライメントマーク911が設けられてもよく、複数の照射領域に対して1つのアライメントマーク911が設けられてもよい。また、アライメントマーク911は十字状のものには限定されず、他の形状であってもよい。
【0022】
図3はパターン描画装置1の制御部3の機能構成をパターン描画装置1の他の構成と共に示すブロック図である。図3に示すように、制御部3は各種情報を記憶する記憶部31、各種の演算を行う演算部32、および、移動機構19の移動を制御する移動制御部33を有し、演算部32は撮像部15にて取得された画像のぼけの修正(以下、「像回復」という。)を行う像回復部321、像回復が行われた画像からアライメントマーク911の高さ(すなわち、高さ方向の位置)を求める高さ取得部322、並びに、水平位置合わせおよびフォーカス調整における基板9の適切な移動量を求めるずれ量算出部323を有する。
【0023】
図4はパターン描画装置1による基板9へのパターンの描画の流れを示す図である。パターンの描画では、まず、基板9の水平位置合わせおよびフォーカス調整のために、観察光が図1に示すように対象面91上の1つのアライメントマーク911に照射される(ステップS11)。そして、基板9にて反射された観察光の一部が撮像部15にて受光されることにより(すなわち、撮像部15がアライメントマーク911を撮像することにより)、アライメントマーク911の像を示す光の強度分布(以下、「マーク像強度分布」という。)が取得される(ステップS12)。マーク像強度分布は、図3中に符号311を付して示すように2次元の強度分布を示すデータとして記憶部31に記憶される。ただし、対物光学系17は描画光の波長に合わせて設計されるため、描画光とは異なる波長の観察光によるマーク像強度分布311は不鮮明なものとなる。
【0024】
マーク像強度分布311が取得されると、像回復部321にて行われる後述の演算により像回復が行われ、さらに、高さ取得部322およびずれ量算出部323によりアライメントマーク911の水平方向の位置および高さを示す情報が取得される(ステップS13)。移動制御部33は水平方向および高さ方向のずれ量に基づいて移動機構19を制御し、基板9の照射領域の水平位置合わせおよび高さ合わせ(すなわち、フォーカス調整)を行う(ステップS14)。基板9の水平位置合わせおよびフォーカス調整が完了すると、対物光学系17を介して描画光が基板9に照射されることによりフォトマスク2のパターンが基板9の1つの照射領域に描画される(ステップS15)。
【0025】
次の照射領域に描画が行われる際には、移動機構19により基板9が水平方向に移動されて照射領域が変更され、撮像部15により新たな照射領域に対応するマーク像強度分布311が取得される(ステップS11,S12)。さらに、演算部32により、変更後の照射領域に対するアライメントマーク911の水平方向の位置および高さが検出される(ステップS13)。変更後の照射領域に対しても基板9の照射領域の水平位置合わせおよびフォーカス調整が行われ、描画光によりパターンが描画される(ステップS14,S15)。ステップS11〜S15は基板9の全ての照射領域に対してパターンの描画が行われるまで繰り返される。これにより、演算部32により複数のアライメントマーク911のそれぞれの高さが求められることとなり、パターン描画装置1では、基板9が有する厚さのむら、反り、傾き等による対象面91の高さのばらつきを検出することも可能とされる。
【0026】
次に、図4のステップS13にて行われる像回復の原理について説明する。図5はマーク像強度分布311の例であり、図5に示すようにマーク像強度分布311は不鮮明となっている。以下では、撮像部15に取得されたマーク像強度分布311における対象面91のX方向およびY方向に対応する座標をそれぞれxおよびyとして、図5のマーク像強度分布311を示す関数をi(x,y)と表す。また、アライメントマーク911から撮像部15へと導かれる光のアライメントマーク911の位置における強度分布を示す関数を、撮像部15における座標に対応づけてs(x,y)と表す。s(x,y)は撮像部15における、ぼけが無い理想的なアライメントマーク911の像に等しい。
【0027】
さらに、パターン描画装置1の対象面91から撮像部15に至る光学系により決定されるぼけ関数をh(x,y)とすると、i(x,y)は数1に示すようにs(x,y)とh(x,y)とのコンボリューションとして表される。また、数2はξおよびηを二次元の周波数空間を示す変数として数1をフーリエ変換したものであり、I(ξ,η)、S(ξ,η)およびH(ξ,η)はそれぞれi(x,y)、s(x,y)およびh(x,y)をフーリエ変換したものを表す。
【0028】
【数1】

【0029】
【数2】

【0030】
一方、基板9上において点光源を配置した場合に撮像部15にて得られる像の強度分布(以下、「点像強度分布」という。)を示す点像広がり関数(Point Spread Function)もぼけ関数h(x、y)と同様に対象面91から撮像部15に至るまでの光学系により決定される。図6は点像強度分布313の例であり、図6に示すように、点像強度分布313は点光源の位置に対応する点の周辺に像が広がったものとなる。
【0031】
数2においてs(x,y)を点光源とした場合、s(x,y)をフーリエ変換したS(ξ,η)は1となる。したがって、点像広がり関数をp(x,y)と表し、フーリエ変換をFにて表すと、数3に示すように、p(x,y)をフーリエ変換したものはH(ξ,η)と等しくなる。
【0032】
【数3】

【0033】
点光源の高さが一定の場合には、XY平面内のいずれの位置においても点光源の広がりが同様であるとみなしてF{p(x,y)}を数2のH(ξ,η)に代入すると、逆フーリエ変換をF−1として理想的な像s(x,y)は数4にて表される。したがって、数4に基づいてp(x,y)およびi(x,y)を用いてデコンボリューション演算を行うことによりs(x,y)が求められる(すなわち、像回復が行われる)。
【0034】
【数4】

【0035】
図7は図5および図6に示すマーク像強度分布311および点像強度分布313を用いた像回復により求められた強度分布(以下、「マーク強度分布」という。)の例を示す図であり、図7に示すマーク強度分布312は、図5のマーク像強度分布311のぼけが修正されてアライメントマーク911を示すものとなっている。
【0036】
次に、図4のステップS13におけるアライメントマーク911の位置の検出について説明する。図8はアライメントマーク911の位置の検出の流れを示す図である。図3に示すように、制御部3の記憶部31には図1の基板9上において高さ方向(Z方向)に異なる複数の位置に点光源を配置した場合に撮像部15にて得られる複数の点像強度分布313が予め記憶されており、像回復が行われる際には、まず、点光源の1つの高さに対応する1つの点像強度分布313が選択される(ステップS131)。点像強度分布313は観察用補助光学系14および対物光学系17の設計値に基づく計算、または、ピンホール等の点光源を基板9の位置に配置した測定を予め行うことにより求められている。点像強度分布313は点光源の高さをパラメータとする関数として記憶されてもよく、この場合、ステップS131では点像強度分布313を表す関数のパラメータに値が代入される。
【0037】
点像強度分布313が選択されると、点像強度分布313およびマーク像強度分布311が演算部32の像回復部321に入力され、像回復部321では数4に基づいて像回復が行われる(ステップS132)。像回復部321により求められたs(x,y)は選択された点像強度分布313に対応するマーク強度分布312として記憶部31に記憶される(ステップS133)。
【0038】
続いて、全ての点像強度分布313について像回復が行われたか否かが確認され(ステップS134)、完了していない場合には異なる高さに位置する点光源に対応する点像強度分布313が選択される(ステップS131)。そして、マーク像強度分布311および新たに選択された点像強度分布313を用いた像回復が行われ(ステップS132)、求められたマーク強度分布312が記憶部31に記憶される(ステップS133)。全ての高さに位置する点光源に対応する点像強度分布313を用いて計算が行われるまで、マーク強度分布312の取得および記憶が繰り返され(ステップS131〜S133)、複数のマーク強度分布312が取得される。
【0039】
複数のマーク強度分布312はそれぞれ画像データとして高さ取得部322に入力され、高さ取得部322では、画像データが示す画素の階調数の最大値であるImaxおよび最小値であるIminがそれぞれ取得される。さらに、((Imax−Imin)/(Imax+Imin))により階調数の差を利用したマーク強度分布312のコントラストが求められる。全てのマーク強度分布312のコントラストが求められると、最も高いコントラストを有するマーク強度分布312が最も適切な像回復によるものと判定される。換言すれば、複数のマーク強度分布312のうちアライメントマーク911を最も適切に示すマーク強度分布312が特定される(ステップS135)。さらに、アライメントマーク911を最も適切に示すマーク強度分布312の像回復に用いられた点像強度分布313から、元の点光源の高さがアライメントマーク911の高さとして求められる。
【0040】
像回復が行われると、図3に示すように、マーク強度分布312およびアライメントマーク911の高さが演算部32のずれ量算出部323に入力される。ずれ量算出部323ではマーク強度分布312に基づいてアライメントマーク911の水平方向における正確な位置が検出され、所望の位置からの基板9のずれ量がさらに求められる(ステップS136)。また、ずれ量算出部323では、アライメントマーク911の高さに基づいて基板9の高さ方向のずれ量も求められ、水平方向のずれ量と共に移動制御部33に入力される。そして、既述のようにずれ量に基づいて図4に示すステップS14以降の処理が行われる。
【0041】
なお、複数のマーク強度分布312のコントラストを求める方法は、上記のもの以外であってもよく、コントラストが高いほど画像が明瞭であり画素の階調数の変化が急激であることから、微分処理が行われてもよい。この場合、例えば、各マーク強度分布312の画像データに対して、差分、Robertsオペレータ、Sobelオペレータ等による処理が行われ、画素の階調数のx方向における変化量fおよびy方向における変化量fが取得される。さらに、取得された変化量の強さが((f+f1/2)や(|f|+|f|)等により求められ、変化量の強さに基づいてコントラストが求められる。また、画素値のヒストグラムの形状に基づいてコントラストが求められてもよく、この場合、例えば、ヒストグラムが平坦であるほどコントラストが高い画像であると判定される。
【0042】
図8のステップS135では、アライメントマーク911を最も適切に示すマーク強度分布312を特定するために、マーク強度分布312のコントラストを比較する方法以外の方法が用いられてもよい。例えば、記憶部31が正確なアライメントマーク911を示す参照画像を予め記憶しており、参照画像と各マーク強度分布312との類似度を求めるパターンマッチングを行うことによりアライメントマーク911を最も適切に示すマーク強度分布312が特定されてもよい。この場合、高さ取得部322では各マーク強度分布312と参照画像との類似度を示す相関係数が計算され、複数のマーク強度分布312の中から、相関係数が最も高いマーク強度分布312がアライメントマーク911を最も適切に示すものとして特定される。また、高さ取得部322により行われる類似度の計算は、相関係数によるもの以外にも、例えば、SSDA(Sequential Similarity Detection Algorithm)や最小二乗マッチングが用いられてもよい。さらに、マーク強度分布312を画像処理して特徴点を抽出し、特徴点の位置関係を用いることにより類似度が求められてもよい。
【0043】
また、アライメントマーク911を最も適切に示すマーク強度分布312およびその近傍の高さに対応する複数のマーク強度分布312のコントラストや類似度を補間することにより、アライメントマーク911のより精度の高い高さが求められてもよい(第2の実施の形態に係る第1の高さおよび第2の高さおいても同様)。すなわち、複数のマーク強度分布312のうちアライメントマーク911を最も適切に示すものを特定することによりアライメントマーク911の高さが求められるのであれば、アライメントマーク911の高さはアライメントマーク911を最も適切に示すマーク強度分布312を含む複数のマーク強度分布312に基づいて求められてよい。
【0044】
以上に説明したように、第1の実施の形態に係るパターン描画装置1では、演算部32が複数の点像強度分布313を用いてマーク像強度分布311の像回復を行うことにより複数のマーク強度分布312が取得され、その中からアライメントマーク911を最も適切に示すマーク強度分布312が特定される。これにより、描画光の波長とは異なる波長の光を観察光として用いて描画用の対物光学系17を介して基板9上のアライメントマーク911の位置を高精度に検出することができる。また、検出されたアライメントマーク911の位置から求められた基板9の水平方向のずれ量に基づいて、水平移動機構191により基板9の対物光学系17に対する水平位置合わせを行うことができる。さらに、アライメントマーク911の高さを取得することができ、昇降機構192によりフォーカス調整を行うことができる。
【0045】
パターン描画装置1では、撮像部15が基板9上の複数のアライメントマーク911を順次撮像するとともに、演算部32が複数のアライメントマーク911のそれぞれの高さを求めることにより、対象面91の高さのばらつきを検出することも実現される。
【0046】
基板9の位置合わせが水平位置合わせのみであり、基板9を高さ方向に移動する必要がない場合は、高さ方向において1つの点像強度分布313のみが用いられてもよい。この場合においても、演算部32が1つの点像強度分布313を用いてマーク像強度分布311の像回復を行うことによりマーク強度分布312が取得され、マーク強度分布312に基づいて基板9上のアライメントマーク911の水平位置を高精度に検出することができる。
【0047】
次に、第2の実施の形態に係るパターン描画装置について説明する。図9は第2の実施の形態に係るパターン描画装置における制御部3aの機能構成をパターン描画装置の他の構成と共に示すブロック図であり、制御部3aを除くパターン描画装置の構成は図1に示すパターン描画装置1と同様とされる。図9に示す制御部3aは、図3の制御部3と比較して、図1に示す対物光学系17の開口数を決定する絞り171(を駆動する機構)の制御を行う絞り制御部34をさらに有し、記憶部31に記憶される情報が絞り171の状態に対応付けられ、他の構成は同様とされる。
【0048】
以下の説明では、絞り制御部34の制御により絞り171(の開口)が小さく開いた状態を「第1の絞り状態」と呼び、第1の絞り状態よりも絞りが開いた状態を「第2の絞り状態」と呼ぶ。また、記憶部31には複数の第1点像強度分布313aと、複数の第2点像強度分布313bとが記憶されるが、図9ではそれぞれ1つのみ示している。第1点像強度分布313aおよび第2点像強度分布313bは、それぞれ第1の絞り状態および第2の絞り状態に対応し、予め設計値に基づく計算または点光源を用いた実際の測定により求められている。第2の絞り状態では第1の絞り状態よりも被写界深度が浅くなるため、第2点像強度分布313bとしては第1点像強度分布313aよりも高さ方向の間隔が小さい複数の位置に対応するものが準備される。すなわち、高さ方向における一定の範囲内において間隔を開けて点光源が順次配置された場合に取得される点像強度分布が複数の第1点像強度分布として準備され、同じ範囲に密に点光源が順次配置された場合に取得される点像強度分布が複数の第2点像強度分布として準備される。
【0049】
図10は第2の実施の形態に係るパターン描画装置による基板9へのパターンの描画の流れを示す図である。パターンの描画では、まず、図1および図9に示すように、絞り制御部34により対物光学系17の絞り171(の開口)が小さくされて絞り171が第1の絞り状態とされ(ステップS21)、観察光が対象面91上の1つのアライメントマーク911に照射される(ステップS22)。基板9にて反射された観察光の一部が撮像部15にて受光されることにより、図9に示すように、第1の絞り状態に対応するアライメントマーク911の像を示す第1マーク像強度分布311aが取得されて記憶部31に記憶される(ステップS23)。
【0050】
次に、演算部32の像回復部321により複数の第1点像強度分布313aを用いて第1マーク像強度分布311aの像回復が図8と同様の処理により行われ、複数の第1マーク強度分布312aが取得される(ステップS131〜S134)。さらに、複数の第1マーク強度分布312aのコントラストが求められ、コントラストの比較によりアライメントマーク911を最も適切に示す第1マーク強度分布312aが特定される(ステップS135)。高さ取得部322では、第1の絞り状態に対応するアライメントマーク911の高さを示す第1の高さが求められる(ステップS24)。なお、特定された第1マーク強度分布312aに対しては図8のステップS136は行われない。
【0051】
第1の高さが求められると、絞り制御部34により絞り171(の開口)が大きくされて絞り171が第2の絞り状態とされる(ステップS25,S26)。そして、観察光が対象面91に照射され、図9に示すように、第2の絞り状態に対応するアライメントマーク911の像を示す第2マーク像強度分布311bが取得されて記憶部31に記憶される(ステップS22,S23)。
【0052】
像回復部321は、第2マーク像強度分布311bおよび複数の第2点像強度分布313bを用いて図8と同様の処理により像回復を行って第2マーク強度分布312bを取得する(ステップS131〜S134)。このとき、第1の高さ近傍の複数の高さに対応する第2点像強度分布313bのみが用いられる。高さ取得部322では、複数の第2マーク強度分布312bのコントラストを比較することにより、アライメントマーク911を最も適切に示す第2マーク強度分布312bが特定される(ステップS135)。これにより、アライメントマーク911の第1の高さよりも精度の高い第2の高さが取得される。
【0053】
第2マーク強度分布312bおよび第2の高さは演算部32のずれ量算出部323に入力され、ずれ量算出部323では、第2マーク強度分布312bに基づいてアライメントマーク911の水平方向の位置が検出され(ステップS136)、所望の位置からの基板9の水平方向のずれ量が求められる。さらに、ずれ量算出部323により第2の高さに基づいて所望の位置からの基板9の高さ方向のずれ量も求められる。
【0054】
水平方向および高さ方向のずれ量は移動制御部33に入力され、第1の実施の形態と同様に、移動制御部33および移動機構19により、基板9の照射領域の水平位置合わせおよび高さ位置合わせ(すなわち、フォーカス調整)が行われ(ステップS27)、描画光によりパターンが基板9の1つの照射領域に描画される(ステップS28)。
【0055】
次の照射領域に描画が行われる際には、移動機構19により基板9が水平方向に移動されて照射領域が変更され、絞り制御部34により絞り171が第1の絞り状態とされる(ステップS21)。そして、ステップS22〜S24が行われてアライメントマーク911を最も適切に示す第1マーク強度分布312aおよび第1の高さが取得される。次に、絞り171がが第2の絞り状態とされ(ステップS25,S26)、ステップS22〜S24が行われてアライメントマーク911を最も適切に示す第2マーク強度分布312bおよび第2の高さが取得され、基板9の水平方向および高さ方向のずれ量が求められる。その後、ずれ量に基づいて基板9の水平位置合わせおよびフォーカス調整が行われ、照射領域にパターンが描画される(ステップS27,S28)。
【0056】
ステップS21〜S28は基板9の全ての照射領域について繰り返され、基板9上の複数のアライメントマーク911のそれぞれの高さが求められる。これにより、基板9が有する厚さむら、反り、傾き等による対象面91の高さのばらつきを検出することが実現される。
【0057】
第2の実施の形態に係るパターン描画装置1においても、描画光の波長とは異なる波長の光を観察光として用いて描画用の対物光学系17を介してアライメントマーク911の位置を高精度に検出することができる。また、検出されたアライメントマーク911の位置から基板9の水平位置合わせを高精度に行うことができる。さらに、アライメントマーク911の高さを取得することによりフォーカス調整を行うことができる。
【0058】
第2の実施の形態における像回復では、複数の第1点像強度分布313aと複数の第2点像強度分布313bとを含む複数の点像強度分布が準備され、第1の絞り状態において求められた第1の高さに基づいて限定された複数の第2点像強度分布313bを用いて第2の絞り状態における像回復が行われる。これにより、全ての第2点像強度分布313bを用いて像回復を行う場合に比べて演算量を削減することができ、アライメントマーク911の高精度の高さを短時間に求めることができる。
【0059】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0060】
例えば、描画光は紫外線には限定されず、基板9に付与された感光材料が感光する波長であれば他の波長の光であってもよい。同様に、観察光も可視光には限定されず他の波長の光が用いられてもよい。
【0061】
基板9の水平位置合わせおよびフォーカス調整は、基板9および保持部18が対物光学系17および観察用補助光学系14に対して相対的に移動するのであれば、対物光学系17や観察用補助光学系14が移動されてもよい。さらに、フォーカス調整は対物光学系17の内部機構により行われてもよい。
【0062】
マーク強度分布312の取得の際には、図8のステップS131〜S135の順番は適宜入れ替えられてよい。例えば、1つのマーク強度分布312を取得する毎にコントラストが求められたり、参照画像との類似度が求められてもよい。また、図10のステップS21〜S26の順番も適宜入れ替えられてよく、例えば、第1の絞り状態および第2の絞り状態におけるマーク像強度分布の取得の順序が照射領域毎に逆とされてもよい。すなわち、先の照射領域に対する1回目のステップS23の完了時に対物光学系17が第2の絞り状態にある場合、後の照射領域に対する1回目のステップS23が第2の絞り状態にて行われる。この場合、第1マーク像強度分布311aおよび第2マーク像強度分布311bを取得した後にステップS24が行われる。これにより、絞り171の動作回数を少なくして、パターン描画に要する時間を短縮することができる。
【0063】
また、第2の実施の形態において、第2の絞り状態よりもさらに絞り171を小さくした第3の絞り状態にて第2の絞り状態と同様の処理を行い、アライメントマークのさらに高精度な水平位置および高さが段階的に効率よく求められてもよい。
【0064】
パターン描画装置1はマスク露光装置以外のものであってもよい。例えば、変調された光がガルバノミラー等の偏向器により偏向されつつ対象物に照射される直描装置であってもよい。パターン描画装置1は、半導体基板以外に、プリント基板、フォトマスクや表示装置等に用いられるガラス基板等にパターンを描画する装置であってもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 パターン描画装置
3,3a 制御部
9 半導体基板
11 主光源
13 補助光源
15 撮像部
17 対物光学系
18 保持部
19 移動機構
31 記憶部
32 演算部
91 対象面
171 絞り
311 マーク像強度分布
311a 第1マーク像強度分布
311b 第2マーク像強度分布
312 マーク強度分布
312a 第1マーク強度分布
312b 第2マーク強度分布
313 点像強度分布
313a 第1点像強度分布
313b 第2点像強度分布
911 アライメントマーク
S11〜S15,S21〜S28,S131〜S136 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を照射することにより対象物にパターンを描画するパターン描画装置であって、
対象物を保持する保持部と、
パターン描画用の描画光を出射する主光源と、
前記対象物に対向するとともに前記描画光を前記対象物へと導く対物光学系と、
前記描画光とは異なる波長の観察光を出射する補助光源と、
前記対物光学系を経由して前記対象物へと導かれて前記対象物にて反射された前記観察光を前記対物光学系を介して受光することにより、前記対象物上のアライメントマークの像を示すマーク像強度分布を取得する撮像部と、
前記対象物上に点光源が配置された場合に前記撮像部にて得られる点像強度分布を記憶する記憶部と、
前記点像強度分布を用いて前記マーク像強度分布の像回復を行うことにより、前記対象物上の前記アライメントマークを示すマーク強度分布を取得し、前記マーク強度分布に基づいて前記アライメントマークの位置を検出する演算部と、
を備えることを特徴とするパターン描画装置。
【請求項2】
請求項1に記載のパターン描画装置であって、
前記記憶部が、前記対象物上において高さ方向に異なる複数の位置に点光源を配置した場合に前記撮像部にて得られる複数の点像強度分布を記憶し、
前記演算部が、前記複数の点像強度分布を用いて前記マーク像強度分布の像回復を行うことにより複数のマーク強度分布を取得し、前記複数のマーク強度分布のうち前記アライメントマークを最も適切に示すものを特定することにより前記アライメントマークの高さを求めることを特徴とするパターン描画装置。
【請求項3】
請求項2に記載のパターン描画装置であって、
前記複数の点像強度分布が、第1の絞り状態に対応する複数の第1点像強度分布と、前記第1の絞り状態よりも絞りを開いた第2の絞り状態に対応する複数の第2点像強度分布とを含み、前記複数の第2点像強度分布が、前記複数の第1点像強度分布よりも前記対象物上における高さ方向の間隔が小さい複数の位置に対応し、
前記撮像部が、前記第1の絞り状態に対応する第1のマーク像強度分布と、前記第2の絞り状態に対応する第2のマーク像強度分布とを取得し、
前記演算部が、
前記複数の第1点像強度分布を用いて前記第1のマーク像強度分布の像回復を行うことにより複数の第1マーク強度分布を取得し、前記複数の第1マーク強度分布のうち前記アライメントマークを最も適切に示すものを特定することにより前記アライメントマークの第1の高さを求め、
前記複数の第2点像強度分布のうち前記アライメントマークの前記第1の高さ近傍の複数の高さに対応するものを用いて前記第2の絞り状態に対応する前記第2のマーク像強度分布の像回復を行うことにより複数の第2マーク強度分布を取得し、前記複数の第2マーク強度分布のうち前記アライメントマークを最も適切に示すものを特定することにより前記第1の高さよりも精度の高い第2の高さを求めることを特徴とするパターン描画装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載のパターン描画装置であって、
前記対物光学系の光軸に垂直な方向に前記保持部を前記対物光学系に対して相対的に移動する移動機構をさらに備え、
前記撮像部が、前記対象物上の複数のアライメントマークを順次撮像し、
前記演算部が、前記複数のアライメントマークのそれぞれの高さを求めることを特徴とするパターン描画装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載のパターン描画装置であって、
前記描画光が紫外線であり、前記観察光が可視光であることを特徴とするパターン描画装置。
【請求項6】
光を照射することにより対象物にパターンを描画するパターン描画方法であって、
a)パターン描画用の描画光とは波長が異なる観察光を、対象物に対向するとともに前記描画光を前記対象物へと導く対物光学系を介して前記対象物に照射する工程と、
b)前記対象物にて反射された前記観察光を前記対物光学系を介して撮像部にて受光することにより、前記対象物上のアライメントマークの像を示すマーク像強度分布を取得する工程と、
c)前記対象物上に点光源が配置された場合に前記撮像部にて得られる点像強度分布を用いて前記マーク像強度分布の像回復を行うことにより、前記対象物上の前記アライメントマークを示すマーク強度分布を取得する工程と、
d)前記マーク強度分布に基づいて前記アライメントマークの位置を検出する工程と、
e)前記アライメントマークの前記位置に基づいて前記対物光学系に対する前記対象物の位置合わせを行う工程と、
f)前記対物光学系を介して前記描画光を前記対象物に照射することにより前記対象物にパターンを描画する工程と、
を備えることを特徴とするパターン描画方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−183028(P2010−183028A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27660(P2009−27660)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】