説明

パターン生成装置、画像形成装置及びプログラム

【課題】パターン領域の形状や大きさを変更できる場合において、より簡単な処理で適切なパターンを生成する。
【解決手段】画像形成装置の制御部は、記録媒体Pにおいてパターン領域を設定し、設定されたパターン領域内のある位置と予め決められた平面の中心とを合わせて、パターン領域が平面上に配置された場合の、平面におけるパターン領域の座標を特定する。次に、制御部は、特定された座標を符号化した部分パターン31を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン生成装置、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルペンを使って用紙に書かれた手書きの文字や図形をデジタル化する技術が知られている。デジタルペンは、用紙に形成された特殊なパターンを読み取ることにより、手書きの文字や図形の筆跡を記録する。特許文献1及び2には、この特殊なパターンを用紙に形成する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−309556号公報
【特許文献2】特許第4215516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、パターン領域の形状や大きさを変更できる場合において、より簡単な処理で適切なパターンを生成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係るパターン生成装置は、記録媒体においてパターン領域を設定する設定部と、前記設定されたパターン領域内のある位置と予め決められた大きさを有する平面の中心とを合わせて、当該パターン領域を当該平面上に配置した場合の、当該平面における当該パターン領域の位置を特定する特定部と、前記特定された位置を符号化したパターンを生成する生成部とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係るパターン生成装置は、請求項1に記載の構成において、前記特定部は、前記設定されたパターン領域の中心と前記平面の中心とを合わせて、当該パターン領域を当該平面上に配置した場合の、当該平面における当該パターン領域の位置を特定することを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係るパターン生成装置は、請求項2に記載の構成において、前記生成部は、前記設定されたパターン領域の外接矩形の中心と前記平面の中心とを合わせて、当該パターン領域を当該平面上に配置した場合の、当該平面における当該パターン領域の位置を特定することを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係るパターン生成装置は、記録媒体においてパターン領域を設定する設定部と、前記記録媒体の中心と予め決められた大きさを有する平面の中心とを合わせて、前記設定されたパターン領域を当該平面上に配置した場合の、当該平面における当該パターン領域の位置を特定する特定部と、前記特定された位置を符号化したパターンを生成する生成部とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5に係るパターン生成装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の構成において、前記設定部は、前記記録媒体において予め設定された余白を除いた領域を前記パターン領域として設定することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項6に係るパターン生成装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の構成において、前記設定部は、前記記録媒体に形成される画像の外接矩形を拡大した領域を前記パターン領域として設定することを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項7に係る画像形成装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載のパターン生成装置と、画像を表す画像データを取得する取得部と、前記取得された画像データが表す画像と前記生成部により生成されたパターンとを前記記録媒体に形成する画像形成部とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項8に係るプログラムは、コンピュータに、記録媒体においてパターン領域を設定するステップと、前記設定されたパターン領域内のある位置と予め決められた大きさを有する平面の中心とを合わせて、当該パターン領域を当該平面上に配置した場合の、当該平面における当該パターン領域の位置を特定するステップと、前記特定された位置を符号化したパターンを生成するステップとを実行させるためのプログラムである。
【0013】
本発明の請求項9に係るプログラムは、コンピュータに、記録媒体においてパターン領域を設定するステップと、前記記録媒体の中心と予め決められた大きさを有する平面の中心とを合わせて、前記設定されたパターン領域を当該平面上に配置した場合の、当該平面における当該パターン領域の位置を特定するステップと、前記特定された位置を符号化したパターンを生成するステップとを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、パターン領域の形状や大きさを変更できる場合において、平面の中心以外の位置を基準としてパターン領域を平面上に配置する場合に比べ、より簡単な処理で適切なパターンを生成することができる。
請求項2に係る発明によれば、パターン領域の中心以外の位置と平面の中心とを合わせる場合に比べて、平面を小さくすることができる。
請求項3に係る発明によれば、パターン領域が四角形以外の形状である場合にも、パターン領域の中心を容易に求めることができる。
請求項4に係る発明によれば、パターン領域の形状や大きさを変更できる場合において、平面の中心以外の位置を基準としてパターン領域を平面上に配置する場合に比べ、より簡単な処理で適切なパターンを生成することができる。
請求項5に係る発明によれば、記録媒体において余白を除いた領域に対応するパターンを生成することができる。
請求項6に係る発明によれば、画像の外接矩形を拡大した領域に対応するパターンを生成することができる。
請求項7に係る発明によれば、パターン領域の形状や大きさを変更できる場合において、平面の中心以外の位置を基準としてパターン領域を平面上に配置する場合に比べ、より簡単な処理で適切なパターンを生成することができる。
請求項8に係る発明によれば、パターン領域の形状や大きさを変更できる場合において、平面の中心以外の位置を基準としてパターン領域を平面上に配置する場合に比べ、より簡単な処理で適切なパターンを生成することができる。
請求項9に係る発明によれば、パターン領域の形状や大きさを変更できる場合において、平面の中心以外の位置を基準としてパターン領域を平面上に配置する場合に比べ、より簡単な処理で適切なパターンを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】画像形成システムの構成を示す図。
【図2】パターンの一例を示す図。
【図3】制御部の機能構成を示す図。
【図4】画像の一例を示す図。
【図5】制御部が行う処理を示すフローチャート。
【図6】パターン領域の一例を示す図。
【図7】パターン領域の一例を示す図。
【図8】座標を特定する方法を説明する図。
【図9】合成画像の一例を示す図。
【図10】変形例に係るパターン領域の一例を示す図。
【図11】変形例に係るパターン領域の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、画像形成システム1の構成を示す図である。画像形成システム1は、コンピュータ10と、画像形成装置20とを備える。コンピュータ10は、画像形成装置20に対して画像の形成を指示する機能を有する。画像形成装置20は、制御部21と、入出力部22と、記憶部23と、画像形成部24とを備える。制御部21は、CPU(Central Processing Unit)とメモリとを備える。CPUは、メモリに記憶されているプログラムを実行することにより、画像形成装置20の各部を制御する。入出力部22は、コンピュータ10とデータのやり取りを行う。記憶部23は、例えばハードディスクを備え、予め決められた大きさの平面の座標を符号化したパターン30を記憶する。なお、この座標の符号化は、例えば特許第4215516号公報に記載された方法で行われてもよい。画像形成部24は、制御部21の制御の下、記録媒体に画像を形成する。この記録媒体は、例えば用紙である。
【0017】
図2は、記憶部23に記憶されたパターン30の一例を示す図である。このパターン30には、微細なドットが並べられている。パターン30は、このドットの配列により、原点(x,y)=(0,0)を中心とし、x座標=−32767〜32767、y座標=−32767〜32767の範囲を有する平面の座標を表す。この平面において、座標軸の単位長は0.1mmである。この場合、パターン30の一辺の長さは、65535×0.1=6553.5mm(約6.5m)になる。画像形成装置20は、複数のサイズの記録媒体に対して画像を形成する機能を有する。画像の形成に用いられる記録媒体としては、A4サイズやB5サイズの記録媒体が一般的であるが、A0サイズの記録媒体が用いられる場合もある。このA0サイズは、横841mm×縦1189mmである。パターン30は、いずれのサイズの記録媒体が用いられた場合にも対応できるように、A0サイズよりもはるかに大きい領域を有する。なお、ここでは、記録媒体の長い辺を縦といい、短い辺を横という。
【0018】
図3は、制御部21の機能構成を示す図である。制御部21は、設定部211と、特定部212と、生成部213として機能する。設定部211は、記録媒体においてパターン領域を設定する。特定部212は、設定部211により設定されたパターン領域内のある位置と予め決められた平面の中心とを合わせて、パターン領域を平面上に配置した場合の、平面におけるパターン領域の位置を特定する。生成部213は、特定部212により特定された位置を符号化したパターンを生成する。
【0019】
画像形成装置20には、コンピュータ10から印刷指示が入力される。この印刷指示には、画像40を表す画像データが含まれる。この画像データは、例えば利用者により指定される。また、印刷指示には、パターンの形成方式を指定するパターン情報が含まれる。このパターンの形成方式は、全面方式と部分方式の中から選択される。全面方式が選択された場合、パターン30は、記録媒体の全面に形成される。一方、部分方式が選択された場合、パターン30は、記録媒体において画像40が形成される部分に形成される。このパターンの形成方式は、例えば利用者により選択される。
【0020】
コンピュータ10から印刷指示が入力されると、制御部21は、入出力部22によりこの印刷指示を取得する。この印刷指示には、例えば図4に示す画像40を表す画像データが含まれる。印刷指示を取得すると、制御部21は、この印刷指示に基づき以下の処理を行う。
【0021】
図5は、制御部21が行う処理を示すフローチャートである。ステップS1において、制御部21は、印刷指示に含まれる画像データを解釈し、画像40を表すラスター形式の画像データを生成する。また、制御部21は、画像データが表す画像40のサイズに基づいて、画像40を形成するのに適した記録媒体Pのサイズを選択する。
【0022】
ステップS2において、制御部21は、印刷指示からパターン情報を取得する。次に、制御部21は、取得したパターン情報によって指定されたパターンの形成方式に基づき、ステップS1で選択されたサイズの記録媒体Pにおいてパターン領域41を設定する。
【0023】
図6は、全面方式が指定された場合に設定されるパターン領域41aの一例を示す図である。この場合、制御部21は、記録媒体Pにおいて予め設定された余白42を除いた領域をパターン領域41aとして設定する。この余白42とは、記録媒体Pにおいて画像の形成に用いられない領域をいう。例えば、ステップS1で選択された記録媒体PのサイズがA4サイズ(横210mm×縦297mm)であり、予め設定された左右の余白42の幅が10mm、上下の余白42の幅が15mmである場合、パターン領域41aのサイズは、横190mm×縦267mmになる。具体的には、パターン領域41aの横の長さは、記録媒体Pの横の長さ(210mm)から左右の余白42の幅(10mm×2)を引くことにより求められる。パターン領域41aの縦の長さは、記録媒体Pの縦の長さ(297mm)から上下の余白42の幅(15mm×2)を引くことにより求められる。この場合、パターン領域41aの始点Saは、記録媒体Pの左端から10mm、上端から15mmだけ離れた位置になる。この記録媒体Pの左端から始点Saまでの距離は、左側の余白42の幅である。記録媒体Pの上端から始点Saまでの距離は、上側の余白42の幅である。
【0024】
図7は、部分方式が指定された場合に設定されるパターン領域41bの一例を示す図である。この場合、制御部21は、まずステップS1において生成された画像データが表す画像40の外接矩形43を求める。この外接矩形43とは、画像40を取り囲む最小の四角形をいう。次に、制御部21は、この外接矩形43に予め設定された幅44を加えた領域をパターン領域41bとして設定する。つまり、パターン領域41bは、外接矩形43を拡大した領域である。例えば、画像40の外接矩形43のサイズが横150mm×縦201mmであり、予め設定された幅44が5mmである場合、パターン領域41bのサイズは、横160mm×縦211mmになる。具体的には、パターン領域41bの横の長さは、外接矩形43の横の長さ(150mm)に左右の幅44(5mm×2)を足すことにより求められる。パターン領域41bの縦の長さは、外接矩形43の縦の長さ(201mm)に上下の幅44(5mm×2)を足すことにより求められる。この場合、パターン領域41bの始点Sbは、記録媒体の左端から25mm、上端から43mmだけ離れた位置になる。この記録媒体の左端から始点Sbまでの距離は、記録媒体Pの横の長さ(210mm)からパターン領域41bの横の長さ(160mm)を引いた値を2で割ることにより求められる。記録媒体の上端から始点Sbまでの距離は、記録媒体Pの縦の長さ(297mm)からパターン領域41bの縦の長さ(211mm)を引いた値を2で割ることにより求められる。
【0025】
ステップS3において、制御部21は、記憶部23に記憶されたパターン30とステップS2で特定されたパターン領域41とに基づいて、このパターン30が表す平面におけるパターン領域41の座標を特定する。図8は、図6に示すパターン領域41aの座標を特定する方法を説明する図である。制御部21は、まずパターン領域41aの中心45aを求める。例えば、制御部21は、パターン領域41aにおける2本の対角線46,47の交点を求め、この交点を中心45aとして用いる。あるいは、制御部21は、パターン領域41aにおける1本の対角線46又は47の中点を求め、この中点を中心45aとして用いてもよい。次に、制御部21は、パターン領域41aの中心45aとパターン30が表す平面の原点(x,y)=(0,0)とを合わせて、パターン領域41aを平面上に配置した場合の、平面におけるパターン領域41aの座標を特定する。上述したように、パターン領域41aのサイズは、横190mm×縦267mmである。また、この平面において、座標軸の単位長は0.1mmである。この場合、パターン領域41aのx軸方向の長さは190/0.1=1900になり、y軸方向の長さは267/0.1=2670になる。したがって、上述したようにパターン領域41aを平面上に配置した場合の、平面におけるパターン領域41aの座標は、x座標=−950〜950、y座標=−1335〜1335になる。
【0026】
ステップS4において、制御部21は、ステップS3において特定された座標を符号化した部分パターン31を生成する。図8では、パターン領域41aの座標として、x座標=−950〜950、y座標=−1335〜1335が特定される。この場合、制御部21は、記憶部23に記憶されたパターン30から、この座標を符号化した部分パターン31を抽出する。
【0027】
ステップS5において、制御部21は、ステップS1で生成された画像データとステップS4で生成された部分パターン31とに基づき、画像40と部分パターン31とを合成する。このとき、制御部21は、例えば画像40を記録媒体Pの真ん中に配置し、部分パターン31をステップS2で特定されたパターン領域41に配置する。これにより、画像40と部分パターン31とが重ね合わせられた合成画像が生成される。
【0028】
ステップS6において、制御部21は、ステップS5で生成された合成画像を表す画像データを画像形成部24に供給し、画像の形成を指示する。画像形成部24は、制御部21から供給された画像データに基づき、合成画像を記録媒体Pに形成する。このとき、画像形成部24は、画像40については、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックなどのカラートナーを用いて形成する。一方、画像形成部24は、部分パターン31については、赤外光又は紫外光を吸収する不可視トナーを用いて形成する。なお、「不可視」とは、実際に目視で認識できるか否かとは関係なく、目視で認識し難くすることを目的とした状態をいう。図9は、記録媒体Pに形成された合成画像の一例を示す図である。この合成画像では、記録媒体Pの真ん中に画像40が形成されている。また、部分パターン31は、ステップS2で設定されたパターン領域41aの始点Saから形成されている。
【0029】
この記録媒体Pには、電子ペン(図示せず)を使って情報が書かれる。この電子ペンは、記録媒体Pに形成された部分パターン31を読み取り、読み取った部分パターン31を復号する。これにより、記録媒体Pにおいて情報が書かれた座標が特定される。電子ペンは、特定された座標を表す座標情報を記録する。この座標情報は、記録媒体Pに書かれた情報を表すデジタル情報として利用される。
【0030】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、以下のように変形させて実施してもよい。また、以下の変形例を組み合わせてもよい。
【0031】
(変形例1)
パターン領域41の大きさ、形状又は位置は、実施形態で説明したものに限らない。例えば、パターン領域41は、画像40を拡大した領域であってもよい。あるいは、パターン領域41は、背景の領域であってもよい。また、パターン領域41は、予め決められた形状又は大きさを有する領域であってもよい。要するに、パターン領域41は、記録媒体Pにおいて設定されるものであればよい。
【0032】
パターン領域41の形状は、四角形以外の形状であってもよい。図10は、この変形例に係るパターン領域41cの一例を示す図である。このパターン領域41cは、楕円の形状を有する。この場合、制御部21は、パターン領域41cの中心45cを求めるときに、まずパターン領域41cの外接矩形47cを求める。次に、制御部21は、この外接矩形47cの中心を求め、これをパターン領域41cの中心45cとして用いる。なお、このようにパターン領域41の形状が四角形以外の形状である場合にも、パターン領域41は、実施形態と同様に平面の中心の位置を基準として平面上に配置される。つまり、パターン領域41が四角形以外の形状である場合にも、部分パターン31を生成するのに複雑な処理を行う必要がない。
【0033】
パターン領域41は、1つのまとまった領域ではなく、複数の領域に分かれていてもよい。図11は、この変形例に係るパターン領域41dの一例を示す図である。このパターン領域41dは、13個の領域に分かれている。この場合、制御部21は、パターン領域41dの中心45dを求めるときに、まずパターン領域41dの全体を包含する最小の矩形47dを求める。次に、制御部21は、この矩形47dの中心を求め、これをパターン領域41dの中心45dとして用いる。なお、このようにパターン領域41が複数の領域に分かれている場合にも、パターン領域41は、実施形態と同様に平面の中心の位置を基準として平面上に配置される。つまり、パターン領域41が複数の領域に分かれている場合にも、部分パターン31を生成するのに複雑な処理を行う必要がない。
【0034】
(変形例2)
制御部21は、パターン領域41の座標を特定するときに、記録媒体Pの中心と平面の中心とを合わせて、パターン領域41を平面上に配置してもよい。この場合、制御部21は、ステップS1で選択された記録媒体Pの中心を求める。この記録媒体Pの中心は、上述したパターン領域41の中心と同じ方法で求めてもよいし、各々の記録媒体Pのサイズについて、その記録媒体Pの中心位置が予めメモリに記憶されていてもよい。
【0035】
(変形例3)
実施形態では、平面の中心として原点(x,y)=(0,0)が用いられていた。しかしながら、平面の中心は、原点付近の位置であってもよい。つまり、ここでいう中心とは、正確な中心点だけではなく、中心点からずれた位置をも含むものである。平面の中心は、パターン領域41の中心と平面の中心とを合わせて、パターン領域41を平面上に配置したときに、パターン領域41が平面の外にでないような位置であればよい。パターン領域41が平面の外に出てしまうと、適切な部分パターン31を生成できないからである。これは、上述した変形例2で説明した記録媒体の中心についても同様である。
【0036】
(変形例4)
実施形態では、パターン領域41の外接矩形の中心がパターン領域41の中心として用いられていた。しかしながら、パターン領域41の中心は、パターン領域41の外接矩形の中心に限らない。例えば、パターン領域41の重心がパターン領域41の中心として用いられてもよい。
【0037】
(変形例5)
制御部21は、パターン領域41の座標を特定するときに、パターン領域41の中心以外の位置と平面の中心とを合わせて、パターン領域41を平面上に配置してもよい。つまり、制御部21は、パターン領域41内のある位置と平面の中心とを合わせて、パターン領域41を平面上に配置した場合の、平面におけるパターン領域41の座標を特定すればよい。
【0038】
(変形例6)
パターン30が表す平面は、実施形態で説明したものに限らない。例えば、パターン30は、x座標=0〜65535、y座標=0〜65535の範囲を有する平面の座標を表すものであってもよい。この場合、この平面の中心は、例えば座標(x,y)=(32768,32768)となる。
【0039】
(変形例7)
記録媒体のサイズは、利用者により選択されてもよい。この場合、印刷指示には、利用者により選択された記録媒体のサイズを示す情報が含まれる。また、画像形成装置20は、利用者の操作を受け付ける操作部を備えてもよい。この場合、記録媒体のサイズは、この操作部を用いて選択されてもよい。なお、実施形態では、記録媒体のサイズが異なる場合にも、同様の手順で部分パターン31が生成される。従って、例えば印刷指示が行われた後に記録媒体のサイズが変更された場合にも、パターン領域41を平面上に配置するときに、平面の基準となる位置を変更する必要がない。
【0040】
(変形例8)
画像データは、画像形成装置20の記憶部23に記憶されていてもよい。この場合、制御部21は、記憶部23から読み出した画像データに基づいて、上述した処理を行う。また、画像データは、画像形成装置20に接続された他の装置に格納されていてもよい。この場合、制御部21は、この他の装置から画像データを取得し、取得した画像データに基づいて、上述した処理を行う。また、画像形成装置20がスキャン機能を有する場合には、画像をスキャンすることにより画像データが生成されてもよい。この場合、制御部21は、生成された画像データに基づいて、上述した処理を行う。
【0041】
(変形例9)
実施形態では、図5に示す処理を画像形成装置20が行っていたが、この処理をコンピュータ10が行ってもよい。この場合、コンピュータ10は、制御部21と同様の機能を有する制御部を備える。この制御部は、ステップS5において合成画像を表す画像データを生成すると、この画像データを画像形成装置20に送信する。画像形成装置20は、コンピュータ10から送られてきた画像データに基づき、合成画像を記録媒体Pに形成する。
【0042】
(変形例10)
実施形態では、画像40と部分パターン31とが両方とも記録媒体Pに形成されていたが、記録媒体Pには部分パターン31だけが形成されてもよい。この場合、制御部21は、ステップS1の処理を行わずに、ステップS2に進む。ステップS2において、制御部21は、記録媒体Pにおいてパターン領域41を設定する。次に、制御部21は、ステップS3及びS4の処理を行う。この後、制御部21は、ステップS5の処理を行わずにステップS6に進む。ステップS6において、制御部21は、ステップS4で生成された部分パターン31を画像形成部24に供給し、画像の形成を指示する。これにより、記録媒体Pに部分パターン31だけが形成される。この変形例に係る制御部21は、パターン生成装置として機能する。
【0043】
(変形例11)
制御部21は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を備えてもよい。この場合、制御部21の機能は、ASICだけで実現されてもよいし、ASICとCPUの両方で実現されてもよい。
【0044】
(変形例12)
制御部21の機能を実現するプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD(Hard Disk Drive)、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスク(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk))など)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し、画像形成装置20にインストールしてもよい。また、通信回線を介してダウンロードしてインストールしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1…画像形成システム、10…コンピュータ、20…画像形成装置、21…制御部、22…入出力部、23…記憶部、24…画像形成部、211…設定部、212…特定部、213…生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体においてパターン領域を設定する設定部と、
前記設定されたパターン領域内のある位置と予め決められた大きさを有する平面の中心とを合わせて、当該パターン領域を当該平面上に配置した場合の、当該平面における当該パターン領域の位置を特定する特定部と、
前記特定された位置を符号化したパターンを生成する生成部と
を備えることを特徴とするパターン生成装置。
【請求項2】
前記特定部は、前記設定されたパターン領域の中心と前記平面の中心とを合わせて、当該パターン領域を当該平面上に配置した場合の、当該平面における当該パターン領域の位置を特定する
ことを特徴とする請求項1に記載のパターン生成装置。
【請求項3】
前記生成部は、前記設定されたパターン領域の外接矩形の中心と前記平面の中心とを合わせて、当該パターン領域を当該平面上に配置した場合の、当該平面における当該パターン領域の位置を特定する
ことを特徴とする請求項2に記載のパターン生成装置。
【請求項4】
記録媒体においてパターン領域を設定する設定部と、
前記記録媒体の中心と予め決められた大きさを有する平面の中心とを合わせて、前記設定されたパターン領域を当該平面上に配置した場合の、当該平面における当該パターン領域の位置を特定する特定部と、
前記特定された位置を符号化したパターンを生成する生成部と
を備えることを特徴とするパターン生成装置。
【請求項5】
前記設定部は、前記記録媒体において予め設定された余白を除いた領域を前記パターン領域として設定する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のパターン生成装置。
【請求項6】
前記設定部は、前記記録媒体に形成される画像の外接矩形を拡大した領域を前記パターン領域として設定する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のパターン生成装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のパターン生成装置と、
画像を表す画像データを取得する取得部と、
前記取得された画像データが表す画像と前記生成部により生成されたパターンとを前記記録媒体に形成する画像形成部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
コンピュータに、
記録媒体においてパターン領域を設定するステップと、
前記設定されたパターン領域内のある位置と予め決められた大きさを有する平面の中心とを合わせて、当該パターン領域を当該平面上に配置した場合の、当該平面における当該パターン領域の位置を特定するステップと、
前記特定された位置を符号化したパターンを生成するステップと
を実行させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
記録媒体においてパターン領域を設定するステップと、
前記記録媒体の中心と予め決められた大きさを有する平面の中心とを合わせて、前記設定されたパターン領域を当該平面上に配置した場合の、当該平面における当該パターン領域の位置を特定するステップと、
前記特定された位置を符号化したパターンを生成するステップと
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−191386(P2012−191386A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52533(P2011−52533)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】