説明

パチンコ機用打球発射操作杆

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明はパチンコ機の遊技盤上にパチンコ球を打ち出すための打球発射装置を操作するパチンコ機用打球発射操作杆に関する。
(従来の技術)
パチンコ機においては、従来、パチンコ球を遊技盤上に打ち出すために、打球発射装置と、この打球発射装置を操作する打球発射用操作杆とが数多く提案されている。このうちの打球発射用操作杆については、特開昭55-84182号公報に示すように、遊技盤の前枠に支持部材を前枠の前方に向つて立設し、上記支持部材の上面にグリツプを、その回転軸心が鉛直方向となるように支持したものがある。
(発明が解決しようとする問題点)
しかしながら、上記従来の構成にあつては、グリツプを回動させるためには、腕を軸心として手首を回動させなければならず、このような手首の動きは、手首を、手の甲および手のひらが腕に近づく方向に折曲げる場合に比べてやりにくいことから、グリップの回動操作を迅速かつ正確に行うことは難しい。このためパチンコ球の打撃力の調整ができず、遊技盤面上に打ち出すパチンコ球は一定の位置に飛ばない。このことから遊技者の遊技意欲を減退させる恐れがある。さらに、上記従来の構成では、グリツプ内部には、リンク機構や、スイツチ等が内蔵されているために構造が複雑になつて、故障を生じやすい。
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであつて、パチンコ球の打球発射装置を操作する打球発射用操作杆を握持部と、パチンコ球の発射力を制御する操作部とに分離して別体とすることによつて、構造が簡単であり、手や腕が疲れることなく、パチンコ球の打撃力の調節が容易なだけでなく、調節された打撃力を一定に調節できるパチンコ機用打球発射操作杆を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段)
上記目的を達成するために本発明は、パチンコ機の遊技盤面に沿ってパチンコ球を発射させる打球発射装置を設け、打球発射装置によって発射されるパチンコ球の打撃力を調節するための操作部を設け、操作部と一体に形成されており、操作部の操作時に握持するための握持部をパチンコ機の前枠から突出させて設け、打撃力をその回転方向および回転量に応じて制御するための回転体を、操作部に正逆回転自在に設けるとともに、回転体の少なくとも一部を握持部の表面から露出させて配置している。
(作用)
本発明は上記構成により、操作部による打撃力調節のための操作に際し、まず遊技者は掌全体を握持部の外側から、回転体の露出部位を目指して、握持部と回転体とに跨がるように、両者を一緒に軽く包み込む。
その際、腕全体の重量のほとんどが握持部によって支持され、腕全体の重量のほとんどがが常時、握持部によって支持されるので、手先の姿勢および遊技者の手腕の姿勢はほとんど変化しない。
そして打撃力調節に際し、その包み込んだ拳の形状および腕全体の姿勢を維持しながら、掌の全体を握持部の外郭形状に沿わせ、そのまま回転体の回転方向に僅かに摺動させれば、回転体が掌に対して発生する摩擦力で回転を開始し、打撃力は変動する。
また指または掌の一部で回転体を回転させる場合、指が回転体に接触する位置を目指して握持部に跨がるように一緒に軽く包み込み、拳の形状および腕全体の姿勢を維持しながら、指または掌の一部のみを握持部の外郭形状に沿わせて摺動させれば、握持部の外郭形状が常時、回転体の回転操作のためのガイドとして機能し、回転体が掌に対して発生する摩擦力で回転を開始することによって打撃力は変動する。
さらに回転体が正逆回転自在に設けられているので、その総回転量を予め任意に設定でき、よって回転体の単位回転角度に対応する打撃力の変動量を任意に定めることができ、回転体の少なくとも一部を握持部の表面から露出させて配置しているので、回転体の全体が表面に露出しない。
以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は、本発明の打球発射操作杆1を備えたパチンコ機2であつて、主に遊技盤3の箇所を覆うガラス板4からなる前面蓋5が開けられている状態を示している。誘導レール6に沿つて打ち出されるパチンコ球を発射する打球発射装置7は破断線によつて示すように前枠8の内側に位置し、供給皿9内のパチンコ球を一列に整列して発射位置に導く球供給路10と、球供給路10内のパチンコ球を一個づつ送り出す球送り歯車11と、発射位置に供給されたパチンコ球を弾発するプランジヤ式ソレノイド12と、ソレノイド12の作動に連動して球送り歯車11の回転を制御するラチエツト機構13等によつてなる。
このように構成された打球発射装置7の下部で前枠8の前面には、本発明の打球発射操作杆1が突き出して取り付けられている。この打球発射操作杆1は第2図に拡大して示すように、下皿15等を備えたフレーム16に近接しており、金属材料を使用して型枠によつて枠体17として一体成形されている。そして、第3図に示すように打球発射操作杆1の基部の一側は、前枠8に対して螺子止めで固定され、その他側は、フレーム16から延びた基部から後述する取付板18に対して螺子止めされた状態になつている。また打球発射操作杆1は、第3図に示すように握持部としてのグリツプ19を有し、このグリツプ19の箇所は枠状であるから、遊技者が握ることができるように前枠8から突出させて設けるため、逆U字形状の断面を有する金属材料からなる上側部20と同じく上側部20よりも幾分浅く成形された逆U字形状の断面を有する下側部21とが、第4図に示すように上下から合わせられ、それぞれに一体に成形されている組付ボス22も同じく合わせられて、下側部21側から螺子止めされた状態になつている。そして、上記の上側部20および下側部21の外表面は、第2図に示すように手のひらによつて握られたとき、滑らないように波形状に形成されている。また、下側部21内に同じく一体に成形されたスタツド23には端子24が螺子止めされて、その端子24に、第3図に示すようにリード線25が接続されて図示省略されている制御装置へ接がつている。したがつて上側部20および下側部21を含めてグリツプ19はリード線25によつて制御装置へ導通していることになる。
グリツプ19から打球発射操作杆1の内方には、上記した打球発射装置7を操作するための操作部26と、後述するが押すことによつて、打球発射装置7を停止させ、離すことによつて発射する一発打ち用押ボタン14とが位置しており、その構成について説明する。
第3図および第4図には操作部26の一実施例を示している。この操作部26は、回転体27と、回転体27に連結された可変抵抗器28とからなつている。回転体27は第2図にも示すように円筒状であつてその外周面には、その周方向に沿つて波形状の溝が形成され、遊技者の親指が当たることによつて動かし易くなつている。なお、この回転体27は遊技者がグリツプ19を握つた時、親指が届く位置に隣接している。そして、回転体27は、その一側が枠体17内に埋め込まれた支軸29に正逆回転自在、すなわち正逆方向への回転できるように軸支され、その一部を第1図1図および第2図に示すようにグリップ19の表面から露出させて配置し、他側は窪みを形成し、この窪みに後述する可変抵抗器28の回転軸30が空回りしないように嵌まり込んでいる。可変抵抗器28は周知の形状をしており、通称「ボリユーム」と呼ばれているものである。この可変抵抗器28は、枠体17内に嵌め込まれた組付ボス22によつて固定された取付板18の取付孔31に螺子止めされている。そして、可変抵抗器28の端子に接続されたリード線32,32は、図示省略された周知の制御装置に接がつている。この制御装置からは、可変抵抗器28の抵抗値に応じた電流が打球発射装置7のソレノイド12に供給されて、パチンコ球の打撃力が調節できるようになつている。また、第2図に示すように、回転体27の下部の枠体17には上記した一発打ち用押ボタン14が位置し、親指の届く範囲にある。この一発打ち用押ボタン14はグリツプ19の内側で枠体17から前枠8に手指の届く範囲に取り付けてもよいものである。そして、グリツプ19からのリード線25は、遊技者がグリツプ19に触れたとき人体の静電容量を検出するように制御装置に接続されている。このことから遊技者の手指がグリツプ19から離れたときは、打球発射装置7のソレノイド12に供給する電流を絶つようになつている。
次に第5図は操作部26の他の実施例を示しており、上記した一実施例と同じように回転体27と可変抵抗器28とが基台33に取り付けられている。この基台33は、一実施例で述べた操作部26の位置の枠体17に取付孔34から螺子止めされるようになつている。この時は、一実施例に示した取付板18の可変抵抗器28の取付箇所は不要となる。基台33は第6図に示すように立設した支持部35,36,37が形成され、その一側には、支軸29が埋め込まれて、回転体27の後述する回転筒38内に嵌まり込んでいる。回転体27は、その一方に延びる回転筒38と一体に形成され、回転筒38は基台33の中間に位置する支持部36を貫通している。回転筒38の外周は、回転体27内の途中まで形成された内周溝39に連続して形成され、この内周溝39から回転筒38の外周には、ばね部材40が、中間位置の支持部36に形成された凹部との間に、両端部が固定された状態で装着されている。基台33に形成された支持部37のその他側には可変抵抗器28が螺子止めされており、その回転軸30が上記の回転筒38内に空回りしないように嵌め込まれている。そして、可変抵抗器28の端子に接続されたリード線32,32が図示省略されている制御装置に電気的に接続されている。
基台33の他側の支持部37と中間位置の支持部36との間には、第5図に示すようにブラケツト41に取り付けられ、しかも基台33の底部よりも幾分、下方に突き出るようにソレノイド42が位置している。ソレノイド42のプランジヤ43は上方へ突き出ており、第7図および第8図に示すように、その先端部にはレバー44の一端部が回動自在に軸支されている。レバー44のほぼ中心部は、2箇所の支持部36,37に渡設されているピン45に回動自在に軸支されている。レバー44の他端部には、第7図および第8図8図に示すように、ばね部材46の上端部が掛けられ、ばね部材46の下端部は基台33から突き出ている鍵部47に引つ掛けられて、通常、ばね部材46の引張り力によつてプランジヤ43はソレノイド42から引き出されるようになつている。さらにレバー44には、第8図に示すように作動片48が一体となつて形成され、その下部には、上記した回転筒38外周の曲率とほぼ同じように湾曲部49が形成されて、レバー44がばね部材46によつて引つ張られている時、この湾曲部49が回転筒38の外周を押圧するようになつている。このことから、通常、回転筒38の回転を阻止する状態になつている。そして、もし、回転体27がその中心軸についてばね部材40の保持力に抗して、また、湾曲部49の回転筒38への押圧に抗して、回転させた位置で、ソレノイド42を励磁し、ばね部材46の引張り力に抗してレバー44が回動し、作動片48の湾曲部49が回転筒38への押圧を解除したとき、回転体27は、ばね部材40の復帰力によつて元の位置に復帰するようになつている。
第9図は、上記した一実施例の打球発射操作杆1によつて打球発射装置7を作動させるための電気回路を示す構成図であつて、ソレノイド12にはソレノイド出力コントロール回路50の出力側が接続されており、ソレノイド出力コントロール回路50の入力側には、グリツプ19からリード線25を介して、人体の静電容量を検出できるようにタツチスイツチコントロール回路51の出力側とソレノイド出力ドライバー回路52の出力側とが接続されている。ソレノイド出力コントロール回路50には、可変抵抗器28が構成要素として含まれており、可変抵抗器28の抵抗の大きさに応じてソレノイド駆動信号が変化する。ソレノイド出力ドライバー回路52の入力側には発振回路53の出力側が接続されて、所定時間毎にソレノイド出力ドライバー回路52に信号を伝送している。この信号によつて打球発射装置7を連続作動させパチンコ球を連続発射するようになつている。タツチスイツチコントロール回路51の入力側にはさらに電源オン・オフスイツチ回路54の出力側が接続され、その構成要素として電源オン・オフスイツチ回路54を作動するための一発打ち用押ボタン14が接続されて、押すと、タツチスイツチコントロール回路51の作動を絶ち、離すことによつて作動するようになつている。電源オン・オフスイツチ回路54の入力側には所定の電圧・電流を供給するために、電源回路55と整流回路56と、この整流回路56に交流電源が接続されている。
第10図は、上記した他の実施例の打球発射操作杆1の制御回路であつて、全体の制御としては、第9図に示すような回路構成に第10図を加えた構成になつている。この構成では、ソレノイド42には、これを駆動する信号を発するソレノイド出力ドライブ回路57が接続され、この入力側には、信号遅延回路58が接続され、遊技者の手指がグリツプ19から離れた状態、そして、握つた状態になる時、ソレノイド42が遅れて解磁するようになつている。信号遅延回路58の入力側にはタツチスイツチ信号検出回路59が接続されて、遊技者の手指がグリツプ19から離れると、信号を発し、ソレノイド42を励磁するようになつて第8図に示すようにばね部材46の引張り力に抗して、レバー44および作動片48は2点鎖線で示す状態になり湾曲部49が回転筒38への押圧を解除するようになつている。
なお、作動片48の湾曲部49には、回転筒38の外周面との間で、ばね部材40の復帰力により滑らない程度の摩擦防止材料、例えば、プラスチツクシート等を張りつけてもよい。また、回転筒38の外周面および、湾曲部49の両方、またはいずれかにローレツト切りを施してもよい。さらに、ばね部材46の代わりに磁石を使用して引張り力を形成してもよい。そして、上記したグリツプ19の箇所において、遊技者が握り易いようにプラスチツク材料等からなる被覆部材を被せてもよい。この時、遊技者がグリツプ19を握つている、ことを検知するには、親指が回転体27付近の枠体17に触れることによつて行なわれる。また、回転体27の外周面を波形状に形成したがゴムのような材料によつて被覆してもよい。
上記の構成による操作部26を備えた打球発射操作杆1によつて打球発射装置7を操作する場合、まず、一実施例による操作部26では、遊技者が第3図に示すようにグリツプ19を握り、そして親指を回転体27に押し当てて、支軸29を中心にして時計方向または反時計方向に回転させる。この回転によつて可変抵抗器28の端子に接続されたリード線32,32からの抵抗値は変動し、それは電気信号となつて制御装置に伝送される。
操作部26による打撃力調節のための操作に際し、遊技者は、掌(図示省略)の全体をグリップ19の外側から、回転体27の露出部位を目指して、回転体27およびグリップ19に跨がらせて、包み込むように当接させた状態のまま、グリップ19を軽く握持することにより、腕(図示省略)全体の重量のほとんどをグリップ19で支持させることができる。
またグリップ19は前枠8に固定されているので、掌の全体をグリップ19で支持させることにより、掌を容易に特定位置に位置決めでき、その際、腕全体の重量のほとんどがグリップ19によって支持される。
そのため比較的長時間にわたる継続的なパチンコ遊技のために、掌および腕を同一姿勢に維持しても、姿勢維持のために遊技者自身が負担する労力は軽減され、手腕への疲労発生を抑止する。
さらに掌がグリップ19を握持したとき、グリップ19と回転体27とは一体なので、打撃力調節に際し、その包み込んだ拳の形状および腕全体の姿勢を維持しながら、掌の全体をグリップ19と回転体27とに跨がるようにグリップ19の外郭形状に沿わせ、そのまま回転体27の回転方向に僅かに摺動させれば、回転体27が掌に対して発生する摩擦力で回転を開始し、打撃力は変動する。
また指または掌の一部で回転体27を回転させる場合、指が回転体27に接触する位置を目指してグリップ19を一緒に軽く包み込み、そして拳の形状および腕全体の姿勢を維持しながら、指または掌の一部のみをグリップ19の外郭形状に沿わせて摺動させれば、回転体27が掌に対して発生する摩擦力で回転を開始し、打撃力は変動する。
このように本発明では、打撃力調節に際し、手指の一部のみの独立動作によって回転体27を操作するのではなくて、グリップ19の外郭形状に沿わせて手指を摺動させるので、グリップ19の外郭形状が常時、回転体27の回転操作のためのガイドとして機能するため、打撃力は、概略の調節後、グリップ19すなわち握持部の外郭形状に沿わせて手指全体を微細に摺動させることにより、常時、回転体27を微細に回転できる。
また回転体27が正逆回転自在に設けられているので、その動作量は任意に定めることができ、回転体27の単位回転角度に対応する打撃力の変動量を任意に定めることができる。
さらに遊技中には、腕全体の重量のほとんどがが常時、グリップ19によって支持されるので、上述したいずれの場合でも、手先の姿勢および遊技者の手腕の姿勢はほとんど変化しない。
また回転体27の少なくとも一部をグリップ19の表面から露出させて配置しているので、回転体27の全体が表面に露出することはない。
制御装置は、その電気信号に応じた打球発射装置7のソレノイド12に電流を流して、パチンコ球の打撃力を変化させることができる。遊技者がグリツプ19から手を離せば、リード線25を通して人体による静電容量の検出状態は絶たれるので、その状態は、制御装置によつて検出されて、打球発射装置7のソレノイド12には電流を流さないようにしている。
次に、他の実施例においては、第5図に示すように、一実施例と同様にして遊技者の親指の動作により回転体27を支軸29から長手方向に見て時計方向または反時計方向に回転させる。この時、時計方向に回転させる時は、ばね部材40の保持力に抗して回転し、また、ばね部材46によつて作動片48の湾曲部49が回転筒38を押圧している押圧力に抗して回転する。ある回転位置で、親指を回転体27から離してもばね部材46によつて湾曲部49が回転筒38を押圧しているのでばね部材40の復帰力では、回転筒38は元の位置に復帰せず停止したままである。ある回転位置から、親指によつて反時計方向に元の位置に戻すこともできる。この時も同じように、湾曲部49の回転筒38に対する押圧力に抗して回転し、ばね部材40は復帰方向に戻ることになる。このようにして、可変抵抗器28も同じように回転して、それが示す抵抗値が電気信号としてリード線32,32から制御装置に伝送され、そして、制御装置から打球発射装置7のソレノイド12に抵抗値に応じた電流が流されることによつてパチンコ球の打撃力が調節される。回転体27のある回転位置において、遊技者がグリツプ19から手を離した場合、グリツプ19からのリード線25に通じる人体による静電容量の検出が絶たれ、これは、電気信号となつて、第9図に示す回路構成により、ソレノイド42を励磁させる。励磁すると、プランジヤ43は持ち上がり、レバー44をばね部材46の引張り力に抗して回動させるので、作動片48の湾曲部49は回転筒38から離れる。このことによつて、回転筒38は、ばね部材40の復帰力により元の位置に戻り同時に、可変抵抗器28が指示する抵抗値も打球発射装置7のソレノイド12を作動させないように元の位置に戻る。したがつて、パチンコ球の発射は直ちに停止して、遊技者にとつて無駄なパチンコ球の発射を防止できることになる。
なお、上記したようにパチンコ球の発射は、一発打ち用押ボタン14を押圧することによつて打球発射装置7による連続発射は停止し、離すことによつてパチンコ球の一発ずつの発射ができるようになつている。
(発明の効果)
以上述べたことから、本発明のパチンコ機用打球発射操作杆は、握持部と、手指で操作できる操作部に分離して設けたことから、従来のようにリンク機構や、カム等を使用することなく構造が簡単となり、長時間にわたつてパチンコ機の操作をしても疲れることはなく、パチンコ球の打撃力の微調整ができることから、打撃力は一定となるので遊技意欲が向上する。
また腕全体の重量のほとんどを握持部によって支持させながら、掌を回転体の露出部位を目指して容易に特定位置に位置決めでき、その位置決状態を保持しながら回転体を指先のみを微細に動かすことで、腕全体の重量のほとんどを握持部で常時、支持させるので、遊技中、手先の姿勢および遊技者の手腕の姿勢はほとんど変化しない。
そのためパチンコ球の打撃力を容易に調節することができ、比較的長時間にわたる継続的なパチンコ遊技でも、手腕の一部のみで遊技するのではなくて、手腕全体を使用して疲労を手腕の全体に分散させ、その疲労発生を可及的に減少させることにより、これに起因する遊技意欲の低減を抑止する。
さらに回転体の少なくとも一部を握持部の表面から露出させて配置しているので、打撃力調節に際し、その拳の形状および腕全体の姿勢を維持しながら、掌の全体または指先のみを、握持部と回転体とに跨がらせて、握持部の外郭形状に沿わせ、そのまま回転体の回転方向に僅かに摺動させれば、回転体が掌に対して発生する摩擦力で回転を開始し、打撃力は変動する。
この回転操作時には、手指の一部のみが回転体を独立で動作させるではなくて、手指を握持部の外郭形状に沿わせて摺動させ、握持部の外郭形状が常時、回転体の回転操作のためのガイドとして機能するため、打撃力は、概略の調節後、その外郭形状に沿わせて手指全体を微細に摺動させることにより、常時、動作の安定化を図りつつ、回転体を微細に回転できる。
さらに回転体の全体が表面に露出しないことから鑑みて、上述したような握持部の外郭形状によるガイド機能が得られるだけでなく、回転体が遊技者の手腕および衣類に引っ掛かるなど、操作部の操作性の低減を抑止する。
また回転体が正逆回転自在に設けられているので、その動作量は任意に定めることができ、回転体の単位回転角度に対応する打撃力の変動量を任意に定めることができるので、打球発射装置の設計に係る制限を緩和し、回転体の単位回転角度に対応する打撃力は、その設定値を増大させた場合には、微小回転角度で打撃力を増大させる一方、単位回転角度に対応する打撃力の変動量を減少させた場合には、微妙な打球力調節が容易になるため、単位回転角度当りの打撃力を所望の段階に設定でき、打撃力調節に係る操作性を容易に向上できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のパチンコ機用打球発射操作杆を備えたパチンコ機を示す正面図、第2図は、第1図に示すパチンコ機の打球発射操作杆の拡大図、
第3図は、第2図に矢印A-Aによつて操作部の一実施例を示す横断面図、
第4図は、第3図に矢印B-Bによつて示す縦断面図、
第5図は、操作部の他の実施例を示す上面図、
第6図は、第5図に矢印C-Cによつて示す縦断面図、
第7図は、第5図に矢印D-Dによつて示す側面図、
第8図は、第5図に矢印E-Eによつて示す断面図、
第9図は一実施例による打球発射操作杆を使用した場合、打球発射装置を作動させる回路の構成図、
第10図は、他の実施例による打球発射操作杆の作動を示す回路の構成図である。
1:打球発射操作杆、2:パチンコ機
3:遊技盤、7:打球発射装置
19:握持部(グリツプ)、26:操作部
27:回転体、28:可変抵抗器
40:ばね部材
42,44,46,49:停止部材(ソレノイド、レバー、ばね部材、湾曲部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】パチンコ機の遊技盤面に沿ってパチンコ球を発射させる打球発射装置を設け、該打球発射装置によって発射されるパチンコ球の打撃力を調節するための操作部を設け、該操作部と一体に形成されており、前記操作部の操作時に握持するための握持部を前記パチンコ機の前枠から突出させて設け、前記打撃力をその回転方向および回転量に応じて制御するための回転体を、前記操作部に正逆回転自在に設けるとともに、該回転体の少なくとも一部を前記握持部の表面から露出させて配置していることを特徴とするパチンコ機用打球発射操作杆。
【請求項2】操作部の回転体には、ばね部材を設けて、該回転体を時計方向または反時計方向に回転のいずれかの方向の弾性力に抗して正逆回転自在としたことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のパチンコ機用打球発射操作杆。
【請求項3】操作部の回転体に対して圧接・離脱自在に停止部材を設け、前記回転体に設けたばね部材の復帰力に打ち勝って前記回転体を任意の位置に停止可能としたことを特徴とする特許請求の範囲第2項に記載のパチンコ機用打球発射操作杆。

【第1図】
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【第2図】
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【第7図】
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【第8図】
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【第3図】
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【第4図】
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【第5図】
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【第6図】
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【第9図】
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【第10図】
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【特許番号】第2527941号
【登録日】平成8年(1996)6月14日
【発行日】平成8年(1996)8月28日
【国際特許分類】
【出願番号】特願昭61−204978
【出願日】昭和61年(1986)8月30日
【公開番号】特開昭63−59983
【公開日】昭和63年(1988)3月15日
【出願人】(999999999)株式会社平和
【参考文献】
【文献】実開昭62−70568(JP,U)