説明

パチンコ機

【課題】同時回し制御を行うパチンコ機において、一方の遊技の結果を、他方の遊技の結果を用いて報知する。
【解決手段】本発明に係るパチンコ機は、第1始動口と第2始動口とが互いに離れた位置に設けられている。第1始動口に遊技球が入賞すると第1特別図柄抽選手段による抽選が行われ、第2始動口に遊技球が入賞すると第2特別図柄抽選手段による抽選が行われる。そして、第1特別図柄抽選手段による抽選で大当たりに当選し、その当選に係る第1遊技の進行中に、第2特別図柄抽選手段による抽選で小当たりに当選した場合には小当たり遊技が提供される。第1特別図柄表示制御手段は、小当たり遊技が提供されている間、第1特別図柄の変動表示を一時停止させ、演出表示制御手段は、小当たり遊技中に、第1遊技が大当たりである旨または大当たりの可能性が高い旨を示唆する特別演出を演出表示装置に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ機に関し、特に、2つの始動口にそれぞれ遊技球が入賞した場合に、それぞれの入賞に基づく遊技を並行して進行させることが可能な仕様のパチンコ機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ機は、その遊技盤面内に、特別図柄を表示する特別図柄表示装置、所定の演出を表示する演出表示装置、特別図柄に係る電子抽選の契機となる始動口、普通図柄に係る電子抽選の契機となるスルーチャッカ、始動口の入口で開閉する電動チューリップ(普通電動役物)などが設けられており、遊技領域に向けて発射された遊技球が、この始動口に入賞すると特別図柄に係る電子抽選が行われると共に、特別図柄表示装置において特別図柄を変動させた後に停止させるといった態様の表示を行って電子抽選の結果を報知している。
【0003】
さらに、特別図柄の変動表示と同期をとって、演出表示装置に複数の演出図柄(演出に用いられる図柄のことで、ダミー図柄とも称される)が変動表示されて様々な演出が行われるようになっており、電子抽選の結果が大当たり(特図当たり)である場合には、これらの演出図柄が所定の停止態様(例えば、同一図柄が3つ揃って停止する態様)で停止表示されることで遊技者に大当たりであることが報知される。そして、大当たりとなった場合には、遊技者にとって有利な大当たり遊技が提供される。この大当たり遊技では、アタッカー装置(特別電動役物)が所定回数だけ開閉して露呈された大入賞口に遊技球が入るので、遊技者は多くの賞球を獲得することができる。
【0004】
なお、特別図柄の当否に関して、大当たりの他に小当たりを設けておき、小当たりに当選した場合にもアタッカー装置を作動させるようにしたパチンコ機も公知である。この種のパチンコ機は、小当たりに当選すると、アタッカー装置が例えば短時間に2回しか開放されないようになっているため、小当たりに当選しても賞球の獲得は殆ど見込めない。
【0005】
周知ではあるが、大当たりと小当たりの違いを念のため説明すると、アタッカー装置に代表される特別電動役物を連続して作動させることができる条件が成立する当たりが「大当たり」であり、特別電動役物を連続して作動させることができる条件が成立しない当たりが「小当たり」である。そのため、大当たりになると、例えば、アタッカー装置を16ラウンド開放させるような大当たり遊技を提供することができるが、小当たりの場合に、このような大当たり遊技を提供することはできない。本明細書においても、大当たりと小当たりはこのような区別があることを前提にして用いている。
【0006】
また、遊技球がスルーチャッカを通過すると、普通図柄に係る電子抽選が行われ、その抽選で普図当たりに当選すると、電動チューリップが所定時間開放され、始動口に遊技球が入賞し易くなる。電動チューリップは通常の遊技状態ではあまり開閉することはないが、大当たり遊技が終了すると、大当たりの種類に応じて所定の遊技回数だけ電動チューリップが頻繁に開閉する状態となるよう制御しているのが一般的である。この電動チューリップが頻繁に開閉する状態は、時短遊技状態(普図高確率遊技状態)と呼ばれたり、遊技球が始動口に入賞することを電動チューリップがサポートしている様子から、電サポ中などと呼ばれたりすることもある。なお、大当たりとなる確率がアップしている状態、所謂確率変動状態(特図高確率遊技状態)では、次の大当たりまで時短遊技状態になっている場合が多い。
【0007】
ところで、近年のパチンコ機は、始動口が2つ設けられたものが主流になりつつある。始動口が2つあるということは、それぞれの始動口に遊技球が入賞したことに基づいて、特別図柄の当否に係る抽選が行われるということになる。また、特別図柄の変動中に始動口に遊技球が入賞した場合、その入賞を契機として取得された乱数は、保留球乱数としてメモリ(保留球乱数記憶部)に最大4個まで記憶される。そして、始動口が2つ設けられた場合、保留球乱数を記憶するメモリも2つ設けられる。そうすると、2つの始動口のそれぞれに遊技球が入賞したことに基づく遊技をどのような順番で進行させるか、即ち、各メモリに記憶されている保留球乱数を読み出す順番をどうするかについては、大きく3つの制御方法がある。
【0008】
1つ目は、一方の始動口に遊技球が入賞したことに基づく遊技を、他方の始動口に遊技球が入賞したことに基づく遊技よりも優先的に進行させる制御方法である。つまり、2つのメモリの両方に保留球乱数が記憶されている場合、一方のメモリに記憶されている保留球乱数を他方のメモリに記憶されている保留球乱数よりも優先して読み出す制御方法である。この1つ目の制御は、優先消化、優先回しなどと言われているものである。2つ目は、遊技球が始動口に入賞した順番に従って遊技を進行させる制御方法である。つまり、2つのメモリの両方に保留球乱数が記憶されている場合、2つのメモリの何れに記憶されているかを問わず、先に記憶されたものから順番に保留球乱数を読み出す制御方法である。この2つ目の制御は、入賞順消化、入賞順回しなどと言われているものである。
【0009】
3つ目は、一方の始動口に遊技球が入賞したことに基づく遊技(以下、適宜「一方の遊技」と言う)と、他方の始動口に遊技球が入賞したことに基づく遊技(以下、適宜「他方の遊技」と言う)とを並行して進行させる制御方法である。つまり、一方のメモリに記憶されている保留球乱数を読み出す制御と、他方のメモリに記憶されている保留球乱数を読み出す制御とをそれぞれ別個に並行して行う制御方法である。この3つ目の制御は、同時消化、同時回しなどと言われているものである。なお、以下の説明において、3つ目の制御のことを、適宜、「同時回し制御」と言うことにする。
【0010】
上記した同時回し制御を行うパチンコ機として、例えば、特許文献1に記載の技術が公知である。この特許文献1に記載のパチンコ機は、第1始動条件が成立する(第1始動口に遊技球が入賞する)と、それに基づいて第1可変表示手段(第1特別図柄表示装置)に識別情報(第1特別図柄)を可変表示(変動表示)し、第1可変表示手段に識別情報が可変表示中であっても、第1始動条件とは異なる第2始動条件が成立する(第2始動口に遊技球が入賞する)と、それに基づいて第2可変表示手段(第2特別図柄表示装置)に識別情報(第2特別図柄)を可変表示(変動表示)するというものである。
【0011】
さらに、この特許文献1には、第1始動条件が成立したことに基づく第1可変表示手段による識別情報の可変表示において第1予告演出を実行し、第2始動条件が成立したことに基づく第2可変表示手段による識別情報の可変表示において第2予告演出を実行する構成が開示されていると共に、第1可変表示手段による識別情報の可変表示が開始された後、第2可変表示手段による複数回(例えば4回)の識別情報の可変表示中において所定の予告演出(いわゆる連続演出)が実行されてから、第1可変表示手段にて特定表示結果(大当たり)が導出表示される構成も開示されている。これらの記載から、特許文献1によれば、一方の遊技の結果が大当たりであるか否かを、複数回に亘って行われる他方の遊技における予告演出の態様から予測することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2009−61326号公報(段落0022、段落0220〜0232、図30等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、特許文献1のような演出面の工夫をしたとしても、遊技者にすぐに飽きられてしまうのが実情であり、遊技者を惹き付けることはもはや困難なものとなっている。特に、特許文献1では、4回に亘って行われる他方の遊技における連続演出によって、一方の遊技の結果を示唆することはできるものの、遊技結果を報知するか否かを遊技者自らが選択することはできない。そのため、他方の遊技において連続演出が行われた場合には、遊技者は、一方の遊技での大当たりを期待できるため、遊技結果が先に報知されたとしても問題はない。しかし、他方の遊技において連続演出が行われなかった場合、遊技者は、その事実から一方の遊技での大当たりの可能性が低いことを無理矢理知らされるので、遊技への興味が一気に低下する。そして、このことは、パチンコ機の稼動の低下を招くことにもつながることになる。
【0014】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、同時回し制御を行うパチンコ機において、一方の遊技の結果を、他方の遊技の結果を用いて報知すると共に、その報知の態様を斬新なものにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明は、遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域に設けられた第1始動口および第2始動口と、前記第1始動口に遊技球が入賞したことを契機に第1乱数を取得すると共に、当該第1乱数に基づいて第1特別図柄の抽選を行う第1特別図柄抽選手段と、前記第2始動口に遊技球が入賞したことを契機に第2乱数を取得すると共に、当該第2乱数に基づいて第2特別図柄の抽選を行う第2特別図柄抽選手段と、第1特別図柄を所定の変動時間だけ変動表示させた後に前記第1特別図柄抽選手段による抽選結果に対応する態様で前記第1特別図柄を停止表示する第1特別図柄表示装置と、この第1特別図柄表示装置の表示を制御する第1特別図柄表示制御手段と、第2特別図柄を所定の変動時間だけ変動表示させた後に前記第2特別図柄抽選手段による抽選結果に対応する態様で前記第2特別図柄を停止表示する第2特別図柄表示装置と、この第2特別図柄表示装置の表示を制御する第2特別図柄表示制御手段と、前記第1特別図柄抽選手段による抽選で第1特図当たりに当選した場合、または第2特別図柄抽選手段による抽選で第2特図当たりに当選した場合に、特別電動役物を作動する大当たり遊技制御手段と、前記第1特別図柄の変動時間に対応する演出態様および前記第2特別図柄の変動時間に対応する演出態様を、前記遊技領域に設けられた演出表示装置にそれぞれ表示するよう制御する演出表示制御手段と、を備え、前記第1始動口に遊技球が入賞したことに基づいて行われる第1遊技と、前記第2始動口に遊技球が入賞したことに基づいて行われる第2遊技とを並行して進行させることが可能なパチンコ機において、前記第1始動口を狙って打ち出された遊技球が前記第2始動口に入賞することがないように、前記第1始動口と前記第2始動口とは互いに離れた位置に設けられ、前記第1特図当たりは、大当たりを含んで成り、前記第1特別図柄抽選手段は、少なくとも大当たりとするか否かを抽選で決定し、前記第2特図当たりは、小当たりを含んで成り、前記第2特別図柄抽選手段は、少なくとも小当たりとするか否かを抽選で決定し、前記第1遊技が大当たりの場合の第1特別図柄の変動時間は、前記第2遊技で小当たりの場合の第2特別図柄の変動時間に比べて長くなるように予め設定されており、前記第1特別図柄抽選手段による抽選で大当たりに当選し、その当選に係る前記第1遊技の進行中に、前記第2特別図柄抽選手段による抽選で小当たりに当選した場合には、前記大当たり遊技制御手段は、その小当たりの当選に基づいて前記特別電動役物を所定の態様で作動させる小当たり遊技を提供し、前記第1特別図柄表示制御手段は、前記小当たり遊技が提供されている間、第1特別図柄の変動表示を一時停止させ、前記演出表示制御手段は、前記小当たり遊技中に、前記第1遊技が大当たりである旨または大当たりの可能性が高い旨を示唆する特別演出を前記演出表示装置に表示するようにしたことを特徴としている。
【0016】
本発明によれば、第1特別図柄抽選手段による抽選が行われ、その抽選結果が大当たりであり、その大当たりに基づく第1遊技の進行中(即ち、第1特別図柄の変動中)に第2始動口に遊技球が入賞すると、第2特別図柄抽選手段による抽選が行われ、第2遊技が第1遊技と並行して進行する。そして、第1遊技が大当たりの場合の第1特別図柄の変動時間は、第2遊技で小当たりの場合の第2特別図柄の変動時間に比べて長くなるように予め設定されているから、第1特別図柄の変動中に第2特別図柄抽選手段による抽選で小当たりに当選して小当たり遊技が実行される場合がある。この小当たり遊技中は、第1特別図柄の変動が一時停止すると共に、この一時停止中に演出表示装置には特別演出が表示される。よって、遊技者は、演出表示装置に表示された特別演出を見て、第1遊技が大当たりであること、または第1遊技が大当たりの可能性が高いことを知ることができ、優越感を得ることができる。
【0017】
なお、第1遊技がハズレの場合の第1特別図柄の変動時間を複数種類設定し、これらの変動時間の中に第2遊技で小当たりとなる場合の第2特別図柄の変動時間に比べて長くした第1特別図柄の変動時間を設け、第1特別図柄の変動中(例えば、ハズレとなるリーチ変動中)に第2特別図柄抽選手段による抽選で小当たりに当選して当該小当たりの結果が報知された後に、小当たり遊技に移行する構成にすると良い。そして、この移行に係る小当たり遊技中は、第1特別図柄の変動表示が一時停止すると共に、この一時停止中に演出表示装置には特別演出、又は特別演出とは異なる所定演出が表示されるようにすると良い。このようにすると、第2始動口に入賞させた際に特別演出が出現しても、必ずしも第1遊技が大当りとなるとは限らない構成となるから、遊技のバリエーションが増える。
【0018】
ここで、本発明では、第1始動口と第2始動口とは互いに離れた位置に設けられており、第1始動口を狙って打ち出された遊技球が第2始動口に入賞することがないようになっているから、第2始動口に遊技球を入賞させたい場合、第1始動口から第2始動口に狙いを変更しなければならない。つまり、第2始動口に遊技球を入賞させたい場合、遊技者は自らの意思で第2始動口を狙って遊技球を発射させる必要があるのである。よって、本発明では、第1特別図柄抽選手段の抽選結果を報知するか否かを、遊技者自らに選択に委ねることができる。これにより、報知を望む遊技者とそうでない遊技者の両者が満足する報知演出が可能となる。
【0019】
また、上記構成において、前記第1特別図柄表示制御手段は、前記小当たり遊技が終了したときに、一時停止中の前記第1特別図柄の変動表示を再開するように構成するのが好ましい。第1遊技の進行を遅滞なくスムーズに行うためである。
【0020】
また、上記構成において、前記小当たりは複数種類設けられると共に、前記小当たりは、その種類に応じて前記小当たり遊技の所要時間が異なるように予め設定されており、前記特別演出は、前記小当たりの種類と予め対応付けられているのが好ましい。このようにすると、特別演出をバリエーションに富んだものとすることができ、遊技の趣向性がより一層高まる。
【0021】
なお、第1遊技が大当たりの場合は、第1遊技がハズレとなるときと比較して小当たり遊技の所要時間が長くなる選択確率が高くなるテーブル参照をするようにさせ、大当たりの場合は長い所要時間の小当たり遊技となり易くすると、当該長い所要時間のときは大当たりの可能性が高いという示唆ができるようになると共に、長い変動時間に対応する特別演出にて優越感を付与できるため好適である。
【0022】
なお、上記構成において、前記第2特別図柄抽選手段による抽選の結果は、必ず大当たりまたは小当たりの何れかとなるように構成し、遊技球を1個だけ第2始動口に入賞させれば、第2特別図柄抽選手段の抽選は、殆どの場合小当たりとなるように大当たりと小当たりの振分け確率を設定するようにすれば、遊技者は、第2始動口に1個遊技球を入賞させれば、進行中の第1遊技を一時停止させ、特別演出を出現させる確率を向上させることができる。
【0023】
また、上記構成において、前記第2特別図柄抽選手段による抽選の結果は、大当たり、小当たり、またはハズレの何れかとなり、前記第2特別図柄抽選手段による抽選で小当たりとなる確率は、大当たり又はハズレとなる確率より高いという構成にすると、第2特別図柄抽選手段の抽選は、小当たりとなる確率の方が大当たり又はハズレとなるに場合に比べて高いから、遊技者は、第2始動口に何個か遊技球を入賞させれば、進行中の第1遊技の結果を一時停止させ、特別演出を出現させる確率を向上させることができる。
【0024】
また、上記構成において、前記第2特別図柄抽選手段による抽選の結果において、小当たりは発生するが、大当たり、ハズレは発生しない、又は極めて大当たり、ハズレが発生し難い構成とするようにしても良い。この場合は、大当たり、ハズレが発生しない又は発生確率が極めて低い為、第2始動口へ遊技球を入賞させることをメインにした遊技操作を行っても大きな遊技利益(賞球)を得る期待ができなくなるので、第1始動口へ遊技球を入賞させることをメインにした遊技操作を奨励させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態例に係るパチンコ機の外観斜視図である。
【図2】図1に示すパチンコ機のガラス扉を開け、遊技盤を外した状態の外観斜視図である。
【図3】図1に示すパチンコ機の背面図である。
【図4】図2に示す本体枠に取り付けられる遊技盤を模式的に示す図である。
【図5】図1に示すパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示す特別図柄抽選処理部の詳細を示すブロック図である。
【図7】図6に示す第1、第2特別図柄低確率判定テーブルおよび第1、第2特別図柄高確率判定テーブルの詳細を示す図である。
【図8】図5に示す特別図柄種類決定処理部の詳細を示すブロック図である。
【図9】図8に示す特別図柄種類決定テーブルの詳細を示す図である。
【図10】図8に示す小当たり図柄種類決定テーブルの詳細を示す図である。
【図11】図5に示す普通図柄抽選処理部の詳細を示すブロック図である。
【図12】図9に示す特別図柄の種類に対する、大当たり種別、電サポ回数、ラウンド数、およびアタッカー開放パターンを示す図である。
【図13】(a)は図10に示す小当たりの種類に対する、小当たり後の遊技状態、ラウンド数、およびアタッカー開放パターンを示す図であり、(b)はアタッカー開放パターンの詳細を示す図である。
【図14】図5に示す特別図柄変動パターンコマンド決定部の詳細を示すブロック図である。
【図15】図14に示す特別図柄共通変動パターンコマンドテーブルの詳細を示す図である。
【図16】図15に示す各変動パターンテーブルと主要変動時間との関係を説明するための図である。
【図17】図15に示す各変動パターンテーブルが参照される条件を説明するための図である。
【図18】図14に示す特別図柄変動パターンコマンド決定部が決定する変動パターンコマンドの具体例を説明するための図である。
【図19】図5に示す演出制御処理部の詳細を示すブロック図である。
【図20】図1に示すパチンコ機において、第1始動入賞口に遊技球が入賞した場合の遊技制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図21】図20に示す特別演出表示処理の詳細を示すフローチャートである。
【図22】図1に示すパチンコ機において、第2始動入賞口に遊技球が入賞した場合の遊技制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図23】図1に示すパチンコ機において、第1遊技で大当たりに当選し、第2遊技で小当たりに当選した場合の遊技状態を時系列に沿って示した図である。
【図24】図1に示すパチンコ機において、演出表示装置への表示の具体例を示す図である。
【図25】図6に示す第1、第2特別図柄低確率判定テーブルおよび第1、第2特別図柄高確率判定テーブルの「変形例1」を示す図である。
【図26】図6に示す第1、第2特別図柄低確率判定テーブルおよび第1、第2特別図柄高確率判定テーブルの「変形例2」を示す図である。
【図27】図6に示す第1、第2特別図柄低確率判定テーブルおよび第1、第2特別図柄高確率判定テーブルの「変形例3」を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、発明の実施の形態例を、図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、本体枠2の内側に収容される遊技盤3(図2において、遊技盤3は取り外されている)と、本体枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板10と、本体枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、本体枠2の下部に設けられた発射装置9と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7と、を具備している。さらに、ガラス扉4の上部にはスピーカ20が左右に1個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。なお、遊技盤3の詳細は図4に示されている。また、図3に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御処理部100、払出・発射制御処理部105、サブ制御処理部200、賞球払出装置14等を備えている。続いて、図1〜図5を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。
【0027】
遊技盤3は、図4に模式的に示されている通り、その盤面に遊技領域31を有しており、遊技領域31は、本体枠2に装着した後、ガラス板10を介して観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレールと遊技球規制レールによって略円形状となるように区画形成されており、発射装置9によって打ち出された遊技球はこの遊技領域31内を流下する。また、遊技領域31内には、演出表示装置34と、スルーチャッカ21と、電動チューリップ(普通電動役物)49と、ステージ(図示せず)と、第1始動入賞口(始動口)37aおよび第2始動入賞口(始動口)37bと、一般入賞口38と、アウト口39と、遊技釘(一部図示せず)と、風車(図示せず)と、第1アタッカー装置(特別電動役物)41aと、第2アタッカー装置(特別電動役物)41b等が設けられている。また、遊技盤面の右下方であって遊技領域31の外側の位置には、第1特別図柄表示装置17aと、第2特別図柄表示装置17bと、普通図柄表示装置22とが設けられている。
【0028】
なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bとは左右方向に間隔を空けて設けられており、発射装置9の発射強度が弱〜中のとき(所謂、ぶっこみ狙いで遊技球を発射した場合)には、遊技球は演出表示装置34の左側を流下して第1始動入賞口37aに入賞する可能性はあるが、第2始動入賞口37bには入賞することがない(図4のルートA参照)。
【0029】
それに対して、発射装置9の発射強度を強にして遊技球を発射する(所謂、右打ちを行う)と、遊技球を第2始動入賞口37bに入賞させることができるが、右打ちを行うと、遊技球を第1始動入賞口37aに入賞させることは困難となるように設定されている。よって、右打ちを行っている場合には、殆ど第2始動入賞口37bにしか遊技球が入賞することはない(図4のルートB参照)。なお、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合の方が第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合よりも不利な設定となっている(詳しくは後述)ので、遊技者は、通常、ぶっこみ狙いで遊技球を打ち出しながら遊技を進めることになる。
【0030】
演出表示装置34は、液晶画面から成り、図4に示すように、その左側に第1演出表示装置34aと、その右側に第2演出表示装置34bとを有している。つまり、1つの液晶画面の左側の表示領域が第1演出表示装置34aであり、右側の表示領域が第2演出表示装置34bである。第1演出表示装置34aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われた第1特別図柄に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものである。また、第2演出表示装置34bは、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われた第2特別図柄に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものである。
【0031】
第1演出表示装置34aには、第1特別図柄表示装置17aに変動表示される第1特別図柄と同期をとってダミー図柄(演出図柄)が変動表示されるようになっている。同様に、第2演出表示装置34bにも、第2特別図柄表示装置17bに変動表示される第2特別図柄と同期をとってダミー図柄が変動表示されるようになっている。なお、図4に示すように、第1演出表示装置34aは、その下部の領域に、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が記憶されたことを示す第1保留球表示装置34a−1を有している。一方、本実施形態では、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞しても保留球乱数として記憶されない構成となっているので、第2演出表示装置34bには、保留球を表示する領域は形成されていない。
【0032】
第1特別図柄表示装置17aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われた第1特別図柄に係る電子抽選の結果を、第1特別図柄(数字や絵柄など)を変動させた後に停止させるといった態様で表示するためのものである。同様に、第2特別図柄表示装置17bは、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われた第2特別図柄に係る電子抽選の結果を、第2特別図柄(数字や絵柄など)を変動させた後に停止させるといった態様で表示するためのものである。これら第1特別図柄表示装置17aおよび第2特別図柄表示装置17bは、本実施形態では7セグメント表示器が用いられており、演出表示装置34a,34bを見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤3の右下部分に離れて設けられている。そして、7セグメント表示器を点滅表示させることにより第1特別図柄が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで第1特別図柄の変動が停止する。この点滅中の時間が、第1特別図柄の変動時間である。なお、第2特別図柄についても同様である。
【0033】
ここで、第1特別図柄表示装置17aに停止表示される第1特別図柄の態様は、後述する第1特別図柄当否抽選部119aによる当否の抽選結果と、第1特別図柄種類抽選部129aにより決定された第1特別図柄の種類とに従うように予め設定されている。例えば、本実施形態では、大当たり(第1特図当たり)に当選した場合の停止図柄は、15R確変図柄Aを示す停止図柄「H」、15R確変図柄Bを示す停止図柄「b」、15R確変図柄Cを示す停止図柄「E」、2R確変図柄Aを示す停止図柄「F」、2R確変図柄Bを示す停止図柄「A」、2R通常図柄を示す停止図柄「P」があり、これらの停止図柄が7つのセグメントを用いて第1特別図柄表示装置17aに停止表示されるようになっている。また、今回の遊技がハズレの場合には、第1特別図柄の種類に関係なくハズレを示す態様としての「−」が表示されるようになっている。なお、第2特別図柄表示装置17bにも同様に所定の停止図柄が表示されるが、第2特別図柄の種類が第1特別図柄の種類と異なるため(図9参照)、停止表示される図柄の態様も異なっている。
【0034】
また、本実施形態では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく「第1遊技」と、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく「第2遊技」とを、並行して実行するようになっているので、第1始動入賞口37aの抽選結果は第1特別図柄表示装置17aに、第2始動入賞口37bの抽選結果は、第2特別図柄表示装置17bにそれぞれ別個に表示される。つまり、本実施形態に係るパチンコ機Pは、「同時回し制御」を行うようになっているのである。
【0035】
スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ46が内蔵されている。また、このスルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に行われる普通図柄に係る電子抽選の結果を表示するための普通図柄表示装置22が、特別図柄表示装置17a,bの隣に設けられている。この普通図柄表示装置22は、本実施形態では、二つのLEDランプで構成されており、普図当たりのときに一方のLEDランプが点灯し、ハズレのときには他方のLEDランプが点灯するようになっている。なお、2つのLEDランプを交互に点滅表示させることにより普通図柄が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで普通図柄の変動が停止する。この点滅中の時間が、普通図柄の変動時間である。
【0036】
なお、第1特別図柄表示装置17aの表示制御は、主制御処理部100の第1特別図柄表示制御部(第1特別図柄表示制御手段)101aによって行われ、第2特別図柄表示装置17bの表示制御は、主制御処理部100の第2特別図柄表示制御部(第2特別図柄表示制御手段)101bによって行われ、普通図柄表示装置22の表示制御は、主制御処理部100の普通図柄表示制御部102によって行われている(図5参照)。
【0037】
電動チューリップ(普通電動役物)49は、第1始動入賞口37aの入口に設けられ、遊技盤3の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えており、ソレノイドに通電がなされると一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して、第1始動入賞口37aの入口を拡大するようになっている。そして、電動チューリップ49が開放されると、第1始動入賞口37aへの遊技球の入賞は容易となる。
【0038】
また、ステージは、図示しないが、演出表示装置34a,34bの下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージの中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には第1始動入賞口37aが配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口37aへと導かれる。
【0039】
第1アタッカー装置(特別電動役物)41aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる第1特別図柄に係る電子抽選の結果、大当たり(第1特図当たり)となって大当たり遊技に移行した場合に所定回数開放される装置である。この第1アタッカー装置41aは、水平な軸を中心として前後方向に開閉する板状の蓋部材を備えており、図示しないソレノイドを駆動することにより蓋部材が水平軸回りに回動する構成となっている。そして、蓋部材が開いた状態では遊技領域31の下部に設けられた大入賞口42aが露呈され、その大入賞口42aに遊技球を入賞させることができる構成となっている。
【0040】
つまり、第1アタッカー装置41aは、常態では蓋部材が大入賞口42aを閉じているため、大入賞口42aに遊技球が入賞することはないが、上記したように、大当たり遊技に移行すると、蓋部材が開放されて大入賞口42aが露呈されるため、遊技球を大入賞口42a内に入賞させることが可能となるのである。そして、大入賞口42aに遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。即ち、遊技者は、大入賞口42aに遊技球を入賞させることによって出玉を獲得できるのである。また、大入賞口42aは、横長な長方形の開口であり、第1アタッカー装置41aの蓋部材は、この大入賞口42aの形状とほぼ同じ形状を成している。
【0041】
なお、本実施形態では、第1アタッカー装置41aの開放回数は2R(ラウンド)または15R(ラウンド)の2種類である。ラウンド数が多い方が、遊技者がより多くの賞球を獲得できることは言うまでもない。なお、特別図柄の種類に応じてラウンド数が異なるようになっているが、これについては、後ほど詳しく説明する。
【0042】
一方、第2アタッカー装置(特別電動役物)41bは、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる第2特別図柄に係る電子抽選の結果、大当たり(第2特図当たり)となって大当たり遊技に移行した場合、または小当たり(第2特図当たり)となって小当たり遊技に移行した場合に所定回数開放される装置である。この第2アタッカー装置41bは、第1アタッカー装置41aと同様の構成をしているため、ここでの詳しい説明は省略するが、第2アタッカー装置41bは第1アタッカー装置41aに比べて幅が小さい点と、蓋部材の表面には、「判定」という文字が描かれている点と、蓋部材が手前側に開くと、大入賞口42bが露呈し、第2アタッカー装置41bの内部に「残念」または「ラッキー」という文字がはっきりと見えるようになっている点で第1アタッカー装置41aと構成上の相違がある。この第2アタッカー装置41bは、第1遊技の結果を事前報知するためにも用いられるが、これについては後述する。
【0043】
なお、詳しくは後述するが、本実施形態では、第2アタッカー装置41bの大当たり又は小当たりに基づく動作態様(開放回数)は、開放時間を短くした2回開閉のみである。よって、第2アタッカー装置41bにより2回開閉がされても賞球の獲得は困難である。
【0044】
本発明の実施形態では、大当たり又は小当たりに応じて、大入賞口42bの開放継続が可能な予め定められた開放時間(例えば、大当たり=30秒以下、又は小当たり=1.8秒以下の時間)が定められ、当該開放時間内において第2アタッカー装置41bの板状の蓋部材の開閉作動を予め定められた回数となるまで実行させることを可能としている。従って、1回の大入賞口42bの開放時間内に第2アタッカー装置41bによる蓋部材の開閉作動を高速で複数回行わせて、大入賞口42b内へ遊技球を入賞させることを実質的に極めて困難となることを可能にしている。
【0045】
以下の「小当たりの遊技状態」では、大入賞口42bを0.9秒間開放させる第2アタッカー装置41bの蓋部材の開放作動を、5秒、10秒、15秒(図13参照)と定めた所要時間内に2回作動(大入賞口42bの開放の合計時間:0.9×2=1.8秒)させるようにしている。なお、前述の所要時間は、予め定めておけば任意に設定可能な時間としている。故に、「小当たりの遊技状態」とは、大当たりと区別して1ラウンドで終了させるような遊技としている。
【0046】
また、「大当たりの遊技状態」として大入賞口42aの開放継続の時間が異なる2種類の態様を設定し、大入賞口42aの開放後から上限30秒経過するまで当該開放継続を可能にする1回作動(1ラウンド)を順番に15回連続させる「15ラウンド大当たり」、及び大入賞口42aの開放後から上限0.9秒経過するまで当該開放継続を可能にする1回作動(1ラウンド)を順番に2回連続させる「2ラウンド大当たり」の振分け決定が可能となるようにしている。
【0047】
なお、本発明の実施形態では、大入賞口42a,42bの開放後に予め定めた個数(例えば、10個)の遊技球を受け入れた場合には、大入賞口42a,42bの開放継続の上限時間(例えば、30秒)が経過する前であっても、当該1回作動(1ラウンド)を終了させるようにしている。
【0048】
また、2ラウンド大当たりに基づく第2アタッカー装置41bの動作態様は、「0.9秒の大入賞口の開放(1ラウンド)+0.5秒のラウンドインターバル(大入賞口42b閉鎖)+0.9秒の大入賞口42bの開放(2ラウンド)」の2回開閉となるようにしている。そのため、2ラウンド当たりに係る第2アタッカー装置41bの作動開始から作動終了までに要する合計処理時間は2.3秒となる。
【0049】
なお、本発明の実施形態では、大当たりの遊技状態の終了後の所定遊技期間において、特図高確(詳しくは後述)だけの状態、普図高確(詳しくは後述)だけの状態、又は確変状態(特図高確及び普図高確、詳しくは後述)などへ状態移行可能としている。また、小当たりの遊技状態の終了後においては、上記複数の遊技状態の何れにも状態移行することをできないようにしている。しかし、小当たりを発生させたときの特図抽選の遊技状態が上記複数の遊技状態の何れかであったときは、当該小当たり終了後にその特図抽選時の遊技状態を引き継ぐようにしている。
【0050】
また、一般入賞口38に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。そして、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、第1アタッカー装置41a、および第2アタッカー装置41bの何れにも入らなかった遊技球は、アウト口39から回収される。なお、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、大入賞口42a,42bの内部にはそれぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサ43a,43b,44,45a,45b(図5参照)が設けられている。
【0051】
前面ボード6には遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置14から賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、遊技球を遊技領域31に向けて発射するための発射装置9が本体枠2の下部に取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置9に1個ずつ供給される。そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置9が遊技球を遊技領域31へと発射することができるようになっている。また、図1に示すように、受皿5の側部には、遊技者が押下操作する演出用タッチボタン60が設けられている。
【0052】
主制御処理部100は、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御処理部100は、CPU(Central Processing Unit)、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、生成された処理情報の一時記憶及び記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等により構成されている。このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
【0053】
具体的には、図5に示すように、主制御処理部100は、始動入賞口37a,37bに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄の当否に係る抽選を行う特別図柄抽選処理部110(第1特別図柄抽選手段および第2特別図柄抽選手段)と、この特別図柄抽選処理部110による抽選で大当たりに当選した場合に、その当選に係る特別図柄の種類を抽選で決定する特別図柄種類決定処理部120と、特別図柄の変動時間に関する情報を含むコマンドである変動パターンコマンドを決定するための特別図柄変動パターンコマンド決定部130と、所定条件が成立したことに基づいて、特別図柄に係る遊技状態および普通図柄に係る遊技状態をそれぞれ設定する遊技状態設定部140と、特別図柄抽選処理部110による抽選結果の判定が大当たりとなった場合に、特別図柄種類決定処理部120で決定した特別図柄の種類に応じて第1アタッカー装置41aまたは第2アタッカー装置41b(のソレノイド)を作動させて大当たり遊技に移行する大当たり遊技制御部(大当たり遊技制御手段)160とを備えている。この大当たり遊技制御部160は、小当たりに当選した場合にも、第2アタッカー装置41bを所定の態様で作動させるよう制御している。
【0054】
ここで、本実施形態に係るパチンコ機Pは、第1遊技と第2遊技とが並行して進行するため、第1遊技で大当たりとなり、第2遊技で大当たりまたは小当たりと判定される場合が起こり得る。例えば、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞して第1遊技が開始され、この第1遊技が大当たりと判定され、第1特別図柄が変動表示しているとする。このとき、右打ちして第2始動入賞口37bに遊技球が入賞して第2遊技が開始されると、詳しくは後述するが、第2遊技では大当たりまたは小当たりに必ず当選するため、大当たりと判定された第1遊技の進行中(第1特別図柄の変動中)に第2遊技で大当たりまたは小当たりの結果の報知がされ、大当たり遊技又は小当たり遊技の実行が可能となる場合がある。
【0055】
そして、小当たり遊技の実行が可能となる場合に、本実施形態では、第1遊技の進行を一時止めて、即ち、第1特別図柄表示制御部101aが第1特別図柄の変動を一時停止させて(本実施形態では、演出態様の表示も一時停止させている)、その間に、大当たり遊技制御部160が第2遊技での小当たり当選に基づく小当たり遊技を実行し、小当たり遊技が終了すると、第1特別図柄表示制御部101aが一時停止していた第1特別図柄の変動を再開させるようにしている(本実施形態では、演出態様の表示も再開させている)。そして、この小当たり遊技中(小当たり遊技の移行開始から次の所定遊技状態に移行可能とする終了条件が満たされるまで所定期間)に、本実施形態の大きな特徴の一つである特別演出が演出表示装置34の液晶画面に表示されるようになっている(詳しくは後述)。なお、本実施形態における「次の所定遊技状態に移行可能とする終了条件」は、小当たり遊技に係る第2アタッカー装置41b(特別電動役物)の作動が終了して次の所定遊技状態に移行させるための準備期間が終了したとき(具体的には、「終了の確定(エンディング時間)」の経過後)としている。
【0056】
さらに、主制御処理部100は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄の当否に係る抽選を行う普通図柄抽選処理部170と、普通図柄の変動時間を決定するための普通図柄変動時間決定部190と、電動チューリップ49の作動を制御する電動チューリップ作動制御部180と、第1特別図柄表示装置17aの表示制御を行う第1特別図柄表示制御部101aと、第2特別図柄表示装置17bの表示制御を行う第2特別図柄表示制御部101bと、普通図柄表示装置22の表示制御を行う普通図柄表示制御部102と、を備えて構成されている。
【0057】
特別図柄抽選処理部110は、図6に示すように、周期的に入力されるクロック信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ高速で更新させることによりハードウェア乱数を生成する特別図柄当否判定用乱数発生部111と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、第1特別図柄の当否に係る抽選を行う第1特別図柄当否抽選部119aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、第2特別図柄の当否に係る抽選を行う第2特別図柄当否抽選部119bとを備えて構成されている。なお、本実施形態では、ループカウンタが0〜65535までの範囲を1回ループするのに要する時間は、5ミリ秒である。
【0058】
第1特別図柄当否抽選部(第1特別図柄抽選手段)119aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特別図柄当否判定用乱数発生部111で発生した特別図柄当否判定用の乱数(第1乱数)を1つ取得(ラッチ)する第1特別図柄当否判定用乱数取得部112aと、この第1特別図柄当否判定用乱数取得部112aが取得した乱数(第1乱数)が大当たり(第1特図当たり)であるか否かを、第1特別図柄高確率判定テーブル116aまたは第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照して決定する第1特別図柄当否判定部113aと、第1特別図柄当否判定用乱数取得部112aが乱数を取得したときに第1特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を特別図柄に係る保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aとを備えている。なお、大当たり遊技中に第1始動入賞口37aに遊技球が入賞し、その入賞を契機に特別図柄当否判定用の乱数が取得された場合も、その乱数は保留球乱数として第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに記憶されることは言うまでもない。
【0059】
ここで、第1特別図柄高確率判定テーブル116aは、第1特別図柄低確率判定テーブル117aよりも大当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、第1特別図柄高確率判定テーブル116aは、大当たりの当選確率がおよそ1/30、第1特別図柄低確率判定テーブル117aは、大当たりの当選確率がおよそ1/300に設定されている。つまり、第1特別図柄高確率判定テーブル116aの方が、第1特別図柄低確率判定テーブル117aに比べて10倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
【0060】
より具体的には、図7に示すように、第1特別図柄の当否判定の結果は、第1特別図柄低確率判定テーブル117aが参照される場合、特別図柄当否決定用乱数の値が0〜217までのときに大当たりとなり、その値が218〜65535までのときにハズレとなる。また、第1特別図柄高確率判定テーブル116aが参照される場合、その当否判定の結果は、特別図柄当否決定用乱数の値が0〜2170までのときに大当たりとなり、その値が2171〜65535までのときにハズレとなる。
【0061】
第2特別図柄当否抽選部(第2特別図柄抽選手段)119bも第1特別図柄当否抽選部119aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特別図柄当否判定用乱数発生部111で発生した特別図柄当否判定用の乱数(第2乱数)を1つ取得(ラッチ)する第2特別図柄当否判定用乱数取得部112bと、この第2特別図柄当否判定用乱数取得部112bが取得した乱数(第2乱数)が大当たりまたは小当たり(第2特図当たり)であるか否かを、第2特別図柄高確率判定テーブル116bまたは第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照して決定する第2特別図柄当否判定部113bと、を備えている。なお、第2特別図柄当否抽選部119bは、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに相当するような保留球乱数を記憶する手段を備えていない。
【0062】
ここで、第2特別図柄高確率判定テーブル116bは、第2特別図柄低確率判定テーブル117bよりも大当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、第2特別図柄高確率判定テーブル116bは、大当たりの当選確率がおよそ1/30、第2特別図柄低確率判定テーブル117bは、大当たりの当選確率がおよそ1/300に設定されている。つまり、第2特別図柄高確率判定テーブル116bの方が、第2特別図柄低確率判定テーブル117bに比べて10倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
【0063】
より具体的には、図7に示すように、第2特別図柄の当否判定の結果は、第2特別図柄低確率判定テーブル117bが参照される場合、特別図柄当否決定用乱数の値が0〜217までのときに大当たりとなり、その値が218〜65535までのときに小当たりとなる。また、第2特別図柄高確率判定テーブル116bが参照される場合、その当否判定の結果は、特別図柄当否決定用乱数の値が0〜2170までのときに大当たりとなり、その値が2171〜65535までのときに小当たりとなる。即ち、第2特別図柄に係る当否の抽選が行われる場合、その抽選の結果は、必ず大当たりまたは小当たりとなり、ハズレとなることはない。
【0064】
なお、これ以降の説明において、便宜上、第1特別図柄当否抽選部119aが第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照して第1特別図柄の当否に係る抽選を行い、第2特別図柄当否抽選部119bが第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照して第2特別図柄の当否に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「特図低確」といい、第1特別図柄当否抽選部119aが第1特別図柄高確率判定テーブル116aを参照して第1特別図柄の当否に係る抽選を行い、第2特別図柄当否抽選部119bが第2特別図柄高確率判定テーブル116bを参照して第2特別図柄の当否に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「特図高確」ということにする。
【0065】
また、本実施形態では、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留球乱数が順次読み出されて遊技に関する処理が行われるが、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞すると、その入賞を契機として第2遊技が同時に進行する。
【0066】
次に、特別図柄種類決定処理部120について説明する。上述した特別図柄抽選処理部110が大当たりまたは小当たりに当選しているか否かを決定するものであるのに対して、特別図柄種類決定処理部120は、特別図柄の種類を決定するためのものである。つまり、本実施形態では、特別図柄に関する大当たり/小当たり/ハズレの決定は特別図柄抽選処理部110によって行われるが、大当たりの内容(種別、ラウンド数、電サポ回数、アタッカー開放パターン)や小当たりの内容(アタッカー開放パターン)は特別図柄種類決定処理部120によって決定される構成となっている。なお、上記した大当たりまたは小当たりの内容についての詳細は後述する。
【0067】
特別図柄種類決定処理部120は、図8に示すように、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜399までの範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特別図柄種類決定用乱数発生部121と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第1特別図柄の種類を決定するための第1特別図柄種類抽選部129aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第2特別図柄の種類を決定するための第2特別図柄種類抽選部129bと、を備えて構成されている。なお、本実施形態では、取得される乱数の偏りを防止するために、ループカウンタの初期値が、カウンタが1回ループする毎にランダムに変更されるようになっている。
【0068】
第1特別図柄種類抽選部129aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特別図柄種類決定用乱数発生部121で発生した特別図柄種類決定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特別図柄種類決定用乱数取得部122aと、この第1特別図柄種類決定用乱数取得部122aが取得した乱数から、第1特別図柄種類決定テーブル125aを参照して第1特別図柄の種類を決定する第1特別図柄種類決定部123aと、第1特別図柄種類決定用乱数取得部122aが乱数を取得したときに第1特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特別図柄種類決定用乱数記憶部124aと、を備えている。なお、大当たり遊技中に第1始動入賞口37aに遊技球が入賞し、その入賞を契機に特別図柄種類決定用の乱数が取得された場合も、その乱数は第1特別図柄種類決定用乱数記憶部124aに記憶されることは言うまでもない。
【0069】
第1特別図柄種類決定テーブル125aは、図9(a)に示すように、特別図柄種類決定用の乱数と第1特別図柄の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。具体的には、15R確変図柄A、15R確変図柄B、15R確変図柄C、2R確変図柄A、2R確変図柄B、2R通常図柄の合計6の第1特別図柄が第1特別図柄種類決定テーブル125aに格納されており、これら6種類の第1特別図柄のそれぞれに特別図柄種類決定用乱数0〜399までの値が対応付けられている。そして、各第1特別図柄に割り当てられる特別図柄種類決定用乱数値の範囲が異なるテーブル構成となっているから、第1特別図柄のそれぞれが第1特別図柄種類決定部123aによって選択される確率は異なるものとなる。
【0070】
より詳細に説明すると、第1特別図柄種類決定テーブル125aに格納された6種類の第1特別図柄のうち、特別図柄種類決定用乱数の値が0〜39までのものに対して「15R確変図柄A」が対応付けられており、当該乱数値が40〜79に対して「15R確変図柄B」が、当該乱数値が80〜119までのものに対して「15R確変図柄C」が、当該乱数値が120〜219までのものに対して「2R確変図柄A」が、当該乱数値が220〜319に対して「2R確変図柄B」が、当該乱数値が320〜399までのものに対して「2R通常図柄」が、それぞれ対応付けられている。
【0071】
なお、詳しくは後述するが、特別図柄の種類のうち、「2R」は大当たり遊技のラウンド数が2ラウンドであることを、「15R」は大当たり遊技のラウンド数が15ラウンドであることを、「確変」は所謂、確変当たりを、「通常」は所謂、通常当たりを、それぞれ示している。
【0072】
この図9(a)から明らかなように、「15R確変図柄A」に対応付けられた乱数の個数は、全体で400個の特別図柄種類決定用乱数のうち40個であるから、「15R確変図柄A」が選択される確率は、40/400x100=10%である。その他の第1特別図柄の選択確率についても同様にして求められ、「15R確変図柄B」の選択確率は10%、「15R確変図柄C」の選択確率は10%、「2R確変図柄A」の選択確率は25%、「2R確変図柄B」の選択確率は25%、「2R通常図柄」の選択確率は20%となっている。
【0073】
また、第2特別図柄種類抽選部129bも第1特別図柄種類抽選部129aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特別図柄種類決定用乱数発生部121で発生した特別図柄種類決定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特別図柄種類決定用乱数取得部122bと、この第2特別図柄種類決定用乱数取得部122bが取得した乱数から、第2特別図柄種類決定テーブル125bまたは小当たり図柄種類決定テーブル126bを参照して第2特別図柄の種類を決定する第2特別図柄種類決定部123bと、を備えている。
【0074】
なお、第2特別図柄当否抽選部119bによる抽選で大当たりに当選すると、第2特別図柄種類決定部123bは、第2特別図柄種類決定テーブル125bを参照して、第2特別図柄の種類を決定する。一方、小当たりに当選した場合、第2特別図柄種類決定部123bは、小当たり図柄種類決定テーブル126bを参照して小当たり図柄の種類を決定する。
【0075】
第2特別図柄種類決定テーブル125bは、図9(b)に示すように、特別図柄種類決定用の乱数と第2特別図柄の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。第2特別図柄の種類は、2R確変図柄Aと2R通常図柄の2つしかない。具体的には、第2特別図柄種類決定テーブル125bに格納された2種類の第2特別図柄のうち、特別図柄種類決定用乱数の値が0〜319までのものに対して「2R確変図柄A」が対応付けられており、当該乱数値が320〜399までのものに対して「2R通常図柄」が、それぞれ対応付けられている。
【0076】
この図9(b)から明らかなように、「2R確変図柄A」に対応付けられた乱数の個数は、全体で400個の特別図柄種類決定用乱数のうち320個であるから、「2R確変図柄A」の選択確率は80%、「2R通常図柄」の選択確率は20%となっている。
【0077】
以上のことから、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞して大当たりに当選した場合には、70%の確率で「2R」が選択されるということになる。これに対して、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞して大当たりに当選した場合は、100%の確率で「2R」が選択される。よって、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した方が、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞して大当たりに当選するよりも、15ラウンドの大当たり遊技が選択される確率が高いという点で遊技者に有利である。なお、何れの始動入賞口に遊技球が入賞しても、「確変」となる確率、即ち、確変当たりとなる確率は80%である。
【0078】
また、小当たり図柄種類決定テーブル126bは、図10に示すように、特別図柄種類決定用の乱数と小当たり図柄の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。小当たり図柄の種類は、「小当たり図柄A」、「小当たり図柄B」、および「小当たり図柄C」とから成り、特別図柄種類決定用乱数の値が0〜149までのものに対して「小当たり図柄A」が、当該乱数値が150〜299までのものに対して「小当たり図柄B」が、当該乱数値が300〜399までのものに対して「小当たり図柄C」が、それぞれ対応付けられている。そして、小当たりに当選した場合、小当たり図柄A〜Cのうち決定された小当たり図柄に基づいて、所定の態様(パターンA〜C)で第2アタッカー装置41bが開閉動作するようになっている(詳しくは後述する)。
【0079】
次に、普通図柄抽選処理部170について説明する。この普通図柄抽選処理部170は、図11に示すように、乱数を発生させる普通図柄用当否判定用乱数発生部171と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る抽選を行って当否を判定するための普通図柄当否抽選部177とを備えて構成されている。普通図柄当否判定用乱数発生部171は、特別図柄当否判定用乱数発生部111と同じ構成から成るものである。また、普通図柄当否抽選部177は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ46からの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、普通図柄当否判定用乱数発生部171で発生した普通図柄当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する普通図柄当否判定用乱数取得部172と、この普通図柄当否判定用乱数取得部172が取得した乱数が普図当たりであるか否かを、判定テーブルを参照して決定する普通図柄当否判定部173と、普通図柄当否判定用乱数取得部172が乱数を取得したときに普通図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を上限4個まで普通図柄に係る保留球乱数として記憶する普通図柄用保留球乱数記憶部174と、判定テーブルとして、普図当たりに当選する確率が低い普通図柄低確率判定テーブル176と、この普通図柄低確率判定テーブル176よりも普図当たりに当選する確率が高い普通図柄高確率判定テーブル175とを備えている。なお、電動チューリップ49の開閉動作中に遊技球がスルーチャッカ21を通過し、それを契機に普通図柄当否用の乱数が取得された場合も、その乱数は普通図柄用保留球乱数記憶部174に記憶されることは言うまでもない。
【0080】
ここで、普通図柄高確率判定テーブル175は、普通図柄低確率判定テーブル176よりも普図当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、普通図柄高確率判定テーブル175は、普図当たりの当選確率が1/1.1、普通図柄低確率判定テーブル176は、普図当たりの当選確率が1/20に設定されている。つまり、普通図柄高確率判定テーブル175の方が、普通図柄低確率判定テーブル176に比べて格段に普図当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。そして、普通図柄高確率判定テーブル175を参照して抽選が行われると、殆どの場合、普図当たりに当選することになる。
【0081】
なお、これ以降の説明において、便宜上、普通図柄当否抽選部177が普通図柄低確率判定テーブル176を参照して普通図柄に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「普図低確」といい、普通図柄当否抽選部177が普通図柄高確率判定テーブル175を参照して普通図柄に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「普図高確」ということにする。
【0082】
次に、図5に示す電動チューリップ作動制御部180は、普通図柄抽選処理部170による抽選で普図当たりに当選した結果に基づいて、電動チューリップ49のソレノイドに通電して開閉するよう制御している。この電動チューリップ作動制御部180は、普図高確中は、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間1.2秒(インターバル0.8秒)で2回開放する(つまり、1.2秒開放→0.8秒閉鎖→1.2秒開放の順となる)よう制御し、普図低確中は、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間0.2秒で1回開放するよう制御している。よって、普図高確中は、上述したように、普通図柄抽選処理部170による抽選が行われる度に、殆ど普図当たりに当選し、その当選により電動チューリップ49が1.2秒x2回開放されるため、遊技者は、電動チューリップ49内に遊技球を比較的容易に入賞させることができる。従って、普図高確中は、遊技球をあまり減らすことなく遊技を行うことができる。
【0083】
さて、本実施形態に係るパチンコ機Pは、遊技状態として、「低確」、「内確」、「時短」、「確変」の3つの状態が予め用意されている。「低確」は、特図低確および普図低確の遊技状態から成り、「内確」は、特図高確および普図低確の遊技状態から成り、「時短」は、特図低確および普図高確の遊技状態から成り、「確変」は、特図高確および普図高確の遊技状態から成るものである。
【0084】
本実施形態では、先に述べた特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の種類が決定されると、その特別図柄と上記の各遊技状態とから、大当たり種別、ラウンド数、電サポ回数(時短回数)、および、アタッカー開放パターンが決まるようになっている。これについて、図12を参照しながら、以下、詳しく説明を行っていくことにする。
【0085】
図12(a),(b)に示すように、各特別図柄の種類には、それぞれ、大当たり種別、ラウンド数、電サポ回数、およびアタッカー開放パターンを規定した大当たりパターンが予め対応付けられている。
【0086】
ここで、「大当たり種別」とは、大当たり遊技後の特別図柄に係る遊技状態を特図低確とする「通常当たり」と、特図高確とする「確変当たり」との何れにするかを定めたものである。通常当たりの場合には、その後の遊技状態が特図低確となるので、なかなか次の大当たりに当選しないが、確変当たりの場合、その後の遊技状態が特図高確となるので、直ぐに次の大当たりに当選する可能性が高い。
【0087】
「ラウンド数」とは、大当たり遊技中にラウンド遊技が何回実行されるかを定めたものである。本実施形態では、大当たり遊技中のラウンド遊技の回数が、2ラウンドと15ラウンドの2種類設けられている。
【0088】
「アタッカー開放パターン」とは、出玉有りの大当たり遊技か出玉無しの大当たり遊技かを定めたものであり、「フル開放」は出玉有りの大当たり遊技を示し、「高速開放」は出玉無しの大当たり遊技を示している。そして、ラウンド数が15ラウンドの場合は「フル開放」、2ラウンドの場合は「高速開放」と予め定められている。つまり、15ラウンドの場合は、出玉を獲得でき、2ラウンドの場合は出玉を獲得できないということになる。
【0089】
この点について、具体的に説明すると、本実施形態では、ラウンド数が15ラウンドの場合には、1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技開始後に第1アタッカー装置41aが1回開き、露呈した大入賞口42に10個の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから30秒が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了する。つまり、15ラウンドの場合、第1アタッカー装置41aは、1ラウンドで最大30秒間開放されることとなる。これが、「フル開放」である。
【0090】
一方、ラウンド数が2ラウンドの場合には、1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技開始後に第1アタッカー装置41aまたは第2アタッカー装置41bが1回開き、露呈した大入賞口42に10個の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから0.9秒が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了するようになっている。つまり、2ラウンドの場合、第1アタッカー装置41aまたは第2アタッカー装置41bは、1ラウンドで最大0.9秒間しか開放されない。即ち、2ラウンドの場合、0.9秒(1ラウンド目)+0.5秒(インターバル時間)+0.9秒(2ラウンド目)=2.3秒間で大当たり遊技が終了するということになる。これが、「高速開放」である。
【0091】
そのため、「フル開放」では、ラウンド遊技が開始されてから30秒経過するよりも先に大入賞口42aに10個の遊技球が入賞することが多く、遊技者は、それに応じた賞球(およそ1400個)を獲得することができる。つまり、「フル開放」は、出玉のある大当たり遊技である。これに対して、「高速開放」では、ラウンド遊技中にアタッカー装置41a,41bが開放される時間が極めて短いため、露呈した大入賞口42a,42bに遊技球を入賞させることは困難である。その結果、遊技球が大入賞口42a,42bに入賞することのないまま、0.9秒が経過してラウンド遊技の終了条件が成立してしまう。そのため、「高速開放」では、大当たり遊技中に出玉を見込めないということになる。
【0092】
なお、このアタッカー装置41a,41bの作動を制御して、特別図柄の種類に応じたアタッカー開放パターンとラウンド数で大当たり遊技を提供しているのが、大当たり遊技制御部160である。
【0093】
また、「電サポ回数」とは、電動チューリップ49によるサポートを受けながら遊技を行うことができる遊技回数のことであり、より詳しくは、遊技状態が普図高確の状態で、特別図柄抽選処理部110による抽選を行うことのできる回数(遊技回数)のことである。なお、本実施形態では、電サポ回数は、0回、100回、および10000回(次回まで)の3種類が設けられているが、設定された電サポ回数に到達する前に大当たりに当選すると、その時点で残りの電サポ回数は消滅し、そして新たに当選した際に決定した特別図柄の種類に応じた電サポ回数が付与されるようになることは言うまでもない。
【0094】
なお、本実施形態では、電サポ回数が10000回となる場合には「確変回数」は、電サポ回数と同期する回数(10000回)設定となるようにしている。しかし、遊技状態(大当りパターン)に応じて電サポ回数よりも多い「確変回数」、又は電サポ回数よりも少ない「確変回数」となるようにしても構わない。
【0095】
ここで、本実施形態では、特図低確時の当選確率が1/300であり、特図高確時の当選確率が1/30となっているから、10000回も遊技(即ち、特別図柄の当否に係る抽選)を行う間には、ほぼ間違いなく大当たりに当選する。つまり、次回の大当たりに当選するまでの遊技回数が10000回を超えることは皆無である。よって、電サポ回数が10000回付与されるということは、次回の大当たり当選まで「普図高確」が継続することと等しいと言えるものである。そして、電サポ回数が10000回に決定されると、遊技球をあまり減らすことなく大当たりが連荘することが実質上、確定することになる。
【0096】
このように、大当たりパターンは、大当たり種別と、ラウンド数と、アタッカー開放パターンと、電サポ回数とが規定された内容で構成されており、特別図柄の種類が決定されると、その種類に応じた大当たりパターンに従って遊技の制御が行われることとなる。なお、特別図柄の種類と大当たりパターンの対応関係は以下の通りである。
【0097】
「15R確変図柄A」は、確変当たりであり、大当たり時の遊技状態が「低確」、「内確」、「時短」、「確変」の何れの場合においても電サポ回数が10000回(次回まで)となり、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「フル開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ1400個の出玉のある大当たりパターンに対応している。「15R確変図柄B」および「15R確変図柄C」に対応する大当たりパターンも「15R確変図柄A」と同じである。
【0098】
「2R確変図柄A」は、確変当たりであり、大当たり時の遊技状態が「低確」、「内確」、「時短」、「確変」の何れの場合においても電サポ回数が10000回(次回まで)となり、ラウンド数が2ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「高速開放」となり、1回の大当たり遊技での出玉が見込めない大当たりパターンに対応している。
【0099】
「2R確変図柄B」は、確変当たりであり、ラウンド数が2ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「高速開放」となり、1回の大当たり遊技での出玉が見込めない大当たりパターンに対応している。ただし、電サポ回数が大当たり時の遊技状態に応じて異なる設定になっている。具体的には、大当たり時の遊技状態が「低確」の場合、電サポ回数が0回となり、大当たり時の遊技状態が「内確」、「時短」、および「確変」の場合には、電サポ回数が10000回(次回まで)となる。
【0100】
「2R通常図柄」は、通常当たりであり、ラウンド数が2ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「高速開放」となり、1回の大当たり遊技での出玉が見込めない大当たりパターンに対応している。ただし、電サポ回数が大当たり時の遊技状態に応じて異なる設定になっている。具体的には、大当たり時の遊技状態が「低確」の場合、電サポ回数が0回となり、大当たり時の遊技状態が「内確」、「時短」、および「確変」の場合には、電サポ回数が100回となる。
【0101】
ところで、「低確」時に「2R確変図柄B」に当選すると、大当たり遊技後の遊技状態は特図高確になるにも拘らず電サポが付与されない状態となり、「2R通常図柄」に当選した場合には、大当たり遊技後の遊技状態は特図低確となり電サポも付与されない。そのため、遊技者は、2ラウンドの大当たり遊技後に、電動チューリップ49が頻繁に開くことがない状態であっても、特別図柄に係る遊技状態が特図低確である場合と特図高確である場合の両方がある。つまり、本実施形態では、低確時に「2R確変図柄B」に当選すると、その当選に基づく大当たり遊技後の遊技状態が、いわゆる潜伏確変の状態となるのである。
【0102】
なお、上記の特別図柄の種類と大当たりパターンとの対応関係については、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合とで同じである。即ち、何れの始動入賞口に遊技球が入賞しても、その入賞を契機に決定される特別図柄の種類が同じであれば、それに対応する大当たりパターンも同じとなる。
【0103】
さらに、本実施形態では、小当たり図柄の種類に応じて、小当たり遊技における第2アタッカー装置41bの開閉動作のパターンが予め定められている。これについて、図13を参照しながら、詳しく説明する。
【0104】
まず、小当たり図柄の種類がA〜Cの何れに決定されたとしても、図13(a)に示すように、第2アタッカー装置41bが1回分の大入賞口42bの開放を0.9秒間とした高速開閉で所要時間5.0秒、所要時間10秒、所要時間15秒の何れかの時間以内に2回開放される。よって、出玉は見込めない。なお、この小当たり時の第2アタッカー装置41bの作動の制御も大当たり遊技制御部160が行っている。ここで、前述したように小当たりに当選した場合には、小当たり後の遊技状態は小当たりとした特図抽選時の遊技状態のまま維持される。つまり、小当たりとした特図抽選時の遊技状態が低確なら小当たり後の遊技状態は低確のまま維持され、同様に、小当たり時の遊技状態が内確、時短、確変の場合、小当たり後はそれぞれ内確、時短、確変の状態が維持される。
【0105】
そして、小当たり図柄Aの場合、アタッカー開放パターンは「パターンA」となり、小当たり図柄Bの場合、アタッカー開放パターンは「パターンB」となり、小当たり図柄Cの場合、アタッカー開放パターンは「パターンC」となる。各パターンに対する第2アタッカー装置41bの開閉パターンは、図13(b)に示す通りである。小当たり遊技におけるアタッカー開放パターンは、「1回目の開放→インターバル→2回目の開放→終了の確定」という流れで構成されており、各動作の時間の一部がパターンA〜Cの間で異なっている。
【0106】
「パターンA」は、小当たり遊技に移行後、第2アタッカー装置41bが、(A1)0.9秒間開放→(A2)2.7秒間閉鎖→(A3)0.9秒間開放→(A4)0.5秒間閉鎖という順番に動作して、所要時間の合計が5秒となる動作パターンである。「パターンB」は、小当たり遊技移行後に、第2アタッカー装置41bが、(B1)0.9秒間開放→(B2)7.7秒間閉鎖→(B3)0.9秒間開放→(B4)0.5秒間閉鎖という順番に動作して、所要時間の合計が10秒となる動作パターンである。「パターンC」は、小当たり遊技移行後に、第2アタッカー装置41bが、(C1)0.9秒間開放→(C2)12.7秒間閉鎖→(C3)0.9秒間開放→(C4)0.5秒間閉鎖という順番に動作して、所要時間の合計が15秒となる動作パターンである。そして、これらの小当たり遊技実行中は、第1特別図柄の変動が一時停止しており、この間、後述する特別演出が演出表示装置34に表示されるようになっている。
【0107】
次に、特別図柄の変動時間を決定するための処理について説明する。特別図柄の変動時間は、変動パターンコマンドというコマンドに含まれており、特別図柄変動パターンコマンド決定部130が遊技の開始時に変動パターンコマンドを決定することにより、その遊技に係る特別図柄の変動時間が決定されるようになっている。
【0108】
特別図柄変動パターンコマンド決定部130は、図14に示すように、変動パターンコマンドの決定に用いる変動パターン用乱数を発生させるための特別図柄変動パターン用乱数発生部131と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づいて第1変動パターンコマンドを決定するための第1特別図柄変動パターン抽選部130aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づいて第2変動パターンコマンドを決定するための第2特別図柄変動パターン抽選部130bと、を備えて構成されている。
【0109】
特別図柄変動パターン用乱数発生部131は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば0〜199まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
【0110】
第1特別図柄変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、特別図柄変動パターン用乱数発生部131にて発生した特別図柄変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aと、この第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数から、特別図柄共通変動パターンコマンドテーブル134を参照して第1変動パターンコマンドを決定する第1特別図柄変動パターン決定部135aと、第1特別図柄が変動中の場合に、第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数を上限4個まで記憶する第1特別図柄変動パターン用乱数記憶部133aと、を備えて構成されている。なお、第1特別図柄変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が1個入賞すると、第1特別図柄当否抽選部119aと同様に、その入賞につき1つの特別図柄変動パターン用乱数を取得する。なお、大当たり遊技中に第1始動入賞口37aに遊技球が入賞し、その入賞を契機に特別図柄変動パターン用の乱数が取得された場合も、その乱数は第1特別図柄変動パターン用乱数記憶部133aに記憶されることは言うまでもない。
【0111】
第2特別図柄変動パターン抽選部130bも第1特別図柄変動パターン抽選部130aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、特別図柄変動パターン用乱数発生部131にて発生した特別図柄変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第2特別図柄変動パターン用乱数取得部132bと、この第2特別図柄変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数から、特別図柄共通変動パターンコマンドテーブル134を参照して第2変動パターンコマンドを決定する第2特別図柄変動パターン決定部135bと、を備えて構成されているが、第1特別図柄変動パターン用乱数記憶部133aに相当する構成は備えていない。なお、第2特別図柄変動パターン抽選部130bは、第2始動入賞口37bに遊技球が1個入賞すると、第2特別図柄当否抽選部119bと同様に、その入賞につき1つの特別図柄変動パターン用乱数を取得する。
【0112】
特別図柄共通変動パターンコマンドテーブル134は、第1特別図柄変動パターン抽選部130aおよび第2特別図柄変動パターン抽選部130bの両方の抽選部が共通で用いるテーブルであって、図15に示すように、通常変動パターンテーブル134a、短縮変動パターンテーブル134b、特殊変動パターンテーブル134cの合計3つのテーブルを備えている。
【0113】
変動パターンテーブル134a〜cは、特図1(第1特別図柄)および特図2(第2特別図柄)の変動時間が規定されている(つまり、第1特別図柄の変動時間に関するテーブルと第2特別図柄の変動時間に関するテーブルとを有している)と共に、特図1と特図2とがそれぞれ特有の変動時間となるよう設定されている。そこで、以下、各テーブルの変動時間の特徴について、図16を用いて説明することにする。
【0114】
まず、通常変動パターンテーブル134aは、保留記憶数(保留球乱数の記憶数)に応じて特図1の主要変動時間が異なるように設定されている。具体的には、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留記憶数が0個と1個の場合、特図1の主要変動時間は12.5秒に設定され、保留記憶数が2個の場合、特図1の主要変動時間は12.5秒に設定され、保留記憶数が3個の場合、特図1の主要変動時間は7秒に設定され、保留記憶数が4個の場合、特図1の主要変動時間は4秒に設定されている。つまり、保留記憶数が多くなると、主要変動時間は短くなるように設定されている。一方、特図2の場合、保留球乱数を記憶する構成を備えていないので、特図1の保留記憶数0個のときと同じ主要変動時間が設定されている。
【0115】
なお、主要変動時間とは、リーチが成立しない(または、リーチ扱いとならない)通常のハズレ変動時間のことである。また、この通常変動パターンテーブル134aは、リーチとなる確率が特図1、特図2共に1/15に設定され、さらに、リーチ時の変動時間が特図1、特図2共に20秒〜120秒に設定されている。なお、大当たりのときには、必ずリーチ時の変動時間が選択される。
【0116】
短縮変動パターンテーブル134bは、保留記憶数に応じて特図1の主要変動時間が異なるように設定されている。具体的には、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留記憶数が0個と1個の場合、特図1の主要変動時間は7秒に設定され、保留記憶数が2個、3個、4個の場合、何れも特図1の主要変動時間は2秒に設定されている。一方、特図2の場合、保留球乱数を記憶する構成を備えていないので、特図1の保留記憶数0個のときと同じ主要変動時間が設定されている。また、この短縮変動パターンテーブル134bは、リーチとなる確率が特図1、特図2共に1/25に設定され、さらに、リーチ時の変動時間が特図1、特図2共に60秒〜120秒に設定されている。なお、大当たりのときには、必ずリーチ時の変動時間が選択される。
【0117】
特殊変動パターンテーブル134cは、上記した通常変動パターンテーブル134aおよび短縮変動パターンテーブル134bと趣の異なるテーブル構成を成しており、具体的には、特図1の場合と特図2の場合の両方において、保留記憶数に拘らず主要変動時間が2秒に設定されている。なお、特殊変動パターンテーブル134cでは、特図1の場合も特図2の場合も、大当たり時のみリーチとなるよう予め設定されており、特図高確時における大当たりの確率が1/30であることから、リーチとなる確率が1/30に設定されている。さらに、特図1および特図2のリーチ時の変動時間が共に120秒となっている。
【0118】
次に、各変動パターンテーブル134a〜cが参照されるための条件(テーブル参照条件)、即ち、どのような遊技状態のときに何れの変動パターンテーブルが参照されるか、について、図17を用いて説明する。通常変動パターンテーブル134aは、遊技状態が低確中(特図低確かつ普図低確)の場合と、内確中(特図高確かつ普図低確)の場合に参照される。短縮変動パターンテーブル134bは、確変中(特図高確かつ普図高確)の場合に参照される。また、特殊変動パターンテーブル134cは、時短中(特図低確かつ普図高確)、即ち、大当たり遊技終了後の100ゲームに限って参照される。
【0119】
よって、2R通常図柄に当選して100回の電サポが付与された場合、大当たり遊技後の100ゲームの間は、特殊変動パターンテーブル134cが参照されるから、第1特別図柄が毎遊技2秒変動し、第2特別図柄が毎遊技2秒変動する状態が発生することとなる。これにより、時短100ゲームを実行(消化)するのに必要な時間は極めて短くなる。なお、電源投入後の初期状態やRAMクリア時は、通常変動パターンテーブル134aが参照されるようになっていることは言うまでもない。
【0120】
このように構成された第1特別図柄変動パターン抽選部130aは、第1遊技の開始時に、第1特別図柄当否抽選部119aによる当否抽選の結果に基づき、必要に応じて第1特別図柄種類抽選部129aにて決定された第1特別図柄の種類や、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに現在記憶されている保留球乱数の記憶個数(保留記憶数)をも考慮して、変動パターンテーブル134a〜cのうち上記したテーブル参照条件に従って所定のテーブルを参照して、第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aが取得した特別図柄変動パターン用乱数に対応する第1変動パターンコマンドを決定している。また、第2特別図柄変動パターン抽選部130bも同様にして、第2遊技の開始時に第2変動パターンコマンドを決定している。
【0121】
そこで、決定されるコマンドの具体例を、図18を参照しながら以下に説明する。なお、図18中の「擬似連」とは、1回の遊技中に、複数の演出図柄を変動させた後にハズレを示す態様で仮停止させ、再び複数の演出図柄を変動させるといった演出表示を繰り返すことによって、実際には1回の遊技であるものの、擬似的に複数回の遊技を行っているかのように見せる演出のことであり、擬似連の回数とは、その擬似的に行う演出上(見せかけ)の遊技回数のことである。
【0122】
図18(a)は、第1特別図柄当否抽選部119aによる当否判定の結果がハズレの場合において、通常変動パターンテーブル134aを参照した場合の特別図柄変動パターン用乱数の値と第1変動パターンコマンドとの関係、および変動パターンコマンドの内容について示したものである。また、図18(b)は、第1特別図柄当否抽選部119aによる当否判定の結果がハズレの場合において、特殊変動パターンテーブル134cを参照した場合の特別図柄変動パターン用乱数の値と第1変動パターンコマンドとの関係、および変動パターンコマンドの内容について示したものである。
【0123】
図18(a)から明らかなように、通常変動パターンテーブル134aが参照される場合においては、特別図柄変動パターン用乱数の値が0〜29までの何れかであるとき、それらに対応する第1変動パターンコマンドは、変動パターンNo.A1〜A16の何れかとなる。これら変動パターンNo.A1〜A16には、変動時間が20秒〜120秒までの何れかのリーチ変動時間が規定されている。よって、特別図柄変動パターン用乱数の値が0〜29までの場合、保留記憶数とは関係なく、変動パターンNo.に規定されているリーチ変動時間となる。なお、前述したように、通常変動パターンテーブル134aのリーチ確率は1/15であるため、リーチとなる特別図柄変動パターン用乱数の個数は、合計200個のうち30個となっている。
【0124】
これに対して、特別図柄変動パターン用乱数の値が30〜199までの何れかであるとき、それらに対応する第1変動パターンコマンドは、保留記憶数に応じて変動パターンNo.A17〜A19の何れかとなる。具体的には、第1変動パターンコマンドは、保留記憶数が0〜2個のとき変動時間12.5秒の変動パターンNo.A17となり、保留記憶数が3個のとき変動時間7秒の変動パターンNo.A18となり、保留記憶数が4個のとき変動時間4秒の変動パターンNo.A19となる。
【0125】
また、図18(b)から明らかなように、特殊変動パターンテーブル134cが参照される場合においては、特別図柄変動パターン用乱数の値が0〜199の何れの値になっても、第1変動パターンコマンドは、保留記憶数とは関係なく、必ず変動パターンNo.A51となる。この変動パターンNo.A51には、変動時間が2秒と規定されている。よって、ハズレの場合であって、特殊変動パターンテーブル134cが参照されるときは、必ず第1特別図柄の変動時間は2秒となる。なお、図示しないが、大当たりと判定された場合に参照される特殊変動パターンテーブル134cには、特別図柄変動パターン用乱数の値が何れの場合であっても、リーチ変動時間120秒の変動パターンNo.が選択されるように構成されている。
【0126】
なお、図示していないが、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し、第2特別図柄当否抽選部119bによる抽選の結果が小当たりである場合、第2特別図柄の変動時間は、常に2秒と定められている。ここで、大当たり時の第1特別図柄の変動時間は、常にリーチ時の変動時間が選択されるから、図16に示すように、20〜120秒となる。一方、小当たり当選時の第2特別図柄の変動時間は2秒で固定されているから、小当たり当選時の第2特別図柄の変動時間t1(2秒)と、大当たり当選時の第1特別図柄の変動時間t2(例えば120秒)との関係は、t1≪t2となる。このようにt1≪t2の関係が成立するよう予め変動時間が定められているから、大当たりに当選した第1遊技での第1特別図柄の変動中に、確実に小当たりに当選した第2遊技での第2特別図柄の変動を開始〜停止確定まで行うことができる。そして、第1遊技中に第2遊技での小当たりを確定させることができるから、小当たり遊技が行われている間、第1特別図柄の変動を一時停止することができる。
【0127】
図5に戻って、普通図柄変動時間決定部190は、普通図柄の変動開始時における普通図柄の遊技状態が普図高確と普図低確の何れであるかを判断し、その判断結果に応じて予め定めた普通図柄の変動時間を決定する。具体的には、普図高確の場合、普通図柄変動時間決定部190は、普通図柄に係る変動時間を2秒に決定し、普図低確の場合、普通図柄変動時間決定部190は、普通図柄に係る変動時間を30秒に決定する。
【0128】
また、払出・発射制御処理部105は、主制御処理部100と相互通信可能に接続されているうえ、CRユニットとも中継基板を介して相互通信可能に接続されており、賞球払出装置14の払出モータの駆動を制御することにより、所定個数の賞球や貸球を払い出したり、発射ボリュームの値に応じて発射装置9の発射用モータ(発射用ロータリーソレノイドが用いられることもある)の駆動を制御することにより、所定の発射強度で遊技球を発射できるようにしたり、整流器の球送りソレノイドの駆動を制御することにより、遊技球を1個ずつ発射装置9に送り出すようにする等の処理を担っている。なお、CRユニットが払出・発射制御処理部105と電気的に接続されていない場合には、発射装置9から遊技球が発射されることはないように制御されている。
【0129】
ここまで、主に主制御処理部100が行う各処理について説明したが、ここからは、主制御処理部100から指令を受けて各種演出を行うためのサブ制御処理部200について説明する。サブ制御処理部200は、演出制御処理部201(詳しくは後述)と、枠ランプや盤面ランプ等の各種ランプの制御を行うためのランプ制御処理部202と、スピーカ20やサウンドプロセッサ等の制御を行うための音声制御処理部203と、を備えて構成され、図3に示すように遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。
【0130】
演出制御処理部201は、図19に示すように、処理部として、第1遊技についての演出態様を決定するための第1演出態様決定部210aと、第2遊技についての演出態様を決定するための第2演出態様決定部210bと、第1演出態様決定部210aが決定した演出態様を第1演出表示装置34aに表示するよう制御する第1演出表示制御部(演出表示制御手段)220aと、第2演出態様決定部210bが決定した演出態様を第2演出表示装置34bに表示するよう制御する第2演出表示制御部(演出表示制御手段)220bと、を備えている。
【0131】
さらに、演出制御処理部201は、記憶部として、複数種類の演出態様(演出画像データ)261a〜cを記憶した演出パターンテーブル261と、複数種類の特別演出画像262a〜cを記憶した特別演出テーブル262とを有する演出態様記憶部260を備えている。
【0132】
第1演出態様決定部210aは、第1遊技の開始時に送られてきた第1変動パターンコマンドに基づいて、演出態様記憶部260に記憶されている演出テーブル261a〜cの何れかのテーブルを参照しながら、今回用いる演出態様(使用する演出画像データ)を決定する。なお、通常演出テーブル261aが参照されるための条件は、通常変動パターンテーブル134aが参照されるための条件(図17参照)と同じであり、短縮演出テーブル261bが参照されるための条件は、短縮変動パターンテーブル134bが参照されるための条件と同じであり、特殊演出テーブル261cが参照されるための条件は、特殊変動パターンテーブル134cが参照されるための条件と同じである。つまり、それぞれの変動パターンテーブルに応じて演出テーブルが用意されている。
【0133】
詳しくは図示しないが、各演出テーブル261a〜cには、変動パターンコマンドに対応する演出画像データが複数記憶されており、より詳細に言えば、変動時間毎に、リーチ内容の異なる演出画像データが複数記憶されている。例えば、変動時間90秒の演出画像データとして、対決系リーチA、対決系リーチB、ストーリー系リーチA、ストーリー系リーチB、ストーリー系リーチCといった種類の画像データが用意されている。そして、第1演出態様決定部210は、第1遊技開始時に第1変動パターンコマンドが送られてくると、その第1変動パターンコマンドに規定されている変動時間およびリーチ内容に対応する演出画像データの中から1つを抽選で選択する。こうして、今回の遊技に用いる演出態様が決定されることになる。第2演出態様決定部210bについても、同様に、第2遊技の開始時に送られてきた第2変動パターンコマンドに基づいて、演出テーブル261a〜cのうち所定のテーブルを参照して、今回の遊技に用いる演出画像データを決定する。
【0134】
第1演出表示制御部220aは、第1演出態様決定部210aにて決定された演出パターンを第1演出表示装置34aに表示するよう制御している。また、第1演出表示制御部220aは、第1保留球表示制御部235aを有しており、主制御処理部100から保留球乱数が記憶された旨のコマンドを受信すると、それに従って、第1保留球表示制御部235aが、第1保留球表示装置34a−1に白色の保留球を表示するよう制御している。同様にして、第2演出表示制御部220bは、第2演出態様決定部210bにて決定された演出パターンを第2演出表示装置34bに表示するよう制御している。
【0135】
さらに、第1演出表示制御部220aは、進行中(第1特別図柄が変動中)の第1遊技が大当たりの場合であって、第2遊技で小当たりに当選し、その小当たりに基づく小当たり遊技が終了した場合(第2アタッカー装置41bの開閉動作が終了した場合)に、特別演出を第1演出表示装置34aに表示する制御も行っている。より詳細に言えば、本実施形態では、第2遊技で決定された小当たり図柄の種類(A〜C)によって小当たり遊技の所要時間(5秒、10秒、15秒)が決まっているから、第1演出表示制御部220aは、第2遊技において決定された小当たり図柄の種類に対応する小当たり遊技時間と同じ時間の特別演出画像を特別演出テーブル262の中から選択して、それを第1演出表示装置34aに表示するよう制御している。そして、この特別演出が表示されている間は、第1演出表示制御部220aは、ダミー図柄の変動表示を一時停止するよう表示制御している。なお、表示の具体例については後述する。
【0136】
次に、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pの遊技処理の手順について図20〜22を参照して説明する。
【0137】
まず、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合の遊技の処理手順について説明する。図20に示すように、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したか否かを主制御処理部100は判断する(ステップS1)。入賞した場合(ステップS1でYes)には、第1特別図柄当否判定用乱数取得部112aは特別図柄当否判定用の乱数を取得し、第1特別図柄種類決定用乱数取得部122aは特別図柄種類決定用の乱数を取得し、第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aは特別図柄変動パターン用の乱数を取得する(ステップS2)。
【0138】
第1特別図柄が変動中の場合(ステップS3でYes)には、ステップS2で取得した特別図柄当否判定用乱数を第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに、特別図柄種類決定用乱数を第1特別図柄種類決定用乱数記憶部124aに、特別図柄変動パターン用乱数を第1特別図柄変動パターン用乱数記憶部133aに、それぞれ記憶する(ステップS4−1)。次いで、ステップS4−2に進み、第1保留球表示制御部235aが白色の保留球を第1保留球表示装置34a−1に表示した後に、ステップS3の手前に戻って、今回の入賞に係る遊技の順番が来るまで待機する。なお、既に第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに、上限である4個の保留球乱数が記憶されている場合には、ステップS4−1およびS4−2の処理は行われないということは言うまでもない。
【0139】
一方、第1特別図柄が変動中でない場合、即ち、遊技の順番が来た場合(ステップS3でNo)には、ステップS5にて特図当たり判定処理が行われる。つまり、ステップS2で取得した特別図柄当否判定用乱数が大当たりであるか否かを第1特別図柄当否判定部113aが判断する。
【0140】
次いで、ステップS6にて、特別図柄種類決定処理が行われる。具体的には、ステップS5での特図当たり判定処理の結果、大当たりと判定された場合には、第1特別図柄種類決定部124aが、ステップS2で取得した特別図柄種類決定用乱数に基づいて、その大当たりに対する特別図柄の種類を決定する。即ち、図9(a)を参照して、「15R確変図柄A」〜「2R通常図柄」の中から1つの第1特別図柄の種類を、このステップS6で決定する。一方、ステップS5でハズレと判定された場合には、第1特別図柄の種類を決定することなくステップS6の処理は終了する。
【0141】
次いで、ステップS7にて特別図柄変動パターンコマンド決定処理が行われる。この特別図柄変動パターンコマンド決定処理では、ステップS2で取得した特別図柄変動パターン用乱数に基づいて、第1特別図柄変動パターン決定部135aは、変動パターンテーブル134a、134b、134cのうち何れかを参照して第1変動パターンコマンドを決定する。
【0142】
次いで、ステップS8にて、演出態様決定処理が行われる。この演出態様決定処理では、第1演出態様決定部210aが、演出パターンテーブル261a〜cの何れかを参照して、第1変動パターンコマンドに対応する演出パターンを今回の遊技に用いる演出パターンに決定する。
【0143】
次いで、ステップS9で、第1特別図柄表示制御部101aが第1特別図柄表示装置17aに第1特別図柄の変動表示を開始させ、第1演出表示制御部220aが第1演出表示装置34aにステップS8で決定された演出パターンの表示を開始する。
【0144】
次いで、ステップS10にて特別演出を演出表示装置34に表示するための特別演出表示処理が行われる。この特別演出表示処理の手順の詳細について、図21を用いて説明する。図21に示すように、まず、ステップS10−1にて、第1演出表示制御部220aは、今回の第1遊技の結果が大当たりであるか、即ち、ステップS5で大当たりと判定されたか否かを判断する。なお、当該判断は、演出制御処理部201に入力された変動パターンコマンド等を解析することによって可能である。
【0145】
第1遊技が大当たりである場合(ステップS10−1でYesの場合)、ステップS10−2に進み、第1演出表示制御部220aは、第2遊技で小当たりに当選したか否かを判断する。ステップS10−2でYesの場合、ステップS10−3に進み、第1演出表示制御部220aは、第2遊技の小当たり図柄の種類は小当たり図柄A〜Cの何れであるかをチェックする。なお、この判断およびチェックは、演出制御処理部201に入力された変動パターンコマンド等を解析することによって可能である。
【0146】
小当たり図柄Aの場合、ステップS10−4に進んで、第1演出表示制御部220aは、特別演出テーブル262の中から特別演出画像(5秒用)262aを今回用いる特別演出としてセットする。一方、小当たり図柄Bの場合、ステップS10−5に進んで、第1演出表示制御部220aは、特別演出テーブル262の中から特別演出画像(10秒用)262bを今回用いる特別演出としてセットする。また一方で、小当たり図柄Cの場合、ステップS10−6に進んで、第1演出表示制御部220aは、特別演出テーブル262の中から特別演出画像(15秒用)262cを今回用いる特別演出としてセットする。
【0147】
次いで、ステップS10−7にて、第1演出表示制御部220aおよび第1特別図柄表示制御部101aは、第2特別図柄の変動の停止が確定したか否かを確認する。ステップS10−7でYesの場合、ステップS10−8に進んで、第1特別図柄表示制御部101aは、変動中の第1特別図柄を一時停止するよう制御する。次いで、ステップS10−9にて、第1演出表示制御部220aは、セットされた特別演出画像を第1演出表示装置34aに表示すると共に、ダミー図柄の変動を一時停止するよう表示の制御を行う。
【0148】
特別演出画像の表示の一例を示したものが図24(a)である。この図24(a)に示すように、第1遊技が大当たりに当選し、第1特別図柄が大当たり変動中に第2遊技で小当たりに当選すると、第2演出表示制御部220bが第2演出表示装置34bにダミー図柄を「1−2−3」の態様で停止表示し、「小当たり!」というメッセージを表示する。そして、小当たり遊技への移行開始がされると、第1演出表示制御部220aは、第1演出表示装置34aにて大当たり変動中であったダミー図柄を一時停止すると共に当該一時停止の期間内においてダミー図柄の縮小表示、又は削除表示をし、この表示変化によって生じた空き表示領域にて特別演出の画像(笑顔、ハート、お日様の画像)を第1演出表示装置34aに表示、又は所定の動画表示をする。
【0149】
一方、図21のステップS10−1でNoの場合、即ち、第1遊技がハズレである場合は、図24(b)に示すように、たとえ第1特別図柄がハズレ変動中に第2遊技で小当たりに当選したとしても、第1演出表示装置34aに特別演出が表示されることはない。つまり、第1特別図柄の変動表示及び演出態様の一時停止がされずに、通常通り、第1特別図柄の変動に同期してダミー図柄が変動表示される。よって、本実施形態の特別演出は、「第1特別図柄が大当たり変動中」という条件を満たす小当たり遊技の移行時にしか出現しないため、当該特別演出を見た遊技者は、今回行われている第1遊技が大当たりであることを事前に知る(高い優越感を得る)ことができる。
【0150】
次いで、ステップS10−10にて、第1特別図柄表示制御部101aは、第2遊技における小当たり遊技が終了したか否かを判断する。小当たり遊技が終了していた場合(ステップS10−10でYes)には、ステップS10−11に進んで、一時停止していた第1特別図柄の変動を再開させる。一方、ステップS10−10でNoの場合には、同ステップでYesと判断されるまで同ステップが繰り返される。そして、特別演出表示処理は終了する。なお、ステップS10−7でNoの場合、同ステップでYesと判断されるまで同ステップが繰り返される。また、ステップS10−1でNoの場合、およびステップS10−2でNoの場合は、特別演出表示処理は終了する。
【0151】
図20に説明を戻すと、ステップS10の処理が終了すると、ステップS11に進み、第1特別図柄表示制御部101aが第1特別図柄表示装置17aに第1特別図柄を停止表示させる。このとき、第1特別図柄表示装置17aに停止表示される図柄は、ステップS5で大当たりと判定された場合には、ステップS6にて決定された第1特別図柄の種類に対応した当たり図柄となるが、ステップS5でハズレと判定された場合には、ハズレに対応したハズレ図柄となる。また、ステップS11では、第1特別図柄の変動停止と同期して、演出パターンの表示が停止され、所定の演出図柄が第1演出表示装置34aに停止表示される。
【0152】
次いで、停止した第1特別図柄が特図当たりの組合せで確定している場合(ステップS12でYes)は、大当たり遊技制御部160は、第1特別図柄の種類に応じた所定のアタッカー開放パターン(フル開放または高速開放)で第1アタッカー装置41aを開放して大当たり遊技を提供する(ステップS13)。次いで、ステップS14にて、遊技状態設定部140は、次の遊技における特別図柄および普通図柄の遊技状態を設定する。
【0153】
このステップS14で、次回の遊技における遊技状態が設定されると、1回の遊技に係る処理が終了する。また、ステップS12でNoの場合は、大当たり遊技が提供されることなくステップS14に進んで、次遊技の遊技状態が設定される。なお、ステップS1でNoの場合は遊技が行われることなく終了となる。
【0154】
次に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合の遊技の処理手順について説明する。図22に示すように、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞したか否かを主制御処理部100は判断する(ステップS21)。入賞した場合(ステップS21でYes)には、ステップS22に進み、第2特別図柄が変動中であるか否かが確認される。つまり、第2遊技中か否かが判断される。ステップS22でNoの場合、ステップS23に進み、第2特別図柄当否判定用乱数取得部112bは特別図柄当否判定用の乱数を取得し、第2特別図柄種類決定用乱数取得部122bは特別図柄種類決定用の乱数を取得し、第2特別図柄変動パターン用乱数取得部132bは特別図柄変動パターン用の乱数を取得する。
【0155】
次いで、ステップS24にて特図当たり判定処理が行われる。つまり、ステップS23で取得した特別図柄当否判定用乱数が大当たりまたは小当たりの何れであるかを第2特別図柄当否判定部113bが判断する。なお、本実施形態では、第2遊技は大当たりまたは小当たりの何れかになるので、ステップS24においてハズレと判定されることはない。
【0156】
次いで、ステップS25にて特別図柄種類決定処理が行われる。具体的には、ステップS24での特図当たり判定処理の結果、大当たりと判定された場合には、第2特別図柄種類決定部124bが、ステップS22で取得した特別図柄種類決定用乱数に基づいて、その大当たりに対する特別図柄の種類を決定する。即ち、図9(b)を参照して、「2R確変図柄A」または「2R通常図柄」の一方を第2特別図柄の種類として決定する(ステップS26)。一方、ステップS24で小当たりと判定された場合には、このステップS25において、小当たり図柄の種類が決定される。即ち、図10に示すように、小当たり図柄A〜Cの何れかが決定される。
【0157】
次いで、ステップS26で特別図柄変動パターンコマンド決定処理が行われる。この特別図柄変動パターンコマンド決定処理では、ステップS23で取得した特別図柄変動パターン用乱数に基づいて、第2特別図柄変動パターン決定部135bは、変動パターンテーブル134a、134b、134cのうち何れかを参照して第2変動パターンコマンドを決定する。
【0158】
次いで、ステップS27にて、演出態様決定処理が行われる。この演出態様決定処理では、第2演出態様決定部210bが、演出パターンテーブル261a〜cの何れかを参照して、第2変動パターンコマンドに対応する演出パターンを今回の遊技に用いる演出パターンに決定する。
【0159】
次いで、ステップS28で、第2特別図柄表示制御部101bが第2特別図柄表示装置17bに第2特別図柄の変動表示を開始させ、第2演出表示制御部220bが第2演出表示装置34bにステップS28で決定された演出パターンの表示を開始する。次いで、ステップS29で第2特別図柄表示制御部101bが第2特別図柄表示装置17bに第2特別図柄を停止表示させる。このとき、第2特別図柄表示装置17bに停止表示される図柄は、ステップS25で大当たりと判定された場合には、ステップS25にて決定された第2特別図柄の種類に対応した当たり図柄となるが、ステップS24で小当たりと判定された場合には、第2特別図柄表示装置17に停止表示される図柄は小当たり図柄となる。なお、小当たりの場合、第2特別図柄の変動時間は2秒である。また、ステップS29では、第2特別図柄の変動停止と同期して、演出パターンの表示が停止され、所定の演出図柄が第2演出表示装置34bに停止表示される。
【0160】
次いで、停止した第2特別図柄が大当たりの組合せで確定している場合(ステップS30でYes)は、大当たり遊技制御部160は、第2特別図柄の種類に応じた所定のアタッカー開放パターン(フル開放または高速開放)で第2アタッカー装置41bを開放して大当たり遊技を提供する(ステップS31)。あるいは、小当たりの組合せで確定している場合には、同ステップにおいて、大当たり遊技制御部160は、小当たり図柄の種類A〜Cに応じて第2アタッカー装置41bを2回開閉動作させる小当たり遊技を提供する。次いで、ステップS32にて、遊技状態設定部140は、次の遊技における特別図柄および普通図柄の遊技状態を設定する。なお、前述したように、ステップS31における小当たり遊技の所要時間は、5秒、10秒、15秒の何れかとなる。
【0161】
このステップS32で、次回の遊技における遊技状態が設定されると、1回の遊技に係る処理が終了する。また、ステップS30でNoの場合は、大当たり遊技が提供されることなくステップS32に進んで、次遊技の遊技状態が設定される。なお、ステップS21でNoの場合およびステップS22でYesの場合は、第2遊技が行われることなく終了となる。
【0162】
ここで、前述したように、図4に示すルートAを遊技球が流下するようにして遊技が進められている限り、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することはなく、遊技者がハンドル7を調整して、図4に示すルートBを遊技球が流下するようにして初めて第2始動入賞口37bに遊技球を入賞させることができる。そして、第2遊技で小当たりに当選すると、小当たり遊技中に特別演出が表示される場合があるから、第1遊技の結果を早めに知りたい遊技者は、第1特別図柄の変動中に右打ちして第2始動入賞口37bに遊技球を入賞させれば、その結果を直ぐに知ることができる。さらに言えば、特別演出が表示されることによって、遊技者は進行中の第1遊技が大当たりであることを確信することができる。
【0163】
なお、本実施形態では、第1遊技が大当たりである場合、小当たり遊技中に第2アタッカー装置41bの内部に「ラッキー」という文字が表示される。一方、第1遊技がハズレの場合、第2アタッカー装置41bの内部に「残念」という文字が表示される。よって、遊技者は、小当たり遊技中の第2アタッカー装置41bの開閉動作中に、内部に表示される文字を見ることによっても、第1遊技が大当たりであるか否かを知ることができる。
【0164】
ここで、本実施形態における特別演出の表示タイミングについて、図23を用いて補足説明すると、同図(a)に示すように、第1遊技が大当たりの場合、第1特別図柄の変動が開始され、例えば30秒経過後に、第2遊技における第2特別図柄の変動停止が確定し、引き続いて小当たり遊技が実行されると、この小当たり遊技中は、第1特別図柄の変動が一時停止する。そして、第2遊技の小当たり遊技が終了すると、第1特別図柄の変動が再開され、その後、第1特別図柄の変動の停止が確定すると、大当たり遊技が実行される。この第1特別図柄の変動が一時停止している間に、第1演出表示装置34aに特別演出が表示される。
【0165】
同図(b)のように、第2遊技で小当たりに当選し、小当たり図柄の種類が小当たり図柄Aである場合、第2特別図柄の変動が開始して2秒後に第2特別図柄の変動停止が確定し、引き続いて小当たり遊技が実行される。なお、小当たり図柄Aの場合、小当たり遊技の所要時間は5秒である。よって、この5秒間で特別演出が表示されることになる。
【0166】
また、同図(c)のように、第2遊技で小当たりに当選し、小当たり図柄の種類が小当たり図柄Bである場合、第2特別図柄の変動が開始して2秒後に第2特別図柄の変動停止が確定し、引き続いて小当たり遊技が実行される。なお、小当たり図柄Bの場合、小当たり遊技の所要時間は10秒である。よって、この10秒間で特別演出が表示されることになる。
【0167】
また、同図(d)のように、第2遊技で小当たりに当選し、小当たり図柄の種類が小当たり図柄Cである場合、第2特別図柄の変動が開始して2秒後に第2特別図柄の変動停止が確定し、引き続いて小当たり遊技が実行される。なお、小当たり図柄Cの場合、小当たり遊技の所要時間は15秒である。よって、この15秒間で特別演出が表示されることになる。
【0168】
以上、説明したように、実施の形態例に係るパチンコ機によれば、第1遊技の結果を第2遊技の小当たり遊技中に特別演出が表示されるか否かによって報知するという斬新な報知演出によって、遊技者を惹き付けることができる。さらに、遊技者は、右打ちして第2始動入賞口37bに遊技球を入賞させたときのみ、第1遊技の結果を事前に知ることができる構成であるため、遊技者自らの意思によって、報知するかしないかを選択できる。よって、ユーザニーズに対応した報知演出が可能となる。
【0169】
なお、上記した実施の形態例では、第1特別図柄の当否は、大当たりまたはハズレの何れかに決定され、第2特別図柄の当否は、大当たりまたは小当たりの何れかに決定される構成であったが、これ以外にも大当たり、小当たり、ハズレの内訳については、以下の変形例1〜3に示す構成が適用可能である。
【0170】
<変形例1>
図25に示すように、第1特別図柄の当否については、大当たりまたはハズレ、第2特別図柄の当否については、大当たり、小当たり、またはハズレの中から決定されるようにしても良い。この場合、第2特別図柄の当否に係る抽選において小当たりとなる確率は、ハズレとなる確率より格段に高くしておくのが好ましい。
【0171】
<変形例2>
図26に示すように、第1特別図柄の当否については、大当たり、小当たり、またはハズレ、第2特別図柄の当否については、大当たりまたは小当たりの中から決定されるようにしても良い。
【0172】
<変形例3>
図27に示すように、第1特別図柄の当否については、大当たり、小当たり、またはハズレ、第2特別図柄の当否については、大当たり、小当たり、またはハズレの中から決定されるようにしても良い。この場合も、第2特別図柄の当否に係る抽選において小当たりとなる確率は、ハズレとなる確率よりも格段に高くしておくのが望ましいことは言うまでもない。更に、第2特別図柄の当否に係る抽選において小当たりとなる確率を100%、または90%以上100%未満となるようにしても良い。この場合は、大当たりが発生しない又は大当たり発生確率が極めて低いため、第2始動口へ遊技球を入賞させることをメインにした遊技操作を行っても大きな遊技利益(賞球)を得る期待ができなくなるので、第1始動口へ遊技球を入賞させることをメインにした遊技操作を奨励させることができるようになるとともに、必要時に第2始動口への入賞に基づいて小当たりを確実にあるいはほぼ確実に得ることができる。
【0173】
なお、第1特別図柄においてこれから変動させる又は変動中の第1遊技が大当たりの場合、第1演出表示制御部220aは、第1演出表示装置34aに「右打ちに挑戦してみて!」といった表示をして、遊技者に右打ちを促すような演出を行っても良い。この場合、所謂ガセ演出として、第1遊技がハズレの場合にも同様のメッセージを表示することもできる。
【0174】
即ち、上記した実施の形態例に係る構成において、遊技領域(31)に設けられ、第1遊技に関する演出および第2遊技に関する演出を表示する演出表示装置(34)と、この演出表示装置(34)の表示制御を行う演出表示制御手段(220a,220b)と、をさらに備え、演出表示制御手段(220a.220b)は、第1特別図柄抽選手段(119a)の抽選結果に基づいて定まる第1演出態様の表示制御と、前記第2特別図柄抽選手段(119b)の抽選結果に基づいて定まる第2演出態様の表示制御とを並行して行うことが可能であり、第1演出態様には、通常演出と、この通常演出より大当たりの可能性が高いことを示唆する特定演出と、が含まれており、演出表示制御手段(220a,220b)は、特定演出を演出表示装置(34)に表示している間に、第2始動口(37b)へ遊技球を入賞させることを遊技者に対して促す旨の報知を演出表示装置(34)に表示するよう構成することもできる。
【0175】
より詳細に言えば、第1特別図柄の抽選結果(即ち、第1特別図柄当否抽選部119aの抽選結果)に基づいて定まる第1演出態様(演出パターン)、及び第2特別図柄の抽選結果(即ち、第2特別図柄当否抽選部119bの抽選結果)に基づいて定まる第2演出態様(演出パターン)を、遊技盤3の遊技領域に設けられた演出表示装置34にそれぞれ並行して変動表示させた場合に、その後に第1特別図柄及び第2特別図柄の抽選結果の報知をそれぞれ並行して行うよう停止表示の制御をする演出表示制御手段(演出制御処理部201)を設け、第1演出表示制御部220aにより、第1演出表示装置34aにて第1特別図柄の抽選結果に基づいて設定する第1演出態様が、当選の結果となる可能性が通常演出よりも高いことを示唆する特定演出(例えば、リーチ演出)の変動表示をする際には、当該特定演出の表示中に第2始動口へ遊技球を入賞させることを遊技者に対して促すアシスト報知(「右打ちに挑戦してみて!」)を行うようにすると良い。
【0176】
これにより、第2始動口へ遊技球を入賞させると良い効果的なタイミングを遊技者に対しアシスト報知することができるようになる。よって、無駄に右打ちに挑戦して遊技利益(賞球)の獲得に繋がり難い発射球に係る遊技操作が行われることを抑制できるようになる。
【0177】
更に、当たり用変動パターンテーブル、及びハズレ用変動パターンテーブルにおいて複数種類の特定演出(ノーマルリーチ演出、スーパーリーチ演出、擬似連続演出など)を設定するような場合には、大当たり信頼度が高くなるよう設定された特定演出(例えば、大当たりとして演出表示される可能性が高く、ハズレとして演出表示される可能性が低い設定確率としたスーパーリーチ演出)となることを条件にアシスト報知の実行をさせるようにするとより効果的である。
【0178】
なお本発明は、従来における大当たり信頼度が高い特定演出の実行中において、遊技者による発射球の中断に係る停止操作(ハンドル7の停止操作=遊技の中断)がされるということを抑制して、遊技継続を推進する右打ち遊技操作の機会の付与ができるので好適である。
【0179】
なお、アシスト報知にしたがって第2始動口への遊技球の入賞達成をさせたことを条件に当該アシスト報知を終了するようにすると、当該入賞後の無駄球となる遊技球の発射抑制ができるので好適である。
【0180】
また、当該アシスト報知が可能な期間は、第1特別図柄の抽選結果に基づいて定まる演出態様(=変動時間Y)の実行経過に係る残り時間(未処理時間)が、第2特別図柄の抽選結果に基づいて定まる演出態様の実行に要する時間(=変動時間Z)及び第2特別電動役物の作動に要する時間を足した加算時間よりも短い時間となるまでの期間とすると好適である。即ち、「変動時間Y<(変動時間Z+第2特別電動役物の作動時間)」となる場合には、アシスト報知を行わない制御とすると良い。
【0181】
また、変動時間Zは、変動時間Yよりも極めて短い時間(本実施形態では、複数種類設定された変動時間の中で一番短い時間の2秒)となるようにすると、アシスト報知を行う機会を多く付与可能となるので好適である。
【0182】
また、特定演出の表示に基づいてアシスト報知が行われ、そのアシスト報知にしたがって第2始動口へ遊技球を入賞させた場合には、当該状態時に第2始動口へ遊技球を入賞させなかった場合と異なる特別な演出態様とするための切替え表示制御を可能にすると、当該アシスト報知にしたがって第2始動口へ遊技球を入賞させることを遊技者に対してより奨励することができるので好適である。
【0183】
例えば、大当たり中のラウンド演出を通常(第2始動口へ遊技球を入賞させない)とは異なる演出となるようにしたり、大当たり後の遊技状態が所定状態(例えば、確変)となることを通常よりも早いタイミング、または通常では曖昧な表示態様であったが明確な状態示唆の表示態様となるようにして報知したり、大当たり状態終了を契機とした所定遊技期間内において第1特別図柄の抽選結果に基づいて定まる演出態様(=変動時間)を通常よりも短い平均時間の演出態様とする特殊変動パターンテーブルの切替え制御を有効にしたりすることで、アシスト報知時に第2始動口へ遊技球を入賞させることの優位性を向上させることができるので良い。
【0184】
また、上記の実施の形態例では、特図1に対して第1アタッカー装置41aを設け、かつ、特図2に対して第2アタッカー装置41bを設けたうえで、第2アタッカー装置41bの開閉動作によって第1遊技の結果を報知する構成を示したが、一方の特別図柄の当否に係る抽選に当選している場合、他方の特別図柄の当否に係る抽選を強制的にハズレにするように制御すれば、アタッカー装置は1つで兼用することも可能である。
【0185】
なお、本実施形態では、第2アタッカー装置41bを遊技領域の左側に配置し、第2始動口37bを遊技領域の右側に配置している。そして、右打ちをして第2始動口37bへ遊技球を入賞させて小当たりをさせた後の第2アタッカー装置41bの開閉作動時において、直ちに右打ち操作から左打ち操作にして第2アタッカー装置41bへ遊技球を入賞するようにと変更(ハンドル7の調整)させる遊技負担を与えるようにしている。これにより、第2アタッカー装置41bへ遊技球を入賞させることをより困難となるようにしている。なお、アタッカー装置及び電動チューリップの可動構成は、本実施形態の可動構成に限定されず、入賞を容易化させるための適宜の可動構成を適用しても良い。
【0186】
また、上記の実施の形態例では、特別演出は「第1特別図柄が大当りの変動中」という条件を満たすときにしか出現しないようにしている。しかし第1遊技が、ハズレ且つ第2特別図柄の変動時間に比べて長くなる第1特別図柄の変動時間となる場合に、特別演出又は特別演出とは異なる所定演出が表示されるようにしても良い。これにより、第2始動口に入賞させた際に特別演出が出現しても、必ずしも第1遊技が大当りとなるとは限らない構成を設けることができ、遊技のバリエーションの増加や発展が可能となる。
【0187】
また、特別演出の変動時間において、第1遊技が大当たりの場合は、第1遊技がハズレとなるときと比較して小当たり遊技の所要時間が長くなる選択確率が高くなるテーブル(大当たり用の小当り図柄テーブル)の参照をするようにさせ、大当たりの場合は長い所要時間の小当たり遊技となり易くしても良い。
【0188】
なお、第1遊技がハズレの場合は、第1遊技が大当たりとなるときと比較して小当たり遊技の所要時間が短くなる選択確率が高くなるテーブル(ハズレ用の小当り図柄テーブル)の参照をするようにさせることとなる。この場合、当該長い所要時間に基づいて長い変動時間の特別演出となるときは、大当たりの可能性が高いという示唆ができるようになるとともに、特別演出による優越感を付与する時間尺を長くできるため好適である。
【0189】
また、上記の実施の形態例では、小当たり遊技におけるアタッカー開放パターンは、「1回目の開放→インターバル→2回目の開放→終了の確定」という流れで構成され、当該構成中のインターバル時間の増減調整によって、「パターンA」は所要時間の合計が5秒、「パターンB」は所要時間の合計が10秒、「パターンC」は所要時間の合計が15秒となるようにしているが、当該構成中の「2回目の開放」後から「終了の確定」となるまでの時間(エンディング時間)の増減調整によって、所要時間の合計を前述のパターンA〜Cに係る所要時間となるように増減調整するようにしても良い。
【0190】
また、小当たり遊技の移行開始から「1回目の開放」となるまでの時間(オープニング時間)の増減調整によって、所要時間の合計を前述のパターンA〜Cに係る所要時間となるように増減調整するようにしても良い。
【0191】
また、(イ)オープニング時間、(ロ)インターバル時間、及び(ハ)エンディング時間による適宜な組合せ(組合せパターン=(イ)+(ロ)、(ロ)+(ハ)、(イ)+(ハ)、(イ)+(ロ)+(ハ))における時間の増減調整によって、所要時間の合計を前述のパターンA〜Cに係る所要時間となるように増減調整するようにしても良い。
【0192】
また、上記の実施の形態例では、第2特別図柄変動中に第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合に、保留球乱数を記憶しない構成を採用したが、保留球乱数を記憶する構成としても良いことは言うまでもない。そして、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合に各種乱数を記憶する構成とした場合、保留球乱数として記憶されているものについて、所謂先読み判定を行って、小当たりに当選しているか否かと、小当たり図柄の種類を事前にチェックする処理を行い、保留球乱数全ての小当たり遊技の合計時間を求め、その合計時間に応じた特別演出を表示すると良い。
【0193】
例えば、第2遊技についての保留球乱数の記憶数が4個で、全て小当たりに当選しており、全て小当たり図柄Aであるとすれば、4個x5秒=20秒が保留球乱数に基づく小当たり遊技の合計所要時間となる。そこで、前もって20秒に小当たり時の第2特別図柄の変動時間2秒x4個=8秒を考慮した28秒の特別演出画像を用意しておき、第1演出表示制御部220aが28秒の特別演出画像を第1演出表示装置34aに表示するようにこのようにすれば、第1遊技についての報知演出がより一層バリエーションに富んだものとなる。
【0194】
なお、上記の実施の形態例では、第1演出表示制御部220aが第1演出表示装置34aに特別演出を表示するようにしたが、第2演出表示制御部220bが第2演出表示装置34bに特別演出を表示するようにしても良い。また、上記の実施の形態例では、小当たり図柄を3種類としたが、小当たり図柄の種類は1種類でも良いし、あるいは、4,5種類と増やしても良い。
【符号の説明】
【0195】
3 遊技盤
31 遊技領域
34a 第1演出表示装置(演出表示装置)
34b 第2演出表示装置(演出表示装置)
37a 第1始動入賞口(第1始動口)
37b 第2始動入賞口(第2始動口)
41a 第1アタッカー装置(特別電動役物)
41b 第2アタッカー装置(特別電動役物)
101a 第1特別図柄表示制御部(第1特別図柄表示制御手段)
101b 第2特別図柄表示制御部(第2特別図柄表示制御手段)
119a 第1特別図柄当否抽選部(第1特別図柄抽選手段)
119b 第2特別図柄当否抽選部(第2特別図柄抽選手段)
160 大当たり遊技制御部(大当たり遊技制御手段)
220a 第1演出表示制御部(演出表示制御手段)
220b 第2演出表示制御部(演出表示制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域に設けられた第1始動口および第2始動口と、前記第1始動口に遊技球が入賞したことを契機に第1乱数を取得すると共に、当該第1乱数に基づいて第1特別図柄の抽選を行う第1特別図柄抽選手段と、前記第2始動口に遊技球が入賞したことを契機に第2乱数を取得すると共に、当該第2乱数に基づいて第2特別図柄の抽選を行う第2特別図柄抽選手段と、第1特別図柄を所定の変動時間だけ変動表示させた後に前記第1特別図柄抽選手段による抽選結果に対応する態様で前記第1特別図柄を停止表示する第1特別図柄表示装置と、この第1特別図柄表示装置の表示を制御する第1特別図柄表示制御手段と、第2特別図柄を所定の変動時間だけ変動表示させた後に前記第2特別図柄抽選手段による抽選結果に対応する態様で前記第2特別図柄を停止表示する第2特別図柄表示装置と、この第2特別図柄表示装置の表示を制御する第2特別図柄表示制御手段と、前記第1特別図柄抽選手段による抽選で第1特図当たりに当選した場合、または第2特別図柄抽選手段による抽選で第2特図当たりに当選した場合に、特別電動役物を作動する大当たり遊技制御手段と、前記第1特別図柄の変動時間に対応する演出態様および前記第2特別図柄の変動時間に対応する演出態様を、前記遊技領域に設けられた演出表示装置にそれぞれ表示するよう制御する演出表示制御手段と、を備え、
前記第1始動口に遊技球が入賞したことに基づいて行われる第1遊技と、前記第2始動口に遊技球が入賞したことに基づいて行われる第2遊技とを並行して進行させることが可能なパチンコ機において、
前記第1始動口を狙って打ち出された遊技球が前記第2始動口に入賞することがないように、前記第1始動口と前記第2始動口とは互いに離れた位置に設けられ、
前記第1特図当たりは、大当たりを含んで成り、前記第1特別図柄抽選手段は、少なくとも大当たりとするか否かを抽選で決定し、前記第2特図当たりは、小当たりを含んで成り、前記第2特別図柄抽選手段は、少なくとも小当たりとするか否かを抽選で決定し、
前記第1遊技が大当たりの場合の第1特別図柄の変動時間は、前記第2遊技で小当たりの場合の第2特別図柄の変動時間に比べて長くなるように予め設定されており、
前記第1特別図柄抽選手段による抽選で大当たりに当選し、その当選に係る前記第1遊技の進行中に、前記第2特別図柄抽選手段による抽選で小当たりに当選した場合には、前記大当たり遊技制御手段は、その小当たりの当選に基づいて前記特別電動役物を所定の態様で作動させる小当たり遊技を提供し、前記第1特別図柄表示制御手段は、前記小当たり遊技が提供されている間、第1特別図柄の変動表示を一時停止させ、
前記演出表示制御手段は、前記小当たり遊技中に、前記第1遊技が大当たりである旨または大当たりの可能性が高い旨を示唆する特別演出を前記演出表示装置に表示するようにした
ことを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】
請求項1の記載において、
前記第1特別図柄表示制御手段は、前記小当たり遊技が終了したときに、一時停止中の前記第1特別図柄の変動表示を再開するようにしたことを特徴するパチンコ機。
【請求項3】
請求項1または2の記載において、
前記小当たりは複数種類設けられると共に、前記小当たりは、その種類に応じて前記小当たり遊技の所要時間が異なるように予め設定されており、前記特別演出は、前記小当たりの種類と予め対応付けられていることを特徴とするパチンコ機。

【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−111385(P2013−111385A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262372(P2011−262372)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】