説明

パチンコ機

【課題】本体枠に組み付けた施錠装置をシリンダ錠の鍵穴に差し込んだキーによって確実に解錠/施錠することができるパチンコ機を提供する。
【解決手段】本発明のパチンコ機Pでは、本体枠2と前面扉3が施錠されているとき、機枠1に係止している後部施錠杆31の上下動が第1のロックレバー36によって阻止されると共に、前面扉3側に係止している前部施錠杆32が第2のロックレバー37によって阻止されている。そして、シリンダ錠11の鍵穴に差し込んだキーを回転操作してロック解除部材40を上下動させると、第1および第2のロックレバー36,37が選択的に揺動して後部施錠杆31や前部施錠杆32をロック解除するため、本体枠2や前面扉3を開放することができ、本体枠2や前面扉3を再び閉じるときに、両ロックレバー36,37を機枠1や前面扉3に当接させることなくロック位置に戻すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤を目視可能な前面扉が本体枠に対して開閉可能に支持されていると共に、この本体枠が機枠に対して開閉可能に支持されているパチンコ機に係り、特に、機枠に対する本体枠の施錠と本体枠に対する前面扉の施錠を行う施錠装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的にパチンコ機は、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠(外枠)と、この機枠にヒンジ機構を介して扉状に開閉可能に取り付けられた本体枠と、この本体枠の内側に収容された遊技盤と、本体枠の前面に別のヒンジ機構を介して開閉可能に取り付けられた前面扉とを備えており、前面扉の中央部に形成された開口部には遊技盤を目視可能な透明板が取り付けられている。本体枠の背面側には、電装部品の一つである液晶表示装置が取り付けられる他、それ以外の電装部品として遊技に関する制御を行う制御処理装置(制御基板)や、賞球払出装置による賞球の払い出しを制御する払出基板、各部に電力を供給する電源基板、賞球数や扉開閉状態等のパチンコ機に関する各種情報を遊技場のホールコンピュータに出力する外部端子基板等が取り付けられている。
【0003】
このように概略構成されたパチンコ機において、遊技者が前面扉や本体枠を無断で開放して不正行為をするのを防止するために、通常は本体枠にシリンダ錠を有する施錠装置を組み込み、この施錠装置を用いて機枠に対する本体枠の施錠と本体枠に対する前面扉の施錠とを行うようにしている。この種の施錠装置は、本体枠に取り付けられた縦長状のベース部材に一対の施錠杆を上下動可能に支持し、一方の施錠杆に形成された鉤部を機枠側の受け部に係止させると共に、他方の施錠杆に形成された鉤部を前面扉側の受け部に係止させるようにしている。そして、ベース部材に設けられたシリンダ錠を前面扉の前方へ露出させ、このシリンダ錠の鍵穴に差し込んだキーを正逆いずれかの方向に回転操作して一対の施錠杆を選択的に上下動させることにより、移動した側の鉤部と受け部との係止を外して解錠するようになっている。しかしながら、前面扉や本体枠が施錠状態であっても、本体枠の周囲にできる隙間から針金やピアノ線等を内部に挿入し、その先端を施錠杆に引っ掛けて鉤部が受け部から外れるように移動させると、前面扉や本体枠がキーを用いずに不正に解錠されてしまうという問題がある。
【0004】
そこで、従来より、ベース部材に一対のロックレバーを揺動可能に支持すると共に、各施錠杆にそれぞれロック受け部材を揺動可能に支持し、前面扉と本体枠が施錠状態にあるとき、各ロックレバーを機枠側の当接部と前面扉側の当接部にそれぞれ当接させることにより、これらロックレバーを対応するロック受け部材に係合させて施錠杆の上下動を阻止するようにした施錠装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この施錠装置では、シリンダ錠の鍵穴に差し込んだキーを回転操作すると、錠軸に取り付けられたカム部材がロック解除部材を上下動させ、それに伴ってロック解除部材がロック受け部材とロックレバーの係合を外すことにより、施錠杆のロックを解除して前面扉や本体枠を開放できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−131266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された従来の施錠装置においては、ベース部材に揺動可能に支持したロックレバーを機枠側や前面扉側の当接部に押し当てて変位させることにより、このロックレバーを対応するロック受け部材に係合させて施錠杆の上下動をロックする構成となっているので、製造上の寸法誤差や経年劣化等に起因してロックレバーの押し込み量が変動すると、施錠杆のロック動作/ロック解除が不完全になる虞があった。すなわち、ロックレバーの押し込み量が規定値に対して不足すると、前面扉や本体枠を閉じてもロックレバーがロック受け部材と係合しなくなるため、施錠杆をロックすることができなくなる。その反対にロックレバーの押し込み量が規定値に対して多くなり過ぎると、キーの回転操作によってロック解除部材を上下動させても、ロック受け部材がロックレバーから外れなくなるため、前面扉や本体枠を開放しようとしても施錠杆をロック解除できなくなる。
【0007】
このように、特許文献1に開示された従来の施錠装置では、本体枠に組み込まれたベース部材側のロックレバーと機枠側や前面扉側の当接部との相対位置に寸法的な余裕がほとんどなく、しかも、機枠や前面扉の構造(当接部の位置等)を配慮した設計が余儀なくされるため、ロック機構やレイアウト等の制限が厳しいものとなり、設計上の自由度が小さいという難点があった。
【0008】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、本体枠に組み付けた施錠装置をシリンダ錠の鍵穴に差し込んだキーによって確実に解錠/施錠することができるパチンコ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、機枠と、この機枠に対してヒンジ機構を介して開閉可能に軸支された本体枠と、この本体枠に対して別のヒンジ機構を介して開閉可能に軸支された前面扉と、シリンダ錠を有する施錠装置とを備え、前記施錠装置によって前記本体枠が前記機枠に対して施錠されると共に、前記前面扉が前記本体枠に対して施錠されるパチンコ機において、前記施錠装置は、前記本体枠に設置された縦長状のベース部材と、このベース部材に上下動可能に支持されて機枠側の受け部に係止可能な鉤部を有する第1の施錠杆と、前記ベース部材に上下動可能に支持されて前面扉側の受け部に係止可能な鉤部を有する第2の施錠杆と、これら第1および第2の施錠杆を前記ベース部材の長手方向に沿って互いに逆向きに付勢する第1の弾性手段と、前記ベース部材に揺動可能かつ上下動可能に支持された一対のロックレバーと、これら両ロックレバーを対応する前記第1および第2の施錠杆と逆向きに付勢する第2の弾性手段と、前記シリンダ錠の鍵穴に差し込んだキーの回転操作によって前記ベース部材の長手方向に沿って上下動するロック解除部材とを有しており、前記本体枠と前記前面扉がいずれも施錠されているとき、一対の前記ロックレバーがそれぞれ長手方向の第1位置で対応する前記第1および第2の施錠杆と係止することにより、これら第1および第2の施錠杆が前記鉤部を対応する前記受け部に係止した状態でロックされており、前記キーの回転操作に伴って前記ロック解除部材を上下いずれか一方へ移動したとき、該ロック解除部材がいずれか一方の前記ロックレバーを揺動させて対応する前記第1または第2の施錠杆のロック状態を解除すると共に、当該ロックレバーが前記第2の弾性手段の付勢力を受けて長手方向の第2位置へ移行するようになし、かつ、前記ロック解除部材がロック解除された前記第1または第2の施錠杆を前記第1の弾性手段の付勢力に抗して該ロック解除部材と同じ方向へ移動するようにした。
【0010】
このように構成されたパチンコ機では、本体枠と前面扉がいずれも施錠されているとき、機枠側の受け部に係止している第1の施錠杆の上下動が一方のロックレバーによって阻止されていると共に、前面扉側の受け部に係止している第2の施錠杆の上下動が他方のロックレバーによって阻止されているため、外部から挿入した針金等を用いて第1および第2の施錠杆を移動することはできず、キーを用いずに前面扉や本体枠を解錠するという不正行為を防止することができる。
【0011】
そして、本体枠と前面扉のいずれか一方、例えば機枠に対して本体枠を解錠する場合は、キーを回転操作してロック解除部材を上下いずれか一方へ移動させると、その移動方向に応じて一方のロックレバーが揺動して第1の施錠杆とのロック状態を解除するため、第1の施錠杆はロック解除部材に押圧されながら第1の弾性手段の付勢力に抗して初期位置から離反する方向へ移動し、同時にロックレバーは第2の弾性手段の付勢力によって第1の施錠杆と同方向へ移動する。これにより、第1の施錠杆の鉤部と機枠側の受け部との係合を解除することができ、その解除後にキーを逆向きに回転操作してロック解除部材を初期位置に戻すと、ロック解除部材の移動に伴って第1の施錠杆は第1の弾性手段の付勢力を受けながら初期位置へ移動するが、一方のロックレバーは第2の弾性手段の付勢力によって初期位置から離反した位置に保持されるため、本体枠は一方のロックレバーと第1の施錠杆をアンロック状態としたまま機枠に対して開放される。なお、本体枠に対して前面扉を解錠する場合は、キーを上記と逆向きに回転操作してロック解除部材を上下動させると、他方のロックレバーが揺動して第2の施錠杆とのロック状態を解除することにより、第2の施錠杆の鉤部と前面扉側の受け部との係合を解除することができ、この場合、前面扉は他方のロックレバーと第2の施錠杆をアンロック状態としたまま本体枠に対して開放される。
【0012】
また、解錠状態にある本体枠と前面扉のいずれか一方、例えば機枠に対して本体枠を施錠する場合は、本体枠を閉鎖方向へ回動して第1の施錠杆の鉤部を機枠側の受け部に当接させた後、本体枠をさらに閉鎖方向へ回動して機枠側へ押し込むと、第1の施錠杆は鉤部が受け部を通過するまで初期位置から離反する方向へ移動し、その後に第1の弾性手段の付勢力によって初期位置へ戻るため、第1の施錠杆の鉤部を機枠側の受け部に係止させることができる。この場合、ロック解除部材は移動せずに初期位置に保持されたままであるため、第1の施錠杆が初期位置に向かって移動する途中で一方のロックレバーが第1の施錠杆に係合し、このロックレバーは第1の施錠杆に係合したままロック位置に戻る。したがって、機枠に対して本体枠を閉じると、第1の施錠杆の上下動が再び一方のロックレバーによって阻止され、外部から挿入した針金等を用いて第1の施錠杆を移動することはできなくなる。なお、本体枠に対して前面扉を施錠する場合は、前面扉を閉鎖方向へ回動して前面扉側の受け部を第2の施錠杆の鉤部に当接させた後、前面扉をさらに閉鎖方向へ回動して本体枠側へ押し込めば良い。この場合、第2の施錠杆が初期位置に向かって移動する途中で他方のロックレバーが第2の施錠杆に係合し、このロックレバーは第2の施錠杆に係合したままロック位置に戻るため、本体枠に対して前面扉を閉じると、第2の施錠杆の上下動が再び他方のロックレバーによって阻止され、外部から挿入した針金等を用いて第2の施錠杆を移動することはできなくなる。
【0013】
上記の構成において、ベース部材に第1の施錠杆に係脱可能な第1の規制レバーと第2の施錠杆に係脱可能な第2の規制レバーとが支持されており、本体枠と前面扉がいずれも施錠されているとき、第1の規制レバーは機枠に当接して第1の施錠杆との係合を解除していると共に、第2の規制レバーは前面扉に当接して第2の施錠杆との係合を解除しており、本体枠が機枠に対して解錠されたとき、第1の規制レバーは機枠から離反して第1の施錠杆をロック状態となし、前面扉が本体枠に対して解錠されたとき、第2の規制レバーは前面扉から離反して第2の施錠杆をロック状態となすようにすれば、本体枠や前面扉が開放されているときに、第1の施錠杆や第2の施錠杆が対応するロックレバーに誤ってロックされてしまうことを防止できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のパチンコ機は、本体枠と前面扉がいずれも施錠されているとき、機枠側の受け部に係止している第1の施錠杆の上下動が一方のロックレバーによって阻止されていると共に、前面扉側の受け部に係止している第2の施錠杆の上下動が他方のロックレバーによって阻止されているため、外部から挿入した針金等を用いて第1および第2の施錠杆を移動することはできず、キーを用いずに前面扉や本体枠を解錠するという不正行為を防止することができる。そして、シリンダ錠の鍵穴に差し込んだキーを回転操作してロック解除部材を上下動させると、一対のロックレバーが選択的に揺動して第1の施錠杆や第2の施錠杆をロック解除することができ、開放状態にある前面扉や本体枠を閉じると、ロックレバーを機枠や前面扉に当接させることなくロック位置に戻すことができる。したがって、このパチンコ機は、本体枠に組み付けた施錠装置をキーの回転操作によって確実に解錠/施錠することができると共に、ロック機構や施錠装置の配置場所等を含めた設計上の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態例に係るパチンコ機の斜視図である。
【図2】図1に示すパチンコ機の前面扉を開放した状態の斜視図である。
【図3】図1に示すパチンコ機の背面図である。
【図4】図1のパチンコ機に備えられる施錠装置の斜視図である。
【図5】該施錠装置の側面図である。
【図6】該施錠装置の分解斜視図である。
【図7】機枠に対して本体枠を開閉するときの該施錠装置の動作説明図である。
【図8】図7(a)の要部拡大図である。
【図9】図7(b)の要部拡大図である。
【図10】図7(c)の要部拡大図である。
【図11】図7(d)の要部拡大図である。
【図12】図7(e)の要部拡大図である。
【図13】本体枠に対して前面扉を開閉するときの該施錠装置の動作説明図である。
【図14】図13(b)の要部拡大図である。
【図15】図13(c)の要部拡大図である。
【図16】図13(d)の要部拡大図である。
【図17】図13(e)の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1に示すように、本発明の実施形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、本体枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられた前面扉3等を備えており、前面扉3にはガラスやプラスチック等からなる透明板4が取り付けられている。
【0017】
図2に示すように、機枠1の左側枠部には上側軸受け体5と下側軸受け体(図示省略)が固着されており、この下側軸受け体よりも下方の左下隅部には大型のスピーカ6が配設されている。一方、本体枠2の左側枠部の上下両端には第1ピン(図示省略)が設けられており、これら両第1ピンを上側軸受け体5と下側軸受け体に軸支することによって、本体枠2を機枠1に対して開閉自在に支持する第1ヒンジ機構が構成されている。
【0018】
本体枠2の上部内側には遊技盤7が収納されており、この遊技盤7の盤面(前面)は透明板4を透して目視可能となっている。遊技盤7はガイドレール8等によって区画形成された遊技領域9を有しており、詳細な説明は省略するが、遊技領域9には可変表示装置や始動入賞口、一般入賞口、アタッカー装置、遊技釘、風車、アウト口等が設けられている。遊技盤7よりも下方の本体枠2は前面扉3によって覆い隠される設置部2bとなっており、この設置部2b内の下部中央には遊技球を遊技領域9に向けて発射する発射装置10が配設されている。
【0019】
本体枠2の右側枠部は第1ヒンジ機構と反対側の自由端側であり、この右側枠部の裏面には図4等に示す施錠装置30が設置されている。詳細な構成については後述するが、この施錠装置30は、シリンダ錠11や後部施錠杆(第1の施錠杆)31や前部施錠杆(第2の施錠杆)32等を備えており、シリンダ錠11は本体枠2の前方へ突出して前面扉3の切欠き3b内に露出するようになっている。常態では、施錠装置30の後部施錠杆31により本体枠2が機枠1に対して施錠されると共に、前部施錠杆32により前面扉3が本体枠2に対して施錠されている。そして、シリンダ錠11の鍵穴に差し込んだ図示せぬキーを一方向(例えば時計回り)へ回転操作すると、後部施錠杆31が下動して本体枠2が解錠され、シリンダ錠11aの鍵穴に差し込んだキーを他方向(反時計回り)へ回転操作すると、前部施錠杆32が上動して前面扉3が解錠されるようになっている。
【0020】
図1に戻り、前面扉3の左側枠部の上下両端には第2ピン(図示省略)が設けられており、これら両第2ピンを本体枠2の左側枠部に突設した上下の支持板2aに軸支することによって、前面扉3を本体枠2に対して開閉自在に支持する第2ヒンジ機構が構成されている。前面扉3には遊技盤7の盤面に対向する大きな開口3aが開設されており、この開口3aは透明板4によって塞がれている。前面扉3の前面上部には比較的小型のスピーカ12が左右に1個ずつ配設されており、これらスピーカ12と前述した大型のスピーカ6とによって遊技に関する様々な効果音を発するようになっている。また、前面扉3の前面下部には、遊技盤7の裏面に配設された賞球払出装置(後述する)から払い出された遊技球を収容する上段受皿13と、上段受皿13から排出された遊技球を収容する下段受皿14と、遊技者による押下操作が可能なプッシュ釦15とが設けられており、上段受皿13の右側方には発射装置10の発射強度を調整するための操作ハンドル16が配設されている。
【0021】
図3に示すように、このパチンコ機Pの背面側には、遊技に関する主要な処理を行う主制御基板17と、主制御基板17からの指令を受けて可変表示装置やスピーカ等の各種装置を制御する副制御基板18と、前述した賞球払出装置19と、主制御基板17からの指令を受けて賞球払出装置19を制御する払出制御基板20と、操作ハンドル16の回動量に応じて発射装置10の作動を制御する発射制御基板21と、大当たり回数等の各種情報を遊技場のホールコンピュータに出力する外部端子基板22等が設けられている。
【0022】
図4〜図6に示すように、前記施錠装置30は、本体枠2の右側枠部に取り付けられる縦長状のベース部材33と、ベース部材33の一面側に固定された取付板34と、取付板34にネジ止めされた前記シリンダ錠11と、シリンダ錠11の錠軸に取り付けられたカム板35と、ベース部材33の他面側に上下動可能に支持された前記後部施錠杆31および前部施錠杆32と、ベース部材33の他面側に揺動可能かつ上下動可能に支持された第1および第2のロックレバー36,37と、ベース部材33の他面側に揺動可能に支持された第1および第2の規制レバー38,39と、ベース部材33の長手方向に沿って上下動可能なロック解除部材40等を備えている。
【0023】
ベース部材33は金属板からなり、その中央よりも下側箇所に一対のガイド孔33a,33bと一対の段付き孔33c,33dが形成されている。各ガイド孔33a,33bは上下方向を長軸とするトラック形状の長孔であり、下側のガイド孔33aの斜め上方に一方の段付き孔33cが位置し、上側のガイド孔33bの斜め下方に他方の段付き孔33dが位置している。
【0024】
シリンダ錠11は前面側に露出する鍵穴11aを有しており、この鍵穴11aに差し込んだキーを回転操作すると、その回転方向に応じてカム板35が所定角度の範囲内を回転するようになっている。このカム板35は二股形状の駆動腕35a,35bを有しており、これら駆動腕35a,35bはベース部材33を挿通してロック解除部材40の連結孔40a,40bに係合している。
【0025】
後部施錠杆31と前部施錠杆32およびロック解除部材40はいずれも金属板からなり、これらは複数本のピン41を用いてベース部材33の他面側に積層状態で上下動可能に支持されている。後部施錠杆31は第1の弾性手段であるコイルばね42によって上方へ付勢されており、この後部施錠杆31の上下両端には鉤部31aが形成されている。これら鉤部31aは本体枠2の背面側へ突出しており、本体枠2が機枠1に対して施錠されているとき、鉤部31aは機枠1に設けられた受け部1aに係止するようなっている(図8参照)。また、後部施錠杆31の一側面には下側係合凹部31bと上側係合凹部31cが形成されており、後部施錠杆31の他側面には係合突起31dが形成されている。
【0026】
前部施錠杆32は第1の弾性手段であるコイルばね43によって下方へ付勢されており、この前部施錠杆32の上下両端と中央付近は鉤部32aが形成されている。これら鉤部31aは本体枠2の前面側へ突出しており、前面扉3が本体枠2に対して施錠されているとき、鉤部32aは前面扉3に設けられた背板面(受け部)3cに係止するようなっている(図13参照)。また、前部施錠杆32の一側面には下側係合凹部32bと上側係合凹部32cが形成されており、前部施錠杆32の他側面には係合突起32dが形成されている。
【0027】
第1のロックレバー36には支軸36aが設けられており、この支軸36aはベース部材33の下側のガイド孔33aに回転可能かつ上下動可能に挿入されている。第1のロックレバー36の下端部とベース部材33との間には第2の弾性手段であるコイルばね44が張架されており、第1のロックレバー36はこのコイルばね44によって斜め下方へ付勢されている。また、第1のロックレバー36の上端部には係止突起36bが形成されており、第1のロックレバー36の中央付近にはピン状の駆動受36cが設けられている。この係止突起36bは第1のロックレバー36の揺動に伴って一方の段付き孔33c内を移動し、後部施錠杆31の下側係合凹部31bと段付き孔33cの段部に対して係脱可能となっている。
【0028】
第2のロックレバー37には支軸37aが設けられており、この支軸37aはベース部材33の上側のガイド孔33bに回転可能かつ上下動可能に挿入されている。第2のロックレバー37の上端部とベース部材33との間には第2の弾性手段であるコイルばね45が張架されており、第2のロックレバー37はこのコイルばね45によって斜め上方へ付勢されている。また、第2のロックレバー37の下端部には係止突起37bが形成されており、第2のロックレバー37の中央付近にはピン状の駆動受37cが設けられている。この係止突起37bは第2のロックレバー37の揺動に伴って他方の段付き孔33d内を移動し、前部施錠杆32の下側係合凹部32bと段付き孔33dの段部に対して係脱可能となっている。
【0029】
第1の規制レバー38はピン46を用いてベース部材33の他面側に揺動可能に支持されており、コイルばね47によって本体枠2の背面側へ突出する方向に付勢されている。第1の規制レバー38の一端側には係合突部38aが形成されており、この係合突部38aは後部施錠杆31の上側係合凹部31cと係脱可能となっている。
【0030】
第2の規制レバー39はピン48を用いてベース部材33の他面側に揺動可能に支持されており、コイルばね49によって本体枠2の前面側へ突出する方向に付勢されている。第2の規制レバー39の一端側には係合突部39aが形成されており、この係合突部39aは前部施錠杆32の上側係合凹部32cと係脱可能となっている。
【0031】
ロック解除部材40は中央付近に矩形状の駆動部40cを有しており、この駆動部40cに前述した連結孔40a,40bが形成されている。駆動部40cの下辺側には後部施錠杆31の係合突起31dと第1のロックレバー36の駆動受36cとが位置しており、ロック解除部材40が初期位置から下方へ移動すると、これら係合突起31dや駆動受36cが駆動部40cの下辺に当接するようになっている。また、駆動部40cの上辺側には前部施錠杆32の係合突起32dと第2のロックレバー37の駆動受76cとが位置しており、ロック解除部材40が初期位置から上方へ移動すると、これら係合突起32dや駆動受76cが駆動部40cの上辺に当接するようになっている。
【0032】
このように構成された施錠装置30は、図4と図6に示すように、ベース部材32に両施錠杆31,32やロック解除部材40等を組み込んでユニット化した後、ベース部材32を本体枠2の右側枠部の裏面にネジ止め等の固定手段を用いて取り付けられて使用される。以下、かかる施錠装置30の動作を主として図7〜図17に基づいて説明する。なお、図7〜図12は機枠1に対して本体枠2を開閉する場合の動作説明図、図13〜図17は本体枠2に対して前面扉3を開閉する場合の動作説明図であり、これらの図において、本体枠2と前面扉3は図示省略されている。
【0033】
本実施形態例に係るパチンコ機Pにおいて、常態では、本体枠2が機枠1に対して閉じられていると共に、前面扉3が本体枠2に対して閉じられている。図7(a)と図13(a)に示すように、この場合、後部施錠杆31と前部施錠杆32およびロック解除部材40はいずれも初期位置にあり、後部施錠杆31の鉤部31aは機枠1の受け部1aに係止し、前部施錠杆32の鉤部32aは前面扉3の背板面3cに係止している。また、第1のロックレバー36と第2のロックレバー37は共にロック位置あり、図8から明らかなように、第1のロックレバー36の係止突起36bが後部施錠杆31の下側係合凹部31bと段付き孔33cの段部に係止し、第2のロックレバー37の係止突起37bが前部施錠杆32の下側係合凹部32bと段付き孔33dの段部に係止しているため、後部施錠杆31と前部施錠杆32はいずれもロック状態に維持されている。したがって、外部から挿入した針金等を用いて後部施錠杆31や前部施錠杆32を上下動することはできず、キーを用いずに本体枠2や前面扉3を解錠するという不正行為を防止できる。なお、このように本体枠2と前面扉3が閉じられているとき、第1の規制レバー38は機枠1に押し当てられて係合突部38aと後部施錠杆31の上側係合凹部31cとの係合を解除し、第2の規制レバー39は前面扉3の背板面3cに押し当てられて係合突部39aと前部施錠杆32の上側係合凹部32cとの係合を解除している。
【0034】
この状態から本体枠2と前面扉3のいずれか一方、例えば機枠1に対して本体枠2を解錠する場合、シリンダ錠11の鍵穴11aに差し込んだキーを時計回りに回転操作すると、それに伴ってカム板35が時計回りに回転してロック解除部材40を下方へ移動させる。このようにロック解除部材40が初期位置から下方へ移動し始めると、まず、駆動部40cの下辺が駆動受36cに当接して第1のロックレバー36を図8の時計回りに揺動させるため、第1のロックレバー36の係止突起36bが後部施錠杆31の下側係合凹部31bと段付き孔33cの段部から外れ、後部施錠杆31は第1のロックレバー36によるロックが解除されたアンロック状態となる。これにより、第1のロックレバー36はコイルばね44の付勢力によって下方へ移動し、図7(b)と図9に示すように、支軸36aがガイド孔33a内を上端から下端へ向かって移動し、駆動受36cが駆動部40cの下辺から大きく離れる。そして、キーをさらに時計回りに回転操作してロック解除部材40を下方へ移動させると、駆動部40cの下辺が係合突起31dに当接して後部施錠杆31をコイルばね42の付勢力に抗して押し下げるため、図7(c)と図10に示すように、後部施錠杆31の鉤部31aと機枠1の受け部1aとの係合が解除される。この時点で後部施錠杆31による施錠は解除されて解錠状態となっているため、本体枠2を機枠1に対して開放することができる。
【0035】
かかる解錠後にキーを逆向き(反時計回り)に回転操作してロック解除部材40を初期位置に戻すと、図7(d)と図11に示すように、ロック解除部材40の上動に伴って後部施錠杆31がコイルばね42の付勢力を受けて上方へ移動するが、第1のロックレバー36はコイルばね44の付勢力を受けて下方位置で停止したまま上動しないため、後部施錠杆31だけがアンロック状態のまま初期位置に向かって上動し、この状態のまま本体枠2は機枠1に対して開放動作される。なお、本体枠2が機枠1に対して所定角度だけ開放されると、図7(c)に示すように、第1の規制レバー38がコイルばね47に付勢されて機枠1から離反し、その後に後部施錠杆31が初期位置まで戻ると、図7(d)に示すように、第1の規制レバー38の係合突部38aが上側係合凹部31cに係合して後部施錠杆31の上下動を阻止する。すなわち、本体枠2が機枠1に対し所定角度を超えて開放されているとき、後部施錠杆31は第1のロックレバー36の代わりに第1の規制レバー38によってロック状態とされるため、本体枠2の開放時に後部施錠杆31を下動させるような外力が作用したとしても、後部施錠杆31を移動させることはできず、後部施錠杆31と第1のロックレバー36とのアンロック状態は維持される。
【0036】
そして、このように解錠した本体枠2を機枠1に対して施錠する場合、本体枠2を開放位置から閉鎖方向へ回動すると、まず、第1の規制レバー38が機枠1に当接して係合突部38aと後部施錠杆31の上側係合凹部31cとの係合を解除した後、図7(e)と図12に示すように、後部施錠杆31に形成された鉤部31aの傾斜面が機枠1の受け部1aに当接する。この時点で後部施錠杆31は第1の規制レバー38と第1のロックレバー36によるロックを共に解除された状態になっており、この状態で本体枠2をさらに閉鎖方向へ回動して機枠1側へ押し込むと、その押し込み力によって後部施錠杆31はコイルばね42の付勢力に抗して下方へ移動し、鉤部31aの傾斜面が受け部1aを通過すると、後部施錠杆31はコイルばね42の付勢力を受けて初期位置に向かって上方へ移動し、鉤部31aは受け部1aに係止される。そして、この後部施錠杆31の上動途中で下方位置に保持されていた第1のロックレバー36の係止突起36bが後部施錠杆31の下側係合凹部31bに係合するため、後部施錠杆31と第1のロックレバー36は係合状態を維持したまま初期位置まで戻り、図7(a)と図8に示すように、この初期位置で第1のロックレバー36の係止突起36bが段付き孔33cの段部に係止されるため、後部施錠杆31は再び第1のロックレバー36によって上下動が阻止されたロック状態となる。
【0037】
また、本体枠2に対して前面扉3を解錠する場合は、シリンダ錠11の鍵穴11aに差し込んだキーを上記と逆方向(反時計回り)に回転操作すれば良く、この場合、図13〜図17に示すように、後部施錠杆31や第1のロックレバー36の代わりに前部施錠杆32や第2のロックレバー37が同様に動作する。すなわち、キーの回転操作に伴ってロック解除部材40が初期位置から上方へ移動し始めると、まず、駆動部40cの上辺が駆動受37cに当接して第2のロックレバー37を図13(a)の反時計回りに揺動させるため、第2のロックレバー37の係止突起37bが前部施錠杆32の下側係合凹部32bと段付き孔33dの段部から外れ、前部施錠杆32は第2のロックレバー37によるロックが解除されたアンロック状態となる。これにより、第2のロックレバー37はコイルばね45の付勢力によって上方へ移動し、図13(b)と図14に示すように、支軸37aがガイド孔33b内を下端から上端へ向かって移動し、駆動受37cが駆動部40cの上辺から大きく離れる。そして、キーをさらに反時計回りに回転操作してロック解除部材40を上方へ移動させると、駆動部40cの上辺が係合突起32dに当接して前部施錠杆32をコイルばね43の付勢力に抗して押し上げるため、図13(c)と図15に示すように、前部施錠杆32の鉤部32aと前面扉3の背板面(受け部)3cとの係合が解除される。この時点で前部施錠杆32による施錠は解除されて解錠状態となっているため、前面扉3を本体枠2に対して開放することができる。
【0038】
かかる解錠後にキーを逆向き(時計回り)に回転操作してロック解除部材40を初期位置に戻すと、図13(d)と図16に示すように、ロック解除部材40の下動に伴って前部施錠杆32がコイルばね43の付勢力を受けて下方へ移動するが、第2のロックレバー37はコイルばね45の付勢力を受けて上方位置で停止したまま下動しないため、前部施錠杆32だけがアンロック状態のまま初期位置に向かって下動し、この状態のまま前面扉3は本体枠2に対して開放動作される。なお、前面扉3が本体枠2に対して所定角度だけ開放されると、図13(c)に示すように、第2の規制レバー39がコイルばね49に付勢されて前面扉3の背板面3cから離反し、その後に前部施錠杆32が初期位置まで戻ると、図13(d)に示すように、第2の規制レバー39の係合突部39aが上側係合凹部32cに係合して前部施錠杆32の上下動を阻止する。すなわち、前面扉3が本体枠2に対し所定角度を超えて開放されているとき、前部施錠杆32は第2のロックレバー37の代わりに第2の規制レバー39によってロック状態とされるため、前面扉3の開放時に前部施錠杆32を下動させるような外力が作用したとしても、前部施錠杆32を移動させることはできず、前部施錠杆32と第2のロックレバー37とのアンロック状態は維持される。
【0039】
そして、このように解錠した前面扉3を本体枠2に対して施錠する場合、前面扉3を開放位置から閉鎖方向へ回動すると、まず、前面扉3の背板面3cが第2の規制レバー39に当接して係合突部39aと前部施錠杆32の上側係合凹部32cとの係合を解除した後、図13(e)と図17に示すように、前部施錠杆32に形成された鉤部32aの傾斜面が背板面3cに当接する。この時点で前部施錠杆32は第2の規制レバー39と第2のロックレバー37によるロックを共に解除された状態になっており、この状態で前面扉3をさらに閉鎖方向へ回動して本体枠2側へ押し込むと、その押し込み力によって前部施錠杆32はコイルばね43の付勢力に抗して上方へ移動し、鉤部32aの傾斜面が背板面3cを通過すると、前部施錠杆32はコイルばね43の付勢力を受けて初期位置に向かって下方へ移動し、鉤部32aは背板面3cに係止される。そして、この前部施錠杆32の下動途中で上方位置に保持されていた第2のロックレバー37の係止突起37bが前部施錠杆32の下側係合凹部32bに係合するため、前部施錠杆32と第2のロックレバー37は係合状態を維持したまま初期位置まで戻り、図13(a)に示すように、この初期位置で第2のロックレバー37の係止突起37bが段付き孔33dの段部に係止されるため、前部施錠杆32は再び第2のロックレバー37によって上下動が阻止されたロック状態となる。
【0040】
以上説明したように、本実施形態例に係るパチンコ機Pでは、本体枠2と前面扉3がいずれも施錠されているとき、機枠1側の受け部1aに係止している後部施錠杆(第1の施錠杆)31の上下動が第1のロックレバー36によって阻止されると共に、前面扉3側の背板面(受け部)3cに係止している前部施錠杆(第2の施錠杆)32が第2のロックレバー37によって阻止されるようになっているため、外部から挿入した針金等を用いて後部施錠杆31や前部施錠杆32を上下動することはできず、キーを用いずに本体枠2や前面扉3を解錠するという不正行為を防止することができる。そして、シリンダ錠11の鍵穴11aに差し込んだキーを回転操作してロック解除部材40を上下動させると、第1および第2のロックレバー36,37が選択的に揺動して後部施錠杆31や前部施錠杆32をロック解除することができ、開放状態にある本体枠2や前面扉3を閉じると、第1のロックレバー36や第2のロックレバー37を機枠1や前面扉3に当接させることなくロック位置に移動させることができる。したがって、このパチンコ機Pは、本体枠2に組み付けた施錠装置30をシリンダ錠11の鍵穴11aに差し込んだキーの回転操作によって確実に解錠/施錠することができると共に、ロック機構や施錠装置30の配置場所等を含めた設計上の自由度を高めることができる。
【0041】
さらに、本実施形態例に係るパチンコ機Pでは、本体枠2が機枠1に対し所定角度を越えて開放されたとき、後部施錠杆31に第1の規制レバー38を係止させてロック状態となし、本体枠2が機枠1に対して施錠されているとき、この第1の規制レバー38を機枠1に押し当てて後部施錠杆31との係合が解除されるようにしているので、本体枠2の開放時に後部施錠杆31が下動して第1のロックレバー36に誤ってロックされてしまうことを防止できる。同様に、前面扉3が本体枠2に対し所定角度を越えて開放されたとき、前部施錠杆32に第2の規制レバー39を係止させてロック状態となし、前面扉3が本体枠2に対して施錠されているとき、この第2の規制レバー39を前面扉3の背面に押し当てて前部施錠杆32との係合が解除されるようにしているので、前面扉3の開放時に前部施錠杆32が上動して第2のロックレバー37に誤ってロックされてしまうことを防止できる。
【0042】
なお、上記実施形態例では、透明板4や操作ハンドル16等が設けられた一体型の前面扉3を本体枠2に開閉可能に軸支したパチンコ機Pについて説明したが、透明板等が設けられた上扉と操作ハンドル等が設けられた下扉とからなる分離タイプの前面扉にも本発明は適用可能であり、その場合、上扉を開放しない限り下扉を開放できないようになっていれば、前部施錠杆32の鉤部32aを上扉側の受け部に係止させることにより、上扉と下扉の両方を本体枠2に対して施錠することができる。
【0043】
また、上記実施形態例では、キーを一方向へ回転操作して後部施錠杆31を下動させることで本体枠2が解錠され、キーを他方向へ回転操作して前部施錠杆32を上動させることで前面扉3が解錠されるようになっているが、これとは逆に、後部施錠杆31の上動によって本体枠2が解錠され、前部施錠杆32の上動によって前面扉3が解錠される構成とすることも可能であり、その場合は、後部施錠杆31をコイルばね42によって下方へ付勢すると共に、前部施錠杆32をコイルばね43によって上方へ付勢すれば良い。
【符号の説明】
【0044】
1 機枠
1a 受け部
2 本体枠
3 前面扉
3c 背板面(受け部)
11 シリンダ錠
11a 鍵穴
30 施錠装置
31 後部施錠杆(第1の施錠杆)
31a 鉤部
31b 下側係合凹部
31c 上側係合凹部
31d 係合突起
32 前部施錠杆(第2の施錠杆)
32a 鉤部
32b 下側係合凹部
32c 上側係合凹部
32d 係合突起
33 ベース部材
33a,33b ガイド孔
33c,33d 段付き孔
34 取付板
35 カム板
35a,35b 駆動腕
36 第1のロックレバー
36a 支軸
36b 係止突起
36c 駆動受
37 第2のロックレバー
37a 支軸
37b 係止突起
37c 駆動受
38 第1の規制レバー
38a 係合突部
39 第2の規制レバー
39a 係合突部
40 ロック解除部材
40a,40b 連結孔
40c 駆動部
42,43 コイルばね(第1の弾性手段)
44,45 コイルばね(第2の弾性手段)
46,48 ピン
47,49 コイルばね
P パチンコ機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機枠と、この機枠に対してヒンジ機構を介して開閉可能に軸支された本体枠と、この本体枠に対して別のヒンジ機構を介して開閉可能に軸支された前面扉と、シリンダ錠を有する施錠装置とを備え、前記施錠装置によって前記本体枠が前記機枠に対して施錠されると共に、前記前面扉が前記本体枠に対して施錠されるパチンコ機において、
前記施錠装置は、前記本体枠に設置された縦長状のベース部材と、このベース部材に上下動可能に支持されて機枠側の受け部に係止可能な鉤部を有する第1の施錠杆と、前記ベース部材に上下動可能に支持されて前面扉側の受け部に係止可能な鉤部を有する第2の施錠杆と、これら第1および第2の施錠杆を前記ベース部材の長手方向に沿って互いに逆向きに付勢する第1の弾性手段と、前記ベース部材に揺動可能かつ上下動可能に支持された一対のロックレバーと、これら両ロックレバーを対応する前記第1および第2の施錠杆と逆向きに付勢する第2の弾性手段と、前記シリンダ錠の鍵穴に差し込んだキーの回転操作によって前記ベース部材の長手方向に沿って上下動するロック解除部材とを有しており、
前記本体枠と前記前面扉がいずれも施錠されているとき、一対の前記ロックレバーがそれぞれ長手方向の第1位置で対応する前記第1および第2の施錠杆と係止することにより、これら第1および第2の施錠杆が前記鉤部を対応する前記受け部に係止した状態でロックされており、
前記キーの回転操作に伴って前記ロック解除部材を上下いずれか一方へ移動したとき、該ロック解除部材がいずれか一方の前記ロックレバーを揺動させて対応する前記第1または第2の施錠杆のロック状態を解除すると共に、当該ロックレバーが前記第2の弾性手段の付勢力を受けて長手方向の第2位置へ移行するようになし、かつ、前記ロック解除部材がロック解除された前記第1または第2の施錠杆を前記第1の弾性手段の付勢力に抗して該ロック解除部材と同じ方向へ移動するようにしたことを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記ベース部材に前記第1の施錠杆に係脱可能な第1の規制レバーと前記第2の施錠杆に係脱可能な第2の規制レバーとが支持されており、前記本体枠と前記前面扉がいずれも施錠されているとき、前記第1の規制レバーは前記機枠に当接して前記第1の施錠杆との係合を解除していると共に、前記第2の規制レバーは前記前面扉に当接して前記第2の施錠杆との係合を解除しており、前記本体枠が前記機枠に対して解錠されたとき、前記第1の規制レバーは前記機枠から離反して前記第1の施錠杆をロック状態となし、前記前面扉が前記本体枠に対して解錠されたとき、前記第2の規制レバーは前記前面扉から離反して前記第2の施錠杆をロック状態となすようにしたことを特徴とするパチンコ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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