説明

パチンコ遊技機の入賞球検出機構

【課題】省スペース化及び作業効率の向上を図ることができるパチンコ遊技機の入賞球検出機構を提供する。
【解決手段】複数の入賞口と、前記各入賞口に入賞した遊技球を下流側へ案内する複数の遊技球通路と、2つの遊技球通路が合流した後に形成され、遊技球をさらに下流側へ案内する合流通路160と、合流通路160へと案内される遊技球を検出する衝撃センサ170と、を具備し、衝撃センサ170は、前記2つの遊技球通路の下流側端部をそれぞれ臨むように形成される2つの遊技球検出面を有し、前記2つの遊技球通路によって案内された遊技球は、それぞれ対応する前記遊技球検出面に衝突した後に合流通路160の下流側へと案内され、衝撃センサ170は、当該遊技球検出面に衝突した遊技球が前記2つの遊技球通路のうち何れの遊技球通路から案内されてきた遊技球であるかを検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技領域に設けられた入賞口から入賞した遊技球を検出するパチンコ遊技機の入賞球検出機構の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技球が入賞することで発生させる事象が同じ(例えば、払い出される遊技球の数(賞球数)が同じ)入賞口同士では特定の遊技球検出部(検出スイッチ)を共通利用するとともに、遊技球が入賞することで発生させる事象が異なる(例えば、賞球数が異なる)入賞口では当該入賞口ごとに遊技球検出部を設けるパチンコ遊技機の入賞球検出機構がある。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1に記載の技術では、賞球数が同じ入賞口が複数ある場合、当該入賞口ごとに区別して入賞した遊技球を検出する必要がないため、当該入賞口では1つの遊技球検出部を共通利用することができ、部品点数の削減を図ることができる。
【0004】
しかし、特許文献1に記載の技術では、賞球数が異なる入賞口が存在する場合、当該入賞口ごとに区別して入賞した遊技球を検出する必要があるため、複数の遊技球検出部を当該入賞口ごとに設けなければならない。したがって、当該複数の遊技球検出部がそれぞれ異なる位置(互いに離れた位置)に配置されることになる。このため、入賞口ごとに遊技球検出部を配置するためのスペースが必要になり、パチンコ遊技機の省スペース化を図ることが難しくなる。また、遊技球検出部のメンテナンスを行う場合には、複数の遊技球検出部が互いに離れた位置に配置されるため、作業効率が悪くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−63739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、パチンコ遊技機における省スペース化及びメンテナンスの際の作業効率の向上を図ることができるパチンコ遊技機の入賞球検出機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、遊技領域に設けられた複数の入賞口と、前記各入賞口から延出されて当該各入賞口に入賞した遊技球を下流側へ案内する複数の遊技球通路と、前記複数の遊技球通路のうち少なくとも2以上の遊技球通路が合流した後に形成され、当該2以上の遊技球通路により案内されてきた遊技球をさらに下流側へ案内する合流通路と、前記各入賞口に入賞した遊技球のうち、前記合流通路へと案内される遊技球を検出する衝撃センサと、を具備するパチンコ遊技機の入賞球検出機構であって、前記衝撃センサは、前記合流通路の上流側端部に配置されるとともに、前記2以上の遊技球通路の下流側端部をそれぞれ臨むように形成される複数の遊技球検出面を有し、前記2以上の遊技球通路によって案内された遊技球は、それぞれ対応する前記遊技球検出面に衝突した後に前記合流通路の下流側へと案内され、前記衝撃センサは、前記遊技球検出面ごとの衝撃を検出することによって、当該遊技球検出面に衝突した遊技球が前記2以上の遊技球通路のうち何れの遊技球通路から案内されてきた遊技球であるかを検出することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0010】
請求項1においては、複数の入賞口から入賞した遊技球を検出する衝撃センサを1箇所(合流通路の上流側端部)に配置するため、パチンコ遊技機の省スペース化を図ることができるとともに、メンテナンスの際の作業効率を向上させることができる。
また、衝撃センサは、合流通路へと進入してきた遊技球が、2以上の遊技球通路(入賞口)のうち何れの遊技球通路により案内されてきた遊技球であるかを検出することができるため、遊技球が入賞することで発生させる事象が異なる(例えば、賞球数が異なる)入賞口が存在する場合であっても、当該入賞口ごとに入賞した遊技球の数を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る入賞球検出機構を備えたパチンコ遊技機の正面図。
【図2】同じく、パチンコ遊技機の窓枠が開放された状態を示した前方斜視図。
【図3】同じく、遊技盤を示した正面図。
【図4】遊技板及び裏樋を示した背面図。
【図5】裏樋を示した正面図。
【図6】第3一般入賞通路、始動入賞通路及び合流通路の合流部を示した正面模式図。
【図7】同じく、始動入賞通路から案内されてきた遊技球の様子を示した正面模式図。
【図8】他の実施形態に係る遊技球通路を示した正面模式図。
【図9】他の実施形態に係る第3一般入賞通路、始動入賞通路及び合流通路の合流部を示した正面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、本発明に係るパチンコ遊技機の入賞球検出機構の一実施形態を備えるパチンコ遊技機1の全体的な構成について、図1から図3を用いて説明する。
なお、以下の説明では、パチンコ遊技機1を遊技者から見て、手前側をパチンコ遊技機1の前側とし、奥側をパチンコ遊技機1の後側として、前後方向を規定する。また、パチンコ遊技機1を遊技者から見て、左手側をパチンコ遊技機1の左側とし、右手側をパチンコ遊技機1の右側として、左右方向を規定する。
【0013】
パチンコ遊技機1は、図1から図3が示すように、主として、外枠2と、中枠3と、窓枠4と、により構成される枠体に、各種の遊技部品が取り付けられて形成される。
【0014】
外枠2は、パチンコ遊技機1の外郭を成し、前後面が開口された略四角筒状に形成される枠体である。外枠2は、パチンコホール等の遊技場に設けられた台島に設置される。外枠2には、中枠3が設けられる。
【0015】
中枠3は、前後面が開口された略四角筒状に形成される枠体である。中枠3は、外枠2の前側の開口部にヒンジ等の軸支部材を介して回動可能に支持される。中枠3には、窓枠4と、下皿ユニット5と、遊技盤6と、が設けられる。
【0016】
窓枠4は、中央が開口された略平板状に形成される枠体である。窓枠4は、正面視で中枠3の下部を除く略全面に渡って配置される。窓枠4は、中枠3の前側の開口部にヒンジ部材を介して回動可能に支持される。窓枠4の中央には、正面視で略円形状の窓枠開口部7が形成される。窓枠開口部7は、透明板19により被覆される。窓枠開口部7の下部には、発射前の遊技球が貯溜される上皿8が配設される。窓枠開口部7の左右上方には、スピーカ9がそれぞれ配設される。
【0017】
下皿ユニット5は、中枠3の下部であって窓枠4の下方に取り付けられる。下皿ユニット5の中央には、上皿8から溢れた遊技球が貯溜される下皿17が配設される。下皿ユニット5の右部であって下皿17の右方には、発射ハンドル18が配設される。発射ハンドル18は、上皿8に貯溜された遊技球を発射可能に構成される。
【0018】
遊技盤6は、遊技球が転動する領域である遊技領域25が形成される部材である。遊技盤6は、窓枠4の後方であって、正面視で中枠3の下部を除く略全面に渡って配置される。遊技盤6は、中枠3に着脱可能に取り付けられる。なお、遊技盤6の遊技領域25は、窓枠4の窓枠開口部7の後方に配置され、前方から透明板19を介して視認可能に構成される。
【0019】
次に、遊技盤6の構成について、図3及び図4を用いてさらに詳細に説明する。
【0020】
遊技盤6は、図3及び図4に示すように、遊技板10と、ガイドレール11と、センター役物12と、図柄表示装置13と、可変入賞装置14と、大入賞装置15と、第1一般入賞口31と、第2一般入賞口32と、第3一般入賞口33と、アウト口16と、裏樋100等により構成される。
【0021】
遊技板10は、四隅が適宜に切り欠かれた略平板状に形成される部材である。遊技板10には、遊技盤6を構成する各種の遊技部品が取り付けられる。
【0022】
ガイドレール11は、略円弧帯状に形成される部材である。ガイドレール11は、遊技板10に、前方へ向けて立ち上がり状に取り付けられる。ガイドレール11は、正面視で略円形状を形成するように配置される。なお、遊技板10においてガイドレール11によって略円形状に形成された内側の領域が、遊技球が転動する領域である遊技領域25として構成される。
【0023】
センター役物12は、その外観により遊技板10を装飾する部材である。センター役物12は正面視で略環状であって、その中央にセンター開口部27が前後方向に貫通して形成される。センター役物12は、遊技板10を前後方向に貫通するように当該遊技板10の中央から上部に渡って形成される孔10aに前方から挿入され、ボルト等によって取り付けられる。
【0024】
図柄表示装置13は、前方を臨むように配設された液晶画面26に図柄や数字等の変動(図柄遊技)を表示するように構成される装置である。図柄表示装置13は、遊技板10の後方に配置される。より詳細には、図柄表示装置13の液晶画面26が、遊技板10に取り付けられたセンター役物12のセンター開口部27の後方に配置される。これによって、前方からセンター開口部27を介して液晶画面26に表示される図柄遊技を視認することができる。
【0025】
可変入賞装置14は、所定の作動条件に応じて左右一対の可動片28が開閉作動し、始動入賞口14aに遊技球が入球(入賞)可能な開放状態と入球(入賞)不能な閉塞状態とに切り替え可能に構成される装置である。可変入賞装置14は、遊技領域25の左右中央部であってセンター役物12の下方に配置される。なお、可変入賞装置14は、前記開放状態において始動入賞口14aに遊技球が入球(入賞)すると図示せぬ賞球払出装置によって所定数の遊技球(賞球)が払い出されるように構成される。
【0026】
大入賞装置15は、所定の大当たり抽選により大当たりが選択されると、大入賞口15aを開放して遊技球が入球(入賞)可能に構成される装置である。大入賞装置15は、遊技領域25の左右中央部であって可変入賞装置14の下方に配置される。なお、大入賞装置15は、開放した大入賞口15aに遊技球が入球すると図示せぬ賞球払出装置によって所定数の遊技球(賞球)が払い出されるように構成される。
【0027】
第1一般入賞口31は、上面がポケット状に開口されるとともに、背面が遊技板10を前後に貫通するように開口され、当該上面の開口を介して第1一般入賞口31に遊技球が入球(入賞)すると、図示せぬ賞球払出装置によって所定数の遊技球(賞球)が払い出されるように構成されるものである。第1一般入賞口31は、センター役物12の左下方に配置される。
【0028】
第2一般入賞口32は、上面がポケット状に開口されるとともに、背面が遊技板10を前後に貫通するように開口され、当該上面の開口を介して第2一般入賞口32に遊技球が入球(入賞)すると、図示せぬ賞球払出装置によって所定数の遊技球(賞球)が払い出されるように構成されるものである。第2一般入賞口32は、第1一般入賞口31の右下方であって可変入賞装置14の左方に配置される。
【0029】
第3一般入賞口33は、上面がポケット状に開口されるとともに、背面が遊技板10を前後に貫通するように開口され、当該上面の開口を介して第3一般入賞口33に遊技球が入球(入賞)すると、図示せぬ賞球払出装置によって所定数の遊技球(賞球)が払い出されるように構成されるものである。第3一般入賞口33は、可変入賞装置14の右方に配置される。
【0030】
アウト口16は、遊技領域25を転動する遊技球が、大入賞口15aや始動入賞口14a等の各入賞口に入球(入賞)しなかった場合に、最終的に流入する開口部である。アウト口16は、遊技領域25の最下部に配置される。なお、アウト口16に流入した遊技球は、パチンコ遊技機1が設置されたパチンコホール等の遊技場側に回収される。
【0031】
次に、裏樋100の構成について、図4及び図5を用いて説明する。
【0032】
裏樋100は、始動入賞口14aや大入賞口15a等の各入賞口に入賞した遊技球を遊技板10の後側で、回収領域へ向けて案内する部材である。裏樋100は、左右方向に長いケース状に形成されて、遊技板10の後面下部に取り付けられる。裏樋100には、大入賞通路110、第1一般入賞通路120、第2一般入賞通路130、第3一般入賞通路140、始動入賞通路150及び合流通路160等が形成される。
【0033】
大入賞通路110は、大入賞口15aに入賞した遊技球を、遊技球の流れの下流側の回収領域へと案内するための通路である。大入賞通路110は、裏樋100の内部において、上方から下方に向かって適宜曲折しながら延設される。大入賞通路110の上端部は、大入賞口15aと対向する位置において前方に向けて開口され、大入賞通路110の下端部は、裏樋100の下側面において下方(すなわち、回収領域)に向けて開口される。
大入賞口15aから入賞した遊技球は、自重によって大入賞通路110内を落下した後、当該大入賞通路110の下端部(下流側端部)から回収領域へと排出される。
【0034】
第1一般入賞通路120は、第1一般入賞口31に入賞した遊技球を、遊技球の流れの下流側の回収領域へと案内するための通路である。第1一般入賞通路120は、裏樋100の内部において、上方から下方に向かって適宜曲折しながら延設される。第1一般入賞通路120の上端部は、第1一般入賞口31と対向する位置において前方に向けて開口され、第1一般入賞通路120の下端部は、裏樋100の下側面において下方(すなわち、回収領域)に向けて開口される。
第1一般入賞口31から入賞した遊技球は、自重によって第1一般入賞通路120内を落下した後、当該第1一般入賞通路120の下端部(下流側端部)から回収領域へと排出される。
【0035】
第2一般入賞通路130は、第2一般入賞口32に入賞した遊技球を、遊技球の流れの下流側の回収領域へと案内するための通路である。第2一般入賞通路130は、裏樋100の内部において、上方から下方に向かって適宜曲折しながら延設される。第2一般入賞通路130の上端部は、第2一般入賞口32と対向する位置において前方に向けて開口され、第2一般入賞通路130の下端部は、第1一般入賞通路120の上下中途部と連通接続される。
第2一般入賞口32から入賞した遊技球は、自重によって第2一般入賞通路130内及び第1一般入賞通路120内を落下した後、当該第1一般入賞通路120の下端部(下流側端部)から回収領域へと排出される。
【0036】
第3一般入賞通路140は、第3一般入賞口33に入賞した遊技球を、遊技球の流れの下流側の回収領域へと案内するための通路である。第3一般入賞通路140は、裏樋100の内部において、上方から下方に向かって適宜曲折しながら延設される。第3一般入賞通路140の上端部は、第3一般入賞口33と対向する位置において前方に向けて開口され、第3一般入賞通路140の下端部(下流側端部)は、後述する始動入賞通路150の下端部(下流側端部)及び後述する合流通路160の上端部(上流側端部)と連通接続される。
【0037】
始動入賞通路150は、始動入賞口14aに入賞した遊技球を、遊技球の流れの下流側の回収領域へと案内するための通路である。始動入賞通路150は、裏樋100の内部において、上方から下方に向かって適宜曲折しながら延設される。始動入賞通路150の上端部は、始動入賞口14aと対向する位置において前方に向けて開口され、始動入賞通路150の下端部(下流側端部)は、第3一般入賞通路140の下端部(下流側端部)及び後述する合流通路160の上端部(上流側端部)と連通接続される。
【0038】
合流通路160は、第3一般入賞通路140及び始動入賞通路150によって案内されてきた遊技球を、遊技球の流れの下流側の回収領域へと案内するための通路である。合流通路160は、裏樋100の内部において、上方から下方に向かって適宜曲折しながら延設される。合流通路160の上端部(上流側端部)は、第3一般入賞通路140の下端部(下流側端部)及び始動入賞通路150の下端部(下流側端部)と連通接続され、合流通路160の下端部は、裏樋100の下側面において下方(すなわち、回収領域)に向けて開口される。
【0039】
第3一般入賞口33から入賞した遊技球は、自重によって第3一般入賞通路140内及び合流通路160内を落下した後、当該合流通路160の下端部(下流側端部)から回収領域へと排出される。
また、始動入賞口14aから入賞した遊技球は、自重によって始動入賞通路150内及び合流通路160内を落下した後、当該合流通路160の下端部(下流側端部)から回収領域へと排出される。
【0040】
次に、第3一般入賞通路140、始動入賞通路150及び合流通路160が合流する部分(図5に示す合流部A)の構成について、図6を用いてより詳細に説明する。
【0041】
第3一般入賞通路140は、右上方から左下方の合流部Aに向かって延設される。始動入賞通路150は、左上方から右下方の合流部Aに向かって延設される。当該第3一般入賞通路140及び始動入賞通路150の下端部は、合流部Aにおいて合流通路160の上端部と連通接続される。
【0042】
合流通路160は、上方の合流部Aから下方に向かって延設される。合流通路160は、縮径部161及び拡径部162を有する。
【0043】
縮径部161は、合流通路160の上下中途部から、当該合流通路160の下端部(下流側端部)までの部分である。縮径部161においては、合流通路160の径(左右幅)が、遊技球200が1個通過できる程度に(左右に2個以上並んで通過できない程度に)狭く形成される。
【0044】
拡径部162は、合流通路160の上下中途部(縮径部161の上端部)から、当該合流通路160の上端部(上流側端部)までの部分である。拡径部162においては、合流通路160の径(左右幅)が、縮径部161よりも広くなるように(より詳細には、遊技球200が左右に2個以上並んで通過できる程度に広くなるように)形成される。
【0045】
拡径部162と縮径部161とが接続される部分は、下方に向かって徐々に径(左右幅)が狭くなるように形成され、当該拡径部162と縮径部161とが滑らかに接続されるようにテーパ面に構成される。
【0046】
合流通路160の上流側端部近傍には、衝撃センサ(加速度センサ)170が配置される。衝撃センサ170は略直方体状の部材であり、第3一般入賞通路140の下流側端部と始動入賞通路150の下流側端部との中間に位置するように配置される。より詳細には、衝撃センサ170は、当該衝撃センサ170の右側面が第3一般入賞通路140の下流側端部を、当該衝撃センサ170の左側面が始動入賞通路150の下流側端部を、それぞれ臨むように配置される。この際、衝撃センサ170の右側面と合流通路160(より詳細には、合流通路160の拡径部162)の右側面とは、遊技球200が1個通過できる程度に離間される。また、衝撃センサ170の左側面と合流通路160(より詳細には、合流通路160の拡径部162)の左側面とは、遊技球200が1個通過できる程度に離間される。また、衝撃センサ170は、第1遊技球検出面171及び第2遊技球検出面172を具備する。
【0047】
第1遊技球検出面171は、加速度センサやメンブレンスイッチ等により構成される。第1遊技球検出面171は、衝撃センサ170の右側面に形成され、当該衝撃センサ170の右側面が受ける衝撃を検出することが可能である。
第2遊技球検出面172は、加速度センサやメンブレンスイッチ等により構成される。第2遊技球検出面172は、衝撃センサ170の左側面に形成され、当該衝撃センサ170の左側面が受ける衝撃を検出することが可能である。
このように構成された衝撃センサ170は、当該衝撃センサ170の左右の側面が受ける衝撃を、当該左右の側面ごとに識別して検出することができる。
【0048】
以上の如く構成されたパチンコ遊技機1において、本実施形態に係る入賞球検出機構は、複数の入賞口(始動入賞口14a、大入賞口15a、第1一般入賞口31、第2一般入賞口32及び第3一般入賞口33)、複数の遊技球通路(大入賞通路110、第1一般入賞通路120、第2一般入賞通路130、第3一般入賞通路140及び始動入賞通路150)、合流通路160及び衝撃センサ170等によって構成される。
【0049】
次に、合流部Aに遊技球200が落下してきた場合の様子について、図6及び図7を用いて説明する。
【0050】
まず、図6に示すように、遊技球200が第3一般入賞通路140を介して合流部Aに落下してきた場合について説明する。
【0051】
第3一般入賞口33(図5参照)から入賞して第3一般入賞通路140内を落下してきた遊技球200は、当該第3一般入賞通路140の下流側端部から合流通路160(詳細には、拡径部162)の上流側端部へと進入する。
【0052】
この際、第3一般入賞通路140の下流側端部を臨むように衝撃センサ170の右側面(すなわち、第1遊技球検出面171)が配置されているため、合流通路160へと進入した遊技球200は、当該第1遊技球検出面171に衝突する。これによって、衝撃センサ170は、遊技球200が第3一般入賞口33から入賞したことを検出することができる。
【0053】
衝撃センサ170の右側面(第1遊技球検出面171)に衝突した遊技球200は、当該衝突した位置から下方へと案内され、合流通路160の拡径部162内を下方へと落下する。当該遊技球200は、合流通路160の拡径部162から縮径部161へと落下し、最終的には合流通路160の下流側端部から回収領域へと排出される。
【0054】
次に、図7に示すように、遊技球200が始動入賞通路150を介して合流部Aに落下してきた場合について説明する。
【0055】
始動入賞口14a(図5参照)から入賞して始動入賞通路150内を落下してきた遊技球200は、当該始動入賞通路150の下流側端部から合流通路160(詳細には、拡径部162)の上流側端部へと進入する。
【0056】
この際、始動入賞通路150の下流側端部を臨むように衝撃センサ170の左側面(すなわち、第2遊技球検出面172)が配置されているため、合流通路160へと進入した遊技球200は、当該第2遊技球検出面172に衝突する。これによって、衝撃センサ170は、遊技球200が始動入賞口14aから入賞したことを検出することができる。
【0057】
衝撃センサ170の左側面(第2遊技球検出面172)に衝突した遊技球200は、当該衝突した位置から下方へと案内され、合流通路160の拡径部162内を下方へと落下する。当該遊技球200は、合流通路160の拡径部162から縮径部161へと落下し、最終的には合流通路160の下流側端部から回収領域へと排出される。
【0058】
このように、衝撃センサ170は、第3一般入賞口33及び始動入賞口14aから入賞してきた遊技球200を検出することができる。また、この際、第3一般入賞口33から入賞してきた遊技球200は第1遊技球検出面171で、始動入賞口14aから入賞してきた遊技球200は第2遊技球検出面172で、それぞれ検出することによって、合流部Aへと落下してきた遊技球200が何れの入賞口から入賞してきたものかを識別することができる。したがって、たとえば第3一般入賞口33の賞球数と始動入賞口14aの賞球数が異なる場合であっても、入賞口に応じて適切な数の遊技球を払い出すことができる。
【0059】
以上の如く、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の入賞球検出機構は、遊技領域25に設けられた複数の入賞口(始動入賞口14a、大入賞口15a、第1一般入賞口31、第2一般入賞口32及び第3一般入賞口33)と、前記各入賞口から延出されて当該各入賞口に入賞した遊技球を下流側へ案内する複数の遊技球通路(大入賞通路110、第1一般入賞通路120、第2一般入賞通路130、第3一般入賞通路140及び始動入賞通路150)と、前記複数の遊技球通路のうち2つの遊技球通路(第3一般入賞通路140及び始動入賞通路150)が合流した後に形成され、当該2つの遊技球通路により案内されてきた遊技球をさらに下流側へ案内する合流通路160と、前記各入賞口に入賞した遊技球のうち、合流通路160へと案内される遊技球を検出する衝撃センサ170と、を具備するパチンコ遊技機1の入賞球検出機構であって、衝撃センサ170は、合流通路160の上流側端部に配置されるとともに、前記2つの遊技球通路の下流側端部をそれぞれ臨むように形成される2つの遊技球検出面(第1遊技球検出面171及び第2遊技球検出面172)を有し、前記2つの遊技球通路によって案内された遊技球は、それぞれ対応する前記遊技球検出面に衝突した後に合流通路160の下流側へと案内され、衝撃センサ170は、前記遊技球検出面ごとの衝撃を検出することによって、当該遊技球検出面に衝突した遊技球が前記2つの遊技球通路のうち何れの遊技球通路から案内されてきた遊技球であるかを検出することを特徴とするものである。
【0060】
このように、2つの入賞口から入賞した遊技球を検出する衝撃センサ170を1箇所(合流通路160の上流側端部)に配置するため、各入賞口ごとに衝撃センサを設ける場合に比べてパチンコ遊技機1の省スペース化を図ることができる。また、衝撃センサの個数を減らすことができ、複数の異なる場所に衝撃センサを配置することもないため、メンテナンスの際の作業効率を向上させることができる。
また、衝撃センサ170は、合流通路160へと進入してきた遊技球が、2つの遊技球通路(入賞口)のうち何れの遊技球通路により案内されてきた遊技球であるかを検出することができるため、遊技球が入賞することで発生させる事象が異なる(例えば、賞球数が異なる)入賞口が存在する場合であっても、当該入賞口ごとに入賞した遊技球の数を検出することができる。
【0061】
なお、本実施形態においては、2つの遊技球通路(第3一般入賞通路140及び始動入賞通路150)が合流通路160へと合流するものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、3つ以上の遊技球通路が合流通路160へと合流する構成とすることも可能である。この場合、合流通路160に配置される衝撃センサ170としては、前記3つ以上の遊技球通路から案内されてくる遊技球をそれぞれ検出することができるもの(3つ以上の検出面を備えたもの)を用いる。
【0062】
また、図8に示すように、第3一般入賞通路140及び始動入賞通路150の上流側をさらに2以上の遊技球通路に分岐させることも可能である。
【0063】
また、本実施形態においては、合流部Aにおいて、左右斜め上方から延設される2つの遊技球通路(第3一般入賞通路140及び始動入賞通路150)が合流する構成としたが、本発明は遊技球通路の延設方向をこれに限定するものではない。例えば、真上から延設されるものなどであっても良い。
また、本実施形態においては、合流通路160は合流部Aから下方に延設される構成としたが、本発明は合流通路の延設方向をこれに限定するものではない。例えば、斜め下方に延設されるものなどであっても良い。
【0064】
また、本実施形態においては、2つの遊技球通路(第3一般入賞通路140及び始動入賞通路150)は、入賞することで賞球が発生する入賞口(第3一般入賞口33及び始動入賞口14a)から入賞した遊技球を案内するものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、入賞することで賞球が発生すること以外の何らかの事象(例えば、演出)が発生する入賞口から入賞した遊技球を案内する構成とすることも可能である。
【0065】
また、本実施形態においては、2つの遊技球通路(第3一般入賞通路140及び始動入賞通路150)が合流通路160へと合流する合流部Aに衝撃センサ170を配置するものとしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、1つの遊技球通路が2つ(又は3つ以上)の遊技球通路(分岐通路)へと分岐する部分に衝撃センサ170を配置し、各分岐通路へと案内される遊技球の個数をそれぞれ当該衝撃センサ170で検出する構成とすることも可能である。
【0066】
また、図9に示すように、2つの遊技球通路(第3一般入賞通路140及び始動入賞通路150)にそれぞれ弁体181及び弁体182から構成される振り分け装置を設ける構成とすることも可能である。このような振り分け装置を設け、当該弁体181及び弁体182を交互に開閉することによって、2つの遊技球通路(第3一般入賞通路140及び始動入賞通路150)によって案内される遊技球が同時に合流通路160へと進入して、同時に衝撃センサ170に衝突するのを防止することができる。このように構成することによって、衝撃センサ170に複数の遊技球が同時に衝突することによる当該衝撃センサ170の誤検出を防止することができ、より一層精度の高い遊技球の検出が可能となる。
なお、この場合の振り分け装置は図9に示したもの(弁体181及び弁体182)に限るものではなく、複数の遊技球通路から合流通路160へと進入する遊技球のタイミング(位相)をずらすことができるものであれば良い。
【符号の説明】
【0067】
1:パチンコ遊技機,25:遊技領域,14a:始動入賞口,15a:大入賞口,31:第1一般入賞口,32:第2一般入賞口,33:第3一般入賞口,100:裏樋,110:大入賞通路,120:第1一般入賞通路,130:第2一般入賞通路,140:第3一般入賞通路,150:始動入賞通路,160:合流通路,170:衝撃センサ,171:第1遊技球検出面,172:第2遊技球検出面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に設けられた複数の入賞口と、
前記各入賞口から延出されて当該各入賞口に入賞した遊技球を下流側へ案内する複数の遊技球通路と、
前記複数の遊技球通路のうち少なくとも2以上の遊技球通路が合流した後に形成され、当該2以上の遊技球通路により案内されてきた遊技球をさらに下流側へ案内する合流通路と、
前記各入賞口に入賞した遊技球のうち、前記合流通路へと案内される遊技球を検出する衝撃センサと、
を具備するパチンコ遊技機の入賞球検出機構であって、
前記衝撃センサは、
前記合流通路の上流側端部に配置されるとともに、前記2以上の遊技球通路の下流側端部をそれぞれ臨むように形成される複数の遊技球検出面を有し、
前記2以上の遊技球通路によって案内された遊技球は、それぞれ対応する前記遊技球検出面に衝突した後に前記合流通路の下流側へと案内され、
前記衝撃センサは、前記遊技球検出面ごとの衝撃を検出することによって、当該遊技球検出面に衝突した遊技球が前記2以上の遊技球通路のうち何れの遊技球通路から案内されてきた遊技球であるかを検出することを特徴とする、
パチンコ遊技機の入賞球検出機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−52015(P2013−52015A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190534(P2011−190534)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000121693)奥村遊機株式会社 (978)
【Fターム(参考)】