説明

パチンコ遊技機の制御装置

【課題】遊技者が付いていないときには電気の消費電力を低減させ、パチンコ店の集中管理コンピュータを用いるようなことなく、節電を図れるようにする。
【解決手段】商用電源14側をトランス15を介して一次側13Aとすると共に、二次側13Bにパチンコ遊技機1の内蔵電気装置8の一次側8Aを接続した制御装置本体13に電源節約手段12を設ける。制御装置本体13はパチンコ遊技機1と別体に設ける。電源節約手段12には遊戯者検出手段としての人体センサ18を接続する。パチンコ遊技機1に遊技者が付いていないときには、そのパチンコ遊技機1の内蔵電気装置8を自動的に遮断できる。既設のパチンコ遊技機1と電源との間に制御装置本体13を取り付けるだけで、簡単に設置することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機は、釘や入賞口を備えた遊技盤の正面に弾球用のハンドルを備えると共に、遊技盤には複数列の図柄を可変的に表示する液晶板などの可変表示装置、LEDや、さらに遊技盤の近傍には球の発射装置などの内蔵電気装置が設けられている。また、パチンコ遊技機を複数並設したパチンコ遊技機群、すなわち島にも、パチンコ遊技機単体とは別の照明装置などの付随電気装置が設けられている。
【0003】
そして、このようなパチンコ遊技機において、遊技者がいないときには電気の消費電力を低減させて、電力の浪費を防止するものとして、パチンコ遊技機の正面における遊技者の有無を判断する遊技者検出手段と、該遊技者検出手段がパチンコ遊技機の正面に遊技者がいないと判断したとき、例えば可変表示装置の電源を遮断又は低電圧化する電源節約手段とを備えたパチンコ遊技機の制御装置が知られており、遊技者検出手段としては、赤外線センサ、超音波センサが開示されている(例えば特許文献1,2)。
【0004】
また、遊技者がハンドルを手で握っている間にのみ弾球用モータを作動させることができるように、ハンドル本体の遊技者の手により握れる部分に、手の検知センサを設けて、手の検知センサの出力センサにより弾球用モータのオンオフを行う制御回路を設けたものも知られている(例えば特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−174741号公報
【特許文献2】特許第4211066号公報
【特許文献3】実開昭63−79978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術においては、パチンコ店の集中管理コンピュータを用いて、空席信号に基づき節電制御処理を実行するもので、導入する場合は比較的大規模になってしまう問題があった。特に既設のパチンコ店のパチンコ遊技機においてこのような節電方法を導入するには、比較的大きな改造が必要となる。
【0007】
解決しようとする問題点は、遊技者が付いていないときには電気の消費電力を低減させる電源節約手段が設けられるパチンコ遊技機の制御装置において、既設のパチンコ遊技機であっても導入が比較的容易にできる点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明のパチンコ遊技機の制御装置は、正面に弾球用のハンドルを備えたパチンコ遊技機に内蔵した電気装置と、商用電源側との間に介在され、前記内蔵電気装置の電源を遮断又は低電圧化する電源節約手段を備えたパチンコ遊技機の制御装置において、前記商用電源側を一次側とすると共に、二次側に前記内蔵電気装置の一次側を接続し前記パチンコ遊技機と別体な制御装置本体に前記電源節約手段を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明のパチンコ遊技機の制御装置は、請求項1において、前記パチンコ遊技機又は前記パチンコ遊技機の近傍に設けられた電源起動用の遊技者操作部を前記電源節約手段に接続すると共に、該電源節約手段に前記パチンコ遊技機又は前記の近傍に設けられた電源遮断又は低電圧化用の受信機を接続し、かつ前記受信機に送信する送信機が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、制御装置本体はパチンコ遊技機と別体であるので、新設や既設のパチンコ遊技機に簡単に取り付けることができる。
【0011】
請求項2の発明によれば、パチンコ遊技機の給電の起動は遊技者操作部によって行われ、一方、管理者操作部からの送信を受信機で受信することで、パチンコ遊技機は電源遮断又は低電圧化される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1を示すブロック図である。
【図2】同制御装置の斜視図である。
【図3】同パチンコ玉の発射装置の正面図である。
【図4】同フローチャートである。
【図5】本発明の実施例2を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施例3を示すブロック図である。
【図7】同パチンコ遊技機の正面図である。
【図8】本発明の実施例4を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施例5を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0014】
図1〜4は実施例1を示しており、パチンコ遊技機1は、図示しない釘や入賞口、および複数列の図柄を可変的に表示する液晶板等の可変表示装置やLED(いずれも図示せず)等を備えた遊技盤2と、遊技盤2の遊技域に向けてパチンコ玉(図示せず)を発射するためのパチンコ球の発射装置3と、遊技域へ発射するパチンコ玉を貯留すると共に入賞に応じた景品玉が排出される受け皿4とを備えている。球の発射装置3において、弾球用のハンドル5は、遊技盤2の下部の一側において正面前方へ突出したハンドル軸(図示せず)の先端に設けられ、一方遊技盤2の裏面には弾球槌6が設けられており、この弾球槌6の駆動装置は、ハンドル5の回転角度に応じて弾球の強度を調節できる機構(図示せず)を備え、弾球用のモータ7によって弾球槌6を駆動できるようになっている。そして、パチンコ遊技機1には、可変表示装置、LEDのバックライト、モータ7などのパチンコ遊技機1に内蔵された内蔵電気装置8が設けられている。
【0015】
パチンコ店内ではパチンコ遊技機1が複数台並んでパチンコ遊技機1の群である島11が形成されており、パチンコ遊技機1の内蔵電気装置8の一次側8Aは、該一次側8Aを遮断する電源節約手段12を備えた制御装置本体13が接続されている。この制御装置本体13は例えば島11の内側に配置された例えばAC100Vのような商用電源14や、或いは島11の外側、例えばパチンコ店管理室に配置された商用電源と接続されるようになっている。この制御装置本体13の一次側13Aは、例えばAC100VをAC24Vに変換するようなトランス15の二次側15Bに接続されており、さらにトランス15の一次側15Aは商用電源14に接続されている。内蔵電気装置8の一次側8Aにはプラグなど接続部の一方である差込部16が設けられており、制御装置本体13の二次側13Bに設けられた接続部に他方であるコンセントなどの受け口17に差込部16を挿入して接続するようになっている。
【0016】
また、パチンコ遊技機1の正面に遊技人(図示せず)が存在することを検知するため、遊戯者検出手段を設ける。遊戯者検出手段は、パチンコ遊技機1の周囲、例えばパチンコ遊技機1の上部や下部に配置されて人体を検知できる赤外線センサなどの人体センサ18であって、遊戯者検出手段は電気ケーブル19などを介して制御装置本体13に接続されている。また、制御装置本体13にはタイマー手段20が設けられ、このタイマー手段20は電源節約手段12に接続している。
【0017】
そして、タイマー手段20においては予め任意の待機時間(T秒)、例えばT秒は300秒〜600秒が操作部21により調節されて設定されている。したがって、制御装置本体13の回路基板22によってなされる電源節約手段12は、処理を開始すると、人体センサ18による空席信号に基づきS1にて空席信号を読み込み、続くS2において待機時間が経過するとS3にて電源遮断信号出力が差込部16への給電を継続又は遮断を操作するリレー23に出力されて、このリレー23により受け口17への給電が遮断されるようになっている。一方、S1において人体センサ18による空席信号が読み込みしない場合や、S2において空席信号がT秒を経過しない場合には遮断されずに、内蔵電気装置8に給電継続するようになっている。
【0018】
次に前記構成についてその作用を説明する。既設のパチンコ店の場合には、予めパチンコ遊技機1、商用電源14、トランス15は設置されているので、これらとは別体の制御装置本体13、人体センサ18をパチンコ遊技機1ごとに設置する。また制御装置本体13の一次側13Aを複数のパチンコ遊技機1で共用されるトランス15の二次側15Bに接続すると共に、人体センサ18が設置されたパチンコ遊技機1の一次側8Aを制御装置本体13の二次側電源にそれぞれ接続する。
【0019】
そして、商用電源14を給電すると、上述のように遊戯人がいる空席でない場合には、制御装置本体13により、人体センサ18が個別に対応するパチンコ遊技機1に給電がなされ、遊戯人はパチンコ遊技を継続することができる。
【0020】
一方、空席になると、制御装置本体13によりそのパチンコ遊技機1への給電が停止され、パチンコ遊技機1の電気装置は停止することで、節電を図ることができる。
【0021】
以上のように、前記実施例においては商用電源14側をトランス15を介して一次側13Aとすると共に、二次側13Bにパチンコ遊技機1の内蔵電気装置8の一次側8Aを接続したパチンコ遊技機1に内蔵ではなく、パチンコ遊技機1と別体な制御装置本体13に電源節約手段12を設け、電源節約手段12に遊戯者検出手段としての人体センサ18を接続することにより、従来ではパチンコ店に設置されているパチンコ遊技機1は、遊技者が付いていなくとも台電源が入ったまま放置されていたり、特に平日の日中の可動の少ない時間帯では多くの台に遊技者が付いていないことがあり、電力の無駄が発生していたが、人体センサ18による空席信号を利用してパチンコ遊技機1に遊技者が付いていないときには、そのパチンコ遊技機1の内蔵電気装置8を自動的に遮断し、パチンコ遊技機1に遊技者が付いたときには、人体センサ18による空席信号が出力されることはなく、内蔵電気装置8に自動的に給電することで、1台1台の個別のパチンコ遊技機1において電力の無駄をなくすことができる。
【0022】
しかも、前記実施例では制御装置はパチンコ遊技機1と別体な制御装置本体13に電源節約手段12を設けることで、例えばパチンコ遊技機1が既設の場合には、制御装置本体13を島11内や或いは管理室に設置し、そして制御装置本体13の受け口17にパチンコ遊技機1における内蔵電気装置8に接続されている差込部16を差し込むことで、既設箇所を大幅に改修するようなことなく、設置をすることができる。しかも、制御装置本体13には、受け口17 20やタイマー手段20などが一体化されているユニット状であるので、制御装置本体13と人体センサ18、内蔵電気装置8、トランス15側(商用電源14側)との配線も簡単に行うことができる。
【0023】
また、遊戯者検出手段は人体センサ18であって、電源節約手段12は、遊戯者がいないと人体センサ18が判断したとき、内蔵電気装置8の電源を時間調節可能なタイマー手段20を介して設定時間後、例えば5分〜10分後に電源停止するようになっているので、遊戯者がトイレに行っている間や、飲料を買いに行っている間に遮断するようなことはなく、遊戯者がパチンコ遊技機1に付いている間は、遊戯者が不快な思いをしないようになっている。
【実施例2】
【0024】
以下に、他の実施例について説明する。尚、前記実施例1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0025】
図5に示す実施例2では、パチンコ遊技機1のハンドル5を回したり戻したりすることで、ハンドル5の動きに応動して弾球用のモータ7への駆動用配線(図示せず)に流れる電流の変化を電流センサ24が検知して、遊戯者の有無を検出するものであり、さらに人体センサ18による遊戯者検出をも併用したものである。
【0026】
したがって、実施例2ではパチンコ遊技機1に遊技者が付いていないと、ハンドル5が回されるようなことはなく、このためモータ7への電流は小さくなって、この状態を電流センサ24が検知することで空席信号が発せられ、この結果内蔵電気装置8への電気を低電圧化する。一方、遊戯者がハンドル5を握って回すことで、モータ7への電流が変化し、この変化を電流センサ24が感知することで、空席信号は停止されて、内蔵電気装置8に規定電圧が給電がなされる。そして、ハンドル5を回動することで、弾球用モータ7に給電がなされて、パチンコ遊技を行うことができる。この際、弾球用モータ7への電気が配線を流れるので、このハンドル5操作に伴う電流を電流センサ24によって検知しており、このため空席信号は出力されない。
【0027】
そして、遊技者が遊戯を終えて、席を離れるためハンドル5から手を離すと、ハンドル5の回転角度が当初に戻り、モータ7への給電の電流が停止するか或いは低減して空席信号が出力され、さらに空席信号が例えばタイマー手段20で5〜10分継続し、しかも人体センサ18で人体非検出信号が出力されることで、低電圧決定がなされ、そして低電圧決定信号が出力されて、制御装置本体13によって電源停止がなされる。尚、タイマー手段20によってハンドル5から手を離して直ちに電源停止はなされなく、タイマー手段20で調節された、例えば5〜10分経過したときに低電圧がなされるようになっており、これにより、遊技者がトイレに行ったり、飲料を購入して席を立っても、席に戻ってきたときには電源停止されておらずに、そのまま遊戯を継続できるようになっている。
【0028】
以上のように、前記実施例ではパチンコ遊技機1のハンドル5に応動する弾球用のモータ7の配線に電流センサ24を取り付け、その電流検知で、遊戯しているか、空席かを感知するようにしており、遊戯者の空席を確実に把握することができる。尚、電流センサ24が感知してから内蔵電気装置8が低電圧になるまで、5〜10分をパチンコ店側でタイマー手段20によって調節して設定することができる。
【0029】
そして、電源が低電圧になっているパチンコ遊技機1に遊戯人が付いた場合、実施例1と同様に人体センサ18或いは遊技人がハンドル5を回すことで、内蔵電気装置8が規定電圧の給電状態となる。尚、遊戯人が直接握るハンドル5の回動に応じて空席信号を出力する遊戯者検出手段としては、従来技術のハンドルに設けられる手の検知センサでもよい。
【0030】
以上のように、前記実施例においては、制御装置はパチンコ遊技機1と別体な制御装置本体13に電源節約手段12を設け、そして制御装置本体13の受け口17にパチンコ遊技機1における内蔵電気装置8に接続されている差込部16を差し込むことで、既設箇所を大幅に改修するようなことなく、設置をすることができるなどの効果を奏する。さらに、遊戯者が直接触るハンドル5に応動するモータ7の電流状態を検知する電流センサ24を利用して空席信号を出力できるようにしたので、誤作動を低減することができる。
【実施例3】
【0031】
図6、7に示す実施例3においては、島11に並設しているパチンコ遊技機1回りの取付板25の正面におけるパチンコ遊技機1ごとの上部に、遊技人が直接又は間接的に操作する遊技者操作部26と、電源遮断用の受信機27が設けられている。遊技者操作部26としては、直接接触して作動するタッチスイッチや、人体の接近を検出することで作動する静電容量スイッチなどによって形成される。また、受信機27とこの受信機27に送信するパチンコ店の店員(図示せず)が操作する送信機28としては、赤外線や音波を媒体としてワイアレスで遠隔操作するもので、送信機28に設けられ店員が操作する送信操作部29を操作することで、送信機28から送信される信号を受信機27が受信することでパチンコ遊技機1の電源遮断を遠隔操作できるようになっている。実施例では受信機は受光ICなどによって形成される。
【0032】
パチンコ遊技機1の内蔵電気装置8の一次側8Aに給電する箱型形状の制御装置本体30は、パチンコ遊技機1とは別体に設けられるものであり、内部に電源節約手段12となるマイコン31、内蔵電気装置8の一次側8Aへの給電、電源遮断を切り替えるリレー32が設けられている。尚、実施例では内蔵電気装置8が直流電気で作動するため交流―直流変換機変換器33が制御装置本体30に内蔵している。
【0033】
そして、制御装置本体30の一次側30Aには接続部の一方となる差込部34が設けられており、この一次側30Aの先には交流の商用電源35が接続されていると共に、一次側30Aと商用電源35との間には降電圧用のトランス36が設けられている。実施例ではトランス36側に接続部の他方である差込部34が接続する受け口37が設けられている。また一次側30Aにはリレー32を介して制御装置本体30の二次側30Bが接続されている。この二次側30Bには接続部の一方である受け口38が設けられていると共に、その接続部の他方である差込部39が内蔵電気装置8の一次側8Aに接続している。尚、図中40は取付板25におけるパチンコ遊技機1とは別の照明部である。
【0034】
また、一次側30Aに一次側33Aを接続した交流―直流変換器33の二次側33Bにマイコン31の一次側31Aが接続されており、さらにマイコン31に遊技者操作部26、受信機27が接続されていると共に、マイコン31は作動用配線31Aを介してリレー32に接続している。実施例では遊技者操作部26は制御装置本体30の外部に配置され、端子41を介して接続されており、取付板25の取付部42に外側、すなわち遊技人に向けて臨んでいる。受信機27は制御装置本体30の内部に配置されていると共に、この制御装置本体30の内部に配置されている受信機27は取付部42に並設した別の取付部43に外側、すなわち遊技人に向けて臨んでいる。そして、遊技者操作部26が操作された信号がマイコン31に入力されると、マイコン31はリレー32を作動し閉成してトランス36側の電気を内蔵電気装置8に給電できるようになっている。一方、送信操作部29を操作することで送信機28より送信した信号を受信機27が受信すると、その信号がマイコン31に入力され、マイコン31はリレー32を作動して開成して内蔵電気装置8に給電していたトランス36側の電気を遮断できるようになっている。尚、送信機28は並設している複数のパチンコ遊技機1の近傍にそれぞれ設けられた受信機27に共通になっており、したがって、1台の送信機28であっても複数のそれぞれの受信機27に向けて送信することで対応できるようになっている。
【0035】
次に前記構成についてその作用を説明する。設置にあっては例えば箱型ケース(図示せず)に内蔵されてユニット化している制御装置本体13を所定箇所に取り付けて、差込部34と受け口37を接続し、また差込部34を受け口38に接続すればよい。そして、パチンコ遊技機1は遊技人が付いていない待機状態にあっては、商用電源35よりトランス36に給電され、そしてトランス36からの電気が差込部37、受け口34を介して制御装置本体30側、すなわち交流―直流変換器33、リレー32などに給電される。そして交流―直流変換器33から出力された直流電流は、マイコン31、ひいては遊技者操作部26、受信機27に給電できるようになっている。またリレー32においては待機状態にあっては開成して内蔵電気装置8側への給電は遮断している。
【0036】
取付板25に並設されているいずれかのパチンコ遊技機1に遊技人が付くと、その遊技人はパチンコ遊技機1の近傍にある遊技者操作部26を指で押圧して遊技者操作部26を作動させる。この遊技者操作部26の起動信号がマイコン31に入力され、マイコン31はリレー32に起動信号を出力する。この出力によってリレー32が閉成して、トランス36からの電気が差込部38、受け口39を介して内蔵電気装置8へ給電され、パチンコ遊技機1は起動する。このパチンコ遊技機1が起動すると、遊技者はハンドル5を握って遊技することができる。
【0037】
遊技を終了すると、遊技者はパチンコ遊技機1より離れてしまうが、パチンコ遊技機1は起動状態を継続している。そして、パチンコ店の店員が、遊技人がパチンコ遊技機1に付いておらず、しかし起動状態にあるパチンコ遊技機1を見つけると、店員はそのパチンコ遊技機1に近づき、そして携帯していた送信機28をそのパチンコ遊技機1の近傍にある受信機27に送信する。この送信を受信した受信機27はマイコン31に給電を停止する待機信号を出力し、マイコン31はリレー32に開成信号を出力することで、リレー32が開成して、内蔵電気装置8への給電は遮断されて、再び待機状態となる。
【0038】
以上のように、前記実施例においては、商用電源35側を一次側30Aとすると共に、二次側30Bに内蔵電気装置8の一次側8Aを接続しパチンコ遊技機1と別体な制御装置本体30にマイコン31やリレー32などの電源節約手段12を内蔵したことで、パチンコ遊技機1の内部を何ら改造することなく、しかも商用電源35側と内蔵電気装置8との間に制御装置本体30を介在するだけで、簡単に電源節約を図ることができる。
【0039】
また、遊戯者が直接触る遊技者操作部25を利用して空席信号を出力できるようにしたので、待機状態から起動状態への誤作動を低減することができる。また、節電制御処理のリセットは店員による送信機28の送信によってなされるので、店内の遊戯者の出入りなどの状況に応じて自由に設定することができる。
【0040】
しかも、パチンコ遊技機1の近傍にそのパチンコ遊技機1の内蔵電気装置8を制御するための遊技者操作部26、受信機27を設けたので、遊技人や店員が間違って隣のパチンコ遊技機1の遊技者操作部26、受信機27を操作するようなことはなく、確実に操作することができる。
【実施例4】
【0041】
図8に示す実施例4においては、マイコン31を内蔵した制御装置本体30に、遊技者操作部26のみならず受信機27も端子44を介して制御装置本体30に接続されている。
【0042】
このように、マイコン33を内蔵した制御装置本体30の外部に遊技者操作部26、受信機27を設けたようなものでも、パチンコ遊技機1に電源節約手段12を簡単に取り付けることができる。
【実施例5】
【0043】
図9に示す実施例5においては、制御装置本体30の一次側30Aには接続部の一方となる受け口34Aが設けられており、この一次側30Aの先には交流の商用電源35が接続されていると共に、一次側30Aと商用電源35との間には降電圧用のトランス36が設けられている。実施例ではトランス36側に接続部の他方である受け口34Aが接続する差込部37Aが設けられている。また一次側30Aにはリレー32を介して制御装置本体30の二次側30Bが接続されている。この二次側30Bには接続部の一方である差込部38Aが設けられていると共に、その接続部の他方である受け口39Aが内蔵電気装置8の一次側8Aに接続している。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上のように本発明に係るパチンコ遊技機の制御装置は、各種の用途に適用できる。例えば、実施例では待機状態において電源遮断としたが、内蔵電気装置の電源を低電圧化するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 パチンコ遊技機
5 ハンドル
8 内蔵電気装置
8A 一次側
12 電源節約手段
13 制御装置本体
13A 一次側
13B 二次側
14 商用電源
26 遊技者操作部
27 受信機
28 送信機
30 制御装置本体
30A 一次側
30B 二次側
35 商用電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面に弾球用のハンドルを備えたパチンコ遊技機に内蔵した電気装置と、商用電源側との間に介在され、前記内蔵電気装置の電源を遮断又は低電圧化する電源節約手段を備えたパチンコ遊技機の制御装置において、前記商用電源側を一次側とすると共に、二次側に前記内蔵電気装置の一次側を接続し前記パチンコ遊技機と別体な制御装置本体に前記電源節約手段を設けたことを特徴とするパチンコ遊技機の制御装置。
【請求項2】
前記パチンコ遊技機又は前記パチンコ遊技機の近傍に設けられた電源起動用の遊技者操作部を前記電源節約手段に接続すると共に、該電源節約手段に前記パチンコ遊技機又は前記の近傍に設けられた電源遮断又は低電圧化用の受信機を接続し、かつ前記受信機に送信する送信機が設けられることを特徴とする請求項1記載のパチンコ遊技機の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−231827(P2012−231827A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100733(P2011−100733)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(503023715)株式会社西武プランニング (2)
【Fターム(参考)】