パチンコ遊技機の賞球回収装置
【課題】パチンコ遊技機において、賞球受皿から金属棒状体を差し込むような不正行為がなされても、この金属棒状体の進入を阻み、賞球検知センサーが作動されないようにして不正行為が完遂されないようにした賞球回収装置を提供する。
【解決手段】賞球受皿に放出された賞球を賞球誘導樋によりパチンコ遊技機の背面へ誘導し、この賞球を計数装置により計数するようにしたパチンコ遊技機であり、放出された賞球の搬入口が形成された片端が賞球誘導樋と連結可能となるようにする一方、他端に賞球の搬出口を形成した賞球搬送樋を備え、該賞球搬送樋の長手方向に設けたスパイラル・シャフトを回転駆動することにより搬入口から進入した賞球を搬送する。
【解決手段】賞球受皿に放出された賞球を賞球誘導樋によりパチンコ遊技機の背面へ誘導し、この賞球を計数装置により計数するようにしたパチンコ遊技機であり、放出された賞球の搬入口が形成された片端が賞球誘導樋と連結可能となるようにする一方、他端に賞球の搬出口を形成した賞球搬送樋を備え、該賞球搬送樋の長手方向に設けたスパイラル・シャフトを回転駆動することにより搬入口から進入した賞球を搬送する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、パチンコ遊技機において貯留した賞球の回収装置に関するもので、賞球の回収にあたり、賞球を計数するための賞球検知センサーに対する不正行為を防止できるようにしてセキュリティ性を向上するようにしたものである。
【背景技術】
【０００２】
一般にパチンコ遊技機において遊技者が獲得した賞球は賞球容器に貯留され、これを賞球計数装置あるいは景品交換所へ運び、所望の景品と交換するようにしている。ところが、賞球の獲得量が大きい場合は、これに比例して重量が嵩み運搬作業に大きな労力を必要とするものであった。また、賞球が賞球容器に貯留されていると、この賞球はパチンコ遊技機の稼動対象とはならなくなることから、遊技場の賞球の総量が増加するという問題があった。
【０００３】
そこで、遊技者が獲得した賞球をパチンコ遊技機の背面に誘導して排出するとともに、同時に賞球の数量を計数してその計数値を記録したカードを発券機から遊技者に提供し、遊技者がそのカードを景品交換所へ提出するようにしたシステムが提案されている。このようなシステムによれば、遊技者は重い賞球容器を運ぶ手間が省けるとともに、遊技場の賞球の総量を削減できるという利点が得られる。
【０００４】
したがって、かかるシステムの場合は、賞球をパチンコ遊技機の背面に誘導する構成、およびパチンコ遊技機の背面で賞球を計数する機能が必要となる。これらの機能を果たす機構要素はパチンコ遊技機とは別途に配設されるものであり、通常、賞球受皿に開口して接続された樋状の誘導手段により賞球をパチンコ遊技機の背面へ導くようにしている（例えば、特許文献１）。
【特許文献１】実用新案登録第２５９６０００号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上記特許文献１に開示された構成では、賞球受皿に賞球を計数装置へ導く案内腕が接続されており、この案内腕の排出ノズルから落下する賞球を検知して計数するようにしている。賞球を検知する検知センサーは、金属である賞球を電気的に検知するものが採用されており、このような構成の場合、検知センサーを外部から意図的に作動させ、計数値を歩進させる不正操作が可能となる。
【０００６】
即ち、図６に示すように従来の賞球回収装置の賞球受皿１００には、賞球Ｂが流入する開口部１００ａに賞球誘導樋１０１が接続され、この賞球誘導樋１０１の先端のノズル部１０１ａから流出した賞球Ｂが賞球検知センサー１０２により検知され計数装置により計数される。このように構成される賞球誘導樋１０１は賞球Ｂが円滑に流れ、玉詰まりにより賞球Ｂの流れが停止してしまうなどの不具合が発生しないようにしなければならない。
【０００７】
このため、賞球誘導樋１０１は賞球検知センサー１０２に至るまでの間が滑らかなスロープであることが望ましいことになる。したがって、このように構成される賞球回収装置では、賞球受皿１００の開口部１００ａからノズル部１０１ａまでに障害となるものが介在しないため、同図に示すように柔軟性のある金属棒状体Ｗ（先端に金属球を備えるものもある）が容易に差し込まれてしまうことになる。
【０００８】
このように金属棒状体Ｗを差し込んだ不正行為者は、この金属棒状体Ｗの先端を賞球検知センサー１０２の部分で往復動させ、賞球Ｂが通過する仮想の状態を現出し、計数装置を作動して計数を歩進させることになる。かかる不正行為は、賞球受皿１００から賞球検知センサー１０２まで円滑な流路としなければならないことによるもので、不正行為を効果的に防止できる手段が望まれているのが実情である。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
そこで本発明は以下に述べる手段により上記課題を解決するようにした。即ち、請求項１記載の発明では、賞球受皿に放出された賞球を賞球誘導樋によりパチンコ遊技機の背面へ誘導し、この賞球を計数装置により計数するようにしたパチンコ遊技機であり、放出された賞球の搬入口が形成された片端が賞球誘導樋と連結可能となるようにする一方、他端に賞球の搬出口を形成した賞球搬送樋を備え、該賞球搬送樋の長手方向に設けたスパイラル・シャフトを回転駆動することにより搬入口から進入した賞球を搬送する賞球回収装置となるようにする。
【００１０】
請求項２記載の発明では、上記請求項１記載のパチンコ遊技機の賞球回収装置において、賞球搬送樋の搬出口に臨む位置に賞球検知センサーを配設する。
【００１１】
請求項３記載の発明では、上記請求項１記載のパチンコ遊技機の賞球回収装置において、計数装置により計数した賞球の計数手段を表示する表示手段を備える。
【００１２】
請求項４記載の発明では、上記請求項１記載のパチンコ遊技機の賞球回収装置において、賞球受皿の前面に電飾手段を備える。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によれば、賞球受皿から金属棒状体を差し込むような不正行為がなされても、賞球搬送樋の内部に構成された搬送機構により金属棒状体の進入が阻まれ、金属棒状体の先端が賞球検知センサーに達するのを阻止することができ、不正行為が完遂されないようにすることができる。また、賞球搬送樋からの賞球の最終的搬出方向が直角方向となり、この部分に賞球検知センサーを配設するようにしたので、金属棒状体の進入が更に困難となりセキュリティ性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
本発明は、賞球誘導樋から流入する賞球を機構的手段により搬送するようにした賞球搬送樋を主体に構成されるもので、以下、図に示すかかる構成の実施例を詳細に説明する。
【００１５】
図１は、本発明の賞球回収装置Ａをパチンコ遊技機Ｐの下辺であって架台天板上に配設した状態を示すもので、パチンコ遊技機Ｐの側辺には玉貸機Ｃが配設される。賞球回収装置Ａは、賞球受皿１０およびこの賞球受皿１０に連設された賞球誘導樋２０、さらに賞球誘導樋２０に連設された賞球搬送樋３０を主体に構成される。
【００１６】
前記賞球受皿１０には図２および図３に示すように、中央に向かう下り勾配の傾斜面１１が形成されており、底部には賞球誘導樋２０へ向かう下り勾配の案内溝１２が形成されている。したがって、パチンコ遊技機Ｐの賞球貯留部Ｐ１に貯留した賞球Ｂは、玉抜きレバーＬＢを操作することにより賞球受皿１０に放出され、案内溝１２に導かれて賞球誘導樋２０へ流下する。
【００１７】
前記賞球受皿１０は架台天板上に配設するが、高さ調整脚１０ａを備えておくことにより、高さ方向の微調整が可能となる。また、前記傾斜面１１に弾性シートを貼設しておくことにより、落下する賞球Ｂの飛散および騒音を低下することができる。さらに、賞球受皿１０の開口部に、内側に反って賞球Ｂを内部に戻す逆止片１０ｂを形成しておくことにより、賞球Ｂの外部への飛散を防止することができる。
【００１８】
賞球誘導樋２０は全体が円弧状に形成されており、内部に賞球搬送樋３０に向かう下り勾配の２条の案内溝２１が形成されている。したがって、賞球受皿１０から流入した賞球Ｂは、案内溝２１内で整列して賞球搬送樋３０に向けて流下する。なお、この賞球搬送樋３０の流下開口部２２は玉貸機Ｃの開口部と一致するように構成し、キーロック機構２４により固定され着脱が容易となるようにしている。なお、このキーロック機構２４にキー操作に連動する検知センサーを設けておくことにより、本発明装置の着脱を監視することができる。
【００１９】
つぎに、賞球搬送樋３０は、玉貸機Ｃの横幅約４０ｍｍ内に収容可能となるように形成されるもので、図４に示すように片端が賞球Ｂの搬入口３１となり、他端に搬出口３２を形成した長尺体であり、内部の長手方向にスパイラル・シャフト３３が配設される。このスパイラル・シャフト３３の賞球Ｂの搬入口３１に位置する端部は軸支部材３４により回転可能に支持され、搬出口３２に位置する端部は軸支部材３５により支持される。
【００２０】
さらに、スパイラル・シャフト３３の端部には図５に示すように駆動ギヤ３６が軸装されており、この駆動ギヤ３６には電動モータ３７の駆動力が伝達ギヤ３８を介して伝達され、賞球搬送樋３０内で回転する。賞球搬送樋３０はこのように構成されていることから、スパイラル・シャフト３３が回転すると、搬入口３１へ流下した賞球Ｂは回転するスパイラル・シャフト３３の螺条３３ａに案内されて搬出口３２へ向けて前進する。
【００２１】
このようにして搬出口３２に至った賞球Ｂは案内板３９により進路が直角方向に転換され、搬出口３２から流出する。このとき、搬出口３２の外側に臨む位置に配設された賞球検知センサー４０が賞球Ｂを検知し、その検知信号を計数装置５０に出力して賞球Ｂの計数が行われる。したがって、賞球Ｂはスパイラル・シャフト３３の両側を２条となって搬送されるので搬送効率が高く、賞球Ｂの速やかな計数が可能となる。なお、賞球検知センサー４０は、図４において賞球搬送樋３０の外側に設けた状態を例示して説明したが、電動モータ３７の下側に設けて賞球搬送樋３０の４０ｍｍの幅に収まるように配置しても良いことは言うまでもない。
【００２２】
なお、スパイラル・シャフト３３を回転駆動するタイミングは、賞球誘導樋２０の案内溝２１内に設けた逆止機構を兼ねるスイッチ２３を流下した最初の賞球Ｂが作動することにより駆動が開始され、賞球検知センサー４０からの検知信号が途絶えた段階で駆動を停止すればよく、スパイラル・シャフト３３を常時回転駆動する必要はない。
【００２３】
また、賞球検知センサー４０の検知信号を計数装置５０が計数値を賞球回収装置Ａに設けた表示器ＣＤにより積算表示することにより、遊技者が賞球Ｂの獲得量を把握することができる。さらに、賞球受皿１０の前面に発光素子（ＬＥＤ）を配設し、賞球Ｂの計数が行われている間、この発光素子を点滅させることにより、遊技者に対し賞球の回収が確かに行われているという認識を与えるとともに電飾効果が得られる。
【００２４】
本発明は以上のように構成されていることから、賞球受皿１０から金属棒状体が差し込まれた場合、その先端がスパイラル・シャフト３３の螺条３３ａに接触し、これが障害となって前進を阻むことができる。さらに、賞球Ｂの搬送方向が搬出口３２で直角方向に転換され、その後、賞球検知センサー４０により計数されるようにしたので、差し込まれた金属棒状体の先端が屈曲して賞球検知センサー４０まで達するのが至難となり、セキュリティ性がより確実なものとなるなど本発明特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００２５】
【図１】本発明の賞球回収装置をパチンコ遊技機に配設した状態を示す図である。
【図２】本発明の賞球回収装置の構成を示す斜視図である。
【図３】本発明の賞球回収装置の構成を示す斜視図である。
【図４】本発明の賞球回収装置の構成を示す平面図である。
【図５】本発明の賞球回収装置の要部の構成を示す斜視図である。
【図６】従来の賞球回収装置の構成を説明する図である。
【符号の説明】
【００２６】
Ａ・・・・・・賞球回収装置
Ｂ・・・・・・賞球
Ｃ・・・・・・玉貸機
Ｐ・・・・・・パチンコ遊技機
１０・・・・・賞球受皿
１１・・・・・傾斜面
１２・・・・・案内溝
２０・・・・・賞球誘導樋
２１・・・・・案内溝
２２・・・・・流下開口部
２３・・・・・スイッチ
３０・・・・・賞球搬送樋
３１・・・・・搬入口
３２・・・・・搬出口
３３・・・・・スパイラル・シャフト
３４・・・・・軸支部材
３５・・・・・軸支部材
３６・・・・・駆動ギヤ
３７・・・・・電動モータ
３８・・・・・伝達ギヤ
３９・・・・・案内板
４０・・・・・賞球検知センサー
【技術分野】
【０００１】
本発明は、パチンコ遊技機において貯留した賞球の回収装置に関するもので、賞球の回収にあたり、賞球を計数するための賞球検知センサーに対する不正行為を防止できるようにしてセキュリティ性を向上するようにしたものである。
【背景技術】
【０００２】
一般にパチンコ遊技機において遊技者が獲得した賞球は賞球容器に貯留され、これを賞球計数装置あるいは景品交換所へ運び、所望の景品と交換するようにしている。ところが、賞球の獲得量が大きい場合は、これに比例して重量が嵩み運搬作業に大きな労力を必要とするものであった。また、賞球が賞球容器に貯留されていると、この賞球はパチンコ遊技機の稼動対象とはならなくなることから、遊技場の賞球の総量が増加するという問題があった。
【０００３】
そこで、遊技者が獲得した賞球をパチンコ遊技機の背面に誘導して排出するとともに、同時に賞球の数量を計数してその計数値を記録したカードを発券機から遊技者に提供し、遊技者がそのカードを景品交換所へ提出するようにしたシステムが提案されている。このようなシステムによれば、遊技者は重い賞球容器を運ぶ手間が省けるとともに、遊技場の賞球の総量を削減できるという利点が得られる。
【０００４】
したがって、かかるシステムの場合は、賞球をパチンコ遊技機の背面に誘導する構成、およびパチンコ遊技機の背面で賞球を計数する機能が必要となる。これらの機能を果たす機構要素はパチンコ遊技機とは別途に配設されるものであり、通常、賞球受皿に開口して接続された樋状の誘導手段により賞球をパチンコ遊技機の背面へ導くようにしている（例えば、特許文献１）。
【特許文献１】実用新案登録第２５９６０００号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上記特許文献１に開示された構成では、賞球受皿に賞球を計数装置へ導く案内腕が接続されており、この案内腕の排出ノズルから落下する賞球を検知して計数するようにしている。賞球を検知する検知センサーは、金属である賞球を電気的に検知するものが採用されており、このような構成の場合、検知センサーを外部から意図的に作動させ、計数値を歩進させる不正操作が可能となる。
【０００６】
即ち、図６に示すように従来の賞球回収装置の賞球受皿１００には、賞球Ｂが流入する開口部１００ａに賞球誘導樋１０１が接続され、この賞球誘導樋１０１の先端のノズル部１０１ａから流出した賞球Ｂが賞球検知センサー１０２により検知され計数装置により計数される。このように構成される賞球誘導樋１０１は賞球Ｂが円滑に流れ、玉詰まりにより賞球Ｂの流れが停止してしまうなどの不具合が発生しないようにしなければならない。
【０００７】
このため、賞球誘導樋１０１は賞球検知センサー１０２に至るまでの間が滑らかなスロープであることが望ましいことになる。したがって、このように構成される賞球回収装置では、賞球受皿１００の開口部１００ａからノズル部１０１ａまでに障害となるものが介在しないため、同図に示すように柔軟性のある金属棒状体Ｗ（先端に金属球を備えるものもある）が容易に差し込まれてしまうことになる。
【０００８】
このように金属棒状体Ｗを差し込んだ不正行為者は、この金属棒状体Ｗの先端を賞球検知センサー１０２の部分で往復動させ、賞球Ｂが通過する仮想の状態を現出し、計数装置を作動して計数を歩進させることになる。かかる不正行為は、賞球受皿１００から賞球検知センサー１０２まで円滑な流路としなければならないことによるもので、不正行為を効果的に防止できる手段が望まれているのが実情である。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
そこで本発明は以下に述べる手段により上記課題を解決するようにした。即ち、請求項１記載の発明では、賞球受皿に放出された賞球を賞球誘導樋によりパチンコ遊技機の背面へ誘導し、この賞球を計数装置により計数するようにしたパチンコ遊技機であり、放出された賞球の搬入口が形成された片端が賞球誘導樋と連結可能となるようにする一方、他端に賞球の搬出口を形成した賞球搬送樋を備え、該賞球搬送樋の長手方向に設けたスパイラル・シャフトを回転駆動することにより搬入口から進入した賞球を搬送する賞球回収装置となるようにする。
【００１０】
請求項２記載の発明では、上記請求項１記載のパチンコ遊技機の賞球回収装置において、賞球搬送樋の搬出口に臨む位置に賞球検知センサーを配設する。
【００１１】
請求項３記載の発明では、上記請求項１記載のパチンコ遊技機の賞球回収装置において、計数装置により計数した賞球の計数手段を表示する表示手段を備える。
【００１２】
請求項４記載の発明では、上記請求項１記載のパチンコ遊技機の賞球回収装置において、賞球受皿の前面に電飾手段を備える。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によれば、賞球受皿から金属棒状体を差し込むような不正行為がなされても、賞球搬送樋の内部に構成された搬送機構により金属棒状体の進入が阻まれ、金属棒状体の先端が賞球検知センサーに達するのを阻止することができ、不正行為が完遂されないようにすることができる。また、賞球搬送樋からの賞球の最終的搬出方向が直角方向となり、この部分に賞球検知センサーを配設するようにしたので、金属棒状体の進入が更に困難となりセキュリティ性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
本発明は、賞球誘導樋から流入する賞球を機構的手段により搬送するようにした賞球搬送樋を主体に構成されるもので、以下、図に示すかかる構成の実施例を詳細に説明する。
【００１５】
図１は、本発明の賞球回収装置Ａをパチンコ遊技機Ｐの下辺であって架台天板上に配設した状態を示すもので、パチンコ遊技機Ｐの側辺には玉貸機Ｃが配設される。賞球回収装置Ａは、賞球受皿１０およびこの賞球受皿１０に連設された賞球誘導樋２０、さらに賞球誘導樋２０に連設された賞球搬送樋３０を主体に構成される。
【００１６】
前記賞球受皿１０には図２および図３に示すように、中央に向かう下り勾配の傾斜面１１が形成されており、底部には賞球誘導樋２０へ向かう下り勾配の案内溝１２が形成されている。したがって、パチンコ遊技機Ｐの賞球貯留部Ｐ１に貯留した賞球Ｂは、玉抜きレバーＬＢを操作することにより賞球受皿１０に放出され、案内溝１２に導かれて賞球誘導樋２０へ流下する。
【００１７】
前記賞球受皿１０は架台天板上に配設するが、高さ調整脚１０ａを備えておくことにより、高さ方向の微調整が可能となる。また、前記傾斜面１１に弾性シートを貼設しておくことにより、落下する賞球Ｂの飛散および騒音を低下することができる。さらに、賞球受皿１０の開口部に、内側に反って賞球Ｂを内部に戻す逆止片１０ｂを形成しておくことにより、賞球Ｂの外部への飛散を防止することができる。
【００１８】
賞球誘導樋２０は全体が円弧状に形成されており、内部に賞球搬送樋３０に向かう下り勾配の２条の案内溝２１が形成されている。したがって、賞球受皿１０から流入した賞球Ｂは、案内溝２１内で整列して賞球搬送樋３０に向けて流下する。なお、この賞球搬送樋３０の流下開口部２２は玉貸機Ｃの開口部と一致するように構成し、キーロック機構２４により固定され着脱が容易となるようにしている。なお、このキーロック機構２４にキー操作に連動する検知センサーを設けておくことにより、本発明装置の着脱を監視することができる。
【００１９】
つぎに、賞球搬送樋３０は、玉貸機Ｃの横幅約４０ｍｍ内に収容可能となるように形成されるもので、図４に示すように片端が賞球Ｂの搬入口３１となり、他端に搬出口３２を形成した長尺体であり、内部の長手方向にスパイラル・シャフト３３が配設される。このスパイラル・シャフト３３の賞球Ｂの搬入口３１に位置する端部は軸支部材３４により回転可能に支持され、搬出口３２に位置する端部は軸支部材３５により支持される。
【００２０】
さらに、スパイラル・シャフト３３の端部には図５に示すように駆動ギヤ３６が軸装されており、この駆動ギヤ３６には電動モータ３７の駆動力が伝達ギヤ３８を介して伝達され、賞球搬送樋３０内で回転する。賞球搬送樋３０はこのように構成されていることから、スパイラル・シャフト３３が回転すると、搬入口３１へ流下した賞球Ｂは回転するスパイラル・シャフト３３の螺条３３ａに案内されて搬出口３２へ向けて前進する。
【００２１】
このようにして搬出口３２に至った賞球Ｂは案内板３９により進路が直角方向に転換され、搬出口３２から流出する。このとき、搬出口３２の外側に臨む位置に配設された賞球検知センサー４０が賞球Ｂを検知し、その検知信号を計数装置５０に出力して賞球Ｂの計数が行われる。したがって、賞球Ｂはスパイラル・シャフト３３の両側を２条となって搬送されるので搬送効率が高く、賞球Ｂの速やかな計数が可能となる。なお、賞球検知センサー４０は、図４において賞球搬送樋３０の外側に設けた状態を例示して説明したが、電動モータ３７の下側に設けて賞球搬送樋３０の４０ｍｍの幅に収まるように配置しても良いことは言うまでもない。
【００２２】
なお、スパイラル・シャフト３３を回転駆動するタイミングは、賞球誘導樋２０の案内溝２１内に設けた逆止機構を兼ねるスイッチ２３を流下した最初の賞球Ｂが作動することにより駆動が開始され、賞球検知センサー４０からの検知信号が途絶えた段階で駆動を停止すればよく、スパイラル・シャフト３３を常時回転駆動する必要はない。
【００２３】
また、賞球検知センサー４０の検知信号を計数装置５０が計数値を賞球回収装置Ａに設けた表示器ＣＤにより積算表示することにより、遊技者が賞球Ｂの獲得量を把握することができる。さらに、賞球受皿１０の前面に発光素子（ＬＥＤ）を配設し、賞球Ｂの計数が行われている間、この発光素子を点滅させることにより、遊技者に対し賞球の回収が確かに行われているという認識を与えるとともに電飾効果が得られる。
【００２４】
本発明は以上のように構成されていることから、賞球受皿１０から金属棒状体が差し込まれた場合、その先端がスパイラル・シャフト３３の螺条３３ａに接触し、これが障害となって前進を阻むことができる。さらに、賞球Ｂの搬送方向が搬出口３２で直角方向に転換され、その後、賞球検知センサー４０により計数されるようにしたので、差し込まれた金属棒状体の先端が屈曲して賞球検知センサー４０まで達するのが至難となり、セキュリティ性がより確実なものとなるなど本発明特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００２５】
【図１】本発明の賞球回収装置をパチンコ遊技機に配設した状態を示す図である。
【図２】本発明の賞球回収装置の構成を示す斜視図である。
【図３】本発明の賞球回収装置の構成を示す斜視図である。
【図４】本発明の賞球回収装置の構成を示す平面図である。
【図５】本発明の賞球回収装置の要部の構成を示す斜視図である。
【図６】従来の賞球回収装置の構成を説明する図である。
【符号の説明】
【００２６】
Ａ・・・・・・賞球回収装置
Ｂ・・・・・・賞球
Ｃ・・・・・・玉貸機
Ｐ・・・・・・パチンコ遊技機
１０・・・・・賞球受皿
１１・・・・・傾斜面
１２・・・・・案内溝
２０・・・・・賞球誘導樋
２１・・・・・案内溝
２２・・・・・流下開口部
２３・・・・・スイッチ
３０・・・・・賞球搬送樋
３１・・・・・搬入口
３２・・・・・搬出口
３３・・・・・スパイラル・シャフト
３４・・・・・軸支部材
３５・・・・・軸支部材
３６・・・・・駆動ギヤ
３７・・・・・電動モータ
３８・・・・・伝達ギヤ
３９・・・・・案内板
４０・・・・・賞球検知センサー
【特許請求の範囲】
【請求項１】
賞球受皿に放出された賞球を賞球誘導樋によりパチンコ遊技機の背面へ誘導し、この賞球を計数装置により計数するようにしたパチンコ遊技機であり、
放出された賞球の搬入口が形成された片端が賞球誘導樋と連結可能となるようにする一方、他端に賞球の搬出口を形成した賞球搬送樋を備え、該賞球搬送樋の長手方向に設けたスパイラル・シャフトを回転駆動することにより搬入口から進入した賞球を搬送するようにしたことを特徴とするパチンコ遊技機の賞球回収装置。
【請求項２】
前記賞球搬送樋の搬出口に臨む位置に賞球検知センサーを配設したことを特徴とする請求項１記載のパチンコ遊技機の賞球回収装置。
【請求項３】
前記計数装置により計数した賞球の計数値を表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項１記載のパチンコ遊技機の賞球回収装置。
【請求項４】
前記賞球受皿の前面に電飾手段を備えたことを特徴とする請求項１記載のパチンコ遊技機の賞球回収装置。
【請求項１】
賞球受皿に放出された賞球を賞球誘導樋によりパチンコ遊技機の背面へ誘導し、この賞球を計数装置により計数するようにしたパチンコ遊技機であり、
放出された賞球の搬入口が形成された片端が賞球誘導樋と連結可能となるようにする一方、他端に賞球の搬出口を形成した賞球搬送樋を備え、該賞球搬送樋の長手方向に設けたスパイラル・シャフトを回転駆動することにより搬入口から進入した賞球を搬送するようにしたことを特徴とするパチンコ遊技機の賞球回収装置。
【請求項２】
前記賞球搬送樋の搬出口に臨む位置に賞球検知センサーを配設したことを特徴とする請求項１記載のパチンコ遊技機の賞球回収装置。
【請求項３】
前記計数装置により計数した賞球の計数値を表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項１記載のパチンコ遊技機の賞球回収装置。
【請求項４】
前記賞球受皿の前面に電飾手段を備えたことを特徴とする請求項１記載のパチンコ遊技機の賞球回収装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２００９−１４８３６１（Ｐ２００９−１４８３６１Ａ）
【公開日】平成２１年７月９日（２００９．７．９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−３２７５８３（Ｐ２００７−３２７５８３）
【出願日】平成１９年１２月１９日（２００７．１２．１９）
【出願人】（０００１２８９４６）マミヤ・オーピー株式会社 (122)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年７月９日（２００９．７．９）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年１２月１９日（２００７．１２．１９）
【出願人】（０００１２８９４６）マミヤ・オーピー株式会社 (122)
【Ｆターム（参考）】
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