パチンコ遊技機
【課題】パチンコ遊技機全体としての装飾性を高めるとともに、既存の生産ラインや運搬手段を用いても不自由のない遊技機枠を備えたパチンコ遊技機を提供すること。
【解決手段】パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、遊技盤2を内部に収納する遊技機枠40とを備える。遊技機枠40は、遊技機枠40から取り外し可能な電飾部材56(装飾部材)を備え、電飾部材56は、遊技機枠40の上縁40cよりも上方へ突出した突出部57を有している。突出部57を有しているので、装飾効果の高い斬新な遊技機枠40となり、また、電飾部材56は遊技機枠40から取り外し可能なので、既存の生産ラインを使用でき、輸送時のコンテナ等も現行のものを使用できて、生産時や輸送時に不具合が生じない。
【解決手段】パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、遊技盤2を内部に収納する遊技機枠40とを備える。遊技機枠40は、遊技機枠40から取り外し可能な電飾部材56(装飾部材)を備え、電飾部材56は、遊技機枠40の上縁40cよりも上方へ突出した突出部57を有している。突出部57を有しているので、装飾効果の高い斬新な遊技機枠40となり、また、電飾部材56は遊技機枠40から取り外し可能なので、既存の生産ラインを使用でき、輸送時のコンテナ等も現行のものを使用できて、生産時や輸送時に不具合が生じない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機に関し、特に、遊技盤を取り付ける遊技機枠の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技盤を取り付ける遊技機枠として、例えば、下記特許文献1に記載の遊技機枠が知られている。下記特許文献1に記載の遊技機枠は、ガラス板より前方へ突出した前方突出部を備え、前方突出部の側面に表示部を有し、表示部により遊技機の遊技状態を表示可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−10484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記遊技機枠では、前方突出部が遊技機枠の周縁の内側に収まる程度の大きさで形成されており、これにより前方突出部に配される表示部の大きさも限られてしまうため、装飾効果が高いものではなかった。一方、前方突出部を、遊技機枠の周縁の外側に出る大きさで形成した場合には、既存の生産ラインや運搬手段を用いることができなくなる虞れがある。
【0005】
そこで本願発明は、上記事情に鑑み、パチンコ遊技機全体としての装飾性を高めるとともに、既存の生産ラインや運搬手段を用いても不自由のない遊技機枠を備えたパチンコ遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のパチンコ遊技機は、遊技盤と、前記遊技盤を内部に収納する遊技機枠とを備えるパチンコ遊技機において、前記遊技機枠は、当該遊技機枠から取り外し可能な装飾部材を備え、前記装飾部材は、少なくとも前記遊技機枠の上縁よりも上方へ、又は前記遊技機枠の側縁よりも外方へ突出した突出部を有していることを特徴とする。
【0007】
ここで、本発明のパチンコ遊技機では、前記装飾部材を、表示部又は発光部を備えた電飾部材により構成することができる。
【0008】
また、本発明のパチンコ遊技機では、前記電飾部材は、少なくとも前記遊技機枠の上縁よりも上方へ突出した前記突出部を備え、前記表示部又は前記発光部は、前記電飾部材の外側面において前記突出部に跨って配されている構成とすることができる。
【0009】
また、本発明のパチンコ遊技機では、前記電飾部材は、ホールに設置された管理コンピュータに接続されて該管理コンピュータからの信号に基づいて作動可能に構成することができる。
【0010】
また、本発明のパチンコ遊技機では、前記遊技機枠は、開閉可能なガラス扉枠を備えて構成され、前記装飾部材は、前記ガラス扉枠が閉じられている状態では前記ガラス扉枠から取り外しできないように、前記ガラス扉枠に取り付けられている構成とすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、装飾部材が、遊技機枠の上縁よりも上方へ、又は遊技機枠の側縁よりも外方へ突出した突出部を有しているので、装飾効果の高い斬新な遊技機枠とすることができる。また、装飾部材は遊技機枠から取り外し可能なので、既存の生産ラインを使用でき、かつ、輸送時のコンテナ等も現行のものを使用できるため、生産時や輸送時に不具合が生じない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態のパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】同パチンコ遊技機が備える遊技機枠を示す概略斜視図であり、外枠、内枠及びガラス扉枠を互いに開いた状態を示す図である。
【図3】同実施形態のパチンコ遊技機の左側から見た斜視図である。
【図4】同実施形態のパチンコ遊技機の右側から見た斜視図である。
【図5】同実施形態のパチンコ遊技機において、電飾部材(装飾部材)を取り外した遊技機枠を示す概略斜視図である。
【図6】同実施形態のパチンコ遊技機が備える電飾部材(装飾部材)を示す概略斜視図である。
【図7】同実施形態のパチンコ遊技機が備える電飾部材(装飾部材)を示す右側面図である。
【図8】同実施形態のパチンコ遊技機が備える電飾部材(装飾部材)を示す平面図である。
【図9】同実施形態のパチンコ遊技機が備える電飾部材(装飾部材)を示す正面図である。
【図10】同実施形態のパチンコ遊技機が備える電飾部材(装飾部材)を示す背面図である。
【図11】電飾部材(装飾部材)とガラス扉枠との取り付けを示す概略斜視図である。
【図12】同実施形態に係るパチンコ遊技機の電気系統のブロック図である。
【図13】サブ側タイマ割込処理のフローチャートである。
【図14】コマンド受信処理のフローチャートである。
【図15】演出選択処理のフローチャートである。
【図16】変動演出終了中処理のフローチャートである。
【図17】当たり演出選択処理のフローチャートである。
【図18】客待ちコマンド受信処理のフローチャートである。
【図19】同実施形態のパチンコ遊技機により構成された遊技島を示す概略斜視図である。
【図20】第2実施形態のパチンコ遊技機を示す正面図である。
【図21】同実施形態のパチンコ遊技機を示す概略斜視図である。
【図22】変更例に係るパチンコ遊技機の電気系統の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.第1実施形態
(1)パチンコ遊技機の構造
本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠40の内部に遊技盤2を取り付けて構成されている。
【0014】
図1に示すように、遊技盤2には、発射ハンドル装置11の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材12で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技球を誘導する案内釘(図示せず)が多数突設され、また、盤ランプ19が配設されている。
【0015】
遊技領域3には、液晶表示装置である画像表示器4の表示部4aが配置されている。画像表示器4は、客待ち演出(客待ち用のデモ表示)、装飾図柄変動演出、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出などを表示部4aに表示する。装飾図柄変動演出は、数字等の装飾図柄と装飾図柄以外の画像とにより構成されて、変動表示を経て停止表示された装飾図柄により、大当たり抽選(即ち、大当たり乱数の取得とその大当たり乱数を用いた判定)の結果を報知する演出である。この装飾図柄変動演出は、特別図柄変動に並行して行われる。また、大当たり抽選は、遊技球の第1始動口51aまたは第2始動口51bへの入賞に対して行われる。
【0016】
遊技領域3の中央部であって画像表示器4の前方には、センター役物装置30が配置されている。センター役物装置30は、表示部4aの周縁部前方に配設された枠体部31を備えている。枠体部31の下部には、上面を転動する遊技球を、第1始動口51aへと案内可能なステージ部32が形成されている。枠体部31の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部32へ遊技球を流出するワープ部33が配設されている。
【0017】
また、遊技領域3の左右方向における中央下部には、始動入賞装置5が設けられている。始動入賞装置5は、遊技球の入球し易さが常時変わらない第1始動口51aと、電動チューリップ(以下、「電チュー」という。)52により開閉される第2始動口51bとを備えている。電チュー52は、電チューソレノイド53(図12参照)により駆動される。第2始動口51bは、電チュー52が開いているときのみ遊技球が入賞可能となる。
【0018】
また、遊技領域3には、大入賞装置7が設けられている。大入賞装置7は、始動入賞装置5の下方に配置されており、大入賞口71と、大入賞口ソレノイド72(図12参照)により動作する開閉部材73とを備えている。大入賞口71は、開閉部材73により開閉される。
【0019】
また、遊技領域3には、複数の普通入賞装置9及び遊技球が通過可能なゲート8が設けられている。各普通入賞装置9は、始動入賞装置5の左方及び右方に配置されている。各普通入賞装置9に入った遊技球は、その普通入賞装置9内の普通入賞口90に入賞する。ゲート8は、センター役物装置30の左方に配置されている。
【0020】
遊技領域3の外側には、普通図柄表示器13、第1特別図柄表示器14a、及び、第2特別図柄表示器14bが設けられるとともに、普通図柄保留ランプ15、第1特別図柄保留ランプ16a、第2特別図柄保留ランプ16bがそれぞれ4つ設けられている。
【0021】
第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14bは、それぞれ、遊技球の第1始動口51a、第2始動口51bへの入賞を契機として行われる大当たり抽選の結果を、変動表示を経て停止表示された図柄(特別図柄)により報知する(これを「特別図柄変動」という)ものである。第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14bに停止表示された図柄(特別図柄)が大当たり図柄又は小当たり図柄であれば、大入賞口71を所定回数開閉する当たり遊技が行われる。
【0022】
特別図柄の変動表示中または当たり遊技中に、遊技球が第1始動口51aまたは第2始動口51bに入賞すると、メイン制御基板20(図12参照)は、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の乱数を、第1始動口51aへの入賞であれば第1保留記憶部27a(図12参照)に、第2始動口51bへの入賞であれば第2保留記憶部27b(図12参照)に、保留記憶として記憶する。そして、特別図柄変動を実行可能になったときに、記憶しておいた保留記憶に基づいて大当たりか否かの判定を行い、特別図柄変動を実行する。
【0023】
第1特別図柄保留ランプ16a、第2特別図柄保留ランプ16bは、それぞれ、第1保留記憶部27a、第2保留記憶部27bに記憶されている保留記憶の個数を表示するものである。なお、第1保留記憶部27a、第2保留記憶部27bに記憶される保留記憶の個数は、それぞれ4個が上限とされているため、第1保留記憶部27aに4個の保留記憶がある状態で遊技球が第1始動口51aに入賞したときや、第2保留記憶部27bに4個の保留記憶がある状態で遊技球が第2始動口51bに入賞したときは、その入賞に対して大当たり乱数等の乱数は取得されない。
【0024】
普通図柄表示器13は、ゲート8への遊技球の通過を契機として行われる普通図柄抽選の結果を、変動表示を経て停止表示される普通図柄により報知するものである。停止表示された普通図柄が当たり図柄であれば、所定時間及び所定回数、電チュー52を開く補助遊技が行われる。
【0025】
普通図柄の変動表示中または補助遊技中に、遊技球がゲート8を通過すると、メイン制御基板20(図12参照)は、その通過に対して取得した当たり乱数を記憶する。そして、普通図柄の変動表示を開始可能な状態になったときに、記憶しておいた当たり乱数を用いて当たりか否かの判定を行い、普通図柄の変動表示を開始して、その判定結果を示す普通図柄を停止表示する。普通図柄保留ランプ15は、このように記憶されている当たり乱数の個数を表示するものである。なお、記憶される当たり乱数は4個が上限とされているため、4個の当たり乱数が記憶されている状態で遊技球がゲート8を通過しても、その通過に対する当たり乱数の取得は行われない。
【0026】
図2に示すように、遊技機枠40は、外枠41と内枠42とガラス扉枠46とを備えている。外枠41は、パチンコ遊技機1の外郭部となる枠体であり、内枠42は、遊技盤2が取り付けられる枠体であり、ガラス扉枠46は、遊技盤面を保護するとともに発射ハンドル装置11などが配設される枠体である。遊技機枠40は、左端部にヒンジ部45を備えて構成され、ヒンジ部45により、ガラス扉枠46は、外枠41および内枠42に対してそれぞれ回動自在とされ、内枠42は、外枠41およびガラス扉枠46に対してそれぞれ回動自在とされている。なお、ガラス扉枠46の後面の右上部には、このような遊技機枠40の開放を検出するための枠開放SW(スイッチ)44が配設されている。枠開放SW44は、ガラス扉枠46のみが開かれた場合、又は、ガラス扉枠46が内枠42とともに開かれた場合に、ONされて、後述する払出制御基板21(図12参照)に対して枠開放信号を出力する。
【0027】
図1,3及び4に示すように、ガラス扉枠46は、前面下部に、受け皿ユニット35を備える。受け皿ユニット35は、球受け皿36および演出ボタン37を備える。また、ガラス扉枠46は、受け皿ユニット35の右方に、発射ハンドル装置11を備える。球受け皿36は、図示しない賞球払出装置から払い出された遊技球を一時貯留すると共に、遊技球を整列状態として図示しない球送り機構部に送る流路となるものである。発射ハンドル装置11は、遊技球の発射操作を行うものである。発射ハンドル装置11が操作されると、球送り機構部により、球受け皿36から図示しない発射レール(Mレール)の発射部へ遊技球が送られ、発射部に送られた遊技球は、図示しない打球機構部の槌により叩かれて遊技領域3へ打ち出される。演出ボタン37は、遊技中に実行される演出に合わせて遊技者が押下操作するもので、遊技者の遊技への関与度を高める効果を発揮するものである。
【0028】
また、ガラス扉枠46は、受け皿ユニット35の上方に、遊技領域3を視認可能な透視窓としてガラス板39を備えている。少なくとも遊技領域3の前方はガラス板39が配される。その他、ガラス扉枠46には、スピーカ17、及び、枠ランプ18が配設されている。
【0029】
図1,5に示すように、ガラス扉枠46は、前面の周縁部47における右端部47aに、ガラス扉枠46から取り外し可能な電飾部材(装飾部材に相当する)56を備えている。なお周縁部47は、図1に示すように、右端部47a、左端部47b、上端部47c、及び下端部47dから構成されている。右端部47a、左端部47b、上端部47c、及び下端部47dは、それぞれ、遊技機枠40の右縁40a、左縁40b、上縁40c、及び下縁40dを含む部分である。
【0030】
電飾部材56は、図1,3,4に示すように、右側面56aを略台形形状とされ、左右方向を薄肉とする台形柱型に形成されている。電飾部材56の左右方向の長さ寸法は、40mm〜80mm程度である。
【0031】
電飾部材56は、遊技機枠40に取り付けられた状態においてガラス扉枠46の上縁(遊技機枠40の上縁40c)よりも上方へ突出する突出部57を備えている。突出部57を含めた電飾部材56の上下方向の長さ寸法は、ガラス板39の上下方向の長さ寸法と略同一とされ、400mm〜500mm程度である。電飾部材56は、下端56bが遊技領域3の上下方向の略半分程度の位置に位置するように遊技機枠40に取り付けられており、突出部57の上下方向の長さ寸法は、100mm〜200mm程度とされている。また、電飾部材56は、ガラス板39の前面よりも前方へ突出している。電飾部材56の前方への突出量は、図3,4に示すように、下端から上端にかけて大きくなっている。電飾部材56において最も前方へ突出している部分の突出量、すなわち、電飾部材56において最も前方へ突出している部分の前後方向の長さ寸法は、受け皿ユニット35の左端部の前後方向の長さ寸法と略同じであり、実施形態では、120mm〜150mm程度とされている。
【0032】
電飾部材56は、図6〜10に示すように、合成樹脂製のハウジング部材59に、表示装置64を嵌合させた構成とされている。ハウジング部材59は、背面59aに電飾部材56を遊技機枠40に係合させるための係合爪60を備えている。
【0033】
図5,11に示すように、ガラス扉枠46は、右端部47aにおける上部に、電飾部材56を取り付けるための取付座48を備えている。取付座48には、係合爪60を係合させる係合孔49が形成されている。また、取付座48には、表示装置64を後述するランプ制御基板24に接続するための被接続端子部(雌側コネクタ)50が配されている。なお、図11は、ガラス扉枠46における右端部47aの上部の背面側を示している。
【0034】
図6〜10に示すように、表示装置64は、略直方体形状のドットマトリクス表示装置とされ、文字・模様・画像などを表示する表示部65が、ハウジング部材59の右側面に設けられた表示窓61から視認できるように、ハウジング部材59の内部に配されている。また、表示装置64は、遊技機枠40に設けられた被接続端子部50に接続するための接続端子部(雄側コネクタ)66を備えている。接続端子部66は、表示装置64をハウジング部材59の内部に配した状態においてハウジング部材59の後壁に設けられた切欠部62から後方へ突出される。接続端子部66は、電飾部材56を遊技機枠40に取り付けるとき、すなわち、係合爪60を係合孔49に嵌める際、被接続端子部50に差し込まれて接続される。これにより、表示装置64は、後述するランプ制御基板24(図12参照)に対して電気的に接続され、パチンコ遊技機1が備える電源基板28(図12参照)から電源の供給を受けることが可能となる。
【0035】
表示部65は、図4に示すように、電飾部材56において突出部57に至る大きさを有している。換言すれば、表示部65は、電飾部材56の右側面56aの略全域程度の大きさで構成されている。このように、実施形態では表示部65が遊技機枠40の上縁40cを越える大きさで構成されているので、右側面からパチンコ遊技機1を視認したホールの来店者等に対して、表示部65に表示した内容をはっきりと視認させるとともに、斬新な遊技機枠40であるとの印象を与えることができる。なお、表示装置64は、例えば、大当たり遊技が発生した場合に大当たり遊技中であることを示す「大当たり」の文字を表示部65に表示したり、確変遊技状態である場合に確変遊技状態中であることを示す「確変中」の文字を表示部65に表示したりする。また、客待ち演出を実行している場合に、パチンコ遊技機1の機種名を示す文字やキャラクタの画像を表示部65に表示して、ホールへの来店者に対して空き台であることを報知する。
【0036】
ここで、図11に基づいて電飾部材56の遊技機枠40への取り付けについて説明する。図11に示すように、電飾部材56を遊技機枠40に取り付ける際には、係合爪60を係合孔49に係合させる。この際、接続端子部66は、被接続端子部50に接続される。一旦、電飾部材56が遊技機枠40に取り付けられると、ガラス扉枠46を開けて取付座48の裏面48a側(ガラス扉枠46の背面側)から、係合爪60を係合解除方向(図11二点鎖線a参照)に押圧しなければ、電飾部材56を遊技機枠40から取り外すことはできない。このように電飾部材56は、ガラス扉枠46を閉めた状態では遊技機枠40から取り外すことができないよう遊技機枠40に取り付けられる。
【0037】
なお、図1,3,4,5に示すように、遊技機枠40は、遊技機枠40に取り付けられた電飾部材56の下端56bからデザイン的に一連につながる形状の装飾部68を備えている。装飾部68は、上から下にかけて左に傾斜した傾斜部69と、左右方向に延びる水平部70とにより構成され、傾斜部69の上端69aは、電飾部材56の下端56bと一連につながる形状とされ、水平部70の右端70aは、傾斜部69の下端69bと一連につながる形状とされている。傾斜部69の上端69aは、ガラス扉枠46の右端部47aに位置し、水平部70の左端70bは、ガラス扉枠46の左端部47bに位置している。装飾部68の前後方向の幅寸法は、電飾部材56の下端56bの前後方向の幅寸法と略一致し、装飾部68の左右方向の幅寸法は、電飾部材56の左右方向の幅寸法と略一致する。なお、電飾部材56の水平部70は、発射ハンドル装置11の左方に位置している。また、水平部70の左端70bは、略L字形状とされた受け皿ユニット35の下端35aと連続する形状に構成されている。
【0038】
(2)パチンコ遊技機の電気系統
次に、図12に基づいて実施形態のパチンコ遊技機1の電気系統について説明する。図12に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、メイン制御基板20、払出制御基板21、サブ制御基板25、及び電源基板28を備え、サブ制御基板25は、演出制御基板22、画像制御基板23、及び、ランプ制御基板24を備えている。そして、払出制御基板21及び演出制御基板22はメイン制御基板20に接続され、画像制御基板23及びランプ制御基板24は演出制御基板22に接続されている。電源基板28はメイン制御基板20及び払出制御基板21に接続され、動作に必要な電力を供給している。なお、電源基板28は、例えば電気二重層コンデンサからなるバックアップ電源を有しており、バックアップ電源は、パチンコ遊技機1の電源が遮断された場合に、メイン制御基板20のRAMに記憶されている情報、及び、払出制御基板21のRAMに記憶されている情報が消えないよう、各RAMに電力を供給する。電源基板28を除く各制御基板は、CPU、ROM、RAM等を備えている。また、メイン制御基板20は、RAM内に、第1保留記憶部27a及び第2保留記憶部27bを有する保留記憶部27を備えている。
【0039】
メイン制御基板20は、大当たりの抽選や遊技状態の移行など主に利益に関わる制御を行うものである。メイン制御基板20には、第1始動口51a内に設けられて第1始動口51aに入賞した遊技球を検出する第1始動口SW(スイッチ)54a、第2始動口51b内に設けられて第2始動口51bに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW54b、電チュー52を駆動する電チューソレノイド53、ゲート8内に設けられてゲート8を通過した遊技球を検出するゲートSW81、大入賞口71内に設けられて大入賞口71に入賞した遊技球を検出する大入賞口SW74、開閉部材73を駆動する大入賞口ソレノイド72、各普通入賞口90内にそれぞれ設けられてその普通入賞口90に入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW91、第1特別図柄保留ランプ16a、第2特別図柄保留ランプ16b、普通図柄保留ランプ15、第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14b、普通図柄表示器13がそれぞれ接続され、図12に矢印で示すように、各スイッチからはメイン制御基板20に信号が入力され、各ソレノイドやランプ等にはメイン制御基板20から信号が出力される。
【0040】
また、メイン制御基板20は、払出制御基板21に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板21から信号を受信する。払出制御基板21には、図示しない払出装置を駆動する払出駆動モータ26が接続され、払出制御基板21は、メイン制御基板20から受信したコマンドに従って払出駆動モータ26を動作させ、賞球の払出を行わせる。また、払出制御基板21には、枠開放SW44が接続されており、払出制御基板21は、枠開放SW44から開放信号を受信すると、メイン制御基板20を介して演出制御基板22に対して枠開放信号を送信する。
【0041】
さらに、メイン制御基板20は、演出制御基板22に対し各種コマンドを送信し、演出制御基板22は、画像制御基板23との間でコマンドや信号の送受信を行う。画像制御基板23には画像表示器4及びスピーカ17が接続され、画像制御基板23は、演出制御基板22から受信したコマンドに従って、画像表示器4の表示部4aに装飾図柄その他の画像を表示し、スピーカ17から音声を出力する。また、演出制御基板22は、ランプ制御基板24との間でコマンドや信号の送受信を行う。ランプ制御基板24には枠ランプ18、及び盤ランプ19が接続され、ランプ制御基板24は、演出制御基板22から受信したコマンドに従って、枠ランプ18や盤ランプ19を点灯・消灯する。また、ランプ制御基板24には表示装置64が接続され、ランプ制御基板24は、演出制御基板22から受信したコマンドに従って、表示装置64を作動させて表示部65に所定の文字等を表示する。また、演出制御基板22には、演出ボタン37が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW37aが接続されており、演出ボタン37(図1参照)が押下されると、演出ボタン検出SW37aから演出制御基板22に対して信号が出力される。
【0042】
(3)パチンコ遊技機の動作
次に、図13〜18に基づいて、上記のように構成された遊技機における演出制御基板22の動作について説明する。なお、後述する各カウンタは、RAMに設けられ、パチンコ遊技機1の電源投入時にゼロクリアされる。
【0043】
[サブ側タイマ割込処理]演出制御基板22は、図13に示すようなサブ側タイマ割込処理を所定の短時間毎に繰り返す。サブ側タイマ割込処理では、後述するコマンド受信処理(S1101)を行い、続いて、コマンド受信処理でセットしたコマンドを画像制御基板23やランプ制御基板24に送信するコマンド送信処理(S1102)を行う。コマンド送信処理が実行されると、各種コマンドを受信した画像制御基板23やランプ制御基板24は、各種演出装置(実施形態では、画像表示器4,スピーカ17,枠ランプ18,盤ランプ19,表示装置64が相当する)を用いて各種演出(図柄変動演出や大当たり演出、客待ち演出など)を実行したり、所定の内容を報知したりする。
【0044】
[コマンド受信処理]図14に示すように、コマンド受信処理では、演出制御基板22は、メイン制御基板20から変動開始コマンドを受信していれば後述する演出選択処理を行い(S1301,S1302)、変動停止コマンドを受信していれば後述する変動演出終了中処理を行う(S1303,1304)。そして、演出制御基板22は、オープニングコマンドを受信していれば、後述する当たり演出選択処理を行い(S1305,1306)、エンディングコマンドを受信していれば、エンディングコマンドを解析し、モードフラグを参照してエンディング演出パターンを選択し、エンディング演出開始コマンドをセットするエンディング演出選択処理を行う(S1307,1308)。続いて、演出制御基板22は、後述する客待ちコマンド受信処理を行って(S1309)、コマンド受信処理を終える。
【0045】
[演出選択処理]図15に示すように、演出選択処理では、演出制御基板22は、メイン制御基板20から受信した変動開始コマンドを解析する(S1401)。変動開始コマンドには、現在の遊技状態を示す情報、大当たり抽選において当選した特別図柄の種類を示す情報、及び、装飾図柄変動演出の変動パターンを示す変動パターン情報が含まれている。次に、演出制御基板22は、演出モードを示すモードフラグを参照する(S1402)。続いて、解析した変動開始コマンドおよび参照したモードフラグに基づいて装飾図柄変動演出の変動パターンを選択する変動演出パターン選択処理を行う(S1403)。そして、演出制御基板22は、装飾図柄変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをセットする(S1404)。ここで、演出モードとは、画像表示器4における演出の態様であり、演出モードが異なると、登場するキャラクタや背景が異なる等、画像表示器4に表示される動画が異なり、装飾図柄変動演出も演出モードに応じたものが選択される。
【0046】
[変動演出終了中処理]図16に示すように、変動演出終了中処理では、演出制御基板22は、変動停止コマンドを解析し(S1501)、モードフラグを参照する(S1502)。次に、今終了しようとする装飾図柄変動演出が当たり(大当たりまたは小当たり)を報知するものか否かを判定して(S1503)、当たりを報知するものであればモードフラグ変更処理を行う(S1508)。モードフラグ変更処理では、その当たりの種類に応じた演出モードを示すものにモードフラグを変更するとともに、変更後の演出モードが通常モードでない場合には、その演出モードに対応するカウンタの値Mに上限回数をセットする。
【0047】
一方、演出制御基板22は、今終了しようとする装飾図柄変動演出が当たりを報知するものでなければ(S1503でNO)、モードフラグが0か否かを判定し(S1504)、0であればステップS1509に進む。なお、モードフラグが0とは通常モードであることを示し、初期状態では(即ち、電源が投入されて最初の遊技が開始されるときは)モードフラグは0である。一方、モードフラグが0でなければ、現在の演出モード用のカウンタの値Mを1減少させて(S1505)、その値Mが0にならなければ(S1506でNO)、ステップS1509に進むが、0になれば(S1506でYES)、通常モードに戻すためにモードフラグを0として(S1507)、ステップS1509に進む。ステップS1509では、演出制御基板22は、装飾図柄変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットする。
【0048】
[当たり演出選択処理]図17に示すように、当たり演出選択処理では、演出制御基板22は、オープニングコマンドを解析して(S1601)、解析したオープニングコマンドに基づいて、当たり演出のパターンを選択する当たり演出パターン選択処理を行う(S1602)。そして、演出制御基板22は、当たり演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをセットする(S1603)。なお、当たり演出とは、小当たり遊技又は大当たり遊技時に実行される演出をいう。ステップS1603でセットされたオープニング演出開始コマンドが、コマンド送信処理(図13のステップS1102参照)によりランプ制御基板24に送信されると、ランプ制御基板24は、表示装置64を作動させて、表示部65に「大当たり」の文字を表示させる。
【0049】
[客待ちコマンド受信処理]図18に示すように、客待ちコマンド受信処理では、演出制御基板22は、客待ちコマンドを受信したか否かを判定し(S1701)、受信していれば、客待ち演出を実行するまでの時間の計測を開始するとともに計測フラグをONして(S1702、S1703)、ステップS1705に進む。一方、受信していなければ、計測フラグがONされているか否か判定し(S1704)、オンされていなければ、客待ち演出実行までの時間の計測中ではないので処理を終え、オンされていればタイムアップか、すなわち、いま計測している時間が客待ち演出実行までの時間として設定した所定時間に達したか否か判定する(S1705)。そして、タイムアップでなければ、処理を終え、タイムアップであれば、計測フラグをOFFするとともに(S1706)、客待ち演出を開始するための客待ち演出開始コマンドをセットする(S1707)。ステップS1707でセットされた客待ち演出開始コマンドが、コマンド送信処理(図13のステップS1102参照)によりランプ制御基板24に送信されると、ランプ制御基板24は、表示装置64を作動させて、表示部65にパチンコ遊技機1の機種名を表示させる。
【0050】
(4)実施形態の効果
以上説明したように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技盤2と、遊技盤2を内部に収納する遊技機枠40とを備えるパチンコ遊技機1であって、遊技機枠40は、遊技機枠40から取り外し可能な電飾部材56(装飾部材)を備え、電飾部材56は、遊技機枠40の上縁40cよりも上方へ突出した突出部57を有している。なお、実施形態では、遊技機枠40は、左端部にヒンジ部45を有し該ヒンジ部45により開閉可能とされ、電飾部材56(装飾部材)は、遊技機枠40におけるヒンジ部45が設けられている側とは反対側の端部(右端部)に配置されている。
【0051】
実施形態のパチンコ遊技機1によれば、電飾部材56(装飾部材)が、遊技機枠40の上縁40cよりも上方へ突出した突出部57を有しているので、遊技者にインパクトを与えることが可能な、装飾効果の高い斬新な遊技機枠40とすることができる。また、電飾部材56は遊技機枠40から取り外し可能なので、生産時や輸送時には電飾部材56を遊技機枠40から取り外しておきホールにて電飾部材56を遊技機枠40に取り付ければ、既存の生産ラインを使用でき、輸送時のコンテナ等も現行のものを使用できるので、生産時や輸送時に不具合が生じない。また、電飾部材56は遊技機枠40から取り外し可能なので、遊技盤2の変更に伴って、変更後の遊技盤のモチーフにあわせて製造された他の電飾部材(装飾部材)を取り付ければ、遊技機枠40が遊技者に与える印象も変更後の遊技盤のモチーフにあったものとなり、遊技機全体で遊技機のモチーフに適した印象を遊技者に与えることができる。
【0052】
また、実施形態のパチンコ遊技機1は、表示部65を備えた電飾部材56を、装飾部材として備えている。よって、表示部65に文字や画像を表示することで、パチンコ遊技機1を装飾することができる。
【0053】
また、実施形態のパチンコ遊技機1では、電飾部材56は、接続端子部66を有し、当該電飾部材56を遊技機枠40へ取り付けるだけで、遊技機枠40が備える被接続端子部50に接続端子部66が接続され、これにより、遊技機枠40が備える電源基板28と電気的に接続されるよう構成され、当該電飾部材56を遊技機枠40から取り外すだけで、被接続端子部50から接続端子部66が外され、これにより、電源基板28から電気的に切断されるよう構成されている。したがって、電飾部材56を遊技機枠40に着脱するだけで、接続端子部66を被接続端子部50に接続したり被接続端子部50から外したりできる。よって、電飾部材56と遊技機枠40との電気的接続が容易である。
【0054】
また、実施形態のパチンコ遊技機1では、電飾部材56は、遊技機枠40の上縁40cよりも上方へ突出した突出部57を備え、表示部65は、電飾部材56の外側面(右側面56a)において突出部57に跨って配されている。ここで、電飾部材56の外側面とは、遊技機枠40における電飾部材56が設けられている側の端部(実施形態では右端部)を基準に遊技領域3とは反対側となる側面(実施形態では右側面56a)をいう。これによれば、遊技機1の表示部65により示された内容を遊技島の入口等からはっきりと視認することができる。よって、実施形態のように表示部65に遊技機1の遊技状態が表示される場合には、ホールの従業員は、各遊技機1の遊技状態を容易に確認して回ることができ、遊技者は、各遊技機1の遊技状態を容易に把握することができる。
【0055】
ここで、図19に基づいて、ホールの従業員やホールへの来店者が遊技島の入口付近から遊技機を確認する状況について詳述する。ホール内では、複数台のパチンコ遊技機1が通路に沿って並べて配置されて、いわゆる遊技島77を構成している。遊技島77は、例えば同一の機種を複数台並べて構成される。実施形態のパチンコ遊技機1のような電飾部材56を有するパチンコ遊技機1を、複数台並べて遊技島77を構成した場合、パチンコ遊技機1の電飾部材56は突出部57を備えており、電飾部材56の右側面56aには突出部57に至る大きさで表示部65が配されているから、図19に示すように、ホールの従業員又はホールへの来店者Pは、遊技島77の入口(通路の入口)から、各遊技機1の表示部65をはっきりと視認することが可能である。このように、実施形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技島77の入口(通路の入口)から各遊技機1を一望するだけで、来店者や従業員は表示部65に示された内容(例えば、各遊技機1の遊技状態等)を容易に確認することができる。また、実施形態のパチンコ遊技機1は突出部57を備えて構成されているから、パチンコ遊技機1を複数台並べて遊技島77を構成した場合に、インパクトのある斬新な雰囲気の遊技島77を構成することができる。また、実施形態のパチンコ遊技機1によれば、表示装置64による文字や模様の表示によりパチンコ遊技機1の右側面が装飾されるので、遊技島77の入口(通路の入口)から各遊技機1を視認するホールの来店者に対して、斬新な演出効果を発揮できる。
【0056】
また、実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技機枠40は、内枠42及び外枠41に対して開閉可能なガラス扉枠46を備えて構成され、電飾部材56(装飾部材)は、ガラス扉枠46が閉じられている状態ではガラス扉枠46から取り外しできないように、ガラス扉枠46に取り付けられている。したがって、ガラス扉枠46を開かない限り、電飾部材56(装飾部材)を遊技機枠40から取り外すことができないので、電飾部材56が遊技者などによって遊技機枠40から取り外されてしまうことを防止することができる。なお、ガラス扉枠46は、専用の鍵(図示せず)を用いなければ開くことができない構成となっている。
【0057】
2.第2実施形態
以下、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の説明において、実施形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、実施形態のパチンコ遊技機1と同様の符号を付して説明を省略する。
【0058】
第1実施形態のパチンコ遊技機1では、装飾部材として、表示装置64を備える電飾部材56を用いて構成したが、第2実施形態のパチンコ遊技機1Aでは、図20,21に示すように、装飾部材として、遊技機のモチーフのキャラクタの形状に加工された人形部材83を用いて構成している。
【0059】
人形部材(装飾部材に相当する)83は、合成樹脂製とされ、背面に係合爪84を備え、第1実施形態のパチンコ遊技機1と同様の構成によりガラス扉枠46に対して着脱可能に構成されている。人形部材83は、遊技機枠40の上縁40cよりも上方へ突出した上方突出部85と、遊技機枠40の右縁40aよりも右方へ突出した右方突出部86を備えている。
【0060】
また、ガラス扉枠46の右端部47aにおいて、人形部材83の下方には、人形部材83の下端部83aと一連の形状でつながる装飾部87が形成されている。装飾部87は、人形部材83の左腕および左手を模った形状とされ、人形部材83がガラス扉枠46に取り付けられている状態では、人形部材83と一体となって、パチンコ遊技機1Aのモチーフのキャラクタの上半身を形作っている。なお、装飾部87の下端部87aには、遊技機1Aのモチーフのキャラクタの左手が模られており、遊技者が発射ハンドル装置11を握った際、あたかもパチンコ遊技機1Aのモチーフのキャラクタの手を握っているような感じを遊技者に与えるよう構成されている。
【0061】
以上のように構成された第2実施形態のパチンコ遊技機1Aでは、人形部材83が、遊技機枠40の上縁40cよりも上方へ突出した上方突出部85と、遊技機枠40の側縁(右縁40a)よりも外方へ突出した右方突出部86とを有しているので、遊技者にインパクトを与えることが可能な、装飾効果の高い斬新な遊技機枠40とすることができる。また、人形部材83は遊技機枠40から取り外し可能なので、生産時や輸送時には人形部材83を遊技機枠40から取り外しておきホールにて人形部材83を遊技機枠40に取り付ければ、既存の生産ラインを使用でき、輸送時のコンテナ等も現行のものを使用できるので、生産時や輸送時に不具合が生じない。また、人形部材83は遊技機枠40から取り外し可能なので、遊技盤2の変更に伴って、変更後の遊技盤のモチーフにあわせて製造された他の人形部材83を取り付ければ、遊技機枠40が遊技者に与える印象も変更後の遊技盤のモチーフにあったものとなり、遊技機全体で遊技機のモチーフに適した印象を遊技者に与えることができる。
【0062】
3.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、実施形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、実施形態のパチンコ遊技機1と同様の符号を付して説明を省略する。
【0063】
第1実施形態のパチンコ遊技機1では、電飾部材56(表示装置64)は、ランプ制御基板24に接続される構成としたが、図22に示すように、ホールに設置され複数台のパチンコ遊技機1と接続されるホールコンピュータ(管理コンピュータに相当する)78に対して、表示装置64の動作を制御する表示装置制御基板79を介して接続されて、ホールコンピュータ78から送信される信号に基づいて動作するよう構成してもよい。この場合、表示装置64は、サブ制御基板25(ランプ制御基板24)とは接続せず、サブ制御基板25とは別に設けた表示装置制御基板79のみに接続される。ホールコンピュータ78から表示装置制御基板79に対して送信される信号としては、表示装置64の表示部65に表示する内容を指示するための表示コマンドが該当する。表示コマンドを受信した表示制御基板79は、表示コマンドに基づいて表示装置64を動作させ、表示部65に文字等を表示させる。なお、ホールコンピュータ79は、メイン制御基板20に接続されて、メイン制御基板20から、遊技に関する情報等(例えば、大当たりに当選したことを示す情報等)を受信可能に構成される。このような構成とすれば、ホールコンピュータ(管理コンピュータ)78により表示部65を制御できるので、表示部65を用いて、ホールのイベント情報やおすすめ台の情報など、ホールが来店者に対して提供したい情報を提供することができる。具体的には、表示部65に「本日のイベント台」と表示する。
【0064】
第1実施形態のパチンコ遊技機1では、装飾部材として、表示装置64を備える電飾部材56を用いて構成したが、発光装置(発光部に相当する)を備える電飾部材を用いて、発光装置により発せられる光により遊技機を装飾するよう構成してもよい。発光装置としては、例えば複数のLEDからなるLED群(第1実施形態の枠ランプ18参照)を用いることができる。LEDとして、光の三原色であるR(赤)、G(緑)、B(青)の発光素子を有するフルカラーLEDを適用すれば、赤、緑、青、水、紫、黄、白の7色に発光可能とすることができる。
【0065】
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、表示装置64を、ドットマトリクス表示装置により構成したが、表示装置は、液晶ディスプレイや有機ELなど他のディスプレイデバイスにより構成してもよい。
【0066】
また、表示装置64は、遊技者が演出ボタン37を操作したときの演出ボタン検出SW37aからの信号に基づいて、演出のための文字や模様を表示部65に表示するよう構成してもよい。また、表示装置64は、ガラス扉枠46や内枠42が開放されたときの枠開放SW44からの信号に基づいて、又は、図示しない磁気検知センサによる不正な遊技球の誘導行為の検出に基づいて、エラー表示を行うよう構成してもよい。なお、エラー表示としては、不正が検出されたことをホールの従業員などに報知するために、例えば「エラー」の文字を表示部65に表示する。
【0067】
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技機枠40の左端部にヒンジ部45を設け、右端部に電飾部材56を設けて構成したが、右端部にヒンジ部を設けた場合には、左端部に電飾部材(装飾部材)を設け、電飾部材の左側面(外側面)に表示部が配置されるように構成する。このようにヒンジ部が設けられている側の端部とは反対側の端部に電飾部材(装飾部材)を配するのは、遊技機枠の開放に際して電飾部材が邪魔にならないようにするためである。また、第2実施形態のパチンコ遊技機1Aでは、遊技機枠40の左端部にヒンジ部45を設け、右端部に人形部材83を設け、人形部材83が遊技機枠40の右縁40a(側縁)よりも右方(外方)へ突出した右方突出部86を有している構成としたが、右端部にヒンジ部を設けた場合には、左端部に人形部材(装飾部材)を設け、人形部材が遊技機枠40の左縁40a(側縁)よりも左方(外方)へ突出した左方突出部を有するよう構成する。
【0068】
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、装飾部材としての電飾部材56は、遊技機枠40の上縁40cよりも上方へ突出した突出部57を備える構成とし、第2実施形態のパチンコ遊技機1Aでは、装飾部材としての人形部材83は、遊技機枠40の上縁40cよりも上方へ突出した上方突出部85と、遊技機枠40の右縁40aよりも右方へ突出した右方突出部86とを備える構成としたが、勿論、装飾部材は遊技機枠40の右縁40a(側縁)よりも右方(外方)へ突出した右方突出部のみを備える構成としてもよい。
【0069】
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、係合爪60を係合孔49に係合させる構成により、ガラス扉枠46を開かなければ電飾部材56を遊技機枠40から取り外せないように構成したが、電飾部材をガラス扉枠に対してガラス扉枠の裏面側からネジ止めする構成など、電飾部材とガラス扉枠との取付には種々の構成を採用することができる。また、電飾部材の背面と遊技機枠の取付座の背面とに錠前取付部を設け、南京錠や符号錠などの鍵を用いて、両錠前取付部に跨るように錠前をかけて、電飾部材と遊技機枠とを取り外し不能に締結したり、電子錠を用いて電飾部材と遊技機枠とを取り外し不能に締結したりしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…パチンコ遊技機
2…遊技盤
3…遊技領域
40…遊技機枠
46…ガラス扉枠
56…電飾部材(装飾部材)
57…突出部
64…表示装置
65…表示装置の表示部
78…管理コンピュータ(ホールコンピュータ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機に関し、特に、遊技盤を取り付ける遊技機枠の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技盤を取り付ける遊技機枠として、例えば、下記特許文献1に記載の遊技機枠が知られている。下記特許文献1に記載の遊技機枠は、ガラス板より前方へ突出した前方突出部を備え、前方突出部の側面に表示部を有し、表示部により遊技機の遊技状態を表示可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−10484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記遊技機枠では、前方突出部が遊技機枠の周縁の内側に収まる程度の大きさで形成されており、これにより前方突出部に配される表示部の大きさも限られてしまうため、装飾効果が高いものではなかった。一方、前方突出部を、遊技機枠の周縁の外側に出る大きさで形成した場合には、既存の生産ラインや運搬手段を用いることができなくなる虞れがある。
【0005】
そこで本願発明は、上記事情に鑑み、パチンコ遊技機全体としての装飾性を高めるとともに、既存の生産ラインや運搬手段を用いても不自由のない遊技機枠を備えたパチンコ遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のパチンコ遊技機は、遊技盤と、前記遊技盤を内部に収納する遊技機枠とを備えるパチンコ遊技機において、前記遊技機枠は、当該遊技機枠から取り外し可能な装飾部材を備え、前記装飾部材は、少なくとも前記遊技機枠の上縁よりも上方へ、又は前記遊技機枠の側縁よりも外方へ突出した突出部を有していることを特徴とする。
【0007】
ここで、本発明のパチンコ遊技機では、前記装飾部材を、表示部又は発光部を備えた電飾部材により構成することができる。
【0008】
また、本発明のパチンコ遊技機では、前記電飾部材は、少なくとも前記遊技機枠の上縁よりも上方へ突出した前記突出部を備え、前記表示部又は前記発光部は、前記電飾部材の外側面において前記突出部に跨って配されている構成とすることができる。
【0009】
また、本発明のパチンコ遊技機では、前記電飾部材は、ホールに設置された管理コンピュータに接続されて該管理コンピュータからの信号に基づいて作動可能に構成することができる。
【0010】
また、本発明のパチンコ遊技機では、前記遊技機枠は、開閉可能なガラス扉枠を備えて構成され、前記装飾部材は、前記ガラス扉枠が閉じられている状態では前記ガラス扉枠から取り外しできないように、前記ガラス扉枠に取り付けられている構成とすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、装飾部材が、遊技機枠の上縁よりも上方へ、又は遊技機枠の側縁よりも外方へ突出した突出部を有しているので、装飾効果の高い斬新な遊技機枠とすることができる。また、装飾部材は遊技機枠から取り外し可能なので、既存の生産ラインを使用でき、かつ、輸送時のコンテナ等も現行のものを使用できるため、生産時や輸送時に不具合が生じない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態のパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】同パチンコ遊技機が備える遊技機枠を示す概略斜視図であり、外枠、内枠及びガラス扉枠を互いに開いた状態を示す図である。
【図3】同実施形態のパチンコ遊技機の左側から見た斜視図である。
【図4】同実施形態のパチンコ遊技機の右側から見た斜視図である。
【図5】同実施形態のパチンコ遊技機において、電飾部材(装飾部材)を取り外した遊技機枠を示す概略斜視図である。
【図6】同実施形態のパチンコ遊技機が備える電飾部材(装飾部材)を示す概略斜視図である。
【図7】同実施形態のパチンコ遊技機が備える電飾部材(装飾部材)を示す右側面図である。
【図8】同実施形態のパチンコ遊技機が備える電飾部材(装飾部材)を示す平面図である。
【図9】同実施形態のパチンコ遊技機が備える電飾部材(装飾部材)を示す正面図である。
【図10】同実施形態のパチンコ遊技機が備える電飾部材(装飾部材)を示す背面図である。
【図11】電飾部材(装飾部材)とガラス扉枠との取り付けを示す概略斜視図である。
【図12】同実施形態に係るパチンコ遊技機の電気系統のブロック図である。
【図13】サブ側タイマ割込処理のフローチャートである。
【図14】コマンド受信処理のフローチャートである。
【図15】演出選択処理のフローチャートである。
【図16】変動演出終了中処理のフローチャートである。
【図17】当たり演出選択処理のフローチャートである。
【図18】客待ちコマンド受信処理のフローチャートである。
【図19】同実施形態のパチンコ遊技機により構成された遊技島を示す概略斜視図である。
【図20】第2実施形態のパチンコ遊技機を示す正面図である。
【図21】同実施形態のパチンコ遊技機を示す概略斜視図である。
【図22】変更例に係るパチンコ遊技機の電気系統の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.第1実施形態
(1)パチンコ遊技機の構造
本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠40の内部に遊技盤2を取り付けて構成されている。
【0014】
図1に示すように、遊技盤2には、発射ハンドル装置11の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材12で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技球を誘導する案内釘(図示せず)が多数突設され、また、盤ランプ19が配設されている。
【0015】
遊技領域3には、液晶表示装置である画像表示器4の表示部4aが配置されている。画像表示器4は、客待ち演出(客待ち用のデモ表示)、装飾図柄変動演出、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出などを表示部4aに表示する。装飾図柄変動演出は、数字等の装飾図柄と装飾図柄以外の画像とにより構成されて、変動表示を経て停止表示された装飾図柄により、大当たり抽選(即ち、大当たり乱数の取得とその大当たり乱数を用いた判定)の結果を報知する演出である。この装飾図柄変動演出は、特別図柄変動に並行して行われる。また、大当たり抽選は、遊技球の第1始動口51aまたは第2始動口51bへの入賞に対して行われる。
【0016】
遊技領域3の中央部であって画像表示器4の前方には、センター役物装置30が配置されている。センター役物装置30は、表示部4aの周縁部前方に配設された枠体部31を備えている。枠体部31の下部には、上面を転動する遊技球を、第1始動口51aへと案内可能なステージ部32が形成されている。枠体部31の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部32へ遊技球を流出するワープ部33が配設されている。
【0017】
また、遊技領域3の左右方向における中央下部には、始動入賞装置5が設けられている。始動入賞装置5は、遊技球の入球し易さが常時変わらない第1始動口51aと、電動チューリップ(以下、「電チュー」という。)52により開閉される第2始動口51bとを備えている。電チュー52は、電チューソレノイド53(図12参照)により駆動される。第2始動口51bは、電チュー52が開いているときのみ遊技球が入賞可能となる。
【0018】
また、遊技領域3には、大入賞装置7が設けられている。大入賞装置7は、始動入賞装置5の下方に配置されており、大入賞口71と、大入賞口ソレノイド72(図12参照)により動作する開閉部材73とを備えている。大入賞口71は、開閉部材73により開閉される。
【0019】
また、遊技領域3には、複数の普通入賞装置9及び遊技球が通過可能なゲート8が設けられている。各普通入賞装置9は、始動入賞装置5の左方及び右方に配置されている。各普通入賞装置9に入った遊技球は、その普通入賞装置9内の普通入賞口90に入賞する。ゲート8は、センター役物装置30の左方に配置されている。
【0020】
遊技領域3の外側には、普通図柄表示器13、第1特別図柄表示器14a、及び、第2特別図柄表示器14bが設けられるとともに、普通図柄保留ランプ15、第1特別図柄保留ランプ16a、第2特別図柄保留ランプ16bがそれぞれ4つ設けられている。
【0021】
第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14bは、それぞれ、遊技球の第1始動口51a、第2始動口51bへの入賞を契機として行われる大当たり抽選の結果を、変動表示を経て停止表示された図柄(特別図柄)により報知する(これを「特別図柄変動」という)ものである。第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14bに停止表示された図柄(特別図柄)が大当たり図柄又は小当たり図柄であれば、大入賞口71を所定回数開閉する当たり遊技が行われる。
【0022】
特別図柄の変動表示中または当たり遊技中に、遊技球が第1始動口51aまたは第2始動口51bに入賞すると、メイン制御基板20(図12参照)は、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の乱数を、第1始動口51aへの入賞であれば第1保留記憶部27a(図12参照)に、第2始動口51bへの入賞であれば第2保留記憶部27b(図12参照)に、保留記憶として記憶する。そして、特別図柄変動を実行可能になったときに、記憶しておいた保留記憶に基づいて大当たりか否かの判定を行い、特別図柄変動を実行する。
【0023】
第1特別図柄保留ランプ16a、第2特別図柄保留ランプ16bは、それぞれ、第1保留記憶部27a、第2保留記憶部27bに記憶されている保留記憶の個数を表示するものである。なお、第1保留記憶部27a、第2保留記憶部27bに記憶される保留記憶の個数は、それぞれ4個が上限とされているため、第1保留記憶部27aに4個の保留記憶がある状態で遊技球が第1始動口51aに入賞したときや、第2保留記憶部27bに4個の保留記憶がある状態で遊技球が第2始動口51bに入賞したときは、その入賞に対して大当たり乱数等の乱数は取得されない。
【0024】
普通図柄表示器13は、ゲート8への遊技球の通過を契機として行われる普通図柄抽選の結果を、変動表示を経て停止表示される普通図柄により報知するものである。停止表示された普通図柄が当たり図柄であれば、所定時間及び所定回数、電チュー52を開く補助遊技が行われる。
【0025】
普通図柄の変動表示中または補助遊技中に、遊技球がゲート8を通過すると、メイン制御基板20(図12参照)は、その通過に対して取得した当たり乱数を記憶する。そして、普通図柄の変動表示を開始可能な状態になったときに、記憶しておいた当たり乱数を用いて当たりか否かの判定を行い、普通図柄の変動表示を開始して、その判定結果を示す普通図柄を停止表示する。普通図柄保留ランプ15は、このように記憶されている当たり乱数の個数を表示するものである。なお、記憶される当たり乱数は4個が上限とされているため、4個の当たり乱数が記憶されている状態で遊技球がゲート8を通過しても、その通過に対する当たり乱数の取得は行われない。
【0026】
図2に示すように、遊技機枠40は、外枠41と内枠42とガラス扉枠46とを備えている。外枠41は、パチンコ遊技機1の外郭部となる枠体であり、内枠42は、遊技盤2が取り付けられる枠体であり、ガラス扉枠46は、遊技盤面を保護するとともに発射ハンドル装置11などが配設される枠体である。遊技機枠40は、左端部にヒンジ部45を備えて構成され、ヒンジ部45により、ガラス扉枠46は、外枠41および内枠42に対してそれぞれ回動自在とされ、内枠42は、外枠41およびガラス扉枠46に対してそれぞれ回動自在とされている。なお、ガラス扉枠46の後面の右上部には、このような遊技機枠40の開放を検出するための枠開放SW(スイッチ)44が配設されている。枠開放SW44は、ガラス扉枠46のみが開かれた場合、又は、ガラス扉枠46が内枠42とともに開かれた場合に、ONされて、後述する払出制御基板21(図12参照)に対して枠開放信号を出力する。
【0027】
図1,3及び4に示すように、ガラス扉枠46は、前面下部に、受け皿ユニット35を備える。受け皿ユニット35は、球受け皿36および演出ボタン37を備える。また、ガラス扉枠46は、受け皿ユニット35の右方に、発射ハンドル装置11を備える。球受け皿36は、図示しない賞球払出装置から払い出された遊技球を一時貯留すると共に、遊技球を整列状態として図示しない球送り機構部に送る流路となるものである。発射ハンドル装置11は、遊技球の発射操作を行うものである。発射ハンドル装置11が操作されると、球送り機構部により、球受け皿36から図示しない発射レール(Mレール)の発射部へ遊技球が送られ、発射部に送られた遊技球は、図示しない打球機構部の槌により叩かれて遊技領域3へ打ち出される。演出ボタン37は、遊技中に実行される演出に合わせて遊技者が押下操作するもので、遊技者の遊技への関与度を高める効果を発揮するものである。
【0028】
また、ガラス扉枠46は、受け皿ユニット35の上方に、遊技領域3を視認可能な透視窓としてガラス板39を備えている。少なくとも遊技領域3の前方はガラス板39が配される。その他、ガラス扉枠46には、スピーカ17、及び、枠ランプ18が配設されている。
【0029】
図1,5に示すように、ガラス扉枠46は、前面の周縁部47における右端部47aに、ガラス扉枠46から取り外し可能な電飾部材(装飾部材に相当する)56を備えている。なお周縁部47は、図1に示すように、右端部47a、左端部47b、上端部47c、及び下端部47dから構成されている。右端部47a、左端部47b、上端部47c、及び下端部47dは、それぞれ、遊技機枠40の右縁40a、左縁40b、上縁40c、及び下縁40dを含む部分である。
【0030】
電飾部材56は、図1,3,4に示すように、右側面56aを略台形形状とされ、左右方向を薄肉とする台形柱型に形成されている。電飾部材56の左右方向の長さ寸法は、40mm〜80mm程度である。
【0031】
電飾部材56は、遊技機枠40に取り付けられた状態においてガラス扉枠46の上縁(遊技機枠40の上縁40c)よりも上方へ突出する突出部57を備えている。突出部57を含めた電飾部材56の上下方向の長さ寸法は、ガラス板39の上下方向の長さ寸法と略同一とされ、400mm〜500mm程度である。電飾部材56は、下端56bが遊技領域3の上下方向の略半分程度の位置に位置するように遊技機枠40に取り付けられており、突出部57の上下方向の長さ寸法は、100mm〜200mm程度とされている。また、電飾部材56は、ガラス板39の前面よりも前方へ突出している。電飾部材56の前方への突出量は、図3,4に示すように、下端から上端にかけて大きくなっている。電飾部材56において最も前方へ突出している部分の突出量、すなわち、電飾部材56において最も前方へ突出している部分の前後方向の長さ寸法は、受け皿ユニット35の左端部の前後方向の長さ寸法と略同じであり、実施形態では、120mm〜150mm程度とされている。
【0032】
電飾部材56は、図6〜10に示すように、合成樹脂製のハウジング部材59に、表示装置64を嵌合させた構成とされている。ハウジング部材59は、背面59aに電飾部材56を遊技機枠40に係合させるための係合爪60を備えている。
【0033】
図5,11に示すように、ガラス扉枠46は、右端部47aにおける上部に、電飾部材56を取り付けるための取付座48を備えている。取付座48には、係合爪60を係合させる係合孔49が形成されている。また、取付座48には、表示装置64を後述するランプ制御基板24に接続するための被接続端子部(雌側コネクタ)50が配されている。なお、図11は、ガラス扉枠46における右端部47aの上部の背面側を示している。
【0034】
図6〜10に示すように、表示装置64は、略直方体形状のドットマトリクス表示装置とされ、文字・模様・画像などを表示する表示部65が、ハウジング部材59の右側面に設けられた表示窓61から視認できるように、ハウジング部材59の内部に配されている。また、表示装置64は、遊技機枠40に設けられた被接続端子部50に接続するための接続端子部(雄側コネクタ)66を備えている。接続端子部66は、表示装置64をハウジング部材59の内部に配した状態においてハウジング部材59の後壁に設けられた切欠部62から後方へ突出される。接続端子部66は、電飾部材56を遊技機枠40に取り付けるとき、すなわち、係合爪60を係合孔49に嵌める際、被接続端子部50に差し込まれて接続される。これにより、表示装置64は、後述するランプ制御基板24(図12参照)に対して電気的に接続され、パチンコ遊技機1が備える電源基板28(図12参照)から電源の供給を受けることが可能となる。
【0035】
表示部65は、図4に示すように、電飾部材56において突出部57に至る大きさを有している。換言すれば、表示部65は、電飾部材56の右側面56aの略全域程度の大きさで構成されている。このように、実施形態では表示部65が遊技機枠40の上縁40cを越える大きさで構成されているので、右側面からパチンコ遊技機1を視認したホールの来店者等に対して、表示部65に表示した内容をはっきりと視認させるとともに、斬新な遊技機枠40であるとの印象を与えることができる。なお、表示装置64は、例えば、大当たり遊技が発生した場合に大当たり遊技中であることを示す「大当たり」の文字を表示部65に表示したり、確変遊技状態である場合に確変遊技状態中であることを示す「確変中」の文字を表示部65に表示したりする。また、客待ち演出を実行している場合に、パチンコ遊技機1の機種名を示す文字やキャラクタの画像を表示部65に表示して、ホールへの来店者に対して空き台であることを報知する。
【0036】
ここで、図11に基づいて電飾部材56の遊技機枠40への取り付けについて説明する。図11に示すように、電飾部材56を遊技機枠40に取り付ける際には、係合爪60を係合孔49に係合させる。この際、接続端子部66は、被接続端子部50に接続される。一旦、電飾部材56が遊技機枠40に取り付けられると、ガラス扉枠46を開けて取付座48の裏面48a側(ガラス扉枠46の背面側)から、係合爪60を係合解除方向(図11二点鎖線a参照)に押圧しなければ、電飾部材56を遊技機枠40から取り外すことはできない。このように電飾部材56は、ガラス扉枠46を閉めた状態では遊技機枠40から取り外すことができないよう遊技機枠40に取り付けられる。
【0037】
なお、図1,3,4,5に示すように、遊技機枠40は、遊技機枠40に取り付けられた電飾部材56の下端56bからデザイン的に一連につながる形状の装飾部68を備えている。装飾部68は、上から下にかけて左に傾斜した傾斜部69と、左右方向に延びる水平部70とにより構成され、傾斜部69の上端69aは、電飾部材56の下端56bと一連につながる形状とされ、水平部70の右端70aは、傾斜部69の下端69bと一連につながる形状とされている。傾斜部69の上端69aは、ガラス扉枠46の右端部47aに位置し、水平部70の左端70bは、ガラス扉枠46の左端部47bに位置している。装飾部68の前後方向の幅寸法は、電飾部材56の下端56bの前後方向の幅寸法と略一致し、装飾部68の左右方向の幅寸法は、電飾部材56の左右方向の幅寸法と略一致する。なお、電飾部材56の水平部70は、発射ハンドル装置11の左方に位置している。また、水平部70の左端70bは、略L字形状とされた受け皿ユニット35の下端35aと連続する形状に構成されている。
【0038】
(2)パチンコ遊技機の電気系統
次に、図12に基づいて実施形態のパチンコ遊技機1の電気系統について説明する。図12に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、メイン制御基板20、払出制御基板21、サブ制御基板25、及び電源基板28を備え、サブ制御基板25は、演出制御基板22、画像制御基板23、及び、ランプ制御基板24を備えている。そして、払出制御基板21及び演出制御基板22はメイン制御基板20に接続され、画像制御基板23及びランプ制御基板24は演出制御基板22に接続されている。電源基板28はメイン制御基板20及び払出制御基板21に接続され、動作に必要な電力を供給している。なお、電源基板28は、例えば電気二重層コンデンサからなるバックアップ電源を有しており、バックアップ電源は、パチンコ遊技機1の電源が遮断された場合に、メイン制御基板20のRAMに記憶されている情報、及び、払出制御基板21のRAMに記憶されている情報が消えないよう、各RAMに電力を供給する。電源基板28を除く各制御基板は、CPU、ROM、RAM等を備えている。また、メイン制御基板20は、RAM内に、第1保留記憶部27a及び第2保留記憶部27bを有する保留記憶部27を備えている。
【0039】
メイン制御基板20は、大当たりの抽選や遊技状態の移行など主に利益に関わる制御を行うものである。メイン制御基板20には、第1始動口51a内に設けられて第1始動口51aに入賞した遊技球を検出する第1始動口SW(スイッチ)54a、第2始動口51b内に設けられて第2始動口51bに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW54b、電チュー52を駆動する電チューソレノイド53、ゲート8内に設けられてゲート8を通過した遊技球を検出するゲートSW81、大入賞口71内に設けられて大入賞口71に入賞した遊技球を検出する大入賞口SW74、開閉部材73を駆動する大入賞口ソレノイド72、各普通入賞口90内にそれぞれ設けられてその普通入賞口90に入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW91、第1特別図柄保留ランプ16a、第2特別図柄保留ランプ16b、普通図柄保留ランプ15、第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14b、普通図柄表示器13がそれぞれ接続され、図12に矢印で示すように、各スイッチからはメイン制御基板20に信号が入力され、各ソレノイドやランプ等にはメイン制御基板20から信号が出力される。
【0040】
また、メイン制御基板20は、払出制御基板21に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板21から信号を受信する。払出制御基板21には、図示しない払出装置を駆動する払出駆動モータ26が接続され、払出制御基板21は、メイン制御基板20から受信したコマンドに従って払出駆動モータ26を動作させ、賞球の払出を行わせる。また、払出制御基板21には、枠開放SW44が接続されており、払出制御基板21は、枠開放SW44から開放信号を受信すると、メイン制御基板20を介して演出制御基板22に対して枠開放信号を送信する。
【0041】
さらに、メイン制御基板20は、演出制御基板22に対し各種コマンドを送信し、演出制御基板22は、画像制御基板23との間でコマンドや信号の送受信を行う。画像制御基板23には画像表示器4及びスピーカ17が接続され、画像制御基板23は、演出制御基板22から受信したコマンドに従って、画像表示器4の表示部4aに装飾図柄その他の画像を表示し、スピーカ17から音声を出力する。また、演出制御基板22は、ランプ制御基板24との間でコマンドや信号の送受信を行う。ランプ制御基板24には枠ランプ18、及び盤ランプ19が接続され、ランプ制御基板24は、演出制御基板22から受信したコマンドに従って、枠ランプ18や盤ランプ19を点灯・消灯する。また、ランプ制御基板24には表示装置64が接続され、ランプ制御基板24は、演出制御基板22から受信したコマンドに従って、表示装置64を作動させて表示部65に所定の文字等を表示する。また、演出制御基板22には、演出ボタン37が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW37aが接続されており、演出ボタン37(図1参照)が押下されると、演出ボタン検出SW37aから演出制御基板22に対して信号が出力される。
【0042】
(3)パチンコ遊技機の動作
次に、図13〜18に基づいて、上記のように構成された遊技機における演出制御基板22の動作について説明する。なお、後述する各カウンタは、RAMに設けられ、パチンコ遊技機1の電源投入時にゼロクリアされる。
【0043】
[サブ側タイマ割込処理]演出制御基板22は、図13に示すようなサブ側タイマ割込処理を所定の短時間毎に繰り返す。サブ側タイマ割込処理では、後述するコマンド受信処理(S1101)を行い、続いて、コマンド受信処理でセットしたコマンドを画像制御基板23やランプ制御基板24に送信するコマンド送信処理(S1102)を行う。コマンド送信処理が実行されると、各種コマンドを受信した画像制御基板23やランプ制御基板24は、各種演出装置(実施形態では、画像表示器4,スピーカ17,枠ランプ18,盤ランプ19,表示装置64が相当する)を用いて各種演出(図柄変動演出や大当たり演出、客待ち演出など)を実行したり、所定の内容を報知したりする。
【0044】
[コマンド受信処理]図14に示すように、コマンド受信処理では、演出制御基板22は、メイン制御基板20から変動開始コマンドを受信していれば後述する演出選択処理を行い(S1301,S1302)、変動停止コマンドを受信していれば後述する変動演出終了中処理を行う(S1303,1304)。そして、演出制御基板22は、オープニングコマンドを受信していれば、後述する当たり演出選択処理を行い(S1305,1306)、エンディングコマンドを受信していれば、エンディングコマンドを解析し、モードフラグを参照してエンディング演出パターンを選択し、エンディング演出開始コマンドをセットするエンディング演出選択処理を行う(S1307,1308)。続いて、演出制御基板22は、後述する客待ちコマンド受信処理を行って(S1309)、コマンド受信処理を終える。
【0045】
[演出選択処理]図15に示すように、演出選択処理では、演出制御基板22は、メイン制御基板20から受信した変動開始コマンドを解析する(S1401)。変動開始コマンドには、現在の遊技状態を示す情報、大当たり抽選において当選した特別図柄の種類を示す情報、及び、装飾図柄変動演出の変動パターンを示す変動パターン情報が含まれている。次に、演出制御基板22は、演出モードを示すモードフラグを参照する(S1402)。続いて、解析した変動開始コマンドおよび参照したモードフラグに基づいて装飾図柄変動演出の変動パターンを選択する変動演出パターン選択処理を行う(S1403)。そして、演出制御基板22は、装飾図柄変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをセットする(S1404)。ここで、演出モードとは、画像表示器4における演出の態様であり、演出モードが異なると、登場するキャラクタや背景が異なる等、画像表示器4に表示される動画が異なり、装飾図柄変動演出も演出モードに応じたものが選択される。
【0046】
[変動演出終了中処理]図16に示すように、変動演出終了中処理では、演出制御基板22は、変動停止コマンドを解析し(S1501)、モードフラグを参照する(S1502)。次に、今終了しようとする装飾図柄変動演出が当たり(大当たりまたは小当たり)を報知するものか否かを判定して(S1503)、当たりを報知するものであればモードフラグ変更処理を行う(S1508)。モードフラグ変更処理では、その当たりの種類に応じた演出モードを示すものにモードフラグを変更するとともに、変更後の演出モードが通常モードでない場合には、その演出モードに対応するカウンタの値Mに上限回数をセットする。
【0047】
一方、演出制御基板22は、今終了しようとする装飾図柄変動演出が当たりを報知するものでなければ(S1503でNO)、モードフラグが0か否かを判定し(S1504)、0であればステップS1509に進む。なお、モードフラグが0とは通常モードであることを示し、初期状態では(即ち、電源が投入されて最初の遊技が開始されるときは)モードフラグは0である。一方、モードフラグが0でなければ、現在の演出モード用のカウンタの値Mを1減少させて(S1505)、その値Mが0にならなければ(S1506でNO)、ステップS1509に進むが、0になれば(S1506でYES)、通常モードに戻すためにモードフラグを0として(S1507)、ステップS1509に進む。ステップS1509では、演出制御基板22は、装飾図柄変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットする。
【0048】
[当たり演出選択処理]図17に示すように、当たり演出選択処理では、演出制御基板22は、オープニングコマンドを解析して(S1601)、解析したオープニングコマンドに基づいて、当たり演出のパターンを選択する当たり演出パターン選択処理を行う(S1602)。そして、演出制御基板22は、当たり演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをセットする(S1603)。なお、当たり演出とは、小当たり遊技又は大当たり遊技時に実行される演出をいう。ステップS1603でセットされたオープニング演出開始コマンドが、コマンド送信処理(図13のステップS1102参照)によりランプ制御基板24に送信されると、ランプ制御基板24は、表示装置64を作動させて、表示部65に「大当たり」の文字を表示させる。
【0049】
[客待ちコマンド受信処理]図18に示すように、客待ちコマンド受信処理では、演出制御基板22は、客待ちコマンドを受信したか否かを判定し(S1701)、受信していれば、客待ち演出を実行するまでの時間の計測を開始するとともに計測フラグをONして(S1702、S1703)、ステップS1705に進む。一方、受信していなければ、計測フラグがONされているか否か判定し(S1704)、オンされていなければ、客待ち演出実行までの時間の計測中ではないので処理を終え、オンされていればタイムアップか、すなわち、いま計測している時間が客待ち演出実行までの時間として設定した所定時間に達したか否か判定する(S1705)。そして、タイムアップでなければ、処理を終え、タイムアップであれば、計測フラグをOFFするとともに(S1706)、客待ち演出を開始するための客待ち演出開始コマンドをセットする(S1707)。ステップS1707でセットされた客待ち演出開始コマンドが、コマンド送信処理(図13のステップS1102参照)によりランプ制御基板24に送信されると、ランプ制御基板24は、表示装置64を作動させて、表示部65にパチンコ遊技機1の機種名を表示させる。
【0050】
(4)実施形態の効果
以上説明したように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技盤2と、遊技盤2を内部に収納する遊技機枠40とを備えるパチンコ遊技機1であって、遊技機枠40は、遊技機枠40から取り外し可能な電飾部材56(装飾部材)を備え、電飾部材56は、遊技機枠40の上縁40cよりも上方へ突出した突出部57を有している。なお、実施形態では、遊技機枠40は、左端部にヒンジ部45を有し該ヒンジ部45により開閉可能とされ、電飾部材56(装飾部材)は、遊技機枠40におけるヒンジ部45が設けられている側とは反対側の端部(右端部)に配置されている。
【0051】
実施形態のパチンコ遊技機1によれば、電飾部材56(装飾部材)が、遊技機枠40の上縁40cよりも上方へ突出した突出部57を有しているので、遊技者にインパクトを与えることが可能な、装飾効果の高い斬新な遊技機枠40とすることができる。また、電飾部材56は遊技機枠40から取り外し可能なので、生産時や輸送時には電飾部材56を遊技機枠40から取り外しておきホールにて電飾部材56を遊技機枠40に取り付ければ、既存の生産ラインを使用でき、輸送時のコンテナ等も現行のものを使用できるので、生産時や輸送時に不具合が生じない。また、電飾部材56は遊技機枠40から取り外し可能なので、遊技盤2の変更に伴って、変更後の遊技盤のモチーフにあわせて製造された他の電飾部材(装飾部材)を取り付ければ、遊技機枠40が遊技者に与える印象も変更後の遊技盤のモチーフにあったものとなり、遊技機全体で遊技機のモチーフに適した印象を遊技者に与えることができる。
【0052】
また、実施形態のパチンコ遊技機1は、表示部65を備えた電飾部材56を、装飾部材として備えている。よって、表示部65に文字や画像を表示することで、パチンコ遊技機1を装飾することができる。
【0053】
また、実施形態のパチンコ遊技機1では、電飾部材56は、接続端子部66を有し、当該電飾部材56を遊技機枠40へ取り付けるだけで、遊技機枠40が備える被接続端子部50に接続端子部66が接続され、これにより、遊技機枠40が備える電源基板28と電気的に接続されるよう構成され、当該電飾部材56を遊技機枠40から取り外すだけで、被接続端子部50から接続端子部66が外され、これにより、電源基板28から電気的に切断されるよう構成されている。したがって、電飾部材56を遊技機枠40に着脱するだけで、接続端子部66を被接続端子部50に接続したり被接続端子部50から外したりできる。よって、電飾部材56と遊技機枠40との電気的接続が容易である。
【0054】
また、実施形態のパチンコ遊技機1では、電飾部材56は、遊技機枠40の上縁40cよりも上方へ突出した突出部57を備え、表示部65は、電飾部材56の外側面(右側面56a)において突出部57に跨って配されている。ここで、電飾部材56の外側面とは、遊技機枠40における電飾部材56が設けられている側の端部(実施形態では右端部)を基準に遊技領域3とは反対側となる側面(実施形態では右側面56a)をいう。これによれば、遊技機1の表示部65により示された内容を遊技島の入口等からはっきりと視認することができる。よって、実施形態のように表示部65に遊技機1の遊技状態が表示される場合には、ホールの従業員は、各遊技機1の遊技状態を容易に確認して回ることができ、遊技者は、各遊技機1の遊技状態を容易に把握することができる。
【0055】
ここで、図19に基づいて、ホールの従業員やホールへの来店者が遊技島の入口付近から遊技機を確認する状況について詳述する。ホール内では、複数台のパチンコ遊技機1が通路に沿って並べて配置されて、いわゆる遊技島77を構成している。遊技島77は、例えば同一の機種を複数台並べて構成される。実施形態のパチンコ遊技機1のような電飾部材56を有するパチンコ遊技機1を、複数台並べて遊技島77を構成した場合、パチンコ遊技機1の電飾部材56は突出部57を備えており、電飾部材56の右側面56aには突出部57に至る大きさで表示部65が配されているから、図19に示すように、ホールの従業員又はホールへの来店者Pは、遊技島77の入口(通路の入口)から、各遊技機1の表示部65をはっきりと視認することが可能である。このように、実施形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技島77の入口(通路の入口)から各遊技機1を一望するだけで、来店者や従業員は表示部65に示された内容(例えば、各遊技機1の遊技状態等)を容易に確認することができる。また、実施形態のパチンコ遊技機1は突出部57を備えて構成されているから、パチンコ遊技機1を複数台並べて遊技島77を構成した場合に、インパクトのある斬新な雰囲気の遊技島77を構成することができる。また、実施形態のパチンコ遊技機1によれば、表示装置64による文字や模様の表示によりパチンコ遊技機1の右側面が装飾されるので、遊技島77の入口(通路の入口)から各遊技機1を視認するホールの来店者に対して、斬新な演出効果を発揮できる。
【0056】
また、実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技機枠40は、内枠42及び外枠41に対して開閉可能なガラス扉枠46を備えて構成され、電飾部材56(装飾部材)は、ガラス扉枠46が閉じられている状態ではガラス扉枠46から取り外しできないように、ガラス扉枠46に取り付けられている。したがって、ガラス扉枠46を開かない限り、電飾部材56(装飾部材)を遊技機枠40から取り外すことができないので、電飾部材56が遊技者などによって遊技機枠40から取り外されてしまうことを防止することができる。なお、ガラス扉枠46は、専用の鍵(図示せず)を用いなければ開くことができない構成となっている。
【0057】
2.第2実施形態
以下、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の説明において、実施形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、実施形態のパチンコ遊技機1と同様の符号を付して説明を省略する。
【0058】
第1実施形態のパチンコ遊技機1では、装飾部材として、表示装置64を備える電飾部材56を用いて構成したが、第2実施形態のパチンコ遊技機1Aでは、図20,21に示すように、装飾部材として、遊技機のモチーフのキャラクタの形状に加工された人形部材83を用いて構成している。
【0059】
人形部材(装飾部材に相当する)83は、合成樹脂製とされ、背面に係合爪84を備え、第1実施形態のパチンコ遊技機1と同様の構成によりガラス扉枠46に対して着脱可能に構成されている。人形部材83は、遊技機枠40の上縁40cよりも上方へ突出した上方突出部85と、遊技機枠40の右縁40aよりも右方へ突出した右方突出部86を備えている。
【0060】
また、ガラス扉枠46の右端部47aにおいて、人形部材83の下方には、人形部材83の下端部83aと一連の形状でつながる装飾部87が形成されている。装飾部87は、人形部材83の左腕および左手を模った形状とされ、人形部材83がガラス扉枠46に取り付けられている状態では、人形部材83と一体となって、パチンコ遊技機1Aのモチーフのキャラクタの上半身を形作っている。なお、装飾部87の下端部87aには、遊技機1Aのモチーフのキャラクタの左手が模られており、遊技者が発射ハンドル装置11を握った際、あたかもパチンコ遊技機1Aのモチーフのキャラクタの手を握っているような感じを遊技者に与えるよう構成されている。
【0061】
以上のように構成された第2実施形態のパチンコ遊技機1Aでは、人形部材83が、遊技機枠40の上縁40cよりも上方へ突出した上方突出部85と、遊技機枠40の側縁(右縁40a)よりも外方へ突出した右方突出部86とを有しているので、遊技者にインパクトを与えることが可能な、装飾効果の高い斬新な遊技機枠40とすることができる。また、人形部材83は遊技機枠40から取り外し可能なので、生産時や輸送時には人形部材83を遊技機枠40から取り外しておきホールにて人形部材83を遊技機枠40に取り付ければ、既存の生産ラインを使用でき、輸送時のコンテナ等も現行のものを使用できるので、生産時や輸送時に不具合が生じない。また、人形部材83は遊技機枠40から取り外し可能なので、遊技盤2の変更に伴って、変更後の遊技盤のモチーフにあわせて製造された他の人形部材83を取り付ければ、遊技機枠40が遊技者に与える印象も変更後の遊技盤のモチーフにあったものとなり、遊技機全体で遊技機のモチーフに適した印象を遊技者に与えることができる。
【0062】
3.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、実施形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、実施形態のパチンコ遊技機1と同様の符号を付して説明を省略する。
【0063】
第1実施形態のパチンコ遊技機1では、電飾部材56(表示装置64)は、ランプ制御基板24に接続される構成としたが、図22に示すように、ホールに設置され複数台のパチンコ遊技機1と接続されるホールコンピュータ(管理コンピュータに相当する)78に対して、表示装置64の動作を制御する表示装置制御基板79を介して接続されて、ホールコンピュータ78から送信される信号に基づいて動作するよう構成してもよい。この場合、表示装置64は、サブ制御基板25(ランプ制御基板24)とは接続せず、サブ制御基板25とは別に設けた表示装置制御基板79のみに接続される。ホールコンピュータ78から表示装置制御基板79に対して送信される信号としては、表示装置64の表示部65に表示する内容を指示するための表示コマンドが該当する。表示コマンドを受信した表示制御基板79は、表示コマンドに基づいて表示装置64を動作させ、表示部65に文字等を表示させる。なお、ホールコンピュータ79は、メイン制御基板20に接続されて、メイン制御基板20から、遊技に関する情報等(例えば、大当たりに当選したことを示す情報等)を受信可能に構成される。このような構成とすれば、ホールコンピュータ(管理コンピュータ)78により表示部65を制御できるので、表示部65を用いて、ホールのイベント情報やおすすめ台の情報など、ホールが来店者に対して提供したい情報を提供することができる。具体的には、表示部65に「本日のイベント台」と表示する。
【0064】
第1実施形態のパチンコ遊技機1では、装飾部材として、表示装置64を備える電飾部材56を用いて構成したが、発光装置(発光部に相当する)を備える電飾部材を用いて、発光装置により発せられる光により遊技機を装飾するよう構成してもよい。発光装置としては、例えば複数のLEDからなるLED群(第1実施形態の枠ランプ18参照)を用いることができる。LEDとして、光の三原色であるR(赤)、G(緑)、B(青)の発光素子を有するフルカラーLEDを適用すれば、赤、緑、青、水、紫、黄、白の7色に発光可能とすることができる。
【0065】
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、表示装置64を、ドットマトリクス表示装置により構成したが、表示装置は、液晶ディスプレイや有機ELなど他のディスプレイデバイスにより構成してもよい。
【0066】
また、表示装置64は、遊技者が演出ボタン37を操作したときの演出ボタン検出SW37aからの信号に基づいて、演出のための文字や模様を表示部65に表示するよう構成してもよい。また、表示装置64は、ガラス扉枠46や内枠42が開放されたときの枠開放SW44からの信号に基づいて、又は、図示しない磁気検知センサによる不正な遊技球の誘導行為の検出に基づいて、エラー表示を行うよう構成してもよい。なお、エラー表示としては、不正が検出されたことをホールの従業員などに報知するために、例えば「エラー」の文字を表示部65に表示する。
【0067】
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技機枠40の左端部にヒンジ部45を設け、右端部に電飾部材56を設けて構成したが、右端部にヒンジ部を設けた場合には、左端部に電飾部材(装飾部材)を設け、電飾部材の左側面(外側面)に表示部が配置されるように構成する。このようにヒンジ部が設けられている側の端部とは反対側の端部に電飾部材(装飾部材)を配するのは、遊技機枠の開放に際して電飾部材が邪魔にならないようにするためである。また、第2実施形態のパチンコ遊技機1Aでは、遊技機枠40の左端部にヒンジ部45を設け、右端部に人形部材83を設け、人形部材83が遊技機枠40の右縁40a(側縁)よりも右方(外方)へ突出した右方突出部86を有している構成としたが、右端部にヒンジ部を設けた場合には、左端部に人形部材(装飾部材)を設け、人形部材が遊技機枠40の左縁40a(側縁)よりも左方(外方)へ突出した左方突出部を有するよう構成する。
【0068】
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、装飾部材としての電飾部材56は、遊技機枠40の上縁40cよりも上方へ突出した突出部57を備える構成とし、第2実施形態のパチンコ遊技機1Aでは、装飾部材としての人形部材83は、遊技機枠40の上縁40cよりも上方へ突出した上方突出部85と、遊技機枠40の右縁40aよりも右方へ突出した右方突出部86とを備える構成としたが、勿論、装飾部材は遊技機枠40の右縁40a(側縁)よりも右方(外方)へ突出した右方突出部のみを備える構成としてもよい。
【0069】
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、係合爪60を係合孔49に係合させる構成により、ガラス扉枠46を開かなければ電飾部材56を遊技機枠40から取り外せないように構成したが、電飾部材をガラス扉枠に対してガラス扉枠の裏面側からネジ止めする構成など、電飾部材とガラス扉枠との取付には種々の構成を採用することができる。また、電飾部材の背面と遊技機枠の取付座の背面とに錠前取付部を設け、南京錠や符号錠などの鍵を用いて、両錠前取付部に跨るように錠前をかけて、電飾部材と遊技機枠とを取り外し不能に締結したり、電子錠を用いて電飾部材と遊技機枠とを取り外し不能に締結したりしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…パチンコ遊技機
2…遊技盤
3…遊技領域
40…遊技機枠
46…ガラス扉枠
56…電飾部材(装飾部材)
57…突出部
64…表示装置
65…表示装置の表示部
78…管理コンピュータ(ホールコンピュータ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤と、前記遊技盤を内部に収納する遊技機枠とを備えるパチンコ遊技機において、
前記遊技機枠は、当該遊技機枠から取り外し可能な装飾部材を備え、
前記装飾部材は、少なくとも前記遊技機枠の上縁よりも上方へ、又は前記遊技機枠の側縁よりも外方へ突出した突出部を有していることを特徴とするパチンコ遊技機。
【請求項2】
前記装飾部材は、表示部又は発光部を備えた電飾部材であることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機。
【請求項3】
前記電飾部材は、少なくとも前記遊技機枠の上縁よりも上方へ突出した前記突出部を備え、
前記表示部又は前記発光部は、前記電飾部材の外側面において前記突出部に跨って配されていることを特徴とする請求項2に記載のパチンコ遊技機。
【請求項4】
前記電飾部材は、ホールに設置された管理コンピュータに接続されて該管理コンピュータからの信号に基づいて作動可能に構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のパチンコ遊技機。
【請求項5】
前記遊技機枠は、開閉可能なガラス扉枠を備えて構成され、
前記装飾部材は、前記ガラス扉枠が閉じられている状態では前記ガラス扉枠から取り外しできないように、前記ガラス扉枠に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のパチンコ遊技機。
【請求項1】
遊技盤と、前記遊技盤を内部に収納する遊技機枠とを備えるパチンコ遊技機において、
前記遊技機枠は、当該遊技機枠から取り外し可能な装飾部材を備え、
前記装飾部材は、少なくとも前記遊技機枠の上縁よりも上方へ、又は前記遊技機枠の側縁よりも外方へ突出した突出部を有していることを特徴とするパチンコ遊技機。
【請求項2】
前記装飾部材は、表示部又は発光部を備えた電飾部材であることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機。
【請求項3】
前記電飾部材は、少なくとも前記遊技機枠の上縁よりも上方へ突出した前記突出部を備え、
前記表示部又は前記発光部は、前記電飾部材の外側面において前記突出部に跨って配されていることを特徴とする請求項2に記載のパチンコ遊技機。
【請求項4】
前記電飾部材は、ホールに設置された管理コンピュータに接続されて該管理コンピュータからの信号に基づいて作動可能に構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のパチンコ遊技機。
【請求項5】
前記遊技機枠は、開閉可能なガラス扉枠を備えて構成され、
前記装飾部材は、前記ガラス扉枠が閉じられている状態では前記ガラス扉枠から取り外しできないように、前記ガラス扉枠に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のパチンコ遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2012−105878(P2012−105878A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258108(P2010−258108)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】
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