説明

パチンコ遊技機

【課題】タンクレールの小型化及び簡素化を図ることができるとともに、払出装置の払出速度に容易に追従して遊技球を流下させることができるパチンコ遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機の背面側に配設され、所定量の遊技球を収容し得る収容タンク6と、該収容タンク6に接続され、当該収容タンク6内の遊技球を1列に整列させつつ流下させ得るタンクレール7とを具備したパチンコ遊技機1において、遊技球がタンクレール7にて上下層を成して流下し得るよう構成されたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の背面側に配設され、所定量の遊技球を収容し得る収容タンクと、該収容タンクに接続され、当該収容タンク内の遊技球を1列に整列させつつ流下させ得るタンクレールとを具備したパチンコ遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機は、通常、ホールに固定された島設備に複数並列に設置され、当該島設備側から遊技球が供給されるよう構成されている。しかるに、パチンコ遊技機の背面側上部には、所定量の遊技球を収容し得る収容タンクと、該収容タンクに接続されて当該収容タンク内の遊技球を1列に整列させつつ流下させるタンクレールとが配設されており、島設備側から供給された遊技球を収容タンクにて収容させるとともに、タンクレールにて流下させ得るようになっている。
【0003】
また、パチンコ遊技機の背面側には、遊技球を払い出すための払出装置が配設されており、当該払出装置における遊技球の導入口にタンクレールの先端が接続されている。かかる払出装置は、例えばモータ等の駆動源にて駆動して遊技球を1個ずつ順次遊技者側に払い出すための払出機構が形成されており、近時においては、当該払出機構における駆動源の駆動速度をより高速にして払出速度を向上させたものが提案されるに至っている。
【0004】
しかるに、払出装置による払出速度がより高速になるのに伴い、タンクレールで流下させる遊技球を追従させる工夫が必要になることから、例えば特許文献1にて開示されているように、タンクレールを複数形成し、これらを合流させた後に払出装置に至らせるものが提案されるに至っている。かかる従来のパチンコ遊技機によれば、払出装置まで遊技球を流下させるためのタンクレールが複数並設されているので、より高速に払出可能な払出装置にも対応可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−139764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のパチンコ遊技機においては、遊技球を流下させるためのタンクレールが複数並設されているので、当該タンクレールの幅方向寸法が大きくなってしまうとともに、それぞれのタンクレールの合流部位において遊技球の噛み込み(球詰まり)が生じてしまう虞があった。また、タンクレールの合流部位における噛み込みを防止するための手段や形状等が必要とされるため、当該タンクレールが複雑になってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、タンクレールの小型化及び簡素化を図ることができるとともに、払出装置の払出速度に容易に追従して遊技球を流下させることができるパチンコ遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、遊技機の背面側に配設され、所定量の遊技球を収容し得る収容タンクと、該収容タンクに接続され、当該収容タンク内の遊技球を1列に整列させつつ流下させ得るタンクレールとを具備したパチンコ遊技機において、遊技球が前記タンクレールにて上下層を成して流下し得るよう構成されたことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のパチンコ遊技機において、前記収容タンク内で遊技球が前記タンクレールの底面に向かって流下する第1流下経路と、該第1流下経路を経て前記タンクレールを流下する遊技球の上部側に向かって当該収容タンク内で遊技球が流下する第2流下経路とを有することを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のパチンコ遊技機において、前記収容タンク内の遊技球を前記タンクレールの下部に向かって案内する第1案内部と、前記収容タンク内の遊技球を前記タンクレールの上部に向かって案内する第2案内部とを備え、当該第1案内部及び第2案内部で案内された遊技球が前記タンクレールにて上下層を成して流下し得るよう構成されたことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のパチンコ遊技機において、前記第1案内部は、前記タンクレールの底面に向かって遊技球を案内する傾斜面から成るとともに、第2案内部は、前記タンクレールの側方縁部から当該タンクレールに向かって遊技球を案内する部位から成ることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか1つに記載のパチンコ遊技機において、前記タンクレールは、その基端が前記収容タンクに接続されるとともに、その先端が遊技球を払い出すための払出装置における遊技球の導入口に接続可能とされたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、遊技球がタンクレールにて上下層を成して流下し得るよう構成されたので、タンクレールの小型化及び簡素化を図ることができるとともに、払出装置の払出速度に容易に追従して遊技球を流下させることができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、収容タンク内で遊技球がタンクレールの底面に向かって流下する第1流下経路と、該第1流下経路を経てタンクレールを流下する遊技球の上部側に向かって当該収容タンク内で遊技球が流下する第2流下経路とを有するので、タンクレールの小型化及び簡素化を図ることができるとともに、払出装置の払出速度に容易に追従して遊技球を流下させることができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、収容タンク内の遊技球を前記タンクレールの下部に向かって案内する第1案内部と、収容タンク内の遊技球を前記タンクレールの上部に向かって案内する第2案内部とを備え、当該第1案内部及び第2案内部で案内された遊技球がタンクレールにて上下層を成して流下し得るよう構成されたので、より確実に上下層を成して遊技球を流下させることができる。
【0016】
請求項4の発明によれば、第1案内部は、タンクレールの底面に向かって遊技球を案内する傾斜面から成るとともに、第2案内部は、タンクレールの側方縁部から当該タンクレールに向かって遊技球を案内する部位から成るので、より簡易な構成にて遊技球が上下層を成すようにすることができる。
【0017】
請求項5の発明によれば、タンクレールは、その基端が収容タンクに接続されるとともに、その先端が遊技球を払い出すための払出装置における遊技球の導入口に接続可能とされたので、払出装置の払出速度に対して遊技球の流下をより確実に追従させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る第1の実施形態のパチンコ遊技機を示す斜視図
【図2】同パチンコ遊技機における収容タンク及びタンクレールを組み付ける前の状態を示す斜視図
【図3】同パチンコ遊技機における収容タンク及びタンクレールを示す斜視図
【図4】同パチンコ遊技機における収容タンク及びタンクレールを示す平面図
【図5】図4におけるV−V線断面図
【図6】同パチンコ遊技機における収容タンク及びタンクレールの接続部を示す拡大断面図
【図7】同パチンコ遊技機における収容タンク内の遊技球の流下経路を示す断面図
【図8】図4におけるVIII−VIII線断面図
【図9】図4におけるIX−IX線断面図
【図10】図4におけるX−X線断面図
【図11】図4におけるXI−XI線断面図
【図12】同パチンコ遊技機における崩し形状部の作用を示す模式図
【図13】他の形態の崩し形状部が形成されたタンクレールを示す斜視図
【図14】同他の形態の崩し形状部が形成されたタンクレールを示す縦断面図
【図15】図14におけるXV−XV線断面図
【図16】同他の形態の崩し形状部が形成されたタンクレールにおける下層の遊技球が流通する部位を示す縦断面図
【図17】同他の形態の崩し形状部が形成されたタンクレールにおける上層の遊技球が流通する部位を示す平面図
【図18】更に他の形態の崩し形状部が形成されたタンクレールを示す斜視図
【図19】同更に他の形態の崩し形状部が形成されたタンクレールを示す縦断面図
【図20】図19におけるXX−XX線断面図
【図21】同更に他の形態の崩し形状部が形成されたタンクレールにおける下層の遊技球が流通する部位を示す縦断面図
【図22】同更に他の形態の崩し形状部が形成されたタンクレールにおける上層の遊技球が流通する部位を示す平面図
【図23】本発明に係る第2の実施形態のパチンコ遊技機を示す斜視図
【図24】同パチンコ遊技機における収容タンク及びタンクレールを組み付ける前の状態を示す斜視図
【図25】同パチンコ遊技機における収容タンク及びタンクレールを示す斜視図
【図26】同パチンコ遊技機における収容タンク及びタンクレールを示す平面図
【図27】図26におけるXXVII−XXVII線断面図
【図28】同パチンコ遊技機における収容タンク内の遊技球の流下経路を示す断面図
【図29】図28におけるXXIX−XXIX線断面図
【図30】図28におけるXXX−XXX線断面図
【図31】図28におけるXXXI−XXXI線断面図
【図32】図28におけるXXXII−XXXII線断面図
【図33】同パチンコ遊技機における連結部の作用を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
第1の実施形態に係るパチンコ遊技機1は、図1に示すように、正面側に賞球を受け得る受け皿2と、該受け皿2に収容された遊技球を打ち出すための操作ハンドル3と、遊技盤4とを具備するとともに、背面側に払出装置5と、収容タンク6と、タンクレール7とが配設されたものである。なお、パチンコ遊技機1は、ホールに固設された設置島に複数並設されて、当該設置島から遊技球が補給されるもの、或いは遊技盤4に打ち出された遊技球がその遊技機内で循環するものの何れであってもよい。
【0020】
しかるに、遊技盤4には、種々役物や複数の釘、或いは風車等が形成されているとともに、遊技球が入賞可能な入賞口が種々形成されている。そして、かかる入賞口に遊技球が入賞すると、払出装置5に払出信号を送信し得るようになっている。また、遊技盤4の略中央には、液晶表示装置等から成る図柄表示手段(不図示)が配設されており、その画面に所定の図柄や背景等を表示し得るようになっている。
【0021】
遊技時において始動条件が成立(例えば始動口に遊技球が入賞)したときに、当該図柄表示手段の画面に図柄を変動表示させ、特定の図柄が停止表示(例えば、複数の同一の図柄が停止表示)されることにより「大当たり」状態として大入賞口を所定時間及びタイミングで開口させ、多数の遊技球を獲得できるよう構成されている。なお、図柄表示手段においては、図柄の変動表示に加え、所定の演出表示(例えば「大当たり状態」となる期待度を示す演出等)を行わせ得るようになっている。
【0022】
収容タンク6は、所定量の遊技球を収容し得る収容部6aが形成されたもので、パチンコ遊技機1の背面側上部に配設されている。タンクレール7は、その基端7aが収容タンク6に接続され、当該収容タンク6内の遊技球を1列に整列させつつ流下させ得るものであるとともに、その先端7bが払出装置5における遊技球の導入口5a(図2参照)に接続可能とされている。本実施形態においては、これら収容タンク6とタンクレール7とが一体部品とされており、図2に示すように、当該一体部品をパチンコ遊技機1の背面側上部に組み付けるよう構成されている。
【0023】
払出装置5は、賞球としての遊技球を払い出すためのもので、導入口5aを介してタンクレール7から導入された遊技球を計数し、所定量の遊技球を受け皿2に払出可能とされている。なお、払出装置5の内部には、モータ等の駆動源を具備して遊技球を払い出すための払出機構が配設されており、当該駆動源の駆動により任意速度にて所定量の遊技機を払出可能となっている。
【0024】
ここで、本実施形態に係る収容タンク6とタンクレール7との接続部(境界部)には、図3〜11に示すように、収容タンク6内の遊技球をタンクレール7の下部に向かって案内する第1案内部Aと、収容タンク6内の遊技球をタンクレール7の上部に向かって案内する第2案内部Bとを有しており、これら第1案内部A及び第2案内部Bで案内された遊技球がタンクレール7にて上下層(高さ方向に遊技球が重なった状態)を成して流下し得るよう構成されている。
【0025】
より具体的には、第1案内部Aは、図5〜7に示すように、収容タンク6の収容部6aに収容された遊技球をタンクレール7の底面に向かって遊技球を案内する傾斜面から成る。かかる第1案内部Aを構成する傾斜面は、タンクレール7の略延設方向(図7中左右方向)に向かって滑らかに傾斜しつつ形成されており、収容タンク6内の遊技球をタンクレール7の下部(底面側)に向かって案内し得るよう構成されている。
【0026】
また、第2案内部Bは、タンクレール7の側方縁部から当該タンクレール7に向かって遊技球を案内する部位から成る。かかる第2案内部Bを構成する部位は、タンクレール7の延設方向に対して略直交方向(図7中上下方向)に亘って形成された段部から成り、収容タンク6内の遊技球をタンクレール7の上部に向かって案内し得るよう構成されている。すなわち、図8〜11で示すように、収容タンク6内の遊技球は、第1案内部Aにより案内された遊技球の上部に第2案内部Bにて遊技球を案内し(図9、10参照)、流下する遊技球が上下層を成すようになっているのである。
【0027】
上記の如き構成を有することにより、図7に示すように、収容タンク6内で遊技球がタンクレール7の底面に向かって流下する第1流下経路αと、該第1流下経路αを経てタンクレール7を流下する遊技球の上部側に向かって当該収容タンク6内で遊技球が流下する第2流下経路βとを有するもの(言い換えるならば、収容タンク6内で第1流下経路αと第2流下経路βとが形成されることにより、タンクレール7において遊技球が上下層を成して流下し得るもの)とされている。
【0028】
さらに、本実施形態においては、タンクレール7の途中(先端7b側)に崩し形状部8が形成されている。この崩し形状部8は、図12に示すように、タンクレール7の幅方向に屈曲形成された遊技球の流下部位から成り、その上流において上下層を成して流下する遊技球(図11参照)を崩し、払出装置5の手前で単層とし得るよう構成されている。すなわち、図12に示すように、上下層を成して連なる遊技球(説明上、遊技球t1〜t3とする)が崩し形状部8に至ると(同図(a)参照)、遊技球t2、t3に比べて当該遊技球t2、t3より先行する遊技球t1の方が流下速度が高くなるので、流下速度に差が生じることとなり、上層の遊技球を下部(タンクレール7の底面)に落下させて単層とし得るのである。
【0029】
このように、タンクレール7における崩し形状部8よりも上流側で上下層を成して遊技球を流下させることにより、払出装置5に向かって大量の遊技球を円滑に流下させることができるとともに、払出装置5の手前側で当該崩し形状部8にて遊技球を単層(高さ方向に遊技球が重なっていない状態)とすることにより、当該払出装置5に対して遊技球を1個ずつ順次送り込むことができる。
【0030】
なお、タンクレール7は、上記のものに限定されず、例えば図13〜17に示す崩し形状部9が形成されたものとしてもよい。かかる崩し形状部9は、タンクレール7における流路を構成する一方の壁面の上部側に凸部9aが形成されるとともに、当該凸部9aと対向した壁面に凹部9b(図17参照)が形成されて成るものである。これにより、上下層を成す遊技球のうち上層の遊技球は大きく屈曲して流下するのに対し、下層の遊技球はほとんど屈曲せず流下することとなるので、上層の遊技球を下部(タンクレール7の底面)に落下させ易くして確実に単層とすることができる。
【0031】
さらに、タンクレール7は、例えば図18〜22に示す崩し形状10が形成されたものとしてもよい。かかる崩し形状部10は、タンクレール7における流路を構成する一方の壁面の上部側に凸部10aが形成されるとともに、当該凸部10aと対向した壁面に凹部10b(図21参照)が形成されて成るものである。これにより、上下層を成す遊技球のうち下層の遊技球は大きく屈曲して流下するのに対し、上層の遊技球はほとんど屈曲せず流下することとなるので、上層の遊技球を下部(タンクレール7の底面)に落下させ易くして確実に単層とすることができる。
【0032】
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態に係るパチンコ遊技機1’は、図23に示すように、正面側に賞球を受け得る受け皿2と、該受け皿2に収容された遊技球を打ち出すための操作ハンドル3と、遊技盤4とを具備するとともに、背面側に払出装置5と、収容タンク11と、タンクレール12とが配設されたものである。なお、第1の実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。また、第1の実施形態と同様、パチンコ遊技機1’は、ホールに固設された設置島に複数並設されて、当該設置島から遊技球が補給されるもの、或いは遊技盤4に打ち出された遊技球がその遊技機内で循環するものの何れであってもよい。
【0033】
収容タンク11は、所定量の遊技球を収容し得る収容部11aが形成されたもので、パチンコ遊技機1’の背面側上部に配設されている。タンクレール12は、その基端12aが収容タンク6に接続され、当該収容タンク6内の遊技球を1列に整列させつつ流下させ得るものであるとともに、その先端7bが払出装置5における遊技球の導入口5a(図24参照)に接続可能とされている。本実施形態においては、これら収容タンク11とタンクレール12とが一体部品とされており、図24に示すように、当該一体部品をパチンコ遊技機1’の背面側上部に組み付けるよう構成されている。
【0034】
ここで、本実施形態に係る収容タンク11とタンクレール12との接続部(境界部)には、図25〜32に示すように、収容タンク11内の遊技球をタンクレール12の下部に向かって案内する第1案内部Aと、収容タンク6内の遊技球をタンクレール7の上部に向かって案内する第2案内部Bとを有しており、これら第1案内部A及び第2案内部Bで案内された遊技球がタンクレール7にて上下層(高さ方向に遊技球が重なった状態)を成して流下し得るよう構成されている。
【0035】
より具体的には、第1案内部Aは、図26〜28に示すように、収容タンク11の収容部11aに収容された遊技球をタンクレール12の底面に向かって遊技球を案内する傾斜面から成る。かかる第1案内部Aを構成する傾斜面は、タンクレール12の略延設方向(図28中左右方向)に向かって滑らかに傾斜しつつ形成されており、収容タンク11内の遊技球をタンクレール12の下部(底面側)に向かって案内し得るよう構成されている。
【0036】
また、第2案内部Bは、タンクレール12の側方縁部から当該タンクレール12に向かって遊技球を案内する部位から成る。かかる第2案内部Bを構成する部位は、タンクレール7の延設方向に対して略直交方向(図28中上下方向)に亘って形成された段部から成り、収容タンク11内の遊技球をタンクレール12の上部に向かって案内し得るよう構成されている。すなわち、図29〜32で示すように、収容タンク11内の遊技球は、第1案内部Aにより案内された遊技球の上部に第2案内部Bにて遊技球を案内し(図30、31参照)、流下する遊技球が上下層を成すようになっているのである。
【0037】
上記の如き構成を有することにより、図28に示すように、収容タンク11内で遊技球がタンクレール12の底面に向かって流下する第1流下経路αと、該第1流下経路αを経てタンクレール12を流下する遊技球の上部側に向かって当該収容タンク11内で遊技球が流下する第2流下経路βとを有するもの(言い換えるならば、収容タンク11内で第1流下経路αと第2流下経路βとが形成されることにより、タンクレール12において遊技球が上下層を成して流下し得るもの)とされている。
【0038】
さらに、本実施形態にかかるタンクレール12は、互いに幅方向(図28中上下方向)にオフセットして延設された上流側の第1延設部13a及び下流側の第2延設部13bと、当該第1延設部13a及び第2延設部13bを連結させる連結部13cとを有して成る。すなわち、第1延設部13a、連結部13c及び第2延設部13bに亘って遊技球が連なって流下する状態において、図33に示すように、連結部13cにある一の遊技球t2の前後の遊技球のうち直後の遊技球t3が第1延設部13aの延設方向(同図中a方向)に流下するともに直前の遊技球t1が第2延設部13bの延設方向(同図中b方向)に流下するよう構成されているのである。
【0039】
しかして、遊技球t2は、図33中c方向に流下するので、当該遊技球t2の流下速度(それに続く遊技球t3も同一の流下速度に抑えられる)は、遊技球t1の流下速度と比べて相対的に低くなる。したがって、遊技球t2、t3に比べて遊技球t1の方が流下速度が高くなり、遊技球t1とt2の間に隙間が生じることとなるので、その隙間に上層の遊技球が落下して単層とすることができる。
【0040】
このように、収容タンク11内の遊技球がタンクレール12にて上下層を成して流下し得るよう構成されるとともに、当該タンクレール12は、互いにオフセットして延設された上流側の第1延設部13a及び下流側の第2延設部13bと、当該第1延設部13a及び第2延設部13bを連結させる連結部13cとを有して成るので、上下層を成して流下する遊技球を所定部位(第2延設部13bと連結部13cとの連結部近傍)で単層にすることができるとともに、払出装置5の払出速度に容易に追従して遊技球を流下させることができる。
【0041】
加えて、第1延設部13a、連結部13c及び第2延設部13bに亘って遊技球が連なって流下する状態において、連結部13cにある一の遊技球の前後の遊技球のうち直後の遊技球が第1延設部13aの延設方向に流下するともに直前の遊技球t1が第2延設部13bの延設方向に流下するよう構成されたので、より確実かつ素早く上下層を成して流下する遊技球を単層とすることができる。
【0042】
上記第1の実施形態及び第2の実施形態によれば、遊技球がタンクレール(7、12)にて上下層を成して流下し得るよう構成されたので、タンクレール(7、12)の小型化及び簡素化を図ることができるとともに、払出装置5の払出速度に容易に追従して遊技球を流下させることができる。また、収容タンク(6、11)内で遊技球がタンクレール(7、12)の底面に向かって流下する第1流下経路αと、該第1流下経路αを経てタンクレール(7、12)を流下する遊技球の上部側に向かって当該収容タンク(6、11)内で遊技球が流下する第2流下経路βとを有するので、タンクレール(7、12)の小型化及び簡素化を図ることができるとともに、払出装置5の払出速度に容易に追従して遊技球を流下させることができる。
【0043】
さらに、上記第1の実施形態及び第2の実施形態によれば、収容タンク(6、11)内の遊技球をタンクレール(7、12)の下部に向かって案内する第1案内部Aと、収容タンク(6、11)内の遊技球をタンクレール(7、12)の上部に向かって案内する第2案内部Bとを備え、当該第1案内部A及び第2案内部Bで案内された遊技球がタンクレール(7、12)にて上下層を成して流下し得るよう構成されたので、より確実に上下層を成して遊技球を流下させることができる。
【0044】
またさらに、第1案内部Aは、タンクレール(7、12)の底面に向かって遊技球を案内する傾斜面から成るとともに、第2案内部Bは、タンクレール(7、12)の側方縁部から当該タンクレール(7、12)に向かって遊技球を案内する部位から成るので、より簡易な構成にて遊技球が上下層を成すようにすることができる。加えて、上記第1の実施形態及び第2の実施形態によれば、タンクレール(7、12)は、その基端(7a、12a)が収容タンク(6、11)に接続されるとともに、その先端(7b、12b)が遊技球を払い出すための払出装置5における遊技球の導入口5aに接続可能とされたので、払出装置5の払出速度に対して遊技球の流下をより確実に追従させることができる。
【0045】
以上、本実施形態について説明したが本発明はこれらに限定されるものではなく、例えば上下層を成す遊技球を崩して単層とする手段として、崩し形状部7〜10(第1の実施形態参照)或いは連結部13c(第2の実施形態参照)以外の手段としてもよい。さらに、崩し形状部7〜10(第1の実施形態参照)或いは連結部13c(第2の実施形態参照)に加えて、上下層を成して流下する遊技球を崩して単層とし得る他の手段(例えば流路の上部で上層の遊技球と干渉して均す手段等)をタンクレール(7、12)に配設するようにしてもよい。なお、上下層を成す遊技球は、上下2層に限らず上下方向に対して3層以上の複数層であってもよい。
【0046】
また、タンクレール7における崩し形状部7〜10とそれ以外の流路、或いはタンクレール12における連結部13cとそれ以外の流路(この場合、第1延設部13a及び第2延設部13b)は、本実施形態の如く一体であってもよく、別体のものを接続させたものとしてもよい。特に、第2の実施形態における連結部13cは、直線状の流路であってもよく所定の曲率を有して屈曲した湾曲形状の流路であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
遊技球がタンクレールにて上下層を成して流下し得るよう構成されたパチンコ遊技機であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等に適用してもよい。
【符号の説明】
【0048】
1、1’ パチンコ遊技機
2 受け皿
3 操作ハンドル
4 遊技盤
5 払出装置
5a 導入口
6 収容タンク
7 タンクレール
8〜10 崩し形状部
11 収容タンク
12 タンクレール
13a 第1延設部
13b 第2延設部
13c 連結部
α 第1流下経路
β 第2流下経路
A 第1案内部
B 第2案内部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の背面側に配設され、所定量の遊技球を収容し得る収容タンクと、
該収容タンクに接続され、当該収容タンク内の遊技球を1列に整列させつつ流下させ得るタンクレールと、
を具備したパチンコ遊技機において、
遊技球が前記タンクレールにて上下層を成して流下し得るよう構成されたことを特徴とするパチンコ遊技機。
【請求項2】
前記収容タンク内で遊技球が前記タンクレールの底面に向かって流下する第1流下経路と、該第1流下経路を経て前記タンクレールを流下する遊技球の上部側に向かって当該収容タンク内で遊技球が流下する第2流下経路とを有することを特徴とする請求項1記載のパチンコ遊技機。
【請求項3】
前記収容タンク内の遊技球を前記タンクレールの下部に向かって案内する第1案内部と、
前記収容タンク内の遊技球を前記タンクレールの上部に向かって案内する第2案内部と、
を備え、当該第1案内部及び第2案内部で案内された遊技球が前記タンクレールにて上下層を成して流下し得るよう構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のパチンコ遊技機。
【請求項4】
前記第1案内部は、前記タンクレールの底面に向かって遊技球を案内する傾斜面から成るとともに、第2案内部は、前記タンクレールの側方縁部から当該タンクレールに向かって遊技球を案内する部位から成ることを特徴とする請求項3記載のパチンコ遊技機。
【請求項5】
前記タンクレールは、その基端が前記収容タンクに接続されるとともに、その先端が遊技球を払い出すための払出装置における遊技球の導入口に接続可能とされたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載のパチンコ遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2013−111342(P2013−111342A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261527(P2011−261527)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】