説明

パッカー装置及びパッカー装置を用いた二重管装置

【課題】坑の内壁と注入管のような管との間の隙間に流体給排管のような管を設置する必要のない簡単な構成のパッカー装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るパッカー装置1は、管2と、管2の外周面6を囲むように設けられた筒体7の両端(端部8)が管2の外周面6に取り付けられて管2の外周面6との間に流体収容空間9を形成したパッカー3と、管2の内周面25と外周面6とに貫通して流体収容空間9と管2の内部26とを繋ぐ孔4と、管2の外周面6に設けられて孔4を塞ぐとともに管2の内部26及び孔4を経由した流体の圧力を受けて管2の内部26と流体収容空間9とを繋ぐ流体流路を形成する逆止弁5とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡単な構成のパッカー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
注入管と、注入管の外周面を囲むように設けられたパッカーと、パッカー内に流体を給排するための流体給排管とを備えたパッカー装置が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【特許文献1】特開2003−166234号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述のパッカー装置によれば、注入管の外に流体給排管を設けるため、地山に形成された坑(孔)の内壁と注入管との間に隙間を形成してその隙間に流体給排管を挿入しなくてはならない。この流体給排管の挿入作業を容易にするため、地山に形成された坑の内壁と注入管との間の隙間を大きくすれば、パッカーと坑の内壁との間に隙間が生じ易くなり、注入対象物を目的の場所に正確に注入できない場合がある。また、地山に形成された坑の内壁と注入管との間の隙間に流体給排管を挿入したり、流体給排管を隙間から取り出したりする作業、流体給排管の取り回し等の繁雑な作業が必要となる。これらの作業は、パッカーの数が多くなるほど大変になるといった問題点があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、坑の内壁と注入管のような管との間の隙間に流体給排管のような管を設置する必要のない簡単な構成のパッカー装置を提供することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係るパッカー装置は、管と、管の外周面を囲むように設けられた筒体の両端が管の外周面に取り付けられて管の外周面との間に流体収容空間を形成したパッカーと、管の内周面と外周面とに貫通して流体収容空間と管の内部とを繋ぐ孔と、管の外周面に設けられて孔を塞ぐとともに管の内部及び孔を経由した流体の圧力を受けて管の内部と流体収容空間とを繋ぐ流体流路を形成する逆止弁とを備えたことを特徴とする。
流体収容空間内に吸水膨張材を備えたことも特徴とする。
流体収容空間内に管の外周を囲む筒状体を備え、筒状体が吸水膨張材により形成されたことも特徴とする。
流体収容空間内に管の外周を囲む筒状体を備え、筒状体に吸水膨張材を付着させたことも特徴とする。
管に外周面を取り囲むように管の外周面に取り付けられた嵌合筒体が、パッカーを形成する筒体の両端が取り付けられた位置よりも管の端部側に設けられ、管の外周面から嵌合筒体の外周面までの長さである嵌合筒体の突出長さが、管の外周面より突出する萎んだ状態のパッカーの突出長さよりも長いことも特徴とする。
本発明に係る二重管装置は、内周面と外周面とに貫通する孔を複数備えた有孔外管と、有孔外管の両端に設けられた上記パッカー装置と、内周面と外周面とに貫通する孔を複数備えた有孔部が有孔外管の内側に位置するように設置された内管と、内管の筒中央に設けられた有孔部を挟んだ内管の一端と他端とにそれぞれ設けられた内側パッカーとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明のパッカー装置によれば、管をパッカーに対する流体供給路及び地山への注入対象物供給路として使用できるため、坑の内壁と管との間の隙間に流体給排管のような管を設置する必要のない簡単な構成のパッカー装置を実現できる。
流体収容空間内に吸水膨張材を備えたことで、パッカーの流体収容空間内に流入した水が吸水膨張材に吸収されるので、流体収容空間外への水漏れが少なくなり、吸水膨張材が膨張してパッカーが膨らんだ形状を長期的に保持できる形状保持効果の高いパッカー装置が得られる。
流体収容空間内に管の外周を囲む筒状体を備え、筒状体が吸水膨張材により形成されたり、筒状体に吸水膨張材を付着させたことにより、流体収容空間内の管の周囲に吸水膨張材がバランス良く配置された構成とでき、坑の内壁との間に隙間の生じにくいパッカーが得られる。
管に外周面を取り囲むように管の外周面に取り付けられた嵌合筒体が、パッカーを形成する筒体の両端が取り付けられた位置よりも管の端部側に設けられ、管の外周面から嵌合筒体の外周面までの長さである嵌合筒体の突出長さを、管の外周面より突出する萎んだ状態のパッカーの突出長さよりも長くしたので、坑に対してパッカー装置を出し入れする際に、嵌合筒体がパッカー保護体として機能して、坑の内壁とパッカーとの接触を少なくでき、パッカーの損傷を少なくできる。
二重管装置によれば、坑内の任意の位置に集中的に注入対象物を注入できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
最良の形態1
図1乃至図3は本発明の最良の形態1を示し、図1はパッカー装置を管の中心軸に沿って切断した断面を示し、図2はパッカー装置の使用方法を示し、図3は逆止弁を管の外周面側から見た平面図である。
【0007】
図1を参照し、パッカー装置の構成を説明する。
パッカー装置1は、管2、パッカー3、孔4、逆止弁5を備える。
管2は、可撓性材料としての例えばポリエチレンにより形成された管である。
パッカー3は、管2の外周面6を囲むように設けられた筒体7の両方の端部(両端)8;8が管2の外周面6に取り付けられたことによって、筒体7と管2の外周面6との間に流体収容空間9が形成された構成である。パッカーを形成する筒体7は、ゴムのような伸縮可能な材料により形成された内筒体11と、内筒体を保護するために不織布などにより形成された外筒体12とを備えた二重筒構造体からなる。
【0008】
管2の外周面6において、管2の中心軸2Cに沿った方向に所定間隔隔てた2箇所に、自己融着性絶縁テープ15が管2の外周面6に巻き付くように管2の外周面6に貼り付けられる。この管2の外周面6に貼り付けられた自己融着性絶縁テープ15の表面と内筒体11の両端部の内面とが密着状態となるように、内筒体11の端部が、当該端部の外周面に巻き付けられたリングバンド16によって自己融着性絶縁テープ15の表面に押し付けられる。外筒体12の端部がリングバンド16を覆い、外筒体12の端部におけるリングバンド16の両側に位置する部分と自己融着性絶縁テープ15の表面とが密着状態となるように、外筒体12の端部が、端部の外周面に巻き付けられた結束バンド17;17によって自己融着性絶縁テープ15の表面に押し付けられる。このように自己融着性絶縁テープ15、リングバンド16及び結束バンド17;17によって、筒体7の両方の端部8;8が管2の外周面6に取り付けられて形成されたパッカー3は、流体収容空間9の密封性が確保され、流体収容空間9内に流入される流体によって膨らんで地山20に形成された坑21の内壁22(図2参照)と密に接触するものである。
【0009】
孔4は、管2の内周面25と外周面6とに貫通して流体収容空間9と管2の内部26とを繋ぐ。
逆止弁5は、管2の外周面6に設けられて孔4を塞ぐとともに管2の内部26及び孔4を経由する流体の圧力を受けて管2の内部26と流体収容空間9とを繋ぐ流体流路27(図2(b)参照)を形成する。
図3に示すように、逆止弁5は、例えば、孔4を塞ぐように管2の外周面6に設けられた矩形ゴム板31と、矩形ゴム板31が規定の位置から位置ずれしないように矩形ゴム板31の両方の端部32;32を管2の外周面6に押し付けて管2の外周面6に固定する固定バンド33;33とにより形成される。矩形ゴム板31における管2の外周面6と接触する一方の面34(図1参照)には、孔4を塞いだ状態で孔4内に嵌り込む突起35が形成され、この突起35が孔4内に嵌り込んだ状態となることで流体収容空間9が密閉状態に維持される。
【0010】
図1に示すように、流体収容空間9内には吸水膨張材としての吸水ポリマー41が設けられる。つまり、吸水ポリマー41の粒を所定量(例えば120g)だけ予め流体収容空間9内に入れておくことによって、水が逆止弁5を経由して管2の内部26から流体収容空間9内に流入した場合に、水が吸水ポリマー41に吸収されるので、流体収容空間9外への水漏れが少なくなり、吸水ポリマー41が膨張してパッカー3が膨らんだ形状を長期的に保持できる形状保持効果の高いパッカー装置1が得られる。
【0011】
管2の外周面6においてパッカー3を形成する筒体7の両方の端部8;8が取り付けられた位置よりも管2の端部29;29側に位置する部位には、例えば合成樹脂製の嵌合筒体45が管2の外周面6を取り囲むように管2の外周面6に取り付けられる。図2(a)に示すように、管2の外周面6から嵌合筒体45の外周面46までの長さである嵌合筒体45の突出長さaは、パッカー3が萎んでいる状態において管2の外周面6より突出するパッカー3の突出長さbよりも長い。これにより、地山20を掘削して形成した坑21に対してパッカー装置1を出し入れする際に、嵌合筒体45がパッカー保護体として機能して、坑21の内壁22とパッカー3との接触を少なくでき、パッカー3の損傷を少なくできる。また、嵌合筒体45が管接続具として利用される場合には、嵌合筒体45の一端部の内周面47と管2の一端部の外周面6とが互いに溶着などの接着手法にて結合され、嵌合筒体45の他端部の内側には、パッカー装置1に接続される供給管48の一端側の外周面49が嵌め込まれて、嵌合筒体45の他端部の内周面47と供給管48の一端部の外周面49とが互いに結合されることにより、パッカー装置1と供給管48とが嵌合筒体45により接続される。
【0012】
嵌合筒体45と供給管48との結合を強固にするためには、例えば、嵌合筒体45の他端部の外周面46に図外のねじ部を形成しておくとともに、供給管48が貫通する径の孔を有して上記ねじ部に対応するねじ部を備えた図外の蓋を用意しておき、供給管48の一端部を蓋の孔に貫通させて供給管48の一端部の外周面49と蓋の孔縁とを接着剤などで結合しておき、そして、蓋のねじ部を嵌合筒体45の他端部の外周面46に形成されたねじ部に螺着すればよい。
【0013】
次に図2を参照し、パッカー装置1の使用方法を説明する。例えば、坑21の底23側から地山20に、地山補強のための薬液を注入したり、油汚染浄化のための微生物を注入する場合、例えば、パッカー装置1の管接続具として機能する一方の嵌合筒体45に供給管48の一端を接続して、供給管48の図外の他端を図外の流体供給源に接続する。また、パッカー装置1の先端1tに位置する他方の嵌合筒体45の一端開口45a又は管2の一端開口2aを蓋39などで閉塞しておく。そして、図2(a)のように、パッカー装置1を坑21の底23側まで挿入し、流体供給源から供給管48経由で管2内に水を供給する。これにより、図2(b)のように、管2内に供給された水の圧力(流体圧)によって逆止弁5が押されて逆止弁5と管2の外周面6との間に流体流路27となる隙間が生じ、この流体流路27を経由した水が流体収容空間9内に流入する。図2(c)のように、流体収容空間9内に流入した水が吸水ポリマー41に吸水されることによって吸水ポリマー41が膨張し、パッカー3が膨らんで、パッカー3の外表面36と坑21の内壁22とが密に接触することにより、パッカー3と坑21の底23との間に密閉された閉塞坑内空間40が形成される。その後、図外の棒などで蓋39を突いたりして蓋39を外し、供給管48及び管2経由で供給される微生物や薬液等の注入対象物を他方の嵌合筒体45の一端開口45a又は管2の一端開口2aを介して閉塞坑内空間40内に注入することによって、注入対象物が閉塞坑内空間40に接する坑21の内壁22から地山20に注入されることになる。供給管48及び管2の内側に注入対象物を供給するための図外の注入管を挿入して、注入管の先端で蓋39を突いたりして蓋39を外した後に当該注入管の先端開口を介して閉塞坑内空間40に注入対象物を注入してもよい。
注入対象物の注入終了後、供給管48を他方の嵌合筒体45から取り外してパッカー装置1を坑21内に残してもよいし、パッカー装置1を坑21より引き出して回収してもよい。尚、パッカー装置1を坑21より引き出して回収する場合、パッカー3の内筒体11がゴムのような伸縮可能な材料により形成されているので、パッカー装置1を強制的に坑口まで引っ張って坑21より引き出すことが可能である。
【0014】
最良の形態1によれば、管2をパッカー3に対する流体供給路及び地山への注入対象物供給路として使用できるため、坑21の内壁22と管2との間の隙間に流体給排管のような管を設置する必要のない簡単な構成のパッカー装置1を得ることができる。
【0015】
最良の形態2
図4、図5(a)に示すように、流体収容空間9内に管2の外周を囲む筒状体51を設け、この筒状体51が吸水ポリマー41により形成された構成とした。
【0016】
最良の形態3
図5(b)に示すように、流体収容空間9内に管2の外周を囲む筒状体52を設けるとともに、この筒状体52に吸水ポリマー41を付着させた構成とした。この筒状体52は、例えば、不織布や水溶性の紙などにより形成される。
【0017】
最良の形態2;3によれば、流体収容空間9内の管2の周囲に吸水ポリマー41がバランス良く配置された構成となるので、流体収容空間9の下部に吸水ポリマー41が集中してしまうようなことを防止でき、パッカー3を径方向にバランスよく膨らませることができるようになる。つまり、パッカー3が偏って膨らむのを防止できて、坑21の内壁22との間に隙間の生じにくいパッカー3を提供できる。
【0018】
最良の形態4
図6を参照し、坑21内の任意の位置に集中的に注入対象物を注入するための二重管装置60の構成を説明する。
二重管装置60は、有孔外管61と、上記パッカー装置1と、有孔部62を備えた内管63と、内側パッカー64とを備える。
有孔外管61は、内周面66と外周面67とに貫通する孔68を複数備えた構成である。有孔外管61の両方の端部69;69には、上記パッカー装置1の管2が延長するように接続される。つまり、管接続具としての嵌合筒体45により有孔外管61の端部69と管2の端部29とが結合される。内管63は、有孔外管61の内側に位置するように設置される。内管63の中心軸に沿った方向の一端71は閉塞され、内管63の中心軸に沿った方向の他端72と注入対象物供給管73とが接続される。有孔部62は、内管63の内周面と外周面とに貫通する複数の孔75により形成され、内管63の筒中央に設けられる。内側パッカー64は、内管63の筒中央に設けられた有孔部62を挟んだ内管の一端71側と他端72側とにそれぞれ設けられる。図外の流体給排装置に一端が接続された図外の流体給排管の他端が内側パッカー64に接続され、特許文献1に開示されたような給排機構によって内側パッカー64内に対する流体の給排が行われる。
【0019】
図7を参照し、二重管装置60の使用方法を説明する。図7(a)のように、互いに繋がれた有孔外管61と2つのパッカー装置1;1とを備えた二重管装置60の外側構成部を流体供給管78の先端に取り付けて二重管装置60を坑21内の目的位置まで挿入する。内管63を流体供給管78、有孔外管61内を通して一方のパッカー装置1の管2の内側まで挿入し、孔4を挟んで孔4の両側に内管63の先端に位置する一方の内側パッカー64と他方の内側パッカー64とが位置されるように内側パッカー64の位置を位置決めした後、図外の流体給排装置から両方の内側パッカー64の内側に流体を供給する。これにより、内管63の有孔部62の両側の管2の内周面25と内側パッカー64とが接触し、孔4の近傍付近の管2の内部空間が両方の内側パッカー64により閉塞された密閉空間81が形成される。よって、流体供給源からの水が内管63、有孔部62、密閉空間81、孔4を経由し、水の圧力によって一方のパッカー装置1の逆止弁5が押されて逆止弁5と管2の外周面67との間に流体流路27となる隙間が生じ(図2(b)参照)、この流体流路27を経由した水が逆止弁5を経由して流体収容空間9内に流入する。以上により、流体収容空間9に流入した水が吸水ポリマー41に吸水されることによって吸水ポリマー41が膨張し、パッカー3が膨らんで、パッカー3の外表面36と坑21の内壁22とが密に接触する。
図7(b)に示すように、他方のパッカー装置1のパッカー3も一方のパッカー装置1のパッカー3を膨らませた方法と同じ方法によって膨らませてパッカー3の外表面36と坑21の内壁22とを密に接触させる。即ち、図7(a)の状態から内側パッカー64内の流体を図外の流体給排装置によって排出して内側パッカー64を萎ませて、図7(b)のように、内側パッカー64を他方のパッカー装置1の内側に移動した後に、一方のパッカー装置1のパッカー3を膨らませた方法と同じ方法で他方のパッカー装置1のパッカー3を膨らませる。
両方のパッカー装置1;1のパッカー3;3を膨らませることによって、両方のパッカー装置1のパッカー3と有孔外管61と坑21の内壁22とで区画された閉塞坑内空間80が形成される。この閉塞坑内空間80に微生物や薬液などの注入対象物を供給するために、図7(c)に示すように、有孔外管61の内側に内管63の有孔部62を位置させ、内管63の両側の内側パッカー64;64を膨らませて、有孔外管61の内側と有孔外管61の両側に繋がれた管2の内側との流通を遮断する。その後、注入対象物供給管73を経由して内管63内に微生物や薬液などの注入対象物が供給されることによって、注入対象物が、有孔部62の孔75及び有孔外管61の孔68を経由して閉塞坑内空間80内に供給されて、注入対象物がこの閉塞坑内空間80に接する坑21の内壁22から地山20に注入される。
注入対象物の注入終了後、内側パッカー64;64を萎ませて内管63を坑口まで引き上げる。また、流体供給管78を他方の嵌合筒体45から取り外して坑口まで引き上げることにより、パッカー装置1;1を坑21内に残してもよいし、パッカー装置1;1を坑21より引き出して回収してもよい。尚、パッカー装置1を坑21より引き出して回収する場合、パッカー3の内筒体11がゴムのような伸縮可能な材料により形成されているので、パッカー装置1;1を強制的に坑口まで引っ張って坑21より引き出すことが可能である。
【0020】
最良の形態4の二重管装置60を用いることによって、坑21内の任意の位置に集中的に注入対象物を注入できるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
パッカー3を形成する筒体7をゴムで形成された筒体のみで形成してもよい。流体収容空間9内に供給する流体としては、水の他に、セメントミルク、CBセメント(セメントとベントナイトとを混合したもの)、空気などを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】パッカー装置の断面図(最良の形態1)。
【図2】パッカー装置の使用方法を示す図(最良の形態1)。
【図3】逆止弁の平面図(最良の形態1)。
【図4】パッカー装置の断面図(最良の形態2)。
【図5】(a)は図4のA−A断面図(最良の形態2)、(b)は図4のA−A断面相当図(最良の形態3)。
【図6】二重管装置の断面図(最良の形態4)。
【図7】二重管装置の使用方法を示す図(最良の形態4)。
【符号の説明】
【0023】
1 パッカー装置、2 管、3 パッカー、4 孔、5 逆止弁、
6 管の外周面、7 筒体、8 端部、9 流体収容空間、27 流体流路、
41 吸水ポリマー、45 嵌合筒体、51 筒状体、60 二重管装置
61 有孔外管、62 有孔部、63 内管、64 内側パッカー
68 有孔外管の孔、71 内管の一端、72 内管の他端
75 有孔部の孔、a 嵌合筒体の突出長さ、b パッカーの突出長さ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管と、管の外周面を囲むように設けられた筒体の両端が管の外周面に取り付けられて管の外周面との間に流体収容空間を形成したパッカーと、管の内周面と外周面とに貫通して流体収容空間と管の内部とを繋ぐ孔と、管の外周面に設けられて孔を塞ぐとともに管の内部及び孔を経由した流体の圧力を受けて管の内部と流体収容空間とを繋ぐ流体流路を形成する逆止弁とを備えたことを特徴とするパッカー装置。
【請求項2】
流体収容空間内に吸水膨張材を備えたことを特徴とする請求項1に記載のパッカー装置。
【請求項3】
流体収容空間内に管の外周を囲む筒状体を備え、筒状体が吸水膨張材により形成されたことを特徴とする請求項1に記載のパッカー装置。
【請求項4】
流体収容空間内に管の外周を囲む筒状体を備え、筒状体に吸水膨張材を付着させたことを特徴とする請求項1に記載のパッカー装置。
【請求項5】
管に外周面を取り囲むように管の外周面に取り付けられた嵌合筒体が、パッカーを形成する筒体の両端が取り付けられた位置よりも管の端部側に設けられ、管の外周面から嵌合筒体の外周面までの長さである嵌合筒体の突出長さが、管の外周面より突出する萎んだ状態のパッカーの突出長さよりも長いことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のパッカー装置。
【請求項6】
内周面と外周面とに貫通する孔を複数備えた有孔外管と、有孔外管の両端に設けられた請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のパッカー装置と、内周面と外周面とに貫通する孔を複数備えた有孔部が有孔外管の内側に位置するように設置された内管と、内管の筒中央に設けられた有孔部を挟んだ内管の一端と他端とにそれぞれ設けられた内側パッカーとを備えたことを特徴とする二重管装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−228207(P2009−228207A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−70857(P2008−70857)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(593006630)学校法人立命館 (359)
【Fターム(参考)】