説明

パッキン端部の形状

【課題】本発明は、簡単な構造で作業も容易に行え、防塵及び防水の性能を高めることのできるパッキン端部の形状を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明に係るパッキン7端部の形状は、パッキン7は扉体5の大きさに合わせて長さを切断し、隣り合うパッキン7の端部を垂直に切断することを除いてそれぞれ突き合わせたときに合致する形状に切断し、箱体本体と扉体との間の隙間を埋めると共に、パッキンの継ぎ目にも隙間ができないようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも前面に開口を有する箱体本体と、開口を施蓋する扉体とからなる各種電気・通信機器を収納するためのキャビネットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気機器や通信機器等を収納するためのキャビネットは、前面に開口を有する箱体本体と、箱体本体開口の周縁に取り付けられる枠体と、前面開口を施蓋する扉体とから構成される。
箱体本体と扉体との間には隙間が生じると、塵埃や雨水が侵入し内部機器へ影響を及ぼす虞がある。そこで、扉体に均一の厚みである平型のパッキン31を貼付する方法が採られていた。扉体を箱体本体に閉止した状態で隙間ができないように埋めていた。
パッキン31は長いものを任意の長さに切断して一方の端部と他方の端部とを突き合わせて継いで用いていた。図4には、扉体のコーナー部で継いだ状態を、図5には扉体の直線部で継いだ状態を示している。切断面は直線状で、扉体に貼付したとき継ぎ目31aは垂直となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−288669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記のように、パッキンの切断面が直線状で継ぎ目を垂直にして扉体にパッキンを貼付した場合、毛細管現象によって雨水や塵埃が吸い上げられ、継ぎ目の長さが短いので箱体本体の内部に侵入しやすいという欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明は、簡単な構造で作業も容易に行え、防塵及び防水の性能を高めることのできるパッキン端部の形状を提供することを目的とし、その構造は、パッキンは扉体の大きさに合わせて長さを切断し、隣り合うパッキンの端部を垂直に切断することを除いてそれぞれ突き合わせたときに合致する形状に切断することを特徴とする。
【0006】
また、パッキン端部が斜面になるように切断することを特徴とする。
【0007】
また、パッキン端部が段状を形成するように切断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るパッキン端部の形状は、パッキンは扉体の大きさに合わせて長さを切断し、隣り合うパッキンの端部を垂直に切断することを除いてそれぞれ突き合わせたときに合致する形状に切断するため、パッキンの継ぎ目が確実につながり隙間なく設けることができ、防塵及び防水性能を高めることができる。
【0009】
また、パッキン端部が斜面になるように切断するため、パッキンの継ぎ目が確実につながり隙間なく設けることができる。また継ぎ目が垂直に設けられた状態に対して距離が長くなるので、万一塵埃や雨水が継ぎ目に吸い上げられても、箱体本体の内部に染み出すことはない。
【0010】
また、パッキン端部が段状を形成するように切断するため、パッキンの継ぎ目が確実につながり隙間なく設けることができる。また継ぎ目が垂直に設けられた状態に対して距離が長くなるので、万一塵埃や雨水が継ぎ目に吸い上げられても、箱体本体の内部に染み出すことはない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】キャビネットのパッキン貼付状態を示す説明図である。
【図2】パッキンの断面を斜面に切断した実施方法を示す説明図である。
【図3】パッキンの断面を段形状に切断した実施方法を示す説明図である。
【図4】従来のパッキンの継ぎ目を示す説明図である。
【図5】従来のパッキンの継ぎ目を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係るパッキン端部の形状を示す実施例を図1〜図3の添付図面に基いて説明する。
【0013】
キャビネット1は前面に開口2を有し機器類を収納する箱体本体3と、開口2周縁に取り付けられる枠体4と、枠体4の前面開口2を施蓋する扉体5とから構成される。枠体4の前面開口2周縁部は水切り部6を折曲形成し、開口2から雨水や塵埃等の侵入をある程度防ぐ構造となっている。ただ、工場内の粉塵の発生しやすい場所であったり、屋外の雨水にさらされるような場所であったり、条件の悪い場所にキャビネット1を設置する場合には、水切り構造だけでは雨水や塵埃の侵入を防ぎきれないことがあった。
【0014】
そこで、扉体5の、扉体5を箱体本体3に閉止した状態のときに、開口2に対向する位置にパッキン7を貼付する方法が採られている。パッキン7は、扉体5の大きさに合わせて任意の長さで切断し用いる。扉体5の一辺に対して一本を貼付しても良いし、一周を一本のパッキン7で網羅しても良い。隣り合うパッキン7の端部はそれぞれ突き合わせたときに合致する形状、垂直に切断することを除いた形状で切断する。
【0015】
継ぎ目7aが合致するため、パッキン7とパッキン7との間には隙間を作らず、防塵及び防水性能を高める形状とする。
【0016】
請求項2に係るパッキン端部の形状は、請求項1に記載の隣り合うパッキンの端部はそれぞれ突き合わせたときに合致する形状として、図2に示すように、斜面に切断する。パッキン7の断面積も増え、接着剤等を用いて接着することも可能であるので確実にパッキン7間の隙間を埋めることができると共に、継ぎ目7aの長さが長くなり、万一雨水や塵埃等が吸い上げられてもキャビネット内部まで入り込むことが少なくなる。
【0017】
請求項3に係るパッキン端部の形状は、請求項1に記載の隣り合うパッキンの端部はそれぞれ突き合わせたときに合致する形状として、図3に示すように、段形状に切断する。パッキンの断面積も増え、接着剤等を用いて接着することも可能であるので確実にパッキン間の隙間を埋めることができると共に、継ぎ目7aの長さが長くなり、万一雨水や塵埃等が吸い上げられてもキャビネット内部まで入り込むことが少なくなる。
【符号の説明】
【0018】
1 キャビネット
2 開口
3 箱体本体
4 枠体
5 扉体
6 水切り部
7 パッキン
7a 継ぎ目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも前面に開口を有する箱体本体と、前記開口を施蓋する扉体とからなる各種電気・通信機器を収納するためのキャビネットにおける、前記扉体を前記箱体本体に閉止したとき、前記扉体の前記箱体本体の開口周縁に対向する位置に貼付するパッキン端部の形状であって、前記パッキンは前記扉体の大きさに合わせて長さを切断し、隣り合うパッキンの端部を垂直に切断することを除いてそれぞれ突き合わせたときに合致する形状に切断することを特徴とするパッキン端部の形状。
【請求項2】
前記パッキン端部の形状であって、前記パッキン端部が斜面になるように切断することを特徴とする請求項1に記載のパッキン端部の形状。
【請求項3】
前記パッキン端部の形状であって、前記パッキン端部が段状を形成するように切断することを特徴とする請求項1に記載のパッキン端部の形状。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−270876(P2010−270876A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−125049(P2009−125049)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(000124591)河村電器産業株式会社 (857)
【Fターム(参考)】