説明

パッケージ、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計

【課題】真空封止を確実に行うことができるパッケージおよびこのパッケージを用いた圧電振動子を提供する。
【解決手段】パッケージは、電子部品が接続されるリード端子と、リード端子の中間部に固着された円環状のプラグ本体4と、を備えた気密端子と、電子部品を収容する有底筒状のケースと、を備え、ケースの開口部がプラグ本体4の外周面43に圧入固定されたパッケージであって、ケースの開口端面31における内周縁部33の少なくとも一部が、ケース3の中心軸Cと直交する平面Mに対して交差するように形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パッケージ、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号のタイミング源、リファレンス信号源等として水晶等を利用した圧電振動子が用いられている。この種の圧電振動子は、様々なものが提供されているが、その1つとして、筒状に形成されたシリンダタイプのパッケージを備えた圧電振動子が知られている。
【0003】
このパッケージの圧電振動子は、気密端子と、音叉型の圧電振動片と、圧電振動片を内部に収容する有底筒状のケースと、を備えている。
気密端子は、圧電振動片が接続される一対のリード端子と、リード端子の中間部に固着されたプラグ本体とを備えている。さらに、プラグ本体は、金属製の円環状の金属リングと、金属リングの内側を封止するガラス部材とを備えている。そして、プラグ本体の外周面にケースの開口部を圧入固定することにより、ケース内部に圧電振動片が封止されている。
【0004】
ここで、特許文献1に記載されているように、圧電振動片の発振周波数特性やインピーダンス特性等の電気的特性は、空間が真空状態のほうが良い。したがって、ケース内部を真空状態にして圧電振動片を真空封止するため、プラグ本体の外周面にケースの開口部を圧入固定してケース内部に圧電振動片を封止する工程は、真空槽(真空チャンバ)の中で行われる。具体的には、まず、ケースの開口部をプラグ本体の金属リングに載置する。その後、真空チャンバの中で真空引きを行い、ケース内部を真空状態とする。そして、プラグ本体の外周面にケースの開口部を圧入により固定して、真空状態のケース内部に圧電振動片を封止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−145757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、ケースの開口部をプラグ本体の金属リングに載置した状態で真空引きを行う際に、ケースの開口部における内周縁部と、プラグ本体の金属リングにおける外周縁部とが全周にわたって線接触する場合がある。この場合には、真空チャンバの中を真空引きする際に、ケース内部の空気をケース外部に放出するための通路が十分に確保できない。その結果、ケース内部に空気が残存したままケース内部に圧電振動片が封止され、圧電振動片を真空封止できない虞がある。これにより、圧電振動片の発振周波数特性やインピーダンス特性等の電気的特性が悪化し、結果として圧電振動子の性能が悪化する。
【0007】
そこで本発明は、真空封止を確実に行うことができるパッケージおよびこのパッケージを用いた圧電振動子の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明のパッケージは、電子部品が接続されるリード端子と、前記リード端子の中間部に固着された円環状のプラグ本体と、を備えた気密端子と、 前記電子部品を収容する有底筒状のケースと、を備え、前記ケースの開口部が前記プラグ本体の外周面に圧入固定されたパッケージであって、前記ケースの開口端面における内周縁部の少なくとも一部が、前記ケースの中心軸と直交する平面に対して交差するように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、プラグ本体は円環状であるので、プラグ本体の端面における外周縁部を含む平面は、プラグ本体の中心軸と直交する平面となる。一方で、ケースの開口端面における内周縁部の少なくとも一部が、ケースの中心軸と直交する平面に対して交差するように形成されている。このため、ケースの中心軸をプラグ本体の中心軸に沿わせつつ、前記内周縁部を前記外周縁部に当接させて載置したとき、前記内周縁部と前記外周縁部とが全周にわたって線接触することはない。そして、前記一部においてケースの内外を連通するガス通路が形成されるので、ケース内の真空引きを行うと、前記ガス通路を通してケース内部のガスをケース外部に放出することができる。その後、ケースの開口部をプラグ本体の外周面に圧入固定して前記ガス通路を閉塞することで、真空封止を確実に行うことができる。
【0009】
また、前記ケースの開口端面は、前記ケースの中心軸と直角以外の角度で交差する傾斜平面とされていることを特徴とする。
本発明によれば、傾斜平面の先端部のみがプラグ本体の外周縁部に当接し、他の部分にガス通路が形成されるので、ケース内の真空引きを行うと、前記ガス通路を通してケース内部のガスをケース外部に放出することができる。また、開口端面は平面とされているので、プレス加工や機械加工等により容易に形成することができる。
【0010】
また、前記ケースの軸方向における前記開口端面の先端部と基端部との距離は、前記ケースの軸方向における前記プラグ本体への圧入長さよりも短いことを特徴とする。
本発明によれば、ケースの軸方向における開口端面の先端部と基端部との距離は、ケースの軸方向におけるプラグ本体への圧入長さよりも短いので、ケースをプラグ本体の外周面に圧入するだけで、ケースの内外を連通するガス通路が塞がれる。これにより、真空封止を簡単かつ確実に行うことができる。
【0011】
本発明の圧電振動子は、前記パッケージの内部に、前記電子部品として圧電振動片が収容されていることを特徴とする。
本発明によれば、真空封止を確実に行ったパッケージのケース内部に圧電振動片が収容されているので、良好な電気的特性が得られる圧電振動子を提供することができる。
【0012】
本発明の発振器は、上述した圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明の電子機器は、上述した圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明の電波時計は、上述した圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする。
【0013】
本発明にかかる発振器、電子機器および電波時計によれば、真空封止を確実に行うことにより、良好な電気的特性が得られる圧電振動子を備えているので、製品の性能の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、プラグ本体は円環状であるので、プラグ本体の端面における外周縁部を含む平面は、プラグ本体の中心軸と直交する平面となる。一方で、ケースの開口端面における内周縁部の少なくとも一部が、ケースの中心軸と直交する平面に対して交差するように形成されている。このため、ケースの中心軸をプラグ本体の中心軸に沿わせつつ、前記内周縁部を前記外周縁部に当接させて載置したとき、前記内周縁部と前記外周縁部とは全周にわたり線接触することはない。そして、前記一部においてケースの内外を連通するガス通路が形成されるので、ケース内の真空引きを行うと、ガス通路を通してケース内部のガスをケース外部に放出することができる。その後、ケースの開口部をプラグ本体の外周面に圧入固定してガス通路を閉塞することで、真空封止を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態における圧電振動片の正面図である。
【図2】本発明の実施形態における圧電振動片の背面図である。
【図3】パッケージの正面図である。
【図4】気密端子の斜視図である。
【図5】第1実施形態におけるケースの説明図であり、図5(a)は正面図であり、図5(b)は右側面図である。
【図6】図3のA−A線における断面図である。
【図7】真空封止工程の説明図であり、図7(a)はセット工程の説明図であり、図7(b)は真空引き工程の説明図であり、図7(c)はケース圧入工程の説明図である。
【図8】第2実施形態におけるケースの説明図であり、図8(a)は正面図であり、図8(b)は変形例の正面図である。
【図9】本発明に係る発振器の一実施形態を示す構成図である。
【図10】本発明に係る電子機器の一実施形態を示す構成図である。
【図11】本発明に係る電波時計の一実施形態を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態につき図面を参照して説明する。
(第1実施形態、圧電振動片)
まず、第1実施形態の圧電振動子における圧電振動片の一実施形態について説明する。
図1は本発明の実施形態における圧電振動片の正面図である。
図2は本発明の実施形態における圧電振動片の背面図である。
本実施形態の圧電振動子は、パッケージの内部に、電子部品として圧電振動片2が収容されている。
【0017】
図1および図2に示すように、圧電振動片2は、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。
この圧電振動片2は、平行に配置された一対の振動腕部10,11と、振動腕部10,11の基端側を一体的に固定する基部12と、振動腕部10,11の外表面上に形成されて振動腕部10,11を振動させる第1の励振電極13と第2の励振電極14とからなる励振電極15と、第1の励振電極13および第2の励振電極14に電気的に接続されたマウント電極17,18とを有している。
【0018】
また、本実施形態の圧電振動片2は、振動腕部10,11の両主面上に、振動腕部10,11の長手方向Xに沿ってそれぞれ形成された溝部20を備えている。この溝部20は、振動腕部10,11の基端側から略中間付近まで形成されている。
第1の励振電極13と第2の励振電極14とからなる励振電極15は、振動腕部10,11を互いに接近又は離間する方向に所定の共振周波数で振動させる電極であり、振動腕部10,11の外表面に、それぞれ電気的に切り離された状態でパターニングされて形成されている。具体的には、第1の励振電極13が、一方の振動腕部10の溝部20上と、他方の振動腕部11の両側面上とに主に形成され、第2の励振電極14が、一方の振動腕部10の両側面上と他方の振動腕部11の溝部20上とに主に形成されている。
【0019】
第1の励振電極13および第2の励振電極14は、図1および図2に示すように、基部12の両主面上において、それぞれ引き出し電極21,22を介してマウント電極17,18に電気的に接続されている。そして圧電振動片2は、このマウント電極17,18を介して電圧が印加されるようになっている。
【0020】
なお、上述した励振電極15、マウント電極17,18および引き出し電極21,22は、例えば、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)やチタン(Ti)等の導電性膜(電極膜)の被膜により形成されたものである。
【0021】
また、一対の振動腕部10,11の先端には、自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で振動するように調整(周波数調整)を行うための重り金属膜23が形成されている。なお、この重り金属膜23は、周波数を粗く調整する際に使用される粗調膜23aと、微小に調整する際に使用される微調膜23bとに分かれている。これら粗調膜23aおよび微調膜23bを利用して周波数調整を行うことで、振動腕部10,11の周波数をデバイスの公称周波数の範囲内に収めることができる。
【0022】
(開口端面が傾斜平面とされているパッケージ)
次に、本発明のパッケージの一実施形態について説明する。以下の説明では、ケースの中心軸Cに沿う方向において、有底筒状のケースの開口端部側を−Z側、閉塞端部側を+Z側とする。
【0023】
図3はパッケージの正面図である。
図3に示すように、本実施形態のパッケージ1は、電子部品2が接続されるリード端子45,45と、リード端子45,45の中間部に固着された円環状のプラグ本体4と、を備えた気密端子5と、電子部品2を収容する有底筒状のケース3と、を備え、ケース3の開口部がプラグ本体4の外周面43に圧入固定されたパッケージ1であって、ケース3の開口端面31における内周縁部33の少なくとも一部が、ケース3の中心軸Cと直交する平面に対して交差するように形成されている。
【0024】
図4は気密端子の斜視図である。
本実施形態のパッケージは気密端子5を備えており、図4に示すように、気密端子5は、電子部品(不図示)が接続されるリード端子45,45と、リード端子45,45の中間部に固着されたプラグ本体4と、を備えている。
【0025】
リード端子45,45は、コバール(FeNiCo合金)等の金属からなる円柱状の部材であり、所定間隔離間した状態で、後述するプラグ本体4を貫通するように2本平行に配置されている。リード端子45,45の直径は、例えば約0.12mmである。また、リード端子45,45の表面には、めっきの被膜が形成されている。めっきの材質としては、下地膜に銅(Cu)めっき等が用いられ、仕上膜に融点が例えば300℃程度の高融点ハンダめっき(錫と鉛の合金で、その重量比が1:9)が用いられる。例えば、下地膜であるCuめっきが約2μm〜5μmの膜厚で形成されている。続いて、仕上膜である高融点ハンダめっきが約8μm〜15μmの膜厚で形成されている。
【0026】
リード端子45,45は、プラグ本体4を挟んで+Z側は電子部品が接続されるインナーリード45a,45aとなっており、−Z側は外部と電気的に接続されるアウターリード45b,45bとなっている。
【0027】
図4に示すとおり、プラグ本体4は、ケースを密閉する金属リング41と、金属リング41の内側に充填され、プラグ本体4をリード端子45の中間部に固着させる絶縁材47とで構成されている。
【0028】
金属リング41は、鉄ニッケル合金等の金属材料を円環状に形成したものであり、プレス加工等により形成される。また、金属リング41の外周面にはめっきの被膜が形成されており、前述のリード端子45,45に形成されているめっきの被膜と同材料のめっきの被膜が略同一の膜厚で形成されている。
【0029】
絶縁材47は、例えばホウ珪酸ガラスからなり、円環状に形成された金属リング41の内側に充填することで、金属リング41とリード端子45,45とを固着させる。具体的には、予めリング状に焼結された絶縁材47を金属リング41の内部にセットすると共に、絶縁材47を貫通するように2本のリード端子45,45を所定間隔を空けてセットする。その後、加熱炉内に入れて1000℃前後の温度雰囲気で焼成を行う。これにより、絶縁材47とリード端子45,45との間、絶縁材47と金属リング41との間が完全に封着され、真空封止を確実にすることができる。
【0030】
図3に戻り、本実施形態のパッケージ1は、電子部品2を収容する有底筒状のケース3を備えている。
ケース3は、銅やニッケル、亜鉛等の合金である洋白の平板部材を深絞り加工することにより有底筒状に形成される。そして、前述のとおり電子部品2をケース3内部に収容した状態で、圧入によりプラグ本体4の外周面43にケース3の内周面37が固定される。なお、ケース3の軸C方向の長さや内径等を、平板部材の限界絞り以上に形成する場合、クラックの発生を防止するため、複数回に分けて深絞り加工を行うのが望ましい。
【0031】
図5は第1実施形態におけるケースの説明図であり、図5(a)は正面図であり、図5(b)は右側面図である。
図5に示すように、ケース3の開口端面31における内周縁部33の少なくとも一部が、ケース3の中心軸Cと直交する平面Mと交差するように形成されている。本実施形態では、ケース3の開口端面31が、ケース3の中心軸Cと直角以外の角度で交差する傾斜平面Kとされている。すなわち本実施形態では、ケース3の開口端面31における内周縁部33のほぼ全体が、ケース3の中心軸Cと直交する平面Mと交差するように形成されている。
【0032】
開口端面31の傾斜平面Kは、深絞り加工にてケース3の外形を形成した後、プレス加工や機械加工等を施して形成する。傾斜平面を形成することにより、傾斜平面の先端部のみがプラグ本体4の外周縁部44に当接し、他の部分にガス通路が形成される。これにより、図5(b)に示すように、ケース3をプラグ本体4に固定する前に、プラグ本体4の+Z側にケース3を載置した場合において、ケース3の内外を連通するガス通路Gが形成される。
【0033】
また、詳細は後述のパッケージの製造方法におけるケース圧入工程の中で述べるが、ケース3の軸C方向における開口端面31の先端部31aと基端部31bとの距離Hは、ケース3の軸C方向におけるプラグ本体4への圧入長さLよりも短くなるように設定する。これにより、プラグ本体4の外周面43にケース3の開口部を圧入するだけで、真空封止を簡単かつ確実に行うことができる。
【0034】
(圧電振動子)
図6は図3のA−A線における断面図である。
図6に示すように、電子部品として圧電振動片2がパッケージ1の内部に収容され、インナーリード45a,45aの先端に圧電振動片2が接続されることにより、圧電振動子1が形成されている。具体的には、プラグ本体4から+Z側に突出しているインナーリード45a,45aと、圧電振動片2のマウント電極17,18とがハンダE等を介して実装される。即ち、ハンダE等を介してインナーリード45a,45aとマウント電極17,18とが機械的に接合されていると同時に、インナーリード45a,45aとマウント電極17,18とが電気的に接続されている。
【0035】
このように構成された圧電振動子1を作動させる場合には、2本のリード端子45,45のアウターリード45b,45bに対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、インナーリード45a,45a、ハンダE、マウント電極17,18及び引き出し電極21,22を介して、第1の励振電極13及び第2の励振電極14からなる励振電極15に電圧を印加することができ、一対の振動腕部10,11を接近・離間させる方向に所定の周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部10,11の振動を利用して、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源等として利用することができる。
【0036】
(パッケージの製造方法、真空封止工程)
次に、本実施形態のパッケージの製造方法のうち真空封止工程について説明する。
図7は真空封止工程の説明図であり、図7(a)はセット工程の説明図であり、図7(b)は真空引き工程の説明図であり、図7(c)はケース圧入工程の説明図である。
本実施形態のパッケージの真空封止工程は、プラグ本体4を治具に配置してケース3をプラグ本体4に載置するセット工程S1と、真空引きを行う真空引き工程S2と、ケース3をプラグ本体4に圧入するケース圧入工程S3と、を備えている。なお、セット工程S1は不図示の真空チャンバの外で行われ、真空引き工程S2およびケース圧入工程S3は真空チャンバの中で行われる。
【0037】
真空封止工程に使用する治具は、ケース3を支持する上治具60と、プラグ本体4を支持する下治具62と、ケース3を圧入するために押し込む圧入治具64と、で構成されている。ケース3の中心軸Cをプラグ本体4の中心軸に沿わせつつケース3をプラグ本体4の+Z側に載置できるように、上治具60と下治具62とは、不図示の凹凸を嵌合するなどして互いの水平方向の位置決めをしている。上治具60、下治具62および圧入治具64は、複数のパッケージを格子状に配置しうるように形成されており、かつ同時に複数のパッケージを真空封止できるようになっている。
【0038】
最初に、図7(a)に示すように、プラグ本体4およびケース3を治具にセットするセット工程S1を行う。具体的には、まず、アウターリードを−Z側に向けてプラグ本体4を下治具62に配置する。その後、ケース3の開口端面31を−Zに向けて、ケース3を上治具60の挿入孔60aに挿入する。これにより、ケース3の中心軸Cをプラグ本体4の中心軸に沿わせて、ケース3の開口端面31をプラグ本体4の+Z側に載置することができる。そして、図5(b)に示すように、ケース3の開口端面31は、ケース3の中心軸Cと直角以外の角度で交差する傾斜平面Kとされているので、内周縁部33と外周縁部44とは全周にわたり当接することはなく、傾斜平面Kの先端部のみがプラグ本体4の外周縁部44に当接する。これにより、傾斜平面Kの他の部分とプラグ本体4との間に、ケース3の内外を連通するガス通路Gを形成することができる。
【0039】
次に、図7(b)に示すように、真空引きを行いケース3内部のガスを抜く真空引き工程S2を行う。図5(b)および図7(b)に示すように、プラグ本体4の+Z側にケース3を載置した状態で、傾斜平面Kの先端部のみがプラグ本体の外周縁部に当接し、他の部分にガス通路Gが形成されている。そして、真空チャンバ内の真空引きを行うことにより、ガス通路Gを通してケース3内部のガスをケース3外部に放出することができる。なお、真空封止する前に、ケースやプラグ本体4等の各部材を十分に加熱して、表面吸着水分等を各部材から脱離させておくことが望ましい。
【0040】
最後に、図7(c)に示すように、ケース3をプラグ本体4に圧入するケース圧入工程S3を行う。具体的には、圧入治具64を用いて、ケース3に対し−Z方向に所定の荷重を加えながら、ケース3の開口部をプラグ本体4の外周面43に圧入する。セット工程S1において、ケース3の中心軸Cをプラグ本体の中心軸に沿わせてケース3を配置しているので、ケース3が傾倒した状態で圧入されるのを防止することができる。
【0041】
ここで、図5(b)に示すように、開口端面31の先端部31aと基端部31bとの距離Hは、圧入長さLよりも短く設定されている。これにより、ケース3を圧入すると、図5(b)の2点鎖線で示すように、傾斜平面Kとケース3の中心軸と直交する平面Mとの間に形成されていたガス通路Gが塞がれ、ケース3の内周面37とプラグ本体4の外周面43とが全周に渡って当接する。このように、ケース3を圧入する前にケース3の内外を連通していたガス通路Gを、プラグ本体4の外周面43にケース3の開口部を圧入するだけで塞ぐことができるので、真空封止を簡単かつ確実に行うことができる。なお、プラグ本体4の外周面43に形成されている下地膜および仕上膜からなるめっき層は、柔らかく変形しやすい特性を有しているので、めっき層を介在させながらプラグ本体4の外周面43にケース3の開口部を圧入することにより、真空封止を確実にすることができる。
【0042】
本実施形態によれば、図5に示すように、プラグ本体4は円環状であるので、プラグ本体4の端面における外周縁部44を含む平面Mは、プラグ本体4の中心軸Cと直交する平面Mとなる。一方で、ケース3の開口端面31における内周縁部33の少なくとも一部が、ケース3の中心軸Cと直交する平面Mに対して交差するように形成されている。このため、ケース3の中心軸Cをプラグ本体4の中心軸に沿わせつつ、内周縁部33を外周縁部44に当接させて載置したとき、内周縁部33と外周縁部44とは全周にわたり線接触することはない。そして、前記一部においてケース3の内外を連通するガス通路Gが形成されるので、ケース3内の真空引きを行うと、ガス通路Gを通してケース3内部のガスをケース3外部に放出することができる。その後、ケース3の開口部をプラグ本体4の外周面43に圧入固定してガス通路Gを閉塞することで、真空封止を確実に行うことができる。
【0043】
また、本実施形態によれば、図5に示すように、傾斜平面Kの先端部のみがプラグ本体4の外周縁部44に当接し、他の部分にガス通路Gが形成されるので、ケース3内の真空引きを行うと、ガス通路Gを通してケース3内部のガスをケース3外部に放出することができる。また、開口端面31は平面とされているので、機械加工により容易に形成することができる。
【0044】
(第2実施形態、開口端面が略波型形状とされているパッケージ)
図8は第2実施形態におけるケースの説明図であり、図8(a)は正面図である。
図5に示す第1実施形態のケース3の開口端面31には、傾斜平面Kが形成されていたが、図8(a)に示す第2実施形態のケース3の開口端面31は、略波型形状に形成されている点で第1実施形態と異なっている。なお、第1実施形態と同様の構成の部分については、詳細な説明を省略する。
【0045】
ガス通路を形成するためには、ケース3の内周縁部33の少なくとも一部が、ケース3の中心軸Cと直交する平面Mに対して交差していればよい。したがって、図8(a)に示すように、ケース3の径方向から視て、略波型形状に開口端面31を形成することで、ガス通路Gを形成することができる。具体的には、略波型形状の開口端面31における内周縁部33の一部33aが、ケース3の中心軸Cと直交する平面Mに対して交差することにより、前記一部においてガス通路Gが形成される。開口端面31は、深絞り加工にてケース3の外形を形成した後、機械加工を施して形成される。
また、ケース3の軸C方向における略波型形状の底部31aと頂部31bとの距離Hは、ケース3の軸C方向におけるプラグ本体4への圧入長さLよりも低く設定する。これにより、第1実施形態と同様に、プラグ本体4の外周面にケース3の開口部を圧入するだけで、真空封止を簡単かつ確実に行うことができる。
【0046】
(パッケージの製造方法、真空封止工程)
次に、第2実施形態のパッケージの製造方法における真空封止工程について説明する。
第1実施形態のパッケージの製造方法における真空封止工程では、ケース3の中心軸Cと直角以外の角度で交差する傾斜平面Kとでガス通路を形成していたが、第2実施形態のパッケージの製造方法における真空封止工程では、開口端面31を略波型形状に形成することによりガス通路が形成されている点で第1実施形態と異なっている。なお、第1実施形態のパッケージの製造方法における真空封止工程と同様の構成の部分については、詳細な説明を省略する。
【0047】
本実施形態の真空封止工程の真空引き工程において、図8(a)に示すように、ケース3の径方向から視て、略波型形状の開口端面31における内周縁部33の一部33aが、ケース3の中心軸Cと直交する平面Mに対して交差することにより、ガス通路Gが形成される。そして、プラグ本体の+Z側にケース3を載置した状態でケース3内の真空引きを行うことにより、ガス通路Gを通してケース3内部のガスをケース3外部に放出することができる。
また、本実施形態の真空封止工程のケース圧入工程において、前述のとおり、略波型形状の底部31aと頂部31bとの距離Hは、ケース3の軸C方向におけるプラグ本体4への圧入長さLよりも低く設定されている。これにより、ケース3を圧入するだけでガス通路Gが塞がれ、ケース3の内周面とプラグ本体の外周面とを全周に渡って当接させることができる。
【0048】
(第2実施形態の変形例、開口端面が略三角形状とされているパッケージ)
第2実施形態の変形例として、開口端面が略三角形状とされているパッケージについて、図を用いて説明する。
図8(b)は第2実施形態の変形例におけるケースの正面図である。
図8(a)に示す第2実施形態のケース3の開口端面31は、略波型形状に形成されていたが、図8(b)に示す変形例ではケース3の開口端面31は、略三角形状に形成されている点で異なっている。
【0049】
ガス通路を形成するためには、ケース3の内周縁部33の少なくとも一部が、ケース3の中心軸Cと直交する平面Mに対して交差していればよい。したがって、図8(b)に示すように、ケース3の径方向から視て略三角状に開口端面31を形成してもよい。本変形例では、略三角形状の開口端面31における内周縁部33の一部33aが、ケース3の中心軸Cと直交する平面Mに対して交差することにより、ガス通路Gが形成される。前述同様、本変形例においても、開口端面31は、深絞り加工にてケース3の外形を形成した後、機械加工を施して形成される。
また、ケース3の軸C方向における略三角形状の底部31aと頂部31bとの距離Hは、ケース3の軸C方向におけるプラグ本体4への圧入長さLよりも低く設定する。これにより、プラグ本体の外周面にケース3の開口部を圧入するだけで、真空封止を簡単かつ確実に行うことができる。
【0050】
第2実施形態および第2実施形態の変形例によれば、第1実施形態と同様の効果を有している。すなわち、ガス通路を通してケース内部のガスをケース外部に放出することができ、真空封止を確実に行うことができる。
【0051】
ここで、開口端面31がケース3の径方向から視て略波型形状や略三角形状の場合、開口端面31は凹凸面形状になってしまう。このため、開口端面31を形成する機械加工が困難である。一方、図6に示すように、開口端面31が傾斜平面とされている場合、開口端面31は平面形状となる。このため、開口端面31を形成する機械加工が容易である。したがって、開口端面31が傾斜平面とすることで、図8のように開口端面31が凹凸面形状である場合に対し、加工精度やコストにおいて優位性を確保することができる。
【0052】
(発振器)
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図9を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器110は、図9に示すように、パッケージ(圧電振動子)1を、集積回路111に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器110は、コンデンサ等の電子素子部品112が実装された基板113を備えている。基板113には、発振器用の前記集積回路111が実装されており、この集積回路111の近傍に、圧電振動子1の圧電振動片2が実装されている。これら電子素子部品112、集積回路111及び圧電振動子1は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
【0053】
このように構成された発振器110において、圧電振動子1に電圧を印加すると、圧電振動子1内の圧電振動片2が振動する。この振動は、圧電振動片2が有する圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路111に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路111によって各種処理がなされ、周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子1が発振子として機能する。
また、集積回路111の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
【0054】
このような本実施形態の発振器110によれば、真空封止を確実に行うことにより、良好な電気的特性が得られる圧電振動子を備えているので、高性能の発振器を提供することができる。
【0055】
(電子機器)
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図10を参照して説明する。なお電子機器として、前述した圧電振動子1を有する携帯情報機器120を例にして説明する。
始めに本実施形態の携帯情報機器120は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ及びマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化及び軽量化されている。
【0056】
次に、本実施形態の携帯情報機器120の構成について説明する。この携帯情報機器120は、図10に示すように、圧電振動子1と、電力を供給するための電源部121とを備えている。電源部121は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部121には、各種制御を行う制御部122と、時刻等のカウントを行う計時部123と、外部との通信を行う通信部124と、各種情報を表示する表示部125と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部126とが並列に接続されている。そして、電源部121によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
【0057】
制御部122は、各機能部を制御して音声データの送信及び受信、現在時刻の計測や表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部122は、予めプログラムが書き込まれたROMと、該ROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、該CPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
【0058】
計時部123は、発振回路、レジスタ回路、カウンタ回路及びインターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えている。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電振動片2が振動し、該振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部122と信号の送受信が行われ、表示部125に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
【0059】
通信部124は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部127、音声処理部128、切替部129、増幅部130、音声入出力部131、電話番号入力部132、着信音発生部133及び呼制御メモリ部134を備えている。
無線部127は、音声データ等の各種データを、アンテナ135を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部128は、無線部127又は増幅部130から入力された音声信号を符号化及び複号化する。増幅部130は、音声処理部128又は音声入出力部131から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部131は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
【0060】
また、着信音発生部133は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部129は、着信時に限って、音声処理部128に接続されている増幅部130を着信音発生部133に切り替えることによって、着信音発生部133において生成された着信音が増幅部130を介して音声入出力部131に出力される。
なお、呼制御メモリ部134は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部132は、例えば、0から9の番号キー及びその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
【0061】
電圧検出部126は、電源部121によって制御部122等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部122に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部124を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。電圧検出部126から電圧降下の通知を受けた制御部122は、無線部127、音声処理部128、切替部129及び着信音発生部133の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部127の動作停止は、必須となる。更に、表示部125に、通信部124が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
【0062】
すなわち、電圧検出部126と制御部122とによって、通信部124の動作を禁止し、その旨を表示部125に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部125の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしても良い。
なお、通信部124の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部136を備えることで、通信部124の機能をより確実に停止することができる。
【0063】
本実施形態の携帯情報機器120によれば、前述したように、真空封止を確実に行うことにより、良好な電気的特性が得られる圧電振動子を備えているので、高性能の携帯情報機器を提供することができる。
【0064】
(電波時計)
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図11を参照して説明する。
本実施形態の電波時計140は、図11に示すように、フィルタ部141に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、前述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
【0065】
以下、電波時計140の機能的構成について詳細に説明する。
アンテナ142は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ143によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部141によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子1は、前記搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部148、149をそれぞれ備えている。
【0066】
更に、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路144により検波復調される。
続いて、波形整形回路145を介してタイムコードが取り出され、CPU146でカウントされる。CPU146では、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC148に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部148、149は、前述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
【0067】
なお、前述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計140を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子1を必要とする。
【0068】
本実施形態の電波時計140によれば、前述したように、真空封止を確実に行うことにより、良好な電気的特性が得られる圧電振動子を備えているので、高性能の電波時計を提供することができる。
【0069】
なお、この発明は上述した実施の形態に限られるものではない。
本実施形態1のパッケージでは、ケースの開口端面がケースの中心軸と直角以外の角度で交差する傾斜平面とされているので、ケースの内周縁部とプラグ本体の外周縁部とが当接している状態において、ケースの内外を連通するガス通路が形成される。しかし、例えば、ケース周面における開口端面から圧入長さよりも短い位置に、ケース内外を連通する貫通孔を形成してもよい。これにより、ケースの内外を連通するガス通路が形成され、ケース内部のガスをケース外部に放出することができるので、真空封止を簡単かつ確実に行うことができる。ただし、ケースの直径は数mm程度であるため、本実施形態に比較して加工しづらい。したがって、加工の容易さという点で本実施形態に優位性がある。
【符号の説明】
【0070】
1・・・パッケージ(圧電振動子) 2・・・電子部品(圧電振動片) 3・・・ケース 4・・・プラグ本体 5・・・気密端子 31・・・ケースの開口端面 33・・・内周縁部 43・・・プラグ本体の外周面 45・・・リード端子 110・・・発振器 120・・・携帯情報機器(電子機器) 140・・・電波時計 C・・・ケースの軸(ケースの中心軸) H・・・距離 L・・・圧入長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が接続されるリード端子と、前記リード端子の中間部に固着された円環状のプラグ本体と、を備えた気密端子と、
前記電子部品を収容する有底筒状のケースと、
を備え、
前記ケースの開口部が前記プラグ本体の外周面に圧入固定されたパッケージであって、
前記ケースの開口端面における内周縁部の少なくとも一部が、前記ケースの中心軸と直交する平面に対して交差するように形成されていることを特徴とするパッケージ。
【請求項2】
前記ケースの開口端面は、前記ケースの中心軸と直角以外の角度で交差する傾斜平面とされていることを特徴とする請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記ケースの軸方向における前記開口端面の先端部と基端部との距離は、前記ケースの軸方向における前記プラグ本体への圧入長さよりも短いことを特徴とする請求項1または2に記載のパッケージ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の前記パッケージの内部に、前記電子部品として圧電振動片が収容されていることを特徴とする圧電振動子。
【請求項5】
請求項4に記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
【請求項6】
請求項4に記載の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項4に記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−108844(P2011−108844A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−262271(P2009−262271)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】