説明

パッケージラベル印字システム及びパッケージラベル印字方法

【課題】販売商品のパッケージに貼付するラベルの店舗担当者の作成の手間を軽減し、また複数の店舗における販売促進の管理を一元化することのできる、パッケージラベル印字システムを提供する。
【解決手段】パッケージラベル印字装置が、通信ネットワークを介して受付けた商品情報と広告情報とを印字媒体の所定の領域にそれぞれ印字する印字手段、を備え、管理サーバが、少なくとも印字情報として前記商品情報と前記広告情報とを記憶する印字情報記憶手段と、パッケージラベル印字装置の識別情報を記憶する印字装置識別情報記憶手段と、管理者より指定を受けた前記商品情報と前記広告情報とを、同じく管理者より指定を受けたパッケージラベル印字装置の識別情報に基づいて、当該識別情報で示されるパッケージラベル印字装置へ送信する印字情報送信手段と、を備える備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケットなどの店舗において、販売商品のパッケージに貼付するラベルの印字を管理する、パッケージラベル印字システム及びパッケージラベル印字方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、スーパーマーケットなどの店舗では、販売商品のパッケージ(例えばサラダや鮨などの調理品のパッケージ)に値段などのラベルを貼付して販売している。このラベルは通常、店舗の店員がパッケージに貼付を行なっている。また店舗が各地に散在しているような規模の大きいスーパーマーケットでは、時間帯に応じて価格を安く設定したラベルの貼付などを、例えば各店舗の店員が判断して行なっている。なお、ラベルを印字する技術について特許文献1が公開されている。
【特許文献1】特開2000−47841号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、販売商品のパッケージにラベルを貼付する際の問題として、(1)規模の大きいスーパーマーケットでは各店舗の担当者ごとにラベルの貼り替えを行っているので、各店舗の統一的な販促効果を狙ったラベルの貼り替えなどが難しい、(2)パッケージラベルに貼付するラベルが複数ある場合には、そのラベル作成の作業が複数発生し面倒であった、(3)複数のラベルを貼付する場合において、貼るべき全てのラベルの貼り付ける作業が完了せずに店頭に出してしまうミスがあった、(4)本部からの指示を受けてからラベル作成完了までに時間がかかっていた、などの問題があり、これらの問題点を解決必要があった。
【0004】
そこでこの発明は、販売商品のパッケージに貼付するラベル作成の手間を軽減し、また複数の店舗における販売促進の管理に自由度を持ち、当該販売促進の管理を臨機応変に対応することのできる、パッケージラベル印字システム及びパッケージラベル印字方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、パッケージラベル印字装置と管理サーバとが通信ネットワークを介して接続されたパッケージラベル印字システムであって、パッケージラベル印字装置が、通信ネットワークを介して受付けた販売情報と広告情報とを印字媒体の所定の領域にそれぞれ印字する印字手段、を備え、管理サーバが、少なくとも印字情報として前記販売情報と前記広告情報とを記憶する記憶手段と、前記パッケージラベル印字装置の識別情報を記憶する印字装置識別情報記憶手段と、管理者より指定を受けた前記販売情報と前記広告情報とを、同じく管理者より指定を受けたパッケージラベル印字装置の識別情報に基づいて、当該識別情報で示されるパッケージラベル印字装置へ送信する印字情報送信手段と、を備えることを特徴とするパッケージラベル印字システムである。
【0006】
また本発明は、前記管理サーバが、指定を受けた印字情報の送信時刻と前記パッケージラベル印字装置の識別情報とを対応付けて記憶する設定情報記憶手段と、時刻をカウントする時刻カウント手段と、をさらに備え、前記印字情報送信手段が、前記時刻が前記送信時刻となった際に、前記設定情報記憶手段で記憶するパッケージラベル印字装置の識別情報で示されるパッケージラベル印字装置へ、前記印字情報記憶手段に記録されている前記印字情報を送信することを特徴とする。
【0007】
また本発明は、パッケージラベル印字装置と管理サーバとが通信ネットワークを介して接続されたパッケージラベル印字システムにおけるパッケージラベル印字方法であって、パッケージラベル印字装置が、通信ネットワークを介して受付けた販売情報と広告情報とを印字媒体の所定の領域にそれぞれ印字し、管理サーバが、少なくとも印字情報として前記販売情報と前記広告情報とを記憶し、前記パッケージラベル印字装置の識別情報を記憶し、管理者より指定を受けた前記販売情報と前記広告情報とを、同じく管理者より指定を受けたパッケージラベル印字装置の識別情報に基づいて、当該識別情報で示されるパッケージラベル印字装置へ送信することを特徴とするパッケージラベル印字方法である。
【0008】
また本発明は、前記管理サーバが、指定を受けた印字情報の送信時刻と前記パッケージラベル印字装置の識別情報とを対応付けて記憶し、時刻をカウントし、前記時刻が前記送信時刻となった際に、前記設定情報記憶手段で記憶するパッケージラベル印字装置の識別情報で示されるパッケージラベル印字装置へ、前記印字情報記憶手段に記録されている前記印字情報を送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、規模の大きいスーパーマーケットにおいて、管理者の登録により一斉に広告情報などを表示したパッケージラベルを印刷制御することができるので、各店舗の担当者の対応にばらつきがなくなり、各店舗において販促効果を同時あげることができる。また1つのパッケージラベルの各領域に複数の情報が表示されるので、ラベル作成作業を軽減することができ、これにより業務効率を上げることができる。また1つのパッケージラベルとなるので、本部より指示のあった情報の商品への貼り忘れなどが軽減される。また管理サーバ1で印字処理を集中管理することができるので、各店舗の担当者がラベルを作成完了するまでの時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態によるパッケージラベル印字システムを図面を参照して説明する。図1は同実施形態によるパッケージラベル印字システムの構成を示すブロック図である。この図において、符号1は管理サーバであり、複数の店舗を有するスーパーマーケットの本部などに設置されている。また2はパッケージラベル印字装置であり、管理サーバ1から受け付けた印字情報を印字する処理を行なう。パッケージラベル印字装置2は各店舗に設置されている。そして管理サーバ1とパッケージラベル印字装置2とは通信ネットワークを介して接続されている。またパッケージラベル印字装置2はプリンタ処理部3を備えている。なお図においてはプリンタ処理部3が装置本体と分離している様子を示しているが、これらは一体型の装置であってもよい。またパッケージラベル印字装置2は、各店舗に複数設置されていてもよい。
【0011】
図2は管理サーバとパッケージラベル印字装置の機能ブロック図である。
図2に示すように管理サーバ1は、パッケージラベル印字装置1と情報を送受信する通信処理部と、管理サーバ1の各処理部を制御する制御部12と、印字情報をパッケージラベル印字装置2へ送信する印字情報送信処理部13と、各種データを記憶するデータベース14とを備えている。また管理サーバ1は時刻をカウントするカウンタ15を備えている。
【0012】
また図2に示すようにパッケージラベル印字装置2は、管理サーバ1との間における情報の送受信を処理する通信処理部と、パッケージラベル印字装置2の各処理部を制御する制御部22と、パッケージラベルを印字する印字処理部23と、各種データを記憶する記憶部24とを備えている。
【0013】
そして、管理者の指示や設定されたプログラムの実行を契機に、管理サーバ1が印字情報を各店舗に設置されたパッケージラベル印字装置2に一斉に送信し、各店舗のパッケージラベル印字装置2が印字情報に含まれる、値段、店舗名、商品名、広告情報などを、ラベルの所定の領域にそれぞれ印字する処理を行ない、これにより、販売商品のパッケージに貼付するラベルの店舗担当者の作成の手間を軽減し、また複数の店舗における販売促進の管理を一元化する。
【0014】
図3はパッケージラベル印字システムの処理フローを示す図である。
次に図3を参照し、本実施形態におけるパッケージラベル印字システムの処理フローについて説明する。
まず、管理者は管理サーバ1に、印字情報として、商品情報と広告情報、つまり商品情報として商品名、値段、店舗名、生産地情報などと、その商品に貼付する広告情報を登録する(ステップS1)。また印字情報には、商品名、値段、店舗名、生産地情報や広告情報をラベルのどの位置に印字するかを示す印字位置(ラベル上の座標など)が管理者の設定により登録される(ステップS2)。そして、印字情報は対応付けられてデータベース14の保持する印字情報テーブルに記録される。また送信先として各パッケージラベル印字装置のIPアドレスがデータベース14の保持する送信先テーブルに記録されている。なおこれらの印字情報は何らかの条件があった場合に、管理者が登録するようにしてもよい。例えば気温の低い冬の日であれば、鍋料理の食材の値下げをする為の印字情報などを登録する。
【0015】
このような状況において、管理者は、ある商品の値段変更時において、管理サーバ1に登録した印字情報の送信を指示する。印字情報送信処理部13は印字情報の送信指示を受付けると(ステップS3)、印字情報テーブルに記録されている印字情報と、送信先テーブルに記録されている各店舗に設置のパッケージラベル印字装置2のIPアドレスとを読み取る。そして印字情報送信処理部13は、各IPアドレス宛に印字情報を一斉送信する(ステップS4)。
【0016】
なお、管理者が送信時刻を設定し、カウンタ15で刻む時刻が送信時刻に達した場合に、印字情報送信処理部13が印字情報を一斉に自動送信するように、送信時刻を登録しておくようにしてもよい。
【0017】
パッケージラベル印字装置2は、印字情報を受信すると当該印字情報から商品名、値段、店舗名、生産地情報、広告情報などの印字する情報と、各情報の印字位置を読み取る。そして、それら読み取った情報をプリンタ処理部3に出力する(ステップS5)。プリンタ処理部3では、商品名、値段、店舗名、生産地情報、広告情報などの印字する情報を、それぞれの印字位置に基づいてラベルに印刷して出力する(ステップS6)。これにより管理担当者が登録した印字情報が、一斉に各店舗に配信されて、店舗の担当者の労力を掛けずにラベルの作成をすることができる。なお、印字情報には印字枚数などの、他の情報が含まれてもよい。
【0018】
図4は、パッケージラベルのイメージ図である。
この図4において(a)は印字情報の印字前のラベル、また(b)は印字情報の印字後のラベルである。印字処理部23の処理により、図4で示すように印字情報の商品名、値段、店舗名、生産地情報、広告情報ごとに別々の印字領域に印字される。
【0019】
以上の処理により、規模の大きいスーパーマーケットにおいて、管理者の登録により一斉に広告情報などを表示したパッケージラベルを印刷制御することができるので、各店舗の担当者の対応にばらつきがなくなり、各店舗において販促効果を同時あげることができる。また1つのパッケージラベルの各領域に複数の情報が表示されるので、ラベル作成作業を軽減することができ、これにより業務効率を上げることができる。また1つのパッケージラベルとなるので、本部より指示のあった情報の商品への貼り忘れなどが軽減される。また管理サーバ1で印字処理を集中管理することができるので、各店舗の担当者がラベルを作成完了するまでの時間を短縮することができる。
【0020】
なお上述の管理サーバ、パッケージラベル印字装置はそれぞれ内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0021】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0022】
本発明のパッケージラベル印字システムのパッケージラベルとしては、従来のラベルを使用することができる。具体的には基材が紙、合成紙、OPPやPETなどのフィルムに感熱発色剤が塗工された感熱発色ラベルや、前記基材からなるインクジェット方式または転写方式のプリンターに使用可能なラベルが挙げられる。
感熱発色方式によるラベルを使用する場合、例えば、特開2004−189297号公報に開示されている印字フィルムが利用できる。上記印字フィルムは、熱融着可能である基材の一方の表面に、感熱発色部、及び該基材と該感熱発色部とから剥離可能であり、厚さ0.1〜10.0μmの剥離可能部を設けてなることを特徴としている。または、上記ラベルは、基材の一方の表面に、感熱発色部、離型部、及び該基材と該感熱発色部とから剥離可能であり、厚さ0.1〜10.0μmの剥離可能部を設けてなると共に、該基材の他方の表面に粘着部を設けてなることを特徴とする様なものであってもよい。これにより、上記ラベルは、多くの商品情報や図柄等を表示することができ、また、貼付したラベルを容易に剥がすことができる。さらに、一旦剥がしたラベルは再び貼付することができないため、改ざんしたラベルを再び貼付する等の悪戯を完全に防止することができると共に、包装フィルム等とラベルの分別回収において、従来必要であった煩雑な作業を解消することができる。
本発明では、それぞれの印字方式に適応したラベルプリンターを用いることができる。
ラベルプリンターで印字されるラベルは表示する内容や包装体におけるラベル貼付デザイン等により、1枚あるいは複数枚が利用でき、それぞれ所定の位置に貼付することによって、情報の表示を行うことができる。
本発明のパッケージラベル印字システムを利用することで、さまざまな情報提供や販売促進策を一元化管理した包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】パッケージラベル印字システムの構成を示すブロック図である。
【図2】管理サーバとパッケージラベル印字装置の機能ブロック図である。
【図3】パッケージラベル印字システムの処理フローを示す図である。
【図4】パッケージラベルのイメージ図である。
【符号の説明】
【0024】
1・・・管理サーバ
2・・・パッケージラベル印字装置
3・・・プリンタ処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージラベル印字装置と管理サーバとが通信ネットワークを介して接続されたパッケージラベル印字システムであって、
パッケージラベル印字装置が、
通信ネットワークを介して受付けた販売情報と広告情報とを印字媒体の所定の領域にそれぞれ印字する印字手段、を備え、
管理サーバが、
少なくとも印字情報として前記販売情報と前記広告情報とを記憶する印字情報記憶手段と、
前記パッケージラベル印字装置の識別情報を記憶する印字装置識別情報記憶手段と、
管理者より指定を受けた前記販売情報と前記広告情報とを、同じく管理者より指定を受けたパッケージラベル印字装置の識別情報に基づいて、当該識別情報で示されるパッケージラベル印字装置へ送信する印字情報送信手段と、を備える
ことを特徴とするパッケージラベル印字システム。
【請求項2】
前記管理サーバが、
指定を受けた印字情報の送信時刻と前記パッケージラベル印字装置の識別情報とを対応付けて記憶する設定情報記憶手段と、
時刻をカウントする時刻カウント手段と、をさらに備え、
前記印字情報送信手段が、前記時刻が前記送信時刻となった際に、前記設定情報記憶手段で記憶するパッケージラベル印字装置の識別情報で示されるパッケージラベル印字装置へ、前記印字情報記憶手段に記録されている前記印字情報を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージラベル印字システム。
【請求項3】
パッケージラベル印字装置と管理サーバとが通信ネットワークを介して接続されたパッケージラベル印字システムにおけるパッケージラベル印字方法であって、
パッケージラベル印字装置が、
通信ネットワークを介して受付けた販売情報と広告情報とを印字媒体の所定の領域にそれぞれ印字し、
管理サーバが、
少なくとも印字情報として前記販売情報と前記広告情報とを記憶し、
前記パッケージラベル印字装置の識別情報を記憶し、
管理者より指定を受けた前記販売情報と前記広告情報とを、同じく管理者より指定を受けたパッケージラベル印字装置の識別情報に基づいて、当該識別情報で示されるパッケージラベル印字装置へ送信する
ことを特徴とするパッケージラベル印字方法。
【請求項4】
前記管理サーバが、
指定を受けた印字情報の送信時刻と前記パッケージラベル印字装置の識別情報とを対応付けて記憶し、
時刻をカウントし、
前記時刻が前記送信時刻となった際に、前記設定情報記憶手段で記憶するパッケージラベル印字装置の識別情報で示されるパッケージラベル印字装置へ、前記印字情報記憶手段に記録されている前記印字情報を送信する
ことを特徴とする請求項3に記載のパッケージラベル印字方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−133719(P2007−133719A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−327093(P2005−327093)
【出願日】平成17年11月11日(2005.11.11)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】