説明

パッケージ及びパッケージを製造する方法

【課題】封止を破り製品の包みを解くように容易に開封することができるパッケージを提供すること。
【解決手段】面の辺縁が封止されており未開封状態では不透過性である封鎖部を有する、特にプラスチックフィルムから作られたパッケージ(包装体)であって、その包装体の封鎖部2の上かつ封止線2aより上側にある対向した面のそれぞれが少なくとも1つのフラップ3a、3bを有し、好ましくは、これらのフラップは互いに平行に並ぶ位置にあるか又は互いにずれた位置関係にある、パッケージ(包装体)。本発明はまた、フラップの代わりに少なくとも1つのノッチを有するパッケージ(包装体)と、そのような包装体を製造する方法とを包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、面が辺縁で封止されており、未開封状態では不透過性である封鎖部を有する、特にプラスチックフィルムから作られたパッケージ(包装体)、及び、そのパッケージを製造する方法である。
【背景技術】
【0002】
「フローパック」とか「フローラップ」とか「ピローパック」として定義される密封包装が知られている。このタイプのパッケージの製造は、帯状の包装材料を包装装置内に配置し、次いで包装装置が自動的に製品を包装材料で包み、さらに包装装置が包装材料を当該製品の正確な寸法に合わせて裁断するようにすることを含む。この包装体は、製品上で直接封止される。包装体の封止は、適切な接着剤を用いて熱間又は冷間のいずれかで行われる。冷間封止(コールドシール)は、発熱体の使用を必要としないという利点を有し、しかも加熱して封止するよりも時間がかからない。このような包装体は、種々の製品の包装に用いられるが、特に食品産業において一般的であり、とりわけチョコレートを包むのに使用される。これらの包装体には、再封鎖が可能な接着剤の層を設けることができ、そうすれば、消費者が未だ完全に消費していない製品を、それが傷んだり汚染されたりしないように保護することができることから、食料品の場合には特に有利である。
【0003】
欧州特許第1288139号は、チョコレートの包装に特に有用な、封止された辺縁を有するパッケージを記載し、またその製造方法も記載している。この方法は、適切にカットされた包装材料の裁断片で、包装される製品の周りを包むことと、その後この包装体の辺縁を封止することとを含むが、これらの辺縁の幾つかには接着剤が付けられていないため、包装体の容易な開封が可能になっている。
【0004】
また、国際公開第2010/084336号は、縁が開封用に設計され不均一な幅を有することにより、開封が容易なパッケージを記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第1288139号
【特許文献2】国際公開第2010/084336号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
技術水準において知られている包装体は、封止された包装体の開封の問題を満足に解決していない。消費者は、封止を破り製品の包みを解くためにかなりの努力を強いられている。予想外にも、この問題を非常に単純な方法で解決することができることがわかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、面の辺縁が封止されており未開封状態では不透過性である封鎖部を有する、特にプラスチックフィルムから作られたパッケージ(包装体)は、その包装体の封鎖部より上かつ封止線より上にある対向した面のそれぞれが少なくとも1つのフラップを有し、好ましくは、これらのフラップは互いに平行に並ぶ位置にあるか又は互いにずれた位置関係にあることを特徴とする。フラップを封鎖部の上側全長にわたって設けることもできる。パッケージの封鎖部の線に沿った両面の内側は、好ましくは再封鎖が可能な接着剤で覆われており、この接着剤によって包装体を繰り返し開封及び封鎖することが可能になる。
【0008】
本発明はまた、面の辺縁が封止されており未開封状態では不透過性である封鎖部を有する、特にプラスチックフィルムから作られたパッケージ(包装体)であって、その包装体の対向した面の少なくとも一方が、封鎖部の縁に好ましくはU字型の少なくとも1つのノッチを有し、ノッチが封止線より上側にあることを特徴とするパッケージ(包装体)を包含する。ノッチを封鎖部の全長にわたって設けることもできる。包装体の封鎖部の線に沿った面の内側は、好ましくは再封鎖が可能な接着剤で覆われており、この接着剤によって包装体を繰り返し開封及び封鎖することが可能になる。
【0009】
特にプラスチックフィルムで作られた、上記に記載のパッケージ(包装体)の製造方法も本発明の主題であり、その方法は、適切な印刷デザイン及び冷間封止用の接着剤の層を有する帯状の包装材料を製造することと、この帯状材料を特定の製品タイプの正確なサイズに合わせて裁断することと、次いで、そのような1つ又は複数の帯状材料を、製品の周りで包装体に成形して封止するための装置又はシステム内に配置することを含み、この方法は、帯状の包装材料が、特定の製品タイプの正確なサイズに合わせて裁断されている間又は裁断された後に、包装体の封鎖部の縁を構成する縁部に回転ナイフ若しくはレーザーで形成されたフラップ又はノッチを有し、そのように裁断された材料を、製品の上に包装体を形成するように成形して封止することを特徴とする。
【0010】
好ましくは、帯状の包装材料が特定の製品タイプの正確なサイズに合わせて裁断されている間又は裁断された後に、回転ナイフ若しくはレーザーによる切断で、包装体の封鎖部の縁を構成する縁部にフラップ又はノッチを形成し、その包装材料を、包装体を製品の上に成形して封止する包装システム又は装置内に配置する。
【0011】
あるいは、帯状の包装材料が特定の製品タイプの正確なサイズに合わせて裁断された後に、それを包装システム又は装置内に配置し、このとき、包装材料がロールから解かれた後であって包装体に成形される前に、回転ナイフ若しくはレーザーによる切断で、包装体の封鎖部の縁を構成する縁部に沿ってフラップ又はノッチを形成し、その後、製品の上に包装体を成形して封止する。
【0012】
本発明によるパッケージ(包装体)は「フローラップ」タイプのパッケージを成形するのに用いられるプラスチックフィルムが適切な形状の縁部を有することを特徴とする。これらの縁部には(例えばレーザーによる)切り取り又は燃焼によって適切な人間工学的形状が与えられ、これらの縁部は、包装体の成形後、すなわち(冷間封止タイプの)接着剤で覆われているエリアの貼り合わせ後に、後部封止の縁を形成する。ノッチの形状は、成形された包装体の(後部封止の上で)合わさったプラスチックフィルムの容易な分離を可能にする。繰り返し開封/封鎖(冷間封止の再封鎖)をするための接着剤の同時塗布によって、包装体には容易な開封及び封鎖の機能が与えられる。
【0013】
本発明はまた、フラップ又は辺縁を備えたフローラップタイプの包装体の製造方法も包含する。この方法の本質は、包装体の製造前に包装材料を好適な形状にすることであり、これにより製造プロセス全体を適切な速度及び効率で実行することが可能になる。包装材料を、その製造直後であって包装システム内に配置する前に、適切な形状に裁断することができる。包装材料が包装システム内に配置された後でその縁を切り取ることも可能であり、この場合、製品を包む動作を開始する前に包装材料の縁が適切に切り取られる。しかしながら、この方法のさまざまな変法のいずれが適用されても、それにより製造された包装体は、消費者が容易に開封することが可能になるように好適な形状にされた封鎖部の縁を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】2つのフラップを有する包装体を示す図であり、包装体の封鎖部が長い方の辺縁上に位置している。
【図2】封鎖部の全長に沿ったフラップを有する包装体を示す図であり、包装体の封鎖部が長い方の辺縁上に位置している。
【図3】2つのフラップを有する包装体を示す図であり、包装体の封鎖部が短い方の辺縁の一方の上にある。
【図4】辺縁の側面にノッチを有する包装体を示す図であり、包装体の封鎖部が長い方の辺縁上にある。
【図5】辺縁の側面にノッチを有する包装体を示す図であり、包装体の封鎖部が短い方の辺縁上にある。
【図6】フラップを有する包装体の製造のモデルを示す図である。
【図7】ノッチを有する包装体の製造のモデルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を以下製造例で示す。示される実施例は、本発明の保護範囲を狭めるように解釈してはならない。
【実施例1】
【0016】
図1に示される包装体を包装材料の1枚のシートから製造し、その面を辺縁1a、1b及び1cにおいて封止した。2つのフラップ3a及び3bを、封鎖部2の上かつ封止線2aより上側に、互いにずれた位置関係で形成した。
【実施例2】
【0017】
図2に示される包装体を包装材料の1枚のシートから製造し、その面を辺縁1a、1b及び1cにおいて封止した。複数のフラップ3a及び3bを、封鎖部2の上かつ封止線2aより上側に、封鎖部の全長に沿って設けた。
【実施例3】
【0018】
図3に示される包装体を包装材料の1枚のシートから製造し、その面を辺縁1a、1b及び1cにおいて封止した。2つのフラップ3a及び3bを、封鎖部2の上かつ封止線2aより上側に、互いにずれた位置関係で形成した。
【実施例4】
【0019】
図4に示される包装体を包装材料の1枚のシートから製造し、その面を辺縁1a、1b及び1cにおいて封止した。1つの「U字」型ノッチ4が、封鎖部2の上、封止線2aより上側で切り取られている。
【実施例5】
【0020】
図5に示される包装体を包装材料の1枚のシートから製造し、その面を辺縁1a、1b及び1cにおいて封止した。1つの「U字」型ノッチ4が、封鎖部2の上、封止線2aより上側で切り取られている。
【実施例6】
【0021】
図6は包装体製造のモデルを示す。包装材料のロール5を解き、デバイス6を用いて、包装される製品のサイズを反映する複数のより小さいロールに裁断する。裁断中に、包装材料の縁に適切な形状のフラップ3a及び3bを与える。このように裁断した包装材料を次いで包装システム内に配置し、そこで、包装体を製品の上に成形し、包装体の辺縁を封止する。仕上がった包装体は、封鎖部の容易な分離と包装体の容易な開封とを可能にするフラップを有する。
【実施例7】
【0022】
図7は包装体製造のモデルを示す。包まれる製品の正確なサイズに合わせて裁断された包装材料のロール7を包装システム内に配置する。ロールから解かれた包装材料は切り取り機構8内に向かい、切り取り機構は材料の縁の適切な場所にノッチ4を切り取り、その後、包装材料は包装モジュール9内を通過し、包装モジュール9において、包装される製品10の周りに成形し、包装体の辺縁を封止する。仕上がった包装体は複数の面の1つの縁にノッチを有し、このノッチが封鎖部の分離と包装体の開封とを容易にする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面の辺縁が封止されており未開封状態では不透過性である封鎖部を有する、特にプラスチックフィルムから作られたパッケージ(包装体)であって、該包装体の該封鎖部(2)の上かつ封止線(2a)より上側にある対向した面のそれぞれが少なくとも1つのフラップ(3a、3b)を有し、好ましくは、これらのフラップは平行に並ぶ位置にあるか又は互いにずれた位置関係にある、パッケージ。
【請求項2】
フラップ(3a、3b)が前記封鎖部の上の全長にわたって設けられている、請求項1に記載のパッケージ(包装体)。
【請求項3】
前記封鎖部の線に沿った両面の内側が再封鎖可能な接着剤で覆われている、請求項1又は2に記載のパッケージ(包装体)。
【請求項4】
面の辺縁が封止されており未開封状態では不透過性である封鎖部を有する、特にプラスチックフィルムから作られたパッケージ(包装体)であって、該包装体の対向した面の少なくとも一方が、該封鎖部(2)の縁に好ましくはU字型である少なくとも1つのノッチ(4)を有し、このノッチは封止線(2a)より上側にある、パッケージ。
【請求項5】
ノッチが前記封鎖部の全長にわたって設けられている、請求項4に記載のパッケージ(包装体)。
【請求項6】
前記封鎖部の線に沿った両面の内側が再封鎖可能な接着剤で覆われている、請求項4又は5に記載のパッケージ(包装体)。
【請求項7】
特にプラスチックフィルムから作られた、請求項1〜6のいずれか1項に記載のパッケージ(包装体)の製造方法であって、適切な印刷デザイン及び冷間封止用の接着剤の層を有する帯状の包装材料を製造することと、この帯状材料を特定の製品タイプの正確なサイズに合わせて裁断することと、次いで、そのような1つ又は複数の帯状材料を、製品の周りで包装体に成形して封止する装置又はシステム内に配置することを含み、該帯状の包装材料(5)が、前記特定の製品タイプの正確なサイズに合わせて裁断されている間又は裁断された後に、包装体の封鎖部の縁を構成する縁部に回転ナイフ若しくはレーザーで形成されたフラップ(3a、3b)又はノッチ(4)を有し、そのように裁断された材料を、前記製品の上に包装体を形成するように成形して封止する、パッケージ(包装体)の製造方法。
【請求項8】
帯状の包装材料が特定の製品タイプの正確なサイズに合わせて裁断されている間又は裁断された後に、回転ナイフ若しくはレーザーによる切断で、包装体の封鎖部の縁を構成する縁部にフラップ(3a、3b)又はノッチ(4)を形成し、その包装材料を、包装体を製品の上に成形して封止する包装システム又は装置内に配置する、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
帯状の包装材料が特定の製品タイプの正確なサイズに合わせて裁断された後に、それを包装システム又は装置内に配置し、このとき、包装材料がロールから解かれた後であって包装体に成形される前に、回転ナイフ若しくはレーザーによる切断で、包装体の封鎖部の縁を構成する縁部に沿ってフラップ(3a、3b)又はノッチ(4)を形成し、その後、製品の上に包装体を成形して封止する、請求項7に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−103766(P2013−103766A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−247571(P2012−247571)
【出願日】平成24年11月9日(2012.11.9)
【出願人】(512291145)
【出願人】(307013857)株式会社ロッテ (101)
【Fターム(参考)】