説明

パッケージ式発電装置における吸音システム

【課題】これ等の防音壁等の防音設備は膨大な費用や広いスペースが必要であり、又、特に、騒音規制の厳しい住宅地等においては設置できないことが頻繁に発生している。
【解決手段】本考案は、側方及び上方をパッケージで囲まれたパッケージ式発電装置において、パッケージ1に開口させた吸気口又は排気口を除くパッケージ1の外側に液体を充填した一層の袋体2又は多層の厚みの異なる袋体2を任意に展設させたものである。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、パッケージ式発電装置における吸音システムに関するものであり、更に詳細には、パッケージ式発電装置の運転中に発生する騒音を吸音させて減音するパッケージ式発電装置における吸音システムに関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、エンジン発電装置等のパッケージ式発電装置は、騒音が激しく、騒音の軽減の為に防音壁等の防音設備を設けている実情である。
【0003】
【解決しようとする課題】
然し乍ら、これ等の防音壁等の防音設備は膨大な費用や広いスペースが必要であり、又、特に、騒音規制の厳しい住宅地等においては設置できないことが頻繁に発生している。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前述の課題に鑑み、鋭意研鑽の結果、側方及び上方をパッケージで囲まれたパッケージ式発電装置において、パッケージに開口させた吸気口又は排気口を除くパッケージの外側に液体を充填した一層の袋体又は多層の厚みの異なる袋体を任意に展設させたものである。
【0005】
【発明の作用】
本発明は、パッケージ式発電装置のパッケージの外側に液体を充填した多数の袋体を展設したため、パッケージ式発電装置から発生する騒音の振動を液体に吸音させることによって減音することができ、更に、一層の袋体又は多層の厚みの異なる袋体を任意に展設させたために、安定した減音を実現できると共に、様々なパッケージの形状の外側にもフィットさせることを可能とするものである。
【0006】
本発明の目的は、簡易なシステムでパッケージ式発電装置の減音を可能とするために、防音壁等の防音装置を不要とし、膨大な費用とスペースを不要とするパッケージ式発電装置における吸音システムを提供するものである。
【0007】
【発明の実施例】
以下、本発明のパッケージ式発電装置における吸音システムの実施例を図面を用いて詳細に説明する。
【0008】
図1は本発明のパッケージ式発電装置における吸音システムの実施例の概要を説明するための概要説明図であり、図2は本発明のパッケージ式発電装置における吸音システムの袋体の説明図であり、図3は本発明のパッケージ式発電装置における吸音システムの袋体の実施例の説明図であり、図4は本発明のパッケージ式発電装置における吸音システムの厚みの異なる袋体を組合せた実施例の説明図である。
【0009】
本発明は、パッケージ式発電装置における吸音システムに関するものであり、更に詳細には、パッケージ式発電装置の運転中に発生する騒音の振動を吸音させることによって減音させるパッケージ式発電装置における吸音システムに関するものであり、側方及び上方をパッケージ1で囲まれたパッケージ式発電装置において、前記パッケージ1に開口させた吸気口1a又は排気口1bを除くパッケージの外側に液体を充填した一層の袋体2又は多層の厚みの異なる袋体2を任意に展設させたものである。
【0010】
即ち、本発明のパッケージ式発電装置における吸音システムのパッケージ式発電装置は、周知の如く、商用電源の得られない僻地、工事現場、或いは、停電時の非常用等に用いられるものであり、エンジンと発電機とはシャフトで接続されており、エンジンを起動させることで発電機で発電するものである。
【0011】
そして、エンジンは通常ディーゼルエンジンを用いており、起動の為にバッテリーに電気的に接続された起動用モータ等を装備しており、更には、運転中のエンジンの加熱を押さえるための冷却水を循環させる水冷用のラジェーター、さらに、該ラジェーターを強制冷却させるためのファンを備えているものである。
【0012】
この様なエンジン及び発電機、ファン等を高速で回転させるために激しい騒音を伴うものであり、更には、これ等の発電装置を覆い遮音するためにパッケージ1内に収納されているものであるが、該パッケージ1には吸気、排気の為に吸気口1aと排気口1bを開口させているものである。
【0013】
通常、吸気口1a、排気口1bには通気を可能とした従来から使用されている吸気口用消音装置、排気口用消音装置を本発明の吸音システムと併せて使用することは妨げないものである。
【0014】
そして、後述する袋体2に充填する液体は水を主としたものであり、水に不凍液を混和させて粘性を向上させても良く、粘性が高い程吸音効果は上昇するものである。
【0015】
次いで、袋体2は図2に図示する如く、織布、不織布等に不通水性のゴム、合成樹脂、アルミ箔等を積層させているものであり、不通水性と可撓性を有した構造のものであれば構わないものである。
【0016】
更に、輸送のコストを押さえるために、袋体2には現地で液体を充填できるように開閉可能な給水用キャップ2aを設けているものである。
【0017】
そして、袋体2には液体を充填した状態で、例えば、厚みが25mm、50mm、75mm、100mmと成るようにしているものであり、騒音の発生部位と形状等の諸条件に合致する厚みの袋体2をパッケージ1の外側に展設しているものである。
【0018】
つまり、袋体2に充填する液体を水とした場合、水の質量と水の粘性とより、騒音である振動を吸収させることでパッケージ発電機のパッケージの各方角から発生する激しい騒音を減音するものであり、袋体2の厚みを100mm程度にすることが減音効果が得られるものである場合、パッケージ1の複雑な形状部分にフィットするように、例えば、袋体2の厚みを25mm、50mm、75mm、100mmとし、図3に図示する如く、50mmを2つ積層することで100mmと成るもの、或いは、図4に図示する如く、25mmと75mmの袋体を積層することで100mmと成り、更には、積層する袋体2をずらせて展設することにより夫々の袋体2の継ぎ目から洩れる騒音も吸音することが可能なものである。
【0019】
【発明の効果】
本発明は前述の構成により、パッケージの外側に複数の袋体を展設する簡易なシステムで、パッケージ発電機から発生する激しい騒音を減音することを可能としたものであり、規制の厳しい住宅地等でも防音壁等の防音装置を必要とせず設置できるもので極めて有意義な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のパッケージ式発電装置における吸音システムの実施例の概要を説明するための概要説明図である。
【図2】図2は本発明のパッケージ式発電装置における吸音システムの袋体の説明図である。
【図3】図3は本発明のパッケージ式発電装置における吸音システムの袋体の実施例の説明図である。
【図4】図4は本発明のパッケージ式発電装置における吸音システムの厚みの異なる袋体を組合せた実施例の説明図である。
【符号の説明】
1 パッケージ
1a 吸気口
1b 排気口
2 袋体
2a 給水用キャップ

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】側方及び上方をパッケージで囲まれたパッケージ式発電装置において、前記パッケージに開口させた吸気口又は排気口を除くパッケージの外側に液体を充填した一層の袋体又は多層の厚みの異なる袋体を任意に展設させたことを特徴とするパッケージ式発電装置における吸音システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【登録番号】実用新案登録第3085512号(U3085512)
【登録日】平成14年2月13日(2002.2.13)
【発行日】平成14年5月10日(2002.5.10)
【考案の名称】パッケージ式発電装置における吸音システム
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2001−7667(U2001−7667)
【出願日】平成13年10月22日(2001.10.22)
【出願人】(592031318)富士電機工事株式会社 (7)