説明

パッケージ

【課題】本発明は、物質あるいは物質の混合物、特に、食品や医薬品のような傷みやすい製品のためのパッケージに関するものである。本発明の目的は、パッケージを破壊することなくそれらの物質やその混合物の状態を調べることを可能にする手段を供給することである。
【解決手段】本発明の目的のために、本発明のパッケージングは感光性膜またはフィルムの形状で実施された、あるいはそのような特性を表す感光性要素を備えている。結果として、固有の層厚さ変化、散乱光変化、光学的屈折率およびスペクトル変化が用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物質または物質の混合物、特に食品や薬のような傷みやすいもののためのパッケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
パッケージを破壊することなしにパッケージの中身を調べることの可能性を拡げることを目的としている。例えば、それらがまだ消費され得るか、
状態が悪化し有機物の損傷が生じる結果となり得るかどうかに関して、パッケージに含まれた食品を調べることの可能性が提供されるべきである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これまでは、有効期限をパッケージに表示し、内容物のサンプルをパッケージの中からある箇所で取り出し、それらを続く外部分析にかけることが慣習となっている。ここで示された場合では、パッケージを開けるか少なくともサンプリング後に完全には閉ざすことのできない小さな隙間を作ることが必要である。
【0004】
従って、本発明の課題は、パッケージ内に含まれている物質あるいは物質の混合物の状態を、パッケージを壊すことなしに調べることの可能性を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明によれば、光学的可読感光性要素がパッケージ内に含まれている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
<実施例>
ここで用いられる感光性要素は、感光性膜または層単独で、あるいは感光性要素に付加した膜または層のようなものでよい。
【0007】
このように、そのような膜または層は、パッケージ内の対応する物理および/または化学的状態の変化を通したUV、VIS、NIR、IRにおけるスペクトル特性と同様に、その層厚さ、屈折率、散乱光特性を変化させることができるが、また、時間に依存して、その後に特有の状態の測定として特有の変化が用いられ得る。
【0008】
光学的手段によって、例えば、光学干渉法、分光法によってだけでなく表面プラズモン共鳴によって、一つまたは同時にいくつかのそのような変化が決定され得る。
【0009】
層厚さ変化は、例えば濃度に依存して起こる。このように、酸素濃度、炭化水素濃度、水素濃度、パッケージ内に含まれた水は、例えば可逆的な膨潤によって、層厚さに影響を及ぼし得る。
【0010】
しかしながら、いくつかの場合において、温度または圧力依存性変化もまた層厚さ変化を導き得る。
【0011】
一つまたはそれ以上の色素あるいは選択マーカーを含む、あるいは示す、それ自身知られている膜または層を用いることもまた可能である。そのような色素またはマーカーは、例えば冷光を発することができ、強度、相、または発光の減衰時間における状態依存性変化は、パッケージに含まれる物質または物質の混合物の状態の測定として用いられ得る。
【0012】
例えば、酸素濃度または酸素分圧に依存した酸素の影響下で、様々な度合いで特定の発光色素が発光すること、発光減衰時間挙動は変化し、その結果これは、励起発光の波長領域の光を放射する光源を用いて、同時にまたは続いて起こる放射線照射の後、外側から光学的検出器によって利用され得ること、は知られている。
【0013】
本発明はまた、パッケージ内のpH値の変化を検出するために用いられ得る。
【0014】
場合によっては例えばパッケージ中に付着させることができる透過性接着層を用いて、感光性膜または層を直接パッケージの内壁に固定または定着することは可能である。
【0015】
膜または層は、例えばフレームに固定された分離要素に定着されることもまたでき、該フレームは順にパッケージに接続され得る。
【0016】
いくつかの場合には、パッケージに含まれた適当な物質または物質の混合物とともに感光性要素をパッケージにただ単に挿入することもまた可能である。
【0017】
さらに、感光性要素は、例えば接着または溶接することによって直接パッケージの一部となり得、またはそれ自身がパッケージとなり得る。
【0018】
光学的手段による検出のために、例えば光学的に対応する波長領域における測定段階で、本発明のパッケージの少なくとも一部の領域は透過性であるか、あるいは透過性の窓を有するべきである。これは、例えばパッケージ中の欠陥または漏れのために起こった色変化が、外から容易に認識されることを許す。
【0019】
層または膜は、層または膜における好ましくない影響を避けるための光学的、機械的、または化学的保護層を備えることができる。
【0020】
そのような保護層は、可能ならば検出されるために物質に対して透過性であるべきであり、それは、例えば薄い金属層によって達成され得る。好ましくは特に銀といった貴金属からなるそのような薄い金属層は、外部からの光や湿気からの保護をもたらすが、それ相応に薄ければ、多くのガスに対してまだ十分に透過性である。
【0021】
さらに、情報は付与されることができる。それは、例えば検定データ、バッチ番号を含んでいる。
【0022】
そのような情報は、膜/層に実装された(RFI)チップによって伝達され得る。
【0023】
統合されたコンパクトな評価ユニットによって膜/層を拡張することは、信号を測定する直接的な処理手続きを許す。該評価ユニットは、エネルギーを供給されることができる、あるいは信号(測定データ、制御命令)を例えば電磁波によって転送することができる。
【0024】
アグレッシブな媒体によって、PTFEまたはPTFEベース層の保護層が膜または層に形成され得る。
【0025】
さらに、保護層は導電性材料から形成されることが有利である。例えばSiOゾル−ゲルは、ここで述べられる。
【0026】
さらに、光学的に反射性または吸収性のラッカー層から、好ましくは合成樹脂ラッカーまたはアクリルラッカーを基礎として、保護層を構成することは可能である。
【0027】
複数のそのような層を、一つをその他の上に配置することもまた可能である。
【0028】
固有の圧力、真空度、それに対応する調節可能な過剰圧力を調節することによってパッケージが閉じられるとき、感光性要素の検定は為され得る。
【0029】
組成の分かっている検定ガスの選択的な供給または検定液の供給、あるいは、検定のための温度変化を行うこともまた可能である。
【0030】
検定はまた、感光性要素がパッケージに組み込まれる前にすでに行われることができる。この目的のため、定義された測定量変化、例えば定義された圧力変化が調節されることができる外部検定モジュールを用いることは可能である。
【0031】
本発明の解決策は、パッケージに含まれた物質または物質の混合物のモニタリングを、繰り返し長時間に渡って、外からパッケージ内部へできる限り環境が影響することなしに実行するのに用いられ得る。
【0032】
増加した消費者保護が成し遂げられるように、最終的に消費者に至るまでの輸送・貯蔵の過程全体にわたって、モニタリングは実行され得る。
【0033】
パッケージからサンプルを取ることは必要でなく、対応する付加的なサンプリング要素もこの目的のために必要とされない。
【0034】
状態の検出のために、例えば特有なパッケージの透過性領域に対して外側から設置され得る、それ自身知られる、好ましくは光学的な測定技術を用いることは可能である。
【0035】
そこで、例えば可撓性の光導波管によって導かれる光の光源を有する適当な光学システムが、特有なパッケージに外側から、および、膜または層に方向付けられた光源の光に対して設置され、層上または層内に起こる光学的変化は光学的検出器へと、例えば前述した光導波管またはさらなる光導波管によって方向づけられ得る。
【0036】
励起光および/または反射あるいは放射光が光学的検出器へと方向づけられ得る測定ヘッドは、散乱光の影響が少なくとも減少されるか一定となるように形成されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光性要素を含むことを特徴とする、物質あるいは物質の混合物のためのパッケージ。
【請求項2】
感光性膜または層が前記感光性要素に存在する、あるいは前記感光性要素であることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記膜または層は、固有の層厚さ変化、散乱光変化、光学的屈折率の変化、スペクトル変化に影響を受けやすいことを特徴とする、請求項1または2に記載のパッケージ。
【請求項4】
干渉分光法、表面プラズモン共鳴、分光法によって前記層厚さ変化が測定され得ることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項5】
濃度、例えば酸素濃度、炭化水素濃度、水素濃度、HO含有量に依存して、あるいは温度または圧力に依存して、前記層厚さ変化が行われることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項6】
前記膜または層は、一つまたはそれ以上の色素または選択マーカーを含んでいることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項7】
膜または層において、表面プラズモン共鳴、分光法あるいは発光変化によって前記パッケージ内の状態の変化が検出可能であることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項8】
マーカーまたは色素が、濃度(pH、O)に依存して、あるいは温度または圧力に依存して変化しやすいことを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項9】
前記パッケージを通して前記パッケージを破損することなしに検出がなされることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項10】
前記膜または層は前記パッケージの内側へ直接適用されることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項11】
前記膜または層はパッケージ内に付着されるのに適した接着フィルムに固定されていることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項12】
前記膜または層は透過性要素上または内で前記パッケージに接続され、該透過性要素もまたフレームに定着されていることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項13】
前記感光性要素は前記パッケージ中に挿入されていることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項14】
真空または過剰圧力、ガスの供給、検定液の供給、および/または温度変化によって閉じた直後に、前記感光性の層または膜の検定がなされ得ることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項15】
パッケージ中への導入前に外部検定によって検定がなされ得ることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項16】
外部の検定モジュールが圧力変化によって検定されるのに適することを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項17】
感光性膜または層は、そこに適用された光学的、機械的および/または化学的保護層を有することを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項18】
保護層は透過性金属、誘電体、PTFEまたはPTFEベース層から形成されることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項19】
保護層は反射性および/または吸収性ラッカー層、特に合成樹脂および/またはアクリル系に基づいていることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項20】
前記パッケージは電磁波に対して透過性、または電磁波に対して透過性の窓を有することを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項21】
付加的な測定技術なしに色の変化によって、膜/層が不良あるいは漏れを示すことを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項22】
前記感光性要素は多重パラメータを検出することができることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項23】
前記多重パラメータは、濃度、圧力、湿度および温度に依存していることを特徴とする、請求項22に記載のパッケージ。
【請求項24】
感光性膜または層は、そこに付与された少なくとも一つの情報を有することを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項25】
感光性膜または層は、その中に/そこに付与された少なくとも一つの電波方式認識(RFI)チップを有することを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項26】
情報が格納されRFIにおける電磁波によって検索されることを特徴とする、請求項25に記載のパッケージ。
【請求項27】
前記情報は、検定データ、バッチ情報および識別番号を備えていることを特徴とする、請求項24/25いずれかに記載のパッケージ。
【請求項28】
前記膜/層は、そこに信号評価ユニットを有することを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項29】
データの測定、制御メッセージは電磁波によって伝達可能であること、および/またはそこでエネルギー供給がなされることを特徴とする、請求項28に記載のパッケージ。

【公表番号】特表2007−521193(P2007−521193A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543363(P2006−543363)
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【国際出願番号】PCT/DE2004/002733
【国際公開番号】WO2005/056391
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(506196959)セントロニック ゲーエムベーハー ゲゼルシャフト ファー オプティーシェ メスシステーメ (2)
【Fターム(参考)】