説明

パッケージ

【課題】製品の保持性を確保しつつ、外観品質を高めることができるパッケージを提供する。
【解決手段】背面12と左側面52と前面71と右側面41とで矩形状のパッケージ本体51を形成し、前面71より延出した下方延出部82を背面12側へ湾曲して、先端部の下方左突起102を右側面41であって背面12寄りの右係合部33に係合するとともに、下方右突起103を左側面52であって背面12寄りの左係合部54に係合する。また、前面71より延出した上方延出部81を背面12側へ湾曲し、先端部の上方左突起132を右側面41であって背面12寄りの右係合部33に係合するとともに、上方延出部81の上方右突起133を左側面52であって背面12寄りの左係合部54に係合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品を収容するパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を陳列する際には、パケージが使用されていた(例えば、特許文献1から特許文献3参照。)。
【0003】
これらのパッケージには、透明プラスチックで形成されたものが知られている。この透明プラスチック製のパケージでは、収容された製品を確認できるため、製品のディスプレイ効果が高められるように構成されている。
【0004】
このようなプラスチック製のパッケージにあっては、平板形状に戻ろうとする復元力が、紙製のパッケージと比較して強い。このため、製品の出入口を閉鎖するフラップの差込部が外れやすく、出入口が自然に開放される恐れがあった。
【0005】
これを解決する為に、前記差込部の先端部に側方へ突出する突起を設けるとともに、パッケージ本体側面に前記突起が挿入される係合穴を形成した構造が知られている(例えば、前記特許文献2及び前記特許文献3参照。)。
【0006】
この際、パッケージ本体に設けられた上方開口部を閉鎖するフラップの差込部のみに前述の係合構造を設けた場合、製品の重さによって下方開口部を閉鎖したフラップが開放され、製品が脱落する恐れがある。
【0007】
これを解消する為に、パッケージ本体の上方開口部を閉鎖するフラップと下方開口部を閉鎖するフラップとの両者に前記係合構造を設けたものが知られている(例えば、前記特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開昭59−112782公報
【特許文献2】特開2001−301741公報
【特許文献3】特開2004−067119公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、このような従来のパッケージにあっては、上方開口部を閉鎖するフラップの突起が係合する係合穴は、パッケージ本体の裏面寄りに形成されているが、下方開口部を閉鎖するフラップの突起が係合する係合穴は、パッケージ本体の前面寄りに形成されている。
【0010】
このため、陳列時において、パケージ前面から側方へ向けて前記突起が突出することとなり、見栄えの悪化を招いたいた。
【0011】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、製品の保持性を確保しつつ、外観品質を高めることができるパッケージを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために本発明の請求項1のパッケージにあっては、製品を収容するパッケージ本体が背面と、該背面の両縁より前方へ向けて延出した右側面及び左側面と、両側面を連設する前面とを備えたパッケージにおいて、前記前面に連続して上方へ延出する上方延出部と、前記前面に連続して下方へ延出する下方延出部とを設け、前記上方延出部及び前記下方延出部の先端部に側方へ突出する左突起及び右突起を設ける一方、前記パッケージ本体の前記各側面であって前記背面寄りの部位に前記左突起及び右突起が係合する左係合部及び右係合部を設けた。
【0013】
すなわち、パッケージ本体の前面には、当該前面より連続して上方へ延出する上方延出部と、下方へ延出する下方延出部とを設けられており、前記上方延出部及び前記下方延出部の先端部には、側方へ突出する左突起及び右突起が設けられている。
【0014】
このため、前記上方延出部及び前記下方延出部によって前記パッケージ本体の上部開口部及び下部開口部を閉鎖する際には、前記前面より延出した前記両延出部は、前記背面側へ延出される。
【0015】
一方、前記パッケージ本体の前記各側面には、前記上方延出部及び前記下方延出部に設けられた各突起が係合する各係合部が設けられており、各係合部は、前述した理由から前記背面寄りの部位に設定されている。
【0016】
このため、前記各突起が係合する前記各係合部が前記側面において、前面寄りに設けられた場合と比較して、前方からの外観品質が高められる。
【0017】
このとき、前記上方延出部及び前記下方延出部の各突起が、前記側面に設けられた各係合部と係合することから、上方及び下方への不用意な開放を確実に防止することができる。
【0018】
また、請求項2のパッケージにおいては、前記左側面に単一の前記左係合部を設け、前記上方延出部の前記左突起及び前記下方延出部の前記左突起の両者を前記左係合部に係合可能に構成するとともに、前記右側面に単一の前記右係合部を設け、前記上方延出部の前記右突起及び前記下方延出部の前記右突起の両者を前記右係合部に係合可能に構成した。
【0019】
すなわち、前記左側面には、単一の前記左係合部が設けられており、前記上方延出部の前記左突起及び前記下方延出部の前記左突起の両者は、前記左係合部に係合される。また、前記右側面には、単一の前記右係合部が設けられており、前記上方延出部の前記右突起及び前記下方延出部の前記右突起の両者は、前記右係合部に係合される。
【0020】
このため、前記上方延出部の前記左突起が係合する左係合部と、前記下方延出部の前記左突起が係合する左係合部とを、前記左側面にそれぞれ形成するとともに、前記上方延出部の前記右突起が係合する右係合部と、前記下方延出部の前記右突起が係合する右係合部とを、前記右側面にそれぞれ形成する場合と比較して、前記側面への前記係合部の形成数が抑えられる。
【0021】
さらに、請求項3のパッケージでは、前記前面より延出した前記上方延出部を前記背面側に湾曲した状態で当該上方延出部の前記各突起を前記各係合部に係合するとともに、前記前面より延出した前記下方延出部を前記背面側に湾曲した状態で当該下方延出部の前記各突起を前記各係合部に係合した。
【0022】
すなわち、前記前面より延出した前記上方延出部は、前記背面側へ向けて湾曲されており、この湾曲した状態で当該上方延出部の前記各突起が前記各係合部に係合される。また、前記前面より延出した前記下方延出部は、前記背面側へ向けて湾曲されており、この湾曲した状態で当該下方延出部の前記各突起が前記各係合部に係合される。
【0023】
これにより、製品を収容した前記パッケージ本体は、上蓋を構成する前記上方延出部及び下蓋を構成する前記下方延出部が湾曲されており、全体として丸みを帯びた形状となる。
【0024】
加えて、請求項4のパッケージにあっては、前記前面より延出した前記下方延出部を前記背面側に湾曲して当該下方延出部の前記各突起を前記各係合部に係合した状態で、前記両側面及び前記背面の下縁が湾曲した前記下方延出部より前記下方へ位置するように当該両側面及び前記背面の長さ寸法を設定するとともに、前記両側面及び前記背面の下縁が載置面に当接した状態で当該パッケージ本体が起立するように構成した。
【0025】
すなわち、前面より下方へ延出した下方延出部を背面側に湾曲して当該下方延出部の各突起を各係合部に係合した状態において、両側面及び前記背面の下縁が、湾曲した下方延出部より下方に位置するように当該両側面及び前記背面の長さ寸法が設定されている。
【0026】
このため、当該パッケージを載置面に起立した状態では、前記両側面及び前記背面の下縁が当該載置面に当接することで、当該パッケージ本体は、起立状態が維持される。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように本発明の請求項1のパッケージにあっては、パッケージ本体の前面より延出した上方延出部を背面側へ延出するとともに、その先端部に設けられた突起を側面の係合部に係合することで当該パッケージ本体の上部開口部を閉鎖することができる。また、パッケージ本体の前面より延出した下方延出部を背面側へ延出するとともに、その先端部に設けられた突起を側面の係合部に係合することで、当該パッケージ本体の下部開口部を閉鎖することができる。
【0028】
このとき、前記各延出部は、その先端部に設けられた突起が前記係合部に係合することで、上部及び下部開口部を確実に閉鎖することができる。これにより、収容した製品の荷重が加えられることがあっても、不用意な開放及び製品の離脱を防止することができ、パッケージ本体に収容された製品の保持能力を高めることができる。
【0029】
そして、前記各開口部を閉鎖した前記各延出部は、前記背面側へ延出されることから、各延出部の先端部に設けられた各突起が係合する係合部は、前記各側面における前記背面寄りの部位に設定されている。
【0030】
これにより、前記各係合部及び各係合部に係合した突起を背面側に配置できるので、前記各係合部及び各係合部に係合する突起が前面寄りに露出する場合と比較して、外観品質を高めることができる。
【0031】
したがって、陳列時での見栄えを向上することができる。
【0032】
また、請求項2のパッケージにおいては、前記側面に単一の前記左係合部及び右係合部が設けられており、前記上方延出部の前記左突起及び前記下方延出部の前記左突起の両者は前記左係合部に係合されるとともに、前記上方延出部の前記右突起及び前記下方延出部の前記右突起の両者は前記右係合部に係合される。
【0033】
このため、前記上方延出部の前記右突起が係合する右係合部と、前記下方延出部の前記右突起が係合する右係合部とを、前記右側面にそれぞれ形成する場合と比較して、前記側面に形成される前記係合部の個数を抑えることができる。
【0034】
これに伴って、各係合部及び各係合部に係合した突起の露出を防止することができるので、外観品質のさらなる向上を図ることができる。
【0035】
加えて、前記上方延出部の左突起と前記下方延出部の左突起とが係合する前記左係合部の共有化、及び前記上方延出部の右突起及び前記下方延出部の右突起とが係合する前記右係合部の共有化を図ることができる。
【0036】
また、係合部を共有化するため、係合部を複数設けた場合と比較して、剛性を高めることができ、不用意な切れ等の不具合を確実に防止することができる。
【0037】
さらに、請求項3のパッケージでは、製品を収容したパッケージ本体において、上蓋を構成する上方延出部、及び下蓋を構成する下方延出部を湾曲することで、パッケージ本体を全体として丸みを帯びた形状にすることができる。
【0038】
このため、製品を収容するパッケージ本体が矩形状に形成された一般的なパッケージと比較して、デザイン性を向上することができる。
【0039】
加えて、請求項4のパッケージにあっては、パッケージ本体の両側面及び背面を、湾曲された下方延出部より下方に延出することで、前記両側面及び前記背面の下縁を載置面に当接した状態で、当該パッケージ本体を前記載置面に起立させることができる。
【0040】
これにより、丸みを帯びたデザイン性を維持しつつ、起立した陳列が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施の形態を示す展開図である。
【図2】同実施の形態を示す側面図である。
【図3】同実施の形態を組み立てる様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。
【0043】
図1は、本実施の形態にかかるパッケージ1を展開した状態を示すを示す図であり、該パッケージ1は、図2にも示すように、丸みを帯びた製品2を収容するものである。
【0044】
このパッケージ1は、無色透明のプラスチックで形成されており、平板状のプラスチックフィルムが、図1に示したように、型抜きされて形成されている。
【0045】
この型抜きされた基材11には、長方形状に形成された背面12が形成されており、該背面12の上縁は、両角部が円弧状に形成されている。前記背面12の上縁には、薄肉化又は破断線で構成された昜折り曲げ部13が設定されており、該昜折り曲げ部13より図1中上方側には、前記背面12と同形状の挟持部14が逆向きに連設されている。
【0046】
これにより、前記昜折り曲げ部13を中心に前記挟持部14を前記背面12の表面側(図1中裏側)に折り曲げて重ねられるように構成されており、この際に、前記背面12と前記挟持部14間に説明書き等を視認可能に挟持できるように構成されている。なお、この説明書き等は、前記挟持部14及び前記背面12に直接印刷しても良い。
【0047】
前記背面12の上部には、横長の細溝部21が開設されており、該細溝部21の中央には、上方へ突出した円弧状の円弧部22が開設されている。また、前記挟持部14にも、同形状の細溝部23と円弧部24とが開設されており、当該挟持部14を前記昜折り曲げ部13を中心に前記背面12側へ折り曲げた状態で、前記背面12の前記細溝部21及び円弧部22と、前記挟持部14の前記細溝部23及び円弧部24とが合致するように配置されている。このように、前記挟持部14を前記背面12側に折返し、前記背面12の前記細溝部21及び円弧部22と、前記挟持部14の前記細溝部23及び円弧部24とを一致させた状態で、当該パッケージ1を陳列フック25等(図2参照)に吊り下げる為の吊り下げ部26を形成できるように構成されている。
【0048】
前記背面12の図1中左下部には、長方形状の接合部31が形成されており、該接合部31は、前記背面12より側方へ向けて延出している。この接合部31と前記背面12との間には、薄肉化又は破断線で構成された昜折り曲げ部32が設定されており、前記接合部31を前記背面12に対して、図1中裏側に折曲できるように構成されている。この昜折り曲げ部32上には、長方形状の開口部が開設されており、当該開口部によって右係合部33が形成されている。
【0049】
これにより、前記背面12に対して前記接合部31を起立した状態では、該接合部31に接合される右側面41及び前記背面12との角部、つまり前記右側面41であって前記背面12寄りの部位に、スリット状の前記右係合部33が開口するように構成されている。
【0050】
また、前記背面12の図1中右下部には、パッケージ本体51(図2参照)の側面を形成する左側面52が連設されている。該左側面52と前記背面12との間には、薄肉化又は破断線で構成された昜折り曲げ部53が設定されており、前記左側面52を前記背面12に対して図1中裏側へ折曲できるように構成されている。この昜折り曲げ部53上には、長方形状の開口部が開設されており、当該開口部によって左係合部54が前記右係合部33と対称位置に設けられている。
【0051】
これにより、前記背面12に対して前記左側面52を起立した状態では、該左側面52及び前記背面12との角部、つまり前記左側面52であって前記背面12寄りの部位にスリット状の前記左係合部54が開口するように構成されている。
【0052】
前記左側面52は、長方形状に形成されるとともに、その上縁部は、円弧状に形成されている。この円弧状縁部61からは、円弧状のタブ62が、前記背面12側へ向けて斜めに延出している。
【0053】
この左側面52の側部には、前面71が連設されており、該前面71と前記左側面52との間には、薄肉化又は破断線で構成された昜折り曲げ部72が設定されている。この昜折り曲げ線72の下部には、前記左側面52の下縁から前記昜折り曲げ部72までの間に左縁スリット73が延設されており、当該左縁スリット73の奥部からは、図1中左斜め上方へ向けてミシン目の破断線で構成された昜破断部74が設定されている。
【0054】
この昜破断部74は、前記左縁スリット73と前記左側面52の前記円弧状縁部61の図1中左端を結ぶように延設されており、前記タブ62を引っ張って前記昜破断部74に沿って切断することで、ケース状に形成されたパッケージ本体51を前記左側面52から開放できるように構成されている。
【0055】
前記左側面52に前記昜折り曲げ部72を介して連設された前記前面71には、当該前面71に連続し図1中上方へ向けて延出する上方延出部81と、当該前面71に連続し図1中下方へ向けて延出した下方延出部82とが一体形成されている。
【0056】
該下方延出部82の側部には、前記左縁スリット73の側部にやや幅狭の下方幅狭部91が設定されており、該下方幅狭部91より先端側には、やや幅広の下方幅広部92が形成されている。該下方幅広部92の先端側には、さらに幅広の下方先端幅広部93が形成されており、該下方先端幅広部93より先端側には、先端へ向かうに従って幅狭となる舌片94が形成され、当該舌片94の先端縁95は直線状に形成されている。
【0057】
これにより、前記下方延出部82の先端部には、前記下方幅広部92と前記下方先端幅広部93とによって下部段差101,101が両側部に形成されており、当該下部段差101,101を形成した前記下方先端幅広部93の両側部によって、当該下方延出部82の側縁より左方へ突出した下方左突起102と、当該下方延出部82の側縁より右方へ突出した下方右突起103とが形成されている。
【0058】
そして、前記下方右突起103は、前記右側面41であって前記背面12寄りの部位に形成された前記右係合部33に挿入した状態で係合されるように構成されており、前記下方左突起102は、前記左側面52であって前記背面12寄りの部位に形成された前記左係合部54に挿入した状態で係合されるように構成されている。
【0059】
また、前記上方延出部81の側部には、前記昜折り曲げ部72より図1中上部側にやや幅広の上方幅広部111が設定されており、該上方幅広部111より先端側には、やや幅狭の上方幅狭部112が形成されている。前記上方幅広部111の上下方向の長さ寸法は、図1中左縁側が右縁側より短めに設定されており、前記上方延出部81の左縁の前記左方幅広部113は短めに設定され、前記上方延出部81の右縁の右方幅広部114は長めに設定されている。
【0060】
前記上方延出部81の前記左方幅広部113及び前記右方幅広部114より先端側に設けられた前記上方幅狭部112の先端側には、やや幅広の上方先端幅広部121が設定されている。この上方先端幅広部121の両角部は丸められており、当該上方先端延出部121の先端縁122は、直線状に形成されている。
【0061】
これにより、前記上方延出部81の先端部には、前記上方幅狭部112と前記上方先端幅広部121とによって上部段差131,131が形成されており、当該上部段差131,131より先端側には、前記上方先端幅広部121の両側部によって、当該上方延出部81の側縁より左方へ突出した上方左突起132と、当該上方延出部81の側縁より右方へ突出した上方右突起133とが形成されている。
【0062】
そして、前記上方右突起133は、前記右側面41であって前記背面12寄りの部位に形成された前記右係合部33に挿入した状態で係合されるように構成されており、前記上方左突起132は、前記左側面52であって前記背面12寄りの部位に形成された前記左係合部54に挿入した状態で係合されるように構成されている。
【0063】
前記前面71には、図1中下寄りの部分に円弧状の固定用スリット151が開設されており、図2にも示したように、前記製品2の上部に設けられた鍔部152を当該固定用スリット151に挿入することで、当該パッケージ本体51内に収容された前記製品2を位置決めできるように構成されている。また、前記前面71の図1中右上部には、下縁連結部153を除く部位が円弧状に切断されてなる飾り部154が形成されており、当該上方延出部81を前記背面12側へ湾曲した際に、当該飾り部154が上方へ向けて突出するように構成されている。
【0064】
前記前面71の側部には、右側面41が連設されており、該右側面41と前記前面71との間には、薄肉化又は破断線で構成された昜折り曲げ部161が設定されている。この昜折り曲げ線161の下部には、前記右側面41の下縁から前記昜折り曲げ部161まで延在する右縁スリット162が形成されており、該右縁スリット162の基端と前記左縁スリット73の基端とを結ぶ位置から前記下方延出部82を前記背面12側へ湾曲できるうように構成されている。
【0065】
前記右側面41の上縁171は、前記左側面52の上縁61と同様に円弧状に形成されており、当該右側面41の図1中右側部には、前記背面12より延出した前記接合部31が重ねられた状態で接合されるように構成されている。
【0066】
この左側面52の下縁と前記右側面41の下縁と前記背面12の下縁とは、直線状に形成されており、同一直線上に延在するように構成されている。前記左側面52と前記右側面41と前記背面12とは、前記前面71より延出した前記下方延出部82を前記背面12側に湾曲して当該下方延出部82の前記各突起102,103を前記各係合部33,54に係合した状態において、図2に示したように、前記右側面41の下縁が構成する右側面下縁181と、前記左側面52の下縁が構成する左側面下縁182と、前記背面12の下縁が構成する背面下縁183とが、湾曲した前記下方延出部82より下方へ突出するように、前記左側面52と前記右側面41と前記背面12との長さ寸法が設定されている。
【0067】
これにより、前記両側面41,52及び前記背面12の各下縁181〜183が、図2に示したように、当該パッケージ1を載置する載置面185に当接した状態でパッケージ本体51が起立するように構成されている。
【0068】
この基材11から前記パッケージ1を形成する際には、図1に示した展開状態にある基材11において、前記背面12の上部に連設された前記挟持部14を前記昜折り曲げ部13を中心として図1中裏側に折り曲げて前記背面12に重ねる。このとき、該背面12と前記挟持部14との間に説明書き等を挟持することで、当該説明書きが当該パッケージ1の表面及び裏面から視認できる。なお、この説明書き等は、前記挟持部14及び前記背面12に直接印刷しても良い。
【0069】
そして、前記背面12に連設された前記接合部31を前記昜折り曲げ部32を中心として図1中裏側に折り曲げるとともに、前記背面12に連設された前記右側面41を前記昜折り曲げ部53を中心として図1中裏側に折り曲げた後、前記右側面41に連設された前記前面71を前記昜折り曲げ部72を中心として折り曲げて当該右側面41を前記背面12と平行にする。
【0070】
次に、前記前面71に連設された前記右側面41を前記昜折り曲げ部161を中心として前記背面12側へ折り曲げ、当該右側面41の内側に前記接合部31を配置した状態で、当該接合部31と前記右側面41とを接着剤や熱溶着等によって接合する。
【0071】
これにより、図3に示したように、断面ロ字状のパッケージ本体51が形成される。
【0072】
この状態において、図3にて矢示したように、前記前面71より延出した前記下方延出部82を前記背面側12へ湾曲させ、その先端を断面ロ字状に形成された前記パッケージ本体51の下部開口へ挿入する。このとき、前記下方延出部82の先端部に設けられた下方左突起102を、前記右側面41であって前記背面12寄りの部位に形成された前記右係合部33に挿入した状態で係合するとともに、前記下方延出部82の先端部に設けられた下方右突起103を、前記左側面52であって前記背面12寄りの部位に形成された前記左係合部54に挿入した状態で係合する。
【0073】
これにより、前記パッケージ本体51の下部開口部は、前記下方延出部82で閉鎖されるとともに、当該下部開口部の不用意な開放が防止される。
【0074】
前記下部開口部が閉鎖された前記パッケージ本体51において、開放状態にある上部開口部から製品2を収容するとともに、図2に示したように、該製品2に設けられた鍔部152を前記前面71に形成された固定用スリット151に挿入することで、当該パッケージ本体51内に収容された前記製品2を位置決めする。
【0075】
この状態において、図3に示したように、前記前面71より延出した前記上方延出部81を前記背面12側へ湾曲させ、その先端を断面ロ字状に形成された前記パッケージ本体51の上部開口へ挿入する。このとき、前記上方延出部81の先端部に設けられた上方左突起132を、前記左側面52であって前記背面12寄りの部位に形成された前記左係合部54に挿入した状態で係合するとともに、前記上方延出部81の先端部に設けられた上方右突起133を、前記右側面41であって前記背面12寄りの部位に形成された前記右係合部33に挿入した状態で係合する。
【0076】
これにより、前記パッケージ本体51の上部開口部は、前記上方延出部81で閉鎖されるとともに、当該上部開口部の不用意な開放が防止される。
【0077】
このとき、前記上方延出部81の湾曲に伴って、当該上方延出部81に設けられた飾り部154が上方へ向けて突出することとなる。
【0078】
また、前記上方延出部81の左縁に短めに設定された前記左方幅広部113は、前記右側面41の上縁61の外周部に沿って延在するが、前記タブ62とは干渉しないように構成されている。一方、前記上方延出部81の右縁に長めに設定された前記右方幅広部114は、前記右側面41の上縁171の外周部に沿って、全域に渡り延在するように構成されている。
【0079】
以上の構成にかかる本実施において、前記パッケージ本体51の前面71には、当該前面71より連続して上方へ延出する上方延出部81と、下方へ延出する下方延出部82とが設けられており、前記上方延出部81及び前記下方延出部82の先端部には、側方へ突出する左突起102,132及び右突起103,133が設けられている。
【0080】
このため、前記上方延出部81及び前記下方延出部82によって前記パッケージ本体51の上部開口部及び下部開口部を閉鎖する際には、前記前面71より延出した前記両延出部81,82は、前記背面12側へ延出される。
【0081】
一方、前記パッケージ本体51の前記各側面41,42には、前記上方延出部81及び前記下方延出部82に設けられた各突起102,103,132,133が係合する各係合部33,54が設けられており、各係合部33,54は、前述した理由から前記背面12寄りの部位に設定されている。
【0082】
このため、前記各突起102,103,132,133が係合する前記各係合部33,54が前記各側面41,52において、前面71寄りに設けられた場合と比較して、前方からの外観品質が高められる。
【0083】
このとき、前記上方延出部81及び前記下方延出部82の各突起102,103,132,133が、前記側面41,52に設けられた各係合部33,54と係合することから、上方及び下方への不用意な開放を確実に防止することができる。
【0084】
このように、前記パッケージ本体51の前記前面71より延出した前記上方延出部81を前記背面12側へ延出するとともに、その先端部に設けられた各突起132,133を前記各側面41,52の係合部33,54に係合することで、当該パッケージ本体51の上部開口部を閉鎖することができる。また、パッケージ本体51の前記前面71より延出した前記下方延出部82を前記背面12側へ延出するとともに、その先端部に設けられた各突起102,103を前記各側面41,51の各係合部33,54に係合することで、当該パッケージ本体51の下部開口部を閉鎖することができる。
【0085】
このとき、前記各延出部81,82は、その先端部に設けられた各突起102,103,132,133が前記各係合部33,54に係合することで、当該パッケージ本体51の上部及び下部開口部を確実に閉鎖することができる。
【0086】
これにより、収容した製品2の荷重が加えられることがあっても、不用意な開放及び不用意な製品2の離脱を防止することができ、パッケージ本体51に収容された製品2の保持能力を高めることができる。
【0087】
そして、前記上部及び下部開口部を閉鎖した前記各延出部81,82は、前記背面12側へ延出されることから、各延出部81,82の先端部に設けられた各突起102,103,132,133が係合する各係合部33,54は、前記各側面41,52における前記背面12寄りの部位に設定されている。
【0088】
これにより、前記各係合部33,54及び各係合部33,54に係合した各突起102,103,132,133を前記背面12側に配置できるので、前記各係合部33,54及び各係合部33,54に係合する各突起102,103,132,133が前記前面71寄りに露出する場合と比較して、外観品質を高めることができる。
【0089】
したがって、陳列時での見栄えを向上することができる。
【0090】
また、前記各側面41,52には、前記左係合部54及び右係合部33が設けられており、前記上方延出部81の前記上方左突起132及び前記下方延出部82の前記下方左突起102の両者を、単一の前記左係合部54に係合することができるとともに、前記上方延出部81の前記上方右突起133及び前記下方延出部82の前記下方右突起103の両者を、単一の前記右係合部33に係合することができる。
【0091】
このため、前記上方延出部81の前記各突起132,133が係合する係合部と、前記下方延出部82の前記各突起102,103が係合する係合部とを、前記各側面41,52にそれぞれ形成する場合と比較して、前記各側面41,52に形成される係合部の個数を抑えることができる。
【0092】
これに伴って、各係合部33,54及び各係合部33,54に係合した各突起102,103,132,133の露出数を抑えることができるので、外観品質のさらなる向上を図ることができる。
【0093】
加えて、前記上方延出部81の上方左突起132と前記下方延出部82の下方左突起102とが係合する前記左係合部54の共有化、及び前記上方延出部81の上方右突起133及び前記下方延出部82の下方右突起103とが係合する前記右係合部33の共有化を図ることができる。
【0094】
さらに、前記各係合部33,54を共有化できるので、複数の係合部を設けた場合に比べて昜折り曲げ部32,53の強度を保つことができ、昜折り曲げ部32,53が切れてしまうことを防止できる。
【0095】
また、前記前面71より延出した前記上方延出部81は、前記背面12側へ向けて湾曲されており、この湾曲した状態で当該上方延出部81の前記各突起132,133が前記各係合部33,54に係合されている。また、前記前面71より延出した前記下方延出部82は、前記背面12側へ向けて湾曲されており、この湾曲した状態で当該下方延出部82の前記各突起102,103が前記各係合部33,54に係合されている。
【0096】
このように、前記製品2を収容したパッケージ本体51において、上蓋を構成する前記上方延出部81、及び下蓋を構成する前記下方延出部82を湾曲することで、当該パッケージ本体51を全体として丸みを帯びた形状にすることができる。
【0097】
このため、前記製品2を収容するパッケージ本体が矩形状に形成された一般的なパッケージと比較して、デザイン性を向上することができる。
【0098】
そして、前記前面71より下方へ延出した前記下方延出部82を前記背面12側に湾曲して当該下方延出部82の各突起102,103を前記各係合部33,54に係合した状態において、前記両側面41,52及び前記背面12の各下縁181〜183が、湾曲した前記下方延出部82より下方に位置するように前記各側面41,52及び前記背面12の長さ寸法が設定されている。
【0099】
このため、当該パッケージ1を載置面185に起立した状態では、前記両側面41,52及び前記背面12の各下縁181〜183が当該載置面185に線接触することで、当該パッケージ本体51を前記載置面185に起立させることができる。
【0100】
これにより、丸みを帯びたデザイン性を維持しつつ、起立した陳列状態も形成可能となる。
【符号の説明】
【0101】
1 パッケージ
2 製品
12 背面
33 右係合部
41 右側面
51 パッケージ
52 左側面
54 左係合部
71 前面
81 上方延出部
82 下方延出部
102 下方左突起
103 下方右突起
132 上方左突起
133 上方右突起
181 右側面下縁
182 左側面下縁
183 背面下縁
185 載置面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を収容するパッケージ本体が背面と、該背面の両縁より前方へ向けて延出した右側面及び左側面と、両側面を連設する前面とを備えたパッケージにおいて、
前記前面に連続して上方へ延出する上方延出部と、前記前面に連続して下方へ延出する下方延出部とを設け、前記上方延出部及び前記下方延出部の先端部に側方へ突出する左突起及び右突起を設ける一方、前記パッケージ本体の前記各側面であって前記背面寄りの部位に前記左突起及び右突起が係合する左係合部及び右係合部を設けたことを特徴とするパッケージ。
【請求項2】
前記左側面に単一の前記左係合部を設け、前記上方延出部の前記左突起及び前記下方延出部の前記左突起の両者を前記左係合部に係合可能に構成するとともに、前記右側面に単一の前記右係合部を設け、前記上方延出部の前記右突起及び前記下方延出部の前記右突起の両者を前記右係合部に係合可能に構成したことを特徴とする請求項1記載のパッケージ。
【請求項3】
前記前面より延出した前記上方延出部を前記背面側に湾曲した状態で当該上方延出部の前記各突起を前記各係合部に係合するとともに、前記前面より延出した前記下方延出部を前記背面側に湾曲した状態で当該下方延出部の前記各突起を前記各係合部に係合したことを特徴とする請求項1又は2記載のパッケージ。
【請求項4】
前記前面より延出した前記下方延出部を前記背面側に湾曲して当該下方延出部の前記各突起を前記各係合部に係合した状態で、前記両側面及び前記背面の下縁が湾曲した前記下方延出部より前記下方へ位置するように当該両側面及び前記背面の長さ寸法を設定するとともに、前記両側面及び前記背面の下縁が載置面に当接した状態で当該パッケージ本体が起立するように構成したことを特徴とする請求項1、2又は3記載のパッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−251731(P2011−251731A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126375(P2010−126375)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(000102544)エステー株式会社 (127)
【Fターム(参考)】