説明

パッシベートされたシリコンナノワイヤーの製造方法およびこれにより得られるデバイス

パッシベートされたシリコンナノワイヤーの製造方法およびこれにより得られる電子構造体について記載する。こうした構造体は、金属−酸化物−半導体(MOS)構造を含むことができ、構造体はMOS電界効果トランジスタ(MOSFET)または光電子スイッチに用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年6月26日出願の米国仮特許出願第61/220,980号の優先権を主張し、その全開示を本明細書に参照により組み入れる。本出願は、2010年2月24日出願の米国特許出願第12/712,097号「高アスペクト比プローブの製造方法ならびに高アスペクト比ナノピラーおよびマイクロピラーの変形方法」および2010年2月24日出願の米国特許出願第12/711,992号「高アスペクト比マイクロピラーおよびナノピラーの製造方法」にも関連し得、同様にそれらの全開示を本明細書に参照により組み入れる。
【0002】
政府補助金の説明
米国政府は、米国国防高等研究計画局により交付された補助金第HR0011−01−1−0054号および米国国立科学財団により交付された補助金第DMR0520565号に基づき、本発明において特定の権利を有する。
【0003】
技術分野
本開示はシリコンナノワイヤーに関する。またとくに、パッシベートされたシリコンナノワイヤーの製造方法およびこれにより得られるデバイスに関する。
【背景技術】
【0004】
シリコンにおいて調節可能な側壁を有する高アスペクト比構造を画定することは、太陽電池、マイクロ電子デバイス、および化学分析についてナノメートルおよびマイクロメートルスケールの両方においてますます重要になってきている。高アスペクト比マイクロメートルピラーは太陽電池研究に用いられ、ナノメートルスケールの高アスペクト比ピラーは、ナノスケールピラーの応力力学、シリコン系レーザー、およびfinFETのようなナノスケール電子デバイスの理論における基礎研究を可能にする。現在、自己集合またはボトムアップ処理に依存するさまざまなナノ製造技術が存在する。ナノ製造において再現性を可能にするトップダウン処理もいくつか見られる。
【0005】
さらなる用途としては、高表面積化学センサー、機械的振動子およびピエゾ抵抗センサーがある。50〜100nmの直径を有する高アスペクト比ピラーはコア−シェル型プラズモン共振器に有用であることを示すことができ、10nm未満の直径を有するピラーは有望な発光特性を示した。
【発明の概要】
【0006】
第1態様によると、1つ以上のナノスケールピラーを備えるステップ、該1つ以上のナノスケールピラーを絶縁体で覆うステップ、第1導体層を該絶縁体上に配置するステップ、該第1導体層の一部を誘電体で覆うステップ、該第1導体層および該絶縁体の端部を除去し、これにより該1つ以上のナノスケールピラーの一部を電気的にアクセス可能にするステップ、ならびに第2導体層を該誘電体上に配置し、該第2導体層を該1つ以上のナノスケールピラーの該電気的にアクセス可能な部分に接触させるステップを含む、電子構造体の製造方法を提供する。
【0007】
第2態様によると、1つ以上のナノスケールピラーを備えるステップ、該1つ以上のナノスケールピラーを絶縁体で覆うステップ、該絶縁体を誘電体で覆うステップ、該絶縁体の端部を除去し、これにより該1つ以上のナノスケールピラーの一部を電気的にアクセス可能にするステップ、ならびに導体層を該誘電体上に配置し、該導体層を該1つ以上のナノスケールピラーの該電気的にアクセス可能な部分に接触させるステップを含む、電子構造体の製造方法を提供する。
【0008】
第3態様によると、1つ以上のナノスケールピラーを備えるステップ、該1つ以上のナノスケールピラーを絶縁体で覆うステップ、該ナノスケールピラーに接触する該絶縁体部分を除去するステップ、残りの絶縁体部分および該ナノスケールピラーの露出部分を第1導体層で覆うステップ、該導体層を誘電体で覆うステップ、該第1導体層の端部を除去し、これにより該1つ以上のナノスケールピラーの一部を電気的にアクセス可能にするステップ、ならびに第2導体層を該誘電体上に配置し、該第2導体層を該1つ以上のナノスケールピラーの該電気的にアクセス可能な部分に接触させるステップを含む、電子構造体の製造方法を提供する。
【0009】
第4態様によると、平面に実質的に垂直な複数の絶縁体で覆われた半導体ナノスケールピラー構造、および該絶縁体で覆われた半導体ナノスケールピラー構造上を覆った導体層を備える、電子構造体を提供する。
【0010】
第5態様によると、絶縁体で覆われた半導体基板、平面に実質的に垂直な、該基板上の複数のナノスケールピラー構造、および該絶縁体および該ナノスケールピラー構造を覆う導体層を備える電子構造体において、該導体層がその端部を欠き、該ナノスケールピラー構造の端部が電気的にアクセス可能である、電子構造体を提供する。
【0011】
本明細書に組み入れられ、その一部を構成する添付の図面は、本開示の1つ以上の実施形態を示し、例示実施形態の説明とともに、本開示の原理および実施について説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1A〜1Fは、本開示の実施形態によるナノスケールピラー上のゲートの製造工程を示す。とくに:図1Aは、典型的なナノスケールピラー基板を示す。図1Bは、絶縁体でパッシベートされた典型的なナノスケールピラーを示す。図1Cは、第1導体で覆われた、絶縁体でパッシベートされた典型的なナノスケールピラーを示す。図1Dは、第1導体で覆われた、絶縁体でパッシベートされた典型的なナノスケールピラーであって、該第1導体が誘電体で覆われている、ピラーを示す。図1Eは、第1導体で覆われた、絶縁体でパッシベートされた典型的なナノスケールピラーであって、該第1導体が誘電体で覆われ、該誘電体の上の露出した該第1導体の端部が除去されている、ピラーを示す。図1Fは、第1導体で覆われた、絶縁体でパッシベートされた典型的なナノスケールピラーであって、該第1導体が誘電体で覆われ、該誘電体の上で露出した該第1導体の端部が除去され、該ナノスケールピラーおよび導体の該露出端部が第2導体で覆われている、ピラーを示す。
【図2】図2A〜2Eは、本開示のさらなる実施形態によるナノスケールピラー上の金属接点の製造工程を示す。とくに:図2Aは、典型的なナノスケールピラー基板を示す。図2Bは、絶縁体でパッシベートされた典型的なナノスケールピラーを示す。図2Cは、誘電体で覆われた、絶縁体でパッシベートされた典型的なナノスケールピラーを示す。図2Dは、誘電体で覆われた、絶縁体でパッシベートされた典型的なナノスケールピラーであって、該ナノスケールピラーの端部が該誘電体の上で該絶縁体の除去部分から突出する、ピラーを示す。図2Eは、絶縁体でパッシベートされた典型的なナノスケールピラーであって、該絶縁体が誘電体で覆われ、該絶縁体および該ナノスケールピラーの端部の露出部分が導体で覆われている、ピラーを示す。
【図3】図3A〜3Fは、本開示のさらなる実施形態による金属−半導体(MES)ナノスケールピラー上のゲートの製造工程を示す。とくに:図3Aは、典型的なナノスケールピラー基板を示す。図3Bは、絶縁体でパッシベートされた典型的なナノスケールピラーを示す。図3Cは、絶縁体でパッシベートされた典型的なナノスケールピラーであって、該ナノスケールピラーおよび該絶縁体の一部が第1導体層で覆われている、ピラーを示す。図3Dは、絶縁体でパッシベートされた典型的なナノスケールピラーであって、前記第1導体層が誘電体で覆われている、ピラーを示す。図3Eは、絶縁体でパッシベートされた典型的なナノスケールピラーであって、前記誘電体から突出する前記第1導体層の一部が除去されている、ピラーを示す。図3Fは、絶縁体でパッシベートされた典型的なナノスケールピラーであって、第2導体層が該ナノスケールピラーの突出部分および該誘電体上を覆っている、ピラーを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本開示の各種実施形態によるパッシベートされたナノスケール電子部品の製造方法について記載する。ナノスケールサイズのピラーは、限定ではなく例として、標準的なフォトリソグラフィーまたは電子ビームリソグラフィー技術、アレイのマスクを製造するための自己集合、触媒をパターニングするためのリソグラフィーの使用およびエッチングの代わりに気体−液体−固体(VLS)成長のようなボトムアップ技術を行うことにより製造することができる。「ナノスケール」の語は本明細書において幅1nm〜500nmのいずれかの構造であると定義する。「ピラー」の語は、高さが幅よりかなり大きい、例えば幅より5〜10倍大きい、実質的に縦型のシャフトと定義する。
【0014】
フォトリソグラフィーは、基板の膜またはバルクの一部を選択的に除去する微小製造に用いられるプロセスである。これは光を用い、幾何学的パターンをフォトマスクから基板上のフォトレジストと呼ばれる感光性化学物質に転写する。同様に、電子ビームリソグラフィーは、電子のビームを走査して電子ビームレジストにパターン形状を転写するプロセスである。この後、写真の暗室処理と同様のプロセスにおいて一連の化学的処理を行う。フォトまたは電子ビームレジストは直接マスクとして用いることができ、または直接マスキングする場合と比較してより良好な弾性を有することができるより硬いマスクをパターニングするために用いることができる。例示実施形態によると、本出願人らは電子ビームレジストを用いてパターニングされた酸化アルミニウム(アルミナ)マスクを製造した後、電子ビームレジストを除去し、エッチング中にパターニングされたアルミナを用いた。リソグラフィーおよび高度異方性エッチングは、シリコンにおける30〜50nmのナノ構造の40:1を超えるアスペクト比でのルーチン製造を可能にする。こうした構造はその後の熱酸化により直径をさらに小さくすることができるが、酸化プロセスは自己終結するように設計することができ、幅10nm未満のナノスケールピラーを画定することができ、幅広い加工寛容度を可能にする。さらに、酸化プロセスの調節は、歪みシリコンチャネルを生成することができる。また、ナノスケールピラーは、まずナノスケールピラーを所要長さより実質的に長く製造し、次に正確に調節された保護スペーサー層を配置し、その後ナノスケールピラーの突出部分を切断または研磨し、厳密に調節されたゲート長さを得ることにより、ゲート長さを厳密に調節して製造することができる。保護スペーサー層の厚さの調節は、リソグラフィー機構のナノスケールレベルでの画定と比較してより高度な精度で達成することができる。本出願人らは透過型および走査型電子顕微鏡法を用い、ナノスケールピラーを観察した。
【0015】
図1A〜1Fは、本開示によるパッシベートされたナノスケール電子部品の各種製造工程を示す。当業者であれば、こうした工程の数はほんの例示であり、プロセスは各種実施形態に応じてより多いまたはより少ない工程で行うことができることを理解するだろう。簡潔さのため、本開示を通して、「ピラー」の語はナノスケールピラーを表すことを意図する。
【0016】
図1Aは、実質的に垂直なナノスケールピラー(20)を備えるパターニングされた、またはエッチングされた基板(10)の断面図である。限定ではなく例として、基板(10)およびピラー(20)はシリコン(Si)でできている。この実施形態の代替として、垂直ナノスケールピラーをバルクシリコン構造の代わりにシリコンオンインシュレーター(SOI)上に製造することができる。
【0017】
図1Bは、基板(10)およびピラー(20)が絶縁体または酸化物層(30)、例えば、二酸化ケイ素(SiO)または他の誘電体により覆われている、さらなる断面図である。代替実施形態として、基板と直接接触する絶縁体の代わりに導体を用い、MES電界効果トランジスタ(MESFET)に有用な金属−半導体(MES)構造を生成することができる。酸化プロセスは、垂直ナノスケールピラー構造が横および縦方向での著しい体積膨張をさらに可能にする場合、ナノスケールピラー内の体積膨張を導入する。酸化物に埋め込まれたシリコンを非常に高い歪み(例えば、2.5〜3.0%)にさらすことは、例えば光電子スイッチングに用いることができる、このデバイスの効率的に発光する能力を向上させる。
【0018】
図1Cは、基板(10)およびピラー(20)上の酸化物層(30)が第1導体材料(40)、例えば金(Au)または銀(Ag)の層により覆われている、さらなる断面図である。本開示の実施形態によると、第1導体材料はピラー(20)の外周および端部上に静電ゲートを導入し、導電性を調節することができ、垂直導体層(40)−酸化物(30)−半導体(20)(MOS)構造を画定する。こうした実施形態は、第1導体層(40)はシリコンナノスケールピラー(20)を囲むようにすべての面上に配置することができ、これによりチャネルの静電制御を可能にするので、非常に低いスレッショルド電圧(例えば、約0.5V)および低いサブスレッショルド勾配(例えば、60mV/decade未満)での高いオン/オフ比を特徴とする。半導体製造の当業者であれば、超高密度のデバイスの導電チャネルの一部としてピラー(20)内に集積する機会はナノメートル幅であることを認識するだろう。
【0019】
図1Dは、ピラー(20)の垂直部分上の酸化物層(30)上の第1導体層(40)の一部が誘電体材料(50)、例えばフォトレジスト、ベンゾシクロブテン(BCB)、またはポリメチルメタクリレート(PMMA)の層により覆われている、さらなる断面図である。誘電体材料(50)は第1導体層(40)および酸化物層(30)の被覆部分を保護し、次の工程における第1導体層(40)および酸化物層(30)の選択的除去を可能にする。
【0020】
図1Eは、図1Dからの酸化物(31)および第1導体層(51)の非保護部分がナノスケールピラー(20)の端部から例えばエッチングまたは化学機械研磨(CMP)のようなプロセスにより除去されている、さらなる断面図である。ナノスケールピラー(20)の下部上の第1導体層(40)および酸化物層(30)ならびに基板上の一部は除去されないが、これは誘電体層(50)がバッファの役割を果たし、こうした部分を除去されないように保護するためである。除去後、シリコンナノスケールピラー(20)の突出部分(22)および酸化物層の突出部分(32)が露出し、第1導体層(43)の露出部分が誘電体層で覆われ、例えばFETのソースまたはドレインを形成する、次の工程におけるさらなる製造を可能にする。
【0021】
図1Fは、第2導体層(60)が誘電体(50)、酸化物(32)の端部およびナノスケールピラー(22)の端部に接触するように覆っている、さらなる断面図である。第2導体層(60)は第1導体層(40)に接触せず、背面接点(70)は基板(10)上、絶縁体(30)の面の反対側に存在する。
【0022】
図1Dにおいてゲート材料を作製するために用いられる第1導体材料は、そのプラズモン共鳴がシリコンナノスケールピラーのバンドギャップエネルギーと一致し、ゲート材料が光電子トランジスタとして発光することを可能にするように選択することができる。本出願人らは、バンド構造のブルーシフトが2eVまたは600〜700nm波長でシリコン量子細線のバンドギャップを配置し、限定ではなく例として、金または銀がプラズモン共鳴材料として適合することを観察した。
【0023】
本開示における各種実施形態によると、酸化プロセスの歪みはナノスケールピラーのシリコンのバンド構造を変えることができ、その発光特性をさらに向上させ、光電子スイッチングのための効率的な発光体を生成する。
【0024】
本開示における各種実施形態によると、垂直構造のトランジスタは、これらに限定されないが、金属−酸化物−半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、金属−半導体FET(MESFET)、接合ゲートFET(JFET)、または誘電体を除去してゲートを露出し、センサーの機能を果たすことによる、さまざまな縦型電界効果トランジスタ(FET)とすることができる。図1Fを参照すると、基板(10)および第2導体層(60)はMOSFETのソースおよびドレイン(またはその逆)を表し、酸化層の一部(32)はMOSFETのゲートを表す。
【0025】
ナノスケールピラーとの導電接点を形成する代替実施形態を提供することができる。こうした実施形態は一連の図2A〜2Eに示す工程である。こうした実施形態によると、誘電体材料(例えばフォトレジスト)の層(250)は酸化物層(230)の配置直後に配置し、ナノスケールピラー(222)の上部を露出する手段(例えば、エッチングまたは化学機械研磨(CMP))を行った後、導電接点(260)をナノスケールピラー(222)の上に備える。
【0026】
図2A〜2Bは、基板(210)上のナノスケールピラーの断面図であり、この実施形態の図1A〜1Bに開示するように、ナノスケールピラー(220)は絶縁体(230)により覆われている。
【0027】
図2Cは、ナノスケールピラー(220)が絶縁体(235)の平面部上の誘電体層(250)で覆われている、さらなる断面図であり、ナノスケールピラー(220)上を覆った絶縁体(231)の端部が誘電体層(250)から突出している。
【0028】
図2Dは、図2Cからの絶縁体(231)の非保護部分がナノスケールピラー(220)の端部から除去されている、さらなる断面図である。除去後、ナノスケールピラー(220)の突出部分(222)および絶縁体(230)の突出部分(232)が露出し、例えば金属接点を形成する、次の工程におけるさらなる製造を可能にする。
【0029】
図2Eは、導体層(260)が誘電体(250)、絶縁体(232)の端部およびナノスケールピラー(222)の端部に接触するように覆っている、さらなる断面図である。背面接点(270)は基板(210)の背面上、絶縁体(230)から反対の面に存在する。最適構成では、絶縁体(30)材料の密度を高め、ゲートキャパシタンスを最小限にすることができる。
【0030】
図3A〜3Bは、基板(310)上のナノスケールピラー(320)の断面図であり、この実施形態の図1A〜1Bに開示するように、ナノスケールピラーは絶縁体(330および331)により覆われている。
【0031】
図3Cは、ナノスケールピラー部分上の絶縁体(331)が除去され、導体層(例えば、アルミニウム)が残りの絶縁体部分(330)およびナノスケールピラー(320)上を覆っている、さらなる断面図である。
【0032】
図3Dは、誘電体(350)層が導体(340)層上を覆っている、さらなる断面図である。
【0033】
図3Eは、誘電体(350)層の上の露出した導体(340)層の一部が除去され、これによりナノスケールピラー(320)の突出部分を露出する、さらなる断面図である。
【0034】
図3Fは、第2導体層(360)が誘電体(350)層およびナノスケールピラー(320)の露出部分に接触するように覆っているが、第1導体(340)層には接触しない、さらなる断面図である。背面接点(370)は基板(310)上、絶縁体(370)から反対の面に存在し、MESFETトランジスタに有用であり得る金属−半導体(MES)構造を生成する。最適構成では、絶縁体(330)材料の密度を高め、ゲートキャパシタンスを最小限にすることができる。
【0035】
上に示した実施例は、当業者に、本開示の実施形態を製造および使用方法の完全な開示および説明を与えるために提供され、本発明者らがその開示と考えるものの範囲を限定することは意図していない。本開示を実施するための上述の態様の変形は、当業者であれば用いることができ、以下の特許請求の範囲の範囲内であることを意図している。本明細書において言及したすべての特許および刊行物は、本開示が関係する当業者の技能のレベルを示し得る。本開示において引用するすべての参考文献は、各参考文献を個別にその全開示を参照により組み入れたかのように、それと同程度に参照により組み入れる。
【0036】
本開示は特定の方法またはシステムに限定されず、当然さまざまであり得ることを理解すべきである。本明細書において用いる用語が特定の実施形態を説明する目的のためだけのものであり、限定することを意図していないことも理解すべきである。本明細書および添付の特許請求の範囲において用いるように、単数形「1つの(a、an)」、および「該、前記(the)」は、文脈から明らかにそうではないと分からない限り、複数の指示対象を含む。「複数」の語は、文脈から明らかにそうではないと分からない限り、2つ以上の指示対象を含む。とくに他の定義がない限り、本明細書において用いるすべての技術および科学用語は、本開示が関係する当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0037】
本開示の実施形態を多数記載した。しかしながら、本開示の精神および範囲から逸脱することなく各種変形を行うことができることが理解されるだろう。従って、他の実施形態は以下の特許請求の範囲の範囲内である。
【図1A】

【図1B】

【図1C】

【図1D】

【図1E】

【図1F】

【図2A】

【図2B】

【図2C】

【図2D】

【図2E】

【図3A】

【図3B】

【図3C】

【図3D】

【図3E】

【図3F】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のナノスケールピラーを備えるステップ;
該1つ以上のナノスケールピラーを絶縁体で覆うステップ;
第1導体層を該絶縁体上に配置するステップ;
該第1導体層の一部を誘電体で覆うステップ;
該第1導体層および該絶縁体の端部を除去し、これにより該1つ以上のナノスケールピラーの一部を電気的にアクセス可能にするステップ:ならびに
第2導体層を該誘電体上に配置し、該第2導体層を該1つ以上のナノスケールピラーの該電気的にアクセス可能な部分に接触させるステップ
を含む、電子構造体の製造方法。
【請求項2】
前記1つ以上のナノスケールピラーが基板上にある、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板上の前記ナノスケールピラーの反対の面が導電背面接点で覆われる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記絶縁体が酸化物絶縁体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1導体層が前記電子構造体のゲートの役割を果たす、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記電子構造体が1つ以上の金属−酸化物−半導体(MOS)構造、該1つ以上のMOS構造の該金属の役割を果たす前記第1導体層、該1つ以上のMOS構造の該酸化物の役割を果たす前記絶縁体、および該1つ以上のMOS構造の該半導体の役割を果たす前記ナノスケールピラーを備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上のMOS構造が垂直に配向されたMOS構造であり、前記1つ以上のMOS構造の前記金属、酸化物、および半導体のそれぞれが垂直方向に延在する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記電子構造体が1つ以上の電界効果トランジスタ(FET)を備える、請求項1〜7のいずれか1項の記載の方法。
【請求項9】
ゲート材料が前記1つ以上のナノスケールピラーのバンドギャップエネルギーと一致するプラズモン共鳴を示すように選択される、請求項5〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上のナノスケールピラーが発光ナノスケールピラーを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記光が可視光である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ナノスケールピラーが光電子スイッチの役割を果たす、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ以上のナノスケールピラーが前記1つ以上のFETのソースまたはドレインの役割を果たす、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
1つ以上のナノスケールピラーを備えるステップ;
該1つ以上のナノスケールピラーを絶縁体で覆うステップ;
該絶縁体を誘電体で覆うステップ;
該絶縁体の端部を除去し、これにより該1つ以上のナノスケールピラーの一部を電気的にアクセス可能にするステップ:ならびに
導体層を該誘電体上に配置し、該導体層を該1つ以上のナノスケールピラーの該電気的にアクセス可能な部分に接触させるステップ
を含む、電子構造体の製造方法。
【請求項15】
1つ以上のナノスケールピラーを備えるステップ;
該1つ以上のナノスケールピラーを絶縁体で覆うステップ;
該ナノスケールピラーに接触する該絶縁体部分を除去するステップ;
残りの絶縁体部分および該ナノスケールピラーの露出部分を第1導体層で覆うステップ;
該導体層を誘電体で覆うステップ;
該第1導体層の端部を除去し、これにより該1つ以上のナノスケールピラーの一部を電気的にアクセス可能にするステップ:ならびに
第2導体層を該誘電体上に配置し、該第2導体層を該1つ以上のナノスケールピラーの該電気的にアクセス可能な部分に接触させるステップ
を含む、電子構造体の製造方法。
【請求項16】
前記第1導体層が前記電子構造体のゲートの役割を果たす、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記電子構造体が1つ以上の金属−半導体(MES)構造、該1つ以上のMES構造の該金属の役割を果たす前記第1導体層および該1つ以上のMES構造の該半導体の役割を果たす前記ナノスケールピラーを備える、請求項15または16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記1つ以上のMES構造が垂直に配向されたMES構造であり、前記1つ以上のMES構造の前記金属および半導体のそれぞれが垂直方向に延在する、請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記電子構造体が1つ以上の電界効果トランジスタ(FET)を備える、請求項15〜18のいずれか1項の記載の方法。
【請求項20】
平面に実質的に垂直な複数の絶縁体で覆われた半導体ナノスケールピラー構造;および
該絶縁体で覆われた半導体ナノスケールピラー構造上を覆った導体層
を備える、電子構造体。
【請求項21】
前記複数のナノスケールピラー構造が基板上にある、請求項20に記載の構造体。
【請求項22】
前記半導体ナノスケールピラー構造および前記基板がシリコンでできている、請求項21に記載の構造体。
【請求項23】
導電背面接点が前記基板の背面上、前記ナノスケールピラー構造の反対側を覆った、請求項20または21のいずれか1項に記載の構造体。
【請求項24】
前記導体層および前記絶縁体層がその端部を欠き、前記ナノスケールピラー構造の端部が電気的にアクセス可能であり;
前記構造体が:
前記平面上を覆った誘電体材料;ならびに
前記誘電体材料および前記ナノスケールピラー構造の前記アクセス可能な部分を覆ったさらなる導体層をさらに含むが、前記導体層と該さらなる導体層との間に直接接触が存在しない、請求項20〜23のいずれか1項に記載の構造体。
【請求項25】
前記構造体が金属−酸化物−半導体(MOS)構造体である、請求項20〜24のいずれか1項に記載の構造体。
【請求項26】
前記構造体が電界効果トランジスタ(FET)である、請求項20〜25のいずれか1項に記載の構造体。
【請求項27】
前記導体層が前記FETのゲートである、請求項26に記載の構造体。
【請求項28】
前記複数のナノスケールピラーが基板上にあり、前記基板および前記さらなる導体層がFETのソースおよびドレインまたはそれぞれドレインおよびソースである、請求項26または27のいずれか1項に記載の構造体。
【請求項29】
絶縁体で覆われた半導体基板;
平面に実質的に垂直な、該基板上の複数のナノスケールピラー構造;および
該絶縁体および該ナノスケールピラー構造を覆う導体層
を備える、電子構造体であって、
該導体層がその端部を欠き、該ナノスケールピラー構造の端部が電気的にアクセス可能である、電子構造体。
【請求項30】
平面上を覆った誘電体材料;および
該誘電体材料および前記ナノスケールピラー構造の前記アクセス可能な部分上を覆ったさらなる導体層をさらに備え、前記導体層と該さらなる導体層との間に直接接触が存在しない、請求項29に記載の構造体。
【請求項31】
前記構造体が金属−半導体(MES)構造体である、請求項29または30のいずれか1項に記載の構造体。
【請求項32】
前記構造体がMESFETである、請求項29〜31のいずれか1項に記載の構造体。

【公表番号】特表2012−531751(P2012−531751A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517704(P2012−517704)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/039702
【国際公開番号】WO2010/151604
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(301059570)カリフォルニア インスティチュート オブ テクノロジー (14)
【Fターム(参考)】