説明

パテ状2成分型エポキシ樹脂組成物

【課題】アスベストを使用することなく、高粘度・高揺変性を示し、特に作業性および貯蔵安定性に優れたエポキシ樹脂を主成分とするパテ状エポキシ樹脂組成物、及びエポキシ硬化剤を主成分とするパテ状エポキシ硬化剤組成物を提供すること。
【解決手段】エポキシ樹脂又はエポキシ硬化剤に、(A)ウィスカ及び(B)フィブリル化繊維を配合したことを特徴とするパテ状組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスベストを使用することなく、高粘度・高揺変性を示し、且つ作業性および貯蔵安定性に優れたエポキシ樹脂を主成分とするパテ状エポキシ樹脂組成物(以下、主剤組成物ということがある。)、及びエポキシ硬化剤を主成分とするパテ状エポキシ硬化剤組成物(以下、硬化剤組成物ということがある。)に関する。
パテ状2成分型エポキシ樹脂組成物は、高粘度、高揺変性を示すため、図1(a)の(1)に示されるような構造物欠損部の充填補修、(b)の(2)に示されるような水道本管と支管の充填接合、その他として水中においても流出しにくい特徴を有することから、止水を目的とする充填、水中構造物の欠損やクラック補修にも使用され、その用途は極めて多岐に渡る。
【0002】
しかしながら、主剤組成物と硬化剤組成物の混合にあたっては、高粘度故に、通常、流動性を有する2成分型エポキシ樹脂の混合に用いられているハンドミキサー等を用いることができず、平板上でヘラを用いて混合するか、もしくは、ウェットハンド法により混合が行われる。尚、ウェットハンド法とは、図2(a)に示されるように、主剤組成物(イ)及び硬化剤組成物(ロ)をそれぞれが付着しにくいように水を付けた手袋を用い、所定の混合比で取り出し、次に(b)に示されるように両者を一度団子状に一つに合わせ、(c)に示されるように両手で引き延ばし、さらに(d)に示されるように折りたたみ片方の手にまとめる。この(c)〜(d)の作業を20〜50回程度繰り返すことにより、主剤組成物と硬化剤組成物の均一な混合物を得る混合方法のことである。
【0003】
この混合方法による場合には、パテ状組成物は図2(c)に示されるように、引き延ばし時には良好な伸びを有し、且つ、図2(a)の取り出し時、図2(d)の折りたたんで片方の手にまとめる際には良好な手離れ性を有する必要があり、所謂餅つきをするときの餅のような性質を備える必要がある。
そのため、主剤組成物及び硬化剤組成物の取り出しから混合操作迄の作業性、構造物欠損部等への充填時にダレを生じることのない保形性等の良し悪しが特に重要である。
【背景技術】
【0004】
従来より、エポキシ樹脂、エポキシ硬化剤を主成分とするパテ状主剤組成物、硬化剤組成物は、良好な作業性を付与するために、増粘剤・揺変剤としてアスベストを配合することが行われている。しかし、アスベストは労働安全衛生法で有害な鉱物性粉塵に指定されており、これを使用することは環境上、問題がある。また、アスベストの代替品として知られているセピオライト等の鉱物繊維を使用したり、針状の硫酸マグネシウム等のウィスカ(特許文献1参照)やフィブリル化ポリオレフィン繊維等のフィブリル化繊維(特許文献2参照)を使用することも考えられるが、単独で使用する限り、良好な作業性や充填時の保形性が得られなかったり、貯蔵安定性が確保できないといった問題があった。
【0005】
【特許文献1】特開平7−82539号公報
【特許文献2】特開平7−126588号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、主剤組成物及び/または硬化剤組成物にアスベストを使用することなく、作業性や充填時の保形性、及び貯蔵安定性が良好なパテ状2成分型エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、はじめにアスベストが繊維状の無機物質であることに着目し、同じく無機系の分岐を持たない針状の繊維物質であり、増粘付与効果及び揺変性付与効果が高いものとして知られているウィスカを単独で配合することによってアスベスト代替の解決を試みた。その結果、混合時においては良好な伸び、手離れ性(以下、作業性と総称することがある。)、及び充填施工時の良好な保形性を得ることはできたが、50℃・30日間保存する貯蔵安定性試験では、製造時に比べて粘度が著しく増大し、混合時の伸びも悪くなった。この原因として、エポキシ樹脂、エポキシ硬化剤をはじめとする液状分に対してウィスカの濡れが不十分であり、時間の経過に従って、徐々にウィスカが液状分に濡れていく。このため、ウィスカに束縛されない見かけ上の自由な液状分は減少し、更に、この自由な液状分が減少することによって、ウィスカ同士の物理的間隔も小さくなるため、粘度が著しく増大して、使用に耐えられないものとなってしまうと推測される。
【0008】
次に、本発明者らは幹繊維に多数のヒゲ状の分岐を持つフィブリル化繊維が、ウィスカと同様に増粘効果が高いものとして知られていることから、これを単独で配合することを試みた。その結果、貯蔵安定性試験においては、製造直後に比べて、ほとんど粘度の増減がないことがわかったが、混合時における伸びが悪く、紙粘土のようなボソボソとした状態となり、混合が容易でなかった。また、充填施工時の保形性に欠け、欠損部補修等の充填用途に適さないとの知見を得た。
そこで、本発明者らは、ウィスカ、フィブリル化繊維がいずれも増粘作用に優れる点に着目し、ウィスカの一部をフィブリル化繊維に置き換えることによって、両者が互いの短所を補完し得るのではないかと考えた。時間の経過に伴う増粘は液状分に対するウィスカの濡れの進行に起因するものと考えられることから、ウィスカの一部をフィブリル化繊維に置き換えることによってウィスカ自体の配合量は減少し、時間経過による粘度増大も小さくなる。更に、自由な液状分の減少に伴うウィスカ同士の接近も、フィブリル化繊維の介在によってある程度ブロックされることで、より粘度の増大を抑制できるものと考えた。
【0009】
この着想に基づいて、鋭意研究を重ねた結果、主剤組成物及び硬化剤組成物の全重量に対し、ウィスカ及び/又はフィブリル化繊維を、ある特定の範囲内で配合する場合に限って、良好な作業性、充填施工時の保形性、貯蔵安定性を示すことを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下の通りである。
1.エポキシ樹脂に、(A)ウィスカ及び(B)フィブリル化繊維を配合したことを特徴とするパテ状主剤組成物。
2.(A)ウィスカ及び(B)フィブリル化繊維が、下記式(1)〜(3)を同時に満足するように配合されたことを特徴とする1.に記載のパテ状主剤組成物。
【0010】
【数1】

【0011】
3.(A)ウィスカが、硫酸マグネシウムウィスカ又は炭酸カルシウムウィスカであり、(B)フィブリル化繊維が、フィブリル化ポリオレフィン繊維であることを特徴とする1
.又は2.に記載のパテ状主剤組成物。
4.エポキシ硬化剤に、(A)ウィスカ及び(B)フィブリル化繊維を配合したことを特徴とするパテ状硬化剤組成物。
5.(A)ウィスカ及び(B)フィブリル化繊維が、下記式(1)〜(3)を同時に満足するように配合されことを特徴とする4.のパテ状硬化剤組成物。
【0012】
【数2】

【0013】
6.(A)ウィスカが、硫酸マグネシウムウィスカ又は炭酸カルシウムウィスカであり、(B)フィブリル化繊維が、フィブリル化ポリオレフィン繊維であることを特徴とする4.又は5.に記載のパテ状硬化剤組成物。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、エポキシ樹脂又はエポキシ硬化剤に、ウィスカ及びフィブリル化繊維を配合することによって、ヘラやウェットハンドで混合するときの作業性や充填施工時の保形性が良好で、且つ貯蔵安定性が良好なパテ状2成分型エポキシ樹脂組成物が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を詳しく説明する。
(1)ウィスカとフィブリル化繊維の合計配合量は、主剤組成物及び硬化剤組成物全重量に対して1〜22重量%が良く、1重量%より少ないと粘度が低すぎ、ウェットハンド混合時の手離れが悪くなって作業困難となる。また、22重量%より多いと粘度が著しく高くなり、充填部分への接着性が確保されず、いずれの場合もパテ材としての用をなさない。その配合量は5.7〜20重量%の範囲が好ましく、8〜15重量%の範囲が特に好ましい。
(2)ウィスカの配合量は、主剤組成物及び硬化剤組成物全重量に対して0.5〜20重量%が良く、0.5重量%より少ないと、同時に配合されるフィブリル化繊維の配合量によらず、効果が発揮されずに、ウェットハンド混合時の手離れが悪くなって作業困難となり、20重量%より多いと貯蔵安定性が悪くなる。その配合量は5〜15重量%の範囲が好ましく、7〜12重量%の範囲が特に好ましい。
(3)フィブリル化繊維の配合量は、主剤組成物及び硬化剤組成物全重量に対して0.5〜10重量%が良く、0.5重量%より少ないと、同時に配合されるウィスカの配合量によらず効果が発揮されずに、貯蔵安定性が悪くなり、10重量%より多いとウェットハンド混合時の伸びが悪くなって保形性にも欠ける。その配合量は0.7〜5重量%の範囲が好ましく、1〜3重量%の範囲で配合したものが特に好ましい。
【0016】
本発明におけるウィスカは、ウェットハンド混合時の伸びと手離れの良さ、すなわち良好な作業性を付与するものであり、例えば、硫酸マグネシウムウィスカ、炭酸カルシウムウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ、ケイ酸カルシウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、ホウ酸アルミニウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、アルミナウィスカ、窒化珪素ウィスカ
、セラミックウィスカ、ガラス繊維、炭素繊維、セピオライト等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましくは繊維長2〜100μm、繊維径0.3〜1.5μm(アスペクト(繊維長/繊維径)比;1.3〜167)のウィスカである。特に好ましくは、繊維長5〜30μm、繊維径0.5〜1.0μm(アスペクト比;5〜60)の硫酸マグネシウムウィスカ、または、炭酸カルシウムウィスカである。より具体的にはモスハイジ(商品名、宇部マテリアルズ(株)製)、ウィスカル(商品名、丸尾カルシウ
ム(株)製)等がある。
【0017】
本発明におけるフィブリル化繊維は、貯蔵安定性に寄与するものであり、例えば、フィブリル化ポリオレフィン繊維、セルロース繊維、フィブリル化ポリエステル繊維、フィブリル化ポリアクリロニトリル繊維、フィブリル化ポリビニルアルコール繊維、フィブリル化ポリ塩化ビニル繊維、フィブリル化アラミド繊維、フィブリル化ポリアリレート繊維、フィブリル化ポリウレタン系繊維等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましくは平均繊維長10〜2000μmのフィブリル化繊維である。特に好ましくは、平均繊維長50〜100μmのフィブリル化ポリオレフィン繊維である。より具体的にはケミベストFDSS−5(商品名、三井化学(株)製)等がある。
【0018】
本発明で用いられるエポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニル、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等とエピクロルヒドリンを反応させて得られるビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等や、これらを水添化あるいは臭素化したエポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂、メタキシレンジアミンやヒダントイン等をエポキシ化した含窒素エポキシ樹脂、ポリブタジエンあるいはNBRを含有するゴム変性エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、これらを単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0019】
また、上記エポキシ樹脂とともに、例えば、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ステアリルモノグリシジルエーテル、アリルモノグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、p−ter−ブチルフェニルモノグリシジルエーテル、sec−ブチルフェニルモノグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルモノグリシジルエーテル、アルキルC8 〜C10混合アルコールのモノグリシジルエーテル、アルキルC12〜C13混合高級アルコールのモノグリシジルエーテル、ラウリルアルコールモノグリシジルエーテルのようなモノエポキシ化合物の他、シランカップリング剤の中でエポキシ基を持つ化合物、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等も適宜用いることができる。
【0020】
本発明で用いられるエポキシ硬化剤は、汎用エポキシ樹脂に用いられる市販品を用いることができる。その量は硬化すべきエポキシ化合物に対して、使用目的や用途によって任意の割合で配合可能であるが、通常はエポキシ当量と硬化剤の化学当量(例えばアミン類であればアミン当量)の比が0.2〜3.0の範囲、好ましくは、0.8〜1.2の範囲で使用することが望ましい。エポキシ硬化剤としては、例えば、脂肪族ポリアミン、変性脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、変性芳香族ポリアミン、脂環式ポリアミン、変性脂環式ポリアミン、ポリアミドアミン、変性ポリアミドアミン、複素環式ジアミン、複素環式ジアミン変性物等のアミン類の他、第三アミン化合物、ポリメルカプタン化合物、ポリサルファイド化合物等が挙げられ、これらを単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0021】
また、上記エポキシ硬化剤と共に、例えばシランカップリング剤の中で1種以上の一級または二級アミノ基を持つ化合物、例えばγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリ
メトキシシラン等も適宜用いることができる。
本発明においては、上記ウィスカおよびフィブリル化繊維の他にも各種の充填材、例えば、重質炭酸カルシウム、炭酸カルシウム表面に脂肪酸や樹脂酸処理が施された表面処理炭酸カルシウム、タルク、カオリンクレー、雲母、ガラスバルーン、シラスバルーン、シリカ、酸化チタン、水酸化アルミニウム、普通ポルトランドセメント、ホワイトセメント、硅砂等を単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
本発明のパテ状主剤組成物又は硬化剤組成物は、ウェットハンドによる混合法を用いて混合することが主となるが、それ以外にも平板上でヘラによる混合をする場合にも使用できる。
このヘラによる場合には、混合時に手離れ等が問題とはならないため、本発明の主剤組成物に液状の硬化剤を、逆に本発明の硬化剤組成物に対し液状の主剤を用いることができる。
【実施例】
【0022】
以下に、この発明を実施例、比較例に基づいてさらに詳しく説明する。
尚、実施例、比較例におけるウェットハンド法における作業性、充填施工時の保形性、貯蔵安定性の評価は次の(1)〜(3)の基準に拠った。
(1)ウェットハンド法における作業性について
以下の2つの基準を設けた。
1.取り出し時の手離れ性
予め濡らした手袋で、組成物を取り出して手の平で保持する。保持してから15秒、30秒、60秒経過後に手の平を180度返して、落下するか(すなわち付着しにくいか)確認した。
60秒でも落下する:◎
30秒では落下し、60秒では付着して落下しない:○
15秒では落下し、30秒では付着して落下しない:△
15秒で付着して落下しない:×
2.混合時の伸び
混合時において、図2に示した(c)〜(d)の操作を30回行い、その間に図2(c)のように組成物を伸ばしたときに、良好な伸びを示さず、紙粘土のようにボソボソと切れる回数を確認した。
ここで、全ての主剤組成物の評価に当たり、硬化剤組成物として製造直後の比較例13を用いた。
また、全ての硬化剤組成物の評価に当たり、主剤組成物として製造直後の比較例1を用いた。
30回中0〜5回 :◎
30回中6〜10回 :○
30回中11〜15回:△
30回中16回以上 :×
【0023】
(2)充填施工時の保形性について
垂直に立てたコンクリート舗道板(4)に、混合した組成物(3)を図3の角錐形状に付着させ、1分後のダレ測定部分(ハ)の下方へのダレを測定した。
ここで、全ての主剤組成物の評価に当たり、硬化剤組成物として製造直後の比較例13を用いた。
また、全ての硬化剤組成物の評価に当たり、主剤組成物として製造直後の比較例1を用いた。
1分後の部分(ハ)の下方へのダレが5mm未満:◎
1分後の部分(ハ)の下方へのダレが5mm以上10mm未満:○
1分後の部分(ハ)の下方へのダレが10mm以上20mm未満:△
1分後の部分(ハ)の下方へのダレが20mm以上:×
【0024】
(3)貯蔵安定性について
JIS K 2207-1996 に規定される測定針によって、23℃における針入開始5秒後の針入度を測定した。
製造直後の針入度と50℃で30日間保存した時の針入度の差が±10未満:◎
製造直後の針入度と50℃で30日間保存した時の針入度の差が±10以上±20未満:○
製造直後の針入度と50℃で30日間保存した時の針入度の差が±20以上±30未満:△
製造直後の針入度と50℃で30日間保存した時の針入度の差が±30以上:×
【0025】
(実施例1)
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名
エピコート828 )300重量部、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(旭電化工業(株)製、商品名E D503)、炭酸カルシウム600重量部
、硫酸マグネシウムウィスカ(宇部マテリアルズ(株)製 、商品名モスハイジ)6
5重量部、フィブリル化ポリオレフィン繊維(三井化学(株)製、商品名ケミベス
トFDSS−5)5重量部を、60°C加熱×0.1atm以下の減圧条件で撹拌分散させ、主剤組成物を製造した。
【0026】
(実施例2〜8)
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリアミドアミン(富士化成工業(株)製、商品名トーマイド225N
D)、アミドアミン(コグニスジャパン(株)製、商品名ゼナミド152N)、炭酸
カルシウム、硫酸マグネシウムウィスカ、炭酸カルシウムウィスカ(丸尾カルシウム(株)製、商品名ウィスカル)、フィブリル化ポリオレフィン繊維を表1および
表2に示した割合になるよう秤量して、実施例1と同様にして、主剤組成物、及び硬化剤組成物を製造した。
【0027】
(比較例1〜24)
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリアミドアミン、アミドアミン、炭酸カルシウム、普通セメント、硫酸マグネシウムウィスカ、炭酸カルシウムウィスカ、フィブリル化ポリオレフィン繊維を表1及び表2に示した割合になるよう秤量して、実施例1と同様にして、主剤組成物及び硬化剤組成物を製造した。
【0028】
実施例1〜8及び比較例1〜24の作業性、貯蔵安定性の評価は、表1及び表2に示されている。
それによると、実施例1〜4と比較して、次のことがいえる。
比較例1:作業性は良いが、貯蔵安定性が非常に悪い。
比較例2:作業性は良いが、貯蔵安定性が非常に悪い。
比較例3:作業性は非常に悪いが、貯蔵安定性が非常に良い。
比較例4:作業性は良いが、貯蔵安定性が非常に悪い。
比較例5:作業性は良いが、貯蔵安定性が非常に悪い。
比較例6:作業性は悪いが、貯蔵安定性が非常に良い。
比較例7:作業性は非常に良いが、貯蔵安定性が非常に悪い。
比較例8:作業性は非常に悪いが、貯蔵安定性が非常に良い。
比較例9:粘度が低すぎて流動性を持ち、パテ材としての用をなさない。
比較例10:粘度が低すぎて流動性を持ち、パテ材としての用をなさない。
比較例11:粘度が高すぎて被着材への付着が非常に悪く、パテ材としての用をなさない。
比較例12:粘度が高すぎて被着材への付着が非常に悪く、パテ材としての用をなさない。
比較例13:作業性は非常に良いが、貯蔵安定性が悪い。
比較例14:作業性は非常に良いが、貯蔵安定性が悪い。
比較例15:作業性は非常に悪いが、貯蔵安定性が非常に良い。
比較例16:作業性は非常に良いが、貯蔵安定性が非常に悪い。
比較例17:作業性は非常に良いが、貯蔵安定性が非常に悪い。
比較例18:作業性は悪いが、貯蔵安定性が良い。
比較例19:作業性は非常に良いが、貯蔵安定性が悪い。
比較例20:作業性は非常に悪いが、貯蔵安定性が良い。
比較例21:粘度が低すぎて流動性を持ち、パテ材としての用をなさない。
比較例22:粘度が低すぎて流動性を持ち、パテ材としての用をなさない。
比較例23:粘度が高すぎて被着材への付着が非常に悪く、パテ材としての用をなさない。
比較例24:粘度が高すぎて被着材への付着が非常に悪く、パテ材としての用をなさない。
【0029】
【表1】

【0030】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明のパテ状2成分型エポキシ樹脂組成物は、高粘度、高揺変性を示すため、構造物欠損部の充填補修、水道本管と支管の充填接合、止水を目的とする充填、水中構造物の欠損やクラック補修を始めとして多岐に渡る分野で、使用する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】パテ状2成分型エポキシ樹脂組成物による構造物欠損部の充填補修、水道本管と支管の充填接合の例を示す図である。
【図2】パテ状2成分型エポキシ樹脂組成物のウェットハンド法による混合方法を示す図である。
【図3】パテ状2成分型エポキシ樹脂組成物の混合後の保形性の評価方法を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
(1):充填補修部
(2):充填接合部
(イ):主剤組成物
(ロ):硬化剤組成物
(3):混合組成物
(4):コンクリート舗道板
(ハ):ダレ測定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ樹脂に、(A)ウィスカ及び(B)フィブリル化繊維を配合したことを特徴とするパテ状主剤組成物。
【請求項2】
(A)ウィスカ及び(B)フィブリル化繊維が、下記式(1)〜(3)を同時に満足するように配合されたことを特徴とする請求項1に記載のパテ状主剤組成物。
【数1】

【請求項3】
(A)ウィスカが、硫酸マグネシウムウィスカ又は炭酸カルシウムウィスカであり、(B)フィブリル化繊維が、フィブリル化ポリオレフィン繊維であることを特徴とする請求項1又は2に記載のパテ状主剤組成物。
【請求項4】
エポキシ硬化剤に、(A)ウィスカ及び(B)フィブリル化繊維を配合したことを特徴とするパテ状硬化剤組成物。
【請求項5】
(A)ウィスカ及び(B)フィブリル化繊維が、下記式(1)〜(3)を同時に満足するように配合されたことを特徴とする請求項4記載のパテ状硬化剤組成物。
【数2】

【請求項6】
(A)ウィスカが、硫酸マグネシウムウィスカ又は炭酸カルシウムウィスカであり、(B)フィブリル化繊維が、フィブリル化ポリオレフィン繊維であることを特徴とする請求項4又は5に記載のパテ状硬化剤組成物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−219624(P2006−219624A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−36015(P2005−36015)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(000105648)コニシ株式会社 (217)
【Fターム(参考)】