説明

パネル体の取付構造及びこれを備えたデスク装置

【課題】天板を支持する脚体があっても、デスク本体の天板上の空間を区画するためのパネル体を取付可能なパネル体の取付構造及びこれを備えたデスク装置を提供する。
【解決手段】パネル体4、5の前端部4a、5a側に取り付けられ、パネル体4、5に上端側を接続してパネル体4、5の下端面4b、5bよりも下方に垂下する垂下部26、及び垂下部26の下端からパネル体4、5の前後方向T2中央側に向けて延びる固定部27を有する取付金具20と、脚体1の前端部側の上端部側に設けられ、脚体1の前端部に開口しつつ脚体1の前後方向T2中央側に向けて延び、取付金具20の固定部27が挿入される挿入凹所21と、取付金具20を下方に押圧するとともにパネル体4、5の下端面4b、5bを天板2に押圧させてパネル体4、5をデスク本体3に固定する固定手段22とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばオフィス等の執務空間で使用されるデスク装置の天板上に設置され、該天板上の空間を区画するパネル体の取付構造及びこれを備えたデスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばオフィス等の執務空間で使用されるデスク装置は、一般に、左右に離間して床面上に配設された一対の脚体と、脚体の上部間に架設された天板とを有するデスク本体を備えて構成されている。また、この種のデスク装置には、天板上にデスク装置の前後方向に沿ってパネル体(仕切りパネル)を設置し、複数の使用者がそれぞれ、パネル体で区画した各空間を使用できるようにしたり、天板の側端部にパネル体(サイドパネル)を設置して天板上の空間を外部と区画するようにして、使い勝手を良好にしたものがある。
【0003】
一方、仕切りパネルやサイドパネルのパネル体をデスク本体の天板上に取り付ける方法として、パネル体の前端部や後端部の下端部側に固定金具を取り付け、この固定金具で、天板の前端部や後端部側を上下方向で挟み込んで把持するようにして、天板にパネル体を固定支持させる方法が多く採用されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
そして、このようにパネル体に取り付けた固定金具で天板を挟み込んで把持してパネル体を取り付ける方法は、比較的簡易な方法でありながら確実にパネル体をデスク本体に取り付けることができる。また、パネル体を取り付けるための加工をデスク本体に施す必要がないという大きな利点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−004961号公報
【特許文献2】特開2008−073467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、パネル体に取り付けた固定金具で天板を把持してパネル体を取り付ける上記従来の方法においては、固定金具で挟み込もうとする天板の前端部分や後端部分に脚体などのデスク装置の構造部材が配設されていると、固定金具で天板を把持できないため、その位置にパネル体を取り付けることができないという問題があった。すなわち、パネル体の取付位置に制限が生じる場合があった。
【0007】
特に、一般的なデスク装置においては、天板を強固に支持するため、脚体がデスク装置の左右の側端部側に配設されており、この脚体が邪魔になってデスク装置(天板)の側端部側の好適な位置にサイドパネルとしてのパネル体を取り付けることができず、位置をずらしてパネル体を設置するなどの不都合が生じていた。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、天板を支持する脚体があっても、デスク本体の天板上の空間を区画するためのパネル体を取付可能なパネル体の取付構造及びこれを備えたデスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のパネル体の取付構造は、左右に離間して配設された一対の脚体と、前記一対の脚体の上部間に架設された天板とを有するデスク本体の前記天板上に、パネル面を左右方向に向けて前後方向にパネル体を配設して取り付けるためのパネル体の取付構造であって、前記パネル体の前端部側あるいは後端部側に取り付けられ、前記パネル体に上端側を接続して前記パネル体の下端面よりも下方に垂下する垂下部、及び前記垂下部の下端から前記パネル体の前後方向中央側に向けて延びる固定部を有する取付金具と、前記脚体の前端部側あるいは後端部側の上端部側に設けられ、前記脚体の前端部あるいは後端部に開口しつつ前記脚体の前後方向中央側に向けて延び、前記取付金具の固定部が挿入される挿入凹所と、前記取付金具を下方に押圧するとともに前記パネル体の下端面を前記天板に押圧させて前記パネル体を前記デスク本体に固定する固定手段とを備えていることを特徴とする。
【0010】
この発明においては、デスク本体を構成する脚体の前端部側あるいは後端部側の上端部側に設けられた挿入凹所に、パネル体の前端部側あるいは後端部側に取り付けた取付金具の固定部を挿入し、固定手段によって取付金具を下方に押圧しつつパネル体の下端面を天板に押圧させることで、パネル体をデスク本体に固定することができる。そして、このように脚体に設けた挿入凹所に固定部を挿入してパネル体を天板上に設置できるため、従来のように脚体が邪魔になって位置をずらすなどしてパネル体を設置することを不要にでき、パネル体の所望の取付位置に脚体があっても、好適にパネル体を取り付けることが可能になる。
【0011】
また、本発明のパネル体の取付構造においては、前記固定手段が、前記取付金具の固定部に貫通形成されたネジ孔と、該ネジ孔に前記固定部の下面側から螺合する固定ネジとを備え、前記ネジ孔に前記固定ネジを螺入するとともに前記取付金具の固定部を下方に押し下げて前記パネル体の下端面を前記天板に押圧させ、前記パネル体を前記デスク本体に固定するように構成されていることが望ましい。
【0012】
この発明においては、デスク本体を構成する脚体の前端部側あるいは後端部側の上端部側に設けられた挿入凹所に、パネル体の前端部側あるいは後端部側に取り付けた取付金具の固定部を挿入した状態で、固定部に形成されたネジ孔に固定部の下面側から固定ネジを螺合し、この固定ネジを螺入することによって取付金具の固定部を下方に押し下げ、パネル体の下端面を天板に押圧させることができる。これにより、パネル体をデスク本体に容易に且つ確実に(強固に且つ安定的に)取り付けることが可能になる。また、固定ネジの螺入/螺出操作によって、容易に且つ確実にパネル体をデスク本体に対し着脱することができる。
【0013】
さらに、本発明のパネル体の取付構造においては、前記脚体に、前記ネジ孔に連通する挿通孔が形成されるとともに、該挿通孔が前記左右方向に延びる長孔として形成されていることがより望ましい。
【0014】
この発明においては、脚体がある部分にパネル体を取り付ける際に、脚体に形成した挿通孔が長孔であることにより、この長孔の範囲内で、固定ネジを移動させることができ、パネル体の取付位置を調整することができる。これにより、例えば、サイドパネルとしてパネル体を天板上に設置する場合に、パネル体の取付位置を調整して、容易に天板やデスク本体の側端部位置とパネル体のパネル面、側端部の位置を合わせることが可能になる。
【0015】
また、本発明のパネル体の取付構造においては、前記ネジ孔に螺合した前記固定ネジの先端を前記天板の下面に当接させつつ前記固定ネジを螺入して、前記パネル体を前記デスク本体に固定するように構成されていてもよい。
【0016】
この発明においては、取付金具の固定部のネジ孔に螺合した固定ネジの先端を天板の下面に当接させ、この状態で固定ネジを螺入することにより、取付金具の固定部を下方に押し下げ、パネル体の下端面を天板に押圧させることができる。これにより、固定ネジの螺入/螺出操作によって、パネル体をデスク本体に対し容易に且つ確実に着脱することが可能になる。
【0017】
また、このように構成した場合、パネル体の下端面と取付金具の固定部の間に天板の前端部側あるいは後端部側を挿入し、ネジ孔に螺合した固定ネジの先端を天板の下面に当接させつつ固定ネジを螺入して、パネル体をデスク本体に固定することができる。このため、脚体がある部分だけでなく、デスク本体(天板)の任意の位置に容易に且つ確実にパネル体を取り付けることができる。
【0018】
本発明のデスク装置は、左右に離間して配設された一対の脚体と、前記一対の脚体の上部間に架設された天板とを有するデスク本体の前記天板上に、パネル面を左右方向に向けて前後方向にパネル体を配設して取り付けるためのパネル体の取付構造を備え、前記パネル体の取付構造が上記のいずれかのパネル体の取付構造であることを特徴とする。
【0019】
この発明においては、上記のパネル体の取付構造による作用効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のパネル体の取付構造及びこれを備えたデスク装置においては、脚体に設けた挿入凹所に固定部を挿入してパネル体を天板上に設置できる。これにより、従来のように脚体が邪魔になって位置をずらすなどしてパネル体を設置することを不要にでき、パネル体の所望の取付位置に脚体があっても、好適にパネル体を取り付けることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係るデスク装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るデスク装置を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るデスク装置のデスク本体を示す側面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るパネル体の取付構造を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るパネル体(サイドパネル)の取付構造を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るパネル体(中間パネル)の取付構造を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るパネル体の取付構造を示す斜視図であり、脚体の端部の挿入凹所を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るパネル体の取付構造によってパネル体を脚体以外の部分に取り付けた状態を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るパネル体の取付構造の変形例を示す斜視図であり、脚体の端部の挿入凹所を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図1から図8を参照し、本発明の一実施形態に係るパネル体の取付構造及びこれを備えたデスク装置について説明する。ここで、本実施形態では、本発明にかかるデスク装置が、例えばオフィスやトレーダールーム等の執務空間で使用され、天板下などの内部に複数台の電子機器を収容可能に構成したデスク装置(デスクシステム)であるものとして説明を行う。なお、本発明にかかるデスク装置は、電子機器を収容可能に構成されていることに限定する必要はない。
【0023】
本実施形態のデスク装置Aは、図1及び図2に示すように、脚体1及び天板2を有するデスク本体3と、天板2上の空間を区画する仕切りパネル(中間パネル)4やサイドパネル5といったパネル体4、5とを備えて構成されている。また、本実施形態では、2つのデスク本体3を左右方向T1に並設してデスク装置Aが構成されている。さらに、天板2上の背面側には、例えば通路と天板2の上面との仕切りや、他者の視線を遮るために用いられる背面パネル6が、前後方向T2にパネル面を向け、左右方向T1に沿って配設されている。
【0024】
さらに、本実施形態では、デスク本体3が、図1から図3に示すように、左右に離間して配設された一対の脚体1と、一対の脚体1の上部間に架設された天板2とを備えて構成されるとともに、天板2と床面との間に、電子機器が収容される電子機器収容部7と、電子機器収容部7の空気を外部に排出する排熱ファンが収容される排熱ファン収容部8と、電子機器に接続する配線が収容される配線収容部9とを有する内部空間を形成するようにして構成されている。
【0025】
また、各脚体1は、図3(図1、図2参照)に示すように、デスク本体3の前方側と後方側にそれぞれ配設されるとともに、前後方向T2に所定の間隔をあけて立設された前側支柱10及び後側支柱11と、前側支柱10と後側支柱11の間の上部側と下部側にそれぞれ配設され、前側支柱10と後側支柱11を連結する上側横材12及び下側横材13と、上側横材12の上端部に後端部側を接続して前後方向T2前方側に延設された天板支持材14と、前側支柱10や後側支柱11の下端部側にそれぞれ、上下方向T3に伸縮可能に取り付けられ、各支柱10、11の高さ位置を調節するアジャスター15とを備えて形成されている。
【0026】
また、本実施形態において、天板支持材14は、角管状の支持本体部材16の前端に端部キャップ17を着脱可能に取り付けて構成されている。
【0027】
そして、本実施形態のデスク装置Aは、デスク本体3の一対の脚体1の天板支持材14上に載置し、これら一対の天板支持材14で支持して天板2が配設されている。また、このとき、天板2は、その前端部2aが、各天板支持材14の端部キャップ17で形成される前端部(脚体1の前端部1a)と前後方向T2の略同位置に配されるようにして設置されている。さらに、天板2の後端部2bとデスク本体3の背面の後端部との前後方向T2の間に、前記内部空間の空気を排出するための排気孔を備えた蓋材18が設置されている。さらに、天板2の下に、前記内部空間を区画する扉材19などが取り付けられている。
【0028】
一方、本実施形態のデスク装置Aは、2つのデスク本体3を左右方向T1に並べた状態で、左右方向T1両側端部側の脚体部分の天板2上にサイドパネルとしてパネル体5が取り付けられ、左右方向T1中間部の脚体部分の天板2上に仕切りパネルとして1枚のパネル体4が取り付けられている。そして、各パネル体4、5は、デスク装置Aに具備されたパネル体の取付構造Bによって天板2上に取り付けられている。
【0029】
本実施形態のパネル体の取付構造Bは、図3から図5に示すように、パネル体5(4)の前端部5a(4a)側に取り付けられた取付金具20と、脚体1の前端部1a側の上端部側に設けられた挿入凹所21と、取付金具20を下方に押圧するとともにパネル体5(4)の下端面5b(4b)を天板2に押圧させてパネル体5(4)をデスク本体3に固定するための固定手段22とを備えて構成されている。ここで、本実施形態では、パネル体の取付構造Bがデスク装置Aの前端部側に設けられているものとして説明を行うが、このパネル体の取付構造Bを後端部側に設けてパネル体5(4)を取り付けるようにしてもよい。
【0030】
本実施形態の取付金具20は、図4に示すように、水平方向(前後方向T2)に延びる接続部25と、接続部25の一端から接続部25に直交して下方に垂下する垂下部26と、垂下部26の下端から水平方向T2に延びる固定部27とを備えてコ字状に形成されている。また、この取付金具20は、例えば金属製の平板材を折り曲げ加工して形成したものであり、接続部25と固定部27はその板面が上下方向T3を向き、垂下部26は板面が水平方向(前後方向T2)を向くようにして形成されている。
【0031】
さらに、本実施形態の取付金具20は、接続部25に、下面から上面に貫通する貫通孔28が形成されている。また、固定部27には、下面から上面に貫通するネジ孔29が形成されている。この固定部27のネジ孔29は、このネジ孔29に固定部27の下面側から螺合する固定ネジ30とともに固定手段22の構成要素とされている。
【0032】
このように形成した取付金具20は、パネル体5(4)に接続部25を接続して(垂下部26の上端部側を接続して)取り付けられている。このとき、図4及び図5に示すように、パネル体5(4)の前端部5a(4a)側の下端部側、且つパネル体5(4)の幅方向中央部分に、下端面(5b、4b)から上方に向けて凹み、前後方向T2に延びる溝部31が形成されている。また、パネル体5(4)には、溝部31の底面に開口して穿設された接続ネジ孔32が形成されている。
【0033】
そして、取付金具20は、その延設方向を前後方向T2に向けて接続部25をパネル体5(4)の溝部31に挿入するとともに、接続部25の貫通孔28を溝部31の接続ネジ孔32に連通させ、接続部25の下面側から貫通孔28に挿通した接続ネジ33を接続ネジ孔32に締結して、パネル体5(4)に接続されている。また、このように接続部25をパネル体5(4)に接続した状態で、垂下部26がパネル体5(4)の前端部5a(4a)側に配設されるとともに、パネル体5(4)の下端面5b(4b)よりも下方に垂下して配設され、垂下部26の下端から固定部27がパネル体5(4)の前後方向T2中央側に向けて延設される。
【0034】
また、本実施形態において、脚体部分の天板2上にサイドパネルとして設置するパネル体5に取り付けられる取付金具20は、図4及び図5に示す通り、接続部25と垂下部26に繋がる1つの固定部27を備えてコ字状に形成されている。これに対し、デスク装置Aの左右方向T1の中間部の天板2上に仕切りパネルとして設置するパネル体4に取り付けられる取付金具20は、図4及び図6に示す通り、接続部25と垂下部26から2股に分岐するように繋がる2つの固定部27を備えてコ字状に形成されている。
【0035】
次に、脚体1の前端部1a側の上端部側に設けられる挿入凹所21は、図4及び図7(図5、図6参照)に示すように、取付金具20の固定部27を挿入するための空間であり、脚体1の前端部1aに開口しつつ脚体1の前後方向T2中央側に向けて延設されている。
【0036】
ここで、本実施形態では、この挿入凹所21が脚体1の天板支持材14の前端部側に設けられている。具体的に、図7に示すように、脚体1の天板支持材14は、前述の通り、角管状の支持本体部材16の前端に端部キャップ17を着脱可能に取り付けて構成されている。そして、端部キャップ17は、ブロック状に形成され、軸線O1方向後端側に設けられ、支持本体部材16の前端の開口から内部に挿入して嵌合する嵌合部35と、前端側に設けられ、支持本体部材16の前端の開口よりも大きく形成されて天板支持材14の前端部1aを形成する表出部36とを備えている。そして、嵌合部35の上端側には、上面から下面側に向けて凹みを後端に開口する断面方形状の挿入凹所21が形成され、この挿入凹所21が、嵌合部35との接続部分において後端側を向く表出部36の後端面から軸線O1方向に貫通して表出部36の前端部1aに開口して形成されている。
【0037】
また、嵌合部35には、下面から挿入凹所21の底面(上面)に貫通して挿通孔37が形成されている。さらに、本実施形態において、この挿通孔37は、天板支持材14の幅方向である左右方向T1に延びる長孔として形成されるとともに、嵌合部35の下面側を拡幅し、固定ネジ30の頭部を係止するための段部37aを備えて形成されている。また、この挿通孔37は、天板支持材14の前端部1aの挿入凹所21の開口から取付金具20の固定部27を挿入凹所21に挿入した状態で(図4参照)、固定部27のネジ孔29と上下に連通する位置に配設されている。
【0038】
また、端部キャップ17の嵌合部35には、挿通孔37よりも軸線O1方向後端側で、且つ取付金具20の固定部27を挿入凹所21に挿入した状態で、固定部27の後端位置よりも軸線O1方向後端側に、下面から挿入凹所21の底面に貫通する天板接続用挿通孔38が形成されている。
【0039】
一方、天板支持材14の支持本体部材16には、支持本体部材16に嵌合部35を嵌合させて端部キャップ17を取り付けた状態で、嵌合部35に形成した挿通孔37に上下方向T3で重なって連通する長孔の挿通孔40と、嵌合部35に形成した天板接続用挿通孔38に上下方向で重なって連通する天板接続用挿通孔41とがそれぞれ貫通形成されている。そして、本実施形態では、取付金具20の固定部27に形成したネジ孔29と、固定ネジ30と、脚体1に形成した挿通孔37、40とによって、固定手段22が構成されている。
【0040】
次に、上記構成からなる本実施形態のパネル体の取付構造Bによってパネル体5(4)をデスク本体3に取り付ける際には、予め、図4及び図7に示すように、脚体1の天板支持材14の支持本体部材16の前端に端部キャップ17を取り付ける。このように端部キャップ17を取り付けると、嵌合部35に形成した天板接続用挿通孔38が支持本体部材16に形成した天板接続用挿通孔41と連通するとともに、これら天板接続用挿通孔38、41と、天板2の下面に形成された接続ネジ孔42とが連通する。そして、天板支持材14の下面側から天板接続用挿通孔38、41に接続ネジ43を挿通して天板2の接続ネジ孔42に螺合し、脚体1(端部キャップ17)と天板2を接続する。
【0041】
次に、図4に示すように、パネル体5(4)の下端部に取り付けた取付金具20の接続部25と固定部27の間に、天板2の端部2a側を挿入するとともに、取付金具20の固定部27を脚体1の天板支持材14の前端部1aに開口する挿入凹所21に挿入し、パネル体5(4)を脚体部分の天板2上に設置する。このとき、例えば、取付金具20の垂下部26が天板2の前端部2aに当接するようにパネル体5(4)を配置すると、挿入凹所21に挿入した取付金具20の固定部27のネジ孔29と、脚体1の挿通孔37、40とが上下方向T3に連通する。
【0042】
次に、脚体1の下面側から脚体1の挿通孔37、40に固定ネジ30を挿通し、取付金具20の固定部27のネジ孔29に螺合する。そして、この固定ネジ30を順次螺入してゆくと、取付金具20の固定部27が下方に押し下げられ、取付金具20が下方に押圧される。さらに、この取付金具20の接続部25及び垂下部26を介して接続したパネル体5(4)が固定ネジ30を螺入するとともに下方に押圧され、このパネル体5(4)の下端面5b(4b)が天板2に押圧される。これにより、パネル体5(4)がデスク本体3の脚体部分の天板2上に固定して取り付けられることになる。
【0043】
また、このとき、本実施形態のパネル体の取付構造Bにおいては、固定ネジ30を挿通する脚体1の挿通孔37、40が長孔として形成されている。このため、例えば図5(a)、(b)に示すように、固定ネジ30の位置を長孔の範囲で左右方向T1にずらすことができる。これにより、天板2上のパネル体5(4)の位置の微調整が行なえ、サイドパネルとしてパネル体5を天板2上に設置する場合などに、パネル体5(4)の取付位置を調整して、容易に天板2やデスク本体3の側端部位置とパネル体5(4)のパネル面の位置合わせが行なえることになる。
【0044】
一方、本実施形態のパネル体の取付構造Bにおいて、脚体以外の部分にパネル体4、5を取り付けたい場合には、図8に示すように、パネル体4、5の下端部4b、5bに取り付けた取付金具20の接続部25と固定部27の間に、天板2の端部2a側を挿入し、固定部27のネジ孔29に固定ネジ30を螺合する。そして、螺合した固定ネジ30の先端を天板2の下面に当接させつつ固定ネジ30を順次螺入してゆくと、取付金具20の固定部27が下方に押し下げられ、取付金具20が下方に押圧される。さらに、この取付金具20の接続部25及び垂下部26を介して接続したパネル体4、5が固定ネジ30を螺入するとともに下方に押圧され、このパネル体4、5の下端面4b、5bが天板2に押圧される。これにより、天板2をパネル体4、5の下端面4b、5bと固定ネジ30の先端の間で挟み込むようにして、パネル体4、5がデスク本体3の脚体以外の部分の天板2上で固定して取り付けられる。
【0045】
したがって、本実施形態のパネル体の取付構造B及びデスク装置Aにおいては、デスク本体3を構成する脚体1の前端部1a側(あるいは後端部側)の上端部側に設けられた挿入凹所21に、パネル体4、5の前端部4a、5a側(あるいは後端部側)に取り付けた取付金具20の固定部27を挿入し、固定手段22によって取付金具20を下方に押圧しつつパネル体4、5の下端面4b、5bを天板2に押圧させることで、パネル体4、5をデスク本体3に固定することができる。
【0046】
そして、このように脚体1に設けた挿入凹所21に固定部27を挿入してパネル体4、5を天板2上に設置できるため、従来のように脚体1が邪魔になって位置をずらすなどしてパネル体4、5を設置することを不要にでき、パネル体4、5の所望の取付位置に脚体1があっても、好適にパネル体4、5を取り付けることが可能になる。
【0047】
また、本実施形態のパネル体の取付構造B及びデスク装置Aにおいては、挿入凹所21に、パネル体4、5の前端部4a、5a側(あるいは後端部側)に取り付けた取付金具20の固定部27を挿入した状態で、固定部27に形成されたネジ孔29に固定部27の下面側から固定ネジ30を螺合し、この固定ネジ30を螺入することによって取付金具20の固定部27を下方に押し下げ、パネル体4、5の下端面4b、5bを天板2に押圧させることができる。これにより、パネル体4、5をデスク本体3に容易に且つ確実に(強固に且つ安定的に)取り付けることが可能になる。また、固定ネジ30の螺入/螺出操作によって、容易に且つ確実にパネル体4、5をデスク本体3に対し着脱することができる。
【0048】
さらに、脚体1がある部分にパネル体4、5を取り付ける際に、脚体1に形成した挿通孔37、40が長孔であることにより、この長孔37、40の範囲内で、固定ネジ30を移動させることができ、パネル体4、5の取付位置を調整することができる。これにより、例えば、サイドパネルとしてパネル体5を天板2上に設置する場合に、パネル体5の取付位置を調整して、容易に天板2やデスク本体3の側端部位置とパネル体5のパネル面の位置を合わせることが可能になる。
【0049】
また、取付金具20の固定部27のネジ孔29に螺合した固定ネジ30の先端を天板2の下面に当接させ、この状態で固定ネジ30を螺入することにより、取付金具20の固定部27を下方に押し下げ、パネル体4、5の下端面4b、5bを天板2に押圧させることもできる。これにより、固定ネジ30の螺入/螺出操作によって、パネル体4、5をデスク本体3に対し容易に且つ確実に着脱することが可能になる。
【0050】
また、このように構成した場合、パネル体4、5の下端面4b、5bと取付金具20の固定部27の間に天板2の前端部2a側(あるいは後端部側)を挿入し、ネジ孔29に螺合した固定ネジ30の先端を天板2の下面に当接させつつ固定ネジ30を螺入して、パネル体4、5をデスク本体3に固定することができる。このため、脚体1がある部分だけでなく、デスク本体3(天板2)の任意の位置に容易に且つ確実にパネル体4、5を取り付けることができる。
【0051】
以上、本発明に係るパネル体の取付構造及びデスク装置の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0052】
例えば、図9に示すように、端部キャップ17の上面から下面に向けて凹み、前端から後端まで連続して上方に開口するように挿入凹所21を形成してもよい。この場合には、端部キャップ17を射出成形などで製作する際に、図7の端部キャップ17と比較し、金型の形状が簡易となるため、容易に且つ低コストで端部キャップ17を製造することが可能になる。
【0053】
また、本発明にかかる脚体は、本実施形態のように限定する必要はなく、少なくとも前端部あるいは後端部に開口して前後方向に延び、取付金具20の固定部27を挿入する挿入凹所21を備えていればよい。
【0054】
また、本実施形態では、端部キャップ17を支持本体部材16の前端に着脱可能に取り付けて天板支持材14ひいては脚体1が構成されているものとしたが、端部キャップ17を固着して脚体1を構成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 脚体
1a 前端部
2 天板
2a 前端部
2b 後端部
3 デスク本体
4 パネル体
4a 前端部
4b 下端面
5 パネル体
5a 前端部
5b 下端面
6 背面パネル
7 電子機器収容部
8 排熱ファン収容部
9 配線収容部
10 前側支柱
11 後側支柱
12 上側横材
13 下側横材
14 天板支持材
15 アジャスター
16 支持本体部材
17 端部キャップ
18 蓋材
19 扉材
20 取付金具
21 挿入凹所
22 固定手段
25 接続部
26 垂下部
27 固定部
28 貫通孔
29 ネジ孔
30 固定ネジ
31 溝部
32 接続ネジ孔
35 嵌合部
36 表出部
37 挿通孔
37a 段部
38 天板接続用挿通孔
40 挿通孔
41 天板接続用挿通孔
42 接続ネジ孔
43 接続ネジ
A デスク装置
B パネル体の取付構造
O1 軸線
T1 左右方向
T2 前後方向
T3 上下方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右に離間して配設された一対の脚体と、前記一対の脚体の上部間に架設された天板とを有するデスク本体の前記天板上に、パネル面を左右方向に向けて前後方向にパネル体を配設して取り付けるためのパネル体の取付構造であって、
前記パネル体の前端部側あるいは後端部側に取り付けられ、前記パネル体に上端側を接続して前記パネル体の下端面よりも下方に垂下する垂下部、及び前記垂下部の下端から前記パネル体の前後方向中央側に向けて延びる固定部を有する取付金具と、
前記脚体の前端部側あるいは後端部側の上端部側に設けられ、前記脚体の前端部あるいは後端部に開口しつつ前記脚体の前後方向中央側に向けて延び、前記取付金具の固定部が挿入される挿入凹所と、
前記取付金具を下方に押圧するとともに前記パネル体の下端面を前記天板に押圧させて前記パネル体を前記デスク本体に固定する固定手段とを備えていることを特徴とするパネル体の取付構造。
【請求項2】
請求項1記載のパネル体の取付構造において、
前記固定手段が、前記取付金具の固定部に貫通形成されたネジ孔と、該ネジ孔に前記固定部の下面側から螺合する固定ネジとを備え、
前記ネジ孔に前記固定ネジを螺入するとともに前記取付金具の固定部を下方に押し下げて前記パネル体の下端面を前記天板に押圧させ、前記パネル体を前記デスク本体に固定するように構成されていることを特徴とするパネル体の取付構造。
【請求項3】
請求項2記載のパネル体の取付構造において、
前記脚体に、前記ネジ孔に連通する挿通孔が形成されるとともに、該挿通孔が前記左右方向に延びる長孔として形成されていることを特徴とするパネル体の取付構造。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のパネル体の取付構造において、
前記ネジ孔に螺合した前記固定ネジの先端を前記天板の下面に当接させつつ前記固定ネジを螺入して、前記パネル体を前記デスク本体に固定するように構成されていることを特徴とするパネル体の取付構造。
【請求項5】
左右に離間して配設された一対の脚体と、前記一対の脚体の上部間に架設された天板とを有するデスク本体の前記天板上に、パネル面を左右方向に向けて前後方向にパネル体を配設して取り付けるためのパネル体の取付構造を備え、
前記パネル体の取付構造が請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のパネル体の取付構造であることを特徴とするデスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−94277(P2013−94277A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237720(P2011−237720)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】