説明

パネル吊り用連結具

【課題】パネルに専用の吊り上げ用金具を設けなくてもパネルとリフト手段とを連結することができてコスト削減を図ることができ、さらに、パネルの屋外側面と屋内側面が傷つくことを防止できるパネル吊り用連結具を提供すること。
【解決手段】構造躯体4への取り付けに用いる取付用プレート21を固着するとともにパネル上端面に目地形成用の突部20を有するパネル2を、リフト手段3に連結して吊り上げるためのパネル吊り用連結具1であって、連結具本体10の上部に、リフト手段3に連結される連結部11を設け、連結具本体10の下部に、取付用プレート21に着脱自在に固定される固定部12と、突部20の屋外側面に当接される押さえ部13とを備え、パネル2を吊り上げる際、固定部12と押さえ部13とでパネル2上部を保持するようにしてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーン等のリフト手段とパネルを連結して吊り上げるためのパネル吊り用連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、クレーン等のリフト手段を用いてパネルを吊り上げる際に、図6(a)(b)に示すように、専用の吊り上げ用金具90をパネル9に設け、この吊り上げ用金具90とリフト手段3とをパネル吊り用連結具8で連結させるものが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
このパネル吊り用連結具8は、リフト手段3に連結する連結部81と、パネル9の屋外側面の上部に設けた専用の吊り上げ用金具90に着脱自在に固定される固定部82と、パネル9の屋内側面を押さえる押さえ部83とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−54637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述のパネル吊り用連結具8を用いるためには、パネル9に別途、専用の吊り上げ用金具90を設けなければならず、コストがかさむ。
【0006】
加えて、上述のパネル吊り用連結具8を用いてパネル9を吊り上げる際、パネル9の揺れを連結具本体80の押さえ部83で押さえると、パネル9の屋内側面が傷ついてしまうおそれがある。
【0007】
そこで、上記事情を鑑みて、本発明は、パネルに専用の吊り上げ用金具を設けなくてもパネルとリフト手段とを連結することができてコスト削減を図ることができ、さらに、パネルの屋外側面と屋内側面が傷つくことを防止できるパネル吊り用連結具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明のパネル吊り用連結具は、構造躯体への取り付けに用いる取付用プレートを固着するとともにパネル上端面に目地形成用の突部を有するパネルを、リフト手段に連結して吊り上げるためのパネル吊り用連結具であって、連結具本体の上部に、前記リフト手段に連結される連結部を設け、連結具本体の下部に、前記取付用プレートに着脱自在に固定される固定部と、前記突部の屋外側面に当接される押さえ部とを備え、前記パネルを吊り上げる際、前記固定部と前記押さえ部とでパネル上部を保持するようにしてなることを特徴とする。
【0009】
また、上記課題を解決するための本発明のパネル吊り用連結具は、構造躯体への取り付けに用いる取付用プレートを固着するとともにパネル上端面に目地形成用の突部を有するパネルを、リフト手段に連結して吊り上げるためのパネル吊り用連結具であって、連結具本体に、前記取付用プレートに着脱自在に固定される固定部を設け、前記固定部に、前記リフト手段に連結される連結部と、前記突部の屋外側面に当接される押さえ部とを備え、前記パネルを吊り上げる際、前記固定部と前記押さえ部とでパネル上部を保持するようにしてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のパネル吊り用連結具は、パネルに専用の吊り上げ用金具を設けなくてもパネルとリフト手段とを連結することができてコスト削減を図ることができ、さらに、パネルの屋外側面と屋内側面が傷つくことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第一実施形態のパネル吊り用連結具で、リフト手段と平置き状態のパネルを連結した状態を示し、(a)は上側から視た斜視図であり、(b)は下側から視た斜視図である。
【図2】同上のパネル吊り用連結具を示す斜視図である。
【図3】同上のパネル吊り用連結具を用いてパネルを構造躯体に取り付ける施工状態を示す斜視図である。
【図4】同上のパネル吊り用連結具を用いてパネルを吊り上げ、このパネルを構造躯体に溶着した状態を示す側面図である。
【図5】本発明の第二実施形態のパネル吊り用連結具で、リフト手段と平置き状態のパネルを連結した状態を示し、上側から視た斜視図である。
【図6】従来のパネル吊り用連結具を示し、(a)はパネル吊り用連結具でリフト手段とパネルを連結した状態の側面図であり、(b)はリフト手段に連結したパネル吊り用連結具をパネルに連結させる状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0013】
本発明の第一実施形態では、クレーン等のリフト手段3とパネル2とをパネル吊り用連結具1によって連結する構造となっている。以下においては、図3に示すようにパネル2をパネル吊り用連結具1を介してリフト手段3によって吊り上げた状態を基準として上下を説明し、図3の手前側を屋外側とし、図3の奥側を屋内側とする。
【0014】
図1(a)は、吊り上げる前の平置き状態のパネル2とリフト手段3を、パネル吊り用連結具1で連結した状態の斜視図であり、図1(b)は、その状態を別の方向から視た斜視図である。
【0015】
パネル2は、矩形状のサンドイッチパネルであり、屋内側面と屋外側面とが、表面に防汚加工等が施された化粧鋼板で構成され、その間にロックウール等の断熱材が充填されている。なお、パネル2は、コンクリートパネル等でもよく、上述のものに限定されない。
【0016】
パネル2は、その上端面に、上方に向けて突出する目地形成用の突部20が左右方向(上端面の長手方向)の全長に亘って形成されている。なお、この目地形成用の突部20は、パネル2の両側端面と下端面にも全長に亘って形成されており、パッキンが被されている。2枚のパネル2,2を上下に連接させた際(図3参照)、下方のパネル2の上端面の突部20が、上方のパネル2の下端面の突部20に突き合わさって、2枚のパネル2,2間には所定幅の目地が形成される。この目地には、目地材が充填されて、突部20は施工完了時、屋外側から視えなくなる。
【0017】
パネル2の上部の屋内側面には、図1(a)に示すように、梁などの構造躯体4(図3,4参照)に取り付けられる取付用プレート21が固着されている。取付用プレート21は、パネル2に固定される略矩形状のパネル固定板22と、このパネル固定板22に固定される2つの略矩形状の突出板23とから構成される。突出板23は、その一端部(下端部)がパネル固定板22に固定され、他端部(上端部)がパネル2の上端より上方に突出する。突出板23の他端部(上端部)には、パネル吊り用連結具1の後述する固定ねじ17が着脱自在に螺合可能となる固定ねじ孔24が貫通形成されている。実際には、取付用プレート21のうち、突出板23の他端部(上端部)が固定ねじ孔24を介したねじ固定や溶接、またはその両方によって構造躯体4に取り付けられる。パネル2とパネル固定板22と2つの突出板23はそれぞれ、ワンサイドボルト等のねじで固定されている。なお、パネル固定板22と2つの突出板23は一体成形したものであってもよいし、溶接などにより固定したものであってもよい。上述の取付用プレート21は、固定したパネル2の左右方向の中心線に対して線対称となるように設けられているが、その中心線に対して非対称となるように設けられていてもかまわない。
【0018】
図2に示すように、パネル吊り用連結具1は、連結具本体10の上部に、リフト手段3に連結される連結部11を備える。そして、連結具本体10の下部に、パネル2の取付用プレート21に着脱自在に固定される固定部12と、パネル2の突部20の屋外側面に当接される押さえ部13とを備える。
【0019】
連結具本体10は、略台形状の平板部14と、その平板部14の下端部から延設したL字状の押さえ部13と、平板部14の上端部から延設した略矩形状の連結部基部15と、3つの略直角三角形形状の補強部16から形成されている。L字状の押さえ部13は、先端部分が平板部14に対して略平行で、基端部分が平板部14に対して略垂直である。連結部11は、リング状のものであり、下端部分が連結具本体10の連結部基部15にねじ固定されている。押さえ部13と平板部14には、補強部16の直角を成す2辺がそれぞれ溶接されて補強されている。また、連結部基部15の左右方向の両端部とその部分に対応する平板部14には、補強部16の直角を成す2辺がそれぞれ溶接されて補強されている。なお、この補強部16によって補強されたパネル吊り用連結具1は、本実施形態のパネル2の重さの10倍のものを吊り下げても、破損しないような強度で形成されている。
【0020】
平板部14の下部には、固定ねじ17の軸部が貫通する貫通孔18が2つ形成されている。固定ねじ17は、アイボルトからなり、頭部がリング状で、軸部が外周面に螺旋状のねじ溝を形成したものである。貫通孔18は、固定ねじ17の軸部よりも若干径が広く、内周面にねじ溝が形成されていないものとなっているが、内周面に固定ねじ17の軸部と螺合するねじ溝が形成されたものであってもよい。本実施形態では、この2対の貫通孔18と固定ねじ17とで、固定部12を成す。
【0021】
上述の固定ねじ17は、連結具本体10に連結コード100を介して連結される。そのため、固定ねじ17は、固定ねじ孔24から取り外しても、連結具本体10から外れ落ちないようになっている。詳しくは、平板部14の上部には、連結コード100の一端が着脱自在に連結される2つの連結孔19が貫通形成されている。連結コード100は、中央部がコイル状になった伸縮自在なものである。連結コード100の他端は、固定ねじ17のリング状の頭部に連結される。なお、上述のパネル吊り用連結具1は、固定したパネル2の左右方向の中心線に対して線対称となるように設けられているが、その中心線に対して非対称となるように設けられていてもかまわない。
【0022】
続いて、上述のパネル吊り用連結具1を用いて、パネル2をリフト手段3で吊り上げる際の施工手順の一例について説明する。
【0023】
まず、連結コード100の一端部をパネル吊り用連結具1の連結孔19に連結させる。次に、連結具本体10下部の2つの貫通孔18をそれぞれ、パネル2に設けた取付用プレート21の固定ねじ孔24に合わせる。このとき、連結具本体10下部の押さえ部13の先端部の屋内側面が、パネル2の上端面の突部20の屋外側面に当接する。次に、固定ねじ17の軸部を貫通孔18を介して固定ねじ孔24に螺合させていく。固定ねじ17の頭部の屋内側の端部が、貫通孔18周りの平板部14に接触するまで、固定ねじ17を締め付ける。次に、パネル吊り用連結具1の連結部11にリフト手段3(クレーンに連結されたベルト)を連結させる。最後に、リフト手段3でパネル2の吊り上げを行う。なお、パネル2は吊り上げた後、図4に示すように、取付用プレート21の突出板23を構造躯体4に溶着させる。その後、固定ねじ17を外して、取付用プレート21からリフト手段3と一体のパネル吊り用連結具1を取り外す。
【0024】
以上のようにパネル2とリフト手段3を連結するパネル吊り用連結具1は、パネル2に設けた、構造躯体4に取り付けるための取付用プレート21の固定ねじ孔24を利用して、パネル2に連結することができる。そのため、従来例のように、パネル2に専用の吊り上げ用金具を設けなくてもよいので、コスト削減を図ることができる。
【0025】
加えて、パネル吊り用連結具1は、パネル2の屋内側面に設けた取付用プレート21に、連結具本体10の固定部12を固定することで、パネル2の屋内側面にパネル吊り用連結具1が接触することを防止できる。そして、パネル2の上端面の突部20の屋外側面に、連結具本体10の押さえ部13を当接させることで、パネル2の屋外側面にパネル吊り用連結具1が接触することを防止できる。よって、本実施形態では、パネル吊り用連結具1の、パネル2の屋内側面と屋外側面それぞれへの接触を防止して、パネル2の屋内側面と屋外側面が傷つくことを防止できる。なお、パネル2における、パネル吊り用連結具1の押さえ部13が接触する部分は、施工完了時、充填された目地材によって、屋外側からは視えない部分となっている。
【0026】
また、本実施形態では、パネル2を吊り上げる際、固定部12と押さえ部13とでパネル2上部を保持したようになる。詳しくは、パネル2は、吊り上げられる際、パネル吊り用連結具1の押さえ部13と、パネル吊り用連結具1の固定部12を固定した取付用プレート21とで、屋内側と屋外側から挟みこまれたような様態となる。そのため、本実施形態では、この両方向への揺れを抑えた状態でパネル2は吊り上げることができる。
【0027】
また、パネル2を平置き状態(図1参照)から起こす際に、パネル2の自重を、取付用プレート21の突出板23と、パネル吊り用連結具1の押さえ部13とで分散して支持できるので、このとき、パネル2の屋内側面がパネル内側の断熱材から剥がれてしまうことを防止できる。
【0028】
続いて、図5に示す本発明の第二実施形態について説明を行う。なお、第一実施形態と同じ構成については、図中に同じ符号を付けて説明を省略する。
【0029】
本実施形態では、パネル2の上端部に沿った形状の取付用プレート25が固定されたパネル2とリフト手段3とを、第一実施形態とは別形状のパネル吊り用連結具5によって連結する構造となっている。このパネル2は、例えば、窓等の開口部の下部を構成するものである。なお、パネル2は、第一実施形態と同様に、上端面に目地形成用の突部20を有しており、パネル2上部の屋内側面に、構造躯体4への取り付けに用いる取付用プレート25を固着したものである。
【0030】
取付用プレート25は、パネル2に固定される略矩形状のパネル固定板26と、このパネル固定板26に固定される断面略L字状の突出板27とから構成される。突出板27は、その一端部(下端部)がパネル固定板26に固定され、他端部(上端部)がパネル2の上端面に沿っている。突出板27の他端部(上端部)には、パネル吊り用連結具5の後述する固定ねじ6が着脱自在に螺合する固定ねじ孔(図示せず)が貫通形成されている。本実施形態では、取付用プレート25のうち、突出板27の一端部(下端部)と他端部(上端部)の間の部分が溶接により構造躯体4に取り付けられる。パネル2とパネル固定板26と突出板27は、それぞれねじ固定されているが、一体成形したものや、溶接などにより固定したものであってもよい。なお、取付用プレート25は、固定したパネル2の左右方向の中心線に対して線対称となるように設けられているが、その中心線に対して非対称となるように設けられてもかまわない。
【0031】
パネル吊り用連結具5は、連結具本体50に、パネル2の取付用プレート25に着脱自在に固定される固定部52を備える。そして、この固定部52には、リフト手段3に連結される連結部51と、パネル2の突部20の屋外側面に当接される押さえ部53とを備える。詳しくは、連結具本体50の屋内側部分に、リフト手段3に連結される連結部51と、パネル2の取付用プレート25に着脱自在に固定される固定部52を備える。そして、連結具本体50の屋外側部分に、パネル2の突部20の屋外側面に当接される押さえ部53を備える。
【0032】
連結具本体50は、断面略L字状であり、略矩形状の平板部54と、その平板部54の屋外側の端部から下方に略垂直に延設した押さえ部53から形成されている。
【0033】
本実施形態では、連結部51は、アイボルトのリング状の頭部分であり、固定ねじ6は、アイボルトの軸部分(外周面に螺旋状のねじ溝を形成した軸部分)である。
【0034】
平板部54の屋内側部分には、固定ねじ6が貫通する貫通孔(図示せず)が2つ形成されている。貫通孔は、固定ねじ6よりも若干径が広く、内周面にねじ溝が形成されていないものとなっているが、内周面に固定ねじ17の軸部と螺合するねじ溝が形成されたものであってもよい。本実施形態では、この2対の貫通孔と固定ねじ6とで、固定部52を成す。なお、上述したパネル吊り用連結具5は、固定したパネル2の左右方向の中心線に対して線対称となるように設けられているが、その中心線に対して非対称となるように設けられていてもかまわない。
【0035】
続いて、上述のパネル吊り用連結具5を用いて、パネル2をリフト手段3で吊り上げる際の施工手順の一例について説明する。
【0036】
まず、連結具本体50下部の2つの貫通孔をそれぞれ、パネル2に設けた取付用プレート25の固定ねじ孔に合わせる。このとき、連結具本体50下部の押さえ部53の屋内側面が、パネル2の上端面の突部20の屋外側面に当接する。次に、アイボルトの軸部分である固定ねじ6を貫通孔を介して取付用プレート25の固定ねじ孔に螺合させていく。アイボルトの頭部分の下端部が、貫通孔周りの平板部54に接触するまで、固定ねじ6を締め付ける。次に、アイボルトの頭部分である連結部51にリフト手段3(クレーンに連結されたベルト)を連結させる。そして、リフト手段3でパネル2の吊り上げを行う。なお、パネル2は吊り上げた後、取付用プレート25の突出板27を構造躯体4に溶着させる。その後、固定ねじ6を緩めて、取付用プレート25から、リフト手段3と一体となったパネル吊り用連結具5を取り外す。
【0037】
以上のようにパネル2とリフト手段3を連結するパネル吊り用連結具5では、パネル2に設けた、構造躯体4に取り付けるための取付用プレート25の固定ねじ孔を利用して、パネル2に連結することができる。そのため、本実施形態においても、従来例のように、パネル2に専用の吊り上げ用金具を設けなくてもよいので、コスト削減を図ることができる。
【0038】
また、本実施形態では、第一実施形態と同様に、パネル吊り用連結具5の、パネル2の屋内側面と屋外側面それぞれへの接触を防止して、パネル2の屋内側面と屋外側面が傷つくことを防止できる。また、パネル2における、パネル吊り用連結具5の押さえ部53が接触する部分は、施工完了時、目地材が充填されて、屋外側からは視えない部分となっている。
【0039】
また、本実施形態では、パネル2を吊り上げる際、固定部52と押さえ部53とでパネル2上部を保持したようになる。詳しくは、パネル2は、吊り上げられる際、パネル吊り用連結具1の押さえ部53と、パネル吊り用連結具1の固定部52を固定した取付用プレート25とで、屋内側と屋外側から挟みこまれたような様態となる。そのため、本実施形態では、第一実施形態と同様に、この両方向への揺れを抑えた状態でパネル2は吊り上げることができる。
【0040】
また、本実施形態では、パネル2を平置き状態(図5参照)から起こす際に、パネル2の自重を、取付用プレート25の突出板27と、パネル吊り用連結具5の押さえ部53とで分散して支持できる。そのため、本実施形態では、第一実施形態と同様に、この際、パネル2の屋内側面がパネル内側の断熱材から剥がれてしまうことを防止できる。
【0041】
なお、上述した本実施形態では、パネル2は左右対称な矩形状のものであったが、これに限らず、例えばコーナー部材や型曲げパネルなどの左右非対称の異型パネルであってもかまわない。また、パネル吊り用連結具も左右非対称な偏心タイプのものであってもかまわない。いずれの形状を採用した場合でも、パネルをパネル吊り用連結具を介してリフト手段でバランスよく持ち上げることができるようにすればよい。
【0042】
また、上述した本実施形態では、パネル2の屋内側面の上部に取付用プレート21,25を取り付けたが、この取付位置はこれに限らず、例えば、パネル2の屋内側面の中央部や、パネル2の上端面であってもよい。
【0043】
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 パネル吊り用連結具
10 連結具本体
11 連結部
12 固定部
13 押さえ部
2 パネル
20 突部
21 取付用プレート
3 リフト手段
4 構造躯体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造躯体への取り付けに用いる取付用プレートを固着するとともにパネル上端面に目地形成用の突部を有するパネルを、リフト手段に連結して吊り上げるためのパネル吊り用連結具であって、
連結具本体の上部に、前記リフト手段に連結される連結部を設け、
連結具本体の下部に、前記取付用プレートに着脱自在に固定される固定部と、前記突部の屋外側面に当接される押さえ部とを備え、
前記パネルを吊り上げる際、前記固定部と前記押さえ部とでパネル上部を保持するようにしてなることを特徴とするパネル吊り用連結具。
【請求項2】
構造躯体への取り付けに用いる取付用プレートを固着するとともにパネル上端面に目地形成用の突部を有するパネルを、リフト手段に連結して吊り上げるためのパネル吊り用連結具であって、
連結具本体に、前記取付用プレートに着脱自在に固定される固定部を設け、
前記固定部に、前記リフト手段に連結される連結部と、前記突部の屋外側面に当接される押さえ部とを備え、
前記パネルを吊り上げる際、前記固定部と前記押さえ部とでパネル上部を保持するようにしてなることを特徴とするパネル吊り用連結具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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