パネル接続用連結具。
【課題】 所定範囲の板厚のパネルを容易に接続でき、所定範囲より薄くともパネルが外れにくく、また接続部から折れ曲がりにくい衝立及び仮設間仕切り又はトイハウスなどの遊具を得ること。
【解決手段】 長手方向に連続する断面略U字状の連結具本体の該断面略U字状に区画される内側を嵌合部として形成すると共に該嵌合部の内面で対向する双方の面に、それぞれ略板状で軟質の弾発変形可能な粘着質を有する粘着支持部を奥斜め方向に突出形成し、また連結具本体の該略U字状の外部曲面側の略中央部近傍から連結係止部を突出形成し、さらに連結具本体の粘着支持部が突出又は埋没可能となるように、該粘着支持部に対応する凹部を形成している。
【解決手段】 長手方向に連続する断面略U字状の連結具本体の該断面略U字状に区画される内側を嵌合部として形成すると共に該嵌合部の内面で対向する双方の面に、それぞれ略板状で軟質の弾発変形可能な粘着質を有する粘着支持部を奥斜め方向に突出形成し、また連結具本体の該略U字状の外部曲面側の略中央部近傍から連結係止部を突出形成し、さらに連結具本体の粘着支持部が突出又は埋没可能となるように、該粘着支持部に対応する凹部を形成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック段ボールなどのパネルを接続するために使用する連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本出願人が出願した種々の板厚、各種材質及び部材違いのパネルに対応して該パネルを連結具本体に接続し、その接続した連結具本体を連結して仮設間仕切りなどに使用するパネルなど板状体の連結具がある。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
また、連結部材7に形成された取り付け部14の板外嵌凹条部14cに間仕切り板6の縁部を嵌入したものをポスト5の嵌合凹状部8に該連結部材7の嵌合凸状部15を嵌合させて、間仕切りとして組み立てる実施例を示した間仕切りがある。(例えば、特許文献2参照)
【0004】
さらに、連結具8の嵌合部aにアッパースクリーン5の上コーナー部に嵌合し、その嵌合のとき、アッパースクリーン5のこじれをなくし、また嵌合部8aの弾性を適度に利かせて、アッパースクリーン5のコーナー部にガタ付きなくきっちりと嵌め込むように、嵌合溝17の内側面に複数条の突条18(或いは溝条を形成している)を形成する実施例を示した、アッパースクリーン付き什器並びにこれに使用する連結具がある。(例えば、特許文献3参照)
【0005】
また、従来一般的な使用例として、子供が段ボール箱でよく遊んでいるような、プラスチック段ボールなどのパネルにて、子供が組立てて遊ぶ小さな囲い及びトイハウスなどが、一般市場に提供されている。
【0006】
【特許文献1】特願2007−232059号公報
【特許文献2】特開平10−061072号公報
【特許文献3】特開2003−325258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願人が出願した、特許文献1のパネルなど板状体18の連結具は、接続する板状体18などの厚さに対応できるように連結具本体2が変形して対応するが、その対応する変形量に合わせ連結具本体2を若干大きめに設定して強度を維持しているが、その対応するサイズに対して、大きく相違する薄い又は強度が弱い板状体18を使用する場合、例えばプラスチック段ボール(ほか紙段ボール、カラー段ボール、発泡スチロールの中板にカラーの紙ライナーを貼り付けたスチロール板)などを使用すると、連結具本体2が、それに対して大きすぎ、またデザイン的バランスと対応する板状体18の強度にもバランスを欠き適合しなかった。
【0008】
そして、またその薄い板状体18の比較的曲げに弱い材料は、板状体18と連結具本体2との連結部分の板状体18が弱く折れ曲がりやすくなり、また連結具本体2の接着支持体3,3に板状体18を接続接着するのに両面テープなど一般的に知られる接着するための接着層8,8を使用しているので、接着支持体3,3に両面テープを設けるのに製造上の手間と、そして板状体18を接続して接着するとき剥離紙を剥がす手間とその剥離紙がゴミとなり無駄が多く、環境上、改善の余地があった。
【0009】
よって、比較的薄く弱いパネルなどの板状体18に使用でき、また連結具と板状体18のデザイン的バランスと大きさに対応し、且つある程度の板厚の違いにも安定して容易に嵌合接続と粘着固定でき、さらに容易に製造でき、連結作業の効率化、加えて環境に配慮できるように改善した。
【0010】
また、特許文献2の間仕切りは、連結部材7の板外嵌凹条部14cの幅が固定で、その板外嵌凹条部14cに嵌合する間仕切り板6の板厚が所定の板厚専用で、多少、板厚が薄いと間仕切り板6ががたつき、不安定で板厚違いに対応せず、このことから汎用又は有り合せのパネルを使用できないという課題があった。
【0011】
さらに、特許文献3のアッパースクリーン付き什器並びにこれに使用する連結具は、アッパースクリーン5の上コーナー部に連結具8の嵌合部8aを嵌合連結するもので、その嵌合連結するとき、こじれないようにするため嵌合溝17の内側面に複数条の突条18(或いは溝条)を形成してこじれを防止するとしているが、逆に抜き方向の力が作用すると、突条18が嵌合溝17の内側面に対して直角に突出していることから、該突条18の接触面とアッパースクリーン5の接触面が小さく、接触抵抗も小さくなり、そのことで容易に抜け、その結果、連結力が弱くなり、このことから嵌合のときのがたつきがなく、また容易に外れない連結具が課題となっていた。
【0012】
また従来、小さな囲い及びトイハウスなどは、所定形状に製作された物を折りたたみ提供し、また連結体を有するパネルを該連結体にて連結して所定形状に組立て遊んでいたが、その激しい遊びにパネルと連結体の接合部の角でパネルが折れ曲がり痛みが激しく、ある程度パネルを弾力支持して折れ曲がりにくいものが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記課題を有効に達成するために第1の解決手段として、長手方向に連続する断面略U字状の連結具本体であって、該断面略U字状に区画される内側を嵌合部として形成すると共に該嵌合部の内面で対向する双方の面に、それぞれ略板状で軟質の弾発変形可能な粘着質を有する粘着支持部を奥斜め方向に突出形成し、また連結具本体の該略U字状の外部曲面側の略中央部近傍から連結係止部を突出形成することで、
パネル縁部を嵌合部に挿嵌することで、若干の板厚違いに対応して粘着保持すると共に引き抜き方向の力に対して突っ張り状に支持し、またそれを連結して間仕切りなどとする。
【0014】
また、第2の解決手段は、連結具本体の粘着支持部が突出又は埋没可能となるように、該粘着支持部に対応する凹部を形成したことで、
嵌合部幅の範囲内のパネル厚に対応して粘着支持片が変形してパネルなどを保持するように作用すると共に引き抜き方向の力に対して突っ張り状に支持する。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、上述したそれぞれの手段によって有効な効果が得られるようにしたもので、特に第1の解決手段は、長手方向に連続する断面略U字状の連結具本体であって、該断面略U字状に区画される内側を嵌合部として形成すると共に該嵌合部の内面で対向する双方の面に、それぞれ略板状で軟質の弾発変形可能な粘着質を有する粘着支持部を奥斜め方向に突出形成し、また連結具本体の該略U字状の外部曲面側の略中央部近傍から連結係止部を突出形成しているので、
パネル縁部を嵌合部に挿嵌するだけで、嵌合部の対向する双方の面に形成された粘着支持片により粘着支持されて嵌合接続できるので、挿入するだけの簡易にパネルを接続でき、また若干の板厚違いに対応して粘着支持片が、粘着保持すると共に引き抜き方向の力に対して突っ張り状に支持するので、嵌合部より薄いパネルでも容易に外れることがなく嵌合接続できる。
【0016】
また、連結具本体とパネルの接続の強度において、該連結具本体の挿入口近傍のパネルは、該挿入口が支点となり折れ曲がりやすく、特に薄いパネルであればそれが顕著に表れ、その折れ曲がりを嵌合部の対向する双方の面の中間点で粘着支持片しているので、該挿入口の支点となる部分とパネルに隙間ができ、且つ柔軟支持されるので、折れ曲がりが緩和され折れ曲がり防止となり、特にトイハウスなど激しい使用にも対応でき丈夫で長く使用できる。
【0017】
さらに、粘着支持片が軟質の弾発変形可能な粘着質で、奥斜め方向に突出させて形成しているので、パネル縁部を嵌合部に挿嵌するだけで容易に接続ができ、従来のように両面テープを設ける必要がなく、製造が容易でコストダウンとなり、またテープの剥離紙を剥がすこともなく連結作業の効率化ができ、さらにその剥離紙が発生しないので環境にも配慮できる。
【0018】
また、第2の解決手段は、連結具本体の粘着支持部が突出又は埋没可能となるように、該粘着支持部に対応する凹部を形成しているので、
嵌合部幅の範囲内でパネル厚に対応して、粘着支持片が凹部に埋没するように変形して粘着保持するので、所定範囲でパネル厚が選択できると共に嵌合部幅より薄いパネルも剥がれず、嵌合接続が外れることなく確実に粘着される。
【0019】
さらに、嵌合部の粘着支持が中間支持であることから薄パネルであると、その薄い分左右の隙間の幅が広く柔軟に粘着支持されるので、折れ曲がりが最小限に止められると共に引き抜き方向の力に対して突っ張り状に支持するので、薄パネルでも容易に外れることがない。
【0020】
加えて、連結具本体の粘着支持片が、パネルを柔軟に弾力支持し、該パネルが折れ曲がりにくく、また引き抜きにも強く、よってパネルを連結具本体により連結組み立てして小さな囲い及びトイハウスなどに使用したとき、激しい使用に対しても多少柔軟に弾力変形するので、子供の遊びにも耐えられ安定して使用できる。
よって、本発明は、実用上著大な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
比較的薄手のパネルに対応した連結具本体で、該パネルを接続連結するとき、嵌合部に挿嵌するだけで容易に接続させ、且つ柔軟に粘着支持させることでパネルが容易に折れ曲がることなく、また所定範囲のパネル厚違いにも容易に剥がれることがなく粘着してパネル厚に対応でき、その接続に対して引き抜き方向の力に、突っ張り状に粘着支持するので、薄パネルでも容易に外れることがない接続を実現させた。
【実施例】
【0022】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、図1において、1は連結具で、該連結具1は、長手方向に連続する断面略U字状の連結具本体2と該連結具本体2の略U字状の略U字状の曲部先端から突出するように、連結係止部3を形成し、該連結係止部3は、上述長手方向に連続する連結具1の連結具本体2に沿って板状に形成され、該先端部には断面略キノコ状で連結係止する係止頭部3aを形成している。
【0023】
そして、連結具本体2の断面略U字状の内側に区画される内面を嵌合部4として形成すると共に該嵌合部4の内面で対向する面に、それぞれ略板状で軟質の弾発変形可能な粘着質で形成された粘着支持片5,5,…を奥斜め方向に突出させ、それぞれ各面に先端から奥端の間で二列対向させて断面略ハの字状に形成している。
【0024】
また、嵌合部4の粘着支持片5,5,…が揺動したとき、該粘着支持片5,5,…が埋没状に嵌入する凹陥部6,6,…を形成し、後述するパネル7の板厚に対応する量、該粘着支持片5,5,…が凹陥部6,6,…に埋没状に嵌入される。
そして、図中、8は多方面から受ける緩衝用の緩衝穴部8である。
【0025】
なお、連結具本体2は熱可塑性エラストマーを用い、また粘着支持片5,5,…は、粘着性の熱可塑性エラストマーを用いて、二種類の材料を使用する二色の押出し成型で、連結具1として一体的に形成される。
【0026】
また、図2に示す連結具1aは、上述連結具1と略同様で相違において、粘着支持片5,5,…及び凹陥部6,6,…が、一対の粘着支持片5,5及び凹陥部6,6,…を形成して、嵌合部4の区画される内面幅より比較的薄い板厚を有するパネル7にコンパクトに接続使用するものに最適なサイズである。
【0027】
しかして、連結具1の使用において、図3及び図4に示すように、連結具1の嵌合部4にパネル7の端縁部を挿入嵌合させると共に粘着支持片5,5,…で粘着嵌合保持させ、該挿入嵌合は、図1の面対向する粘着支持片5,5,…の略ハの字状の広がり部分からパネル7の端縁部を挿入嵌合して粘着保持させ、粘着後引き抜き方向に対して上記略ハの字状の粘着支持片5,5,…が突っ張り状に支持するので、容易に外れず保持され、そしてパネル7の他の端縁部も同様に嵌合保持し、両端縁部に連結具1を設けることで連結用パネル9として形成される。
【0028】
また、その挿入嵌合するパネル7の板厚が、嵌合部4の区画される内面幅と略同幅の場合、図3に示すように、粘着支持片5,5,…が凹陥部6,6,…に埋没した状態まで押し広げられてパネル7を粘着嵌合保持している。
【0029】
それに対して、パネル7の板厚が上述幅より薄い場合、図4に示すように、粘着支持片5,5,…が板厚に比例した量、凹陥部6,6,…に埋没した状態で、且つ粘着支持片5,5,…が嵌合部4の区画された内面から略ハの字状に略突張った状態で、その嵌合部4で中間保持し、嵌合部4の粘着支持が中間点であることから折れ曲がりやすい薄いパネル7の、その薄い分、左右の空き幅が広くなり、柔軟に粘着支持され、折れ曲がりが最小限に止められ、その状態で該パネル7を粘着保持している。
【0030】
さらに、図5に示すように、上述図3の実施例の連結具1と略同様に、パネル7の端縁部に連結具1aを一対の粘着支持片5,5で粘着保持し、他端縁部も同様に嵌合接続してパネル7の両端縁部に設けることで、連結用パネル9aとして形成している。
【0031】
そして、図6に示すように、パネル7の板厚が薄い場合、上述図4の実施例と略同様で、差違において、一対の粘着支持片5,5が略ハの字状に略突張った状態でパネル7を中間保持することにより、図6の矢印で図示するように、該パネル7が所定範囲で揺動可能に粘着保持されるので、連結具1aにパネル7を嵌合接続したとき、連結具1aに対してパネル7が折れ曲がりにくく接続される。
【0032】
しかして、上述のように形成した連結用パネル9又は連結用パネル9aを連結して間仕切りなどとして使用するとき、図7及び図9に示す連結支柱10,11により連結して所定形状に間仕切りとして使用する。
【0033】
そこで先ず、図7に示す該連結支柱10は、棒状で上述連結具本体2の係止頭部3aに対応する凹状係止部10a,10aをそれぞれ反対周面側の長手方向に形成し、二方向の連結用として使用する。
【0034】
そして、図8に示すように、パネル7に設けられた連結具1,1の連結係止体3,3の係止頭部3a,3aが、連結支柱10の凹状係止部10a,10aに嵌合され、直線の間仕切りなどとして形成される。
【0035】
また、図9に示す該連結支柱11は、上述連結支柱10と略同様で、差違において、凹状係止部11a,11a,…がそれぞれ四等分で配置形成され、図10に示すように略T字状に連結具1,1,1を連結して所定区画に分割形成される間仕切りなどとして使用される。
【0036】
そして、上述間仕切りなどとして所定区画に分割形成される実施例として、図11に示すように、連結用パネル9(ここでは連結用パネル9のみを示す。)と連結支柱10,11を組み合わせて所定区画に分割する間仕切りとして使用する。
【0037】
なお、図11の12は、自立用脚で、該自立用脚12は、図12に示すように、連結用パネル9のパネル7から左右に突出させて連結用パネル9が転倒しないように端部近傍に設けられる。
【0038】
また、凹状係止部10a及び凹状係止部11aのように、連結の方向が二方向又は四方向としているが、使用する間仕切り又はトイハウスなどの遊び道具など、それぞれの用途に対応して、三方向など適宜、別の連結支柱を使用しても良いが、特に図示は省略した。
【0039】
さらに、連結具1,1aの連結係止体3,3の係止頭部3a,3aを断面略キノコ状を他の形状に換えて形成し、又は連結支柱10,11を使用せず前記、連結係止体3,3の係止頭部3a,3a同士で係止できるような係合関係の係止部として形成しても好ましいが、図示は省略した。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】 本発明の実施例の連結具1の端面図である。
【図2】 本発明の実施例の連結具1aの端面図である。
【図3】 本発明の実施例の連結具1をパネル7に接続した連結用パネル8の端面図である。
【図4】 本発明の実施例の連結具1を薄パネル7に接続した連結用パネル8の端面図である。
【図5】 本発明の実施例の連結具1aをパネル7に接続した要部の端面図である。
【図6】 本発明の実施例の連結具1aを薄パネル7に接続した要部の端面図である。
【図7】 本発明の連結支柱10の連結状況を示す要部の端面図である。
【図8】 本発明の連結支柱10の連結した状態を示す要部の端面図である。
【図9】 本発明の他の実施例の連結支柱11の平面図である。
【図10】 本発明の他の実施例の連結支柱11の連結状態を示す要部の平面図である。
【図11】 本発明の使用状態を示す平面図である。
【図12】 本発明の使用状態の要部の自立用脚12を示す正面図である。
【符号の説明】
【0041】
1,1a 連結具
2 連結具本体
3 連結係止部
4 嵌合部
5 粘着支持片
6 凹陥部
7 パネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック段ボールなどのパネルを接続するために使用する連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本出願人が出願した種々の板厚、各種材質及び部材違いのパネルに対応して該パネルを連結具本体に接続し、その接続した連結具本体を連結して仮設間仕切りなどに使用するパネルなど板状体の連結具がある。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
また、連結部材7に形成された取り付け部14の板外嵌凹条部14cに間仕切り板6の縁部を嵌入したものをポスト5の嵌合凹状部8に該連結部材7の嵌合凸状部15を嵌合させて、間仕切りとして組み立てる実施例を示した間仕切りがある。(例えば、特許文献2参照)
【0004】
さらに、連結具8の嵌合部aにアッパースクリーン5の上コーナー部に嵌合し、その嵌合のとき、アッパースクリーン5のこじれをなくし、また嵌合部8aの弾性を適度に利かせて、アッパースクリーン5のコーナー部にガタ付きなくきっちりと嵌め込むように、嵌合溝17の内側面に複数条の突条18(或いは溝条を形成している)を形成する実施例を示した、アッパースクリーン付き什器並びにこれに使用する連結具がある。(例えば、特許文献3参照)
【0005】
また、従来一般的な使用例として、子供が段ボール箱でよく遊んでいるような、プラスチック段ボールなどのパネルにて、子供が組立てて遊ぶ小さな囲い及びトイハウスなどが、一般市場に提供されている。
【0006】
【特許文献1】特願2007−232059号公報
【特許文献2】特開平10−061072号公報
【特許文献3】特開2003−325258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願人が出願した、特許文献1のパネルなど板状体18の連結具は、接続する板状体18などの厚さに対応できるように連結具本体2が変形して対応するが、その対応する変形量に合わせ連結具本体2を若干大きめに設定して強度を維持しているが、その対応するサイズに対して、大きく相違する薄い又は強度が弱い板状体18を使用する場合、例えばプラスチック段ボール(ほか紙段ボール、カラー段ボール、発泡スチロールの中板にカラーの紙ライナーを貼り付けたスチロール板)などを使用すると、連結具本体2が、それに対して大きすぎ、またデザイン的バランスと対応する板状体18の強度にもバランスを欠き適合しなかった。
【0008】
そして、またその薄い板状体18の比較的曲げに弱い材料は、板状体18と連結具本体2との連結部分の板状体18が弱く折れ曲がりやすくなり、また連結具本体2の接着支持体3,3に板状体18を接続接着するのに両面テープなど一般的に知られる接着するための接着層8,8を使用しているので、接着支持体3,3に両面テープを設けるのに製造上の手間と、そして板状体18を接続して接着するとき剥離紙を剥がす手間とその剥離紙がゴミとなり無駄が多く、環境上、改善の余地があった。
【0009】
よって、比較的薄く弱いパネルなどの板状体18に使用でき、また連結具と板状体18のデザイン的バランスと大きさに対応し、且つある程度の板厚の違いにも安定して容易に嵌合接続と粘着固定でき、さらに容易に製造でき、連結作業の効率化、加えて環境に配慮できるように改善した。
【0010】
また、特許文献2の間仕切りは、連結部材7の板外嵌凹条部14cの幅が固定で、その板外嵌凹条部14cに嵌合する間仕切り板6の板厚が所定の板厚専用で、多少、板厚が薄いと間仕切り板6ががたつき、不安定で板厚違いに対応せず、このことから汎用又は有り合せのパネルを使用できないという課題があった。
【0011】
さらに、特許文献3のアッパースクリーン付き什器並びにこれに使用する連結具は、アッパースクリーン5の上コーナー部に連結具8の嵌合部8aを嵌合連結するもので、その嵌合連結するとき、こじれないようにするため嵌合溝17の内側面に複数条の突条18(或いは溝条)を形成してこじれを防止するとしているが、逆に抜き方向の力が作用すると、突条18が嵌合溝17の内側面に対して直角に突出していることから、該突条18の接触面とアッパースクリーン5の接触面が小さく、接触抵抗も小さくなり、そのことで容易に抜け、その結果、連結力が弱くなり、このことから嵌合のときのがたつきがなく、また容易に外れない連結具が課題となっていた。
【0012】
また従来、小さな囲い及びトイハウスなどは、所定形状に製作された物を折りたたみ提供し、また連結体を有するパネルを該連結体にて連結して所定形状に組立て遊んでいたが、その激しい遊びにパネルと連結体の接合部の角でパネルが折れ曲がり痛みが激しく、ある程度パネルを弾力支持して折れ曲がりにくいものが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記課題を有効に達成するために第1の解決手段として、長手方向に連続する断面略U字状の連結具本体であって、該断面略U字状に区画される内側を嵌合部として形成すると共に該嵌合部の内面で対向する双方の面に、それぞれ略板状で軟質の弾発変形可能な粘着質を有する粘着支持部を奥斜め方向に突出形成し、また連結具本体の該略U字状の外部曲面側の略中央部近傍から連結係止部を突出形成することで、
パネル縁部を嵌合部に挿嵌することで、若干の板厚違いに対応して粘着保持すると共に引き抜き方向の力に対して突っ張り状に支持し、またそれを連結して間仕切りなどとする。
【0014】
また、第2の解決手段は、連結具本体の粘着支持部が突出又は埋没可能となるように、該粘着支持部に対応する凹部を形成したことで、
嵌合部幅の範囲内のパネル厚に対応して粘着支持片が変形してパネルなどを保持するように作用すると共に引き抜き方向の力に対して突っ張り状に支持する。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、上述したそれぞれの手段によって有効な効果が得られるようにしたもので、特に第1の解決手段は、長手方向に連続する断面略U字状の連結具本体であって、該断面略U字状に区画される内側を嵌合部として形成すると共に該嵌合部の内面で対向する双方の面に、それぞれ略板状で軟質の弾発変形可能な粘着質を有する粘着支持部を奥斜め方向に突出形成し、また連結具本体の該略U字状の外部曲面側の略中央部近傍から連結係止部を突出形成しているので、
パネル縁部を嵌合部に挿嵌するだけで、嵌合部の対向する双方の面に形成された粘着支持片により粘着支持されて嵌合接続できるので、挿入するだけの簡易にパネルを接続でき、また若干の板厚違いに対応して粘着支持片が、粘着保持すると共に引き抜き方向の力に対して突っ張り状に支持するので、嵌合部より薄いパネルでも容易に外れることがなく嵌合接続できる。
【0016】
また、連結具本体とパネルの接続の強度において、該連結具本体の挿入口近傍のパネルは、該挿入口が支点となり折れ曲がりやすく、特に薄いパネルであればそれが顕著に表れ、その折れ曲がりを嵌合部の対向する双方の面の中間点で粘着支持片しているので、該挿入口の支点となる部分とパネルに隙間ができ、且つ柔軟支持されるので、折れ曲がりが緩和され折れ曲がり防止となり、特にトイハウスなど激しい使用にも対応でき丈夫で長く使用できる。
【0017】
さらに、粘着支持片が軟質の弾発変形可能な粘着質で、奥斜め方向に突出させて形成しているので、パネル縁部を嵌合部に挿嵌するだけで容易に接続ができ、従来のように両面テープを設ける必要がなく、製造が容易でコストダウンとなり、またテープの剥離紙を剥がすこともなく連結作業の効率化ができ、さらにその剥離紙が発生しないので環境にも配慮できる。
【0018】
また、第2の解決手段は、連結具本体の粘着支持部が突出又は埋没可能となるように、該粘着支持部に対応する凹部を形成しているので、
嵌合部幅の範囲内でパネル厚に対応して、粘着支持片が凹部に埋没するように変形して粘着保持するので、所定範囲でパネル厚が選択できると共に嵌合部幅より薄いパネルも剥がれず、嵌合接続が外れることなく確実に粘着される。
【0019】
さらに、嵌合部の粘着支持が中間支持であることから薄パネルであると、その薄い分左右の隙間の幅が広く柔軟に粘着支持されるので、折れ曲がりが最小限に止められると共に引き抜き方向の力に対して突っ張り状に支持するので、薄パネルでも容易に外れることがない。
【0020】
加えて、連結具本体の粘着支持片が、パネルを柔軟に弾力支持し、該パネルが折れ曲がりにくく、また引き抜きにも強く、よってパネルを連結具本体により連結組み立てして小さな囲い及びトイハウスなどに使用したとき、激しい使用に対しても多少柔軟に弾力変形するので、子供の遊びにも耐えられ安定して使用できる。
よって、本発明は、実用上著大な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
比較的薄手のパネルに対応した連結具本体で、該パネルを接続連結するとき、嵌合部に挿嵌するだけで容易に接続させ、且つ柔軟に粘着支持させることでパネルが容易に折れ曲がることなく、また所定範囲のパネル厚違いにも容易に剥がれることがなく粘着してパネル厚に対応でき、その接続に対して引き抜き方向の力に、突っ張り状に粘着支持するので、薄パネルでも容易に外れることがない接続を実現させた。
【実施例】
【0022】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、図1において、1は連結具で、該連結具1は、長手方向に連続する断面略U字状の連結具本体2と該連結具本体2の略U字状の略U字状の曲部先端から突出するように、連結係止部3を形成し、該連結係止部3は、上述長手方向に連続する連結具1の連結具本体2に沿って板状に形成され、該先端部には断面略キノコ状で連結係止する係止頭部3aを形成している。
【0023】
そして、連結具本体2の断面略U字状の内側に区画される内面を嵌合部4として形成すると共に該嵌合部4の内面で対向する面に、それぞれ略板状で軟質の弾発変形可能な粘着質で形成された粘着支持片5,5,…を奥斜め方向に突出させ、それぞれ各面に先端から奥端の間で二列対向させて断面略ハの字状に形成している。
【0024】
また、嵌合部4の粘着支持片5,5,…が揺動したとき、該粘着支持片5,5,…が埋没状に嵌入する凹陥部6,6,…を形成し、後述するパネル7の板厚に対応する量、該粘着支持片5,5,…が凹陥部6,6,…に埋没状に嵌入される。
そして、図中、8は多方面から受ける緩衝用の緩衝穴部8である。
【0025】
なお、連結具本体2は熱可塑性エラストマーを用い、また粘着支持片5,5,…は、粘着性の熱可塑性エラストマーを用いて、二種類の材料を使用する二色の押出し成型で、連結具1として一体的に形成される。
【0026】
また、図2に示す連結具1aは、上述連結具1と略同様で相違において、粘着支持片5,5,…及び凹陥部6,6,…が、一対の粘着支持片5,5及び凹陥部6,6,…を形成して、嵌合部4の区画される内面幅より比較的薄い板厚を有するパネル7にコンパクトに接続使用するものに最適なサイズである。
【0027】
しかして、連結具1の使用において、図3及び図4に示すように、連結具1の嵌合部4にパネル7の端縁部を挿入嵌合させると共に粘着支持片5,5,…で粘着嵌合保持させ、該挿入嵌合は、図1の面対向する粘着支持片5,5,…の略ハの字状の広がり部分からパネル7の端縁部を挿入嵌合して粘着保持させ、粘着後引き抜き方向に対して上記略ハの字状の粘着支持片5,5,…が突っ張り状に支持するので、容易に外れず保持され、そしてパネル7の他の端縁部も同様に嵌合保持し、両端縁部に連結具1を設けることで連結用パネル9として形成される。
【0028】
また、その挿入嵌合するパネル7の板厚が、嵌合部4の区画される内面幅と略同幅の場合、図3に示すように、粘着支持片5,5,…が凹陥部6,6,…に埋没した状態まで押し広げられてパネル7を粘着嵌合保持している。
【0029】
それに対して、パネル7の板厚が上述幅より薄い場合、図4に示すように、粘着支持片5,5,…が板厚に比例した量、凹陥部6,6,…に埋没した状態で、且つ粘着支持片5,5,…が嵌合部4の区画された内面から略ハの字状に略突張った状態で、その嵌合部4で中間保持し、嵌合部4の粘着支持が中間点であることから折れ曲がりやすい薄いパネル7の、その薄い分、左右の空き幅が広くなり、柔軟に粘着支持され、折れ曲がりが最小限に止められ、その状態で該パネル7を粘着保持している。
【0030】
さらに、図5に示すように、上述図3の実施例の連結具1と略同様に、パネル7の端縁部に連結具1aを一対の粘着支持片5,5で粘着保持し、他端縁部も同様に嵌合接続してパネル7の両端縁部に設けることで、連結用パネル9aとして形成している。
【0031】
そして、図6に示すように、パネル7の板厚が薄い場合、上述図4の実施例と略同様で、差違において、一対の粘着支持片5,5が略ハの字状に略突張った状態でパネル7を中間保持することにより、図6の矢印で図示するように、該パネル7が所定範囲で揺動可能に粘着保持されるので、連結具1aにパネル7を嵌合接続したとき、連結具1aに対してパネル7が折れ曲がりにくく接続される。
【0032】
しかして、上述のように形成した連結用パネル9又は連結用パネル9aを連結して間仕切りなどとして使用するとき、図7及び図9に示す連結支柱10,11により連結して所定形状に間仕切りとして使用する。
【0033】
そこで先ず、図7に示す該連結支柱10は、棒状で上述連結具本体2の係止頭部3aに対応する凹状係止部10a,10aをそれぞれ反対周面側の長手方向に形成し、二方向の連結用として使用する。
【0034】
そして、図8に示すように、パネル7に設けられた連結具1,1の連結係止体3,3の係止頭部3a,3aが、連結支柱10の凹状係止部10a,10aに嵌合され、直線の間仕切りなどとして形成される。
【0035】
また、図9に示す該連結支柱11は、上述連結支柱10と略同様で、差違において、凹状係止部11a,11a,…がそれぞれ四等分で配置形成され、図10に示すように略T字状に連結具1,1,1を連結して所定区画に分割形成される間仕切りなどとして使用される。
【0036】
そして、上述間仕切りなどとして所定区画に分割形成される実施例として、図11に示すように、連結用パネル9(ここでは連結用パネル9のみを示す。)と連結支柱10,11を組み合わせて所定区画に分割する間仕切りとして使用する。
【0037】
なお、図11の12は、自立用脚で、該自立用脚12は、図12に示すように、連結用パネル9のパネル7から左右に突出させて連結用パネル9が転倒しないように端部近傍に設けられる。
【0038】
また、凹状係止部10a及び凹状係止部11aのように、連結の方向が二方向又は四方向としているが、使用する間仕切り又はトイハウスなどの遊び道具など、それぞれの用途に対応して、三方向など適宜、別の連結支柱を使用しても良いが、特に図示は省略した。
【0039】
さらに、連結具1,1aの連結係止体3,3の係止頭部3a,3aを断面略キノコ状を他の形状に換えて形成し、又は連結支柱10,11を使用せず前記、連結係止体3,3の係止頭部3a,3a同士で係止できるような係合関係の係止部として形成しても好ましいが、図示は省略した。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】 本発明の実施例の連結具1の端面図である。
【図2】 本発明の実施例の連結具1aの端面図である。
【図3】 本発明の実施例の連結具1をパネル7に接続した連結用パネル8の端面図である。
【図4】 本発明の実施例の連結具1を薄パネル7に接続した連結用パネル8の端面図である。
【図5】 本発明の実施例の連結具1aをパネル7に接続した要部の端面図である。
【図6】 本発明の実施例の連結具1aを薄パネル7に接続した要部の端面図である。
【図7】 本発明の連結支柱10の連結状況を示す要部の端面図である。
【図8】 本発明の連結支柱10の連結した状態を示す要部の端面図である。
【図9】 本発明の他の実施例の連結支柱11の平面図である。
【図10】 本発明の他の実施例の連結支柱11の連結状態を示す要部の平面図である。
【図11】 本発明の使用状態を示す平面図である。
【図12】 本発明の使用状態の要部の自立用脚12を示す正面図である。
【符号の説明】
【0041】
1,1a 連結具
2 連結具本体
3 連結係止部
4 嵌合部
5 粘着支持片
6 凹陥部
7 パネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に連続する断面略U字状の連結具本体であって、該断面略U字状に区画される内側を嵌合部として形成すると共に該嵌合部の内面で対向する双方の面に、それぞれ略板状で軟質の弾発変形可能な粘着質を有する粘着支持部を奥斜め方向に突出形成し、また連結具本体の該略U字状の外部曲面側の略中央部近傍から連結係止部を突出形成したことを特徴とするパネル接続用連結具。
【請求項2】
連結具本体の粘着支持部が突出又は埋没可能となるように、該粘着支持部に対応する凹部を形成したことを特徴とする請求項1記載のパネル接続用連結具。
【請求項1】
長手方向に連続する断面略U字状の連結具本体であって、該断面略U字状に区画される内側を嵌合部として形成すると共に該嵌合部の内面で対向する双方の面に、それぞれ略板状で軟質の弾発変形可能な粘着質を有する粘着支持部を奥斜め方向に突出形成し、また連結具本体の該略U字状の外部曲面側の略中央部近傍から連結係止部を突出形成したことを特徴とするパネル接続用連結具。
【請求項2】
連結具本体の粘着支持部が突出又は埋没可能となるように、該粘着支持部に対応する凹部を形成したことを特徴とする請求項1記載のパネル接続用連結具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−106647(P2010−106647A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−303160(P2008−303160)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(598089591)株式会社東穂 (14)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(598089591)株式会社東穂 (14)
[ Back to top ]