説明

パネル製造及び/又は加工機械

本発明は、輸送経路に沿ってパネルを輸送するための輸送構成と、輸送構成により移動する際にパネルを処理するための処理構成(12)とを含むパネル製造及び/又は処理用機械(10)を提供し、輸送構成は、輸送経路に沿って縦一列に間隔を空けて、それぞれが平面パネル(P)の両側に互いに反対向きに間隔を空けた上方及び下方台座手段(34、36)を含む複数の位置決め装置(32)を有し、かつ二つの台座手段(34、36)の間の間隔(h)を調節可能な調節装置(38)も有して、少なくとも二つの位置決め装置(12)の調節装置(38)は共通の駆動構成(40)によって同時に駆動が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送経路に沿ってパネルを輸送する輸送装置と、輸送装置により移動する際にパネルを加工する加工装置とを含む、パネルを製造及び/又は加工する機械に関し、輸送装置は、輸送経路に沿ってある距離に離して縦一列に配列され、平面パネルの両側に互いに反対向きにある距離を離して横たわる上方及び下方台座手段をそれぞれが含む複数の位置決め装置を有し、調節装置はこれにより台座手段の間の距離を設定することができる。
【背景技術】
【0002】
この種の機械はパネルの製造又は加工の分野に知られており、一般的には上方及び下方の回転する連続ベルトを含み、その輸送ストランドは、ある距離に離して並列にガイドされる。連続ベルトの輸送ストランド間では、輸送されるパネルは摩擦係合により受け止められて輸送方向に移動する。加工装置は、通常、連続ベルトの輸送方向に沿って配置され、パネルの水平端面の加工動作を受け持つ。加工装置、特に様々な種類のミリングツールが本願明細書に用いられ、パネルの縦の側面又は横の側面には溝を、縦の側面の反対側には対応する突起を、形成する。この種のパネルは、公知の突起及び溝で共に結合して、例えば部屋のフロア表面を形成することができる。
【0003】
パネルが均一な品質で加工されるために、加工装置と加工するパネルとの間には、できるだけ良好な相対的な位置決めが必要である。従って、特にパネルの縦の側面又は横の側面への加工装置が突起又は溝を切削しようとする場合に、共に結合したパネル全体の視認可能な表面をできるだけ平坦にするためには、視認可能なパネル表面以下となる突起又は溝の高さ位置が、決定的に重要となる。従って、背景技術に述べる公知の種類の機械は、上方及び下方台座手段を有し、台座手段の間の距離を設定するための調節装置を有する位置決め装置を含む。加工装置の数及び加工するパネルの長さによっては、輸送装置に沿って対応する多くの数の位置決め装置が必要である。特定のパネルの種類に従って、台座手段の間の距離を設定するためには、輸送装置の位置決め装置を全て個別に調節しなければならない。約6mmから12mmの範囲で面厚が変化する様々な種類のパネル用に用いられる従来のパネル機械は、加工するパネルの種類が変わると、オペレータによる多大の調節の労力と、これに伴う機械の停止時間が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、背景技術において述べた種類の機械であって、加工するパネルの種類の変化に伴う、機械に関する調節の労力を減らし、経済性を向上する機械を提供することを目的とする。
【0005】
この目的を達するために、本発明は、背景技術で述べた種類の機械であって、少なくとも二つの位置決め装置の調節装置が、共通の駆動構成により同時に駆動可能である機械を提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る方策によれば、単一の調節操作により、それぞれの台座手段が所望の間隔となるように同時に複数の位置決め装置を設定することが可能である。加工するパネルの種類が、面厚がより大きな又はより小さな種類のパネルに変化する場合、本発明に係る機械においては、オペレータが機械の設定に要する作業時間を著しく減らし、設定操作により必要な機械の停止時間を減らすことができる。最終的な分析では、より経済的な機械の動作が達成される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本記載及びこれに伴う特許請求の範囲において、一般的な位置の記載に「上部」「底部」「水平」又は「一列に」等を用いるが、これらの記載は、パネルが水平に、すなわちその視認可能な表面が主として水平面に横たわって輸送される機械の設計及び構造に関連している。もちろん、本発明の主題は、パネルが異なる方向に輸送される機械も容認し、その場合には上述の位置の記載は、パネルの視認可能な表面が仮想的な水平面として輸送されることを述べるものとする。
【0008】
好適な実施形態において、駆動構成は接続ロッド構成を含む。このような接続ロッド構成は、構造的に単純ではあるが高い信頼性で、個々の接続した位置決め装置の調節動作の動きをメカニカルに結合する可能性を提供する。特に好ましいことに、従って、駆動構成に割り当てられる全ての調節装置は、共通接続ロッドを介して相互接続することができ、従って、複数の位置決め装置に対して単一の接続ロッドのみが必要となる。この場合には、調節装置のそれぞれは、好適には共通接続ロッドに接続するための接続ロッド結合を有する。
【0009】
好ましいことに、接続ロッド構成を用いるより詳細な実施形態においては、接続ロッドはネジロッドであり、少なくとも調節装置に割り当てられる部分にネジを有し、接続ロッド結合は会合するネジを中に有して前記ネジロッドと係合することを提案できる。接続ロッド結合の会合するネジと相互作用するネジロッドの使用により、ネジロッドの回転調節運動は、オペレータ又は駆動機により単純な様式で実施可能であり、接続した調節装置の並進調節運動に変換することができる。この場合には、調節に要する労力を少なくし、台座手段の間の距離調節を非常に正確に実行するために、ネジ係合をステップダウンする効果が特に利用可能である。用いるネジのピッチは、このような要求に従って選択することができる。
【0010】
輸送装置の輸送経路に沿って接続ロッド構成によってより遠距離の橋渡しも可能となるために、又は構造的に単純な様式で所望の数の位置決め装置を共通接続ロッドに接続することが可能となるために、本発明のさらなる実施形態においては、接続ロッドは輸送経路に略平行に延び、駆動構成のそれぞれに割り当てられる調節装置のそれぞれは、台座手段の少なくとも一つを外すために輸送経路に略平行に延びる接続ロッド結合の調節運動を平面パネルに直交する調節運動に変換する運動変換装置を中に有することも提案する。
【0011】
さらなる実施形態において、駆動構成に割り当てられる調節装置の少なくとも一つにおいて、二つの台座手段のそれぞれは自己調節手段を有し、二つの調節手段はそれぞれ独立して駆動可能であることを提案できる。この設計の機械においては、台座手段の間の距離を特定のパネルの種類の面厚に合わせることができるだけでなく、位置決め装置により位置決めされるパネルの絶対的な高さ、すなわち加工装置に対するパネルの垂直高さそれ自体を変更することもできる。
【0012】
二つの台座手段のそれぞれに自己調節手段があれば、二つの調節手段の一方のみを、共通接続ロッドを介して駆動可能とするようにできる。従って、例えば、上部台座手段の部分が特定の面厚の所望パネルの種類に適合する一方、下部台座手段は、位置決め装置上で独立してパネルの垂直位置の変更設定をより低頻度とすることができるように、共通の駆動構成を用いることが可能である。しかしながら、あるいは、単に下部調節手段は共通駆動構成によっても調節可能であるか、又は共通駆動構成は両方の台座手段を同時に移動するよう構成される。
【0013】
好ましいことに、より詳細には、上述の各実施形態は、駆動構成に割り当てられる調節装置の少なくとも一つは、単一調節装置も有し、当該調節装置の台座手段の間の距離は他の調節装置の調節手段の間の距離と独立して調節可能であるように設計することができる。このようにして、駆動構成に割り当てられる共通の位置決め装置間の差異が、生産の許容値又は消耗により生じるものの、結果的には補正することができる。加えて、位置決め装置のそれぞれの運動変換装置の動作特性の間で、及び位置決め装置の個々の接続ロッド結合の間では、ある種の差異は排除できないので、当該単一調節装置は、この場合においても、機械の位置決め精度を向上するために好適に用いることが可能である。
【0014】
前述の単一調節装置は、単純構造ながら非常に信頼性の高い様式で、駆動構成に割り当てられる調節装置の少なくとも一つが、平面パネルに略垂直に移動可能で運動変換装置に接続される第1の滑動部と、台座手段の少なくとも一つが結合又は整列する平面パネルに略垂直に移動可能な第2の滑動部とを有して、平面パネルに直交する方向における第1の滑動部及び第2の滑動部の間の距離は単一調節装置により調節されるように構成することができる。
【0015】
本発明のさらなる実施形態において、駆動構成に割り当てられる調節装置の少なくとも一つに、予張力装置、具体的にはバネ構成も有することが提案され、これによって上方及び/又は下方台座手段は台座手段の間の距離(h)が減少する方向に特定の予張力で弾性的に予張力を付与され、この場合に、予張力は、調節装置の予張力調節装置により調節可能である。この実施形態において、輸送され位置決めされるパネルは、台座手段の間での摩擦係合において画定する予張力により固定され、その予張力は、必要に応じて異なる種類のパネル又は所望の位置決め精度に適応される。
【0016】
上述の実施形態を技術的に理解するならば、具体的には、運動変換装置及び/又は、必要に応じて単一調節装置及び/又は、必要に応じて予張力調節装置(90、92)は、制御カム機構、具体的には滑動くさび機構又はリンク機構を含むと想定される。このような制御カム機構は特に高信頼性に動作し、力及び運動方向の伝達に関して上述の要求に係る問題がなく、設計及び製造が可能である。
【0017】
以下、添付図面を参照して好適な実施形態を参照し、本願発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施形態に係る本発明の機械の基本を表す側面図である。
【図2】図1に示す輸送装置の位置決め装置の正面図である。
【図3】図2に示す位置決め装置の背面図である。
【図4】図2に示す位置決め装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に、パネル加工のための機械を、一般的に符号10で示す。加工装置としては、機械10は3つのミリングツール12を含み、図1においては、これらを模式的に長方形として示す。ミリングツール12により、一つの縦の側面に溝が、その反対の縦の溝には溝と対応する突起が形成されるように、パネル加工が意図される。
【0020】
加工するパネルをミリングツール12に供給するために、機械10は上方ベルトコンベア14及び下方ベルトコンベア16を有する輸送機械を有する。両方のベルトコンベア14及び16はそれぞれ連続ベルト18を有し、これらはそれぞれコンベアベルト14及び16の端部に配置される偏向プーリー20の回りを回転する。マウンティング22を介して、偏向プーリー20はそれぞれフレーム24に対して回転可能に取り付けられ、上方及び下方コンベアベルト14及び16の二つのフレーム24は共通支持構造26に固定され、これは機械10を接地Bに固定支持する。
【0021】
支持構造26の結果として、二つの前記コンベアベルト14及び16は互いに固定関係の位置に保持され、この中でそれらは、上方コンベアベルト14の下方ストランド28により形成されるコンベアストランド28は、下方コンベアベルト16の上方ストランド30により形成されるコンベアストランド30を支えるか、又は後者のコンベアストランドからパネルの面厚におおまかに対応して均一な距離を有するように、正確に互いに略平行に延びる。
【0022】
このように、上方コンベアベルト14及び下方コンベアベルト16は、上方コンベアベルト14のコンベアストランド28と下方コンベアベルト16のコンベアストランド30との間の水平なパネル平面Pの両側で互いに反対に横たわり、輸送方向Tにこれを輸送し、パネルは機械10による輸送中の全体でほぼパネル平面Pにそろったままである。
【0023】
輸送されるパネルには、上述の上方コンベアベルト14と下方コンベアベルト16の間でのパネル受け入れの結果として、ある種の位置決めが既に行われているが、ミリングツール12におけるパネル加工のためには、より正確なパネルの位置決めが、特に垂直方向において、なお必要である。図1に示す実施形態においては、この垂直の位置決めは、輸送方向Tに沿って縦一列に配置される3つの位置決め装置32により配慮され、これらは図1においては純粋に模式的に同様なもので表している。位置決め装置32は、上方台座手段34及び下方台座手段36を有し、これらはその間にパネルを受け入れるために、ある距離に離して配置される。
【0024】
パネル厚が異なる種類のパネルに機械10の使用を可能にするため、台座手段34、36の距離は調節装置38を介して調節可能であり、図1には単に同様のものとして示している。
【0025】
位置決め装置32の上には、ネジロッド40が輸送方向Tに平行に延び、上方コンベアベルト14の長さの大部分に沿って全ての位置決め装置32の範囲にわたって延長する。その端部では、ネジロッド40は、それぞれ回転可能であるが軸方向には外れない様式でマウントされ、ベアリング位置42は上方コンベアベルト14のフレーム24に固定される。ネジロッド40は、ネジシャフト40を回転駆動するために駆動装置44によっても動作され、図1においては、ネジロッド14の一端に取り付けられるクランク44により模式的に図示している。
【0026】
図1に見られるように、全ての位置決め装置32の調節装置38は、それぞれネジロッド40に可動結合されるので、ネジロッド40の回転運動は位置決め装置32のそれぞれにある駆動装置44により調節装置38の調節運動に変換されるが、調節運動は後述する。
【0027】
図2、図3及び図4は、3つの位置決め装置32の一つを詳細に示す図である。ネジロッド40の部分は破線で示し、この回転運動は、上方台座手段34と下方台座手段36の間の距離hを偏向するために、調節装置38の調節運動に変換される。図示の実施形態において、調節装置38は、ネジロッド40の回転運動を上方台座手段34の垂直な移動運動に変換する。
【0028】
最終的に、ネジロッド40にはネジブロック46がマウントされ、これは内部にネジロッド40の外部に対応するネジを有するので、軸方向に不動にマウントされるネジロッド40の回転により、輸送方向T又はその反対方向に移動すると理解される。
【0029】
ネジブロック46のピン48は、位置決め装置32の固定フレーム54上に回転可能にマウントされるロッカー50の延長凹部52に移動可能に差し込まれる。ロッカー50は反対側の端部に、スライドバー60のピン58が差し込まれる第2の延長凹部56を有する。スライドバー60は、輸送方向Tに平行して前後移動のみが可能となるように、二つの移動ベアリング61上のフレーム54上にマウントされる。
【0030】
スライドバー60には、さらに二つのピン62が構成又は固定され、これらは第1の滑動部66の水平面に対して傾斜し、スロット64内で係合する。第1の滑動部66は、垂直方向に上方又は下方のみに移動できるようmフレーム54上にガイドされる。スライドバー60が輸送方向Tに平行に移動すると、これに従ってスライドバー60のピン62は傾斜スロット64に沿って延び、次いで垂直方向内に第1の滑動部66を移動させる。
【0031】
第1の滑動部66の下方領域内の第1の滑動部66の凹部68では、第2の滑動部70が垂直移動の様式でガイドされる。第1の滑動部66と第2の滑動部70の垂直方向の距離は、第1及び第2の滑動部66及び70の間の垂直方向に配置される調節くさび72により固定される。調節くさび72は底面に、くさび表面74を有し、これは水平面に対して傾斜して延び、第2の送り第70の上面で対応するくさび表面76を支持する。フレーム54にマウントされる調節ネジ78は、輸送方向Tに平行して前後に調節くさび72を移動するので、くさび表面74、76は他に対して滑動し、これにより第1の滑動部66と第2の滑動部70の間隔が調節される。
【0032】
第1の滑動部66と同様に、第2の滑動部70は下方領域に凹部80も有し、凹部80はその下端に内部に飛び出すフランジ82を有する。この内部フランジ82に対しては、上方台座手段34に一体接続する略T型の結合部86の外部フランジ84を置くことができる。結合部86の外部フランジ84と第2の滑動部70の内部フランジ82との接触は、第2の滑動部70とこのうえに垂直移動可能な様式で保持される上方台座手段34との最大の間隔を画定する。
【0033】
第2の滑動部70における上方台座手段34の結合部86の垂直移動は、張力装置88による予張力に従い、図2には二つのバネ88の記号で表している。張力装置88は、一方では結合部86に対して、他方では第3の滑動部90にに対して支持され、結合部86の外部フランジ84と第2の滑動部70の内部フランジ82との間で接触する方向に結合部86に予張力を付与する。
【0034】
第3の滑動部90は、張力装置88の予張力を変化することができるように、第2の滑動部70の凹部80内で素直移動可能な様式に同様にガイドされる。この予張力を調節する動きのために、第3の滑動部90と第2の滑動部70との間には、予張力調節くさび92が配置され、これは、上述の調節くさび72の動作原理と同様に、輸送方向Tに平行に移動可能であり、第3の滑動部90の上面及び予張力調節くさび92の底面で傾斜くさび表面によって交互に滑動し、第2の滑動部70と第3の滑動部90との垂直距離を調節可能とする。
【0035】
予張力調節のために必要な予張力調節くさび92の動きは、フレーム54にマウントされる予張力セットスクリュー94の使用によりもたらされる。
【0036】
上方台座手段の高さ調節又は予張力に加えて、図2に示す位置決め装置は、さらに、下方台座手段36の垂直位置を調節し、これにより位置決め装置32内に位置決めされるパネルの絶対的な垂直位置を調節する可能性を提供する。この目的のために、下方調節手段36は、フレーム54上に垂直移動可能な様式でガイドされ、第2の台座手段36とフレーム54の下部55との間の垂直距離は調節くさび96により決定される。調節くさび96は下方調節手段36とフレーム54の下部55との間に配置され、その上面にくさび表面98を有し、これは水平面に対して傾斜して延び、下方台座手段36の底面上の対応する傾斜くさび表面100を支持する。セットスクリュー102により調節くさび96が輸送方向Tに平行に移動すると、くさび表面98、100は交互に滑動し、これに対応して下方台座手段36を垂直方向に移動させる。
【0037】
以下、機械10の動作方法を簡潔に説明する。特定のパネル厚みのパネル加工のために機械10を準備するには、駆動装置44を起動してネジロッド40を特定の量だけ回転させる。一例として、機械10は、より厚い種類のパネルからより薄い種類のパネルに調節されるものと仮定する。ネジロッド40のネジピッチに依存して、次いで図2においてネジブロック46が右に特定の距離を移動するように、ネジロッド40が回転されるネジブロック46の右向きの動きはロッカー50によりスライドバー60の左向きの移動に変換され、結果的にピン62の左向きの移動によりスロット64、次いで第1の滑動部66の下方への動きが生じる。
【0038】
滑動部66の下方への動きは、次いで第2の滑動部70、第3の滑動部90、張力装置88及び結合部86を介して、最終的に上方台座手段34に送られ、これを同様に所望の量だけ下方移動させる。
【0039】
ここで、上方台座手段34は無負荷の状態、すなわち台座手段34、36の間にはパネルが差し込まれていないと仮定すると、張力装置88は、第2の滑動部70の内部フランジ82と接触する結合部86の外部フランジ84を保持する。台座手段34、36の間の距離hは、これにより無負荷の状態で調節され、位置決めされるパネルの面厚よりも実際にはわずかに小さく設定されるので、張力装置88は、上方台座手段34がパネルに対して押圧する所定の接触圧を発生することができる。
【0040】
記載の様式において、機械10の全ての位置決め装置32の調節装置38は、共通ネジロッド40の回転により、面厚がより小さな種類のパネルに対して、同時に調節可能である、反対方向にネジロッド40を回転することによる対応する逆の調節は、機械10がより厚いパネルを加工するように準備する場合として理解することができる。
【0041】
個々の位置決め装置32の間に、製造許容差、温度差、消耗等の結果としてそれぞれの距離hにおける変動が生じても、各調節装置は、記載した様式で調節ネジ78を調節することにより、個別に時々再調節することも可能である。同様に、調節装置32のそれぞれに対して、張力装置88の予張力は、例えば、この領域に配置される加工装置12の特定の要求に対して予張力セットスクリュー94を調節することにより合わせることができる。
【0042】
張力装置88の引張を調節する利便は、上方コンベアベルト14の連続ベルト18に消耗が発生した場合に、位置決め装置32は予張力を調節することにより、第1の滑動部66又は第2の滑動部70の調節、次いで台座手段34、36の間隔hの調節を確認することなく、この消耗に適応するこをとが可能であることももたらす。従来の機械に生じる欠点、すなわち、機械が上方ベルトにおける消耗に適応するならば距離hの設定も変化し、結果的に上方台座手段が材料に及ぼす圧力が変化して、従来技術のこうした機械ではパネルの傷又は破損を招いていたが、これらは従って避けることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送経路に沿ってパネルを輸送するための輸送装置と、前記輸送装置によって移動する際にパネルを処理するための加工装置(12)とを含むパネル製造及び/又は処理用機械(10)であって、
前記輸送装置は、前記輸送経路に沿って縦一列に間隔を空けて配列され、平面パネル(P)の両側に互いに反対向きに横たわる上方及び下方台座手段(34、36)と、
二つの前記台座手段(34、36)の間の間隔(h)を調節可能な調節装置(38)とをそれぞれ含む複数の位置決め装置(32)を有し、
少なくとも二つの位置決め装置(12)の調節装置(38)は共通の駆動構成(40)によって同時に駆動が可能であることを特徴とする、機械。
【請求項2】
前記駆動構成(40)は接続ロッド構成(40)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の機械(10)。
【請求項3】
前記駆動構成(40)に割り当てられる全ての調節装置(38)は、共通接続ロッド(40)を介して相互接続され、調節装置(38)のそれぞれは共通接続ロッド(40)に接続するための接続ロッド結合(46)を中に有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の機械(10)。
【請求項4】
前記接続ロッド(40)はネジロッド(40)であり、少なくとも前記調節装置(38)に割り当てられる部分にネジを有し、前記接続ロッド結合(46)は会合するネジを中に有して前記ネジロッドと係合することを特徴とする、請求項3に記載の機械(10)。
【請求項5】
前記接続ロッド(40)は前記輸送経路に略平行に延び、前記駆動構成(40)のそれぞれに割り当てられる前記調節装置(38)のそれぞれは、前記台座手段(34、36)の少なくとも一つを外すために前記輸送経路に略平行に延びる前記接続ロッド結合(46)の調節運動を前記平面パネル(P)に直交する調節運動に変換する運動変換装置(62、64)を中に有することを特徴とする、請求項3に記載の機械(10)。
【請求項6】
前記駆動構成(40)に割り当てられる前記調節装置(38)の少なくとも一つにおいて、二つの前記台座手段(34、36)のそれぞれは自己調節手段を有し、二つの前記調節手段はそれぞれ独立して駆動可能であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の機械(10)。
【請求項7】
二つの前記調節手段の一つのみが前記共通接続ロッド(40)を介して駆動されうることを特徴とする、請求項6に記載の機械(10)。
【請求項8】
前記駆動構成(40)に割り当てられる前記調節装置(38)の少なくとも一つは、単一調節装置(72)も有し、当該調節装置(38)の前記台座手段(34、36)の間の距離(h)は他の調節装置(38)の前記調節手段の間の距離(h)と独立して調節可能であることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の機械(10)。
【請求項9】
前記駆動構成(40)に割り当てられる前記調節装置(38)の少なくとも一つは、前記平面パネル(P)に略直交して移動可能で前記運動変換装置(62、64)に接続される第1の滑動部(66)と、前記台座手段(34、36)の少なくとも一つ(34)が結合又は整列する前記平面パネル(P)に略直交して移動可能な第2の滑動部(66)とを有し、平面パネル(P)に直交する方向における前記第1の滑動部及び前記第2の滑動部(70)の間の距離は前記単一調節装置(72)により調節されることを特徴とする、請求項5又は8に記載の機械(10)。
【請求項10】
前記駆動構成(40)に割り当てられる前記調節装置(38)の少なくとも一つは、予張力装置、具体的にはバネ構成(88)も有し、これによって前記上方及び/又は下方台座手段(34、36)は前記台座手段(34、36)の間の距離(h)が減少する方向に特定の予張力で弾性的に予張力を付与しうることを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の機械(10)。
【請求項11】
前記予張力装置(88)の予張力は、前記調節装置(38)の予張力調節装置(90、92)により調節可能であることを特徴とする、請求項10に記載の機械(10)。
【請求項12】
前記運動変換装置(62、64)及び/又は、必要に応じて前記単一調節装置(72)及び/又は、必要に応じて前記予張力調節装置(90、92)は、制御カム機構、具体的には滑動くさび機構又はリンク機構を含むことを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の機械(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−545503(P2009−545503A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−522157(P2009−522157)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【国際出願番号】PCT/EP2007/006732
【国際公開番号】WO2008/014963
【国際公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(507389543)インターグラリオン リミテッド (8)
【Fターム(参考)】