パペット内収納構造

【課題】パペットの内部に、人の手指以外の収納空間を設けるときに、内部収納物の出し入れのための出入り口が、パペットの美観を損ねるという問題点がある。
【解決手段】本発明では、内部に人の手指を入れるパペットにとっては絶対に無くすことが出来ない手指の挿入口を内部収納空間の出入り口と共用させることで、収納空間を設けることによる美観の低下を解消した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、人の手指の動きで外形が変化する人形の内部の収納空間構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
内部に入れた人の手指の動きで外形が変化する人形の内部に、人の手指以外の、音の発生機構、電気的な発光装置、機械的な動きを与る装置、または菓子等を収納する用途がある。
【０００３】
以下、内部に入れた人の手指の動きで外形が変化する人形をパペットと呼称する。
【０００４】
パペット内部に電子機器を組み込む場合、長期に渡って使うためには電池の出し入れであるとか、装置の保守のために装置自体も出し入れ出来る出入り口を設ける必要がある。また、菓子等の収納空間として使用するときには、頻繁に出し入れする必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
パペットは人に見せるためのものであるから、美的に優れていることが望まれる。一般的にパペットに収納空間がある場合は、その出入り口は美観を考慮して人形の胴体の最下部に置かれることが多いが人形の美観にとっては阻害要因であることは変わりは無い。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明では、内部に人の手指を入れるパペットにとっては絶対に無くすことが出来ない手指の挿入口を内部収納空間の出入り口と共用させた。
【発明の効果】
【０００７】
上述したように本発明では、内部に人の手指を入れるパペットにとっては絶対に無くすことが出来ない手指の挿入口を、内部収納空間の出入り口と共用させることで、パペットに収納空間を設けることによる美観の阻害を解消することが出来る。
【０００８】
出入り口を共用させると、電池を使用する場合に電池を上から出し入れするレイアウトが取り易い。この場合に電池ボックスから電池が外れにくくなり、信頼性が向上する。
【発明を実施するために最良の形態】
【０００９】
以下、本発明の実施の形態を図１，２に基づいて説明する。
【００１０】
パペットの内部に収納空間を設ける場合は、収納空間は人形の腹部に配置することが最も空間を確保し易い。この場合に手指の挿入口を人形の背中に設けて、内部収納空間の出入り口と共用することが良い。
【００１１】
また、手指を挿入する空間と収納空間の間には必要に応じてファスナーやマジックテープを使用して開閉自在な内部空間間仕切りを設けても良い。
【００１２】
パペット内部に電子楽器を組み込む場合について述べる。
電子楽器には良好な音質が望まれる。電子楽器の発音部は通常スピーカーであるが、スピーカーは一般的にその大きさが大きいほど音質の向上に有利であり、大きな音も出しやすい。
【００１３】
このためパペット内部に大きな空間を確保することが望ましいが、そのためにはパペットの腹部にスピーカーボックスを配置することが有利である。
また、電池も必要であるが、電池は重量があるのでパペットの中央よりも下に配置することが重量のバランスを取る上でも適当である。
【００１４】
このように大きなスピーカーボックスと電池を収納し、時には保守のために出し入れするには大きな開口部が必要となる。開口部が大きいほどに美観を損なう程度は大きくなる。このためもともとある大きな開口部である手指の挿入口を収納空間の出入り口と共用することで美観を損なう程度は最少にすることが出来る。
【００１５】
また、図２では電池ボックスをスピーカーボックスの上に配置している。図３のように胴体の最下部に開口部を設けると、電池は出し入れの関係で下向き取り付けることが多くなり、電池ボックスから外れる可能性が高まるが、本発明では電池ボックスから電池が外れにくくなり、信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１】本収納構造を有する典型的なパペットの一例の縦断面である。
【図２】電子楽器に応用したときの本収納構造の一例の縦断面である。
【図３】従来の収納構造の典型的な一例の縦断面である。
【符号の説明】
【００１６】
１人の手指
２手指の挿入口
３収納空間
４収納空間出入り口
５電池ボックス
６スピーカーボックス
７内部空間間仕切り

【特許請求の範囲】
【請求項１】
人形の内部に入れた人の手指の動きで外形が変化し、内部に収納空間を有する人形において、人の手指を入れる挿入口と収納空間の出入り口とを共通としたことを特徴とする人形。
【請求項２】
人形の内部に収納する物が、電子楽器またはその構成要素であることを特徴とする請求項１の人形。

【図１】