説明

パラキシレンの生成方法

高濃度PX生成物の生成方法であって、(a)C炭化水素を含む供給原料を分離し、高濃度C炭化水素ストリームを生成する工程、(b)高濃度C炭化水素ストリームの少なくとも第一部分を分離し、第一高濃度PXストリーム及び第一低濃度PXストリームを生成する工程、(c)前記第一低濃度PXストリームの少なくとも一部を異性化し、第一低濃度PXストリームより高いPX濃度を有する第一異性化ストリームを生成する工程、(d)高濃度C炭化水素ストリームの第二部分及び/又は第一異性化ストリームの少なくとも一部を分離し、第二高濃度PXストリーム及び第二低濃度PXストリームを生成する工程、(e)第二低濃度PXストリームの少なくとも一部を異性化し、第二低濃度PXストリームより高いPX濃度を有する第二異性化ストリームを生成する工程、(f)少なくとも1の第一高濃度PXストリーム及び第二高濃度PXストリームの少なくとも一部を高濃度PX生成物として回収する工程、及び(g)少なくとも1の第一異性化ストリーム、第二異性化ストリーム、第一高濃度PXストリーム、及び第二高濃度PXストリームの少なくとも一部を(a)の分離工程に供給する工程を含む、前記方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、パラキシレンの生成方法に関する。
【0002】
発明の背景
エチルベンゼン(EB)、パラキシレン(PX)、オルトキシレン(OX)及びメタキシレン(MX)は、化学プラント及び石油精製所からのC芳香族生成物ストリームにしばしば同時に存在する。C化合物について、EBは、スチレンの生成に重要な原料物質であるが、様々な理由のため、スチレン生成で用いられるEB原料の大部分は、C芳香族ストリームからの回収よりも、エチレンを伴うベンゼンのアルキル化により生成される。その3つのキシレン異性体について、PXは、最大の市場を有し、ポリ(テレフタル酸エチレン)、ポリ(テレフタル酸プロピレン)、及びポリ(テレフタル酸ブテン)等の多様なポリマーの生成に使われるテレフタル酸及びテレフタル酸エステルの製造に主として用いられる。OX及びMXは、無水フタル酸及びイソフタル酸等の生成物の作成に用いられる溶媒及び原料物質として有益である一方で、OX及びMX、及びそれらのダウンストリーム誘導体の市場需要は、PXよりも極めて小さい。
【0003】
PXの他の異性体と比較してより高いPXの需要を考慮し、C芳香族物質のいずれか任意の供給源を基にしたPX生成の生産性を最大にすることに大きな商業的関心がある。ここで、このPX生成の最大生産性の達成を目的とした2つの主要な技術的試みがある。第一に、4個のC芳香族化合物、特にその3つのキシレン異性体は、通常、所定のプラント又は精製所でC芳香族ストリームの生成における熱力学により決定される濃度で使用される。結果としてPX生成は、追加の処理工程で、PX量の増加及び/又はPX回収効率の改善が施されない限り、多くても、C芳香族ストリームの初期に存在する量に制限される。第二に、C芳香族は、それらが同様の化学的構造及び物理学的特性、並びに同一の分子量を有するため、分離が困難である。
【0004】
芳香族ストリームにおけるPX濃度の増加には、様々な方法を適用できることが知られている。それらの方法は通常、分離工程及びキシレン異性化工程間においてストリームの再循環を行うことを含む。前記分離工程では、少なくともPXの一部が回収され、低濃度PXストリームを生成し、前記キシレン異性化工程では、低濃度PXストリームのPX含有量が通常、モレキュラーシーブ触媒との接触により平衡濃度へ戻される。しかしながら、これらの方法の商業的実用性は、上述した異なるC異性体の化学的及び物理学的類似性により複雑にされる分離工程の効率性、費用効率、速度に依存する。
【0005】
分留は、化学的混合物中の異なる成分を分離する方法として一般的に用いられる。しかしながら、従来の分留技術を用いてEB及びその異なるキシレン異性体を分離することは困難である。なぜなら、4個のC芳香族の沸点の差が、8℃以内と非常に狭い、すなわち約136℃から約144℃(以下の表1を参照)に収まるためである。特に、PX及びEBの沸点の差は約2℃で、PX及びMXの沸点の差はたったの約1℃である。結果として、広大な設備、有意なエネルギー消費、及び/又は実質的な再循環が、有効な分留によるC芳香族の分離に必要とされるだろう。
【表1】

【0006】
分別結晶は、混合物の成分の分離に用いられる別の方法であり、成分の凝固点及び異なる温度での溶解による差異の利点が利用される。PXは、比較的より高い凝固点を有するため、C芳香族ストリームから固体として分別結晶を用いて分離出来る。他の成分は低濃度PXろ過液中で回収される。PXからテレフタル酸及びテレフタル酸エステルの十分な転換に必要とされる重要な特性である高純度のPXは、このようなタイプの分別結晶により得ることが出来る。米国特許第4,120,911号より当該方法の開示が提供される。商業的に使用可能な分別結晶工程及び装置は、結晶化アイソファイニング(the crystallization isofining)工程、連続向流結晶化(the continuous countercurrent crystallization)工程、直接CO結晶器、及びスクレイプド・ドラム(scraped drum)結晶器を含む。高い実用性、及びPX及びMX間の共融混合物の構成のために、PXの回収に用いられる分別結晶を使用する際、出来る限り高い初期のPX濃度を有する供給体を使用することが、通常、より好都合である。
【0007】
別のキシレン分離方法では、ゼオライト等のモレキュラーシーブが使用され、C芳香族供給体ストリームからパラキシレンを選択的に吸着し、低濃度PX流出物を形成する。吸着されたPXは次に、加熱、PXの部分的な圧力低下又は剥離(stripping)等の多様な方法を用いて脱離されることが出来る(一般の米国特許第3,706,812号、第3,732,325号及び第4,886,929号を参照にされたい)。多くの化学プラント又は精製所で用いられる2つの商業的に使用可能な工程は、PAREX(TM)及びELUXYL(TM)工程である。両工程は、PXを吸着させるためモレキュラーシーブを用いる。吸着工程に基づいた当該モレキュラーシーブにおいて、分別結晶工程からの一般的な65%未満のPX量と比較してより多いPX量、通常90%強を所定の供給体にあるPXから回収することが出来る。
【0008】
これらのPXの分離工程の多くにおいて、供給体ストリームで当初のPX濃度が高ければ高いほど、より容易かつ、より効率的及びより経済的にPXの分離が行われる。従って、C芳香族化合物から成る炭化水素供給体ストリームをPX回収装置に送る前に当該供給体ストリームでPX濃度を増加させる高い経済的及び技術的な必要性がある。
【0009】
従って、C芳香族化合物ストリームをPX回収装置に送る前に当該供給体ストリーム中のPX濃度を増加させる改善された工程が必要とされる。この高いPX濃度によりさらに、利用が改善され及び/又はPAREX(TM)装置、ELUXYL(TM)装置又は分別結晶器等のPX分離設備で起こる障害が解消(de−bottlenecking)されるだろう。
【0010】
発明の概要
一形態において、本願は、高濃度PX生成物の生成方法について開示する。当該方法は、以下を含む:
(a)C炭化水素を含む供給原料を分離し、高濃度C炭化水素ストリームを生成する工程;
(b)高濃度C炭化水素ストリームの少なくとも第一部分を分離し、第一高濃度PXストリーム及び第一低濃度PXストリームを生成する工程;
(c)前記第一低濃度PXストリームの少なくとも一部を異性化し、第一低濃度PXストリームより高いPX濃度を有する第一異性化ストリームを生成する工程;
(d)高濃度C炭化水素ストリームの第二部分及び/又は第一異性化ストリームの少なくとも一部を分離し、第二高濃度PXストリーム及び第二低濃度PXストリームを生成する工程;
(e)前記第二低濃度PXストリームの少なくとも一部を異性化し、第二低濃度PXストリームより高いPX濃度を有する第二異性化ストリームを生成する工程;
(f)少なくとも1の前記第一高濃度PXストリーム及び第二高濃度PXストリームの少なくとも一部を高濃度PX生成物として回収する工程;及び
(g)少なくとも1の前記第一異性化ストリーム、第二異性化ストリーム、第一高濃度PXストリーム、及び第二高濃度PXストリームの少なくとも一部を(a)の分離工程に供給する工程。
【0011】
好ましくは、前記供給原料は、少なくともC+炭化水素を含み、(a)の分離工程を用いて高濃度C炭化水素ストリーム及び高濃度C+炭化水素ストリームを生成する。
【0012】
別の形態において、本願は、高濃度PXストリームの生成方法について開示する。当該方法は以下を含む:
(a)C炭化水素を含む供給原料を分離し、高濃度C炭化水素ストリームを生成する工程;
(b)高濃度C炭化水素ストリームの少なくとも部分を分離し、高濃度PXストリーム及び第一ストリームを生成する工程;
(c)前記第一ストリームの少なくとも一部を異性化し、第一ストリームより高いPX濃度を有する第二ストリームを生成する工程;
(d)前記第二ストリームの少なくとも一部を分離し、第三ストリーム及び第四ストリームを生成する工程であり、前記第三ストリームは第二ストリームより高いPX濃度を有し、前記第四ストリームは第二ストリームより低いPX濃度を有する工程;
(e)前記第四ストリームの少なくとも一部を異性化し、第四ストリームより高いPX濃度を有する第五ストリームを生成する工程;及び
(f)前記第三ストリームの少なくとも一部及び/又は第五ストリームの少なくとも一部を(a)の分離工程に供給する工程。
【0013】
加えて、前記方法は、第五ストリームの一部及び/又は第三ストリームの一部を(d)工程へ再循環することを含み得る。さらに、前記方法は、第四ストリームの一部を(c)工程へ再循環することを含み得る。
【0014】
1つの実施形態において、前記方法はさらに、前記第二ストリームを分画し、高濃度C−炭化水素の第一部分及び高濃度C+炭化水素の第二部分の生成、当該第二部分を(a)の分離工程に供給することを含む。
【0015】
好ましくは、(b)の分離工程は、少なくとも1の選択的吸着、選択的結晶化、選択的抽出、及び選択的膜分離を含み、(d)の分離工程は、少なくとも1の選択的吸着、選択的結晶化、選択的抽出、及び選択的膜分離を含む。
【0016】
さらに別の形態において、本願は、高濃度PXストリームの生成方法について開示する。該方法は以下を含む:
(a)C炭化水素を含む供給原料を分離し、高濃度C炭化水素ストリームを生成する工程;
(b)前記高濃度C炭化水素ストリームの少なくとも一部を分離し、第一ストリーム及び第二ストリームを生成する工程であり、前記第一ストリームは高濃度C炭化水素ストリームより高いPX濃度を有し、前記第二ストリームは高濃度C炭化水素ストリームより低いPX濃度を有する工程;
(c)前記第二ストリームの少なくとも一部を異性化し、第二ストリームより高いPX濃度を有する第三ストリームを生成する工程、
(d)前記第一ストリームの少なくとも一部及び/又は前記第三ストリームの少なくとも一部を分離し、前記高濃度PXストリーム及び第四ストリームを生成する工程、
(e)前記第四ストリームの少なくとも一部を異性化し、前記第四ストリームより高いPX濃度を有する第五ストリームを生成する工程、及び
(f)前記第五ストリームの少なくとも一部を前記(a)の分離工程に供給する工程。
【0017】
加えて、前記方法は、第二ストリームの少なくとも一部を(e)工程へ再循環することを含み得る。さらに、前記方法は、第一ストリームの少なくとも一部及び/又は第三ストリームの少なくとも一部を(b)工程へ再循環することを含み得る。
【0018】
1つの実施形態において、前記方法はさらに、前記第五ストリームを分画し、高濃度C−炭化水素の第一部分及び高濃度C+炭化水素の第二部分の生成、前記第二部分を(a)の分離工程に供給することを含む。
【0019】
別の実施形態において、前記第三ストリームの少なくとも一部は(a)の分離工程に供給される。
【0020】
当該方法において、高濃度PXストリームは通常、少なくとも50重量%のPX、一般的に少なくとも90重量%のPXを含む。
【0021】
別の実施形態において、本願は、高濃度PX生成物の生成方法について開示し、当該工程は以下を含む:
(a)C炭化水素を含む供給原料を分離し、高濃度C炭化水素ストリームを生成する工程;
(b)高濃度C炭化水素ストリームの第一部分を分離し、第一高濃度PXストリーム及び第一ストリームを生成する工程;
(c)前記第一ストリームの少なくとも一部を異性化し、第一ストリームより高いPX濃度を有する第二ストリームを生成する工程;
(d)高濃度C炭化水素ストリームの第二部分を分離し、第二高濃度PXストリーム及び第三ストリームを生成する工程;
(e)前記第三ストリームの少なくとも一部を異性化し、第三ストリームより高いPX濃度を有する第四ストリームを生成する工程;
(f)少なくとも1の前記第一高濃度PXストリーム及び第二高濃度PXストリームの少なくとも一部を高濃度PX生成物として回収する工程;及び
(g)前記第二ストリームの少なくとも一部及び前記第四ストリームの少なくとも一部を(a)の分離工程に供給する工程。
【0022】
好ましくは、(e)の異性化工程の少なくとも一部は、液体層に影響される。
【0023】
1つの実施形態において、(b)の分離工程は、選択的吸着を含み、(d)の分離工程は、分別結晶を含む。
【0024】
発明の詳細な説明
全ての特許、特許出願、試験手順、優先権書類、論文、公知文献、マニュアル、及びその他の本明細書で引用される文献は、当該開示が本願と矛盾せず、またその矛盾が許可される全ての法制度下で参照によって完全に組み込まれる。
【0025】
本明細書で数値下限及び数値上限が記載されている場合、任意の下限から任意の上限の組み合わせの範囲も考慮される。
【0026】
本願発明の開示により具体化される可能な装置又は多様な工程の全てが本願に記載される実施形態により表されているわけではないことが当業者に理解される。加えて、設備及び装置の多くの部品及び所定の処理工程は、産業的、商業的又はさらに試験目的に必要とされ得る。そのような設備及び装置及び処理工程の例は、蒸留カラム、分画カラム、熱交換器、ポンプ、バルブ、圧力計、温度計、液体−気体分離器、供給体及び生成物乾燥機及び/又は処理装置、クレイ処理装置、供給体及び/又は生成物貯蔵設備、及び工程及び工程制御に用いる工程であるが、これらに限られない。本願に係る本質の理解に必要とされないそのような設備、装置及び工程は、図中に示されていない一方で、それらのいくつかは、本願開示に係る多様な側面の具体化のために度々言及される。設備のいくつかは、工程の条件に応じて当該方法中の異なる位置に置くことが出来ることも留意されたい。
【0027】
本明細書で用いられる、「C+炭化水素」の語は、分子につき8以上の炭素原子を有する炭化水素を意味する。C+炭化水素の供給体及び/又は生成物は、供給体及び/又は生成物中で、10重量%より多い、例えば20重量%より多い、例えば40重量%より多い、例えば50重量%より多い、及びいくつかの場合において80重量%より多い、C+炭化水素を有する炭化水素供給体及び/又は生成物である。本明細書で用いられる、「C+炭化水素」の語は、分子につき9以上の炭素原子を有する炭化水素を意味する。C+炭化水素の供給体及び/又は生成物は、供給体及び/又は生成物中で、10重量%より多い、例えば20重量%より多い、例えば40重量%より多い、例えば50重量%より多い、及びいくつかの場合において80重量%より多い、C+炭化水素を有する炭化水素供給体及び/又は生成物である。本明細書で用いられる、「C−炭化水素」の語は、分子につき7以下の炭素原子を有する炭化水素を意味する。C−炭化水素の供給体及び/又は生成物は、供給体及び/又は生成物中で、10重量%より多い、例えば20重量%より多い、例えば40重量%より多い、例えば50重量%より多い、及びいくつかの場合において80重量%より多い、C−炭化水素を有する炭化水素供給体及び/又は生成物である。本明細書で用いられる、「C炭化水素」の語は、PXを含め、分子につき8の炭素原子を有する炭化水素を意味する。高濃度PX又は低濃度PXストリーム及び/又は生成物を除くC炭化水素の供給体及び/又は生成物は、供給体及び/又は生成物中で、10重量%より多い、例えば20重量%より多い、例えば40重量%より多い、例えば50重量%より多い、及びいくつかの場合において80重量%より多い、C炭化水素を有する炭化水素供給体及び/又は生成物である。本明細書で用いられる「C芳香族炭化水素」の語は、分子当たり、すなわちキシレン及び/又はEBの分子当たり、8の炭素原子を有する芳香族炭化水素を意味する。高濃度PX又は低濃度PXストリーム及び/又は生成物を除くC芳香族炭化水素の供給体及び/又は生成物は、供給体及び/又は生成物中で、10重量%より多い、例えば20重量%より多い、例えば40重量%より多い、例えば50重量%より多い、及びいくつかの場合において80重量%より多い、C芳香族炭化水素を有する炭化水素供給体及び/又は生成物である。
【0028】
「低濃度PX」の語は、所定の装置ストリームにあるPX濃度が、同じ装置への供給体ストリーム中の濃度と比べて、より低下されていることを意味する。これは、PXが、当該装置へのキシレン含有供給体ストリームから完全に除去又は回収されなければならないことを意味するわけではない。「高濃度PX」の語は、所定の装置ストリームにあるPX濃度が、同じ装置への供給体ストリーム中の濃度と比べて増加されていることを意味する。これは、PX濃度が100%でなければならないことを意味するわけではない。
【0029】
供給原料
本願発明の工程に使用される供給原料は、改質物ストリーム、水素化分解法生成物ストリーム、キシレン又はEB反応生成物ストリーム、芳香族アルキル化生成物ストリーム、芳香族不均化ストリーム、芳香族トランスアルキル化ストリーム、及び/又はサイクラー(Cyclar(TM))工程ストリーム等のC芳香族炭化水素を含むいずれをもC+炭化水素供給原料とすることが出来る。供給原料は、さらに異性化工程及び/又は多様な分離工程からの再循環ストリームを含むことが出来る。前記C+炭化水素供給原料は、MX、OX、及び/又はEBと共に、PXを含む。キシレン及びEBに加えて、当該C+炭化水素の供給原料は、他の芳香族の所定量又はさらに非芳香族化合物の所定量も含むことが出来る。このような芳香族化合物の例は、ベンゼン、トルエン、及びメシチレン、プソイドクメン等のC+芳香族である。供給体ストリームのこれらのタイプは、「石油精製方法のハンドブック(Handbook of Petroleum Refining Processes)」、Robert A.Meyers編集、マクグロー・ヒル出版会社(McGraw−Hill Book Company)、第二版で開示され、その全ての関連事項は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0030】
方法の記載
本願に係る方法は、C+炭化水素の供給原料からC+炭化水素を移す役割を果たす冒頭の分離工程を含む。分子量、沸点及び他の物理学的及び化学的特性の相違から、前記C+炭化水素の化合物、芳香族又は非芳香族は、比較的容易にキシレン及びEBから分離されることが出来る。従って、一般的に第一分離工程は分留を含み、結晶化、吸着、反応性分離、膜分離、抽出、又はそれらのいずれかの組み合わせ等の他の分離方法も用いられることが出来る。これらの分離方法は、「ペリーの化学技術者のためのハンドブック(Perry’s Chemical Engineers’ Handbook)」、R.H.Perry、D.W.Green及びJ.O.Maloney編集、マクグロー・ヒル出版会社(McGraw−Hill Book Company)、第六版、1984年、及び「石油精製方法のハンドブック(Handbook of Petroleum Refining Processes)」、Robert A.Meyers編集、マクグロー・ヒル・ブック会社(McGraw−Hill Book Company)、第二版で開示され、その全ての関連事項は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
+炭化水素の回収後、本願発明に係る方法は、結果として得られたC炭化水素ストリームから高濃度PX生成物ストリームを回収する少なくとも1の分離工程を含む。1つの実施形態において、高濃度PX生成物ストリームは、高濃度PX生成物ストリームの全量に対して、少なくとも50重量%のPX、好ましくは少なくとも60重量%のPX、より好ましくは少なくとも70重量%のPX、さらに好ましくは少なくとも80重量%のPX、さらに好ましくは少なくとも90重量%のPX、及び最も好ましくは少なくとも95重量%のPXを含む。高濃度PX生成物ストリームを回収する分離工程は、少なくとも1の結晶化装置、PAREX(TM)装置又はELUXYL(TM)装置等の吸着装置、反応性分離装置、膜分離装置、抽出装置、蒸留装置、分画装置、又はそれらのいずれかの組み合わせを含むPX回収装置で行われる。分離装置のこれらのタイプ及びそれらの設計は、「ペリーの化学技術者のためのハンドブック(Perry’s Chemical Engineers’ Handbook)」、R.H.Perry、D.W.Green及びJ.O.Maloney編集、マクグロー・ヒル・ブック会社(McGraw−Hill Book Company)、第六版、1984年、及び「石油精製方法のハンドブック(Handbook of Petroleum Refining Processes)」、Robert A.Meyers編集、マクグロー・ヒル・ブック会社(McGraw−Hill Book Company)、第二版で開示され、その全ての関連事項は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0032】
さらに本願に係る方法で使用される分離工程は、C炭化水素供給体ストリームを高濃度PX流出物ストリーム及び低濃度PXストリームに分離する役割を果たす。これらの分離工程は、少なくとも1の結晶化装置、PAREX(TM)装置又はELUXYL(TM)装置等の吸着装置、反応性分離装置、膜分離装置、抽出装置、蒸留装置、分画装置、又はそれらのいずれかの組み合わせを含む分離装置で行われる。これらのタイプの分離装置及びそれらの設計は、「ペリーの化学技術者のためのハンドブック(Perry’s Chemical Engineers’ Handbook)」、R.H.Perry、D.W.Green及びJ.O.Maloney編集、マクグロー・ヒル・ブック会社(McGraw−Hill Book Company)、第六版、1984年、及び「石油精製方法のハンドブック(Handbook of Petroleum Refining Processes)」、Robert A.Meyers編集、マクグロー・ヒル・ブック会社(McGraw−Hill Book Company)、第二版で開示され、その全ての関連事項は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
本願発明に係る方法も、少なくとも2つの異性化工程を含み、それぞれの工程において、C芳香族化合物を含む供給体ストリームは異性化され、異性化流出物が生成される。各異性化工程への供給体ストリームは、異性化条件下で別の相互交換可能なC芳香族化合物に対する平衡濃度より低い濃度のPXを含む。各触媒異性化工程は、PX濃度をその平衡レベルの近くまで増加させる役割を果たす。当該異性化工程は、供給体ストリームにあるEBの一部又は全てをベンゼン及び軽量の炭化水素(すなわち、分子につき6未満の炭素を有する炭化水素)に転換する役割も果たす。或いは、当該異性化工程は、供給体ストリームにあるEBの一部又は全てをキシレンに転換する役割も果たす。
【0034】
各異性化工程に用いられ、所望の反応を生じる多くの触媒又は触媒の組み合わせがある。一般的に2つのキシレン異性化触媒のタイプがある。1つの異性化触媒は、反応条件下で4個のEBも含めた異なるC芳香族化合物を、熱力学で決定される濃度にして、多かれ少なかれ平衡に保たせることが出来る。これは所定の供給体でC芳香族からPXの最大限の構成を可能にする。これらの触媒のタイプの例は、それぞれの工程で用いられるIFP/Engelhard Octafining(TM)及びOctafiningII(TM)触媒を含む。キシレン異性化触媒の他のタイプは、キシレン異性化に加えて、一般的に水素存在下でEB転換を生じる。上述したように、この触媒のタイプは、EBを除去し、ベンゼン及びエタンを副生成物として生成する。これは、所定のプラントにある他の設備と同様に、多様な生成物の供給と需要に依存したEBの所望の処理となり得る。実施例は、モービル高温異性化(Mobil High Temperature Isomerization、MHTI(TM))触媒、モービル高活性異性化触媒(Mobil High Activity Isomerization catalysts、MHAI(TM))及びUOP ISOMAR(TM) I−100触媒を含む。
【0035】
多くの適した異性化反応器が本願発明の開示に用いられることが出来る。いくつかの非限定的な実施例が米国特許第4,899,011号及び第4,236,996号で開示される。
【0036】
本願発明の開示において、キシレン異性化反応は、液体層、蒸気(気体)層、超臨界層中、又はそれらの組み合わせで行われることが出来る。異性化反応条件及び異性化される芳香族供給体ストリームの特定の組成物の選択は、キシレン異性化反応器で芳香族供給体ストリームの物理学的状態を決定する。
【0037】
図1には、従来のパラキシレン分離及び異性化回路が示され、C+芳香族炭化水素を含む供給体は、ライン1を経て、通常蒸留カラムである分離装置5に送られる。供給体でのC芳香族炭化水素の大部分は、装置5で分離され、ライン10を経て回収される。一方で、供給体中のC+炭化水素の大部分は、ライン40を経て塔底ストリームとして回収され、後の工程で用いられる。ライン10を経て回収されるC芳香族炭化水素ストリームは、PX回収装置15に供給され、当該装置でストリーム中のPXの一部が、ライン20を経て回収される。PX回収装置15からの低濃度PX流出物は、ライン25を経て回収され、異性化装置30に供給される。異性化装置30は通常、異性化触媒(例えば、酸性ゼオライト)が取り込まれた反応器又は容器である。また当該装置は、低濃度PXストリームから、低濃度PXストリームのPX濃度より高いPX濃度を有する異性化ストリームへの十分な転換に適した異性化条件で行われる。前記異性化ストリームは、異性化装置30から回収され、ライン35を経て分離装置5へ再循環される。
【0038】
本願発明に係る方法の1つの実施形態について開示する図2において、C+芳香族炭化水素を含む供給原料は、ライン101を経て第一分離装置105に送られる。第一分離装置105は、C+芳香族炭化水素を含む供給原料からC芳香族炭化水素を分離可能な任意の装置とすることができ、当該装置は通常、蒸留カラムである。供給原料でのC芳香族炭化水素の大部分は、装置105を用いて分離され、ライン110を経て回収される。一方、供給体でのC+炭化水素の大部分は、ライン140を経て塔底ストリームとして回収され、後の工程で用いられる。ライン110を経て回収されるC芳香族炭化水素ストリームの少なくとも一部は、PX回収装置115に供給され、当該装置で、供給体のPXの一部は、ライン120を経て高濃度PXストリームとして回収され、第一ストリーム(低濃度PXストリーム)は、ライン125を経て回収される。
【0039】
PX回収装置115からライン125を経て回収される第一ストリームの少なくとも一部は、第一異性化装置130に供給される。当該第一異性化装置130は通常、異性化触媒(例えば、酸性ゼオライト)が取り込まれた反応器である。また当該装置は、第一ストリームから、第一ストリームのPX濃度より高いPX濃度を有する第二ストリームへの十分な転換に適した異性化条件下で行われる。第二ストリームは、第一異性化装置130から回収され、それらの少なくとも一部は、ライン136を経て第二分離装置137へ供給される。当該第二分離装置137で供給された第二ストリームは、第二ストリームより高いPX濃度を有する第三ストリーム、及び第二ストリームより低いPX濃度を有する第四ストリームへ分離される。
【0040】
第四ストリームは、第二分離装置137からライン138を経て回収され、それらの少なくとも一部は、第二異性化装置139に供給される。第二異性化装置139は通常、異性化触媒(例えば、酸性ゼオライト)が取り込まれた反応器又は容器である。また当該装置は、第四ストリームから、第四ストリームのPX濃度より高いPX濃度を有する第五ストリームへの十分な転換に適した異性化条件下で行われる。第五ストリームは、第二異性化装置139からライン142を経て回収され、第二分離装置137からライン141を経て回収される第三ストリームと、結合される。第五ストリームの少なくとも一部及び/又は第三ストリームの少なくとも一部は、ライン135を経て第一分離装置105へ同時に供給される。
【0041】
図2の工程の変形(表示なし)において、ライン142における第五ストリームの一部及び/又はライン141における第三ストリームの一部は、第二分離装置137へ再循環されることが出来る。さらに、当該工程は、ライン138における第四ストリームの少なくとも一部を第一異性化装置130へ再循環する工程を含むことが出来る。
【0042】
図2の工程の変形(表示なし)において、第一異性化装置130からライン136を経て回収される第二ストリームは、第二分離装置137へ供給される前に分留装置に供給される。当該分留装置は第二ストリームを、高濃度C−炭化水素の第一部分及び高濃度C+炭化水素の第二部分に分離する。前記高濃度C−炭化水素の第一部分は、後の工程のために回収され、前記高濃度C+炭化水素の第二部分は、第二分離装置137に供給される。
【0043】
本願発明に係る方法の別の実施形態について開示する図3において、C+芳香族炭化水素を含む供給原料は、ライン201を経て第一分離装置205へ送られる。第一分離装置205は、C芳香族炭化水素及びC+芳香族炭化水素を含む供給原料からC芳香族炭化水素を分離可能な任意の装置とすることができ、また通常は蒸留カラムである。供給原料でのC芳香族炭化水素の大部分は、装置205を用いて分離され、ライン206を経て回収される。一方、供給体のC+炭化水素の大部分は、ライン240を経て塔底ストリームとして回収され、後の工程で用いられる。ライン206を経て回収されるC芳香族炭化水素ストリームの少なくとも一部は、第二分離装置207に供給される。当該装置は、C芳香族炭化水素を含む供給原料からPXを分離し又は高濃度にすることが可能な任意の装置とすることが出来る。
【0044】
第二分離装置207は、ライン206で回収されたC芳香族炭化水素ストリームの一部をC芳香族炭化水素ストリームのPX濃度より高いPX濃度を有する第一ストリーム、C芳香族炭化水素ストリームのPX濃度より低いPX濃度を有する第二ストリームに分離する。第二ストリームは、第一分離装置207から、ライン208を経て回収され、それらの少なくとも一部は、第一異性化装置209に供給される。第一異性化装置209は通常、異性化触媒(例えば、酸性ゼオライト)が取り込まれた反応器である。また当該装置は、第二ストリームから、第二ストリームのPX濃度より高いPX濃度を有する第三ストリームへの十分な転換に適した異性化条件で行われる。第三ストリームは、第一異性化装置209から、ライン212を経て回収され、第二分離装置207からライン211を経て回収される第一ストリームと結合される。
【0045】
第三ストリームの少なくとも一部及び/又は第一ストリームの少なくとも一部は、ライン210を経てPX回収装置215へ同時に供給される。結合ストリームでPXの一部は、ライン220を経て、高濃度PXストリームとして回収され、第四ストリーム(低濃度PXストリーム)は、ライン225を経て回収される。第四ストリームの少なくとも一部は、ライン225を経て第二異性化装置230に供給される。第二異性化装置230は通常、異性化触媒(例えば、酸性ゼオライト)が取り込まれた反応器である。また当該装置は、第四ストリームから、第四ストリームのPX濃度より高いPX濃度を有する第五ストリームへの十分な転換に適した異性化条件下で行われる。第五ストリームは、第二異性化装置230から回収され、それらの少なくとも一部は、ライン235を経て第一分離装置205に供給される。
【0046】
図3の工程の変形(表示なし)において、ライン208における第二ストリームの一部は、第二分離装置230に供給されることが出来る。加えて、ライン211における第一ストリームの一部及び/又はライン212における第三ストリームの一部は、第二分離装置207へ再循環されることが出来る。
【0047】
さらに図3の工程の変形(表示なし)において、ライン212における第三ストリームの一部は、第一分離装置205に供給されることが出来る。
【0048】
またさらに図3の工程の変形(表示なし)において、第二異性化装置230からライン235を経て回収される第五ストリームは、第一分離装置207へ供給される前に分留装置に供給される。当該分留装置は、第五ストリームを、高濃度C−炭化水素の第一部分及び高濃度C+炭化水素の第二部分に分離する。前記高濃度C−炭化水素の第一部分は、後の工程で回収され、前記高濃度C+炭化水素の第二部分は、第二分離装置207に供給される。
【0049】
図4において、単一パラキシレン分離及び異性化回路で選択的吸着及び分別結晶装置が一体にされたキシレンの周知生成工程がさらに示される。特に当該工程は、第一分離装置301を含む。当該第一分離装置301は、1以上の蒸留カラムとすることができ、また、ライン302からC+芳香族炭化水素の供給体ストリームを受け、供給体を塔頂気体ストリーム及び塔底液体ストリームに分離する。当該塔底液体ストリームは、主にC+芳香族炭化水素といくつかのオルトキシレン(OX)で構成され、さらに第一分離装置301からライン303を通り回収され、後の工程に用いられる。塔頂ストリームは、主にC芳香族炭化水素(通常約50%のメタキシレン(MX)、約20%のPX、約15%のOX、及び約15%のEB)で構成され、第一分離装置301からライン304を通り除去されPXの回収装置に送られる。
【0050】
図4で示された工程におけるPXの回収は、分別結晶装置308及び選択的吸着装置309の両方により影響される。従って、第一分離装置301からライン304を通って回収されるC芳香族炭化水素の一部は、ライン306を用いて分別結晶装置308へ供給される。当該分別結晶装置308で、第一高濃度PX生成物ストリームは、ライン310を通り回収され、低濃度PXラフィネートストリームは、ライン311を経て回収される。第一分離装置301からライン304を通り回収されたC芳香族炭化水素の残余は、分別結晶装置308からの低濃度PXラフィネートストリームと結合され、ライン312を用いて選択的吸着装置309に供給される。当該選択的吸着装置309で、第二高濃度PX生成物ストリームは、ライン313を通り回収され、さらに低濃度PXストリームは、ライン314を経て回収される。さらに低濃度PXストリームは、ライン314を用いてキシレン異性化装置315へ供給され、当該低濃度PXストリームは、当該低濃度PXストリームより高いPX濃度を有する異性化ストリームに転換される。前記異性化ストリームは、キシレン異性化装置315からライン316を用いて回収され、スプリッター(splitter)301に再循環されるためライン302に供給される。
【0051】
図5において、図4の周知技術の変形が示される。そこでは本願発明に係る方法が、パラキシレン分離及び異性化回路のPX生産性の増加に用いられている。図4及び5において類似の参照数値等が、類似の成分等を図解するために用いられる。特に実施例5の工程は、分別結晶装置308からライン311を経て回収される低濃度PXラフィネートストリームの処理に用いられる第二キシレン異性化装置317を使用する。従って、図4で示される周知工程の問題は、結晶器ラフィネートストリームでPX濃度が低いことである。これにより、各経路で選択的吸着装置309は、ライン312を通して供給されるPXのみを回収出来るため、当該装置309の生産性を減少させる。第二キシレン異性化装置316における処理の目的は、低濃度PXラフィネートストリームのPX濃度を10−12%から20−24%の平衡レベルへ持って行くことである。
【0052】
図5で示される工程において、低濃度PXラフィネートストリームより高いPX濃度を有する第二キシレン異性化装置317からの流出物ストリームは、ライン318を通して回収され、第一分離装置301に供給される。この方法において、選択的吸着装置309への供給体の全体的なPX含有量は増加されることが出来る。また、第二キシレン異性化装置317からの一部又は全ての流出物ストリームは、選択的吸着装置309に直接供給され得ることが理解される。当該供給は、必要に応じて、第二キシレン異性化装置317で生成されたC+炭化水素の不純物及び/又はC−炭化水素の不純物を除去する分画後に行われる。
【0053】
図5に示された工程の1つの実際的な実施形態において、第二キシレン異性化装置316は、以下の利点を有することから、液体層異性化技術を使用する。(1)より一般的な気体層、高温異性化技術と異なり、液体層異性化は水素再循環を必要とせず、簡素化及び費用の面で利点がある。(2)より適切な反応条件下で好ましくない副作用の程度が低いことから、キシレン損失が低い(<1.0%)利点がある。
【0054】
液体異性化生成物が、主に平衡状態のキシレンを含み、C+化合物を含む程度が低いことから、適切なトレイポジションで第二キシレン異性化装置317から第一分離装置301に直接流出物ストリームを送り、C化合物及びC+化合物の分離に影響を与えることが可能である。
【0055】
実施例
以下のシミュレーション実施例は、次の条件に基づき行われた:
(a)異性化装置により、PX、MX、及びOXはそれらの熱力学的平衡状態に異性化される;
(b)キシレン(EBを除外する)の平衡PX濃度は、25%である;
(c)異性化装置により、全てのEBは、ベンゼン、トルエン、キシレン、又は他の炭化水素に転換される;
(d)PX回収装置により、供給体中のPXの100%が回収される;及び
(e)第一分離装置は蒸留カラムであり、結合供給体中の全てのキシレンが回収される。
【0056】
実際の製造プラントで、異性化装置によりPX、MX、及びOXは100%未満の熱力学平衡状態の濃度に異性化され得ることが当業者に理解される。キシレン(EBを除外する)の平衡PX濃度は通常、25%未満であることも当業者に理解される。異性化装置により、100%未満のEBが、他の炭化水素に転換され得ることも当業者に理解される。実際の製造プラントで、PX回収装置により、供給体中のPXの100%未満が回収され得ることも当業者に理解される。しかしながら簡素化を考慮して、100%のキシレン平衡、100%のEB転換、100%のPX回収、及び25%のPX平衡濃度が以下の実施例で前提とされる。
【0057】
比較例1
図1で従来のPXの生成方法の簡略化された概略図が示される。(ライン1を経た)C+芳香族供給原料中のキシレン1ユニットを、キシレン3ユニットを有する(ライン35を経た)再循環ストリームと結合させ、分離装置5(蒸留カラム)へ送る。C+炭化水素の大部分を、結合供給体から蒸留カラム5を用いて分離した後、塔底ストリームとしてライン40を経て回収し、後の工程で用いる。蒸留カラム5からの塔頂ストリームは、供給体中でC芳香族炭化水素(キシレン及びEB)の大部分を含み、4ユニットの全キシレンを有する。当該全キシレンの25%(1ユニット)は、PXである。塔頂ストリームを、ライン10を経て回収し、ライン10を経てPX回収装置15に供給する。この実施例で用いられるPX回収装置は、PAREX(TM)装置である。塔頂ストリームのPX1ユニットを、ライン20を経て、高濃度PXストリームの全量に対し、約99.6から99.9重量%のPX濃度を有する高濃度PXストリームとして回収する。低濃度PXストリームを、回収装置15からライン25を経て回収し、異性化装置30に供給する。この実施例において、異性化装置を用いてMX及びOXを、PXに異性化し、EBを、主にベンゼン及び他の炭化水素に転換する。キシレン約3ユニット及び(全キシレンに対して)約25重量%のPX濃度を有する異性化ストリームを、異性化装置30から回収し、ライン35を経て分離装置5に再循環する。
【0058】
実施例1
本願開示に係る1つの実施形態の簡略化された概略図(図2)が示される。C+芳香族供給原料でキシレン1ユニットを、キシレン2ユニットを有する再循環ストリームと結合させ、ライン1を経て第一分離装置105(蒸留カラム)に送る。C+炭化水素の大部分を、結合供給体から蒸留カラム105を用いて分離した後、ライン140を経て塔底ストリームとして回収し、後の工程で用いる。蒸留カラム105の塔頂ストリームは、供給体中のC芳香族炭化水素(キシレン及びEB)の大部分を含み、全キシレン3ユニットを有する。当該全キシレンの約33.3%は、PXである。塔頂ストリームを、ライン110を経て回収し、PX回収装置115に供給する。この実施例において前記PX回収装置115は、PAREX(TM)装置である。塔頂ストリームのPX1ユニットを、ライン120を経て、高濃度PXストリームの全量に対し約99.6から99.9重量%のPX濃度を有する高濃度PXストリームとして回収する。低濃度PXストリームを、装置115からライン125を経て回収し、第一異性化装置130に供給する。この実施例でMX及びOXを、第一異性化装置を用いてPXに異性化し;EBから主にベンゼン及び他の炭化水素に転換する。キシレン約2ユニット及び(全キシレンに対して)約25重量%のPX濃度を有する第一異性化装置130からの異性化ストリームを、異性化装置130から回収する。
【0059】
第一異性化装置130からの異性化ストリームを、ライン136を経て第二分離装置137に供給し、第一異性化装置130からの異性化ストリームより高いPX濃度を有するストリーム及び第一異性化装置130からの異性化ストリームより低いPX濃度を有するストリームに分離する。第一異性化装置130からの異性化ストリームより低いPX濃度を有するストリームを、第二分離装置137からライン138を経て回収し、第二異性化装置139に供給する。第二異性化装置139からの生成物ストリームを、ライン142を経て回収し、第一異性化装置130からの異性化ストリームより高いPX濃度を有するストリームと結合させ、ライン135を経て回収される結合生成物を形成する。第二異性化装置139及び第二分離装置137を操作し、(ライン135の)結合生成物が全キシレンに対して約37%のPX濃度を有するようにする。当該結合生成物を、ライン135を経て再び分離装置105に再循環する。
【0060】
実施例1の再循環ストリーム(ライン135を経て結合生成物)対(ライン101を経た)供給体ストリームの割合は、2:1であり、比較例1の再循環割合である3:1に比較して低下しており、キシレン回路の障害を解消することが見られる。
【0061】
実施例2
本願開示に係る1つの実施形態の簡略化された概略図(図3)に示されるように、ライン201を経て供給されるC+芳香族供給原料中のキシレン1ユニットを、ライン235を経て供給されるキシレン2ユニットを有する再循環ストリームと結合させ、第一分離装置205(蒸留カラム)に送る。供給体中のC+炭化水素の大部分を、蒸留カラム205で分離した後、ライン240を経て塔底ストリームとして回収し、後の工程で用いる。蒸留カラムからの塔頂ストリームは、供給体中のC芳香族炭化水素(キシレン及びEB)の大部分を含み、全キシレン3ユニットを有する。塔頂ストリームを、蒸留カラムからライン206を経て回収し、第二分離装置207に供給する。当該第二分離装置207では、塔頂ストリームを、ライン211を流れる塔頂ストリームより高いPX濃度を有するストリーム及びライン208を流れる塔頂ストリームより低いPX濃度を有するストリームに分離する。ライン208におけるより低いPX濃度ストリームを、第一異性化装置209に供給し、異性化させ、ライン211からのより高いPX濃度ストリームと結合された流出物ストリームを生成する。第一異性化装置209及び第二分離装置207を操作し、結合生成物が全キシレンに対して約33.3%のPX濃度を有する(ライン210の)ようにする。
【0062】
ライン210における結合生成物を、PX回収装置215に供給する。この実施例で前記PX回収装置215は、PAREX(TM)装置である。塔頂ストリームのPX1ユニットを、ライン220を経て、高濃度PXストリームの全量に対し、約99.6から99.9重量%のPX濃度を有する高濃度PXストリームとして回収する。低濃度PXストリームは、PX回収装置215からライン225を経て、第二異性化装置230に入る。この実施例において、第二異性化装置を用いてMX及びOXを、PXに異性化し、EBを、主にベンゼン及び他の炭化水素に転換する。第二異性化装置230からの異性化ストリームは、キシレン約2ユニット及び(全キシレンに対して)約25重量%のPX濃度を有し、ライン235を経て再び分離装置205に再循環する。
【0063】
実施例1の(ライン235を経た)再循環ストリーム対(ライン201を経た)供給体ストリームの割合は、2:1であり、比較例1の再循環割合である3:1から低下し、キシレン回路の障害を解消することが見られる。
【0064】
実施例1及び2の構成により、再循環/供給体の割合を2に減らすことが出来る。キシレン回路において当初の許容量をキシレン4ユニットとし、またその許容量が完全に使用されるとすると、供給体の1.33ユニット及び再循環の2.66ユニットは、再循環対供給体の割合が2であることになり、また当初の許容量であるPX回収装置への供給体4ユニットが完全にPX回収装置に到達することになる。比較例で示されるような従来のPXプラントにおける供給体の1ユニットと比べ、全部でPXの1.33ユニットがPX回収装置から回収され、PX生産能力において33%の増加(1.0から1.33)を得られることが実証される。
【0065】
比較例2
図4で示される周知工程のシミュレーションにおいて、ライン302を経て供給されるC+芳香族供給原料におけるキシレン1.2ユニットを、ライン316を経て来るキシレン供給体4.3ユニットを有する再循環ストリーム供給体と結合させ、また全キシレン供給体を5.5ユニットの第一分離装置301へ送る。当該第一分離装置301の塔頂ストリーム2.4ユニットを、選択的吸着装置309へ送り、3.1ユニットを、ライン306を経て分別結晶装置308へ送る。分別結晶装置308は、10−12%のPX及び大部分の他のキシレン異性体を含む低濃度PXラフィネート2.7ユニットを残し、ライン306において凝縮された液体から高純度PX(>99.5%)0.4ユニットを分離する。
【0066】
分別結晶装置308からの低濃度PXラフィネート2.7ユニットを、濃縮器305からの濃縮された液体の残りの2.4ユニットと結合させ、選択的吸着装置309へ5.1ユニットの全供給体を送る。低濃度PXラフィネートはたったの10−12%のPXを有することから、通常約15−18%のPX濃度を有する混合物が選択的吸着装置309へ送られる混合物となる。この実施例における選択的吸着装置309はPAREX装置であり、高純度PX(>99.5%)0.8ユニット及び後に用いられる低濃度PXラフィネートストリーム4.3ユニットを生成する。当該後の低濃度PXラフィネートストリームを、キシレン異性化装置315に供給し、スプリッター301に再循環される24−25%のPX濃度を含むキシレン4.3ユニットを生産する。
【0067】
実施例3
図5で示される工程のシミュレーションにおいて、第一分離装置301へ供給される全キシレン供給体は、ライン302を経たC+芳香族供給原料のキシレン1.4ユニット、及びライン316を経た再循環ストリーム供給体のキシレン4.1ユニットから成る5.5ユニットが残される。第一分離装置301からの塔頂ストリームは、キシレン5.5ユニットから成る。比較例2の場合において、塔頂ストリーム3.1ユニットを、分別結晶装置308へ送り、そこで低濃度PXラフィネート2.7ユニットを残し、高純度PX(>99.5%)0.4ユニットを回収する。一方で、実施例3において、低濃度PXラフィネートを、液体層異性化反応器317へ供給し、ラフィネートのPX濃度を約23重量%に増加する。結果として得られる異性化ラフィネート2.7ユニットを、第一分離装置301に再循環する。従って、ライン304における塔頂ストリームは、全8.2ユニット(5.5ユニット+2.7ユニット)を有し、そのうちの5.1ユニットはライン312を経てPAREX装置309に供給される。この場合においてPAREX装置への供給体のPX濃度は、(比較例2の15−18重量%と比較して)20−24重量%であり、25%のPAREX生産性が効果的にPXを0.8ユニットから1.0ユニットに増加させる。結果として、ライン314におけるPAREXラフィネートストリームは、4.3ユニットから4.1ユニットに減少され、再循環量が減ることでエネルギーが節約される。未使用の供給体は、1.2ユニットから1.4ユニットに増加され、新たな許容量に合致する。一方で、第一分離装置301(5.5ユニット)、結晶器(3.1ユニット)、及びPAREX装置(5.1ユニット)に送られる分子の全量は、全て変化しない。従って、本提案の技術により、新しい設備の最小量で全回路の障害が解消される。
【0068】
本願発明が開示され、所定の実施形態の参照により具体化される一方で、必ずしも本明細書で具体化されていない当該発明の多様化が存在することを当業者は理解するだろう。そしてこの理由から、本願発明に係る真の範囲は、添付される請求項の参照のみをもって決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は、従来のキシレン分離及び異性化回路の概略図である。
【図2】図2は、本願開示に係る第一の実施形態に従ったパラキシレンの生成方法の概略図である。
【図3】図3は、本願開示に係る第二の実施形態に従ったパラキシレンの生成方法の概略図である。
【図4】図4は、別個の従来のキシレン分離及び異性化回路の概略図である。
【図5】図5は、本願開示に係る第三の実施形態に従ったパラキシレンの生成方法の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高濃度PX生成物の生成方法であって、
(a)C炭化水素を含む供給原料を分離し、高濃度C炭化水素ストリームを生成する工程、
(b)高濃度C炭化水素ストリームの少なくとも第一部分を分離し、第一高濃度PXストリーム及び第一低濃度PXストリームを生成する工程、
(c)前記第一低濃度PXストリームの少なくとも一部を異性化し、第一低濃度PXストリームより高いPX濃度を有する第一異性化ストリームを生成する工程、
(d)前記高濃度C炭化水素ストリームの第二部分及び/又は第一異性化ストリームの少なくとも一部を分離し、第二高濃度PXストリーム及び第二低濃度PXストリームを生成する工程、
(e)前記第二低濃度PXストリームの少なくとも一部を異性化し、第二低濃度PXストリームより高いPX濃度を有する第二異性化ストリームを生成する工程、
(f)少なくとも1の前記第一高濃度PXストリーム及び第二高濃度PXストリームの少なくとも一部を高濃度PX生成物として回収する工程、及び
(g)少なくとも1の前記第一異性化ストリーム、第二異性化ストリーム、第一高濃度PXストリーム、及び第二高濃度PXストリームの少なくとも一部を(a)の分離工程に供給する工程
を含む、前記方法。
【請求項2】
高濃度PXストリームの生成方法であって、
(a)C炭化水素を含む供給原料を分離し、高濃度C炭化水素ストリームを生成する工程、
(b)前記高濃度C炭化水素ストリームの少なくとも一部を分離し、前記高濃度PXストリーム及び第一ストリームを生成する工程、
(c)前記第一ストリームの少なくとも一部を異性化し、第一ストリームより高いPX濃度を有する第二ストリームを生成する工程、
(d)前記第二ストリームの少なくとも一部を分離し、第三ストリーム及び第四ストリームを生成する工程であり、前記第三ストリームは第二ストリームより高いPX濃度を有し、前記第四ストリームは第二ストリームより低いPX濃度を有する工程、
(e)前記(c)の異性化工程から分離された別の異性化工程で前記第四ストリームの少なくとも一部を異性化し、前記第四ストリームより高いPX濃度を有する第五ストリームを生成する工程、及び
(f)前記第三ストリームの少なくとも一部及び/又は前記第五ストリームの少なくとも一部を前記(a)の分離工程に供給する工程
を含む、前記方法。
【請求項3】
前記第五ストリームの少なくとも一部及び/又は前記第三ストリームの少なくとも一部を工程(d)へ再循環することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第四ストリームの少なくとも一部を工程(c)へ再循環することをさらに含む、請求項2又は請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第二ストリームを分画し、高濃度C−炭化水素の第一部分及び高濃度C+炭化水素の第二部分を生成し、前記第二部分を前記(d)の分離工程に供給する工程をさらに含む、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
高濃度PXストリームの生成方法であって、
(a)C炭化水素を含む供給原料を分離し、高濃度C炭化水素ストリームを生成する工程、
(b)前記高濃度C炭化水素ストリームの少なくとも一部を分離し、第一ストリーム及び第二ストリームを生成する工程であり、前記第一ストリームは高濃度C炭化水素ストリームより高いPX濃度を有し、前記第二ストリームは高濃度C炭化水素ストリームより低いPX濃度を有する工程、
(c)前記第二ストリームの少なくとも一部を異性化し、第二ストリームより高いPX濃度を有する第三ストリームを生成する工程、
(d)前記第一ストリームの少なくとも一部及び/又は前記第三ストリームの少なくとも一部を分離し、前記高濃度PXストリーム及び第四ストリームを生成する工程、
(e)前記第四ストリームの少なくとも一部を異性化し、前記第四ストリームより高いPX濃度を有する第五ストリームを生成する工程、及び
(f)前記第五ストリームの少なくとも一部を前記(a)の分離工程に供給する工程
を含む、前記方法。
【請求項7】
前記第二ストリームの少なくとも一部を工程(e)へ再循環することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第一ストリームの少なくとも一部及び/又は前記第三ストリームの少なくとも一部を工程(b)へ再循環することをさらに含む、請求項6又は請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第三ストリームの少なくとも一部を工程(a)へ再循環することをさらに含む、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第五ストリームを分画し、高濃度C−炭化水素の第一部分及び高濃度C+炭化水素の第二部分を生成し、前記第二部分を前記(a)の分離工程に供給する工程をさらに含む、請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
高濃度PX生成物の生成方法であって、
(a)C炭化水素を含む供給原料を分離し、高濃度C炭化水素ストリームを生成する工程、
(b)高濃度C炭化水素ストリームの第一部分を分離し、第一高濃度PXストリーム及び第一ストリームを生成する工程、
(c)前記第一ストリームの少なくとも一部を異性化し、第一ストリームより高いPX濃度を有する第二ストリームを生成する工程、
(d)高濃度C炭化水素ストリームの第二部分を分離し、第二高濃度PXストリーム及び第三ストリームを生成する工程、
(e)前記第三ストリームの少なくとも一部を異性化し、第三ストリームより高いPX濃度を有する第四ストリームを生成する工程
(f)少なくとも1の前記第一高濃度PXストリーム及び第二高濃度PXストリームの少なくとも一部を高濃度PX生成物として回収する工程、及び
(g)第二ストリームの少なくとも一部及び第四ストリームの少なくとも一部を(a)の分離工程に供給する工程
を含む、前記方法。
【請求項12】
前記供給原料が少なくともC+炭化水素を含み、前記(a)の分離工程が高濃度C炭化水素ストリーム及び高濃度C9+炭化水素ストリームを生成する、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記又は各々の高濃度PXストリームが、少なくとも50重量%のPX、好ましくは少なくとも90重量%のPXを含む、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記(a)の分離工程が、前記供給原料の蒸留を含む、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記(b)の分離工程が、少なくとも1の選択的吸着、選択的結晶化、選択的抽出、及び選択的膜分離を含む、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記(d)の分離工程が、少なくとも1の選択的吸着、選択的結晶化、選択的抽出、及び選択的膜分離を含む、請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記(c)の異性化工程が、MX及び/又はOXからPXへの異性化、及び/又はEBからベンゼン及び/又はキシレンへの転換に十分な異性化条件下で機能する触媒を含む異性化装置で行われる、請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記(e)の異性化工程が、MX及び/又はOXからPXへの異性化、及び/又はEBからベンゼン及び/又はキシレンへの転換に十分な異性化条件下で機能する触媒を含む異性化装置で行われる、請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1の前記(c)の異性化工程及び前記(e)の異性化工程が、少なくとも部分的に液体層で行われる、請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−535332(P2009−535332A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507707(P2009−507707)
【出願日】平成19年4月10日(2007.4.10)
【国際出願番号】PCT/US2007/008829
【国際公開番号】WO2007/127049
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(599134676)エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク (301)
【Fターム(参考)】