説明

パリティ共有データ処理のためのシステム及び方法

【課題】小さいデータ復号回路のサイズで高速なデータ復号を実現する。
【解決手段】データ検出器回路は、データセットにデータ検出アルゴリズムを適用し、データセットは、少なくとも第1の符号化された部分符号語及び部分符号語の複合体を含む。低密度パリティチェックデータ復号器回路は、部分符号語にデータ復号アルゴリズムを適用した第1の復号出力及び部分符号語の複合体にデータ復号アルゴリズムを適用した第2の復号出力をもたらす。処理回路は、第1の符号化された部分符号語及び部分符号語の複合体を含むデータの結合から第2の符号化された部分符号語を再構成するように、かつ少なくとも部分的に、第1の符号化された部分符号語、第2の符号化された部分符号語、及び部分符号語の複合体の結合に基づいて、第1の符号化された部分符号語及び第2の符号化された部分符号語のうちの一方における誤りを訂正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理のためのシステム及び方法に関し、より詳細にはデータ復号のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々なストレージシステムが、データ復号回路を用いて実装されたデータ処理回路部を備える。いくつかの場合、データ復号回路は、複数のパリティビットを含む非常に大きな符号語に対して操作を行う。データ処理性能の増大を達成するためにますます大きな符号語を用いることが有利である。しかしながら、そのような大きな符号語は、大規模で複雑なデータ復号回路を必要とする。そのような大規模で複雑なデータ復号回路はかなりのダイ面積及び電力を必要とする。この状況に対処する1つの手法は、合わせて連結された複数の小さな符号語から非常に大きな符号語を作成することである。そのような小さな符号語によって、データ復号回路が必要とするサイズ及び電力を低減することが可能になるが、それに応じた処理性能の低減が伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このため、少なくとも上述した理由から、当該技術分野においてデータ処理のための進化したシステム及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、データ処理のためのシステム及び方法に関し、より詳細にはデータ復号のためのシステム及び方法に関する。
【0005】
本発明の様々な実施の形態は、データ検出器回路と、データ復号器回路と、処理回路とを備えたデータ処理システムを提供する。データ検出器回路は、データセットにデータ検出アルゴリズムを適用して、検出された出力をもたらすように動作可能である。データセットは、少なくとも第1の符号化された部分符号語及び部分符号語の複合体を含む。データ復号器回路は、符号化された部分符号語にデータ復号アルゴリズムを適用して第1の復号された出力をもたらすように、かつ部分符号語の複合体にデータ復号アルゴリズムを適用して第2の復号された出力をもたらすように動作可能である。処理回路は、第1の符号化された部分符号語及び部分符号語の複合体を含むデータの結合から第2の符号化された部分符号語を再構成するように、かつ少なくとも部分的に、第1の符号化された部分符号語、第2の符号化された部分符号語、及び部分符号語の複合体の結合に基づいて、第1の符号化された部分符号語及び第2の符号化された部分符号語のうちの一方における誤りを訂正するように動作可能である。
【0006】
上述した実施の形態のいくつかの例では、データ処理システムはストレージデバイス又は受信デバイスの一部分として実装される。いくつかの場合、ストレージデバイスはディスクに基づくストレージデバイスである。他の場合、ストレージデバイスは固体ストレージデバイスである。上述した実施の形態の様々な例では、データ処理システムは集積回路の一部分として実装される。上述した実施の形態の1つ又は複数の例では、データ検出アルゴリズムは最大事後データ検出アルゴリズムである。他の例では、データ検出アルゴリズムはビタビ検出アルゴリズムである。上述した実施の形態のいくつかの例では、データ復号アルゴリズムは低密度パリティチェックアルゴリズムである。
【0007】
上述した実施の形態のいくつかの例では、符号語の複合体は、少なくとも第1の符号化された部分符号語及び第2の符号化された部分符号語の数学的結合である。上述した実施の形態の特定の例では、符号語の複合体は、少なくとも第1の符号化された部分符号語及び第2の符号化された部分符号語の2を法とした結合である。いくつかの場合、第1の符号化された部分符号語及び部分符号語の複合体を含むデータの結合から第2の符号化された部分符号語を再構成することは、少なくとも第1の符号化された部分符号語及び第2の符号化された部分符号語の数学的結合を逆に行うことを含む。特定の場合、少なくとも部分的に、第1の符号化された部分符号語、第2の符号化された部分符号語、及び部分符号語の複合体の結合に基づいて第1の符号化された部分符号語及び第2の符号化された部分符号語のうちの一方における誤りを訂正することは、少なくとも第1の符号化された部分符号語及び第2の符号化された部分符号語の数学的結合によって正しい数学的関係がもたらされるように第1の符号化された部分符号語及び第2の符号化された部分符号語のうちの一方の要素を変更することを含む。いくつかの場合、データ復号器回路は、データ復号アルゴリズムを符号化された部分符号語に適用して第1の復号された出力をもたらすように動作可能な第1の復号回路と、データ復号アルゴリズムを部分符号語の複合体に適用して第2の復号された出力をもたらすように動作可能な第2の復号回路とを備える。他の場合、データ復号器回路は、第1の時間期間中にデータ復号アルゴリズムを符号化された部分符号語に適用して、第1の復号された出力をもたらすように、かつ第2の時間期間中にデータ復号アルゴリズムを部分符号語の複合体に適用して、第2の復号された出力をもたらすように動作可能な復号回路を備える。
【0008】
本発明の他の実施の形態は、データ処理のための方法を提供する。本方法は、少なくとも第1の符号化された部分符号語と部分符号語の複合体とを含むデータセットを受信することを含む。データ検出器回路によって、データセットに対しデータ検出アルゴリズムが実行され、検出された出力がもたらされる。検出された出力から取り出された第2のデータセットに対しデータ復号アルゴリズムが実行され、第1の符号化された部分符号語に対応する第1の復号された出力がもたらされ、検出された出力から取り出された第3のデータセットに対しデータ復号アルゴリズムが実行され、部分符号語の複合体に対応する第2の復号された出力がもたらされる。第2の符号化された部分符号語が、第2の復号された出力及び第1の復号された出力を含むデータの結合から再構成され、第1の復号された出力及び第2の復号された出力のうちの一方における誤りが、少なくとも部分的に、第1の符号化された部分符号語、第2の符号化された部分符号語、及び部分符号語の複合体の結合に基づいて訂正される。いくつかの場合、符号語の複合体は、少なくとも第1の符号化された部分符号語及び第2の符号化された部分符号語の数学的結合である。様々な場合において、第2の復号された出力及び第1の復号された出力を含むデータの結合から第2の符号化された部分符号語を再構成することは、少なくとも第1の符号化された部分符号語及び第2の符号化された部分符号語の数学的結合を逆に行うことを含む。いくつかのそのような場合、少なくとも部分的に、第1の符号化された部分符号語、第2の符号化された部分符号語、及び部分符号語の複合体の結合に基づいて第1の復号された出力及び第2の復号された出力のうちの一方における誤りを訂正することは、第1の符号化された部分符号語及び第2の符号化された部分符号語のうちの一方の要素を、少なくとも第1の符号化された部分符号語及び第2の符号化された部分符号語の数学的結合が正しい数学的関係をもたらすように変更することを含む。
【0009】
本発明の様々な実施の形態は、低密度パリティチェック符号化システムを提供する。そのような符号化システムは、低密度パリティチェック符号化器回路と、結合回路とを備える。低密度パリティチェック符号化器回路は、第1のデータセットを符号化して第1の低密度パリティチェック符号化された部分符号語をもたらすように、かつ第2のデータセットを符号化して第2の低密度パリティチェック符号化された部分符号語をもたらすように動作可能である。結合回路は、少なくとも第1の低密度パリティチェック符号化された部分符号語及び第2の低密度パリティチェック符号化された部分符号語を数学的に結合することによって低密度パリティチェック部分符号語の複合体を生成するように、かつ少なくとも第1の低密度パリティチェック符号化された部分符号語及び低密度パリティチェック部分符号語の複合体を結合して全体符号語にするように、動作可能である。
【0010】
上述した実施の形態のいくつかの例では、低密度パリティチェック部分符号語の複合体を生成することは、第1の低密度パリティチェック符号化された部分符号語及び第2の低密度パリティチェック符号化された部分符号語のビット単位の2を法とした数学的プロセスを実行して低密度パリティチェック部分符号語の複合体をもたらすことを含む。上述した実施の形態の様々な例では、少なくとも第1の低密度パリティチェック符号化された部分符号語及び第2の低密度パリティチェック符号化された部分符号語を数学的に結合して有効な低密度パリティチェック符号語をもたらす。上述した実施の形態の1つ又は複数の例では、低密度パリティチェック部分符号語の複合体、第1の低密度パリティチェック符号化された部分符号語、及び第2の低密度パリティチェック符号化された部分符号語は全て同じ低密度パリティチェック復号アルゴリズムを用いて復号可能である。
【0011】
この概要は、本発明のいくつかの実施の形態の概略のみを提供するものである。本発明の多くの他の目的、特徴、利点、及び他の実施の形態は、以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面からより完全に明らかとなるであろう。
【0012】
図面を参照することにより、本発明の様々な実施の形態の更なる理解を実現することができ、これらの実施の形態については明細書の残りの部分で説明する。図面において、同様の参照符号がいくつかの図面の全てにわたって類似の構成要素を指すのに用いられる。いくつかの例では、下付き文字からなるサブラベルが、複数の類似の構成要素のうちの1つを表すように参照符号に関連付けられる。存在するサブレベルを指定することなく参照符号が参照されるとき、そのような複数の類似の構成要素全てを指すことが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の1つ又は複数の実施形態による、共有パリティデータ復号回路を含むデータ処理回路を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に関連して用いることができる共有パリティ符号語を生成するプロセスを図式的に示す図である。
【図3】本発明の1つ又は複数の実施形態による、共有パリティデータ復号回路部を有する読取りチャネルを含むディスクに基づくストレージデバイスを示す図である。
【図4】本発明の1つ又は複数の実施形態による、共有パリティデータ復号回路部を有するフラッシュアクセスコントローラーを備えた固体ストレージデバイスを示す図である。
【図5】本発明のいくつかの実施形態による、共有パリティデータ復号回路部を有する受信機を備えたデータ送信システムを示す図である。
【図6】本発明の様々な実施形態による共有パリティ符号語処理のための方法を示す流れ図である。
【図7】本発明のいくつかの実施形態による、共有パリティ符号語符号化回路を示す図である。
【図8】本発明の1つ又は複数の実施形態による、共有パリティ符号語を符号化する方法を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0014】
図1
105 Analog Input アナログ入力
110 Analog Front End Circuit アナログフロントエンド回路
114 Analog to Digital Converter Circuit アナログ/デジタル変換器回路
120 DFIR Circuit DFIR回路
130 Data Detector Circcuit データ検出器回路
142 Local Interleaver Circuit 局所インターリーバー回路
144 Local De-Interleaver Circuit 局所デインターリーバー回路
150 Central Memory Circuit 中央メモリ回路
162、164、166 Subset Decoder Circuit サブセット復号器回路
175 Soft Data Processing Circuit 軟データ処理回路
180 De-Interleaver Circuit デインターリーバー回路
184 Global Interleaver/Deinterleaver Circuit 大域インターリーバー/デインターリーバー回路
190 Hard Decision Circuit 硬判定出力回路
Hard DecisionOutput 硬判定出力
図2
205、210、215 Encoded Sub-Codeword 符号化された部分符号語
220 Composite Encoded Sub-Codeword 符号化された部分符号語の複合体
図3
301 Write Data 書込みデータ
303 Read Data 読取りデータ
310 Read Channel Including Shared Parity Codeword Circuitry 共有パリティデータ符号語回路部を備えた読取りチャネル
320 Interface Contoroller インターフェースコントローラー
366 Hard Disk Controller ハードディスクコントローラー
368 Motor Controller モーターコントローラー
370 Preamp 前置増幅器
372 Spindle Motor スピンドルモーター
376 Read/Write Head 読取り/書込みヘッド
378 Disk Platter ディスクプラッター
図4
410 Input Buffer Circuit 入力バッファー回路
420 Output Buffer Circuit 出力バッファー回路
430 Flash Access Controller Including Shared Parity Codeword Circuitry 共有パリティ符号語回路部を備えたフラッシュアクセスコントローラー
440 Solid State Memory Circuit 固体メモリ回路
図5
510 Transmitter 送信機
520 Transreceiver Including Shared Parity Codeword Circuitry 共有パリティ符号語回路部を備えた送受信機
530 Transfer Medium 転送媒体
図6
605 Receive Analog Input アナログ入力を受信する
610 Convert Analog Input to a Series of Digital Samples アナログ入力を一連のデジタルサンプルに変換する
615 Equalize the Series of Digital Samples to Yield an Equalized Output 一連のデジタルサンプルを等化して、等化出力をもたらす
620 Data Detector Circuit Free? データ検出器回路が空いている?
625 Perform Data Detection on the Equalized Output Guided by aDerivative of a Decoded Output if Available from the Central Memory Circuit toYield a Detected Output 復号された出力が中央メモリ回路から入手可能である場合に該復号された出力から取り出されたものによって導かれた等化出力に対しデータ検出を実行し、検出された出力をもたらす
630 Store a Derivative of the Detected Output to a Central MemoryCircuit 検出された出力から取り出されたものを中央メモリ回路に格納する
640 Data Decoder Circuit Free? データ復号器回路が空いているか?
645 Access a Derivative of a Detected Output from the Central MemoryCircuit 中央メモリ回路からの検出された出力から取り出されたものにアクセスする
650 Disaggregate the Detected Output Into Sub-Codewords and CompositeSub-Codeword 検出された出力を部分符号語及び部分符号語の複合体に分解する
655 Perform Data Decode Algorithm on the Sub-Codewords and ComposeteSub-Codeword to Yield Corresponding Decoded Outputs 部分符号語及び部分符号語の複合体に対しデータ復号アルゴリズムを実行し、対応する復号された出力をもたらす
660 Reconstitute All Sub-Codewords Using the Sub-Codewords and theComposite Sub-Codeward 部分符号語及び部分符号語の複合体を用いて全ての部分符号語を再構成する
665 All Sub-Codewords and Composite Sub-Codewords Converged? 全ての部分符号語及び部分符号語の複合体が収束した?
670 Apply Error Correction Using Reconsituted Sub-Codewords 再構成された部分符号語を用いて誤り訂正を適用する
675 Remaining Errors Corrected? 訂正された誤りが残っている?
680 Provide Combined Sub-Codewords as a Data Output 結合された部分符号語をデータ出力として与える
685 Another Local Iteration? 別の局所反復?
690 Store the Decoded Output to the Central Memory Circuit 復号された出力を中央メモリ回路に格納する
図7
705 Data Input データ入力
710 Sub-Codeword Encoder Circuit 部分符号語符号化器回路
720 Sub-Codeword Combining Circuit 部分符号語結合回路
730 Combined Codeword Writing Circuit 結合符号語書込み回路
735 Codeword 符号語

図8
805 Receive Data Input as User Bits データ入力をユーザービットとして受信する
810 Collect User Bits for a Sub-Codeword 部分符号語のためにユーザービットを収集する
815 Enough User Bits for a Sub-Codeword? 部分符号語に十分なユーザービット?
820 Encode Sub-Codeword 部分符号語を符号化する
825 Enough Sub-Codeword for a Codeword? 符号語に十分な部分符号語?
830 Start Next Sub-Codeward 次の部分符号語を開始する
840 Generate a Composite Sub-Codeword 部分符号語の複合体を生成する
850 Combine the Composite Sub-codeword with Other Encoded Sub-codewordsto Yield an Overall Codeword 部分符号語の複合体を他の符号化された部分符号語と結合して全体符号語をもたらす
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、データ処理のためのシステム及び方法に関し、より詳細にはデータ復号のためのシステム及び方法に関する。
【0016】
本発明の様々な実施形態が、データ処理のためのシステム及び方法を提供する。そのようなシステム及び方法は、複数の部分符号語間でパリティを共有する全体符号語に依存する。そのような手法によってデータ処理性能を向上することが可能になり、全体符号語の誤り訂正能力(error crrection power)がいずれの1つの部分符号語よりも大きくなる一方、回路サイズ及び電力を低減することが可能である。本発明のいくつかの実施形態では、共有パリティ符号語は、複数の部分符号語を統合し、該複数の部分符号語のうちの1つを、複数の部分符号語にわたる処理を表すパリティを含めるように符号化することによって作成される。1つ又は複数の部分符号語のデータ復号が収束に失敗する場合、複数にわたる部分符号語からのパリティを組み込んだ部分符号語を用いて、そうでない場合に収束しない部分符号語を再生することができる。いくつかの場合、2つ以上の部分符号語を時間共有手法で共通データ復号器回路によって処理することができ、それによって回路サイズが更に低減する。
【0017】
図1を見ると、本発明の1つ又は複数の実施形態による、共有パリティ符号語を復号するように動作可能な共有パリティデータ復号回路170を備えたデータ処理回路100が示されている。データ処理回路100は、アナログ信号105を受信するアナログフロントエンド回路110を備える。アナログフロントエンド回路110はアナログ信号105を処理し、処理済みのアナログ信号112をアナログ/デジタル変換器回路114に与える。アナログフロントエンド回路110には、限定ではないが、当該技術分野において既知のアナログフィルター及び増幅器回路を含めることができる。本明細書において提供される開示に基づいて、当業者であれば、アナログフロントエンド回路110の一部として含めることができる種々の回路部を認識するであろう。いくつかの場合、アナログ信号105はストレージ媒体(図示せず)に関連して配置される読取り/書込みヘッド機構(図示せず)から取り出される。他の場合、アナログ信号105は送信媒体(図示せず)から信号を受信するように動作可能な受信機回路(図示せず)から取り出される。送信媒体は有線又は無線とすることができる。本明細書において提供される開示に基づいて、当業者であれば、アナログ入力105を取り出すことができる種々のソースを認識するであろう。
【0018】
アナログ/デジタル変換器回路114は処理済みのアナログ信号112を対応する一連のデジタルサンプル116に変換する。アナログ/デジタル変換器回路114は、アナログ入力信号に対応するデジタルサンプルを生成することが可能な当該技術分野において既知の任意の回路とすることができる。本明細書において提供される開示に基づいて、当業者であれば、本発明の様々な実施形態に関連して用いることができる種々のアナログ/デジタル変換器回路を認識するであろう。デジタルサンプル116が等化器回路120に提供される。等化器回路120はデジタルサンプル116に等化アルゴリズムを適用して、等化出力125をもたらす。本発明のいくつかの実施形態では、等化器回路120は当該技術分野において既知のデジタル有限インパルス応答フィルターである。いくつかの場合、等化器120は、データ検出器回路130が処理に利用可能になるまで1つ又は複数の符号語を保持するのに十分なメモリを備える。等化出力125を例えば固体ストレージシステム内のストレージデバイスから直接受信することができることが可能な場合もある。そのような場合、データがデジタルデータ入力として受信される場合に、アナログフロントエンド回路110、アナログ/デジタル変換器回路114、及び等化器回路120を省くことができる。
【0019】
データ検出器回路130は、データ検出アルゴリズムを受信した符号語又はデータセットに適用するように動作可能であり、いくつかの場合、データ検出器回路130は2つ以上の符号語を並行に処理することができる。本発明のいくつかの実施形態では、データ検出器回路130は当該技術分野において既知のビタビアルゴリズムデータ検出器回路である。本発明の他の実施形態では、データ検出器回路130は当該技術分野において既知の最大事後データ検出器回路である。一般的なフレーズ「ビタビデータ検出アルゴリズム」又は「ビタビアルゴリズムデータ検出器回路」は、任意のビタビ検出アルゴリズム若しくはビタビアルゴリズム検出器回路又はそれらの変形を意味するように最も広い意味で用いられることに留意されたい。それらの変形には、限定ではないが、双方向ビタビ検出アルゴリズム又は双方向ビタビアルゴリズム検出器回路が含まれる。また、一般的なフレーズ「最大事後データ検出アルゴリズム」又は「最大事後データ検出器回路」は、任意の最大事後検出アルゴリズム若しくは最大事後検出器回路又はそれらの変形を意味するように最も広い意味で用いられる。それらの変形には、限定ではないが、単純化された最大事後データ検出アルゴリズム、及び最大対数最大事後データ検出アルゴリズム、又は対応する検出器回路が含まれる。本明細書において提供される開示に基づいて、当業者であれば、本発明の様々な実施形態に関連して用いることができる種々のデータ検出器回路を認識するであろう。データ検出器回路130は、等化器回路120又は中央メモリ回路150からのデータセットが利用可能であることに基づいて始動される。
【0020】
完了すると、データ検出器回路130は検出器出力196を与える。検出器出力196は軟データを含む。本明細書において用いられるとき、フレーズ「軟データ」は、信頼度データを意味するように最も広い意味で用いられ、該信頼度データの各インスタンスは、対応するビット位置又はビット位置の群が正しく検出されている尤度を示す。本発明のいくつかの実施形態では、軟データ又は信頼度データは当該技術分野において既知の対数尤度比データである。検出された出力196は局所インターリーバー回路142に与えられる。局所インターリーバー回路142は、検出された出力として含まれるデータセットの副部分(sub-portion)(すなわち局所チャンク)をシャッフルするように動作可能であり、インターリーブされた符号語146を与え、該インターリーブされた符号語146は中央メモリ回路150に格納される。インターリーバー回路142は、データセットをシャッフルして再構成されたデータセットをもたらすことが可能な当該技術分野において既知の任意の回路とすることができる。インターリーブされた符号語146は中央メモリ回路150に格納される。インターリーブされた符号語146は、ダウンストリームデータ復号器回路の複雑度を低減するように設計される一方、妥当な処理能力を維持する、複数の符号化された部分符号語で構成される。符号化された部分符号語で構成されるそのような符号語の例が図2に関連して検討される。
【0021】
図2を見ると、本発明の実施形態に関連して用いることができる共有パリティ符号語を生成するプロセスの図式表現200。図式表現200は、複数の符号化された部分符号語205、210、215で形成される4Kbの符号語を示している。この符号語は単なる例であり、4Kbよりも大きいか又は小さい符号語を用いることもでき、符号語を図示されている3つよりも多いか又は少ない符号化された部分符号語に分割することもできることに留意すべきである。いくつかの場合、符号化された部分符号語は当該技術分野において既知の低密度パリティチェック(LDPC)符号化を用いて符号化される。
【0022】
符号化された部分符号語205、210、215は、それぞれユーザーデータの一部分の符号化によって、部分符号語のそれぞれが、それぞれの部分符号語によって表されるユーザーデータの部分に基づいて計算された、符号化プロセス中に計算されたパリティビットを含むように構築される。パリティチェック行列
【数1】

は、H2=φとなるように設計することができ、部分符号語205及び部分符号語215は同じ符号である。部分符号語205及び部分符号語215は、H1として類似したパリティチェック行列部分を有するため、符号化された部分符号語205、符号化された部分符号語210、及び符号化された部分符号語215の符号化は、回路部の一部分を共有することができるので単純化することができる。符号化はこの単純な例(H1及びH2)に限定されるものであってはならず、むしろ構成要素の符号語として異なる訂正能力の低密度パリティチェック符号を構築することができる任意のものとすることができる。
【0023】
符号化された部分符号語をストレージ媒体に、又は別の転送媒体を介して転送する前に、符号化された部分符号語205、符号化された部分符号語210、及び符号化された部分符号語215は数学的に結合され、符号化された部分符号語の複合体220をもたらす。本発明の1つの特定の実施形態では、数学的結合は2を法とした演算である。そのような場合、符号化された部分符号語205は2を法としたプロセスを用いて要素単位で結合され、仮符号語がもたらされる。次に、仮符号語は、2を法としたプロセスを用いて、符号化された部分符号語215と要素単位で結合され、符号化された部分符号語の複合体220がもたらされる。2つ以上の符号化された部分符号語をそのように結合することによって、2つ以上の符号化された部分符号語からの情報に関連したパリティを組み込んだ有効な符号化された符号語がもたらされることに留意されたい。結合が完了すると、符号化された部分符号語は結合され、全体符号語250がもたらされ、ここで符号化された部分符号語215は符号化された部分符号語の複合体220と置き換えられている。次に、全体符号語250はストレージ媒体又は他の転送媒体に転送される。全体符号語250は、部分符号語単位で処理することができるが、複数の符号化された部分符号語からの情報を表すパリティを有する符号化された部分符号語の複合体220を含んでいるので、符号化された部分符号語205、210、215が別個に処理されるのと比較して増大した処理性能が達成可能であるという利点を有する。
【0024】
図1に戻ると、共有パリティデータ復号回路170が利用可能になると、以前に格納されたインターリーブされた符号語146が格納された符号語186として中央メモリ回路150からアクセスされ、大域インターリーバー/デインターリーバー回路184によって大域的にインターリーブされる。大域インターリーバー/デインターリーバー回路184は、符号語を大域的に再構成することが可能な、当該技術分野において既知の任意の回路とすることができる。大域インターリーバー/デインターリーバー回路184は、復号器入力152を与える。以下でより詳細に説明するように、復号器入力152は、パリティをそれぞれ含む複数の部分符号語を含み、それらの部分符号語のうちの少なくとも1つが、複数の部分符号語からの情報を組み込んだパリティを含む。部分符号語のそれぞれが、共有パリティデータ復号回路170内に組み込まれたサブセット復号器回路162、サブセット復号器回路164、及びサブセット復号器回路166のそれぞれに与えられる。サブセット復号器回路162、サブセット復号器回路164、及びサブセット復号器回路166のそれぞれが、それぞれの部分符号語にデータ復号アルゴリズムを適用するように動作可能である。サブセット復号器回路162は部分復号された出力163を与え、サブセット復号器回路164は部分復号された出力165を与え、サブセット復号器回路166は部分復号された出力167を与える。本発明のいくつかの実施形態では、データ復号アルゴリズムは当該技術分野において既知の低密度パリティチェックアルゴリズムである。本明細書において提供される開示に基づいて、当業者であれば、本発明の異なる実施形態に関連して用いることができる他の復号アルゴリズムを認識するであろう。共有パリティデータ復号回路170は3つの別個のサブセット復号器回路162、164、166を有して示されているが、物理的に別々のサブセット復号器回路を有することは必要とされていない。そうではなく、少数の復号器回路内で時分割を用いて、回路設計を単純化し、更には回路エリアを低減することができる。例えば、(1)第1のタイムスロット中に、可変ノード更新又は可変ノードに対し部分的な符号語チェックを実行してノードをチェックすることによって符号化された部分符号語205を処理し、(2)第2のタイムスロット中に、可変ノード更新又は可変ノードに対し部分的な符号語チェックを実行してノードをチェックすることによって符号化された部分符号語210を処理し、(3)第3のタイムスロット中に、可変ノード更新又は可変ノードに対し部分的な符号語チェックを実行してノードをチェックすることによって符号化された部分符号語220を処理し、以下同様に処理する単一のサブセット復号器回路を用いることができる。
【0025】
サブセット復号器回路162、164、166のそれぞれは、それぞれの回路が符号化された部分符号語の全てを含む一体化された符号語を処理する場合に動作する対象となる符号語よりも小さな符号語(例えば符号化された部分符号語205、符号化された部分符号語210、又は符号化された部分符号語の複合体220のうちの1つ)に対して動作する。これに起因して、サブセット復号器回路162、164、166の集約サイズ及び電力要件は、部分符号語の全てを含む一体化された符号語が単一のデータ復号回路によって処理される場合に必要となるよりも少ない。図1は3つのサブセット復号器回路を示しているが、本発明の様々な実施形態に関連して3つより多いか又は少ないサブセット復号器回路を用いることができることに留意すべきである。
【0026】
特に、図2の例を用いると、サブセット復号器回路162は符号化された部分符号語205を受信し、サブセット復号器回路164は符号化された部分符号語210を受信し、サブセット復号器回路166は符号化された部分符号語の複合体220を受信する。符号化された部分符号語205、符号化された部分符号語210、及び符号化された部分符号語の複合体220のそれぞれが、様々なソースから導入された雑音を含むことに留意されたい。この雑音は、符号化された部分符号語205の場合にE1で表され、符号化された部分符号語210場合にE2で表され、符号化された部分符号語の複合体220の場合にE3で表される。サブセット復号器回路162、164、166のそれぞれは、受信した符号化された部分符号語にLDPC復号アルゴリズムを適用し、それぞれ部分復号された出力163、部分復号された出力165、及び部分復号された出力167をもたらす。
【0027】
部分復号された出力163、部分復号された出力165、及び部分復号された出力167は、共有パリティデータ復号回路170の一部として含まれる軟データ処理回路175に与えられる。軟データ処理回路175は、様々な部分復号された出力を組み立て、それぞれの部分復号された出力が収束した(すなわち、結果としての部分復号された出力が、パリティエラーがないことによって示されるような元々書き込まれたデータセットに適合する)か否かを判断するように動作可能である。部分復号された出力の全てが収束した場合、軟データ処理回路175は部分復号された出力を組み立てて出力符号語172にする。出力符号語172はデインターリーバー回路180に与えられる。デインターリーバー回路180はデータを再構成して、データに適用された大域インターリーブ及び局所インターリーブの双方を逆に行い、デインターリーブされた出力182をもたらす。デインターリーブされた出力182は硬判定出力回路190に与えられる。硬判定出力回路190は、順序がばらばらになる可能性があるデータセットを再順序付けし、元の順序に戻すように動作可能である。次に、元の順序のデータセットは硬判定出力192として与えられる。
【0028】
代替的に、部分復号された出力のうちの1つ又は複数が収束に失敗する場合、軟データ処理回路175は他の部分復号された出力からの知識を用いて、所与の部分復号された出力における任意の残りの誤りを訂正する。この処理のために、軟データ処理回路175は収束した符号化された部分符号語の軟データを高い信頼度値に設定することができる。そのような高い信頼度値を用いて他の符号化された部分符号語の復号を支援し、他の符号化された部分符号語の収束を高速化する。
【0029】
例として、符号化された部分符号語205及び符号化された部分符号語210は、適切に符号化され、収束する部分復号された出力163及び部分復号された出力165をもたらすことができるが、部分符号語の複合体220は適切に復号することができず、それによって部分復号された出力167が収束しない場合、図2に関連して上記で検討した部分符号語の複合体220を生成するプロセスを逆に行って、訂正された符号化された部分符号語215を生成することができる。この逆に行う演算は以下の誤り式、
符号化された部分符号語215=符号化された部分符号語205+符号化された部分符号語210+部分符号語の複合体220+E3
を用いて符号化された部分符号語215を生成することを含む。次に、サブセット復号器回路166は以下の情報、
符号化された部分符号語215+E3
を復号して元の符号化された部分符号語215を復元することができ、該元の符号化された部分符号語215は、部分復号された出力167として軟データ処理回路175に与えられ、該軟データ処理回路175において、部分復号された出力167が収束した場合、該部分復号された出力167を他の収束した部分復号された出力と結合して出力符号語172をもたらすことができる。
【0030】
代替的に、いずれの残りの誤りも訂正可能でない場合において、別の局所反復が許可されているとき、軟データ処理回路175は所与の部分復号出力のそれぞれの部分を、追加処理のために対応するサブセット復号器回路に戻す。別の局所反復が許可されていないとき、軟データ処理回路175は、部分復号された出力を復号された出力154として中央メモリ回路150に戻して書き込み、該中央メモリ回路150においてそれらの部分復号された出力は格納され、データ検出器回路130及び共有パリティデータ復号回路170を通じた別の大域反復を待つ。復号された出力154を中央メモリ回路150に格納する前に、復号された出力154は大域的にデインターリーブされ、大域的にデインターリーブされた出力188がもたらされる。該大域的にデインターリーブされた出力188は中央メモリ回路150に格納される。大域デインターリーブは格納された符号語186に以前に適用された大域インターリーブを逆に行い、復号器入力152をもたらす。データ検出器回路130が利用可能になると、以前に格納されたデインターリーブされた出力188が中央メモリ回路150からアクセスされ、デインターリーバー回路144によって局所的にデインターリーブされる。デインターリーバー回路144は復号器出力148を再構成し、インターリーバー回路142において元々実行されたシャッフリングを逆に行う。結果としてのデインターリーブされた出力197はデータ検出器回路130に与えられ、該データ検出器回路130において、デインターリーブされた出力197を用いて、等化出力125として受信される対応するデータセットの後続の検出を誘導する。
【0031】
いくつかの場合、軟データ処理回路175による上述した処理は、データ検出器回路130から取り出された軟データ(すなわち対数尤度比(LLR)情報)に対して実行することができる。そのような場合、上記からの例を用いて、再構築された符号化された部分符号語215のLLR情報(L’215)を、符号化された部分符号語205からの対応するLLR情報(L205)、符号化された部分符号語210からの対応するLLR情報(L210)、及び符号化された部分符号語の複合体220からの対応するLLR情報(L220)に基づいて以下のように表すことができる。
【数2】

ここで、jは符号化された部分符号語205、符号化された部分符号語210、符号化された部分符号語215、及び符号化された部分符号語の複合体220のj番目のビットである。
【0032】
LDPC復号は、複数の局所反復(すなわち、サブセット復号器回路162、164、166を通じた連続パス)を用いるように設計することができる。局所反復ごとに、j番目のビットについて、符号化された部分符号語205のLLR情報(L205)、符号化された部分符号語210のLLR情報(L210)、及び符号化された部分符号語の複合体220のLLR情報(L220)を以下のように表すことができる。
【数3】

【0033】
図3を見ると、本発明の1つ又は複数の実施形態による、共有パリティデータ復号回路部を有する読取りチャネル回路310を備える、ディスクに基づくストレージデバイス300が示されている。ディスクに基づくストレージシステム300は、例えば、ハードディスクドライブとすることができる。ディスクに基づくストレージシステム300は、前置増幅器370、インターフェースコントローラー320、ハードディスクコントローラー366、モーターコントローラー368、スピンドルモーター372、ディスクプラッター378、及び読取り/書込みヘッド機構376も備える。インターフェースコントローラー320はディスクプラッター378への/からのデータのアドレス指定及びタイミングを制御する。ディスクプラッター378上のデータは、機構がディスクプラッター378上に適切に位置決めされているときに読取り/書込みヘッド機構376によって検出することができる磁気信号の群からなる。1つの実施形態では、ディスクプラッター378は長手記録方式又は垂直記録方式のいずれかに従って記録される磁気信号を含む。
【0034】
通常の読取り動作では、読取り/書込みヘッド機構376はモーターコントローラー368によって、ディスクプラッター378上の所望のデータトラックの上方に正確に位置決めされる。モーターコントローラー368は、ハードディスクコントローラー366の指示の下で読取り/書込みヘッド機構をディスクプラッター378上の適切なデータトラックに移動することによって、ディスクプラッター378に対して読取り/書込みヘッド機構376を位置決めし、かつスピンドルモーター372を駆動する。スピンドルモーター372は所定のスピンレート(RPM)でディスクプラッター378をスピンさせる。読取り/書込みヘッド機構378が適切なデータトラックに近接して位置決めされると、ディスクプラッター378がスピンドルモーター372によって回転するのに応じてディスクプラッター378上のデータを表す磁気信号が読取り/書込みヘッド機構376によって感知される。感知された磁気信号は、ディスクプラッター378上の磁気データを表す連続した微小アナログ信号として与えられる。この微小アナログ信号は、読取り/書込みヘッド機構376から、前置増幅器370を介して、読取りチャネル回路310に送信される。前置増幅器370は、ディスクプラッター378からアクセスされた微小アナログ信号を増幅するように動作可能である。そして、読取りチャネル回路310は受信したアナログ信号を復号及びデジタル化し、ディスクプラッター378に元々書き込まれた情報を再生する。このデータは、読取りデータ303として受信回路に与えられる。書込み動作は実質的に、先行する読取り動作の反対であり、書込みデータ301が読取りチャネル回路310に与えられる。次にこのデータは符号化され、ディスクプラッター378に書き込まれる。
【0035】
動作中、データは書込み動作の前に符号化することができる。データ符号化は、データセットが複数の部分符号語に符号化されるように行うことができ、それらの部分符号語のうちの1つ又は複数におけるパリティは複数の部分符号語にわたって共有される。そのような符号化は、図7に関連して以下で検討される回路に類似した回路を用いて行うことができ、かつ/又は図8に関連して以下で検討される方法に類似した方法を用いて符号化を実行することができる。ディスクプラッター378から読み戻されたデータは、それぞれの部分符号語に対してそれぞれ動作する複数のサブセット復号器回路を用いて復号することができる。部分符号語のうちの1つ又は複数は複数の部分符号語にわたって延在するパリティを含むことができる。そのような部分符号語復号は、図1に関連して上記で検討した回路に類似した回路を用いて行うことができ、かつ/又は図6を参照して検討される方法と同様に行うことができる。
【0036】
ストレージシステムは、SATA、SAS、又は当該技術分野において既知の他のストレージ技法を利用することができることに留意すべきである。また、ストレージシステム300は、例えばRAID(低価格なディスクの冗長アレイ又は独立ディスクの冗長アレイ)ベースのストレージシステム等のより大きなストレージシステムに統合することができる。ストレージシステム400の様々な機能又はブロックをソフトウェア又はファームウェアのいずれかに実装することができる一方、他の機能又はブロックはハードウェアに実装されることに留意すべきである。
【0037】
図4を見ると、本発明の1つ又は複数の実施形態による共有パリティデータ復号回路部を有するフラッシュアクセスコントローラー430を備えた固体ストレージデバイス400。固体ストレージデバイス400は、複数のメモリセルを備えた固体メモリ回路440を備える。本発明の1つの特定の実施形態では、固体メモリ回路440は当該技術分野において既知の複数のフラッシュメモリセルを備える。フラッシュアクセスコントローラー430は複数の符号化された部分符号語を有する全体符号語を符号化するように動作可能な部分符号語符号化回路部を備え、それらの符号化された部分符号語のうちの少なくとも1つが2つ以上にわたる符号化された部分符号語からのパリティ情報を組み込んでいる。そのような符号化回路部は、図7に関連して以下で検討される符号化回路部と同様に実装することができ、かつ/又は図8に関連して以下で検討される方法と同様に動作することができる。また、フラッシュアクセスコントローラー430は、複数の符号化された部分符号語を有する全体符号語を復号するように動作可能であり、それらの符号化された部分符号語のうちの少なくとも1つが2つ以上にわたる符号化された部分符号語からのパリティ情報を組み込んでいる。そのような復号回路部は、図1に関連して以下で検討される復号回路部と同様に実装することができ、かつ/又は図6に関連して以下で検討される方法と同様に動作することができる。復号データはフラッシュアクセスコントローラー430から入力バッファー回路410に与えられ、入力バッファー回路410において、ホスト(図示せず)がその復号データにアクセスすることができる。加えて、固体メモリ440に格納されることになるデータがホストから受信され、該ホストは、出力バッファー回路420にデータを書き込み、そし出力バッファー回路420はその情報をフラッシュアクセスコントローラー430に提供する。
【0038】
図5を見ると、本発明のいくつかの実施形態による、信頼度データに基づく同調回路部を有する送受信機520を備えたデータ送信システム500が示されている。データ送信システム500は、当該技術分野において既知の転送媒体530を介して符号化情報を送信するように動作可能な送信機510を備える。符号化データは転送媒体530から受信機520によって受信される。送受信機520は部分符号語の復号及び符号化回路部を組み込む。受信データを処理する間、受信データはアナログ信号から一連の対応するデジタルサンプルに変換され、該デジタルサンプルは等化され、等化出力がもたらされる。次に、等化出力はデータ検出器回路及びデータ復号器回路の双方を含むデータ処理回路に与えられる。データは、中央メモリを介してデータ復号器とデータ検出器回路との間で渡され、異なるデータセットに適用される処理反復数間の変動が許容される。転送媒体530は、限定ではないが、無線媒体、光媒体、又は有線媒体を含む当該技術分野において既知の任意の転送媒体530とすることができることに留意すべきである。本明細書において提供される開示に基づいて、当業者であれば、本発明の様々な実施形態に関連して用いることができる種々の転送媒体を認識するであろう。データは、送受信機520によって、別の受信機回路(図示せず)への送信のために符号化することができる。
【0039】
動作中、データは送受信機520による送信動作の前に符号化することができる。データ符号化は、データセットが複数の部分符号語に符号化されるように行うことができ、それらの部分符号語のうちの1つ又は複数におけるパリティが複数の部分符号語にわたって共有されている。そのような符号化は、図7に関連して以下で検討される回路に類似した回路を用いて行うことができ、かつ/又は図8に関連して以下で検討される方法に類似した方法を用いて実行することができる。転送媒体530から受信されたデータは、それぞれの部分符号語に対してそれぞれ動作する複数のサブセット復号器回路を用いて復号することができる。部分符号語のうちの1つ又は複数は、複数の部分符号語にわたって延在するパリティを含むことができる。そのような部分符号語復号は、図1に関連して以下で検討される回路に類似した回路を用いて行うことができ、かつ/又は図6に関連して以下で検討される方法と同様に行うことができる。
【0040】
図6を見ると、流れ図600が、本発明の様々な実施形態による共有パリティ符号語処理方法を示している。流れ図600に従って、アナログ入力が受信される(ブロック605)。アナログ入力は、例えば、ストレージ媒体又はデータ送信チャネルから取り出すことができる。本明細書において提供される開示に基づいて、当業者であれば、アナログ入力の種々のソースを認識するであろう。アナログ入力は一連のデジタルサンプルに変換される(ブロック610)。この変換は、当該技術分野において既知のアナログ/デジタル変換器回路又はシステムを用いて行うことができる。アナログ信号を、受信したアナログ信号を表す一連のデジタル値に変換することが可能な当該技術分野において既知の任意の回路を用いることができることに留意されたい。結果としてのデジタルサンプルは等化され、等化出力がもたらされる(ブロック615)。本発明のいくつかの実施形態では、等化は当該技術分野において既知のデジタル有限インパルス応答回路を用いて行われる。本明細書において提供される開示に基づいて、当業者であれば、そのようなデジタル有限インパルス応答回路の代わりに本発明の実施形態による等化を実行するのに用いることができる種々の等化器回路を認識するであろう。等化出力は、図2に関連して上記で検討したものに類似した複数の符号化された部分符号語及び少なくとも1つの符号化された部分符号語の複合体で構成される全体符号語を表す。いくつかの場合、入力はデジタル入力として受信することができる。そのような場合、ブロック605、610、615のプロセスを省くことができる。
【0041】
データ検出器回路が利用可能であるか否かが判断される(ブロック620)。データ検出器回路が利用可能である場合(ブロック620)、復号された出力が中央メモリから入手可能である(例えばデータ検出器回路及びデータ復号器回路を通じた2回目以降の反復)ときに該復号された出力から取り出されたデータセットによって導かれた等化出力にデータ検出アルゴリズムが適用され、検出された出力がもたらされる(ブロック625)。本発明のいくつかの実施形態では、データ検出アルゴリズムは当該技術分野において既知のビタビアルゴリズムである。本発明の他の実施形態では、データ検出アルゴリズムは当該技術分野において既知の最大事後データ検出器回路である。検出された出力から取り出された信号(例えば、検出された出力の局所的にインターリーブされたバージョン)が中央メモリに格納され、データ復号器回路による処理を待つ(ブロック630)。
【0042】
上記で検討したデータ検出処理に並行して、データ復号器回路が利用可能であるか否かが判断される(ブロック640)。データ復号器回路が利用可能である場合(ブロック640)、以前に格納された検出された出力から取り出されたもの(derivative)が中央メモリからアクセスされる(ブロック645)。アクセスされたデータセットは1つ又は複数の部分符号語及び1つ又は複数の部分符号語の複合体に分解される(ブロック650)。このプロセスは、図2の例を用いると、全体符号語250を該全体符号語250の構成要素部分、すなわち符号化された部分符号語205、符号化された部分符号語210、及び符号化された部分符号語の複合体220に分解する。それぞれの部分符号語(複数の場合もあり)及び符号化された部分符号語の複合体(複数の場合もあり)のそれぞれに対しデータ復号アルゴリズムが実行され、対応する復号された出力がもたらされる(ブロック655)。いくつかの場合、データ復号アルゴリズムは当該技術分野において既知の低密度パリティチェックアルゴリズムである。
【0043】
復号された出力を用いて、元の部分符号語(複数の場合もあり)及び部分符号語の複合体(複数の場合もあり)に適用された数学プロセスを逆に行うことによって元の部分符号語が再構成される(ブロック660)。例えば、部分符号語の複合体を作成するための数学プロセスが、図2に関連して上述した数学プロセスである場合、元の部分符号語の再構成は、以下の式を用いて行うことができる。ここで、L205は符号化された部分符号語205に対応する復号された出力からの軟データであり、L210は符号化された部分符号語210に対応する復号された出力からの軟データであり、L220は符号化された部分符号語の複合体220に対応する復号された出力からの軟データである。
【数6】

ここで、jは符号化された部分符号語205、符号化された部分符号語210、符号化された部分符号語215、及び符号化された部分符号語の複合体220のj番目のビットであり、L’215は再構成された符号化された部分符号語215に対応する軟データである。
【0044】
復号された出力のそれぞれが収束したか否か(すなわち、部分符号語(複数の場合もあり)及び部分符号語の複合体(複数の場合もあり)に適用された復号アルゴリズムが収束したか否か)が判断される(ブロック665)。復号された出力の全てが収束した場合(ブロック665)、復号された出力に関連付けられた硬判定データが合わせて組み立てられ、データ出力として与えられる(ブロック680)。そうではなく、復号された出力の全てが収束したわけではない場合(ブロック665)、部分符号語(複数の場合もあり)、部分符号語の複合体(複数の場合もあり)、及び再構成された部分符号語(複数の場合もあり)を用いて追加の誤り訂正が適用され、そうでなければ収束していなかった1つ又は複数の部分符号語(複数の場合もあり)に残っているいかなる誤りも訂正される(ブロック670)。誤り訂正は、部分符号語の複合体を生成するのに元々適用された数学的プロセスに対応する式を利用する。図2の例を用いると、式は以下となる。
【数7】

【0045】
全ての残りの誤りが訂正されたか否かが判断される(ブロック675)。全ての残りの誤りが訂正されている場合(ブロック675)、復号された出力に関連付けられた硬判定データが合わせて組み立てられ、データ出力として提供される(ブロック680)。そうでない場合、別の局所反復が予期されるか否かが判断される(ブロック685)。別の局所反復が予期される場合(ブロック685)、ブロック640〜685のプロセスを通じて、復号された出力(ブロック655)が再び処理される。代替的に、別の局所反復が予期されない場合(ブロック685)、復号された出力(ブロック655)は中央メモリに戻って格納され、ブロック620〜685のプロセスを通じて別の大域反復を待つ(ブロック690)。
【0046】
図7を見ると、本発明のいくつかの実施形態による共有パリティ符号語符号化回路700が示されている。共有パリティ符号語符号化回路700は、データ入力705を受信する部分符号語符号化器回路710を備える。データ入力705は、ストレージ媒体にデータを書き込んでいるか又は転送媒体を介してデータを転送しているホスト(図示せず)から与えられる。データ入力705は部分符号語符号化器回路710によって複数の部分に分解され、部分符号語符号化器回路710はそれぞれの部分にデータ符号化アルゴリズムを適用して複数の符号化された部分符号語715をもたらす。本発明のいくつかの実施形態では、データ符号化アルゴリズムは当該技術分野において既知の低密度パリティチェック符号化アルゴリズムである。符号化アルゴリズムは、データ入力705のそれぞれの部分に基づいて、符号化された部分符号語にパリティ情報を加える。符号化された部分符号語715は部分符号語結合回路720に与えられ、該部分符号語結合回路720において、2つ以上の符号化された部分符号語715が数学的に結合され、符号化された部分符号語の複合体がもたらされる。部分符号語結合回路720は、そのうちの1つが符号化された部分符号語の複合体と置き換わっている符号化された部分符号語715を組み立てて全体符号語725をもたらす。符号化された部分符号語の複合体の数学的生成は、複数の符号化された部分符号語の2を法とした結合を用いて符号化された部分符号語の複合体をもたらすことができ、後続の符号化された部分符号語と符号化された部分符号語の複合体との結合は図2に関して上述したものと同様に行うことができる。全体符号語725は結合符号語書込み回路730に与えられ、該結合符号語書込み回路730は符号語735をストレージ媒体又は受信デバイスに送信する準備における任意の残りの動作を実行する。
【0047】
図8を見ると、流れ図800は本発明の1つ又は複数の実施形態による共有パリティ符号語を符号化する方法を示している。流れ図800に従って、データ入力が受信される(ブロック805)。データ入力はユーザービットを含み、例えばホストから受信することができる。複数のユーザービットが部分符号語に含めるために収集される(ブロック810)。いくつかの場合、ビット数は予め規定されている。他の場合、ビット数はプログラム可能である。部分符号語を形成するのに十分なビットが受信されているか否かが判断される(ブロック815)。収集されたユーザービット数が不十分である場合(ブロック815)、ブロック805〜815のプロセスが反復される。代替的に、十分なユーザービット数が収集された場合(ブロック815)、収集されたユーザービットが符号化され、符号化された部分符号語がもたらされる(ブロック820)。本発明のいくつかの実施形態では、データ符号化は当該技術分野において既知の低密度パリティチェック符号化である。符号化アルゴリズムは収集されたユーザービットにパリティ情報を加え、符号化された部分符号語をもたらす。
【0048】
全体符号語を作成するのに十分な部分符号語が符号化されたか否かが判断される(ブロック825)。符号化された部分符号語が不十分である場合(ブロック825)、十分な部分符号語が準備されるまでブロック805〜825のプロセスを反復することによって次の部分符号語が準備される(ブロック830)。そうではなく、十分な部分符号語が符号化されている場合(ブロック815)、符号語の複合体が生成される(ブロック840)。符号語の複合体を生成することは、複数の符号化された部分符号語を数学的に結合して部分符号語の複合体をもたらすことを含む。いくつかの場合、結合のための数学的プロセスは、2つ以上の符号化された部分符号語の2を法とした結合である。符号化された部分符号語は部分符号語の複合体と結合され、全体符号語がもたらされる。(ブロック850)。結合プロセスは、符号化された部分符号語のうちの1つを部分符号語の複合体と置き換えることを含む。符号化された部分符号語の複合体の数学的生成、並びにその後の符号化された部分符号語と符号化された部分符号語の複合体との結合は、図2に関して上述したのと同様に行うことができる。
【0049】
上記のアプリケーションにおいて検討された様々なブロックは、他の機能とともに集積回路において実施することができることに留意すべきである。そのような集積回路は、所与のブロック、システム、若しくは回路の機能のすべて、又はブロック、システム、若しくは回路の部分集合のみを含むことができる。また、ブロック、システム、又は回路の要素を複数の集積回路にわたって実装することができる。そのような集積回路は、限定ではないが、モノリシック集積回路、フリップチップ集積回路、マルチチップモジュール集積回路、及び/又は混合信号集積回路を含む、当該技術分野において既知の任意のタイプの集積回路とすることができる。本明細書において検討されたブロック、システム、又は回路の様々な機能を、ソフトウェア又はファームウェアのいずれでも実施することができることにも留意すべきである。いくつかのそのような場合、システム、ブロック、又は回路全体を、そのソフトウェア等価物又はファームウェア等価物を用いて実施することができる。他の場合、所与のシステム、ブロック、又は回路の一部分をソフトウェア又はファームウェアにおいて実装することもできる一方、他の部分はハードウェアにおいて実装される。
【0050】
結論として、本発明はデータ処理のために新規なシステム、デバイス、方法、及び構成を提供する。本発明の1つ又は複数の実施形態の詳細な説明が上記で与えられたが、本発明の趣旨を変えることなく、様々な代替形態、変更形態、及び等価物が当業者には明らかとなろう。したがって、上記の説明は本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ処理システムであって、
データセットにデータ検出アルゴリズムを適用して、検出された出力をもたらすように動作可能なデータ検出器回路であって、該データセットは、少なくとも第1の符号化された部分符号語及び部分符号語の複合体を含む、データ検出器回路と、
低密度パリティチェックデータ復号器回路であって、該符号化された部分符号語にデータ復号アルゴリズムを適用して第1の復号された出力をもたらすように、かつ該部分符号語の複合体に該データ復号アルゴリズムを適用して第2の復号された出力をもたらすように動作可能な低密度パリティチェックデータ復号器回路と、
処理回路であって、
該第1の符号化された部分符号語及び該部分符号語の複合体を含むデータの結合から第2の符号化された部分符号語を再構成するように、かつ
少なくとも部分的に、該第1の符号化された部分符号語、該第2の符号化された部分符号語、及び該部分符号語の複合体の結合に基づいて、該第1の符号化された部分符号語及び該第2の符号化された部分符号語のうちの一方における誤りを訂正するように、
動作可能な処理回路と、
を備える、データ処理システム。
【請求項2】
符号語の複合体は、少なくとも該第1の符号化された部分符号語及び該第2の符号化された部分符号語の数学的結合である、請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項3】
第1の符号化された部分符号語と該部分符号語の複合体とを含むデータの該結合から該第2の符号化された部分符号語を再構成することは、少なくとも該第1の符号化された部分符号語及び該第2の符号化された部分符号語の該数学的結合を逆に行うことを含む、請求項2に記載のデータ処理システム。
【請求項4】
少なくとも部分的に、該第1の符号化された部分符号語、該第2の符号化された部分符号語、及び該部分符号語の複合体の結合に基づいて該第1の符号化された部分符号語及び該第2の符号化された部分符号のうちの一方における誤りを訂正することは、
少なくとも該第1の符号化された部分符号語及び該第2の符号化された部分符号語の数学的結合によって正しい数学的関係がもたらされるように該第1の符号化された部分符号語及び該第2の符号化された部分符号語のうちの一方の要素を変更することを含む、請求項3に記載のデータ処理システム。
【請求項5】
符号語の複合体は、少なくとも該第1の符号化された部分符号語及び該第2の符号化された部分符号語の2を法とした結合である、請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項6】
データ検出アルゴリズムは、最大事後データ検出アルゴリズム及びビタビ検出アルゴリズムからなる群から選択される、請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項7】
データ復号アルゴリズムは、低密度パリティチェックアルゴリズムである、請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項8】
低密度パリティチェックデータ復号器回路は、
該データ復号アルゴリズムを該符号化された部分符号語に適用して該第1の復号された出力をもたらすように動作可能な第1の復号回路と、
該データ復号アルゴリズムを該部分符号語の複合体に適用して該第2の復号された出力をもたらすように動作可能な第2の復号回路と、
を備える、請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項9】
低密度パリティチェックデータ復号器回路は、
復号回路であって、
第1の時間期間中に該データ復号アルゴリズムを該符号化された部分符号語に適用して該第1の復号された出力をもたらすように、かつ
第2の時間期間中に該データ復号アルゴリズムを該部分符号語の複合体に適用して該第2の復号された出力をもたらすように、
動作可能な、復号回路を備える、請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項10】
データ処理システムは、ディスクに基づくストレージデバイス、固体ストレージデバイス、及び受信デバイスからなる群から選択されたデバイスの一部分として実装される、請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項11】
データ処理システムは集積回路の一部分として実装される、請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項12】
データを処理する方法であって、
データ検出回路を用いて第1のデータセットに対しデータ検出アルゴリズムを実行することであって、検出された出力をもたらし、該データセットは、少なくとも第1の符号化された部分符号語及び部分符号語の複合体を含む、実行すること、
該検出された出力から取り出された第2のデータセットに対しデータ復号アルゴリズムを実行することであって、該第1の符号化された部分符号語に対応する第1の復号された出力をもたらす、実行すること、
該検出された出力から取り出された第3のデータセットに対し該データ復号アルゴリズムを実行することであって、該部分符号語の複合体に対応する第2の復号された出力をもたらす、実行すること、
該第2の復号された出力及び該第1の復号された出力を含むデータの結合から第2の符号化された部分符号語を再構成すること、並びに
少なくとも部分的に、該第1の符号化された部分符号語、該第2の符号化された部分符号語、及び該部分符号語の複合体の結合に基づいて、該第1の復号された出力及び該第2の復号された出力のうちの一方における誤りを訂正すること、
を含む、データを処理する方法。
【請求項13】
符号語の複合体は、少なくとも該第1の符号化された部分符号語及び該第2の符号化された部分符号語の数学的結合である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第2の復号された出力と該第1の復号された出力とを含むデータの該結合から該第2の符号化された部分符号語を再構成することは、
少なくとも該第1の符号化された部分符号語及び該第2の符号化された部分符号語の該数学的結合を逆に行うことを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも部分的に、該第1の符号化された部分符号語、該第2の符号化された部分符号語、及び該部分符号語の複合体の該結合に基づいて該第1の復号された出力及び該第2の復号された出力のうちの一方における誤りを訂正することは、
少なくとも該第1の符号化された部分符号語及び該第2の符号化された部分符号語の該数学的結合によって正しい数学的関係がもたらされるように該第1の符号化された部分符号語及び該第2の符号化された部分符号語のうちの一方の要素を変更することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
符号語の複合体は、少なくとも該第1の符号化された部分符号語及び該第2の符号化された部分符号語の2を法とした結合である、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
第2のデータセットに対し該データ復号アルゴリズムを実行することは、該第3のデータセットに対し該データ復号アルゴリズムを実行することと並行して行われる、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
第2のデータセットに対し該データ復号アルゴリズムを実行することは第1の期間中に行われ、該第3のデータセットに対し該データ復号アルゴリズムを実行することは第2の期間中に行われ、該第2の期間は該第1の期間に続く、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
ストレージデバイスであって、
ストレージ媒体と、
該ストレージ媒体と関係して配置され、該ストレージ媒体上の情報に対応する感知信号を与えるように動作可能なヘッド機構と、
読取りチャネル回路であって、
該感知信号から取り出されたアナログ信号をサンプリングして一連のデジタルサンプルをもたらすように動作可能なアナログ/デジタル変換器回路と、
該デジタルサンプルを等化してデータセットをもたらすように動作可能な等化器回路と、
該データセットにデータ検出アルゴリズムを適用して、検出された出力をもたらすように動作可能なデータ検出器回路であって、該データセットは、少なくとも第1の符号化された部分符号語及び部分符号語の複合体を含む、データ検出器回路と、
低密度パリティチェックデータ復号器回路であって、該符号化された部分符号語にデータ復号アルゴリズムを適用して第1の復号された出力をもたらすように、かつ該部分符号語の複合体に該データ復号アルゴリズムを適用して第2の復号された出力をもたらすように動作可能な低密度パリティチェックデータ復号器回路と、
処理回路であって、
該第1の符号化された部分符号語及び該部分符号語の複合体を含むデータの結合から第2の符号化された部分符号語を再構成するように、かつ
少なくとも部分的に、該第1の符号化された部分符号語、該第2の符号化された部分符号語、及び該部分符号語の複合体の結合に基づいて、該第1の符号化された部分符号語及び該第2の符号化された部分符号語のうちの一方における誤りを訂正するように、
動作可能な処理回路と、
を備える、読取りチャネル回路と、
を備える、ストレージデバイス。
【請求項20】
符号語の複合体は、少なくとも該第1の符号化された部分符号語及び該第2の符号化された部分符号語の数学的結合である、請求項19に記載のデータ処理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−80548(P2013−80548A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−90008(P2012−90008)
【出願日】平成24年4月11日(2012.4.11)
【出願人】(508243639)エルエスアイ コーポレーション (124)