説明

パルス光滅菌に用いるための透過コンベヤー

【課題】パルス光による滅菌室内を透過性キャリアによって目標物を搬送し、透過性キャリアが障害物とならず、または遮らずに、目標物の滅菌を行なうことができる装置の提供。
【解決手段】パルス光滅菌室10内で、複数の面を有する目標物52を運ぶための装置である。前記パルス光滅菌室10は、その中でパルス滅菌光が発光される処置域54を含むものである装置において、前記処置域54内で目標物52に着脱可能に連結される複数の透過ローラと、複数の透過ローラに連結されて当該複数の透過ローラ上で前記処置域54を通って目標物52を移動させる移動手段であって、前記処置域54で目標物の複数の面がパルス滅菌光によって滅菌され、当該パルス滅菌光の少なくとも一部は、目標物52に到達する前に前記複数の透過ローラを通過する、作動手段30とを具える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産物の滅菌に関し、詳しくは、パルス形態で、短期間の、多波長で非干渉性の光を用いた、生産物の滅菌に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、処理区域を通って生産物を運ぶのに透過キャリアーが用いられ、これにより、パルス形態で多波長、非干渉性の光が遮られることを避けることによる、生産物の完全な滅菌を可能とするものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は特定の必要性に注目したものであり、この必要性は、滅菌を必要とする物の面またはそのような物の多数の全てについて微生物学的な汚染負荷を効率的に滅菌しもしくは減少させるための改善された方法または装置に見られるものである。滅菌を必要とする生産物の面およびその生産物の多数の例として、固形物の表面および/または流動体生産物の中の固形物、食料品の表面または食料品の多数、食料品の入れ物の表面またはその入れ物の多数、医療装置の表面、荷物の表面、および大量の流動体がある。
【0003】
例として、(新鮮な魚のような)食料品や医療品のどのようなものであっても、それらが微生物および/または酵素によって腐敗する前に貯蔵するには比較的限られた時間しかなく、それによって配達や売買が制限を受ける。また、医療品の場合は、特に、微生物の非活性化が、医学的に受容できる滅菌レベルまで達成されなければならない。改善された方法および装置は、腐りやすい食料品、医療装置、およびその他の滅菌が必要な生産物の貯蔵寿命を延ばすのに適したものは、それゆえ望ましいものである。
【0004】
改善された方法および装置は、生産物の劣化あるいは生産物に対する他の望ましくない二次的作用を伴わずに生物学的活性を減じるかあるいは除去するものもまた望ましいものである。
【0005】
医療装置のような非食料品を滅菌するための改善された装置および方法は、化学試薬、プレート、試験管のような研究装置に対して、特に、望ましいものである。このような装置は滅菌されていなければならず、これによって、医療もしくは研究上の処置において特に制限なくこれらを用いることが可能となる。
【0006】
可視光(380〜780nm)、近紫外線(300〜380)および遠紫外線(190〜300)を含む光の光生物学上の効果について、幾年にも亘って研究されてきており、例えば、Jagger, J. による“紫外線光生物学の研究への導入”, Prentice Hall, Inc., 1967 にその報告がなされている。また、滅菌に光を利用することについて尽力がなされてきている。
【0007】
米国特許5,034,235号(以下、'235特許、Dunn その他に対して、1991年7月23日に発行)は、参照によってここに含まれるものであり、極端に強く、短い期間の紫外線の多い多波長の非干渉光のパルスを食料品の表面の滅菌に用いることを示している。
【0008】
これには問題があり、生産物の表面(典型的には、厚さ約0.1mmまでの外側の固い表面を意味する)の滅菌にパルス光を用いることは、パルス光の能力が、障害物を貫いて滅菌されるべき表面または滅菌されるべき多数に達するものである場合にのみその能力が効果的となる。すなわち、処置されるべき領域には、滅菌レベルの光が充分に接触しなければならない。
【0009】
このことは、例えば、目標物が流動体であって、水や空気のように、幅広い範囲の波長に対して高い透明性を有する場合、この目標物は所定のレベルの光によって、ワインや砂糖溶液のようなより光を通さない流動物より、より効果的に処置されることを意味している。より光を通さない溶液の場合は、処置する量を少なくするか、あるいは光のレベルを高める必要がある。これらの両方とも効率を低下させ、また、後者の場合は、滅菌できるレベルの光によって目標物を損傷する危険がある。同様に、目標物が、固体の物ないし材料、例えば、食料品や医療装置のような場合、固体物には、遮られる表面がないように滅菌されるべき全ての表面でパルス光が充分に接触しなければならない。
【0010】
米国特許4,871,559号(以下、'559特許、Dunn その他に対して、1989年10月3日に発行)は、参照によってここに含まれるものであり、切断され、薄く切られ、あるいは細かくされた食料品(例えば、乾燥野菜)のようなある固体物質は、流動性の懸濁媒体内で処置されることがあり、これにより、上記遮ることの影響を回避することができることを示している。しかしながら、この方法は、その有用性が流動体の中で処理され、また、懸濁される生産物に限られることは明らかである。
【0011】
パルス光によって処置されるものが入れ物のような固体物について、'559特許は、そのような物が、一続きの光パルスを伴った多露光中でその物を回転もしくは回動させることにより処置され得ること、または、その物をフラッシュランプに取り囲まれた処置区域に渡って自由落下するようにすることにより処置し、実質的にその物の全体の表面を同時に処置できることを示している。
【0012】
'559特許は、また、パルス光による処置の前に、固体の物もしくは物質を透明の包装部材によって包み、より光を通さない包装部材でその固体物を包む場合と較べて、上記遮ることの影響を少なくできることを示している。
【0013】
米国特許5,489,442号(以下、'442特許、Dunn その他に対して、1996年2月6日に発行)は、参照によってここに含まれるものであり、同様に、固体物の処置方法を示している。特に、'442特許には、ローラまたは撹拌器を用いて生産物を二つまたはそれ以上の光の間で回転させること、または、生産物が互いに回転させられることが記載されている。
【0014】
残念ながら、(入れ物や包装物のような)固体の生産物もしくは物質を、滅菌しながら回転させる、これらの従来技術の方法は、固体の生産物が処置領域(ないし処置区域)内を移動する間多数のパルスを用いてその表面の全てが滅菌光に晒されるようにしない限り、効果はない。同時に、滅菌光の一部は滅菌されるべき生産物への光を遮る不透明の表面で労費される。その結果、処置できる量の能力がより小さくなってしまい、また、コスト、エネルギーおよび時間のパラメータが増大する。
【0015】
従って、処置区域である滅菌室を通って固体の生産物を運ぶ方法および装置において、上記区域内で生産物を操作すること、または多露光処置をすることを必要とせず、これにより、より高い処置能力が達成できる一方、滅菌に要するコスト、時間およびエネルギーを少なくすることができる方法および装置を有することは望ましいことである。
【0016】
本発明は、上述したまたはその他の要求に都合よく取り組むべく、滅菌される生産物へのパルス光が遮られるのを防いで、該生産物の滅菌を行なう方法および装置を提供するものである。
【0017】
米国出願09/326,168号; Clark その他によって、1999年4月6日に出願の「パルス光滅菌におけるパラメータ制御」(代理人ファイル番号62891)、米国出願08/846,102号; Clark その他によって出願の「パルス光滅菌におけるパラメータ制御」、現在、米国特許5,925,885号(代理人ファイル番号57730)、および米国出願08/651,275号; Clark その他によって出願の「広域スペクトルにおける非干渉性多波長の高強度で短期間のパルス光を用いた包装物およびその中身の滅菌」、現在、米国特許5,786,598号(代理人ファイル番号57548)は、全て、参照によってこの記載に含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、上述したまたはその他の要求に都合よく取り組むべく、パルス光による滅菌室内を透過性キャリアによって目標物を搬送し、透過性キャリアが障害物とならず、または遮らずに、目標物の滅菌を行なうことができる装置を提供する。本発明は、また、当該システムを通って目標物を運ぶ上記透過性キャリアを用いて目標物の滅菌を行なうシステムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の一例は、パルス光滅菌室内で、複数の面を有する目標物を運ぶための装置であって、前記パルス光滅菌室は、その中でパルス滅菌光が発光される処置域を含むものである装置において、前記処置域内で目標物に着脱可能に連結される透過キャリアーであって、250〜350nmの波長域内の光に対して少なくとも約10%の透過率を有した透過キャリアーと、前記透過キャリアーに連結されて当該透過キャリアー上で前記処置域を通って目標物を移動させる作動手段であって、前記処置域で目標物の複数の面がパルス滅菌光によって滅菌され、当該パルス滅菌光の少なくとも一部は目標物に到達する前に前記透過キャリアーを通過する、作動手段と、を具えた装置として特徴付けられる。
【0020】
他の例では、本発明は、面を有する目標物を滅菌するためのシステムにおいて、処置域と該処置域内でパルスの滅菌光を発するための手段とを備えたパルス光滅菌室と、作動手段と、前記処置域内で前記目標物に着脱自在に連結され、また、前記作動手段に連結される透過キャリアーであって、前記作動手段は前記透過キャリアー上で前記目標物を前記処置域を通して移動させ、前記目標物の前記複数の面は前記処置域を通じて前記パルス滅菌光によって滅菌され、前記パルス光の少なくとも一部は前記目標物に至る前に前記透過キャリアーを通過する、透過キャリアーと、を具えたシステムとして特徴付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による、パルス光滅菌室およびシステムの一実施例を示す側断面図であり、2つの対向するホイールに巻かれて処置区域を通る薄いフィルムが、生産物のパルス光滅菌のための透過キャリアとして用いられるパルス光滅菌室およびシステムを示している。
【図1B】図1のシステムに用いることができる旋回するフラッシュランプユニットを示す上面図である。
【図2】図1のパルス光滅菌室の一部の断面を詳細に(引き延ばして)示す側面図であり、処置領域(処置区域)の一例を示している。
【図3】図1の3−3′線に沿った(図1および図1Bを見る方向に垂直な)横断面図であり、図1の滅菌室に用いることができるフラッシュランプと反射器とのシステムを示している。
【図4】パルス光滅菌室およびシステムの他の実施例を示す側面図であり、生産物のパルス光滅菌における透過キャリアとして透過ローラが用いられるパルス光滅菌室およびシステムを示している。
【図5】図4に示されるパルス光滅菌室に用いることができる複数の透過ローラを示す斜視図である。上記図のいくつかのにおいて、一致する参照符号は対応する構成部分を示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の説明は、本発明の実施する上で現在考え得るベストモードであり、また、限定して解釈されるものでなく単に本発明の概括的な本質を説明する目的のためになされるものである。本発明の範囲は、特許請求の範囲を参照して定められなければならない。
【0023】
まず図1を参照すると、パルス光滅菌システム10が示される。このシステムは、本発明の一実施例にかかる透過キャリアを用い、これにより、パルス滅菌処置室14を通って目標物52を運ぶことができる。
【0024】
パルス光滅菌システム10は、フラップ(不図示)を具えた落し入り口12と、パルス光滅菌室14と、複数のフラッシュランプ(および図3に示される反射装置)を有したフラッシュランプユニット26と、複数のフラッシュランプ支持部16と、それぞれのフラッシュランプユニット26用の電子インターフェース18と、初段ホイール20と、巻き上げホイール22と、薄いフィルム24と、薄いフィルム24の第1巻取り部28と、作動機構(すなわち作動手段)30と、薄いフィルム24の第2巻取り部32と、スライド床34と、透過支持部36と、初段ホイールシールド38と、巻き取りホイールシールド40と、反射壁42と、シャフトエンコーダ44と、パルス出力装置46(プログラマブルロジックコントローラ、PLCを具える)と、梱包装置48と、落し出口50とを有する。
【0025】
構造上、落し入り口12は、入り口スライドを含んでパルス光滅菌室14の外側の環境を内側に連結する落し入り口を有する。落し入り口12は、好ましくはさらにパルス光滅菌室14へのドアもしくはフラップを有し、目標物52はこのドアもしくはフラップを通過する。ドアもしくはフラップは、それが閉められて落し入り口12の上側を覆うとき、入り口スライドの上で、水平に静止する。落し入り口12は、ドアもしくはフラップとともに、入り口スライドをすっぽり包み、パルス光滅菌室14の中に光が浸入しない入り口を形成する。
【0026】
パルス光滅菌室14は、反射壁42によって囲むことができ、これによって、パルス光処置室について同様に光が浸入しない構造とすることができる。パルス滅菌室14は、目標物52のパルス光滅菌を行なう処置域54と、パルス光滅菌室14を通って目標物52を、処置域54に運ぶおよび処置域54から運び出す搬送システム56(薄いフィルム24、初段ホイール22、および作動手段30を有する)を具える。
【0027】
処置域54は、好ましくは、フラッシュランプユニット26における複数のフラッシュランプのように、複数の滅菌光の光源に囲まれる領域に位置する。
【0028】
一実施例では、フラッシュランプユニット26は、複数の凹面反射器(図3に示される)を備える。それぞれの反射器は、曲がった断面を有する細長いトラフを含み、これは、半楕円、放物線、双曲線もしくは同様の曲がった形のような形状である。それぞれの凹面反射器は、少なくとも1つのフラッシュランプ(図3に示される)を含み、このランプは凹面反射器の主軸(水平および図1の紙面に平行)に平行に位置している。それぞれのフラッシュランプは、目標物52から概略等距離の位置からパルス光を発光し、これにより、目標物52の複数の面について略均質な光の強さを維持することができる。反射器の形状を特別なものとすることもでき、それによって均質な強さとすることに寄与できる。フラッシュランプは、それら自体多様な形状のいずれをも採ることもでき、例えば、“U”形状のフラッシュランプ、管状(直線上)ンフラッシュランプ、あるいは上記の形状とフラッシュランプの技術分野で知られてもいる他の形状との組合せとすることができる。そのようなフラッシュランプの形を集めたものは、カリフォルニア、サンディエゴのピュアパルステクノロジーズ社から得ることができる。
【0029】
実際、カリフォルニア、サンディエゴのピュアパルステクノロジーズ社から入手可能な「ピュアブライト PBS−1」のようなパルス光ユニットは、強く、短い期間のパルスの、広域スペクトラムで多波長、非干渉の光を生成することができ、図1、図2または図3の滅菌室に用いられ得るものである。
【0030】
上記の「ピュアブライト」システムのようなパルス光ユニットは、パルス出力装置46とともに、コンデンサに充電するDC電源、コンデンサの放電に用いられるスイッチ、処置される目標物52の位置を検出するセンサに応答して、または押されるボタンに応答して、予めプログラムされた時間間隔でスイッチを入れるトリガ回路、およびコンデンサスイッチアセンブリからフラッシュランプへ放電パルスを送る一組の高圧の同軸絶縁導体ケーブルを含んでいる。フラッシュランプユニット26は、その選択により金属反射器に1個から8個の装着されるフラッシュランプを含み、これにより、フラッシュランプから発射された、エネルギーや波長が単一でない光を目標物52に向けることができる。
【0031】
パルス光ユニットおよびフラッシュランプユニット26の他の実施例も、また、本実施例の範囲および原理の中で考え得るものであり、そこでは、光の強さまたは滅菌パルスの総数の量について種々のものが求められる。例えば、1つの好適な他の実施例では、旋回可能なフラッシュランプユニットが用いられる。
【0032】
次に図1Bを参照すると、フラッシュランプユニット26の一つの好適実施例の上面図が示され、ここでは、フラッシュランプユニット26は目標物が処置域を通るときその移動方向に平行な面内で旋回でき、これにより、図1に示すように、その主軸が特定の角度になるよう調整することができる。
【0033】
フラッシュランプユニット26を旋回させることができることによって、ユーザーは、処置域54内を通過する間に目標物52に入射するパルス光の量の他、目標物52の複数の面に投入されるパルス光のエネルギー密度(J/cm2)を調整することが可能となる。このようにして、処置域54を通じた滅菌の総量を、コンベヤ(例えば、薄いフィルム24)の速度や、パルス出力装置46の(パルス期間、それぞれのパルスの強さ、パルスの数などのような)パラメータを変更すること無しに調整することができる。
【0034】
その操作の例として、フラッシュランプユニット26は、(図1のような)最大の光入射となる初期位置、この位置は、フラッシュランプユニット26の第1主軸56が透過支持部36およびスライド床34の主軸56の方向と一致する位置であり、この初期位置から、フラッシュランプユニット26′で示される中くらいの光入射の中間位置へ動かされる。この中間位置で、フラッシュランプユニット26′の第2主軸56′は上記の第1主軸56と45度の角度をなしている。
【0035】
最小の光入射の場合、フラッシュランプユニット26′はフラッシュランプユニット26′′で示される位置に動かされ、このフラッシュランプユニット26′′の第3主軸は、第1主軸56と90度の角度をなし、また、第2主軸56′と45度の角度をなしている。
【0036】
図1を再び参照すると、フラッシュランプや凹面反射器の特定の配置または形状に係わりなく、フラッシュランプユニット26は、それぞれパルス出力装置46に接続され、また、電子インタフェース18はフラッシュランプユニット26のそれぞれに接続され、これにより、パルス出力装置46から、(パルス状の滅菌光とフラッシュランプユニット26の位置を制御するための)制御信号をフラッシュランプユニット26へ送ることができる。
【0037】
シャフトエンコーダ44はローラ62の1つに光学的に接続し、これにより、ローラ62の回転速度を測定することができる。シャフトエンコーダ44はパルス出力装置46にパルス列を出力し、その周波数はシャフトエンコーダが接続するローラ62の回転速度を示すものである。パルス出力装置46によって所定数のパルスがカウントされると、パルス出力装置46はランプの発光を行なうとともに、再びカウントを開始し、さらなる所定数のパルスなどの後に次の発光が生成されるまでそのカウントを行なう。
【0038】
ローラ62は薄いフィルム24が巻き上げホイール22によって引っ張られるのに従い回転し、巻き上げホイールは作動機構30に応答して回転する。作動機構30は回転装置とすることができ、この装置は、例えば、モータに連結する、回転シャフト、ベルト装置、チェーン、あるいは他の伝達装置である。すなわち、作動機構は初段ホイール20および巻き上げホイール22に、回転可能に連結できるものとすることができる。作動機構30が巻き上げホイール22に回転可能に連結して、初段ホイール20および巻き上げホイール22の前進回転を可能とすることができ、これに代わり、作動機構30が初段ホイール20および巻き上げホイール22の両方に回転可能に連結して、薄いフィルム24の、双方向ヘの制御された回転、および初段ホイール20または巻き上げホイール22の一方から他方への回転を可能とすることもできる。
【0039】
実際では、図1のシステムがスタートする前、作動機構30は巻き上げホイール22を時計方向に回転させて初段ホイール20からの薄いフィルム24を巻いて、初段ホイール20を同様に時計方向に回転させる。これにより、薄いフィルム24を、図1に示されるシステムの左側から右側へ移動させることができる。初段ホイール20がその第1巻取り部28を使いきり、オペレータが薄いフィルム24を再び使用しようとするときは、作動機構30は初段ホイール20を反時計方向に回転させ再使用のための初段ホイール20の再巻取りを行なう。
【0040】
薄いフィルム24は透過キャリアーとして用いられ、これにより、目標物52を処置域54に渡って運び、この間同時に、目標物52がフラッシュランプユニット26から発射されるパルス光から遮られるのを防ぐことができる。
【0041】
一実施例では、薄いフィルム24は、好ましくは、250nmから350nmの波長域において10%以上の透過率(光の所定の帯域幅内の光の総出力として定義される)のものであり、より好ましくは、少なくともこのレベルの透過率を、1またはそれ以上、例えば5または10以上、例えば20の滅菌処置の間、維持できるものであり、この滅菌処置は、例えば、300μs/1発光で広いスペクトルの多波長の光であって、処置域において170〜2600nmの広帯域の帯域幅で少なくとも0.25J/cm2に相当するエネルギー密度を有する光の少なくとも1つの発光を含むものである。
【0042】
特に、薄いフィルム24は十分に耐熱および耐紫外線であり、これにより、その透過率のレベルを、少なくとも1の滅菌処置の間、好ましくはいくつかの滅菌処置の間、維持することができる。これは、薄いフィルムがパルス光に長い間晒されるのに伴う劣化の影響を受け易いことから、薄いフィルム24の重要な特徴である。一般に、薄いフィルム24は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、またはアクラーのいずれによっても作成でき、換言すると、約5ミル(mil)より薄い厚さのものであり、300μs/1発光で広い帯域の多波長の光であって、170〜2600nmの広帯域の帯域幅で、複数の面において少なくとも2J/cm2に相当するエネルギー密度を有する光の約20発光に晒された後、約5%の劣化を生じるものである。
【0043】
ある例では、用途に応じて、薄いフィルム24が特定の用途で劣化がそれほどでない場合は、再使用することができる。このようなケースでは、薄いフィルム24を第2巻取り部32から第1巻取り部28へ引っ張ることにより、初段ホイール20で上述したような再巻取りを行なうことができる。
【0044】
選択的に、仮にユーザーが(上記に定義した)1つの完全な処置に晒された後の薄いフィルム24の再使用を望まないときは、ユーザーは、新しい第1巻取り部28を初段ホイール20に置くとともに、薄いフィルム24を巻き上げホイール22にかけて取り付けることにより、薄いフィルム24を置き換えることができる。また、選択により、新たに、初段ホイール20と巻き上げホイール22の両方を有する、全部揃ったテープカセット60を、テーププレーヤーにかけられた音楽テープカセットとある程度(しかし厳密にはそうでない)同種の方法で、薄いフィルム24をローラ62とスライド床34と透過支持部36の周りにかけることにより用いることができる。これにより、薄いフィルム24を用いる上でその多様性を増すことができる。
【0045】
本発明の多くの他の実施例を考えることができ、それらの実施例では約250nmから350nmの間の波長域において多くの異なるレベルの透過率を滅菌室14に用いることができる。
【0046】
薄いフィルム24は多様な材料で製造でき、それらは当業者にとって良く知られたものであり、たいていは紫外線およびスペクトルの可視部分において透過性である。前述したように、いくつかの材料はこの特性を有して薄いフィルム24に用いることができ、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロンおよびアクラーを含むが、これらに限定されるものではない。
【0047】
好ましくは、選択される薄いフィルム24の材料および厚みは、十分に耐久性があり、目標物52の重さや滅菌室14を通して目標物52を搬送するときに受ける摩擦力に耐えることができるものであり、さらに、十分に柔軟性があり、初段ホイール20や巻き上げホイール22の周りに容易に巻きつくことができ、また、十分に薄く滅菌光との干渉を最小にすることができるものである。
【0048】
例えば、前述のように、薄いフィルム24は、好ましくは約5ミル(mil)より薄い厚みを有したものであり、最も好ましくは、約1〜2ミル(mil)の厚みで上記に列挙した材料のいずれかによって製造されるものである。
【0049】
図1に示した好適な実施例では、薄いフィルム24が配置されるときの形態は、目標物52を処置域54を通して搬送するコンベヤベルトとして用いられるものであり、そこでは薄いフィルム24は、初段ホイール20に巻かれる第1巻取り部28と、巻き上げホイール22に巻かれる第2巻取り部32とを含む。このようにして、薄いフィルム24は第1巻取り部28から第2巻取り部32へかけて巻かれる。
【0050】
選択的に、初段ホイール20と巻き上げホイール22は、それぞれ反射シールド38、40によって遮蔽され、これにより、処置域54から漏れる迷走紫外線の放射による強度および/または透過率の減少を防ぐことができる。
【0051】
これに代えて、初段ホイール20または巻き上げホイール22のいずれか1つのみが遮蔽されても良く、例えば、初段ホイール20が遮蔽される場合、薄いフィルム24は使い捨てキャリアーであり、従って、使われた薄いフィルム24を巻き上げホイール22において保持する必要がなくなる。遮蔽は、初段ホイール20または巻き上げホイール22の一方あるいはそれらの両方を実質的に取り囲むもの、または、初段ホイール20または巻き上げホイール22の一方あるいはそれらの両方の周りの周囲の一部からの放射をまさに妨げるものとすることができる。
【0052】
図1に示されるように、滅菌室14内に位置するとき、本実施例の薄いフィルム24は、好ましくは、落し入り口12の真下から拡がる第1巻取り部28と第2巻取り部32の間で、第1巻取り部28から処置域54を横断し、落し出口50まで延在する。
【0053】
スライド床34は薄いフィルム24の下に位置し、これにより、薄いフィルム24の支持部をなしている。スライド床34は2つの床部を含み、薄いフィルム24を支持してこれを処置域54へ、またこの処置域54から搬送し、これにより、薄いフィルム24は、目標物52を処置域へ搬送するための強度および能力を維持することができる。スライド床34の入り口床部34′は落とし入り口12の下から延在して透過支持部36にその境を接する。スライド床34の出口床部34′′は、透過支持部36から落し出口50まで延在する。
【0054】
透過支持部36は、入り口床部34′の一方の端と出口床部34′′の対置される側の端に連結される。透過支持部36は処置域54の端から端まで及び、また、2つのフラッシュランプユニット26の間に位置し、これにより、フラッシュランプユニットからのパルス滅菌光が処置域54で遮られないようにすることができる。透過支持部36は、2つのフラッシュランプユニット26のそれぞれからどのような距離にあっても良く、滅菌及び滅菌される目標物52について求められる用途次第である。好ましくは、透過支持部36の配置は、目標物52の上面および下面における光の強度がおよそ等しくなるように定められる。例えば、透過支持部36は目標物52が2つのフラッシュランプユニット26のそれぞれからおよそ等距離にあるように位置決めされる。
【0055】
滅菌室14において目標物52を滅菌するための操作では、搬送システム56は、作動機構30によって薄いフィルム24をパルス光滅菌システム10を通して移動させる。作動機構30は、回転するピンベルトあるいはモータを備えたシャフトとすることができ、薄いフィルム24の再利用に関する用途および要求のタイプに応じて巻き上げホイール22、または初段ホイール20と巻き上げホイール22の両方に連結されて、初段ホイール20または巻き上げホイール22に回転力を与える。これにより、薄いフィルム24を初段ホイール20または巻き上げホイール22(従って、初段ホイール20および巻き上げホイール22の他方は離れて)に巻き付けて、薄いフィルム24を、処置域54を通ってスライド床34および透過支持部36を横断するように移動させることができる。
【0056】
前進方向の操作では、初段ホイール20上の第1巻取り部28はその巻取り部28から落し入り口12の下まで移動させられ、それから、入り口床部34′、透過支持部36、出口床部34′′を渡って落し出口50の上まで、さらに、巻き上げホイール22上の第2巻取り部32まで移動させられる。逆方向の操作では、第2巻取り部32からの薄いフィルム24は、落し出口50の下まで移動させられ、それから、出口床部34′′、透過支持部36、入り口床部34′を渡って落し入り口12の下、さらに第1巻取り部28まで移動させられる。
【0057】
また、(前進方向の)操作で、薄いフィルム24が移動する間に、目標物52は落し入り口12を通して落とされ、落し入り口12の下で入り口床部34′上を通る薄いフィルム24上に落ちる。目標物52は、薄いフィルム24が処置域54に移動させられるのに従い、その薄いフィルム24によって運ばれもしくは移動させられる。
【0058】
いったん処置域54の内側に入ると、目標物52は、フラッシュランプユニット26からの、高強度で、短い期間の多波長光の1つまたはそれ以上のパルスに晒され、その上薄いフィルム24上で移動し続ける。透過支持部36は、薄いフィルム24上の目標物52の重さに耐え、かつその上を薄いフィルム24が摺動することを可能とするものである。
【0059】
操作では、フラッシュランプユニット26は、パルス出力装置46および電子インターフェース18内のプログラム可能な論理コントローラ(PLC)(不図示)に従って動作する。PLCは、フラッシュランプの動作を定める、ユーザ規定のパラメータを記憶する。ユーザ規定のパラメータは、フラッシュランプユニット26を動作させるためのいくつかのパラメータ条件に関連するものであり、それらの条件は、どれだけパルス光滅菌を行なうか、また、フラッシュランプユニット26をどれだけ回転させるか、また、任意の選択として、フラッシュランプユニット26を回転させるか否か、また何度回転させるかについて制御するものである。
【0060】
ユーザ規定のパラメータのいくつかの例としては、1)充電電圧、2)パルスの数、3)パルス光によって投入されるエネルギー密度(例えば、ジュール/cm2)、4)目標物52が処置域54を通る設定速度、がある。
【0061】
例えば、一実施例では、フラッシュランプユニット26はその動作により、パルス形態の多波長で非干渉性の光を発光し、この光は公知の良好な滅菌効果を有した、次のパラメータもしくは特性のものである。1〜20パルスの多波長で、非干渉性の光は、目標物52が透過キャリアーを渡って通過する間、フラッシュランプユニット26によって発光される。一般に、多波長、多エネルギーで非干渉性の光のパルスは、170nmから2600nmの広いスペクトルで、高強度の0.001から100ミリ秒の短い期間のパルスを用いたものであり、例えば、このパルスは、目標物の表面で0.01から5ジュール/cm2のエネルギー密度に対応する。
【0062】
他の実施例では、パルス形態または連続する形態のいずれかである単波長(例えば、レーザー)光の光源を用いることができる。
【0063】
用途に応じて、多波長、もしくはパルス形態または連続する形態のいずれかである単波長(例えば、レーザー)の光源を用いることができる。
【0064】
用途に応じて、多波長または単波長(例えば、レーザー)の光源を、より滅菌が必要なときに、パルス光の強度に応じて長時間用いることができる。
【0065】
長時間の例としては、ある用途について、公知の良好な滅菌効果に関する上述のパラメータ(170nmから2600nmで、0.001から100ミリ秒のパルスで、0.01から5ジュール/cm2のエネルギー密度に対応)に関して用いられ、1秒、10秒、あるいは数分も続く時間も含まれる。選択的に狭いスペクトルをも用いることができる。例えば、1秒に対して1/10秒のパルス期間により、パルス間で中断がなければ全部で10の連続するパルスが可能となり、これが目標物52にあてられる。
【0066】
選択的に、目標物52が未だパルス光滅菌室14の中にある間、梱包装置48によって、目標物が落し出口を通って外に出る前に目標物を滅菌したラップによって包みもしくは容器に入れるようにすることができる。
【0067】
図2を参照すると、図1のパルス光滅菌システムのパルス光滅菌室14の処置域54の近くの異なった断面について、部分的な横断面図が示される。スライド床34の入り口床部34′の部分は2層をなし、基層102とテフロン(登録商標)コート層104とからなる。薄いフィルム24もまた示され、これは入り口床部34′の上部を摺動し、パルス光滅菌室14の透過支持部36の上の処置域54に近づく。入り口床部34′と透過支持部36は、入り口床部34′の下流側端と透過支持部36の上流側端の間の境界部に接続する。この境界部は、例えば、石英もしくはサファイアのような強く透過性の材料で形成され、また、好ましくは約2mm程度の厚みのものである。それに反して、薄いフィルム24は好ましくは1〜2ミル(mil)程度である。出口床部34′′は、同様に基層102′とテフロン(登録商標)コート層104′から成り、透過支持部36と出口床部34′′の上流側端との間の境界部に接続される。
【0068】
処置域54、図1のパルス光滅菌室14の上流側の外れの内部では、薄いフィルム24は透過支持部36を渡って摺動する。目標物52が薄いフィルム24上で処置域54を通って移動するとき、透過支持部36上の薄いフィルム24と透過支持部36は、透過支持部の下側のフラッシュランプユニット26からのパルス滅菌光を遮らずに、目標物52の全ての面に行き渡るようにする。
【0069】
透過支持部36と薄いフィルム24を用いることによって、滅菌処理の効率が向上する。それは、パルス滅菌光の操作、回転およびパルスが、目標物52を滅菌(または目標物における微生物の活動の減少)するのにより少なくて済むからである。
【0070】
処置域で目標物52が滅菌された後、目標物の下の薄いフィルム24と目標物は、処置域54を通って出口床部34′′上を移動し続け、図1に示される落し出口50まで移動させられる。
【0071】
次に図3を参照すると、2つのフラッシュランプユニット26の全体の横断面図が示され、これら2つのユニットは図1のパルス光滅菌室14およびパルス光滅菌システム10の中の処置域54を囲んでいる。
【0072】
2つのフラッシュランプユニット26はそれぞれ、1つまたはそれ以上の反射器130と、それぞれの反射器130内の1つまたはそれ以上のフラッシュランプ132とを有している。1つまたはそれ以上の反射器130はそれぞれ、反射内壁を備え、その形状は、1つまたはそれ以上の反射器130内の1つまたはそれ以上のフラッシュランプ132からの光を、目標物全体に所定のパターン、例えば一様なパターンで反射するものである。
【0073】
一実施例では、一つまたはそれ以上の反射器130は円またはU字形状であり、目標物52の移動方向に沿って第1の曲がった(円、楕円、放物線、その他)の横断面を有している。図1のような実施例では、1つまたはそれ以上の反射器130は、一直線上に置かれ、または3次元斜視図では曲がった(例えば、U字形状)でなく管状のフラッシュランプユニットに沿った管形状のものである。
【0074】
他の実施例では、1つまたはそれ以上の反射器130は、他の方向に沿った第2の曲がった(例えば、U字状の)横断面を有して、目標物が処置域54を通るときに目標物54に関して3次元の曲がった(例えば、球状の)システムを形成する。
【0075】
前述したように、上記「ピュアブライト」システムのようなフラッシュランプユニット26はパルス装置(パルス出力装置46)を備え、このパルス装置は、コンデンサにエネルギーを充電するDC電源、コンデンサの放電に用いられるスイッチ、処置される目標物の位置を検出するセンサに応答して、または押下されるボタンに応答して、プログラムされた時間間隔でスイッチをオンするトリガ回路、および放電されたパルスをコンデンサ−スイッチアッセンブリからフラッシュランプユニット26へ伝える1組の高電圧同軸ケーブルを備えるものである。フラッシュランプユニット26は、1個から8個のフラッシュランプ132を金属の反射器130に装着し、これにより、フラッシュランプ132から発光された多波長光を目標物に向けることができる。
【0076】
次に図4を参照すると、図1のパルス光滅菌室14において用いることができる透過キャリアーの他の実施例の側面図が示される。
【0077】
パルス光滅菌室14は、図1および図2に示された処置域54と、図1の電子インターフェース18、パルス出力装置46およびフラッシュエンコーダ44を有する、図1および図3に示されたフラッシュランプユニット26と、図1の薄いフィルム24に置き換えられる複数の透過ローラ140と、図1のスライド床に置き換えられる複数のローラ142とを具える。
【0078】
透過キャリアーは、石英またはサファイアのような材料によって形成される透過ローラの複数を処置域54に備えるものである。複数の透過ローラ140はそれぞれそれぞれの主軸周り回転する。透過ローラ140の摩擦係数によって、目標物52の摩擦係数との協働により、目標物52を透過ローラ140上で移動させることができる。複数の透過ローラ140は、また、ローラ作動手段30′によるその回転速度によって、処置域54を通る目標物52の速度を定める。
【0079】
ローラ作動手段30′(作動機構または作動手段ともいう)は、透過ローラ140に連結されて透過ローラ140の回転を生じさせる。ローラ作動手段30′は、また、選択的に図3に示されるフラッシュエンコーダ44に連結されて、その回転速度を制御することができる。
【0080】
複数のローラ142は、目標物52を処置域54へ移動させる第1の組のローラ142′と、目標物52を処置域54から遠ざからせる第2の組のローラ142′′とを有する。複数の透過ローラ140は目標物54を処置域54を通じて移動させる。
【0081】
目標物52は第1の組のローラ142′の回転によって処置域54へ運ばれる。処置域54を離れるときは、目標物52は第2の組のローラ142′′によって処置域54から離れるように運ばれる。
【0082】
目標物52を運ぶ他の方法は当業者が考え得るものであり、例えば、処置域54の外側において、第1および第2の組のローラ142′、142′′の代わりに、コンベヤベルトを用いるものである。あるいは、ローラとコンベヤベルトとの組み合わせも用いることができる。
【0083】
次に図5を参照すると、図4の複数の透過ローラ140の斜視図が示される。一実施例では、複数の透過ローラ140のそれぞれは、ほぼ直線的に相互に隣接し、それぞれ相互に約1.5インチ隔てた主軸を有する。複数の透過ローラ140(および複数の透過ローラ間のギャップ)のそれぞれは、他の形態では、処置される目標物52の種類に応じたサイズとされる。第1の組のローラ142′(図4)と、第2の組のローラ142′′は同様のサイズおよび配列とされる。
【0084】
比較的小さな容器や医療機器の滅菌に関する変形例では、複数の透過ローラ140のそれぞれが直径DRが約9mmで、長さLRが約14インチで、有効に作用する。複数の透過ローラ140は、石英またはサファイア、または同様の強度と、例えば図1の透過キャリアについて前述した透過特性を有した透過率の他の材料によって製造することができる。
【0085】
本発明は特定の実施例およびその用途によって説明されたが、当業者は特許請求の範囲に記載の発明の範囲を離れることなく、多くの変形例や変更例をなすことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルス光滅菌室内で、複数の面を有する目標物を運ぶための装置であって、前記パルス光滅菌室は、その中でパルス滅菌光が発光される処置域を含むものである装置において、
前記処置域内で目標物に着脱可能に連結される複数の透過ローラと、
前記複数の透過ローラに連結されて当該複数の透過ローラ上で前記処置域を通って目標物を移動させる移動手段であって、前記処置域で目標物の複数の面がパルス滅菌光によって滅菌され、当該パルス滅菌光の少なくとも一部は目標物に到達する前に前記複数の透過ローラを通過する、作動手段と、
を具えた装置。
【請求項2】
前記複数の透過ローラは、サファイアおよび石英よりなるグループの材料を含む請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記作動手段は、前記複数の透過ローラに連結される請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記複数の透過ローラのそれぞれは回転軸を有し、前記複数の透過ローラのそれぞれの前記回転軸は互いに1.5インチ離れていることを特徴とする請求項1に記載の装置。

【図1】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−25027(P2011−25027A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157996(P2010−157996)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【分割の表示】特願2001−581875(P2001−581875)の分割
【原出願日】平成13年4月23日(2001.4.23)
【出願人】(500365018)ピュアパルス テクノロジーズ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】