説明

パルス状レーザ微小堆積パターン形成

パルス状レーザを用いて透明な基板上にパターンを形成する方法が開示される。様々な実施形態は、極短パルス状レーザ、レーザ波長に透明な基板、及びターゲット板を含む。レーザビームは、透明基板を介してターゲット表面に集光される。ターゲット材料は、レーザによって剥離され、対向する基板表面に堆積される。パターンは、例えばグレイスケールであり、ターゲットに対するレーザビームの走査によって形成される。レーザビーム走査速度及び走査線密度の変化によって、材料堆積を制御し、堆積したパターンの光学性質を変化させ、グレイスケールの色彩効果を生成する。いくつかの実施形態において、パターンは、製造工程の間にマイクロ電子デバイスの一部に形成するようにすることができる。いくつかの実施形態において、高繰り返し率ピコ秒及びナノ秒ソースは、パターンを形成するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パルス状レーザ堆積、及びこれを用いた材料のパターン形成に関する。
【0002】
関連出願への相互参照
この出願は、2008年10月20に出願され、「薄膜の製造方法」と称する米国特許出願第12/254076号に関連し、ここで参照によりその全体を組み込むものとする。
【背景技術】
【0003】
材料堆積のパターン形成にパルス状レーザを用いるとき、その方法は、2つの一般的カテゴリーに分類される。すなわち、レーザ誘起前方移動(laser-induced forward transfer;LIFT)及びレーザ誘起後方移動(laser-induced backward transfer;LIBT)である。LIFTによると、剥離された材料は入射レーザに対して同一方向の受取基板に移動され、LIBTによると、逆方向に移動される。LIFTにおいては、ターゲットフィルムは、レーザに対して透明な支持基板上に堆積されることを要する。受取基板は、ターゲットフィルムに対向して設置される。レーザビームは、ターゲット支持基板のコーティングされていない側から入射し、ターゲットフィルムに剥離を生じさせる。剥離した材料は、レーザと同一方向に、受取基板に向けて前方に移動される。LIBT構成においては、配置は逆である。レーザは、最初にレーザに対して透明な受け取る基板を通って導かれ、ターゲットに集光される。ターゲットは、所望のターゲット材料から作られた板であることができる。剥離が起こると、剥離された材料は、入射レーザビームと逆方向に、後方に移動され、受取基板上に堆積される。
【0004】
数個のLIFT方法が、例えばメイヤーに与えられた米国特許第4752455号及び第6159832号、ウィリアムズ他に与えられた第4987006号、クリゼイ他に与えられた第6177151号及び第6766764号に開示されている。2〜3のLIBT方法が、ユー他に与えられた米国特許第5173441号、ハネダ他に与えられた日本国特許第2005−79245号、及びリュー他の米国特許出願2007/0243328号に開示されている。
【0005】
レーザ誘起プラズマ支援剥離は、ハネタ他の「レーザ誘起プラズマ支援剥離(LIPPA)による透明材料のカラーマーキング」、ジャーナルオブフィジクス、カンファランスシリーズ59(2007)、687−690に記載されているように、金属ターゲットのカラーマーキングに用いられてきた。様々なレーザがテストされ、様々なピコ秒、ナノ秒、フェムト秒出力を10KHzの最大繰り返し率で生成した。このRGBプロセルについて、従来のナノ秒パルス幅が、レーザマーキング産業において高品質及び費用効率が高いことについて大きな潜在性を有していると結論された。
【0006】
上記方法の目的は、正確にパターンが形成された材料の堆積である。印刷に適用された場合、これらの方法は、二値であり、オン/オフ効果又は視覚的な黒/白効果が提供されるであろう。大きなグレイスケール範囲にわたってビットマップ画像を印刷するためには、2つの要件が充足される必要がある。すなわち、(i)グレースケールレベルが十分な数あり、(ii)印刷の速度が実際に受け入れられること、である。
【0007】
シャー他による最近の国際特許出願であって、本出願の譲受人に譲渡されたWO2008/091898は、固体表面上に画像を極短パルス状レーザ印刷する方法を開示している。この方法は、この方法は、固体表面との極短パルス状レーザ相互作用によって誘起される表面テクスチャリングに基づいている。レーザフルエンス及び露光時間(単位面積当たり平均パワー)の範囲において、レーザ照射の後、リップル、柱、細孔及びランダムな微小突起の多くのタイプを含む、表面テクスチャのいくつかのタイプを作成することができる。これらのテクスチャの制御された配列は、光の散乱、捕獲及び吸収によってグレイスケールの視覚効果を生成する。この方法は、ターゲットから基板への材料の移動を含まない。
【0008】
LIFT、LIBT及びLIPPA装置は、1kHzの繰り返し率においてNd:YAG、Ti:Sapphireを、最高約10kHzにおいてNdYVOをベースとした装置を利用してきた。巨視的スケールに高解像度のパターン又は画像を形成することは、低い繰り返し率の結果、最大で千分かかることがあり、これらの方法の適用を制限している。さらに、上述したように、多くの装置は、二値パターンの作成に限られている。
【発明の概要】
【0009】
実施形態の一以上の目的は、透明基板上への材料の正確な堆積であり、その位置と厚さの両方を制御することである。基板は、ガラス、又は他の適切な媒体であることができる。
【0010】
少なくとも一つの実施形態は、透明基板上に高速でパターンを形成するLIBT方法を提供する。
【0011】
いくつかの実施形態において、堆積した材料の位置及び厚さは、グレイスケール画像が媒体の照明によって得られるように、媒体の領域の光学密度を変化させるように制御される。例として、堆積した材料の位置及び厚さは、媒体の微小な領域にわたって制御され、媒体にわたる関連した反射率の変化は、グレイスケールの視覚効果、及び肉眼、又は低倍率で見たとき識別できる画像を生成する。周囲の照明又は制御された照明のどちらかを利用することができる。
【0012】
いくつかの実施形態において、受取基板は、ターゲット板に、隣接し、対向して設置される。レーザビームは、受取基板を介して導かれ、材料が剥離され、受取基板に向けて後方に移動されるようにターゲットに集光される。
【0013】
他の目的は、透明基板上への画像のレーザ印刷であり、芸術的画像又は写真画像を含むが、これらに限られない。より詳しくは、高繰り返し率極短パルス状レーザを用い、グレイスケールの視覚的効果及び高速印刷速度の両方を達成することができる。
【0014】
いくつかの実施形態において、グレイスケールは、印刷されたパターンの光透過及び反射が堆積の厚さに依存して変化するように、材料堆積を変化させることによって作成される。厚さは、レーザパラメータを制御することによって連続的に制御することができる。高繰り返し率レーザは、レーザ照射下のターゲットが、集光したスポット径にわたるレーザパルスの可変数を受け取ることができるように利用される。
【0015】
様々な実施形態において、堆積の量は、印刷の間に2つの方法によって変化する。すなわち、(i)定走査線密度を維持しながらレーザビーム走査速度を変化させる、(ii)定ビーム走査速度を維持しながらレーザ走査線密度を変化させる、である。最初の方法は、芸術品、写真等のビットマップ画像の印刷を提供する。第二の方法は、テキストパターン及び単純な幾何形状等のベクターグラフィックの印刷を提供する。
【0016】
様々な実施形態は、高速の印刷速度を提供する。例えば、1MHzのレーザ繰り返し率を用いる実施形態においては、2×2平方インチの画像は、20秒から1分で印刷される。1kHz繰り返し率を有する他のレーザを用いると、このような印刷は、最大で千分かかるであろう。
【0017】
様々な実施形態において、PLDパターン形成は、空気中において、真空チャンバなしで実行される。いくつかの実施形態において、例えば乾燥空気のガス流のような、真空又は雰囲気のいくつかの他の制御が利用されることがある。
【0018】
ターゲット材料は、例えば、鋼鉄、アルミニウム、又は銅のような金属であることがある。鋼鉄は、印刷画像に茶色がかった色彩を与える。ケイ素及び炭素を含むがこれらに限られない誘電材料を使用することもできる。
【0019】
他の目的は、機能ターゲット材料を用いてパターンを印刷することである。このような機能材料は、光の透過又は反射を修正することに加えて特定の機能を提供する。少なくとも一つの実施形態において、印刷画像が室内又は太陽光の照明の下ではほとんど眼に見えず、紫外線光を用いた特定の照明の下でのみ画像が見えるようになるように、蛍光物質から作られたターゲットが使用される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】パルス状レーザ微小堆積パターン形成の配列を概略的に示す図である。
【図2】光学密度を変化させたパターンを提供するために材料のパルス状レーザ微小堆積について配列のさらなる詳細を概略的に示す図である。
【図3】印刷画像の二つの光学顕微鏡像を示す例である。
【図4】鋼鉄板をターゲットとして用いた2インチガラスウェハー上に印刷された二つの画像を示す例である。
【図5】蛍光材料から作られたターゲットを用いた1×1平方インチガラスウェハー上に印刷されたテキストを示す例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、パルス状レーザ微小堆積パターン形成についての配置の一部を概略的に示し、レーザと材料の相互作用の説明を提供している。この例において、レーザビーム1は、例えばガラス基板のような透明媒体2を介してターゲット3上に集光されている。剥離によって焦点4から材料が除去され、小さなクレーター(原寸大でない)が形成される。この例において、剥離された材料、具体的に放出体5は、後方に移動し、一般にレーザ入射方向とは逆方向に伝播する。材料は、例えばターゲットに対向する表面のような基板上に堆積する。
【0022】
少なくとも一つの実施形態において、基板は、ターゲット及び受取基板2間に小さなギャップが残るように、ターゲットの近くに配置される。ギャップ幅は、基板及びターゲット間に異なる厚さのスペーサを挿入することによって調整することができる。高い画像解像度を提供するため、例えば約10マイクロメートルより小さいような小さいギャップ幅が好ましい。実際、基板は、ターゲットに直接触れるように設置することができる。このような場合、滑らかなターゲット表面及び基板間にしばしば現れる干渉縞から判断すると、ギャップ幅は1マイクロメートル程度である。いくつかの実施形態において、媒体及びターゲットは、分離を提供するギャップによって隔てられている。ギャップは、大気、又は流れる乾燥空気によって満たされることができる。いくつかの実施形態において、ギャップは、窒素又はアルゴンのような不活性ガスによって満たされることがある。例えば圧力のような物理パラメータは、ギャップ内において制御されることがある。
【0023】
基板及びターゲット間の干渉縞は、ターゲット表面が滑らかで光沢のある場合には、高コントラストを有する。これらの縞は、レーザフルエンスを変調することによって印刷の品質を低下させることがある。干渉効果を回避する一つの方法は、例えば粒状表面のような粗いターゲット表面を用いてターゲットからの反射をランダム化することである。一般に、レーザ波長より大きい粗さを用いることにより、干渉効果は無視できるレベルまで低減することができる。
【0024】
図1を再度参照すると、堆積した材料は、ビーム走査線(図示なし)の周辺近くに大量に集中している。二重線6が、受取基板上に形成されている。これは、直接レーザ照射下の高温及び高圧によって剥離された材料が横に放出されたからである。したがって、レーザの相互作用によって影響された媒体の局在する領域は、制御された材料堆積を有するより厚い部分によって囲まれた薄い厚さの中心部によって特徴付けられる一次元厚さ輪郭を有している。例として、堆積の最終的な全線幅は、レーザ焦点スポットサイズの約2〜3倍である。20マイクロメートル径のレーザスポットサイズを用いると、堆積した線幅は約40〜60マイクロメートルであるが、様々な実施形態において比較的高解像度画像の印刷に十分である。
【0025】
図2は、パルス状レーザによる材料の微小堆積についての配列の例であって、変化する光学密度のパターンを提供するものをさらに示している。この例においては、レーザ7は、好ましくは高繰り返し率パルス状レーザである。例えば音響光学又は電気光学的変調器(図示なし)のようなパルス選択器がコントローラ12に接続され、ターゲットに供給するパルスを選択するために使用される。ビームスキャナ8は、コンピュータ制御の下で使用され、パターンを形成する。スキャナは、走査速度を変化させることができるように制御することができる。スキャナ8は、二つの走査ミラー9及び10、焦点レンズ11、例えばfθレンズを含み、フラットビーム走査面を提供する。テレセントリック光学系は、いくつかの実施形態で使用することができる。スキャナは、コンピュータ化された制御信号をコントローラ12から受信する。商業的に市販されたビームスキャナ(走査)装置を使用することができ、例えばスキャンラブアメリカ社(SCANLAB America Inc.)から入手できる様々な製品があり、これらは、走査ヘッド、コンピュータインターフェースを含むコントローラ、画像を読み込みテキスト及び幾何図形を編集するユーザソフトウェアを含んでいる。
【0026】
様々な実施形態において、他の走査機構を、単独で、又は適切な組み合わせで利用することができ、光学密度を変化させることを有する所定の空間パターンを形成する。例えば、音響光学偏光器、多面鏡、回転プリズム等は、走査速度をさらに増加させるために提供することがある。いくつかの実施形態は、高速の走査速度を維持しつつ、高速及び低速偏向機構の組み合わせを含むことで堆積を制御することがある。例えば、高速の偏向機構は、第1の方向を定速度で走査し、第2のスキャナは第2の速度で第1とは逆の方向を走査することがある。
【0027】
様々な走査パターンが生成されることがあり、穿孔又はディザーパターンを含んでいる。このような機構は、レーザマーキング、掘削、又はマイクロマシーンに提案されて利用されてきており、パルス状レーザ微小堆積パターン形成のために構成されることもある。
【0028】
高繰り返し率の極短レーザは、PLDパターンの形成にいくつかの利益を提供する。ナノ秒パルス状レーザ剥離に比べ、極短パルス状レーザ剥離は、より小さいパルスエネルギーを要し、剥離閾値に達する。極短パルス持続時間を有する入手可能な極高ピークパワーは、低い閾値に寄与する。例えば、数マイクロジュールのフェムト秒パルスは、数ミリジュールの従来のナノ秒パルスより高いピークパワーを有している。また、焦点における低減された熱影響域(HAZ)により、剥離のエネルギー効率が顕著に増加する。
【0029】
本願の譲受人であるイムラアメリカインク(IMRA America Inc.)は、いくつかのファイバベースのチャープパルス増幅装置を開示し、これらは、1MHzを超える高繰り返し率、500フェムト秒から数ピコ秒の極短パルス持続時間、及び10ワットを越える高平均パワーを有している。様々なファイバ構成は、以下で説明するように、商業的に入手できる。
【0030】
例えば100kHzから1MHzを越える高レーザ繰り返し率を用い、ターゲットは、局在した焦点領域からビームが移動する前に、短期間に複数レーザパルスを受ける。例えば、1MHz繰り返し率、ビーム走査速度1m/s、スポットサイズ径20マイクロメートルでは、重複するレーザパルスの数は約20であり、隣接するスポット間の約95%の重複に相当します。例えば1ミリ秒以下のようなパルス間の短期間での複数レーザパルスは、画像形成のために考慮される物理効果を生成することがある。例えば、(i)堆積の累積、(ii)空気ギャップにおける熱及び圧力の累積が、考慮される。様々なレーザビーム走査速度を用い、第1の効果は異なる堆積厚さによる異なる光の透過及び反射を生成し、連続的方法によって好ましく制御される。厚さの変化とこれに伴う透過及び/又は反射の変化により、グレイスケールの視覚的効果が生成される。第2の効果は、図1に示すように、堆積がレーザビーム経路の周辺近くに集中しているという観察に関連し、図3は、例となる画像をさらに示す。
【0031】
高繰り返し率パルス状レーザは、高速の印刷速度にも必要とされる。Qスイッチレーザのような従来の固体レーザ及び再生増幅器ベースの極短レーザ装置は、10Hzから数十kHzの典型的な繰り返し率を提供する。1MHzの繰り返し率では2×2平方インチの画像を印刷するには約20秒から1分を必要とするが、パルス間に同様の空間的重複を有するようにするには、繰り返し率1kHzでは約一千分が必要とされる。
【0032】
様々な実施形態は、例えばイムラアメリカインクによって製造されたFCPAμJewelモデルのようなファイバベースの高繰り返し率極短パルス状レーザを利用することがある。レーザは、100kHzから最大5MHzの繰り返し率であり、500fsから10psのパルス持続時間であり、最大20マイクロジュールのパルスエネルギーである。スポット径が20〜30マイクロメートルの集光ビームを用い、このレーザは、多くの金属、誘電体及び半導体材料を剥離することができる。
【0033】
高繰り返し率での動作が可能である。ドン他による「ファイバレーザ及び増幅器に用いる高希土類ドープ光ファイバ」と称する米国予備出願第61/120022号は、ここで参照により組み込まれる。‘022出願で開示された様々な例は、最大約5000dB/mのポンプ光吸収、0.5〜5dB/cmの範囲にある単位長さ当たり利得を有する高希土類ドープ利得ファイバを含んでいる。様々なドーパント濃度は、Ybのクラスタリングを低減することによって、高いポンプ吸収、大きい利得を低い光黒化で提供している。このような希土類ドープファイバは、短空洞長のファイバレーザの構築、1GHzを超える繰り返し率における高エネルギー極短パルスの生成を提供する。増加したパルスエネルギーを有するGHzファイバソースを利用することによって、パルス幅、エネルギー、スポットサイズ、及び平均パワーの様々な組み合わせをベースとし、好ましくは全ファイバ装置を利用して、改良された性能指数を得ることができる。
【0034】
様々な実施形態において、繰り返し率は、ビームスプリッタ及び光学遅延線の組み合わせによって増加することがある。
【0035】
図3及び4は、グレイスケールの視覚効果を示している。図3は、図4(a)に示された印刷した芸術的画像から取得した、異なるグレイレベルを有する二つの微小部分を示している。図3(a)において、二つの明るい線は、走査速度8〜10m/sの高速のビームスキャンによって作成された。図1に戻ると、堆積した材料6は、図3aにおける明るい線間の領域に対応する領域に相当している。上述したように、走査線の白さは、放出体を横に押し出すような、レーザビームの直接照射下の高温及び高圧によるものである。図3(a)において、高速の走査速度のため、とりわけ画像の最上部では、比較的僅かな堆積が残っている。
【0036】
図3(b)は、平均で0.2m/sの低速の走査速度で作成した三本の走査線を示し、線間にはより厚い堆積が形成され、全体として暗い視覚効果をもたらしている。白い走査線も存在している。したがって、異なるビーム走査速度は、走査線間の物質堆積を制御し、グレイスケール変化を生成する。このようにして、著名な芸術画像が印刷され、図4(a)に示されている。ニッケル硬貨がガラスウェーファの隣に置かれ、その大きさを示している。
【0037】
上述したように、グレイレベルの数は、ビーム走査速度について堆積暑さの線形依存性を仮定すると、ビーム走査速度の最小増分と最大走査速度によって決定される。例えば、最大走査速度10m/s及び速度の増分1mm/sでは、堆積の量の増分は十分に小さく、視覚的に連続的なグレイスケールを作成する。
【0038】
図4(b)は、異なるグレイスケールを有する三つの同一のテキストパターンの画像を示している。この例においては、パターンは、定ビーム走査速度5m/sを維持しながら走査線密度を制御することによって形成される。最上部から最下部への三つの画像について、走査線密度は、ミリメートル当たりそれぞれ4、8、12本である。これは、ベクターグラフィックを印刷する例である。パターン形成技術は、単純な幾何形状を埋めることにも適している。走査線密度を変化させることによって、グレイレベルの利用できる数は10を超えることができる。様々な実施形態において、少なくとも1ユニット(10:1)における光学密度(O.D.)が提供されることがあり、最大で約3〜4ユニットである。
【0039】
様々な実施形態において、パターンは、光の反射又は透過を変化させるのとは別の機能を提供する材料を用いて形成される。一つの例は、図5に示され、蛍光材料で作られたターゲットを用いて、テキストは1×1インチのガラスウェイファに印刷される。この材料は、室内又は太陽光の下で白い粉末であるが、紫外線を照射すると、材料は橙色に発光する。この材料をターゲットに使用すると、図5(a)の印刷したテキストは、室内光の下で辛うじて識別することができる。図5(b)において、紫外光照明を用い、テキストは明るく発光している。このことは、元のターゲット材料の光を放出する性質が、印刷の間も保たれたことを表している。
【0040】
上述の実施においては、リン光や蛍光の性質のようなターゲット材料の特定の物理的機能及び化学的機能が保持される。材料はレーザ照射によって崩壊するが、元の材料に関連した物理的性質及び化学的性質は、レーザ剥離によっては破壊されない。極短パルスは、このような利益を提供する。
【0041】
特定の理論に同意することなく、パルス状レーザ剥離の工程は、(i)光吸収、(ii)加熱及び相転移、(iii)プラズマ膨張を含むいくつかの段階に分離される。最終的な材料堆積は、パルス持続時間、パルスエネルギー、及び繰り返し率を含むレーザパラメータに、また、例えば金属又は誘電体のようなターゲット材料のタイプにも強く依存している。これらの因子の内、パルス持続時間は、最初に考慮し、従来のナノ秒パルス状レーザ及び極短パルス状レーザ間で対比すべきであるが、これは、強度の数次にもわたる大きな差異のためである。
【0042】
QスイッチNd:YAG、Nd:YLF、又はNd:YVOのようなナノ秒パルス状レーザを用いると、パルス持続時間は、固体中の電子及びイオン間のエネルギー交換の時間スケールより長い。この時間スケールは、典型的には、数十ピコ秒である。ナノ秒レーザパルスは、固体を加熱し、熱による蒸発及びイオン化をもたらし、レーザによってプラズマが形成される。レーザパルスの尾部は、プラズマも加熱することができ、いくつかの大きな液滴を除いて、ほぼ完全に原子化し、高度にイオン化したプルームをもたらす。大気の存在下では、剥離の間に、例えば酸化のような強い化学反応が期待され、剥離された材料の物理的性質及び化学的性質を変化させることになる。
【0043】
数百フェムト秒から数十ピコ秒までの範囲のパルス持続時間を有する極短パルス状レーザを用い、剥離閾値近くの範囲内におけるレーザフルエンスにおいては、剥離ざれた材料は小さな粒子に崩壊することがある。このような粒子はナノメートルの範囲であることがあり、後述する参考文献1−6に記載されている。結晶化度、化学組成、及び合金組成のようないくつかの元の物理的性質及び化学的性質は、参考文献1−3に記載されているように、維持される。よって、機能的な性質は保持される。機能的な性質のいくつかの例としては、リン光、エレクトロルミネッセンス、及び視覚色彩効果について選択的光吸収及び放出がある。図5に描かれているように、このような性質は、PLDベースの微小堆積及びパターン形成によって実現されることがある。
【0044】
PLDパターン形成に適する高繰り返し率ソースについて多くの可能性が存在する。上述の極短パルス及び様々な構成は、正確で繰り返し可能な材料除去を提供する。しかしながら、いくつかの実施形態において、高繰り返し率のピコ秒又はナノ秒ソースを利用することがある。Qスイッチソースの有効繰り返し率は、出力を分割し再結合することによって、及び/又は複数レーザ出力を結合することによって増加することがあることが知られている。例えば、Qスイッチレーザは、複数レーザ及び/又は分割及び結合によってベース繰り返し率70kHzから100kHzをかなり越えるまで増加することがある。また、半導体レーザダイオードは、ピコ秒又はナノ秒パルスを生成することがあり、ダイオードは、少なくとも数十MHzの超高繰り返し率で変調されることができる。ダイオードの出力は、ファイバ増幅器によって増幅され、ピコ秒又はナノ秒パルスのエネルギーレベルを例えばマイクロジュールの範囲まで増加させることがある。パルスセレクタが、増幅とターゲットへの供給のためにパルスをゲートするために使用されることがある。多くの可能性が存在する。
【0045】
様々な実施形態において、金属ターゲットが剥離され、様々なレーザパラメータが予め選択され、速度及び解像度を制御する。例えば、パルス状レーザ微小堆積パターン形成は、100ns、好ましくは10psより短いパルス幅を用い、少なくとも100kHzまたはこれをかなり超える繰り返し率において実行されることがある。約20μJより低いパルスエネルギーは、約30μmの集光スポット径において少なくとも約2.8J/cmのフルエンスを提供し、様々なパターンを形成するのに適する。フルエンスは、多くの金属の剥離閾値より実質的に大きい。より小さいスポット径も利用されることがある。あるフルエンスについて、必要なエネルギーはスポット面積にしたがい減少するが、ある平均パワーについて繰り返し率につれてポテンシャルの増加が提供され、走査の時間は増加する。様々な実施形態において、材料堆積は、金属ターゲットの剥離閾値に近いフルエンスを用いて実行される。
【0046】
以上のように、発明者は、パルス状レーザ微小堆積及びパターン形成について方法、装置、及び材料を説明してきた。
【0047】
少なくとも一つの実施形態は、パルス状レーザの波長において実質的に透明である材料にパターンを形成するパルス状レーザ堆積の方法を含んでいる。この方法は、パルス状レーザソースからパルス状レーザビームを生成し、パルス状レーザビームをターゲットに集光する。パルス状ビーム及びターゲットの相互作用に応じて、ターゲットは放出体を生成する。この方法は、少なくとも放出体の一部を媒体に累積し、媒体に媒質堆積を形成することを含んでいる。この方法は、材料堆積の厚さを制御し、媒体の領域の光学密度を変化させ、変化する光学密度を有する空間的パターンを形成することを含んでいる。
【0048】
様々な実施形態において、
この方法は、媒体を介してパルス状レーザビームを伝送し、媒体及びターゲットに対してレーザビームを走査し、レーザビーム走査速度及び走査線密度の少なくとも一つを変化させて厚さを制御することを含み、
パターンの少なくとも一部は、直接隣接する周辺部より低い厚さの中央部を有する一次元厚さ輪郭によって特徴付けられ、周辺部の厚さは制御されて光学密度を変化させる。
【0049】
パルス状レーザソースは、約100kHzから100MHz、最大約1GHzの繰り返し率を有する。
【0050】
レーザパルスは、約10フェムト秒から最大約100ナノ秒の範囲にあるパルス持続期間を有する。
【0051】
レーザパルスエネルギーは、約100ナノジュールから約100マイクロジュールの範囲にある。
【0052】
媒体は、ガラス、水晶、サファイア、プラスチックシート、又はポリマーを含む。
【0053】
ターゲットは、金属を含み、金属は、鋼鉄、アルミニウム、銅、金、銀及び/又は白金を含む。
【0054】
ターゲットは、非金属を含み、非金属は、炭素、ケイ素及び/又はポリマーのような有機材料を含む。
【0055】
ターゲットは、光を発する機能材料を含み、機能は、蛍光体発光及びエレクトロルミネッセンスの一つ以上を含む。
【0056】
ターゲットは、カラー印刷に用いる材料を含む。
【0057】
ターゲットは、ターゲット材料から作られた構造を含む。
【0058】
ターゲット材料は、金属であり、金属は、貴金属を含む。
【0059】
ターゲット材料は、誘電体を含み、誘電体は、無機物及び/又は金属酸化物を含む。
【0060】
レーザビーム走査速度は、印刷するパターンのグレイスケールにしたがって変化する。
【0061】
1mm/秒から1m/秒のレーザビーム走査速度が使用され、材料の累積された堆積を生成する。
【0062】
レーザビーム走査線密度は、ミリメートル当たり1から100本の範囲にある。
【0063】
媒体は、ターゲットに接して設置され、ターゲットに100マイクロメートル以内に設置され、又はターゲットに5mm以内に設置される。
【0064】
光学密度は、パターンのデジタル画像の少なくとも3グレーレベルに対応している。
【0065】
ターゲットは、レーザの波長より大きい粗さの表面を有している。
【0066】
パターンは、ビットマップ画像及び/又はベクターグラフィックを含んでいる。
【0067】
識別できる特徴を有するグレイスケール画像は、パターンの周囲の又は制御された照明を用いて取得することができる。
【0068】
媒体は、ソース及びターゲット間に設置され、放出体は、レーザ方向とは逆向きに伝播する。
【0069】
制御は、パルス状ビームを走査し、走査速度を変化させることを含んでいる。
【0070】
制御は、パルス状ビームを走査し、走査の線密度を変化させることを含んでいる。
【0071】
媒体は、ターゲットに対し、パターンの空間解像度を制御できるように位置している。
【0072】
制御は、パルス状ビームをターゲットにわたるラスタ又はベクターパターンの一つ以上で走査することを含んでいる。
【0073】
少なくとも一つのパルス幅は、約100fsから約10psの範囲にある。
【0074】
少なくとも一つの実施形態は、媒体上に光学密度を有するパターンを生成するパルス状レーザ堆積に用いる装置を含み、媒体は、パルス状レーザの波長において実質的に透明である。装置は、パルス状レーザビームを生成する高繰り返し率レーザ、及びビーム供給装置を含んでいる。ビーム供給装置は、パルス状レーザビームをターゲット上に集光するフォーカシング副装置、パルス状ビーム及びターゲットの相互作用に応じて放出体を生成するターゲットを含み、ターゲットは、パルス状ビーム及びターゲットの相互作用に応じて放出体を生成する。放出体の少なくとも一部は、媒体上に累積され、媒体上に材料堆積を形成する。コントローラは、媒体堆積の光学密度を制御するためソース及びビーム供給装置に接続され、媒体の領域の光学密度を変化させている。光学密度が変化している空間パターンが形成される。
【0075】
様々な実施形態において、
供給装置は、ビーム偏向器、及び走査レンズを含むフォーカシング副装置を含む。
【0076】
コントローラは、レーザビーム走査速度及び走査線密度の少なくとも一つを変化させて厚さを制御するように構成される。
【0077】
媒体及びターゲットは、分離を提供するギャップによって隔てられ、ギャップは、大気、又は流れる乾燥空気、又は不活性ガス、例えば窒素又はアルゴンによって満たされることがある。ギャップ内の物理パラメータ、例えば圧力は、制御されることがある。
【0078】
少なくとも一つの実施形態は、パターンが形成された媒体を含む製品を製造する。パターンは、上述のパルス状レーザ堆積方法を用いて形成される。様々な実施形態において、パターンは、デジタル画像において少なくとも3つの検出可能なグレイレベルを有するグレイスケール画像に対応する。
【0079】
少なくとも一つの実施形態は、媒体上にパターンを作成するパルス状レーザ堆積方法を含み、前記媒体は、パルス状レーザの波長において実質的に透明である。この方法は、パルス状レーザソースからパルス状レーザビームを生成し、パルス状レーザをターゲット上に集光することを含んでいる。ターゲットは、パルス状ビーム及びターゲットの相互作用に応じて放出体を生成する。この方法は、媒体上に放出体の少なくとも一部を累積し、媒体上に材料堆積を形成することを含んでいる。堆積した材料は、刺激に応じて放射を発するように動作することができる機能材料を含んでいる。この方法は、材料堆積の厚さを制御し、材料堆積の光学性質を変化させることを含んでいる。
【0080】
様々な実施形態において、機能材料の光学性質は、リン光、エレクトロルミネッセンス、及び視覚色彩効果のための選択的光吸収及び放出を含む。刺激は、例えば短波長放射のような蛍光励起を生じる放射であることがある。
【0081】
よって、ここでは特定の実施形態のみを記載したが、発明の趣旨及び範囲から離れることなく多くの修正がなされることがあることは明らかであろう。さらに、頭字語は、単に明細書及び特許請求の範囲の読み易さを向上させるために使用しました。これらの頭字語は、使用された用語の一般性を横なうことを意図するものではなく、ここで記載した実施形態に対する特許請求の範囲を制限すると解釈されてはならないことに注意されたい。
【0082】
参考文献
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体上にパターンを作成するパルス状レーザ堆積方法であって、前記媒体は、前記パルス状レーザの波長において実質的に透明であり、
パルス状レーザソースからパルス状レーザビームを生成するステップと、
前記パルス状レーザビームをターゲットに集光し、前記ターゲットは、前記パルス状ビーム及び前記ターゲットの相互作用に応じて放出物を生成するステップと、
前記媒体上に前記放出部の少なくとも一部を累積し、前記媒体上に材料堆積を形成するステップと、
前記材料堆積の厚さを制御し、前記媒体の領域の光学密度を変化させ、光学密度が変化する空間パターンを形成するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記媒体を介して前記パルス状レーザを伝送するステップと、
前記レーザビームを前記媒体及びターゲットに対して走査するステップと、
レーザビーム走査速度及び走査線密度の少なくとも一つを変化させ、前記厚さを変化させるステップと
を含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記パターンの少なくとも一部は、一次元厚さ輪郭が、直接隣接する周辺部よりも低い厚さの中央部を有し、前記周辺部の厚さは前記光学密度が変化するように制御されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記パルス状レーザソースは、約100kHzから1GHzの繰り返し率を有する請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記レーザパルスは、約10フェムト秒から約100ナノ秒の範囲にあるパルス持続期間を有する請求項1記載の方法。
【請求項6】
レーザパルスエネルギーは、約100ナノジュールから約100マイクロジュールの範囲にある請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記媒体は、ガラス、水晶、サファイア、又はポリマーを含む請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記ターゲットは、金属を含む請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記金属は、鋼鉄、アルミニウム、銅、金、銀、又は白金を含む請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記ターゲットは、非金属を含む請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記非金属は、炭素、ケイ素、又はポリマーを含む請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記ターゲットは、光を放出する機能材料を含み、前記機能は、蛍光発光又はエレクトロルミネッセンスの一つ以上を含む請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記ターゲットは、カラー印刷に用いる材料を含む請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記ターゲットは、ターゲット材料から作られた構造を含む請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記ターゲット材料は、金属である請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記金属は、貴金属を含む請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記ターゲット材料は、誘電体を含む請求項14記載の方法。
【請求項18】
前記誘電体は、無機物及び金属酸化物の少なくとも一つを含む請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記レーザビーム走査速度は、印刷されるパターンのグレイスケールにしたがい変化する請求項2記載の方法。
【請求項20】
前記レーザビーム走査速度は、約1mm/秒から約1m/秒の範囲にあり、物質の累積した堆積を生成するために利用される請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記レーザビーム走査線密度は、ミリメータ当たり1から100本の範囲にある請求項2記載の方法。
【請求項22】
前記媒体は、前記ターゲットに接し、又は前記ターゲットから最大約5ミリメートルの距離において設置される請求項1記載の方法。
【請求項23】
前記光学密度は、前記パターンのデジタル画像における少なくとも3グレイレベルに対応する請求項1記載の方法。
【請求項24】
前記ターゲットは、前記レーザの波長より大きい粗さの表面を有する請求項1記載の方法。
【請求項25】
前記パターンは、ビットマップ画像を含む請求項1記載の方法。
【請求項26】
前記パターンは、ベクターグラフィックを含む請求項1記載の方法。
【請求項27】
識別できる特徴を有するグレイスケール画像は、前記パターンの周囲の又は制御された照明を用いて取得することができる請求項1記載の方法。
【請求項28】
前記媒体は、前記ソース及び前記ターゲット間に設置され、前記放出体は、前記レーザ方向とは逆向きに伝播する請求項1記載の方法。
【請求項29】
前記制御は、前記パルス状ビームを走査し、前記走査速度を変化させることを含む請求項1記載の方法。
【請求項30】
前記制御は、前記パルス状ビームを走査し、前記パルス状ビーム走査の線密度を変化させることを含む請求項1記載の方法。
【請求項31】
前記媒体は、前記ターゲットに対して、前記パターンの空間解像度を制御するように設置される請求項1記載の方法。
【請求項32】
前記制御は、前記パルス状ビームを前記ターゲットにわたるラスタ又はベクタパターンの一つ以上によって制御することを含む請求項1記載の方法。
【請求項33】
少なくとも一つのパルス幅は、約100fsから約10psの範囲にある請求項1記載の方法。
【請求項34】
媒体上に光学密度を有するパターンを作成するパルス状レーザ堆積に用いる装置であって、前記媒体は前記パルス状レーザの波長において実質的に透明であり、前記装置は、
パルス状レーザビームを生成する高繰り返し率レーザソースと、
前記パルス状レーザビームをターゲットにフォーカスさせるフォーカシング副装置を含み、前記ターゲットは、前記パルス状レーザ及び前記ターゲットの相互作用に応じて放出体を生成し、前記放出体の少なくとも一部は、前記媒体上に累積し、前記媒体上に材料堆積を形成する、ビーム供給装置と、
前記材料堆積の厚さを制御するために前記ソース及び前記ビーム供給装置に接続され、前記媒体の領域の光学密度を変化させ、変化する光学密度を有する空間パターンを形成するコントローラと
を含む装置。
【請求項35】
前記供給装置は、ビーム偏向器を含み、前記フォーカシング副装置は走査レンズを含む請求項34記載の装置。
【請求項36】
前記コントローラは、レーザビーム操作速度及び走査線密度の少なくとも一つを変化させ、前記厚さを制御するように構成された請求項34記載の装置。
【請求項37】
前記媒体及び前記ターゲットは、分離を提供するギャップによって隔てられ、前記ギャップは、大気、流れる乾燥空気又は不活性ガスを含むように構成された請求項34記載の装置。
【請求項38】
表面にパターンが形成された媒体であって、前記パターンは請求項1のパルス状レーザ堆積方法によって形成された媒体。
【請求項39】
前記パターンは、デジタル画像における少なくとも三つの検出可能なグレイレベルに対応する請求項38記載の媒体。
【請求項40】
媒体上にパターンを形成するパルス状レーザ堆積方法であって、前記媒体は、前記パルス状レーザの波長において実質的に透明であって、前記方法は、
パルス状レーザソースからパルス状レーザビームを生成するステップと、
前記パルス状レーザビームをターゲットにフォーカスし、前記ターゲットは、前記パルス状ビーム及び前記ターゲットの相互作用に応じて放出体を生成するステップと、
前記放出体の少なくとも一部を前記媒体上に累積して前記媒体上に材料堆積を形成し、前記堆積は、刺激に応じて放射を発するように動作可能な機能材料を含むステップと、
前記材料堆積の厚さを制御して前記材料堆積の光学性質を変化させるステップと
を含む方法。
【請求項41】
前記機能材料の光学性質は、リン光、エレクトロルミネッセンス、及び視覚色彩効果のための選択的光吸収及び放出を含む請求項40記載の方法。
【請求項42】
前記刺激は、入力放射を含む請求項40記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2012−519077(P2012−519077A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552067(P2011−552067)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/024344
【国際公開番号】WO2010/104651
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(593185670)イムラ アメリカ インコーポレイテッド (65)
【Fターム(参考)】