説明

パルボウイルス抗原の細胞表面発現ベクター及び該ベクターによって形質転換された微生物

本発明は、犬パルボウイルス感染症(Canine parvovirus;CPV)及び猫汎白血球減少症(Feline panleukopenia;FLP)を誘発するパルボウイルスのカプシド抗原タンパク質をコードする遺伝子とポリγグルタミン酸の合成酵素複合体をコードする遺伝子pgsB、pgsC、及びpgsAからなる群より選択されるいずれか一つ以上を含むパルボウイルス抗原の表面発現ベクター、前記表面発現ベクターによって形質転換された微生物及び前記微生物を含むパルボウイルスワクチンに関する。本発明によれば、パルボウイルス抗原を表面発現する組換え菌株を用いて犬パルボウイルス感染症及び猫汎白血球減少症の治療用又は予防用ワクチンを経済的に生産することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬パルボウイルス(Canine parvovirus;CPV)感染症及び猫汎白血球減少症(Feline panleukopenia;FLP)を誘発するパルボウイルスのカプシド(capsid)抗原タンパク質を微生物の表面に発現させるベクター、該ベクターによって形質転換された微生物及び、前記形質転換された微生物又はその抽出精製物を含有する犬パルボウイルス感染症及び猫汎白血球減少症の治療用或いは予防用ワクチンに関する。より詳しくは、犬パルボウイルス感染症及び猫汎白血球減少症を誘発するパルボウイルスのカプシド抗原タンパク質をコードする遺伝子と微生物表現発現モチーフ(発現母体)であるポリγグルタミン酸の合成酵素複合体をコードする遺伝子pgsB、pgsC及びpgsAの中でいずれか一つ又は2つ以上を含む表面発現ベクター、前記ベクターによって形質転換された微生物及び、前記形質転換された微生物を有効成分として含むパルボウイルスワクチンに関する。
【背景技術】
【0002】
犬パルボウイルス(canine parvovirus;CPV)感染症は、1978年夏以来、全世界で発生が報告され、これまで犬の下痢症の最も代表的な伝染病であって、子犬において出血性腸炎や、ときには心筋炎を主徴とし、発病率が42%、斃死率が20%に達する伝染病である。かかる犬パルボウイルス(canine parvovirus:CPV)感染症の原因体は、犬パルボウイルスであって、パルボウイルス科(Parvovididae)、パルボウイルス属(Parvovirus)に属し、猫パルボウイルス(Feline parvovirus)の一種に属する。一般に、犬パルボウイルスは、ウイルスの中で最も小さなウイルスの一つであって、粒径は18〜26nmで、エンベロープ(envelope)を持たない単鎖のDNAウイルスである(Siegl et al.,Intervirology,23:61-73,1985)。ウイルスタンパク質は3種のポリペプチドを有している。CPVは活発に育つ細胞だけで増殖され、細胞培養における細胞変性はあまり際立っておらず、核内封入体(Cowdry type A)を形成し、蛍光抗体法による特異抗原検出が可能である。CPVはミンク腸炎ウイルス(mink enteritis virus, MEV)や猫汎白血球減少症ウイルス(feline panleukopenia virus,FLPV)と抗原的に又は遺伝的に極めて似ている(Parrish et al.,Arch.Virol.,72:267-78,1982)。
【0003】
1978年アメリカ、カナダ、オーストリアなどで酷い嘔吐、下痢を伴う白血球減少を示す犬においてパルボウイルスが最初に報告されてから、1980年代世界各国にこの疾病が広がり、特に集団飼育を行う場合は高い陽性率を示す傾向があり、更に伝染力も高い。非汚染地帯へ犬パルボウイルスが侵入する場合、ウイルスの伝染力が強いので、腸炎型は犬の年齢に関係なく発生して高い斃死率を示し、一度広がると全ての犬は抗体陽性を示し、その後疾病発生は移行抗体が消失する子犬(7〜14週齢)に集中する傾向がある。臨床症状は、経口感染5日後重症となり、感受性犬がウイルスに暴露されれば、犬の100%が感染し、約75%が不顕性感染、25%は致死率の高い臨床症状を表す。初期症状としては元気がなく、食欲減退、嘔吐を引き起こし、嘔吐を始めた後24〜48時間に下痢が観察され、引き続いて進行されると脱水、体重減少、水様性及び血液が含まれた下痢が観察される。血清中の抗体は経口感染5日後に測定ができ、7〜8日に最高になる。
【0004】
現在、犬パルボウイルス感染症の診断は、主な臨床症状を指標としており、ウイルスの検出、血清の中和抗体の上昇によって確認する。犬パルボウイルスは血球凝集能を有しており、これを用いて糞便のHA活性やHI抗体が測定によって割合容易に診断できる。また、血中の特異抗体の検出及び感染初期に現われる特徴的なIgM抗体の証明が重要な診断となる。
【0005】
CPVに対する根本的な治療方法はなく、保存的な支持療法だけがある。犬パルボウイルス及び猫汎白血球減少症ウイルスの感染を防ぐための最善の方法はワクチンによる予防である。これまで使用されているパルボウイルス予防用ワクチンは、パルボウイルスを組織で培養した後ホルマリンを用いて強病原性のウイルスを不活化した不活化ワクチンであるか、病原性ウイルスを実験室で数十代に亘って継代培養を行うことで弱毒化したウイルスを用いる。
【0006】
組織培養を用いて犬パルボウイルスを培養すれば、不完全ウイルス(empty particle)が多く生成されるため、高力価ワクチンを生産することが極めて難しい。
【0007】
微生物の細胞表面に所望のタンパク質を取り付けて発現させる技術を細胞表面発現(cell surface display)技術と称する。このような細胞表面発現技術は、バクテリアや酵母などの微生物の表面タンパク質を表面発現モチーフ(surface anchoring motif)として用いて外来タンパク質を表面に発現させる技術であって、組換え生ワクチンの生産、ペプチド/抗体ライブラリー(library)構築及びスクリーニング(screening)、全細胞吸着剤(whole cell absorbent)、全細胞生物転換触媒(bioconversion catalysts)など多様な応用範囲を持っている技術である。この技術は如何なるタンパク質を細胞表面に発現させるかによってその応用範囲が決められ、したがって細胞表面発現技術を用いた産業的応用潜在力は相当大きいと見なされる。
【0008】
細胞表面発現技術に成功するためには、表面発現モチーフが最も重要である。どれほど効果的に外来タンパク質を細胞表面に発現させることができるモチーフを選定し且つ開発するかがこの技術の核心になる。したがって、次のような性質を有する表面発現モチーフを選定しなければならない。第一、外来タンパク質を細胞表面まで送るために細胞内膜を通過するように助ける分泌信号があること、第二、細胞外膜表面に安定に外来タンパク質が取り付けられるように助ける標的信号があること、第三、細胞表面に多量に発現されるが、細胞の成長にほとんど影響を及ぼさないこと、第四、タンパク質のサイズに関係なく外来タンパク質の3次元構造に変わりがないように安定的に発現されることなどである。しかし、上記の条件を全部満足させる表面発現モチーフは未だ開発されていない実状である。
【0009】
これまで知られて使用されてきた表面発現モチーフとしては、細胞外膜タンパク質、リポタンパク質(lipoprotein)、分泌タンパク質(secretory protein)、鞭毛タンパク質のような表面器官タンパク質など、大きく4つに大別される。グラム陰性菌(gram-negative bacteria)の場合、LamB、PhoE(Charbit et al., J. Immunol.,139:1658,1987; Agterberget al.,Vaccine,8:85,1990)、OmpAなどのような細胞外膜に存在するタンパク質を主に利用し、リポタンパク質であるTraT(Felici et al.,J.Mol.Biol.,222:301,1991)、PAL(peptidoglycanassociated lipoprotein)(Fuchs et al.,Bio/Technology,9:1369,1991)、そしてLpp(Francisco et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,489:2713,1992)などがやはり利用され、FimAや1型(type1)繊毛(fimbriae)のFimHアドヘシン(adhesin)のような繊毛タンパク質(Hedegaard et al.,Gene,85:115,1989)、PapA繊毛(pilu)サブユニットのような繊毛(pili)タンパク質などを細胞表面発現モチーフとして用いて外来タンパク質の発現を試みたこともある。その他にも氷核活性タンパク質(ice nucleation protein)(Jung et al.,Nat.Biotechnol.,16:576,1998;Jung et al.,Enzyme Microb.Technol.,22:348,1998;Lee et al.,Nat.Biotechnol.,18:645,2000)、クレブシェラオキシトカ(Klebsiella oxytoca)のプルラナーゼ(pullulanase)(Kornacker et al.,Mol.Microl.,4:1101,1990)、ナイセリア(Neiceria)のIgAプロテアーゼ(Klauser et al.,EMBO J.,9:1991,1990)、大腸菌のアドヘシンであるAIDA−1、赤痢菌(Shigella)のVirGタンパク質、LppとOmpAの融合(fusion)タンパク質などが表面発現モチーフとして使用できると報告されている。グラム陽性菌(gram-positive bacteria)を利用する場合は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)由来のプロテインA及びFnBPBタンパク質を表面発現モチーフとして用いてマラリア抗原を効果的に発現させたという報告があり、乳酸バクテリアの表面コートタンパク質を用いて表面発現に使用したという報告及び、化膿連鎖球菌(Staphylococcus pyogenes)由来のM6タンパク質(Medaglini,D et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,92:6868,1995)、炭疽菌(Bacillus anthracis)のS-layer protein EA1、枯草菌(Bacillus subtilis)CotBなどのグラム陽性菌の表面タンパク質をモチーフとして用いたという報告がある。
【0010】
本発明者は、バチルス属菌株由来のポリγグルタミン酸の合成複合体遺伝子(pgsBCA)を新たな表面発現モチーフとして活用して、外来タンパク質を微生物の表面に効果的に発現させる新しいベクター及び、該ベクターによって形質転換された微生物の表面に外来タンパク質を大量発現させる方法を既に開発した(WO03/14360)。前記の表面発現モチーフを用いて病原体の抗原又は抗原決定基を遺伝工学的方法を用いて量産ができる細菌において安定に発現させようとする研究が多く試みられた。特に非病原性の細菌表面に外来免疫源を発現させて生きている状態で経口投与をする場合、従来の弱毒化した病原性細菌やウイルスを用いたワクチンよりも遥かに持続的で且つ強い免疫反応を誘導できることが報告された。かかる免疫反応誘導は細菌の表面構造物が表面発現された外来タンパク質の抗原性(antigenicity)を増加させるアジュバント(adjuvant)作用をするためであり、生きている状態の菌に対する体内の免疫反応によるものと知られている。このような表面発現システムを用いた非病原性細菌の組換え生ワクチンの開発は注目すべきである。
【0011】
そこで、本発明者はバチルス属菌株由来のポリγグルタミン酸の合成複合体遺伝子(pgsBCA)を表面発現モチーフとして活用して遺伝子及びタンパク質分析によって選定したパルボウイルスの抗原を乳酸菌のような非病原性でありながら、食品安全性の保障された微生物の表面に大量発現して確認し、この微生物をマウスの経口服用及び鼻腔に投与することでパルボウイルスに対する体内血中抗体生成能及び粘膜免疫を誘導させる一層経済的で且つ安定的な予防ワクチンを開発するに至った。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、微生物の表面発現システムを活用してパルボウイルス抗原を発現することができるベクター及び前記ベクターによって形質転換された微生物を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、パルボウイルスの抗原が表面に発現された形質転換された微生物、前記微生物から抽出されたパルボウイルス抗原又は前記微生物から精製されたパルボウイルス抗原を有効成分として含むパルボウイルス予防用ワクチンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するために、本発明は、ポリγグルタミン酸の合成酵素複合体をコードする遺伝子pgsB、pgsC、及びpgsAからなる群より選択されるいずれか一つ以上と、VP2−1、VP2−2、及びVP2からなる群より選択されるパルボウイルスのカプシド(capsid)抗原タンパク質をコードする遺伝子とを含む表面発現ベクターを提供する。
【0015】
本発明において、前記表面発現ベクターは、好ましくは、pHCE2LB:pgsA:VP2−1、pHCE2LB:pgsA:VP2−2又はpHCE2LB:pgsA:VP2である。
【0016】
本発明に適用できる微生物は、生体適用時毒性がないか、或いは弱毒化(attenuated)した微生物であれば、任意の微生物を使用することが可能である。好ましくは、グラム陰性菌として大腸菌、チフス菌、サルモネラタイフィムリウム、ビブリオコレラ、マイコバクテリウムボビス、シゲラなどを、グラム陽性菌としてバチルス、ラクトバチルス、ラクトコッカス、ブドウ球菌、リステリア・モノサイトゲネス及び連鎖球菌などを適宜に選択することができる。乳酸菌のように食用が可能な微生物を選択することが特に望ましい。
【0017】
本発明はまた、パルボウイルスのカプシド抗原タンパク質を微生物表面に発現する前記形質転換された微生物を培養することを含むパルボウイルスのカプシド抗原タンパク質を製造する方法を提供する。
【0018】
更に、本発明は、前記方法によって製造された抗原タンパク質を有効成分として含むパルボウイルス予防用ワクチンを提供する。本発明において、前記抗原タンパク質が表面に発現された微生物そのものを利用するか、前記微生物を破壊し得られた細胞膜成分の粗抽出物を利用するか、前記微生物から精製した抗原タンパク質を利用することが全部可能である。
【0019】
また、本発明は、前記形質転換された乳酸菌を培養してパルボウイルスのカプシド抗原タンパク質を乳酸菌表面に発現することを特徴とするパルボウイルスのカプシド抗原タンパク質を製造する方法を提供する。
【0020】
更に、本発明は、前記方法によって製造され、パルボウイルスのカプシド抗原タンパク質が表面に発現されている乳酸菌を提供する。
【0021】
尚、本発明は、前記乳酸菌、前記乳酸菌から抽出されたカプシド抗原タンパク質又は前記乳酸菌から精製されたカプシド抗原タンパク質を有効成分として含むパルボウイルス予防用ワクチンを提供する。
【0022】
本発明によるワクチンは、パルボウイルスによって誘発されたパルボウイルス感染症の予防用医薬品として利用できる。本発明によるワクチンは、経口用又は食用として摂取でき、皮下又は腹腔に注射するか、鼻腔に投与することもできる。
【0023】
本発明はまた、前記微生物又は前記微生物培養によって得られるパルボウイルスのカプシド抗原タンパク質を有効成分として含むパルボウイルス予防用飼料添加剤及びパルボウイルス予防用製剤を提供する。
【0024】
犬パルボウイルス感染症及び猫汎白血球減少症を誘発するパルボウイルスの感染は、現在まで主に経口感染を通じてなされると知られており、消化器粘膜面(mucosal surface)で起こることと推定されるので、粘膜免疫による感染の防御は極めて重要である。したがって、パルボウイルスの抗原を表面に発現する微生物は、粘膜における抗体形成(粘膜反応:mucosal response)を一層効率よく誘導できるという長所を有しているため、前述の形質転換された微生物そのものを用いた経口用ワクチン或いは鼻腔投与ワクチンが非経口(parenteral)用のワクチンよりもパルボウイルスの防御にもっと効果的であることと期待される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】パルボウイルスの抗原性部位とパルボウイルスのカプシドタンパク質VP2との関係をKyte−Doolittle方法である親水性プロット(hydrophilicity plot)、Jameson−wolf方法である抗原指標(antigenic index)、そしてEmini方法である表面確率プロット(Surface probability plot)を通して分析したものを示す図である。
【図2】図2Aは、本発明によるグラム陰性微生物及びグラム陽性微生物を宿主とする表面発現用転換ベクターpHCE2LB:pgsA:VP2−1の遺伝子地図で、図2Bは、本発明によるpHCE2LB:pgsA:VP2−2の遺伝子地図で、図2Cは、本発明によるpHCE2LB:pgsA:VP2の遺伝子地図である。
【図3】本発明の表面発現転換ベクターpHCE2LB:pgsA:VP2−1及びpHCE2LB:pgsA:VP2−2によってそれぞれ形質転換させた乳酸菌において、pgsAと融合されたカプシドタンパク質VP2−1及びVP2−2のタンパク質発現様相をウエスタンブロットした写真である。レーン1は形質転換されない宿主細胞であるラクトバチルスカセイ菌の全細胞を示し、レーン2はpHCE2LB:pgsA:VP2−1/ラクトバチルスカセイ菌を示し、レーン3はpHCE2LB:pgsA:VP2−2/ラクトバチルスカセイ菌を示す。
【図4】本発明による表面発現転換ベクターpHCE2LB:pgsA:VP2−1及びpHCE2LB:pgsA:VP2−2によってそれぞれ形質転換され、抗原基の表面発現が確認されたラクトバチルスカセイ菌の菌株を経口及び鼻腔にそれぞれ投与したマウスの血清内のCPV VP2−1及びCPV VP2−2抗原に対するIgG抗体価を固相酵素免疫測定法(ELISA法;Enzyme-linked Immunosorbent assay)によって測定した結果を示すグラフである。
【図5】本発明による表面発現転換ベクターpHCE2LB:pgsA:VP2−1及びpHCE2LB:pgsA:VP2−2によってそれぞれ形質転換され、抗原基の表面発現が確認されたラクトバチルスカセイ菌の菌株を経口及び鼻腔にそれぞれ投与したマウスの腸及び気管支、肺胞洗浄液内のCPV VP2−1及びCPV VP2−2抗原に対するIgA抗体価をELISA法によって測定した結果を示すグラフである。Aは経口投与群におけるIgA抗体価を示し、Bは鼻腔投与群におけるIgA抗体価を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を実施例によって一層詳細に説明する。但し、これらの実施例は本発明をより具体的に説明するための例示に過ぎず、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されないことは当該分野における通常の知識を有する者にとって明らかである。
【0027】
特に、下記の実施例ではパルボウイルスのカプシドタンパク質内の抗原性部位の遺伝子及び全ての遺伝子を適用したが、如何なる抗原タンパク質遺伝子を単独に或いは2つ以上を複合的に用いてもよい。
【0028】
また、下記の実施例ではバチルスサブチリスチェングックジャン(Bacillus subtilis var.chungkookjang,KCTC 0697BP)からポリγグルタミン酸の合成に関与する細胞外膜タンパク質の遺伝子pgsBCAを獲得して用いたが、遺伝子はポリγグルタミン酸を生産する全てのバチルス属菌株からpgsBCAを獲得して製造されたベクター又は該ベクターを用いた形質転換された微生物なども本発明の範囲に含まれる。例えば、該バチルスサブチリスチェングックジャンに存在するpgsBCA遺伝子の塩基配列と80%以上の相同性を有する他菌株由来のpgsBCA遺伝子を用いてワクチン用ベクターを製造するか、これを利用することも本発明の範囲に含まれる。
【0029】
また、下記の実施例では遺伝子pgsBCAの中でpgsAのみを活用して表面発現用ベクターを構築したが、遺伝子pgsBCAの全部又は一部のみを用いてワクチン用ベクターを構築することも本発明の範囲に含まれる。
【0030】
また、下記の実施例では、前記ベクターに対する宿主としてグラム陽性菌であるラクトバチルスのみを使用したが、この細菌以外の如何なるグラム陰性菌またはグラム陽性菌も本発明による方法で形質転換させると同一の結果が得られるということも当業者にとっては自明であろう。
【0031】
また、下記の実施例では、ワクチン用ベクターによって形質転換された微生物そのものを生ワクチンとして生体に適用した例だけが提示されている。しかし、ワクチン関連技術分野の知識に鑑みて、前記微生物から粗抽出された発現タンパク質(パルボウイルスの抗原タンパク質)又は精製された発現タンパク質を生体に適用しても同一又は類似した結果が得られることは明らかである。
【0032】
実施例1:犬パルボウイルスのカプシド抗原タンパク質VP2内の抗原性部位の遺伝子選定
犬パルボウイルスのカプシド抗原タンパク質VP2は586アミノ酸から構成された糖タンパク質である。多くの研究がなされている犬パルボウイルスの場合、カプシド抗原タンパク質VP2はウイルス感染を誘導し、感染を防ぐためのワクチンの目的抗原としてその研究が多くなされている。
【0033】
従って、より効果的な抗原性部位を犬パルボウイルスのカプシド抗原タンパク質VP2のタンパク質分析及び構造的分析を通じて抗原性部位を選定した。
【0034】
具体的に、犬パルボウイルスのカプシド抗原タンパク質VP2抗原性部位のタンパク質をKyte−Doolittle方法である親水性プロット(hydrophilicityplot)、Jameson−wolf方法である抗原指標(antigenic index)、そしてEmini方法である表面確率プロット(Surface probability plot)を通して分析した後、犬パルボウイルスの全てのカプシド抗原タンパク質VP2の中でVP2−1及びVP2−2を選定した(図1)。
【0035】
VP2−1は、2番目のアミノ酸から155番目のアミノ酸までの153アミノ酸の長さの部位を選択してCPV VP2−1と命名し、252番目のアミノ酸から522番目のアミノ酸までの270アミノ酸の長さの部位を選択してCPV VP2−2と命名した。
【0036】
実施例2:表面発現用転換ベクターpHCE2LB:pgsA:VP2−1の構築
バチルス属菌株由来のポリγグルタミン酸の合成に関与する細胞外膜タンパク質の遺伝子(pgsBCA)のうちpgsAを用いてグラム陰性微生物及びグラム陽性微生物を宿主として犬パルボウイルスのカプシド抗原タンパク質VP2内の抗原性部位破片であるVP2−1を表面発現することができるベクターpHCE2LB:pgsA:VP2−1を構築した。
【0037】
まず、韓国内の動物病院において犬パルボウイルス感染症にかかっていると疑われる犬の下痢糞便を採取してウイルスを分離した後、ウイルスDNAを抽出した。グラム陰性微生物及びグラム陽性微生物を宿主とする表面発現用ベクター[グラム陰性及びグラム陽性汎用ベクターであるpATに常時的高発現プロモーターであるHCEプロモーター、ポリγグルタミン酸の合成に関与する細胞外膜タンパク質の遺伝子(pgsBCA)のうちpgsAそしてHPV L1を含む転換ベクター、KCTC 10349BP]にCPVのVP2−1をコードする遺伝子を導入するために犬から分離した犬パルボウイルス遺伝子を鋳型として使用し、CPV VP2−1をコードする遺伝子由来配列番号1(5’-cgc gga tccagt gat gga gca gtt caa-3’)及び配列番号2(5’-ccc aag cttaag ctt aaacat taa aaa ttt ctt-3’)の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いたPCRを遂行した。その結果、増幅された遺伝子部位のサイズは459bpであった。
【0038】
前記配列番号1及び配列番号2のプライマーは、表面発現用ベクターpHCE2LB:pgsA−HPVL1(KCTC 10349BP)をBamHIとKpnIで切断してHPVL1遺伝子を除去した表面発現用ベクターpHCE2LB:pgsAに存在する制限酵素BamHIとKpnI認識部位を持つように構成した。前記増幅されたCPV VP2−1抗原遺伝子を制限酵素BamHI及びKpnIで切断して予め準備された表面発現用ベクターpHCE2LB:pgsAのポリγグルタミン酸の合成に関与する細胞外膜タンパク質の遺伝子pgsAのC−末端部位に翻訳コドンを合わせて連結することにより、転換ベクターpHCE2LB:pgsA:VP2−1(図2A)を構築した。
【0039】
前記構築された表面発現用ベクターpHCE2LB:pgsA:VP2−1によってグラム陽性菌であるラクトバチルスを形質転換させた後、ラクトバチルス内のpHCE2LB:pgsA:VP2−1プラスミドの存在を確認した。
【0040】
実施例3:表面発現用転換ベクターpHCE2LB:pgsA:VP2−2の構築
バチルス属菌株由来のポリγグルタミン酸の合成に関与する細胞外膜タンパク質の遺伝子(pgsBCA)のうちpgsAを用いてグラム陰性微生物及びグラム陽性微生物を宿主として犬パルボウイルスのカプシド抗原タンパク質VP2内の抗原性部位破片であるVP2−2を表面発現することができるベクターpHCE2LB:pgsA:VP2−2を構築した。
【0041】
まず、犬パルボウイルスのカプシド抗原タンパク質VP2内の抗原性部位断片であるVP2−2を導入するために前記実施例1で得られた表面発現用ベクターpHCE2LB:pgsA:VP2−1をBamHIとKpnIで切断してVP2−1遺伝子を除去し、pHCE2LB:pgsA表面発現用ベクターを準備した。
【0042】
CPV VP2−2をコードする遺伝子を導入するために犬から分離した犬パルボウイルス遺伝子を鋳型として用い、CPV VP2−2をコードする遺伝子由来配列番号3(5’−cgc gga tcc cca gtacac tta ctaaga-3’)及び配列番号4(5’−ccc aag ctt ggtacc tta aat tct tga cat att-3’)の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いたPCRを遂行した。その結果、増幅された遺伝子部位のサイズは810bpであった。
【0043】
前記増幅されたCPV VP2−2抗原遺伝子を制限酵素BamHIとKpnIで切断して予め準備された表面発現用ベクターpHCE2LB:pgsAのポリγグルタミン酸の合成に関与する細胞外膜タンパク質の遺伝子pgsAのC−末端部位に翻訳開始コドンを合わせて連結することにより、転換ベクターpHCE2LB:pgsA:VP2−2(図2B)を構築した。
【0044】
前記構築された表面発現用ベクターpHCE2LB:pgsA:VP2−2によってグラム陽性菌であるラクトバチルスを形質転換させた後、ラクトバチルス内のpHCE2LB:pgsA:VP2−2プラスミドの存在を確認した。
【0045】
実施例4:表面発現用転換ベクターpHCE2LB:pgsA−VP2の構築
バチルス属菌株由来のポリγグルタミン酸の合成に関与する細胞外膜タンパク質の遺伝子(pgsBCA)のうちpgsAを用いてグラム陰性微生物及びグラム陽性微生物を宿主として犬パルボウイルスのカプシド抗原タンパク質VP2全体を表面発現することができるベクターpHCE2LB:pgsA−VP2を構築した。
【0046】
まず、犬パルボウイルスのカプシド抗原タンパク質VP2を導入するために前記実施例1で構築された表面発現用ベクターpHCE2LB:pgsA:VP2−1をBamHIとKpnIで切断してVP2−1遺伝子を除去し、pHCE2LB:pgsA表面発現用ベクターを準備した。
【0047】
CPVのVP2をコードする遺伝子を導入するために犬から分離した犬パルボウイルス遺伝子を鋳型として使用し、CPV VP2をコードする遺伝子配列番号1(5'−cgc gga tcc agt gat ggagca gtt caa-3’)及び配列番号4(5'−ccc aag cttggt acc tta aat tct tgacat att-3’)の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いてPCRを遂行した。その結果増幅された遺伝子部位のサイズは1563BPであった。
【0048】
前記増幅されたCPV VP2抗原遺伝子を制限酵素BamHIとKpnIで切断して予め準備された表面発現用ベクターpHCE2LB:pgsAのポリγグルタミン酸の合成に関与する細胞外膜タンパク質の遺伝子pgsAのC−末端部位に翻訳コドンを合わせて連結することにより、転換ベクターpHCE2LB:pgsA−VP2(図2C)を構築した。
【0049】
前記表面発現用ベクターによって大腸菌を形質転換し、pHCE2LB:pgsA−VP2含有大腸菌を韓国生命工学研究院遺伝子銀行(KCTC、大田広域市儒城区魚隱洞52所在)にKCTC10590BPの受託番号(2004年1月31日付)で寄託した。
【0050】
前記構築された表面発現用ベクターpHCE2LB:pgsA−VP2によってグラム陽性菌であるラクトバチルスを形質転換させた後、ラクトバチルスのpHCE2LB:pgsA−VP2プラスミドの存在を確認した。
【0051】
実施例5:pgsAと融合されたCPV VP2−1及びCPV VP2−2の表面発現
前記表面発現用ベクターpHCE2LB:pgsA:VP2−1及びpHCE2LB:pgsA:VP2−2によってそれぞれ形質転換されたラクトバチルスを培養し、pgsAと融合されたCPV VP2−1及びCPV VP2−2抗原のタンパク質の発現をそれぞれ調べた(図3参照)。ポリγグルタミン酸を合成する遺伝子pgsAのC−末端と融合されたCPV VP2−1抗原の細菌発現は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動及びpgsAに対する特異抗体を用いたウエスタンブロッティング(western immunoblotting)を行なって確認した。
【0052】
具体的にpHCE2LB:pgsA:VP2−1及びpHCE2LB:pgsA:VP2−2によってそれぞれ形質転換されたラクトバチルスカセイ菌をMRS培地(Lactobacillus MRS、Becton Dickinson and Company Sparks、USA)、37℃で静置培養により、増殖させることで表面発現を誘導した。
【0053】
発現が誘導されたラクトバチルスカセイ菌を同じ細胞濃度で得たタンパク質で変性させて(denature)試料を準備し、これをSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分析した後、分画されたタンパク質をPVDF(polyvinylidene difluoridemembranes、Bio−Rad)膜に移した。タンパク質が移されたPVDF膜をブロッキング緩衝液(50mMトリス塩酸、5%スキムミルク(skim milk)、pH8.0)で1時間振盪させてブロックした後、pgsAに対するウサギ由来の単クローン1次抗体をブロッキング緩衝液で1000倍希釈して12時間反応させた。反応し終わった膜(membranes)は緩衝液で洗浄し、ビオチンが結合された、ウサギに対する2次抗体をブロッキング緩衝液で1000倍希釈して4時間反応させた。反応し終わった膜は緩衝液で洗浄し、アビジン・ビオチン(avidin−biotin)試薬を1時間反応させた後、再び洗浄した。洗浄された膜に基質液と発色試薬としてHとDAB溶液を添加して発色を行い、HPV L1に対する特異抗体と前記融合タンパク質の間の特異的な結合を確認した(図3)。図3において、レーン1は形質転換されていない宿主細胞であるラクトバチルスカセイ菌の全細胞を示し、レーン2は形質転換されたpHCE2LB:pgsA:VP2−1/ラクトバチルスカセイ菌を示し、レーン3は形質転換されたpHCE2LB:pgsA:VP2−2/ラクトバチルスカセイ菌を示す。
【0054】
図3に示すように、pHCE2LB:pgsA:VP2−1プラスミド及びpHCE2LB:pgsA:VP2−2プラスミドによってそれぞれ約58.6kDaと71.7kDaの融合タンパク質バンドを確認することができた。pgsAが約41.8kDaで、CPV VP2−1タンパク質が約16.8kDaであることから、前記約59kDaを示すバンドはpgsAとCPV VP2−1タンパク質とが融合された融合タンパク質であることがわかり、CPV VP2−2タンパク質が約30kDaであることから、前記約71.7kDaを示すバンドはpgsAとCPV VP2−2タンパク質とが融合された融合タンパク質であることがわかった。
【0055】
実施例6:犬パルボウイルスのカプシド抗原タンパク質が表面発現された乳酸菌のワクチン効果分析
前記実施例3及び実施例4で構築された表面発現用転換ベクターpHCE2LB:pgsA:VP2−1及びpHCE2LB:pgsA:VP2−2でグラム陽性菌であるラクトバチルスカセイ菌をそれぞれ形質転換させ、実施例5の方法で前記抗原をラクトバチルスカセイ菌で表面発現させた後、ポリγグルタミン酸の合成に関与する細胞外膜タンパク質pgsAと融合された犬パルボウイルスのカプシド抗原タンパク質の抗原性をマウスモデルを用いて調査した。
【0056】
4−6週齢のC57BL/6マウス10匹を一つの群にして、CPV VP2−1を発現する乳酸菌、及びCPV VP2−2発現する乳酸菌の混合物の経口投与群、CPV VP2−1を発現する乳酸菌、及びCPV VP2−2発現する乳酸菌の混合物の鼻腔投与群、並びに対照群2群を含めて総4群で実験を行った。対照群としては抗原を発現しない乳酸菌を用いた。
【0057】
具体的に、本発明の表面発現転換ベクターpHCE2LB:pgsA:VP2−1及びpHCE2LB:pgsA:VP2−2によってそれぞれラクトバチルスカセイ菌に形質転換させてそれぞれ同じ細菌濃度になるように獲得した。この得られた細胞を緩衝液(PBS buffer、pH7.4)で数回洗浄し、抗原が表面発現されたラクトバチルス(5×10)を4−6週齢のC57BL/6マウスの口腔に1日おきに5回、次いで1週間後再び1日おきに5回、そして2週間後に再び1日おきに5回投与した。また、抗原が表面発現されたラクトバチルス(1×10)をマウスの鼻腔に1日おきに3回、次いで1週間後再び1日おきに3回、そして2週間後に再び1日おきに3回投与した。
【0058】
それぞれの経口及び鼻腔投与後2週間おきにそれぞれの(1)マウス群の血清を採って血清内のカプシド抗原タンパク質に対するIgG抗体価と、(2)マウスの腸部位を採って腸の内部を洗浄した浮遊液内および気管支と肺胞の内部を洗浄した浮遊液内でのカプシド抗原タンパク質に対するIgA抗体価とをELISA法にて測定した。
【0059】
その結果、pHCE2LB:pgsA:VP2−1及びpHCE2LB:pgsA:VP2−2によってそれぞれ形質転換させたラクトバチルスを単独あるいは混合して投与したC57BL/6マウス群の血清、内腸洗浄液及び気管支肺洗浄液において、犬パルボウイルスのカプシド抗原タンパク質であるVP2−1及びVP2−2抗原の抗原決定基に対するIgG抗体価及びIgA抗体価が、対照群に比べて非常に高く現れることを確認することができた(図4及び図5)。
【0060】
したがって、本発明による犬パルボウイルスのカプシド抗原タンパク質であるVP2−1及びVP2−2抗原タンパク質の抗原決定基が表面発現された微生物は、経口用粘膜ワクチンとして効果的に作用することができるということが分かった。
【0061】
以上、本発明の内容の特定部分について詳述したが、当業界における通常の知識を有する者にとって、このような具体的な記述は単なる好適な実施例に過ぎず、これにより本発明の範囲が制限されないということは明らかである。よって、本発明の実質的な範囲は、特許請求の範囲とその等価物により定義されるべきである。本発明の単純な変形ないし変更は、当該分野で通常の知識を有する者により容易に利用することができ、このような変形や変更は全て本発明の領域に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上詳述したように、本発明によるパルボウイルスの抗原タンパク質を表面発現する形質転換微生物及び前記微生物から抽出精製された抗原タンパク質はパルボウイルスの予防用ワクチンとして活用することができる。特に、本発明のパルボウイルス抗原を発現する組換え菌株は経口及び鼻腔用粘膜ワクチンを経済的に生産することができるとう長所を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリγグルタミン酸の合成酵素複合体をコードする遺伝子pgsB、pgsC、及びpgsAからなる群より選択されるいずれか一つ以上と、VP2−1、VP2−2、及びVP2からなる群より選択されるパルボウイルスのカプシド(capsid)抗原タンパク質をコードする遺伝子とを含む表面発現ベクター。
【請求項2】
前記表面発現ベクターは、pHCE2LB:pgsA:VP2−1、pHCE2LB:pgsA:VP2−2又はpHCE2LB:pgsA:VP2であることを特徴とする請求項1に記載の発現ベクター。
【請求項3】
請求項1または請求項2の発現ベクターで形質転換された微生物。
【請求項4】
前記微生物は大腸菌、チフス菌、サルモネラタイフィムリウム、ビブリオコレラ、マイコバクテリウムボビス、シゲラ、バチルス、乳酸菌、ブドウ球菌、リステリア・モノサイトゲネス及び連鎖球菌からなる群より選択されることを特徴とする請求項3に記載の形質転換された微生物。
【請求項5】
前記微生物は乳酸菌であることを特徴とする請求項4に記載の形質転換された微生物。
【請求項6】
請求項3の微生物を培養してパルボウイルスのカプシド抗原タンパク質を微生物の表面に発現することを特徴とするパルボウイルスのカプシド抗原タンパク質を製造する方法。
【請求項7】
請求項6の方法によって製造された抗原タンパク質を有効成分として含むパルボウイルス予防用ワクチン。
【請求項8】
前記抗原タンパク質は微生物の表面に発現された形態であるか、粗抽出された形態または精製された形態であることを特徴とする請求項7に記載のワクチン。
【請求項9】
経口用又は食用として摂取できることを特徴とする請求項7に記載のワクチン。
【請求項10】
皮下又は腹腔への注射用であることを特徴とする請求項7に記載のワクチン。
【請求項11】
鼻腔への投与用であることを特徴とする請求項7に記載のワクチン。
【請求項12】
犬パルボウイルス感染症及び猫汎白血球減少症の予防用であることを特徴とする請求項7に記載のワクチン。
【請求項13】
請求項5の乳酸菌を培養してパルボウイルスのカプシド抗原タンパク質を乳酸菌表面に発現することを特徴とするパルボウイルスのカプシド抗原タンパク質を製造する方法。
【請求項14】
請求項13の方法によって製造され、パルボウイルスのカプシド抗原タンパク質が表面に発現されている乳酸菌。
【請求項15】
請求項14の乳酸菌及び前記乳酸菌から抽出されたカプシド抗原タンパク質又は前記乳酸菌から精製されたカプシド抗原タンパク質を有効成分として含むパルボウイルス予防用ワクチン。
【請求項16】
経口用又は食用として摂取できることを特徴とする請求項15に記載のワクチン。
【請求項17】
犬パルボウイルス感染症及び猫汎白血球減少症の予防用であることを特徴とする請求項15に記載のワクチン。
【請求項18】
請求項3の微生物又は前記微生物の培養によって得られるパルボウイルスのカプシド抗原タンパク質を有効成分として含むパルボウイルス予防用飼料添加剤。
【請求項19】
請求項14の乳酸菌又は前記乳酸菌の培養によって得られるパルボウイルスのカプシド抗原タンパク質を有効成分として含むパルボウイルス予防用飼料添加剤。
【請求項20】
請求項3の微生物又は前記微生物の培養によって得られるパルボウイルスのカプシド抗原タンパク質を有効成分として含むパルボウイルス予防用製剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−525215(P2007−525215A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−552056(P2006−552056)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【国際出願番号】PCT/KR2005/000356
【国際公開番号】WO2005/075653
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(506010208)バイオリーダーズ コーポレーション (16)
【氏名又は名称原語表記】BIOLEADERS CORPORATION
【出願人】(506268441)エム. ディー. ラブ カンパニー リミテッド (1)
【出願人】(505449520)株式会社 ジェノラック BL (5)
【出願人】(506268430)インバイオ コーポレーション (1)
【出願人】(506010208)バイオリーダーズ コーポレーション (16)
【氏名又は名称原語表記】BIOLEADERS CORPORATION
【Fターム(参考)】