パルボウイルスB19についての診断アッセイ
【課題】ウイルス血症サンプルにおいてパルボウイルスB19を検出するための信頼できる診断試験を開発すること
【解決手段】本願において、ヒトパルボウイルスB19プライマーと、パルボウイルスB19ゲノムの保存領域に由来するプローブとが、開示される。このプライマーを使用する核酸ベースのアッセイ、ならびにこのプローブを使用する核酸ベースのアッセイもまた、本願において開示される。本願において、生物学的サンプルにおけるヒトパルボウイルスB19感染を検出する方法もまた、開示される。本願において、標的ヒトパルボウイルスB19ヌクレオチド配列を増幅するための方法もまた、開示される。
【解決手段】本願において、ヒトパルボウイルスB19プライマーと、パルボウイルスB19ゲノムの保存領域に由来するプローブとが、開示される。このプライマーを使用する核酸ベースのアッセイ、ならびにこのプローブを使用する核酸ベースのアッセイもまた、本願において開示される。本願において、生物学的サンプルにおけるヒトパルボウイルスB19感染を検出する方法もまた、開示される。本願において、標的ヒトパルボウイルスB19ヌクレオチド配列を増幅するための方法もまた、開示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ウイルス診断剤に関する。特に、本発明は、パルボウイルスB19感染を正確に診断するための核酸ベースのアッセイ、ならびにこれらのアッセイにおける使用のためのプライマーおよびプローブに関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
ヒトパルボウイルスB19は、パルボウイルス科、エリスロウイルス属のメンバーであり、約5,600ヌクレオチドの線状一本鎖DNA分子を備える小さな22nm正二十面体非エンベロープウイルスである。そのウイルスゲノムは、3つの主要タンパク質VP1、VP2、およびNS1をコードする。非特許文献1(Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936)および本明細書中の図1を参照のこと。VP1(83kDa)およびVP2(58kDa)は、キャプシドの構造タンパク質である。この2つのタンパク質は、それぞれ、およそヌクレオチド2444〜4789およびおよそ3125〜4789の重複するリーディングフレームにおいてコードされている。VP2は、キャプシドの95%を構成し、大きい方のVP1タンパク質は、キャプシドのたった5%しか構成しない。VP1は、このウイルスの成熟したコンフォメーションに必要とされる。NS1(77kDa)は、非構造タンパク質であり、感染した細胞の核画分中にのみ存在し、そして細胞質および血清中のインタクトなビリオンには存在しない。
【0003】
パルボウイルスB19は、正常な血液ドナーの血清中に最初発見された。パルボウイルスB19は、ヒトにおいて病原性であることが公知であるパルボウイルス科の唯一のメンバーである。このウイルスは、広範な疾患発現と関連がある。ヒトパルボウイルスB19は、通常、子供における無症候性感染または軽度の自己制限感染を引き起こす。成人において、パルボウイルスB19は、発疹、一過性対称性多発性関節炎、および関節炎を引き起こし得る。パルボウイルスB19は、溶血性障害に罹患した患者における内在する一過性無形成発症(TAC)と関係付けられている。慢性B19感染および持続性貧血が、急性白血病に罹患している免疫無防備状態の患者、先天性免疫不全に罹患している免疫無防備状態の患者、AIDSに罹患している免疫無防備状態の患者、骨髄移植後の免疫無防備状態の患者において報告されている。パルボウイルスB19はまた、妊娠している女性における胎児の死亡に関係付けられている。
【0004】
ほとんどの国において、B19ウイルス感染は、一般的には小児期に生じ、約50%の子供が、15歳までに抗B19抗体を有する。B19抗体の普及率は、寿命の間にさらに増加し得、老人において90%を超える値に達する。
【0005】
ヒトパルボウイルスB19感染において、最初のウイルス複製は、気道において生じると考えられる。その後、このウイルスは、骨髄中の細胞を標的とする。これは、102粒子/ml〜1014粒子/mlの間の報告されたウイルス血症を伴う大規模ウイルス複製をもたらし、これは、感染の7〜10日後であるが症状の発症の前に生じる。ウイルス血症の停止は、2〜3カ月間上昇したままである特異的IgM抗体の検出と同時に生じる。抗B19 IgG抗体は、IgM抗体が出現する2〜3日後に検出され、一生持続する。
【0006】
脂質エンベロープの非存在および限定されたDNA含量は、パルボウイルスB19を、物理化学的不活化に対して非常に耐性にする。パルボウイルスB19は、特に高濃度では、血液産物の従来の熱処理に耐え得、そして溶媒界面活性剤処理した第VIII因子調製物ならびに蒸気加熱または乾燥加熱した第VIII因子調製物および第IX調製物の投与を介するB19の伝達が、記載されている。
【0007】
ヒトパルボウイルスB19は、従来の細胞培養物中で増殖され得ず、このことは、実験室での検出およびこのウイルスの単離を非常に困難にする。従って、多年にわたり、抗原の唯一の供給源は、ウイルス血症の患者由来の血清からなった。組換え抗原が、これらの問題を克服するための試みにおいて、血清学的アッセイにおける使用のために生成された。例えば、非特許文献2(SiskおよびBerman,Biotechnology(1987)5:1077〜1080);特許文献1(米国特許第6,204,044号)を参照のこと。免疫酵素的IgM捕捉アッセイが、抗B19IgMを検出するため、ならびに最近のB19感染を診断するために、使用されている。しかし、多数の市販の試験の診断性能は、同質ではない。さらに、IgMベースの診断試験は、感染のウイルス血症段階の間にこのウイルスを検出し得ず、一旦IgM抗体が合成されると、そのIgM抗体は、ウイルス血症の終了後数ヶ月間、循環中に残り得る。
【0008】
正常な集団におけるB19抗体の高普及率は、高ウイルス血症は、通常は、たった一週間の間しか持続しないという事実とともに、血清学ベースの試験の使用を非実用的にする。さらに、免疫無防備状態の患者において、血清化学的診断は、信頼できないかもしれない。
【0009】
核酸ベースのハイブリダイゼーションアッセイ(例えば、ドットブロットおよびインサイチュハイブリダイゼーション)が、B19検出のために使用されている。これらのアッセイは、一般的には、1pg〜0.1pgウイルスDNA(約104〜105ウイルス粒子)の検出限界を有する。PCRは、より高い感度(約100ゲノムコピー)を有する。しかし、DNAハイブリダイゼーション技術は、時間がかかり、そして使用が限定されており、PCRは、多数のサンプルをスクリーニングするために非実用的である。
【0010】
従って、血液誘導体および血漿誘導体を介するかまたは密接な人的接触によるこのウイルスの伝達を妨害するため、ウイルス血症サンプルにおいてパルボウイルスB19を検出するための信頼できる診断試験の開発の必要性が存在したままである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6,204,044号明細書
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936
【非特許文献2】SiskおよびBerman,Biotechnology(1987)5:1077〜1080
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の要旨)
本発明は、核酸ベースのアッセイにおける使用のための独特のプライマーおよびプローブの開発と、感染した可能性がある個体由来の生物学的サンプルにおけるパルボウイルスB19 DNAの検出のための高感度で信頼できる核酸ベースの診断試験の開発とに、基づく。本明細書中に記載される技術は、転写媒介性増幅(TMA)を使用するB19配列のゲノム保存領域の増幅のためのテンプレートとして、ならびに5’ヌクレアーゼアッセイ(例えば、TaqManTM技術)において、抽出したサンプルDNAを利用する。これらの方法は、103ウイルス粒子/ml程度の低いウイルス力価を有するウイルス血症サンプルにおけるB19 DNAの検出を可能にする。従って、感染したサンプルが同定され得、輸血から排除され得、血液誘導体の調製から排除され得る。本明細書中に記載されるプローブおよびプライマーはまた、例えば、標準的ハイブリダイゼーション法、ならびにPCRベースの技術、核酸配列ベースの増幅(NASBA)、ならびに分枝型DNA分子を利用するアッセイにおいて、有用である。
【0014】
従って、1つの実施形態において、本発明は、生物学的サンプルにおけるヒトパルボウイルスB19感染を検出する方法に関する。この方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、上記核酸は、RNA標的配列を含む、工程;
(b)上記単離されたパルボウイルスB19核酸を、第1オリゴヌクレオチドと反応させる工程であって、上記第1オリゴヌクレオチドは、上記RNA標的配列の3’末端部分と複合体を形成するに十分に、上記RNA標的配列の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第1プライマーを含み、上記第1のプライマーは、上記複合体形成配列の5’側に作動可能に連結したDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターをさらに含み、上記反応は、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下で実施される、工程;
(c)上記RNA標的配列をテンプレートとして使用して、上記RNA標的配列と相補的な第1DNAプライマー伸長産物を生じるように、伸長反応において上記第1プライマーを伸長させる工程;
(d)上記RNA標的配列を選択的に分解する酵素を使用して、上記RNA標的配列から上記第1DNAプライマー伸長産物を分離する工程;
(e)上記DNAプライマー伸長産物を、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下にて、第2オリゴヌクレオチドで処理する工程であって、上記第2オリゴヌクレオチドは、上記DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と複合体形成するに十分に、上記DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第2プライマーを含む、工程;
(f)上記第2プライマーの3’末端を、第2DNAプライマー伸長産物を生じ、それにより上記DNA依存性RNAポリメラーゼのテンプレートを生成するように、DNA伸長反応において伸長させる工程;
(g)上記プロモーター配列を認識するDNA依存性RNAポリメラーゼを使用して、上記標的配列の複数のRNAコピーを生成するように上記テンプレートを使用する工程;ならびに
(h)工程(g)のRNAコピーを使用し、上記標的配列を増幅するように工程(b)〜(g)を自己触媒的に反復する工程;
を包含する。
【0015】
特定の実施形態において、この方法は、
(i)工程(h)の産物に、プローブ:標的複合体を形成する上記プローブと上記標的配列とのハイブリダイゼーションを提供する条件下で、標識オリゴヌクレオチドプローブを付加する工程であって、上記オリゴヌクレオチドプローブは、上記標的配列の一部と相補的である、工程;ならびに
(j)上記標的配列の存在または非存在の指標として、標識の存在または非存在を検出する工程;
をさらに包含する。
【0016】
さらなる実施形態において、上記標識はアクリジニウムエステルである。
【0017】
なおさらなる実施形態において、上記方法において使用される第1プライマーおよび第2プライマーならびにプローブは、ヒトパルボウイルスB19ゲノムのVP1領域(例えば、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列)に由来する。
【0018】
別の実施形態において、本発明は、生物学的サンプルにおけるヒトパルボウイルスB19感染を検出する方法に関する。この方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、上記核酸は、RNA標的配列を含む、工程;
(b)上記単離されたパルボウイルスB19核酸を、第1オリゴヌクレオチドと反応させる工程であって、上記第1オリゴヌクレオチドは、上記RNA標的配列の3’末端部分と複合体を形成するに十分に、上記RNA標的配列の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第1プライマーを含み、上記第1のプライマーは、上記複合体形成配列の5’側に作動可能に連結したDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターをさらに含み、上記第1プライマーは、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する配列を含み、上記反応は、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下で実施される、工程;
(c)上記RNA標的配列をテンプレートとして使用して、上記RNA標的配列と相補的な第1DNAプライマー伸長産物を生じるように、伸長反応において上記第1プライマーを伸長させる工程;
(d)上記RNA標的配列を選択的に分解する酵素を使用して、上記RNA標的配列から上記第1DNAプライマー伸長産物を分離する工程;
(e)上記DNAプライマー伸長産物を、第2オリゴヌクレオチドで処理する工程であって、上記第2オリゴヌクレオチドは、上記DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と複合体形成するに十分に、上記DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第2プライマーを含み、上記第2プライマーは、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来し、上記処理は、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下にて実施される、工程;
(f)上記第2プライマーの3’末端を、第2DNAプライマー伸長産物を生じ、それにより上記DNA依存性RNAポリメラーゼのテンプレートを生成するように、DNA伸長反応において伸長させる工程;
(g)上記プロモーター配列を認識するDNA依存性RNAポリメラーゼを使用して、上記標的配列の複数のRNAコピーを生成するように上記テンプレートを使用する工程;ならびに
(h)工程(g)のRNAコピーを使用し、上記標的配列を増幅させるように工程(b)〜(g)を自己触媒的に反復する工程;
(i)工程(h)の産物に、アクリジニウムエステル標識オリゴヌクレオチドプローブを付加する工程であって、上記オリゴヌクレオチドプローブは、上記標的配列の一部と相補的であり、上記プローブは、図2A〜図2Uのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来し、上記プローブは、プローブ:標的複合体を形成する上記プローブと上記標的配列とのハイブリダイゼーションを提供する条件下で付加される、工程;ならびに
(j)上記標的配列の存在または非存在の指標として、標識の存在または非存在を検出する工程;
を包含する。
【0019】
なお別の実施形態において、本発明は、標的パルボウイルスB19ヌクレオチド配列を増幅するための方法に関する。この方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、上記核酸は、RNA標的配列を含む、工程;
(b)上記RNA標的配列とハイブリダイズし得る1つ以上のプライマーを添加する工程であって、上記1つ以上のプライマーは、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する、工程;
(c)上記1つ以上のプライマーに対して3’側に、上記RNA標的配列とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドプローブを付加する工程;
(d)ポリメラーゼを使用して、上記1つ以上のプライマーを伸長させる工程;
を包含する。
【0020】
特定の実施形態において、工程(a)のRNA標的配列は、cDNAを提供するように逆転写される。この方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)または非対称ギャップリガーゼ連鎖反応(RT−AGLCR)を使用して、上記cDNAを増幅させる工程をさらに包含し得る。他の実施形態において、上記ポリメラーゼは、熱安定性ポリメラーゼ(例えば、TaqポリメラーゼまたはVentポリメラーゼであるが、これらに限定されない)である。さらなる実施形態において、上記ポリメラーゼは、E.coli DNAポリメラーゼI、E.coli DNAポリメラーゼIのクレノーフラグメント、またはT4 DNAポリメラーゼである。
【0021】
上記の種々の方法の特定の実施形態において、内部コントロールが、提供される。上記内部コントロールは、図12の配列(配列番号92)に由来し得る。さらなる実施形態において、上記内部コントロールは、配列番号90を含む。
【0022】
さらなる実施形態において、本発明は、生物学的サンプルにおけるヒトパルボウイルスB19感染を検出するための方法に関する。この方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、上記核酸は、標的配列を含む、工程;
(b)上記単離されたパルボウイルスB19核酸を、上記標的配列と十分に相補的でありかつ上記標的配列とハイブリダイズし得る、検出可能に標識されたプローブと反応させる工程であって、上記プローブは、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来し、さらに上記反応は、プローブ/標的配列複合体の形成を提供する条件下で実施される、工程;ならびに
(c)上記標的配列の存在または非存在の指標として、標識の存在または非存在を検出する工程;
を包含する。
【0023】
さらなる実施形態において、本発明は、ポリヌクレオチドに関し、このポリヌクレオチドは、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zに示されるヌクレオチド配列のうちのいずれか1つを含むヌクレオチド配列を含む。
【0024】
さらなる実施形態において、本発明は、上記のようなポリヌクレオチドに関し、上記ヌクレオチド配列は、図2A、図2B、図2C、図2D、図2E、図2F、図2G、図2H、図2I、図2J、図2K、図2L、図2M、図2N、図2O、図2P、図2Q、図2R、図2S、図2T、図2U、図11A、図11B、図11C、図11D、図11E、図11F、図11G、図11H、図11I、図11J、図11K、図11L、図11M、図11N、図11O、図11P、図11Q、図11R、図11S、図11T、図11U、図11V、図11W、図11X、図11Yまたは図11Zに示されるヌクレオチド配列からなる。
【0025】
なおさらなる実施形態において、本発明は、図3A〜図3Cまたは4A〜図4Cに示されるヌクレオチド配列のうちのいずれか1つを含むヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチドに関する。
【0026】
さらなる実施形態において、本発明は、上記のようなポリヌクレオチドに関し、上記ヌクレオチド配列は、図3A〜図3Cまたは図4A〜図4Cに示されるヌクレオチド配列からなる。
【0027】
別の実施形態において、本発明は、約10ヌクレオチド〜約75ヌクレオチドのヒトパルボウイルスB19特異的複合体形成配列と作動可能に連結した、DNA依存性RNAポリメラーゼにより認識されるプロモーター領域からなる、オリゴヌクレオチドプライマーに関する。特定の実施形態において、上記プロモーター領域はT7プロモーターであり、上記ポリメラーゼはT7 RNAポリメラーゼである。さらに、上記ヒトパルボウイルスB19特異的配列は、ヒトパルボウイルスB19ゲノムのVP1領域(例えば、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列)に由来し得る。
【0028】
なおさらなる実施形態において、本発明は、約10ヌクレオチド〜約75ヌクレオチドのヒトパルボウイルスB19特異的複合体形成配列と作動可能に連結した、T7プロモーターからなる、オリゴヌクレオチドプライマーに関し、上記ヒトパルボウイルスB19特異的複合体形成配列は、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する。
【0029】
別の実施形態において、本発明は、アクリジニウムエステル標識に連結した、約10ヌクレオチド〜約50ヌクレオチドのパルボウイルスB19特異的ハイブリッド形成(hybridizing)配列を含む、オリゴヌクレオチドプローブに関する。特定の実施形態において、上記ヒトパルボウイルスB19特異的ハイブリッド形成配列は、ヒトパルボウイルスB19ゲノムのVP1領域(例えば、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列)に由来する。
【0030】
なおさらなる実施形態において、本発明は、診断試験キットに関し、このキットは、本明細書中に記載の1つ以上のオリゴヌクレオチドプライマーと、該診断試験を実施するための指示書とを備える。特定の実施形態において、上記試験キットは、アクリジニウムエステル標識に連結した、約10ヌクレオチド〜約50ヌクレオチドのパルボウイルスB19特異的ハイブリッド形成配列を含むオリゴヌクレオチドプローブをさらに含む。
【0031】
本発明のこれらの局面および他の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照することによって、明らかになる。
上記目的を達成するために、本発明は、例えば、以下の手段を提供する。
(項目1)
生物学的サンプルにおけるヒトパルボウイルスB19感染を検出する方法であって、
該方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、該核酸は、RNA標的配列を含む、工程;
(b)該単離されたパルボウイルスB19核酸を、第1オリゴヌクレオチドと反応させる工程であって、該第1オリゴヌクレオチドは、該RNA標的配列の3’末端部分と複合体を形成するに十分に、該RNA標的配列の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第1プライマーを含み、該第1のプライマーは、該複合体形成配列の5’側に作動可能に連結したDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターをさらに含み、該反応は、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下で実施される、工程;
(c)該RNA標的配列をテンプレートとして使用して、該RNA標的配列と相補的な第1DNAプライマー伸長産物を生じるように、伸長反応において該第1プライマーを伸長させる工程;
(d)該RNA標的配列を選択的に分解する酵素を使用して、該RNA標的配列から該第1DNAプライマー伸長産物を分離する工程;
(e)該DNAプライマー伸長産物を、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下にて、第2オリゴヌクレオチドで処理する工程であって、該第2オリゴヌクレオチドは、該DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と複合体形成するに十分に、該DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第2プライマーを含む、工程;
(f)該第2プライマーの3’末端を、第2DNAプライマー伸長産物を生じ、それにより該DNA依存性RNAポリメラーゼのテンプレートを生成するように、DNA伸長反応において伸長させる工程;
(g)該プロモーター配列を認識するDNA依存性RNAポリメラーゼを使用して、該標的配列の複数のRNAコピーを生成するように該テンプレートを使用する工程;ならびに
(h)工程(g)のRNAコピーを使用し、該標的配列を増幅させるように工程(b)〜(g)を自己触媒的に反復する工程;
を包含する、方法。
(項目2)
項目1に記載の方法であって、該方法は、
(i)工程(h)の産物に、プローブ:標的複合体を形成する前記プローブと前記標的配列とのハイブリダイゼーションを提供する条件下で、標識オリゴヌクレオチドプローブを付加する工程であって、該オリゴヌクレオチドプローブは、該標的配列の一部と相補的である、工程;ならびに
(j)該標的配列の存在または非存在の指標として、標識の存在または非存在を検出する工程;
をさらに包含する、方法。
(項目3)
項目2に記載の方法であって、前記標識がアクリジニウムエステルである、方法。
(項目4)
項目2に記載の方法であって、前記第1プライマーおよび第2プライマーならびにプローブが、ヒトパルボウイルスB19ゲノムのVP1領域に由来する、方法。
(項目5)
項目4に記載の方法であって、前記第1プライマーおよび第2プライマーならびにプローブが、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する、方法。
(項目6)
項目1に記載の方法であって、工程(b)において内部コントロールを提供する工程をさらに包含する、方法。
(項目7)
項目6に記載の方法であって、前記内部コントロールが、図12の配列(配列番号92)に由来する、方法。
(項目8)
項目6に記載の方法であって、前記内部コントロールが、配列番号90を含む、方法。(項目9)
生物学的サンプルにおけるヒトパルボウイルスB19感染を検出する方法であって、
該方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、該核酸は、RNA標的配列を含む、工程;
(b)該単離されたパルボウイルスB19核酸を、第1オリゴヌクレオチドと反応させる工程であって、該第1オリゴヌクレオチドは、該RNA標的配列の3’末端部分と複合体を形成するに十分に、該RNA標的配列の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第1プライマーを含み、該第1のプライマーは、該複合体形成配列の5’側に作動可能に連結したDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターをさらに含み、該第1プライマーは、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する配列を含み、該反応は、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下で実施される、工程;
(c)該RNA標的配列をテンプレートとして使用して、該RNA標的配列と相補的な第1DNAプライマー伸長産物を生じるように、伸長反応において該第1プライマーを伸長させる工程;
(d)該RNA標的配列を選択的に分解する酵素を使用して、該RNA標的配列から該第1DNAプライマー伸長産物を分離する工程;
(e)該DNAプライマー伸長産物を、第2オリゴヌクレオチドで処理する工程であって、該第2オリゴヌクレオチドは、該DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と複合体形成するに十分に、該DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第2プライマーを含み、該第2プライマーは、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来し、該処理は、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下にて実施される、工程;
(f)該第2プライマーの3’末端を、第2DNAプライマー伸長産物を生じ、それにより該DNA依存性RNAポリメラーゼのテンプレートを生成するように、DNA伸長反応において伸長させる工程;
(g)該プロモーター配列を認識するDNA依存性RNAポリメラーゼを使用して、該標的配列の複数のRNAコピーを生成するように該テンプレートを使用する工程;ならびに
(h)工程(g)のRNAコピーを使用し、該標的配列を増幅させるように工程(b)〜(g)を自己触媒的に反復する工程;
(i)工程(h)の産物に、アクリジニウムエステル標識オリゴヌクレオチドプローブを付加する工程であって、該オリゴヌクレオチドプローブは、該標的配列の一部と相補的であり、該プローブは、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来し、該プローブは、プローブ:標的複合体を形成する該プローブと該標的配列とのハイブリダイゼーションを提供する条件下で付加される、工程;ならびに
(j)該標的配列の存在または非存在の指標として、標識の存在または非存在を検出する工程;
を包含する、方法。
(項目10)
項目9に記載の方法であって、工程(b)において内部コントロールを提供する工程をさらに包含する、方法。
(項目11)
項目10に記載の方法であって、前記内部コントロールが、図12の配列(配列番号92)に由来する、方法。
(項目12)
項目10に記載の方法であって、前記内部コントロールが、配列番号90を含む、方法。
(項目13)
標的パルボウイルスB19ヌクレオチド配列を増幅するための方法であって、
該方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、該核酸は、RNA標的配列を含む、工程;
(b)該RNA標的配列とハイブリダイズし得る1つ以上のプライマーを添加する工程であって、該1つ以上のプライマーは、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する、工程;
(c)該1つ以上のプライマーに対して3’側に、該RNA標的配列とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドプローブを付加する工程;
(d)ポリメラーゼを使用して、該1つ以上のプライマーを伸長させる工程;
を包含する、方法。
(項目14)
項目13に記載の方法であって、工程(a)のRNA標的配列が、cDNAを提供するように逆転写される、方法。
(項目15)
項目14に記載の方法であって、ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)または非対称ギャップリガーゼ連鎖反応(RT−AGLCR)を使用して、前記cDNAを増幅させる工程をさらに包含する、方法。
(項目16)
項目13に記載の方法であって、前記ポリメラーゼが、熱安定性ポリメラーゼである、方法。
(項目17)
項目16に記載の方法であって、前記熱安定性ポリメラーゼが、TaqポリメラーゼまたはVentポリメラーゼである、方法。
(項目18)
項目13に記載の方法であって、前記ポリメラーゼが、E.coli DNAポリメラーゼI、E.coli DNAポリメラーゼIのクレノーフラグメント、またはT4 DNAポリメラーゼである、方法。
(項目19)
項目13に記載の方法であって、工程(b)において内部コントロールを提供する工程をさらに包含する、方法。
(項目20)
項目19に記載の方法であって、前記内部コントロールが、図12の配列(配列番号92)に由来する、方法。
(項目21)
項目19に記載の方法であって、前記内部コントロールが、配列番号90を含む、方法。
(項目22)
ポリヌクレオチドであって、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zに示されるヌクレオチド配列のうちのいずれか1つを含むヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチド。(項目23)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Aに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目24)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Bに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目25)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Cに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目26)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Dに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目27)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Eに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目28)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Fに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目29)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Gに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目30)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Hに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目31)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Iに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目32)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Jに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目33)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Kに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目34)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Lに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目35)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Mに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目36)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Nに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目37)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Oに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目38)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Pに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目39)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Qに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目40)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Rに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目41)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Sに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目42)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Tに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目43)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Uに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目44)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Aに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目45)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Bに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目46)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Cに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目47)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Dに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目48)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Eに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目49)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Fに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目50)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Gに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目51)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Hに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目52)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Iに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目53)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Jに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目54)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Kに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目55)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Lに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目56)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Mに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目57)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Nに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目58)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Oに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目59)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Pに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目60)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Qに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目61)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Rに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目62)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Sに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目63)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Tに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目64)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Uに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目65)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Vに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目66)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Wに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目67)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Xに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目68)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Yに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目69)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Zに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目70)
ポリヌクレオチドであって、図3A〜図3Cまたは4A〜図4Cに示されるヌクレオチド配列のうちのいずれか1つを含むヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチド。
(項目71)
項目70に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図3A〜図3Cに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目72)
項目70に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図4A〜図4Cに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目73)
オリゴヌクレオチドプライマーであって、約10ヌクレオチド〜約75ヌクレオチドのヒトパルボウイルスB19特異的複合体形成配列と作動可能に連結した、DNA依存性RNAポリメラーゼによって認識されるプロモーター領域からなる、オリゴヌクレオチドプライマー。
(項目74)
項目73に記載のオリゴヌクレオチドプライマーであって、前記プロモーター領域がT7プロモーターであり、前記ポリメラーゼがT7 RNAポリメラーゼである、オリゴヌクレオチドプライマー。
(項目75)
項目73に記載のオリゴヌクレオチドプライマーであって、前記ヒトパルボウイルスB19特異的配列が、ヒトパルボウイルスB19ゲノムのVP1領域に由来する、オリゴヌクレオチドプライマー。
(項目76)
項目75に記載のオリゴヌクレオチドプライマーであって、前記ヒトパルボウイルスB19特異的配列が、図2A〜2Uのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する、オリゴヌクレオチドプライマー。
(項目77)
オリゴヌクレオチドプライマーであって、約10ヌクレオチド〜約75ヌクレオチドのヒトパルボウイルスB19特異的複合体形成配列と作動可能に連結した、T7プロモーターからなり、該ヒトパルボウイルスB19特異的複合体形成配列は、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する、オリゴヌクレオチドプライマー。
(項目78)
アクリジニウムエステル標識に連結した、約10ヌクレオチド〜約50ヌクレオチドのパルボウイルスB19特異的ハイブリッド形成配列を含む、オリゴヌクレオチドプローブ。
(項目79)
項目78に記載のオリゴヌクレオチドプローブであって、前記ヒトパルボウイルスB19特異的ハイブリッド形成配列が、ヒトパルボウイルスB19ゲノムのVP1領域に由来する、オリゴヌクレオチドプローブ。
(項目80)
項目79に記載のオリゴヌクレオチドプローブであって、前記ヒトパルボウイルスB19特異的ハイブリッド形成配列が、図2A〜2Uまたは図11A〜図11Zのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する、オリゴヌクレオチドプローブ。
(項目81)
診断試験キットであって、項目73に記載のオリゴヌクレオチドプライマーと、該診断試験を実施するための指示書とを備える、キット。
(項目82)
項目81に記載の診断試験キットであって、アクリジニウムエステル標識に連結した、約10ヌクレオチド〜約50ヌクレオチドのパルボウイルスB19特異的ハイブリッド形成配列を含むオリゴヌクレオチドプローブをさらに含む、キット。
(項目83)
生物学的サンプルにおけるヒトパルボウイルスB19感染を検出するための方法であって、
該方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、該核酸は、標的配列を含む、工程;
(b)該単離されたパルボウイルスB19核酸を、該標的配列と十分に相補的でありかつ該標的配列とハイブリダイズし得る、検出可能に標識されたプローブと反応させる工程であって、該プローブは、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来し、さらに該反応は、プローブ/標的配列複合体の形成を提供する条件下で実施される、工程;ならびに
(c)該標的配列の存在または非存在の指標として、標識の存在または非存在を検出する工程;
を包含する、方法。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、ヒトパルボウイルスB19ゲノムの図示であり、このウイルスの種々のコード領域を示す。3つのPCRフラグメントが示される。1つは約700bpを有し、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する;1つは、この700bpフラグメント内の約370bpを有し、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置3073〜3442に対応する;そして1つは、約214bpを有し、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置4728〜4941に対応する。
【図2A】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2A(配列番号1)は、単離株CH47−26由来の対応する配列である;
【図2B】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2B(配列番号2)は、単離株CH48−29由来の対応する配列である;
【図2C】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2C(配列番号3)は、単離株CH33−2由来の対応する配列である;
【図2D】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2D(配列番号4)は、単離株CH33−3由来の対応する配列である;
【図2E】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2E(配列番号5)は、単離株CH33−4由来の対応する配列である;
【図2F】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2F(配列番号6)は、単離株CH42−7由来の対応する配列である;
【図2G】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2G(配列番号7)は、単離株CH42−18由来の対応する配列である;
【図2H】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2H(配列番号8)は、単離株CH42−19由来の対応する配列である;
【図2I】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2I(配列番号9)は、単離株CH46−23由来の対応する配列である;
【図2J】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2J(配列番号10)は、単離株CH1−1由来の対応する配列である;
【図2K】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2K(配列番号11)は、単離株CH1−6由来の対応する配列である;
【図2L】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2L(配列番号12)は、単離株CH2−8由来の対応する配列である;
【図2M】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2M(配列番号13)は、単離株CH2−10由来の対応する配列である;
【図2N】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2N(配列番号14)は、単離株CH2−11C由来の対応する配列である;
【図2O】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2O(配列番号15)は、単離株CH5−13由来の対応する配列である;
【図2P】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2P(配列番号16)は、単離株CH7−22由来の対応する配列である;
【図2Q】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2Q(配列番号17)は、単離株CH13−27由来の対応する配列である;
【図2R】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2R(配列番号18)は、単離株CH14−33由来の対応する配列である;
【図2S】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2S(配列番号19)は、単離株CH62−2由来の対応する配列である;
【図2T】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2T(配列番号20)は、単離株CH64−2由来の対応する配列である;
【図2U】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2U(配列番号21)は、単離株CH67−2由来の対応する配列である。
【図3A】図3A〜図3C(配列番号22)は、パルボウイルスB19クローン2−B1由来の図1に示される約4.7kbp PCRフラグメントの配列を示す。この配列は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるヌクレオチド位置217〜4893に対応する4677ヌクレオチドフラグメントである。示される配列は、NS1、VP1、およびVP2をコードするパルボウイルスB19全長オープンリーディングフレーム+さらなる5’非翻訳配列および3’非翻訳配列を含む。
【図3B】図3A〜図3C(配列番号22)は、パルボウイルスB19クローン2−B1由来の図1に示される約4.7kbp PCRフラグメントの配列を示す。この配列は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるヌクレオチド位置217〜4893に対応する4677ヌクレオチドフラグメントである。示される配列は、NS1、VP1、およびVP2をコードするパルボウイルスB19全長オープンリーディングフレーム+さらなる5’非翻訳配列および3’非翻訳配列を含む。
【図3C】図3A〜図3C(配列番号22)は、パルボウイルスB19クローン2−B1由来の図1に示される約4.7kbp PCRフラグメントの配列を示す。この配列は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるヌクレオチド位置217〜4893に対応する4677ヌクレオチドフラグメントである。示される配列は、NS1、VP1、およびVP2をコードするパルボウイルスB19全長オープンリーディングフレーム+さらなる5’非翻訳配列および3’非翻訳配列を含む。
【図4A】図4A〜図4C(配列番号23)は、パルボウイルスB19クローン2−B6由来の図1に示される約4.7kbp PCRフラグメントの配列を示す。この配列は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるヌクレオチド位置217〜4893に対応する4677ヌクレオチドフラグメントである。示される配列は、NS1、VP1、およびVP2をコードするパルボウイルスB19全長オープンリーディングフレーム+さらなる5’非翻訳配列および3’非翻訳配列を含む。
【図4B】図4A〜図4C(配列番号23)は、パルボウイルスB19クローン2−B6由来の図1に示される約4.7kbp PCRフラグメントの配列を示す。この配列は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるヌクレオチド位置217〜4893に対応する4677ヌクレオチドフラグメントである。示される配列は、NS1、VP1、およびVP2をコードするパルボウイルスB19全長オープンリーディングフレーム+さらなる5’非翻訳配列および3’非翻訳配列を含む。
【図4C】図4A〜図4C(配列番号23)は、パルボウイルスB19クローン2−B6由来の図1に示される約4.7kbp PCRフラグメントの配列を示す。この配列は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるヌクレオチド位置217〜4893に対応する4677ヌクレオチドフラグメントである。示される配列は、NS1、VP1、およびVP2をコードするパルボウイルスB19全長オープンリーディングフレーム+さらなる5’非翻訳配列および3’非翻訳配列を含む。
【図5】図5A(配列番号24)および図5B(配列番号25)は、パルボウイルスB19クローン2−B1由来の、それぞれ、NS1ヌクレオチド配列およびNS1タンパク質配列を示す。
【図6】図6A(配列番号26)および図6B(配列番号27)は、パルボウイルスB19クローン2−B1由来の、それぞれ、VP1ヌクレオチド配列およびVP1タンパク質配列を示す。
【図7】図7A(配列番号28)および図7B(配列番号29)は、パルボウイルスB19クローン2−B1由来の、それぞれ、VP2ヌクレオチド配列およびVP2タンパク質配列を示す。
【図8】図8A(配列番号30)および図8B(配列番号31)は、パルボウイルスB19クローン2−B6由来の、それぞれ、NS1ヌクレオチド配列およびNS1タンパク質配列を示す。
【図9】図9A(配列番号32)および図9B(配列番号33)は、パルボウイルスB19クローン2−B6由来の、それぞれ、VP1ヌクレオチド配列およびVP1タンパク質配列を示す。
【図10】図10A(配列番号34)および図10B(配列番号35)は、パルボウイルスB19クローン2−B6由来の、それぞれ、VP2ヌクレオチド配列およびVP2タンパク質配列を示す。
【図11A】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11A(配列番号62)は、単離株CH80−1由来の対応する配列である;
【図11B】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11B(配列番号63)は、単離株CH81−3由来の対応する配列である;
【図11C】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11C(配列番号64)は、単離株B19SCL1−4由来の対応する配列である;
【図11D】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11D(配列番号65)は、単離株B19SCL2−1由来の対応する配列である;
【図11E】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11E(配列番号66)は、単離株B19SCL3−1由来の対応する配列である;
【図11F】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11F(配列番号67)は、単離株B19SCL4−3由来の対応する配列である;
【図11G】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11G(配列番号68)は、単離株B19SCL5−2由来の対応する配列である;
【図11H】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11H(配列番号69)は、単離株B19SCL6−2由来の対応する配列である;
【図11I】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11I(配列番号70)は、単離株B19SCL7−3由来の対応する配列である;
【図11J】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11J(配列番号71)は、単離株B19SCL8−2由来の対応する配列である;
【図11K】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11K(配列番号72)は、単離株B19SCL9−1由来の対応する配列である;
【図11L】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11L(配列番号73)は、単離株B19SCL9−9由来の対応する配列である;
【図11M】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11M(配列番号74)は、単離株B19SCL10−2由来の対応する配列である;
【図11N】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11N(配列番号75)は、単離株B19SCL11−1由来の対応する配列である;
【図11O】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11O(配列番号76)は、単離株B19SCL12−1由来の対応する配列である;
【図11P】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11P(配列番号77)は、単離株B19SCL13−3由来の対応する配列である;
【図11Q】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11Q(配列番号78)は、単離株B19SCL14−1由来の対応する配列である;
【図11R】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11R(配列番号79)は、単離株B19SCL15−3由来の対応する配列である;
【図11S】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11S(配列番号80)は、単離株B19SCL16−2由来の対応する配列である;
【図11T】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11T(配列番号81)は、単離株B19SCL17−1由来の対応する配列である;
【図11U】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11U(配列番号82)は、単離株B19SCL18−1由来の対応する配列である;
【図11V】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11V(配列番号83)は、単離株B19SCL19−1由来の対応する配列である;
【図11W】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11W(配列番号84)は、単離株B19SCL20−3由来の対応する配列である;
【図11X】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11X(配列番号85)は、単離株B19SCL21−3由来の対応する配列である;
【図11Y】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11Y(配列番号86)は、単離株B19SCL22−11由来の対応する配列である;
【図11Z】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11Z(配列番号87)は、単離株B19SCL2−14由来の対応する配列である。
【図12】図12(配列番号92)は、標的の捕捉および増幅のために内部コントロール(IC)が誘導され得る、例示的配列を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(発明の詳細な説明)
本発明の実施は、他に示されない限り、当業者の範囲内の従来の化学的方法、生化学的方法、組換えDNA技術およびウイルス学を使用する。このような技術は、文献において完全に例示される。例えば、Fundamental Virology、第2版、I巻およびII巻(B.N.FieldsおよびD.M.Knipe(編));A.L.Lehninger,Biochemistry(Worth Publishers,Inc.,最新版);Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory mannual(第2版、1989);Methods In Enzymology(S.ColowickおよびN.Kaplan(編),Academic Press,Inc.);Oligonucleotide Synthesis(N.Gait(編),1984);A Practical Guide to Molecular Cloning(1984)を参照のこと。
【0034】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、他のように明らかに示さない限り複数の言及を含むことに注意すべきである。従って、例えば、「抗原(an antigen)」の言及は、2つ以上の抗原の混合物などを含む。
【0035】
以下のアミノ酸略語は、全文を通して使用される:
アラニン:Ala(A) アルギニン:Arg(R)
アスパラギン:Asn(N) アスパラギン酸:Asp(D)
システイン:Cys(C) グルタミン:Gln(Q)
グルタミン酸:Glu(E) グリシン:Gly(G)
ヒスチジン:His(H) イソロイシン:Ile(I)
ロイシン:Leu(L) リジン:Lys(K)
メチオニン:Met(M) フェニルアラニン:Phe(F)
プロリン:Pro(P) セリン:Ser(S)
スレオニン:Thr(T) トリプトファン:Trp(W)
チロシン:Tyr(Y) バリン:Val(V)。
【0036】
(I.定義)
本発明の説明において、以下の用語が使用され、そして以下に示されるように規定されることが意図される。
【0037】
用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーをいい、そして生成物の最小の長さに制限されない。従って、ペプチド、オリゴペプチド、ダイマー、マルチマーなどは、この定義の範囲に含まれる。全長タンパク質とそのフラグメントの両方が、定義に含まれる。この用語はまた、ポリペプチドの発現後改変(例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化など)を含む。さらに、本発明の目的について、「ペプチド」は、タンパク質が所望の活性を維持する限り、改変(例えば、ネイティブな配列に対する欠質、添加および置換(一般に、天然で保存される))を含むタンパク質をいう。これらの改変は、部位特異的変異誘発を介するように熟慮され得るか、またはPCR増幅に起因してタンパク質またはエラーを生成する宿主の変異を介するように偶発的であり得る。
【0038】
パルボウイルスB19ポリペプチドは、上記のようなB19ゲノムによってコードされるタンパク質(例えば、非構造タンパク質(NS1およびNS2)、およびウイルスのカプシドを形成するタンパク質(VP1(約781アミノ酸長)またはVP2(約554アミノ酸長))由来のポリペプチドである。代表的なNS1、VP1およびVP2配列は、本明細書中の図5〜10に記載される。ポリペプチドは、物理学的にパルボウイルスB19に誘導される必要はないが、合成的にか、または組み換え的に生成されうる。さらに、ポリペプチドは、任意の種々のパルボウイルスB19株および単離体に由来し得る。多数の保存領域および可変領域は、これらの株と単離体との間で公知であり、そして一般に、例えば、これらの領域に由来するエピトープのアミノ酸配列は、2つの配列がアライメントされる場合に、高い程度の配列相同性(例えば、約30%よりも高く、好ましくは40%よりも高いアミノ酸配列相同性)を有する。従って、例えば、用語「VP1」ポリペプチドは、任意の種々のパルボウイルスB19株および単離体由来のネイティブVP1をいう。多くのパルボウイルスB19株および単離体の上記タンパク質についての完全遺伝型および配列が既知である。例えば、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936;Gallinellaら、J.Virol.Methods(1993)41:203〜211を参照のこと。さらに、これらの領域由来のパルボウイルスB19由来のエピトープもまた、既知である。例えば、米国特許第5,436,127号;および国際公開番号WO91/12269を参照のこと。
【0039】
用語「アナログ」および「ムテイン」は、参照の分子の生物学的に活性な誘導体、またはこのような誘導体のフラグメントをいい、これらは所望の活性(例えば、診断アッセイにおける免疫反応性)を保持する。一般に、用語[アナログ」は、改変が免疫原性の活性を破壊しない限り、ネイティブな分子に関する1つ以上のアミノ酸添加、置換(一般に天然に保存される)および/または欠失を有するネイティブなポリペプチド配列および構造を有する化合物をいう。用語「ムテイン」は、1つ以上のペプチド模倣物(「ペプトイド」)を有するペプチド(例えば、国際公開番号WO91/04282に記載されるペプチド)をいう。好ましくは、アナログまたはムテインは、ネイティブ分子と少なくとも同じ免疫活性を有する。ポリペプチドアナログおよびムテインを作製する方法は、当該分野において公知であり、以下にさらに記載される。
【0040】
特に好ましいアナログとしては、天然で保存する置換(すなわち、その側鎖に関連するアミノ酸のファミリーで起こる置換)が挙げられる。詳細には、アミノ酸は、一般に以下の4つのファミリーに分けられる:(1)酸性−アスパラギン酸およびグルタミン酸;(2)塩基性−リジン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性−アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;および(4)非荷電極性−グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、スレオニン、チロシン。フェニルアラニン、トリプトファン、およびチロシンは、時折芳香族アミノ酸として分類される。例えば、イソロイシンまたはバリンでのロイシンの単離された置換、グルタミン酸でのアスパラギン酸の単離された置換、セリンでのスレオニンの単離された置換、あるいは構造的に関連するアミノ酸でのアミノ酸の類似の保存的置換が、生物学的活性に主な効果を有さないことが当然予測される。例えば、目的のポリペプチドは、分子の所望の機能がインタクトなままである限り、約5〜10までの保存的アミノ酸置換または非保存的アミノ酸置換、あるいは約15〜25までの保存的アミノ酸置換または非保存的アミノ酸置換、あるいは5〜25の間の任意の整数を含みうる。当業者は、目的の分子の領域を用意に決定し得、これらは、当該分野で周知のHopp/WoodsおよびKyte−Doolittleプロットを参照することによって変化に耐え得る。
【0041】
「単離された」によって、ポリペプチドを言及する際、示される分子が生物全体から分離および別にされることが意味され、ここでこの分子は、天然でか、または同じ型の他の生物学的高分子の実質的に非存在下で見出される。ポリヌクレオチドに関する用語「単離された」は、天然で普通に関連する配列;または天然に存在するがそれに関する異種配列を有する配列;または染色体と関係ない分子の全体または一部を欠く核酸分子である。
【0042】
示された配列に「由来する」ポリヌクレオチドまたは示された配列に「特異的な」ポリヌクレオチドは、示されたヌクレオチド配列の領域に対応する(すなわち、同一または相補的である)少なくとも約6ヌクレオチド、好ましくは少なくとも約8ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも約10〜12ヌクレオチド、そしてなおより好ましくは少なくとも約15〜20ヌクレオチドの連続配列を含むポリヌクレオチド配列をいう。誘導されたポリヌクレオチドは、目的のヌクレオチド配列に物理学的に由来する必要はないが、任意の様式で生成され得、これらとしては、化学合成、複製、逆転写または転写が挙げられるがこれらに限定されず、これらは、そのポリヌクレオチドが由来する領域に基づく配列によって提供される情報に基づく。このように、これらは、元のポリヌクレオチドのセンス方向またはアンチセンス方向のいずれかを示し得る。
【0043】
「相同性」は、2つのポリヌクレオチドまたは2つのポリペプチド部分の間の%類似性をいう。2つのDNA、または2つのポリペプチド配列は、配列が、規定された長さの配列にわたって、少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約75%、より好ましくは少なくとも約80%〜85%、好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95%〜98%、配列類似性を示す際に、互いに「実質的に相同性」である。本明細書中で使用される場合、実質的に相同はまた、特定のDNA配列またはポリペプチド配列に対して完全な同一性を示す配列をいう。
【0044】
一般に、「同一性」は、それぞれ2つのポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列の対応する正確なヌクレオチド 対 ヌクレオチドまたはアミノ酸 対アミノ酸をいう。%同一性は、配列を整列することにより2つの分子間の配列情報を直接比較し、2つの整列された配列間の正確な一致数を計数し、より短い配列の長さに分け、そして結果に100を乗算することによって決定され得ること。
【0045】
容易に利用可能なコンピュータプログラムは、相同性および同一性の分析における補助のために使用され得る(例えば、ペプチド分析についてのSmithおよびWaterman Advances in Appl.Math.2:482〜489、1981の局所相同性アルゴリズムに適用する、ALIGN,Dayhoff,M.O.Atlas
of Protein Sequence and Structure M.O.Dayhoff(編),5補遺3:353〜358,National biomedical Research Foundation,Washington,DC)。ヌクレオチド配列相同性を決定するためのプログラムは、Wisconsin Sequence Analysis Package,第8バージョン(Genetics Computer Group,Madison,Wiから入手可能)(例えば、BESTFIT、FASTAおよびGAPプログラム(これらはSmithおよびWatermanのアルゴリズムに基づく))にて利用可能である。これらのプログラムは、製造業者によって推奨される初期パラメーターで容易に利用され、そして上記で参照したWisconsin Sequence Analysis Packageに記載される。例えば、参照配列に対する特定のヌクレオチド配列の%相同性は、6つのヌクレオチド位の初期スコアリングテーブルおよびギャップペナルティーを用いるSmithおよびWatermanの相同性アルゴリズムを用いて決定され得る。
【0046】
本発明の文脈において%相同性を確立する別の方法は、John F.CollinsおよびShane S.Sturrokによって開発され、そしてIntelliGenetics,Inc.(Mountain View,CA)によって寄与されたUniversity of Edinburghによって著作権されたプログラムのMPSRCHパッケージを使用することである。このパッケージの適用から、Smith−Watermanアルゴリズムは、初期パラメーターがスコアリングテーブルについて使用される際(例えば、12のギャップオープンペナルティー、1のギャップ伸長ペナルティー、および6のギャップ)に、用いられ得る。このデータから、「配列相同性」を反映する「一致(match)」値を得た。配列間の%同一性または類似性を計算するための他の適切なプログラムは、一般に当該分野で公知であり、例えば、別のアライメントプログラムとしてはBLASTがあり、初期パラメータと共に使用される。例えば、BLASTNおよびBLASTPは、以下の初期パラメーターを用いて使用され得る:遺伝コード=標準;フィルター=なし;鎖=両方;カットオフ=60;除外=10;マトリクス=BLOSUM62;記載=50配列;ソート=HIGH SCORE;データベース=非重複、GenBank+EMBL+DDBJ+PDB+GenBank CDS翻訳+Swiss
protein+Spupdate+PIR。これらのプログラムの詳細は、以下のインターネットアドレスで見出され得る:http://www.ncbi.nlm.gov/cgi−bin/BLAST。
【0047】
あるいは、相同性は、相同性領域の間で安定な二本鎖を形成する条件下でポリヌクレオチドをハイブリダイゼーションし、続いて一本鎖特異的ヌクレアーゼで消化し、そして消化したフラグメントのサイズを決定することにより決定され得る。実質的に相同性であるDNA配列は、例えば、特定の系について規定されたようなストリンジェントな条件下でサザンハイブリダイゼーション実験にて同定され得る。適切なハイブリダイゼーション条件の規定は、当業者の範囲内である。Sambrookら、(前出);DNA Cloning(前出);Nucleic Acid Hybridization(前出)を参照のこと。
【0048】
「作動可能に連結した」は、記載された化合物は、その所望の機能を実行するように構成されるエレメントのアライメントをいう。従って、核酸配列に作動可能に連結した所定のプロモーターは、転写に影響し得、そしてコード配列の場合において、適切な転写因子などが存在する際にコード配列の発現に影響し得る。プロモーターは、その転写および/または発現に直接作用する限り、核酸配列と連続である必要はない。従って、例えば、翻訳されていないが転写された配列の介在は、転写されたイントロンがあり得るように、プロモーター配列とコード配列との間に存在し得、そしてプロモーター配列はなお、コード配列に「作動可能に連結した」とみなされ得る。
【0049】
核酸分子を説明するために本明細書中で使用される場合、「組換え」は、ゲノム、cDNA、ウイルス、半合成または合成起源のポリヌクレオチドをいい、その起源または操作の点は、天然で関連するポリヌクレオチドの全てまたは一部と関連しない。タンパク質またはポリペプチドに関して使用される場合、用語「組換え」は、組換えポリヌクレオチドの発現によって生成されるポリペプチドを意味する。一般に、目的の遺伝子は、クローン化され、次いで以下にさらに記載されるように形質転換された生物にて発現される。宿主生物は、発現条件下でタンパク質を生成する外来遺伝子を発現する。
【0050】
「制御エレメント」は、それが連結するヌクレオチド配列の転写および/または翻訳におけいて補助するポリヌクレオチド配列をいう。この用語は、プロモーター、転写終結配列、上流調節ドメイン、ポリアデニル化シグナル、非翻訳領域(5’−UTRおよび3’−UTRを含む)を含み、そして適切な場合、リーダー配列およびエンハンサーが挙げられ、これらは宿主細胞におけるコード配列の転写および翻訳のために集団で提供される。
【0051】
本明細書中で使用される場合「プロモーター」は、ポリメラーゼに結合し得、そしてそれに作動可能に連結した下流(3’方向)ヌクレオチド配列の転写を開始し得る調節領域である。本発明の目的のために、プロモーター配列は、上記のバックグラウンドを検出可能なレベルで目的の配列の転写を開始するのに必要な最少数の塩基またはエレメントを含む。ここで、プロモーター配列は、転写開始部位であり、そしてタンパク質結合ドメイン(コンセンサス配列)は、RNAポリメラーゼまたはDNAポリメラーゼの結合を担う。例えば、核酸に結合するシグナルとしてのDNA依存性RNAポリメラーゼ(「トランスクリプターゼ」)によって認識され、そして特定の部位でRNAの転写を開始する核酸配列であり得る。結合について、このようなトランスクリプターゼは、プロモーター配列およびその相補体を含む部分で二本鎖であるDNAを一般に必要とし;鋳型部分(転写される配列)は、二本鎖である必要はない。個々のDNA依存性RNAポリメラーゼは、転写の促進におけるそれらの効率を著しく改変し得る種々の異なるプロモーター配列を認識する。RNAポリメラーゼが、プロモーター配列に結合して転写を開始する場合、プロモーター配列は、転写される配列の一部ではない。従って、これにより生成されたRNA転写産物は含まれない。
【0052】
RNAポリメラーゼまたはDNAポリメラーゼがプロモーター配列に結合し、そして隣接配列を転写する場合、制御配列は、ヌクレオチド配列の「転写を指向する」。
【0053】
「DNA依存性DNAポリメラーゼ」は、DNAテンプレートから相補的DNAコピーを合成する酵素である。例としては、E.coli由来のDNAポリメラーゼIおよびバクテリオファージT7 DNAポリメラーゼがある。全ての既知のDNA依存性DNAポリメラーゼは、合成を開始するための相補的プライマーを必要とする。適切な条件下で、DNA依存性DNAポリメラーゼは、相補的DNAを合成し得る。
【0054】
「DNA依存性RNAポリメラーゼ」または「トランスクリプターゼ」は、プロモーター配列を有する二本鎖DNA分子または部分的二本鎖DNA(通常二本鎖)から複数のRNAコピーを合成する酵素である。RNA分子(「転写産物」)は、プロモーターのすぐ下流の特定の位置で開始して5’から3’方向に合成される。トランスクリプターゼの例は、E.coliならびにバクテリオファージT7、T3およびSP6由来のDNA依存性RNAポリメラーゼである。
【0055】
「RNA依存性DNAポリメラーゼ」または「逆転写酵素」は、RNAテンプレートから相補的DNAコピーを合成する酵素である。全ての既知の逆転写酵素はまた、DNAテンプレートから相補的DNAコピーを作製する能力を有し;従って、これらはRNA依存性DNAポリメラーゼとDNA依存性DNAポリメラーゼの両方である。プライマーは、RNAテンプレートとDNAテンプレートの両方で合成を開始する必要がある。
【0056】
「RNAse H」は、RNA:DNA二重鎖のRNA部分を分解する酵素である。これらの酵素は、エンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼであり得る。大半の逆転写酵素は、そのポリメラーゼ活性に加えてRNAse H活性を通常含む。しかし、RNAse Hの他の供給源は、ポリメラーゼ活性と関連せずには利用不可能である。この分解は、RNA:DNA複合体からのRNAの分離を生じ得る。あるいは、RNAse Hは、種々の位置でRNAを単純に切断し得、その結果RNAの一部は融解するか、または酵素にRNAの一部をほどかせる。
【0057】
用語「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「核酸」および「核酸分子」は、本明細書中で、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのいずれかの任意の長さのポリマー形態のヌクレオチドを含むように使用される。この用語は、分子の一次構造のみをいう。従って、この用語は、三重鎖DNA、二本鎖DNAおよび一本鎖DNA、ならびに三重鎖RNA、二本鎖RNAおよび一本鎖RNAを含む。これはまた、改変(例えば、メチル化および/またはキャッピングによる)、および非改変形態のポリヌクレオチドを含む。より詳細には、用語「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「核酸」、および「核酸分子」は、ポリデオキシリボヌクレオチド(2−デオキシ−D−リボースを含む)、ポリリボヌクレオチド(D−リボースを含む)、任意の他の型のポリヌクレオチド(プリン塩基またはピリミジン塩基のN−グリコシドまたはC−グリコシドである)、および非ヌクレオチド骨格を含む他のポリマー(例えば、ポリアミン(例えば、ペプチド核酸(PNA))およびポリモルホリノ(Anti−Virals,Inc.,Corvallis,OregonからNeugeneとして市販されている)ポリマー、および他の合成配列特異的核酸ポリマーが挙げられるが、ただしこのポリマーは、DNAおよびRNAにて見出されるような塩基対形成および塩基スタッキングを可能にする構造で核塩基を含む。用語「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「核酸」および「核酸分子」の間に意図された方向の長さは存在せず、そしてこれらの用語は、交換可能に使用される。これらの用語は、分子の一次構造のみをいう。従って、これらの用語としては、例えば、3’−デオキシ−2’,5’−DNA,オリゴデオキシリボヌクレオチドN3’P5’ホスホルアミデート、2’−O−アルキル−置換RNA、二本鎖DNAおよび一本鎖DNA、ならびに二本鎖RNAおよび一本鎖RNA、DNA:RNAハイブリッド、およびPNAとDNAまたはRNAとの間のハイブリッドが挙げられ、そして既知の型の改変(例えば、当該分野において公知の標識、メチル化、「キャップ」、アナログでの天然に存在するヌクレオチドの1つ以上の置換、ヌクレオチド間改変(例えば、非荷電の連結での改変(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホルアミデート、カルバメートなど)、陰性に荷電した連結(例えば、ホルホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)、および陽性に荷電した連結(例えば、アミノアルキルホスホルアミデート、アミノアルキルホスホトリエステル))、ペンダント部分を含む改変(例えば、タンパク質(ヌクレアーゼ、トキシン、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジンなどを含む)、インターカレーターを用いた改変(例えば、アクリジン、ソラレンなど)、キレーターを含む改変(例えば、金属、放射活性金属、ホウ素、酸化金属など)、アルキレーターを含む改変、改変された連結を用いた改変(例えば、αアノマー性核酸など)、ならびに非改変形態のポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドが挙げられる。特に、DNAは、デオキシリボ核酸である。
【0058】
本明細書中で使用される場合、用語「標的核酸領域」または「標的核酸」は、増幅されるべき「標的配列」を伴なう核酸を示す。この標的核酸は、一本鎖または二本鎖のいずれかであり得、そして標的配列の一方で他の配列を含み得、これは増幅され得ない。用語「標的配列」は、増幅される標的核酸の特定のヌクレオチド配列をいう。標的配列は、標的分子内に含まれるプローブ−ハイブリダイゼーション領域を含み得、ここでプローブは、所望の条件下で安定なハイブリッドを形成する。「標的核酸」はまた、オリゴヌクレオチドプライマーが複合体化する、複合体配列を含み得、標的配列をテンプレートとして使用して伸長され得る。標的核酸が、初め一本鎖である場合、用語「標的配列」はまた、標的核酸中に存在する場合、「標的配列」に対して配列相補的であるという。「標的核酸」が元々二本鎖である場合、用語「標的配列」は、プラス(+)鎖とマイナス(−)鎖の両方をいう。
【0059】
本明細書中で使用される場合、用語「プライマー」または「オリゴヌクレオチドプライマー」は、プライマー伸長産物の合成が誘導される条件下(すなわち、ヌクレオチドおよびポリマー化誘導剤(例えば、DNAポリメラーゼまたはRNAポリメラーゼ)の存在下、および適切な温度、pH、金属濃度、および塩濃度)に置かれる場合に、相補的DNA鎖の合成を開始するように作用するオリゴヌクレオチドをいう。このプライマーは、増幅の最大効率のために好ましくは一本鎖であるが、あるいは二本鎖でもあり得る。二本鎖である場合、このプライマーは伸長生成物を調製するために使用される前にその鎖を分離するようまず処置される。この変性工程は、代表的に熱によって影響されるが、あるいはアルカリ、続いて中和によって実施され得る。従って、「プライマー」は、テンプレートに相補的であり、水素結合またはテンプレートを用いたハイブリダイゼーションにより複合体化して、ポリメラーゼによる合成の開始のためのプライマー/テンプレート複合体を与え、これはDNA合成のプロセスにてテンプレートにその3’末端で連結した共有結合した塩基の添加によって伸長される。
【0060】
本明細書中で使用される場合、用語「プローブ」または「オリゴヌクレオチドプローブ」は、上記のようにポリヌクレオチドから構成される構造をいい、これらは、標的核酸分析物に存在する核酸配列に相補的である核酸配列を含む。プローブのポリヌクレオチド領域は、DNAおよび/またはRNA、および/または合成ヌクレオチドアナログから構成され得る。「オリゴヌクレオチドプローブ」が、5’ヌクレアーゼアッセイ(例えば、TaqManTM技術)において使用される場合、このプローブは、少なくとも1つの蛍光および少なくとも1つのクエンチャーを含み、これは、任意の増幅された標的オリゴヌクレオチド配列を検出するために反応にて使用されるポリメラーゼの5’エンドヌクレアーゼ活性によって消化される。この文脈において、オリゴヌクレオチドプローブは、その5’末端に隣接した十分な数のホスホジエステル結合を有し、その結果、使用される5’から3’へのヌクレアーゼ活性は、結合したプローブを効果的に分解して蛍光およびクエンチャーを分離し得る。オリゴヌクレオチドプローブが、TMA技術にて使用される場合、これは以下に記載されるように適切に標識される。
【0061】
ハイブリッド形成配列が、安定なハイブリッドを提供するために完全な相補性を有さないことが理解される。多くの状況において、安定なハイブリッドは、約10%よりも少ない塩基がミスマッチする場合に、4つ以上のヌクレオチドのイグノアリングループ(ignoring loop)を形成する。従って、本明細書中で使用される場合、用語「相補的」は、アッセイ条件下でその「相補体」と安定な二本鎖を形成するオリゴヌクレオチドをいい、一般に約90%よりも高い相同性がある。
【0062】
用語「ハイブリダイズ」および「ハイブリダイゼーション」は、ワトソン−クリック塩基対形成を介して複合体を形成するのに十分相補的であるヌクレオチド配列間の複合体の形成をいう。プライマーが標的(テンプレート)と「ハイブリダイズ」する場合、このような複合体(またはハイブリッド)は、例えば、DNA合成を開始するDNAポリメラーゼによって要求されるプライミング機能を与えるのに十分安定である。
【0063】
本明細書中で使用される場合、用語「結合対」は、互いに特異的に結合する第1および第2の分子(例えば、核酸二重鎖を形成し得る相補的ポリヌクレオチド対)をいう。サンプル中の結合対の第2のメンバーに対する結合対の第1のメンバーは、サンプル中の他の成分に対するよりも優れた親和性および特異性で、第2のメンバーに対する第1のメンバーの結合、またはその逆によって確認される。結合対のメンバー間の結合は、代表的に非共有結合である。文脈が明らかに他を示さない限り、用語「親和性分子」および「標的分析物」は、本明細書中でそれぞれ結合対の第1のメンバーおよび第2のメンバーをいうために使用される。
【0064】
用語「特異的結合分子」および「親和性分子」は、本明細書中で交換可能に使用され、そしてサンプル中に存在する検出可能な基質に化学的手段または物理学的手段を介して選択的に結合される分子をいう。「選択的結合」によって、目的の標的に優先的に結合するか、または他の分子よりも高い親和性で結合する分子が意味される。例えば、DNA分子は、実質的に相補的な配列に結合し、そして関連しない配列には結合しない。
【0065】
二本鎖DNAの「融解温度」または「Tm」は、DNAのヘリックス構造の半分が、熱または塩基対間の水素結合の他の解離(例えば、酸処理もしくはアルカリ処理など)に起因して喪失する温度として規定される。DNA分子のTmは、その長さおよびその塩基組成に依存する。GC塩基対がリッチなDNA分子は、大量のAT塩基対を有する分子よりも高いTmを有する。DNAの分離された相補鎖は、温度がTmよりも低い場合に、解離するかまたはアニールして二本鎖DNAを形成する。核酸ハイブリダイゼーションの最も速い速度は、Tmの約25℃より下で生じる。Tmは、以下の関係式を用いて見積もられ得る:Tm=69.3+0.41(GC)%(Marmurら(1962)J.Mol.Biol.5:109〜118)。
【0066】
本明細書中で使用される場合、「生物学的サンプル」は、被験体から単離された組織または流体のサンプルをいい、これらは共通して、被験体によって生成される抗体を含む。このような抗体を含む代表的なサンプルは、当該分野で公知であり、これらとしては、血液、血漿、血清、糞便、尿、骨髄、胆液、髄液、リンパ液、皮膚のサンプル、皮膚の分泌物、気道、腸管、および尿生殖器の道、涙、唾液、乳汁、血球、器官、生検が挙げられるがこれらに限定されず、そしてまたインビトロの細胞培養物構築物のサンプルとしては、培養培地中のおよび組織細胞(例えば、組換え細胞、および細胞成分)の増殖から得た馴化培地が挙げられるがそれに限定されない。
【0067】
本明細書中で使用される場合、用語「標識」および「検出可能な標識」は、検出可能な分子をいい、これらとしては、放射性同位体、蛍光、化学蛍光、発色団、酵素、酵素基質、酵素補因子、酵素インヒビター、発色団、色素、金属イオン、金属ゾル、リガンド(例えば、ビオチン、アビジン、ストレプトアミジン(strepavidin)またはハプテン)などが挙げられるが、これらに限定されない。用語「蛍光」は、基質またはその一部をいい、これらは、検出可能な範囲で蛍光を示し得る。
【0068】
(II.発明を実行する様式)
本発明を詳細に説明する前に、本発明が特定の処方物または当然変化し得るプロセスパラメーターに限定されないことが理解される。本明細書中で使用される専門用語が、本発明の特定の実施形態を説明する目的のみであり、限定を意図しないことが理解される。
【0069】
本明細書中に記載される組成物および方法に類似または等しい多数の組成物および方法が、本発明の実施において使用され得るが、好ましい材料および方法が、本明細書中に記載される。
【0070】
上記のように、本発明は、生物学的サンプルにおけるパルボウイルスB19感染を正確に検出するための新規プライマーおよびプローブおよび診断方法の発見に基づく。これらの方法は、感受性の核酸ベースの検出技術に依存し、これらは、少量のウイルスを含むサンプル中のパルボウイルスB19標的核酸配列の同定を可能にする。
【0071】
特に、本明細書中の発明者らは、診断試験についての所望の標的であるパルボウイルスB19ゲノム内の特徴づけられた領域を有する。これらの領域に由来するプライマーおよびプローブは、生物学的サンプルにおけるパルボウイルスB19感染の検出のために特に有用である。
【0072】
上記のパルボウイルスB19プライマーおよびプローブは、生物学的サンプルにおけるヒトパルボウイルスB19感染の検出のための核酸ベースのアッセイにて使用される。
【0073】
特に、これらのアッセイにおける使用のためのプライマーおよびプローブは、好ましくはShadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936のヌクレオチド217〜4678位に対応するパルボウイルスB19ゲノムの約4.7kbフラグメントに由来する。2つの異なるパルボウイルスB19単離体からのこの領域のヌクレオチド配列は、本明細書中の図3A〜3Cおよび4A〜4Cに記載される。上記で説明されるように、このフラグメントは、NS1、VP1およびVP2コード領域を含む。
【0074】
本アッセイでの使用のために特に好ましいプライマーおよびプローブは、パルボウイルスB19ゲノムの高度に保存された領域から設計されて種々の単離体によって生じるパルボウイルスB19感染の検出を可能にする。本明細書中に記載されるように、パルボウイルスB19ゲノムの高度に保存された領域は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムについて番号づけられたヌクレオチド2936〜3635位の間隔の700bp内に見出される。この領域は、ゲノムのVP1領域内に見出される。21個の異なるパルボウイルスB19単離体由来のこの領域の配列は、本明細書中の図2A〜2Uに示される。さらなる26個の単離体由来の配列は、本明細書中の図11A〜11Zに示される。これらの配列の比較は、この領域が単離体から単離体に約98%〜99.5%の配列相同性を示し、非常の所望される標的配列を作製することを示す。プライマーおよびプローブの設計のために、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に関して番号つけられた約ヌクレオチド3073〜3442位の間隔であるVP1内に見出される370bp領域、ならびに4.7kbの3’位およびShadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に関して番号つけられたヌクレオチド4728〜4941の間隔内で生じる図1に記載の214bpのフラグメントもまた所望される。
【0075】
4.7kbp、700bpおよび370bp領域は、これらの特定の領域内に見られるパルボウイルスB19配列の部分を、本明細書中ならびに米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号および同4,889,818号に記載され、そして本明細書中に提供される配列に基づく反応のようなPCR反応のプライマーとして使用して、さらなる単離物から容易に得られる。所望の配列を有するヌクレオチド配列を得る別の方法は、従来の自動化ポリヌクレオチド合成機で生成された重複する合成オリゴヌクレオチドの相補的な対をアニールすることに続いて適切なDNAリガーゼでライゲーションすることおよびライゲーションされたヌクレオチド配列をPCRを介して増幅することによる。例えば、Jayaramanら、(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:4084〜4088を参照のこと。一旦、この配列が調製または単離されると、これらは、任意の適切なベクターまたはレプリコン中にクローニングされ得る。多くのクローニングベクターが当業者に公知であり、そして適切なクローニングベクターの選択は、設計事項である。適切なベクターとしては、適切な制御エレメントと結合した場合に複製し得るプラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、染色体またはウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。組換えクローンは、当該分野で周知であり、そして以下の実施例に記載される技術を使用する、制限酵素分析およびポリアクリルアミドゲルまたはアガロースゲル電気泳動により、容易に同定される。
【0076】
本明細書中に記載のアッセイにおける使用のためのプライマーおよびプローブは、これらの配列に由来し、そして米国特許第4,458,066号および同第4,415,732号;Beaucageら、(1992)Tetrahedron 48:2223〜2311;およびApplied Biosystems User Bulletin 13号(1987年4月1日)に開示されるような、標準的な技術(例えば、ホスホルアミダイト化学を介した固相合成)によって容易に合成される。他の化学的合成方法としては、例えば、Narangら、Meth.Enzymol.(1979)68:90に記載されたホスホトリエステル方法およびBrownら、Meth.Enzymol.(1979)68:109により開示されたホスホジエステル方法が挙げられる。ポリ(A)またはポリ(C)、あるいは他の非相補的なヌクレオチド伸長は、これらの同じ方法を使用してプローブに取り込まれ得る。ヘキサエチレン酸化物伸長は、当該分野で公知の方法によってプローブに結合され得る。Cloadら、(1991)J.Am.Chem.Soc.113:6324〜6326;Levensonらに対する米国特許第4,914,210号;Durandら、(1990)Nucleic Acids Res.18:6353〜6359;およびHornら、(1986)Tet.Lett.27:4705−4708。代表的には、プライマー配列は、10〜75ヌクレオチド長の間の範囲内(例えば、15〜60、20〜40など)であり、より代表的には18〜40ヌクレオチド長の間の範囲内および述べられた範囲内の任意の長さである。代表的なプローブは、10〜50ヌクレオチド長の間の範囲内(例えば、15〜40、18〜30など)および述べられた範囲内の任意の長さである。
【0077】
さらに、このプローブは、検出のために標識に結合され得る。標識の付加を可能にする反応官能基でオリゴヌクレオチドを誘導体化することについて公知のいくつかの方法が存在する。例えば、プローブをビオチン化するために、いくつかのアプローチが利用可能であり、その結果アビジンを介して、放射活性標識、蛍光標識、化学発光標識、酵素的標識、または電子密度標識が、結合され得る。例えば、Brokenら、Nucl.Acids Res.(1978)5:363−384(これは、フェリチン−アビジン−ビオチン標識の使用を開示する);およびCholletら、Nucl.Acids Res.(1985)13:1529−1541(これは、アミノアルキルホスホルアミドリンカーアームを介したオリゴヌクレオチドの5’末端のビオチン化を開示する)を参照のこと。イソチオシアネート、N−ヒドロキシスクシンイミドなどのような、アミノ反応基によって誘導体化された蛍光化合物または他の型の化合物により容易に標識されるアミノ誘導体化オリゴヌクレオチドを合成するために、いくつかの方法がまた利用可能である(例えば、Connolly(1987)Nucl.Acids Res.15:3131−3139,Gibsonら、(1987)Nucl.Acids Res.15:6455〜6467およびMiyoshiらに対する米国特許第4,605,735号を参照のこと)。チオール特異的標識に反応し得るスルフヒドリル誘導体化オリゴヌクレオチドを合成するための方法がまた、利用可能である(例えば、Fungらに対する米国特許第4,757,141号、Connollyら、(1985)Nucl.Acids Res.13:4485〜4502およびSpoatら、(1987)Nucl.Acids Res.15:4837〜4848を参照のこと)。DNAフラグメントを標識するための方法論の総合的な総説は、Matthewsら、Anal.Biochem.(1988)169:1〜25に提供される。
【0078】
例えば、プローブは、蛍光分子をプローブの未連結末端に連結することによって蛍光標識され得る。適切な蛍光標識を選択するための手引きは、Smithら、Meth.Enzymol.(1987)155:260〜301;Kargerら、Nucl.Acids Res.(1991)19:4955〜4962;Haugland(1989)Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals (Molecular Probes,Inc.,Eugene,OR)に見出され得る。好ましい蛍光標識としては、米国特許第4,318,846号およびLeeら、Cytometry(1989)10:151〜164に開示されるような、フルオレセインおよびその誘導体ならびに6−FAM、JOE、TAMRA、ROX、HEX−1、HEX−2、ZOE、TET−1またはNAN−2などが挙げられる。
【0079】
さらに、プローブは、下記の技術を使用して、アクリジニウムエステル(AE)で標識され得る。現在の技術は、AE標識が、プローブ内の任意の部位に位置付けられることを可能にする。例えば、Nonisotopic Probing, Blotting and Sequencing,Kricka L.J.(編)Academic Press,San Diego,CAのNelsonら、(1995)「Detection of Acridinium Esters by Chemiluminescence」;The Polymerase Chain Reaction,Mullisら(編)Birkhauser,Boston,MAのNelsonら(1994)「Application of the Hybridization Protection Assay(HPA) to PCR」;Weeksら、Clin.Chem.(1983)29:1474〜1479;Berryら、Clin.Chem.(1988)34:2087〜2090を参照のこと。AE分子は、プローブ内の任意の位置における標識の配置を可能にする、非ヌクレオチドベースのリンカーアーム化学を使用してプローブに直接結合され得る。例えば、米国特許第5,585,481号および同第5,185,439号を参照のこと。
【0080】
特定の実施形態において、内部コントロール(IC)または内部標準物質が、標的の捕捉および増幅についてのコントロールとして供するために添加される。好ましくは、標的配列と異なる配列を含むICは、サンプル由来の生物について特異的なオリゴヌクレオチドを分離するために使用されるプローブ配列とハイブリダイズされ得、そして増幅され得る。ICの使用は、分離プロセス、増幅プロセス、および検出系の制御を可能にし、そしてサンプルについてのアッセイ性能および定量化のモニタリングを可能にする。ICが得られ得る代表的な配列は、図12で示される。このICは、任意の適切なポイント(例えば、溶解緩衝液中)において含まれ得る。一つの実施形態において、ICは、パルボウイルスB19由来のヌクレオチド配列を含むM13 ssDNAおよびプローブとハイブリダイズする特有の配列(例えば、標的配列が、5〜20塩基もしくはそれ以上、好ましくは5〜15塩基(例えば、5、10または15塩基)、またはこの範囲内の任意の数だけ置換するかまたは欠失させることによって改変された、VP1領域由来の配列を含む)を含む。置換された塩基または欠失された塩基は、好ましくは2個または3個の連続した配列のみが置換されるように標的配列の全長にわたって存在する。従って、例えば、標的配列がCTACTTGCTGCGGGAGAAAAACACCT(配列番号91)である場合、この配列は、ICにおいて例えば、AGCTAGACCTGCATGTCACTG(配列番号90)で置換され得る。
【0081】
固体支持体は、さらに内部標準に特異的なプローブ(ICプローブ)を含み得、それによって、このICプローブが使用された場合、捕捉が容易となる。このICプローブは、必要に応じて、標的配列に対する検出可能な標識とは異なる検出可能な標識と結合され得る。検出可能な標識が発蛍光団である実施形態において、このICは、分光光度法で検出研究の限界まで定量され得る。代表的には、標的検出に干渉しないICのコピー数は、標的の固定されたIU(好ましくは、下限において)でICを滴定することによって決定され、検量線が国際的に受容されるIUのサンプルを希釈することにより作成される。パルボウイルスB19の定量について、8000IU〜125IUの8メンバーのパネルが、使用され得る。
【0082】
別の実施形態において、本明細書中に記載されるようなICは、当業者に公知である標準的な技術、および本明細書中に記載される標準的な技術に従って、サンプルから単離されたRNAと組み合わされる。次いで、RNAは、コピーDNAを提供するために逆転写酵素を使用して逆転写される。必要に応じて、標識化プライマーを使用してcDNA配列が(例えば、PCRによって)増幅され得る。増幅産物は、代表的に電気泳動によって分離され、そして放射活性の量(増幅産物の量に比例する)が決定される。次いで、既知の標準物質により産生されたシグナルとの比較によって、サンプル中のmRNAの量が算出される。
【0083】
上に記載のプライマーおよびプローブは、生物学的サンプル中のパルボウイルスB19感染を検出するために、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)ベースの技術において使用され得る。PCRは、核酸分子または分子の混合物中に含まれる所望の標的核酸配列を増幅するための技術である。PCRにおいて、標的核酸の相補鎖にハイブリダイズするために、プライマーの対が、過剰量で使用される。このプライマーは、標的核酸を鋳型として使用して、ポリメラーゼによりそれぞれ伸長される。伸長産物は、元の標的鎖から解離後、それ自体が標的配列になる。次いで、新たなプライマーがハイブリダイズされ、ポリメラーゼにより伸長され、そして標的配列分子の数を幾何級数的に増加させるために、このサイクルを繰り返す。サンプル中の標的核酸配列を増幅するためのPCR方法は、当該分野で周知であり、そして例えば、Innisら(編)PCR Protocols(Academic Press,NY 1990);Taylor(1991)Polymerase chain reaction:basic principles and automation,in PCR:A Practical Approach,McPhersonら(編)IRL Press,Oxford;Saikiら、(1986)Nature 324:163;ならびに米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号および同第4,889,818号に記載されている。
【0084】
詳細には、PCRは、比較的短いオリゴヌクレオチドプライマー(増幅される標的ヌクレオチド配列に隣接し、それらの3’末端が互いの方を向くように置かれ、各プライマーは他方に向かって伸長する)を使用する。ポリヌクレオチドサンプルは抽出され、そして(好ましくは、熱によって)変性され、そしてモル過剰で存在する第一プライマーおよび第二プライマーでハイブリダイズされる。重合は、4つのデオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP−−dATP、dGTP、dCTPおよびdTTP)の存在下で、プライマー伸長産物を産生し得る任意の酵素(例えば、E.coli DNAポリメラーゼI、DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメント、T4 DNAポリメラーゼ、以下から単離された熱安定性DNAポリメラーゼ:Thermus aquaticus(Taq)(種々の供給源(例えば、Perkin Elmer)から入手可能)、Thermus
thermophilus(United States Biochemicals)、Bacillus stereothermophilus(Bio−Rad)、またはThermococcus litoralis(「Vent」ポリメラーゼ、New England Biolabs))のようなプライマー依存性および鋳型依存性のポリヌクレオチド重合化剤を使用して触媒される。これは、その5’末端(新たに合成された元の鎖の相補体に共有結合されている)にそれぞれのプライマーを含む2つの「長い産物」を生じる。次いで、反応混合物は、例えば、温度を下げる工程、変性剤を不活化する工程、またはさらなるポリメラーゼを加える工程によって、重合化条件に戻され、そして第二サイクルが開始される。第二サイクルは、2個の元の鎖、第一サイクル由来の2個の長い産物、元の鎖から複製された2個の新たな長い産物、および長い産物から複製された2個の「短い産物」を提供する。この短い産物は、各末端にプライマーを有する標的配列の配列を有する。各追加のサイクルにおいて、さらなる2個の長い産物、ならびに(前サイクルの最後において残っている長い産物および短い産物の数と等しい)多数の短い産物が産生される。従って、標的配列を含む短い産物の数は、各サイクルで指数関数的に増大する。好ましくは、PCRは、市販の熱サイクル機(thermal cycler)(例えば、Perkin Elmer)を用いて達成される。
【0085】
RNAは、上に記載されるように、mRNAをcDNAに逆転写し、次いでPCR(RT−PCR)を実施することによって、増幅され得る。あるいは、米国特許第5,322,770号に記載されるように、一つの酵素が両方の工程に使用され得る。mRNAはまた、Marshallら、(1994)PCR Meth.App.4:80〜84に記載されるように、cDNAに逆転写され、次いで、非対称ギャップリガーゼ連鎖反応(RT−AGLCR)が行われる。
【0086】
蛍光発生的5’ヌクレアーゼアッセイ(TaqManTMアッセイ(Perkin−Elmer)として知られる)は、核酸標的に対する強力かつ多用途のPCRベース検出システムである。故に、本明細書中に記載されるパルボウイルスB19ゲノムの領域由来のプライマーおよびプローブは、生物学的サンプル中の感染の存在を検出するために、TaqManTM分析において使用され得る。分析は、蛍光シグナルの産生をモニターすることによって、熱サイクル法と連動して実施される。このアッセイ系は、ゲル電気泳動分析の必要性をなくし、標的コピー数の決定を可能にする定量的データを作成する能力を有する。
【0087】
蛍光発生的5’ヌクレアーゼアッセイは、例えばAmpliTaq GoldTMDNAポリメラーゼ(これは、内在性の5’ヌクレアーゼ活性を有し、蛍光レポーター色素およびクエンチャーの両方で標識された内部オリゴヌクレオチドプローブを消化する)を使用して、都合よく実施される(Hollandら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1991)88:7276〜7280;およびLeeら、Nucl.Acids Res.(1993)21:3761〜3766を参照のこと)。アッセイの結果は、増幅サイクルの間に起こる蛍光の変化を測定することによって検出される。なぜなら、蛍光プローブが消化されることにより、色素標識とクエンチャー標識が分離し、そして標的DNAの増幅に比例する蛍光シグナルにおける増強を生じるからである。
【0088】
増幅産物は、溶液中または固体支持体を使用して検出され得る。この方法において、TaqManTMプローブは、所望のPCR産物中の標的配列にハイブリダイズするように設計される。TaqManTMプローブの5’末端は、蛍光レポーター色素を含む。このプローブの3’末端は、プローブの伸長を防ぐためにブロックされ、5’発蛍光団の蛍光をクエンチする色素を含む。その後の増幅の間に、5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼが反応液中に存在する場合、5’蛍光標識は、切り離される。5’発蛍光団の切除は、検出され得る蛍光の増加を生じる。
【0089】
詳細には、オリゴヌクレオチドプローブは、ハイブリダイズされない場合に、このプローブが少なくとも1つの一本鎖構造(ここでクエンチャー分子は、レポーター分子の蛍光をクエンチするために十分なほどリポーター分子の近くにある)で存在するように構築される。オリゴヌクレオチドプローブはまた、標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズした場合に、クエンチャー分子がレポーター分子の蛍光をクエンチするために十分なほどレポーター分子の近くには位置されないような少なくとも一つの構造で存在する。これらのハイブリダイズされた構造およびハイブリダイズされていない構造を取り入れることによって、プローブがハイブリダイズされた場合およびハイブリダイズされていない場合で、プローブ上のレポーター分子およびクエンチャー分子は、異なる蛍光シグナル強度を示す。結果として、レポーター分子、クエンチャー分子またはその組合せの蛍光強度の変化に基づいて、プローブがハイブリダイズされているか、あるいはハイブリダイズされていないかを決定し得る。さらに、このプローブは、ハイブリダイズされていない場合、クエンチャー分子がレポーター分子をクエンチするように設計され得るので、このプローブは、ハイブリダイズされるかまたは消化されない限り、レポーター分子が限定的な蛍光を示すように設計され得る。
【0090】
従って、本発明は、5’→3’ヌクレアーゼ活性を有する核酸ポリメラーゼ、標的B19配列にハイブリダイズし得る1つ以上のプライマー、ならびにプライマーに対して3’側の標的B19配列にハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドプローブを使用して標的パルボウイルスB19ヌクレオチド配列を増幅するための方法に関する。増幅の間に、ポリメラーゼは、オリゴヌクレオチドプローブが標的配列にハイブリダイズされた場合にそのオリゴヌクレオチドプローブを消化し、それによりレポーター分子をクエンチャー分子から分離する。増幅が実施されながら、核酸増幅の発生に対応するレポーター分子の蛍光がモニターされる。レポーター分子は、好ましくはフルオレセイン色素であり、そしてクエンチャー分子は、好ましくはローダミン色素である。
【0091】
プライマーおよびプローブの長さは、変わり得るが、プローブの配列は、プライマー配列より低い融解温度を有するように選択される。故に、プライマー配列は、一般にプローブ配列よりも長い。代表的には、プライマー配列は、10〜75ヌクレオチド長の範囲内であり、より代表的には20〜45ヌクレオチド長の範囲内である。代表的なプローブは、10〜50ヌクレオチド長の範囲内であり、より代表的には15〜40ヌクレオチド長の範囲内である。
【0092】
固体支持体が使用される場合、オリゴヌクレオチドプローブは、種々の様式において、固体支持体に結合され得る。例えば、このプローブは、固体支持体に、そのプローブの3’または5’末端ヌクレオチドを結合させることによって、固体支持体に結合され得る。より好ましくは、このプローブは、固体支持体からプローブを遠ざけるために役立つリンカーによって固体支持体に結合される。このリンカーは通常、少なくとも15〜30原子の長さであり、より好ましくは15〜50原子の長さである。。このリンカーに必要とされる長さは、使用される特定の固体支持体に依存する。例えば、固体支持体として高架橋化ポリスチレンが使用される場合、一般に、6原子のリンカーで十分である。
【0093】
広範な種々のリンカーが当該分野で公知であり、オリゴヌクレオチドプローブを固体支持体に結合させるために使用され得る。このリンカーは、固体支持体に結合されたプローブへの標的配列のハイブリダイゼーションに有意に干渉しない任意の化合物で形成され得る。このリンカーは、自動化合成によって容易にリンカーに付け足され得るホモポリマーのオリゴヌクレオチドで形成され得る。あるいは、官能性ポリエチレングリコールのようなポリマーが、リンカーとして使用され得る。このようなポリマーは、ホモポリマーのオリゴヌクレオチドよりも好ましい。なぜなら、標的オリゴヌクレオチドへのプローブのハイブリダイゼーションを有意に干渉しないからである。ポリエチレングリコールが、特に好ましい。
【0094】
固体支持体、リンカーおよびプローブの間の連結は、好ましくは高温における塩基性条件下での塩基保護基の除去の間に切断されない。好ましい連結の例としては、カルバメート連結およびアミド連結が挙げられる。
【0095】
オリゴヌクレオチドプローブの固定化のための固体支持体の好ましい型の例としては、制御された多孔質ガラス(controlled pore glass)、ガラスプレート、ポリスチレン、アビジンコートされたポリスチレンビーズ、セルロース、ナイロン、アクリルアミドゲルおよび活性化デキストランが挙げられる。
【0096】
TaqManTMアッセイ、その使用に関する試薬および条件の詳細な説明については、Hollandら、Proc.Natl.Acad.Sci,U.S.A.(1991)88:7276〜7280;米国特許第5,538,848号、同第5,723,591号および同第5,876,930号を参照のこと。
【0097】
本明細書中に記載されるパルボウイルスB19配列はまた、転写介在増幅(TMA)アッセイの基材として使用され得る。TMAは、生物学的サンプル中に非常に少量で存在する標的核酸配列を同定する方法を提供する。このような配列は、直接的なアッセイ方法では検出することが難しいかまたは不可能であり得る。特に、TMAは、標的配列の10億を超えるRNAコピーを提供し得る等温の自己触媒性核酸標的増幅系である。このアッセイは、生物学的サンプル中の標的配列の存在または非存在を正確に検出するために定性的に実施され得る。このアッセイはまた、標的配列の量の数桁規模の濃度範囲にわたる定量的測定を提供し得る。TMAは、温度、イオン強度およびpHのような反応条件の反復操作なしで標的核酸配列の複数のコピーを自己触媒的に合成するための方法を提供する。
【0098】
一般的に、TMAは、以下の工程を包含する:(a)パルボウイルスB19に感染されていると推測される目的の生物学的サンプルから核酸(RNAを含む)を単離する工程、および(b)反応混合物に以下を組み合わせる工程:(i)単離された核酸、(ii)第一オリゴヌクレオチドプライマーおよび第二オリゴヌクレオチドプライマーであって、第一プライマーは、RNA標的配列(例えば、(+)鎖)が存在する場合には、ともに複合体化するRNA標的配列の3’末端部分に十分に相補的な複合体化(complexing)配列を有し、そして第二プライマーはともに複合体化するその相補物(例えば、(−)鎖)の標的配列の3’末端部分に十分に相補的な複合体化配列を有し、ここで第一オリゴヌクレオチドは、複合体化配列の5’側の配列(プロモーターを含む)をさらに含む、第一オリゴヌクレオチドプライマーおよび第二オリゴヌクレオチドプライマー(iii)逆転写酵素またはRNA依存性DNAポリメラーゼおよびDNA依存性DNAポリメラーゼ、(iv)RNA−DNA複合体のRNA鎖を選択的に分解する酵素活性(例えば、RNAseH)ならびに(v)プロモーターを認識するRNAポリメラーゼ。
【0099】
反応混合物の成分は、段階的に混合されても、一度に混合されてもよい。反応混合物は、オリゴヌクレオチド/標的配列が形成される条件下(DNAプライミング条件および核酸合成条件(リボヌクレオチド三リン酸およびデオキシリボヌクレオチド三リン酸を含む)を含む)で、標的配列の複数コピーを提供するために十分な期間インキュベートされる。この反応は、酵素成分のような反応成分の安定性を維持するために適切な条件下で、増幅反応の過程中における反応条件を改変も操作もする必要なく有利に起こる。従って、この反応は、実質的に等温であり、そして実質的に一定のイオン強度およびpHを含む条件下で起こり得る。この反応は、便利なことに、第1のDNA伸長反応により産生されるRNA−DNA複合体を分離するための変性工程を必要としない。
【0100】
適切なDNAポリメラーゼとしては、鳥類骨髄芽球症ウイルス(AMV)逆転写酵素(例えば、Seikagaku America,Inc.から入手可能)およびモロニーマウス白血病ウイルス(MMLV)逆転写酵素(例えば、Bethesda Research Laboratoriesから入手可能)のような逆転写酵素が挙げられる。
【0101】
プライマーへの組み込みに適切なプロモーターまたはプロモーター配列は、その配列を認識および結合し、そしてRNA転写物が産生される転写プロセスを開始するRNAポリメラーゼによって特異的に認識される核酸配列(天然に存在する核酸配列、合成により生成された核酸配列または制限消化の産物のいずれか)である。この配列は、必要に応じて、さらなる安定性または分解プロセスに対する感受性あるいは増強された転写効率を与え得る、RNAポリメラーゼの実際の認識部位を越えて広がるヌクレオチド塩基を含み得る。有用なプロモーターの例としては、バクテリオファージT3、T7またはSP6由来のポリメラーゼのような特定のバクテリオファージのポリメラーゼによって認識されるプロモーター、あるいはE.coli由来のプロモーターが挙げられる。これらのRNAポリメラーゼは、New England BiolabsおよびEpicentreのような商業的供給源から容易に入手可能である。
【0102】
本明細書中の方法における使用に適切ないくつかの逆転写酵素は、AMV逆転写酵素のようにRNAseH活性を有する。しかし、AMV逆転写酵素が使用される場合でさえ、E.coli RNAseHのような外来のRNAseHを添加することが好適であり得る。RNAseHは、例えば、Bethesda Research Laboratoriesから容易に入手可能である。
【0103】
これらの方法によって産生されたRNA転写物は、上記の機序を介して標的配列のさらなるコピーを産生するための鋳型として役立ち得る。この系は、自己触媒的であり、そして増幅は、温度、pH、イオン強度などのような反応条件を繰り返し改変(modifying)も変更(changing)もする必要なく、自己触媒的に起こる。
【0104】
検出は、直接の配列決定、配列特異的オリゴマーとのハイブリダイゼージョン、ゲル電気泳動および質量分析を含む、広範な種々の方法を使用して実施され得る。これらの方法は、異種の形態または同種の形態の同位体標識または非同位体標識、ならびに全くの無標識を使用し得る。
【0105】
一つの好ましい検出の方法は、上記の4.7kbpフラグメント、700bpフラグメント、370bpフラグメント、および214bpフラグメント由来の標的配列特異的オリゴヌクレオチドプローブの使用である。このプローブは、ハイブリダイゼーションプロテクションアッセイ(HPA)において使用され得る。この実施形態において、このプローブは、高度に化学発光性の分子である、アクリジニウムエステル(AE)で都合よく標識される。例えば、Nonisotopic Probing,Blotting and Sequencing,Kricka L.J.(編)Academic Press,San Diego,CAのNelsonら、(1995)「Detection of Acridinium Esters by Chemiluminescence」;The Polymerase Chain Reaction,Mullisら(編)Birkhauser,Boston,MAのNelsonら、(1994)「Application of the Hybridization Protection Assay (HPA) to PCR」;Weeksら、Clin.Chem.(1983)29:1474〜1479;Berryら、Clin.Chem.(1988)34:2087〜2090を参照のこと。1つのAE分子は、プローブ内の任意の位置における標識の配置を可能にする、非ヌクレオチドベースのリンカーアーム化学を使用してプローブに直接結合される。例えば、米国特許第5,585,481号および同第5,185,439号を参照のこと。化学発光は、励起されたN−メチルアクリドン(これは続いて、光子の放出で基底状態に落ちる)を生じるアルカリ性の過酸化水素との反応により引き起こされる。さらに、AEは、非化学発光性メチルアクリジニウムカルボン酸を生じるエステル加水分解を起こす。
【0106】
AE分子が、核酸プローブに共有結合される場合、加水分解は、弱アルカリ性条件下で迅速である。AE標識化プローブが標的核酸に正確に相補的である場合、AE加水分解の速度は、かなり低減される。故に、ハイブリダイズしたAE標識化プローブおよびハイブリダイズしていないAE標識化プローブは、物理的な分離の必要性なしに、溶液中で直接検出され得る。
【0107】
HPAは、一般的に以下の工程からなる:(a)AE標識化プローブを、溶液中で約15〜約30分間、標的核酸分子とハイブリダイズする。次いで、弱アルカリ性溶液が添加され、そしてハイブリダイズしていないプローブと結合したAEは、加水分解される。この反応は、おおよそ5〜10分かかる。残りのハイブリッド関連AEは、存在する標的の量の尺度として検出される。この工程は、おおよそ2〜5秒間かかる。好ましくは、差示的加水分解の工程は、ハイブリダイゼーション工程と同じ温度(代表的には50〜70℃)で実施される。あるいは、第二の差示的加水分解工程が、室温で実施され得る。これは、上昇されたpH(例えば、10〜11の範囲内)が使用されることを可能にする。上昇されたpHは、ハイブリダイズしたAE標識化プローブとハイブリダイズしていないAE標識化プローブとの間の加水分解の速度に大きな差を生じさせる。HPAは、例えば、米国特許第6,004,745号;同第5,948,899号;および同第5,283,174号において詳細に記載される。
【0108】
TMAは、例えば、米国特許第5,399,491号において詳細に記載される。代表的なアッセイの一つの例において、単離された核酸サンプル(パルボウイルスB19標的配列を含むことが予測される)は、緩衝剤、塩、マグネシウム、ヌクレオチド三リン酸、プライマー、ジチオトレイトール、およびスペルミジンを含む緩衝剤濃縮物と混合される。この反応は、必要に応じて、いかなる二次構造をも変性させるために約100℃でおおよそ2分間インキュベートされる。室温まで冷却した後、逆転写酵素、RNAポリメラーゼ、およびRNAseHが添加され、そしてこの混合物は、37℃で2〜4時間インキュベートされる。次いで、この反応は、産物を変性し、プローブ溶液を添加し、60℃で20分間インキュベートし、ハイブリダイズしていないプローブを選択的に加水分解する溶液を添加し、60℃で6分間、この反応をインキュベートし、そして照度計で残存する化学発光を測定することによりアッセイされ得る。
【0109】
本発明のオリゴヌクレオチド分子はまた、核酸配列ベースの増幅(nucleic acid sequence−based amplification)(NASBA)において使用され得る。この方法は、特定の核酸の連続的、均一的かつ等温性のインビトロ増幅を誘導し、その核酸のRNAコピーを提供する、プロモーター指向性の酵素的プロセスである。NASBAを実施するための試薬としては、プロモーターを含む5’テールを有する第一DNAプライマー、第二DNAプライマー、逆転写酵素、RNAse−H、T7 RNAポリメラーゼ、NTPおよびdNTPが挙げられる。NASBAを使用して、一本鎖RNAまたは一本鎖DNA、あるいは二本鎖DNAのいずれかから、大量の一本鎖RNAが産生される。RNAが増幅される場合、ssRNAは、RNAポリメラーゼ認識部位を含む第一プライマーの伸長による、第一DNA鎖の合成のための鋳型として働く。このDNA鎖は、次いで第二プライマーの伸長によって、相補的な第二のDNA鎖の合成のための鋳型として働き、活性な二本鎖のRNAポリメラーゼプロモーター部位を生じ、そしてこの第二のDNA鎖は、RNAポリメラーゼと協力して大量の第一鋳型(ssRNA)の合成するための鋳型として働く。NASBA技術は、当該分野で公知であり、そして例えば、欧州特許第329,822号、国際特許出願WO 91/02814、ならびに米国特許第6,063,603号、同第5,554,517号、および同第5,409,818号に記載される。
【0110】
本明細書中に記載されるパルボウイルスB19配列はまた、分枝DNA分子を利用する核酸ハイブリダイゼーションおよび増幅技術において有用である。基本的な核酸ハイブリダイゼーションアッセイにおいて、一本鎖の分析物核酸は、標識化一本鎖核酸プローブにハイブリダイズされ、そして生じた標識化二本鎖が検出される。この基本スキームのバリエーションが、外来の物質に由来する検出されるべき二本鎖の分離を容易にするためおよび/または検出されるシグナルを増幅するために開発されている。シグナルを増幅するための一つの方法は、分析物核酸または分析物に結合される核酸の鎖に特異的にハイブリダイズする第一セグメントを有するポリヌクレオチドである増幅マルチマーおよび標識化プローブに特異的にハイブリダイズする第二セグメントの反復物を使用する。この増幅は、第二セグメントの反復物に理論上比例する。このマルチマーは、直線であっても分枝であってもよい。分枝マルチマーの2つの一般的な型(フォークおよびコーム)は、これらの技術において有用である。分枝核酸分子を作製および使用するための方法は、当該分野で公知であり、そして例えば、米国特許第5,849,481号において記載される。
【0111】
本発明の別の局面において、上記の2以上の試験が、生物の存在を確認するために実施される。例えば、第一テストが、検出のために核酸を増幅するために転写介在増幅(TMA)を使用した場合、別の(例えば、本明細書中に記載されるようにPCR増幅、RT PCRなどを使用することによる)核酸試験(NAT)が実施される。従って、サンプルが、例えばHIVおよびB型肝炎ウイルスのような他の生物を含む場合でさえ、パルボウイルスB19は、特異的かつ選択的に検出され得る。
【0112】
容易に明白であるように、本明細書に記載されるアッセイの設計は、多くのバリエーションの対象となり、多くの様式が当該分野で公知である。上の記載は、ただ手引きとして提供されるにすぎず、当業者は、当該分野で周知の技術を使用して容易に記載のプロトコールを改変し得る。
【0113】
上記のアッセイ試薬(プライマー、プローブ、結合されたプローブを有する固体支持体、および他の検出試薬を含む)は、上記のようなアッセイを実施するために、適切な指示書および他の必要な試薬と共にキットで提供され得る。このキットは、通常、別個の容器内に、プライマーとプローブとの組合せ(固体マトリクスに既に結合されているか、またはそれらをマトリックスに結合させる試薬とともに別個であるかのいずれか)、コントロール処方物(陽性および/または陰性)、標識化試薬(アッセイ様式が同じことを必要とする場合)およびシグナル産生試薬(例えば、酵素基質)(標識が直接にはシグナルを産生しない場合)を備える。アッセイを実施するための指示書(例えば、文書、テープ、VCR、CD−ROMなど)は、通常キット中に含まれる。このキットはまた、使用される特定のアッセイに依存して、他の包装された試薬および材料(すなわち、洗浄緩衝剤など)を含み得る。上に記載されるアッセイのような標準的なアッセイは、これらのキットを使用して実施され得る。
【0114】
(III.実験)
以下は、本発明を実施するための特定の実施形態の例である。これらの実施例は、例示目的のためだけに提供され、そして決して本発明の範囲を制限するようには意図されていない。
【0115】
使用される数(例えば、量、温度など)に関して、正確さを確かにするように努力がなされているが、いくらかの実験誤差および偏差は、当然許容されるべきである。
【0116】
下記の実施例において、酵素は、商業的供給源から購入し、製造者の指示に従って使用した。ニトロセルロースフィルターなどもまた、商業的供給源から購入した。
【0117】
DNAフラグメントの単離において、全てのDNA操作を標準的な手順に従って実施した(記載する場合を除く)。Sambrookら(前出)を参照のこと。制限酵素、T4DNAリガーゼ、E.Coli、DNAポリメラーゼI、クレノウフラグメント、および他の生物学的試薬を商業的供給業者から購入し、そして製造者の指示に従って使用し得る。二本鎖DNAフラグメントを、アガロースゲルで分離した。
【実施例】
【0118】
(実施例1)
(PCRのためのパルボウイルスB19核酸抽出)
IgM試験またはPCR試験のいずれかにより、ヒトパルボウイルスB19について陽性であることが前もって試験されたヒト血清サンプルを、商業的供給源から得た。そして次のPCR実験のために、その血清サンプルを使用してDNAを単離した。サンプルを、使用するまで−80℃で保存した。
【0119】
製造者の仕様書に従って、QIAamp DNA Blood Mini Kit(QIAGEN,Valencia,CA)を、以下を考慮して使用して、0.2mLの血清からDNAを抽出した。キャリアDNAを溶解緩衝液に添加して、核酸の結合と収量を増強した。具体的には、1サンプルあたり5.6μgの量のポリアデニル酸5’(Sigma,St.Louis,MO)またはポリdA(Roche,Indianapolis,IN)を添加した。さらに、パルボウイルスB19DNAを、水の代りに200μLの緩衝液AE(Qiagen)で溶出した。
【0120】
(実施例2)
(PCRによるパルボウイルスB19核酸陽性サンプルの検出)
2つの異なるPCR手順を使用して、パルボウイルスB19フラグメントを増幅した。以下に詳細に記載される1方法を使用して、約700bp、370bpおよび214bpのフラグメントを増幅した(図1を参照のこと)。High Fidelity Expand PCR(Roche)を使用して、約4.7kbのフラグメントを増幅した。約700bpのフラグメントは、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する。約370bpは、この700bpフラグメント内のヌクレオチド位置3073〜3442に存在する。約4.7kbフラグメントは、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936のヌクレオチド位置217〜4893に対応する4677ヌクレオチドフラグメントである。
【0121】
約700bp、370bpおよび214bpのB19フラグメントを増幅するために、表1に示すプライマーを使用した。
【0122】
【表1】
この実験について、2μlの精製したパルボウイルスB19DNA(上に記載するように精製した)、0.2mMの各デオキシヌクレオチド三リン酸および1.25単位のPfuDNAポリメラーゼ(Stratagene,La Jolla,CA)を使用して、100μLの最終容量でPCRを実施した。増幅プロフィールは、94℃2分間の変性、37℃3分間のプライマーアニ−リングおよび72℃3分間の伸長を35サイクル含む。94℃3分間のプレインキュベーションは、最初の変性を確実にし、そして最後の72℃7分間のインキュベーションは、35PCRサイクル以前のフラグメントおよび35PCRサイクル後のフラグメントそれぞれの完全な伸長を確実にする。PCR産物を7%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色し、そしてUV源下で可視化した。QiaQuick PCR purification kit(QIAGEN)を使用して、増幅したフラグメントの精製を実施した。700bpのバンドがポリアクリルアミドゲル上で可視化されなかった場合、370bpのB19フラグメントを増幅するためにネスティッドPCRを実施した。表1に示すプライマーを使用するネスティッドPCRに、この700bpのDNA材料を使用した。
【0123】
High Fidelity Expand PCR(Roche)を使用して、以下のように4.7kbのパルボウイルスB19フラグメントを増幅した。High Fidelity Expand PCR kit(Roche)ならびにプライマー、Hicks−5(5’CCCGCCTTATGCAAATGGGCAG3’)(配列番号42)およびHicks−3(5’TTGTGTTAGGCTGTCTTATAGG3’)(配列番号43)を製造元の推奨に従って使用した。増幅条件は、94℃1分間、50℃2分間、68℃4分間を35サイクルまたは45サイクルであった。94℃2分間のプレインキュベーションおよび75℃7分間のポストインキュベーションもまた、含んだ。このPCR産物を1%アガロースゲルで分離し、PCR Purification kit(Promega,Madison,WI)を使用して精製した。
【0124】
(実施例3)
(パルボウイルスB19DNAフラグメントのクローニング)
PCRフラグメントを、TOPO−TAベクター(Invitrogen,Carlsbad,CA)中にクローニングした。増幅したDNAが1個のデオキシアデノシン(A)をその3’末端に含む場合、これらのベクターへのクローニングが高度に促進される。従って、3’(A)オーバーヘッドを付加する触媒反応を使用した。この反応ミックスは、1.25mMのdATP、0.5単位のTaqポリメラーゼ(Perkin Elmer, Boston,MA)を含有し、そして72℃15分間進行した。
【0125】
PCRフラグメントを、InvitrogenのTAクローニングキット(One Shot TOP10 Electrocompetent Cellsを備えるTOPOTMTA CloningR Kit)を製造業者の仕様書に従って使用して、pCR−2.1−TOPOベクター中にクローニングした。細菌細胞を、37℃で、100μg/mlのアンピシリン、0.66mMのIPTGおよび0.033%のX−Galを含むルリアブロスプレート上で37℃でインキュベートした。4mLのルリアブロスアンピシリン(100μg/ml)に多くの白色コロニーを植菌し、そして振とうしながら37℃で一晩インキュベートした。3mLの一晩培養物を使用して、QIAprep Miniprep kit(QIAGEN)を使用してプラスミドDNAを調製した。組換えクローンを、EcoRI(New England and Biolabs)および上に記載するような7%ポリアクリルアミドゲルまたは1%アガロースゲルでの制限酵素分析により同定した。
【0126】
これらのクローンのDNA配列を決定するために、組換えクローン由来の大量のプラスミドを上記のように調製し、このDNAをTE(10mM Tris−HCl(pH8.0)、1mM EDTA)中に0.2mg/mlになるように懸濁した。Applied
Biosystems Model 373(またはModel 377)DNA Sequencer systemを使用して、パルボウイルスB19フラグメントのヌクレオチド配列決定を実施した。
【0127】
図2A〜2U(配列番号1〜21)は、上記のように精製し、増幅し、そして配列決定した21個のパルボウイルスB19単離体からのDNA配列を示す。このDNA配列は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する(図1からの700bpフラグメントおよび上に記載のフラグメント)。図2A(配列番号1)は、単離体CH47−26由来の配列である;図2B(配列番号2)は、単離体CH48−29由来の配列である;図2C(配列番号3)は、単離体CH33−2由来の配列である;図2D(配列番号4)は、単離体CH33−3由来の配列である;図2E(配列番号5)は、単離体CH33−4由来の配列である;図2F(配列番号6)は、単離体CH42−7由来の配列である;図2G(配列番号7)は、単離体CH42−18由来の配列である;図2H(配列番号8)は、単離体CH42−19由来の配列である;図2I(配列番号9)は、単離体CH46−23由来の配列である;図2J(配列番号10)は、単離体CH1−1由来の配列である;図2K(配列番号11)は、単離体CH1−6由来の配列である;図2L(配列番号12)は、単離体CH2−8由来の配列である;図2M(配列番号13)は、単離体CH2−10由来の配列である;図2N(配列番号14)は、単離体CH2−11C由来の配列である;図2O(配列番号15)は、単離体CH5−13由来の配列である;図2P(配列番号16)は、単離体CH7−22由来の配列である;図2Q(配列番号17)は、単離体CH13−27由来の配列である;図2R(配列番号18)は、単離体CH14−33由来の配列である;図2S(配列番号19)は、単離体CH62−2由来の配列である;図2T(配列番号20)は、単離体CH64−2由来の配列である;そして図2U(配列番号21)は、単離体CH67−2由来の配列である。
【0128】
図11A〜11Z(配列番号62〜87)は、上記のように精製し、増幅し、そして配列決定した、さらなる26個のパルボウイルスB19単離体からのDNA配列を示す。このDNA配列は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する(図1からの700bpフラグメントおよび上に記載のフラグメント)。図11A(配列番号62)は、単離体CH80−1由来の配列である;図11B(配列番号63)は、単離体CH81−3由来の配列である;図11C(配列番号64)は、単離体B19SCL1−4由来の配列である;図11D(配列番号65)は、単離体B19SCL2−1由来の配列である;図11E(配列番号66)は、単離体B19SCL3−1由来の配列である;図11F(配列番号67)は、単離体B19SCL4−3由来の配列である;図11G(配列番号68)は、単離体B19SCL5−2由来の配列である;図11H(配列番号69)は、単離体B19SCL6−2由来の配列である;図11I(配列番号70)は、単離体B19SCL7−3由来の配列である;図11J(配列番号71)は、単離体B19SCL8−2由来の配列である;図11K(配列番号72)は、単離体B19SCL9−1由来の配列である;図11L(配列番号73)は、単離体B19SCL9−9由来の配列である;図11M(配列番号74)は、単離体B19SCL10−2由来の配列である;図11N(配列番号75)は、単離体B19SCLI1−1由来の配列である;図11O(配列番号76)は、単離体B19SCL12−1由来の配列である;図11P(配列番号77)は、単離体B19SCL13−3由来の配列である;図11Q(配列番号78)は、単離体B19SCL14−1由来の配列である;図11R(配列番号79)は、単離体B19SCL15−3由来の配列である;図11S(配列番号80)は、単離体B19SCL16−2由来の配列である;図11T(配列番号81)は、単離体BI9SCL17−1由来の配列である;図11U(配列番号82)は、単離体BI9SCL18−1由来の配列である;図11V(配列番号83)は、単離体B19SCL19−1由来の配列である;図11W(配列番号84)は、単離体B19SCL20−3由来の配列である;図11X(配列番号85)は、単離体B19SCL21−3由来の配列である;図11Y(配列番号86)は、単離体B19SCL22−11由来の配列である;図11Z(配列番号87)は、単離体B19SCL2−14由来の配列である。
【0129】
配列比較は、種々の単離体の間で、この700bpの配列の約98%〜99.5%の配列相同性を明らかにした。
【0130】
図3A〜3C(配列番号22)は、図1に示され、そして上に記載される、パルボウイルスB19クローン2−B1からの約4.7kbpのPCRフラグメントの配列を示す。図において示される配列は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936のヌクレオチド位置217〜4893に対応する4677ヌクレオチドフラグメントである。示される配列は、NS1、VP1、およびVP2をコードするパルボウイルスB19全長オープンリーディングフレームならびにさらなる5’非翻訳配列および3’非翻訳配列を含む。配列決定したフラグメントは、5’非コード領域において、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936により報告されたB19配列のヌクレオチド位置367とヌクレオチド位置368との間にさらなるヌクレオチドを含有した。
【0131】
図4A〜4C(配列番号23)は、図1に示され、パルボウイルスB19クローン2−B6からの約4.7kbpPCRフラグメントの配列を示す。この配列は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936のヌクレオチド位置217〜4893に対応する4677ヌクレオチドフラグメントである。示される配列は、NS1、VP1、およびVP2をコードするパルボウイルスB19全長オープンリーディングフレームならびにさらなる5’非翻訳配列および3’非翻訳配列を含む。配列決定したフラグメントは、5’非コード領域において、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936により報告されたB19配列のヌクレオチド位置367とヌクレオチド位置368との間にさらなるヌクレオチドを含有した。
【0132】
(実施例4)
(パルボウイルスB19のNS1組換えタンパク質、VP1組換えタンパク質、およびVP2組換えタンパク質のクローニングならびに発現)
pCR2.1−TOPO(上に記載)中にクローニングしたパルボウイルスB19の4.7kbフラグメントを使用して、NS1、VP1、およびVP2をコードするフラグメント(図1を参照のこと)を増幅した。具体的には、PCRプライマー(下記を参照のこと)を、パルボウイルスB19のNS1領域、VP1領域、およびVP2領域をPCRする(PCR out)ように設計した。酵母発現ベクターへのこれらの領域のクローニングを容易にするために、XbaI、HindIIIおよびSalI制限酵素部位を、必要な場合、プライマー中に導入した。
【0133】
NS1組換えタンパク質、VP1組換えタンパク質、およびVP2組換えタンパク質の酵母発現のためのパルボウイルスB19フラグメントをクローニングおよび増幅するために使用したプライマーは、上で得た配列に基づく。これらのプライマーは、以下のとおりである:
NS1−5(センスプライマー)
5’ATACTCTCTAGACAAAACAAAATGGAGCTATTTAGAGGGGTGCTTCAAGTTTCT3’(配列番号44)
NS1−3(アンチセンスプライマー)
5’GAGTATGTCGACTTACTCATAATCTACAAAGCTTTGCAATCCAGACAG3’(配列番号45)
VP1−5SN(センスプライマー)
5’ATACTCAAGCTTACAAAACAAAATGAGTAAAGAAAGTGGCAAATGGTGGGAAAGT3’(配列番号46)
VPALL−3(アンチセンスプライマー)
5’GAGTATGTCGACTTACAATGGGTGCACACGGCTTTTGGCTGTCCACAATTC3’(配列番号47)
VP2−5SN(センスプライマー)
5’ATACTCAAGCTTACAAAACAAAATGACTTCAGTTAATTCTGCAGAAGCCAGCACT3’(配列番号48)
PCRプライマーを合成し、精製し、そして300μLのdH2Oに懸濁し、そしてそれらの260nmでの光学的濃度を決定した。反応ミックスは、最終容量50μL中に0.25ngの鋳型、100pmolの各プライマー、10μLの1,25mM各dNTPおよび1単位のTaqポリメラーゼ(Perkin Elmer,Boston,MA)を含有した。増幅条件は、94℃1分間、50℃2分間、68℃4分間を35サイクルであった。75℃7分間のポストインキュベーションを加えて、フラグメントの完全な伸長を確実にした。5μLのアリコートを使用して、1%アガロースゲルにおける電気泳動によりPCR合成をチェックした。次いで、PCR産物全量を電気泳動し、そしてPCR Purification kit(Promega)を製造元の推奨に従って使用して、予想したサイズを示すフラグメントをゲルから精製した。精製したPCR DNAの約0.8μgを適切な制限酵素(Roche)で37℃3時間消化し、そしてその産物をPromegaのPCR Purification kitを使用してさらに精製した。
【0134】
プラスミドpBS24.1を、パルボウイルスB19組換えタンパク質の異種発現のために使用した。この酵母発現ベクターは、酵母における自律複製のための2μ配列および逆繰り返し配列(IR)、転写終結を確実にするためのαファクター終結因子、ならびに選択のための酵母leu−2dおよび酵母URA3を含む。E.Coliにおける増殖および選択のために、ColE1複製起点およびβ−ラクタマーゼ遺伝子もまた存在する(Protein Engineering:A Guide to Design and Production,第5章、J.L.ClelandおよびC.Craik編、Wiley−Liss,Inc.,NewYork,N.Y.の129〜161頁、Pichuantesら、(1996)「Expression of Heterologous Gene Products in Yeast」)。プラスミドpBS24.1を、BamHI/SalIで消化し、10単位のウシ腸アルカリフォスファターゼ(Boheringer Manheim,Indianapolis,IN)で、製造者によって推奨される条件下で脱リン酸化した。消化および精製したPCRフラグメントを、BamHI/SalIで消化したpBS24.1および(クローニングするべきPCRフラグメントに存在する制限酵素部位に依存して)BamHI/SfuIまたはBamHI/HindIIIのいずれかで消化した酵母ハイブリッドプロモーターADH2/GAPDH(Cousensら、Gene(1987)61:265〜275)を含むDNAフラグメントと混合した。RocheのRapid Ligation kitおよびプロトコールで、ライゲーションを実施した。次いで、ライゲーションミックスを使用して、E.coli HB101コンピテント細胞を形質転換した。そして、形質転換体を、アンピシリン(100μg/ml)を含むルリアブロスプレートにおいて、37℃一晩のインキュベーション後に選択した。各形質転換のいくつかのコロニーを採取し、そしてアンピシリン(100μg/ml)を含む3mLのルリアブロスに植菌し、そして振とうしながら37℃で一晩インキュベートした。
【0135】
1.5mlの培養物およびQlAprep Miniprep kit(QIAGEN)を使用して、プラスミドDNAを調製した。BamHI/SalIでの分析的な制限酵素分析によって、組換えクローンを同定した。配列決定を実施して、クローニングしたパルボウイルスB19フラグメントのヌクレオチド配列を確認するために、組換えプラスミドの大規模調製を実施した。
【0136】
NS1、VP1およびVP2について予測された配列を示す酵母発現プラスミドを、以下のように、酵母の形質転換に使用した。コンピテントSaccharomyces cerevisiae AD3細胞[Mat a,trp1+,ura3−52,prbl−1122,pep4−3,prcl−407,[cir0],::pDM15(pGAP/ADRI::G418R)],leu2(ΔAD)]を、上に記載したようにクローニングしたNS1、VP1またはVP2をコードするプラスミドDNAで形質転換した。酵母組換え体の選択を、2回のウラシル欠乏プレート、続く30℃48〜72時間インキュベーション後の1回のロイシン欠乏プレートによって達成した。次いで、組換えタンパク質の発現をチェックする前に、培養物を、ロイシン欠乏培地中で、次いで、2%グルコースを補充したYEP(Pichuantesら、Proteins:Struct.Funct.Genet.(1989)6:324〜337)中で48時間増殖させた。
【0137】
二つの異なる単離体由来の種々のタンパク質についての配列を、図5〜10に示す。特に、図5A(配列番号24)および5B(配列番号25)は、パルボウイルスB19クローン2−B1に由来するNS1ヌクレオチド配列およびNS1タンパク質配列をそれぞれ示す。図6A(配列番号26)および6B(配列番号27)は、パルボウイルスB19クローン2−B1に由来するVP1ヌクレオチド配列およびVP1タンパク質配列をそれぞれ示す。図7A(配列番号28)および7B(配列番号29)は、パルボウイルスB19クローン2−B1に由来するVP2ヌクレオチド配列およびVP2タンパク質配列をそれぞれ示す。図8A(配列番号30)および8B(配列番号31)は、パルボウイルスB19クローン2−B6に由来するNS1ヌクレオチド配列およびNS1タンパク質配列をそれぞれ示す。図9A(配列番号32)および9B(配列番号33)は、パルボウイルスB19クローン2−B6に由来するVP1ヌクレオチド配列およびVP1タンパク質配列をそれぞれ示す。図10A(配列番号34)および10B(配列番号35)は、パルボウイルスB19クローン2−B6に由来するVP2ヌクレオチド配列およびVP2タンパク質配列をそれぞれ示す。
【0138】
(実施例5)
(TaqManTMによるパルボウイルスB19DNAの検出および定量)
パルボウイルスB19感染の検出のための敏感な診断方法を、以下のように設計した。具体的には、TaqManTMPCR技術を使用して、パルボウイルスB19DNAを検出および定量した。定量的PCRは、核酸の効果的な抽出を必要とする。DNA抽出に使用する血漿/血清の容量もまた、検出の感度に影響する。2つのアプローチを使用して、0.5mlの血漿/血清から核酸を単離した。具体的には、DNAを、(a)シリカへの結合および(b)標的特異的オリゴヌクレオチドへのアニ−リング、によって抽出した。
【0139】
((a)シリカへの結合による核酸の単離)
高濃度のカオトロピック塩(例えば、グアニジンイソチオシアネート)の存在下で、核酸は、シリカに結合する。小さいサイズの核酸は、酸性pHの条件下で、より効果的にシリカに結合する。結合された核酸は、高温において低塩のアルカリ性pH緩衝液で効果的に溶出される。通常のシリカを磁化シリカに変更することは、核酸単離の洗浄工程および溶出工程を大いに容易にする。磁性基材を使用して、核酸が結合したシリカ粒子を捕らえた(故に通常のシリカ粒子を沈降するために必要とされる遠心分離を排除した)。
【0140】
使用した溶解緩衝液は、Organon−Teknika(Durham,NC)から入手した。この溶解緩衝液は、タンパク質を可溶化し、そしてRNaseおよびDNaseを不活化するためにグアニジンイソチオシアネートを含む。界面活性剤TritonX−100は、細胞構造および核タンパク質の可溶化および分解(disintegration)のプロセスをさらに促進し、故に、核酸を放出する。核酸結合を増強するために溶解試薬を酸性化し、そして50μlのアルカリ性溶出緩衝液を使用して、結合した核酸を溶出した。核酸の単離に次いで、以下に記載するように、TaqManTMPCRを実施することにより、パルボウイルスDNAの存在を決定した。
【0141】
((b)標的特異的オリゴヌクレオチドへのアニーリングによる核酸の単離)
磁化シリカの使用は、洗浄工程および溶出工程の間の迅速かつ容易な操作を著しく容易にするが、核酸分子の単離は、なお面倒かつ時間を要する。従って、磁性ビーズを使用する、血漿または血清からの特定の核酸標的のワンステップ捕捉を使用した。これを広範な種々のウイルス核酸捕捉試験に適用可能にするために、一般的な、オリゴdTに結合した磁性ビーズを使用した。14マーのオリゴdT長を有するSera−Mag magnetic oligo(dT)ビーズ(Seradyn,Indianapolis,IN)を、3’末端で、使用したパルボウイルス特異的配列(下に明記する配列の最後におい
て示される)に隣接する20ポリAを含む捕捉オリゴヌクレオチドと組み合わせて使用し
た。
【0142】
使用したアンチセンス捕捉オリゴヌクレオチドは、700bpフラグメントに由来し、そして以下のとおりであった:
VSPC1−AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAATCCTTAACAGCAATTTCTGATA(ヌクレオチド3492〜3514)(*)(配列番号49)
VSPC2−AAAAAAAAAAAAAAAAAAAACGCCCTGTAGTGCTGTCAG(ヌクレオチド3549〜3568)(配列番号50)
VSPC3−AAAAAAAAAAAAAAAAAAAATATACCCAAATAGGAAGTTCTG(ヌクレオチド3639〜3660)(配列番号51)
VSPC4−AAAAAAAAAAAAAAAAAAAATAAAATGCTGATTCTTCACTTGC(ヌクレオチド3737〜3759)(配列番号52)
VSPC5−AAAAAAAAAAAAAAAAAAAATGCTGTACCTCCTGTACCTA(ヌクレオチド3789〜3808)(配列番号53)
VSPC6−AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAGCCCTCTAAATTTTCTGGG(ヌクレオチド3838〜3857)(配列番号54)
VSPC7−AAAAAAAAAAAAAAAAAAAACTCCTAATGTGTCAGGAACC(ヌクレオチド3910〜3929)(配列番号55)
(*)ヌクレオチド番号は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に従う。
【0143】
磁性ビーズを、Novagen溶解緩衝液(Madison,WI)に懸濁し、そしてFDA Center for Biologic Evaluation and Research,U.S.Department of Health and Human Services(FDA−CBER)から得たパネルからパルボウイルスB19B19DNAを捕捉するために、7つの捕捉オリゴヌクレオチドの系列(上記のVSPC1〜VSCP7)を、個々にかまたは組み合わせて試験した。
【0144】
((c)洗浄緩衝液でのビーズの洗浄)
捕捉に次いで、このビーズを、0.3M NaClおよび0.5%NP−40中にpH7.5に緩衝化された10mMのHepesを含む緩衝液で洗浄した。溶解緩衝液での血清の処理、ハイブリダイゼーション、ビーズの磁性吸着、および溶解緩衝液の除去の後、1.5mlの洗浄緩衝液をビーズに添加した。通常のボルテックス、磁性吸着、および洗浄緩衝液の除去の後、ビーズを、0.5mlの同じ緩衝液で2回目の洗浄を行った。その結果、Taqmanアッセイのための全ての試薬を含有する100mlのユニバーサルPCR緩衝液中における容易な懸濁のために、この磁性ビーズは詰められ得る。捕捉したDNAを有するビーズを、以下に記載するように、TaqManTMPCRによる検出のために、TaqManTMプレートに移した。いくつかのオリゴヌクレオチドの組合せは、TaqManTMアッセイにより検出されるようにB19を捕捉することにおいて効果的であった。
【0145】
詳細には、TaqManTM技術は、捕捉した標的核酸をDNAアンプリコンとして増幅する。代替法では、捕捉した標的をRNAとして増幅する。これについて、増幅オリゴヌクレオチドは、T7RNAポリメラーゼを使用してRNAアンプリコンを産生するためにT7プロモーター配列を有するパルボウイルスB19特異的プライマーからなった。3つの増幅プライマー(VSA1−A3、以下に記載する)(Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド2936〜3635に対応する700bp配列に由来する)を、それらの増幅する能力について試験した。これらのプライマーは、以下のとおりであった:
センス鎖増幅プライマー
VSA1−AATTCTAATACGACTCACTATAGGGAGAAGGCCATATACTCATTGGACTGT(ヌクレオチド2942〜2961)(配列番号56)
VSA2−AATTCTAATACGACTCACTATAGGGAGAAGGCCAGAGCACCATTATAA(ヌクレオチド3272〜3288)(配列番号57)
VSA3−AATTCTAATACGACTCACTATAGGGAGAAGGCACAATGCCAGTGGAAA(ヌクレオチド3317〜3333)(配列番号58)
VSP2−GTGCTGAAACTCTAAAGGT(アンチセンスプライマー−ヌクレオチド3424〜3442)(配列番号59)
RNamplifire kit(Qiagen)試薬を使用して、20mLの最終容量中50コピーのパルボウイルスDNAを標的として使用して、増幅効率を試験した。VSP2を第二プライマーとして使用して、増幅プライマーを、個々にかまたは組合せて試験した。製造業者に推奨されるように、42℃で1時間インキュベートした後、増幅した材料のアリコートを、TaqManTMアッセイにより検出して増幅プライマーの効率を評価するために、100倍に希釈した。2つの増幅プライマーの組合せ、VSA2とVSP2およびVSA3とVSP2は、RNAアンプリコンの産生において非常に効果的であった。
【0146】
TaqManTMアッセイの感度、PCRプライマーの適合性および至適反応条件を、上に記載した4.7kbフラグメントを含むプラスミドDNAを使用して確立した。このフラグメントは、VP1領域、ならびにNS1領域およびVP2領域を含む(図1を参照のこと)。VP1領域に由来するPCR増幅プライマー(下に詳述する)を使用した。番号付けは、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に対応する。Xは、5’−フルオレセインホスホルアミダイトを示し、Zは、DABCYL−dTを示す。両方を、Glen Research Corporation,Sterling,VAから得た。配列の右に示した数字は、パルボウイルスB19配列からのプライマーのヌクレオチドをいう。
VSP1−GGAGGCAAAGGTTTGCA(センスプライマー−ヌクレオチド3334−3350)(配列番号60)
VSP2−GTGCTGAAACTCTAAAGGT(アンチセンスプライマー−ヌクレオチド3424−3442)(配列番号59)
VSPPR1−XCCCATGGAGATATTTAGATTZ(プローブ−ヌクレオチド3379−3398)(配列番号61)
Vpara8:TCCATATGACCCAGAGCACCA(ヌクレオチド3262−3460)(配列番号88)
Vpara9:TTTCCACTGGCATTGTGGC(Anti−sense Primer−ヌクレオチド3313−3331)(配列番号89)
Vpara10:XAGCTAGACCTGCATGTCACTGZ、ここでXは、Famであり、そしてZは、Tamraである。(ヌクレオチド3286−3310) (配列番号90)
プラスミドDNA濃度を、分光光度法で概算し、そして段階希釈を実施して5,000〜10コピー/20μlを得た。最終容量50μl中の反応ミックスは、20μlのサンプル、3.2mM MgCl2を含む1XGold Taq増幅緩衝液(Perkin Elmer)、300μMの各dNTP、1pmolの各増幅プライマー、0.4pmolのプローブ、および1単位のAmpliTaq酵素を含有した。反応条件は、以下を含んだ:ABI 7700 Sequence Detectorにおいて、酵素を活性化するための95℃10分間、次いで45サイクルの、60℃と交互の95℃30秒間。
【0147】
わずかに10コピー/アッセイが、109bpPCR産物を産生するプライマー対、VSP1およびVSP2、ならびにプローブVSPPR1を使用して検出可能であった。サンプル容量は、最終容量50μLのうち20μLであったので、このことは、わずかに50コピー/mLのパルボウイルスB19DNAを含む血漿サンプルが抽出され得、そしてTaqManTM技術によって検出され得たことを示唆している。パルボウイルスは、高力価ウイルスであるので、50μLの血漿/血清容量が、抽出され得、そして分析に使用され得る。
【0148】
FDA−CBERパルボウイルスB19DNA陽性サンプル(106コピー/ml)を使用して、TaqManTM技術は、1アッセイあたりわずか50コピーを検出した。核酸と免疫力価を関連させる試みにおいて、ウイルスDNA負荷を、いくつかの抗体−陽性サンプルにおいて定量した。
【0149】
従って、新規のヒトパルボウイルスB19およびこれらの配列を使用する検出アッセイが、開示されている。前述の記載から、本発明の特定の実施形態が、例示を目的として本明細書中に記載されているが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、種々の改変がなされ得ることが理解される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ウイルス診断剤に関する。特に、本発明は、パルボウイルスB19感染を正確に診断するための核酸ベースのアッセイ、ならびにこれらのアッセイにおける使用のためのプライマーおよびプローブに関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
ヒトパルボウイルスB19は、パルボウイルス科、エリスロウイルス属のメンバーであり、約5,600ヌクレオチドの線状一本鎖DNA分子を備える小さな22nm正二十面体非エンベロープウイルスである。そのウイルスゲノムは、3つの主要タンパク質VP1、VP2、およびNS1をコードする。非特許文献1(Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936)および本明細書中の図1を参照のこと。VP1(83kDa)およびVP2(58kDa)は、キャプシドの構造タンパク質である。この2つのタンパク質は、それぞれ、およそヌクレオチド2444〜4789およびおよそ3125〜4789の重複するリーディングフレームにおいてコードされている。VP2は、キャプシドの95%を構成し、大きい方のVP1タンパク質は、キャプシドのたった5%しか構成しない。VP1は、このウイルスの成熟したコンフォメーションに必要とされる。NS1(77kDa)は、非構造タンパク質であり、感染した細胞の核画分中にのみ存在し、そして細胞質および血清中のインタクトなビリオンには存在しない。
【0003】
パルボウイルスB19は、正常な血液ドナーの血清中に最初発見された。パルボウイルスB19は、ヒトにおいて病原性であることが公知であるパルボウイルス科の唯一のメンバーである。このウイルスは、広範な疾患発現と関連がある。ヒトパルボウイルスB19は、通常、子供における無症候性感染または軽度の自己制限感染を引き起こす。成人において、パルボウイルスB19は、発疹、一過性対称性多発性関節炎、および関節炎を引き起こし得る。パルボウイルスB19は、溶血性障害に罹患した患者における内在する一過性無形成発症(TAC)と関係付けられている。慢性B19感染および持続性貧血が、急性白血病に罹患している免疫無防備状態の患者、先天性免疫不全に罹患している免疫無防備状態の患者、AIDSに罹患している免疫無防備状態の患者、骨髄移植後の免疫無防備状態の患者において報告されている。パルボウイルスB19はまた、妊娠している女性における胎児の死亡に関係付けられている。
【0004】
ほとんどの国において、B19ウイルス感染は、一般的には小児期に生じ、約50%の子供が、15歳までに抗B19抗体を有する。B19抗体の普及率は、寿命の間にさらに増加し得、老人において90%を超える値に達する。
【0005】
ヒトパルボウイルスB19感染において、最初のウイルス複製は、気道において生じると考えられる。その後、このウイルスは、骨髄中の細胞を標的とする。これは、102粒子/ml〜1014粒子/mlの間の報告されたウイルス血症を伴う大規模ウイルス複製をもたらし、これは、感染の7〜10日後であるが症状の発症の前に生じる。ウイルス血症の停止は、2〜3カ月間上昇したままである特異的IgM抗体の検出と同時に生じる。抗B19 IgG抗体は、IgM抗体が出現する2〜3日後に検出され、一生持続する。
【0006】
脂質エンベロープの非存在および限定されたDNA含量は、パルボウイルスB19を、物理化学的不活化に対して非常に耐性にする。パルボウイルスB19は、特に高濃度では、血液産物の従来の熱処理に耐え得、そして溶媒界面活性剤処理した第VIII因子調製物ならびに蒸気加熱または乾燥加熱した第VIII因子調製物および第IX調製物の投与を介するB19の伝達が、記載されている。
【0007】
ヒトパルボウイルスB19は、従来の細胞培養物中で増殖され得ず、このことは、実験室での検出およびこのウイルスの単離を非常に困難にする。従って、多年にわたり、抗原の唯一の供給源は、ウイルス血症の患者由来の血清からなった。組換え抗原が、これらの問題を克服するための試みにおいて、血清学的アッセイにおける使用のために生成された。例えば、非特許文献2(SiskおよびBerman,Biotechnology(1987)5:1077〜1080);特許文献1(米国特許第6,204,044号)を参照のこと。免疫酵素的IgM捕捉アッセイが、抗B19IgMを検出するため、ならびに最近のB19感染を診断するために、使用されている。しかし、多数の市販の試験の診断性能は、同質ではない。さらに、IgMベースの診断試験は、感染のウイルス血症段階の間にこのウイルスを検出し得ず、一旦IgM抗体が合成されると、そのIgM抗体は、ウイルス血症の終了後数ヶ月間、循環中に残り得る。
【0008】
正常な集団におけるB19抗体の高普及率は、高ウイルス血症は、通常は、たった一週間の間しか持続しないという事実とともに、血清学ベースの試験の使用を非実用的にする。さらに、免疫無防備状態の患者において、血清化学的診断は、信頼できないかもしれない。
【0009】
核酸ベースのハイブリダイゼーションアッセイ(例えば、ドットブロットおよびインサイチュハイブリダイゼーション)が、B19検出のために使用されている。これらのアッセイは、一般的には、1pg〜0.1pgウイルスDNA(約104〜105ウイルス粒子)の検出限界を有する。PCRは、より高い感度(約100ゲノムコピー)を有する。しかし、DNAハイブリダイゼーション技術は、時間がかかり、そして使用が限定されており、PCRは、多数のサンプルをスクリーニングするために非実用的である。
【0010】
従って、血液誘導体および血漿誘導体を介するかまたは密接な人的接触によるこのウイルスの伝達を妨害するため、ウイルス血症サンプルにおいてパルボウイルスB19を検出するための信頼できる診断試験の開発の必要性が存在したままである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6,204,044号明細書
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936
【非特許文献2】SiskおよびBerman,Biotechnology(1987)5:1077〜1080
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の要旨)
本発明は、核酸ベースのアッセイにおける使用のための独特のプライマーおよびプローブの開発と、感染した可能性がある個体由来の生物学的サンプルにおけるパルボウイルスB19 DNAの検出のための高感度で信頼できる核酸ベースの診断試験の開発とに、基づく。本明細書中に記載される技術は、転写媒介性増幅(TMA)を使用するB19配列のゲノム保存領域の増幅のためのテンプレートとして、ならびに5’ヌクレアーゼアッセイ(例えば、TaqManTM技術)において、抽出したサンプルDNAを利用する。これらの方法は、103ウイルス粒子/ml程度の低いウイルス力価を有するウイルス血症サンプルにおけるB19 DNAの検出を可能にする。従って、感染したサンプルが同定され得、輸血から排除され得、血液誘導体の調製から排除され得る。本明細書中に記載されるプローブおよびプライマーはまた、例えば、標準的ハイブリダイゼーション法、ならびにPCRベースの技術、核酸配列ベースの増幅(NASBA)、ならびに分枝型DNA分子を利用するアッセイにおいて、有用である。
【0014】
従って、1つの実施形態において、本発明は、生物学的サンプルにおけるヒトパルボウイルスB19感染を検出する方法に関する。この方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、上記核酸は、RNA標的配列を含む、工程;
(b)上記単離されたパルボウイルスB19核酸を、第1オリゴヌクレオチドと反応させる工程であって、上記第1オリゴヌクレオチドは、上記RNA標的配列の3’末端部分と複合体を形成するに十分に、上記RNA標的配列の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第1プライマーを含み、上記第1のプライマーは、上記複合体形成配列の5’側に作動可能に連結したDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターをさらに含み、上記反応は、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下で実施される、工程;
(c)上記RNA標的配列をテンプレートとして使用して、上記RNA標的配列と相補的な第1DNAプライマー伸長産物を生じるように、伸長反応において上記第1プライマーを伸長させる工程;
(d)上記RNA標的配列を選択的に分解する酵素を使用して、上記RNA標的配列から上記第1DNAプライマー伸長産物を分離する工程;
(e)上記DNAプライマー伸長産物を、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下にて、第2オリゴヌクレオチドで処理する工程であって、上記第2オリゴヌクレオチドは、上記DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と複合体形成するに十分に、上記DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第2プライマーを含む、工程;
(f)上記第2プライマーの3’末端を、第2DNAプライマー伸長産物を生じ、それにより上記DNA依存性RNAポリメラーゼのテンプレートを生成するように、DNA伸長反応において伸長させる工程;
(g)上記プロモーター配列を認識するDNA依存性RNAポリメラーゼを使用して、上記標的配列の複数のRNAコピーを生成するように上記テンプレートを使用する工程;ならびに
(h)工程(g)のRNAコピーを使用し、上記標的配列を増幅するように工程(b)〜(g)を自己触媒的に反復する工程;
を包含する。
【0015】
特定の実施形態において、この方法は、
(i)工程(h)の産物に、プローブ:標的複合体を形成する上記プローブと上記標的配列とのハイブリダイゼーションを提供する条件下で、標識オリゴヌクレオチドプローブを付加する工程であって、上記オリゴヌクレオチドプローブは、上記標的配列の一部と相補的である、工程;ならびに
(j)上記標的配列の存在または非存在の指標として、標識の存在または非存在を検出する工程;
をさらに包含する。
【0016】
さらなる実施形態において、上記標識はアクリジニウムエステルである。
【0017】
なおさらなる実施形態において、上記方法において使用される第1プライマーおよび第2プライマーならびにプローブは、ヒトパルボウイルスB19ゲノムのVP1領域(例えば、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列)に由来する。
【0018】
別の実施形態において、本発明は、生物学的サンプルにおけるヒトパルボウイルスB19感染を検出する方法に関する。この方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、上記核酸は、RNA標的配列を含む、工程;
(b)上記単離されたパルボウイルスB19核酸を、第1オリゴヌクレオチドと反応させる工程であって、上記第1オリゴヌクレオチドは、上記RNA標的配列の3’末端部分と複合体を形成するに十分に、上記RNA標的配列の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第1プライマーを含み、上記第1のプライマーは、上記複合体形成配列の5’側に作動可能に連結したDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターをさらに含み、上記第1プライマーは、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する配列を含み、上記反応は、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下で実施される、工程;
(c)上記RNA標的配列をテンプレートとして使用して、上記RNA標的配列と相補的な第1DNAプライマー伸長産物を生じるように、伸長反応において上記第1プライマーを伸長させる工程;
(d)上記RNA標的配列を選択的に分解する酵素を使用して、上記RNA標的配列から上記第1DNAプライマー伸長産物を分離する工程;
(e)上記DNAプライマー伸長産物を、第2オリゴヌクレオチドで処理する工程であって、上記第2オリゴヌクレオチドは、上記DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と複合体形成するに十分に、上記DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第2プライマーを含み、上記第2プライマーは、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来し、上記処理は、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下にて実施される、工程;
(f)上記第2プライマーの3’末端を、第2DNAプライマー伸長産物を生じ、それにより上記DNA依存性RNAポリメラーゼのテンプレートを生成するように、DNA伸長反応において伸長させる工程;
(g)上記プロモーター配列を認識するDNA依存性RNAポリメラーゼを使用して、上記標的配列の複数のRNAコピーを生成するように上記テンプレートを使用する工程;ならびに
(h)工程(g)のRNAコピーを使用し、上記標的配列を増幅させるように工程(b)〜(g)を自己触媒的に反復する工程;
(i)工程(h)の産物に、アクリジニウムエステル標識オリゴヌクレオチドプローブを付加する工程であって、上記オリゴヌクレオチドプローブは、上記標的配列の一部と相補的であり、上記プローブは、図2A〜図2Uのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来し、上記プローブは、プローブ:標的複合体を形成する上記プローブと上記標的配列とのハイブリダイゼーションを提供する条件下で付加される、工程;ならびに
(j)上記標的配列の存在または非存在の指標として、標識の存在または非存在を検出する工程;
を包含する。
【0019】
なお別の実施形態において、本発明は、標的パルボウイルスB19ヌクレオチド配列を増幅するための方法に関する。この方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、上記核酸は、RNA標的配列を含む、工程;
(b)上記RNA標的配列とハイブリダイズし得る1つ以上のプライマーを添加する工程であって、上記1つ以上のプライマーは、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する、工程;
(c)上記1つ以上のプライマーに対して3’側に、上記RNA標的配列とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドプローブを付加する工程;
(d)ポリメラーゼを使用して、上記1つ以上のプライマーを伸長させる工程;
を包含する。
【0020】
特定の実施形態において、工程(a)のRNA標的配列は、cDNAを提供するように逆転写される。この方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)または非対称ギャップリガーゼ連鎖反応(RT−AGLCR)を使用して、上記cDNAを増幅させる工程をさらに包含し得る。他の実施形態において、上記ポリメラーゼは、熱安定性ポリメラーゼ(例えば、TaqポリメラーゼまたはVentポリメラーゼであるが、これらに限定されない)である。さらなる実施形態において、上記ポリメラーゼは、E.coli DNAポリメラーゼI、E.coli DNAポリメラーゼIのクレノーフラグメント、またはT4 DNAポリメラーゼである。
【0021】
上記の種々の方法の特定の実施形態において、内部コントロールが、提供される。上記内部コントロールは、図12の配列(配列番号92)に由来し得る。さらなる実施形態において、上記内部コントロールは、配列番号90を含む。
【0022】
さらなる実施形態において、本発明は、生物学的サンプルにおけるヒトパルボウイルスB19感染を検出するための方法に関する。この方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、上記核酸は、標的配列を含む、工程;
(b)上記単離されたパルボウイルスB19核酸を、上記標的配列と十分に相補的でありかつ上記標的配列とハイブリダイズし得る、検出可能に標識されたプローブと反応させる工程であって、上記プローブは、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来し、さらに上記反応は、プローブ/標的配列複合体の形成を提供する条件下で実施される、工程;ならびに
(c)上記標的配列の存在または非存在の指標として、標識の存在または非存在を検出する工程;
を包含する。
【0023】
さらなる実施形態において、本発明は、ポリヌクレオチドに関し、このポリヌクレオチドは、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zに示されるヌクレオチド配列のうちのいずれか1つを含むヌクレオチド配列を含む。
【0024】
さらなる実施形態において、本発明は、上記のようなポリヌクレオチドに関し、上記ヌクレオチド配列は、図2A、図2B、図2C、図2D、図2E、図2F、図2G、図2H、図2I、図2J、図2K、図2L、図2M、図2N、図2O、図2P、図2Q、図2R、図2S、図2T、図2U、図11A、図11B、図11C、図11D、図11E、図11F、図11G、図11H、図11I、図11J、図11K、図11L、図11M、図11N、図11O、図11P、図11Q、図11R、図11S、図11T、図11U、図11V、図11W、図11X、図11Yまたは図11Zに示されるヌクレオチド配列からなる。
【0025】
なおさらなる実施形態において、本発明は、図3A〜図3Cまたは4A〜図4Cに示されるヌクレオチド配列のうちのいずれか1つを含むヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチドに関する。
【0026】
さらなる実施形態において、本発明は、上記のようなポリヌクレオチドに関し、上記ヌクレオチド配列は、図3A〜図3Cまたは図4A〜図4Cに示されるヌクレオチド配列からなる。
【0027】
別の実施形態において、本発明は、約10ヌクレオチド〜約75ヌクレオチドのヒトパルボウイルスB19特異的複合体形成配列と作動可能に連結した、DNA依存性RNAポリメラーゼにより認識されるプロモーター領域からなる、オリゴヌクレオチドプライマーに関する。特定の実施形態において、上記プロモーター領域はT7プロモーターであり、上記ポリメラーゼはT7 RNAポリメラーゼである。さらに、上記ヒトパルボウイルスB19特異的配列は、ヒトパルボウイルスB19ゲノムのVP1領域(例えば、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列)に由来し得る。
【0028】
なおさらなる実施形態において、本発明は、約10ヌクレオチド〜約75ヌクレオチドのヒトパルボウイルスB19特異的複合体形成配列と作動可能に連結した、T7プロモーターからなる、オリゴヌクレオチドプライマーに関し、上記ヒトパルボウイルスB19特異的複合体形成配列は、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する。
【0029】
別の実施形態において、本発明は、アクリジニウムエステル標識に連結した、約10ヌクレオチド〜約50ヌクレオチドのパルボウイルスB19特異的ハイブリッド形成(hybridizing)配列を含む、オリゴヌクレオチドプローブに関する。特定の実施形態において、上記ヒトパルボウイルスB19特異的ハイブリッド形成配列は、ヒトパルボウイルスB19ゲノムのVP1領域(例えば、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列)に由来する。
【0030】
なおさらなる実施形態において、本発明は、診断試験キットに関し、このキットは、本明細書中に記載の1つ以上のオリゴヌクレオチドプライマーと、該診断試験を実施するための指示書とを備える。特定の実施形態において、上記試験キットは、アクリジニウムエステル標識に連結した、約10ヌクレオチド〜約50ヌクレオチドのパルボウイルスB19特異的ハイブリッド形成配列を含むオリゴヌクレオチドプローブをさらに含む。
【0031】
本発明のこれらの局面および他の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照することによって、明らかになる。
上記目的を達成するために、本発明は、例えば、以下の手段を提供する。
(項目1)
生物学的サンプルにおけるヒトパルボウイルスB19感染を検出する方法であって、
該方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、該核酸は、RNA標的配列を含む、工程;
(b)該単離されたパルボウイルスB19核酸を、第1オリゴヌクレオチドと反応させる工程であって、該第1オリゴヌクレオチドは、該RNA標的配列の3’末端部分と複合体を形成するに十分に、該RNA標的配列の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第1プライマーを含み、該第1のプライマーは、該複合体形成配列の5’側に作動可能に連結したDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターをさらに含み、該反応は、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下で実施される、工程;
(c)該RNA標的配列をテンプレートとして使用して、該RNA標的配列と相補的な第1DNAプライマー伸長産物を生じるように、伸長反応において該第1プライマーを伸長させる工程;
(d)該RNA標的配列を選択的に分解する酵素を使用して、該RNA標的配列から該第1DNAプライマー伸長産物を分離する工程;
(e)該DNAプライマー伸長産物を、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下にて、第2オリゴヌクレオチドで処理する工程であって、該第2オリゴヌクレオチドは、該DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と複合体形成するに十分に、該DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第2プライマーを含む、工程;
(f)該第2プライマーの3’末端を、第2DNAプライマー伸長産物を生じ、それにより該DNA依存性RNAポリメラーゼのテンプレートを生成するように、DNA伸長反応において伸長させる工程;
(g)該プロモーター配列を認識するDNA依存性RNAポリメラーゼを使用して、該標的配列の複数のRNAコピーを生成するように該テンプレートを使用する工程;ならびに
(h)工程(g)のRNAコピーを使用し、該標的配列を増幅させるように工程(b)〜(g)を自己触媒的に反復する工程;
を包含する、方法。
(項目2)
項目1に記載の方法であって、該方法は、
(i)工程(h)の産物に、プローブ:標的複合体を形成する前記プローブと前記標的配列とのハイブリダイゼーションを提供する条件下で、標識オリゴヌクレオチドプローブを付加する工程であって、該オリゴヌクレオチドプローブは、該標的配列の一部と相補的である、工程;ならびに
(j)該標的配列の存在または非存在の指標として、標識の存在または非存在を検出する工程;
をさらに包含する、方法。
(項目3)
項目2に記載の方法であって、前記標識がアクリジニウムエステルである、方法。
(項目4)
項目2に記載の方法であって、前記第1プライマーおよび第2プライマーならびにプローブが、ヒトパルボウイルスB19ゲノムのVP1領域に由来する、方法。
(項目5)
項目4に記載の方法であって、前記第1プライマーおよび第2プライマーならびにプローブが、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する、方法。
(項目6)
項目1に記載の方法であって、工程(b)において内部コントロールを提供する工程をさらに包含する、方法。
(項目7)
項目6に記載の方法であって、前記内部コントロールが、図12の配列(配列番号92)に由来する、方法。
(項目8)
項目6に記載の方法であって、前記内部コントロールが、配列番号90を含む、方法。(項目9)
生物学的サンプルにおけるヒトパルボウイルスB19感染を検出する方法であって、
該方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、該核酸は、RNA標的配列を含む、工程;
(b)該単離されたパルボウイルスB19核酸を、第1オリゴヌクレオチドと反応させる工程であって、該第1オリゴヌクレオチドは、該RNA標的配列の3’末端部分と複合体を形成するに十分に、該RNA標的配列の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第1プライマーを含み、該第1のプライマーは、該複合体形成配列の5’側に作動可能に連結したDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターをさらに含み、該第1プライマーは、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する配列を含み、該反応は、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下で実施される、工程;
(c)該RNA標的配列をテンプレートとして使用して、該RNA標的配列と相補的な第1DNAプライマー伸長産物を生じるように、伸長反応において該第1プライマーを伸長させる工程;
(d)該RNA標的配列を選択的に分解する酵素を使用して、該RNA標的配列から該第1DNAプライマー伸長産物を分離する工程;
(e)該DNAプライマー伸長産物を、第2オリゴヌクレオチドで処理する工程であって、該第2オリゴヌクレオチドは、該DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と複合体形成するに十分に、該DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第2プライマーを含み、該第2プライマーは、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来し、該処理は、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下にて実施される、工程;
(f)該第2プライマーの3’末端を、第2DNAプライマー伸長産物を生じ、それにより該DNA依存性RNAポリメラーゼのテンプレートを生成するように、DNA伸長反応において伸長させる工程;
(g)該プロモーター配列を認識するDNA依存性RNAポリメラーゼを使用して、該標的配列の複数のRNAコピーを生成するように該テンプレートを使用する工程;ならびに
(h)工程(g)のRNAコピーを使用し、該標的配列を増幅させるように工程(b)〜(g)を自己触媒的に反復する工程;
(i)工程(h)の産物に、アクリジニウムエステル標識オリゴヌクレオチドプローブを付加する工程であって、該オリゴヌクレオチドプローブは、該標的配列の一部と相補的であり、該プローブは、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来し、該プローブは、プローブ:標的複合体を形成する該プローブと該標的配列とのハイブリダイゼーションを提供する条件下で付加される、工程;ならびに
(j)該標的配列の存在または非存在の指標として、標識の存在または非存在を検出する工程;
を包含する、方法。
(項目10)
項目9に記載の方法であって、工程(b)において内部コントロールを提供する工程をさらに包含する、方法。
(項目11)
項目10に記載の方法であって、前記内部コントロールが、図12の配列(配列番号92)に由来する、方法。
(項目12)
項目10に記載の方法であって、前記内部コントロールが、配列番号90を含む、方法。
(項目13)
標的パルボウイルスB19ヌクレオチド配列を増幅するための方法であって、
該方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、該核酸は、RNA標的配列を含む、工程;
(b)該RNA標的配列とハイブリダイズし得る1つ以上のプライマーを添加する工程であって、該1つ以上のプライマーは、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する、工程;
(c)該1つ以上のプライマーに対して3’側に、該RNA標的配列とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドプローブを付加する工程;
(d)ポリメラーゼを使用して、該1つ以上のプライマーを伸長させる工程;
を包含する、方法。
(項目14)
項目13に記載の方法であって、工程(a)のRNA標的配列が、cDNAを提供するように逆転写される、方法。
(項目15)
項目14に記載の方法であって、ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)または非対称ギャップリガーゼ連鎖反応(RT−AGLCR)を使用して、前記cDNAを増幅させる工程をさらに包含する、方法。
(項目16)
項目13に記載の方法であって、前記ポリメラーゼが、熱安定性ポリメラーゼである、方法。
(項目17)
項目16に記載の方法であって、前記熱安定性ポリメラーゼが、TaqポリメラーゼまたはVentポリメラーゼである、方法。
(項目18)
項目13に記載の方法であって、前記ポリメラーゼが、E.coli DNAポリメラーゼI、E.coli DNAポリメラーゼIのクレノーフラグメント、またはT4 DNAポリメラーゼである、方法。
(項目19)
項目13に記載の方法であって、工程(b)において内部コントロールを提供する工程をさらに包含する、方法。
(項目20)
項目19に記載の方法であって、前記内部コントロールが、図12の配列(配列番号92)に由来する、方法。
(項目21)
項目19に記載の方法であって、前記内部コントロールが、配列番号90を含む、方法。
(項目22)
ポリヌクレオチドであって、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zに示されるヌクレオチド配列のうちのいずれか1つを含むヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチド。(項目23)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Aに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目24)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Bに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目25)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Cに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目26)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Dに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目27)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Eに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目28)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Fに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目29)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Gに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目30)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Hに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目31)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Iに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目32)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Jに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目33)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Kに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目34)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Lに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目35)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Mに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目36)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Nに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目37)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Oに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目38)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Pに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目39)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Qに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目40)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Rに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目41)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Sに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目42)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Tに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目43)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図2Uに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目44)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Aに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目45)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Bに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目46)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Cに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目47)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Dに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目48)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Eに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目49)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Fに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目50)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Gに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目51)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Hに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目52)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Iに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目53)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Jに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目54)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Kに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目55)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Lに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目56)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Mに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目57)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Nに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目58)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Oに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目59)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Pに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目60)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Qに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目61)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Rに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目62)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Sに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目63)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Tに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目64)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Uに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目65)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Vに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目66)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Wに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目67)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Xに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目68)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Yに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目69)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図11Zに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目70)
ポリヌクレオチドであって、図3A〜図3Cまたは4A〜図4Cに示されるヌクレオチド配列のうちのいずれか1つを含むヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチド。
(項目71)
項目70に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図3A〜図3Cに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目72)
項目70に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、図4A〜図4Cに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目73)
オリゴヌクレオチドプライマーであって、約10ヌクレオチド〜約75ヌクレオチドのヒトパルボウイルスB19特異的複合体形成配列と作動可能に連結した、DNA依存性RNAポリメラーゼによって認識されるプロモーター領域からなる、オリゴヌクレオチドプライマー。
(項目74)
項目73に記載のオリゴヌクレオチドプライマーであって、前記プロモーター領域がT7プロモーターであり、前記ポリメラーゼがT7 RNAポリメラーゼである、オリゴヌクレオチドプライマー。
(項目75)
項目73に記載のオリゴヌクレオチドプライマーであって、前記ヒトパルボウイルスB19特異的配列が、ヒトパルボウイルスB19ゲノムのVP1領域に由来する、オリゴヌクレオチドプライマー。
(項目76)
項目75に記載のオリゴヌクレオチドプライマーであって、前記ヒトパルボウイルスB19特異的配列が、図2A〜2Uのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する、オリゴヌクレオチドプライマー。
(項目77)
オリゴヌクレオチドプライマーであって、約10ヌクレオチド〜約75ヌクレオチドのヒトパルボウイルスB19特異的複合体形成配列と作動可能に連結した、T7プロモーターからなり、該ヒトパルボウイルスB19特異的複合体形成配列は、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する、オリゴヌクレオチドプライマー。
(項目78)
アクリジニウムエステル標識に連結した、約10ヌクレオチド〜約50ヌクレオチドのパルボウイルスB19特異的ハイブリッド形成配列を含む、オリゴヌクレオチドプローブ。
(項目79)
項目78に記載のオリゴヌクレオチドプローブであって、前記ヒトパルボウイルスB19特異的ハイブリッド形成配列が、ヒトパルボウイルスB19ゲノムのVP1領域に由来する、オリゴヌクレオチドプローブ。
(項目80)
項目79に記載のオリゴヌクレオチドプローブであって、前記ヒトパルボウイルスB19特異的ハイブリッド形成配列が、図2A〜2Uまたは図11A〜図11Zのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する、オリゴヌクレオチドプローブ。
(項目81)
診断試験キットであって、項目73に記載のオリゴヌクレオチドプライマーと、該診断試験を実施するための指示書とを備える、キット。
(項目82)
項目81に記載の診断試験キットであって、アクリジニウムエステル標識に連結した、約10ヌクレオチド〜約50ヌクレオチドのパルボウイルスB19特異的ハイブリッド形成配列を含むオリゴヌクレオチドプローブをさらに含む、キット。
(項目83)
生物学的サンプルにおけるヒトパルボウイルスB19感染を検出するための方法であって、
該方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、該核酸は、標的配列を含む、工程;
(b)該単離されたパルボウイルスB19核酸を、該標的配列と十分に相補的でありかつ該標的配列とハイブリダイズし得る、検出可能に標識されたプローブと反応させる工程であって、該プローブは、図2A〜図2Uまたは図11A〜図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来し、さらに該反応は、プローブ/標的配列複合体の形成を提供する条件下で実施される、工程;ならびに
(c)該標的配列の存在または非存在の指標として、標識の存在または非存在を検出する工程;
を包含する、方法。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、ヒトパルボウイルスB19ゲノムの図示であり、このウイルスの種々のコード領域を示す。3つのPCRフラグメントが示される。1つは約700bpを有し、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する;1つは、この700bpフラグメント内の約370bpを有し、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置3073〜3442に対応する;そして1つは、約214bpを有し、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置4728〜4941に対応する。
【図2A】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2A(配列番号1)は、単離株CH47−26由来の対応する配列である;
【図2B】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2B(配列番号2)は、単離株CH48−29由来の対応する配列である;
【図2C】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2C(配列番号3)は、単離株CH33−2由来の対応する配列である;
【図2D】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2D(配列番号4)は、単離株CH33−3由来の対応する配列である;
【図2E】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2E(配列番号5)は、単離株CH33−4由来の対応する配列である;
【図2F】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2F(配列番号6)は、単離株CH42−7由来の対応する配列である;
【図2G】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2G(配列番号7)は、単離株CH42−18由来の対応する配列である;
【図2H】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2H(配列番号8)は、単離株CH42−19由来の対応する配列である;
【図2I】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2I(配列番号9)は、単離株CH46−23由来の対応する配列である;
【図2J】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2J(配列番号10)は、単離株CH1−1由来の対応する配列である;
【図2K】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2K(配列番号11)は、単離株CH1−6由来の対応する配列である;
【図2L】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2L(配列番号12)は、単離株CH2−8由来の対応する配列である;
【図2M】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2M(配列番号13)は、単離株CH2−10由来の対応する配列である;
【図2N】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2N(配列番号14)は、単離株CH2−11C由来の対応する配列である;
【図2O】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2O(配列番号15)は、単離株CH5−13由来の対応する配列である;
【図2P】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2P(配列番号16)は、単離株CH7−22由来の対応する配列である;
【図2Q】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2Q(配列番号17)は、単離株CH13−27由来の対応する配列である;
【図2R】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2R(配列番号18)は、単離株CH14−33由来の対応する配列である;
【図2S】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2S(配列番号19)は、単離株CH62−2由来の対応する配列である;
【図2T】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2T(配列番号20)は、単離株CH64−2由来の対応する配列である;
【図2U】図2A〜図2U(配列番号1〜21)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bp)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図2U(配列番号21)は、単離株CH67−2由来の対応する配列である。
【図3A】図3A〜図3C(配列番号22)は、パルボウイルスB19クローン2−B1由来の図1に示される約4.7kbp PCRフラグメントの配列を示す。この配列は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるヌクレオチド位置217〜4893に対応する4677ヌクレオチドフラグメントである。示される配列は、NS1、VP1、およびVP2をコードするパルボウイルスB19全長オープンリーディングフレーム+さらなる5’非翻訳配列および3’非翻訳配列を含む。
【図3B】図3A〜図3C(配列番号22)は、パルボウイルスB19クローン2−B1由来の図1に示される約4.7kbp PCRフラグメントの配列を示す。この配列は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるヌクレオチド位置217〜4893に対応する4677ヌクレオチドフラグメントである。示される配列は、NS1、VP1、およびVP2をコードするパルボウイルスB19全長オープンリーディングフレーム+さらなる5’非翻訳配列および3’非翻訳配列を含む。
【図3C】図3A〜図3C(配列番号22)は、パルボウイルスB19クローン2−B1由来の図1に示される約4.7kbp PCRフラグメントの配列を示す。この配列は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるヌクレオチド位置217〜4893に対応する4677ヌクレオチドフラグメントである。示される配列は、NS1、VP1、およびVP2をコードするパルボウイルスB19全長オープンリーディングフレーム+さらなる5’非翻訳配列および3’非翻訳配列を含む。
【図4A】図4A〜図4C(配列番号23)は、パルボウイルスB19クローン2−B6由来の図1に示される約4.7kbp PCRフラグメントの配列を示す。この配列は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるヌクレオチド位置217〜4893に対応する4677ヌクレオチドフラグメントである。示される配列は、NS1、VP1、およびVP2をコードするパルボウイルスB19全長オープンリーディングフレーム+さらなる5’非翻訳配列および3’非翻訳配列を含む。
【図4B】図4A〜図4C(配列番号23)は、パルボウイルスB19クローン2−B6由来の図1に示される約4.7kbp PCRフラグメントの配列を示す。この配列は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるヌクレオチド位置217〜4893に対応する4677ヌクレオチドフラグメントである。示される配列は、NS1、VP1、およびVP2をコードするパルボウイルスB19全長オープンリーディングフレーム+さらなる5’非翻訳配列および3’非翻訳配列を含む。
【図4C】図4A〜図4C(配列番号23)は、パルボウイルスB19クローン2−B6由来の図1に示される約4.7kbp PCRフラグメントの配列を示す。この配列は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるヌクレオチド位置217〜4893に対応する4677ヌクレオチドフラグメントである。示される配列は、NS1、VP1、およびVP2をコードするパルボウイルスB19全長オープンリーディングフレーム+さらなる5’非翻訳配列および3’非翻訳配列を含む。
【図5】図5A(配列番号24)および図5B(配列番号25)は、パルボウイルスB19クローン2−B1由来の、それぞれ、NS1ヌクレオチド配列およびNS1タンパク質配列を示す。
【図6】図6A(配列番号26)および図6B(配列番号27)は、パルボウイルスB19クローン2−B1由来の、それぞれ、VP1ヌクレオチド配列およびVP1タンパク質配列を示す。
【図7】図7A(配列番号28)および図7B(配列番号29)は、パルボウイルスB19クローン2−B1由来の、それぞれ、VP2ヌクレオチド配列およびVP2タンパク質配列を示す。
【図8】図8A(配列番号30)および図8B(配列番号31)は、パルボウイルスB19クローン2−B6由来の、それぞれ、NS1ヌクレオチド配列およびNS1タンパク質配列を示す。
【図9】図9A(配列番号32)および図9B(配列番号33)は、パルボウイルスB19クローン2−B6由来の、それぞれ、VP1ヌクレオチド配列およびVP1タンパク質配列を示す。
【図10】図10A(配列番号34)および図10B(配列番号35)は、パルボウイルスB19クローン2−B6由来の、それぞれ、VP2ヌクレオチド配列およびVP2タンパク質配列を示す。
【図11A】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11A(配列番号62)は、単離株CH80−1由来の対応する配列である;
【図11B】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11B(配列番号63)は、単離株CH81−3由来の対応する配列である;
【図11C】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11C(配列番号64)は、単離株B19SCL1−4由来の対応する配列である;
【図11D】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11D(配列番号65)は、単離株B19SCL2−1由来の対応する配列である;
【図11E】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11E(配列番号66)は、単離株B19SCL3−1由来の対応する配列である;
【図11F】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11F(配列番号67)は、単離株B19SCL4−3由来の対応する配列である;
【図11G】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11G(配列番号68)は、単離株B19SCL5−2由来の対応する配列である;
【図11H】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11H(配列番号69)は、単離株B19SCL6−2由来の対応する配列である;
【図11I】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11I(配列番号70)は、単離株B19SCL7−3由来の対応する配列である;
【図11J】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11J(配列番号71)は、単離株B19SCL8−2由来の対応する配列である;
【図11K】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11K(配列番号72)は、単離株B19SCL9−1由来の対応する配列である;
【図11L】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11L(配列番号73)は、単離株B19SCL9−9由来の対応する配列である;
【図11M】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11M(配列番号74)は、単離株B19SCL10−2由来の対応する配列である;
【図11N】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11N(配列番号75)は、単離株B19SCL11−1由来の対応する配列である;
【図11O】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11O(配列番号76)は、単離株B19SCL12−1由来の対応する配列である;
【図11P】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11P(配列番号77)は、単離株B19SCL13−3由来の対応する配列である;
【図11Q】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11Q(配列番号78)は、単離株B19SCL14−1由来の対応する配列である;
【図11R】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11R(配列番号79)は、単離株B19SCL15−3由来の対応する配列である;
【図11S】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11S(配列番号80)は、単離株B19SCL16−2由来の対応する配列である;
【図11T】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11T(配列番号81)は、単離株B19SCL17−1由来の対応する配列である;
【図11U】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11U(配列番号82)は、単離株B19SCL18−1由来の対応する配列である;
【図11V】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11V(配列番号83)は、単離株B19SCL19−1由来の対応する配列である;
【図11W】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11W(配列番号84)は、単離株B19SCL20−3由来の対応する配列である;
【図11X】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11X(配列番号85)は、単離株B19SCL21−3由来の対応する配列である;
【図11Y】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11Y(配列番号86)は、単離株B19SCL22−11由来の対応する配列である;
【図11Z】図11A〜図11Z(配列番号62〜87)は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する配列(図1からの700bpフラグメント)を含む種々のパルボウイルスB19単離株由来のDNA配列を示す。図11Z(配列番号87)は、単離株B19SCL2−14由来の対応する配列である。
【図12】図12(配列番号92)は、標的の捕捉および増幅のために内部コントロール(IC)が誘導され得る、例示的配列を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(発明の詳細な説明)
本発明の実施は、他に示されない限り、当業者の範囲内の従来の化学的方法、生化学的方法、組換えDNA技術およびウイルス学を使用する。このような技術は、文献において完全に例示される。例えば、Fundamental Virology、第2版、I巻およびII巻(B.N.FieldsおよびD.M.Knipe(編));A.L.Lehninger,Biochemistry(Worth Publishers,Inc.,最新版);Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory mannual(第2版、1989);Methods In Enzymology(S.ColowickおよびN.Kaplan(編),Academic Press,Inc.);Oligonucleotide Synthesis(N.Gait(編),1984);A Practical Guide to Molecular Cloning(1984)を参照のこと。
【0034】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、他のように明らかに示さない限り複数の言及を含むことに注意すべきである。従って、例えば、「抗原(an antigen)」の言及は、2つ以上の抗原の混合物などを含む。
【0035】
以下のアミノ酸略語は、全文を通して使用される:
アラニン:Ala(A) アルギニン:Arg(R)
アスパラギン:Asn(N) アスパラギン酸:Asp(D)
システイン:Cys(C) グルタミン:Gln(Q)
グルタミン酸:Glu(E) グリシン:Gly(G)
ヒスチジン:His(H) イソロイシン:Ile(I)
ロイシン:Leu(L) リジン:Lys(K)
メチオニン:Met(M) フェニルアラニン:Phe(F)
プロリン:Pro(P) セリン:Ser(S)
スレオニン:Thr(T) トリプトファン:Trp(W)
チロシン:Tyr(Y) バリン:Val(V)。
【0036】
(I.定義)
本発明の説明において、以下の用語が使用され、そして以下に示されるように規定されることが意図される。
【0037】
用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーをいい、そして生成物の最小の長さに制限されない。従って、ペプチド、オリゴペプチド、ダイマー、マルチマーなどは、この定義の範囲に含まれる。全長タンパク質とそのフラグメントの両方が、定義に含まれる。この用語はまた、ポリペプチドの発現後改変(例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化など)を含む。さらに、本発明の目的について、「ペプチド」は、タンパク質が所望の活性を維持する限り、改変(例えば、ネイティブな配列に対する欠質、添加および置換(一般に、天然で保存される))を含むタンパク質をいう。これらの改変は、部位特異的変異誘発を介するように熟慮され得るか、またはPCR増幅に起因してタンパク質またはエラーを生成する宿主の変異を介するように偶発的であり得る。
【0038】
パルボウイルスB19ポリペプチドは、上記のようなB19ゲノムによってコードされるタンパク質(例えば、非構造タンパク質(NS1およびNS2)、およびウイルスのカプシドを形成するタンパク質(VP1(約781アミノ酸長)またはVP2(約554アミノ酸長))由来のポリペプチドである。代表的なNS1、VP1およびVP2配列は、本明細書中の図5〜10に記載される。ポリペプチドは、物理学的にパルボウイルスB19に誘導される必要はないが、合成的にか、または組み換え的に生成されうる。さらに、ポリペプチドは、任意の種々のパルボウイルスB19株および単離体に由来し得る。多数の保存領域および可変領域は、これらの株と単離体との間で公知であり、そして一般に、例えば、これらの領域に由来するエピトープのアミノ酸配列は、2つの配列がアライメントされる場合に、高い程度の配列相同性(例えば、約30%よりも高く、好ましくは40%よりも高いアミノ酸配列相同性)を有する。従って、例えば、用語「VP1」ポリペプチドは、任意の種々のパルボウイルスB19株および単離体由来のネイティブVP1をいう。多くのパルボウイルスB19株および単離体の上記タンパク質についての完全遺伝型および配列が既知である。例えば、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936;Gallinellaら、J.Virol.Methods(1993)41:203〜211を参照のこと。さらに、これらの領域由来のパルボウイルスB19由来のエピトープもまた、既知である。例えば、米国特許第5,436,127号;および国際公開番号WO91/12269を参照のこと。
【0039】
用語「アナログ」および「ムテイン」は、参照の分子の生物学的に活性な誘導体、またはこのような誘導体のフラグメントをいい、これらは所望の活性(例えば、診断アッセイにおける免疫反応性)を保持する。一般に、用語[アナログ」は、改変が免疫原性の活性を破壊しない限り、ネイティブな分子に関する1つ以上のアミノ酸添加、置換(一般に天然に保存される)および/または欠失を有するネイティブなポリペプチド配列および構造を有する化合物をいう。用語「ムテイン」は、1つ以上のペプチド模倣物(「ペプトイド」)を有するペプチド(例えば、国際公開番号WO91/04282に記載されるペプチド)をいう。好ましくは、アナログまたはムテインは、ネイティブ分子と少なくとも同じ免疫活性を有する。ポリペプチドアナログおよびムテインを作製する方法は、当該分野において公知であり、以下にさらに記載される。
【0040】
特に好ましいアナログとしては、天然で保存する置換(すなわち、その側鎖に関連するアミノ酸のファミリーで起こる置換)が挙げられる。詳細には、アミノ酸は、一般に以下の4つのファミリーに分けられる:(1)酸性−アスパラギン酸およびグルタミン酸;(2)塩基性−リジン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性−アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;および(4)非荷電極性−グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、スレオニン、チロシン。フェニルアラニン、トリプトファン、およびチロシンは、時折芳香族アミノ酸として分類される。例えば、イソロイシンまたはバリンでのロイシンの単離された置換、グルタミン酸でのアスパラギン酸の単離された置換、セリンでのスレオニンの単離された置換、あるいは構造的に関連するアミノ酸でのアミノ酸の類似の保存的置換が、生物学的活性に主な効果を有さないことが当然予測される。例えば、目的のポリペプチドは、分子の所望の機能がインタクトなままである限り、約5〜10までの保存的アミノ酸置換または非保存的アミノ酸置換、あるいは約15〜25までの保存的アミノ酸置換または非保存的アミノ酸置換、あるいは5〜25の間の任意の整数を含みうる。当業者は、目的の分子の領域を用意に決定し得、これらは、当該分野で周知のHopp/WoodsおよびKyte−Doolittleプロットを参照することによって変化に耐え得る。
【0041】
「単離された」によって、ポリペプチドを言及する際、示される分子が生物全体から分離および別にされることが意味され、ここでこの分子は、天然でか、または同じ型の他の生物学的高分子の実質的に非存在下で見出される。ポリヌクレオチドに関する用語「単離された」は、天然で普通に関連する配列;または天然に存在するがそれに関する異種配列を有する配列;または染色体と関係ない分子の全体または一部を欠く核酸分子である。
【0042】
示された配列に「由来する」ポリヌクレオチドまたは示された配列に「特異的な」ポリヌクレオチドは、示されたヌクレオチド配列の領域に対応する(すなわち、同一または相補的である)少なくとも約6ヌクレオチド、好ましくは少なくとも約8ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも約10〜12ヌクレオチド、そしてなおより好ましくは少なくとも約15〜20ヌクレオチドの連続配列を含むポリヌクレオチド配列をいう。誘導されたポリヌクレオチドは、目的のヌクレオチド配列に物理学的に由来する必要はないが、任意の様式で生成され得、これらとしては、化学合成、複製、逆転写または転写が挙げられるがこれらに限定されず、これらは、そのポリヌクレオチドが由来する領域に基づく配列によって提供される情報に基づく。このように、これらは、元のポリヌクレオチドのセンス方向またはアンチセンス方向のいずれかを示し得る。
【0043】
「相同性」は、2つのポリヌクレオチドまたは2つのポリペプチド部分の間の%類似性をいう。2つのDNA、または2つのポリペプチド配列は、配列が、規定された長さの配列にわたって、少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約75%、より好ましくは少なくとも約80%〜85%、好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95%〜98%、配列類似性を示す際に、互いに「実質的に相同性」である。本明細書中で使用される場合、実質的に相同はまた、特定のDNA配列またはポリペプチド配列に対して完全な同一性を示す配列をいう。
【0044】
一般に、「同一性」は、それぞれ2つのポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列の対応する正確なヌクレオチド 対 ヌクレオチドまたはアミノ酸 対アミノ酸をいう。%同一性は、配列を整列することにより2つの分子間の配列情報を直接比較し、2つの整列された配列間の正確な一致数を計数し、より短い配列の長さに分け、そして結果に100を乗算することによって決定され得ること。
【0045】
容易に利用可能なコンピュータプログラムは、相同性および同一性の分析における補助のために使用され得る(例えば、ペプチド分析についてのSmithおよびWaterman Advances in Appl.Math.2:482〜489、1981の局所相同性アルゴリズムに適用する、ALIGN,Dayhoff,M.O.Atlas
of Protein Sequence and Structure M.O.Dayhoff(編),5補遺3:353〜358,National biomedical Research Foundation,Washington,DC)。ヌクレオチド配列相同性を決定するためのプログラムは、Wisconsin Sequence Analysis Package,第8バージョン(Genetics Computer Group,Madison,Wiから入手可能)(例えば、BESTFIT、FASTAおよびGAPプログラム(これらはSmithおよびWatermanのアルゴリズムに基づく))にて利用可能である。これらのプログラムは、製造業者によって推奨される初期パラメーターで容易に利用され、そして上記で参照したWisconsin Sequence Analysis Packageに記載される。例えば、参照配列に対する特定のヌクレオチド配列の%相同性は、6つのヌクレオチド位の初期スコアリングテーブルおよびギャップペナルティーを用いるSmithおよびWatermanの相同性アルゴリズムを用いて決定され得る。
【0046】
本発明の文脈において%相同性を確立する別の方法は、John F.CollinsおよびShane S.Sturrokによって開発され、そしてIntelliGenetics,Inc.(Mountain View,CA)によって寄与されたUniversity of Edinburghによって著作権されたプログラムのMPSRCHパッケージを使用することである。このパッケージの適用から、Smith−Watermanアルゴリズムは、初期パラメーターがスコアリングテーブルについて使用される際(例えば、12のギャップオープンペナルティー、1のギャップ伸長ペナルティー、および6のギャップ)に、用いられ得る。このデータから、「配列相同性」を反映する「一致(match)」値を得た。配列間の%同一性または類似性を計算するための他の適切なプログラムは、一般に当該分野で公知であり、例えば、別のアライメントプログラムとしてはBLASTがあり、初期パラメータと共に使用される。例えば、BLASTNおよびBLASTPは、以下の初期パラメーターを用いて使用され得る:遺伝コード=標準;フィルター=なし;鎖=両方;カットオフ=60;除外=10;マトリクス=BLOSUM62;記載=50配列;ソート=HIGH SCORE;データベース=非重複、GenBank+EMBL+DDBJ+PDB+GenBank CDS翻訳+Swiss
protein+Spupdate+PIR。これらのプログラムの詳細は、以下のインターネットアドレスで見出され得る:http://www.ncbi.nlm.gov/cgi−bin/BLAST。
【0047】
あるいは、相同性は、相同性領域の間で安定な二本鎖を形成する条件下でポリヌクレオチドをハイブリダイゼーションし、続いて一本鎖特異的ヌクレアーゼで消化し、そして消化したフラグメントのサイズを決定することにより決定され得る。実質的に相同性であるDNA配列は、例えば、特定の系について規定されたようなストリンジェントな条件下でサザンハイブリダイゼーション実験にて同定され得る。適切なハイブリダイゼーション条件の規定は、当業者の範囲内である。Sambrookら、(前出);DNA Cloning(前出);Nucleic Acid Hybridization(前出)を参照のこと。
【0048】
「作動可能に連結した」は、記載された化合物は、その所望の機能を実行するように構成されるエレメントのアライメントをいう。従って、核酸配列に作動可能に連結した所定のプロモーターは、転写に影響し得、そしてコード配列の場合において、適切な転写因子などが存在する際にコード配列の発現に影響し得る。プロモーターは、その転写および/または発現に直接作用する限り、核酸配列と連続である必要はない。従って、例えば、翻訳されていないが転写された配列の介在は、転写されたイントロンがあり得るように、プロモーター配列とコード配列との間に存在し得、そしてプロモーター配列はなお、コード配列に「作動可能に連結した」とみなされ得る。
【0049】
核酸分子を説明するために本明細書中で使用される場合、「組換え」は、ゲノム、cDNA、ウイルス、半合成または合成起源のポリヌクレオチドをいい、その起源または操作の点は、天然で関連するポリヌクレオチドの全てまたは一部と関連しない。タンパク質またはポリペプチドに関して使用される場合、用語「組換え」は、組換えポリヌクレオチドの発現によって生成されるポリペプチドを意味する。一般に、目的の遺伝子は、クローン化され、次いで以下にさらに記載されるように形質転換された生物にて発現される。宿主生物は、発現条件下でタンパク質を生成する外来遺伝子を発現する。
【0050】
「制御エレメント」は、それが連結するヌクレオチド配列の転写および/または翻訳におけいて補助するポリヌクレオチド配列をいう。この用語は、プロモーター、転写終結配列、上流調節ドメイン、ポリアデニル化シグナル、非翻訳領域(5’−UTRおよび3’−UTRを含む)を含み、そして適切な場合、リーダー配列およびエンハンサーが挙げられ、これらは宿主細胞におけるコード配列の転写および翻訳のために集団で提供される。
【0051】
本明細書中で使用される場合「プロモーター」は、ポリメラーゼに結合し得、そしてそれに作動可能に連結した下流(3’方向)ヌクレオチド配列の転写を開始し得る調節領域である。本発明の目的のために、プロモーター配列は、上記のバックグラウンドを検出可能なレベルで目的の配列の転写を開始するのに必要な最少数の塩基またはエレメントを含む。ここで、プロモーター配列は、転写開始部位であり、そしてタンパク質結合ドメイン(コンセンサス配列)は、RNAポリメラーゼまたはDNAポリメラーゼの結合を担う。例えば、核酸に結合するシグナルとしてのDNA依存性RNAポリメラーゼ(「トランスクリプターゼ」)によって認識され、そして特定の部位でRNAの転写を開始する核酸配列であり得る。結合について、このようなトランスクリプターゼは、プロモーター配列およびその相補体を含む部分で二本鎖であるDNAを一般に必要とし;鋳型部分(転写される配列)は、二本鎖である必要はない。個々のDNA依存性RNAポリメラーゼは、転写の促進におけるそれらの効率を著しく改変し得る種々の異なるプロモーター配列を認識する。RNAポリメラーゼが、プロモーター配列に結合して転写を開始する場合、プロモーター配列は、転写される配列の一部ではない。従って、これにより生成されたRNA転写産物は含まれない。
【0052】
RNAポリメラーゼまたはDNAポリメラーゼがプロモーター配列に結合し、そして隣接配列を転写する場合、制御配列は、ヌクレオチド配列の「転写を指向する」。
【0053】
「DNA依存性DNAポリメラーゼ」は、DNAテンプレートから相補的DNAコピーを合成する酵素である。例としては、E.coli由来のDNAポリメラーゼIおよびバクテリオファージT7 DNAポリメラーゼがある。全ての既知のDNA依存性DNAポリメラーゼは、合成を開始するための相補的プライマーを必要とする。適切な条件下で、DNA依存性DNAポリメラーゼは、相補的DNAを合成し得る。
【0054】
「DNA依存性RNAポリメラーゼ」または「トランスクリプターゼ」は、プロモーター配列を有する二本鎖DNA分子または部分的二本鎖DNA(通常二本鎖)から複数のRNAコピーを合成する酵素である。RNA分子(「転写産物」)は、プロモーターのすぐ下流の特定の位置で開始して5’から3’方向に合成される。トランスクリプターゼの例は、E.coliならびにバクテリオファージT7、T3およびSP6由来のDNA依存性RNAポリメラーゼである。
【0055】
「RNA依存性DNAポリメラーゼ」または「逆転写酵素」は、RNAテンプレートから相補的DNAコピーを合成する酵素である。全ての既知の逆転写酵素はまた、DNAテンプレートから相補的DNAコピーを作製する能力を有し;従って、これらはRNA依存性DNAポリメラーゼとDNA依存性DNAポリメラーゼの両方である。プライマーは、RNAテンプレートとDNAテンプレートの両方で合成を開始する必要がある。
【0056】
「RNAse H」は、RNA:DNA二重鎖のRNA部分を分解する酵素である。これらの酵素は、エンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼであり得る。大半の逆転写酵素は、そのポリメラーゼ活性に加えてRNAse H活性を通常含む。しかし、RNAse Hの他の供給源は、ポリメラーゼ活性と関連せずには利用不可能である。この分解は、RNA:DNA複合体からのRNAの分離を生じ得る。あるいは、RNAse Hは、種々の位置でRNAを単純に切断し得、その結果RNAの一部は融解するか、または酵素にRNAの一部をほどかせる。
【0057】
用語「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「核酸」および「核酸分子」は、本明細書中で、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのいずれかの任意の長さのポリマー形態のヌクレオチドを含むように使用される。この用語は、分子の一次構造のみをいう。従って、この用語は、三重鎖DNA、二本鎖DNAおよび一本鎖DNA、ならびに三重鎖RNA、二本鎖RNAおよび一本鎖RNAを含む。これはまた、改変(例えば、メチル化および/またはキャッピングによる)、および非改変形態のポリヌクレオチドを含む。より詳細には、用語「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「核酸」、および「核酸分子」は、ポリデオキシリボヌクレオチド(2−デオキシ−D−リボースを含む)、ポリリボヌクレオチド(D−リボースを含む)、任意の他の型のポリヌクレオチド(プリン塩基またはピリミジン塩基のN−グリコシドまたはC−グリコシドである)、および非ヌクレオチド骨格を含む他のポリマー(例えば、ポリアミン(例えば、ペプチド核酸(PNA))およびポリモルホリノ(Anti−Virals,Inc.,Corvallis,OregonからNeugeneとして市販されている)ポリマー、および他の合成配列特異的核酸ポリマーが挙げられるが、ただしこのポリマーは、DNAおよびRNAにて見出されるような塩基対形成および塩基スタッキングを可能にする構造で核塩基を含む。用語「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「核酸」および「核酸分子」の間に意図された方向の長さは存在せず、そしてこれらの用語は、交換可能に使用される。これらの用語は、分子の一次構造のみをいう。従って、これらの用語としては、例えば、3’−デオキシ−2’,5’−DNA,オリゴデオキシリボヌクレオチドN3’P5’ホスホルアミデート、2’−O−アルキル−置換RNA、二本鎖DNAおよび一本鎖DNA、ならびに二本鎖RNAおよび一本鎖RNA、DNA:RNAハイブリッド、およびPNAとDNAまたはRNAとの間のハイブリッドが挙げられ、そして既知の型の改変(例えば、当該分野において公知の標識、メチル化、「キャップ」、アナログでの天然に存在するヌクレオチドの1つ以上の置換、ヌクレオチド間改変(例えば、非荷電の連結での改変(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホルアミデート、カルバメートなど)、陰性に荷電した連結(例えば、ホルホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)、および陽性に荷電した連結(例えば、アミノアルキルホスホルアミデート、アミノアルキルホスホトリエステル))、ペンダント部分を含む改変(例えば、タンパク質(ヌクレアーゼ、トキシン、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジンなどを含む)、インターカレーターを用いた改変(例えば、アクリジン、ソラレンなど)、キレーターを含む改変(例えば、金属、放射活性金属、ホウ素、酸化金属など)、アルキレーターを含む改変、改変された連結を用いた改変(例えば、αアノマー性核酸など)、ならびに非改変形態のポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドが挙げられる。特に、DNAは、デオキシリボ核酸である。
【0058】
本明細書中で使用される場合、用語「標的核酸領域」または「標的核酸」は、増幅されるべき「標的配列」を伴なう核酸を示す。この標的核酸は、一本鎖または二本鎖のいずれかであり得、そして標的配列の一方で他の配列を含み得、これは増幅され得ない。用語「標的配列」は、増幅される標的核酸の特定のヌクレオチド配列をいう。標的配列は、標的分子内に含まれるプローブ−ハイブリダイゼーション領域を含み得、ここでプローブは、所望の条件下で安定なハイブリッドを形成する。「標的核酸」はまた、オリゴヌクレオチドプライマーが複合体化する、複合体配列を含み得、標的配列をテンプレートとして使用して伸長され得る。標的核酸が、初め一本鎖である場合、用語「標的配列」はまた、標的核酸中に存在する場合、「標的配列」に対して配列相補的であるという。「標的核酸」が元々二本鎖である場合、用語「標的配列」は、プラス(+)鎖とマイナス(−)鎖の両方をいう。
【0059】
本明細書中で使用される場合、用語「プライマー」または「オリゴヌクレオチドプライマー」は、プライマー伸長産物の合成が誘導される条件下(すなわち、ヌクレオチドおよびポリマー化誘導剤(例えば、DNAポリメラーゼまたはRNAポリメラーゼ)の存在下、および適切な温度、pH、金属濃度、および塩濃度)に置かれる場合に、相補的DNA鎖の合成を開始するように作用するオリゴヌクレオチドをいう。このプライマーは、増幅の最大効率のために好ましくは一本鎖であるが、あるいは二本鎖でもあり得る。二本鎖である場合、このプライマーは伸長生成物を調製するために使用される前にその鎖を分離するようまず処置される。この変性工程は、代表的に熱によって影響されるが、あるいはアルカリ、続いて中和によって実施され得る。従って、「プライマー」は、テンプレートに相補的であり、水素結合またはテンプレートを用いたハイブリダイゼーションにより複合体化して、ポリメラーゼによる合成の開始のためのプライマー/テンプレート複合体を与え、これはDNA合成のプロセスにてテンプレートにその3’末端で連結した共有結合した塩基の添加によって伸長される。
【0060】
本明細書中で使用される場合、用語「プローブ」または「オリゴヌクレオチドプローブ」は、上記のようにポリヌクレオチドから構成される構造をいい、これらは、標的核酸分析物に存在する核酸配列に相補的である核酸配列を含む。プローブのポリヌクレオチド領域は、DNAおよび/またはRNA、および/または合成ヌクレオチドアナログから構成され得る。「オリゴヌクレオチドプローブ」が、5’ヌクレアーゼアッセイ(例えば、TaqManTM技術)において使用される場合、このプローブは、少なくとも1つの蛍光および少なくとも1つのクエンチャーを含み、これは、任意の増幅された標的オリゴヌクレオチド配列を検出するために反応にて使用されるポリメラーゼの5’エンドヌクレアーゼ活性によって消化される。この文脈において、オリゴヌクレオチドプローブは、その5’末端に隣接した十分な数のホスホジエステル結合を有し、その結果、使用される5’から3’へのヌクレアーゼ活性は、結合したプローブを効果的に分解して蛍光およびクエンチャーを分離し得る。オリゴヌクレオチドプローブが、TMA技術にて使用される場合、これは以下に記載されるように適切に標識される。
【0061】
ハイブリッド形成配列が、安定なハイブリッドを提供するために完全な相補性を有さないことが理解される。多くの状況において、安定なハイブリッドは、約10%よりも少ない塩基がミスマッチする場合に、4つ以上のヌクレオチドのイグノアリングループ(ignoring loop)を形成する。従って、本明細書中で使用される場合、用語「相補的」は、アッセイ条件下でその「相補体」と安定な二本鎖を形成するオリゴヌクレオチドをいい、一般に約90%よりも高い相同性がある。
【0062】
用語「ハイブリダイズ」および「ハイブリダイゼーション」は、ワトソン−クリック塩基対形成を介して複合体を形成するのに十分相補的であるヌクレオチド配列間の複合体の形成をいう。プライマーが標的(テンプレート)と「ハイブリダイズ」する場合、このような複合体(またはハイブリッド)は、例えば、DNA合成を開始するDNAポリメラーゼによって要求されるプライミング機能を与えるのに十分安定である。
【0063】
本明細書中で使用される場合、用語「結合対」は、互いに特異的に結合する第1および第2の分子(例えば、核酸二重鎖を形成し得る相補的ポリヌクレオチド対)をいう。サンプル中の結合対の第2のメンバーに対する結合対の第1のメンバーは、サンプル中の他の成分に対するよりも優れた親和性および特異性で、第2のメンバーに対する第1のメンバーの結合、またはその逆によって確認される。結合対のメンバー間の結合は、代表的に非共有結合である。文脈が明らかに他を示さない限り、用語「親和性分子」および「標的分析物」は、本明細書中でそれぞれ結合対の第1のメンバーおよび第2のメンバーをいうために使用される。
【0064】
用語「特異的結合分子」および「親和性分子」は、本明細書中で交換可能に使用され、そしてサンプル中に存在する検出可能な基質に化学的手段または物理学的手段を介して選択的に結合される分子をいう。「選択的結合」によって、目的の標的に優先的に結合するか、または他の分子よりも高い親和性で結合する分子が意味される。例えば、DNA分子は、実質的に相補的な配列に結合し、そして関連しない配列には結合しない。
【0065】
二本鎖DNAの「融解温度」または「Tm」は、DNAのヘリックス構造の半分が、熱または塩基対間の水素結合の他の解離(例えば、酸処理もしくはアルカリ処理など)に起因して喪失する温度として規定される。DNA分子のTmは、その長さおよびその塩基組成に依存する。GC塩基対がリッチなDNA分子は、大量のAT塩基対を有する分子よりも高いTmを有する。DNAの分離された相補鎖は、温度がTmよりも低い場合に、解離するかまたはアニールして二本鎖DNAを形成する。核酸ハイブリダイゼーションの最も速い速度は、Tmの約25℃より下で生じる。Tmは、以下の関係式を用いて見積もられ得る:Tm=69.3+0.41(GC)%(Marmurら(1962)J.Mol.Biol.5:109〜118)。
【0066】
本明細書中で使用される場合、「生物学的サンプル」は、被験体から単離された組織または流体のサンプルをいい、これらは共通して、被験体によって生成される抗体を含む。このような抗体を含む代表的なサンプルは、当該分野で公知であり、これらとしては、血液、血漿、血清、糞便、尿、骨髄、胆液、髄液、リンパ液、皮膚のサンプル、皮膚の分泌物、気道、腸管、および尿生殖器の道、涙、唾液、乳汁、血球、器官、生検が挙げられるがこれらに限定されず、そしてまたインビトロの細胞培養物構築物のサンプルとしては、培養培地中のおよび組織細胞(例えば、組換え細胞、および細胞成分)の増殖から得た馴化培地が挙げられるがそれに限定されない。
【0067】
本明細書中で使用される場合、用語「標識」および「検出可能な標識」は、検出可能な分子をいい、これらとしては、放射性同位体、蛍光、化学蛍光、発色団、酵素、酵素基質、酵素補因子、酵素インヒビター、発色団、色素、金属イオン、金属ゾル、リガンド(例えば、ビオチン、アビジン、ストレプトアミジン(strepavidin)またはハプテン)などが挙げられるが、これらに限定されない。用語「蛍光」は、基質またはその一部をいい、これらは、検出可能な範囲で蛍光を示し得る。
【0068】
(II.発明を実行する様式)
本発明を詳細に説明する前に、本発明が特定の処方物または当然変化し得るプロセスパラメーターに限定されないことが理解される。本明細書中で使用される専門用語が、本発明の特定の実施形態を説明する目的のみであり、限定を意図しないことが理解される。
【0069】
本明細書中に記載される組成物および方法に類似または等しい多数の組成物および方法が、本発明の実施において使用され得るが、好ましい材料および方法が、本明細書中に記載される。
【0070】
上記のように、本発明は、生物学的サンプルにおけるパルボウイルスB19感染を正確に検出するための新規プライマーおよびプローブおよび診断方法の発見に基づく。これらの方法は、感受性の核酸ベースの検出技術に依存し、これらは、少量のウイルスを含むサンプル中のパルボウイルスB19標的核酸配列の同定を可能にする。
【0071】
特に、本明細書中の発明者らは、診断試験についての所望の標的であるパルボウイルスB19ゲノム内の特徴づけられた領域を有する。これらの領域に由来するプライマーおよびプローブは、生物学的サンプルにおけるパルボウイルスB19感染の検出のために特に有用である。
【0072】
上記のパルボウイルスB19プライマーおよびプローブは、生物学的サンプルにおけるヒトパルボウイルスB19感染の検出のための核酸ベースのアッセイにて使用される。
【0073】
特に、これらのアッセイにおける使用のためのプライマーおよびプローブは、好ましくはShadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936のヌクレオチド217〜4678位に対応するパルボウイルスB19ゲノムの約4.7kbフラグメントに由来する。2つの異なるパルボウイルスB19単離体からのこの領域のヌクレオチド配列は、本明細書中の図3A〜3Cおよび4A〜4Cに記載される。上記で説明されるように、このフラグメントは、NS1、VP1およびVP2コード領域を含む。
【0074】
本アッセイでの使用のために特に好ましいプライマーおよびプローブは、パルボウイルスB19ゲノムの高度に保存された領域から設計されて種々の単離体によって生じるパルボウイルスB19感染の検出を可能にする。本明細書中に記載されるように、パルボウイルスB19ゲノムの高度に保存された領域は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムについて番号づけられたヌクレオチド2936〜3635位の間隔の700bp内に見出される。この領域は、ゲノムのVP1領域内に見出される。21個の異なるパルボウイルスB19単離体由来のこの領域の配列は、本明細書中の図2A〜2Uに示される。さらなる26個の単離体由来の配列は、本明細書中の図11A〜11Zに示される。これらの配列の比較は、この領域が単離体から単離体に約98%〜99.5%の配列相同性を示し、非常の所望される標的配列を作製することを示す。プライマーおよびプローブの設計のために、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に関して番号つけられた約ヌクレオチド3073〜3442位の間隔であるVP1内に見出される370bp領域、ならびに4.7kbの3’位およびShadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に関して番号つけられたヌクレオチド4728〜4941の間隔内で生じる図1に記載の214bpのフラグメントもまた所望される。
【0075】
4.7kbp、700bpおよび370bp領域は、これらの特定の領域内に見られるパルボウイルスB19配列の部分を、本明細書中ならびに米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号および同4,889,818号に記載され、そして本明細書中に提供される配列に基づく反応のようなPCR反応のプライマーとして使用して、さらなる単離物から容易に得られる。所望の配列を有するヌクレオチド配列を得る別の方法は、従来の自動化ポリヌクレオチド合成機で生成された重複する合成オリゴヌクレオチドの相補的な対をアニールすることに続いて適切なDNAリガーゼでライゲーションすることおよびライゲーションされたヌクレオチド配列をPCRを介して増幅することによる。例えば、Jayaramanら、(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:4084〜4088を参照のこと。一旦、この配列が調製または単離されると、これらは、任意の適切なベクターまたはレプリコン中にクローニングされ得る。多くのクローニングベクターが当業者に公知であり、そして適切なクローニングベクターの選択は、設計事項である。適切なベクターとしては、適切な制御エレメントと結合した場合に複製し得るプラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、染色体またはウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。組換えクローンは、当該分野で周知であり、そして以下の実施例に記載される技術を使用する、制限酵素分析およびポリアクリルアミドゲルまたはアガロースゲル電気泳動により、容易に同定される。
【0076】
本明細書中に記載のアッセイにおける使用のためのプライマーおよびプローブは、これらの配列に由来し、そして米国特許第4,458,066号および同第4,415,732号;Beaucageら、(1992)Tetrahedron 48:2223〜2311;およびApplied Biosystems User Bulletin 13号(1987年4月1日)に開示されるような、標準的な技術(例えば、ホスホルアミダイト化学を介した固相合成)によって容易に合成される。他の化学的合成方法としては、例えば、Narangら、Meth.Enzymol.(1979)68:90に記載されたホスホトリエステル方法およびBrownら、Meth.Enzymol.(1979)68:109により開示されたホスホジエステル方法が挙げられる。ポリ(A)またはポリ(C)、あるいは他の非相補的なヌクレオチド伸長は、これらの同じ方法を使用してプローブに取り込まれ得る。ヘキサエチレン酸化物伸長は、当該分野で公知の方法によってプローブに結合され得る。Cloadら、(1991)J.Am.Chem.Soc.113:6324〜6326;Levensonらに対する米国特許第4,914,210号;Durandら、(1990)Nucleic Acids Res.18:6353〜6359;およびHornら、(1986)Tet.Lett.27:4705−4708。代表的には、プライマー配列は、10〜75ヌクレオチド長の間の範囲内(例えば、15〜60、20〜40など)であり、より代表的には18〜40ヌクレオチド長の間の範囲内および述べられた範囲内の任意の長さである。代表的なプローブは、10〜50ヌクレオチド長の間の範囲内(例えば、15〜40、18〜30など)および述べられた範囲内の任意の長さである。
【0077】
さらに、このプローブは、検出のために標識に結合され得る。標識の付加を可能にする反応官能基でオリゴヌクレオチドを誘導体化することについて公知のいくつかの方法が存在する。例えば、プローブをビオチン化するために、いくつかのアプローチが利用可能であり、その結果アビジンを介して、放射活性標識、蛍光標識、化学発光標識、酵素的標識、または電子密度標識が、結合され得る。例えば、Brokenら、Nucl.Acids Res.(1978)5:363−384(これは、フェリチン−アビジン−ビオチン標識の使用を開示する);およびCholletら、Nucl.Acids Res.(1985)13:1529−1541(これは、アミノアルキルホスホルアミドリンカーアームを介したオリゴヌクレオチドの5’末端のビオチン化を開示する)を参照のこと。イソチオシアネート、N−ヒドロキシスクシンイミドなどのような、アミノ反応基によって誘導体化された蛍光化合物または他の型の化合物により容易に標識されるアミノ誘導体化オリゴヌクレオチドを合成するために、いくつかの方法がまた利用可能である(例えば、Connolly(1987)Nucl.Acids Res.15:3131−3139,Gibsonら、(1987)Nucl.Acids Res.15:6455〜6467およびMiyoshiらに対する米国特許第4,605,735号を参照のこと)。チオール特異的標識に反応し得るスルフヒドリル誘導体化オリゴヌクレオチドを合成するための方法がまた、利用可能である(例えば、Fungらに対する米国特許第4,757,141号、Connollyら、(1985)Nucl.Acids Res.13:4485〜4502およびSpoatら、(1987)Nucl.Acids Res.15:4837〜4848を参照のこと)。DNAフラグメントを標識するための方法論の総合的な総説は、Matthewsら、Anal.Biochem.(1988)169:1〜25に提供される。
【0078】
例えば、プローブは、蛍光分子をプローブの未連結末端に連結することによって蛍光標識され得る。適切な蛍光標識を選択するための手引きは、Smithら、Meth.Enzymol.(1987)155:260〜301;Kargerら、Nucl.Acids Res.(1991)19:4955〜4962;Haugland(1989)Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals (Molecular Probes,Inc.,Eugene,OR)に見出され得る。好ましい蛍光標識としては、米国特許第4,318,846号およびLeeら、Cytometry(1989)10:151〜164に開示されるような、フルオレセインおよびその誘導体ならびに6−FAM、JOE、TAMRA、ROX、HEX−1、HEX−2、ZOE、TET−1またはNAN−2などが挙げられる。
【0079】
さらに、プローブは、下記の技術を使用して、アクリジニウムエステル(AE)で標識され得る。現在の技術は、AE標識が、プローブ内の任意の部位に位置付けられることを可能にする。例えば、Nonisotopic Probing, Blotting and Sequencing,Kricka L.J.(編)Academic Press,San Diego,CAのNelsonら、(1995)「Detection of Acridinium Esters by Chemiluminescence」;The Polymerase Chain Reaction,Mullisら(編)Birkhauser,Boston,MAのNelsonら(1994)「Application of the Hybridization Protection Assay(HPA) to PCR」;Weeksら、Clin.Chem.(1983)29:1474〜1479;Berryら、Clin.Chem.(1988)34:2087〜2090を参照のこと。AE分子は、プローブ内の任意の位置における標識の配置を可能にする、非ヌクレオチドベースのリンカーアーム化学を使用してプローブに直接結合され得る。例えば、米国特許第5,585,481号および同第5,185,439号を参照のこと。
【0080】
特定の実施形態において、内部コントロール(IC)または内部標準物質が、標的の捕捉および増幅についてのコントロールとして供するために添加される。好ましくは、標的配列と異なる配列を含むICは、サンプル由来の生物について特異的なオリゴヌクレオチドを分離するために使用されるプローブ配列とハイブリダイズされ得、そして増幅され得る。ICの使用は、分離プロセス、増幅プロセス、および検出系の制御を可能にし、そしてサンプルについてのアッセイ性能および定量化のモニタリングを可能にする。ICが得られ得る代表的な配列は、図12で示される。このICは、任意の適切なポイント(例えば、溶解緩衝液中)において含まれ得る。一つの実施形態において、ICは、パルボウイルスB19由来のヌクレオチド配列を含むM13 ssDNAおよびプローブとハイブリダイズする特有の配列(例えば、標的配列が、5〜20塩基もしくはそれ以上、好ましくは5〜15塩基(例えば、5、10または15塩基)、またはこの範囲内の任意の数だけ置換するかまたは欠失させることによって改変された、VP1領域由来の配列を含む)を含む。置換された塩基または欠失された塩基は、好ましくは2個または3個の連続した配列のみが置換されるように標的配列の全長にわたって存在する。従って、例えば、標的配列がCTACTTGCTGCGGGAGAAAAACACCT(配列番号91)である場合、この配列は、ICにおいて例えば、AGCTAGACCTGCATGTCACTG(配列番号90)で置換され得る。
【0081】
固体支持体は、さらに内部標準に特異的なプローブ(ICプローブ)を含み得、それによって、このICプローブが使用された場合、捕捉が容易となる。このICプローブは、必要に応じて、標的配列に対する検出可能な標識とは異なる検出可能な標識と結合され得る。検出可能な標識が発蛍光団である実施形態において、このICは、分光光度法で検出研究の限界まで定量され得る。代表的には、標的検出に干渉しないICのコピー数は、標的の固定されたIU(好ましくは、下限において)でICを滴定することによって決定され、検量線が国際的に受容されるIUのサンプルを希釈することにより作成される。パルボウイルスB19の定量について、8000IU〜125IUの8メンバーのパネルが、使用され得る。
【0082】
別の実施形態において、本明細書中に記載されるようなICは、当業者に公知である標準的な技術、および本明細書中に記載される標準的な技術に従って、サンプルから単離されたRNAと組み合わされる。次いで、RNAは、コピーDNAを提供するために逆転写酵素を使用して逆転写される。必要に応じて、標識化プライマーを使用してcDNA配列が(例えば、PCRによって)増幅され得る。増幅産物は、代表的に電気泳動によって分離され、そして放射活性の量(増幅産物の量に比例する)が決定される。次いで、既知の標準物質により産生されたシグナルとの比較によって、サンプル中のmRNAの量が算出される。
【0083】
上に記載のプライマーおよびプローブは、生物学的サンプル中のパルボウイルスB19感染を検出するために、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)ベースの技術において使用され得る。PCRは、核酸分子または分子の混合物中に含まれる所望の標的核酸配列を増幅するための技術である。PCRにおいて、標的核酸の相補鎖にハイブリダイズするために、プライマーの対が、過剰量で使用される。このプライマーは、標的核酸を鋳型として使用して、ポリメラーゼによりそれぞれ伸長される。伸長産物は、元の標的鎖から解離後、それ自体が標的配列になる。次いで、新たなプライマーがハイブリダイズされ、ポリメラーゼにより伸長され、そして標的配列分子の数を幾何級数的に増加させるために、このサイクルを繰り返す。サンプル中の標的核酸配列を増幅するためのPCR方法は、当該分野で周知であり、そして例えば、Innisら(編)PCR Protocols(Academic Press,NY 1990);Taylor(1991)Polymerase chain reaction:basic principles and automation,in PCR:A Practical Approach,McPhersonら(編)IRL Press,Oxford;Saikiら、(1986)Nature 324:163;ならびに米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号および同第4,889,818号に記載されている。
【0084】
詳細には、PCRは、比較的短いオリゴヌクレオチドプライマー(増幅される標的ヌクレオチド配列に隣接し、それらの3’末端が互いの方を向くように置かれ、各プライマーは他方に向かって伸長する)を使用する。ポリヌクレオチドサンプルは抽出され、そして(好ましくは、熱によって)変性され、そしてモル過剰で存在する第一プライマーおよび第二プライマーでハイブリダイズされる。重合は、4つのデオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP−−dATP、dGTP、dCTPおよびdTTP)の存在下で、プライマー伸長産物を産生し得る任意の酵素(例えば、E.coli DNAポリメラーゼI、DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメント、T4 DNAポリメラーゼ、以下から単離された熱安定性DNAポリメラーゼ:Thermus aquaticus(Taq)(種々の供給源(例えば、Perkin Elmer)から入手可能)、Thermus
thermophilus(United States Biochemicals)、Bacillus stereothermophilus(Bio−Rad)、またはThermococcus litoralis(「Vent」ポリメラーゼ、New England Biolabs))のようなプライマー依存性および鋳型依存性のポリヌクレオチド重合化剤を使用して触媒される。これは、その5’末端(新たに合成された元の鎖の相補体に共有結合されている)にそれぞれのプライマーを含む2つの「長い産物」を生じる。次いで、反応混合物は、例えば、温度を下げる工程、変性剤を不活化する工程、またはさらなるポリメラーゼを加える工程によって、重合化条件に戻され、そして第二サイクルが開始される。第二サイクルは、2個の元の鎖、第一サイクル由来の2個の長い産物、元の鎖から複製された2個の新たな長い産物、および長い産物から複製された2個の「短い産物」を提供する。この短い産物は、各末端にプライマーを有する標的配列の配列を有する。各追加のサイクルにおいて、さらなる2個の長い産物、ならびに(前サイクルの最後において残っている長い産物および短い産物の数と等しい)多数の短い産物が産生される。従って、標的配列を含む短い産物の数は、各サイクルで指数関数的に増大する。好ましくは、PCRは、市販の熱サイクル機(thermal cycler)(例えば、Perkin Elmer)を用いて達成される。
【0085】
RNAは、上に記載されるように、mRNAをcDNAに逆転写し、次いでPCR(RT−PCR)を実施することによって、増幅され得る。あるいは、米国特許第5,322,770号に記載されるように、一つの酵素が両方の工程に使用され得る。mRNAはまた、Marshallら、(1994)PCR Meth.App.4:80〜84に記載されるように、cDNAに逆転写され、次いで、非対称ギャップリガーゼ連鎖反応(RT−AGLCR)が行われる。
【0086】
蛍光発生的5’ヌクレアーゼアッセイ(TaqManTMアッセイ(Perkin−Elmer)として知られる)は、核酸標的に対する強力かつ多用途のPCRベース検出システムである。故に、本明細書中に記載されるパルボウイルスB19ゲノムの領域由来のプライマーおよびプローブは、生物学的サンプル中の感染の存在を検出するために、TaqManTM分析において使用され得る。分析は、蛍光シグナルの産生をモニターすることによって、熱サイクル法と連動して実施される。このアッセイ系は、ゲル電気泳動分析の必要性をなくし、標的コピー数の決定を可能にする定量的データを作成する能力を有する。
【0087】
蛍光発生的5’ヌクレアーゼアッセイは、例えばAmpliTaq GoldTMDNAポリメラーゼ(これは、内在性の5’ヌクレアーゼ活性を有し、蛍光レポーター色素およびクエンチャーの両方で標識された内部オリゴヌクレオチドプローブを消化する)を使用して、都合よく実施される(Hollandら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1991)88:7276〜7280;およびLeeら、Nucl.Acids Res.(1993)21:3761〜3766を参照のこと)。アッセイの結果は、増幅サイクルの間に起こる蛍光の変化を測定することによって検出される。なぜなら、蛍光プローブが消化されることにより、色素標識とクエンチャー標識が分離し、そして標的DNAの増幅に比例する蛍光シグナルにおける増強を生じるからである。
【0088】
増幅産物は、溶液中または固体支持体を使用して検出され得る。この方法において、TaqManTMプローブは、所望のPCR産物中の標的配列にハイブリダイズするように設計される。TaqManTMプローブの5’末端は、蛍光レポーター色素を含む。このプローブの3’末端は、プローブの伸長を防ぐためにブロックされ、5’発蛍光団の蛍光をクエンチする色素を含む。その後の増幅の間に、5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼが反応液中に存在する場合、5’蛍光標識は、切り離される。5’発蛍光団の切除は、検出され得る蛍光の増加を生じる。
【0089】
詳細には、オリゴヌクレオチドプローブは、ハイブリダイズされない場合に、このプローブが少なくとも1つの一本鎖構造(ここでクエンチャー分子は、レポーター分子の蛍光をクエンチするために十分なほどリポーター分子の近くにある)で存在するように構築される。オリゴヌクレオチドプローブはまた、標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズした場合に、クエンチャー分子がレポーター分子の蛍光をクエンチするために十分なほどレポーター分子の近くには位置されないような少なくとも一つの構造で存在する。これらのハイブリダイズされた構造およびハイブリダイズされていない構造を取り入れることによって、プローブがハイブリダイズされた場合およびハイブリダイズされていない場合で、プローブ上のレポーター分子およびクエンチャー分子は、異なる蛍光シグナル強度を示す。結果として、レポーター分子、クエンチャー分子またはその組合せの蛍光強度の変化に基づいて、プローブがハイブリダイズされているか、あるいはハイブリダイズされていないかを決定し得る。さらに、このプローブは、ハイブリダイズされていない場合、クエンチャー分子がレポーター分子をクエンチするように設計され得るので、このプローブは、ハイブリダイズされるかまたは消化されない限り、レポーター分子が限定的な蛍光を示すように設計され得る。
【0090】
従って、本発明は、5’→3’ヌクレアーゼ活性を有する核酸ポリメラーゼ、標的B19配列にハイブリダイズし得る1つ以上のプライマー、ならびにプライマーに対して3’側の標的B19配列にハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドプローブを使用して標的パルボウイルスB19ヌクレオチド配列を増幅するための方法に関する。増幅の間に、ポリメラーゼは、オリゴヌクレオチドプローブが標的配列にハイブリダイズされた場合にそのオリゴヌクレオチドプローブを消化し、それによりレポーター分子をクエンチャー分子から分離する。増幅が実施されながら、核酸増幅の発生に対応するレポーター分子の蛍光がモニターされる。レポーター分子は、好ましくはフルオレセイン色素であり、そしてクエンチャー分子は、好ましくはローダミン色素である。
【0091】
プライマーおよびプローブの長さは、変わり得るが、プローブの配列は、プライマー配列より低い融解温度を有するように選択される。故に、プライマー配列は、一般にプローブ配列よりも長い。代表的には、プライマー配列は、10〜75ヌクレオチド長の範囲内であり、より代表的には20〜45ヌクレオチド長の範囲内である。代表的なプローブは、10〜50ヌクレオチド長の範囲内であり、より代表的には15〜40ヌクレオチド長の範囲内である。
【0092】
固体支持体が使用される場合、オリゴヌクレオチドプローブは、種々の様式において、固体支持体に結合され得る。例えば、このプローブは、固体支持体に、そのプローブの3’または5’末端ヌクレオチドを結合させることによって、固体支持体に結合され得る。より好ましくは、このプローブは、固体支持体からプローブを遠ざけるために役立つリンカーによって固体支持体に結合される。このリンカーは通常、少なくとも15〜30原子の長さであり、より好ましくは15〜50原子の長さである。。このリンカーに必要とされる長さは、使用される特定の固体支持体に依存する。例えば、固体支持体として高架橋化ポリスチレンが使用される場合、一般に、6原子のリンカーで十分である。
【0093】
広範な種々のリンカーが当該分野で公知であり、オリゴヌクレオチドプローブを固体支持体に結合させるために使用され得る。このリンカーは、固体支持体に結合されたプローブへの標的配列のハイブリダイゼーションに有意に干渉しない任意の化合物で形成され得る。このリンカーは、自動化合成によって容易にリンカーに付け足され得るホモポリマーのオリゴヌクレオチドで形成され得る。あるいは、官能性ポリエチレングリコールのようなポリマーが、リンカーとして使用され得る。このようなポリマーは、ホモポリマーのオリゴヌクレオチドよりも好ましい。なぜなら、標的オリゴヌクレオチドへのプローブのハイブリダイゼーションを有意に干渉しないからである。ポリエチレングリコールが、特に好ましい。
【0094】
固体支持体、リンカーおよびプローブの間の連結は、好ましくは高温における塩基性条件下での塩基保護基の除去の間に切断されない。好ましい連結の例としては、カルバメート連結およびアミド連結が挙げられる。
【0095】
オリゴヌクレオチドプローブの固定化のための固体支持体の好ましい型の例としては、制御された多孔質ガラス(controlled pore glass)、ガラスプレート、ポリスチレン、アビジンコートされたポリスチレンビーズ、セルロース、ナイロン、アクリルアミドゲルおよび活性化デキストランが挙げられる。
【0096】
TaqManTMアッセイ、その使用に関する試薬および条件の詳細な説明については、Hollandら、Proc.Natl.Acad.Sci,U.S.A.(1991)88:7276〜7280;米国特許第5,538,848号、同第5,723,591号および同第5,876,930号を参照のこと。
【0097】
本明細書中に記載されるパルボウイルスB19配列はまた、転写介在増幅(TMA)アッセイの基材として使用され得る。TMAは、生物学的サンプル中に非常に少量で存在する標的核酸配列を同定する方法を提供する。このような配列は、直接的なアッセイ方法では検出することが難しいかまたは不可能であり得る。特に、TMAは、標的配列の10億を超えるRNAコピーを提供し得る等温の自己触媒性核酸標的増幅系である。このアッセイは、生物学的サンプル中の標的配列の存在または非存在を正確に検出するために定性的に実施され得る。このアッセイはまた、標的配列の量の数桁規模の濃度範囲にわたる定量的測定を提供し得る。TMAは、温度、イオン強度およびpHのような反応条件の反復操作なしで標的核酸配列の複数のコピーを自己触媒的に合成するための方法を提供する。
【0098】
一般的に、TMAは、以下の工程を包含する:(a)パルボウイルスB19に感染されていると推測される目的の生物学的サンプルから核酸(RNAを含む)を単離する工程、および(b)反応混合物に以下を組み合わせる工程:(i)単離された核酸、(ii)第一オリゴヌクレオチドプライマーおよび第二オリゴヌクレオチドプライマーであって、第一プライマーは、RNA標的配列(例えば、(+)鎖)が存在する場合には、ともに複合体化するRNA標的配列の3’末端部分に十分に相補的な複合体化(complexing)配列を有し、そして第二プライマーはともに複合体化するその相補物(例えば、(−)鎖)の標的配列の3’末端部分に十分に相補的な複合体化配列を有し、ここで第一オリゴヌクレオチドは、複合体化配列の5’側の配列(プロモーターを含む)をさらに含む、第一オリゴヌクレオチドプライマーおよび第二オリゴヌクレオチドプライマー(iii)逆転写酵素またはRNA依存性DNAポリメラーゼおよびDNA依存性DNAポリメラーゼ、(iv)RNA−DNA複合体のRNA鎖を選択的に分解する酵素活性(例えば、RNAseH)ならびに(v)プロモーターを認識するRNAポリメラーゼ。
【0099】
反応混合物の成分は、段階的に混合されても、一度に混合されてもよい。反応混合物は、オリゴヌクレオチド/標的配列が形成される条件下(DNAプライミング条件および核酸合成条件(リボヌクレオチド三リン酸およびデオキシリボヌクレオチド三リン酸を含む)を含む)で、標的配列の複数コピーを提供するために十分な期間インキュベートされる。この反応は、酵素成分のような反応成分の安定性を維持するために適切な条件下で、増幅反応の過程中における反応条件を改変も操作もする必要なく有利に起こる。従って、この反応は、実質的に等温であり、そして実質的に一定のイオン強度およびpHを含む条件下で起こり得る。この反応は、便利なことに、第1のDNA伸長反応により産生されるRNA−DNA複合体を分離するための変性工程を必要としない。
【0100】
適切なDNAポリメラーゼとしては、鳥類骨髄芽球症ウイルス(AMV)逆転写酵素(例えば、Seikagaku America,Inc.から入手可能)およびモロニーマウス白血病ウイルス(MMLV)逆転写酵素(例えば、Bethesda Research Laboratoriesから入手可能)のような逆転写酵素が挙げられる。
【0101】
プライマーへの組み込みに適切なプロモーターまたはプロモーター配列は、その配列を認識および結合し、そしてRNA転写物が産生される転写プロセスを開始するRNAポリメラーゼによって特異的に認識される核酸配列(天然に存在する核酸配列、合成により生成された核酸配列または制限消化の産物のいずれか)である。この配列は、必要に応じて、さらなる安定性または分解プロセスに対する感受性あるいは増強された転写効率を与え得る、RNAポリメラーゼの実際の認識部位を越えて広がるヌクレオチド塩基を含み得る。有用なプロモーターの例としては、バクテリオファージT3、T7またはSP6由来のポリメラーゼのような特定のバクテリオファージのポリメラーゼによって認識されるプロモーター、あるいはE.coli由来のプロモーターが挙げられる。これらのRNAポリメラーゼは、New England BiolabsおよびEpicentreのような商業的供給源から容易に入手可能である。
【0102】
本明細書中の方法における使用に適切ないくつかの逆転写酵素は、AMV逆転写酵素のようにRNAseH活性を有する。しかし、AMV逆転写酵素が使用される場合でさえ、E.coli RNAseHのような外来のRNAseHを添加することが好適であり得る。RNAseHは、例えば、Bethesda Research Laboratoriesから容易に入手可能である。
【0103】
これらの方法によって産生されたRNA転写物は、上記の機序を介して標的配列のさらなるコピーを産生するための鋳型として役立ち得る。この系は、自己触媒的であり、そして増幅は、温度、pH、イオン強度などのような反応条件を繰り返し改変(modifying)も変更(changing)もする必要なく、自己触媒的に起こる。
【0104】
検出は、直接の配列決定、配列特異的オリゴマーとのハイブリダイゼージョン、ゲル電気泳動および質量分析を含む、広範な種々の方法を使用して実施され得る。これらの方法は、異種の形態または同種の形態の同位体標識または非同位体標識、ならびに全くの無標識を使用し得る。
【0105】
一つの好ましい検出の方法は、上記の4.7kbpフラグメント、700bpフラグメント、370bpフラグメント、および214bpフラグメント由来の標的配列特異的オリゴヌクレオチドプローブの使用である。このプローブは、ハイブリダイゼーションプロテクションアッセイ(HPA)において使用され得る。この実施形態において、このプローブは、高度に化学発光性の分子である、アクリジニウムエステル(AE)で都合よく標識される。例えば、Nonisotopic Probing,Blotting and Sequencing,Kricka L.J.(編)Academic Press,San Diego,CAのNelsonら、(1995)「Detection of Acridinium Esters by Chemiluminescence」;The Polymerase Chain Reaction,Mullisら(編)Birkhauser,Boston,MAのNelsonら、(1994)「Application of the Hybridization Protection Assay (HPA) to PCR」;Weeksら、Clin.Chem.(1983)29:1474〜1479;Berryら、Clin.Chem.(1988)34:2087〜2090を参照のこと。1つのAE分子は、プローブ内の任意の位置における標識の配置を可能にする、非ヌクレオチドベースのリンカーアーム化学を使用してプローブに直接結合される。例えば、米国特許第5,585,481号および同第5,185,439号を参照のこと。化学発光は、励起されたN−メチルアクリドン(これは続いて、光子の放出で基底状態に落ちる)を生じるアルカリ性の過酸化水素との反応により引き起こされる。さらに、AEは、非化学発光性メチルアクリジニウムカルボン酸を生じるエステル加水分解を起こす。
【0106】
AE分子が、核酸プローブに共有結合される場合、加水分解は、弱アルカリ性条件下で迅速である。AE標識化プローブが標的核酸に正確に相補的である場合、AE加水分解の速度は、かなり低減される。故に、ハイブリダイズしたAE標識化プローブおよびハイブリダイズしていないAE標識化プローブは、物理的な分離の必要性なしに、溶液中で直接検出され得る。
【0107】
HPAは、一般的に以下の工程からなる:(a)AE標識化プローブを、溶液中で約15〜約30分間、標的核酸分子とハイブリダイズする。次いで、弱アルカリ性溶液が添加され、そしてハイブリダイズしていないプローブと結合したAEは、加水分解される。この反応は、おおよそ5〜10分かかる。残りのハイブリッド関連AEは、存在する標的の量の尺度として検出される。この工程は、おおよそ2〜5秒間かかる。好ましくは、差示的加水分解の工程は、ハイブリダイゼーション工程と同じ温度(代表的には50〜70℃)で実施される。あるいは、第二の差示的加水分解工程が、室温で実施され得る。これは、上昇されたpH(例えば、10〜11の範囲内)が使用されることを可能にする。上昇されたpHは、ハイブリダイズしたAE標識化プローブとハイブリダイズしていないAE標識化プローブとの間の加水分解の速度に大きな差を生じさせる。HPAは、例えば、米国特許第6,004,745号;同第5,948,899号;および同第5,283,174号において詳細に記載される。
【0108】
TMAは、例えば、米国特許第5,399,491号において詳細に記載される。代表的なアッセイの一つの例において、単離された核酸サンプル(パルボウイルスB19標的配列を含むことが予測される)は、緩衝剤、塩、マグネシウム、ヌクレオチド三リン酸、プライマー、ジチオトレイトール、およびスペルミジンを含む緩衝剤濃縮物と混合される。この反応は、必要に応じて、いかなる二次構造をも変性させるために約100℃でおおよそ2分間インキュベートされる。室温まで冷却した後、逆転写酵素、RNAポリメラーゼ、およびRNAseHが添加され、そしてこの混合物は、37℃で2〜4時間インキュベートされる。次いで、この反応は、産物を変性し、プローブ溶液を添加し、60℃で20分間インキュベートし、ハイブリダイズしていないプローブを選択的に加水分解する溶液を添加し、60℃で6分間、この反応をインキュベートし、そして照度計で残存する化学発光を測定することによりアッセイされ得る。
【0109】
本発明のオリゴヌクレオチド分子はまた、核酸配列ベースの増幅(nucleic acid sequence−based amplification)(NASBA)において使用され得る。この方法は、特定の核酸の連続的、均一的かつ等温性のインビトロ増幅を誘導し、その核酸のRNAコピーを提供する、プロモーター指向性の酵素的プロセスである。NASBAを実施するための試薬としては、プロモーターを含む5’テールを有する第一DNAプライマー、第二DNAプライマー、逆転写酵素、RNAse−H、T7 RNAポリメラーゼ、NTPおよびdNTPが挙げられる。NASBAを使用して、一本鎖RNAまたは一本鎖DNA、あるいは二本鎖DNAのいずれかから、大量の一本鎖RNAが産生される。RNAが増幅される場合、ssRNAは、RNAポリメラーゼ認識部位を含む第一プライマーの伸長による、第一DNA鎖の合成のための鋳型として働く。このDNA鎖は、次いで第二プライマーの伸長によって、相補的な第二のDNA鎖の合成のための鋳型として働き、活性な二本鎖のRNAポリメラーゼプロモーター部位を生じ、そしてこの第二のDNA鎖は、RNAポリメラーゼと協力して大量の第一鋳型(ssRNA)の合成するための鋳型として働く。NASBA技術は、当該分野で公知であり、そして例えば、欧州特許第329,822号、国際特許出願WO 91/02814、ならびに米国特許第6,063,603号、同第5,554,517号、および同第5,409,818号に記載される。
【0110】
本明細書中に記載されるパルボウイルスB19配列はまた、分枝DNA分子を利用する核酸ハイブリダイゼーションおよび増幅技術において有用である。基本的な核酸ハイブリダイゼーションアッセイにおいて、一本鎖の分析物核酸は、標識化一本鎖核酸プローブにハイブリダイズされ、そして生じた標識化二本鎖が検出される。この基本スキームのバリエーションが、外来の物質に由来する検出されるべき二本鎖の分離を容易にするためおよび/または検出されるシグナルを増幅するために開発されている。シグナルを増幅するための一つの方法は、分析物核酸または分析物に結合される核酸の鎖に特異的にハイブリダイズする第一セグメントを有するポリヌクレオチドである増幅マルチマーおよび標識化プローブに特異的にハイブリダイズする第二セグメントの反復物を使用する。この増幅は、第二セグメントの反復物に理論上比例する。このマルチマーは、直線であっても分枝であってもよい。分枝マルチマーの2つの一般的な型(フォークおよびコーム)は、これらの技術において有用である。分枝核酸分子を作製および使用するための方法は、当該分野で公知であり、そして例えば、米国特許第5,849,481号において記載される。
【0111】
本発明の別の局面において、上記の2以上の試験が、生物の存在を確認するために実施される。例えば、第一テストが、検出のために核酸を増幅するために転写介在増幅(TMA)を使用した場合、別の(例えば、本明細書中に記載されるようにPCR増幅、RT PCRなどを使用することによる)核酸試験(NAT)が実施される。従って、サンプルが、例えばHIVおよびB型肝炎ウイルスのような他の生物を含む場合でさえ、パルボウイルスB19は、特異的かつ選択的に検出され得る。
【0112】
容易に明白であるように、本明細書に記載されるアッセイの設計は、多くのバリエーションの対象となり、多くの様式が当該分野で公知である。上の記載は、ただ手引きとして提供されるにすぎず、当業者は、当該分野で周知の技術を使用して容易に記載のプロトコールを改変し得る。
【0113】
上記のアッセイ試薬(プライマー、プローブ、結合されたプローブを有する固体支持体、および他の検出試薬を含む)は、上記のようなアッセイを実施するために、適切な指示書および他の必要な試薬と共にキットで提供され得る。このキットは、通常、別個の容器内に、プライマーとプローブとの組合せ(固体マトリクスに既に結合されているか、またはそれらをマトリックスに結合させる試薬とともに別個であるかのいずれか)、コントロール処方物(陽性および/または陰性)、標識化試薬(アッセイ様式が同じことを必要とする場合)およびシグナル産生試薬(例えば、酵素基質)(標識が直接にはシグナルを産生しない場合)を備える。アッセイを実施するための指示書(例えば、文書、テープ、VCR、CD−ROMなど)は、通常キット中に含まれる。このキットはまた、使用される特定のアッセイに依存して、他の包装された試薬および材料(すなわち、洗浄緩衝剤など)を含み得る。上に記載されるアッセイのような標準的なアッセイは、これらのキットを使用して実施され得る。
【0114】
(III.実験)
以下は、本発明を実施するための特定の実施形態の例である。これらの実施例は、例示目的のためだけに提供され、そして決して本発明の範囲を制限するようには意図されていない。
【0115】
使用される数(例えば、量、温度など)に関して、正確さを確かにするように努力がなされているが、いくらかの実験誤差および偏差は、当然許容されるべきである。
【0116】
下記の実施例において、酵素は、商業的供給源から購入し、製造者の指示に従って使用した。ニトロセルロースフィルターなどもまた、商業的供給源から購入した。
【0117】
DNAフラグメントの単離において、全てのDNA操作を標準的な手順に従って実施した(記載する場合を除く)。Sambrookら(前出)を参照のこと。制限酵素、T4DNAリガーゼ、E.Coli、DNAポリメラーゼI、クレノウフラグメント、および他の生物学的試薬を商業的供給業者から購入し、そして製造者の指示に従って使用し得る。二本鎖DNAフラグメントを、アガロースゲルで分離した。
【実施例】
【0118】
(実施例1)
(PCRのためのパルボウイルスB19核酸抽出)
IgM試験またはPCR試験のいずれかにより、ヒトパルボウイルスB19について陽性であることが前もって試験されたヒト血清サンプルを、商業的供給源から得た。そして次のPCR実験のために、その血清サンプルを使用してDNAを単離した。サンプルを、使用するまで−80℃で保存した。
【0119】
製造者の仕様書に従って、QIAamp DNA Blood Mini Kit(QIAGEN,Valencia,CA)を、以下を考慮して使用して、0.2mLの血清からDNAを抽出した。キャリアDNAを溶解緩衝液に添加して、核酸の結合と収量を増強した。具体的には、1サンプルあたり5.6μgの量のポリアデニル酸5’(Sigma,St.Louis,MO)またはポリdA(Roche,Indianapolis,IN)を添加した。さらに、パルボウイルスB19DNAを、水の代りに200μLの緩衝液AE(Qiagen)で溶出した。
【0120】
(実施例2)
(PCRによるパルボウイルスB19核酸陽性サンプルの検出)
2つの異なるPCR手順を使用して、パルボウイルスB19フラグメントを増幅した。以下に詳細に記載される1方法を使用して、約700bp、370bpおよび214bpのフラグメントを増幅した(図1を参照のこと)。High Fidelity Expand PCR(Roche)を使用して、約4.7kbのフラグメントを増幅した。約700bpのフラグメントは、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する。約370bpは、この700bpフラグメント内のヌクレオチド位置3073〜3442に存在する。約4.7kbフラグメントは、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936のヌクレオチド位置217〜4893に対応する4677ヌクレオチドフラグメントである。
【0121】
約700bp、370bpおよび214bpのB19フラグメントを増幅するために、表1に示すプライマーを使用した。
【0122】
【表1】
この実験について、2μlの精製したパルボウイルスB19DNA(上に記載するように精製した)、0.2mMの各デオキシヌクレオチド三リン酸および1.25単位のPfuDNAポリメラーゼ(Stratagene,La Jolla,CA)を使用して、100μLの最終容量でPCRを実施した。増幅プロフィールは、94℃2分間の変性、37℃3分間のプライマーアニ−リングおよび72℃3分間の伸長を35サイクル含む。94℃3分間のプレインキュベーションは、最初の変性を確実にし、そして最後の72℃7分間のインキュベーションは、35PCRサイクル以前のフラグメントおよび35PCRサイクル後のフラグメントそれぞれの完全な伸長を確実にする。PCR産物を7%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色し、そしてUV源下で可視化した。QiaQuick PCR purification kit(QIAGEN)を使用して、増幅したフラグメントの精製を実施した。700bpのバンドがポリアクリルアミドゲル上で可視化されなかった場合、370bpのB19フラグメントを増幅するためにネスティッドPCRを実施した。表1に示すプライマーを使用するネスティッドPCRに、この700bpのDNA材料を使用した。
【0123】
High Fidelity Expand PCR(Roche)を使用して、以下のように4.7kbのパルボウイルスB19フラグメントを増幅した。High Fidelity Expand PCR kit(Roche)ならびにプライマー、Hicks−5(5’CCCGCCTTATGCAAATGGGCAG3’)(配列番号42)およびHicks−3(5’TTGTGTTAGGCTGTCTTATAGG3’)(配列番号43)を製造元の推奨に従って使用した。増幅条件は、94℃1分間、50℃2分間、68℃4分間を35サイクルまたは45サイクルであった。94℃2分間のプレインキュベーションおよび75℃7分間のポストインキュベーションもまた、含んだ。このPCR産物を1%アガロースゲルで分離し、PCR Purification kit(Promega,Madison,WI)を使用して精製した。
【0124】
(実施例3)
(パルボウイルスB19DNAフラグメントのクローニング)
PCRフラグメントを、TOPO−TAベクター(Invitrogen,Carlsbad,CA)中にクローニングした。増幅したDNAが1個のデオキシアデノシン(A)をその3’末端に含む場合、これらのベクターへのクローニングが高度に促進される。従って、3’(A)オーバーヘッドを付加する触媒反応を使用した。この反応ミックスは、1.25mMのdATP、0.5単位のTaqポリメラーゼ(Perkin Elmer, Boston,MA)を含有し、そして72℃15分間進行した。
【0125】
PCRフラグメントを、InvitrogenのTAクローニングキット(One Shot TOP10 Electrocompetent Cellsを備えるTOPOTMTA CloningR Kit)を製造業者の仕様書に従って使用して、pCR−2.1−TOPOベクター中にクローニングした。細菌細胞を、37℃で、100μg/mlのアンピシリン、0.66mMのIPTGおよび0.033%のX−Galを含むルリアブロスプレート上で37℃でインキュベートした。4mLのルリアブロスアンピシリン(100μg/ml)に多くの白色コロニーを植菌し、そして振とうしながら37℃で一晩インキュベートした。3mLの一晩培養物を使用して、QIAprep Miniprep kit(QIAGEN)を使用してプラスミドDNAを調製した。組換えクローンを、EcoRI(New England and Biolabs)および上に記載するような7%ポリアクリルアミドゲルまたは1%アガロースゲルでの制限酵素分析により同定した。
【0126】
これらのクローンのDNA配列を決定するために、組換えクローン由来の大量のプラスミドを上記のように調製し、このDNAをTE(10mM Tris−HCl(pH8.0)、1mM EDTA)中に0.2mg/mlになるように懸濁した。Applied
Biosystems Model 373(またはModel 377)DNA Sequencer systemを使用して、パルボウイルスB19フラグメントのヌクレオチド配列決定を実施した。
【0127】
図2A〜2U(配列番号1〜21)は、上記のように精製し、増幅し、そして配列決定した21個のパルボウイルスB19単離体からのDNA配列を示す。このDNA配列は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する(図1からの700bpフラグメントおよび上に記載のフラグメント)。図2A(配列番号1)は、単離体CH47−26由来の配列である;図2B(配列番号2)は、単離体CH48−29由来の配列である;図2C(配列番号3)は、単離体CH33−2由来の配列である;図2D(配列番号4)は、単離体CH33−3由来の配列である;図2E(配列番号5)は、単離体CH33−4由来の配列である;図2F(配列番号6)は、単離体CH42−7由来の配列である;図2G(配列番号7)は、単離体CH42−18由来の配列である;図2H(配列番号8)は、単離体CH42−19由来の配列である;図2I(配列番号9)は、単離体CH46−23由来の配列である;図2J(配列番号10)は、単離体CH1−1由来の配列である;図2K(配列番号11)は、単離体CH1−6由来の配列である;図2L(配列番号12)は、単離体CH2−8由来の配列である;図2M(配列番号13)は、単離体CH2−10由来の配列である;図2N(配列番号14)は、単離体CH2−11C由来の配列である;図2O(配列番号15)は、単離体CH5−13由来の配列である;図2P(配列番号16)は、単離体CH7−22由来の配列である;図2Q(配列番号17)は、単離体CH13−27由来の配列である;図2R(配列番号18)は、単離体CH14−33由来の配列である;図2S(配列番号19)は、単離体CH62−2由来の配列である;図2T(配列番号20)は、単離体CH64−2由来の配列である;そして図2U(配列番号21)は、単離体CH67−2由来の配列である。
【0128】
図11A〜11Z(配列番号62〜87)は、上記のように精製し、増幅し、そして配列決定した、さらなる26個のパルボウイルスB19単離体からのDNA配列を示す。このDNA配列は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド位置2936〜3635に対応する(図1からの700bpフラグメントおよび上に記載のフラグメント)。図11A(配列番号62)は、単離体CH80−1由来の配列である;図11B(配列番号63)は、単離体CH81−3由来の配列である;図11C(配列番号64)は、単離体B19SCL1−4由来の配列である;図11D(配列番号65)は、単離体B19SCL2−1由来の配列である;図11E(配列番号66)は、単離体B19SCL3−1由来の配列である;図11F(配列番号67)は、単離体B19SCL4−3由来の配列である;図11G(配列番号68)は、単離体B19SCL5−2由来の配列である;図11H(配列番号69)は、単離体B19SCL6−2由来の配列である;図11I(配列番号70)は、単離体B19SCL7−3由来の配列である;図11J(配列番号71)は、単離体B19SCL8−2由来の配列である;図11K(配列番号72)は、単離体B19SCL9−1由来の配列である;図11L(配列番号73)は、単離体B19SCL9−9由来の配列である;図11M(配列番号74)は、単離体B19SCL10−2由来の配列である;図11N(配列番号75)は、単離体B19SCLI1−1由来の配列である;図11O(配列番号76)は、単離体B19SCL12−1由来の配列である;図11P(配列番号77)は、単離体B19SCL13−3由来の配列である;図11Q(配列番号78)は、単離体B19SCL14−1由来の配列である;図11R(配列番号79)は、単離体B19SCL15−3由来の配列である;図11S(配列番号80)は、単離体B19SCL16−2由来の配列である;図11T(配列番号81)は、単離体BI9SCL17−1由来の配列である;図11U(配列番号82)は、単離体BI9SCL18−1由来の配列である;図11V(配列番号83)は、単離体B19SCL19−1由来の配列である;図11W(配列番号84)は、単離体B19SCL20−3由来の配列である;図11X(配列番号85)は、単離体B19SCL21−3由来の配列である;図11Y(配列番号86)は、単離体B19SCL22−11由来の配列である;図11Z(配列番号87)は、単離体B19SCL2−14由来の配列である。
【0129】
配列比較は、種々の単離体の間で、この700bpの配列の約98%〜99.5%の配列相同性を明らかにした。
【0130】
図3A〜3C(配列番号22)は、図1に示され、そして上に記載される、パルボウイルスB19クローン2−B1からの約4.7kbpのPCRフラグメントの配列を示す。図において示される配列は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936のヌクレオチド位置217〜4893に対応する4677ヌクレオチドフラグメントである。示される配列は、NS1、VP1、およびVP2をコードするパルボウイルスB19全長オープンリーディングフレームならびにさらなる5’非翻訳配列および3’非翻訳配列を含む。配列決定したフラグメントは、5’非コード領域において、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936により報告されたB19配列のヌクレオチド位置367とヌクレオチド位置368との間にさらなるヌクレオチドを含有した。
【0131】
図4A〜4C(配列番号23)は、図1に示され、パルボウイルスB19クローン2−B6からの約4.7kbpPCRフラグメントの配列を示す。この配列は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936のヌクレオチド位置217〜4893に対応する4677ヌクレオチドフラグメントである。示される配列は、NS1、VP1、およびVP2をコードするパルボウイルスB19全長オープンリーディングフレームならびにさらなる5’非翻訳配列および3’非翻訳配列を含む。配列決定したフラグメントは、5’非コード領域において、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936により報告されたB19配列のヌクレオチド位置367とヌクレオチド位置368との間にさらなるヌクレオチドを含有した。
【0132】
(実施例4)
(パルボウイルスB19のNS1組換えタンパク質、VP1組換えタンパク質、およびVP2組換えタンパク質のクローニングならびに発現)
pCR2.1−TOPO(上に記載)中にクローニングしたパルボウイルスB19の4.7kbフラグメントを使用して、NS1、VP1、およびVP2をコードするフラグメント(図1を参照のこと)を増幅した。具体的には、PCRプライマー(下記を参照のこと)を、パルボウイルスB19のNS1領域、VP1領域、およびVP2領域をPCRする(PCR out)ように設計した。酵母発現ベクターへのこれらの領域のクローニングを容易にするために、XbaI、HindIIIおよびSalI制限酵素部位を、必要な場合、プライマー中に導入した。
【0133】
NS1組換えタンパク質、VP1組換えタンパク質、およびVP2組換えタンパク質の酵母発現のためのパルボウイルスB19フラグメントをクローニングおよび増幅するために使用したプライマーは、上で得た配列に基づく。これらのプライマーは、以下のとおりである:
NS1−5(センスプライマー)
5’ATACTCTCTAGACAAAACAAAATGGAGCTATTTAGAGGGGTGCTTCAAGTTTCT3’(配列番号44)
NS1−3(アンチセンスプライマー)
5’GAGTATGTCGACTTACTCATAATCTACAAAGCTTTGCAATCCAGACAG3’(配列番号45)
VP1−5SN(センスプライマー)
5’ATACTCAAGCTTACAAAACAAAATGAGTAAAGAAAGTGGCAAATGGTGGGAAAGT3’(配列番号46)
VPALL−3(アンチセンスプライマー)
5’GAGTATGTCGACTTACAATGGGTGCACACGGCTTTTGGCTGTCCACAATTC3’(配列番号47)
VP2−5SN(センスプライマー)
5’ATACTCAAGCTTACAAAACAAAATGACTTCAGTTAATTCTGCAGAAGCCAGCACT3’(配列番号48)
PCRプライマーを合成し、精製し、そして300μLのdH2Oに懸濁し、そしてそれらの260nmでの光学的濃度を決定した。反応ミックスは、最終容量50μL中に0.25ngの鋳型、100pmolの各プライマー、10μLの1,25mM各dNTPおよび1単位のTaqポリメラーゼ(Perkin Elmer,Boston,MA)を含有した。増幅条件は、94℃1分間、50℃2分間、68℃4分間を35サイクルであった。75℃7分間のポストインキュベーションを加えて、フラグメントの完全な伸長を確実にした。5μLのアリコートを使用して、1%アガロースゲルにおける電気泳動によりPCR合成をチェックした。次いで、PCR産物全量を電気泳動し、そしてPCR Purification kit(Promega)を製造元の推奨に従って使用して、予想したサイズを示すフラグメントをゲルから精製した。精製したPCR DNAの約0.8μgを適切な制限酵素(Roche)で37℃3時間消化し、そしてその産物をPromegaのPCR Purification kitを使用してさらに精製した。
【0134】
プラスミドpBS24.1を、パルボウイルスB19組換えタンパク質の異種発現のために使用した。この酵母発現ベクターは、酵母における自律複製のための2μ配列および逆繰り返し配列(IR)、転写終結を確実にするためのαファクター終結因子、ならびに選択のための酵母leu−2dおよび酵母URA3を含む。E.Coliにおける増殖および選択のために、ColE1複製起点およびβ−ラクタマーゼ遺伝子もまた存在する(Protein Engineering:A Guide to Design and Production,第5章、J.L.ClelandおよびC.Craik編、Wiley−Liss,Inc.,NewYork,N.Y.の129〜161頁、Pichuantesら、(1996)「Expression of Heterologous Gene Products in Yeast」)。プラスミドpBS24.1を、BamHI/SalIで消化し、10単位のウシ腸アルカリフォスファターゼ(Boheringer Manheim,Indianapolis,IN)で、製造者によって推奨される条件下で脱リン酸化した。消化および精製したPCRフラグメントを、BamHI/SalIで消化したpBS24.1および(クローニングするべきPCRフラグメントに存在する制限酵素部位に依存して)BamHI/SfuIまたはBamHI/HindIIIのいずれかで消化した酵母ハイブリッドプロモーターADH2/GAPDH(Cousensら、Gene(1987)61:265〜275)を含むDNAフラグメントと混合した。RocheのRapid Ligation kitおよびプロトコールで、ライゲーションを実施した。次いで、ライゲーションミックスを使用して、E.coli HB101コンピテント細胞を形質転換した。そして、形質転換体を、アンピシリン(100μg/ml)を含むルリアブロスプレートにおいて、37℃一晩のインキュベーション後に選択した。各形質転換のいくつかのコロニーを採取し、そしてアンピシリン(100μg/ml)を含む3mLのルリアブロスに植菌し、そして振とうしながら37℃で一晩インキュベートした。
【0135】
1.5mlの培養物およびQlAprep Miniprep kit(QIAGEN)を使用して、プラスミドDNAを調製した。BamHI/SalIでの分析的な制限酵素分析によって、組換えクローンを同定した。配列決定を実施して、クローニングしたパルボウイルスB19フラグメントのヌクレオチド配列を確認するために、組換えプラスミドの大規模調製を実施した。
【0136】
NS1、VP1およびVP2について予測された配列を示す酵母発現プラスミドを、以下のように、酵母の形質転換に使用した。コンピテントSaccharomyces cerevisiae AD3細胞[Mat a,trp1+,ura3−52,prbl−1122,pep4−3,prcl−407,[cir0],::pDM15(pGAP/ADRI::G418R)],leu2(ΔAD)]を、上に記載したようにクローニングしたNS1、VP1またはVP2をコードするプラスミドDNAで形質転換した。酵母組換え体の選択を、2回のウラシル欠乏プレート、続く30℃48〜72時間インキュベーション後の1回のロイシン欠乏プレートによって達成した。次いで、組換えタンパク質の発現をチェックする前に、培養物を、ロイシン欠乏培地中で、次いで、2%グルコースを補充したYEP(Pichuantesら、Proteins:Struct.Funct.Genet.(1989)6:324〜337)中で48時間増殖させた。
【0137】
二つの異なる単離体由来の種々のタンパク質についての配列を、図5〜10に示す。特に、図5A(配列番号24)および5B(配列番号25)は、パルボウイルスB19クローン2−B1に由来するNS1ヌクレオチド配列およびNS1タンパク質配列をそれぞれ示す。図6A(配列番号26)および6B(配列番号27)は、パルボウイルスB19クローン2−B1に由来するVP1ヌクレオチド配列およびVP1タンパク質配列をそれぞれ示す。図7A(配列番号28)および7B(配列番号29)は、パルボウイルスB19クローン2−B1に由来するVP2ヌクレオチド配列およびVP2タンパク質配列をそれぞれ示す。図8A(配列番号30)および8B(配列番号31)は、パルボウイルスB19クローン2−B6に由来するNS1ヌクレオチド配列およびNS1タンパク質配列をそれぞれ示す。図9A(配列番号32)および9B(配列番号33)は、パルボウイルスB19クローン2−B6に由来するVP1ヌクレオチド配列およびVP1タンパク質配列をそれぞれ示す。図10A(配列番号34)および10B(配列番号35)は、パルボウイルスB19クローン2−B6に由来するVP2ヌクレオチド配列およびVP2タンパク質配列をそれぞれ示す。
【0138】
(実施例5)
(TaqManTMによるパルボウイルスB19DNAの検出および定量)
パルボウイルスB19感染の検出のための敏感な診断方法を、以下のように設計した。具体的には、TaqManTMPCR技術を使用して、パルボウイルスB19DNAを検出および定量した。定量的PCRは、核酸の効果的な抽出を必要とする。DNA抽出に使用する血漿/血清の容量もまた、検出の感度に影響する。2つのアプローチを使用して、0.5mlの血漿/血清から核酸を単離した。具体的には、DNAを、(a)シリカへの結合および(b)標的特異的オリゴヌクレオチドへのアニ−リング、によって抽出した。
【0139】
((a)シリカへの結合による核酸の単離)
高濃度のカオトロピック塩(例えば、グアニジンイソチオシアネート)の存在下で、核酸は、シリカに結合する。小さいサイズの核酸は、酸性pHの条件下で、より効果的にシリカに結合する。結合された核酸は、高温において低塩のアルカリ性pH緩衝液で効果的に溶出される。通常のシリカを磁化シリカに変更することは、核酸単離の洗浄工程および溶出工程を大いに容易にする。磁性基材を使用して、核酸が結合したシリカ粒子を捕らえた(故に通常のシリカ粒子を沈降するために必要とされる遠心分離を排除した)。
【0140】
使用した溶解緩衝液は、Organon−Teknika(Durham,NC)から入手した。この溶解緩衝液は、タンパク質を可溶化し、そしてRNaseおよびDNaseを不活化するためにグアニジンイソチオシアネートを含む。界面活性剤TritonX−100は、細胞構造および核タンパク質の可溶化および分解(disintegration)のプロセスをさらに促進し、故に、核酸を放出する。核酸結合を増強するために溶解試薬を酸性化し、そして50μlのアルカリ性溶出緩衝液を使用して、結合した核酸を溶出した。核酸の単離に次いで、以下に記載するように、TaqManTMPCRを実施することにより、パルボウイルスDNAの存在を決定した。
【0141】
((b)標的特異的オリゴヌクレオチドへのアニーリングによる核酸の単離)
磁化シリカの使用は、洗浄工程および溶出工程の間の迅速かつ容易な操作を著しく容易にするが、核酸分子の単離は、なお面倒かつ時間を要する。従って、磁性ビーズを使用する、血漿または血清からの特定の核酸標的のワンステップ捕捉を使用した。これを広範な種々のウイルス核酸捕捉試験に適用可能にするために、一般的な、オリゴdTに結合した磁性ビーズを使用した。14マーのオリゴdT長を有するSera−Mag magnetic oligo(dT)ビーズ(Seradyn,Indianapolis,IN)を、3’末端で、使用したパルボウイルス特異的配列(下に明記する配列の最後におい
て示される)に隣接する20ポリAを含む捕捉オリゴヌクレオチドと組み合わせて使用し
た。
【0142】
使用したアンチセンス捕捉オリゴヌクレオチドは、700bpフラグメントに由来し、そして以下のとおりであった:
VSPC1−AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAATCCTTAACAGCAATTTCTGATA(ヌクレオチド3492〜3514)(*)(配列番号49)
VSPC2−AAAAAAAAAAAAAAAAAAAACGCCCTGTAGTGCTGTCAG(ヌクレオチド3549〜3568)(配列番号50)
VSPC3−AAAAAAAAAAAAAAAAAAAATATACCCAAATAGGAAGTTCTG(ヌクレオチド3639〜3660)(配列番号51)
VSPC4−AAAAAAAAAAAAAAAAAAAATAAAATGCTGATTCTTCACTTGC(ヌクレオチド3737〜3759)(配列番号52)
VSPC5−AAAAAAAAAAAAAAAAAAAATGCTGTACCTCCTGTACCTA(ヌクレオチド3789〜3808)(配列番号53)
VSPC6−AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAGCCCTCTAAATTTTCTGGG(ヌクレオチド3838〜3857)(配列番号54)
VSPC7−AAAAAAAAAAAAAAAAAAAACTCCTAATGTGTCAGGAACC(ヌクレオチド3910〜3929)(配列番号55)
(*)ヌクレオチド番号は、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に従う。
【0143】
磁性ビーズを、Novagen溶解緩衝液(Madison,WI)に懸濁し、そしてFDA Center for Biologic Evaluation and Research,U.S.Department of Health and Human Services(FDA−CBER)から得たパネルからパルボウイルスB19B19DNAを捕捉するために、7つの捕捉オリゴヌクレオチドの系列(上記のVSPC1〜VSCP7)を、個々にかまたは組み合わせて試験した。
【0144】
((c)洗浄緩衝液でのビーズの洗浄)
捕捉に次いで、このビーズを、0.3M NaClおよび0.5%NP−40中にpH7.5に緩衝化された10mMのHepesを含む緩衝液で洗浄した。溶解緩衝液での血清の処理、ハイブリダイゼーション、ビーズの磁性吸着、および溶解緩衝液の除去の後、1.5mlの洗浄緩衝液をビーズに添加した。通常のボルテックス、磁性吸着、および洗浄緩衝液の除去の後、ビーズを、0.5mlの同じ緩衝液で2回目の洗浄を行った。その結果、Taqmanアッセイのための全ての試薬を含有する100mlのユニバーサルPCR緩衝液中における容易な懸濁のために、この磁性ビーズは詰められ得る。捕捉したDNAを有するビーズを、以下に記載するように、TaqManTMPCRによる検出のために、TaqManTMプレートに移した。いくつかのオリゴヌクレオチドの組合せは、TaqManTMアッセイにより検出されるようにB19を捕捉することにおいて効果的であった。
【0145】
詳細には、TaqManTM技術は、捕捉した標的核酸をDNAアンプリコンとして増幅する。代替法では、捕捉した標的をRNAとして増幅する。これについて、増幅オリゴヌクレオチドは、T7RNAポリメラーゼを使用してRNAアンプリコンを産生するためにT7プロモーター配列を有するパルボウイルスB19特異的プライマーからなった。3つの増幅プライマー(VSA1−A3、以下に記載する)(Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に記載されるパルボウイルスB19ゲノムのヌクレオチド2936〜3635に対応する700bp配列に由来する)を、それらの増幅する能力について試験した。これらのプライマーは、以下のとおりであった:
センス鎖増幅プライマー
VSA1−AATTCTAATACGACTCACTATAGGGAGAAGGCCATATACTCATTGGACTGT(ヌクレオチド2942〜2961)(配列番号56)
VSA2−AATTCTAATACGACTCACTATAGGGAGAAGGCCAGAGCACCATTATAA(ヌクレオチド3272〜3288)(配列番号57)
VSA3−AATTCTAATACGACTCACTATAGGGAGAAGGCACAATGCCAGTGGAAA(ヌクレオチド3317〜3333)(配列番号58)
VSP2−GTGCTGAAACTCTAAAGGT(アンチセンスプライマー−ヌクレオチド3424〜3442)(配列番号59)
RNamplifire kit(Qiagen)試薬を使用して、20mLの最終容量中50コピーのパルボウイルスDNAを標的として使用して、増幅効率を試験した。VSP2を第二プライマーとして使用して、増幅プライマーを、個々にかまたは組合せて試験した。製造業者に推奨されるように、42℃で1時間インキュベートした後、増幅した材料のアリコートを、TaqManTMアッセイにより検出して増幅プライマーの効率を評価するために、100倍に希釈した。2つの増幅プライマーの組合せ、VSA2とVSP2およびVSA3とVSP2は、RNAアンプリコンの産生において非常に効果的であった。
【0146】
TaqManTMアッセイの感度、PCRプライマーの適合性および至適反応条件を、上に記載した4.7kbフラグメントを含むプラスミドDNAを使用して確立した。このフラグメントは、VP1領域、ならびにNS1領域およびVP2領域を含む(図1を参照のこと)。VP1領域に由来するPCR増幅プライマー(下に詳述する)を使用した。番号付けは、Shadeら、J.Virol.(1986)58:921〜936に対応する。Xは、5’−フルオレセインホスホルアミダイトを示し、Zは、DABCYL−dTを示す。両方を、Glen Research Corporation,Sterling,VAから得た。配列の右に示した数字は、パルボウイルスB19配列からのプライマーのヌクレオチドをいう。
VSP1−GGAGGCAAAGGTTTGCA(センスプライマー−ヌクレオチド3334−3350)(配列番号60)
VSP2−GTGCTGAAACTCTAAAGGT(アンチセンスプライマー−ヌクレオチド3424−3442)(配列番号59)
VSPPR1−XCCCATGGAGATATTTAGATTZ(プローブ−ヌクレオチド3379−3398)(配列番号61)
Vpara8:TCCATATGACCCAGAGCACCA(ヌクレオチド3262−3460)(配列番号88)
Vpara9:TTTCCACTGGCATTGTGGC(Anti−sense Primer−ヌクレオチド3313−3331)(配列番号89)
Vpara10:XAGCTAGACCTGCATGTCACTGZ、ここでXは、Famであり、そしてZは、Tamraである。(ヌクレオチド3286−3310) (配列番号90)
プラスミドDNA濃度を、分光光度法で概算し、そして段階希釈を実施して5,000〜10コピー/20μlを得た。最終容量50μl中の反応ミックスは、20μlのサンプル、3.2mM MgCl2を含む1XGold Taq増幅緩衝液(Perkin Elmer)、300μMの各dNTP、1pmolの各増幅プライマー、0.4pmolのプローブ、および1単位のAmpliTaq酵素を含有した。反応条件は、以下を含んだ:ABI 7700 Sequence Detectorにおいて、酵素を活性化するための95℃10分間、次いで45サイクルの、60℃と交互の95℃30秒間。
【0147】
わずかに10コピー/アッセイが、109bpPCR産物を産生するプライマー対、VSP1およびVSP2、ならびにプローブVSPPR1を使用して検出可能であった。サンプル容量は、最終容量50μLのうち20μLであったので、このことは、わずかに50コピー/mLのパルボウイルスB19DNAを含む血漿サンプルが抽出され得、そしてTaqManTM技術によって検出され得たことを示唆している。パルボウイルスは、高力価ウイルスであるので、50μLの血漿/血清容量が、抽出され得、そして分析に使用され得る。
【0148】
FDA−CBERパルボウイルスB19DNA陽性サンプル(106コピー/ml)を使用して、TaqManTM技術は、1アッセイあたりわずか50コピーを検出した。核酸と免疫力価を関連させる試みにおいて、ウイルスDNA負荷を、いくつかの抗体−陽性サンプルにおいて定量した。
【0149】
従って、新規のヒトパルボウイルスB19およびこれらの配列を使用する検出アッセイが、開示されている。前述の記載から、本発明の特定の実施形態が、例示を目的として本明細書中に記載されているが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、種々の改変がなされ得ることが理解される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載される発明。
【請求項1】
本明細書に記載される発明。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図2J】
【図2K】
【図2L】
【図2M】
【図2N】
【図2O】
【図2P】
【図2Q】
【図2R】
【図2S】
【図2T】
【図2U】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図11F】
【図11G】
【図11H】
【図11I】
【図11J】
【図11K】
【図11L】
【図11M】
【図11N】
【図11O】
【図11P】
【図11Q】
【図11R】
【図11S】
【図11T】
【図11U】
【図11V】
【図11W】
【図11X】
【図11Y】
【図11Z】
【図12】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図2J】
【図2K】
【図2L】
【図2M】
【図2N】
【図2O】
【図2P】
【図2Q】
【図2R】
【図2S】
【図2T】
【図2U】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図11F】
【図11G】
【図11H】
【図11I】
【図11J】
【図11K】
【図11L】
【図11M】
【図11N】
【図11O】
【図11P】
【図11Q】
【図11R】
【図11S】
【図11T】
【図11U】
【図11V】
【図11W】
【図11X】
【図11Y】
【図11Z】
【図12】
【公開番号】特開2012−75440(P2012−75440A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247977(P2011−247977)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【分割の表示】特願2008−213329(P2008−213329)の分割
【原出願日】平成14年6月28日(2002.6.28)
【出願人】(591076811)ノバルティス バクシンズ アンド ダイアグノスティックス,インコーポレーテッド (265)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【分割の表示】特願2008−213329(P2008−213329)の分割
【原出願日】平成14年6月28日(2002.6.28)
【出願人】(591076811)ノバルティス バクシンズ アンド ダイアグノスティックス,インコーポレーテッド (265)
【Fターム(参考)】
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