説明

パレット、そのパレットにカゴ車を乗降させるための補助装置、及び、そのパレットを用いた倉庫

【課題】 カゴ車の載置を可能にして荷を積んだままでのカゴ車を乗せることも降ろすことも簡便に行えて、載置しても安定した搬送を行えるパレットを提供する。
【解決手段】 荷が積まれたカゴ車を移送できるパレット1は、カゴ車を載置できるパレット本体3と、カゴ車を乗せるときに若しくは降ろすときに又は載置状態でその車輪が脱輪することを防止するとともにカゴ車が乗降する方向を矢印Iで示す一つの方向に規定するために車輪の幅に対応する幅でパレット本体3の上面5に形成された一つの方向に延びた一対の段差9a,9bを用いたガイド部7a,7bと、パレット本体3に対して矢印Iで示す一つの方向における一方端15側において着脱自在な第1のストッパー部11と、パレット本体3に対して矢印Iで示す一つの方向における他方端17側において着脱自在な第2のストッパー部13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレット、そのパレットにカゴ車を乗降させるための補助装置、及び、そのパレットを用いた倉庫に関し、荷が積まれたカゴ車を移送できるパレット等に関する。
【背景技術】
【0002】
倉庫には、自動化が進んだ自動倉庫と言われるものがある。その技術水準を表すものとしては、特許文献1がある。この自動倉庫では、荷を搬送するためにパレットが用いられている。そして、コンベア及び/又はスタッカクレーンが用いられ、パレットに積まれた荷がパレットとともに収納スペースに保管される。
【0003】
また、パレットに積まれる荷は、外部から送られてきたトラックの荷台に乗せられたカゴ車に積まれて倉庫に送り届けられる。そして、カゴ車からパレットへの荷の積み替えが行われて入庫作業が進められる。逆に、出庫では、パレットに積まれた荷がカゴ車に積み替えられ、荷を積んだカゴ車がトラックの荷台に乗せられる(特許文献2も参照)。すなわち、カゴ車は、通い台車としての役割を果たす。
【0004】
このような荷の積み下ろしに対して、労力の負担の軽減を図るべく、カゴ車を移送するための移送台については、特許文献3のように提案されているものもある。
【0005】
図10はカゴ車を示した図であり、図11は図10の矢印XIの方向からカゴ車を見た図であり、図12は図10のXII−XIIラインからカゴ車を矢視した図である。以下、簡単に、カゴ車について説明する。
【0006】
カゴ車51は、長さL1、幅L2、高さL3のサイズで、全体としては直方体の形状をしており、荷が積まれるための底板53を備える。長手方向の車輪幅はL4であり、幅方向の車輪幅はL5である。底板53の下面には四隅のそれぞれに車輪55が取り付けられている。側面の一つを構成する正面56は、荷の積み下ろしが行えるように開放されており、開いた面部分を形成している。その一方で、他の3つの側面を構成する面は、格子状に配置された棒材により荷の荷崩れが防止されるように柵として構成されている。すなわち、背面57、右面59及び左面61は、積まれた荷が荷崩れによって通過しないように格子状に配置された棒材によって閉じた面部分を形成している。なお、上面も、開放されており、開いた面部分を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−264894号公報
【特許文献2】特開2003−276808号公報
【特許文献3】特開2004−83076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、カゴ車については、車輪があることから不安定なためにそれ自体をベルトコンベアで搬送することもできない。上記のように、パレットを搬送する等が行われて、倉庫内での荷の搬送・保管には、カゴ車とは別にパレットが必要とされている。その結果、カゴ車とパレットの間の積み替えも生じ、荷が積み替えられた後のカゴ車は平置きされるため、その平置きスペースも大きなものが必要になっていた。
【0009】
ゆえに、本発明は、カゴ車の載置を可能にして荷を積んだままでのカゴ車を乗せることも降ろすことも簡便に行えて、載置しても安定した搬送を行えるパレットを提供することを第1の目的とする。また、本発明は、第1の目的に加えて、カゴ車に積まれたままの荷をカゴ車と一体的になって荷崩れを防止するようにしたパレットを提供することを第2の目的とする。さらに、本発明は、このようなパレットにカゴ車を載置するための乗降を簡単にする補助装置を提供することを第3の目的とする。さらに、本発明は、このようなパレットを用いてカゴ車の平置きスペースを不要化できる倉庫を提供することを第4の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の観点による本発明は、荷が積まれたカゴ車を移送できるパレットであって、前記カゴ車を載置できるパレット本体と、前記カゴ車を乗せるときに若しくは降ろすときに又は載置状態でその車輪が脱輪することを防止するとともに前記カゴ車が乗降する方向を一つの方向に規定するために前記車輪の幅に対応する幅で前記パレット本体の上面に形成された前記一つの方向に延びた一対の段差を用いたガイド部と、前記パレット本体に対して前記一つの方向における一方端側において着脱自在な第1のストッパー部と、前記パレット本体に対して前記一つの方向における他方端側において着脱自在な第2のストッパー部とを備えたものである。
【0011】
第2の観点による本発明は、第1の観点の本発明において、前記パレット本体の上面から上に向かって形成されたパレット側の閉じた面部分を備え、前記カゴ車には、前記車輪が設けられた底板の上面から上に向かって前記積まれた荷の通過を阻止するカゴ車側の閉じた面部分と、開放状態であるカゴ車側の開いた面部分とが形成されており、前記カゴ車側の閉じた面部分は、少なくとも、前記カゴ車が乗降する方向に垂直に一対形成された部分を含み、前記パレット側の閉じた面部分は、前記ガイド部において、前記車輪が通過する領域の外側に設けられて、前記載置状態における前記カゴ車側の開いた面部分を少なくとも覆う位置に形成され、前記載置状態において、前記カゴ車側の閉じた面部分と前記パレット側の閉じた面部分により、前記荷の通過を阻止するものである。
【0012】
第3の観点による本発明は、第2の観点の本発明において、前記カゴ車側の閉じた面部分は、少なくとも、前記底板において、前記カゴ車が乗降する方向の一方端側と他方端側のそれぞれに形成され、前記パレット側の閉じた面部分は、前記ガイド部の一対の段差のそれぞれに対応して、前記車輪が通過する領域の外側に一対設けられて、前記カゴ車が乗降する空間を閉じないものである。
【0013】
第4の観点による本発明は、第1から第3の観点のいずれかの本発明において、前記パレット本体に形成されたフォークリフトのフォークを差し込むことができる差込口を備えたものである。
【0014】
第5の観点による本発明は、荷が積まれたカゴ車を第1の観点から第4の観点のいずれかに記載のパレットに載置するために用いられる補助装置であって、前記カゴ車を前記パレットに乗せて載置状態とするときに荷重が生じている前記カゴ車を受ける受止機構を備えた、補助装置である。
【0015】
第6の観点による本発明は、荷が積まれたカゴ車を第1の観点から第4の観点のいずれかに記載のパレットに載置するために用いられる補助装置であって、載置状態の前記カゴ車を前記パレットから降ろすときに荷重が生じている前記カゴ車を動かし始めるために押し出す押出機構を備えた、補助装置である。
【0016】
第7の観点による本発明は、荷を収納する収納スペースを備えた倉庫であって、第1から第4の観点のいずれかのパレットを備え、荷が積まれたカゴ車を前記パレットに載置して前記パレットとともに前記収納スペースに保管できるものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1の観点によれば、パレット本体を用いてカゴ車を載置できる。これにより、荷が積まれたままでカゴ車を搬送できる。特に、パレット本体の上面には、カゴ車の車輪の幅に対応する幅で一つの方向に延びた一対の段差を用いたガイド部が形成され、カゴ車を乗せるときに若しくは降ろすときに又は載置状態でその車輪が脱輪することを防止できる上に、カゴ車が乗降する方向を前記一つの方向に規定できる。これにより、カゴ車を乗せることも降ろすことも簡便に行えて載置しても安定した搬送を行える。さらに、パレット本体に対して前記一つの方向における一方端側において着脱自在な第1のストッパー部と他方端側において着脱自在な第2のストッパー部とが備えられることにより、第1のストッパー部側からのカゴ車の乗降も第2のストッパー部側からのカゴ車の乗降も行えて、カゴ車を乗せることも降ろすこともより簡便に行える。
【0018】
本発明の第2の観点によれば、第1の観点による効果に加えて、以下の効果が得られる。
【0019】
カゴ車には、車輪が設けられた底板の上面から上に向かって、積まれた荷の通過を阻止するカゴ車側の閉じた面部分と、開放状態のカゴ車側の開いた面部分とが形成されている。これにより、カゴ車への荷の積み下ろしは開いた面部分により簡単に行えるとともに、閉じた面部分により荷の荷崩れの防止を図ることができている。その上で、カゴ車側の閉じた面部分は、少なくとも乗降の方向に対して垂直方向に広がる位置に一対形成されている。そのため、乗降というパレット本体に載置する際に、荷に力が働きやすい方向と同じ一対のガイドが延びる方向には閉じた面部分があり、乗降時の荷崩れ防止を図ることができている。
【0020】
パレット側は、カゴ車の乗降という観点からは、これに対応する面部分は開いた状態にすることが望ましい。カゴ車には開いた面部分が存在するが、これは、通常、乗降に対応する部分には形成されていない。本発明の第2の観点によれば、この開いた面部分に対応してパレット側の閉じた面部分を形成することにより、カゴ車側の閉じた面部分とともに荷崩れを防止できることになり、パレットとカゴ車によって、荷の安定した搬送と保管とを確実に行える。
【0021】
本発明の第3の観点によれば、第1又は第2の観点の効果に加えて、以下の効果が得られる。カゴ車側の閉じた面部分が、パレット本体の載置状態における一対のガイド部が延びる一つの方向に対して、例えば平行方向に広がる位置に形成されている。カゴ車側の開いた面部分は、一般に、一対のガイド部の一方に沿った位置に形成されている。本発明の第3の観点によれば、パレット側の閉じた面部分がガイド部の一対の段差のそれぞれに車輪が通過する領域の外側で形成されている。これにより、カゴ車側の開いた面部分が乗降時に左右のどちらにあったとしても、それを覆う位置にパレット側の閉じた面部分があり、カゴ車の乗降時に向きの考慮を不要にして乗降を簡便にできるとともに、荷の荷崩れを確実に防止できる。
【0022】
本発明の第4の観点によれば、第1から第3のいずれかの観点による効果に加えて、フォークリフトにより持ちあげて搬送することもできる。特に、カゴ車を積んだパレットをコンベアで搬送するだけでなく、フォークリフトで搬送するということも可能であり、緊急な搬送にも対応できる。
【0023】
本発明の第5及び第6の観点によれば、カゴ車を第1の観点から第4の観点のいずれかに記載のパレットに載置するための乗降に補助が行われて、荷により荷重が生じているカゴ車であっても簡単にパレットへの乗降を行える。すなわち、第5の観点によれば、荷重が生じているカゴ車を受ける受止機構によって受け止めることができる。これにより、パレットに破損を生じさせることもなく確実な位置決めを行ってパレットへ載置を安定して行える。また、第6の観点によれば、荷重が生じているカゴ車は重く動かし始めには大きな力を必要とするが押出機構によって押し出して簡単に動かし始めることができる。
【0024】
本発明の第7の観点によれば、荷を収納する収納スペースを備えた倉庫が、第1の観点から第4の観点のいずれかに記載のパレットを備え、荷が積まれたカゴ車をパレットに載置してパレットとともに収納スペースに保管できるものであり、カゴ車も収納スペースに保管されるので、カゴ車を別途保管するスペースを不要とし、カゴ車の平置きも不要になる。そのため、スペースの有効利用による省スペース化を図った倉庫が得られる。さらに、倉庫の収納スペースとカゴ車との管理を連動させることにより、必要以上のカゴ車が不要になる。また、倉庫を管理する際に、荷の積み替え作業が不要となり、入庫と出庫作業におけるリードタイムの短縮化を図れる上に、人手による積み替え時のために必要とされた作業工程が不要となる結果、自動化をより進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態に係るパレットの一例を示した斜視図である。
【図2】図1のパレットが収納される収納スペースを説明するために自動倉庫を示した図である。
【図3】図2の矢印IIIの方向から自動倉庫を見た図である。
【図4】自動倉庫内でカゴ車をコンベアで搬送するためにコンベアに載せられたパレットにカゴ車を乗せる状態を説明するための図である。
【図5】自動倉庫内でカゴ車が載置されたコンベア上のパレットからカゴ車を降ろす状態を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るパレットの他の例を示した斜視図である。
【図7】図6の矢印VIIの方向からパレットを見た図である。
【図8】図6の矢印VIIIの方向からパレットを見た図である。
【図9】図6の矢印IXの方向からパレットを見た図である。
【図10】カゴ車を示した図である。
【図11】図10の矢印XIの方向からカゴ車を見た図である
【図12】図10のXII−XIIラインからカゴ車を矢視した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は本発明の実施の形態に係るパレットの一例を示した斜視図である。
【0027】
パレット1は、四角形状で平板状のパレット本体3(本願請求項の「パレット本体」の一例)と、パレット本体3の上面5の向き合う一対の辺に沿って延びて形成された一対のガイド部7a,7b(本願請求項の「ガイド部」の一例)と、パレット本体3のガイド7a,7bとが形成されていない向き合う一対の辺のそれぞれの中央位置に着脱自在に設けられたストッパー部11,13(本願発明の「ストッパー部」の一例)とを備える。
【0028】
パレット本体3は、図10等のカゴ車51(本願請求項の「カゴ車」の一例)を載置することのできる載置面6を上面5に形成している。ガイド部7a、7bは、矢印Iで示した方向でカゴ車51を乗せるときに若しくは降ろすときに又は載置面6に載置状態でカゴ車51の車輪55が脱輪することを防止するとともに、カゴ車51が乗降する方向を矢印Iで示した方向に規定するために、車輪55の幅に対応する幅(L6)を隔てた距離で向き合って矢印Iの方向に延びた一対の段差9a,9bが上面5に形成されて構成される。ストッパー部11はパレット本体3における矢印Iで示した方向における一方端15側に配置され、ストッパー部13はパレット本体3における矢印Iで示した方向における他方端17側に配置されている。
【0029】
このような構成のパレット1では、以下のことがいえる。まず、パレット本体3によりカゴ車51の載置が可能になる。これにより、荷が積まれたままでカゴ車51を搬送できる。特に、パレット本体3の上面5には、一対の段差9a,9bを用いたガイド部7a,7bが形成され、カゴ車51を乗せるときに若しくは降ろすときに又は載置面6に載置状態で車輪55が脱輪することを防止できる上に、カゴ車51が乗降する方向を矢印Iの方向である一つの方向に規定できる。これにより、カゴ車51を乗せることも降ろすことも簡便に行えて載置しても安定した搬送を行える。さらに、ストッパー部11,13により、ストッパー部11側からのカゴ車51の乗降もストッパー部13側からのカゴ車51の乗降も行えて、カゴ車51を乗せることも降ろすこともより簡便に行える。
【0030】
さらに、パレット1は、ストッパー部11とストッパー部13の下側にそれぞれ2つの口を有するフォーク差込口19(本願請求項の「差込口」の一例)を有している。これにより、フォークリフトにより持ちあげて搬送することもできる。特に、カゴ車51を積んだパレット1をコンベアで搬送するだけでなく、フォークリフトで搬送するということも可能であり、緊急な搬送にも対応できる。
【0031】
図2は、図1のパレットが収納される収納スペースを説明するために自動倉庫を示した図である。図3は、図2の矢印IIIの方向から自動倉庫を見た図である。
【0032】
自動倉庫21には、スタッカクレーン23が2つ設けられている。荷を積んだカゴ車51を載置した状態のパレット1を収容できる収容スペース24が、4列×12連×8段−12棚=372棚という棚数で準備されている。また、パレット1により搬送が可能となった荷を積んだカゴ車51の搬送のためのコンベア25が6つ設けられている。なお、収容スペース24とパレット1とカゴ車51と荷との関係の管理は、管理端末26で行われる。
【0033】
このように、荷が積まれたカゴ車51をパレット1に載置してパレット1とともに収納スペース24に保管できるものであり、カゴ車51も収納スペース24に保管されるので、カゴ車51を別途保管するスペースを不要とし、カゴ車51の平置きも不要になる。そのため、スペースの有効利用による省スペース化を図った自動倉庫21が得られる。さらに、自動倉庫21の収納スペース24とカゴ車51との管理を管理端末26で連動させることにより、必要以上のカゴ車51が不要になる。また、自動倉庫を管理する際に、荷の積み替え作業が不要となり、入庫と出庫作業におけるリードタイムの短縮化を図れる上に、人手による積み替え時のために必要とされた作業工程が不要となる結果、自動化をより進めることができた自動倉庫21が得られる。
【0034】
図4は自動倉庫内でカゴ車をコンベアで搬送するためにコンベアに載せられたパレットにカゴ車を乗せる状態を説明するための図である。
【0035】
コンベア25にはパレット1のストッパー部11,13のいずれか一方が取り外されてパレット1が載せられ、パレット1はカゴ車51が移動してくる路面31と上面5の高さが一致した状態になるとともに路面31に繋がる壁面33に対して固定ストッパー35を介して位置決めされる。そのようなパレット1に対してカゴ車51が路面31側から押され、カゴ車51はパレット1の載置面6に載置される。このとき、カゴ車51には荷が積まれると荷重が働き、ストッパー部11(13)に対して大きな力が加わってしまう恐れがある。その結果、ストッパー部11(13)が破損したりすることが考えられる。そこで、ここでは、パレット1にカゴ車51を乗せて載置するための補助装置が用いられ、その補助装置は、パレット1の位置決めを十分に行うとともにストッパー部11(13)が受ける力を代わりに受けるべくカゴ車51を受け止める受止機構37を備えている。
【0036】
図5は自動倉庫内でカゴ車が載置されたコンベア上のパレットからカゴ車を降ろす状態を説明するための図である。
【0037】
図4の場合とは逆に、降ろす際には、カゴ車51を動かし始めるために大きな力が必要となる。そこで、ここでは、パレット1から載置状態のカゴ車51を降ろすための補助装置が用いられ、その補助装置は、カゴ車51を押し出す押出機構39を備えている。
【0038】
図6は、本発明の実施の形態に係るパレットの他の例を示した斜視図である。図7は、図6の矢印VIIの方向からパレットを見た図である。図8は、図6の矢印VIIIの方向からパレットを見た図である。図9は、図6の矢印IXの方向からパレットを見た図である。
【0039】
図1に示したパレット1と異なる点を説明する。パレット41には、パレット本体3の上面5におけるガイド部7aの位置から上に向かって格子状に棒材が組まれた落下防止用の柵43a(本願請求項の「パレット側の閉じた面部分」の一例)が設けられ、ガイド部7bの位置から上に向かって同じく格子状に棒材が組まれた落下防止用の柵43b(本願請求項の「パレット側の閉じた面部分」の一例)が設けられている。
【0040】
この柵43a,43bと、カゴ車51との関係を説明する。カゴ車51の側面の一つを構成する正面56(本願請求項の「カゴ車側の開いた面部分」の一例)は、荷の積み下ろしが行えるように開放されている。他の3つの側面である背面57、右面59及び左面61(本願請求項の「カゴ車側の閉じた面部分」の一例であり、右面59及び左面61が、本願請求項の「前記カゴ車が乗降する方向に垂直に一対形成された部分」の一例である。)は、積まれた荷が荷崩れによって通過しないように格子状に配置された棒材による柵によって閉じた面部分を形成している。柵43a,43bは、カゴ車51の正面56と背面57を覆う位置関係になる。特に、カゴ車51の開いた面部分である正面56を覆うことになる柵43a又は柵43bは、カゴ車51がコンベアにより搬送され又はスタッカクレーン23で吊りあげられるときに生じる可能性がある開放された正面56からの荷崩れを防止することになる。その結果、カゴ車51に積まれた荷の荷崩れについては、カゴ車51とパレット41とにより確実な防止が実現される。また、柵43aと柵43bのいずれか一方でもカゴ車51の開放している正面51を覆うことは可能にできるが、柵43aと柵43bの両方を設けることにより、カゴ車51の開放している正面51が柵43aに対向するのか又は柵43bに対向するのかというカゴ車51の乗降時における向きの考慮を不要にしてカゴ車51の乗降を簡便にできている。
【0041】
なお、カゴ車51は、背面57も積み荷が荷崩れにより通過することを阻止するように柵による閉じた面部分としたが、開放された面部分であってもよい。開放された面部分であっても、パレット41については、閉じた面部分の場合と同じ効果を得ることができる。
【0042】
また、カゴ車51の閉じた面部分とパレット41の閉じた面部分については、いずれも格子状の柵としたが、これに限られず、例えば板で完全に覆う形状であってもよい。
【0043】
さらに、ガイド部7a,7bの段差9a,9bは、外側を高くしているが、ガイド機能を果たして脱輪防止を図ることからすれば、外側を低くしてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1,41・・・パレット、3・・・パレット本体、5・・・上面、6・・・載置面、7a,7b・・・ガイド部、9a,9b・・・段差、11,13・・・ストッパー部、15・・・一方端、17・・・他方端、19・・・フォーク差込口、51・・・カゴ車、21・・・自動倉庫、24・・・収容スペース、37・・・受止機構、39・・・押出機構、43a,43b・・・柵

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷が積まれたカゴ車を移送できるパレットであって、
前記カゴ車を載置できるパレット本体と、
前記カゴ車を乗せるときに若しくは降ろすときに又は載置状態でその車輪が脱輪することを防止するとともに前記カゴ車が乗降する方向を一つの方向に規定するために前記車輪の幅に対応する幅で前記パレット本体の上面に形成された前記一つの方向に延びた一対の段差を用いたガイド部と、
前記パレット本体に対して前記一つの方向における一方端側において着脱自在な第1のストッパー部と、
前記パレット本体に対して前記一つの方向における他方端側において着脱自在な第2のストッパー部とを備えた、パレット。
【請求項2】
前記パレット本体の上面から上に向かって形成されたパレット側の閉じた面部分を備え、
前記カゴ車には、
前記車輪が設けられた底板の上面から上に向かって前記積まれた荷の通過を阻止するカゴ車側の閉じた面部分と、
開放状態であるカゴ車側の開いた面部分とが形成されており、
前記カゴ車側の閉じた面部分は、少なくとも、前記カゴ車が乗降する方向に垂直に一対形成された部分を含み、
前記パレット側の閉じた面部分は、
前記ガイド部において、前記車輪が通過する領域の外側に設けられて、前記載置状態における前記カゴ車側の開いた面部分を少なくとも覆う位置に形成され、
前記載置状態において、前記カゴ車側の閉じた面部分と前記パレット側の閉じた面部分により、前記荷の通過を阻止する、請求項1記載のパレット。
【請求項3】
前記カゴ車側の閉じた面部分は、少なくとも、前記底板において、前記カゴ車が乗降する方向の一方端側と他方端側のそれぞれに形成され、
前記パレット側の閉じた面部分は、前記ガイド部の一対の段差のそれぞれに対応して、前記車輪が通過する領域の外側に一対設けられて、前記カゴ車が乗降する空間を閉じないものである、請求項2記載のパレット。
【請求項4】
前記パレット本体に形成されたフォークリフトのフォークを差し込むことができる差込口を備えた、請求項1から3のいずれかに記載のパレット。
【請求項5】
荷が積まれたカゴ車を請求項1から4のいずれかに記載のパレットに載置するために用いられる補助装置であって、
前記カゴ車を前記パレットに乗せて載置状態とするときに荷重が生じている前記カゴ車を受ける受止機構を備えた、補助装置。
【請求項6】
荷が積まれたカゴ車を請求項1から4のいずれかに記載のパレットに載置するために用いられる補助装置であって、
載置状態の前記カゴ車を前記パレットから降ろすときに荷重が生じている前記カゴ車を動かし始めるために押し出す押出機構を備えた、補助装置。
【請求項7】
荷を収納する収納スペースを備えた倉庫であって、
請求項1から4のいずれかに記載のパレットを備え、
荷が積まれたカゴ車を前記パレットに載置して前記パレットとともに前記収納スペースに保管できる、倉庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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