説明

パレット整列機

【課題】複数のパレットを積み重ねた状態で簡単に整列できるパレット整列機とする。
【解決手段】基台10に設けた一方の側面部30と可動体40を連動機構70で連動して移動すると共に、付勢機構80で可動体40を前方位置、一方の側面部30を外側位置に移動して保持し、前記一方の側面部30と他方の側面部40との間に積み重ねた複数のパレットを挿入して設け、前記可動体60を押して後方位置とすることで一方の側面部30が内側位置に移動し、この一方の側面部30と他方の側面部40でパレットを挟持して整列できるパレット整列機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォークリフトトラックにより荷物を運搬する際に用いるパレットを、複数積み重ねた状態で整列するパレット整列機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フォークリフトトラックとしては種々のものが知られている。
例えば、特許文献1に開示したように、車体の前部にマストを取り付け、このマストに沿ってリフトブラケットを上下動自在に設け、そのリフトブラケットにフォーク爪を取り付けたフォークリフトトラックが知られている。
前述したフォークリフトトラックにより荷物を運搬するには、パレットの上に荷物を載せ、そのパレットの穴にフォーク爪を差し込み、そのフォーク爪を上昇してパレットとともに荷物を持ち上げて走行することで運搬している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−226194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者等の製造工場では、生産された製品を効率良く運搬するために、図4に示すように、生産ライン1の下流側にビットと呼ばれる凹部2を設け、この凹部2内にパレット支持台3を上下動自在に設け、このパレット支持台3に複数のパレット4を積み重ねて載せてパレット収納部5としている。
このようにすれば、生産ライン1に沿って移動された製品6を人の手でパレット4に載せ、図示しないフォークリフトトラックのフォーク爪をパレット4に差し込んで持ち上げることで運搬することができる。
この後に、パレット支持台3を上昇して次のパレット4を生産ライン1の上面と略同一高さとし、次の製品6を載せて前述のように運搬することができるので、生産ライン1の下流側にパレット4を1つずつ置く必要がないと共に、生産ライン1の製品6をパレット4に載せる作業がやり易いから、製品を効率良く運搬できる。
【0005】
前記パレット4は図5に示すように上下の板材7,7をスペーサ8を介して連結し、その上下の横板7,7間にフォーク爪9が差し込まれる空間(穴)4aを有している。
このパレット4は軽量化、コストなどから木材で作製するのが一般的である。
【0006】
前述したパレット収納部5にパレット4を収納するためには、パレット支持台3を上昇して穴2から突出した上方位置とし、このパレット支持台3に、積み重ねた複数のパレット4をフォークリフトトラックを用いて載せ、前記パレット支持台3を下降してパレット4を穴2内に収納しているが、穴2とパレット4との間の隙間が小さく、パレット4が整列して積み重ねられていないと、前述のようにパレット支持台3を下降したときにパレット4が穴2と干渉してしまうので、パレット4を穴2内に収納できないことがある。
【0007】
このために、本発明者等の製造工場においては、運搬作業終了したパレットを、上面が開口した箱の内部に上から落とし入れたり、前面が開口している箱の中に前から押し込んだりして、複数のパレットを整列して積み重ね、その整列して積み重ねたパレットを前述のパレット支持台3に載せるようにしている。
【0008】
しかし、上面が開口した箱の内部に、パレットを上から落とし入れる方法では、落とし入れる際の衝撃でパレットが損傷することがある。
また、前面が開口している箱の中に、パレットを前から押し込む方法では、整列するために左右に設けられた壁に、パレットをぶつけながら、強引にパレットを積み重ねることが行われており、パレットが損傷することがある。
また、前述のようなパレットの損傷をなるべく防ぐように、作業者が注意深く慎重に作業を進めることも考えられるが、その場合には作業時間が長くなってしまうため、実際には、そのようなことはあまり行われていないし、慎重に作業をするにも限度がある。
【0009】
本発明の目的は、積み重ねた状態の複数のパレットを、簡単に整列できるようにしたパレット整列機とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、基台10と、後面部20と、左右一方の側面部30と、左右他方の側面部40で、少なくとも前面が開放した箱状の本体50と、
前記基台10の前部に、前方位置と後方位置とに亘って前後方向に移動自在に設けた可動体60を備え、
前記両方の側面部30,40の少なくとも片方は、外側位置と内側位置とに亘って左右方向に移動自在で、
前記可動体60と移動する側面部は、連動機構70により、可動体60が前方の位置のときには側面部が外側位置となる第1の状態、可動体が後方位置のときには側面部が内側位置となる第2の状態となるように連動して移動するようにし、
前記側面部と可動体60の少なくとも一方を移動して前述の第1の状態に保持する付勢機構80を設け、前記一方の側面部30と他方の側面部40の左右方向の間隔を、挿入するパレットの幅よりも大きく保持したことを特徴とするパレット整列機である。
【0011】
本発明のパレット整列機は、前記可動体60は、前記一方の側面部30と他方の側面部40との間にパレットを挿入するフォークリフトトラックの一部分が接し、そのフォークリフトトラックによって後方位置に向けて移動されるようにしたパレット整列機とすることができる。
【0012】
このようにすれば、フォークリフトトラックのフォーク爪で複数のパレットを積み重ねた状態で支持し、その状態でフォークリフトラックを前進走行してフォーク爪とともにパレットを両方の側面部30,40間に挿入することで、フォークリフトトラックによって可動体60が後方位置に向けて移動され、側面部が内側位置に向けて移動してパレットを整列することができる。
パレットが整列した後に、フォークリフトトラックを後進走行してフォーク爪とともにパレットを両方の側面部30,40間から抜き出すことができる。
したがって、フォーク爪上にパレットを支持したままの状態で、そのパレットを整列することができる。
【0013】
本発明のパレット整列機は、前記基台10は、左右方向に向かう側面部用ガイドレール14と、前後方向に向かう可動体用ガイドレール16を備え、
前記移動する側面部は、前記側面部用ガイドレール14に沿ってスライド自在に支承されるガイド32を備え、
前記可動体60は、前記可動体用ガイドレール16に沿ってスライド自在に支承されるガイド62を備えているパレット整列機とすることができる。
【0014】
このようにすれば、側面部をスムーズに外側位置と内側位置とに亘って移動できると共に、可動体60をスムーズに前方位置と後方位置とに亘って移動でいる。
【0015】
本発明のパレット整列機は、前記基台10の前端寄りと後端寄りに付勢機構80をそれぞれ設け、この付勢機構80で一方の側面部30を外側位置に移動して保持し、
前記一方の側面部30の前後中間部と可動体60とに亘って連動機構70を取り付け、可動体60を前方位置に移動して保持したパレット整列機とすることができる。
【0016】
このようにすれば、一方の側面部30を安定して外側位置と内側位置とに亘ってスムーズに移動することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、両方の側面部30,40間に複数のパレットを積み重ねた状態で設け、可動体60を後方位置に向けて移動することで側面部を内側位置に向けて移動してパレットを整列できるので、積み重ねた状態のパレットを簡単に整列することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態を示すパレット整列機の平面図である。
【図2】本発明の実施の形態を示すパレット整列機の正面図である。
【図3】本発明の実施の形態を示すパレット整列機の左側面図である。
【図4】パレット収納部の説明図である。
【図5】パレットの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のパレット整列機の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。
基台10と、この基台10の後部に設けた後面部20と、前記基台10の左右一側部に設けた一方の側面部30と、前記基台10の左右他側部に設けた他方の側面部40で前面と上面を開放した略箱状の本体50及び、前記基台10の前部に設けた可動体60でパレット整列機としてある。前記本体50は上面が閉塞されていても良い。
前記基台10は平面形状が略四角形状である。
前記後面部20は、基台10の後部に立設して固定してある。
前記一方の側面部30は、基台10の左右一側部に左右方向に移動可能に設けてあり、この一方の側面部30と他方の側面部40の間隔を大きくしたり、小さくできるようにしてある。
前記他方の側面部40は、基台10の左右他側部に立設して固定してある。
【0020】
前記可動体60は基台10に前後方向に移動自在に設けてある。
前記一方の側面部30と前記可動体60は、連動機構70で、その可動体60が前方位置のときには一方の側面部30が外側位置となる第1の状態と、前記可動体60が後方位置のときには一方の側面部30が内側位置となる第2の状態となるように連動して移動するようにしてある。
【0021】
前記一方の側面部30と可動体60の少なくとも一方は、付勢機構80で可動体60が前方位置で、一方の側面部30が外側位置となる前述の第1の状態に移動して保持し、一方の側面部30と他方の側面部40の左右方向の間隔H1をパレットの幅よりも大きな値となるように保持している。
例えば、一方の側面部30を付勢機構80で外側位置に移動して保持し、可動体60を前方位置に移動して保持している。
【0022】
前述の説明で、可動体60の前方位置とは、後面部20と可動体60との前後方向の間隔が大きい位置で、可動体60の後方位置とは、後面部20と可動体60との前後方向の間隔が小さい位置である。
例えば、可動体60を基台10の前端面10aよりも前方に張り出して取り付け、その可動体60が基台10の前端面10aに接近した位置を後方位置、離れた位置を前方位置とする。
前記一方の側面部30の外側位置とは、他方の側面部40と一方の側面部30との左右方向の間隔が大きい位置で、一方の側面部30の内側位置とは、他方の側面部40と一方の側面部30との左右方向の間隔が小さい位置である。
例えば、一方の側面部30を基台10の左右一端面10bよりも側方に張り出して取り付け、その左右一端面10bに接近した位置を内側位置、離れた位置を外側位置とする。
【0023】
このようであるから、一方の側面部30と他方の側面部40との左右方向の間隔がパレットの幅よりも大きいので、その一方の側面部30と他方の側面部40との間にパレットを、両方の側面部30,40と干渉しないように容易に挿入できる。
例えば、複数のパレットを積み重ねた状態で、フォークリフトトラックのフォーク爪を最下部のパレットに差し込み、そのフォーク爪を持ち上げてフォーク爪とともにパレットを一方の側面部30と他方の側面部40との間に挿入する際に、その両方の側面部30,40とパレットとの間のクリアランス(隙間)を大きくして、両方の側面部30,40とパレットが干渉ないように容易に挿入できる。
【0024】
前述のように両方の側面部30,40間に、複数のパレットを積み重ねた状態で挿入した状態で、可動体60に後方に向かう力(後面部20に向かう力)F1を加え、可動体60を図1の矢印aで示すように後方位置に向けて移動することで、一方の側面部30が矢印bで示すように内側位置に向けて移動し、この一方の側面部30でパレットを他方の側面部40に押しつけるから、積み重ねた状態の複数のパレットを整列することができる。
【0025】
前記可動体60に後方に向かう力F1を加えなくすると、前記付勢機構80で可動体60が矢印cで示すように前方位置に移動すると共に、一方の側面部30が矢印dで示すように外側位置に移動するので、一方の側面部30がパレットと離隔する。
したがって、両方の側面部30,40間からパレットを容易に引き出しできる。
【0026】
前記可動体60に後方に向かう力F1を加えるのは、人力でも良いが、フォークリフトトラックの一部を可動体60に接し、そのフォークリフトトラックを前進走行することによって加えることが好ましい。
例えば、図3に仮想線で示すように、フォークリフトトラックのマスト90を可動体60の前面60aに当接し、フォークリフトトラックを前進走行することで可動体60を後方に向けて押すことで後方に向かう力F1を加えることができる。
【0027】
このようにすれば、フォークリフトトラックのフォーク爪9で複数のパレット4を積み重ねた状態で支持し、そのまま走行してパレット4を両方の側面部30,40間に挿入することで、マスト90が可動体60を押して後方に向かう力F1を加え、一方の側面部30が内側位置に向けて移動してパレット4を整列できる。
【0028】
しかも、前述のようにしてパレット4を整列する際には、パレット4の後端面4bがフォーク爪9の縦部9aに接し、そのパレット4の前端面を後面部20に押しつけできるから、より正しくパレット4を整列できる。
【0029】
前述のようにしてパレット4を整列したら、フォークリフトトラックを後進走行してフォーク爪9を可動体60と離隔する方向に移動し、前述の付勢機構80で可動体60を前方位置に向けて移動することで、一方の側面部30を外側位置に向けて移動し、一方の側面部30をパレットと離隔する。
これによって、整列したパレットを両方の側面部30,40間からスムーズに抜き出すことができる。
【0030】
前述の説明において、パレット整列後にフォークリフトトラックを後進走行してフォーク爪9を後方に移動する際に、整列した状態では両方の側面部30,40でパレットが挟持されているから、フォーク爪9とともにパレットが後方に移動しないことがあるが、フォーク爪9は前述した図 に示すように、パレット4の穴4aに挿入してあり、その穴4aに沿って移動可能であるので、パレット4は動かずにフォーク爪9のみが後方に移動する。
また、パレットを整列するときにも、前述した図5に示すように、パレット4はフォーク爪9に対して左右に移動できるので、フォーク爪9を左右に移動させることなくパレット4を整列できる。
【0031】
前述したように、複数のパレットを積み重ねた状態でフォーク爪を支持し、フォークリフトトラックを走行してフォーク爪とともにパレットを両方の側面部30,40間に挿入、抜き出すことでパレットを整列でき、フォーク爪にパレットを支持したままで整列できるので、そのパレットの整列を短時間に効率良く実施できる。
しかも、前述したようにして整列したパレットを、そのままの状態でフォークリフトトラックを走行して図4に示すパレット収納部5のパレット支持台3上に載せることができ、パレット支持台3上に整列したパレットを載せる作業を効率良く実施できる。
【0032】
前述したフォークリフトトラックによって可動体60を押す動作は、前述に限ることはなく、基台10上に積み重ねたパレットを載置し、その後にフォーク爪を利用して可動体60を押すことで、可動体60を後方に移動しても良い。
【0033】
次に、各部を詳細に説明する。
前記基台10は、左右方向に向かう前後の下横材11,11と、この前後の下横材11,11の左右両端寄り上面間に亘って取り付けた前後方向に向かう左右の連結横材12,12と、この左右の連結横材12,12の前後両端寄り上面間に亘って取り付けた左右方向に向かう前後の上横材13,13を備えている。
前記左右の連結横材12,12の上面間に亘って左右方向に向かう前後一対の側面部用ガイドレール14が取り付けてあると共に、中間上横材15が取り付けてある。
前記前後の下横材11,11の上面間に亘って前後方向に向かう左右一対の可動体用ガイドレール16,16が取り付けてある。この可動体用ガイドレール16は前記側面部用ガイドレール14よりも下方に位置していると共に、この可動体用ガイドレール16の上面に、前記上横材13、可動体用ガイドレール14、中間上横材15が接している。
【0034】
このように、基台10は複数の横材と側面部用ガイドレール14、可動体用ガイドレール16を井桁状に連結してある。
前記上横材13、側面部用ガイドレール14、中間上横材15は、その各上面が面一となっていると共に、前後方向に離隔している。
【0035】
前記後面部20は、左右一対の上下方向に向かう縦材21,21と、この左右一対の縦材21,21間に連結した横材22を備え、その縦材21の前面21aが平坦面で、パレットの前端面が接する。
前記一方の側面部30は、上下方向、前後方向に向かう板状体31を備え、この板状体31の内側面31aは平坦面で、パレットの左右一端面が接するようにしてある。前記板状体31の前端部分31bは外側に向けて折曲してパレットを挿入し易くしてある。
前記板状体31の下部には左右方向に向かう前後一対のガイド32がそれぞれ取り付けてある。
この各ガイド32が前記各側面部用ガイドレール14内に左右方向にスライド可能に挿入して支持され、一方の側面部30はスムーズに左右方向に移動する。
【0036】
前記他方の側面部40は、上下方向、前後方向に向かう板状体41を備え、この板状体41の内側面41aは平坦面で、パレットの左右他側面が接するようにしてある。前記板状体41の前端部分41bは外側に向けて折曲してパレットを挿入し易くしてある。
【0037】
この実施に形態では、一方の側面部30、他方の側面部40は厚さを有する板状として図示してあるが、薄いプレートの背面に縦・横補強材を固着した形状としても良い。
【0038】
前記可動体60は、左右方向に向かう横向体61と、この横向体61の左右両端寄り後面に取り付けた左右一対の前後方向に向かうガイド62と、横向体61の左右中間後面に取り付けた前後方向に向かう横材63を備えている。
前記各ガイド62が前記各可動体用ガイドレール16内にスライド可能に挿入して支持され、可動体60は前後方向にスムーズに移動する。
前記横材63は、前記基台10の下横材11の上面と上横材13、側面部用ガイドレール14、中間横材15の下面との間に前後方向に移動自在に設けてある。
前記横向体61は、金属材の横向体64の前面に緩衝材65を取り付けてある。
【0039】
前記連結機構70は、第1の索条71と第2の索条72を備え、その第1の索条71の長手方向両端部を一方の側面部30の下部にそれぞれ固定し、第1の索条71を一方の側面部30に前後方向に向けて取り付け、前記第2の索条72の一端部72aを前記基台10、例えば中間上横材15に取り付けた滑車73を経て前記可動体60の横材63に連結し、その他端部72bを前記第1の索条71の前後方向中間部に連結してある。
【0040】
このようであるから、図1の状態から可動体60が後方(矢印a方向)に向けて移動すると、横材63とともに第2の索条72の一端部72aが後方に移動して第2の索条72の他端部72bが滑車73を経て左右他方に移動し、第1の索条71を介して一方の側面部30を内側位置に向けて移動し、可動体60が後方位置で一方の側面部30が内側位置となる。
【0041】
前述のように可動体60が後方位置で、一方の側面部30が内側位置の状態から、その一方の側面部30が外側位置に向けて移動するときには、第1の索条71とともに第2の索条72の他端部72bが左右一方に移動し、第2の索条72の一端部72aが前方に向けて移動し、可動体60を前方に向けて移動し、一方の側面部30が外側位置となると可動体60が前方位置となる。
【0042】
この実施の形態では、一方の側面部30の下部に前後一対の支持片74,74を取り付け、この一対の支持片74,74に第1の索条71の長手方向両端部を連結してある。
前記第2の索条72の他端部72bに滑車75を取り付け、この滑車75を第1の索条71に接し、可動体60が後方位置に向けて移動するときには滑車75を介して第1の索条71を引張り、一方の側面部30が左右一方に移動するときには滑車75を介して第2の索条72を左右一方に引張るようにしてある。
【0043】
前記付勢機構80は、基台10に左右方向に向けて取り付けたスプリング81と、このスプリング81に連結した索条82を備え、その索条82を基台10に取り付けた滑車83を経て一方の側面部30に連結し、前記スプリング81の張力で一方の側面部30を外側位置に保持している。
【0044】
前記スプリング81は基台10の上横材13と側面部用ガイドレール14との間に取り付け、索条82を左右他方に向けて引張るようにしてある。
前記基台10の下横材11に支持フレーム84を左右一方に向けて取り付け、この支持フレーム84は一方の側面部30よりも左右一方寄りに張り出し、その張り出した部分に滑車83を取り付ける。
前記索条82は滑車83を経て左右他方に向きを変え、一方の側面部30に連結され、一方の側面部30を外側位置に移動して保持する。
【0045】
図1に示すように、基体10の前後方向中間部に連結機構70が取り付けてあり、基体10の前部寄りと後部寄りに付勢機構80がそれぞれ取り付けてあるので、一方の側面部30を安定した状態で左右方向にスムーズに移動することができる。
【0046】
前述の実施の形態では、一方の側面部30を付勢機構80で外側位置に移動して保持したが、可動体60を前方位置に移動して保持するようにしても良い。
この場合には、連結機構70の第1の索条71を可動体60に取り付け、第2の索条72を一方の側面部30に取り付ける。
また、一方の側面部30と可動体60を付勢機構80でそれぞれ外側位置、前方位置に移動して保持しても良い。
【0047】
前述の連結機構70は前述の構成に限ることはなく、リンク機構、リンク機構と索条を組み合わせたものなどでも良い。
前述の付勢機構80は前述の構成に限ることはなく、スプリングで直接に移動するようにしたり、エアシリンダを用いたりすることができる。
【0048】
前述の実施の形態では一方の側面部30を移動し、他方の側面部40を固定したが、他方の側面部40を移動し、一方の側面部30を固定しても良いし、両方の側面部30,40を移動するようにしても良い。
すなわち、少なくとも片方の側面部を外側位置と内側位置とに亘って移動自在とすれば良い。
【符号の説明】
【0049】
4…パレット、9…フォーク爪、10…基台、14…側面部用ガイドレール、16…可動体用ガイドレール、20…後面部、30…一方の側面部、32…ガイド、40…他方の側面図、50…本体、60…可動体、62…ガイド、63…横材、70…連動機構、80…付勢機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台10と、後面部20と、左右一方の側面部30と、左右他方の側面部40で、少なくとも前面が開放した箱状の本体50と、
前記基台10の前部に、前方位置と後方位置とに亘って前後方向に移動自在に設けた可動体60を備え、
前記両方の側面部30,40の少なくとも片方は、外側位置と内側位置とに亘って左右方向に移動自在で、
前記可動体60と移動する側面部は、連動機構70により、可動体60が前方の位置のときには側面部が外側位置となる第1の状態、可動体が後方位置のときには側面部が内側位置となる第2の状態となるように連動して移動するようにし、
前記側面部と可動体60の少なくとも一方を移動して前述の第1の状態に保持する付勢機構80を設け、前記一方の側面部30と他方の側面部40の左右方向の間隔を、挿入するパレットの幅よりも大きく保持したことを特徴とするパレット整列機。
【請求項2】
前記可動体60は、前記一方の側面部30と他方の側面部40との間にパレットを挿入するフォークリフトトラックの一部分が接し、そのフォークリフトトラックによって後方位置に向けて移動されるようにした請求項1記載のパレット整列機。
【請求項3】
前記基台10は、左右方向に向かう側面部用ガイドレール14と、前後方向に向かう可動体用ガイドレール16を備え、
前記移動する側面部は、前記側面部用ガイドレール14に沿ってスライド自在に支承されるガイド32を備え、
前記可動体60は、前記可動体用ガイドレール16に沿ってスライド自在に支承されるガイド62を備えている請求項1又は2記載のパレット整列機。
【請求項4】
前記基台10の前端寄りと後端寄りに付勢機構80をそれぞれ設け、この付勢機構80で一方の側面部30を外側位置に移動して保持し、
前記一方の側面部30の前後中間部と可動体60とに亘って連動機構70を取り付け、可動体60を前方位置に移動して保持した請求項3記載のパレット整列機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−219233(P2011−219233A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91270(P2010−91270)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(000237374)富士工業株式会社 (112)